JP2013174493A - Qcmセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】一対の駆動電極との接続以外にも電気的な接続が可能な接続構造を有し、信頼性が高いQCMセンサを提供する。
【解決手段】QCMセンサ20は、水晶振動子21と、水晶振動子21の面上に配置された一対の駆動電極24と、水晶振動子21を支持する2本の支持部材23とを有する。支持部材23は、水晶振動子21に接触する第1及び第2の突起と、第1の突起を介して駆動電極24と電気的に接続された第1の導電パターンと、第2の突起を介して水晶振動子21に形成された温度検出部30等と電気的に接続可能な第2の導電パターンとを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、環境中の腐食性ガスの評価等に使用するQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサに関する。
工場やサーバルーム等の施設には様々な電子機器が設置されるが、それらの電子機器が設置される環境中には硫化水素(H2S)ガスや亜硫酸ガス等の腐食性ガスが含まれることがある。腐食性ガスは、電子機器内の部品を腐食して、電子機器の故障や特性の劣化などの不具合を引き起こす。このため、電子機器が設置された環境中の腐食性ガスを監視して、必要に応じて適切な対策を早めにとることが好ましい。
また、宝飾品が腐食性ガスに晒されると腐食が発生して、価値が大幅に低下してしまう。このため、高価な宝飾品を展示又は保管する環境中の腐食性ガスを監視することが必要になることもある。
腐食性ガスの監視に好適なセンサとして、QCMセンサが知られている。一般的なQCMセンサは、薄板状の水晶振動子と、水晶振動子の両面に形成された一対の駆動電極と、腐食性ガスにより腐食しやすい金属で形成された金属膜(以下、「腐食金属膜」という)とを有する。QCMセンサは質量センサの一種であり、腐食金属膜が腐食することによる質量変化により水晶振動子の共振周波数が変化することを利用して、腐食性ガスによる腐食の程度を検出する。
特開2004−294356号公報 特開2005−257394号公報
一対の駆動電極との接続以外にも電気的な接続が可能な接続構造を有し、信頼性が高いQCMセンサを提供することを目的とする。
開示の技術の一観点によれば、水晶振動子と、前記水晶振動子の面上に配置された一対の駆動電極と、前記水晶振動子を支持する2本の支持部材とを有し、前記支持部材が、前記水晶振動子に接触する第1の突起及び第2の突起と、前記第1の突起を介して前記駆動電極と電気的に接続された第1の導電パターンと、前記第2の突起を介して前記水晶振動子に形成された電気部品と電気的に接続可能な第2の導電パターンとを有するQCMセンサが提供される。
上記一観点に係るQCMセンサは、支持部材に複数の突起と導電パターンとが設けられており、これらの突起及び導電パターンを介して駆動電極及び電気部品と外部の装置(電気回路)とを電気的に接続することができる。これにより、QCMセンサの振動を阻害するものがなく、信頼性が高いQCMセンサが得られる。
図1は、QCMセンサの温度特性の一例を示す図である。 図2(a)はQCMセンサの一例を示す正面図、図2(b)は水晶振動子と支持部材との接続部の拡大図である。 図3は、第1の実施形態に係るQCMセンサを表した模式図である。 図4は、抵抗パターンにより形成された4端子回路を示す図である。 図5は、支持部材と水晶振動子との接続部を示す模式拡大図(その1)である。 図6は、支持部材と水晶振動子との接続部を示す模式拡大図(その2)である。 図7は、QCMセンサと測定装置との接続を示す図である。 図8は、QCMセンサの本体部分の製造方法を示す図(その1)である。 図9は、QCMセンサの本体部分の製造方法を示す図(その2)である。 図10は、QCMセンサの本体部分の製造方法を示す図(その3)である。 図11は、QCMセンサの本体部分の製造方法を示す図(その4)である。 図12は、QCMセンサの本体部分の製造方法を示す図(その5)である。 図13は、QCMセンサの本体部分の製造方法を示す図(その6)である。 図14は、QCMセンサの本体部分の製造方法を示す図(その7)である。 図15は、支持部材の製造方法を示す図(その1)である。 図16は、支持部材の製造方法を示す図(その2)である。 図17は、支持部材の製造方法を示す図(その3)である。 図18は、支持部材の製造方法を示す図(その4)である。 図19は、突起となるシリコンゴムを示す図である。 図20は、QCMセンサの温度と共振周波数との関係を調べ、QCMセンサの温度特性を用いて共振周波数を補正した結果を示す図である。 図21は、第2の実施形態に係るQCMセンサを示す模式図である。 図22は、第3の実施形態に係るQCMセンサを示す模式図である。
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
ATカットの水晶振動子を用いたQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサの場合、検出感度は下記(1)式に示すSaurbreyの式で表される。
Figure 2013174493
ここで、Δfは共振周波数の変化量、fはQCMセンサの基本共振周波数、Sは駆動電極の面積、μは水晶のせん断応力、ρは水晶の密度、Δmは質量の変化量である。
上記(1)式によると、基本共振周波数fが9MHzのQCMセンサの場合、1ngの質量の変化が1Hzの変化として計測できることがわかる。
ところで、QCMセンサの共振周波数は、質量だけでなく、温度によっても変化する。従って、腐食性ガスによる腐食の程度を精度よく検出するためには、温度による共振周波数の変化を考慮することが重要である。
ATカットの水晶振動子を用いたQCMセンサの場合、その温度特性は三次曲線で表すことができる。一般的なQCMセンサでは、温度特性の変曲点が25℃付近に位置するように調整されているため、25℃±数10℃の範囲でほぼ線形の温度特性を示す。
図1は、横軸に温度をとり、縦軸に共振周波数の変化量をとって、QCMセンサの温度特性の一例を示す図である。QCMセンサでは、QCMセンサが置かれた場所の温度を測定し、温度特性を参照して共振周波数を補正することで、腐食の程度を精度よく検出することができる。
図2(a)はQCMセンサの一例を示す正面図、図2(b)は水晶振動子と支持部材との接続部を図2(a)中の矢印Aで示す方向から見た拡大図である。
図2(a),(b)に示すQCMセンサ10は、円盤状の水晶振動子11と、台座12と、水晶振動子11を台座12から離して支持する2本の金属製の支持部材13とを有する。水晶振動子11の両面にはそれぞれ駆動電極14が形成されている。この一対の駆動電極14に測定装置から所定の高周波電圧を印加すると、水晶振動子11が質量に応じた振動数で振動する。
駆動電極14に接続する接続配線14aは水晶振動子11の縁部まで延び出しており、導電性ペースト15等により支持部材13と電気的に接続されている。QCMセンサ10の駆動電極14は、支持部材13を介して測定装置に電気的に接続される。
水晶振動子11に応力が加わると共振周波数が変化してしまうため、水晶振動子11にはできるだけ応力が加わらないようにすることが重要である。このため、図2(a),(b)に示すQCMセンサ10では、支持部材13を薄く且つ細長い金属板により形成し、2本の支持部材13により水晶振動子11の縁部を弾力的に支持している。また、支持部材13は、駆動電極14と測定装置とを電気的に接続する配線として使用される。このため、水晶振動子11から取り出せる配線は2本しかない。
前述したように、QCMセンサで腐食性ガスによる腐食の程度を精度よく検出するためには、QCMセンサの温度を精度よく測定することが重要である。QCMセンサの温度を精度よく測定するためには、水晶振動子上に温度センサを形成することが好ましい。しかし、図2(a),(b)に示す構造では、支持部材13が駆動電極14の引出配線として使用されているため、支持部材13を介して温度センサから外部に配線を引き出すことができない。
温度センサに金属細線を直接接続することにより、支持部材13を介すことなく温度センサと測定装置とを接続することも考えられる。しかし、その場合は温度センサに金属細線を接続するという作業が必要になるとともに、金属細線の振動によりQCMセンサの振動が阻害されて検出精度が低下するという問題がある。また、何らかの衝撃により金属細線が容易に切断されるおそれもあり、信頼性が十分ではない。
以下の実施形態では、一対の駆動電極との接続以外にも電気的な接続が可能な接続構造を有し、信頼性が高いQCMセンサについて説明する。
(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態に係るQCMセンサを表した模式図である。
この図3のように、本実施形態に係るQCMセンサ20は、円盤状の水晶振動子21と、台座22と、水晶振動子21を台座22から離して支持する2本の薄板状の支持部材23とを有する。
水晶振動子21の両面にはそれぞれ駆動電極24が形成されている。この一対の駆動電極24に所定の電圧を印加すると、水晶振動子21が質量に応じた振動数で振動する。
駆動電極24に接続する接続配線24aは、水晶振動子21の縁部まで延び出しており、後述するように支持部材23に形成された突起及び導電パターンを介して測定装置と電気的に接続される。
水晶振動子21の一方の面には、温度センサとなる抵抗パターン25,26a,26b,27a,27bが設けられている。これらの抵抗パターン25,26a,26b,27a,27bは、例えばPt(白金)により形成されている。
抵抗パターン25は、温度による抵抗値の変化を大きくするためにジグザグのパターンで形成されている。抵抗パターン26a,27aは、抵抗パターン25の一端側(図3では右側)に接続され、それぞれ水晶振動子21の一方の側の縁部まで延び出している。また、抵抗パターン26b,27bは、抵抗パターン25の他端側(図3では左側)に接続され、それぞれ水晶振動子21の他方の側の縁部まで延び出している。
これらの抵抗パターン25,26a,26b,27a,27bにより、図4に示す4端子回路が形成されている。4端子回路の端子A1,A2,B1,B2も、後述するように支持部材23に形成された突起及び導電パターンを介して測定装置と電気的に接続される。以下、これらの抵抗パターン25,26a,26b,27a,27bにより形成される4端子回路(温度センサ)を、温度検出部30という。温度検出部30は電気部品の一例である。
駆動電極24及び抵抗パターン25は、絶縁保護膜28(図3中に一点鎖線で示す)に覆われている。この絶縁保護膜28は、例えば厚さが約100nmのアルミナ(酸化アルミニウム)により形成されている。
絶縁保護膜28の上には、腐食金属膜29が形成されている。本実施形態では、腐食金属膜29は駆動電極24と同じ大きさに形成され、駆動電極24に重なる位置に配置されている。腐食金属膜29は検出対象の腐食性ガスに応じた金属材料、例えば鉄、銅又は銀等により形成すればよい。
図5,図6は、支持部材23と水晶振動子21との接続部を示す模式拡大図である。図5は図3の左側に配置された支持部材23を表しており、図6は図3の右側に配置された支持部材23を表している。また、図5,図6中の中央は水晶振動子21と支持部材23との接続部を側方から見たときの図であり、その両側の図は支持部材23を構成する2つの絶縁板23a,23bの表面(水晶振動子21側の面)及び裏面に設けられた導電パターンを示している。
なお、以下の説明では、接続配線24a及び抵抗パターン26a,26b,27a,27bのうち水晶振動子21の縁部に配置されて後述の突起32と接触する部分を、接続電極と呼ぶ。
図5,図6に示すように、支持部材23は、水晶振動子21の縁部を表裏両側から挟む2枚の絶縁板23a,23bにより形成されている。これらの絶縁板23a,23bは、例えばポリカーボネートやフッ素樹脂等の絶縁材料により薄板状に形成されており、弾力性を有している。
絶縁板23a,23bの表裏両面にはそれぞれ導電パターン31が設けられている。絶縁板23a,23bの表面側の導電パターン31は、絶縁板23a,23bの側面に形成された導電パターン(図示せず)を介して裏面側の導電パターン31に接続している。また、絶縁板23a,23bの表面側の導電パターン31の先端部には突起32が設けられている。
突起32は少なくとも表面が導電体により形成されており、導電パターン31と電気的に接続している。本実施形態では、図5,図6に示すように、絶縁板23aの表面側には1個の突起32が設けられており、絶縁板23bの表面側には2個の突起32が設けられている。
支持部材23は、絶縁板23a,23bに設けられた突起32が水晶振動子21の縁部の接続電極に接触し、水晶振動子21を厚さ方向の両側から挟んで支持している。
水晶振動子21の表面に形成された駆動電極24及び温度検出部30は、支持部材23(絶縁板23a,23b)に設けられた突起32及び導電パターン31を介して測定装置に接続される。駆動電極24に接続される突起32及び導電パターン31が第1の突起及び第1の導電パターンであり、温度検出部30(電気部品)に接続される突起32及び導電パターン31が第2の突起及び第2の導電パターンである。
図7は、QCMセンサと測定装置との接続を示す図である。
この図7のように、測定装置40は、QCM測定回路部41と、温度測定回路部42と、制御部43とを有する。QCM測定回路部41は、QCMセンサ20の駆動電極24に接続されて高周波電圧を供給する発振回路41aと、発振回路41aを介してQCMセンサ20の振動数(共振周波数)を計測する周波数カウンタ41bとを有する。
また、温度測定回路部42は、温度検出部30(図4参照)の端子A1,A2間に所定の電流を供給する定電流回路42aと、温度検出部30の端子B1,B2間の電圧を測定する電圧測定回路42bとを有する。
制御部43は、QCM測定回路部41を制御し、QCMセンサ20の駆動電極24に所定の電圧を印加してQCMセンサ20を振動させ、QCMセンサ20の共振周波数を計測する。また、制御部43は、温度測定回路部42を制御して温度検出部30の端子A1,A2間に所定の電流を供給しながら端子B1,B2間の電圧を測定し、電圧を温度に換算して、QCMセンサ20の温度を得る。そして、制御部43は、予め測定されたQCMセンサ20の温度特性を参照してQCMセンサ20の共振周波数を補正し、その値に基づいて環境中の腐食性ガスによる腐食の程度を判定する。
本実施形態では、上述したように絶縁板23a,23bにより支持部材23を形成し、絶縁板23a,23bに設けた突起32及び導電パターン31を介してQCMセンサ20の配線を外部に引き出している。このため、QCMセンサ20に温度検出部30を内蔵しても、突起32及び支持部材23を介して温度検出部30と測定装置40とを接続することができる。この場合、QCMセンサ20の振動を阻害する金属細線等がないので、QCMセンサ20の共振周波数を精度よく検出することができ、検出結果の信頼性が高い。
図8〜図19は、本実施形態に係るQCMセンサの製造方法の一例を示す図である。図8〜図14はQCMセンサの本体部分の製造方法を示し、図15〜図19は支持部材の製造方法を示している。
最初に、図8〜図14を参照してQCMセンサの本体部分の製造方法を説明する。これらの図8〜図14において、(a)は平面図、(b)は(a)に破線で示す位置における断面図である。
まず、図8(a),(b)のように、水晶振動子21を用意する。本実施形態では、水晶振動子21として、直径が8mm、厚さが67μmのATカットされた円盤状の水晶を使用する。
次に、水晶振動子21の一方の面側に所定のパターンで開口部が設けられたマスク(図示せず)を配置し、蒸着法又はスパッタ法等により水晶振動子21の上にPt(白金)を例えば50nmの厚さに形成する。これにより、マスクの開口部に倣うパターンで、Ptからなる駆動電極24、接続配線24a及び抵抗パターン25,26a,26b,27a,27bが形成される。ここでは、駆動電極24の直径は例えば3.5mmとする。
その後、駆動電極24、接続配線24a及び抵抗パターン25,26a,26b,27a,27bの形成に使用したマスクを除去する。
次に、水晶振動子21の一方の面上に所定のパターンで開口部が設けられたマスク(図示せず)を配置する。そして、例えばスパッタ法によりアルミナを100nmの厚さに形成して、図9(a),(b)のように、駆動電極24及び抵抗パターン25を覆う絶縁保護膜28を形成する。その後、絶縁保護膜28の形成に使用したマスクを除去する。
次に、水晶振動子21の一方の面上に所定のパターンで開口部が設けられたマスク(図示せず)を配置する。そして、例えばスパッタ法によりCu(銅)を500nmの厚さに形成して、図10(a),(b)のように絶縁保護膜28上に腐食金属膜29を形成する。その後、腐食金属膜29の形成に使用したマスクを除去する。
前述したように、腐食金属膜29の材質は検出対象の腐食性ガスに応じて適宜選択すればよく、鉄又は銀等により腐食金属膜29を形成してもよい。また、腐食金属膜29の厚さも500nmに限定するものではなく、適宜設定すればよい。
次に、図11(a),(b)のように、水晶振動子21を反転させる。そして、水晶振動子21の他方の面上に所定のパターンで開口部が設けられたマスク(図示せず)を配置し、蒸着法又はスパッタ法によりPtを例えば50nmの厚さに形成して、駆動電極24、接続配線24a及び抵抗パターン27a,27bを形成する。その後、駆動電極24、接続配線24a及び抵抗パターン27a,27bの形成に使用したマスクを除去する。
次に、水晶振動子21の他方の面上に所定のパターンで開口部が設けられたマスク(図示せず)を配置する。そして、例えばスパッタ法によりアルミナを100nmの厚さに形成して、図12(a),(b)のように、駆動電極24を覆う絶縁保護膜28を形成する。その後、絶縁保護膜28の形成に使用したマスクを除去する。
次に、水晶振動子21の他方の面上に所定のパターンで開口部が設けられたマスク(図示せず)を配置する。そして、例えばスパッタ法によりCu(銅)を500nmの厚さに形成して、図13(a),(b)のように絶縁保護膜28上に腐食金属膜29を形成する。その後、腐食金属膜29の形成に使用したマスクを除去する。
次いで、図14(a),(b)に示すように、水晶振動子21の端面の所定の位置に導電パターン27を形成して、水晶振動子21の一方の面側に形成された抵抗パターン27a,27bと他方の面側に形成された抵抗パターン27a,27bとを電気的に接続する。この導電パターン27はスパッタ法等により形成してもよく、導電ペーストを塗布して形成してもよい。
このようにして、QCMセンサ20の本体部分が完成する。
次に、図15〜図19を参照して支持部材23の製造方法を説明する。図15〜図18において、図の中央は支持部材23を形成する2枚の絶縁板23a,23bの側面を示し、その両側の図は絶縁板23a,23bの表面及び裏面を示している。
まず、図15のように、所定の大きさの絶縁板23a,23bを用意する。絶縁板23a,23bには適度の弾力性が要求される。本実施形態では、絶縁板23a,23bが、20mm(長さ)×3.5mm(幅)×1mm(厚さ)のプラスチック板からなるものとする。この絶縁板23a,23bの所定の位置(突起32に対応する位置)に、例えば直径が0.5mm程度の孔51を形成する。
一方、突起32となるシリコンゴム52を用意する。本実施形態では、図19のように、両端部が膨らんだ形状のシリコンゴム52を使用する。シリコンゴム52の中央部の直径は孔51の直径とほぼ同じであり、両端部の直径は孔51の直径よりも若干大きく設定されている。このシリコンゴム51の表面には、Au(金)、Cr(クロム)又はAl(アルミニウム)等の金属膜を例えば50μm以上の厚さにコーティングして、導電性を付与している。
次に、図16に示すように、金属膜をコーティングしたシリコンゴム52を絶縁板23a,23bに設けた孔51に挿入して、突起32とする。但し、突起32の形成方法はこれに限定されず、絶縁板23a,23bを形成する際に、絶縁板23a,23bと同じ材料で突起32を形成し、導電パターン31を形成する際に突起32の表面に導電体膜を形成してもよい。また、絶縁板23a,23bの所定の位置に導電ペーストを付着させて、突起32としてもよい。
次に、図17のように、絶縁板23a,23bの表面、裏面及び側面に導電パターン31を形成する。導電パターン31は、Pt等の金属をスパッタして形成してもよく、導電ペーストを塗布して形成してもよい。また、導電パターン31として、金属細線を絶縁板23a,23bに貼り付けてもよい。
次いで、図18のように、絶縁板23a,23bの下部を接着剤で貼り合わせて一体化する。これにより、支持部材23が完成する。
このようにしてQCMセンサ20の本体部分と支持部材23とを形成した後、図3,図5,図6に示すように、支持部材23を台座22に取り付け、支持部材23の2枚の絶縁板23a,23b間に水晶振動子21の縁部を挟み込む。このようにして、本実施形態に係るQCMセンサ20が完成する。
上述の製造方法によれば、駆動電極24だけでなく、温度検出部30の配線も支持部材23に設けられた突起32及び導電パターン31を介して外部に引き出すため、温度検出部30を備えたQCMセンサ20を比較的容易に製造することができる。
また、本実施形態に係るQCMセンサ20は、QCMセンサ20の本体部分と支持部材23とが突起32を介して接触しているだけであるので、例えば腐食金属膜29が腐食した場合にQCMセンサ20の本体部分のみを交換して再使用することができる。
(実験)
以下、QCMセンサの温度と共振周波数との関係を調べ、QCMセンサの温度特性(図1参照)を用いて共振周波数を補正した結果について説明する。
図20は、横軸に時間をとり、縦軸にQCMセンサの共振周波数の変化量及び温度をとって、温度変化とQCMセンサの補正前及び補正後の共振周波数の変化とを示す図である。この図20のように、QCMセンサの共振周波数は温度により変化するが、QCMセンサが置かれた場所の温度を検出して共振周波数を補正することにより、温度による影響を十分に排除することができる。
(第2の実施形態)
図21は、第2の実施形態に係るQCMセンサの構造を示す模式図である。図21において、中央にはQCMセンサの正面図を示し、その左右には支持部材と水晶振動子との接続部、及び支持部材を形成する絶縁板の表裏に設けられた導電パターンを示している。
なお、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、支持部材に設けられた突起の位置が異なることにあり、その他の構造は基本的に第1の実施形態と同様であるので、ここでは重複する部分の説明は省略する。
本実施形態に係るQCMセンサ20aでは、支持部材32を形成する2枚の絶縁板23a,23bのうちの一方の絶縁板23aには3個の突起32と導電パターン31とが設けられており、他方の絶縁板23bには突起及び導電パターンが設けられていない。そして、絶縁板23aの突起32が水晶振動子21の一方の面側に形成された接続電極に接触し、水晶振動子21の他方の面は絶縁板23bに直接接触している。
本実施形態では、第1の実施形態に比べて支持部材32と水晶振動子21との接触面積が大きく、水晶振動子21をより安定に支持できる。
(第3の実施形態)
図22は、第3の実施形態に係るQCMセンサの構造を示す模式図である。図22において、中央にはQCMセンサの正面図を示し、その左右には支持部材と水晶振動子との接続部、及び支持部材を形成する絶縁膜の表裏に設けられた導電パターンを示している。
なお、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、支持部材に設けられた突起の数が異なることにあり、その他の構造は基本的に第1の実施形態と同様であるので、ここでは重複する部分の説明は省略する。
本実施形態に係るQCMセンサ20bでは、支持部材32を形成する2枚の絶縁板23a,23bのそれぞれに6個の突起32が設けられている。但し、絶縁板23aに設けられた3個の突起32のうちの2個はダミーであり、導電パターン32と接続していない。また、絶縁板23bに設けられた3個の突起のうちの1個はダミーであり、導電パターン32と接続していない。
本実施形態に係るQCMセンサ20bでは、絶縁板23a,23bにそれぞれ3個ずつ形成された突起32により水晶振動子31を挟んで支持するので、第1の実施形態に比べて支持部材32と水晶振動子21との接触箇所が多く、水晶振動子21をより安定に支持できる。
なお、上述の各実施形態では温度測定部30として抵抗パターン25,26a,26b,27a,27bにより形成された4端子回路を使用しているが、温度測定部として熱電対やサーミスタ等を使用してもよい。また、上述の各実施形態では水晶振動子21に温度測定部30を形成する場合について説明したが、水晶振動子21に温度測定部以外の電気部品を形成してもよい。
以上の諸実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)水晶振動子と、
前記水晶振動子の面上に配置された一対の駆動電極と、
前記水晶振動子を支持する2本の支持部材とを有し、
前記支持部材が、
前記水晶振動子に接触する第1の突起及び第2の突起と、
前記第1の突起を介して前記駆動電極と電気的に接続された第1の導電パターンと、
前記第2の突起を介して前記水晶振動子に形成された電気部品と電気的に接続可能な第2の導電パターンと
を有することを特徴とするQCMセンサ。
(付記2)前記電気部品が、温度の測定に使用するものであることを特徴とする付記1に記載のQCMセンサ。
(付記3)前記支持部材は2枚の絶縁板により形成され、それら2枚の絶縁板間に前記水晶振動子の縁部を挟んで支持していることを特徴とする付記1又は2に記載のQCMセンサ。
(付記4)1本の前記支持部材に対し、前記水晶振動子に接触する第1の突起及び第2の突起の総数が3以上であることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載のQCMセンサ。
(付記5)前記第1の突起及び第2の突起が、表面に金属をコーディングした樹脂により形成されていることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載のQCMセンサ。
(付記6)前記第1の導電パターン及び第2の導電パターンが、前記絶縁板の表裏両面に形成されていることを特徴とする付記3に記載のQCMセンサ。
(付記7)前記支持部材には、前記水晶振動子に接触し導電パターンには接続していないダミーの突起が設けられていることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載のQCMセンサ。
10,20,20a,20b…QCMセンサ、11,21…水晶振動子、12,22…台座、13,23…支持部材、14,24…駆動電極、15…導電性ペースト、23a,23b…絶縁板、25,26a,26b,27a,27b…抵抗パターン、28…絶縁保護膜、29…腐食金属膜、30…温度検出部、31…導電パターン、32…突起、40…測定装置、41…QCM測定回路部、42…温度測定回路部、43…制御部、51…孔、52…シリコンゴム。

Claims (5)

  1. 水晶振動子と、
    前記水晶振動子の面上に配置された一対の駆動電極と、
    前記水晶振動子を支持する2本の支持部材とを有し、
    前記支持部材が、
    前記水晶振動子に接触する第1の突起及び第2の突起と、
    前記第1の突起を介して前記駆動電極と電気的に接続された第1の導電パターンと、
    前記第2の突起を介して前記水晶振動子に形成された電気部品と電気的に接続可能な第2の導電パターンと
    を有することを特徴とするQCMセンサ。
  2. 前記電気部品が、温度の測定に使用するものであることを特徴とする請求項1に記載のQCMセンサ。
  3. 前記支持部材は2枚の絶縁板により形成され、それら2枚の絶縁板間に前記水晶振動子の縁部を挟んで支持していることを特徴とする請求項1又は2に記載のQCMセンサ。
  4. 1本の前記支持部材に対し、前記水晶振動子に接触する第1の突起及び第2の突起の総数が3以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のQCMセンサ。
  5. 前記第1の導電パターン及び第2の導電パターンが、前記絶縁板の表裏両面に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のQCMセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015105919A (ja) * 2013-12-02 2015-06-08 富士通株式会社 腐食センサ、腐食センサの製造方法、腐食センサユニット及び腐食モニタシステム
JP2019015675A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 富士通株式会社 ガスセンサ、ガスセンサシステム、及びガス検出方法

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