JP2013174442A - リウマチ障害と非リウマチ障害とを識別するためのトリガーアッセイ - Google Patents

リウマチ障害と非リウマチ障害とを識別するためのトリガーアッセイ Download PDF

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Abstract

【課題】 リウマチ障害と非リウマチ障害とを識別するためのトリガーアッセイを提供する。
【解決手段】 本発明は、被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除する方法であって、少なくとも1種のリウマチ障害を示す少なくとも1種の自己抗体または抗原が、被験者から得られたサンプル中に存在するかどうかを決定することを含み、該自己抗体または抗原の存在が、被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除することができる前記方法を提供する。従って、本発明は、被験者の筋骨格症状の原因を診断する際の次の工程(初期診断を確認するためのリウマチ障害または非リウマチ障害のさらなる診断)を誘発する方法を提供する。また、被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除するためのキットならびに該キットの使用も提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除するための方法であって、少なくとも1種のリウマチ障害を示す少なくとも1種の自己抗体または抗原が、該被験者から得られたサンプル中に存在するかどうかについて決定することを含み、該自己抗体または抗原の存在が、被験体の筋骨格症状の原因としての非リウマチ障害を排除することができる前記方法を提供する。従って、本発明は、被験体の筋骨格症状の原因の診断における次の工程(初期診断を確認するためのリウマチ障害または非リウマチ障害のさらなる診断)を誘発する方法を提供する。また、被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除するためのキットならびに該キットの使用も提供される。
筋骨格症状は、毎年多くの患者が医療を求める原因となり、最初は完全な病歴および健康診断を促す。筋骨格症状は世界中で毎年何百万人もの外来通院を占めると見積もられている。筋骨格障害は身体障害の最も頻繁な原因である。筋骨格疼痛を有する人々は、その全身が痛いとの不満を述べることがある。彼らの筋肉は、それらが引っ張られるか、または酷使されたように感じるかもしれない。筋肉が痙攣するか、または熱くなることもある。症状は人によって変わるが、一般的な症状は疼痛、疲労および睡眠障害である。
筋骨格障害は多くのヒト集団が罹患する一般的な疾患である。それらはリウマチ障害により引き起こされる。しかしながら、それらは非リウマチ障害によっても引き起こされる場合がある。それらは頸部疼痛、手足の疼痛、腰部疼痛、関節疼痛、慢性の広範囲に及ぶ疼痛などの様々な型の疼痛を引き起こし、一次医療における相談の主要な理由である。筋骨格疼痛は、骨、関節、筋肉、腱、靱帯、嚢、または神経に対する損傷により引き起こされる場合がある。損傷が起こっていないか、または疼痛が数日以上持続する場合、別の原因、例えば、変形性関節症または自己免疫疾患が一因であることが多い。
筋骨格疼痛の有病率の増加は流行と説明されている。疼痛は多くの筋骨格障害の根本的な症状であり、損傷または炎症により引き起こされることが多い。疼痛の他に、罹患した部分の凝り、圧痛、衰弱および腫れまたは変形などの他の症状も、筋骨格障害の徴候である。
実質的に全ての関節損傷および疾患が、「関節炎」疼痛と呼ばれることが多い、凝り、疼くような痛みをもたらす。関節が動いた時に疼痛が悪化し、軽度から重篤までの範囲がある。いくつかの症状については、疼痛と共に関節の腫れが存在することがある。関節の炎症(関節炎)は関節疼痛の一般的な原因である。リウマチならびに他の型の炎症性関節炎、変形性関節症、感染性関節炎、および痛風または偽痛風に起因する関節炎などの多くの型の関節炎が存在する。関節疼痛の他の原因としては、自己免疫障害および血管障害(例えば、全身性エリテマトーデス、リウマチ性多発性筋痛、および結節性多発動脈炎)、骨の虚血壊死、ならびに損傷(例えば、脱臼、捻挫、および関節の内側の骨の部分に影響する骨折)が挙げられる。時には、腱および嚢などの関節近くの構造物で生じる疼痛は、関節から来ているようである。
いくつかの筋骨格障害は、神経を圧迫することにより疼痛を引き起こす。これらの症状としては、「管症候群」(例えば、手根管症候群、肘部管症候群、および足根管症候群)が挙げられる。疼痛は、神経によって供給される経路に沿って放射状に広がる傾向があり、ヒリヒリすることがある。
嚢の疼痛は、滑液包炎または線維筋痛によって引き起こされ得る。通常、嚢の疼痛は、嚢に関与する動きに伴って悪化する。腫れる場合もある。
上記のように、筋骨格疼痛の原因は様々である。筋肉組織は、日々の活動の摩損と共に損傷され得る。ある領域への外傷(痙動、自動車事故、落下、骨折、捻挫、脱臼、および筋肉への直接的衝撃など)も筋骨格疼痛を引き起こし得る。疼痛の他の原因としては、姿勢の緊張、反復運動、酷使、および長期の運動不足が挙げられる。姿勢の変化または貧弱な身体力学は脊椎整合に関する問題および筋肉の短縮をもたらすことがあり、従って、他の筋肉の誤用を引き起こし、痛くなる。しかしながら、筋骨格疼痛は、慢性関節リウマチ、シェーグレン症候群(SS)、全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性強皮症、CREST症候群、未分化結合組織疾患(UCTD)、多発性筋炎(PM)、皮膚筋炎(DM)または抗好中球細胞質自己抗体(ANCA)関連血管炎などの自己免疫障害によっても引き起こされ、これらを自己免疫性筋骨格障害と呼ぶことができる。これらは筋骨格障害を引き起こし得る自己免疫障害の単なるいくつかの例に過ぎず、より多くのものが存在する。
自己免疫障害は、自分自身の組織に対する不適切な免疫応答をもたらす身体により引き起こされる疾患である。免疫系は、1種以上の身体の正常な構成要素を「自己」と認識することを止め、自己抗体(自分自身の細胞、組織、および/または器官を攻撃する抗体)を作ることがある。これは炎症および損傷を引き起こし、それが自己免疫障害を誘導する。自己免疫障害においては、体液性免疫および細胞性免疫の両方が、疾患の発生において病態生理学的役割を果たす。組織および器官に対する損傷は、自己抗体および/または自己反応性T細胞の存在および浸潤の結果生じるようである。
自己免疫疾患の原因は未知であるが、多くの場合、自己免疫疾患を生じる遺伝的素因が存在するようである。2〜3の型の自己免疫疾患(リウマチ熱など)においては、細菌またはウイルスが免疫応答を誘発し、自己抗体またはT細胞は、感染微生物の構造の一部と類似する構造物のいくつかの部分を有するため、正常な細胞を攻撃する。
自己免疫障害は2つの一般的な型:多くの器官を損傷するもの(全身性自己免疫疾患)と単一の器官または組織が自己免疫プロセスにより直接損傷されるもの(限局性)に分けられる。しかしながら、その区別は、限局性自己免疫障害の効果が標的化された組織を超えて広がることが多く、他の身体器官および系に間接的に影響するため、不鮮明になる。
自己免疫性筋骨格障害においては、自己抗体および自己反応性T細胞の正確な「標的」は未知であるか、または最良でも不明確である。しかしながら、RA、SLEまたはSSなどの自己免疫障害が筋骨格障害を引き起こすことは知られている。
自己免疫性筋骨格障害の場合、様々な抗体特異性が記載されている。自己抗体の決定は、障害の診断を確立するための重要な情報を提供する。さらに、これらの抗体の決定は、予後的な価値を有するか、またはこれを用いて治療に対する応答をモニターするか、もしくは疾患の再発を予測することができる。臨床的に最も関連するアッセイとしては、リウマチ因子(RF)、抗環状シトルリン化抗体(抗CCP)、抗核自己抗体(ANA)、抗二本鎖DNA抗体、抽出核抗原(ENA)、および抗好中球細胞質自己抗体(ANCA)が挙げられる。
しかしながら、医師が市販の自己抗体試験を使用する場合、彼はその誤りに注意しなければならない。単にスクリーニング試験としてではなく、正当な臨床的疑惑の状況においてこれらの試験を実施することが非常に重要である。さらに、医師は、疾患モニタリングのためのこれらの自己抗体の妥当性が証明された場合にのみ、特定の筋骨格障害における自己抗体の反復測定が有用であることに注意しなければならない。
従って、RAまたはSLEなどのリウマチ障害の症状を引き起こす自己免疫障害を示す自己抗体を検出するための特異的アッセイを適用することができる。これらのアッセイは、CCP、ANAまたはANCAなどの所定の自己抗原に対する自己抗体の検出を利用するものである(例えば、WO 2007/039280またはFengら(2004)、Clin. Chem. 50:416-422を参照されたい)。従って、今までのところ、適用されるアッセイは自己免疫障害を具体的に診断する目的にとって役立ち、それによって医師は健康診断、画像化試験および患者の病歴に基づく洞察または疑惑を既に有している。
従って、今までのところ、自己免疫性筋骨格障害を試験するための適用されるアッセイは、単に示差的診断を提供するに過ぎず、かくして、患者における特定の疾患を診断するために医師または他の臨床医によって使用することができる。しかし、今までのところ、全てのアッセイが利用可能であると適合させた者はいない。
まとめると、そのむしろ複雑な病因に起因して、筋骨格症状の原因を診断することは難しい。筋骨格症状の特定の原因を決定する前に、適切な健康診断、様々な試験、画像化、神経試験、自己抗体試験などを行うべきである。その診断は非常に複雑であり、多くの原因が筋骨格症状の原因となり得るため、診断には分類が必要であり、各段階で、図1から明らかである新しい分岐が生じる。通常は患者への最初の接触点である一般開業医にとって、その場その場で信頼できる診断を行うことはほとんど不可能である。事実、患者は臨床症状に関して特定量の重複を有し得るため、一般開業医にとって、例えば、様々な関節炎障害を区別するのは全く困難である。実際、SLE、RAおよびSSは類似する症状を引き起こす。さらに、変形性関節症も関節炎障害であるが、これは自己免疫性筋骨格障害によって引き起こされるものではない。これは、筋骨格症状の診断の複雑性を例示するほんの一例である。
上記のように、筋骨格症状の原因を診断する際の最も重要な工程は、分類の階層化における初期工程、すなわち、筋骨格症状の原因が非自己免疫障害であるか、または自己免疫性筋骨格障害であるかの決定である。
かくして、例えば、自己免疫性筋骨格障害により引き起こされた、非リウマチ障害とリウマチ障害とを、患者の病歴の最も早い可能な段階で識別することが非常に重要である。さもなければ、患者を偽治療にかけてもよいが、これは状況をさらに悪化させることにもなり得る。例えば、筋骨格症状を引き起こす非自己免疫性筋骨格障害を有するとして一般開業医によって初期診断された患者が、現実には、自己免疫性筋骨格障害を有するというようなことが起こり得る。同様に、自己免疫性筋骨格障害を有すると初期診断された患者が、現実には非自己免疫性筋骨格障害を有する場合もある。
従って、上記のように、一般開業医が、分類階層の頂上で、筋骨格症状の原因としてリウマチ障害から非リウマチ障害を識別/分離するか、もしくはその逆を行う、すなわち、筋骨格症状の原因として非リウマチ障害からリウマチ障害を識別して、患者を正しい専門家(すなわち、リウマチ専門医)に引き渡し、患者に最も適切な治療を受けさせることができるアッセイを利用可能にすることが望ましい。そのようなアッセイは、最終診断および整形外科医またはリウマチ専門医による患者の治療を「誘発」する。
従って、本発明の技術的問題は、上記の必要性に適合させることである。
本発明は、この必要性を解決し、かくして、この技術的問題に対する解決策として、それぞれ、筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除するか、または筋骨格症状の原因としてリウマチ障害を排除するための方法、使用および手段を提供する。これらの実施形態を本明細書で特性評価および説明し、図面に示し、実施例に例示し、ならびに特許請求の範囲に反映させる。
本発明者らは、最も早い可能な時点、すなわち、被験者が筋骨格症状のために医師に相談した時に、医師、例えば、一般開業医に、それぞれ、筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除するか、またはその逆を行うことを可能にする手段および方法、筋骨格症状の原因としてリウマチ障害を排除することを可能にする方法を提供することが最も重要であることを認識してきた。
さもなければ、被験者が最も適切に治療されないことが必然的に起こるが、それが被験者の筋骨格疾患をさらに悪化させ得る。例えば、慢性関節リウマチにより引き起こされる筋骨格症状を患う被験者を、偽陰性診断のために適切な手段でできるだけ早く治療しない場合、慢性関節リウマチが悪化し、さらに不可逆的な損傷およびかくして、健康経済的問題を引き起こすことがある。
現在まで、リウマチ障害が筋骨格症状の原因であるかどうかを決定するために、示差的診断アッセイだけが適用されてきた。これらのアッセイは、被験者がそのようなリウマチ障害を罹患するという推測から開始し、さらに、被験者の病歴に基づいて、被験者がリウマチ障害を有すると推定される。換言すれば、今までのところ、仮定のリウマチ障害を確認するために診断が行われてきた。かくして、今までのところ適用されたアッセイは、特定の分析物または慢性関節リウマチなどの特定のリウマチ障害を示す自己抗原のマーカー団を含む。
しかしながら、示差的診断アッセイの利用可能性にも関わらず、医師はさらに、その示差的診断を改良するか、または検証するための臨床結果を必要とする。一般開業医にとって、多くの場合、筋骨格症状の原因としてリウマチ障害と非リウマチ障害とを容易に区別することはほぼ不可能である。しかしながら、健康経済的な観点から、筋骨格症状を有する被験者を好適な医師(リウマチ障害にも特殊化されたリウマチ専門医または整形外科医)に委ねるように、できるだけ早くこの区別を行うことに関心が高いであろう。
実際、慢性全身性リウマチ障害により引き起こされた機能的に関連する損傷を、適切な治療を早期に開始することにより軽減するか、または時には回避することができる。しかしながら、これには、治療をできるだけ早く行うための正確な診断が必要である。この種の障害の開始時には非特徴的症状が多いため、早期診断は診断的挑戦である。
本発明者らは、多くの示差的診断アッセイおよび筋骨格症状を引き起こす特定のリウマチ障害を診断する方法の利用可能性にも関わらず、ならびにその知識の限り、医師が、筋骨格症状の原因としてリウマチ障害と非リウマチ障害とを即座に識別することができるアッセイは利用可能ではないと認識している、すなわち、本発明者らは、いわば、医院の識別デバイスを提供する。事実、自己免疫性筋骨格障害などのリウマチ障害の開始時には非特徴的症状が多いため、それらは時期尚早に軽視されることが非常に多く、非リウマチ障害は筋骨格症状の原因であると仮定される。
かくして、特に一般開業医のため、ならびに医療専門家のために、非リウマチ障害またはその逆に、リウマチ障害を筋骨格症状の原因として排除することができるかどうかを見出す際の初期工程(「応急処置」)として適用することができる利用可能な手段および方法を有することが必要である。
従って、第1の態様において、本発明は、被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除するための方法であって、少なくとも1種のリウマチ障害を示す少なくとも1種の自己抗体または抗原が、被験者から得られたサンプル中に存在するかどうかを決定することを含み、該自己抗体または抗原の存在が、被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除することができる前記方法に関する。
代替的な、および/またはさらなる態様においては、本発明は、被験者の筋骨格症状の原因としてリウマチ障害を排除する方法であって、少なくとも1種のリウマチ障害を示す少なくとも1種の自己抗体または抗原が、被験者から得られたサンプル中に存在しないかどうかを決定することを含み、該自己抗体または抗原の非存在が、被験者の筋骨格症状の原因としてリウマチ障害を排除することができる前記方法に関する。
従って、本発明の排除方法はまた、特に、筋骨格症状の開始時(好ましくは開始初期)に、筋骨格症状の原因として、それぞれ、非リウマチ障害とリウマチ障害とを排除する方法または識別する方法または分離する方法として見ることもできる。
さらに、本発明の方法は、被験者の筋骨格症状の原因の診断(初期診断を確認するためのリウマチ障害の診断または非リウマチ障害の診断)におけるさらなる工程を誘発するためのものである。
事実、前記方法が、非リウマチ障害を被験者の筋骨格症状の原因として排除することができるかどうかに関して、筋骨格症状の開始時に決定することができることが好ましく有利である。
あるいは、および/またはさらに、前記方法は、筋骨格症状の開始時に、すなわち、初期段階で、リウマチ障害(または非リウマチ障害)を被験者の筋骨格症状の原因として排除することができるかどうかに関して決定することができる。
筋骨格症状の診断のためのアルゴリズムである(Harrison's Principles of Internal MedicineHarrison's、第320章から取得した)。ESR:赤血球沈降速度;CRP:C反応性タンパク質;DIP:遠位指節間;CMC:手根中手骨;PIP:近位指節間;MCP:中手指節;MTP:中足指節;PMR:リウマチ性多発性筋痛;SLE:全身性エリテマトーデス;JA:若年性関節炎。
本発明の方法、使用およびキットの文脈において用いられる場合、全てのその文法的形式において、「排除」とは、それぞれ、非リウマチ障害もしくはリウマチ障害を、被験者の筋骨格症状の原因として排除するか、またはそれぞれ、非リウマチ障害もしくはリウマチ障害から分離/識別することができることを意味する。勿論、偽陽性または偽陰性の結果は、一般的に知られるように、診断方法の固有の特性であるため、そのような結果を排除することはできない。しかしながら、本明細書に記載されるように、陽性または陰性の結果に関して決定的に重要である閾値を、できるだけ注意深く決定する。従って、医師の目標について疑われる場合、本発明の診断試験を反復し、および/または当業界で公知のさらなる試験によって補完することができる。
本明細書で用いられる場合、「被験者」は、哺乳動物および非哺乳動物被験者を含む。治療のための「哺乳動物」とは、ヒト、家畜、非ヒト霊長類、および乳房組織を有する任意の他の動物などの哺乳動物として分類される任意の動物を指す。哺乳動物としては、ヒト、マウス、ラットもしくはウサギなどのげっ歯類、イヌ、ネコ、チンパンジー、ウマ、ブタなどが挙げられるが、ヒトが好ましい。被験者として、ヒト患者および獣医学的患者が挙げられるが、ヒト患者が好ましい。
「患者」は、好ましくはそれぞれ、リウマチ障害または非リウマチ障害の存在または非存在について試験される筋骨格症状を有する個々の被験者である。リウマチ障害もしくは非リウマチ障害について試験される患者は、本明細書に記載のような障害の1種以上の指示因子を有してもよく、または前記障害の任意の指示因子の非存在下で前記障害の存在もしくは非存在についてスクリーニングすることができる。本明細書で用いられる「前記障害を有することが疑われる個体」または「前記障害を有することが疑われる被験者」は、前記障害の1種以上の指示因子を有してもよく、または年齢、環境因子および/もしくは栄養因子、もしくは遺伝的因子に起因して前記障害を発生する危険性が高く、または前記障害の任意の指示因子の非存在下で前記障害について日常的にスクリーニングされた集団の一部であってよい。
本発明に従えば、用語「サンプル」は、自己抗体、ポリヌクレオチドもしくはポリペプチドまたはその一部を含有する被験者、細胞系、組織培養物、または他の起源から得られた任意の生物学的サンプルを意図する。生物学的サンプルとしては、自己抗体を含有することが判明した体液(血液、血清、血漿、尿、唾液、滑液および髄液など)および組織起源が挙げられる。被験者から組織生検および体液を取得する方法は当業界でよく知られている。一般的には、タンパク質、特に、抗原、自己抗体およびポリヌクレオチドを含む生物学的サンプルが起源として好ましい。
他の好ましいサンプルは、全血、血清、血漿または滑液であるが、血漿または血清が最も好ましい。
自己抗体または抗原の「存在」(全てのその文法的形式において)は、少なくとも1種のリウマチ障害を示す自己抗体または抗原が、免疫学的に検出可能であることを意味する。従って、自己抗体は本明細書に記載の試験領域中に含まれる自己抗原に結合する。同様に、抗原は本明細書に記載の試験領域中に含まれる抗体により結合する。
当業界で公知の任意の免疫アッセイを、自己抗体の自己抗原への結合または抗原の抗体への結合を免疫学的に検出するために用いることができる。免疫アッセイは当業者にはよく知られている。そのようなアッセイを実行する方法ならびに実際の適用および手順は、関連する教科書にまとめられている。関連する教科書の例は、Tijssen, P., In: Practice and theory of enzyme immunoassays, Burdon, R.H.およびv. Knippenberg, P. H. (編), Elsevier, Amsterdam (1990), pp. 221-278、ならびに免疫学的検出方法について扱っている、Colowick, S. P.およびCaplan, N.O. (編)、Methods in Enzymology, Academic Pressの様々な巻、特に、第70, 73, 74, 84, 92および121巻である。
免疫アッセイとしては、例えば、沈降(特に、免疫沈降)、電気化学発光(電気生成化学発光)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、サンドイッチ酵素免疫試験、電気化学発光サンドイッチ免疫アッセイ(ECLIA)、解離促進ランタニドフルオロ免疫アッセイ(DELFIA)、シンチレーション近接アッセイ(SPA)、比濁法(turbidimetry)、比濁法(nephelometry)、ラテックス促進比濁法、固相免疫試験、ならびにSELDI-TOF、MALDI-TOF、もしくはキャピラリー電気泳動-質量分析(CE-MS)などの質量分析法が挙げられる。
さらに、好適な免疫アッセイとしては、マイクロプレートELISA法、全自動化もしくはロボット化免疫アッセイ(例えば、Elecsys(商標)もしくはCobas(商標)分析装置上で利用可能)、およびラテックス凝集アッセイ(例えば、Roche-Hitachi(商標)分析装置上で利用可能)が挙げられる。
典型的には、本発明においては、免疫アッセイは、自己抗体が自己抗原に特異的に結合して、自己抗体の検出および/もしくは定量を提供するアッセイまたは抗原が抗体に結合して、該抗原の検出および/もしくは定量を提供するアッセイである。
本明細書で用いられる場合、「免疫学的に検出可能」は、本明細書に記載のように自己抗体の自己抗原への結合または抗原の抗体への結合により生成されたシグナルが、所定の試験領域特異的閾値を超える、すなわち、自己抗体の自己抗原への結合または抗原の抗体への結合により生成されたシグナルが陽性であることを含むのが好ましい。
自己抗体の「非存在」(全てのその文法的形式において)は、少なくとも1種のリウマチ障害を示す自己抗体もしくは抗原が免疫学的に検出可能ではないことを意味する。従って、自己抗体は本明細書に記載の試験領域中に含まれる自己抗原に結合していない。同様に、「非存在」は、抗原が本明細書に記載の試験領域中に含まれる抗体により結合しないことを意味する。上記のように、当業界で公知の任意の免疫アッセイを用いることができる。
本明細書で用いられる場合、「免疫学的に検出可能でない」は、自己抗体の自己抗原への結合または本明細書に記載の抗原の抗体への結合により生成されたシグナルが、所定の試験領域に特異的な閾値より低い、すなわち、自己抗体の自己抗原への結合または抗原の抗体への結合により生成されたシグナルが陰性であることを含むのが好ましい。
従って、本発明の方法の好ましい態様においては、シグナルが所定の試験領域に特異的なカットオフ値より高い場合、それは陽性と分類され、それが所定の試験領域に特異的なカットオフ値より低い場合、それは陰性と分類され、ここで、陽性シグナルは筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除する。
同様に、陰性シグナルは、筋骨格症状の原因としてリウマチ障害を排除する。
「カットオフ値」は、シグナルが陽性であるか、または陰性である場合に関して決定する自己抗体または抗原の量および/または濃度の境界値(または限界値)である。本発明の場合、自己抗原または抗体の特定の量および/または濃度が、被験者に由来するサンプル中に含まれる自己抗体または抗原が結合する試験領域上に存在するため、自己抗体または抗原の量および/または濃度を間接的に反映する。
かくして、「シグナル」は、試験領域上に存在する自己抗原への自己抗体の結合を含む自己抗体-自己抗原反応の結果を反映する。従って、用語「シグナル」は、試験領域上に存在する自己抗原への自己抗体の結合を含む自己抗体-自己抗原反応の結果を含む。同様に、この用語は、試験領域上に存在する抗体への抗原の結合を含む抗原-抗体反応の結果を含む。
カットオフ値が所定の閾値を超えるか、またはそれより高い場合、これはリウマチ障害を示す自己抗体または抗原の存在を示し、かくして、シグナルまたは自己抗体-自己抗原反応もしくは抗原-抗体反応の結果は陽性と分類される。
しかしながら、カットオフ値が閾値を超えないか、またはそれより低い場合、これはリウマチ障害を示す自己抗体または抗原の非存在を示し、かくして、シグナルまたは自己抗体-自己抗原反応もしくは抗原-抗体反応の結果は陰性と分類される。
シグナルを、本明細書の以下に記載される自己抗体-特異的受容体のシグナル生成基により提供されるシグナルを用いて決定することができる。このシグナルは、例えば、本明細書の以下に記載される分光的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的手段により検出可能である任意のシグナルであってよい。
また、シグナルを、本明細書の以下に記載される抗原特異的受容体のシグナル生成基により提供されるシグナルを用いて決定することもできる。
所定の試験領域特異的閾値を用いることにより、アッセイの要件に従うこれらのカットオフ値を最適化することができる。従って、当業者であれば、本発明の方法およびこれらの方法を適用するキットのより高い特異性またはより高い感度を達成するために、カットオフ値をシフトさせることができる。閾値またはカットオフ値を、ウイルス学的試験から知られた様々な手順により決定することができる。好ましい実施形態は、リウマチ障害を有する患者サンプル(「疾患集団」もしくは「疾患群」)と非リウマチ障害を有する患者サンプル(「対照集団」もしくは「対照群」もしくは「対照サンプル」)の十分なセットを測定することと、臨床状況にとって必要なカットオフ値を固定することである。
好ましくは、カットオフ値を、好ましくは試験領域上に存在するそれぞれの自己抗原または抗体について個別に決定する。これは、異なる試験領域について、異なるカットオフ値を決定することを意味する。
従って、前記カットオフ値をそれぞれの試験領域について個別に決定することが本発明の方法の好ましい態様である。
例えば、参照値を、リウマチ障害に罹患していない個体集団における中央値として、または特定の割合(すなわち、0.90もしくは0.95)の測定レベルとして決定することができる。例えば、コホート研究において、さらなる個体または患者におけるレベルを評価することは、既知のレベルまたは比率を精製するのを助けることができる。同様に、リウマチ障害を示す自己抗体の存在を示す参照レベルを定義および/または精製することもできる。
また、特定の自己抗体について当業界で公知のレベルを、「参照値」として用いることもできる。当業者であれば、リウマチ障害を示す自己抗体などの生体マーカーに関する参照値(または「正常値」)の概念について精通している。特に、用語「参照値」は、1個以上の対照サンプルにおけるレベルの実際の値に関するか、またはそれは1個以上の対照サンプルにおける実際のレベルから誘導された値に関してもよい。好ましくは、少なくとも50、より好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも500、最も好ましくは少なくとも1000の被験者のサンプルである。
最も単純な事例では、前記参照値は、対照サンプル中で測定されたレベルまたは複数の対照サンプル中で測定されたレベルの平均値と同じである。しかしながら、参照値を、2個以上の対照サンプルから算出することもできる。例えば、参照値は、対照の状態(例えば、健康、特定の症状、または特定の疾患状態)を表す対照サンプル中でのレベルの計算上の平均であってよい。好ましくは、参照値は、複数の比較可能な対照サンプル(同じか、もしくは類似する疾患状態を表す対照サンプル)中に認められる値の範囲、例えば、標準偏差の1回以上の平均値に関する。
同様に、参照値を、例えば、複数の対照サンプル中に認められるレベルの規定の%、例えば、90%、95%、97.5%、もしくは99%として、他の統計学的パラメーターまたは方法により算出することもできる。特定の参照値の選択を、所望の感度、特異性または統計学的有意性に従って決定することができる(一般的には、感度が高くなるほど、特異性は低くなる、およびその逆)。当業者には公知であり、好適であると見なされる統計学的方法に従って、計算を実行することができる。
用語「対照」または「対照サンプル」などは、当業者には公知である。好ましくは、「対照」は、実験結果(例えば、被験者における測定レベル)を評価することができる、標準値を提供するために実行される実験または試験に関する。本明細書の文脈においては、標準値は、好ましくはリウマチ障害を示す目的の自己抗体のレベルに関する。かくして、「対照」は、好ましくは、そのような標準値を提供するために取得されるサンプルである。例えば、対照サンプルを、1人以上の健康な被験者から、または非リウマチ障害を表す1人以上の被験者から誘導することができる。
根底にある自己抗体に関する最適化された多変量カットオフを用いて、状態Aを状態Bから識別するために本発明の方法に従って存在または非存在を決定すること、例えば、筋骨格症状の原因が、リウマチ障害によって引き起こされるか、または非リウマチ障害によって引き起こされるかを決定することが本発明の好ましい実施形態である。診断方法の精度は、その受信者動作特性(ROC)によって最良に記載される(特に、Zweig, M. H.およびCampbell, G., Clin. Chem. 39 (1993) 561-577を参照)。ROCグラフは、観察されたデータの全範囲にわたって決定閾値を連続的に変化させた結果生じる全ての感度/特異性対のプロットである。
実験室試験の臨床性能は、その診断精度、または被験者を臨床的に関連する亜群に正確に分類する能力に依存する。診断精度は、調査される被験者の2つの異なる状態を正確に識別する試験の能力を測定する。そのような状態は、例えば、健康および疾患または良性対悪性疾患である。
それぞれの場合、ROCプロットは、感度対1-決定閾値の完全な範囲に対する特異性をプロットすることにより、2つの分布間の重複を描く。y軸上は感度または真の陽性画分[(真の陽性試験結果の数)/(真の陽性試験結果の数+偽陰性試験結果の数)と定義される]。また、これを、疾患または症状の存在下で陽性と呼んだ。それは単に罹患した亜群から算出されたものである。x軸上は偽陽性画分、または1-特異性である[(偽陽性結果の数)/(真の陰性結果の数+偽陽性結果の数)と定義される]。それは特異性の指標であり、完全に罹患していない亜群から算出される。真の陽性画分および偽陽性画分は、2つの異なる亜群に由来する試験結果を用いることにより完全に別々に算出されるため、ROCプロットはサンプル中での疾患の有病率とは無関係である。ROCプロット上の各点は、特定の決定閾値に対応する感度/1-特異性対を表す。完全に識別する試験(結果の2つの分布における重複がない)は、左上の角を通過するROCプロットを有し、ここで真の陽性画分は1.0、または100%であり(完全な感度)、偽陽性画分は0(完全な特異性)である。識別しない試験に関する理論的プロット(2つの群に関する結果の同一の分布)は、左下の角から右上の角までの45°の斜線である。多くのプロットはこれらの2つの極度の間にある(ROCプロットが45°の斜線の完全に下側にある場合、「陽性」に関する基準を「より高い」から「より低い」に逆転させるか、またはその逆を行うことにより、これを容易に改善することができる。定性的には、プロットが左上の角に近くなるほど、試験の全体の精度は高くなる。
実験室試験の診断精度を定量するための1つの便利な目標は、単一の数によりその性能を表現することである。最も一般的な広範囲の尺度は、ROCプロットの下の面積である。慣例により、この面積は常に0.5より大きい(そうでない場合、そうするために決定規則を逆転させることができる)。値は、1.0(2つの群の試験値の完全な分離)と0.5(試験値の2つの群の間の分布差が明らかでない)の間の範囲である。この面積は、斜線に最も近い点または90%の特異性での感度などのプロットの特定の部分に依存するだけでなく、プロット全体にも依存する。これは、ROCプロットが完全なものにどれぐらい近いか(面積=1.0)の定量的な記述的表現である。
本明細書で用いられる場合、用語「非リウマチ障害」は、好ましくは自己免疫障害によって引き起こされない筋骨格症状を引き起こす障害を包含する。好ましくは、前記自己免疫障害は、自己抗原に対する自己抗体の出現を特徴とする。それはまた、抗原の出現を特徴としてもよい。
本発明の文脈においては、非リウマチ障害は好ましくは非自己免疫筋骨格障害であり、すなわち、それは自己免疫障害によって引き起こされない。
本発明の文脈においては、好ましい非リウマチ障害は、変形性関節症、骨粗鬆症、骨壊死、骨減少症、線維筋痛、腰痛、(関節)痛風、偽痛風、滑液包炎、外傷、骨折、腱炎からなる群より選択される。
変形性関節症は、骨肥大(骨棘形成)などの、他の関節変化と共に関節軟骨の破壊および潜在的な喪失を特徴とする慢性関節症である。症状としては、活動により悪化するか、もしくは誘発される徐々に生じる疼痛、目覚めおよび非活動後に30分弱続く肩凝り、ならびに時々の関節の腫れが挙げられる。
骨粗鬆症は、骨構造の劣化を伴う、骨密度(単位体積あたりの骨質量)を低下させる進行性代謝性骨疾患である。骨格の弱さは、特に、胸部および腰椎、手首、および臀部における、小さいか、または明らかでない外傷に伴う骨折をもたらす。急性または慢性の背痛が一般的である。
骨壊死は、特定の病因的因子によって引き起こされるか、または特発性であってよい骨の限局性梗塞である。それは疼痛、運動の制限、関節崩壊、および変形性関節症を引き起こし得る。
骨減少症は、骨のミネラル密度が正常より低い症状である。それは骨粗鬆症の前兆であると考えられている。しかしながら、骨減少症と診断された全ての人が骨粗鬆症を生じるわけではない。
線維筋痛は、全身的な痛み(時には、重篤な痛み)、筋肉、腱付着部周辺、および軟組織付近の広範囲の圧痛、ならびに筋肉の凝り、疲労および睡眠不足を特徴とする未知の原因の一般的な非関節障害である。線維筋痛においては、特に、後頭部、頸部、肩、胸部、腰部、および大腿部の線維筋肉組織が関与し得る。
滑液包炎は、滑液包の急性的または慢性的炎症である。その原因は通常は未知であるが、反復性または急性の外傷が感染および結晶誘導性疾患を引き起こすため、それが寄与するかもしれない。症状としては、疼痛(特に、運動もしくは圧迫に伴う)、腫れ、および圧痛が挙げられる。
腱炎は、変性後に生じることが多い腱の炎症である(腱障害);腱滑膜炎は、腱鞘内膜の炎症を伴う腱炎である。症状としては、通常、運動に伴う疼痛および触診に伴う圧痛が挙げられる。
痛風は、痛みが大きく、潜在的に無力にする形態の関節炎である。初期症状は通常、足(特に、足の親指)に最も多い、単一の関節における痛みの大きい腫れの激しいエピソードからなる。
偽痛風は、名称が示すように、痛風と同様の症状を引き起こすが、異なる型の結晶沈着に対して反応する関節炎の型である。リン酸カルシウム沈着症とも呼ばれることがある偽痛風は、数日または数週間の行動不能をもたらす局所疼痛および腫れの重篤なエピソードを引き起こし得る。また、それは変形性関節症または慢性関節リウマチと似たより慢性的な関節炎を引き起こし得る。膝が最も頻繁に関連するが、手首、肩、足首、肘または手にも作用し得る。
腰痛は、背中における疼痛である。それは腰椎に局在化するか、または膝より下の脚に広がり得る(坐骨神経痛)。
「筋骨格障害(MSD)」は、筋骨格系の一部が外傷を受けた、損傷した、および/または傷害を受けた症状であり、それによって筋骨格症状を引き起こす。MSDはまた、骨疾患、筋肉疾患または筋骨格系の疾患としても知られ、従ってこの用語を本明細書では互換的に用いることができる。
「筋骨格系」としては、身体の骨(骨格)、筋肉、軟骨、腱、靱帯、関節、関節軟骨(身体における全ての可動関節の表面を覆う平滑な、白く輝く組織)などの軟骨を含む結合組織(組織および器官を支持し、それに一緒に結合する組織)が挙げられる。
従って、筋骨格障害として、筋肉、軟骨、腱、靱帯、関節、関節軟骨などの軟骨を含む結合組織の障害も挙げられる。
「筋骨格症状」は、主な症状として、筋骨格系の一部の疼痛を有するものである。典型的には、患者はその全身が痛いと訴える。他の症状は疲労および/または睡眠障害であってよい。筋骨格症状を、健康診断および病歴によって、ならびに画像化または赤血球沈降速度(ESR)などの試験アッセイを介する診断法によって診断することができる。
「疼痛」は、筋骨格症状の主な症状である。疼痛は急性および束の間のものであってよいが、多くの傷害と同様、疼痛は慢性疾患に伴って継続してもよい。疼痛は、例えば、深い、貫通するような、または鈍いものであってよい。疼痛は強度においてわずかなものから重篤なものを通してひどく苦しいものまであり、例えば、定常的なもの、または間欠的なものとして現れることがある。疼痛の閾値は個人間で変化し得る。例えば、0〜10点の範囲の数値的な尺度で、疼痛を定量するのに用いることができる疼痛尺度を作製する多くの試みが為されてきた。この尺度においては、0は疼痛が全くなく、10は想像できる最悪の疼痛であろう。これらの尺度の目的は、例えば、患者が治療にどのように応答するかを介護人が見ることができるように、時間に対する個人の疼痛をモニターすることである。
典型的には、MSDは背部、頸部、肩および上肢に作用する;それらが下肢に作用することは少ない。MSDは長時間にわたって発達し、作業そのものによって、または労働者の作業環境によって引き起こされる。それらは事故、例えば、骨折および脱臼の結果生じることもある。例えば、MSDは関節に集中することが多いが、筋肉および骨にも作用する。しかしながら、他の領域が損傷することもあり、その外傷に対するそれらの応答は傷害であってもよい。典型的には、MSDは背部、頸部、肩および上肢に作用する;それらが下肢に作用することは少ない。
上肢障害(ULD)は、指から肩までの腕、および頸部に作用する。それらは反復運動損傷(RSI、蓄積外傷障害もしくは職業的使いすぎ症候群)と呼ばれることが多い。ULDとしては、手根管症候群、腱滑膜炎などの認識された症状、および疼痛はあるが、認識された症状を同定することができない症状が挙げられる。反復運動損傷、蓄積外傷障害または職業的使いすぎ症候群などの他の用語が用いられる。上肢障害の症状は、圧痛、痛みおよび疼痛、凝り、衰弱、うずき、無感覚、さしこみ、または腫れである。
背痛としては、極度に痛みの大きいことがある腰痛が挙げられる。それは重篤な疼痛に耐えることが難しいが、幸運なことに、それは重篤な疾患に起因して稀である。
「リウマチ障害」は、関節、筋肉、結合組織、関節周囲の軟組織および骨などの運動系に作用する障害である。それは、例えば、関節または筋肉における炎症、腫れ、および/または疼痛を引き起こす。本発明の文脈においては、リウマチ障害は、好ましくは身体自身の細胞および組織に対する、特に、身体の筋骨格系に対する免疫応答を特徴とする。前記リウマチ障害は好ましくは慢性的であり、および/または炎症を特徴とする。
従って、リウマチ障害は、好ましくは自己免疫性筋骨格障害、特に、慢性の炎症性自己免疫性筋骨格障害である。好ましくは、自己免疫性筋骨格障害は、本明細書に記載の筋骨格障害であり、他の症状と違って、筋骨格症状を引き起こす自己免疫障害により媒介される。かくして、自己免疫性筋骨格障害は、身体の筋骨格系に作用し得る。
自己免疫性筋骨格障害は、典型的には、循環する自己抗体および/または自己反応性T細胞の存在および病理学的役割を特徴とする。
自己免疫性筋骨格障害は、好ましくは本明細書に記載の慢性関節リウマチ、結合組織疾患、および/または血管炎から選択される1つ以上である。本明細書で用いられる場合、用語「関節炎(arthritides)」を、単数形「関節炎(arthritis)」と互換的に用いることができる。また、本明細書で用いられる用語「血管炎(vasculitides)」を、単数形「血管炎(vasculitis)」と互換的に用いることができる。
用語「リウマチ障害」はまた、障害の群として、脊椎関節炎ならびに感染性関節炎を含む。従って、脊椎関節炎および/または感染性関節炎が筋骨格症状の原因であり得るかどうかに関して試験するためにも前記方法が適用されることが本発明により想定される。特に、脊椎関節炎の場合、アグリカンのG1ドメインに対する自己抗体が被験者から得られたサンプル中に存在するかどうかに関して試験する。勿論、脊椎関節炎、特に、乾癬性関節炎、反応性関節炎、腸疾患性関節炎および/または未分化脊椎関節炎を示す自己抗原に対する任意の他の自己抗体の存在を試験することができる。代替的には、脊椎関節炎を示す抗原を、抗体を用いて、または任意の公知の核酸試験法により検出することができる。
例えば、本明細書の他の場所に記載のように、HLA-B27 MHC型(対立遺伝子)はMorbus Bechterewの開始に関する高い確率に関係するため、被験者がこの対立遺伝子を有するかどうかについて試験することができる。
感染性関節炎の場合、本発明の方法を用いることもできる。従って、感染性関節炎を示す抗体は、ストレプトリシン、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス抗体、パルボウイルスB19、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、ルベラウイルスおよび/またはアルボウイルスから誘導された抗原を認識する。厳密に言うと、感染性関節炎の場合、決定しようとする分析物は、ライム病関節炎、敗血症性関節炎および/またはウイルス性関節炎を引き起こす感染性因子に対する抗体である。これらの症状は、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス抗体、パルボウイルスB19、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、ルベラウイルスまたはアルボウイルスなどの感染性因子によって引き起こされる。
従って、本発明は、ストレプトリシン、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、パルボウイルスB19、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、ルベラウイルスおよび/またはアルボウイルスから誘導された抗原を認識する抗体を、被験者に由来するサンプル中で決定して、筋骨格障害の原因としてB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス抗体、パルボウイルスB19、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、ルベラウイルスおよび/またはアルボウイルスを排除するか、または含有させることを想定する。代替的には、ストレプトリシン、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、パルボウイルスB19、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、ルベラウイルスおよび/またはアルボウイルスから誘導された抗原を、抗体を用いて、または任意の公知の核酸試験法により、感染性関節炎を示す抗原として検出することができる。
かくして、本発明の方法はさらに、少なくとも1種の脊椎関節障害および/または感染性関節障害を示す少なくとも1種の(自己)抗体または抗原が、被験者から得られたサンプル中に存在するかどうかを決定することを含む。
用語「リウマチ障害」と一緒に用いられる場合、用語「少なくとも」は、2種以上、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45種もしくは全てのリウマチ障害が、それぞれ、該リウマチ障害を示す少なくとも1種の自己抗体の存在または非存在に起因して決定することができるか、または決定することができないことを含む。
従って、1種の同じ自己抗体が2種以上のリウマチ障害を示すことができることが知られているため、その自己抗体、決定される存在または非存在は、2種以上のリウマチ障害を示し得る。例えば、1種の同じ自己抗体は、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10種以上のリウマチ障害を示すことができるが、2、3、4または5種が好ましい。
慢性関節リウマチは、好ましくは慢性関節リウマチおよび/または若年性慢性関節リウマチを含む。
慢性関節リウマチは、腫れ、発熱、および疼痛を特徴とする関節の炎症を特徴とする症状を示す。
慢性関節リウマチ(RA)は、多くの組織および器官に作用し得るが、主に関節に関連する慢性の全身性炎症性障害であり、それによって関節軟骨の破壊および関節の強直に進行することが多い炎症性滑膜炎をもたらす。それは炎症および腫れに起因する重篤な関節疼痛を特徴とする。慢性関節リウマチはまた、肺、心膜、胸膜、および強膜における広範性の炎症、ならびにまた最も一般的には、皮膚の下の皮下組織における結節性病変をもたらし得る。慢性関節リウマチの原因は未知であるが、自己免疫がその慢性性および進行において極めて重要な役割を果たしている。
若年性慢性関節リウマチ(若年性特発性関節炎)は、通常は16歳以下の子供が罹る慢性関節リウマチの形態である。関節炎、発熱、発疹、アデノパシー、脾腫、および虹彩毛様体炎が、若年性慢性関節リウマチに典型的である。
脊椎関節炎は、好ましくは、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎(Morbus Bechterew)、反応性関節炎、腸疾患性関節炎および/または未分化脊椎関節炎を含む。
脊椎関節炎(または脊椎関節症)は、脊椎および関節、靱帯および腱に作用し得る炎症性リウマチ疾患のファミリーに関する総称である。これらの疾患は、背部、頸部、手、膝、および足首における疲労および疼痛または凝り、ならびに眼、皮膚、肺、および心臓弁の炎症を引き起こし得る。
具体的には、用語「脊椎関節炎」はかくして、脊椎(仙腸骨炎もしくは脊椎炎)および末梢関節の関節炎;ならびに靱帯および腱が骨に付着する領域における炎症(付着部炎もしくは腱付着部症)を含む密接に関連する炎症性疾患の一群を包含する。関節、靱帯および腱が炎症するようになり、ならびに/または患者が脊椎骨折しやすくなるため、これらの疾患は、脊椎、脚および腕における疼痛を引き起こし得る。皮膚の発疹、眼、および腸の問題も起こり得る。
包括的脊椎関節炎に該当する疾患としては、1)強直性脊椎炎;2)反応性関節炎(以前はライター症候群として知られた)、3)乾癬性関節炎および乾癬性脊椎炎、ならびに4)炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎およびクローン病、すなわち腸疾患性関節炎に関連する関節炎または脊椎炎が挙げられる。さらに他の患者は、未分化脊椎関節炎を生じ得る。これは、彼らが上記の疾患の1つの症状もしくは兆候を有するが、完全な膨張性疾患を必ずしも生じるわけではないことを意味する。未分化脊椎関節炎に属する障害の例は、ウィップル病およびベーチェット病である。
乾癬性関節炎は、乾癬と呼ばれる皮膚発疹を有する患者において生じる関節炎症の型である。この特定の関節炎は、体内のあらゆる関節に作用し、その症状は人によって異なる。乾癬性関節炎に由来する持続的炎症が関節損傷を誘導し得ることが知られている。
乾癬性関節炎は、単一の関節または身体の両側の同じ関節、例えば、一方もしくは両方の膝における、体内のあらゆる関節に作用し得る。罹患した指および足指は厚くなり、その症状は指炎と呼ばれることが多い。
脊椎炎と呼ばれる、脊椎における乾癬性関節炎は、背部もしくは頸部における疼痛、および曲げることの難しさを引き起こす。それはまた、腱および靱帯が骨に結合する体内の部位に弱点を引き起こし得る。腱付着部症と呼ばれるこの症状は、かかとの後ろ、足の裏、または他の領域における疼痛をもたらし得る。
Bechterew病、Bechterew症候群、およびMarie Strumpell病、脊椎関節炎の一形態としても知られる強直性脊椎炎(AS、ギリシャ強直、湾曲に由来;脊椎症、椎骨)は、慢性の炎症性関節炎であり、自己免疫疾患である。それは主に、脊椎中の関節および骨盤中のサクロイリウム(sacroilium)に作用し、脊椎の最終的な融合を引き起こす。脊椎に加えて、ASを有する多くの人にとってであるが、より多くは女性にとって、この疾患は、肩、臀部、膝、足などの体中の他の関節、ならびに他の関節に作用し得る。いくらかについては、脊椎疼痛または炎症が存在する前に末梢関節が罹患する。
反応性関節炎は、通常は腸または生殖器領域において、細菌などの感染性因子に反応して生じる関節炎の形態である。この疾患を生じる人は、通常はより大きい関節、特に、下肢、ならびに脊椎および靱帯における疼痛、腫れおよび凝りを経験する。典型的には、免疫系は感染に対するその応答を再調整し、その症状は究極的には消失し得る。
ウイルスなどの多くの感染が反応性関節炎をもたらし得るが、この用語は通常、腸の感染(カンピロバクター、サルモネラ、シゲラおよびエルシニア細菌によって引き起こされる)または生殖器の感染(クラミジア・トラコマティスによって引き起こされる)後に生じる症状にも適用される。
腸疾患性関節炎は、通常は膝または足首などの下肢における末梢関節を含む。それは一般的には、ほんの2〜3個または限定された数の関節を含み、腸の状態を密接に追随し得る。滑膜炎は、一般的には自己限定的であり、非変形性である。
未分化脊椎関節症(または脊椎関節炎)は、ASまたは関連する疾患の明確な診断に関する基準を満たさない者における脊椎炎の症状および兆候を記述するのに用いられる用語である。多くの医師によって認識されていないが、医師は、特定の症状は存在するが、特定の診断を行うのに十分ではない場合、「脊椎関節症」または「未分類脊椎関節症」の初期診断を行うことがある。時間と共に、未分化脊椎関節症を有するいくらかの人々は、強直性脊椎炎などの明確に定義された形態の脊椎炎を生じるであろう。
結合組織疾患としては、好ましくは、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、CREST症候群および/または混合型結合組織疾患が挙げられる。
結合組織疾患(膠原線維症としても知られる)は、病理の標的として身体の結合組織を有する疾患である。結合組織は、器官を支持し、一緒に結合し、それを保護する豊富な細胞外マトリックスを含む任意の型の生物組織である。これらの組織は、身体にとってのフレームワーク、またはマトリックスを形成し、2つの主要な構造タンパク質分子、コラーゲンとエラスチンから構成される。それぞれの身体組織には多くの異なる型のコラーゲンタンパク質が存在する。エラスチンは、バネまたはゴムバンドのように、伸長し、その元の長さに戻る能力を有する。エラスチンは、靱帯(骨と骨を繋ぐ組織)および皮膚の主要な成分である。結合組織疾患を有する患者においては、炎症により損傷されることがコラーゲンおよびエラスチンにとって共通である。多くの結合組織疾患は、自分自身の身体組織に対する免疫系(自己免疫)の結果としての、組織中での炎症を伴う異常な免疫系の活動を特徴とする。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、発熱、衰弱、関節疼痛もしくは慢性関節リウマチに似た関節炎、顔、頸部および上肢における広範性エリテマトーデス皮膚病変、基底層の変性および表皮萎縮ならびに自己免疫現象の他の証拠を含むことが多い変化する特徴を有する結合組織の炎症を特徴とする。通常、患者は皮膚発疹および関節炎、ならびに疲労および発熱を有する。
シェーグレン症候群は、身体の多くの異なる部分に作用するが、最も頻繁には涙腺および唾液腺に作用し得る炎症性疾患である。この症状を有する患者は、イライラ感、ザラザラ感、または眼の痛みを伴うヒリヒリ感を感じることがある。口渇または乾物を食べることの困難性、ならびに顔面および頸部周辺の腺の腫れも一般的である。いくらかの患者は、他の粘膜(鼻孔、喉、および膣など)ならびに皮膚の乾燥を経験する。「一次」シェーグレン症候群は、他のリウマチ疾患を有さない人々に生じる。「二次」シェーグレン症候群は、別のリウマチ疾患、最も頻繁には、狼瘡および慢性関節リウマチを有する人々に生じる。
シェーグレン症候群の合併症の多くは、涙および唾液の減少のために起こる。ドライアイを有する患者は、眼の周囲の感染について危険性が高く、角膜への損傷を有し得る。口渇は、虫歯、歯肉炎(歯茎の炎症)、ならびに疼痛およびヒリヒリ感を引き起こし得る経口酵母感染(口腔カンジダ症)の増加を引き起こし得る。いくらかの患者は、顔面周囲の唾液腺における痛みの大きい腫れのエピソードを有する。
軽度の腫れを伴う関節の疼痛および凝りはいくらかの患者において起こるが、慢性関節リウマチまたは狼瘡を有さない患者においても起こる。小さい血管における炎症(血管炎)ならびに肺、肝臓、および腎臓における炎症に関連する腕および脚の発疹が稀に起こり、診断するのが難しいかもしれない。無感覚、うずき、および衰弱などの症状を引き起こす神経学的合併症も、いくらかの患者において記載されている。
全身性硬化症(強皮症)は、皮膚、関節、および内部器官(特に、食道、下部消化管、肺、心臓、および腎臓)における広範性線維症、変性的変化、および血管異常性を特徴とする未知の原因の稀な慢性疾患である。一般的な症状としては、レイノー症候群、多発関節痛、嚥下障害、胸焼け、および腫れならびに最終的には皮膚拘縮および指の拘縮が挙げられる。肺、心臓、および腎臓の障害が多くの死の原因となる。
全身性硬化症は、急速に進行し、しばしば致命的な内臓障害を伴う全身的皮膚肥厚(広範性強皮症を伴う全身性硬化症)から、単一の皮膚障害(指および顔面だけのことが多い)および内臓疾患が生じる前にゆっくり進行するもの(数十年であることが多い)まで、重篤度および進行において変化する。後者の型は限局性皮膚強皮症またはCREST症候群(皮膚石灰沈着症、レイノー症候群、食道運動障害、手指硬化症、毛細血管拡張症)と呼ばれる。さらに、全身性硬化症は、他の自己免疫性リウマチ障害、例えば、強皮皮膚筋炎(多発性筋炎と区別できない引きつれた皮膚および筋肉の衰弱)および混合型結合組織疾患と重複し得る。
深部病変および広範囲の病変を含む限局性強皮症は、関節の正常な動きを阻害し、日々の活動を妨害し得る。
多発性筋炎および皮膚筋炎は、筋肉(多発性筋炎)または皮膚および筋肉(皮膚筋炎)における炎症および変性的変化を特徴とする珍しい全身性リウマチ疾患である。多くの特異的皮膚兆候は、指関節上のGottron丘疹および眼窩周囲の向日性発疹である。徴候としては、全身衰弱、いくらかの圧痛、および主に四肢近位帯筋の後期萎縮が挙げられる。
混合型結合組織疾患は、リボ核タンパク質抗原に対する非常に高力価の循環抗核抗体を含むSLE、全身性硬化症、および多発性筋炎の臨床特性を特徴とする珍しい、具体的に定義された、重複症候群である。手の腫れ、レイノー症候群、多発関節痛、炎症性ミオパシー、食道運動低下、および肺機能不全が一般的である。
血管炎としては、好ましくは、リウマチ性多発性筋痛、巨細胞動脈炎、Morbus Wegenerおよび/またはベーチェット症候群が挙げられる。
血管炎は、虚血、壊死、および閉塞性変化を伴うことが多い血管の炎症を特徴とする症状を包含する。それは任意の血管(動脈、細動脈、静脈、小静脈、または毛細血管)に作用し得る。多くの損傷は炎症が血管を狭める場合に生じ、組織の壊死を引き起こす。特定の血管障害の臨床徴候は多様であり、障害を受けた血管の大きさおよび虚血により罹患した器官に依存する。
リウマチ性多発性筋痛(PMR)は、巨細胞(側頭)動脈炎に密接に関連する症候群である。それは典型的には55歳を超える成人が罹る。それは典型的には衰弱または萎縮を伴わない近位筋における重篤な疼痛および凝り、ならびに非特異的全身症状を引き起こす。リウマチ性多発性筋痛は、肩および臀部帯筋ならびに背部(上側および下側)および頸部筋肉の両側性基部疼痛を特徴とする。朝の凝りが典型的である。肩の症状は、基部滑液包炎(例えば、三角筋下、肩峰下)を反映し得るが、二頭筋腱滑膜炎または関節滑膜炎を反映することはあまりない。不快感は朝に悪化し、患者がベッドから出たり、単純な活動を行えないほど重篤である場合もある。
巨細胞動脈炎(GCA)は、血管炎または動脈炎の型であり、典型的な特徴が血管の炎症である疾患の一群である。GCAの場合、最も一般的に障害を受ける血管は、頭皮および頭部の動脈、特に、こめかみ上の動脈であり、これがGCAの別の用語が「側頭動脈炎」である理由である。
GCAは別の疾患であるリウマチ性多発性筋痛と重複し得る。いくつかの点で、PMRを有する患者の5〜15%がGCAを有すると診断されるであろう。別の見方をすれば、GCAを有する患者の約50%がPMRの症状を有する。2つの状態の症状は同時に、または別々に生じてもよい。
GCAの最も一般的な症状は、通常はこめかみの領域における新しい頭痛であるが、GCAに起因する頭痛は、頭の前、頂上および後ろなどのどこでも起こり得る。ほぼ共通なのは、尋常でない疲労、食欲減退、体重減少、風邪のような感覚または発熱などの、より全身的な症状である。場合によっては、GCAの唯一の指標は、再発性の持続的発熱である。あまり一般的でない症状は、噛む時の顎の疼痛または顔面、舌もしくは喉の疼痛を含む。
ヴェグナー肉芽腫(Morbus Wegener)は、半月体形成を伴うことが多い、壊死性肉芽腫性炎症、小血管および中サイズの血管の血管炎、ならびに巣状壊死性糸球体腎炎を特徴とする。典型的には、上気道および下気道ならびに腎臓が罹るが、任意の器官であってもよい。症状は、罹患する器官および系に依存して変化する。患者は上気道および下気道症状(例えば、再発性の鼻分泌物もしくは鼻血、咳)、次いで、高血圧および浮腫を示すか、または多器官障害を反映する症状を示し得る。他の症状としては、関節疼痛および指、足指もしくは手足の無感覚もしくは動きの喪失が挙げられる。
ベーチェット症候群は、顕著な粘膜炎症を伴う多系統、再発性、慢性の血管障害である。一般的な徴候としては、再発性口腔潰瘍、眼の炎症、生殖器潰瘍、および皮膚病変が挙げられる。最も重篤な徴候は、失明、神経徴候もしくは消化管徴候、静脈血栓症、および動脈瘤である。診断は、国際基準を用いる臨床的なものである。
筋骨格症状について言えば、特に、膝および他の大きい関節における、通常は比較的軽度で、自己限定的で、非破壊的な関節痛または明らかな関節炎が約50%の患者に生じる。仙腸骨の炎症が生じることもある。
好ましくは、感染性関節炎としては、ライム病関節炎、敗血症性関節炎および/またはウイルス性関節炎が挙げられる。
感染性関節炎(敗血症性関節炎)は、通常は細菌により引き起こされるが、ウイルスまたは真菌により引き起こされることもある関節の液体および組織における感染である。細菌または時にはウイルスもしくは真菌は、血流を通して、または近隣の感染した組織から関節に向かって拡散し、感染を引き起こし得る。疲労と共に関節および筋肉の疼痛、腫れ、および発熱が、通常は数時間または数日以内に生じる。
感染する生物、主に細菌は、通常は血流を通って関節に到達するが、外科手術の間に、または感染もしくは損傷によって汚染した場合、関節は直接感染し得る。様々な細菌が関節に感染し得るが、感染を引き起こす可能性が高い細菌は人の年齢に依存する。ブドウ球菌およびグラム陰性細菌として知られる細菌は、最も頻繁には幼児および小児に感染するが、淋菌、ブドウ球菌、および連鎖球菌は、最も頻繁には年長児および成人に感染する。場合によっては、ライム病および梅毒を引き起こすものなどのスピロヘータは関節に感染し得る。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV);パルボウイルス、ならびに風疹、おたふく風邪、およびC型もしくはB型肝炎を引き起こすものなどのウイルスは、あらゆる年齢の人々の関節に感染し得る。ゆっくりと発達する慢性感染性関節炎は、最も頻繁にはマイコバクテリウム・ツベルクロシスまたは真菌によって引き起こされる。
ライム病は、特定のダニが噛んだ時に体内に侵入するボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)細菌によって引き起こされる感染である。その初期の局所段階では、遊走性紅斑と呼ばれる皮膚発疹が、3日〜数週間後にダニが噛んだ位置に出現する。発疹は小さく赤い印として始まり、少なくとも2インチまで幅が徐々に成長する。
「抗体」とは、エピトープ(例えば、抗原)に特異的に結合し、これを認識する、免疫グロブリン遺伝子またはその断片により実質的にコードされるポリペプチドリガンドを指す。認識される免疫グロブリン遺伝子としては、κおよびλ軽鎖定常領域遺伝子、α、γ、δ、εおよびμ重鎖定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が挙げられる。抗体は、例えば、無傷の免疫グロブリンとして、または種々のペプチダーゼを用いる消化により産生されたいくつかのよく特性評価された断片として存在する。これは、例えば、Fab'およびF(ab)'2フラグメントを含む。本明細書で用いられる用語「抗体」はまた、全抗体または組換えDNA方法を用いてde novoで合成されたものの改変により作製された抗体フラグメントを含む。それはまた、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、または一本鎖抗体も含む。抗体の「Fc」部分とは、1個以上の重鎖定常領域ドメイン、CH1、CH2およびCH3を含むが、重鎖可変領域を含まない免疫グロブリン重鎖の一部を指す。
本発明において適用される「自己抗体」は、1種以上の被験者自身のタンパク質(自己抗原)に対する、被験者の免疫系により産生された抗体である。好ましくは、本発明の実施形態において適用される自己抗体は、本明細書に記載のように慢性関節リウマチ、結合組織疾患および/または血管炎を示す。
本発明の実施形態において適用された自己抗体の文脈において用いられる場合、用語「示す(indicative for)」は、本発明の実施形態において決定される自己抗体、その存在または非存在が、典型的には、リウマチ障害を有する被験者において存在することを含む。「典型的に存在する」とは、自己抗体が通常はリウマチ障害と関連することを意味する。「通常関連する」は、50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらにより好ましくは80%以上、および特に好ましくは90または95%以上の確率を含む。
リウマチ障害は、最も好ましくは慢性関節リウマチ、結合組織疾患、および/または血管炎である。
用語「示す」はまた、本発明の実施形態において決定される自己抗体、存在または非存在が、自己抗原、すなわち、それらを産生した被験者の自己抗原に向けられる、それに結合する、それと反応するか、またはそれを認識することを含む。例えば、自己抗原に結合し、それと反応するか、またはそれを認識することにより、被験者から得られたサンプル中の自己抗体の存在を決定することができる。同様に、自己抗原に結合しない、それと反応しないか、またはそれを認識しないことにより、被験者から得られたサンプル中の自己抗体の非存在を決定することができる。
用語「示す」はまた、抗原、本発明のいくつかの実施形態において決定される存在または非存在が、リウマチ障害を有する被験者中に生じ得る抗原に対する抗体により結合し、該抗体と反応するか、または該抗体を認識することを含む。
従って、代替的な態様においては、本発明は、被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除する方法であって、被験者から得られたサンプル中で少なくとも1種のリウマチ障害を示す自己抗原もしくは抗体に結合するか、またはそれと反応することにより、少なくとも1種の自己抗体もしくは抗原の存在を決定することを含み、自己抗体の自己抗原への結合または抗原の抗体との反応が被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除することができる、前記方法に関する。
同様に、別の代替的な態様および/またはさらなる態様においては、本発明は、被験者の筋骨格症状の原因としてリウマチ障害を排除する方法であって、被験者から得られたサンプル中で少なくとも1種のリウマチ障害を示す自己抗原もしくは抗体に結合しないか、またはそれと反応しないことにより、少なくとも1種の自己抗体もしくは抗原の非存在を決定することを含み、自己抗体の自己抗原への非結合または抗原の抗体との非反応が、被験者の筋骨格症状の原因としてリウマチ障害を排除することができる前記方法に関する。
「抗原」は、好ましくは特異的に、抗体に結合する任意の分子である。それはまた、MHC分子により結合し、T細胞受容体に提示され得る任意の分子を含む。本発明においては、抗原は好ましくはリウマチ障害を有する被験者中に生じる抗原である。
「自己抗原」は、被験者のサンプル中の抗体の存在または非存在を決定する抗原を指すように用いられる。本発明の意味での「自己抗原」は、自己抗体と相互作用する能力を有し、免疫応答を引き起こし、それによって特に筋骨格症状を引き起こし得る内因性の組織構成物質である。
自己抗原または抗原は、標的抗原と呼ばれるタンパク質などの、完全に成熟形態のタンパク質であってよく、または改変されたタンパク質、加工されたタンパク質、もしくはタンパク質の変異体が被験者から得られたサンプル中に存在する自己抗原に結合する能力を有するという条件で、前駆体、加工された形態、加工されていない形態、アイソフォーム、変異体、エピトープを含むその断片、もしくはその対立遺伝子変異体であってよい。それを被験者から単離し、組換え的または合成的に産生することができる。
自己抗原は、任意のそのフラグメント、特に、免疫学的に検出可能なフラグメントを含むことが意図される。それらはまた、タンパク質のタンパク質溶解の免疫学的に検出可能な産物、ならびに加工された形態、翻訳後修飾された形態、例えば、「プレプ(prep)」、「プロ(pro)」もしくは「プレプロ(prepro)」形態のマーカー、または成熟タンパク質を形成するように除去される「プレプ」、「プロ」もしくは「プレプロ」断片、ならびに自己抗原の対立遺伝子変異体およびスプライス変異体を含むことを意味する。「自己抗原」とは、自己抗体により認識される宿主にとって内因性のタンパク質などの分子を指す。自己抗原は、例えば、タンパク質、一本鎖もしくは二本鎖のDNAもしくはRNA、または糖タンパク質の複合体であってもよい。
本明細書で用いられる用語「ペプチド」、「オリゴペプチド」および「ポリペプチド」は、本明細書ではタンパク質と互換的に用いられ、ペプチド結合により連結された連続するアミノ酸の配列を指す。本明細書で用いられる用語「タンパク質」とは、タンパク質のアミノ酸の修飾を含む翻訳後修飾を含んでもよく、アミノ酸に基づかない化学基もしくは生体分子の付加を含んでもよいポリペプチドを指す。この用語は、1個以上のアミノ酸残基が、対応する天然アミノ酸の類似体もしくは模倣体であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然のアミノ酸ポリマーにも適用される。ポリペプチドを、例えば、炭水化物残基の付加により改変して、糖タンパク質を形成することができる。用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、糖タンパク質、ならびに非糖タンパク質を含む。
本明細書で用いられる自己抗原の「変異体」(例えば、対立遺伝子変異体またはスプライス変異体)とは、1個以上のアミノ酸により、参照ポリペプチドまたはタンパク質に関して変化したアミノ酸配列を指す。本発明においては、自己抗原の変異体は、参照自己抗原の抗原性、または抗体結合特性を保持する。本発明の好ましい態様においては、自己抗原の変異体を、参照自己抗原に結合することができる自己抗体の同じ集団により結合させることができる。好ましくは、自己抗原の変異体は、少なくとも15アミノ酸の配列にわたって、参照自己抗原に対して少なくとも60%の同一性を有する。より好ましくは、自己抗原の変異体は、少なくとも15アミノ酸の配列に渡って、参照自己抗原と少なくとも70%同一である。自己抗原変異体は、例えば、少なくとも15アミノ酸の配列にわたって、参照自己抗原と少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であってよい。本発明の自己抗原変異体は、例えば、少なくとも20アミノ酸の配列にわたって、参照自己抗原と少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であってよい。前記変異体は、置換されたアミノ酸が類似する構造的または化学的特性を有する「保存的」変化(例えば、ロイシンのイソロイシンによる置換)を有してもよい。変異体はまた、「非保存的」変化(例えば、グリシンのトリプトファンによる置換)を有してもよい。類似する少しの変化はまた、アミノ酸の欠失もしくは挿入、またはその両方を含んでもよい。免疫学的反応性を破壊することなく、どのアミノ酸残基を置換、挿入、または欠失させることができるかを決定する際の指針を、当業界でよく知られたコンピュータープログラムを用いて見出すことができる。
自己抗体により認識されるエピトープを含む自己抗原の断片は、長さ少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、750、または1000アミノ酸であってよい。この断片はまた、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、または250と、自己抗原の全長よりも1アミノ酸短いものの間であってよい。典型的には、そのようなエピトープは、所与の自己抗原のための自己抗体がエピトープを認識することが知られるように前もって特性評価されたものである。エピトープマッピングのための方法は当業界でよく知られている。「エピトープ」は、自己抗体により認識される、本明細書に開示される自己抗原などの抗原上の部位である。
本発明の意味での自己抗原は、好ましくは少なくともリウマチ障害と関連するものである。リウマチ障害は、最も好ましくは、慢性関節リウマチ、結合組織疾患および/または血管炎である。
通常は、自己抗体は、おそらくそれらが成熟する前に自己抗体を産生するリンパ球の中和による免疫系の自己調節プロセスによって日常的に排除される。しかしながら、このプロセスが失敗する時点で、自己の構成物質に反応する抗体が増殖する。一般的には、自己抗体は、健康な細胞の食作用(摂取)または溶解(破裂)をもたらすことにより身体組織を損傷する。自己抗体はまた、細胞の正常な機能を妨害する。さらに、被験者自身の細胞、組織、および/または器官を攻撃することにより、自己抗体は、例えば、炎症および/または損傷を引き起こす。自己抗体産生の原因は様々であり、よく理解されていない。
「〜に向けられた」、「〜に結合する」、「〜と反応する」または「〜を認識する」とは、本発明の実施形態において適用される自己抗体が、本明細書に記載の自己抗原に特異的に結合することを意味する。この文脈における用語「特異的に」とは、自己抗体がその対応する自己抗原と反応するが、別のタンパク質とは本質的に反応しないことを意味する。「対応する自己抗原」は、自己抗体により結合される自己抗原である。
例えば、CCP(RAを示す典型的な自己抗原)に対する自己抗体は、CCPと密接に関連するタンパク質に本質的に結合しないのが好ましい。従って、用語「別のタンパク質」は、自己抗体が向けられたそれぞれの自己抗原と密接に関連するか、またはそれと相同であるタンパク質などの任意のタンパク質を含む。用語「本質的に結合しない」とは、本発明の実施形態において適用される自己抗体が、別のタンパク質に結合しない、すなわち、30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、特に好ましくは9、8、7、6、5、4、3、2、1%未満の交叉反応性を示すことを意味する。
自己抗体が上記で定義されたように特異的に反応するかどうかを、特に、前記自己抗体とその対応する自己抗原との反応と、前記自己抗体と他のタンパク質との反応とを比較することにより、容易に試験することができる。
本発明の文脈において用いられる場合、用語「少なくとも1種の自己抗体」は、2種以上の自己抗体の存在または非存在が決定されることを含む。
例えば、慢性関節リウマチ、結合組織疾患および/または血管炎を示す自己抗体の一団(パネル)の存在または非存在を決定することができる。
一団は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、120、140、150、160、180、200、220、240、250、260、280、300、400、500、600、700、800、900もしくは1000種の自己抗体または抗原を含んでもよい。
かくして、リウマチ障害を示す少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、120、140、150、160、180、200、220、240、250、260、280、300、400、500、600、700、800、900もしくは1000種の自己抗体または抗原の存在または非存在を決定することができる。
例えば、自己抗体の存在または非存在を決定する場合、リウマチ障害を示す少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、120、140、150、160、180、200、220、240、250、260、280、300、400、500、600、700、800、900もしくは1000種の自己抗原の存在または非存在を決定する。
上記のように、自己抗体、本発明の実施形態において決定されるその存在または非存在は、最も好ましくは、慢性関節リウマチ、結合組織疾患および/または血管炎を示す。
慢性関節リウマチを示す自己抗体は、好ましくはCCP、ANAおよび/またはRFを認識する。
本発明の方法、使用およびキットにおいて好ましく適用される、環状シトルリン化ペプチド(CCP)を含むシトルリン化ペプチド(CP)は、RAを有する患者の血清中に認められるかなり重要な自己抗体のための抗原である。それらは数グループの研究者によって過去数年間集中的に研究されてきた(例えば、WO 98/08946; WO 98/22503; WO 99/28344; WO 99/35167、WO 01/46222、およびWO 03/050542を参照)。最近、Schellekensおよび共同研究者(Schellekens, G. A.ら、Arthritis Rheum. 43 (2000) 155-163)により、特定の環状シトルリン化ペプチド(CCP)に基づくELISA試験が、線状ペプチドを用いる同じアッセイと比較して、RAに関する診断精度に関して優れた性能特性を示すことが示された。CCPに対する自己抗体、すなわち、患者の血清中に循環するシトルリン化ポリペプチドと反応する可能性が高く、in vitroアッセイにおいてCCPに結合する抗体を、「抗CCP」と呼ぶ;WO 2007/039280も参照されたい。
リウマチ因子(RF)は、IgGのFc部分に対する抗体であり、それ自身、抗体である。RFとIgGは結合して、疾患プロセスに寄与する免疫複合体を形成する。全てではないが、慢性関節リウマチを有する人々は検出可能なリウマチ因子を有する。それを有さない人を、「血清陰性」であると言う。リウマチ因子はまた、クリオグロブリン(血液サンプルの冷却時に沈降する抗体)であってもよい;それは2型(ポリクローナルIgGに対するモノクローナルIgM)または3型(ポリクローナルIgGに対するポリクローナルIgM)クリオグロブリンであってよい。
結合組織疾患を示す自己抗体は、好ましくは抗核抗体(ANA)を認識する。
用語「ANA(=抗核抗体)」が示すように、ANAは様々な核抗原に対するものであり、多くのリウマチ疾患および非リウマチ疾患を有する患者の血清、ならびに定義不可能な臨床症候群を有する患者において検出されている。ANAを検出する免疫学的アッセイの使用のための証拠に基づく指針が利用可能である(Solomon D.H., Arthritis and Rheumatism 47 (2002) 434-444)。
現在では、例えば、異なる特異性の様々な抗核抗体のための個々の高度に精製された抗原を含有させ、かくして、対応するANAを特異的に検出することが可能である。例えば、現在では、二本鎖DNA、またはSSA、SSB、Sm/RNP、セントロメアなどと呼ばれる抗原に対する抗体を特異的に検出することができる。
他のANA-抗原としては、SSA60(もしくはRo/SSA60)、SSA52(もしくはRo/SSA52)、SSB(もしくはLa)、Jo-I、Scl70、Sm/RNP、二本鎖DNA、およびセントロメアBペプチド(CENB-P)に対する抗原が挙げられる。
結合組織疾患の診断においては、少なくとも1種の自己抗原SSA60、SSA52、SSB、Jo-I、Scl70、Sm/RNP、二本鎖DNA、およびセントロメアBペプチドに関する正の値を、ANA陽性であると考える。
上記の自己抗原のいくつかを以下でいくらか詳細に説明する。
SSAまたはRo(SSA)抗原:
Ro(SSA)抗原に対する自己抗体は、リウマチ疾患における自己免疫の最もよくある血清学的マーカーの1つである(Tan, E.M., Adv. Immunol. 44 (1989) 93-151; McCauliffe, D.P. およびSontheimer, R.D., J. Inv. Dermatol. 100 (1993) 73S-79S)。それらはシェーグレン症候群を有する患者の50〜80%、全身性エリテマトーデス(SLE)を有する患者の30〜40%、および慢性関節リウマチを有する患者の3〜5%の血清中に存在する(Harley, J.B.ら、Arthritis Rheum. 29 (1986) 196-206; Reichlin, M., J. Clin. Immunol. 6 (1986) 339-348)。Ro(SSA)抗体は、hY-RNAとして知られる小さいRNA分子と関連するタンパク質抗原を標的化する。これらのタンパク質-RNA複合体を、RNP68、RNPA、RNPCなどのRo-リボ核タンパク質(Ro-RNP)と呼ぶ。
抗Ro(SSA)陽性血清は、2つの異なる型の自己抗体:60 kDaのポリペプチド成分に対するものと52 kDaのポリペプチド成分に対するもの(それぞれ、Ro60およびRo52、またはSSA60およびSA52と呼ばれる)を含んでもよい(Chan, E.K.L.およびBuyon, J.P., Man. Biol. Markers Dis. (Kluwer Acad. Publ.) (1994) B4.1/1-18)。Ro(SSA)陽性血清の大部分はこれらの成分の両方と反応するが、抗Ro60抗体はSLE血清中でのみ抗Ro52抗体を含まずに生じることが報告されているが(Ben-Chetrit, E.ら、Arthritis Rheum. 33 (1990) 349-355; Slobbe, R.L.ら、Clin. Exp. Immunol. 86 (1991) 99-105)、抗Ro52抗体は特発性炎症性ミオパシー、皮膚筋炎および強皮症において抗Ro60抗体の非存在下で生じることが報告されている(Frank, M. B.ら、J. Autoimmun. 12 (1999) 137-142; Peene, I.ら、Ann. Rheum. Dis. 61 (2002) 1090-1094)。Ro52は、3部分モチーフ(TRIM)ファミリーのタンパク質のメンバーである。TRIMモチーフは、3個の亜鉛結合ドメイン、RINGフィンガー、B-ボックス1型およびB-ボックス2型、ならびに中央コイルドコイル領域(ロイシンジッパー)を含む。TRIMタンパク質は、ホモ多量体化のプロセスを介して特定の細胞区画を同定すると考えられる(Reymond, A.ら、EMBO J. 20 (2001) 2140-2151)。
SSBまたはLa(SSB)抗原:
La(SSB)抗原に対する自己抗体は、一次または二次SSを有する患者の最大87%の血清中で検出され得る。抗La(SSB)自己抗体の存在は通常、抗Ro(SSA)自己抗体の存在と一致するが、抗Ro自己抗体が全身性エリテマトーデス(SLE)および混合型結合組織疾患(MCTD)などの他のリウマチ症状においてはるかに多いという事実は、抗Laが抗Roよりも一次および二次SSにより特異的であることを示唆している(St. Clair, E.W., Rheum. Dis. Clin. N. America 18 (1992) 359-376; Harley, J.B., J. Autoimmun. 2 (1989) 383-394)。La(SSB)抗原は、発生期のRNAポリメラーゼIII転写物のオリゴ(U)3'末端に結合し、転写終結およびこの酵素による再開始を容易にする(Stefano, J.E., Cell 36 (1984) 145-154; Gottlieb, E.およびSteitz, J.A., EMBO J. 8 (1989) 841- 850)。また、それはRNA-DNAハイブリッドを溶解することができるATP依存的ヘリカーゼとして機能することも報告されている(Bachmann, M.ら、Cell 60 (1990) 85-93)。
Jo1抗原:
多発性筋炎および皮膚筋炎における最も一般的な自己抗体は抗Jo-1であり、全ての筋炎患者の15〜20%および成人のPM患者の約30%に生じる(Nishikai, M.およびReichlin, M., Arthritis Rheum. 23 (1980) 881-888; Targoff, I.N., Rheum. Dis. Clin. North Am. 18 (1992) 455-482)。1983年に、Jo-1抗原は、リボソームへの輸送の前にヒスチジンのその特異的tRNAへのカップリングを触媒した後、タンパク質合成の間にポリペプチド鎖に組込む酵素であるヒスチジル-tRNA合成酵素(HRS)であるとMathewsおよびBernstein (Mathews, M. B.およびBernstein, R.M., Nature 304 (1983) 177-179)により報告された。
RNP/Sm抗原:
RNP(RNPA、RNPBおよびRNP68など)ならびにSm(SmBおよびSmDなど)と呼ばれるsnRNP(核内低分子リボ核タンパク質)抗原に対する自己抗体は、全身性エリテマトーデス(SLE)患者の血清中で元々検出されたものである(Tan, E.M.およびKunkel, H. G., J. Immunol. 96 (1966) 464-471; Mattioli, M.およびReichlin, M., J. Immunol. 107 (1971) 1281-1290)。その後、抗RNP抗体が混合型結合組織疾患(MCTD)患者の血清中で認められた(Sharp, G. C.ら、Am. J. Med. 52 (1972) 148-159)。
snRNPは、核内低分子RNA分子と関連するいくつかのポリペプチドから構成される核内粒子の一群である。最も豊富なsnRNPは、premRNAスプライシングに関与する(Luehrmann, R.ら、Biochim. Biophys. Acta 1087 (1990) 265-292)。本発明の実施形態において好ましく適用されるsnRNPは、U1 snRNP 70と呼ばれることもあるU1-70である。
Scl70抗原:
強皮症患者の約20〜28%が、Scl-70と呼ばれる核タンパク質に対する自己抗体を有する(Douvas, A.S.ら、J. Biol. Chem. 254 (1979) 10514-10522)。1986年に、Scl-70抗原は超らせんDNA緩和酵素トポイソメラーゼIであるとSheroらにより同定された(Shero, J. H.ら、Science 231 (1986) 737-740)。
二本鎖DNA(dsDNA):
二本鎖DNAに対する抗体は、健康な個体に稀に認められ、全身性エリテマトーデス(SLE)の特質であると考えられる。それらは通常、Crithidia luciliaeのDNA含有器官に基づく蛍光アッセイ、ラジオイムノアッセイ(RIA)またはELISAにより決定される。50〜90%の未治療のSLE患者が、抗dsDNA抗体について陽性であると報告されている(Griesmacher, A.およびPeichl P., Clin. Chem. Lab. Med. 39 (2001) 189-208)。SLEを有する患者における臨床的改善は、抗dsDNA抗体の減少または完全な消失と関連することが多い。
セントロメアB-ペプチド:
抗セントロメア抗体(ACA)は、全身性硬化症の限局性皮膚(CREST)変異体を有する患者の80〜90%に認められる。それらは染色体の限定された領域に対するものである(Barland, P.およびLipstein, E., Am. J. Med. 100 (1996) 16S-23S)。組換えCENP-Bペプチドに基づくELISA法は、免疫蛍光アッセイよりもACAの同定においてより感度が高いと報告されている(Parveen, S.ら、J. Gasteroenterol. Hepatol. 10 (1995) 438-445)。
上記で考察された個々の自己抗体の多くは、ある程度まで、自己免疫患者の特定の亜群を示すものであるため、1種以上の特異的ANAに関するそのような値は、好ましくは、そのようなサンプルがRA以外のリウマチ疾患のどの亜群に属するかを示すための評価アルゴリズムに含まれるであろう。
本発明に従うさらに好ましい実施形態においては、抗CCP抗体に関する試験およびANAに関する試験を、タンパク質チップを用いることにより、1つのアッセイ手順において同じサンプルから実施する。そのようなタンパク質チップ中では、抗CCPの測定のための抗原ならびにANAの測定のための様々な抗原を、個々の領域中で固相支持体上にコーティングし、サンプル中の自己抗体をその対応する自己抗原に結合させ、結合した全ての自己抗体を米国特許第6,815,217号に記載のように検出する。
診断のための理想的なシナリオは、単一の事象またはプロセスが、例えば、感染症におけるように、対応する疾患を引き起こす状況であろう。あらゆる他の事例において、正確な診断は、特に、疾患の病因が、RAの場合と同様、完全に理解されていない場合には非常に困難であり得る。従って、一般的には、様々な臨床症状および生物学的マーカーを、RAの診断のために一緒に考える。マーカーを個々に決定するか、または本発明の好ましい実施形態においては、それらをチップもしくはビーズに基づくアレイ技術を用いて同時に測定することができる。次いで、生物マーカーの濃度を、それぞれのマーカーに関する個々のカットオフを用いて独立に解釈するか、またはそれらを解釈のために組合わせる。
本発明に従う方法においては、それぞれ、少なくとも生物マーカー抗CCPおよびANAの濃度を決定し、マーカーの組合せを慢性関節リウマチの非存在または存在と相関させ、抗CCPとANAに関する測定値を相関させる好ましい様式においては、抗CCPについて陽性かつANAについて陰性であるサンプルを、RAを示すものと考える。抗CCPについて陽性であり、ANAについて陰性であるという検査の要件を満たすサンプルは、RAを有する患者から生じる可能性が非常に高い。
RAについては、CCP、RFおよび/またはANAに対する自己抗体の存在に加えて、CRPまたはIL-6などの生物マーカーの量を決定することができる。その決定を、本明細書に記載の任意の免疫アッセイおよび/またはPCRなどの任意の核酸に基づく技術により達成することができる。
C反応性タンパク質(CRP)は、宿主防御に関与する21 kDaサブユニットを含むホモペンタマーCa2+結合急性期タンパク質である。CRPの合成は、IL-6により、および間接的にはIL-1により誘導されるが、これはIL-1が肝類洞中のKupffer細胞によるIL-6の合成を誘発し得るからである。CRPの正常な血漿濃度は、90%の健康な集団においては3μg/ml(30 nM)未満であり、99%の健康な個体においては10μg/ml(100 nM)未満である。血漿CRP濃度を、例えば、同種のアッセイ形式またはELISAにより測定することができる。C反応性タンパク質は、全身性炎症の基礎となるマーカーである。
インターロイキン-6(IL-6)は、造血に関与するものと生来の免疫応答の活性化に関与するものに分けられるいくつかの生物学的活性を有する21 kDaの分泌タンパク質である。IL-6は急性期反応物質であり、接着分子などの様々なタンパク質の合成を刺激する。その主要な機能は、肝臓タンパク質の急性期産生を媒介することであり、その合成はサイトカインIL-1およびTNF-αにより誘導される。IL-6は通常、マクロファージおよびTリンパ球により産生される。IL-6の正常な血清濃度は5 pg/ml未満である。
さらなる生物マーカーは、IL17A、S100A12、オステオポンチン、プロ-MMP-1、プロ-MMP-3、ヒアルロン酸、sCD14、血管新生マーカーおよび骨、軟骨または滑液代謝の生成物である。
脊椎関節炎を示す自己抗体は、アグリカンのG1ドメインを認識する(Zhouら(2003), Rheumatology 42:1; doi:10.1093/rheumatology/keg230を参照されたい)。
さらに、Morbus Bechterewを示すことが知られるHLA-B 27を、例えば、被験者のサンプル中でのPCRなどの任意の核酸増幅技術により検出することができる。
ヒト白血球抗原B*27(サブタイプB*2701-2724)は、第6染色体上の主要組織適合複合体(MHC)中のB座によりコードされるクラスI表面抗原であり、T細胞に対する微生物抗原を提示する。HLA-B27は、「血清陰性脊椎関節症」と呼ばれる自己免疫疾患の特定のセットと強く関連する。
結合組織疾患を示す自己抗体は、好ましくはds-DNA、SS-A、SS-B、Sm、ヒストン、Scl-70、Jo-1、セントロメアタンパク質B、RNP、U1-70および/またはフォドリンを認識する。
ds-DNA、SS-A、SS-B、Sm、ヒストン、Scl-70、Jo-1、セントロメアタンパク質BおよびRNPに対する抗体は上記されている。
フォドリン(またはα-フォドリン)は、スペクトリン、α、非赤血球1(α-フォドリン)またはSPTAN1としても知られる。それは分化している細胞中での特殊化された膜-細胞骨格ドメインの確立に関与してきた主要な表層細胞骨格タンパク質である。
血管炎を示す自己抗体は、好ましくはPR3および/またはMPOを認識する。
プロテイナーゼ3(PR3)は、ヴェグナー肉芽腫を有する患者における抗好中球細胞質抗体(ANCA)のための主要な自己抗原である。
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は、好中性顆粒球の顆粒に由来する酵素である。プロセッシング工程の複雑な配列(組換え産生を含まない)は、80 kDaの初期翻訳産物を、2個の64 kDa重鎖および2個の13 kDa軽鎖からなる成熟酵素に変換する。MPOはその特徴的な緑色をユニークな「緑色ヘム」コファクターから誘導する。MPOのペルオキシダーゼ活性は、微生物を殺傷し、好中性白血球がその近辺の物質を分解するために放出する溶解酵素の阻害剤を不活性化するように働く次亜塩素酸を生成する。
MPOは、いくつかの血管炎、血管の炎症性自己免疫疾患における自己抗原であり、罹患した血管の型に応じて分類することができる。
リウマチ障害、好ましくは自己免疫性筋骨格障害を示し得るさらなる自己抗原を、ProtoArray(商標)などのヒトタンパク質マイクロアレイを精査することにより同定することができる。具体的には、自己免疫性筋骨格障害を有すると診断された被験者から得た血清を、ヒトタンパク質マイクロアレイ上でプロファイルして、自己免疫性筋骨格障害と関連する自己抗原を同定する。より具体的には、自己免疫性筋骨格障害を有すると診断された被験者から得た血清をプロファイルし、健康な被験者から得た血清と比較する。
自己免疫性筋骨格障害を有すると診断された被験者から得た血清に由来する抗体により結合した抗原は、自己免疫性筋骨格障害と関連する自己抗原の候補である。
特に、自己免疫性筋骨格障害を有すると診断された被験者から得た血清中でのみ同定されるか、またはより頻繁に同定される自己抗原および比較して、健康な被験者から得た血清中には存在しないか、またはあまり存在ない自己抗原は、本発明の実施形態において適用することができる主要な候補自己抗原である。
これらの自己抗原を含有するマイクロアレイ、または他のアッセイ形式は、これらの自己抗原に結合する被験者サンプル中の自己抗体の存在を検出し、それぞれ、非リウマチ障害を被験者の筋骨格症状の原因として排除することができるかどうか、またはリウマチ障害を被験者の筋骨格症状の原因として排除することができるかどうかの決定を可能にすることができる。
以下の表は、自己抗原が、典型的にはリウマチ障害、好ましくは自己免疫性筋骨格障害と関連するという要旨を提供する。これらの自己抗原を、本発明の方法、使用およびキットにおいて適用して、それぞれ、被験者から得たサンプル中の自己免疫性筋骨格障害を示す自己抗体の存在または非存在を決定することができる。
Figure 2013174442
自己免疫性筋骨格障害と関連し得るさらなる自己抗原を、US 2008/0254482の表1から選択することができる。前記表は、健康な個体に由来する抗体によるよりも、RA、SLEおよびANCAの被験者から得た血清に由来する抗体によってより頻繁に結合した自己抗原の一覧である。従って、前記表に由来するこれらの自己抗原のうちの1種以上が、本発明の方法およびキットに適用されると意図される。
従って、好ましい態様においては、本発明は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、120、140、150、160、180、200、220、240、250、260、280、300、400、500、600、700、800、900または1000種の自己抗原を被験者から得られたサンプルと接触させて、少なくとも1種のリウマチ障害、好ましくは本明細書に記載されたものを示す少なくとも1種の自己抗体が前記サンプル中に存在するかどうかを決定し、該自己抗体の存在が前記被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除することができることを想定する。その存在を、被験者から得られたサンプル中の自己抗原への自己抗体の結合、該自己抗体との反応または該自己抗原の認識により決定する。
例えば、本明細書に記載の全ての自己抗原ならびに/またはリウマチ障害および/もしくは例えば、US 2008/0254482に記載の方法を適用することにより同定することができる、および/もしくは同定されるであろうものと関連する全ての公知の自己抗原を、被験者から得られたサンプルと接触させて、少なくとも1種のリウマチ障害、好ましくは本明細書に記載のものを示す少なくとも1種の自己抗体が、前記サンプル中に存在するかどうかを決定し、前記自己抗体の存在が、前記被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除することができることが想定される。その存在を、決定することができる被験者から得られたサンプル中の自己抗原への自己抗体の結合、該自己抗原との反応または該自己抗原の認識により決定する。
同様に、別の好ましい態様においては、本発明は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、120、140、150、160、180、200、220、240、250、260、280、300、400、500、600、700、800、900または1000種の自己抗原または抗体を、被験者から得られたサンプルと接触させて、少なくとも1種のリウマチ障害、好ましくは本明細書に記載のものを示す少なくとも1種の自己抗体が、前記サンプル中に存在しないかどうかを決定し、前記自己抗体または抗原の非存在が、前記被験者の筋骨格症状の原因としてリウマチ障害を排除することができることを想定する。その非存在を、被験者から得られたサンプル中に存在する分析物の自己抗原もしくは抗体に自己抗体が結合しないこと、それと反応しないこと、またはそれを認識しないことにより決定する。
例えば、本明細書に記載の全ての自己抗原ならびに/またはリウマチ障害および/もしくは例えば、US 2008/0254482に記載の方法を適用することにより同定することができる、および/もしくは同定されるであろうものと関連する全ての公知の自己抗原を、被験者から得られたサンプルと接触させて、少なくとも1種のリウマチ障害、好ましくは本明細書に記載のものを示す少なくとも1種の自己抗体が前記サンプル中に存在しないかどうかを決定し、前記自己抗体の非存在が、前記被験者の筋骨格症状の原因としてリウマチ障害を排除することができると想定される。その非存在を、被験者から得られたサンプル中に存在する分析物の自己抗原もしくは抗体に自己抗体が結合しないこと、それと反応しないこと、またはそれを認識しないことにより決定する。
必要に応じて、本発明はまた、筋骨格症状を有する被験者に由来するサンプル中に含まれるタンパク質および/またはポリヌクレオチドを、本明細書に記載の、および/または筋骨格症状と関連することが当業界で一般的に知られる1種以上の生物マーカーの存在または非存在について分析する。例えば、橋本甲状腺炎などの自己免疫障害を有する被験者も筋骨格症状を有し得ることが知られている。かくして、必要に応じて、自己免疫障害の典型的な生物マーカーを試験する。
本発明の方法およびキットの文脈において本明細書で用いられる「決定」とは、決定しようとする対象物、特に、少なくとも1種のリウマチ障害を示す少なくとも1種の自己抗体または自己抗原の存在または非存在または量を同定することを指す。決定はまた、被験者から得られたサンプルを、支持体および自己抗原または抗体を含む少なくとも1個の試験領域を含む固相と接触させることを含む。
少なくとも1種のリウマチ障害を示す少なくとも1種の自己抗体または自己抗原の決定を、当業界で公知の、および本明細書に上記された任意の免疫アッセイによって行うことができる。
好ましくは、決定は、
(i)支持体と、試験領域がそれぞれ自己抗原を含有する少なくとも1個の試験領域とを含む固相を提供すること、
(ii)被験者から得られたサンプルを固相およびシグナル生成基を担持するか、またはシグナル生成基に結合することができる少なくとも1種の自己抗体特異的受容体と接触させること、ならびに
(iii)各試験領域上のシグナル生成基を決定することにより、自己抗体の存在または/および量を検出すること、
を含む。
リウマチ障害を示し得る抗原を決定する場合の決定は、必要に応じて、
(i)支持体と、試験領域がそれぞれ抗体(リウマチ障害を示し得る抗原に特異的である)を含有する少なくとも1個の試験領域とを含む固相を提供すること、
(ii)被験者から得られたサンプルを、固相およびシグナル生成基を担持するか、またはシグナル生成基に結合することができる少なくとも1種の抗原特異的受容体(好ましくは、抗体)と接触させること、ならびに
(iii)各試験領域上のシグナル生成基を決定することにより、前記抗原の存在または/および量を検出すること、
を含んでもよい。
好ましい固相は、2個以上の試験領域を有するものである。そのような固相はアレイとしても知られる;例えば、米国特許第5,432,099号または同第5,126,276号を参照されたい。本明細書で用いられる用語「アレイ」とは、支持体上のパターンにおける実体の配置を指す。そのパターンは典型的には二次元パターンであるが、パターンは三次元パターンであってもよい。本発明のアレイにおいては、前記実体は自己抗原を含む試験領域である。
用語「1個以上の試験領域」は、固相が少なくとも1個の試験領域を有する、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、48、50、52、54、56、58、60、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、120、128、130、140、150、160、170、180、190、200、250、256、384、512、1024、2048、4096個以上の試験領域を有することを含む。
好ましくは、試験領域は1種の自己抗原を含む。しかしながら、あまり好ましくはないが、試験領域は2種以上の自己抗原、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10種以上の自己抗原を含んでもよい。
自己抗原を、ビオチン/アビジン、ビオチン/ストレプトアビジン、ビオチン/抗ビオチン、ハプテン/抗ハプテン、炭水化物/レクチンならびに抗体もしくは抗体フラグメントおよびこの抗体もしくは抗体フラグメントに対する抗体などの特異的結合系により前記固相に結合させることができる。あるいは、それを共有的相互作用、非共有的相互作用などにより結合させることができる。
特定の実施形態においては、前記アレイはマイクロアレイまたはナノアレイであってよい。「ナノアレイ」は、個々の実体が0.1 nm〜10μm、例えば、1 nm〜1μmにより分離したアレイである。
「マイクロアレイ」は、アレイ上の実体の密度が少なくとも100/cm2であるアレイである。マイクロアレイ上で、個々の実体を、例えば、1μm以上により分離することができる。
本明細書で用いられる「アレイ」とは、本明細書に記載の自己抗原に対する自己抗体の存在または非存在についてアッセイするためのタンパク質アレイ、タンパク質マイクロアレイまたはタンパク質ナノアレイを指す。例えば、それは、自己抗体の存在または非存在の決定のための、本明細書で提供されるものなどの自己抗原を含む特注のタンパク質アレイである。本明細書で用いられる場合、用語「タンパク質チップ」はタンパク質アレイまたはマイクロアレイと同義語として用いられる。
好ましくは、前記アレイは非多孔性担体を含む。非多孔性担体を、任意の非多孔性物質から作製することができる。好ましくは、前記担体は、プラスチック、ガラス、金属または金属酸化物から構成される表面を含む。特に好ましくは、前記担体はポリスチロールから構成される表面を有する。空間的に異なる試験領域を前記担体上に配置することが想定される。これら試験領域上に、自己抗原が存在する。存在は、自己抗原が試験領域上にコーティングされているか、または試験領域上に固定されていることを意味する。固定化を、例えば、吸着的結合、共有カップリングまたはアビジン/ストレプトアビジンもしくは糖/レクチンなどの2つの部分の高親和性結合を介するカップリングによって達成する。
あるいは、前記アレイは、多孔性担体を含む。前記担体は好ましくは、Luminex社製のxMAP技術において適用されるミクロスフェアなどのポリスチレンから構成される表面を含んでもよい;WO 97/14028を参照されたい。
空間的に異なる試験領域に1種の自己抗原のみを充填する場合、特に有利である。従って、それぞれの自己抗原について、その濃度、バッファー、塩などの特異的条件を確立することができる。かくして、各試験領域を自己抗原で最大までコーティングすることができる。
さらに、自己抗体への結合可能性に関して自己抗原の競合は起こらない。
「検出」工程は、陽性/陰性の結合結果を提供することができるか、またはサンプル中の自己抗体のレベルに関する相対値もしくは絶対値であってよい値を与えることができる。その結果は、診断、予後を提供するか、または診断もしくは予後をもたらすか、もしくはもたらさないさらなる試験もしくは評価を行うための指示因子として用いることができる。この検出を、ビーズ、皿、プレート、ウェル、シート、膜、スライド、チップ、またはマイクロアレイであってよく、必要に応じて、本明細書に記載の高密度マイクロアレイであってよいタンパク質アレイなどのアレイなどの任意の固相支持体上で実施することができる。
一般的には、結合した自己抗体を自己抗体-特異的受容体により検出する、いわゆる「関節試験形式」により自己抗体を検出する。
「自己抗体特異的受容体」は、自己抗体に特異的に結合し、それと反応するか、またはそれを認識し、シグナル生成基を担持するか、またはシグナル生成基に結合することができる部分である。例えば、その部分は、ヒト自己抗体に対する抗体であってもよい。シグナル生成基を、自己抗体特異的受容体に共有または非共有結合させることができる。
「非共有」は、(a)前記部分が自己抗体中に挿入するもの;および(b)例えば、抗原-抗体結合などの非共有的様式で互いに特異的に相互作用する2個の結合パートナーに基づく任意の種類の好適な結合反応を含む。
例えば、抗体または抗体フラグメントを、自己抗体に対して産生させ、従来の抗体技術を用いてシグナル生成基に結合させることができる(例えば、Folliら、1994, “Antibody-Indocyanin Conjugates for Immunophotodetection of Human Squamous Cell Carcinoma in Nude Mice,” Cancer Res. 54:2643-2649; Neriら、1997, “Targeting By Affinity-Matured Recombinant Antibody Fragments of an Angiogenesis Associated Fibronectin Isoform,” Nature Biotechnology 15:1271-1275を参照されたい)。次いで、前記抗体またはその機能的断片は、自己抗体に結合することができる。
自己抗体が被験者、好ましくはヒト被験者から得られたサンプル中に存在する時、前記部分は好ましくはIgG、A、M、DまたはEなどの任意のIgアイソタイプのヒト抗体の定常領域に特異的に結合する抗体であるが、IgGが好ましい。定常領域は、定常ドメイン(CH1)、ヒンジ領域、および2個のさらなる定常(CH2およびCH3)ドメインを含む。IgGアイソタイプのうち、IgG1、G2、G3およびG4サブタイプが知られている。従って、前記抗体はまた、これらのサブタイプに結合すると想定される。自己抗体特異的受容体の好ましい例は、自己抗体のFc部分に結合する抗体またはそのフラグメントである。そのような自己抗体特異的受容体を、いわゆる自己抗体の普遍的結合因子と見なし、マウスまたはラットなどの免疫化によって非ヒト哺乳動物から取得することができる。
(自己)抗体の決定のための代替は、自己抗原を「固相抗原」(本明細書に記載の固相に結合した)および「検出抗原」(液相中、すなわち、それが追加的に添加されている)として用いる、いわゆる二重抗原サンドイッチ(DAGS)である。
代替においては、自己抗体特異的受容体は、自己抗体により結合した抗原である。好ましくは、前記抗原は自己抗体により結合し、本明細書の他の場所に記載の試験領域上に存在する同じ自己抗原である。より好ましくは、前記抗原は標識された自己抗原である。
自己抗体特異的受容体が自己抗原である場合、いわゆる二重抗原架橋試験/方法概念を、被験者から得られたサンプル中に含まれる自己抗体の存在および/または量の決定のために適用することができる。そのような方法においては、固相に加えて、サンプルを、検出可能な標識を担持するさらなる自己抗原と共にインキュベートする。従って、固相上で、自己抗原は試験領域上に含有(結合)され、前記自己抗原はまた自己抗体に結合することができ、シグナル生成基を担持するか、またはシグナル生成基に結合することができる形態で存在する。
サンプル液体中の自己抗体を、固定化複合体を用いて固相に結合したシグナル生成基を決定することにより検出する。
好ましくは、試験手順は、サンプル液体と、精製された標識自己抗原とを、および試験領域中に含まれる精製された自己抗原とを混合して、標識された自己抗原、自己抗体および固相に結合した自己抗原からなる標識された固定化複合体を得ることを含む。
試験領域中に含まれない標識された自己抗原は、本明細書に記載のシグナル生成基を担持する。固相自己抗原を、例えば、二官能性スペーサーを介して固相に直接的に結合させることができる。
架橋試験形式の詳細な説明は、EP-A-0 280 211に与えられている。この特許出願は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
また、検出工程を、「逆滴定アッセイ」により達成することができる。具体的には、サンプルに由来する(自己)抗体がその(自己)抗原に結合した後、この(自己)抗原に対する標識抗体を添加し、これはサンプルに由来する(自己)抗体によりコーティングされない(自己)抗原分子に結合し、かくして、遊離の自己抗体をこの競合試験手順において決定し、それによって前記自己抗体の量/濃度を決定することができる。
前記自己抗体特異的受容体は、「シグナル生成基」を担持する。あるいは、それはシグナル生成基に結合することができる。シグナル生成基とは、分光、光化学、生化学、免疫化学、または化学的手段によって検出可能な組成物を指す。例えば、有用な標識としては、32P、35S、もしくは125Iなどの放射標識;蛍光染料(例えば、Cy-3、Cy-5);発色団、高電子密度試薬;検出可能なシグナルを生成する酵素(例えば、ELISAにおいて一般的に用いられるもの);またはスピン標識が挙げられる。この標識または検出可能な部分は、サンプル中の結合した検出可能な部分の量を定量するために用いることができる、放射性シグナル、発色シグナル、もしくは蛍光シグナルなどの測定可能なシグナルを有するか、または生成する。
検出可能な部分を、共有的に、または例えば、放射性ヌクレオチド、もしくはストレプトアビジンにより認識されるビオチン化ヌクレオチドの取込みなどの、イオン結合、ファンデルワールス結合もしくは水素結合を介して、シグナル生成基に組込むか、またはそれに結合させることができる。標識または検出可能な部分は、直接的または間接的に検出可能であってもよい。間接的検出は、第2の直接的または間接的な検出可能部分の、前記検出可能部分への結合を含んでもよい。例えば、前記検出可能部分は、ストレプトアビジンの結合パートナーであるビオチンなどの結合パートナーのリガンド、またはそれが特異的にハイブリダイズする相補配列の結合パートナーであるヌクレオチド配列であってもよい。結合パートナー自身が直接検出可能であってもよく、例えば、抗体自体を蛍光分子で標識してもよい。結合パートナーはまた、間接的に検出可能であってもよい。
自己抗体特異的受容体が「シグナル生成基に結合することができる」場合、これは、それがシグナル生成基に結合することができることを意味する。例えば、自己抗体特異的受容体は、シグナル生成基に結合することができる官能基を担持してもよい。官能基は、ビオチンに結合するストレプトアビジン/アビジン、タグ、例えば、GSTなどの抗原、または抗体に結合するヒスチジン残基、レクチンに結合する糖類または公知のDig/抗Dig系であってよい。前記官能基に結合する部分は、シグナル生成基を担持する。
リウマチ障害を示す抗原の存在または非存在を決定する際に適用される「抗原特異的受容体」は、前記抗原を認識し、本明細書に記載のシグナル生成基を担持する抗体であってもよい。
さらなる態様において、本発明は、筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除するための試験キットであって、
(a)慢性関節リウマチを示す少なくとも1種の自己抗原;
(b)結合組織疾患を示す少なくとも1種の自己抗原;および/または
(c)血管炎を示す少なくとも1種の自己抗原;
を含み、非多孔性支持体と少なくとも1個の試験領域を含み、試験領域がそれぞれ、検出しようとする自己抗体に特異的に結合する自己抗原を含有する、前記キットを提供する。
必要に応じて、前記キットはまた、本明細書に記載のように脊椎関節炎を示す抗原の決定のための少なくとも1種の抗体および/または感染性関節炎を示す特異的抗体の決定のための少なくとも1種の抗原を含む。
本発明のキットは、必要に応じて、リウマチ障害を示し得る抗原に特異的な1種以上の抗体を含んでもよい。
前記キットはまた、必要に応じて、橋本病などの筋骨格症状を引き起こし得る自己免疫障害を示す自己抗原および/または自己抗体を検出するための手段および方法を含んでもよい。
好ましくは、前記キットはさらに、自己抗原を含まない少なくとも1個の対照領域を含む。
前記キットの自己抗原を、例えば、固相支持体または表面上に固定することができる。自己抗原を、例えば、アレイ中に固定することができる。かくして、前記キットは、タンパク質アレイなどのアレイであってよい。タンパク質マイクロアレイは、Luminex技術(xMAP)(Luminex Corp., Austin, Tex)などのビーズ技術を用いることができる。このアレイは、アレイ上に固定された、1種以上の陽性対照タンパク質、1種以上の陰性対照、および/または1種以上の正規化対照を含んでもよい。
キットはさらに、例えば、検出可能な標識に連結された、自己抗体に結合する抗体などの、自己抗原への自己抗体の結合を検出するためのリポーター試薬を含んでもよい。キットはさらに、ELISAなどの様々な免疫反応性アッセイ、または当業者には公知の他の免疫アッセイ技術にとって有用な試薬を含んでもよい。キット試薬を用いることができるアッセイは、競合アッセイ、サンドイッチアッセイであってよく、標識を、ラジオイムノアッセイ、蛍光免疫アッセイまたは化学発光免疫アッセイに用いられるよく知られた標識から選択してもよい。
前記キットはまた、本明細書で提供される方法を実行するためのキットを用いて実施された方法の結果を分析するためのコンピューターで読み取り可能な形式のプログラムを含んでもよい。
本発明のキットはまた、任意の数の個別容器、パケット、チューブ、バイアル、マイクロタイタープレートなど中に1種以上の成分を含んでもよく、またはこの成分をそのような容器中で様々な組合せで混合してもよい。
本発明のキットはまた、本明細書に記載の1つ以上の方法を実施するための説明書および/または本明細書に記載の1つ以上の組成物もしくは試薬の明細書を含んでもよい。説明書および/または明細書は、印刷された形態のものであってもよいし、キット内容物中に含有させてもよい。キットはまた、そのような説明書もしくは明細書を提供するインターネットの位置の文書化された明細書を含んでもよい。
別の態様においては、本発明は、被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除するための本発明の(試験)キットの使用を提供する。この使用は好ましくは診断のためのものである。
また、本発明は、被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除するための診断方法を提供する。
上記の実施形態は、例えば、本発明の方法と共に、変更すべきところは変更して、キットおよび使用に等しく適用可能である。
本発明の開示を、参照により本明細書に組み入れられる添付の図面と共に最良に理解することができる。さらに、本発明およびその多くの利点のより良い理解は、例示により与えられ、限定することを意図するものではない以下の実施例から得られるであろう。
(実施例)
以下の実施例は本発明を例示するものである。これらの実施例は本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。この実施例は例示のために含有されるものであり、本発明は特許請求の範囲によってのみ限定される。
免疫学的多変量チップ技術IMPACT(一般的手順)
約2.5 x 6 mmの表面積を有する黒色のポリスチレンチップに、ストレプトアビジン層を完全にコーティングする。このストレプトアビジン表面上に、本発明者らはインクジェット技術を用いて同一の試薬スポットの線(線および試薬あたり約20個のスポット)を適用する。それぞれのスポットは、直径約150μmであり、サンプル中の分析物(例えば、抗原または抗体)と特異的に結合することができるビオチン化結合試薬を含む。
各サンプルをサンプル希釈バッファーで希釈し、チップ1個あたり40μlの希釈されたサンプルを適用し、インキュベートする。アッセイを自動化プレプロトタイプ器具上で実施する。
アッセイ特異的試薬
サンプル希釈バッファー:50mM Tris、30mM MES、50mM NaCl、5mM EDTA、0.5%カゼイン、0.1%界面活性剤(ポリドカノール)、0.2%保存剤(オキシピリオンおよび塩酸メチルイソチアゾール(MIT))。
洗浄バッファー:10mM Tris、0.01%ポリドカノール、0.001%オキシピリオン、0.001%MIT。
アッセイ手順
希釈したサンプルを37℃で6分間インキュベートする。このインキュベーションの間に、サンプル中に含まれる分析物はその特異的結合試薬に結合する。次いで、サンプルを吸引し、チップを洗浄バッファーを用いて洗浄する。その後、チップを37℃で3分間、ジゴキシゲニン化され、スポット中に位置する結合パートナーに結合したサンプルに由来する分析物に特異的に結合するコンジュゲート抗体の混合物と共にインキュベートする。さらなる洗浄工程の後、チップを蛍光標識された<Dig>抗体と共に37℃で3分間インキュベートする。さらなる洗浄工程および残留試薬の吸引の後、蛍光標識を励起させ、CCDカメラにより光を検出し、光強度を分析物濃度に変換する。
多変量アレイの組成
以下の多重アレイキットを製造し、サンプル団(サンプルパネル)を用いて試験して、以下の分析物:
多重-1:RF-IgM、CRP、SAA
多重-2:5種の異なる抗CCP自己抗体:5種の異なるペプチド(環状シトルリン化ペプチド)を表面上にコーティングする
多重-3:抗セントロメアBペプチド、抗SSA52、抗Jo-1、抗SSA60、抗SSB、抗Scl70、抗RNP/Sm、抗dsDNA
多重-4:IL-6、ヒアルロン酸(HA)プロ-MMP-3、E-セレクチン、
を決定した。
試験集団
患者
患者を、統一規格運用手順(SOP)に従う予測長期研究に6つの欧州センターにおいて登録した。変形性関節症(OA)を有する患者から得たサンプルをBristol (UK)で収集したが、自己免疫疾患を有する患者および対照から得たサンプルをChur (CH)で収集し、RAを有する患者から得たサンプルを5つのセンターで収集した。この研究においては、登録時点でのサンプルのみを用いた。RAコホートに関する含有基準は、最少で4つのACR基準と、2年の追跡期間後の診断の遡及的確認の存在であった(Hochberg, M.C.ら、Arthritis Rheum. 35 (1992) 498-502)。全てのRA、自己免疫および対照患者は、それぞれのセンターにより確認された陽性診断を用いて疾患を確立した。この研究に関する倫理的認可は、それぞれの参加するセンターの倫理委員会により与えられた。
事例報告形式
RA患者の標準化された事例報告形式(CRF)は、年齢、性別、ACR基準、疾患期間、手足のx線、関節手術および併存疾患、圧痛および腫れた関節の計数、過去および現在の投薬、健康状態質問票(HAQ)ならびにSF36質問票を登録した。
自己免疫疾患および対照疾患に関する標準化された事例報告形式は、年齢、性別、最初の症状の開始、最終診断、臨床兆候、CRP、投薬および関節関連を報告した。
診断設定のためのパネル組成
サンプル集合体の組成をモデリングして、一般開業医に診断設定を反映させた。一般開業医が遭遇する可能性がある様々な疾患群の表示は、米国の一般集団における筋骨格疾患の相対有病率データに基づき(Lawrenceら、1998)、前もって選んだものだけである。アッセイの陽性結果は、対応する患者の専門病院への紹介をもたらすであろう。
Figure 2013174442
単一マーカーの一変量結果
それぞれの診断用単一マーカーの精度を、その受信者動作特性(ROC)により記載する(特に、Zweig, M.H.およびCampbell, G., Clin. Chem. 39 (1993) 561-577を参照)。ROCグラフは、観察されるデータの全範囲にわたって決定閾値を連続的に変化させることにより生じる全ての感度/特異性対のプロットである。ROC面積および90%の特異性での感度を、それぞれの単一マーカーについて決定した。
Figure 2013174442
「疾患群」内のRA患者のより高い有病率に起因して、CCPペプチドおよびリウマチ因子が最も高い感度を示す。そのような紹介試験の目標はいかなる示差的診断も用いずに全ての自己免疫疾患を検出することであるため、本発明者らは抗CCP-maxまたはANA-maxスコアも評価した。この最大スコアを、抗CCPペプチドまたは全てのANA自己抗原などの類似する抗原群内で最も高い値を有する抗原の濃度と定義する。
多変量分析
患者コホートを、訓練セットと試験セット(それぞれ患者の約50%)に無作為に分割した。訓練セット上で、分類アルゴリズムを開発し、独立した試験セット上でそのアルゴリズムを認証した。訓練および試験セットのサンプル数を表3に見ることができる。
Figure 2013174442
分類アルゴリズムを、一般的な判別分析、すなわち、二次および線形判別分析の一般化である、正規化判別分析(RDA)を用いて作製した(McLachlan, G.J., Discriminant Analysis and Statistical Pattern Recognition, Wiley Series in probability and mathematical statistics, 1992)。RDAにおいては、共分散マトリックスに関する通常の最大尤度(プラグイン)見積もりに対する代替物を用いる。これらの代替物は、2個のパラメーター(λ、γ)を特徴とし、その値を、将来の誤分類の危険性のサンプルに基づく見積もりを連結的に最小化することにより個々の状況にカスタマイズする(Friedman, J.H., Regularized Discriminant Analysis, Journal of the American Statistical Association, Vol. 84, 1989, 165-175)。マーカー団(マーカーパネル)を、分類問題に関する最良の単一マーカーから開始して、総合分類誤差がそれ以上顕著に変化しない場合に終了するように段階的に構築した。中央化された分布を獲得するために、全ての単一マーカーを自然対数関数を用いて変換した。50倍相互検証を訓練セット上で用いて、総合誤差(感度、特異性)の粗い見積もりを得た。一度、マーカー団を定義したら、独立した試験セットを用いてさらなる調整をせずにそれを検証した。
表4は、疾患患者(RAなどの自己免疫疾患)のモデリング団(モデリングパネル)対対照集合体の分類結果を表す。訓練セット中で選択された最良の2個のマーカー団は、抗CCP-maxとANA-maxであった。第3のマーカー(IL-6またはSAA)の添加は、最良の2個のマーカー団と匹敵する結果を示す:感度のわずかな増加が特異性のわずかな低下により達成された。さらなるマーカーの添加後、偽陽性または偽陰性と分類された患者数は増加した。
次いで、最良のマーカー団を、アルゴリズムの患者の独立した試験セットへの移動により証明した。表4に示されるように、2個のマーカー団の結果を、試験セットにおいて再現することができる。これは、抗ccp maxとANA maxの組合せにより開発されたアルゴリズムが非常に強いことを支持する。一方、訓練セット中で3個のマーカーを用いて開発されたアルゴリズムを、感度(IL-6などのマーカー団)または特異性(SAAなどのマーカー団)を喪失することなく試験セットに移すことはできない。
本発明の目的は、筋骨格障害の集団内でいかなる示差的診断も用いずに全ての自己免疫疾患の検出のための感度を改善することであった。訓練セットおよび試験セットにおける最低の総合誤差を有する最良のマーカー団は、抗CCP-maxとANA-maxの一団であった。従って、自己免疫疾患の最良の検出のために、自己免疫疾患またはRAの検出のためのできるだけ多くの特異的抗原を含有させること、およびアルゴリズム中での統合のための最大シグナルまたは濃度を使用することが明らかである。本発明者らの1つの具体的な事例においては、5種の異なるCCPペプチドおよび8種の異なるANAを用いて、最良の結果を達成した。
Figure 2013174442
また、本発明は以下の項目を特徴とする。
1. 被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除する方法であって、少なくとも1種のリウマチ障害を示す少なくとも1種の自己抗体または抗原が、被験者から得られたサンプル中に存在するかどうかを決定することを含み、該自己抗体または抗原の存在が、被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除することができる前記方法。
2. 決定が、
(i)支持体と、それぞれの試験領域が自己抗原を含有する1個以上の試験領域とを含む固相を提供すること、
(ii)被験者から得られたサンプルを、前記固相およびシグナル生成基を担持するか、またはシグナル生成基に結合することができる少なくとも1種の自己抗体特異的受容体と接触させること、ならびに
(iii)各試験領域上のシグナル生成基を決定することにより、自己抗体の存在または/および量を検出すること、
を含む、項目1に記載の方法。
3. シグナルが所定の試験領域特異的カットオフ値を超える場合に、それを陽性と分類し、シグナルが所定の試験領域特異的カットオフ値以下である場合に、それを陰性と分類し、陽性シグナルが筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除する、項目1〜2のいずれかに記載の方法。
4. 前記カットオフ値を、それぞれの試験領域について個別に決定する、項目1〜3に記載の方法。
5. 前記非リウマチ障害が、変形性関節症、骨粗鬆症、骨壊死、骨減少症、線維筋痛、腰痛、(関節)痛風、偽痛風、滑液包炎、外傷、骨折、腱炎からなる群より選択される、項目1〜4のいずれかに記載の方法。
6. 前記リウマチ障害が、慢性関節リウマチ、結合組織疾患および/または血管炎を含む、項目1〜5のいずれかに記載の方法。
7. 前記自己抗体が慢性関節リウマチ、結合組織疾患および/または血管炎を示す、項目1〜6のいずれかに記載の方法。
8. 前記慢性関節リウマチが、慢性関節リウマチおよび/または若年性慢性関節リウマチを含む、項目1〜7のいずれかに記載の方法。
9. 慢性関節リウマチを示す前記自己抗体が、シトルリン化ペプチド、ANAおよび/またはRFを認識する、項目1〜8のいずれかに記載の方法。
10. IL-6および/またはCRPの量を決定することをさらに含む、項目9に記載の方法。
11. 前記結合組織疾患が、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、CREST症候群および/または混合型結合組織疾患を含む、項目1〜10のいずれかに記載の方法。
12. 結合組織疾患を示す前記自己抗体が、ds-DNA、SS-A、SS-B、Sm、ヒストン、Scl-70、Jo-1、セントロメアタンパク質B、RNPおよび/またはフォドリンを認識する、項目1〜11のいずれかに記載の方法。
13. 前記血管炎が、リウマチ性多発性筋痛、巨細胞動脈炎、Morbus Wegenerおよび/またはベーチェット症候群を含む、項目1〜12のいずれかに記載の方法。
14. 血管炎を示す前記自己抗体が、PR3および/またはMPOを認識する、項目1〜13のいずれかに記載の方法。
15. 少なくとも1種の脊椎関節炎障害および/または感染性関節炎障害を示す少なくとも1種の抗原または(自己)抗体が、被験者から得られたサンプル中に存在するかどうかを決定することをさらに含む、項目1〜14のいずれかに記載の方法。
16. 筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除するための試験キットであって、
(a)慢性関節リウマチを示す少なくとも1種の自己抗原;
(b)結合組織疾患を示す少なくとも1種の自己抗原;および/または
(c)血管炎を示す少なくとも1種の自己抗原、
を含み、非多孔性支持体と、検出しようとする自己抗体に特異的に結合する自己抗原をそれぞれ含有する少なくとも1個の試験領域とを含む、前記試験キット。
17. 自己抗原を含まない少なくとも1個の対照領域をさらに含む、項目16に記載の試験キット。
18. 被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除するための項目16〜17のいずれかに記載の試験キットの使用。
ここで、明確な理解のために例示および実施例を用いていくらか詳細に本発明を完全に説明してきたが、本発明の範囲もしくはその任意の特定の実施形態に影響することなく、条件、製剤および他のパラメーターの広く等価な範囲内で本発明を改変もしくは変更することにより、同じことを実施することができること、ならびにそのような改変もしくは変更が添付の特許請求の範囲内に包含されると意図されることが、当業者には明らかであろう。
当業者であれば、具体的に例示されたもの以外の出発材料、試薬、精製方法、材料、基質、デバイスエレメント、分析方法、アッセイ法法、成分の混合物および組合せを、過度の実験に頼ることなく、本発明の実施において用いることができることを理解するであろう。任意のそのような材料および方法の全ての当業界で公知の機能的等価物は、本発明に含有されると意図される。用いられてきた用語および表現は、説明の用語として用いられるものであり、限定の用語として用いられるのではなく、そのような用語および表現の使用において、示され、記載された特徴の任意の等価物またはその一部を排除する意図はないが、特許請求された本発明の範囲内で様々な改変が可能であることが認識される。かくして、本発明を好ましい実施形態および任意的な特徴により具体的に開示してきたが、本明細書に開示される概念の改変および変更を当業者により用いることができること、ならびにそのような改変および変更が添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内にあると考えられることが理解されるべきである。
本明細書で用いられる「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含む(containing)」または「特徴とする(characterized by)」と同義であり、包括的または無制限であり、追加の、列挙されていない要素または方法工程を排除しない。本明細書で用いられる場合、「からなる(consisting of)」は、特許請求の範囲の要素で特定されていない任意の要素、工程、または成分を含まない。本明細書で用いられる場合、「本質的にからなる(consisting essentially of)」は、特許請求の範囲の基本的かつ新規な特徴に実質的に影響しない材料または工程を排除しない。本明細書に記載のそれぞれの例においては、用語「含む(comprising)」、「本質的にからなる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」を、他の2つの用語のいずれかと置換することができる。
材料、組成物、成分または化合物の群が本明細書に開示される場合、これらの群およびその全亜群の全ての個々のメンバーが個別に開示される。Markush群または他のグループ化が本明細書で用いられる場合、その群の全ての個々のメンバーならびにその群の可能名全ての組合せおよびサブコンビネーションは本開示に個々に含まれると意図される。別途記述しない限り、本明細書に記載されるか、または例示される全ての製剤または成分の組合せを用いて、本発明を実施することができる。例えば、温度範囲、時間範囲、または組成物範囲などの範囲が明細書中に与えられる場合はいつでも、与えられる範囲に含まれる全ての中間範囲およびサブ範囲、ならびに全ての個々の値は、本開示に含まれると意図される。本開示および特許請求の範囲においては、「および/または」は、さらに、またはあるいはを意味する。さらに、単数形の用語の使用はまた、複数形も包含する。
本明細書で引用される全ての参考文献は、本明細書の開示との不一致が存在しない程度にその全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする。本明細書に提供されるいくつかの参考文献は、出発材料、追加の出発材料、追加の試薬、追加の合成方法、追加の分析方法、追加の生物材料、追加の核酸、化学的に改変された核酸、追加の細胞の起源、および本発明の追加の使用に関する詳細を提供するために参照により本明細書に組み入れられるものとする。本明細書で用いられる全ての表題は、便利さのためだけのものである。本明細書で言及される全ての特許および刊行物は、本発明が属する当業者の技術のレベルを示すものであり、あたかもそれぞれ個々の刊行物、特許または特許出願が具体的かつ個々に参照により本明細書に組み入れられると示されたのと同じ程度まで、参照により本明細書に組み入れられるものとする。本明細書で引用される参考文献は、その全体がその公開日または出願日現在の当業界の状態を示すために参照により本明細書に組み入れられ、必要に応じてこの情報を本明細書で用いて、従来技術のものである特定の実施形態を排除することができることが意図される。例えば、問題の組成物が特許請求された時、許可される開示が本明細書で引用される参考文献中に提供される化合物などの、出願人の発明に対して先行する当業界で公知かつ利用可能である化合物は、特許請求された問題の組成物中に含まれないと意図される。

Claims (15)

  1. 被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除する方法であって、少なくとも1種のリウマチ障害を示す少なくとも1種の自己抗体または抗原が、被験者から得られたサンプル中に存在するかどうかを決定することを含み、該自己抗体または抗原の存在が、被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除することができる、前記方法。
  2. 前記決定が、
    (i)支持体と、それぞれの試験領域が自己抗原を含有する1個以上の試験領域とを含む固相を提供すること、
    (ii)被験者から得られたサンプルを、前記固相、およびシグナル生成基を担持するか、またはシグナル生成基に結合することができる少なくとも1種の自己抗体特異的受容体と接触させること、ならびに
    (iii)各試験領域上のシグナル生成基を決定することにより、自己抗体の存在または/および量を検出すること、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. シグナルが所定の試験領域特異的カットオフ値を超える場合に、それを陽性と分類し、シグナルが所定の試験領域特異的カットオフ値以下である場合に、それを陰性と分類し、陽性シグナルが筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記非リウマチ障害が、変形性関節症、骨粗鬆症、骨壊死、骨減少症、線維筋痛、腰痛、(関節)痛風、偽痛風、滑液包炎、外傷、骨折、腱炎からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記リウマチ障害が、慢性関節リウマチ、結合組織疾患および/または血管炎を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記自己抗体が慢性関節リウマチ、結合組織疾患および/または血管炎を示す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記慢性関節リウマチが、慢性関節リウマチおよび/または若年性慢性関節リウマチを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 慢性関節リウマチを示す前記自己抗体が、シトルリン化ペプチド、ANAおよび/またはRFを認識する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記結合組織疾患が、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、CREST症候群および/または混合型結合組織疾患を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 結合組織疾患を示す前記自己抗体が、ds-DNA、SS-A、SS-B、Sm、ヒストン、Scl-70、Jo-1、セントロメアタンパク質B、RNPおよび/またはフォドリンを認識する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記血管炎が、リウマチ性多発性筋痛、巨細胞動脈炎、Morbus Wegenerおよび/またはベーチェット症候群を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 血管炎を示す前記自己抗体が、PR3および/またはMPOを認識する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 少なくとも1種の脊椎関節炎障害および/または感染性関節炎障害を示す少なくとも1種の抗原または(自己)抗体が、被験者から得られたサンプル中に存在するかどうかを決定することをさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除するための試験キットであって、
    (a)慢性関節リウマチを示す少なくとも1種の自己抗原;
    (b)結合組織疾患を示す少なくとも1種の自己抗原;および/または
    (c)血管炎を示す少なくとも1種の自己抗原、
    を含み、非多孔性支持体と、検出しようとする自己抗体に特異的に結合する自己抗原をそれぞれ含有する少なくとも1個の試験領域とを含む、前記試験キット。
  15. 被験者の筋骨格症状の原因として非リウマチ障害を排除するための請求項14に記載の試験キットの使用。
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