JP3606966B2 - 吸水性樹脂およびその製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸水性樹脂およびその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、無加圧下および高加圧下の吸収能力に優れ、かつ、耐尿性に優れ、特に衛生材料に好適な吸水性樹脂およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、吸水性樹脂は、紙オムツや生理用品等の衛生材料としての利用のみならず、体液吸収材等の医療分野、シーリング材(止水材)や結露防止材等の土木・建築分野、鮮度保持材等の食品分野、溶剤から水を除去する脱水剤等の工業分野、緑化等の農業・園芸分野等、非常に多種多様な分野に利用されている。そして、これらの用途に応じた吸水性樹脂が種々提案されている。
【0003】
しかしながら、一般的な吸水性樹脂は、無加圧下での吸収倍率は高いが、加圧下での吸収倍率に劣る。そのため、近年ニーズが高まってきている大人用の紙オムツのように、使用時に高荷重がかかる吸水性物品に用いた場合には、充分な吸収性能を発揮することができない。そこで、無加圧下での吸収倍率を高く維持したまま、加圧下での吸収特性、特に高加圧下での吸収倍率に優れた樹脂が求められている。
【0004】
また、一般の吸水性樹脂は、純水や生理食塩水に対しては、長時間にわたって安定的に高い吸収倍率を示すが、尿に対しては、尿を吸収して膨潤した後のゲルが経時的に劣化し、崩壊してしまうという特異な現象を引き起こすことが知られている。従って、紙オムツ等の吸水性物品に用いる場合には、無加圧下および高加圧下において優れた吸収倍率を維持しながら、尿を吸収した後の膨潤ゲルの耐久性を向上させることが強く求められている。
【0005】
吸水性樹脂の尿に対する耐久性(以下、耐尿性と称する)を向上させる方法としては、重合時の架橋剤の量を増やして、吸水性樹脂の架橋密度を高くすることが考えられる。しかしながら、上記方法では、製造コストが高くなるだけではなく、得られる吸水性樹脂の無加圧下での吸収倍率が大幅に低下する。
【0006】
吸水性樹脂の耐尿性を向上させる他の方法としては、吸水性樹脂に特定の添加剤を加える方法が提案されている。上記添加剤としては、例えば、含酸素系還元性無機塩(特開昭63−118375号公報、米国特許 4863989号公報、米国特許 4972019号公報)、酸化防止剤(特開昭63−127754号公報)、酸化剤(特開昭63−153060号公報)、硫黄含有還元剤(特開昭63−272349号公報)等が用いられている。しかしながら、何れの添加剤を用いた場合も、その耐尿性向上の効果や簡便性が不充分である。しかも、得られる吸水性樹脂は、無加圧下や高加圧下における吸収倍率が低下する。
【0007】
また、吸水性樹脂の耐尿性を向上させるさらに他の方法としては、特定の化合物を添加して重合を行う方法が提案されている。上記方法としては、例えば、特定量の連鎖移動剤と特定量の架橋剤の存在下で重合を行う方法(特開平2−255804号公報、特開平3−179008号公報、欧州特許 0372981号公報)、次亜燐酸化合物の存在下で重合を行う方法(特開平2−300210号公報)、水溶性燐酸系化合物の存在下で重合を行う方法(特開平 5−97929号公報)等が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの方法は、吸水性樹脂の耐尿性を向上させることはできるものの、高加圧下での吸収倍率が高い吸水性樹脂が得ることができないという問題点を有している。
【0009】
従って、上記従来の吸水性樹脂は、無加圧下での吸収倍率、高加圧下での吸収倍率、および耐尿性の少なくとも何れか一つの性能が劣っており、全てを満足させる性能を備えることができないという問題点を有している。
【0010】
このため、無加圧下での吸収性能、高加圧下での吸収性能、および耐尿性の全てに優れた吸水性樹脂、および、その製造方法が嘱望されている。即ち、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、無加圧下での吸収性能および高加圧下での吸収性能の両方に優れ、しかも耐尿性に優れた吸水性樹脂およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、上記目的を達成すべく、吸水性樹脂およびその製造方法について鋭意検討した結果、アクリル酸および/またはそのアルカリ金属塩を主成分とする親水性不飽和単量体を、内部架橋剤、および、亜燐酸および/またはその塩の存在下で水溶液重合させて吸水性樹脂前駆体を得た後、該吸水性樹脂前駆体が有するカルボキシル基と反応可能な表面架橋剤を混合して加熱処理することにより、無加圧下および高加圧下での吸収性能が高く、かつ耐尿性に優れた吸水性樹脂が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、発明の吸水性樹脂の製造方法は、上記の課題を解決するために、アクリル酸および/またはそのアルカリ金属塩を主成分とする親水性不飽和単量体を、内部架橋剤の存在下で水溶液重合させて吸水性樹脂前駆体を得た後、該吸水性樹脂前駆体が有するカルボキシル基と反応可能な表面架橋剤を混合して加熱処理する吸水性樹脂の製造方法であって、上記親水性不飽和単量体を亜燐酸および/またはその塩の存在下で水溶液重合させることを特徴としている。
【0013】
請求項記載の発明の吸水性樹脂の製造方法は、上記の課題を解決するために、本発明の吸水性樹脂の製造方法において、上記内部架橋剤を、親水性不飽和単量体に対して0.02〜3モル%の範囲内で用いることを特徴としている。
【0014】
請求項記載の発明の吸水性樹脂の製造方法は、上記の課題を解決するために、本発明の吸水性樹脂の製造方法において、上記亜燐酸および/またはその塩を、親水性不飽和単量体に対して0.01〜5重量%の範囲内で用いることを特徴としている。
【0015】
請求項記載の発明の吸水性樹脂の製造方法は、上記の課題を解決するために、本発明の吸水性樹脂の製造方法において、過硫酸塩を用いて水溶液重合させることを特徴としている。
請求項6記載の発明の吸水性樹脂の製造方法は、上記の課題を解決するために、本発明の吸水性樹脂の製造方法において、得られる吸水性樹脂が、生理食塩水( 0.9 重量%塩化ナトリウム水溶液)中に 60 分浸漬した後、遠心分離機を用いて 250G 250 × 9.81 m/s )で3分間水切りを行ったときの無加圧下吸収倍率が 36g/g 以上、 50.0 g/cm 4.90 kPa )の荷重を加えて生理食塩水( 0.9 重量%塩化ナトリウム水溶液)を 60 分間にわたって吸水させたときの高加圧下吸収倍率が 24g/g 以上であり、かつ、尿素 95g 、塩化ナトリウム 40g 、硫酸マグネシウム 5g 、塩化カルシウム 5g 、イオン交換水 4855g 、およびL−アスコルビン酸 0.005 重量%(含有量)からなる人工尿を吸収させることにより 25 倍に膨潤した含水ゲルとし、この含水ゲルを温度 37 ℃、相対湿度 90 %の雰囲気下で 16 時間放置した後の含水ゲルの流動速度が1 mm/min 以下であることを特徴としている。
【0016】
上記方法によれば、無加圧下での吸収性能および高加圧下での吸収性能の両方に優れ、しかも耐尿性に優れた吸水性樹脂を製造することができる。
【0017】
また、本発明の吸水性樹脂は、上記の課題を解決するために、アクリル酸および/またはそのアルカリ金属塩を主成分とする親水性不飽和単量体を、内部架橋剤の存在下で水溶液重合させて吸水性樹脂前駆体を得た後、該吸水性樹脂前駆体が有するカルボキシル基と反応可能な表面架橋剤を混合して加熱処理して得られる吸水性樹脂であって、生理食塩水( 0.9 重量%塩化ナトリウム水溶液)中に 60 分浸漬した後、遠心分離機を用いて 250G 250 × 9.81 m/s )で3分間水切りを行ったときの無加圧下吸収倍率が 36g/g 以上、 50.0 g/cm 4.90 kPa )の荷重を加えて生理食塩水( 0.9 重量%塩化ナトリウム水溶液)を 60 分間にわたって吸水させたときの高加圧下吸収倍率が 24g/g 以上であり、かつ、尿素 95g 、塩化ナトリウム 40g 、硫酸マグネシウム 5g 、塩化カルシウム 5g 、イオン交換水 4855g 、およびL−アスコルビン酸 0.005 重量%(含有量)からなる人工尿を吸収させることにより 25 倍に膨潤した含水ゲルとし、この含水ゲルを温度 37 ℃、相対湿度 90 %の雰囲気下で 16 時間放置した後の含水ゲルの流動速度が1 mm/min 以下であることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、吸水性樹脂は、無加圧下での吸収性能および高加圧下での吸収性能の両方に優れ、しかも耐尿性に優れている。従って、上記吸水性樹脂は、乳幼児用紙オムツや生理用ナプキンに好適であるばかりでなく、近年ニーズが高まりつつある高荷重がかかる大人用オムツ等の衛生材料に好適に用いることができる。
【0019】
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明における無加圧下吸収倍率とは、吸水性樹脂に圧力を加えない条件で測定された生理食塩水の吸収倍率である。尚、無加圧下吸収倍率の測定方法については、後段の実施例にて詳述する。
【0020】
一方、本発明における高加圧下吸収倍率とは、吸水性樹脂に圧力、例えば50g/cmを加えた条件下で測定された吸水性樹脂の吸収倍率である。尚、高加圧下吸収倍率の測定方法については、後段の実施例にて詳述する。
【0021】
また、本発明における人工尿吸収後の流動速度とは、吸水性樹脂が尿を吸収した後の含水ゲルの液状化の度合いを評価するための物性値である。人工尿吸収後の流動速度は、所定量の人工尿を吸水性樹脂に吸収させて、所定倍率に膨潤させてなる含水ゲルを、所定条件下で、所定時間、例えば16時間放置した後の流動速度から算出される。尚、流動速度とは、含水ゲルを入れた容器を傾けたときに、単位時間内に含水ゲルが移動する距離である。また、人工尿とは、尿素、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、およびLーアスコルビン酸を、実際の尿と含有率がほぼ等しくなるように溶解させた水溶液である。この人工尿吸収後の流動速度により、吸水性樹脂の耐尿性を評価することができる。つまり、人工尿吸収後の流動速度が速い吸水性樹脂は、人工尿による劣化が大きく、耐尿性が低いことを示す。尚、人工尿吸収後の流動速度の測定方法については、後段の実施例にて詳述する。
【0022】
本発明にかかる吸水性樹脂は、或る特定の吸水性樹脂前駆体を合成し、この吸水性樹脂前駆体を特定の表面架橋剤の存在下に加熱処理する、という製造方法により得られる。上記吸水性樹脂前駆体は、親水性不飽和単量体を、内部架橋剤、および、亜燐酸および/またはその塩の存在下で水溶液重合させることにより得られる。
【0023】
上記親水性不飽和単量体(以下、モノマーと称する)は、アクリル酸および/またはそのアルカリ金属塩を主成分として含有してなっている。上記モノマー中におけるアクリル酸およびそのアルカリ金属塩の含有量は、吸水性樹脂の吸収特性をさらに向上させるために、70モル%以上であるのが好ましく、90モル%以上であるのがより好ましい。
【0024】
アクリル酸およびそのアルカリ金属塩の合計量に対するアクリル酸のアルカリ金属塩の割合は、吸水性樹脂の吸収特性をより一層向上させるためには、30モル%以上が好ましく、50モル%〜80モル%の範囲がより好ましい。
【0025】
上記モノマーは、必要に応じて、アクリル酸以外の不飽和単量体を含有していてもよい。上記アクリル酸以外の単量体としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸等のアニオン性不飽和単量体およびその塩;(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン等のノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、および、これらの四級塩等のカチオン性不飽和単量体等が挙げられる。これらアクリル酸以外の単量体を用いる場合は、モノマー全量に対して、30モル%以下で用いるのが好ましく、10モル%以下で用いることがより好ましい。
【0026】
モノマーの水溶液重合時に用いられる内部架橋剤は、複数の重合性不飽和基や、複数の反応性基を有する化合物である。上記内部架橋剤としては、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら内部架橋剤は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を混合して用いてもよい。上記例示の化合物のうち、複数の重合性不飽和基を有する化合物を内部架橋剤として用いることがより好ましい。
【0027】
上記内部架橋剤の使用量は、上記モノマーの合計量に対して0.02モル%〜3モル%の範囲内が好ましく、0.05モル%〜 1.5モル%の範囲内がより好ましい。内部架橋剤の使用量が0.02モル%未満である場合には、水に溶出する成分、即ちいわゆる水可溶分が多くなって、吸水後の膨潤ゲルのヌメリが強くなり、オムツ等に使用した場合に不快感を与えるだけでなく、耐尿性も低下するため、好ましくない。一方、内部架橋剤の使用量が3モル%よりも多い場合には、吸水性樹脂前駆体の無加圧下吸収倍率が著しく低下し、結果として吸水性樹脂の無加圧下吸収倍率および高加圧下吸収倍率が低下するので好ましくない。
【0028】
本発明においてモノマーの水溶液重合時に用いられる亜燐酸および/またはその塩(以下、亜燐酸(塩)と記す)は、水、またはモノマーの水溶液に溶解するものであれば、特に限定されない。上記亜燐酸(塩)としては、亜燐酸;亜燐酸二ナトリウム、亜燐酸二カリウム、亜燐酸アンモニウム等の亜燐酸の正塩;亜燐酸水素ナトリウム、亜燐酸水素カリウム、亜燐酸水素アンモニウム等の亜燐酸の酸性塩が挙げられる。上記例示のうち、亜燐酸二ナトリウム、亜燐酸二カリウム、亜燐酸水素ナトリウムが特に好ましい。これら亜燐酸(塩)は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を混合して用いてもよい。また、2種類以上を混合する際の混合比率も任意である。尚、カルシウム、バリウム等の2価以上の陽イオンの亜燐酸塩は、一般に水に難溶であるため、好ましくない。
【0029】
亜燐酸(塩)の使用量は、モノマーに対して0.01重量%〜5重量%の範囲内が好ましく、 0.1重量%〜2重量%の範囲内がより好ましい。亜燐酸(塩)の使用量が0.01重量%未満である場合には、得られる吸水性樹脂前駆体の無加圧下吸収倍率が低くなり、得られる吸水性樹脂の無加圧下吸収倍率および高加圧下吸収倍率も低くなるので、好ましくない。一方、亜燐酸(塩)の使用量が5重量%を超える場合には、得られる吸水性樹脂の水可溶分が著しく増加し、膨潤ゲルのヌメリが強くなって、オムツ等に使用した場合に不快感を与えるだけでなく、耐尿性や高加圧下吸収倍率も低下するため、好ましくない。
【0030】
本発明において、内部架橋剤および亜燐酸(塩)の存在下で、モノマーを重合して吸水性樹脂前駆体を得る際には、水溶液重合が用いられる。水溶液重合を行う方法としては、従来公知の方法を用いることができる。即ち、例えば、型枠の中で重合を行う注型重合法、ベルトコンベア上で重合を行う方法、攪拌翼を有するニーダ等の装置によって、生成する含水ゲル状重合体を細分化しながら重合を行う方法等が挙げられる。上記例示の方法のうち、攪拌翼を有する装置により細分化しながら重合を行う方法が、重合時に生じる熱を除去するのが容易であり、かつ均一に重合を進行させることができるので、特に好ましい。攪拌翼を有する装置としては、特に限定されないが、例えば、一軸の混練機、一軸の押出機、双腕型ニーダ、および三軸ニーダ等が挙げられる。これらのうちでも、双腕型ニーダを用いるのが、特に好ましい。
【0031】
水溶液重合時におけるモノマー、内部架橋剤、および、亜燐酸(塩)の混合方法は、特に限定されるものではない。例えば、内部架橋剤と亜燐酸(塩)とを直接混合した後、この混合液と、モノマーまたはその水溶液とを混合してもよい。または、内部架橋剤と亜燐酸(塩)の水溶液とを混合した後、この混合液と、モノマーまたはその水溶液とを混合してもよい。または、内部架橋剤と、亜燐酸(塩)と、モノマーまたはその水溶液の一部とを混合した後、この混合液と、モノマーまたはその水溶液の残りとを混合してもよい。または、内部架橋剤と、亜燐酸(塩)の水溶液と、モノマーまたはその水溶液の一部とを混合した後、この混合液と、モノマーまたはその水溶液の残りとを混合してもよい。
【0032】
モノマーを内部架橋剤および亜燐酸(塩)の存在下に水溶液重合させる際の、該水溶液におけるモノマーの濃度は、特に限定されないが、20重量%以上、飽和濃度となる重量%以下の範囲内が好ましい。
【0033】
また、上記水溶液重合における重合開始時には、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤、或いは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線等を用いることができる。これらの中でも、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩を用いるのが、特に好ましい。また、酸化性ラジカル重合開始剤を用いる場合には、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸等の還元剤を併用してレドックス重合を行っても良い。これら重合開始剤の使用量は、 0.001モル%〜2モル%の範囲内が好ましく、0.01モル%〜 0.5モル%の範囲内がより好ましい。
【0034】
尚、水溶液重合を行う際に、澱粉、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸塩架橋体等の親水性高分子を添加してもよい。また、水溶液重合時に繊維基材や無機物質を共存させて、吸水性複合体としてもよい。
【0035】
上記水溶液重合によって得られる含水ゲル状重合体は、そのまま吸水性樹脂前駆体として用いることもできるが、固形分の量が少ない場合には、さらに乾燥するのが好ましい。含水ゲル状重合体の乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、ドラムドライヤ乾燥、疎水性有機溶媒中での共沸脱水等の公知の乾燥方法を用いることができ、特に限定されるものではない。上記乾燥により、乾燥後の重合体、即ち吸水性樹脂前駆体の固形分を、60重量%以上にするのが好ましく、90重量%以上にするのがより好ましい。即ち、乾燥条件は、吸水性樹脂前駆体の固形分が上記範囲となるように設定すればよい。
【0036】
水溶液重合によって、あるいは水溶液重合後に乾燥して得られた吸水性樹脂前駆体は、さらに粉砕や造粒によって粒度を調節してもよい。吸水性樹脂前駆体の平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは10〜2000μm、より好ましくは 100〜1000μm、さらに好ましくは 300〜600 μmである。また、吸水性樹脂前駆体の粒度分布は、狭い方が好ましい。吸水性樹脂前駆体の粒度を、上記範囲に調節することにより、吸収性能をさらに向上させることができる。尚、吸水性樹脂前駆体は、球状、鱗片状、不定形破砕状、顆粒状等の種々の形状であってもよい。
【0037】
このようにして得られた吸水性樹脂前駆体は、ある程度の無加圧下吸収倍率、高加圧下吸収倍率、および耐尿性を有しているが、本発明における好ましい範囲を満たしていない。従って、無加圧下吸収倍率および高加圧下吸収倍率がともに高く、かつ耐尿性に優れた吸水性樹脂を得るためには、さらに表面架橋剤を用いることにより、該吸水性樹脂前駆体の表面近傍の架橋密度を内部よりも高くする必要がある。即ち、本発明にかかる吸水性樹脂は、前記した水溶液重合によって得られる吸水性樹脂前駆体を、該吸水性樹脂前駆体が有するカルボキシル基と反応可能な表面架橋剤と混合し、加熱処理することにより得られる。
【0038】
上記表面架橋剤は、複数のカルボキシル基と反応して架橋することができる化合物であればよい。上記表面架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の多価エポキシ化合物;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の多価アミン類;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート類、エチレンカーボネート(1,3−ジオキソラン−2−オン)、プロピレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン)、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられるが、これら化合物に限定されるものではない。上記例示の化合物のうち、多価アルコール類または多価エポキシ化合物が、得られる吸水性樹脂の吸収性能をより向上させることができるので、特に好ましい。これら表面架橋剤は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0039】
表面架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂前駆体の固形分 100重量部に対して、 0.001重量部〜5重量部の範囲内が好ましく、0.01重量部〜2重量部の範囲内がより好ましい。上記の表面架橋剤を用いることにより、吸水性樹脂前駆体、つまり、吸水性樹脂の表面近傍の架橋密度を内部よりも高くすることができる。表面架橋剤の使用量が5重量部を越える場合には、不経済となるばかりか、吸水性樹脂における最適な架橋構造を形成する上で、表面架橋剤の量が過剰となるため、好ましくない。また、表面架橋剤の使用量が 0.001重量部未満の場合には、吸水性樹脂における耐尿性や高加圧下吸収倍率等の性能を向上させる上で、その改良効果が得られ難いため、好ましくない。
【0040】
吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合する際には、溶媒として水を用いることが好ましい。水の使用量は、吸水性樹脂前駆体の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂前駆体の固形分 100重量部に対して、0を越え、20重量部以下が好ましく、 0.5重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。
【0041】
また、吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合する際には、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒を用いてもよい。上記の親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂前駆体の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂前駆体の固形分 100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、 0.1重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。
【0042】
そして、吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合する際には、例えば、上記の親水性有機溶媒中に吸水性樹脂前駆体を分散させた後、表面架橋剤を混合してもよいが、混合方法は、特に限定されるものではない。種々の混合方法のうち、必要に応じて水および/または親水性有機溶媒に溶解させた表面架橋剤を、吸水性樹脂前駆体に直接、噴霧若しくは滴下して混合する方法が好ましい。また、水を用いて混合する場合には、水に不溶な微粒子状の粉体や、界面活性剤等を共存させてもよい。
【0043】
吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合する際に用いられる混合装置は、両者を均一かつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダ、内部混合機、粉砕型ニーダ、回転式混合機、スクリュー型押出機等が好適である。
【0044】
吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合した後、加熱処理を行い、吸水性樹脂前駆体の表面近傍を架橋させる。上記加熱処理の処理温度は、用いる表面架橋剤にもよるが、 160℃以上、 250℃以下が好ましい。処理温度が 160℃未満の場合には、均一な架橋構造が形成されず、従って、高加圧下吸収倍率等の性能に優れた吸水性樹脂を得ることができないため、好ましくない。処理温度が 250℃を越える場合には、吸水性樹脂前駆体の劣化を引き起こし、吸水性樹脂の性能および耐尿性が低下するため、好ましくない。
【0045】
上記の加熱処理は、通常の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができる。上記の乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、デスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。
【0046】
以上の製造方法により得られる吸水性樹脂は、生理食塩水の無加圧下吸収倍率が 36g/g以上、生理食塩水の高加圧下吸収倍率が 24g/g以上、かつ、人工尿吸収後の流動速度が16時間経過時において1mm/min以下である吸水性樹脂である。従って、本発明の吸水性樹脂は、乳幼児用紙オムツや生理用ナプキンに好適であるばかりでなく、近年ニーズが高まりつつある使用時に高荷重がかかる大人用オムツ等の衛生材料に好適に用いることができる。
【0047】
本発明にかかる吸水性樹脂が、非常に優れた耐尿性と、無加圧下および高加圧下でともに高い吸収性能とを示す要因は定かではないが、以下の2つの要因の相乗効果によるものであると推測される。即ち、第一の要因としては、モノマーの重合を、内部架橋剤、および、亜燐酸(塩)の存在下で水溶液重合によって行うことにより、最適な架橋間分子量を有するネットワークが形成されることが考えられる。第二の要因としては、特定の表面架橋剤によってこの様な吸水性樹脂前駆体に表面処理を施すことによって、さらに吸水性樹脂の表面近傍に、架橋密度勾配を付与することができるということが考えられる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、吸水性樹脂の諸性能は、以下の方法で測定した。また、実施例および比較例に記載の「部」は、「重量部」を示している。
【0049】
(a)無加圧下吸収倍率
吸水性樹脂 0.2gを不織布製のティーバッグ式袋(60mm×60mm)に均一に入れ、0.9 重量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。60分後にティーバッグ式袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、ティーバッグ式袋の重量W (g) を測定した。また、同様の操作を吸水性樹脂を用いないで行い、そのときのティーバッグ式袋の重量W (g) を測定した。そして、これら重量W・Wから、次式、
無加圧下吸収倍率(g/g) =(W(g)−W(g))/吸水性樹脂重量(g) −1
に従って無加圧下吸収倍率 (g/g)を算出した。
【0050】
(b)高加圧下吸収倍率
先ず、高加圧下吸収倍率の測定に用いる測定装置について、図1を参照しながら、以下に簡単に説明する。
【0051】
図1に示すように、測定装置は、天秤1と、この天秤1上に載置された所定容量の容器2と、外気吸入パイプ3と、導管4と、ガラスフィルタ6と、このガラスフィルタ6上に載置された測定部5とからなっている。上記の容器2は、その頂部に開口部2aを、その側面部に開口部2bをそれぞれ有しており、開口部2aに外気吸入パイプ3が嵌入される一方、開口部2bに導管4が取り付けられている。また、容器2には、所定量の生理食塩水12が入っている。外気吸入パイプ3の下端部は、生理食塩水12中に没している。外気吸入パイプ3は、容器2内の圧力をほぼ大気圧に保つために設けられている。上記のガラスフィルタ6は、直径70mmに形成されている。そして、容器2およびガラスフィルタ6は、シリコーン樹脂からなる導管4によって互いに連通している。また、ガラスフィルタ6は、容器2に対する位置および高さが固定されている。
【0052】
そして、上記測定部5は、濾紙7と、内径60mmの支持円筒9と、この支持円筒9の底部に貼着された金網10と、重り11とを有している。そして、測定部5は、ガラスフィルタ6上に、濾紙7、支持円筒9(つまり、金網10)がこの順に載置されると共に、支持円筒9内部、即ち、金網10上に重り11が載置されてなっている。金網10は、ステンレスからなり、400 メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されている。また、金網10の上面、つまり、金網10と吸水性樹脂15との接触面の高さは、外気吸入パイプ3の下端面3aの高さと等しくなるように設定されている。そして、金網10上に、所定量の吸水性樹脂15が均一に撒布されるようになっている。重り11の重量は、1413 gであり、金網10、即ち、吸水性樹脂15に対して、50.0 g/cmの荷重を均一に加えることができるようになっている。
【0053】
上記構成の測定装置を用いて高加圧下吸収倍率を測定した。測定方法について以下に説明する。
【0054】
先ず、容器2に所定量の生理食塩水12を入れる、容器2に外気吸入パイプ3を嵌入する、等の所定の準備動作を行った。次に、ガラスフィルタ6上に濾紙7を載置した。また、この載置動作に並行して、支持円筒9内部、即ち、金網10上に、吸水性樹脂 0.9gを均一に撒布し、この吸水性樹脂15上に重り11を載置した。次いで、濾紙7上に、金網10、つまり、吸水性樹脂15および重り11を載置した上記支持円筒9を、その中心部がガラスフィルタ6の中心部に一致するようにして載置した。
【0055】
そして、濾紙7上に支持円筒9を載置した時点から、60分間にわたって経時的に該吸水性樹脂15が吸水した生理食塩水12の重量W(g)を、天秤1の測定値から求めた。また、同様の操作を吸水性樹脂15を用いないで行い、ブランク重量、つまり、吸水性樹脂15以外の、例えば濾紙7等が吸水した生理食塩水12の重量を、天秤1の測定値から換算して求め、ブランク値W(g)とした。そして、重量W(g)に、ブランク値W(g)の補正を行って、吸収開始から60分後に吸水性樹脂が実際に吸収した生理食塩水の重量W(g)=W(g)−W(g)を求めた。この重量W(g)と、吸水性樹脂の重量(0.9g)から、次式、
高加圧下吸収倍率(g/g) =重量W(g)/吸水性樹脂重量(g)
に従って、高加圧下吸収倍率(g/g) を算出した。
【0056】
(c)人工尿吸収後の流動速度
まず、人工尿を調製した。即ち、尿素95g 、塩化ナトリウム40g 、硫酸マグネシウム5g、塩化カルシウム5g、およびイオン交換水4855g を混合し、さらにL−アスコルビン酸を、含有量が 0.005重量%となるように添加して、人工尿とした。そして、吸水性樹脂2gを 120mlの蓋付きポリプロピレン製容器(内径54mm)に入れ、上記人工尿を加えて吸水性樹脂に吸収させた。これにより、吸水性樹脂が25倍に膨潤してなる含水ゲルを得た。この含水ゲルを、温度37℃、相対湿度90%の雰囲気下で放置した。そして、16時間後および20時間後において、容器を90°傾け、容器の下側の含水ゲルが1分間に移動した距離から、人工尿吸収後の流動速度(mm/min) を求めた。
【0057】
(d)耐尿性の試験
上述の人工尿吸収後の流動速度の測定と同様にして、人工尿を吸収した吸水性樹脂、即ち含水ゲルを放置して、16時間後および20時間後において、含水ゲルの状態を目視で観察した。含水ゲルが崩壊していない状態を○、含水ゲルが崩壊している状態を×として評価した。
【0058】
〔実施例1〕
本実施例では、アクリル酸およびそのアルカリ金属塩を主成分とするモノマーとして、中和率75モル%の部分中和アクリル酸ナトリウム、即ち、アクリル酸とアクリル酸ナトリウムを、モル比1:3 で含む混合物(以下、アクリルモノマーと称する)を用いた。上記部分中和アクリル酸ナトリウムの33重量%水溶液5367gに、内部架橋剤としてのポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)5.74g(アクリルモノマーに対して0.06モル%)と、亜燐酸(塩)としての亜燐酸水素ナトリウム・ 2.5水和物 10.6g(アクリルモノマーに対して 0.6重量%)とを溶解させて、反応液とした。
【0059】
次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を26℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液をニーダーのブレードで攪拌しながら、過硫酸塩としての過硫酸ナトリウムの20%水溶液12gおよびL−アスコルビン酸の1%水溶液10gを添加して重合を開始させた。そして、60分間重合を行った後、得られた細分化された含水ゲル状重合体を取り出した。
【0060】
この含水ゲル状重合体を金網上に広げ、 160℃の熱風で60分間乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに分級することにより、粒子径が75μm〜 850μmの白色の吸水性樹脂前駆体を得た。得られた吸水性樹脂前駆体の無加圧下の吸収倍率は、51g/g であった。
【0061】
この吸水性樹脂前駆体 100部に、表面架橋剤としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.05部およびグリセリン 0.5部と、水3部と、イソプロピルアルコール0.75部とからなる水性溶液を混合した。上記の混合物を 200℃で50分間加熱処理することにより、吸水性樹脂を得た。得られた吸水性樹脂の無加圧下吸収倍率、高加圧下吸収倍率、およびゲル流動速度(以下、諸性能と記す)を測定した。これらの値(以下、単に結果と記す)を表1に合わせて記載した。
【0062】
〔実施例2〕
実施例1における亜燐酸水素ナトリウム・ 2.5水和物10.6gに代えて、亜燐酸塩としての亜燐酸二ナトリウム・5水和物10.6g(アクリルモノマーに対して 0.6重量%)を使用する以外は、実施例1と同様の反応および操作を行い、吸水性樹脂前駆体を得た。吸水性樹脂前駆体の無加圧下吸収倍率は、48g/g であった。さらに、この吸水性樹脂前駆体を、加熱時間を50分間から45分間に変更した以外は、実施例1と全く同じ条件で加熱処理し、吸水性樹脂を得た。得られた吸水性樹脂の諸性能を測定した結果を表1に合わせて記載した。
【0063】
〔実施例3〕
実施例1における亜燐酸水素ナトリウム・ 2.5水和物10.6gに代えて、亜燐酸塩としての亜燐酸二カリウム8.86g(アクリルモノマーに対して 0.5重量%)を使用する以外は、実施例1と同様の反応および操作を行い、吸水性樹脂前駆体を得た。吸水性樹脂前駆体の無加圧下吸収倍率は、50g/g であった。さらに、この吸水性樹脂前駆体を、実施例1と全く同じ条件で加熱処理し、吸水性樹脂を得た。得られた吸水性樹脂の諸性能を測定した結果を表1に合わせて記載した。
【0064】
〔比較例1〕
実施例1におけるポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)の量を5.74gから2.87g(アクリルモノマーに対して0.03モル%)に変更し、かつ亜燐酸水素ナトリウム・ 2.5水和物を用いない以外は、実施例1と同様の反応および操作を行い、吸水性樹脂前駆体を得た。吸水性樹脂前駆体の無加圧下吸収倍率は、52g/g であった。さらに、この吸水性樹脂前駆体を、実施例1と全く同じ条件で加熱処理し、比較用吸水性樹脂を得た。得られた比較用吸水性樹脂の諸性能を測定した結果を表1に合わせて記載した。尚、「流動速度が測定範囲以上」とは、容器を傾けたときに直ちに含水ゲルが容器から流れ出し、流動速度が測定できなかったことを示す。
【0065】
〔比較例2〕
実施例1における亜燐酸水素ナトリウム・ 2.5水和物10.6gに代えて、次亜燐酸ナトリウム・1水和物0.89g(アクリルモノマーに対して0.05重量%)を使用した以外は、実施例1と同様の反応および操作を行い、吸水性樹脂前駆体を得た。吸水性樹脂前駆体の無加圧下吸収倍率は、52g/g であった。さらに、この吸水性樹脂前駆体を、加熱時間を50分間から65分間に変更した以外は、実施例1と全く同じ条件で加熱処理し、比較用吸水性樹脂を得た。得られた比較用吸水性樹脂の諸性能を測定した結果を表1に合わせて記載した。
【0066】
〔比較例3〕
窒素ガス導入管を取り付けたフラスコに、中和率70モル%の部分中和アクリル酸ナトリウムの45重量%水溶液121.4gを入れた。そして、該水溶液に、内部架橋剤としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミド 0.0315g(部分中和アクリル酸ナトリウムに対して 0.032モル%)と、亜燐酸(塩)としての亜燐酸二ナトリウム・5水和物0.598g(アクリルモノマーに対して1.09重量%)とを溶解させた。さらに、上記水溶液に、重合開始剤である35%過酸化水素水0.56gを添加し、反応液とした。そして、フラスコ内を窒素ガスで置換することにより、該反応液を脱気した。
【0067】
一方、攪拌機、還流冷却器、温度計、および窒素ガス導入管を取り付けた 500mlの四ツ口フラスコに、シクロヘキサン121g、および、ソルビタンモノステアレート0.9gを仕込み、分散液とした。系内を窒素ガスで置換した。そして、攪拌機を250rpmで回転させることによって分散液を攪拌しながら、前記の反応液を添加して分散させた。そして、反応液の温度を55〜70℃に保持して、逆相懸濁重合を行った。重合を開始して60分間後に重合を終了し、共沸脱水を行った。これにより、沈澱が生成した。該沈澱をろ別することにより、吸水性樹脂前駆体を得た。
【0068】
得られた吸水性樹脂前駆体 100部に、シクロヘキサン80部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.2部、およびジ−n−ブチル錫ジラウリレート 0.5部を混合した。上記の混合物を60℃で30分間加熱処理し、さらに、 100℃で30分間加熱処理した後、減圧乾燥することにより、比較用吸水性樹脂を得た。得られた比較用吸水性樹脂の諸性能を測定した。結果を表1に合わせて記載した。
【0069】
【表1】
Figure 0003606966
【0070】
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例3の結果から明らかなように、本実施例にかかる吸水性樹脂は、比較用の吸水性樹脂と比較して、無加圧下での吸収性能および高加圧下での吸収性能の両方に優れ、しかも耐尿性に優れていることがわかった。
【0071】
【発明の効果】
上記構成によれば、吸水性樹脂は、生理食塩水の無加圧下吸収倍率が 36g/g以上、高加圧下吸収倍率が 24g/g以上であり、かつ、人工尿吸収後の流動速度が16時間経過時において1mm/min以下である。従って、吸水性樹脂は、無加圧下での吸収性能および高加圧下での吸収性能の両方に優れ、しかも耐尿性に優れているという効果を奏する。
【0072】
従って、本発明の吸水性樹脂は、乳幼児用紙オムツや生理用ナプキンに好適であるばかりでなく、近年ニーズが高まりつつある高荷重がかかる大人用オムツ等の衛生材料に好適に用いることができる。
【0073】
また、上記方法によれば、特定の成分を有する親水性不飽和単量体を、内部架橋剤、および、亜燐酸および/またはその塩の存在下で水溶液重合させて吸水性樹脂前駆体を得た後、特定の表面架橋剤を混合して加熱処理するので、上述した優れた性能を備えた吸水性樹脂を製造することができる。従って、上記方法は、吸水性樹脂の製造方法として好適に使用されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における吸水性樹脂が示す吸収性能の一つである高加圧下吸収倍率の測定に用いる測定装置の概略の断面図である。
【符号の説明】
1 天秤
2 容器
3 外気吸入パイプ
4 導管
5 測定部
6 ガラスフィルタ
7 濾紙
9 支持円筒
10 金網
11 重り
12 生理食塩水
15 吸水性樹脂

Claims (7)

  1. アクリル酸および/またはそのアルカリ金属塩を主成分とする親水性不飽和単量体を、内部架橋剤の存在下で水溶液重合させて吸水性樹脂前駆体を得た後、該吸水性樹脂前駆体が有するカルボキシル基と反応可能な表面架橋剤を混合して加熱処理して得られる吸水性樹脂であって、
    生理食塩水( 0.9 重量%塩化ナトリウム水溶液)中に 60 分浸漬した後、遠心分離機を用いて 250G 250 × 9.81 m/s )で3分間水切りを行ったときの無加圧下吸収倍率が 36g/g 以上、
    50.0 g/cm 4.90 kPa )の荷重を加えて生理食塩水( 0.9 重量%塩化ナトリウム水溶液)を 60 分間にわたって吸水させたときの高加圧下吸収倍率が 24g/g 以上であり、かつ、
    尿素 95g 、塩化ナトリウム 40g 、硫酸マグネシウム 5g 、塩化カルシウム 5g 、イオン交換水 4855g 、およびL−アスコルビン酸 0.005 重量%(含有量)からなる人工尿を吸収させることにより 25 倍に膨潤した含水ゲルとし、この含水ゲルを温度 37 ℃、相対湿度 90 %の雰囲気下で 16 時間放置した後の含水ゲルの流動速度が1 mm/min 以下であることを特徴とする吸水性樹脂。
  2. アクリル酸および/またはそのアルカリ金属塩を主成分とする親水性不飽和単量体を、内部架橋剤の存在下で水溶液重合させて吸水性樹脂前駆体を得た後、該吸水性樹脂前駆体が有するカルボキシル基と反応可能な表面架橋剤を混合して加熱処理する吸水性樹脂の製造方法であって、
    上記親水性不飽和単量体を亜燐酸および/またはその塩の存在下で水溶液重合させることを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
  3. 上記内部架橋剤を、親水性不飽和単量体に対して 0.02 〜3モル%の範囲内で用いることを特徴とする請求項記載の吸水性樹脂の製造方法。
  4. 上記亜燐酸および/またはその塩を、親水性不飽和単量体に対して 0.01 〜5重 量%の範囲内で用いることを特徴とする請求項2または3記載の吸水性樹脂の製造方法。
  5. 過硫酸塩を用いて水溶液重合させることを特徴とする請求項2、3または4記載の吸水性樹脂の製造方法。
  6. 得られる吸水性樹脂が、
    生理食塩水( 0.9 重量%塩化ナトリウム水溶液)中に 60 分浸漬した後、遠心分離機を用いて 250G 250 × 9.81 m/s )で3分間水切りを行ったときの無加圧下吸収倍率が 36g/g 以上、
    50.0 g/cm 4.90 kPa )の荷重を加えて生理食塩水( 0.9 重量%塩化ナトリウム水溶液)を 60 分間にわたって吸水させたときの高加圧下吸収倍率が 24g/g 以上であり、かつ、
    尿素 95g 、塩化ナトリウム 40g 、硫酸マグネシウム 5g 、塩化カルシウム 5g 、イオン交換水 4855g 、およびL−アスコルビン酸 0.005 重量%(含有量)からなる人工尿を吸収させることにより 25 倍に膨潤した含水ゲルとし、この含水ゲルを温度 37 ℃、相対湿度 90 %の雰囲気下で 16 時間放置した後の含水ゲルの流動速度が1 mm/min 以下であることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  7. 請求項1記載の吸水性樹脂を用いたことを特徴とする衛生材料。
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