JP2013177417A - 光学的に活性なシクロプロピルアミンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光学活性な2−(二置換アリール)オキシランとトリアルキルホスホノアセタートとを塩基の存在下に反応させて得た2−(二置換アリール)シクロプロパンカルボン酸エステルを、加水分解、アミド化することにより得られる下式(8)等で示される光学活性2−(二置換アリール)シクロプロパンカルボキサミド誘導体。
【選択図】なし
Description
び、光学的に活性な2−(二置換アリール)シクロプロパンカルボキサミド誘導体の製造
方法に関し、これらは、薬剤の製造、および、具体的には化合物[1S−(1α、2α、
3β(1S*,2R*),5β)]−3−[7−[2−(3,4−ジフルオロフェニル)
−シクロプロピル]アミノ]−5−(プロピルチオ)−3H−1,2,3−トリアゾロ[
4,5−d]ピリミジン−3−イル)−5−(2−ヒドロキシエトキシ)−シクロペンタ
ン−1,2−ジオールの製造に有用な中間体である。これらの化合物、および、それらに
類似した化合物は、WO00/34283、および、WO99/05143で開示されて
いる。これらの化合物は、P2T(現在これは、一般的にはP2Y12と称される)受容
体アンタゴニストとして開示されている。このようなアンタゴニストは、特に、血小板活
性化、凝集、または、脱顆粒の阻害剤として用いることができる。
ルシクロプロピルアミン誘導体、および、光学的に活性な2−アリールシクロプロパン−
1−カルボキシラートエステル誘導体を製造する方法がいくつか知られている。
以下の通りである:
(i)過量の塩化チオニルと、ベンゼン溶媒中の光学的に活性な2−フェニルシクロプ
ロパンカルボン酸とを反応させ、対応する酸塩化物を形成し、さらに、過量の塩化チオニ
ルおよびベンゼンを減圧下で濃縮した後に、酸塩化物を単離し、蒸留し、これにアンモニ
ア水を作用させてることによって精製し、2−フェニルシクロプロパンカルボキサミドを
得る方法(J. Am. Chem. Soc. Vol.109, p.2311(1987), Journal of Medicinal Chemistr
y Vol.20, p.771(1977));
(ii)塩化チオニルと光学的に活性な3−アリール−2−ジメチルシクロプロパン−
1−カルボン酸とを反応させて形成された対応する酸塩化物にアンモニア水を作用させる
ことによって、光学的に活性な3−アリール−2−ジメチルシクロプロパン−1−カルボ
キサミドを得る方法(J. Org. Chem. Vol.68, p.621(2003));
光学的に活性な2-アリールシクロプロピルアミン誘導体の製造方法の例は、以下の通
りである:
(iii)クロロ炭酸エチルエステルと2−アリールシクロプロパンカルボン酸とを反
応させ、混合型の酸無水物を形成し、さらにこれにアジ化ナトリウムを作用させることに
よって、対応する酸アジ化物を形成し、さらに、これを用いたクルチウス転位によって2
−アリールシクロプロピルアミンを得る方法(Journal of Medicinal Chemistry Vol.20,
p.771(1977), WO01/92263);
(iv)塩基の存在下で、光学的に活性な2,2−ジメチルシクロプロパン−1−カル
ボキサミドに、塩素、臭素または次亜塩素酸ナトリウムを作用させることによって対応す
る2,2−ジメチルシクロプロピルアミンを得る方法(公告5−3865);
光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン酸エステル誘導体の製造方法の例
は、例えば、以下の通りである:
(v)出発原料としてベンズアルデヒド誘導体を用いた数種の工程を経て光学的に活性
なエステルまたはアミドに誘導体化した後に、シクロプロパン化によって光学的に活性な
シクロプロパンカルボン酸誘導体を得る方法(WO01/92263);
(vi)塩基の存在下で、ホスホノ酢酸エステル誘導体と光学的に活性なジヒドロベン
ゾフラニルエチレンオキシド誘導体とを反応させることによって、光学的に活性な2−ジ
ヒドロフラニルシクロプロパンカルボキシラート誘導体を得る方法(Organic Process Re
search & Development, vol 6, p.618(2002));
光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン酸から光学的に活性な2−アリー
ルシクロプロピルアミン誘導体を製造する方法の例は:
(vii)出発原料としてベンズアルデヒドを用いて、数種の工程を経て光学的に活性
なエステルまたはアミドに誘導体化し、その後シクロプロパン化により光学的に活性な2
−アリールシクロプロパンカルボン酸エステルを得る方法である。この光学的に活性なカ
ルボン酸誘導体は、酸アジ化物に形成され、光学的に活性な2−アリールシクロプロピル
アミン誘導体がクルチウス転位によって製造される(WO01/92263)。
の製造方法では、2−フェニルシクロプロパンカルボキサミドを2−フェニルシクロプロ
パンカルボン酸から製造する方法だけが説明されており、2−(二置換アリール)シクロ
プロパンカルボキサミド誘導体の製造方法は開示されていない。さらに、方法(ii)に
おいて、2,2−ジメチル−3−フェニルシクロプロパンカルボキサミド、および、2,
2−ジメチル−3−イソプロピリデンシクロプロパンカルボキサミドの製造方法だけが述
べられているが、2−(二置換アリール)シクロプロパンカルボキサミド誘導体の製造方
法は開示されていない。
、光学的に活性な2−アリールシクロプロピルアミン誘導体は、前述の方法(iii)に
おいて光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン酸からクルチウス転位によっ
て製造されるが、これは、中間体として爆発性を有する酸アジ化物を介するため、安全性
の観点から商業的な製造方法としては不適切である。その上、方法(iv)において、光
学的に活性なアミンは、ホフマン転位によって光学的に活性なカルボキサミドから製造さ
れる。しかしながら、これは、反応が次亜塩素酸ナトリウムを用いて行われると収率が低
いため、経済性の観点から商業的な製造方法として不適切である。その上、前述の方法(
iv)に関しては、光学的に活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキサミドから
光学的に活性な2,2−ジメチルシクロプロピルアミンを製造する方法しか述べられてお
らず、2−(二置換アリール)シクロプロパンカルボキサミド誘導体の製造方法は開示さ
れていない。
方法に関して、前述の方法(v)では、光学的に活性な3,4−ジフルオロフェニルシク
ロプロパンカルボン酸誘導体は、出発原料の3,4−ジフルオロベンズアルデヒドを、数
種の工程を介して光学的に活性なエステルまたはアミドに変換した後、シクロプロパン化
することによって得られる。しかしながらこれは、生産性および経済性の観点から商業的
に不適切である。例えば、このような出発原料は高価であり、シクロプロパン化における
立体選択性が不十分であり、さらに多数の工程も要する。その上、方法(vi)において
、光学的に活性なジヒドロベンゾフラニルエチレンオキシドから光学的に活性なジヒドロ
フラニルシクロプロパンカルボン酸エステルを製造する例のみが述べられている。これは
、一般的な光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法で
はない。
ステル誘導体からの光学的に活性な2−アリールシクロプロピルアミン誘導体の製造方法
は、中間体の酸アジ化物は爆発性を有するために、安全性の観点から商業的に実現不可能
である。またこの方法は、シクロプロパン化中の不十分な立体選択性のために精製も必須
であり、従って、生産性が低く商業的な製造には不適切である。
産性などの領域に取り組んだ商業的な方法への必要性がある。
造するための効率的な方法が見出された。この方法は、出発原料として容易に入手可能な
光学的に活性な酸化スチレン誘導体を用いることによって高い光学純度をもたらす。次亜
塩素酸ナトリウムを用いたホフマン転位による光学的に活性なシクロプロピルアミン誘導
体の効率的な製造方法が見出されている。この方法は、商業的な製造方法として安全に、
且つ廉価で用いることができる。
0C環式もしくは非環式アルキル基、任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基
、または、任意に置換されていてもよい7〜10Cアラルキル基を意味し、*は不斉炭素
中心を意味する)
で示される光学的に活性なシクロプロピルアミン誘導体、または、それらの塩の製造方法
が提供され、この方法は、一般式(1):
で示される光学的に活性なシクロプロパンカルボキサミド誘導体を、水中で、5〜30当
量のアルカリ金属水酸化物の存在下で、次亜塩素酸塩と反応させることを特徴とする。
塩素酸塩の用いられる量は、式(1)で示される化合物に対して1〜5モル当量である。
具体的な実施態様において、光学的に活性なシクロプロピルアミン誘導体、または、それ
らの塩の製造方法が提供され、ここでR1、R2、R3は、水素原子であり、R4が、3
,4−ジフルオロフェニル基である。
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロピルアミン誘導体、または、それらの
塩の製造方法が提供され、ここで一般式(7):
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン酸誘導体は、一般式(6
):
、任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基、または、任意に置換されていても
よい7〜10Cアラルキル基を意味し、*は不斉炭素中心を意味する)
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン酸エステル誘導体を脱エ
ステル化することにより得られ、ここでこの一般式(6)で示される誘導体は、一般式(
3):
で示される光学的に活性な酸化スチレン誘導体、または、一般式(4):
で示される光学的に活性なハロヒドリン誘導体を、一般式(5):
アルキル基、任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基、または、任意に置換さ
れていてもよい7〜10Cアラルキル基を意味する)
で示されるホスホノ酢酸エステル誘導体と、塩基の存在下で反応させることによって得ら
れ、
および、得られた前述の2−アリールシクロプロパンカルボン酸誘導体を、カルボン酸
の活性化因子で活性化させ、その後、アンモニアと反応させることによって、一般式(8
):
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボキサミド誘導体が得られ、
これを、酸化剤と反応させる。
し、*は不斉炭素中心を意味する)
で示される光学的に活性な2-アリールシクロプロパンカルボキサミド誘導体の製造方法
も提供され、この方法は、一般式(11):
し、Yは、カルボニル基が活性化された基を意味し、*は不斉炭素中心を意味する)
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン酸誘導体をアンモニアと
反応させることを特徴とし、この一般式(11)で示される誘導体は、一般式(10):
し、*は不斉炭素中心を意味する)
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン酸誘導体をカルボン酸の
活性化因子と反応させることによって得られる。
も提供され、ここでこの反応は、一般式(13)で示される光学的に活性な2−アリール
シクロプロパンカルボン酸エステル誘導体を脱エステル化することにより得られた式(1
3):
、任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基、または、任意に置換されていても
よい7〜10Cアラルキル基を意味し、R7および*は、上記と同じ定義を有する)
で示される化合物を用いることによって行われる。
も提供され、ここでこの反応は、式(13)で示される化合物を用いることによって行わ
れ、この式(13)で示される化合物は、一般式(14):
で示される光学的に活性な酸化スチレン誘導体、または、一般式(15):
で示される光学的に活性なハロヒドリン誘導体を、一般式(16):
、任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基、または、任意に置換されていても
よい7〜10Cアラルキル基を意味し、R8および*は、上記と同じ定義を有する)
で示されるホスホノ酢酸エステル誘導体と、塩基の存在下で反応させることにより得られ
る。さらに、式(10)で示される(1R,2R)−2−アリールシクロプロパンカルボ
ン酸誘導体を用いて、式(12)で示される(1R,2R)−2−アリールシクロプロパ
ンカルボキサミド誘導体を得るための、光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカル
ボキサミド誘導体の製造方法も提供される。本発明はまた、式(13)で示される(1R
,2R)−2−アリールシクロプロパンカルボン酸エステル誘導体を用いて、式(10)
で示される(1R,2R)−2−アリールシクロプロパンカルボン酸誘導体を得るための
、光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボキサミド誘導体の製造方法も提供す
る。
される(S)−ハロヒドリン誘導体を用いて、式(13)で示される(1R,2R)−2
−アリールシクロプロパンカルボン酸エステル誘導体を得るための、光学的に活性な2−
アリールシクロプロパンカルボキサミド誘導体の製造方法も提供される。具体的には、光
学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボキサミド誘導体の製造方法が提供される
(ここでR7は、3,4−ジフルオロフェニル基である。)
本発明はまた、一般式(17):
味し、*は不斉炭素中心を意味する)
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボキサミド誘導体を提供する
。
キサミド誘導体において、R10は、3,4−ジフルオロフェニル基である。
ロプロパンカルボキサミド誘導体である。
性なアミノシクロプロパン誘導体を製造する方法を提供する。一般的に、この方法は、医
薬および殺虫剤の製造における中間体として有用な、光学的に活性なアミノシクロプロパ
ン誘導体を製造する安全且つ廉価な方法である。
わち全体で、1)シクロプロパン化プロセス、2)脱エステル化プロセス、3)アミド化
プロセス、および、4)ホフマン転位プロセスを含む。以下、本発明を各プロセスごとに
詳細に説明する。
式(14)示される化合物において、R7は、2個またはそれより多くのハロゲン原子
で置換されたアリール基を意味する。R7として適切な値としては、例えば、2,3−ジ
フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、
2,3,4−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,
4,5−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、
2,3−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル
基、2,3,4−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、2,3,
4,5−テトラクロロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル基、2,
3−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、
2,3,4−トリブロモフェニル基、3,4,5−トリブロモフェニル基、2,3,4,
5−テトラブロモフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル基が挙げられ
る。3,4−ジフルオロフェニル基が好ましい。さらに、*は不斉炭素中心を意味する。
言い換えれば、式(14)で示される酸化スチレン誘導体は不斉炭素中心を含む。本発明
は、式(14)で示される化合物の光学的に活性なあらゆる物質、または、ラセミ混合物
を含む。好ましくは、それらは光学的に活性な物質であり、最も好ましくは、それらは、
その不斉炭素中心の絶対配置が(S)である化合物である。
子で置換されたアリール基を意味し、Xは、ハロゲン原子を意味する。R7として適切な
値としては、例えば、2,3−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、
2,4−ジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、3,4,5−ト
リフルオロフェニル基、2,3,4,5−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,5,
6−ペンタフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニ
ル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,3,4−トリクロロフェニル基、3,4,5−
トリクロロフェニル基、2,3,4,5−テトラクロロフェニル基、2,3,4,5,6
−ペンタクロロフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基
、2,4−ジブロモフェニル基、2,3,4−トリブロモフェニル基、3,4,5−トリ
ブロモフェニル基、2,3,4,5−テトラブロモフェニル基、2,3,4,5,6−ペ
ンタブロモフェニル基が挙げられる。3,4−ジフルオロフェニル基が好ましい。
ヒドリン誘導体は不斉炭素中心を含む。本発明は、式(15)で示される化合物の光学的
に活性なあらゆる物質、または、ラセミ混合物を含む。好ましくは、それらは光学的に活
性な物質であり、最も好ましくは、それらは、その不斉炭素中心の絶対配置が(S)であ
る化合物である。
C環式もしくは非環式アルキル基、任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基、
または、任意に置換されていてもよい7〜10Cアラルキル基を意味し、R9は、任意に
置換されていてもよい1〜10C環式もしくは非環式アルキル基、任意に置換されていて
もよい6〜10Cアリール基、または、任意に置換されていてもよい7〜10Cアラルキ
ル基を意味する。1〜10C環式もしくは非環式アルキル基として適切な値としては、例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、n−
ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル
基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプ
チル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、n−デシル基が挙げられる。任意に
置換されていてもよい6〜10Cアリール基として適切な値としては、例えば、フェニル
基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−
ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−クロロフェニル
基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチル
フェニル基、p−メチルフェニル基が挙げられる。任意に置換されていてもよい7〜10
Cアラルキル基として適切な値としては、例えば、ベンジル基、o−メトキシベンジル基
、m−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−ニトロベンジル、m−ニトロ
ベンジル、p−ニトロベンジル、o−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、p−ク
ロロベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基
が挙げられる。
、好ましくは、R8およびR9の両方が、メチル基、または、エチル基である。
、または、式(15)で示されるハロヒドリン誘導体、および、一般式(16)で示され
るカルボン酸エステル誘導体におけるそれぞれの値にに基づく。言い換えれば、R7は、
2個またはそれより多くのハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、R8は、任意
に置換されていてもよい1〜10C環式もしくは非環式アルキル基、任意に置換されてい
てもよい6〜10Cアリール基、または、任意に置換されていてもよい7〜10Cアラル
キル基を意味し、R9は、任意に置換されていてもよい1〜10C環式もしくは非環式ア
ルキル基、任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基、または、任意に置換され
ていてもよい7〜10Cアラルキル基を意味する。2個またはそれより多くのハロゲン原
子で置換されたアリール基として適切な値としては、例えば、2,3−ジフルオロフェニ
ル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,3,4−ト
リフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,4,5−テトラ
フルオロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、2,3−ジクロ
ロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,3,4
−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、2,3,4,5−テトラ
クロロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル基、2,3−ジブロモフ
ェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,3,4−ト
リブロモフェニル基、3,4,5−トリブロモフェニル基、2,3,4,5−テトラブロ
モフェニル基、または、2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル基が挙げられる。1
〜10C環式もしくは非環式アルキル基として適切な値としては、例えば、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、s−ブチ
ル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基
、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキ
シルメチル基、n−オクチル基、または、n−デシル基が挙げられる。任意に置換されて
いてもよい6〜10Cアリール基として適切な値としては、例えば、フェニル基、o−メ
トキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−ニトロフェ
ニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−クロロフェニル基、m−ク
ロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基
、または、p−メチルフェニル基が挙げられる。任意に置換されていてもよい7〜10C
アラルキル基として適切な値としては、例えば、ベンジル基、o−メトキシベンジル基、
m−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−ニトロベンジル、m−ニトロベ
ンジル、p−ニトロベンジル、o−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、p−クロ
ロベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、または、p−メチルベン
ジル基が挙げられる。一般的には、R7が、3,4−ジフルオロフェニル基であり、R8
が、エチル基であることが好ましい。
誘導体は不斉炭素中心を含む。本発明は、式(13)で示される化合物の光学的に活性な
あらゆる物質、または、ラセミ混合物を含む。好ましくは、それらは光学的に活性な物質
であり、最も好ましくは、それらは、その不斉炭素中心の絶対配置が(1R,2R)であ
る化合物である。
例えば、ベンゼン誘導体とα−ハロ酢酸の塩化物とを塩化アルミニウムの存在下で反応さ
せることにより得られたα−ハロメチルアリールケトン誘導体を、エナンチオ選択的に反
応させることにより容易に得ることができる。式(14)で示される光学的に活性な酸化
スチレン誘導体は、式(15)で示される光学的に活性なα−ハロヒドリン誘導体のエポ
キシ化により容易に得ることができる。
の存在下で反応させ、それによって、式(13)で示される化合物に変換する。適切な塩
基の例としては、例えば、有機リチウム化合物、例えばメチルリチウム、n−ブチルリチ
ウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウムまたは同種のもの、グリニャール試薬、例
えばn−ブチルマグネシウム塩化物、メチルマグネシウム臭化物または同種のもの;アル
カリ土類金属のアミド、または、アルカリ金属のアミド、例えばリチウムアミド、ナトリ
ウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、マグネシウムジイソプロピルアミド、リチ
ウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチ
ルジシラジドまたは同種のもの;アルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、リチウムメトキシド、リチウ
ムエトキシド、リチウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシドまたは同種のもの
;アルカリ土類金属水素化物、または、アルカリ金属水素化物、例えば水素化リチウム、
水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウムまたは同種のものが挙げられる。
のが、一般的に好ましい。
て異なる。具体的な量は、式(14)または(15)で示される化合物に対して、1〜5
倍のモル比、好ましくは1〜3倍のモル比である。
て異なる。具体的な量は、式(14)または(15)で示される化合物に対して、1〜5
倍のモル比、好ましくは1〜3倍のモル比である。
ロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、アセ
トン、アセトニトリル、酢酸エチル、イソプロピル酢酸エステル、酢酸−t−ブチル、t
−ブタノールなどが挙げられる。溶媒は、単独で用いてもよいし、または、それらの混合
物として用いてもよく、その場合において、それらの混合比率は限定されない。
、または、1,4−ジオキサンが一般的に好ましい。
℃〜90℃の範囲の温度から選択される値が挙げられる。一般的に、必要な反応時間は、
通常、30分間〜24時間である。
してもよいし、または、水をそれらに添加してもよく、その後、適切な量の酸を添加する
ことによってそれらを中和してもよい。式(13)で示される化合物は、有機溶媒、例え
ばトルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロ
ロホルムまたは同種のものでの抽出、水での洗浄、および、濃縮のような手法を用いるこ
とによって得てもよい。得られた化合物はさらに、カラムクロマトグラフィー、または、
蒸留によって精製してもよい。
酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、
シュウ酸、安息香酸、フタル酸、フマル酸、マンデル酸または同種のもの;光学的に活性
な有機カルボン酸、例えば酒石酸、乳酸、アスコルビン酸、アミノ酸または同種のもの;
有機スルホン酸、例えばメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸または同種のもの;無機酸、
例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸または同種のものが挙げられる。塩酸または硫酸
が一般的に好ましい。
式(13)で示される化合物におけるR7、R8および*の値は、上述の1)シクロプ
ロパン化プロセスと同じであり、それぞれ適切で好ましい値を含む。式(10)で示され
る化合物において、置換基R7の値は、式(13)で示されるエステル誘導体に基づいて
適切で好ましい値を含む。言い換えれば、R7は、2個またはそれより多くのハロゲン原
子で置換されたアリール基を意味する。2個またはそれより多くのハロゲン原子で置換さ
れたアリール基の適切な値としては、例えば、2,3−ジフルオロフェニル基、3,4−
ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェ
ニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,4,5−テトラフルオロフェニ
ル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、
3,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,3,4−トリクロロフ
ェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、2,3,4,5−テトラクロロフェニル
基、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、3,
4−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,3,4−トリブロモフェニ
ル基、3,4,5−トリブロモフェニル基、2,3,4,5−テトラブロモフェニル基、
または、2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル基が挙げられる。3,4−ジフルオ
ロフェニル基が一般的に好ましい。
酸誘導体は不斉炭素中心を含む。本発明は、式(10)で示される化合物の光学的に活性
なあらゆる物質、または、ラセミ混合物を含む。好ましくは、それらは光学的に活性な物
質であり、最も好ましくは、それらは、その不斉炭素中心の絶対配置が(1R,2R)で
ある化合物である。
(10)で示される化合物に変換されるが、化合物(13)の脱エステル化の反応条件は
限定されない。この反応は、一般的な脱エステル化条件を用いて行ってもよい。脱エステ
ル化条件の例としては、DDQ(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン)お
よびCAN(セリウム硝酸塩)を用いた酸化によりp−メトキシベンジルエステルを除去
するプロセス、ヨードトリメチルシランを用いてベンジルエステル、t−ブチルエステル
を除去するプロセス、水素雰囲気下でパラジウム触媒を用いて、還元によりベンジルエス
テルを除去するプロセス、TFA(トリフルオロ酢酸)を用いてt−ブチルエステルを除
去するプロセス、酸またはアルカリ加水分解または同種のものによってエステル基を除去
するプロセスが挙げられる。廉価さの観点、および、ほとんどの種類のエステル基に適用
することができるプロセスであるという観点から、酸またはアルカリ加水分解によってエ
ステル基を除去するプロセスが好ましく、アルカリ加水分解によってエステル基を除去す
るプロセスがより好ましい。
リウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムまたは同種のもの;アルカリ土類金属水酸化物
、例えば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムまたは同種のもの;ア
ルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム
または同種のものが挙げられる。無機酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸ま
たは同種のものが一般的に好ましい。
,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、トルエン、ベンゼ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、アセトン、アセトニトリル、ブタノール、プロパノール、エタノール、メタノール
、水などが挙げられる。溶媒は、単独で用いてもよいし、または、それらの混合物として
用いてもよく、その場合において、それらの混合比率は具体的に限定されない。
ノールが好ましい。
が挙げられ、好ましくは、それらは、0℃〜80℃である。通常、反応時間が30分間〜
27時間であることが必要である。
混合物を水に添加してもよいし、または、水をそれらに添加してもよい。この混合物は、
酸の添加によって中和される。式(10)で示される化合物は、有機溶媒、例えばトルエ
ン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム
または同種のものでの抽出;水での洗浄、濃縮などのような手法により得てもよい。さら
に、得られた化合物をカラムクロマトグラフィーで精製してもよいし、または、結晶化し
てもよく、または、これらは処理せずに次の工程で用いてもよい。
えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリク
ロロ酢酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、フマル酸、マンデル酸または同種のもの;光
学的に活性な有機カルボン酸、例えば酒石酸、乳酸、アスコルビン酸、アミノ酸または同
種のもの;有機スルホン酸、例えばメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸または同種のもの
;無機酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸または同種のものが挙げられる。塩酸
および硫酸が一般的に好ましい。
式(10)で示される化合物において、置換基R7の値および*は、2)脱エステル化
プロセスで上述したのと同じであり、それぞれ適切で好ましい値を含む。
テル誘導体に基づく。言い換えれば、R7は、2個またはそれより多くのハロゲン原子で
置換されたアリール基を示すものであり得る。2個またはそれより多くのハロゲン原子で
置換されたアリール基として適切な値としては、2,3−ジフルオロフェニル基、3,4
−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフ
ェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,4,5−テトラフルオロフェ
ニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基
、3,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,3,4−トリクロロ
フェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、2,3,4,5−テトラクロロフェニ
ル基、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、3
,4−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,3,4−トリブロモフェ
ニル基、3,4,5−トリブロモフェニル基、2,3,4,5−テトラブロモフェニル基
、2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル基または同種のものが挙げられる。3,4
−ジフルオロフェニル基が一般的に好ましい。さらに、Yは、活性化されたカルボニル基
が活性化された基を意味し、これは、カルボン酸の活性化因子(以下で説明する)から誘
導される。
酸誘導体は不斉炭素中心を含む。本発明は、式(11)で示される化合物の光学的に活性
なあらゆる物質、または、ラセミ混合物を含む。好ましくは、それらは光学的に活性な物
質であり、最も好ましくは、それらは、その不斉炭素中心の絶対配置が(1R,2R)で
ある化合物である。
テル誘導体に基づく。言い換えれば、R7は、2個またはそれより多くのハロゲン原子で
置換されたアリール基を意味し得る。2個またはそれより多くのハロゲン原子で置換され
たアリール基として適切な値としては、2,3−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフル
オロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基
、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,4,5−テトラフルオロフェニル基、
2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、3,4
−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,3,4−トリクロロフェニル
基、3,4,5−トリクロロフェニル基、2,3,4,5−テトラクロロフェニル基、2
,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、3,4−ジ
ブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,3,4−トリブロモフェニル基、
3,4,5−トリブロモフェニル基、2,3,4,5−テトラブロモフェニル基、2,3
,4,5,6−ペンタブロモフェニル基または同種のものが挙げられる。3,4−ジフル
オロフェニル基が一般的に好ましい。
酸誘導体は不斉炭素中心を含む。本発明は、式(12)で示される化合物の光学的に活性
なあらゆる物質、または、ラセミ混合物を含む。好ましくは、それらは光学的に活性な物
質であり、最も好ましくは、それらは、その不斉炭素中心の絶対配置が(1R,2R)で
ある化合物である。
を活性化することによって、式(11)で示される化合物の形態に形成してもよい。この
ような活性化された化合物は、アンモニアと反応させることによって式(12)で示され
る化合物に変換される。適切なカルボン酸の活性化因子としては、例えば脱水縮合剤が挙
げられ、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、および、カルボニルジイミ
ダゾール;クロロ炭酸エステル、例えばメチルクロロ炭酸エステル、エチルクロロ炭酸エ
ステル、プロピルクロロ炭酸エステル、イソプロピルクロロ炭酸エステル、クロロ炭酸ブ
チルエステル、t−ブチルクロロ炭酸エステル、ベンジルクロロ炭酸エステルまたは同種
のもの;酸無水物、例えば無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水メタンスルホン酸、無
水トリフルオロメタンスルホン酸または同種のもの;カルボン酸エステル種、例えば炭酸
ジ−t−ブチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルまたは同種のもの、酸塩化物、例えば塩化
メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル塩化物、五塩化リン、三塩化リン、オキシ塩
化リン、塩化アセチル、プロピオン酸クロライド、塩化ピバロイル、塩化ベンゾイル、塩
化チオニル、クロロスルホン酸、塩化オキサリル;ホスゲンまたは同種のもの、および、
金属塩化物、例えば塩化チタン、塩化アルミニウム、塩化第二鉄または同種のものが挙げ
られる。
テル、酸塩化物(ただし、ホスゲンを除く)である。一般的に、反応後の取り扱いおよび
後処理の観点で利点を提供することから、塩化チオニルが特に好ましい。
ならびに反応条件に応じて異なる。具体的には、前述の式(10)で示される化合物に対
して、1〜3倍のモル比を用いてもよいし、好ましくは1〜1.5倍のモル比である。
従って塩基を用いてもよい。適切な塩基としては、例えば、有機リチウム化合物、例えば
メチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウムまたは同
種のもの、グリニャール試薬、例えば塩化n−ブチルマグネシウム、臭化メチルマグネシ
ウムまたは同種のもの、アルカリ土類金属アミドもしくはアルカリ金属アミド、例えばリ
チウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、マグネシウムジイソ
プロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド
、カリウムヘキサメチルジシラジドまたは同種のもの、アルカリ金属アルコキシド、例え
ばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、リチウ
ムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキ
シドまたは同種のもの、アルカリ土類金属水素化物もしくはアルカリ金属水素化物、例え
ば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウムまたは同種の
もの、アルカリ土類金属水酸化物もしくはアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム
、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウムまたは同種のもの、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム
、炭酸カリウムまたは同種のもの、アルカリ金属炭酸水素塩、例えば炭酸水素リチウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムまたは同種のもの、有機第三アミン、例えばトリ
エチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4
,0]ウンデセン)または同種のもの、塩基性有機溶媒、例えばN,N−ジメチルホルム
アミドまたは同種のものが挙げられる。
くはアルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水酸化物もしくはアルカリ金属水酸化物、
アルカリ土類金属炭酸塩、または、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、また
は、有機第三アミンであり得る。一般的に、アルカリ土類金属水酸化物もしくはアルカリ
金属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩、または、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭
酸水素塩、有機第三アミンまたは同種のものが好ましい。
応じて異なる。具体的には、前述の式(10)で示される化合物に対して、1〜3倍のモ
ル比を用いてもよいし、好ましくは1〜1.5倍のモル比である。
ガス、アンモニアの有機溶媒溶液、および、アンモニア水が挙げられる。具体的な例は、
アンモニアガス、アンモニアの有機溶媒溶液、アンモニア水であり、アンモニア水が一般
的に好ましい。
れない。具体的には、5〜30重量%を用いてもよく、一般的には20〜28重量%が好
ましい。
応条件に応じて異なる。具体的には、前述の式(10)で示される化合物に対して、1〜
6倍のモル比を用いてもよいし、好ましくは3〜5倍のモル比である。
、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエー
テル、メチル−t−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1
,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジ
メチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチ
ル、酢酸イソプロピルエステル、および、酢酸−t−ブチルなどが挙げられる。
の混合比率は限定されない。一般的に、溶媒として、トルエン、酢酸エチル、および、酢
酸イソプロピルが好ましい。
が挙げられ、好ましくは、それらは、0℃〜60℃の範囲から選択される。必要な反応時
間は、通常、10分間〜24時間である。
を水に添加するか、または、水をそれらに添加する。式(12)で示される化合物は、有
機溶媒、例えばトルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルエステル、ジエチルエーテル、
ジクロロメタン、クロロホルムまたは同種のものでの抽出、水での洗浄、および、濃縮の
ような手法を用いて得られる。さらに、得られた化合物をカラムクロマトグラフィーで精
製してもよいし、または、結晶化してもよく、または、これらは処理せずに次の工程で用
いてもよい。
れる。式(17)において、R10は、2個またはそれより多くのハロゲン原子で置換さ
れたアリール基を意味する。2個またはそれより多くのハロゲン原子で置換されたアリー
ル基として適切な値としては、2,3−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェ
ニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、3,4
,5−トリフルオロフェニル基、2,3,4,5−テトラフルオロフェニル基、2,3,
4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロ
ロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,3,4−トリクロロフェニル基、3,
4,5−トリクロロフェニル基、2,3,4,5−テトラクロロフェニル基、2,3,4
,5,6−ペンタクロロフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフ
ェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,3,4−トリブロモフェニル基、3,4,
5−トリブロモフェニル基、2,3,4,5−テトラブロモフェニル基、2,3,4,5
,6−ペンタブロモフェニル基または同種のものが挙げられる。3,4−ジフルオロフェ
ニル基が一般的に好ましい。
サミド誘導体は不斉炭素中心を含む。本発明は、式(17)で示される化合物の光学的に
活性なあらゆる物質、または、ラセミ混合物を含む。好ましくは、それらは光学的に活性
な物質であり、最も好ましくは、それらは、その不斉炭素中心の絶対配置が(1R,2R
)である化合物である。
式(1)で示される化合物において、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立し
て、水素原子、任意に置換されていてもよい1〜10C環式もしくは非環式アルキル基、
任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基、または、任意に置換されていてもよ
い7〜10Cアラルキル基を意味し、これらは、同一でもよいし、または互いに異なって
いてもよい。炭素数1〜10の任意に置換されていてもよい環式もしくは非環式アルキル
基の適切な値としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロ
プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル
基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキ
シル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、n−デシル基など
が挙げられる。任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基の適切な値としては、
フェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル
基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−フルオ
ロフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−クロロフェニル
基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、3
,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオ
ロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,4,5−テトラフルオロ
フェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニ
ル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,3,4−トリク
ロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、2,3,4,5−テトラクロロフ
ェニル基、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基
、3,4−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,3,4−トリブロモ
フェニル基、3,4,5−トリブロモフェニル基、2,3,4,5−テトラブロモフェニ
ル基、2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチ
ルフェニル基、p−メチルフェニル基などが挙げられる。任意に置換されていてもよい7
〜10Cアラルキル基の適切な値としては、ベンジル基、o−メトキシベンジル基、m−
メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、m−ニトロベン
ジル基、p−ニトロベンジル基、o−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、p−ク
ロロベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基
などが挙げられる。好ましくは、R1、R2、R3およびR4のいずれかが、3,4−ジ
フルオロフェニル基であり、より好ましくは、3,4−ジフルオロフェニル基以外の置換
基が、水素原子である。
不斉炭素中心を有する。本発明は、式(1)で示される化合物の光学的に活性なあらゆる
物質、または、ラセミ混合物を含む。好ましくは、それらは光学的に活性な物質であり、
最も好ましくは、それらは、その不斉炭素中心の絶対配置が(1R,2R)である化合物
である。
1)で示される化合物に基づき、適切で好ましいものを含む。言い換えれば、R1、R2
、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、任意に置換されていてもよい1〜1
0C環式もしくは非環式アルキル基、任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基
、または、任意に置換されていてもよい7〜10Cアラルキル基を意味し、これらは、同
一でもよいし、または互いに異なっていてもよい。任意に置換されていてもよい1〜10
C環式もしくは非環式アルキル基として適切な値としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチ
ル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチ
ル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、
n−オクチル基、n−デシル基などが挙げられる。任意に置換されていてもよい6〜10
Cアリール基として適切な値としては、フェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メト
キシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル
基、p−ニトロフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−フ
ルオロフェニル基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル
基、2,3−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオ
ロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニ
ル基、2,3,4,5−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオ
ロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジ
クロロフェニル基、2,3,4−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニ
ル基、2,3,4,5−テトラクロロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタクロロフ
ェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロ
モフェニル基、2,3,4−トリブロモフェニル基、3,4,5−トリブロモフェニル基
、2,3,4,5−テトラブロモフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニ
ル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基などが挙げ
られる。任意に置換されていてもよい7〜10Cアラルキル基として適切な値としては、
ベンジル基、o−メトキシベンジル基、m−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル
基、o−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、o−クロロ
ベンジル基、m−クロロベンジル基、p−クロロベンジル基、o−メチルベンジル基、m
−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基などが挙げられる。ここで、好ましくはR1
、R2、R3およびR4のいずれかが、3,4−ジフルオロフェニル基であり、より好ま
しくは、3,4−ジフルオロフェニル基以外の置換基が、水素原子である。
不斉炭素中心を有する。本発明は、式(2)で示される化合物の光学的に活性なあらゆる
物質、または、ラセミ混合物を含む。好ましくは、それらは光学的に活性な物質であり、
最も好ましくは、それらは、その不斉炭素中心の絶対配置が(1R,2S)である化合物
である。
化合物は、*で示される不斉炭素中心の立体化学を維持しながら式(2)で示される化合
物に変換される。例えば、適切な酸化剤としては、高原子価のヨウ素試薬が挙げられ、例
えば、ビス(トリフルオロアセトキシ)フェニルヨウ化物、ハロゲン化剤、例えば塩素、
臭素、ヨウ素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスク
シンイミド、塩化スルフリル、臭化スルフリルまたは同種のものであり、次亜塩素酸塩類
、例えば次亜塩素酸リチウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸
マグネシウム、次亜塩素酸カルシウムまたは同種のものも考えられ、さらに、塩素、N−
クロロスクシンイミド、次亜塩素酸塩類または同種のものも挙げられる。一般的に、次亜
塩素酸ナトリウムが好ましい。
件に応じて異なる。具体的には、式(1)で示される化合物に対して、1〜5倍のモル比
を用いてもよいし、好ましくは2〜4倍のモル比である。その上、前述の酸化剤の用いら
れる量に関して述べたように、酸化剤として次亜塩素酸塩類が用いられる場合、用いられ
る量は、有効な塩素の変換によって決定される。
存在していてもよい。塩基は、式(1)で示される化合物と酸化剤とを混合した後に添加
してもよい。適切な塩基としては、例えば、有機リチウム化合物、例えばメチルリチウム
、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウムまたは同種のもの、グリ
ニャール試薬、例えばn−ブチル塩化マグネシウム、臭化メチルマグネシウムまたは同種
のもの、アルカリ土類金属アミドもしくはアルカリ金属アミド、例えばリチウムアミド、
ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、マグネシウムジイソプロピルアミド
、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキ
サメチルジシラジドまたは同種のもの、アルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、リチウムメトキシド、
リチウムエトキシド、リチウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシドまたは同種
のもの、アルカリ土類金属水素化物もしくはアルカリ金属水素化物、例えば水素化リチウ
ム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウムまたは同種のもの、アルカリ
土類金属水酸化物もしくはアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムまたは
同種のもの、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
または同種のもの、アルカリ金属炭酸水素塩、例えば炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウムまたは同種のもの、有機第三アミン、例えばトリエチルアミン、
ジイソプロピルエチルアミン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ
ン)または同種のものが挙げられる。
て異なる。具体的には、一般式(2)で示される化合物に対して5〜30倍のモル比、好
ましくは5〜20倍のモル比を用いることによって、この反応を高収率で進行させること
もできる。
15〜25重量%の範囲であり得る。
、水、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、ジエチル
エーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4,−ジオキサン、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジ
ノン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸−t−ブチ
ル、t−ブタノールなどが挙げられる。
その比率は限定されない。一般的に、水が好ましい。
が挙げられ、好ましくは、それらは、20℃〜60℃の範囲から選択される。必要な反応
時間は、通常、30分間〜24時間である。
よいし、または、水をそれらに添加してもよく、続いて、この混合物を酸の添加によって
酸性化する。化合物(2)を水層に移して、その後、液体を分離し、有機溶媒、例えばト
ルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホ
ルムまたは同種のもので洗浄し、塩基を用いて水層を塩基性にする。式(2)で示される
化合物は、有機溶媒、例えばトルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテ
ル、ジクロロメタン、クロロホルムまたは同種のものでの抽出、水での洗浄、および、濃
縮のような手法を用いて得られる。通常、反応が完了したら、蒸留によって溶媒を除去し
、有機溶媒、例えばトルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテル、ジク
ロロメタン、クロロホルムまたは同種のものでの抽出、水での洗浄、および、濃縮(水層
へ移す工程を含まない)のような手法によって式(2)で示される化合物を得てもよい。
化合物(2)は、酸の塩の形態で得ることもできる。このような化合物はさらに、カラム
クロマトグラフィー、蒸留、または、結晶化で精製してもよいし、または、これらは、分
離し、酸の塩の形態で精製してもよい。
酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢
酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、フマル酸、マンデル酸または同種のもの、光学的に
活性な有機カルボン酸、例えば酒石酸、乳酸、アスコルビン酸、アミノ酸または同種のも
の、有機スルホン酸、例えばメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸または同種のもの、無機
酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸が挙げられる。塩酸または硫酸が一般的に好
ましい。
えばメチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウムまた
は同種のもの、グリニャール試薬、例えばn−ブチル塩化マグネシウム、臭化メチルマグ
ネシウムまたは同種のもの、アルカリ土類金属アミドもしくはアルカリ金属アミド、例え
ばリチウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、マグネシウムジ
イソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラ
ジド、カリウムヘキサメチルジシラジドまたは同種のもの、アルカリ金属アルコキシド、
例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、リ
チウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブ
トキシドまたは同種のもの、アルカリ土類金属水素化物もしくはアルカリ金属水素化物、
例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウムまたは同
種のもの、アルカリ土類金属水酸化物もしくはアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸
化カルシウムまたは同種のもの、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウムまたは同種のもの、アルカリ金属炭酸水素塩、例えば炭酸水素リチウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムまたは同種のもの、有機第三アミンまたは同
種のもの、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU(1,8−ジ
アザビシクロ[5,4,0]ウンデセン)が挙げられる。
アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、有機第三
アミンが好ましい。
以下、実施例を参照しながら本発明をより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、
これらの実施例のみに限定されない。
(2S)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)オキシランの製造
(1S)−2−クロロ−1−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−エタノール(正味
11.47g,59.5mmol)、トルエン(25.23g)、水酸化ナトリウム(2
.53g,1.06モル当量)、および、水(24.25g)の混合物を撹拌し、40℃
で1時間加熱した。有機層を分離し、水で洗浄し、減圧下で濃縮した。その結果、(2S
)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)オキシランを濃縮物として得た(正味8.94
g,収率:96%)。
1H-NMR (400MHz, CDCl3)
δ 2.71 - 2.73(1H, dd, J=2.44Hz, 5.37Hz), 3.13 - 3.15(1H, m), 3.82 - 3.83(1H, m)
, 7.01 - 7.27(4H, m)。
エチル(1R,2R)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−シクロプロパンカ
ルボキシラートの製造
ナトリウムt−ブトキシド(32.22g,1.25モル当量)、および、トルエン(
243.0g)を反応容器に入れ、この混合物に、トリエチルホスホノアセタート(78
.06g,ナトリウムt−ブトキシドに対して1.04モル当量)を撹拌しながら添加し
た。この混合物に、(2S)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)オキシラン(32.
8重量%溶液,正味41.83g,267.9mmol)のトルエン溶液を、内部温度を
60〜80℃に維持しながら一滴ずつ添加した。添加が終わった後、撹拌を80℃で11
時間続けた。室温に冷却した後に、この混合物を、水で洗浄し、有機層を減圧下で濃縮し
た。その結果、エチル(1R,2R)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−シク
ロプロパンカルボキシラートを濃縮物として得た(正味49.11g,収率:81%)。
1H-NMR (400MHz, CDCl3)
δ 1.22 - 1.26(1H, m), 1.26 - 1.30(3H, t, J=7.1Hz), 1.57 - 1.62(1H, m), 1.82 - 1
.87(1H, m), 2.45 - 2.50(1H, m), 4.14 - 4.20(2H, q, J=7.1Hz), 6.82 - 6.91(2H, m),
7.02 - 7.09(1H, m)。
(1R,2R)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−シクロプロパンカルボン
酸の製造
メタノール(322.2g)、および、30%水酸化ナトリウム水溶液(65.5g,
1.8モル当量)を、エチル(1R,2R)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1
−シクロプロパンカルボキシラート(48.2重量%のトルエン溶液,正味61.22g
,270.6mmol)の溶液に添加した。この混合物を、撹拌しながら65℃で2時間
加熱した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、続いてこの濃縮物にトルエンおよび水を添
加した。この混合物を35%塩酸で酸性化した。有機層を分離し、減圧下で濃縮した。そ
の結果、(1R,2R)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−シクロプロパンカ
ルボン酸を濃縮物として得た(正味52.55g,収率:98%)。
1H-NMR (400MHz, CDCl3)
δ 1.33 - 1.38(1H, m), 1.64 - 1.69(1H, m), 1.83 - 1.88(1H, m), 2.54 - 2.59(1H, m
), 6.83 - 6.93(2H, m), 7.04 - 7.10(1H, m)。
(1R,2R)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−シクロプロパンカルボキ
サミドの製造
塩化チオニル(72.65g、1.21モル当量)を、撹拌した(1R,2R)−2−
(3,4−ジフルオロフェニル)−1−シクロプロパンカルボン酸(18wt%,正味1
00.00g、504.62mmol)のトルエン溶液に添加した。この混合物を35℃
で6時間撹拌し、続いて減圧下で濃縮し、(1R,2R)−2−(3,4−ジフルオロフ
ェニル)−1−シクロプロパンカルボニル塩化物の溶液を得た。28%アンモニア水溶液
(122.55g、4.00モル当量)、水(300.4g)、および、酢酸エチル(7
00.2g)の混合物に、上記で得られた(1R,2R)−2−(3,4−ジフルオロフ
ェニル)−1−シクロプロパンカルボニル塩化物の溶液を、10℃未満で撹拌しながら徐
々に添加した。この反応混合物を10℃未満で1時間そのまま撹拌した。この混合物を3
5%塩酸で中和し、続いて有機層を分離し、水で洗浄した。得られた溶液を、減圧下で共
沸することによって濃縮し、(1R,2R)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1
−シクロプロパンカルボキサミドのスラリーを得た。得られたスラリーを加熱して、透明
な溶液を得て、これを冷却して結晶化させた。このスラリーにヘキサンを添加し、続いて
沈殿をろ過によって回収し、乾燥させ、(1R,2R)−2−(3,4−ジフルオロフェ
ニル)−1−シクロプロパンカルボキサミドを得た(正味91.12g,収率:92%)
。
1H-NMR (400MHz, CDCl3)
δ 1.21 - 1.27(1H, m), 1.56 - 1.64(3H, m), 2.47 - 2.49(1H, m), 5.45(1H, br), 5.6
3(1H, br), 6.83 - 6.90(2H, m), 7.03 - 7.10(1H, m)。
(1R,2S)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−シクロプロパンアミンの
製造
(1R,2R)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−シクロプロパンカルボキ
サミド(正味9.00g、45.64mmol)、および、30%水酸化ナトリウム水溶
液(54.77g、9.00モル当量)を反応容器に入れ、この混合物を撹拌した。撹拌
して生じたスラリーに、12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(29.53g,2.25m
ol当量)を、内部温度を30℃に維持しながら添加した。得られた混合物を、30℃で
14時間、続いて40℃で2時間撹拌した。反応が完了した後に、得られた混合物に酢酸
イソプロピルを注ぎ、続いて有機層を分離し、水で洗浄し、減圧下で濃縮した。その結果
、(1R,2S)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−シクロプロパンアミンを
濃縮物として得た(正味6.89g,収率:89%)。
1H-NMR (400MHz, CDCl3)
δ 0.88 - 0.93(1H, m), 1.03 - 1.08(1H, m), 1.70(2H, s), 1.79 - 1.84(1H, m), 2.47
- 2.51(1H, m), 6.72 - 6.79(2H, m), 7.00 - 7.02(1H, m)
Claims (17)
- 一般式(2):
0C環式もしくは非環式アルキル基、任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基
、または、任意に置換されていてもよい7〜10Cアラルキル基を意味し、*は不斉炭素
中心を意味する)
で示される光学的に活性なシクロプロピルアミン誘導体、または、それらの塩の製造方法
であって、一般式(1):
で示される光学的に活性なシクロプロパンカルボキサミド誘導体と、次亜塩素酸塩とを、
水中で、5〜30当量のアルカリ金属水酸化物の存在下で反応させることを特徴とする、
上記方法。 - 式(1)で示される誘導体と次亜塩素酸塩とを水中で、5〜30当量のアルカリ金属水
酸化物の存在下で反応させることによる式(2)で示される誘導体の製造方法において、
アルカリ金属水酸化物の濃度が、反応混合物に対して5〜30重量%の範囲の濃度である
、請求項1に記載の製造方法。 - 前記次亜塩素酸塩が、次亜塩素酸ナトリウムである、請求項1または2に記載の製造方
法。 - 用いられる前記次亜塩素酸塩の量が、式(1)で示される化合物に対して1〜5モル当
量である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。 - R1、R2、R3が、水素原子であり、R4が、3,4−ジフルオロフェニル基である
、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。 - 一般式(9):
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロピルアミン誘導体、または、それらの
塩の製造方法であって、ここで一般式(7):
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン酸誘導体は、一般式(6
):
、任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基、または、任意に置換されていても
よい7〜10Cアラルキル基を意味し、*は不斉炭素中心を意味する)
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン酸エステル誘導体を脱エ
ステル化することにより得られ、ここで式(6)で示される化合物は、一般式(3):
で示される光学的に活性な酸化スチレン誘導体、または、一般式(4):
で示される光学的に活性なハロヒドリン誘導体を、一般式(5):
アルキル基、任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基、または、任意に置換さ
れていてもよい7〜10Cアラルキル基を意味する)
で示されるホスホノ酢酸エステル誘導体と、塩基の存在下で反応させることによって得ら
れ、
および、得られた式(7)で示される2−アリールシクロプロパンカルボン酸誘導体を
、カルボン酸の活性化因子との反応によって活性化させ、その後、アンモニアと反応させ
ることによって、一般式(8):
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボキサミド誘導体が得られ、
これを酸化剤と反応させることによって、式(9)で示される化合物を得る、上記方法。 - 式(3)で示される化合物が、(S)−酸化スチレン誘導体であり、式(4)で示され
る化合物が、(S)−ハロヒドリン誘導体であり、式(9)で示される(1R,2S)−
2−アリールシクロプロピルアミン誘導体が製造される、請求項6に記載の方法。 - 一般式(12):
し、*は不斉炭素中心を意味する)
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボキサミド誘導体の製造方法
であって、一般式(10):
し、*は不斉炭素中心を意味する)
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン酸誘導体と、カルボン酸
の活性化因子とを反応させ、一般式(11):
し、Yは、カルボニル基が活性化された基を意味し、*は不斉炭素中心を意味する)
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン酸誘導体を形成し、その
後、この一般式(11)で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン
酸誘導体をアンモニアと反応させることを特徴とする、上記方法。 - 前記反応が、一般式(13):
、任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基、または、任意に置換されていても
よい7〜10Cアラルキル基を意味し、R7および*は、請求項8に記載の定義を有する
)
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボン酸エステル誘導体脱エス
テル化することにより得られた前述の式(10)を用いることによって行われる、請求項
8に記載の方法。 - 前記反応が、一般式(14):
で示される光学的に活性な酸化スチレン誘導体、または、一般式(15):
で示される光学的に活性なハロヒドリン誘導体を、一般式(16):
、任意に置換されていてもよい6〜10Cアリール基、または、任意に置換されていても
よい7〜10Cアラルキル基を意味し、R8および*は、上記と同じ定義を有する)
で示されるホスホノ酢酸エステル誘導体と、塩基の存在下で反応させることにより得られ
た前述の式(13)を用いることによって行われる、請求項9に記載の方法。 - 式(10)で示される化合物が、(1R,2R)−2−アリールシクロプロパンカルボ
ン酸誘導体であり、式(12)で示される(1R,2R)−2−アリールシクロプロパン
カルボキサミド誘導体が製造される、請求項8に記載の方法。 - 式(13)で示される化合物が、(1R,2R)−2−アリールシクロプロパンカルボ
ン酸エステル誘導体であり、式(10)で示される(1R,2R)−2−アリールシクロ
プロパンカルボン酸誘導体が製造される、請求項9に記載の方法。 - 式(14)で示される化合物が、(S)−酸化スチレン誘導体であり、式(15)で示
される化合物が、(S)−ハロヒドリン誘導体であり、式(13)で示される(1R,2
R)−2−アリールシクロプロパンカルボン酸エステル誘導体が製造される、請求項10
に記載の方法。 - R7が、3,4−ジフルオロフェニル基である、請求項8〜13のいずれか一項に記載
の方法。 - 一般式(17):
味し、*は不斉炭素中心を意味する)
で示される光学的に活性な2−アリールシクロプロパンカルボキサミド誘導体。 - R10が、3,4−ジフルオロフェニル基である、請求項15に記載の光学的に活性な
2−アリールシクロプロパンカルボキサミド誘導体。 - 前記式(17)で示される化合物が、(1R,2R)−2−アリールシクロプロパンカ
ルボキサミド誘導体である、請求項15または16に記載の化合物。
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