JPH09218202A - 抗核抗体の検出方法及び検出用キット - Google Patents
抗核抗体の検出方法及び検出用キットInfo
- Publication number
- JPH09218202A JPH09218202A JP8342629A JP34262996A JPH09218202A JP H09218202 A JPH09218202 A JP H09218202A JP 8342629 A JP8342629 A JP 8342629A JP 34262996 A JP34262996 A JP 34262996A JP H09218202 A JPH09218202 A JP H09218202A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cell
- cells
- antibody
- chromosomes
- nucleus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】従来技術における膠原病のスクリーニング検査
における欠点をさらに克服した抗核抗原提供細胞を見出
して、この細胞を用いた抗核抗体の検出手段を提供する
こと。 【解決手段】核抗原に抗核抗体を結合させて、その結合
した抗核抗体を検出する抗核抗体の検出方法において、
染色体数を増加させた細胞核を有する細胞を核抗原提供
細胞として用いる抗核抗体の検出方法、及び染色体数を
増加させた細胞を核抗原提供細胞として含む抗核抗体の
検出用キットの提供。
における欠点をさらに克服した抗核抗原提供細胞を見出
して、この細胞を用いた抗核抗体の検出手段を提供する
こと。 【解決手段】核抗原に抗核抗体を結合させて、その結合
した抗核抗体を検出する抗核抗体の検出方法において、
染色体数を増加させた細胞核を有する細胞を核抗原提供
細胞として用いる抗核抗体の検出方法、及び染色体数を
増加させた細胞を核抗原提供細胞として含む抗核抗体の
検出用キットの提供。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗核抗体の検出方
法及び検出用キットに関する技術分野に属する。より詳
細には、染色体数を増加させた細胞を核抗原提供細胞と
して用いる上記検出方法及び検出用キットに属する。
法及び検出用キットに関する技術分野に属する。より詳
細には、染色体数を増加させた細胞を核抗原提供細胞と
して用いる上記検出方法及び検出用キットに属する。
【0002】
【従来の技術】膠原病は、血管及び結合組織に原因不明
の急性又は慢性の炎症をきたす多臓器疾患の総称であ
り、単一の疾病を指すものではない。よって、その治療
方法、例えばその大量投与が重篤な副作用を伴う恐れの
あるステロイド剤や免疫抑制剤を第一選択薬として用い
るか否かは、具体的な疾患が何であるかによって異なる
ものである。この意味で、具体的な疾患名を特定するこ
とは、膠原病の治療において重大な意義を有する。
の急性又は慢性の炎症をきたす多臓器疾患の総称であ
り、単一の疾病を指すものではない。よって、その治療
方法、例えばその大量投与が重篤な副作用を伴う恐れの
あるステロイド剤や免疫抑制剤を第一選択薬として用い
るか否かは、具体的な疾患が何であるかによって異なる
ものである。この意味で、具体的な疾患名を特定するこ
とは、膠原病の治療において重大な意義を有する。
【0003】この膠原病のスクリーニング検査として、
膠原病に伴って現れる抗核抗体を検出することは、各膠
原病の診断や鑑別診断に有用であることが知られてお
り、ルーチンの検査方法として既にこのスクリーニング
検査が実用化されている。この抗核抗体の検出法は、主
に細胞核を核抗原として、これに抗核抗体を結合させ
て、その結合した抗核抗体を、例えば間接螢光抗体法に
よって検出することによって実行される。
膠原病に伴って現れる抗核抗体を検出することは、各膠
原病の診断や鑑別診断に有用であることが知られてお
り、ルーチンの検査方法として既にこのスクリーニング
検査が実用化されている。この抗核抗体の検出法は、主
に細胞核を核抗原として、これに抗核抗体を結合させ
て、その結合した抗核抗体を、例えば間接螢光抗体法に
よって検出することによって実行される。
【0004】核抗原として用いられる細胞核としては、
例えばニワトリ赤血球,ヒト白血球,ラット肝切片,培
養腫瘍細胞等の細胞核が主に用いられている。特に、ヒ
ト喉頭癌由来の培養細胞であるHEp−2細胞は、増殖
速度が速いのは勿論のこと、従来の核抗原に比べて感度
が高く、染色型の観察にも適しており、さらに従来の核
抗原では検出することが困難であった抗セントロメア
(動原体)抗体の検出に適している等の理由から、近年
は広くこのHEp−2細胞の細胞核が核抗原として主要
な地位を占めつつある。
例えばニワトリ赤血球,ヒト白血球,ラット肝切片,培
養腫瘍細胞等の細胞核が主に用いられている。特に、ヒ
ト喉頭癌由来の培養細胞であるHEp−2細胞は、増殖
速度が速いのは勿論のこと、従来の核抗原に比べて感度
が高く、染色型の観察にも適しており、さらに従来の核
抗原では検出することが困難であった抗セントロメア
(動原体)抗体の検出に適している等の理由から、近年
は広くこのHEp−2細胞の細胞核が核抗原として主要
な地位を占めつつある。
【0005】しかしながら、このHEp−2細胞にして
も、核抗原として必ずしも十分とはいえない面も見受け
られる。例えば、まず細胞核の大きさがなお、所望する
細胞核における各染色パターンを的確に解析するには不
十分な点を挙げることができる。
も、核抗原として必ずしも十分とはいえない面も見受け
られる。例えば、まず細胞核の大きさがなお、所望する
細胞核における各染色パターンを的確に解析するには不
十分な点を挙げることができる。
【0006】また、膠原病のスクリーニング検査に際し
ては、細胞核の染色パターンの他に、抗核抗体の一種で
ある抗リボゾーム抗体や抗ミトコンドリア抗体や抗SS
−A/Ro 抗体の存在に基づいた細胞質の染色パターン
を解析することが好ましいが、HEp−2細胞は細胞核
の染色パターンを解析することについては好ましい特性
を兼ね備えているものの、相対的に細胞質の量が少な
く、細胞質の染色パターンの解析には必ずしも適してい
ないという点が挙げられる。現状では、膠原病のスクリ
ーニング検査に際しては、HEp−2細胞の細胞核を核
抗原として検体処理を行うと同時に、ラットの肝細胞の
切片等の細胞質の量が相対的に大きい細胞が細胞質に存
在する核抗原の検出手段として検体処理の行われる場合
が多く、細胞核及び細胞質の両面から膠原病のスクリー
ニング検査に適した細胞が見出されることが待たれてい
る。
ては、細胞核の染色パターンの他に、抗核抗体の一種で
ある抗リボゾーム抗体や抗ミトコンドリア抗体や抗SS
−A/Ro 抗体の存在に基づいた細胞質の染色パターン
を解析することが好ましいが、HEp−2細胞は細胞核
の染色パターンを解析することについては好ましい特性
を兼ね備えているものの、相対的に細胞質の量が少な
く、細胞質の染色パターンの解析には必ずしも適してい
ないという点が挙げられる。現状では、膠原病のスクリ
ーニング検査に際しては、HEp−2細胞の細胞核を核
抗原として検体処理を行うと同時に、ラットの肝細胞の
切片等の細胞質の量が相対的に大きい細胞が細胞質に存
在する核抗原の検出手段として検体処理の行われる場合
が多く、細胞核及び細胞質の両面から膠原病のスクリー
ニング検査に適した細胞が見出されることが待たれてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
すべき課題は、上記HEp−2細胞が有する膠原病のス
クリーニング検査における欠点をさらに克服した抗核抗
原提供細胞を見出して、この細胞を用いた抗核抗体の検
出手段を提供することにある。
すべき課題は、上記HEp−2細胞が有する膠原病のス
クリーニング検査における欠点をさらに克服した抗核抗
原提供細胞を見出して、この細胞を用いた抗核抗体の検
出手段を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決のために鋭意検討を行った。その結果、染色体数を
増加させた細胞核を有する細胞の核抗原を提供する細胞
として、膠原病のスクリーニング検査に用いることによ
り、この課題を解決することが可能であることを見出し
て本発明を完成した。すなわち、本願において以下の発
明を提供するものである。
解決のために鋭意検討を行った。その結果、染色体数を
増加させた細胞核を有する細胞の核抗原を提供する細胞
として、膠原病のスクリーニング検査に用いることによ
り、この課題を解決することが可能であることを見出し
て本発明を完成した。すなわち、本願において以下の発
明を提供するものである。
【0009】請求項1において、核抗原に抗核抗体を結
合させて、その結合した抗核抗体を検出する抗核抗体の
検出方法において、染色体数を増加させた細胞核を有す
る細胞を核抗原提供細胞として用いる抗核抗体の検出方
法を提供する。
合させて、その結合した抗核抗体を検出する抗核抗体の
検出方法において、染色体数を増加させた細胞核を有す
る細胞を核抗原提供細胞として用いる抗核抗体の検出方
法を提供する。
【0010】請求項2において、染色体数を増加させた
細胞が、HEp−2細胞に染色体数の増加処理を行った
細胞である前記請求項1記載の抗核抗体の検出方法を提
供する。
細胞が、HEp−2細胞に染色体数の増加処理を行った
細胞である前記請求項1記載の抗核抗体の検出方法を提
供する。
【0011】請求項3において、染色体数を増加させた
細胞が、BAN(FERM P−15280)である前
記請求項1又は請求項2記載の抗核抗体の検出方法を提
供する。
細胞が、BAN(FERM P−15280)である前
記請求項1又は請求項2記載の抗核抗体の検出方法を提
供する。
【0012】請求項4において、染色体数を増加させた
細胞を核抗原提供細胞として含む抗核抗体の検出用キッ
トを提供する。
細胞を核抗原提供細胞として含む抗核抗体の検出用キッ
トを提供する。
【0013】請求項5において、染色体数を増加させた
細胞が、HEp−2細胞に染色体数の増加処理を行った
細胞である前記請求項4記載の抗核抗体の検出用キット
を提供する。
細胞が、HEp−2細胞に染色体数の増加処理を行った
細胞である前記請求項4記載の抗核抗体の検出用キット
を提供する。
【0014】請求項6において、染色体数を増加させた
細胞が、BAN(FERM P−15280)である前
記請求項4又は請求項5記載の抗核抗体の検出用キット
を提供する。
細胞が、BAN(FERM P−15280)である前
記請求項4又は請求項5記載の抗核抗体の検出用キット
を提供する。
【0015】請求項7において、以下の〜の特徴を
有する核抗原提供細胞であるBAN(FERM P−1
5280)を提供する。 親細胞がHEp−2細胞である; 希釈培養法により選択された細胞である; 染色体数のモードが117である; 核及び細胞質がHEp−2細胞に比べて大型である; 増殖速度がHEp−2細胞と同等以上である; 間接螢光抗体法を用いて細胞内の核抗原に結合した核
抗体を染色した場合に、辺縁型、斑紋型、均一型、核小
体型、細胞質型又は動原体型の染色パターンのいずれの
染色パターンをも目視で明確に特定可能である。
有する核抗原提供細胞であるBAN(FERM P−1
5280)を提供する。 親細胞がHEp−2細胞である; 希釈培養法により選択された細胞である; 染色体数のモードが117である; 核及び細胞質がHEp−2細胞に比べて大型である; 増殖速度がHEp−2細胞と同等以上である; 間接螢光抗体法を用いて細胞内の核抗原に結合した核
抗体を染色した場合に、辺縁型、斑紋型、均一型、核小
体型、細胞質型又は動原体型の染色パターンのいずれの
染色パターンをも目視で明確に特定可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。先ず、本発明において用いる核抗原提供細
胞(検体中の抗核抗体を結合させる核抗原を提供する細
胞を意味する)について説明する。本発明は、上記した
ごとく、核抗原に抗核抗体を結合させて、その結合した
抗核抗体を検出する抗核抗体の検出方法において実施さ
れる発明である。
て説明する。先ず、本発明において用いる核抗原提供細
胞(検体中の抗核抗体を結合させる核抗原を提供する細
胞を意味する)について説明する。本発明は、上記した
ごとく、核抗原に抗核抗体を結合させて、その結合した
抗核抗体を検出する抗核抗体の検出方法において実施さ
れる発明である。
【0017】この核抗原に抗核抗体が結合したか否かを
確認する手段として、主に間接螢光抗体法が用いられて
いるが、この確認の際重要な要素となるのが抗核抗体を
結合させた細胞核の大きさである。すなわち、上記間接
螢光抗体法は細胞核に結合した抗核抗体の分布状態や量
をを示す螢光を主に目視により検討することにより所望
する膠原病についての診断を行うものであるから、可能
な限り抗核抗体が結合する細胞核が大型であることが望
ましい。
確認する手段として、主に間接螢光抗体法が用いられて
いるが、この確認の際重要な要素となるのが抗核抗体を
結合させた細胞核の大きさである。すなわち、上記間接
螢光抗体法は細胞核に結合した抗核抗体の分布状態や量
をを示す螢光を主に目視により検討することにより所望
する膠原病についての診断を行うものであるから、可能
な限り抗核抗体が結合する細胞核が大型であることが望
ましい。
【0018】また、膠原病のスクリーニング検査におい
て重要な意義を有する核抗原の一部は、核を離れて細胞
質中に存在するものもあることを鑑みれば細胞における
細胞質の相対的な大きさも、上記確認に際して非常に重
要な要素となる。すなわち、上記核抗原提供細胞として
理想的な細胞は、より大型の細胞核を有し、かつ相対的
に細胞質が占める部分が大きい細胞であると結論付ける
ことができる。
て重要な意義を有する核抗原の一部は、核を離れて細胞
質中に存在するものもあることを鑑みれば細胞における
細胞質の相対的な大きさも、上記確認に際して非常に重
要な要素となる。すなわち、上記核抗原提供細胞として
理想的な細胞は、より大型の細胞核を有し、かつ相対的
に細胞質が占める部分が大きい細胞であると結論付ける
ことができる。
【0019】本発明者は、細胞にその染色体数を増加さ
せる処理を行うことにより、所望する上記の大型の細胞
核を有する細胞が得られ、かつ細胞質も相対的に大型化
した細胞を高い確率で得ることができることに着目し
た。
せる処理を行うことにより、所望する上記の大型の細胞
核を有する細胞が得られ、かつ細胞質も相対的に大型化
した細胞を高い確率で得ることができることに着目し
た。
【0020】細胞核乃至細胞質の大型化を図るべき細胞
は、細胞核乃至細胞質の大型化を図ることにより上記抗
核抗体の検出を可能にするか、又はより有利にすること
ができる細胞であれば特に限定されない。例えば、現在
抗核抗体の検出に用いられている、ニワトリ赤血球,ヒ
ト白血球,ラット肝切片,培養腫瘍細胞等に対して染色
体数の増加処理を行うことができる。
は、細胞核乃至細胞質の大型化を図ることにより上記抗
核抗体の検出を可能にするか、又はより有利にすること
ができる細胞であれば特に限定されない。例えば、現在
抗核抗体の検出に用いられている、ニワトリ赤血球,ヒ
ト白血球,ラット肝切片,培養腫瘍細胞等に対して染色
体数の増加処理を行うことができる。
【0021】かかる染色体数の増加処理法としては、
培養細胞のうち、細胞核が大型化しているものを選択し
て、結果として染色体数が増加した細胞をクローニング
する希釈培養法;同種又は異種の細胞同士を細胞融合
させて融合細胞を継代して、染色体数が増加した細胞を
クローニングする方法;放射線処理等の物理的処理や
突然変異物質処理等の化学的処理を施して、染色体数を
増加させる方法等を挙げることができる。
培養細胞のうち、細胞核が大型化しているものを選択し
て、結果として染色体数が増加した細胞をクローニング
する希釈培養法;同種又は異種の細胞同士を細胞融合
させて融合細胞を継代して、染色体数が増加した細胞を
クローニングする方法;放射線処理等の物理的処理や
突然変異物質処理等の化学的処理を施して、染色体数を
増加させる方法等を挙げることができる。
【0022】これらの染色体数の増加処理法は、この処
理を施す細胞の種類に応じて適宜選択することができ
る。すなわち、の希釈培養法は、培養過程で染色体数
の増加した細胞が比較的容易に現れる細胞に対して施す
ことが好ましく、より具体的には培養細胞の状態が安定
している通常細胞よりも、培養腫瘍細胞に対して施すこ
とが好ましい。
理を施す細胞の種類に応じて適宜選択することができ
る。すなわち、の希釈培養法は、培養過程で染色体数
の増加した細胞が比較的容易に現れる細胞に対して施す
ことが好ましく、より具体的には培養細胞の状態が安定
している通常細胞よりも、培養腫瘍細胞に対して施すこ
とが好ましい。
【0023】例えば、既に抗核抗体の検出に用いる細胞
として確立しているヒト喉頭癌由来の培養細胞であるH
Ep−2細胞は、従来の核抗原に比べて感度が高く、染
色パターンの観察にも適しており、さらに従来の核抗原
では検出することが困難であった抗セントロメア(動原
体)抗体の検出に適しており、上記の希釈培養法を施
すのに適した細胞の中でも特に好ましい細胞として例示
することができる。
として確立しているヒト喉頭癌由来の培養細胞であるH
Ep−2細胞は、従来の核抗原に比べて感度が高く、染
色パターンの観察にも適しており、さらに従来の核抗原
では検出することが困難であった抗セントロメア(動原
体)抗体の検出に適しており、上記の希釈培養法を施
すのに適した細胞の中でも特に好ましい細胞として例示
することができる。
【0024】また、HEp−2細胞に希釈培養法を施
すと、細胞核だけではなく、細胞質も相対的に大型化し
た細胞を得られる傾向があるという点においても、上記
の希釈培養法を施すのに適した細胞の中でも特に好ま
しい細胞として例示することができる。
すと、細胞核だけではなく、細胞質も相対的に大型化し
た細胞を得られる傾向があるという点においても、上記
の希釈培養法を施すのに適した細胞の中でも特に好ま
しい細胞として例示することができる。
【0025】喉頭上皮癌(oral epidermoid carcinoma
)由来のKBcells も大型の核を有しており染色パタ
ーンを詳細に観察することが容易であり、さらに種々の
細胞周期の細胞が混在しているために、細胞周期に密接
に関連して現れる抗核抗体を漏れなく検出することが可
能である等の点から、上記の希釈培養法を施すことが
できる細胞の中でも特に好ましい細胞として例示するこ
とができる。
)由来のKBcells も大型の核を有しており染色パタ
ーンを詳細に観察することが容易であり、さらに種々の
細胞周期の細胞が混在しているために、細胞周期に密接
に関連して現れる抗核抗体を漏れなく検出することが可
能である等の点から、上記の希釈培養法を施すことが
できる細胞の中でも特に好ましい細胞として例示するこ
とができる。
【0026】なお、本来の正常細胞に対してこのの希
釈培養法を用いるためには、人為的に細胞に対して突然
変異処理、即ちに掲げた処理等を施すことが必要とさ
れる場合が多い。
釈培養法を用いるためには、人為的に細胞に対して突然
変異処理、即ちに掲げた処理等を施すことが必要とさ
れる場合が多い。
【0027】また、の細胞融合法は、広く通常細胞や
培養腫瘍細胞に施すことができるが、その反面、一端増
加した染色体が継代の過程で減少してしまう傾向が非常
に強く安定した核大型化細胞株を確立することが困難で
あるという欠点を有する。かかる点で、の希釈培養法
は継代を繰り返すことにより、比較的細胞株として確立
することが容易であり、本発明において用いる核大型化
細胞の提供手段として優れている。この希釈培養法の
より具体的手順については、後述する製造例において説
明する。
培養腫瘍細胞に施すことができるが、その反面、一端増
加した染色体が継代の過程で減少してしまう傾向が非常
に強く安定した核大型化細胞株を確立することが困難で
あるという欠点を有する。かかる点で、の希釈培養法
は継代を繰り返すことにより、比較的細胞株として確立
することが容易であり、本発明において用いる核大型化
細胞の提供手段として優れている。この希釈培養法の
より具体的手順については、後述する製造例において説
明する。
【0028】逆に、細胞自身が有する抗核抗体の検出の
際、すなわち検出可能な細胞の染色パターンに応じて染
色体数増加処理を施す細胞を決定することができる。す
なわち、例えばニワトリ赤血球は主に辺縁(peripheral)
型を示す染色パターンの検出に適しており、ヒト白血球
は主に辺縁(peripheral)型や均一(homogeneous) 型を示
す染色パターンの検出に適しており、肝切片の細胞は斑
紋(speckled)型,核小体(nucleolar) 型,細胞質(cytop
lasmic) 型,均一(homogeneous) 型を示す染色パターン
の検出に適しており、HEp−2細胞は動原体(centoro
mere)型を始め、前出の全ての型を示す染色パターンの
検出(ただし、細胞質(cytoplasmic) 型に関しては相対
的に細胞質の量が小さいので難点がある)に適してい
る。また、KBcells は、動原体(centoromere) 型を除
いた前出の全ての型を示す染色パターンの検出に適して
いるが、HEp−2細胞と同様に細胞質が細胞核に対し
て相対的に少なく、細胞質(cytoplasmic) 型の解析には
適していない面がある。これらの細胞の有する性質に応
じて前述の染色体数増加処理を施す細胞の種類を選択す
ることも可能である。
際、すなわち検出可能な細胞の染色パターンに応じて染
色体数増加処理を施す細胞を決定することができる。す
なわち、例えばニワトリ赤血球は主に辺縁(peripheral)
型を示す染色パターンの検出に適しており、ヒト白血球
は主に辺縁(peripheral)型や均一(homogeneous) 型を示
す染色パターンの検出に適しており、肝切片の細胞は斑
紋(speckled)型,核小体(nucleolar) 型,細胞質(cytop
lasmic) 型,均一(homogeneous) 型を示す染色パターン
の検出に適しており、HEp−2細胞は動原体(centoro
mere)型を始め、前出の全ての型を示す染色パターンの
検出(ただし、細胞質(cytoplasmic) 型に関しては相対
的に細胞質の量が小さいので難点がある)に適してい
る。また、KBcells は、動原体(centoromere) 型を除
いた前出の全ての型を示す染色パターンの検出に適して
いるが、HEp−2細胞と同様に細胞質が細胞核に対し
て相対的に少なく、細胞質(cytoplasmic) 型の解析には
適していない面がある。これらの細胞の有する性質に応
じて前述の染色体数増加処理を施す細胞の種類を選択す
ることも可能である。
【0029】なお、これらの染色パターンは、膠原病の
種類、すなわち発生する抗核抗体の種類に強い相関を示
すものである。例えば、全身性エリテマトーデス(SL
E)患者には、抗dsDNA抗体,抗Sm抗体,抗PC
NA抗体が現れる傾向にあり、これらの抗核抗体のう
ち、検体中に抗dsDNA抗体が存在する場合には、辺
縁(peripheral)型の染色パターンを示す傾向にあり、抗
Sm抗体,抗PCNA抗体が存在する場合には、斑紋(s
peckled)型の染色パターンを示す傾向にある。
種類、すなわち発生する抗核抗体の種類に強い相関を示
すものである。例えば、全身性エリテマトーデス(SL
E)患者には、抗dsDNA抗体,抗Sm抗体,抗PC
NA抗体が現れる傾向にあり、これらの抗核抗体のう
ち、検体中に抗dsDNA抗体が存在する場合には、辺
縁(peripheral)型の染色パターンを示す傾向にあり、抗
Sm抗体,抗PCNA抗体が存在する場合には、斑紋(s
peckled)型の染色パターンを示す傾向にある。
【0030】また、シェーグレン症候群(SjS)患者
には、抗SS−B/La抗体,抗SS−A/Ro抗体が
現れる傾向にあり、これらの抗核抗体のうち、検体中に
抗SS−B/La抗体が存在する場合には、斑紋(speck
led)型の染色パターンを示す傾向にあり、抗SS−A/
Ro抗体が存在する場合には、細胞質(cytoplasmic)型の
染色パターンを示す傾向にある。
には、抗SS−B/La抗体,抗SS−A/Ro抗体が
現れる傾向にあり、これらの抗核抗体のうち、検体中に
抗SS−B/La抗体が存在する場合には、斑紋(speck
led)型の染色パターンを示す傾向にあり、抗SS−A/
Ro抗体が存在する場合には、細胞質(cytoplasmic)型の
染色パターンを示す傾向にある。
【0031】また、混合性結合組織病(MCTD)患者
には、抗U1−RNP抗体が現れる傾向にある。
には、抗U1−RNP抗体が現れる傾向にある。
【0032】また、強皮症(PSS)患者には、抗Sc
l−70抗体が現れる傾向にあり、この抗核抗体が検体
中に存在する場合は、核小体(nucleolar) 型の染色パタ
ーンを示す傾向にある。
l−70抗体が現れる傾向にあり、この抗核抗体が検体
中に存在する場合は、核小体(nucleolar) 型の染色パタ
ーンを示す傾向にある。
【0033】また、多発性筋炎(PM)又は皮膚筋炎
(DM)患者には、抗Jo−1抗体が現れる傾向にあ
り、この抗核抗体が検体中に存在する場合には、斑紋(s
peckled)型の染色パターンを示す傾向にある。
(DM)患者には、抗Jo−1抗体が現れる傾向にあ
り、この抗核抗体が検体中に存在する場合には、斑紋(s
peckled)型の染色パターンを示す傾向にある。
【0034】また、CREST症候群患者には、抗動原
体抗体が現れる傾向にあり、この抗核抗体が検体中に存
在する場合には、動原体(centoromere) 型の染色パター
ンを示す傾向にある。
体抗体が現れる傾向にあり、この抗核抗体が検体中に存
在する場合には、動原体(centoromere) 型の染色パター
ンを示す傾向にある。
【0035】なお、前出のSLE患者の一部及び薬剤誘
発性エリテマトーデス患者には、抗ヒストン抗体が現れ
る傾向にあり、これらの抗核抗体が検体中に存在する場
合には、均一(homogeneous) 型の染色パターンを示す傾
向にある。
発性エリテマトーデス患者には、抗ヒストン抗体が現れ
る傾向にあり、これらの抗核抗体が検体中に存在する場
合には、均一(homogeneous) 型の染色パターンを示す傾
向にある。
【0036】前述したように、これらの染色パターンを
的確に判別するには、主な染色対象である細胞核乃至細
胞質が大型化した細胞を用いて抗核抗体の検出をするこ
とが非常に重要な要素となる。そして、この点に本発明
の大きな意義がある。
的確に判別するには、主な染色対象である細胞核乃至細
胞質が大型化した細胞を用いて抗核抗体の検出をするこ
とが非常に重要な要素となる。そして、この点に本発明
の大きな意義がある。
【0037】本発明は、上記の手段により染色体数を増
加させた細胞核を有する細胞を、核抗原提供細胞として
抗核抗体を結合させて、その結合した抗核抗体を検出す
る発明である。
加させた細胞核を有する細胞を、核抗原提供細胞として
抗核抗体を結合させて、その結合した抗核抗体を検出す
る発明である。
【0038】この核抗原に抗核抗体を結合させて、その
結合した抗核抗体を検出する抗核抗体の検出方法とし
て、間接螢光抗体法(IF法),二重免疫拡散法(DI
D法),ラジオイムノアッセイ法(RIA法),酵素抗
体法(ELISA法),受身赤血球凝集反応(PHA
法),免疫沈降法(IPP法),免疫ブロット法(IB
法)等の通常公知の検出法を適用することができる。
結合した抗核抗体を検出する抗核抗体の検出方法とし
て、間接螢光抗体法(IF法),二重免疫拡散法(DI
D法),ラジオイムノアッセイ法(RIA法),酵素抗
体法(ELISA法),受身赤血球凝集反応(PHA
法),免疫沈降法(IPP法),免疫ブロット法(IB
法)等の通常公知の検出法を適用することができる。
【0039】間接螢光抗体法は、共有結合によって螢光
色素で標識化した抗原又は抗体を用いて、組織における
免疫物質を抗原抗体反応の特異的な結合によって螢光追
跡で分析する方法の変法であるが、本発明においてこの
免疫螢光抗体法を抗核抗体の検出手段として応用する場
合には、種々の染色パターンの観察が可能という理由に
より、固定化した核抗原に検体を接触させて、その固定
化した核抗原に結合した検体中の抗核抗体に、さらに螢
光標識を施した抗体を結合させて、その螢光染色パター
ンを主に目視により解析するダブルレイヤー法を採用す
ることが好ましい。
色素で標識化した抗原又は抗体を用いて、組織における
免疫物質を抗原抗体反応の特異的な結合によって螢光追
跡で分析する方法の変法であるが、本発明においてこの
免疫螢光抗体法を抗核抗体の検出手段として応用する場
合には、種々の染色パターンの観察が可能という理由に
より、固定化した核抗原に検体を接触させて、その固定
化した核抗原に結合した検体中の抗核抗体に、さらに螢
光標識を施した抗体を結合させて、その螢光染色パター
ンを主に目視により解析するダブルレイヤー法を採用す
ることが好ましい。
【0040】この間接螢光抗体法は、検体中に一種類か
つ微量に抗核抗体が含まれる場合でもこの抗核抗体を検
出可能なほど鋭敏な感度の検査法であり、この間接螢光
抗体法を抗核抗体の検出手段とする本発明検出方法の態
様は最も適した態様の一つである。
つ微量に抗核抗体が含まれる場合でもこの抗核抗体を検
出可能なほど鋭敏な感度の検査法であり、この間接螢光
抗体法を抗核抗体の検出手段とする本発明検出方法の態
様は最も適した態様の一つである。
【0041】なお、この間接螢光抗体法においては、通
常抗核抗体が陰性か陽性かを判定する定性試験、定
性試験が陽性であった場合,さらに検体希釈を行い,陽
性となる最高希釈倍数をもって抗核抗体の抗体価とする
定量試験、定性試験が陽性であった場合に主に目視を
もって前出の染色パターンを識別する染色パターンの判
定が行われる。
常抗核抗体が陰性か陽性かを判定する定性試験、定
性試験が陽性であった場合,さらに検体希釈を行い,陽
性となる最高希釈倍数をもって抗核抗体の抗体価とする
定量試験、定性試験が陽性であった場合に主に目視を
もって前出の染色パターンを識別する染色パターンの判
定が行われる。
【0042】また、二重免疫拡散法は、抗原と抗体を各
々反応させ、ゲル内で拡散させた結果、両者の濃度比が
最適な位置に沈降線を形成させるゲル内拡散法であり;
ラジオイムノアッセイ法は、抗原抗体反応を放射線同位
体の助けで定量的に追跡し、抗体を定量する方法であ
り;酵素抗体法は、標識イムノアッセイのうち、酵素を
標識として用いて抗体を定量する方法であり;受身赤血
球凝集反応は、可溶性抗原を血球に吸着させ、これに抗
体を加えることによって惹起される血球の凝集反応によ
り、微量の抗体を検出する方法であり;免疫沈降法は、
32Pや35Sで標識したメチオニン等を細胞内の核酸やタ
ンパク質に取り込ませた後に可溶化し、患者の血清と反
応させ、プロテインAやセファロース等を用いて沈降さ
せ、次いで抗体と結合した抗原成分を電気泳動で分画
し、オートラジオグラムにより同定する方法であり;免
疫ブロット法は、抗原をSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動で分画後、ニトロセルロース膜に転写し、患
者血清、次いで酵素やアイソトープで標識した二次抗体
と反応させ、上記ニトロセルロース膜上の抗原と反応す
るニトロセルロース膜上の抗原と反応する患者血清中の
抗体を検索する方法である。
々反応させ、ゲル内で拡散させた結果、両者の濃度比が
最適な位置に沈降線を形成させるゲル内拡散法であり;
ラジオイムノアッセイ法は、抗原抗体反応を放射線同位
体の助けで定量的に追跡し、抗体を定量する方法であ
り;酵素抗体法は、標識イムノアッセイのうち、酵素を
標識として用いて抗体を定量する方法であり;受身赤血
球凝集反応は、可溶性抗原を血球に吸着させ、これに抗
体を加えることによって惹起される血球の凝集反応によ
り、微量の抗体を検出する方法であり;免疫沈降法は、
32Pや35Sで標識したメチオニン等を細胞内の核酸やタ
ンパク質に取り込ませた後に可溶化し、患者の血清と反
応させ、プロテインAやセファロース等を用いて沈降さ
せ、次いで抗体と結合した抗原成分を電気泳動で分画
し、オートラジオグラムにより同定する方法であり;免
疫ブロット法は、抗原をSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動で分画後、ニトロセルロース膜に転写し、患
者血清、次いで酵素やアイソトープで標識した二次抗体
と反応させ、上記ニトロセルロース膜上の抗原と反応す
るニトロセルロース膜上の抗原と反応する患者血清中の
抗体を検索する方法である。
【0043】これらの列挙した間接螢光抗体法以外の検
出方法は、いずれも上記定性試験及び定量試験の試
験を行うことは可能であるが、の染色パターンの判定
を行うことが困難であり、染色パターンの解析がスクリ
ーニングとしての非常に重要な意義を有する膠原病の検
出手段として問題を有しているという点は否めない。
出方法は、いずれも上記定性試験及び定量試験の試
験を行うことは可能であるが、の染色パターンの判定
を行うことが困難であり、染色パターンの解析がスクリ
ーニングとしての非常に重要な意義を有する膠原病の検
出手段として問題を有しているという点は否めない。
【0044】また、これらの間接螢光抗体法を除外した
検出方法は、いずれも核抗原が何らかの形で分離された
形態で使用されることが必要であり、in situ で所望す
る情報を簡便に得ることが可能な間接螢光抗体法に比べ
れば簡便性という点においても問題点を有することは否
めない。
検出方法は、いずれも核抗原が何らかの形で分離された
形態で使用されることが必要であり、in situ で所望す
る情報を簡便に得ることが可能な間接螢光抗体法に比べ
れば簡便性という点においても問題点を有することは否
めない。
【0045】本発明は、これらの本発明方法を実施する
ためのキットをも含有する。例えば、前出の間接螢光抗
体法を実施するためのキットとしては、上記の染色体数
を増加させた細胞を核抗原提供細胞としてそのままの形
で固定化したスライド等の核抗原固定化物,抗核抗体標
識用のFITC標識抗ヒトイムノグロブリン等を構成試
薬として含むキットを例示することができる。
ためのキットをも含有する。例えば、前出の間接螢光抗
体法を実施するためのキットとしては、上記の染色体数
を増加させた細胞を核抗原提供細胞としてそのままの形
で固定化したスライド等の核抗原固定化物,抗核抗体標
識用のFITC標識抗ヒトイムノグロブリン等を構成試
薬として含むキットを例示することができる。
【0046】核抗原提供細胞としてキット中に含ませ得
る染色体数を増加させた細胞は、上記の可能な限り細胞
の形態を維持した固定化物以外に、細胞に界面活性剤を
含む緩衝液を加えて細胞膜を溶解させ、ショ糖を用いた
不連続密度勾配法で単離した核の固定化物としての形態
としてもこのキットに含ませることができる。なお、こ
のキット中の核抗原提供細胞の形態に応じて、そのキッ
トの他の要素の種類,形態,量等についても適宜調整す
ることが可能である。
る染色体数を増加させた細胞は、上記の可能な限り細胞
の形態を維持した固定化物以外に、細胞に界面活性剤を
含む緩衝液を加えて細胞膜を溶解させ、ショ糖を用いた
不連続密度勾配法で単離した核の固定化物としての形態
としてもこのキットに含ませることができる。なお、こ
のキット中の核抗原提供細胞の形態に応じて、そのキッ
トの他の要素の種類,形態,量等についても適宜調整す
ることが可能である。
【0047】また、前記した間接螢光抗体法以外の検出
方法に基づくキットは、選択する検出方法に応じた要素
を含ませることで作出することが可能であるが、前述の
ごとく検出可能な要素において間接螢光抗体法に比べて
劣る傾向があり、かつ例えばラジオイムノアッセイ法や
酵素抗体法に基づくキットの作出には、抗核抗体を検出
するための核抗原を、少なくとも所望するキットにより
抗核抗体の存在を特定することができる程度精製して含
ませる必要がある等の問題点があることは否めない。
方法に基づくキットは、選択する検出方法に応じた要素
を含ませることで作出することが可能であるが、前述の
ごとく検出可能な要素において間接螢光抗体法に比べて
劣る傾向があり、かつ例えばラジオイムノアッセイ法や
酵素抗体法に基づくキットの作出には、抗核抗体を検出
するための核抗原を、少なくとも所望するキットにより
抗核抗体の存在を特定することができる程度精製して含
ませる必要がある等の問題点があることは否めない。
【0048】
【実施例】以下、さらに実施例により本発明をより具体
的に説明する。しかしながら、この実施例により本発明
の技術的範囲が限定解釈されるものではない。 〔実施例1〕希釈培養法によるクローニング 炭酸水素ナトリウムを1.176g/l 添加することによ
ってpHを調整したMEM培養液(Eagle's minimum es
sential medium Cat No. 61100-053 :GrandIsland Bi
ological 社製)にウシ胎児血清を容量比として10%
添加したものを培養液とし、この培養液にトリプシン消
化法により分散させたHEp−2細胞(大日本製薬株式
会社から購入、以下同様)を5cells/mlの割合で懸濁
し、96ウェルマイクロプレートに1ウェル当り0.2
mlずつ分注した。5%CO2 ,37℃の条件で、5日毎
に前述の培養液を0.05mlずつ添加しながら3週間の
静置培養を行った。この静置培養後、光学顕微鏡を用い
て各ウェルを観察し、コロニーが一つであり、かつ視覚
により大型の細胞をいくつか選び、その中で最大のクロ
ーン細胞をフローサイトメーター(FACS:ベクトン
ディッキンソン社製)にて選別した。以後、このクロー
ン細胞は、培養フラスコで前述の培養液にて前述と同様
の条件のもと、培養液の全量の交換を1〜2日毎に行
い、継代を3〜4日毎に繰り返しながら静置培養を行っ
た。
的に説明する。しかしながら、この実施例により本発明
の技術的範囲が限定解釈されるものではない。 〔実施例1〕希釈培養法によるクローニング 炭酸水素ナトリウムを1.176g/l 添加することによ
ってpHを調整したMEM培養液(Eagle's minimum es
sential medium Cat No. 61100-053 :GrandIsland Bi
ological 社製)にウシ胎児血清を容量比として10%
添加したものを培養液とし、この培養液にトリプシン消
化法により分散させたHEp−2細胞(大日本製薬株式
会社から購入、以下同様)を5cells/mlの割合で懸濁
し、96ウェルマイクロプレートに1ウェル当り0.2
mlずつ分注した。5%CO2 ,37℃の条件で、5日毎
に前述の培養液を0.05mlずつ添加しながら3週間の
静置培養を行った。この静置培養後、光学顕微鏡を用い
て各ウェルを観察し、コロニーが一つであり、かつ視覚
により大型の細胞をいくつか選び、その中で最大のクロ
ーン細胞をフローサイトメーター(FACS:ベクトン
ディッキンソン社製)にて選別した。以後、このクロー
ン細胞は、培養フラスコで前述の培養液にて前述と同様
の条件のもと、培養液の全量の交換を1〜2日毎に行
い、継代を3〜4日毎に繰り返しながら静置培養を行っ
た。
【0049】〔実施例2〕細胞計測学的分析 11代継代した上記クローン細胞と同様に20代継代し
た上記クローン細胞及びHEp−2細胞のフローサイト
メーター(FACS:ベクトンディッキンソン社製)に
よる分析を行った。細胞による光散乱のうち前方散乱光
は細胞の大きさに依存し、側方散乱光は細胞内顆粒の密
度に依存するが、第1図に示す通り、11代及び20代
継代した上記クローン細胞(20代は後述するBANで
ある)は、HEp−2細胞より強い前方散乱光及び側方
散乱光を示した。さらに第2図に示すように、細胞核に
対する光散乱分析においても同様の結果が得られた。な
お、第1図は細胞そのものに対する前方散乱光及び側方
散乱光の分布を示した図であり、第2図は細胞核に対す
る前方散乱光及び側方散乱光の分布を示した図である
(第1図及び第2図とも、図中の実線は継代細胞の光散
乱の分布を示し、点線はHEp−2細胞の光散乱の分布
を示す。また、両図ともA及びCにおける実線は11代
の継代細胞の光散乱の分布を示し、B及びDにおける実
線は20代の継代細胞の光散乱の分布を示す。)。
た上記クローン細胞及びHEp−2細胞のフローサイト
メーター(FACS:ベクトンディッキンソン社製)に
よる分析を行った。細胞による光散乱のうち前方散乱光
は細胞の大きさに依存し、側方散乱光は細胞内顆粒の密
度に依存するが、第1図に示す通り、11代及び20代
継代した上記クローン細胞(20代は後述するBANで
ある)は、HEp−2細胞より強い前方散乱光及び側方
散乱光を示した。さらに第2図に示すように、細胞核に
対する光散乱分析においても同様の結果が得られた。な
お、第1図は細胞そのものに対する前方散乱光及び側方
散乱光の分布を示した図であり、第2図は細胞核に対す
る前方散乱光及び側方散乱光の分布を示した図である
(第1図及び第2図とも、図中の実線は継代細胞の光散
乱の分布を示し、点線はHEp−2細胞の光散乱の分布
を示す。また、両図ともA及びCにおける実線は11代
の継代細胞の光散乱の分布を示し、B及びDにおける実
線は20代の継代細胞の光散乱の分布を示す。)。
【0050】従って、上記継代クローン細胞はHEp−
2細胞よりも平均的に大型であることが明らかになっ
た。また、上記11代継代クローン細胞と20代継代ク
ローン細胞同士の光散乱分布にほとんど差異が認められ
なかったことから、一旦大型化した上記クローン細胞は
継代の繰り返しにおいても安定していることが明らかに
なった。これは、上記クローン細胞がその安定性につい
て非常に優れるものであることを明らかにするものであ
る。
2細胞よりも平均的に大型であることが明らかになっ
た。また、上記11代継代クローン細胞と20代継代ク
ローン細胞同士の光散乱分布にほとんど差異が認められ
なかったことから、一旦大型化した上記クローン細胞は
継代の繰り返しにおいても安定していることが明らかに
なった。これは、上記クローン細胞がその安定性につい
て非常に優れるものであることを明らかにするものであ
る。
【0051】〔実施例3〕 希釈培養法により得られた
クローン細胞の染色体分析 上記クローン細胞にさらに継代培養を施して得たBAN
(18代継代,18代以上継代した上記クローン細胞を
BANと定義する:工業技術院生命工学工業技術研究所
に、寄託番号FERM P−15280号として寄託済
み)及び親細胞であるHEp−2細胞の染色体数につい
ての分析を行った。この結果を第1表に示す。
クローン細胞の染色体分析 上記クローン細胞にさらに継代培養を施して得たBAN
(18代継代,18代以上継代した上記クローン細胞を
BANと定義する:工業技術院生命工学工業技術研究所
に、寄託番号FERM P−15280号として寄託済
み)及び親細胞であるHEp−2細胞の染色体数につい
ての分析を行った。この結果を第1表に示す。
【0052】
【表1】 これらの結果より、BANの染色体数は、HEp−2細
胞の染色体数のモードに対して約1.5倍となっている
ことが明らかになった。
胞の染色体数のモードに対して約1.5倍となっている
ことが明らかになった。
【0053】〔実施例4〕BANの増殖性の検討 BANをトリプシン消化法により分散させ、実施例1で
用いたと同様の培養液で1×104cells/mlの割合で懸
濁し、12ウエルマイクロプレートに1ウエル当り2ml
ずつ分注し、培養液の全量を1〜2日毎に交換しながら
実施例1と同一の条件のもとで培養した。細胞播種後2
4時間,48時間,96時間,168時間及び216時
間後の生存細胞数を血球計算板を用いて計数し、細胞増
殖速度を測定した。HEp−2細胞についても同様に上
記の測定を行い、BANの増殖速度と比較したところ、
両者の増殖速度に殆ど差異は認められなかった(第3図
参照のこと)。
用いたと同様の培養液で1×104cells/mlの割合で懸
濁し、12ウエルマイクロプレートに1ウエル当り2ml
ずつ分注し、培養液の全量を1〜2日毎に交換しながら
実施例1と同一の条件のもとで培養した。細胞播種後2
4時間,48時間,96時間,168時間及び216時
間後の生存細胞数を血球計算板を用いて計数し、細胞増
殖速度を測定した。HEp−2細胞についても同様に上
記の測定を行い、BANの増殖速度と比較したところ、
両者の増殖速度に殆ど差異は認められなかった(第3図
参照のこと)。
【0054】なお、第3図において、216時間経過後
のHEp−2細胞の細胞数がBANの細胞数を上回って
いるが、この段階には培養器中に細胞が限界まで増殖し
てもはや細胞が増殖するスペースがない状態に至ってい
た。すなわち、HEp−2細胞の単位面積当りの細胞数
がBANに比べて多いのは、HEp−2細胞がBANに
比べて小型であることを反映しているのに過ぎないもの
であり、これらの両細胞の増殖速度は同等であるという
ことに反するものではない。前記の従来の技術の欄にお
いて述べたように、HEp−2細胞は他の核抗原提供細
胞となり得る細胞のなかでも増殖速度が非常に速いとい
う優れた特性を有しているが、BANはかかる優れた特
性をほぼそのまま維持していることが判明した。
のHEp−2細胞の細胞数がBANの細胞数を上回って
いるが、この段階には培養器中に細胞が限界まで増殖し
てもはや細胞が増殖するスペースがない状態に至ってい
た。すなわち、HEp−2細胞の単位面積当りの細胞数
がBANに比べて多いのは、HEp−2細胞がBANに
比べて小型であることを反映しているのに過ぎないもの
であり、これらの両細胞の増殖速度は同等であるという
ことに反するものではない。前記の従来の技術の欄にお
いて述べたように、HEp−2細胞は他の核抗原提供細
胞となり得る細胞のなかでも増殖速度が非常に速いとい
う優れた特性を有しているが、BANはかかる優れた特
性をほぼそのまま維持していることが判明した。
【0055】〔実施例5〕BAN細胞を使用した間接螢
光抗体法による抗核抗体診断用抗原スライドの製造 湿潤箱で湿潤させたスライドガラスに、実施例1と同様
の培養液で6×104cells/mlの割合で懸濁させたBA
N細胞を25μl を滴下し、5%CO2 中37℃で約2
4時間静置した。静置後、スライド上の余分な液滴を除
去後、スライドをアセトンで濯いだ後、約−20℃に冷
却したメタノール中に5分間浸漬した後、風乾し、−8
0℃で保存して、所望する抗核抗体診断用抗原スライド
を製造した。
光抗体法による抗核抗体診断用抗原スライドの製造 湿潤箱で湿潤させたスライドガラスに、実施例1と同様
の培養液で6×104cells/mlの割合で懸濁させたBA
N細胞を25μl を滴下し、5%CO2 中37℃で約2
4時間静置した。静置後、スライド上の余分な液滴を除
去後、スライドをアセトンで濯いだ後、約−20℃に冷
却したメタノール中に5分間浸漬した後、風乾し、−8
0℃で保存して、所望する抗核抗体診断用抗原スライド
を製造した。
【0056】〔実施例6〕間接螢光抗体法による抗核抗
体の検出(1) 実施例5で製造した抗原スライドを室温に戻し、血清を
30μl 滴下した。湿潤箱中で、37℃で30分反応さ
せた。PBS(−)で血清を洗い流してから、PBS
(−)に15分浸漬して洗浄した。洗浄後、スライドを
取り出し、余分な水分を吸い取り紙でスライド上から除
去して、次いでスライド上にFITC標識抗ヒトイムノ
グロブリン抗体(ヤギ)(MBL社製)を滴下した。次
いで、再び湿潤箱中で37℃で30分間反応させた。こ
れを上記と同様に洗浄し、余分な水分を吸い取り紙でス
ライド上から除去後、スライドガラス上にカバーガラス
を載せて、螢光顕微鏡(200倍)で観察した。
体の検出(1) 実施例5で製造した抗原スライドを室温に戻し、血清を
30μl 滴下した。湿潤箱中で、37℃で30分反応さ
せた。PBS(−)で血清を洗い流してから、PBS
(−)に15分浸漬して洗浄した。洗浄後、スライドを
取り出し、余分な水分を吸い取り紙でスライド上から除
去して、次いでスライド上にFITC標識抗ヒトイムノ
グロブリン抗体(ヤギ)(MBL社製)を滴下した。次
いで、再び湿潤箱中で37℃で30分間反応させた。こ
れを上記と同様に洗浄し、余分な水分を吸い取り紙でス
ライド上から除去後、スライドガラス上にカバーガラス
を載せて、螢光顕微鏡(200倍)で観察した。
【0057】第4図は、抗核抗体陽性血清として、抗D
NA抗体,抗ヒストン抗体,抗ENA抗体,抗核小体抗
体,抗動原体(セントロメア)抗体がそれぞれ陽性であ
る血清を使用したときに螢光顕微鏡で観察される像の生
物の形態写真である。第4図において、Aは辺縁(perip
heral)型を示す染色パターンであり;Bは均一(homogen
eous) 型を示す染色パターンであり;Cは斑紋(speckle
d)型を示す染色パターンであり;Dは核小体(nucleola
r) 型を示す染色パターンであり;Eは動原体(centorom
ere) 型を示す染色パターンである。第4図においてい
ずれの染色パターンをも鮮明に特定されており、BAN
が核抗原提供細胞として非常に優れた細胞であることが
判明した。
NA抗体,抗ヒストン抗体,抗ENA抗体,抗核小体抗
体,抗動原体(セントロメア)抗体がそれぞれ陽性であ
る血清を使用したときに螢光顕微鏡で観察される像の生
物の形態写真である。第4図において、Aは辺縁(perip
heral)型を示す染色パターンであり;Bは均一(homogen
eous) 型を示す染色パターンであり;Cは斑紋(speckle
d)型を示す染色パターンであり;Dは核小体(nucleola
r) 型を示す染色パターンであり;Eは動原体(centorom
ere) 型を示す染色パターンである。第4図においてい
ずれの染色パターンをも鮮明に特定されており、BAN
が核抗原提供細胞として非常に優れた細胞であることが
判明した。
【0058】なお、BANとHEp−2細胞に上記血清
を反応させて、螢光処理を行った後、両者の螢光強度を
フローサイトメーター(FACS:ベクトンディッキン
ソン社製)を用いて測定した結果、本発明に基づいて行
った系(BAN)は、明らかに対照例(HEp−2細
胞)に比べて高い螢光強度を示した。これらの結果か
ら、本発明の検出方法は、緻密な目視による検討が必要
な間接螢光抗体法に基づく抗核抗体の検出試験において
極めて有用であることが明らかになった。
を反応させて、螢光処理を行った後、両者の螢光強度を
フローサイトメーター(FACS:ベクトンディッキン
ソン社製)を用いて測定した結果、本発明に基づいて行
った系(BAN)は、明らかに対照例(HEp−2細
胞)に比べて高い螢光強度を示した。これらの結果か
ら、本発明の検出方法は、緻密な目視による検討が必要
な間接螢光抗体法に基づく抗核抗体の検出試験において
極めて有用であることが明らかになった。
【0059】〔実施例7〕間接螢光抗体法による抗核抗
体の検出(2) まず、細胞質型の螢光染色パターンを示す血清を用い
て、細胞質型の染色パターンにおけるBANとHEp−
2細胞の差異を検討した。HEp−2細胞及びBANを
1×107 cells に希釈調整し、各希釈済み細胞に対し
てメタノール200μl を加え、−20℃で5分間放置
して細胞活動を停止させた。停止後、PBS(−)で細
胞を洗浄し、800×gで5分間の遠心を行い、沈澱物
を分離した。この沈澱物に細胞質型の染色パターンを間
接螢光抗体法において示すことがすでに判明している膠
原病患者の血清(抗ミトコンドリア抗体を含む血清)を
加え、37℃で30分間放置した。PBS(−)でこの
放置した細胞を洗浄し、800×gで5分間遠心を行
い、この沈澱物を分離し、この沈澱物にFITC標識抗
ヒトイムノグロブリン抗体(ヤギ)(MBL社製)10
0μl を加え、37℃で30分間放置した。放置後、再
びPBS(−)でこの放置した細胞を洗浄し、800×
gで5分間遠心を行い、この沈澱物を分離し、この沈澱
物にPBS(−)を2ml加えフローサイトメーター(F
ACS:ベクトンディッキンソン社製)で細胞の螢光パ
ターンを解析した。
体の検出(2) まず、細胞質型の螢光染色パターンを示す血清を用い
て、細胞質型の染色パターンにおけるBANとHEp−
2細胞の差異を検討した。HEp−2細胞及びBANを
1×107 cells に希釈調整し、各希釈済み細胞に対し
てメタノール200μl を加え、−20℃で5分間放置
して細胞活動を停止させた。停止後、PBS(−)で細
胞を洗浄し、800×gで5分間の遠心を行い、沈澱物
を分離した。この沈澱物に細胞質型の染色パターンを間
接螢光抗体法において示すことがすでに判明している膠
原病患者の血清(抗ミトコンドリア抗体を含む血清)を
加え、37℃で30分間放置した。PBS(−)でこの
放置した細胞を洗浄し、800×gで5分間遠心を行
い、この沈澱物を分離し、この沈澱物にFITC標識抗
ヒトイムノグロブリン抗体(ヤギ)(MBL社製)10
0μl を加え、37℃で30分間放置した。放置後、再
びPBS(−)でこの放置した細胞を洗浄し、800×
gで5分間遠心を行い、この沈澱物を分離し、この沈澱
物にPBS(−)を2ml加えフローサイトメーター(F
ACS:ベクトンディッキンソン社製)で細胞の螢光パ
ターンを解析した。
【0060】その結果を第5図に示す。第5図におい
て、点線で示した相対螢光強度の分布パターンはBAN
の螢光分布を示し、実線で示したその分布パターンはH
Ep−2細胞の螢光分布を示す。第5図の横軸の相対螢
光強度を示す目盛りが対数目盛りであることを考慮する
と、両者の螢光強度の差異は明確であり、BANによる
螢光強度の方がHEp−2細胞の螢光強度よりもはるか
に強いことは明らかである。この結果より、間接螢光抗
体法を用いてもHEp−2細胞では正確に検出すること
が困難である細胞質型の螢光染色パターンも、核抗原提
供細胞としてBANを用いることにより容易に検出する
ことが可能であり、細胞質型の染色パターンを示す検出
試験においても極めて有用であることが明らかになっ
た。
て、点線で示した相対螢光強度の分布パターンはBAN
の螢光分布を示し、実線で示したその分布パターンはH
Ep−2細胞の螢光分布を示す。第5図の横軸の相対螢
光強度を示す目盛りが対数目盛りであることを考慮する
と、両者の螢光強度の差異は明確であり、BANによる
螢光強度の方がHEp−2細胞の螢光強度よりもはるか
に強いことは明らかである。この結果より、間接螢光抗
体法を用いてもHEp−2細胞では正確に検出すること
が困難である細胞質型の螢光染色パターンも、核抗原提
供細胞としてBANを用いることにより容易に検出する
ことが可能であり、細胞質型の染色パターンを示す検出
試験においても極めて有用であることが明らかになっ
た。
【0061】〔実施例8〕抗核抗体検出用キットの作出 以下の構成の間接螢光抗体法に基づく抗核抗体検出用キ
ットを作出した。 BAN細胞を核抗原提供細胞として用いて、実施例5
と同様の方法で調製した抗核抗体診断用抗原スライド FITC標識抗ヒトイムノグロブリン PBS(−)粉末 対照陽性血清 対照陰性血清 封入剤 カバースリップ 吸取紙 各々のキットを構成する要素の量は、所望するキットの
サイズに応じて適宜調製した。
ットを作出した。 BAN細胞を核抗原提供細胞として用いて、実施例5
と同様の方法で調製した抗核抗体診断用抗原スライド FITC標識抗ヒトイムノグロブリン PBS(−)粉末 対照陽性血清 対照陰性血清 封入剤 カバースリップ 吸取紙 各々のキットを構成する要素の量は、所望するキットの
サイズに応じて適宜調製した。
【0062】
【発明の効果】本発明により、従来技術における膠原病
のスクリーニング検査における欠点をさらに克服した抗
核抗原提供細胞が見出され、この細胞を用いた抗核抗体
の検出手段が提供される。
のスクリーニング検査における欠点をさらに克服した抗
核抗原提供細胞が見出され、この細胞を用いた抗核抗体
の検出手段が提供される。
【図1】細胞そのものに対する前方散乱光及び側方散乱
光の分布を示した図である。
光の分布を示した図である。
【図2】細胞核に対する前方散乱光及び側方散乱光の分
布を示した図である。
布を示した図である。
【図3】BANとHEp−2細胞の増殖速度を比較した
図である。
図である。
【図4】各種の抗核抗体陽性血清を使用したときに螢光
顕微鏡で観察される像を表す生物の形態写真である。
顕微鏡で観察される像を表す生物の形態写真である。
【図5】細胞質型の染色パターンにおけるBANとHE
p−2細胞の螢光強度分布の差異を示す図である。
p−2細胞の螢光強度分布の差異を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 邦光 埼玉県川越市的場1361番地1 株式会社ビ ー・エム・エル総合研究所内
Claims (7)
- 【請求項1】核抗原に抗核抗体を結合させて、その結合
した抗核抗体を検出する抗核抗体の検出方法において、
染色体数を増加させた細胞核を有する細胞を核抗原提供
細胞として用いる抗核抗体の検出方法。 - 【請求項2】染色体数を増加させた細胞が、HEp−2
細胞に染色体数の増加処理を行った細胞である請求項1
記載の抗核抗体の検出方法。 - 【請求項3】染色体数を増加させた細胞が、BAN(F
ERM P−15280)である請求項1又は請求項2
記載の抗核抗体の検出方法。 - 【請求項4】染色体数を増加させた細胞を核抗原提供細
胞として含む抗核抗体の検出用キット。 - 【請求項5】染色体数を増加させた細胞が、HEp−2
細胞に染色体数の増加処理を行った細胞である請求項4
記載の抗核抗体の検出用キット。 - 【請求項6】染色体数を増加させた細胞が、BAN(F
ERM P−15280)である請求項4又は請求項5
記載の抗核抗体の検出用キット。 - 【請求項7】以下の特徴を有する核抗原提供細胞である
BAN(FERM P−15280): 親細胞がHEp−2細胞である; 希釈培養法により選択された細胞である; 染色体数のモードが117である; 核及び細胞質がHEp−2細胞に比べて大型である; 増殖速度がHEp−2細胞と同等以上である; 間接螢光抗体法を用いて細胞内の核抗原に結合した核
抗体を染色した場合に、辺縁型、斑紋型、均一型、核小
体型、細胞質型又は動原体型の染色パターンのいずれの
染色パターンをも目視で明確に特定可能である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8342629A JPH09218202A (ja) | 1995-12-08 | 1996-12-06 | 抗核抗体の検出方法及び検出用キット |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-345525 | 1995-12-08 | ||
JP34552595 | 1995-12-08 | ||
JP8342629A JPH09218202A (ja) | 1995-12-08 | 1996-12-06 | 抗核抗体の検出方法及び検出用キット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09218202A true JPH09218202A (ja) | 1997-08-19 |
Family
ID=26577319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8342629A Pending JPH09218202A (ja) | 1995-12-08 | 1996-12-06 | 抗核抗体の検出方法及び検出用キット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09218202A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005079814A1 (fr) * | 2004-02-20 | 2005-09-01 | Beijing Xinjing Antai Medical And Technology Service Limited Corp. | Composition pharmaceutique utilisee pour le traitement de l'avortement spontane recurrent et procede associe |
WO2005080980A1 (fr) * | 2004-02-20 | 2005-09-01 | Beijing Xinjing Antai Medical And Technology Service Limited Corp. | Procede pour diagnostiquer un avortement spontane recurrent immunitaire et procede de traitement et de suivi |
CN102798561A (zh) * | 2012-08-06 | 2012-11-28 | 厦门大学 | 金银异金属簇合物在制备细胞核仁荧光染色试剂中的应用 |
JP2013174442A (ja) * | 2009-12-18 | 2013-09-05 | F. Hoffmann-La Roche Ag | リウマチ障害と非リウマチ障害とを識別するためのトリガーアッセイ |
WO2015087524A1 (ja) * | 2013-12-11 | 2015-06-18 | 日本電気株式会社 | 抗核抗体画像解析システム、抗核抗体画像解析方法および抗核抗体画像解析プログラム |
CN111751528A (zh) * | 2020-07-08 | 2020-10-09 | 天津市宝坻区人民医院 | 核固红染色在抗双链dna检测方法中新用途 |
-
1996
- 1996-12-06 JP JP8342629A patent/JPH09218202A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005079814A1 (fr) * | 2004-02-20 | 2005-09-01 | Beijing Xinjing Antai Medical And Technology Service Limited Corp. | Composition pharmaceutique utilisee pour le traitement de l'avortement spontane recurrent et procede associe |
WO2005080980A1 (fr) * | 2004-02-20 | 2005-09-01 | Beijing Xinjing Antai Medical And Technology Service Limited Corp. | Procede pour diagnostiquer un avortement spontane recurrent immunitaire et procede de traitement et de suivi |
US7674590B2 (en) | 2004-02-20 | 2010-03-09 | Beijing Xinjing Antai Medical And Technology Service Limited Corp. | Methods for diagnosing and for monitoring the treatment of recurrent spontaneous abortion |
US7902162B2 (en) | 2004-02-20 | 2011-03-08 | Beijin Xinjing Antai Medical and Technology Service Limited Corp | Medicament and method for treating recurrent spontaneous abortion |
JP2013174442A (ja) * | 2009-12-18 | 2013-09-05 | F. Hoffmann-La Roche Ag | リウマチ障害と非リウマチ障害とを識別するためのトリガーアッセイ |
CN102798561A (zh) * | 2012-08-06 | 2012-11-28 | 厦门大学 | 金银异金属簇合物在制备细胞核仁荧光染色试剂中的应用 |
WO2015087524A1 (ja) * | 2013-12-11 | 2015-06-18 | 日本電気株式会社 | 抗核抗体画像解析システム、抗核抗体画像解析方法および抗核抗体画像解析プログラム |
US9972085B2 (en) | 2013-12-11 | 2018-05-15 | Nec Corporation | Antinuclear antibody image analysis system, antinuclear antibody image analysis method, and antinuclear antibody image analysis program |
CN111751528A (zh) * | 2020-07-08 | 2020-10-09 | 天津市宝坻区人民医院 | 核固红染色在抗双链dna检测方法中新用途 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
GREIPP et al. | Immunofluorescence labeling indices in myeloma and related monoclonal gammopathies | |
Aten et al. | DNA double labelling with IdUrd and CldUrd for spatial and temporal analysis of cell proliferation and DNA replication | |
Chhabra et al. | Immunofluorescence in dermatology | |
ES2425540T3 (es) | Procedimiento y dispositivo para la detección simultánea de anticuerpos unidos a sustratos sintéticos y celulares y/o tisulares | |
JP2018185316A (ja) | 循環腫瘍細胞の検出方法および哺乳類対象における癌の診断方法 | |
JP5894664B2 (ja) | 合成校正用粒子を用いた細胞に基づく免疫蛍光アッセイによる免疫蛍光病巣を自動的に判定するための方法及びシステム | |
Von Blomberg-Van Der Flier et al. | In vitro studies in nickel allergy: diagnostic value of a dual parameter analysis | |
CA1340973C (en) | Immunometric assay kit and method applicable to whole cells | |
CN110702589A (zh) | 一种流式细胞仪检测外泌体的方法 | |
CN106771185A (zh) | 一种鼻咽癌循环肿瘤细胞检测试剂盒 | |
CN107250796A (zh) | 用于鉴别对雄激素受体靶向疗法的抵抗性的循环肿瘤细胞诊断 | |
CA2030175A1 (en) | Methods of diagnosing and monitoring rheumatic diseases | |
JP3996198B2 (ja) | エタノールに対する細胞曝露の検査 | |
JPH09218202A (ja) | 抗核抗体の検出方法及び検出用キット | |
US9632086B2 (en) | Method and kit for determining-antibody sensitivity and clone cell strain | |
US6461825B1 (en) | Immunometric assay kit and method applicable to whole cells | |
US20110195434A1 (en) | Method for the analysis of solid objects | |
US8771971B2 (en) | Methods and kits for measurement of lymphocyte function | |
Bradwell et al. | Immunofluorescent antinuclear antibody tests | |
JP2002543426A (ja) | 細胞の単一パラメータ及び複数パラメーター表現型解析のための生成物と方法 | |
RU2761468C1 (ru) | Способ мультиплексного анализа в-клеток для оценки клеточного звена иммунной системы рогатого скота | |
JP3721581B2 (ja) | 抗核抗体検査用マクロファージ系細胞株、マクロファージ系細胞株を利用した抗体検出方法およびスライドの調製 | |
JPS6281566A (ja) | 微粒子の螢光強度測定による定量方法 | |
KR960005733B1 (ko) | 항핵항체 검출용 세포주 및 이를 이용한 항핵항체 검출방법 | |
KR950011547B1 (ko) | 항핵항체 진단용 슬라이드 및 그의 제작방법 |