JP2013175378A - 光軸調整装置を具備した車両用灯具 - Google Patents

Abstract

【課題】 バンパーに取り付けるフォグランプの光軸調整の作業性を改善することを課題とする。
【解決手段】 透光性の樹脂からなるアウターカバー（５）と、光源ユニット（３）とランプハウジング（２）とを有するフロントフォグランプ（１）であって、その下側には光軸調整装置（３０）が設けられている。光軸調整装置（３０）は、フレキシブル軸（３２）を設けたエイミングスクリュー（３１）とナット（２１）を備え、フレキシブル軸（３２）を回転させることでフロントフォグランプ（１）の光軸を上下方向に調整可能としている。フレキシブル軸（３２）の他端はバンパー（５０）の下側に回転可能に固定されている。これにより、容易に光軸調整を行うことができる。
【選択図】 図２

Description

本発明は、例えば自動車のフロントバンパーに取り付けるフォグランプなどの照明用の車両用灯具に関するものであり、詳細にはランプハウジングに対しリフレクタを回転可能に支持してなる光軸調整装置を備えた車両用灯具に関する。

従来から、光軸調整装置を具備した車両用灯具は自動四輪車の前照灯、自動二輪車の前照灯等で用いられている。また、フォグランプなどの照明用の車両用灯具に光軸調整装置を設けたものも知られている。

特許文献１は、玉継手を介してリフレクタとランプハウジングとを接続し、玉継手を中心にランプハウジングに対してリグレクタを回動させるエイミングスクリューとナットを設けた車両用灯具において、エイミングスクリュー、リフレクタおよびナット部にかかる負担を軽減する光軸調整装置を開示する。

特開２００９−１４０６６８号公報

しかしながら、上記した従来の車両用灯具では、車体本体に取り付けることを想定しているため、車体前方の下方に設けられるフロントバンパーにそのまま取り付ける場合には、その光軸調整を行うのが容易ではなかった。図４は、フロントバンパーに固定した場合の光軸調整の状態を説明するための概略図である。フロントフォグランプ９０がフロントバンパー５０に設けた開口５１に固定されている。車両用灯具９０は図示しない玉継手を介してリフレクタ９２とランプハウジング９１とを接続し、玉継手を中心にランプハウジング９１に対してリフレクタ９２を回動させるエイミングスクリュー９３が設けてある。エイミングスクリュー９３は車両用灯具の下側にその先端が位置している。そのためエイミングスクリュー９３を回転させるために工具９５を用いる場合、工具９５をフロントバンパー５０と路面９６との間で、且つ、フロントバンパー５０の背面側の隙間から挿入しなければならず、手探りで作業しなければならなかった。

そこで、本発明はこれらの問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光軸調整作業を行いやすくした車両用灯具を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明に係る車両用灯具は、
ランプハウジングと、ランプハウジングの前方を覆うアウターカバーと、ランプハウジングとアウターカバーとの間に形成された灯室内に設けた光源ユニットと、光軸調整装置とを有する車両用灯具であって、
前記ランプハウジングまたはアウターカバーの上面に設けた吊り下げ固定部と、下面に設けたエーミングスクリュー取付け部を備え、
前記吊り下げ固定部は、車体の下方またはバンパーに接続して上面接続部を構成し、
前記エーミングスクリュー取付け部は、バンパーに接続された固定ナットと、前記吊り下げ固定部を中心にバンパーに対して車両用灯具を回動させるエイミングスクリューと、エイミングスクリュー支持脚とを備え、
前記エイミングスクリューは、一方の端部側を前記ナットに螺合するスクリュー部と、他方の端部側のフレキシブル軸および頭部と、当該ナットとの螺合箇所と当該頭部との間に設けたエイミングスクリュー被支持部とを備え、
前記頭部には、前記バンパーに設けた頭部固定孔に回転可能に支持される周囲スリットが形成され、
前記エイミングスクリュー支持脚は、一方の端部側が前記ランプハウジングまたはアウターカバーの下面に接続され、他方の端部側がエイミングスクリュー位置固定部に接続されており、
前記エイミングスクリュー位置固定部は、前記ナットとの螺合箇所と前記頭部との間において当該エイミングスクリューを回転可能に支持されている
ことを特徴とする。

さらに、
前記車両用灯具であって、
前記光軸調整装置がランプハウジングの外側に配設され、前記ランプハウジングとアウターカバーが水密的にシールされていることを特徴とする。

請求項１の発明とすることにより、光軸調整作業を容易に行うことが可能となる。

請求項２の発明とすることにより、車両用灯具の小型化を図ることができる。

図１は、本発明に係る図１が車両への取付け方法を示す概略斜視図である。 図２は、フロントフォグランプを車両に取り付けた状態の断面図である。 図３は、図２のＢ分を拡大して示す断面図である。 図４は、従来のフロントフォグランプの光軸調整の問題点を示す概略断面図である。

以下、本発明の一実施形態であるフロントフォグランプについて図１〜図３を参照しながら説明する。

図１から図３は本発明に係るフロントフォグランプを説明するもので、図１が車両への取付け方法を示す概略斜視図、図２がフロントフォグランプを車両に取り付けた状態の断面図で、図１のＡ−Ａ線に沿った断面に相当する。図３は、図２のＢ分を拡大して示す断面図である。なお、以後の説明においてフロントフォグランプを車両に取り付けた状態における照射方向を前方とすることを基準として、車両後側方向を後方、路面側を下方、上空側を上方として説明する。

フロントフォグランプ１は、例えば、図１および図２に示すように車体６０の先端下側に設けたフロントバンパー５０の開口５１に設置される。フロントバンパー５０の左側および右側の２箇所の開口５１を設け、夫々の開口にフロントフォグランプを光軸調整可能に設置する。

開口５１の上方内側には、当該開口５１内部に設置するフロントフォグランプ１を取り付けるためのランプ固定部５２、５２が設けられ、ランプ固定部５２はフロントフォグランプ１の光軸調整を行う際の支点となる。また、開口５１の下方中央には図２に示す灯具固定脚２１がフロントバンパー５０の内側から延設している。灯具固定脚の先端にはエイミングスクリュー３１が螺合するナット２１が溶着等の手段で固定されている。

フロントフォグランプ１は、合成樹脂製からなる前方が開口したランプハウジング２と、ランプハウジング２の開口を覆う透光性材料からなるアウターカバー５と、ランプハウジング２とアウターカバー５との間に形成される灯室４と、灯室４内に設けた光源ユニット３と、光軸調整装置３０とを備える。

ランプハウジング２には、前方開口部の周縁にはアウターカバ−５のシール脚を受ける断面Ｕ字状のシールリブ溝が形成されており、当該シールリブ溝に接着剤を介してアウターカバー５を接着固定する。また、ランプハウジング２の上面左肩および右肩には図１に示す吊り下げ固定部６，６が一体に形成され、下面中央には図２に示すようにランプハウジング２の斜め後方下側に延びるエイミングスクリュー支持脚４０が一体に形成されている。吊り下げ固定部６，６は、フロントバンパー５０に設けたランプ固定部５２にボルト５３にて固定される。このとき吊り下げ固定部６およびランプ固定部５２の何れかおよび／または双方が弾性材料にて形成されている。

ランプハウジング２の内部には光源ユニット３が設置されている。光源ユニット３は、例えば、ＬＥＤ（発光ダイオード）光源１１を光源とし、ＬＥＤ光源１１からの照射光を所定の配光パターンにて照射するための投影レンズ１２をＬＥＤ光源の照射方向前方に設けたものを用いることができる。ＬＥＤ光源１１はベースプレート１３上に搭載され、ベースプレート１３がランプハウジング２に設置されている。なお、光源ユニット３としては、ＬＥＤを光源としたもの限らず、ハロゲンバルブ、放電灯バルブなどの他の種類の光源であってもよく、また、リフレクタを有するプロジェクタータイプの投影光学系のユニットや、投影レンズを用いないリフレクタタイプの反射光学系のユニットであっても良い。

アウターカバー５は、透光性の樹脂材料またはガラスからなり、その内面およびまたは外面に屈折プリズム素子を設けても良い。アウターカバー５の周囲にはレンズ脚が形成されており、レンズ脚が前記ランプハウジング２のシールリブ溝に接着固定することで、灯室４が水密的にシールされる。

光軸調整装置３０は、フロントフォグランプ１の上下方向の光軸を調整する。光源ユニット３から照射される照射光をフロントフォグランプ前方に設けた仮想スクリーンに向かって照射したときに得られる配光パターンを、仮想スクリーン上において上方もしくは下方に移動させる光軸調整を行う。光軸調整はエイミングスクリュー３１を回転させることで、吊り下げ固定部６とランプ固定部５２の連結部を支点として前後方向に回動することで実施する。

エイミングスクリュー３１の先端側は、灯具固定脚２０に固定されたナット２１に螺号するナット結合部をなす。ナット結合部の後方において、エイミングスクリュー３１はエイミングスクリュー支持脚４０に設けた支持孔４１を挿通状態で固定されている。支持孔４１は例えばＵ字状の切欠きが設けられ、エイミングスクリュー３１にはリング状の位置決めの鍔部が形成され、エイミングスクリュー位置固定部３３を成している。また、エイミングスクリュー３１の後端側にはフレキシブル軸３２が連結されている。これにより、フレキシブル軸３２を回転させるとエイミングスクリュー３１が回転する。エイミングスクリュー３１が回転するとナット２１と、支持孔４１との間の距離が離間する方向または近接する方向に移動する。すなわち、フロントフォグランプ上方に設けた吊り下げ固定部６を中心にして、灯具固定脚２０とエイミングスクリュー支持脚４０が離間もしくは近接するようにフロントフォグランプ１が回動する。これにより、光源ユニット３の光軸が上下方向に移動し、その光軸調整を行うことができる。

なお、図３はフレキシブル軸３２の他端側の頭部３５を示す断面図で、フロントバンパー５０に対して回転可能に固定されている状態を示している。すなわちフロントバンパー５０の下面の適宜位置設けた頭部固定孔４２に頭部３５が挿入固定されている。頭部３５の周囲にはフロントバンパー５０の厚みとほぼ等しい周囲スリット３５ａが形成され、中央には工具９５が嵌合する工具溝が形成されている。

フロントフォグランプ１は上記のように構成されており、フレキシブル軸３２の先端に設けた頭部３５を工具９５にて回転させることで、フレキシブル軸３２を通してエイミングスクリュー３１を回転する。この回転によりフロントフォグランプ１を回動することができ、光軸調整を行う。したがって、工具９５をフロントバンパー５０と路面９６との間の走査しやすい位置にて作業することができ、光軸調整作業を簡単に行うことができる。また、エイミングスクリューをフロントフォグランプの外部に設けたので、フロントフォグランプを小型化することができる。

上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。例えば、上下方向の光軸調整のみでなく左右方向の光軸調整を行うエーミングスクリューも設けてたランプにも適用できる。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。

本発明によれば、部品点数および組み付け性を向上させたフォグランプなどのバンパーに取り付ける車両用ランプに適用できる。

１ フロントフォグランプ
２ ランプハウジング
３ 光源ユニット
４ 灯室
５ アウターカバー
６ 吊り下げ固定部
２０ 灯具固定脚
２１ ナット
３０ 光軸調整装置
３１ エイミングスクリュー
３２ フレキシブル軸
５０ フロントバンパー
５１ 開口
５２ ランプ固定部
６０ 車体
９０ フロントフォグランプ
９１ ランプハウジング
９２ リフレクタ
９３ エイミングスクリュー
９５ 工具
９６ 路面

Claims (2)

1. ランプハウジングと、ランプハウジングの前方を覆うアウターカバーと、ランプハウジングとアウターカバーとの間に形成された灯室内に設けた光源ユニットと、光軸調整装置とを有する車両用灯具であって、
   前記ランプハウジングまたはアウターカバーの上面に設けた吊り下げ固定部と、下面に設けたエーミングスクリュー取付け部を備え、
   前記吊り下げ固定部は、車体の下方またはバンパーに接続して上面接続部を構成し、
   前記エーミングスクリュー取付け部は、バンパーに接続された固定ナットと、前記吊り下げ固定部を中心にバンパーに対して車両用灯具を回動させるエイミングスクリューと、エイミングスクリュー支持脚とを備え、
   前記エイミングスクリューは、一方の端部側を前記ナットに螺合するスクリュー部と、他方の端部側のフレキシブル軸および頭部と、当該ナットとの螺合箇所と当該頭部との間に設けたエイミングスクリュー被支持部とを備え、
   前記頭部には、前記バンパーに設けた頭部固定孔に回転可能に支持される周囲スリットが形成され、
   前記エイミングスクリュー支持脚は、一方の端部側が前記ランプハウジングまたはアウターカバーの下面に接続され、他方の端部側がエイミングスクリュー位置固定部に接続されており、
   前記エイミングスクリュー位置固定部は、前記ナットとの螺合箇所と前記頭部との間において当該エイミングスクリューを回転可能に支持されている
   ことを特徴とする光軸調整装置を具備した車両用灯具。
2. 前記請求項１に記載の車両用灯具であって、
   前記光軸調整装置がランプハウジングの外側に配設され、前記ランプハウジングとアウターカバーが水密的にシールされていることを特徴とする車両用灯具。

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