JP2013173267A - 画像記録方法、画像記録物の真贋判定方法、画像記録装置および画像記録物 - Google Patents

画像記録方法、画像記録物の真贋判定方法、画像記録装置および画像記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性の高い真贋判定が可能な画像記録物を提供する。
【解決手段】画像記録装置では、基材9上に有色インクにて有色画像95が記録され、鱗片状顔料を含む第1特定インクにてセキュリティ画像96が記録され、透明の第2特定インクにて組成情報画像97が記録される。組成情報画像97は、所定条件下で可視化可能であり、セキュリティ画像96の第1特定インクの組成情報を示す。印刷物90の真贋判定では、組成情報画像97が示す組成情報と、組成分析により取得されるセキュリティ画像96のインクの組成とが一致することにより印刷物90が真正品であると判定される。このように、画像記録装置では、信頼性の高い真贋判定が可能な印刷物90を提供することが実現される。
【選択図】図9

Description

本発明は、画像記録方法、画像記録物の真贋判定方法、画像記録装置および画像記録物に関する。
近年、印刷された画像上に透明インクを重ねて塗布することにより、印刷物の表面に光沢性をもたせることが行われている。例えば、特許文献1では、記録媒体上に着色インクにて記録された印字層の上に、クリアインクによるオーバーコート層を形成して光沢感(質感)を制御する技術が開示されている。
また、印刷物の偽造を防止する様々な手法も提案されており、例えば、特許文献2では、1つの記録媒体の表面上に、市場で見て認識できるオバート領域と、特別の器具を使わないと認識できないコバート領域とを設ける技術が開示されている。オバート領域は、色変化インクや液晶インクを用いて印刷される。また、コバート領域には、蛍光インクや燐光インクのように紫外線を照射することで発光する透明インクによりパターンが印刷される。
特開2004−314350号公報 国際公開第2003/053708号
ところで、特許文献2のように画像記録物においてコバート領域を設ける場合でも、当該コバート領域が複製された場合には、当該画像記録物が真正品であるか否かの判定が困難となる。したがって、信頼性の高い真贋判定が可能な新規な画像記録物が求められている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、信頼性の高い真贋判定が可能な画像記録物を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、画像記録方法であって、a)有色の画像記録材料にて可視画像が記録された基材を準備する工程と、b)前記基材上に透明の画像記録材料にて不可視画像を記録する工程とを備え、前記不可視画像が、所定条件下で可視化可能であり、前記基材上の特定の画像記録材料の組成情報を示す。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像記録方法であって、前記不可視画像が、前記組成情報を符号化または暗号化した情報を示す。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像記録方法であって、前記組成情報が、前記基材上の前記不可視画像とは異なる画像における画像記録材料の組成を示す。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像記録方法であって、前記不可視画像が、紫外線または赤外線の照射により可視化可能である。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像記録方法であって、c)前記a)工程の後に、前記基材上に他の画像記録材料にて複写牽制画像を記録する工程をさらに備え、前記他の画像記録材料が、前記透明の画像記録材料よりも光沢度が高い透明材料、または、鱗片状顔料を含む材料である。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像記録方法であって、前記b)工程において、前記透明の画像記録材料である透明インクの微小液滴が吐出部から前記基材に向けて吐出される。
請求項7に記載の発明は、画像記録物の真贋判定方法であって、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像記録方法にて不可視画像が記録された画像記録物における前記不可視画像を可視化することにより、前記不可視画像が示す組成情報を取得する工程と、前記画像記録物が含む特定の画像記録材料の組成を組成分析により取得する工程と、前記組成情報と前記特定の画像記録材料の組成とを比較することにより、前記画像記録物の真贋を判定する工程とを備える。
請求項8に記載の発明は、画像記録装置であって、有色の画像記録材料にて可視画像が記録された基材を保持する保持部と、前記基材上に透明の画像記録材料にて不可視画像を記録する画像記録部とを備え、前記不可視画像が、所定条件下で可視化可能であり、前記基材上の特定の画像記録材料の組成情報を示す。
請求項9に記載の発明は、画像記録物であって、基材と、有色の画像記録材料にて前記基材上に記録された可視画像と、透明の画像記録材料にて前記基材上に記録された不可視画像とを備え、前記不可視画像が、所定条件下で可視化可能であり、前記基材上の特定の画像記録材料の組成情報を示す。
本発明によれば、信頼性の高い真贋判定が可能な画像記録物を提供することができる。
画像記録装置の構成を示す図である。 画像記録装置の機能構成を示すブロック図である。 有色画像を示す図である。 セキュリティ画像を示す図である。 組成情報画像を示す図である。 各画像が記録される基材上の領域を示す図である。 画像を記録する動作の流れを示す図である。 対象画像および閾値マトリクスを示す図である。 印刷物を示す図である。 印刷物の真贋を判定する処理の流れを示す図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る画像記録装置1の構成を示す図である。画像記録装置1は、複数の基材に対してインクジェット方式によるカラー印刷を順次行う枚葉式の印刷装置である。本実施の形態では、基材は印刷用紙である。
図1に示すように、画像記録装置1は、複数の基材9を図1中の(+Y)方向である移動方向に移動する移動機構2、移動機構2による搬送途上の基材9に向けてインクの微小液滴を吐出する吐出部3、移動機構2に基材9を供給する供給部51、印刷終了後の基材9を移動機構2から受け取る排出部52、並びに、これらの機構を制御する制御部4を備える。画像記録装置1では、吐出部3から吐出されて基材9に付与されるインク(例えば、水性インク)が、基材9上に画像を記録する画像記録材料である。なお、インクは、水性インク以外に紫外線硬化インクや、溶剤インク、固体インクであってもよい。
移動機構2は、それぞれが1枚のシート状の基材9を吸着保持する複数のステージ21、複数のステージ21を案内する環状のガイド22、および、ガイド22内のベルトを図1中における反時計回りに移動させるベルト駆動機構(図示省略)を備え、ベルト駆動機構により、基材9を保持するステージ21が吐出部3の下方(すなわち、(−Z)側)において(+Y)方向に移動する。
吐出部3は、それぞれが複数の吐出口からインクの微小液滴を吐出する6個の吐出機構30a〜30d,31,32を備える。吐出機構30a〜30d,31,32は図1中のY方向に配列される。吐出部3において、図1中の最も(−Y)側に位置する吐出機構30aはK(ブラック)の有色インク(着色インクとも呼ばれる。)を吐出し、吐出機構30aの(+Y)側の吐出機構30bはC(シアン)の有色インクを吐出し、吐出機構30bの(+Y)側の吐出機構30cはM(マゼンタ)の有色インクを吐出し、吐出機構30cの(+Y)側の吐出機構30dはY(イエロー)の有色インクを吐出する。
また、吐出機構30dの(+Y)側の吐出機構31は、鱗片状顔料を含むインク(例えば、パール顔料やコレステリック液晶等を含むインクであり、以下、「第1特定インク」という。)を吐出し、図1中の最も(+Y)側に位置する吐出機構32は、透明の画像記録材料である透明インク(以下、「第2特定インク」という。)を吐出する。本実施の形態では、可視光下では透明であり、かつ、紫外線が照射されることにより発光して可視化する不可視インクが第2特定インクとして利用される。なお、第1特定インクも有色であるが、鱗片状顔料を含む特殊なインクであるため、通常のカラーインクであるK,C,M,Yのインクと区別している。以下の説明では、吐出機構30a〜30dを「有色インク吐出機構30a〜30d」と呼び、吐出機構31を「第1特定インク吐出機構31」と呼び、吐出機構32を「第2特定インク吐出機構32」と呼ぶ。もちろん、吐出部3において、他の色の有色インクを吐出する吐出機構が設けられてもよい。
画像記録装置1では、基材9の移動方向(Y方向)に垂直なX方向に関して、吐出部3の吐出機構30a〜30d,31,32が基材9の幅全体に亘って(すなわち、X方向の全長に亘って)設けられる。そして、基材9の(+Y)方向への1回の相対移動により、吐出機構30a〜30d,31,32が基材9上の各位置を1回だけ通過して基材9に対する印刷が完了する(すなわち、シングルパスにより印刷が完了する。)。
図2は、画像記録装置1の機能構成を示すブロック図である。制御部4は、各種演算を行う演算部40、および、吐出部3や移動機構2等の各構成を制御する本体制御部10を備える。演算部40は、画像メモリ41、複数のマトリクス記憶部42、並びに、比較器43(ハーフトーン化回路)を備える。画像メモリ41は、K,C,M,Yの有色画像を示す有色画像データ410、セキュリティ画像を示すセキュリティ画像データ411、および、組成情報画像を示す組成情報画像データ412を記憶する。これらの画像については後述する。
複数のマトリクス記憶部42は、K,C,M,Yの複数の色成分用の閾値マトリクス、セキュリティ画像用の閾値マトリクス、および、組成情報画像用の閾値マトリクスを記憶する。各閾値マトリクスは、複数の閾値の2次元配列にて構成される。なお、マトリクス記憶部42は、SPM(Screen Pattern Memory)とも呼ばれる。比較器43は、各画像データが示す画像と閾値マトリクスとを比較する比較部である。本実施の形態では、比較器43は、演算部40がプログラムを実行することによりソフトウェアとして実現されるが、全体的または部分的に専用の電気回路が利用されてもよい。本体制御部10は、移動機構2による基材9の吐出部3に対する相対移動を制御する移動制御部102、および、基材9の相対移動に同期して吐出部3からのインクの吐出を制御する吐出制御部101を備える。
ここで、画像記録装置1にて記録される有色画像、セキュリティ画像および組成情報画像について述べる。図3ないし図5はそれぞれ、有色画像、セキュリティ画像および組成情報画像の一例を示す図である。K,C,M,Yの有色画像は、例えば、図3に示すようなイラストである。有色画像は、自然画像、人物画像等を含む画像であってもよい。セキュリティ画像は、例えば、図4に示すような企業のロゴである。セキュリティ画像は、企業や個人の名称、複写を禁止する警告や印刷物が認証されたものであることを示すメッセージ、紋様、暗号文字列、2次元コード、バーコード等を含む画像であってもよい。
組成情報画像は、例えば、図5に示すような2次元コードである。当該2次元コードは、「パール顔料、平均粒径5μm」や「コレステリック液晶、平均粒径10μm」等のように、第1特定インク吐出機構31から吐出される第1特定インクの組成情報を示す。本実施の形態では、組成情報が顔料の平均粒径の情報を含んでいる。また、第1特定インクが他の物質を溶媒中に含む場合には、当該組成情報は、当該物質の名称(例えば、「クリアニス」)も示し、さらに、第1特定インクが有色のインクと鱗片状顔料とを調合したインクである場合には、当該組成情報は、当該有色のインクに含まれる物質である「カーボンブラック」、「アンモニウム塩」、「ポリエステル樹脂」等の名称も含む。組成情報画像は、当該組成情報を符号化または暗号化した情報を示す画像であるならば、バーコードや暗号文字列等を含む画像であってもよい。基材9上には、図6に示すように、有色画像、セキュリティ画像および組成情報画像がそれぞれ記録される有色画像領域92、セキュリティ画像領域93および組成情報画像領域94が予め設定される。
次に、画像記録装置1が画像を記録する動作の詳細について図7を参照しつつ説明する。画像記録装置1では、まず、外部のコンピュータから有色画像データ410、セキュリティ画像データ411および組成情報画像データ412が入力され、演算部40の画像メモリ41にて記憶されて準備される(ステップS11)。有色画像データ410が示す画像、セキュリティ画像データ411が示す画像、および、組成情報画像データ412が示す画像のそれぞれでは、後述するように複数の画素が2次元配列される。以下の説明では、これらの画像データにおいて、画像が0〜255の階調範囲にて表現されるものとする。
続いて、有色画像データがK,C,M,Yの各色成分に分版され、比較器43において各色成分の画像を対応する閾値マトリクスと比較することにより、当該色成分の有色画像を示す網点画像データが生成される。また、セキュリティ画像データ411が示す画像を対応する閾値マトリクスと比較することによりセキュリティ画像を示す網点画像データが生成され、さらに、組成情報画像データ412が示す画像を対応する閾値マトリクスと比較することにより組成情報画像を示す網点画像データが生成される(ステップS12)。実際には、比較器43に、K,C,M,Yの各色成分の画像データ、セキュリティ画像データ411、および、組成情報画像データ412に対応する複数の比較部が用意され、これらの画像データに対して網点化処理が並行して行われる。以下、K,C,M,Yの各色成分の画像データ、セキュリティ画像データ411、および、組成情報画像データ412を「対象画像データ」と総称して、対象画像データの網点化処理について述べる。
図8は、対象画像データが示す対象画像70および閾値マトリクス710を抽象的に示す図である。対象画像70および閾値マトリクス710のそれぞれでは、X方向に対応する行方向(図8中にてx方向として示す。)、および、行方向に垂直な列方向(図8中にてy方向として示す。)に複数の画素または複数の要素が配列されている。
対象画像データの網点化、すなわち、ハーフトーン化の際には、図8に示すように対象画像70が示す全体の領域を同一の大きさの多数の領域に分割してハーフトーン化の単位となる繰り返し領域71が設定される。マトリクス記憶部42は1つの繰り返し領域71に相当する記憶領域を有し、この記憶領域の各アドレス(座標)に閾値が設定されることにより閾値マトリクス710を記憶している。そして、概念的には対象画像70の各繰り返し領域71と閾値マトリクス710とを重ね合わせ、繰り返し領域71の各画素の階調値(画素値)と閾値マトリクス710の対応する閾値とが比較されることにより、基材9上のその画素の位置に記録(当該色のドットの形成)を行うか否かが決定される。
したがって、多階調の対象画像70において、階調値が閾値マトリクス710の対応する閾値よりも大きい位置には、例えば、値「1」が付与され(すなわち、ドットが置かれ)、残りの画素には値「0」が付与され(すなわち、ドットは置かれず)、2値の出力画像データが網点画像データとして生成される。以上の処理により、K,C,M,Yの各色成分の有色画像を示す網点画像データ、セキュリティ画像を示す網点画像データ、および、組成情報画像を示す網点画像データが生成される。
網点画像データが生成されると、図1に示す供給部51から、保持部であるステージ21上に基材9が供給されて保持され、移動機構2により(+Y)方向に移動する。そして、有色画像を示す網点画像データに従って、吐出部3の有色インク吐出機構30a〜30dが制御部4により制御されることにより、ステージ21上の基材9に向けてK,C,M,Yの有色インクの微小液滴が吐出され、基材9の主面上に有色インクのドットが順次記録される。これにより、図9に示すように有色画像95が基材9の主面91上に記録される(ステップS13)。また、セキュリティ画像を示す網点画像データに従って第1特定インク吐出機構31が制御されることにより、ステージ21上の基材9に向けて第1特定インクの微小液滴が吐出され、有色画像95上に第1特定インクのドットが順次記録される。これにより、セキュリティ画像96が有色画像95上に記録される(ステップS14)。さらに、組成情報画像を示す網点画像データに従って第2特定インク吐出機構32が制御されることにより、ステージ21上の基材9に向けて第2特定インクの微小液滴が吐出され、有色画像95上に第2特定インクのドットが順次記録される。これにより、組成情報画像97が有色画像95上に記録され、画像記録物である印刷物90が作成される(ステップS15)。図9では、透明な組成情報画像97を二点鎖線の矩形にて示している。
実際には、有色画像95、セキュリティ画像96および組成情報画像97の記録(ステップS13〜S15)は、部分的に並行して行われる。基材9においてセキュリティ画像96または組成情報画像97が記録される部位のみに着目すると、上記ステップS13は、主面91上に有色画像が記録された基材9を準備する処理として捉えることができ、当該処理の後に、セキュリティ画像96および組成情報画像97が記録される。
有色画像95、セキュリティ画像96および組成情報画像97が記録された印刷物90は、排出部52により回収される。画像記録装置1では、複数の基材9に対する上述の印刷(すなわち、画像の記録)が順次行われる。
ここで、セキュリティ画像96は鱗片状顔料を含む第1特定インクにて記録されるため、観察者がセキュリティ画像96を見る方向等に応じて、セキュリティ画像96の各部位の色に変化が生じる(いわゆる、カラートラベル効果)。したがって、市場に流通した印刷物90を仮に複製しようとしても、セキュリティ画像96を再現することは容易ではない。このように、セキュリティ画像96は、印刷物90の複写を牽制する複写牽制画像となり、視認可能であるが、複写が困難なオバート領域としての性質を有する。また、組成情報画像97は、透明な蛍光インクである第2特定インクにて記録されるため、可視光下において肉眼では視認不能、または、視認困難であり、特殊な条件下(本実施の形態では、紫外線蛍光灯等により紫外線が照射されている状態)において視認可能となる。すなわち、組成情報画像97は、所定条件下で可視化可能である不可視画像であり、コバート領域としての性質を有する。
次に、市場に流通した印刷物90の真贋を判定する処理について図10を参照しつつ説明する。既述のように、印刷物90では、可視光下において視認可能な可視画像である有色画像95およびセキュリティ画像96、並びに、可視光下において視認不能、または、視認困難な不可視画像である組成情報画像97が記録されている。真贋判定処理では、印刷物90に対して紫外線蛍光灯(ブラックライト)等から紫外線が照射される(ステップS21)。紫外線の照射により組成情報画像97が現れない場合には(ステップS22)、組成情報画像97が存在しないため、当該印刷物が偽造品であると判定される(ステップS23)。
一方、紫外線の照射により組成情報画像97が現れる、すなわち、組成情報画像97が可視化される場合には(ステップS22)、組成情報画像97が示す2次元コードを復号することにより第1特定インクの組成情報が取得される(ステップS24)。続いて、印刷物90においてセキュリティ画像96を構成するインクの組成が、所定の組成分析(例えば、蛍光X線分析装置を用いる組成分析)により取得される(ステップS25)。また、必要に応じて顔料の粒径等が顕微鏡等を用いて取得される。そして、組成情報画像97が示す第1特定インクの組成情報と、当該組成分析により取得されるインクの組成とが照合され、両者が一致する場合には(ステップS26)、当該印刷物90が真正品であると判定される(ステップS27)。両者が一致しない場合には(ステップS26)、当該印刷物90が偽造品であると判定される(ステップS23)。このように、組成情報画像97が示す第1特定インクの組成情報と、組成分析により取得されるセキュリティ画像96のインクの組成とを比較することにより、印刷物90の真贋が高い信頼性にて判定される。
以上に説明したように、画像記録装置1では、画像記録部である吐出部3により、不可視画像である組成情報画像97が透明の第2特定インクにて基材9上に記録される。組成情報画像97は、所定条件下で可視化可能であり、基材9上の第1特定インクの組成情報を示す。そして、印刷物90の真贋判定では、組成情報画像97の存在のみならず、組成情報画像97が示す第1特定インクの組成情報と、組成分析により取得されるセキュリティ画像96のインクの組成とが一致することにより、印刷物90が真正品であると判定される。このように、画像記録装置1では、信頼性の高い真贋判定が可能な印刷物90を提供することが実現される。
また、組成情報画像97が、基材9上の第1特定インクの組成情報を符号化または暗号化した情報を示すため、偽造者が印刷物90を偽造する際に組成情報画像97の存在に気付いた場合でも、組成情報画像97が示す内容が直接的に偽造者に知られることはない。これにより、偽造者に対して、より高度な偽造防止策が施されていることを認識させ、印刷物90の偽造を牽制する(偽造意欲を低下させる)ことができる。また、組成情報画像97が示す内容が偽造者に容易に知られることが防止され、印刷物90の精巧な偽造をより困難にすることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
組成情報画像97が示す組成情報は、有色画像95におけるインクの組成であってもよく、組成情報画像97におけるインクの組成であってもよい。また、当該組成情報は、後述するトナー等、他の種類の画像記録材料の組成であってもよい。このように、組成情報画像97は、印刷物90が含む特定の画像記録材料の組成情報を示すものであればよく、これにより、印刷物90において信頼性の高い真贋判定が可能となる。ただし、組成情報画像97の記録に使用可能な材料は、ある程度限定されることを考慮すると、より信頼性の高い真贋判定を実現するには、当該組成情報が、基材9上の組成情報画像97とは異なる画像における画像記録材料の組成を示すことが好ましい。
印刷物90に求められるセキュリティのレベルによっては、組成情報画像97が、基材9上の特定の画像記録材料の組成情報を直接的に文字列にて示す平文であってもよい。また、組成情報画像97が特定の画像記録材料の組成情報に加えて、例えば、基材9上の有色画像95やセキュリティ画像96の画像特徴量(画像の幅や高さ、画像傾斜角度、文字数、文字列の段数、閉図形領域の個数等)等の他の情報を示してもよい。
第2特定インクは、紫外線吸収インク以外であってもよく、赤外線の照射により可視化可能なインク(赤外線吸収インク等)が第2特定インクとして用いられてもよい。また、第2特定インクが、これらのインクを調合したものであってもよい。組成情報画像97が紫外線または赤外線の照射により可視化可能であることにより、組成情報画像97を容易に可視化することができる。もちろん、組成情報画像が所定条件下で可視化可能となるならば、組成情報画像が他の透明の画像記録材料にて記録されてよい。
図9の印刷物90では、オバート技術を利用するセキュリティ画像96が組成情報画像97と共に記録されるため、偽造者が組成情報画像97の存在に気付きにくくなるが(例えば、偽造者は、セキュリティ画像96以外の偽造防止策(組成情報画像97)が施されているとは考えない。)、印刷物90の用途等によっては、セキュリティ画像96が省略され、組成情報画像97のみが記録されてもよい。
セキュリティ画像96の記録に用いられる第1特定インクは、クリアインクであってもよい。この場合、セキュリティ画像96では、コバート技術を利用する組成情報画像97よりも視認性が高いことが好ましいため、オバート技術用の第1特定インクは、コバート技術用の第2特定インクよりも光沢度が高い透明材料であることが好ましい。また、有色画像95を構成する有色インクが鱗片状顔料を含んでいてもよく、このような有色画像95はオバート技術が適用されていると捉えることができる。
セキュリティ画像96および組成情報画像97は必ずしも有色画像95上に記録される必要はなく、基材9において有色画像95が存在しない領域に記録されてもよい。また、セキュリティ画像96上に組成情報画像97が記録されてもよい。
有色画像95、セキュリティ画像96および組成情報画像97のそれぞれは、インクの多階調のドット(すなわち、複数種類のサイズのドット)により記録されてよい。有色画像は、複数色の画像である必要はなく、1つの色の有色インクによる単色の画像であってもよい。また、セキュリティ画像96が複数種類のインクの画像であってもよい。
画像記録装置1では、複数の吐出口がY方向に配列された吐出部3のX方向への往復移動と基材9の(+Y)方向への移動とが繰り返し行われることにより、基材9に対する画像記録が行われてもよい。
上記実施の形態では、有色画像が記録された基材9が画像記録装置1により実質的に準備されるが、別の装置(例えば、刷版を用いて画像を記録する画像記録装置や、電子写真方式の画像記録装置)により有色画像のみが記録された基材9が準備されてもよい。この場合、刷版を用いる装置では、有色のインクにより有色画像が記録され、電子写真方式の装置では、有色の画像記録材料である有色のトナーにより有色画像が記録される。このように、基材9上において有色の画像記録材料にて記録される可視画像は、様々な態様にて実現されてよい。なお、画像記録装置1では、予め有色画像が記録された基材9に向けて第1特定インクおよび第2特定インクのみが吐出され、基材9上にセキュリティ画像および組成情報画像が記録される。
さらに、刷版を用いる画像記録装置や、電子写真方式の画像記録装置により組成情報画像が記録されてもよい(セキュリティ画像において同様)。刷版を用いる画像記録装置では、有色画像が記録された基材が保持部にて保持され、刷版を有する画像記録部により組成情報画像が第2特定インクにて記録される。電子写真方式の画像記録装置では、例えば紫外線または赤外線の照射により可視化可能である透明トナーが画像記録材料として利用され、画像記録部を構成する感光体ドラム上に透明トナーの画像が形成され、保持部(搬送ローラ等)により保持される基材にトナー画像が転写される。
以上のように、信頼性の高い真贋判定が可能な画像記録物を作成する本手法は、オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、レタープレス印刷等の有版印刷、および、インクジェット技術あるいは電子写真技術を用いる無版印刷にて実現することが可能である。
基材9は、フィルム等の撥液性を有するシート状の部材や、プラスチックにて形成される板状の部材等であってもよい。また、連続紙等である、いわゆるウェブに対して画像記録が行われてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 画像記録装置
3 吐出部
9 基材
21 ステージ
90 印刷物
95 有色画像
96 セキュリティ画像
97 組成情報画像
S13〜S15,S21〜S27 ステップ

Claims (9)

  1. 画像記録方法であって、
    a)有色の画像記録材料にて可視画像が記録された基材を準備する工程と、
    b)前記基材上に透明の画像記録材料にて不可視画像を記録する工程と、
    を備え、
    前記不可視画像が、所定条件下で可視化可能であり、前記基材上の特定の画像記録材料の組成情報を示すことを特徴とする画像記録方法。
  2. 請求項1に記載の画像記録方法であって、
    前記不可視画像が、前記組成情報を符号化または暗号化した情報を示すことを特徴とする画像記録方法。
  3. 請求項1または2に記載の画像記録方法であって、
    前記組成情報が、前記基材上の前記不可視画像とは異なる画像における画像記録材料の組成を示すことを特徴とする画像記録方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像記録方法であって、
    前記不可視画像が、紫外線または赤外線の照射により可視化可能であることを特徴とする画像記録方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像記録方法であって、
    c)前記a)工程の後に、前記基材上に他の画像記録材料にて複写牽制画像を記録する工程をさらに備え、
    前記他の画像記録材料が、前記透明の画像記録材料よりも光沢度が高い透明材料、または、鱗片状顔料を含む材料であることを特徴とする画像記録方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像記録方法であって、
    前記b)工程において、前記透明の画像記録材料である透明インクの微小液滴が吐出部から前記基材に向けて吐出されることを特徴とする画像記録方法。
  7. 画像記録物の真贋判定方法であって、
    請求項1ないし6のいずれかに記載の画像記録方法にて不可視画像が記録された画像記録物における前記不可視画像を可視化することにより、前記不可視画像が示す組成情報を取得する工程と、
    前記画像記録物が含む特定の画像記録材料の組成を組成分析により取得する工程と、
    前記組成情報と前記特定の画像記録材料の組成とを比較することにより、前記画像記録物の真贋を判定する工程と、
    を備えることを特徴とする画像記録物の真贋判定方法。
  8. 画像記録装置であって、
    有色の画像記録材料にて可視画像が記録された基材を保持する保持部と、
    前記基材上に透明の画像記録材料にて不可視画像を記録する画像記録部と、
    を備え、
    前記不可視画像が、所定条件下で可視化可能であり、前記基材上の特定の画像記録材料の組成情報を示すことを特徴とする画像記録装置。
  9. 画像記録物であって、
    基材と、
    有色の画像記録材料にて前記基材上に記録された可視画像と、
    透明の画像記録材料にて前記基材上に記録された不可視画像と、
    を備え、
    前記不可視画像が、所定条件下で可視化可能であり、前記基材上の特定の画像記録材料の組成情報を示すことを特徴とする画像記録物。
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