JP3996198B2 - エタノールに対する細胞曝露の検査 - Google Patents

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Description

I.発明の分野
本発明は哺乳動物のエタノール曝露の検査及び細胞性エタノール消費作用を改質する薬剤の評価のための生物学的アッセイの分野に属する。
II.発明の背景
エタノールの乱用は米国及び世界中で大きな公共健康問題であり続いている。乱用処置療法に従ってモニターを行うよう個体のエタノール曝露の検査のための方法を供することが注目されている。慢性エタノール過剰消費の1又は複数の有害な作用を処置するために使用できうる薬剤の評価のために有用なアッセイを提供することも注目されている。かかる方法及びアッセイを提供するため、細胞レベルにてエタノール曝露の生化学的作用の詳細な理解を高める必要がある。最近の証拠はエタノールが一定のタンパク質及びシグナル伝達経路を改変し、それ故第二メッセンジャー濃度、タンパク質キナーゼ及び遺伝子発現の変化を生み出すものと示唆している。この所見はエタノールの作用を容易に決定できるようにする特定の検査を供するものではない。最近、タンパク質キナーゼの特異性は細胞内でのその位置に関係するようであることが示された。Mochly-Rosen, 1995, Science 268:247。
慢性アルコール中毒症は数多くの器官、特に脳において機能的及び病理学的変化を引き起こすが、このような作用を司る分子学的なメカニズムはよく理解されていない。哺乳動物細胞に対する慢性エタノール曝露の作用をモニターするための方法を供与することが所望され、そして更に個体がエタノールを長期間積極的に消費していたかどうかを決定するための方法を供与することが所望される。
本発明は動物細胞、特にヒト又はその他の哺乳動物細胞に対するエタノールの作用、特にエタノールの慢性曝露作用を検査するためのアッセイに関する。このアッセイは個体のエタノール消費を決定する診断検査、又はエタノール消費の作用を調節、阻害、復帰もしくは高揚させる薬剤もしくは処置のスクリーニングの双方において利用できうる。
III.発明の概要
本発明は、一部に、エタノールに対する曝露がcAMP特異的タンパク質キナーゼ(PKA)の触媒Cαサブユニット並びにタンパク質キナーゼC(PKC)のδ−及びε−サブユニットのサブ細胞位置を著しく変えるという発見に関連する。例えば、ゴルジ装置領域に通常局在するPKAの触媒Cαサブユニットは細胞のエタノールに対する曝露により核へと移動するようである。エタノールはまたPKC活性の局在の細胞質ゾルからアストログリア細胞並びにヒトリンパ球及び表皮ケラチン細胞における膜画分に至る移動を引き起こすことも示されている。本発明は更に、限定することなくNG 108−15細胞(α−、δ−及びε−サブユニット)又はPC12細胞(δ−及びε−サブユニット)等の一定の細胞タイプにおいて、エタノールに対する曝露により、PKAの調節サブユニットの有意な量が減少し、そしてPKCのα−、δ−及びε−サブユニットの量が増大するという発見に関連する。これらの発見はエタノールに対する細胞の曝露を検査するために用いられうるアッセイ及びエタノール消費の作用を調節する薬剤又は処置のスクリーニングのために用いられうるアッセイの基礎を担う。
本発明の一の観点は、エタノールに対する細胞の曝露と関連して細胞局在(分布)が変動する少なくとも一種の細胞成分、例えばタンパク質を同定し、そして検査すべき試料細胞内の細胞成分の分布を決定することによるエタノールに対する細胞又は個体の曝露の指標を担うアッセイの提供にある。一の好適な態様において、この細胞成分はcAMP特異的タンパク質キナーゼのサブユニット、PKAを含んで成り、Cαサブユニットが極めて好適である。別の好適な態様において、この細胞成分はアイソザイムタンパク質キナーゼC、PKCを含んで成り、ここでタンパク質キナーゼCのδ又はεアイソザイムが極めて好適である。
本発明の別の観点はエタノールに対する細胞の曝露と関連して量が変動するタンパク質の量を測定することによって細胞又は個体のエタノールに対する曝露の指標を担うアッセイを提供する。一の好適な態様において、エタノール曝露に応答するPKAの調節サブユニットRIの有意な量の低下が決定される。別の好適な態様において、エタノール曝露に応答するαPKC,δPKC又はεPKCの有意な量の増大が測定される。
本発明の別の観点は細胞に対するエタノールの作用を調節する治療化合物をスクリーニングするためのアッセイの提供にある。これらのスクリーニングアッセイは、本明細書に記載のエタノールの1又は複数の細胞作用、即ち、Cα,δPKC又はεPKCの局在の変化、RIの量の低下、αPKC,δPKC又はεPKCの量の増大、Cα,δPKC及びεPKCに応答してリン酸化される又は発現されるタンパク質の組の変化を測定する。例えば、CαはCREBのリン酸化、それ故その活性化を誘導し得、CRE調節遺伝子発現の誘導をもたらす。本発明の別の観点はエタノールに対する細胞の曝露を検査するためのキットを提供する。本発明のキットはPKAのCαもしくはRI、又はPKCのα−、δ−及びε−サブユニットのそれぞれに対して特異的に結合できるラベル化抗体が挙げられうる。
【図面の簡単な説明】
図1は200mMのエタノールに48時間曝露した後のNG 108−15細胞におけるPKA触媒サブユニットの局在を示す顕微鏡写真を示す。
図2は細胞を曝露せしめたエタノール濃度に基づくゴルジ染色と対比しての核染色を示す細胞のパーセンテージの依存性を示すグラフである。
図3は表示の様々なその他の試薬による処置の効果に対するエタノールに曝露した細胞におけるPKAのCαサブユニットの移動を比較した一連の顕微鏡写真である。
図4はエタノールに曝露した細胞及びフォルスコリンで処置した細胞の経時的にゴルジ染色された細胞のパーセンテージの変動を示す。
図5はエタノール曝露したNG 108−15細胞におけるCα及びRIPKAサブユニットのウェスタンブロット分析を示す。
図6はEtOH又はPMAによるPKCの活性化の有無において規定培地の中で増殖させたNG 108−15細胞におけるδPKCの免疫組織化学的染色を示す。
図7は25mMのエタノールに4日間曝露した後のNG 108−15細胞におけるδPKCの免疫組織化学的染色を示す。
図8はEtOH又はPMAによるPKCの活性の有無において規定培地の中で増殖させたNG 108−15細胞におけるεPKCの免疫組織化学的染色を示す。
図9は25mMのエタノールに4日間曝露した後のNG 108−15細胞におけるεPKCの免疫組織化学的染色を示す。
V.定義
本明細書において用いる下記の用語は、単数型であろうと複数型であろうと、以下の意味を有する:
エタノール指標タンパク質。本明細書で用いるエタノール指標タンパク質とは、エタノールに対する曝露に応答して細胞位置又は検出可能な量が変化する遺伝子産物を意味する。
VI.発明の詳細な説明
本発明はエタノールに対する細胞の曝露の結果としての特異的なタンパク質の細胞局在及び量に対するエタノールの作用に関する発見に関連する。詳しくは、本発明はエタノールに対する細胞の曝露がゴルジ領域から核に至るcAMP特異的タンパク質キナーゼ(PKA)のCα触媒サブユニットの移動を誘導するという発見に関連する。本発明は更にエタノールに対する細胞の曝露がゴルジ領域から核周囲及び核に至るPKCのδ−サブユニットの移動を誘導し、しかも核周囲から細胞質に至るPKCのε−サブユニットの移動を誘導するという発見に関連する。更に、本発明は細胞の中に見い出させるPKAのI型(RI)調節サブユニットの検出可能な量がエタノール曝露に応答して低下し、しかもαPKC,δPKC及びεPKCの検出可能な量がエタノールに対する短時間及び長時間曝露に応答して増大するという発見に関連する。エタノール曝露に対して応答する細胞変化はCα並びにδPKC及びεPKCの細胞位置に対するエタノールの作用の他に数多くの結果を有する。例えば、調節サブユニットからの触媒サブユニットCαの解離はCαサブユニットを遊離させてタンパク質をリン酸化せしめる。更に、核への移動により、PKAのCαサブユニットはゴルジ装置内の有用な又は細胞質内のどこかにある別の一連のタンパク質をリン酸化しうる。更に、Cαサブユニットの移動はCαによりリン酸化される別のタンパク質、例えばCREBのリン酸化の程度を改変し得、またそれはCRE調節型遺伝子発現を改変しうる。タンパク質リン酸化におけるCα媒介変化は遺伝子発現に対する有意な効果をも奏することがあり、かかる効果もエタノール曝露をモニターするのに利用し得る。δPKC及びεPKC局在の似かよった効果が決定できうる。一般に、細胞位置又は検出可能な量がエタノール曝露により変化するタンパク質を本明細書においてエタノール指標タンパク質と称する。
一の観点において、本発明は少なくとも一種の細胞を含む試料のエタノール曝露を決定するための方法を提供し、この方法は局在がエタノールに対する曝露により実質的に影響されるタンパク質を同定し、そして細胞内でのタンパク質の分布を決定し、これによりエタノールに対する細胞の曝露の指標を供することを含んで成る。一の特異的な態様において、このタンパク質はcAMP−特異的タンパク質キナーゼ(PKA)のCα触媒サブユニットである。別の特異的な態様において、このタンパク質はタンパク質キナーゼC(PKC)のδ−又はε−アイソザイムである。同定段階は好ましくは細胞をタンパク質に対する特異的結合親和性を有する染色複合体で染色することを含んで成る。タンパク質の局在を決定する段階は好ましくは慣用のイメージング技術、例えば顕微鏡を利用して細胞をイメージング又は観察することを含む。好ましくは、この試料は複数の細胞を含み、そして決定はこの一連の複数の細胞について実施する。好ましくは、分析する細胞は血液試料、例えばリンパ球、顆粒球等に由来する。エタノール指標タンパク質、例えばPKAのCα,δPKC又はεPKCの核蓄積もCα−,δPKC又はεPKC誘導化細胞現象を観察することにより評価できうる。例えば、Cα活性化に応答してCREB転写因子及びその他の核基質の慢性活性化を観察することが可能でありうる。
本発明の方法は被検体からのエタノールの撤退をモニターするのに利用し得る。詳しくは、慢性アルコール中毒者がアルコールを断つと、Cα及びδPKCは核又は核及び核周囲のそれぞれから離れ、そしてゴルジに戻ると予測され、一方εPKCは細胞質から核周囲領域へと戻るであろう。即ち、記述の技術は比較的短時間でエタノールの撤退をモニターするのに利用できうる。
本発明はエタノールに対する細胞の曝露を決定するための方法を提供し、この方法はエタノール指標タンパク質、例えばPKAのCα−サブユニット又はδ−もしくはε−PKCアイソザイムに対する特異的親和力を利用して染料を試料に適用し、Cα,δPKC及びεPKCのそれぞれを含む細胞の領域を同定する工程を含んで成る。PKA又はPKCを含む細胞の領域が同定できたら、1又は複数の細胞を細胞内での染料の分布に従って分類する。ここで、細胞核内でのCα染料の局在、核周囲及び核内のδPKC、並びに細胞質内でのεPKC染料はエタノールに対する細胞の事前曝露の指標である。細胞が核中のPKAのCα、核周囲及び核中のPKCのδ−サブユニット、又は細胞質中のεPKCのそれぞれについて有意な量で、即ち、コントロール細胞よりも多く検出可能な量の染料を含むことは、エタノールに曝露されたことの指標である。
好都合には、エタノール指標タンパク質、例えばCα,δPKC又はεPKCの細胞位置の決定は、各細胞内の第一及び第二領域を同定し、そしてそのタンパク質が第一領域に主に存在するなら第一タイプと、そしてそのタンパク質が第二領域に主に存在するなら第二タイプとして分類することを含んで成る。第一タイプの細胞数は試料内の細胞の決定された数のために第二タイプの細胞数と比較することができうる。第一及び第二タイプの細胞の比率、通常は比又はパーセンテージに依存する数値を対照データーに由来するコントロールと相関させ、試料のエタノールに対する曝露が一定の域値を超えたかどうかの定量的決定を得る、又は試料のエタノールに対する曝露の半定量的決定を得ることができうる。Cαの場合、第一領域は好ましくは細胞の核であり、そして第二領域は好ましくは核周囲のゴルジ装置であろう。δPKCの場合、第一領域は好ましくは細胞の核周囲及び核であり、そして第二領域は好ましくは核周囲ゴルジ装置であろう。εPKCの場合、第一領域は好ましくは細胞の細胞質であり、そして第二領域は好ましくは細胞の核周囲及び核であろう。コントロールは調べる細胞のタイプに依存し、そして通常は約25〜35%であろう。即ち、細胞の25−35%以上が第一領域における局在を示すなら、試料は陽性であろう。
分類工程は、染料の局在、それ故エタノール指標タンパク質、例えばPKAのCα−サブユニット、δPKCもしくはεPKC、又は同等の局在挙動を有する任意のその他のタンパク質の局在を同定する工程を含む。エタノール指標タンパク質、例えばCα,δPKC又はεPKCの細胞位置を同定する正確な手段は染料に用いたラベルにより変わるであろう。例えば、ラジオアイソトープラベルはフィルム(オートラジオグラフィー)、電荷複合装置(CCD)等を介して検出されうる。
複数の細胞を含む試料をエタノール指標タンパク質、例えばCα,δPKC又はεPKC−特異的染料で染色する当該アッセイの結果を分析するとき、改変したエタノール指標タンパク質位置を示す細胞のパーセンテージを考慮しなくてはならない。試料中の全てのエタノール曝露細胞がエタノール指標タンパク質の改変された局在を示すのではないであろう。しかしながら、コントロール細胞と比べ、エタノールに曝露された多重細胞含有試料において、エタノール指標タンパク質の局在が改変された有意に多くの細胞が見い出されるであろう。更に、エタノール指標タンパク質の改変された局在、即ち、Cαの場合には核への移動、δPKCの場合は核周囲及び核への移動、又はεPKCの場合は細胞質へとの移動を示す細胞のパーセンテージは、エタノールに対する曝露時間の増大及び細胞を曝露するエタノールの量の増大に伴って増加することが予測される。エタノール指標タンパク質の改変された局在を共通に有する試料中の細胞のパーセンテージと曝露の程度との間の定量的な関係を展開するために統計学的分析が利用されうる。かかる相関性を構築するときに考慮すべきその他の要因には細胞試料の起源の年令及び症状、分析すべき特定の細胞タイプ、等が挙げられる。試料は生きた被検体、例えばエタノール消費量を測定すべきヒトから採取できうる。他方、in vitroで培養した細胞は被検体におけるエタノールのモニターに向けられた本発明の態様、例えば治療剤のスクリーニングにおいて利用されうる。試料を生きた被検体から採取する場合、試料は好ましくは有核細胞、例えば顆粒球及びリンパ球を含む血液試料であることが好ましい。
被検体、特にヒトのエタノール消費は基本的には被検体から獲得した細胞をアッセイすることにより決定できる。エタノール曝露についての当該アッセイにおける分析のための細胞は身体における様々な場所に由来しうる。細胞含有試料は器官又は非器官組織から得られうる。好ましくは、細胞含有試料は血液及び皮膚の如き簡単に除去される組織より得られる。エタノール指標タンパク質、例えばCα,δPKC,εPKCに対するエタノールの一過性、且つ可逆性効果を理由に、試料を分析のために被検体から除去したらできるだけ早く本発明のアッセイによりその試料を分析することが重要である。顆粒球及び/又はリンパ球におけるPKA,δPKC又はεPKCのCαサブユニットの如きエタノール指標タンパク質の局在を調べることができる。これら双方の細胞タイプは血液試料から簡単に得られうる。特定の個体におけるエタノール消費の作用を決定するため、Cαの主たる核局在、δPKCの核周囲及び核局在、又はεPKCの細胞質局在を有する細胞の割合、対、対照試料から得られるものとの対比を行うことができる。経時的な個体の進行をモニターするため、いくつかの試料を採取し、そして染色位置の変動をモニターすることができる。この技術は、処置を施した被検体における変化をモニターすることにより、生きた被検体に対するその処置の効果を決定するために利用できうる。
別の観点において、本発明は少なくとも一種の細胞を含む試料のエタノールに対する曝露を測定するための方法を提供し、この方法はタンパク質又はポリペプチドの量を定量的又は定性的に測定する(ここでこの量はエタノールに対する細胞の曝露に依存する)、そして細胞中のタンパク質の量を決定する、ことを含んで成る。一の好適な態様において、当該ポリペプチドはPKAのI型調節サブユニット(RI)であってよく、その低下、例えばエタノールに曝露していないコントロール細胞と比べ20〜50%の低下がエタノール曝露の指標となる。他に、検出可能な量のタンパク質熱安定性タンパク質キナーゼインヒビター(PKI)を測定し、そしてエタノール曝露と相関させることができうる。別の好適な態様において、PKCのα−、δ又はε−サブユニットの検出可能な量の増大を決定し、そしてエタノール曝露と相関させることができうる。この決定は分子生物学業界における当業者に周知の任意の様々な測定方法、例えばELISA、ラジオイムノアッセイ、ウェスタンブロット分析等の方法により実施できうる。
本明細書に記載の方法はエタノールの作用を調節するうえでの効能について薬剤をスクリーニングするのを利用し得、それは薬剤で処理し、且つエタノールに曝露した試料に対するエタノールの作用を測定し、そしてその結果をエタノールに曝露したが薬剤では処理していないコントロール試料より得られた結果と対比させることによる。この方法は更に被検個体におけるエタノール消費の作用の指標を提供するためにも利用し得、それはその結果を対照の結果、例えばin vitroもしくはin vivoのいづれかでのコントロール被検体から得られた結果、又はアルコール中毒症もしくは処置の進行を決定するための経時的な同一被検体由来のその他の測定値と比較することによる。幾多のその他の用途が当業者に明らかとなるであろう。
公知の免疫細胞化学技術を利用し、エタノール指標タンパク質、例えばPKA,αPKC,δPKC又はεPKCのCα触媒サブユニットに特異的な染料が調製される。エタノール曝露に相関しうる細胞局在又は量を有するRI及びその他のタンパク質に特異的な染料を似たようにして調製し、そしてRIの定量検査のために利用できうる。この染料は標的とするエタノール指標タンパク質、例えばPKA,αPKC,δPKC,εPKC,RIのCαサブユニットに特異的に結合する特異的結合物質、例えば抗体及びラベリング成分を含んで成る。適切な抗体は慣用の抗体製造技術を利用して調製できうる。抗体はモノクローナルでもポリクローナルでもよい。抗体は遺伝子操作した宿主又は慣用の起源からも得られうる。抗体はエタノール指標タンパク質、例えばCα,αPKC,δPKC,εPKCもしくはRI、又は免疫学的に交差反応性なそのフラグメントに対して調製されうる。抗体の製造のための技術は当業者に周知であり、かかる技術は例えばHarlow and Lane, Antibodies:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor(1988), Birch and Lennox, Monoclonal Antibodies:Principles and Applications, Wiley-Liss, New York(1995)に見い出せうる。ラベリング成分は慣用の免疫組織化学検出技術、例えば蛍光色素、例えばフルオレセイン、ラジオアイソトープ、コロイドラベル、例えばコロイド金又は有色ラテックスビーズ、酵素ラベル、又は任意のその他の公知のラベリング複合体において目視観察できるであろう。かかる染料は慣用の技術、例えばManson, Immunochemical Protocols:Methods in Molecular Biology Vol.10, Humana Press, Totowa, NJ(1992), Beesly, Immunochemistry:A Practical Approach, IRL Press, Oxford, England(1993)に記載されている技術により調製し得る。その開示内容は引用することで本明細書に組入れる。
上述の態様において、エタノールの作用及びそれに影響を及ぼす治療剤をin vivo又はin vitroで調べるための方法を説明しており、そして当業者はこれらの技術が幾多の問題に適用できることを容易に理解するであろう。上記の試験下でのPKAのCα−サブユニット、δPKC,εPKC又は任意のその他のエタノール指標タンパク質の局在の決定は目視観察により人的に実施される。この手順は例えばコンピューターベースイメージ認識により自動化され得、又は目視化することなくタンパク質の局在を決定するアッセイが、例えば当該タンパク質に特異的な試薬を細胞内の特定な位置に特異的親和力を有する試薬と組合せて利用することにより開発できうる。更に、本発明は上記のタンパク質の検査に限定されるものではなく、当業者はエタノールの存在下における挙動が上記のものと似かよっているその他のタンパク質を利用することができうる。従って、本発明の範囲は上記の態様に限定されず、その範囲を逸脱しない全てのかかる変異体を含むものと考えるべきである。
本発明の別の観点は細胞に対するエタノールの作用を検査するための方法の提供にあり、それはエタノールの有無で例えばCαにより示差的にリン酸化されるタンパク質のリン酸化を測定することによる。前述した通り、エタノールに対する細胞の曝露はCαの核への移動を供し、そこでこのCα触媒サブユニットは細胞質、プラスマ膜又はゴルジにおけるリン酸化に関して有用なタンパク質の組とは異なるタンパク質の組をリン酸化しうる(セリン/スレオニン標的)。エタノール曝露に対して示差的にリン酸化されるかかるタンパク質の同定は分子生物学の業界の当業者に公知の慣用のアッセイ技術を利用することにより容易に決定し得る。例えば、放射活性ラベル化ホスフェートをエタノールの有無で増殖させた培養細胞に添加してよい。ラベル化細胞に由来するタンパク質を次に抽出し、そして一又は二次元ゲルシステムで分離させることができうる。単離したリン酸化タンパク質を次にオートラジオグラフィー及び関連技術により目視化することができうる。分離及び目視化後、種々のタンパク質のリン酸化レベルにおける変化を、エタノールに曝露した細胞から得られる結果を、エタノールに曝露していない細胞から得られる結果と比較することにより決定できうる。例えば、エタノールに応答してCαにより示差的にリン酸化されるタンパク質は例えば末端アミノ酸残基配列決定により同定できうる。細胞性エタノール曝露に応答してCαにより示差的にリン酸化されるタンパク質はエタノールに対する細胞の曝露のためのアッセイにおいて利用できうる。更に、これらの示差的にリン酸化されたタンパク質はエタノールの細胞作用を調節する化合物をスクリーニングするときの標的として使用できうる。かかるアッセイには示差的にリン酸化されたタンパク質のリン酸化を測定する工程を包括する。化合物はこのような示差的にリン酸化されるタンパク質のリン酸化に対するその効果を測定することによりスクリーニングできうる。
エタノールの作用を調節する化合物についての課題のスクリーニングアッセイにおいて利用するための細胞は被検体から直接得られる一次細胞又は細胞系列に由来する細胞であってよい。かかるアッセイには、Cα,δPKC又はεPKC細胞性局在を測定するアッセイ、及びRI,αPKC,δPKC又はεPKCの量を測定するアッセイが含まれる。好ましくは、当該アッセイにおいて利用される細胞は細胞系列の細胞に由来し、より好ましくは細胞は神経芽腫細胞系に由来する。細胞系列の細胞が課題のスクリーニングアッセイにおいて好適に利用され、なぜならそれらはアッセイ間での一致を供するからである。本発明のアッセイにおいて利用するための細胞はin vitroで培養した細胞から得られる細胞であってよく、そして脳又は神経組織に由来する細胞、特にNG 108−15神経芽腫Xグリオマ細胞が挙げられる。
本発明の別の観点は課題の方法を実施するためのキットの提供にある。キットは一般に本発明の方法を実施するために必要又は有用な1又は複数の試薬を含む。試薬は検査結果の均一性及び正確性を司るために前もって計量されたユニットで供給されていてよい。Cα,δPKC又はεPKCの細胞内局在を決定する手段によるエタノールに対する細胞の曝露を決定するためのキットは、Cα,δPKC又はεPKCに特異的な染料を含んで成る。かかるキットは更に以下の1又は複数の品目を含んで成りうる:染料に複合されたCα,δPKC又はεPKCの検査のために必要な追加の試薬、陽性コントロール、陰性コントロール、組織試料を得るための器具、等。本発明は更にRI,αPKC,δPKC又はεPKCの量を測定するための手段によりエタノールに対する細胞の曝露を決定するためのキットも提供する。これらRI,αPKC,δPKC又はεPKC測定用キットはRI,αPKC,δPKC又はεPKCに特異的な染料を含んで成る。このRI,αPKC,δPKC又はεPKC測定用キットは更に1又は複数の下記の品目を含んで成りうる:染料に複合されたRI,αPKC,δPKC又はεPKCの検査のための追加の試薬;RI,αPKC,δPKC又はεPKCのための陽性コントロール;RI,αPKC,δPKC又はεPKCのための陰性コントロール;既知の濃度のRI,αPKC,δPKC又はεPKC溶液;組織試料を得るための器具、等。本発明は更に本発明のアッセイ方法を利用してエタノールに対する細胞応答を調節するその能力について化合物を検査するためのキットも提供する。かかるキットは本質的にCα,δPKC又はεPKC細胞局在及びRI,αPKC,δPKC又はεPKCレベルの測定のための上記のキットと同じである。しかしながら、かかるキットは更に、Cα,δPKC又はεPKC局在の変化を検出するために有用な細胞系を更に含んで成りうる。
PKAのCα触媒サブユニット並びにPKCのδ−及びε−サブユニットの局在を検査するための典型的な実験手順を以降に記述するが、それらは限定的なものではなく、他の技術も当業者に自明である。以下の実施例は例示であり、本発明を限定するものではない。
VII.実施例
A.実施例1:PKAのCα触媒サブユニットのエタノール誘導化移動
NG 108−15細胞を約40,000細胞/スライドの密度で単一チャンバースライド上の規定培地の中に入れた。細胞を増殖させるために用いた技術及び培地は重要ではなく、そして当業者に公知である。適当な技術がGordonら、1986, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:2105に記載されている。これらの細胞を規定培地又は様々な濃度のエタノール(例えば、25,50,100,200mMのエタノール)を含む規定培地の中で48時間更に維持した。この培地を毎日新鮮な培地(エタノール入り又は抜き)と交換し、そしてそのスライドをエタノール蒸発を防ぐためにパラフィルムで包んだ。細胞を冷却面上でメタノールにより2〜3分固定し、そしてそのスライドを氷上のリン酸緩衝食塩水(PBS)の中で2回5分づつ浸した。その後細胞を、ブロッキングバッファー(0.1%のTriton X−100を含むPBS中の1%の正常ヤギ血清)で4℃にて6〜12時間インキュベーションし、次いで一次抗体溶液で4℃にて48時間多湿チャンバー内でインキュベーションした。一次抗体溶液はCαに対して生起させた一次抗体(Transduction Laboratories及びその他の会社、並びにサイディエゴ カリフォルニア大学のスーザン・テーラー氏より入手可能)から調製したものであり、0.1%のTriton X−100及び2mg/mlの脱脂肪酸牛血清アルブミンを含むPBSの中に希釈したものである。このスライドを前述の通りに洗浄し、そして同溶液の中で1:1000に希釈した適当なFITC(フルオレセイン−イソチオシアネート)−接合化二次抗体の中でインキュベーションした。
24時間後、スライドを洗浄し、そしてVectashield(商標)マウンティング培地(Vector Labs)を用いてカバースリップした。図1のパネルa及びbにおけるイメージはBIORAD(商標)1024同焦点顕微鏡を用いて行った。図1のパネルc及びdにおけるイメージはフルオレセインフィルターの備ったLeica(商標)DMBR顕微鏡を用いて行った。
エタノールに対する曝露の可逆性を決定するため(図1のパネルcに示す結果)、細胞を200mMのエタノールを含む培地に48時間曝露し、次いでエタノールを含まない新鮮培地で3回洗い、そして更に48時間エタノール抜きでインキュベーションした。染料の結合の特異性を決定するため(図1のパネルdに示す結果)、0.1mg/mlの精製触媒サブユニットを一次抗体溶液に、固定化細胞とのインキュベーションの2時間前に加えた。
図2に示す数値データーを得るため、スライド上の無作為な領域を選び、そしてその領域内の細胞をCαについて主にゴルジ染色されたもの又は主に核染色されたものとに分類した。2タイプの分類しか利用しないことは細胞の評価を簡略化するが、細胞を複数の位置それぞれにおける染色度に依存して複数の分類群へと分類することが所望される。ある状況においては、例えばイメージ強度が細胞における一定地点において測定されるなら、各細胞の連続的な可変性分類を供することさえもが所望されうる。スライド当り全部で少なくとも100個の細胞のために少なくとも5つの領域を分類にかける。観察者はスライドの実験条件については目かくししておく。データー点は4つの実験の平均±/SEM(平均コピーの標準誤差)である。*p<0.05。
得られる結果を以下にまとめることができる。エタノールに曝露していないコントロールを成すNG 108−15細胞は特異的な染料で染色した。Cαは図1のパネルaに示すように、コントロール細胞の約80%において核周囲ゴルジ領域に見い出せた。コントロール細胞の残り20%において、Cαは核及び細胞質内に主に見い出せた。ゴルジに対するCαサブユニットのこの局在はNigg及び共同研究者により過去に観察された。Niggら、1985, EMBO J, 4:2801-2806。
その他の細胞試料を様々な濃度のエタノール(25,50,100,200mM)に48時間曝露し、そしてアッセイを繰り返した。その結果を図2に示す。図2からわかる通り、200mMのエタノールで処理した細胞の75%が核におけるCαの主たる局在を示した。これらの細胞の顕微鏡写真を図3のパネルbに示す。これらの調査の結果はエタノールに曝露されたものと推定される細胞の試料を対比させることのできる対照を担う。薬剤又は治療剤がエタノールの細胞作用に対して何らかの作用を有しうるかを調べるためのそれらのスクリーニングを供するため、上記の手順をアルコールに加えて薬剤を増殖培地に存在させて繰り返すことができる。100mMのエタノールが顕著な効果を有することが認められ、そして200mMのエタノールはCαPKAの局在に対してめざましい効果を有することが見い出されたため、100mM以上、そしてより好ましくは200mM以上の程度のエタノール濃度を好適に有する単一の増殖培地を利用する薬剤のスクリーニングが採用できうる。むろん、様々な量のエタノールを含む上記のいくつかの増殖培地を、様々なエタノール濃度レベルでの薬剤の効能を調べるために利用できうる。これはエタノールに対する長期間低レベル曝露に対する薬剤の効果を調べるために極めて有用でありうる。
コントロール試料由来の結果は、特定の薬剤のスクリーニングのときに実験の度にコントロール実験を行う必要がなくなるように保存できうる。しかしながら、往々にして薬剤がスクリーニングするとき、その結果を存在しうるその他の要因における変動を補正するためにコントロール実験を行うことが所望される。
上記の手順はスクリーニングの基礎を成すのに十分である。PKACαの局在及びその他のPKAサブユニットの活性に影響を及ぼす更なる要因が同定された。従って、以下の情報はどのようにスクリーニング方法が外的要因により影響されうるかを評価するうえでの補助となりうる。
局在の可逆性は図1のパネルcにより実証され、それはエタノールを断って48時間の類似のサンプルの顕微鏡写真である。見ての通り、Cαの大半がゴルジ装置に戻っている。従って、薬剤のスクリーニングにおいて、細胞は培地の除去後比較的すぐに、通常は48時間以内、好ましくは12時間以内に分類するのが重要である。同様に、患者から採取した試料は除去のすぐ後に分類すべきである。
染料の特異性を調べるため、染料を染色前に精製Cαに予め収着させておいた。そして図1のパネルdからわかりうる通り、事実上染色は全く起こらず、ポリクローナル抗体染色がCαに特異的であることが示唆された。
Cαの局在及びその他の物質の効果の時間依存性を下記の通りに調べた(図3):NG 108−15細胞を上記の通りに培養した。規定培地中で2日後、細胞に200mMのエタノール(パネルb)、1μMのフォルスコリン(パネルd)又は10μMのPGE(プロスタグランジンE1)(パネルc)を含む培地を様々な時間にわたり与えた。コントロール細胞には新鮮な培地のみを同じ時点で与えた。全てのスライドをプレーティングの4時間後に固定し、そして上記の通りにCαについて染色した。同様の実験を25mM及び50mMのエタノールを用いて4〜5日実施し、同等の結果が得られた。
図4に示す数値結果を得るため、上述の通りに領域を選定し、そして主にゴルジに規定されたCα染色を有するもの又はゴルジの外に過剰な染色を有するものとを評価した。データー点は3回の実験の平均±SEMである。
これらの結果を図3及び4を参考にこれより説明する。図3のパネルaはCαがコントロール細胞のゴルジにおいて前述の如き局在していることを示し、そして図3のパネルbはエタノールに曝露して48時間後に、Cα染色は核に認められることを示す。このことは先に記載した結果を確証する。
10μmのPGEによる刺激は図3のパネルcに示すように細胞全体の拡散染色をもたらす。同様の結果が1μMのフォルスコリンでの処理により、図3のパネルdに示すように達成された。ゴルジからのCαの最大の移動はフォルスコリン又はPGEで処理して約30分後に認められ、それは図3のパネルc及びdに示す顕微鏡写真を撮ったときである。これに脱感作及びゴルジに対する染色戻りが続く。
これは、エタノールに対する曝露の作用とははっきり対照的であり、後者の場合(図4)エタノールに対する比較的短い曝露後(30〜60分)、Cαの局在のわずかな変化が検出された。エタノールに対する6時間の曝露後、Cαのゴルジから核への移動が認められ、そして12時間後、ほとんどの細胞が主たる核染色と対応のゴルジ染色の低下を示した。この染色はエタノールに対する48時間の慢性曝露を通じて残った。
かくして、エタノール摂取に対する薬剤の効果のスクリーニングにおいて、最良の結果は細胞を増殖培地の中で少なくとも12時間、そしてより好ましくは48時間(2日)放置したときに得られるであろう。エタノール曝露の作用はCα局在において比較的一過性の可逆変化を供するその他の物質の作用とは区別できうる。
その他のPKAサブユニット、特にI型(RI)及びII型(RII)調節サブユニットの移動及び活性の調査を行った。慣用の免疫細胞化学技術により調製したモノクローナル抗体を利用する、Cαサブユニットについて上述したものと類似の染料を使用した。NG 108−15細胞における免疫蛍光又はウェスタンブロット分析のいづれによってもRIIサブユニットは検出されなかったが、RIサブユニットはゴルジ装置上に主に検出された。エタノールは細胞内でのRIサブユニットの局在に対して何ら有意な効果を有さないことが見い出せた。しかしながら、RIサブユニットの量はエタノールに対する曝露により減少した。200mMのエタノールに対する48時間の曝露がCαサブユニットの量に影響しないが、RIサブユニットの約40%(43±3%)の低下を供するということを示すウェスタンブロット分析の結果を図5に示す。かくして、別のアッセイ手順がPKARIの量の測定により供されうる。
以上の結果により、NG 108−15細胞に対するエタノールの作用は明確に同定できうる。エタノールに対する曝露の細胞性作用を調節する治療剤又は薬をスクリーニングすることを供するため、これらの細胞は活性を調べるべき薬剤の存在下でエタノールに曝露し、そしてその結果を薬剤抜きでエタノールに曝露した細胞から得られるものと比較することができる。
B.実施例2:δPKC及びεPKCのエタノール誘導化移動
規定培地の中で増殖させたNG 108−15細胞におけるδ−PKCの免疫組織化学は主たるゴルジ染色を示した(図6);これらの細胞の約70%がゴルジ染色を示した(表I)。慢性エタノール曝露後(48hr、200mMのEtOH)、δPKCは核周囲及び核に局在し、ゴルジにはなかった(図6及び7)。その細胞の90%超が核周囲及び核染色を示した(表I)。δPKCについての蛍光染色の特異性は、細胞のラベリングの前に抗δ抗体を免疫用ペプチドで前収着せしめたときの染色の欠如により示唆される(図7)。これらの結果は慢性エタノール曝露がδPKCのゴルジから核周囲及び核への移動を引き起こすことを示唆し、なぜなら慢性エタノール曝露を経るとゴルジ領域においてδPKCはほとんど残っていないからである(表I)。
エタノールはεPKCの局在も改変する。ナイーブ細胞においては、εPKCは細胞の90%超において核周囲に局在し(図8,9及び表I)、測定可能な細胞質染色はなかった。慢性エタノール曝露後、εPKC染色は細胞の90%超において細胞質全体に認められた(図8,9及び表I);核周囲染色は細胞90%超においてまだ存在していた(図8,9、表I)。εPKCについての染色は特異的なようであり、なぜなら抗ε抗体に免疫用ペプチドを前収着させると染色が認められないからである(図9)。δPKC及びεPKCのエタノール誘導化改変局在も25mMのエタノールに4日間の曝露を経て観察された(図7及び9)。
PKCアイソザイムのエタノール誘導化改変局在はホルボールエステルもしくはホルモンにより誘導されるそれ、又はこれらのアクチベーターとは異なる部位と似かよっている。ナイーブNG 108−15細胞を従って100nMのPMAの中で10分インキュベーションし、δPKC及びεPKCの局在を決定した。PMAによる活性化により、δアイソザイムは主に核周囲へと移動し(図6)、δPKCのエタノール誘導化移動がPMAによる活性化を経て占拠されたものと似かよった部位に対するものであることが示唆される。対照的に、PMA活性化によるεPKCの移動はこのアイソザイムの核及び核周囲細胞質局在をもたらし、細胞質に至るエタノール誘導化移動とは異なる。
NG 108−15に対するエタノールの作用は従ってδPKC及びεPKCの局在の決定により明らかに同定できうる。エタノールに対する曝露の細胞性作用を調節する治療剤又は薬のスクリーニングを供するには、これらの細胞をエタノールに、活性を調べるべき薬剤の存在下で曝露し、そしてその結果を薬剤抜きでエタノールに曝露した細胞から得られるものと比較することができる。
Figure 0003996198

Claims (28)

  1. 複数の細胞サブ領域を有する少なくとも1個の細胞を含む試料のエタノールに対する曝露を決定するための方法であって:
    (a)前記試料にPKAのサブユニット又はPKCのアイソザイムに対する特異的結合親和力を有する染料を適用する;
    (b)前記細胞の1又は複数のサブ領域の中の前記染料を同定する、ここで当該サブ領域は核、核周囲、細胞質及び/又はゴルジ装置を含んで成る
    (c)エタノールに曝露していないコントロール細胞と比較して前記細胞の前記サブ領域について、染料の分布に従って前記試料を分類する、ここで前記コントロール細胞と比較しての染色の前記分布の変化はエタノールに対する前記試料の事前曝露の指標である;
    工程を含んで成る方法。
  2. PKAのサブユニット又はPKCのアイソザイムがPKAのCαであり、そして前記細胞が、前記染料が前記細胞の核に主に存在しているなら第一のタイプと、そして前記染料が前記細胞のゴルジ装置に主に存在しているなら第二のタイプとして分類される、請求項1記載の方法。
  3. 前記第一タイプがエタノールにより実質的に影響される細胞に相当し、そして前記第二タイプがコントロール細胞に相当する、請求項記載の方法。
  4. 前記PKAのサブユニット又はPKCのアイソザイムがδPKCであり、そして前記細胞が、前記染料が核及び核周囲に主に存在しているなら第一のタイプと、そして前記染料が前記細胞のゴルジ装置に主に存在しているなら第二のタイプとして分類される、請求項1記載の方法。
  5. 前記第一タイプがエタノールにより実質的に影響される細胞に相当し、そして前記第二タイプがコントロール細胞に相当する、請求項記載の方法。
  6. 前記PKAのサブユニット又はPKCのアイソザイムがεPKCであり、そして前記細胞が、前記染料が細胞質に主に存在しているなら第一のタイプと、そして前記染料が前記細胞の核周囲に主に存在しているなら第二のタイプとして分類される、請求項記載の方法。
  7. 前記第一タイプがエタノールにより実質的に影響される細胞に相当し、そして前記第二タイプがコントロール細胞に相当する、請求項記載の方法。
  8. 前記分類が顕微鏡を利用する前記細胞のイメージングを含んで成る、請求項2記載の方法。
  9. 前記試料が複数種の細胞を含み、前記方法が当該複数種の細胞の数について前記分類を繰り返し、そして各タイプの細胞の数と分類した細胞の総数とに依存するエタノールに対する前記試料の曝露の数値尺度を得ることを更に含んで成る、請求項2記載の方法。
  10. 前記染料が検出可能な成分と、PKA Cα,δPKC 及びεPKCから成る群より選ばれる標的に対する特異的結合親和とを含んで成る、請求項2記載の方法。
  11. 前記検出可能な成分がフルオレセインと第二抗体とを含んで成る、請求項10記載の方法。
  12. 前記細胞が神経組織に由来する、請求項2記載の方法。
  13. 前記細胞が顆粒球及びリンパ球から成る群より選ばれる、請求項2記載の方法。
  14. 前記工程(a)の適用の前に、前記試料を治療剤の存在下でエタノールに曝露しておき、そしてここで前記工程(c)の分類結果をエタノールには曝露しておいたが当該治療剤には曝露していない試料コントロールを分類する結果と比較し、これによりエタノール媒介細胞作用に対する当該治療剤の当該作用の指標を供する、請求項2記載の方法。
  15. 哺乳動物細胞におけるエタノールの作用を検査物質が改変するかどうかを決定するためのスクリーニング方法であって:
    (a)複数種の哺乳動物細胞を含む試料を用意する;
    (b)エタノールを含む培養培地を用意する;
    (c)前記検査物質を前記培養培地に含ませる;
    (d)前記細胞を前記培養培地に所定時間曝露する;
    (e)前記細胞をPKAのサブユニット又はPKCのアイソザイムに対する特異的結合親和力を有する染料で染色する;
    (f)前記細胞の1又は複数のサブ領域の中の前記染料を同定する、ここで当該サブ領域は核、核周囲、細胞質及び/又はゴルジ装置を含んで成る;
    (g)当該細胞の前記サブ領域内の染料の分布に従って分類する;そして
    (h)前記分類の結果を前記検査物質に曝露していないコントロール中での前記染料の分布と比較する;ここで前記コントロールと比較しての染料の当該分布の変化は哺乳動物細胞におけるエタノールの作用に対する検査物質の効果の指標である;
    ことを含んで成る方法。
  16. 前記細胞を少なくとも2つのカテゴリーのうちの1つに分類し、そしてここで所定のカテゴリーに分類した細胞の比率に依存した数値結果が得られ、そしてこの数値結果をコントロール細胞の分類から得られた数値結果と比較する、請求項15記載のスクリーニング方法。
  17. 前記細胞をエタノールに少なくとも12時間曝露する、請求項15記載のスクリーニング方法。
  18. 前記細胞をエタノールに約2日間曝露する、請求項15記載のスクリーニング方法。
  19. 前記細胞が神経組織に由来し、それぞれが核、核周囲及びゴルジ装置を有し、PKAのサブユニット又はPKCのアイソザイムがPKAのCα又はδPKCである、請求項17のスクリーニング方法。
  20. 前記細胞がNG 108−15神経芽腫Xグリオマ細胞である、請求項19記載のスクリーニング方法。
  21. 前記エタノールを約100mM以上の濃度で供与する、請求項20記載のスクリーニング方法。
  22. 前記PKAのサブユニット又はPKCのアイソザイムがεPKCであり、そしてここで前記細胞は前記染料が細胞質の中に主に存在しているならエタノールに実質的に影響されるものと分類する、請求項15記載のスクリーニング方法。
  23. 前記エタノールを約200mM以上の濃度で供与する、請求項22記載のスクリーニング方法。
  24. 少なくとも1個の細胞を含む試料のエタノールに対する曝露を決定するための方法であって:
    (a)前記細胞中に存在するPKA RI,αPKC,δPKC及びεPKC から成る群より選ばれるエタノール表示タンパク質の量を決定する;そして
    (b)前記試料を、エタノールに曝露していないコントロール細胞と比較しての前記細胞の中の前記エタノール表示タンパク質の量を基準に分類する;
    ことを含んで成る方法。
  25. 前記エタノール表示タンパク質をウェスタンブロット分析により決定する、請求項24記載の方法。
  26. エタノールに対する被検体の曝露を決定するための方法であって:
    (a)前記被検体から少なくとも1個の細胞を含む試料を用意する;
    (b)前記試料をPKA RI,αPKC,δPKC及びεPKC から成る群より選ばれるエタノール表示タンパク質に対する特異的結合親和力を有する染料で染色する;
    (c)前記試料を、エタノールに対して曝露していないコントロールと比較しての当該細胞内の染料の分布に従って分類し、ここで当該コントロールと比較しての染料の当該分布の変化はエタノールに対する前記試料の事前曝露の指標である、
    ことを含んで成る方法。
  27. 前記試料が顆粒球及びリンパ球を含む血液試料を含んで成る、請求項26記載の方法。
  28. 前記コントロールが、(1)同被検体から採取した初期試料、(2)エタノールに対する曝露が決定された別の被検体、及び(3)in vitro培養された細胞を含んで成り、且つエタノールに対する曝露が既知である試料から成る群より選ばれる、請求項26記載の方法。
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