JP2023102813A - 可変情報印刷物及び可変情報印刷物用データの作成方法 - Google Patents

可変情報印刷物及び可変情報印刷物用データの作成方法 Download PDF

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Kazuya Oshima
義則 浅井
Yoshinori Asai
健太郎 齋藤
Kentaro Saito
桐香 西山
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Abstract

【課題】意匠性及び可変情報の視認性をより高めることができ、偽造防止効果を高めることができる可変情報印刷物及び可変情報印刷物用データの作成方法を提供する。【解決手段】可変情報印刷物は、基材の少なくとも一部に、所定の模様を有した可変情報領域を備え、模様の一部に、印刷ごとに異なる形状の可変情報部と、可変情報部の周囲に形成され、可変情報部を立体的に視認させる陰影部とを有し、可変情報領域において、模様と可変情報部の重複部分には、可変情報部のみが印刷され、模様と陰影部の重複部分には、陰影部のみが印刷され、可変情報部及び陰影部の印刷される部分には、模様が印刷されないことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、偽造防止効果を必要とするセキュリティ印刷物である銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、カード、通行券等の個別識別を必要とする貴重印刷物の分野において、改ざんや偽造を防止するための可変情報印刷物及び可変情報印刷物用データの作成方法に関する。
近年のスキャナ、プリンタ、コピー機等のデジタル機器の進展や化学薬品により、貴重印刷物の精巧な複製物の作成や改ざんを容易に実施することが可能となっている。そのため、前述したような偽造や改ざんを防止するため、特殊な薬品では改ざんされないことやスキャナ、プリンタ、コピー機等では再現不可能な様々な偽造防止技術が必要とされている。
銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、カード、通行券等は、複数枚印刷して多く流通するものであり、複数存在する印刷物は、いずれも貴重価値が等しい製品である。これらの印刷物は、1つの券種全てが同じ模様を印刷している場合が多い。また、それらの印刷物が固有であることを明確にするため、個々の券面には文字、数字、記号等から成る可変情報部(例えば、記番号)が印刷されているのが一般的である。この記番号は、印刷物を個体判別するのに重要であり、仮に同じ模様で記番号が同一の印刷物があると、一方が真正で、他方が偽造又は複製であることを判別することができる。
しかし、記番号は、印刷物中の一部分に印刷されているにすぎず、不心得者によって簡単に改ざんされてしまうという欠点がある。近年の特殊な薬品やスキャナ、プリンタ、コピー機等の普及に伴い、有価証券や証明書の不正な複製や改ざんが容易となってきた。
このような不正な複製や改ざんに対する技術としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、模様の一部に、印刷ごとに異なる情報を有する可変情報が印刷された可変情報部を有し、この可変情報部の下に模様を形成しない技術が開示されている。
図32(a)及び図32(b)は、特許文献1における可変情報印刷物を示す図である。
図32(a)に示す可変情報印刷物100は、基材101と、基材101に形成される可変情報領域102を備えている。可変情報領域102には、可変情報(例えば、数字の0、1、2、3、4、5、6、7、8、9)からなる可変情報部106と所定の模様105が印刷される。また、可変情報領域102における可変情報部106が形成される箇所には、模様105が印刷されていない。
特開2019-137042号公報
なお、図32(a)に示す可変情報印刷物100における模様105は、可変情報領域102全体に形成された白彩紋からなる。これに対して、図32(b)に示す可変情報印刷物100Aにおける模様105Aは、可変情報領域102の部分的に形成された5枚の花びらでそれぞれ構成された5つの桜の花からなる。このため、図32(b)に示すように、模様105Aが印刷されていない箇所に形成された可変情報部106が視認しにくくなる、という問題を有していた。
よって、周囲に模様が印刷されていない箇所に形成された可変情報部の視認性をより高めることが求められていた。
なお、特許文献1に記載された技術では、可変情報部106の周囲に輪郭可変情報部を形成することが記載されているが、輪郭可変情報部は、可変情報部の輪郭に沿って単純に形成されており、第三者が輪郭可変情報部を容易に偽造されてしまうという問題がある。そのため、特許文献1に記載された技術では、偽造防止効果が低下するという問題があり、さらなる改善が求められていた。
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、意匠性及び可変情報部の視認性をより高めることができ、偽造防止効果を高めることができる可変情報印刷物及び可変情報印刷物用データの作成方法を提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、貴重価値が等しい製品が複数存在する可変情報印刷物において、基材の少なくとも一部に、模様を有した可変情報領域を備え、模様の一部に、印刷ごとに異なる形状の可変情報部と、可変情報部の周囲に形成され、可変情報部を立体的に視認させる陰影部とを有し、可変情報領域において、模様と可変情報部の重複部分には、可変情報部のみが印刷され、模様と陰影部の重複部分には、陰影部のみが印刷され、可変情報部及び陰影部の印刷される部分には、模様が印刷されないことを特徴とする。
また、可変情報部は、更に可変情報部と同一形状かつ可変情報部より大きい輪郭可変情報部が、可変情報部の輪郭に沿って配置されて成り、輪郭可変情報部は模様及び陰影部が印刷されないことを特徴とする。
また、可変情報印刷物用データの作成方法は、基材の少なくとも一部に、所定の模様を有した可変情報領域を備え、模様の一部に、印刷ごとに異なる形状の可変情報部と、可変情報部の周囲に形成され、可変情報部を立体的に視認させる陰影部とを有し、模様と可変情報部の重複部分には、可変情報部のみが印刷され、模様と陰影部の重複部分には、陰影部のみが印刷され、可変情報部及び陰影部の印刷される部分には、模様が印刷されない可変情報印刷物において、可変情報印刷物用データを作成する方法であって、模様の基となる模様データと、可変情報部の基となる可変情報データと、陰影部の基となる陰影データを、作成する又はあらかじめ登録したデータベースから取り込む工程と、可変情報領域データのレイアウトを作成し、レイアウトを基準に、印刷ごとに異なる情報に基づいて可変情報データを作成する工程と、模様データ、可変情報データ及び陰影データを重ねて配置し、模様データ、可変情報データ及び陰影データの重複部分を統合し、模様データと可変情報データの重複部分は、模様データを削除し、模様データと陰影データの重複部分は、模様データを削除することで、可変情報データ及び陰影データに模様データを削除した可変情報領域データを生成する工程とを少なくとも備えたことを特徴とする。
また、可変情報印刷物用データの作成方法は、可変情報データを基準に、可変情報データよりも大きく、かつ、同一形状の輪郭可変情報データを作成する工程を更に有し、模様データ、可変情報データ及び陰影データに、さらに輪郭可変情報データを重ねて配置し、重複部分に、さらに輪郭可変情報データの重複部分を統合し、模様データと輪郭可変情報データの重複部分は、模様データを削除することで、可変情報データ、陰影データ及び輪郭可変情報データに模様データを削除した可変情報領域データを生成する工程を少なくとも備えたことを特徴とする。
上記構成の可変情報印刷物及び可変情報印刷物用データの作成方法では、陰影部により模様が印刷されていない箇所の可変情報部の視認性を向上させるだけではなく、立体的に視認させることができ、意匠性も併せて高めることができる。さらに、陰影部を設ける位置や角度等の陰影部を形成する情報が分からないと陰影部を正確に形成することが困難であるため、改ざん及び偽造の防止効果を高めることができる。
本発明の第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物を示す図であり、図1(a)は全体図、図1(b)は変形例を示す全体図、図1(c)は第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物の一部を拡大して示す図である。 本発明の第2の実施の形態例にかかる可変情報印刷物を示す図であり、図2(a)は全体図、図2(b)は一部を拡大して示す図である。 本発明の第3の実施の形態例にかかる可変情報印刷物を示す図であり、図3(a)は全体図、図3(b)は一部を拡大して示す図である。 本発明の第4の実施の形態例にかかる可変情報印刷物を示す図であり、図4(a)は全体図、図4(b)は一部を拡大して示す図である。 本発明の第5の実施の形態例にかかる可変情報印刷物を示す図であり、図5(a)は全体図、図5(b)は一部を拡大して示す図である。 本発明の第6の実施の形態例にかかる可変情報印刷物を示す図であり、図6(a)は全体図、図6(b)は一部を拡大して示す図である。 本発明の可変情報印刷物における輪郭可変情報部を示す図であり、図7(a)、(b)は輪郭可変情報部の一例を示す図、図7(c)、(d)は輪郭可変情報の他の例を示す図、図7(e)、(f)は輪郭可変情報部のさらに他の例を示す図である。 本発明の可変情報印刷物における輪郭可変情報部を示す図であり、図8(a)は輪郭可変情報の一例を示す図、図8(b)は輪郭可変情報部の他の例を示す図である。 本発明の可変情報印刷物における輪郭可変情報部9を配置する位置の違いを示す図である。 本発明の可変情報印刷物における陰影部を形成する情報を示す図である。 陰影部の形状の一例を示すもので、図11(a)は陰影部と可変情報の全体図、図11(b)は部分拡大図である。 陰影部の形状の一例を示すもので、図12(a)は陰影部と可変情報の全体図、図12(b)は部分拡大図である。 陰影部の形状の一例を示すもので、図13(a)は陰影部と可変情報の全体図、図13(b)は部分拡大図である。 図14(a)から図14(i)は陰影部を形成する向きのバリエーションを示す図である。 図15(a)及び図15(c)は可変情報に対する陰影部のずれ量の変形例を示す図であり、図15(b)は図15(a)の部分拡大図、図15(d)は図15(c)の部分拡大図である。 図16(a)及び図16(c)は可変情報に対する陰影部の明度の変形例を示す図であり、図16(b)は図16(a)の部分拡大図、図16(d)は図16(c)の部分拡大図である。 図17(a)及び図17(c)は陰影部のぼかし量の変形例を示す図であり、図17(b)は図17(a)の部分拡大図、図17(d)は図17(c)の部分拡大図である。 図20(a)及び図20(c)は可変情報に対する陰影部の形状の変形例を示す図であり、図20(b)は図20(a)の部分拡大図、図20(d)は図20(c)の部分拡大図である。 陰影部の形状の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物用データの作成方法における可変情報印刷物のデータ階層構造を示す図である。 本発明の実施形態による可変情報印刷物用データを生成するための装置及びソフトウェアの構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態例にかかる可変情報印刷物用データの作成方法における可変情報印刷物のデータ階層構造を示す図である。 本発明の第3の実施の形態例にかかる可変情報印刷物用データの作成方法における可変情報印刷物のデータ階層構造を示す図である 本発明の第5の実施の形態例にかかる可変情報印刷物用データの作成方法における可変情報印刷物のデータ階層構造を示す図である 図25(a)から図25(e)は可変情報の一例を示す図である。 図26(a)から図26(g)は可変情報の一例を示す図である。 図27(a)から図27(c)は可変情報と陰影部の一例を示すもので、図27(a)は正体文字、図27(b)から図27(c)は斜体文字を示す図である。 本発明の可変情報印刷物における可変情報部6の並び方の変形例を示す図である。 図29(a)は本発明の第7の実施の形態例にかかる可変情報印刷物を示す図、図29(b)は本発明の第8の実施の形態例にかかる可変情報印刷物を示す図、図29(c)は本発明の第9の実施の形態例にかかる可変情報印刷物を示す図である。 図30(a)から図30(d)は模様の一例を示す図である。 図31(a)から図31(d)は模様の一例を示す図である。 従来の可変情報印刷物を示すもので、図32(a)は従来の可変情報印刷物の一例を示し、図32(b)は従来の可変情報印刷物の他の例を示している。
以下、実施の形態例にかかる可変情報印刷物及び可変情報印刷物用データの作成方法について、図1~図32を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.第1の実施の形態例
まず、第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかる可変情報印刷物の構成について、図1(a)から図1(c)を参照して説明する。
図1(a)は全体図、図1(b)は変形例を示す全体図である。図1(c)は第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物の一部を拡大して示す図である。
図1(a)及び図1(b)に示す本例の可変情報印刷物10は、例えば、銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、カード、通行券等に用いられる印刷物である。可変情報印刷物10は、複数枚印刷して多く流通するものであり、複数存在する印刷物は、いずれも貴重価値が等しい製品である。
図1(a)に示すように、可変情報印刷物10は、基材1と、基材1の少なくとも一部に形成される可変情報領域2を備えている。可変情報領域2には、所定の模様である模様5が印刷される。模様5は、可変情報領域2内に部分的に印刷される。そのため、可変情報領域2には、模様5が印刷された領域と、模様5が印刷されない領域が発生する。
可変情報領域2には、一つ、又は複数の可変情報からなる可変情報部6が形成されている。可変情報部6は、所有者の指名やロット番号等の印刷ごとに異なる情報からなり、例えば、数字の0、1、2、3、4、5、6、7、8、9の組み合わせで構成される。そして、作成方法において詳細は後述するが、可変情報部6の作成に用いるデータ(以下「可変情報データ」という。)は、例えば、基材1と同じ色の白塗りのデータである。また、可変情報データと模様5の作成に用いるデータ(以下「模様データ」という。)が重なり合う箇所では、模様データを可変情報データが隠蔽する。そのため、可変情報データと模様データが重なり合う箇所では、模様データが出力されず、基材1上に模様5は印刷されない。なお、本例では、可変情報データを基材1と同じ色の白塗りのデータにした例を説明したが、これに限定されるものではない。模様データ5に可変情報データ6を有する場合、基材1の色と異なる色データを適用するが、模様データ5に可変情報データ6を有しない場合、基材1の色と異なる色データを適用しても良い。
可変情報部6の周囲には、陰影部7、すなわちドロップシャドウが形成されている。陰影部7は、予め設定した角度、位置に基づいて、可変情報部6からずれた箇所に形成されている。陰影部7は、可変情報部6に隣接して配置される。本例の陰影部7は、可変情報部6と同じ形状の記号で形成される。また、陰影部7の作成に用いるデータ(以下「陰影データ」という。)は、可変情報データとは異なる色のデータで構成されている。以下、図面における番号は同一ではあるが、可変情報印刷物を説明する際には、「可変情報領域2」、「模様5」、「可変情報部6」及び「陰影部7」とし、可変情報印刷物を作成するためのデータを説明する際には、「可変情報領域データ2」、「模様データ5」、「可変情報データ6」及び「陰影データ7」とする。
陰影部7は、可変情報部6の周囲から基材1や模様5上に可変情報部6の影が落ちたような演出を表現する。陰影部7を設けることで、可変情報部6を立体的に視認させることができ、可変情報印刷物100の意匠性を向上させることができる。
また、図1(c)に示すように、模様5が印刷されていない箇所の可変情報部6を、陰影部7によって立体的に視認させることができ、可変情報部6の視認性を向上させることができる。
また、図1(b)に示す変形例にかかる可変情報印刷物10Aは、図1(a)に示す可変情報印刷物10と同様に、基材1と、基材1の少なくとも一部に形成される可変情報領域2を備えている。可変情報領域2の全体には、白彩紋からなる模様5Aが形成されている。
図1(b)に示す変形例にかかる可変情報印刷物10Aにおいても、可変情報部6の周囲に陰影部7を設けることで、可変情報部6の視認性を高めることができる。なお、陰影部7の色や明度は、模様5Aとは異なる色や明度に設定することが好ましい。これにより、陰影部7と模様5Aが隣接しても、陰影部7の視認性の悪化を抑制することができる。
なお、陰影部7は、所定の形状、可変情報部6に対する位置、角度で形成されている。そのため、この陰影部7を形成する情報が分からない場合、正確に陰影部7を形成することが困難なものとなる。その結果、可変情報印刷物10の偽造防止効果を高めることができる。
2.第2の実施の形態例
次に、第2の実施の形態例にかかる可変情報印刷物の構成について、図2(a)及び図2(b)を参照して説明する。
図2(a)は全体図、図2(b)は一部を拡大して示す図である。
この第2の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Bが第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10と異なる点は、陰影部の構成である。そのため、ここでは、陰影部について説明し、第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図2(a)に示すように、可変情報印刷物10Bは、基材1の少なくとも一部に、可変情報部6と模様5が印刷される可変情報領域2を備えている。また、可変情報部6の周囲には、陰影部7Bが形成されている。
図2(a)及び図2(b)に示すように、陰影部7Bは、可変情報部6の周囲を囲むように形成されたぼかしとして構成されている。陰影部7Bのぼかし量は、予め設定されている。この第2の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Bによれば、陰影部7Bを形成する情報が分からなければ、ぼかし量を正確に再現することが困難となり、偽造防止効果をより高めることができる。
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる可変情報印刷物10と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する可変情報印刷物10Bによっても、上述した第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10と同様の作用効果を得ることができる。
3.第3の実施の形態例
次に、第3の実施の形態例にかかる可変情報印刷物の構成について、図3(a)及び図3(b)を参照して説明する。
図3(a)は全体図、図3(b)は一部を拡大して示す図である。
この第3の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Cが第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10と異なる点は、可変情報部6に輪郭を設けたものである。そのため、ここでは、輪郭について説明し、第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図3(a)に示すように、可変情報印刷物10Cは、基材1の少なくとも一部に、可変情報部6と模様5を有する可変情報領域2とを備えている。また、可変情報部6の周囲には、陰影部7が形成されている。
図3(a)及び図3(b)に示すように、可変情報部6の周囲には、可変情報部6と同一形状、かつ、可変情報部6より大きい輪郭可変情報部9が形成されている。輪郭可変情報部9は、可変情報部6の輪郭に沿って配置される。輪郭可変情報部9の作成に用いるデータ(以下「輪郭可変情報データ」という。)は、可変情報データ6とは異なる色のデータ形成されている。図3では一例として黒塗りのデータで形成されているが、データの色は異なる色であれば限定はない。以下、図面における番号は同一ではあるが、可変情報印刷物を説明する際には、「輪郭可変情報部9」とし、可変情報印刷物を作成するためのデータを説明する際には、「輪郭可変情報データ9」とする。
可変情報部6と模様5が隙間なく隣接して配置される場合、可変情報部6の視認性が悪化する場合がある。例えば、可変情報部6と模様5がいずれも淡い色や、同系色であった場合、可変情報部6と模様5の境界が不明確となり可変情報部6の視認性が低下する。これに対して、図3(b)に示すように、可変情報部6の輪郭に沿って輪郭可変情報部9を設けることで、可変情報部6と模様5との間に輪郭可変情報部9からなる一つの線を設けることができる。これにより、可変情報部6と模様5との境界を明確にすることができ、可変情報部6の視認性を向上させることができる。
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる可変情報印刷物10と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する可変情報印刷物10Cによっても、上述した第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10と同様の作用効果を得ることができる。
4.第4の実施の形態例
次に、第4の実施の形態例にかかる可変情報印刷物の構成について、図4(a)及び図4(b)を参照して説明する。
図4(a)は全体図、図4(b)は一部を拡大して示す図である。
この第4の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Dは、第3の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Cに対して、可変情報部6と輪郭可変情報部9の色を反転させたものである。そのため、ここでは、可変情報部6及び輪郭可変情報部9について説明し、第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10及び第3の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Cと共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図4(a)に示すように、可変情報印刷物10Dは、基材1の少なくとも一部に、可変情報部6Dと模様5が印刷される可変情報領域2と、を備えている。また、可変情報部6Dの周囲には、陰影部7が形成されている。
図4(a)及び図4(b)に示すように、可変情報部6Dの周囲には、可変情報部6Dと同一情報からなる輪郭可変情報部9Dが形成されている。輪郭可変情報部9Dは、可変情報部6Dと陰影部7との間に形成される。ここで、可変情報データ6Dは、黒塗りのデータで構成されており、輪郭可変情報データ9Dは、可変情報データ6Dとは異なる色である白塗りのデータで構成されている。輪郭可変情報データ9Dとしては、基材1の色と同じ色のデータが用いているが、輪郭可変情報データ9Dは、基材1の色と異なる色でも良い。
第4の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Dにおいても、可変情報部6Dと模様5との間に輪郭可変情報部9Dからなる一つの線を設けることで、可変情報部6Dと模様5との境界を明確にすることができる。これにより、可変情報部6Dの視認性を向上させることができる。さらに、可変情報部6Dと陰影部7との境界も輪郭可変情報部9Dにより明確にすることができ、可変情報部6Dの視認性を向上させることができる。
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる可変情報印刷物10と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する可変情報印刷物10Dによっても、上述した第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10及び第3の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Cと同様の作用効果を得ることができる。
5.第5の実施の形態例
次に、第5の実施の形態例にかかる可変情報印刷物の構成について、図5(a)及び図5(b)を参照して説明する。
図5(a)は全体図、図5(b)は一部を拡大して示す図である。
この第5の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Eは、第2の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Bに対して、輪郭可変情報部9を設けたものである。そのため、ここでは、可変情報部6及び輪郭可変情報部9について説明し、第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10及び第2の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Bと共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図5(a)に示すように、可変情報印刷物10Eは、基材1の少なくとも一部に、可変情報部6Eと模様5が印刷される可変情報領域2とを備えている。また、可変情報部6Eの周囲には、ぼかしからなる陰影部7Eが形成されている。
図5(a)及び図5(b)に示すように、可変情報部6Eの周囲には、可変情報部6Eと同一形状かつ可変情報部6Eより大きい輪郭可変情報部9Eが形成されている。輪郭可変情報部9Eは、可変情報部6Eと陰影部7Eとの間に形成される。ここで、輪郭可変情報データ9Eは、可変情報データ6Eとは異なる色である黒塗りのデータで構成されている。
これにより、第5の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Eによれば、可変情報部6Eとぼかしからなる陰影部7Eとの境界を輪郭可変情報部9Eで明確にすることができる。その結果、可変情報部6Eの視認性をより高めることができる。
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる可変情報印刷物10と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する可変情報印刷物10Eによっても、上述した第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10及び第2の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Bと同様の作用効果を得ることができる。
6.第6の実施の形態例
次に、第6の実施の形態例にかかる可変情報印刷物の構成について、図6(a)及び図6(b)を参照して説明する。
図6(a)は全体図、図6(b)は一部を拡大して示す図である。
この第6の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Fは、第5の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Eに対して、可変情報部6と輪郭可変情報部9の色を反転させたものである。そのため、ここでは、可変情報部6F及び輪郭可変情報部9について説明し、第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10及び第5の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Eと共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図6(a)に示すように、可変情報印刷物10Fは、基材1の少なくとも一部に、可変情報部6Fと模様5が印刷される可変情報領域2とを備えている。ここで、可変情報データ6Fは、黒塗りのデータにより構成されている。可変情報部6Fの周囲には、ぼかしからなる陰影部7Fが形成されている。
図6(a)及び図6(b)に示すように、可変情報部6Fの周囲には、可変情報部6Fと同一情報かつ可変情報部6Fより大きい輪郭可変情報部9Fが形成されている。輪郭可変情報部9Fは、可変情報部6Fと陰影部7Fとの間に形成される。ここで、可変情報データ6Fは、黒塗りのデータで構成されており、輪郭可変情報データ9Fは、可変情報データ6Fとは異なる色である白塗りのデータで構成されている。なお、輪郭可変情報データ9Fとしては、基材1の色と同じ色のデータが用いられる。
第6の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Fにおいても、可変情報部6Fと模様5との間と、可変情報部6Fと陰影部7Fとの間に輪郭可変情報部9Fからなる一つの線を設けることで、可変情報部6Fと模様5との境界だけでなく、可変情報部6Fと陰影部7Fとの境界も明確にすることができる。
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる可変情報印刷物10と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する可変情報印刷物10Fによっても、上述した第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10及び第5の実施の形態例にかかる可変情報印刷物10Eと同様の作用効果を得ることができる。
また、前述した第1から第6の実施の形態例において、可変情報部6、陰影部7及び輪郭可変情報部9を黒色又は白色として図示及び説明をしたが、黒色又は白色に限定されず適宜選択することが可能であり、さらには、模様5の色により、可変情報部6、陰影部7及び輪郭可変情報部9って変化する。例えば、基材1が赤色、模様5が青色、可変情報部6が黄色、陰影部7が黒色、輪郭可変情報部9が白色とした場合、得られた可変情報印刷物10は、それぞれが基材1の赤色と混ざった色として視認される。具体的には、模様5が紫色、可変情報部がオレンジ色、陰影部が黒色、輪郭可変情報部がピンク色として視認される。
7.輪郭可変情報部
7-1.形状
次に、可変情報部6と輪郭可変情報部9の形状について図7(a)から図7(f)を参照して説明する。
図7(a)、(b)は輪郭可変情報部9の一例を示す図である。図7(c)、(d)は輪郭可変情報部9の他の例を示す図である。また、図7(e)、(f)は輪郭可変情報部9のさらに他の例を示す図である。また、図7(b)は図7(a)の部分拡大図、図7(d)は図7(c)の部分拡大図、図7(f)は図7(e)の部分拡大図である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、輪郭可変情報部9の形状は、可変情報部6の形状と同一の形状に形成されている。すなわち、可変情報部6の角部は、直角に形成されている。そして、輪郭可変情報部9の角部は、可変情報部6と同様に直角に形成されている。
本発明における、輪郭可変情報部9の形状と可変情報部6と同一の形状とは、図7(a)に限定されるものではない。例えば、図7(c)及び図7(d)に示す変形例では、可変情報部6の角部が直角であるのに対して、輪郭可変情報部9Gの角部は、丸まっている。さらに、図7(e)及び図7(f)に示すさらに別の変形例では、可変情報部6の角部が直角であるのに対して、輪郭可変情報部9Hの角部は、傾斜状の面取りが施されている。または、輪郭可変情報部9の角部を直角に形成し、可変情報部6の角部を丸めたり、傾斜状の面取りを施したりしてもよい。このように、可変情報部6から、輪郭可変情報部9と模様5の境界が略同じ距離となる形状についても、本発明においては、輪郭可変情報部9と可変情報部6が同一形状という。
なお、本発明においては、陰影部7を有することを必須とするが、陰影部7を有しない構成である、特許文献1の技術においても、輪郭可変情報部9の形状と可変情報部6を同一の形状とする場合、可変情報部6から、輪郭可変情報部9と模様5の境界が略同じ距離となる形状とすることが可能である。
7-2.線太さ
次に、輪郭可変情報部9の線の太さの違いについて図8(a)及び図8(b)を参照して説明する。
図8(a)は、輪郭可変情報部9の一例を示す図、図8(b)は輪郭可変情報部9の他の例を示す図である。なお、図8(a)及び図8(b)に示す例では、可変情報データ6を黒塗りのデータで示し、輪郭可変情報データ9を白塗りのデータで示す。
図8(a)に示すように、可変情報部6が例えば、中空の四角形上の場合、白線で示す輪郭可変情報部9は、可変情報部6の外側と内側に形成される。また、図8(a)に示すように、輪郭可変情報部9の内側には、模様5が印刷される。
図8(b)に示す例の輪郭可変情報部9Jは、図8(a)に示す輪郭可変情報部9よりも太く形成されている。なお、可変情報部6の形状は、図8(a)に示す可変情報部6と同一の形状である。輪郭可変情報部9Jが太く形成された場合、図8(b)に示すように、輪郭可変情報部9Jの内側の模様5は、輪郭可変情報部9Jにより隠蔽され、印刷されない。なお、点線Tで示すように、輪郭可変情報部9Jの内側には、模様5が印刷される。
7-3.位置
次に、輪郭可変情報部9を配置する位置の違いについて図9(a)から図9(f)を参照して説明する。なお、図9(a)から図9(f)に示す例では、可変情報データ6を黒塗りのデータで示し、輪郭可変情報データ9を白塗りのデータで示す。
図9(a)に示すように、輪郭可変情報部9の画線幅(W)の中心線(U)が例えば、中央に配置される場合、図9(c)に示すように、輪郭可変情報部9の画線幅(W)の中心線(U)が例えば、内側に配置される場合、図9(e)に示すように、輪郭可変情報部9の画線幅(W)の中心線(U)が例えば、外側に配置される場合、いずれの場合でも、得られる印刷物は、図9(b)に示す、図9(a)の中心線(U)が中央に配置される場合、図9(d)に示す、図9(c)の中心線(U)が内側に配置される場合、図9(f)に示す、図9(e)の中心線(U)が外側に配置される場合でも同じであり、特に限定されるものではない。しかしながら、図9(a)に示す中心線(U)が中央に配置される場合と、図9(d)に示す中心線(U)が内側に配置される場合、輪郭可変情報部9の画線幅(W)が広くなることで、可変情報部6が一部消失する可能性があることから、可変情報部6の視認性に影響がないように適宜配置する必要がある。また、図9(e)に示す中心線(U)が外側に配置される場合は、輪郭可変情報部9の画線幅(W)が広くなることで、内側の輪郭可変情報部9内の模様5が一部消失する可能性があることから、模様5の視認性に影響がないように適宜配置する必要がある。
8.陰影部
8-1.陰影部の形成方法
次に、図10を参照して陰影部7の形成方法について説明する。
図10に示す例では、可変情報部6として数字の「1」を示している。可変情報部6の左右方向の線の長さはAに設定され、上下方向の線の長さはBに設定されている。そして、可変情報部6における左右方向の線と上下方向の線で形成される角度は、θ1に設定される。これに対して、陰影部7の左右方向の長さはCに設定され、上下方向の線の長さはDに設定されている。そして、陰影部7における左右方向の線と上下方向の線で形成される角度は、θ2に設定される。また、可変情報部6と陰影部7の左右方向のずれ量は、aに設定され、可変情報部6と陰影部7の上下方向のずれ量は、bに設定される。
また、陰影部7を設ける位置を決める際に、上述した左右方向のずれ量aや上下方向のずれ量bを任意に設定する。さらに、陰影部7の左右方向の長さCは、可変情報部6の左右方向の長さAと同一又は異なる長さに設定してもよく、同様に、陰影部7の上下方向の長さDも、可変情報部6の左右方向の長さBと同一又は異なる長さに設定してもよい。そして、可変情報部6の角度θ1と、陰影部7の角度θ2は、同じ角度又は異なる角度に設定してもよい。
このように、陰影部7を形成するに当たっては、可変情報部6に対するずれ量a、bや角度θ2、線の長さC、D等の複数の情報が必要になるため、これらの情報を知らない第三者は、正確に陰影部7を形成することができない。これにより、可変情報印刷物10の偽造の防止効果を高めることできる。さらに、陰影部7を形成する情報は、真贋判定に用いることもできる。
8-2.陰影部の形状
次に、陰影部の形状について図11から図13を参照して説明する。
図11(a)は、陰影部と可変情報部6を示す全体図、図11(b)は図11(a)の部分拡大図である。
図11(a)及び図11(b)に示す例では、陰影部7の形状は、可変情報部6と同一の形状に形成されている。すなわち、図11(b)に示すように、可変情報部6の角部と陰影部7の角部は、同一の形状に形成されている。なお、陰影部は、可変情報部6と同一の形状に限定されるものではない。
図12(a)は、陰影部7Gと可変情報部6を示す全体図、図12(b)は図12(a)の部分拡大図である。
図12(a)及び図12(b)に示す陰影部7Gは、可変情報部6と異なる形状に形成されている。すなわち、図12(b)に示すように、可変情報部6の角部は、直角に形成されているのに対して、陰影部7Gの角部は、丸められている。なお、前述した輪郭可変情報部9については、可変情報部6から、輪郭可変情報部9と模様5の境界が略同じ距離となる形状であることから、輪郭可変情報部9と可変情報部6が同一形状としていたが、陰影部7においては、同一形状に限定されるものではないことから、以下説明する。
図13(a)は、陰影部7Hと可変情報部6を示す全体図、図13(b)は図13(a)の部分拡大図である。
図13(a)及び図13(b)に示す陰影部7Hは、可変情報部6と異なる形状に形成されている。すなわち、図13(b)に示すように、可変情報部6の角部は、直角に形成されているのに対して、陰影部7Hの角部は、傾斜状に面取りが施されている。
このように、陰影部7G、7Hの形状を可変情報部6とは異なる形状にすることで、改ざんや偽造をすることが困難となる。また、可変情報部6の角部を丸めたり、傾斜状に面取りを施したりし、陰影部7の角部を直角に形成してもよい。
8-3.陰影部を形成する向き
次に、図14を参照して陰影部7を形成する向きについて説明する。
図14(a)から図14(i)は、陰影部7を形成する向きのバリエーションを示す図である。
図14(a)は、陰影部7が可変情報部6の左斜め上に形成され、図14(b)は、陰影部7が可変情報部6の上方に形成され、図14(c)は、陰影部7が可変情報部6の右斜め上に形成されている。また、図14(d)は、陰影部7が可変情報部6の左側に形成され、図14(f)は、陰影部7が可変情報部6の右側に形成されている。そして、図14(g)は、陰影部7が可変情報部6の左斜め下に形成され、図14(h)は、陰影部7が可変情報部6の下方に形成され、図14(i)は、陰影部7が可変情報部6の右斜め下に形成されている。図14(e)は、陰影部7と可変情報部6が完全に重なり合っている例を示す。
このように、陰影部7を形成する向きは、可変情報部6に対して様々な向きに形成してもよい。その結果、この陰影部7を形成する向きも考慮する必要があるため、改ざんや偽造をすることがより困難となる。
8-4.陰影部のずれ量
次に、図15を参照して陰影部7の可変情報部6に対するずれ量の違いについて説明する。
図15(a)及び図15(c)は可変情報部6に対する陰影部7のずれ量の変形例を示す図であり、図15(b)は図15(a)の部分拡大図、図15(d)は図15(c)の部分拡大図である。
上述した図10に示すように、陰影部7は、可変情報部6に対して左右方向及び上下方向に対して所定のずれ量a、bによってずらして形成される。図15(a)及び図15(b)に示す例は、ずれ量a、bが比較的小さい値に設定されており、図15(c)及び図15(d)に示す例は、ずれ量a、bが比較的大きい値に設定されている。このように、ずれ量a、bの値を変化させることで、図15(a)から図15(d)に示すように、可変情報部6の見え方を変えることができる。
8-5.陰影部の明度
次に、図16を参照して陰影部7の明度の違いについて説明する。
図16(a)及び図16(c)は可変情報部6に対する陰影部の明度の変形例を示す図であり、図16(b)は図16(a)の部分拡大図、図16(d)は図16(c)の部分拡大図である。
図16(d)に示す陰影部7Jは、図16(a)に示す陰影部7よりも明度が薄く設定されている。このように、陰影部7Jは、図10に示す可変情報部6に対するずれ量a、bや角度θ2、線の長さC、Dだけでなく、明度も種々に変更してもよい。これにより、正確な陰影部7Jを形成するために、明度の情報も必要となるため、偽造の防止効果を高めることができる。
8-6.ぼかし量
次に、図17を参照して陰影部7のぼかし量の違いについて説明する。
図17(a)及び図17(c)は陰影部7のぼかし量の変形例を示す図であり、図17(b)は図17(a)の部分拡大図、図17(d)は図17(c)の部分拡大図である。
図17(a)及び図17(b)に示す陰影部7Kのぼかし量は、図17(c)及び図17(d)に示す陰影部7Lのぼかし量よりも多く設定されている。このように、ぼかし量を変化させることで、可変情報部6や陰影部7K、7Lの見え方に違いを設けることができる。そして、陰影部7をぼかす際、陰影部7のぼかし量は、所定の量に設定される。これにより、陰影部7を形成するためには、ほかし量に関する情報も必要となるため、偽造の防止効果を高めることができる。
8-7.陰影部の他の形状
次に、図18を参照して陰影部7の他の形状の違いについて説明する。
図18(a)及び図18(c)は可変情報部6に対する陰影部7の形状の変形例を示す図であり、図18(b)は図18(a)の部分拡大図、図18(d)は図18(c)の部分拡大図である。
図18(a)及び図18(b)に示す陰影部7の角部は、可変情報部6の角部と接続されていない。そのため、図18(a)及び図18(b)に示す陰影部7によれば、可変情報部6を模様5から浮き上がったように表現することができる。
これに対して、図18(c)及び図18(d)に示す陰影部7Mの角部は、可変情報部6の角部と接続されている。そのため、図18(c)及び図18(d)に示す陰影部7Mによれば、可変情報部6をより立体的に表現することができる。このように、陰影部7の形状は、角部の形状だけでなく、可変情報部6の角部と接続したり、可変情報部6の角部から離して形成したりと、様々に形成することができる。
8-8.陰影部の他の例
次に、図19を参照して陰影部7の他の例について説明する。
図19は、陰影部7の形状の一例を示す図である。
上述した例では、可変情報部6に対して陰影部7を一つだけ設ける例を説明したが、これに限定されるものでない。例えば、図19に示すように、可変情報部6に対して右側と左側に2つの陰影部7Nを設けてもよい。そして、陰影部7Nを設ける角度は、右側と左側で同じ角度でもよく、あるいは異なる角度にしてもよい。このように、複数の陰影部7Nを設けることで、可変情報部6をより立体的に視認させることができる。さらに、複数の陰影部7Nに関する情報がそれぞれ必要となるため、偽造の防止効果を高めることができる。
9.第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物用データの作成方法
次に、第1の実施の形態例にかかる可変情報印刷物用データの作成方法について図20を参照して説明する。
図20は、図1(a)に示す可変情報印刷物10のデータ階層構造を示す図である。
図20(a1)に示すデータは、最上位の階層データである。図20(a1)に示す最上位の階層データには、可変情報領域2を示すデータである可変情報領域データ2内に設けられた、可変情報部6を示すデータである可変情報データ6が設けられている。可変情報データ6は、0から9までの記番号を示す可変情報を有する。この可変情報データ6は、可変情報印刷物10ごとに異なる数字の組み合わせが割り当てられる。そして、可変情報データ6は、基材1と同じ色のデータである白塗りのデータで構成される。
図20(a2)に示すデータは、中位の階層データであり、陰影部7を示すデータである陰影データ7が設けられている。この陰影データ7は、最上位の階層データにおける可変情報データ6から所定の距離、角度だけずれた位置に配置される。また、陰影データ7は、可変情報データ6と同一の数字の組み合わせが割り当てられる。なお、陰影データ7は、可変情報データ6の色データとは異なる黒塗りのデータで構成される。
図20(a3)に示すデータは、最下位の階層データであり、模様5を示すデータである模様データ5である。模様データ5は、可変情報領域2の所定の位置に形成される。そして、模様データ5は、可変情報データ6や基材1とは異なる色のデータである黒塗りのデータで構成される。
図21に、本発明の実施形態による可変情報印刷物用データを生成するための装置及びソフトウェアの構成を示す。
この装置は、記憶部M1と処理部M2を備え、処理部M2には、データ入力機能M3、演算処理機能M4、データ出力機能M5を持つソフトウェアを備える。なお、記憶部M1はコンピュータにおけるハードディスクドライブ又はRAM、処理部M2はコンピュータにおけるCPUに相当する。
記憶部M1は、可変情報印刷物用データの作成に必要な模様データ5や陰影データ7の基データとなる画像データや、可変情報印刷物用データの作成に必要なデータベース形式ファイル等(以下「データベース」と称する。)も格納する。このデータベースには、例えば可変情報印刷物の所有者となる各個人を示す氏名、性別、年齢等の情報が記録されている。
データ入力機能M3は、記憶部M1に格納された画像データ、データベース、後述の設定データを入力する。
演算処理機能M4は、可変情報領域データ2に含まれる画像及び文字である模様データ5、可変情報データ6、陰影データ7を、データベースに記録された情報に応じて、異なる画像及び文字を置換する。また、その一方で、可変情報印刷物用データを生成する。
データ出力機能M5は、演算処理機能M4が生成した可変情報印刷物用データを、記憶部M1へ格納する。
可変情報印刷物用データの作成方法では、まず図20(a1)から図20(a3)に示す最下位階層データである模様データ5と、中位階層データである陰影データ7及び最上位階層データである可変情報データ6を作成する又はあらかじめ登録したデータベースから取り込む工程を行う。
次に、可変情報領域データ2のレイアウトを作成し、レイアウトを基準に、可変情報印刷物ごとに異なる情報に基づいて可変情報データを作成する工程を行う。
可変情報印刷ソフトウェアで可変情報印刷物用データを作成する場合、可変情報印刷ソフトウェアは、一般では、バリアブル印刷ソフトウェアということが多く、可変情報印刷を行う場合に使用し、可変情報印刷の一例では、年賀葉書の裏面に干支等の絵柄を印刷し、表面には可変情報の住所と氏名等を印刷する年賀印刷ソフトウェア等がある。レイアウトデータは、模様データ5を有した可変情報領域データ2を備え、模様データ5の一部に、印刷ごとに異なる情報を有する可変情報データ6を有し、可変情報データ6の中は模様データ5を有していないデータである。レイアウトデータを作成する際は、模様データ5が印刷ごとに異ならない情報を有する固定情報又は印刷ごとに異なる情報を有する可変情報部から構成されるデータであるか等、最終的な可変情報印刷物を想定してデータの階層構造の上下関係及びデータの形状を考慮し、レイアウトデータを作成する必要がある。
可変情報印刷ソフトウェアで作成されたレイアウトデータを基準に、可変情報印刷ソフトウェアの命令により、可変情報印刷ソフトウェアにデータベースを取り込み、そのデータベースに基づいて可変情報印刷ソフトウェアの命令で、画像処理ソフトウェア上で可変情報データ6を作成し、可変情報印刷ソフトウェアの命令で、先に作成した可変情報データのデータを可変情報印刷ソフトウェアに取り込み、レイアウトデータを基準に取り込みデータを置換しながら配置する。
例えば、データベースが可変情報印刷物の管理番号である複数の5桁の数字を格納している場合、まず、可変情報印刷ソフトウェアの命令により、可変情報印刷ソフトウェアにデータベースを取り込み、そのデータベースに基づいて可変情報印刷ソフトウェアの命令で、画像処理ソフトウェア上で可変情報データとして管理番号「00001」を作成し、可変情報印刷ソフトウェアの命令で、先に作成した可変情報データ6のデータを可変情報印刷ソフトウェアに取り込み、レイアウトデータを基準に取り込みデータを次の管理番号「00002」と通し番号順に置換しながら配置する。この工程を繰り返すことで、可変情報データ6を複数作成し、配置することができる。
なお、本発明においては、模様データ5においてもレイアウトデータを基準に複数作成することが可能である。
例えば、データベースが可変情報印刷物の保有者の性別に合わせて2つの背景模様(女性は格子模様、男性は縞模様)を格納している場合、可変情報印刷ソフトウェアで作成されたレイアウトデータを基準に、可変情報印刷ソフトウェアの命令により、可変情報印刷ソフトウェアにデータベースを取り込み、そのデータベースに基づいて保有者が男性の場合、可変情報印刷ソフトウェアの命令で、画像処理ソフトウェア上で模様データ5として「縞模様」を作成し、次の保有者が女性の場合、可変情報印刷ソフトウェアの命令で、先に作成した模様データ5を可変情報印刷ソフトウェアに取り込み、レイアウトデータを基準に取り込みデータを女性の模様データ5「格子模様」に置換しながら配置する。この工程を繰り返すことで、模様データ5を複数作成し、配置することができる。
最後に、模様データ5、可変情報データ6及び陰影データ7を重ねて配置し、模様データ5、可変情報データ6及び陰影データ6の重複部分を統合し、模様データ5と可変情報データ6の重複部分は、模様データ5を削除し、模様データ5と陰影データ7の重複部分は、模様データ5を削除することで、可変情報データ6及び陰影データ7に模様データ5を削除した可変情報領域データを生成する工程を行う。
図20(a1)から図20(a3)に示すデータを重ね合わせることで、模様データ5を示す最下位階層データの上に陰影データ7を示す中位階層データと、可変情報データ6を示す最上位階層データが配置される。また、陰影データ7を示す中位階層データの上には、可変情報データ6を示す最上位階層データが配置される。上述したように、可変情報データ6を示す最上位階層データは、基材1と同じ色データからなる白塗りのデータであるため、陰影データ7及び模様データ5の一部は、可変情報データ6を示す最上位階層データで隠蔽される。
図20(a1)から図20(a3)までの階層データを統合することで、印刷用の最終データである可変情報印刷物用データが作成される。これより、模様データ5と可変情報データ6の重複部分及び可変情報データ6と陰影データ7の重複部分には、可変情報データ6が印刷されるデータが作成される。そして、模様データ5と可変情報データ6の重複部分における模様データ5は、削除される。さらに、陰影データ7と可変情報データ6の重複部分における陰影データ7は、削除される。そのため、可変情報データ6が印刷される数字の中には、模様データ5及び陰影データ7が印刷されないデータが作成される。上述した工程を行うことで、可変情報印刷物用データを作成することができる。
10.第2の実施の形態例にかかる可変情報印刷物用データの作成方法
次に、第2の実施の形態例にかかる可変情報印刷物用データの作成方法について図22を参照して説明する。
図22は、図2(a)に示す可変情報印刷物10Bのデータ階層構造を示す図である。
図22(a1)に示すデータは、最上位の階層データである。図22(a1)に示す最上位の階層データには、可変情報領域2を示すデータである可変情報領域データ2内に設けられた、可変情報部6を示すデータである可変情報データ6が設けられている。可変情報データ6は、0から9までの記番号を示す可変情報を有する。この可変情報データ6は、可変情報印刷物10ごとに異なる数字の組み合わせが割り当てられる。そして、可変情報データ6は、基材1と同じ色のデータである白塗りのデータで構成される。
図22(a2)に示すデータは、中位の階層データであり、陰影部7を示すデータである陰影データ7が設けられている。陰影部7Bは、可変情報部6の周囲を囲むように形成されたぼかしデータとして構成されている。このぼかしデータとは、可変情報データ6の0から9までの記番号を示す可変情報を元に階調を個々(0から9までの記番号)に付与したものである。言い換えれば、陰影データ7に階調(中央側100%から外側0%)を付与したとも言える。この陰影データ7は、最上位の階層データにおける可変情報データ6から所定の距離、角度だけずれた位置に配置される。また、陰影データ7は、可変情報データ6と同一の数字の組み合わせが割り当てられる。なお、陰影データ7Bは、可変情報データ6の色データとは異なる黒ぼかしのデータで構成される。
図22(a3)に示すデータは、最下位の階層データであり、模様5を示すデータである模様データ5である。模様データ5は、可変情報領域2の所定の位置に形成される。そして、模様データ5は、可変情報データ6や基材1とは異なる色のデータである黒塗りのデータで構成される。
可変情報印刷物用データの作成方法では、まず図22(a1)から図22(a3)に示す最下位階層データ、中位階層データ及び最上位階層データを作成する。次に、図22(a1)から図22(a3)に示すデータを重ね合わせることで、模様データ5を示す最下位階層データの上に陰影データ7を示す中位階層データと、可変情報データ6を示す最上位階層データが配置される。また、陰影データ7を示す中位階層データの上には、可変情報データ6を示す最上位階層データが配置される。上述したように、可変情報データ6を示す最上位階層データは、基材1と同じ色データからなる白塗りのデータであるため、陰影データ7及び模様データ5の一部は、可変情報データ6を示す最上位階層データで隠蔽される。
図22(a1)から図22(a3)までの階層データを統合することで、印刷用の最終データである可変情報印刷物用データが作成される。これより、模様データ5と可変情報データ6の重複部分及び可変情報データ6と陰影データ7の重複部分には、可変情報データ6が印刷されるデータが作成される。
模様データ5と陰影データ7の重複部分は、模様データ5の濃度と陰影データの黄土が乗算されることになる。陰影データ7は、階調が付与されているので、階調と同じ濃淡で模様データ5に濃度が乗算される。陰影データ7におけるぼかしが濃い(濃度が高い)方が模様データ5の濃度も濃くなり、陰影データ7におけるぼかしが薄い(濃度が低い)方が模様データの5の濃度も薄くなる。黒ぼかしでない陰影データ7よりも黒ぼかしの方である陰影データ7の方が陰影データ7に関する情報がそれぞれ必要となるため、偽造の防止効果を高めることができる。上述した工程を行うことで、可変情報印刷物用データを作成することができる。
11.第3の実施の形態例にかかる可変情報印刷物用データの作成方法
次に、第3の実施の形態例にかかる可変情報印刷物用データの作成方法について図23を参照して説明する。
図23は、図3(a)に示す可変情報印刷物10Cのデータ階層構造を示す図である。
図23(a1)に示すデータは、最上位の階層データである。図23(a1)に示す最上位の階層データには、可変情報領域データ2内に設けられた可変情報データ6が設けられている。可変情報データ6は、0から9までの記番号を示す可変情報を有する。この可変情報データ6には、可変情報印刷物10ごとに異なる数字の組み合わせが割り当てられる。そして、可変情報データ6は、基材1と同じ色のデータである白塗りのデータで構成される。
図23(a2)に示すデータは、第1の中位階層データである。図23(a2)に示す第1の中位階層データには、可変情報領域データ2内に形成される輪郭可変情報データ9が設けられる。輪郭可変情報データ9には、可変情報データ6と同一の情報、すなわち可変情報データ6と同一の数字の組み合わせが割り当てられる。そして、輪郭可変情報データ9は、可変情報データ6と同一又は異なる形状の黒線データである。また、輪郭可変情報データ9は、可変情報データ6の大きさよりも大きいデータである。
図23(a3)に示すデータは、第2の中位階層データであり、陰影データ7である。この陰影データ7は、最上位の階層データにおける可変情報データ6と同じ位置に配置される。また、陰影データ7には、可変情報データ6と同一の数字の組み合わせが割り当てられる。なお、陰影データ7は、可変情報データ6の色データとは異なる黒塗りのデータで構成される。また、陰影部7は、可変情報部6から所定の距離、角度だけずれた位置に配置される。
図23(a4)に示すデータは、最下位の階層データであり、模様データ5である。模様データ5は、可変情報領域データ2の所定の位置に形成される。そして、模様データ5は、可変情報データ6や基材1とは異なる色のデータである黒塗りのデータで構成される。
図23(a1)から図23(a4)に示すデータを重ね合わせることで、模様データ5を示す最下位階層データの上に陰影データ7を示す第2の中位階層データと、輪郭可変情報データ9を示す第1の中位階層データと、可変情報データ6を示す最上位階層データが配置される。また、陰影データ7を示す第2の中位階層データの上には、輪郭可変情報データ9を示す第1の中位階層データと、可変情報データ6を示す最上位階層データが配置される。上述したように、可変情報データ6を示す最上位階層データは、基材1と同じ色データからなる白塗りのデータであり、輪郭可変情報データ9を示す第1の中位階層データは、黒線のデータである。そのため、陰影データ7及び模様データ5の一部は、可変情報データ6を示す白塗りの最上位階層データと、輪郭可変情報データ9を示す黒線のデータで隠蔽される。
図23(a1)から図23(a4)までの階層データを統合することで、印刷用の最終データである可変情報印刷物用データが作成される。これより、模様データ5と可変情報データ6の重複部分及び可変情報データ6と陰影データ7の重複部分には、可変情報データ6が印刷されるデータが作成される。また、模様データ5と輪郭可変情報データ9の重複部分及び輪郭可変情報データ9と陰影データ7の重複部分には、輪郭可変情報データ9が印刷されるデータが作成される。そして、可変情報データ6が印刷される数字の中と、可変情報データ6の輪郭に沿って形成される輪郭可変情報データ9の中には、模様データ5及び陰影データ7が印刷されないデータが作成される。
12.第5の実施の形態例にかかる可変情報印刷物用データの作成方法
次に、第5の実施の形態例にかかる可変情報印刷物用データの作成方法について図24を参照して説明する。
図24は、図5(a)に示す可変情報印刷物10Eのデータ階層構造を示す図である。
図24(a1)に示すデータは、最上位の階層データである。図24(a1)に示す最上位の階層データには、可変情報領域データ2内に設けられた可変情報データ6が設けられている。可変情報データ6は、0から9までの記番号を示す可変情報を有する。この可変情報データ6には、可変情報印刷物10Eごとに異なる数字の組み合わせが割り当てられる。そして、可変情報データ6は、基材1と同じ色のデータである白塗りのデータで構成される。
図24(a2)に示すデータは、第1の中位階層データである。図23(a2)に示す第1の中位階層データには、可変情報領域データ2内に形成される輪郭可変情報データ9が設けられる。輪郭可変情報データ9には、可変情報データ6と同一の情報、すなわち可変情報データ6と同一の数字の組み合わせが割り当てられる。そして、輪郭可変情報データ9は、可変情報データ6と同一又は異なる形状の黒線データである。また、輪郭可変情報データ9は、可変情報データ6の大きさよりも大きいデータである。
図24(a3)に示すデータは、第2の中位階層データであり、陰影部7Eを示すデータである陰影データ7が設けられている。陰影部7Eは、可変情報部6の周囲を囲むように形成されたぼかしとして構成されている。このぼかしデータとは、可変情報データ6の0から9までの記番号を示す可変情報を元に階調を個々(0から9までの記番号)に付与したものである。言い換えれば、陰影データ7に階調(中央側100%から外側0%)を付与したとも言える。この陰影データ7は、最上位の階層データにおける可変情報データ6から所定の距離、角度だけずれた位置に配置される。また、陰影データ7は、可変情報データ6と同一の数字の組み合わせが割り当てられる。なお、陰影データ7Bは、可変情報データ6の色データとは異なる黒ぼかしのデータで構成される。
図24(a4)に示すデータは、最下位の階層データであり、模様データ5である。模様データ5は、可変情報領域データ2の所定の位置に形成される。そして、模様データ5は、可変情報データ6や基材1とは異なる色のデータである黒塗りのデータで構成される。
図24(a1)から図23(a4)に示すデータを重ね合わせることで、模様データ5を示す最下位階層データの上に陰影データ7を示す第2の中位階層データと、輪郭可変情報データ9を示す第1の中位階層データと、可変情報データ6を示す最上位階層データが配置される。また、陰影データ7を示す第2の中位階層データの上には、輪郭可変情報データ9を示す第1の中位階層データと、可変情報データ6を示す最上位階層データが配置される。上述したように、可変情報データ6を示す最上位階層データは、基材1と同じ色データからなる白塗りのデータであり、輪郭可変情報データ9を示す第1の中位階層データは、黒線のデータである。そのため、陰影データ7及び模様データ5の一部は、可変情報データ6を示す白塗りの最上位階層データと、輪郭可変情報データ9を示す黒線のデータで隠蔽される。
図24(a1)から図24(a4)までの階層データを統合することで、印刷用の最終データである可変情報印刷物用データが作成される。これより、模様データ5と可変情報データ6の重複部分及び可変情報データ6と陰影データ7の重複部分には、可変情報データ6が印刷されるデータが作成される。また、模様データ5と輪郭可変情報データ9の重複部分及び輪郭可変情報データ9と陰影データ7の重複部分には、輪郭可変情報データ9が印刷されるデータが作成される。そして、可変情報データ6が印刷される数字の中と、可変情報データ6の輪郭に沿って形成される輪郭可変情報データ9の中には、模様データ5及び陰影データ7が印刷されないデータが作成される。
13.可変情報部6の変形例
次に、図25から図28を参照して可変情報部6の変形例について説明する。
図25(a)から図25(e)及び図25(a)から(g)は、可変情報部6の一例を示す図である。
上述した例では、可変情報部6を記番号で説明したが、これに限定されるものではない。可変情報部6は、図25(a)~(e)に示すように、ひらがな、カタカナ、漢数字、アルファベット、記号等であっても構わない。
上述した例では、可変情報部6を図26(a)に示すように正体文字で示したが、これに限定されるものではない。例えば、図26(b)~図26(g)に示すように、斜体文字で傾斜と傾斜の方向が異なるものでも構わない。
図27(a)から図27(c)は可変情報部6と陰影部の一例を示すもので、図27(a)は正体文字を示し、図27(b)から図27(c)は斜体文字を示している。図27(b)、図27(c)に示すように、可変情報部6P、6Qが斜体文字の場合、陰影部7P、7Qは、可変情報部6P、6Qに合わせて斜体文字で形成される。なお、図27(c)に示すように、陰影部7Qを傾かせる角度とか可変情報部6Qを傾かせる角度は、一致していなくてもよい。
次に、図28を参照して可変情報部6の並び方の変形例について説明する。
図28は、可変情報部6の並び方の変形例を示す図である。
上述した例では、可変情報部6を左右方向に並べて配置した例を説明したが、これに限定されるものではない。図28に示すように、複数の可変情報部6をバラバラに配置してもよい。そして、複数の可変情報部6を正体文字や斜体文字を組み合わせてもよい。そして、陰影部7は、可変情報部6が配置された位置に応じて形成される。
14.他の実施の形態例
次に、図29を参照して他の実施の形態例について説明する。
図29(a)は第7の実施の形態例にかかる可変情報印刷物を示す図、図29(b)は第8の実施の形態例にかかる可変情報印刷物を示す図、図29(c)は第9の実施の形態例にかかる可変情報印刷物を示す図である。
上述した実施の形態例では、陰影部を黒塗りのデータで形成する例を説明したが、これに限定されるものではない。図29(a)に示す第7の実施の形態例にかかる可変情報印刷物では、可変情報部6Rが黒塗りのデータで形成され、陰影部7Rが白塗りのデータで形成されている。上述したように、陰影部を形成するデータは、模様5を形成するデータよりも上位の階層データに形成される。そのため、図29(a)に示すように、陰影部7Rと模様5の重複部分では、模様5のデータが陰影部7Rの白塗りのデータで隠蔽され、陰影部7Rの中には模様5が印刷されない。
図29(b)に示す第8の実施の形態例にかかる可変情報印刷物は、図29(a)に示す陰影部7Rに輪郭可変情報部9を形成したものである。図29(b)に示すように、陰影部7Rの周囲には、陰影部7Rと同一情報、すなわち可変情報部6Rと同一情報からなる輪郭可変情報部9が形成されている。輪郭可変情報部9は、陰影部7Rの輪郭に沿って配置される可変情報印刷物である。また、輪郭可変情報部9は、陰影部7Rの形状と同一又は異なる形状により構成される。そして、輪郭可変情報部9は、陰影部7Rとは異なる色のデータで形成される。陰影部7Rに輪郭可変情報部9を設けることで、可変情報部6Rだけでなく陰影部7Rの視認性を高めることができる。
図29(c)に示す第9の実施の形態例にかかる可変情報部6Rは、図29(a)に示す複数の陰影部7R、8を形成したものである。ドロップシャドウである陰影部8は、予め設定した角度、位置に基づいて、陰影部7Rからずれた箇所に形成されている。そして、陰影部8は、陰影部7Rに隣接して配置される。また、陰影データ8は、陰影データ7Rとは異なる色のデータで構成されている。
陰影部8は、陰影部7Rの周囲から基材1や模様5上に可変情報部6R及び陰影部7Rの影が落ちたような演出を表現する。このように、複数の陰影部7を設けることで、可変情報部6Rだけでなく可変情報部6R及び陰影部7Rと隣接する陰影部6の視認性を高めることができる。なお、陰影部7は2つに限らず3つ以上配置しても良い。
15.模様の変形例
次に、図30及び図31を参照して模様5の変形例について説明する。
図30(a)から図31(d)は、模様の変形例を示す図である。
模様5は、印刷ごとに異ならない情報を有する固定情報又は印刷ごとに異なる情報を有する可変情報部6である。そのため、模様5としては、上述した例に限定されるものではなく図30(a)~図30(d)に示すように、幾何学模様、特殊形状網点による連続階調、通常網点による連続階調、特殊形状網点による模様等であってもよく、特に限定されるものではない。
また、図30(a)から図30(d)は、可変情報領域2全体に模様5を形成する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図31(a)から図31(d)に示すように、円形、星型、花形、三角形状等様々な形状で、可変情報領域2に部分的に形成してもよい。
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
本発明の可変情報印刷物の基材1は、特に限定されるものではなく、上質紙、コート紙、アート紙等の紙葉類を用いることができる。また、フィルム、プラスチック、それらの複合素材を用いることもできる。
本発明の可変情報印刷物の印刷方法としては、オフセット印刷、グラビア印刷、凹版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、デジタル印刷、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ等、特に限定されるものではないが、微細な特殊形状網点を印刷する場合、オフセット印刷、デジタル印刷、インクジェットプリンタ、レーザプリンタが好ましい。また、本発明の可変情報印刷物は、可変情報部6であるため、オフセット印刷、グラビア印刷、凹版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等では、版面が存在するため、その版面の交換等で手間を要することから、デジタル印刷、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ等の版面が存在せずデータから直接印刷する方式が好ましい。
さらに、可変情報部6、陰影部、輪郭可変情報部9は、機能性を有するインキで形成してもよく、例えば、無色の蛍光発光インキで形成してもよい。これにより、可変情報印刷物に対し、紫外線を照射することで、可変情報部6や陰影部、輪郭可変情報部9が発光して視認される。
1 基材
2 可変情報領域
5、5A 模様
6、6D、6E、6F、6P、6Q、6R 可変情報部
7、7B、7E、7F、7G、7H、7J、7K、7L、7M、7P、7Q、7R、8 陰影部、
9、9D、9E、9F、9G、9H、9J 輪郭可変情報部
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F 可変情報印刷物

Claims (4)

  1. 貴重価値が等しい製品が複数存在する可変情報印刷物において、
    基材の少なくとも一部に、所定の模様を有した可変情報領域を備え、
    前記模様の一部に、印刷ごとに異なる形状の可変情報部と、前記可変情報部の周囲に形成され、前記可変情報部を立体的に視認させる陰影部とを有し、
    前記可変情報領域において、
    前記模様と前記可変情報部の重複部分には、前記可変情報部のみが印刷され、
    前記模様と前記陰影部の重複部分には、前記陰影部のみが印刷され、
    前記可変情報部及び前記陰影部の印刷される部分には、前記模様が印刷されないことを特徴とする可変情報印刷物。
  2. 前記可変情報部は、更に前記可変情報部と同一形状かつ前記可変情報部より大きい輪郭可変情報部が、前記可変情報部の輪郭に沿って配置されて成り、
    前記輪郭可変情報部は前記模様及び前記陰影部が印刷されないことを特徴とする請求項1に記載の可変情報印刷物。
  3. 基材の少なくとも一部に、所定の模様を有した可変情報領域を備え、前記模様の一部に、印刷ごとに異なる形状の可変情報部と、前記可変情報部の周囲に形成され、前記可変情報部を立体的に視認させる陰影部とを有し、前記模様と前記可変情報部の重複部分には、前記可変情報部のみが印刷され、前記模様と前記陰影部の重複部分には、前記陰影部のみが印刷され、前記可変情報部及び前記陰影部の印刷される部分には、前記模様が印刷されない可変情報印刷物において、可変情報印刷物用データを作成する方法であって、
    前記模様の基となる模様データと、前記可変情報部の基となる可変情報データと、前記陰影部の基となる陰影データを、作成する又はあらかじめ登録したデータベースから取り込む工程と、
    可変情報領域データのレイアウトを作成し、前記レイアウトを基準に、前記印刷ごとに異なる情報に基づいて可変情報データを作成する工程と、
    前記模様データ、前記可変情報データ及び前記陰影データを重ねて配置し、前記模様データ、前記可変情報データ及び前記陰影データの重複部分を統合し、前記模様データと前記可変情報データの重複部分は、前記模様データを削除し、前記模様データと前記陰影データの重複部分は、前記模様データを削除することで、前記可変情報データ及び前記陰影データに前記模様データを削除した可変情報領域データを生成する工程とを少なくとも備えたことを特徴とする可変情報印刷物用データの作成方法。
  4. 前記可変情報データを基準に、前記可変情報データよりも大きく、かつ、同一形状の輪郭可変情報データを作成する工程を更に有し、
    前記模様データ、前記可変情報データ及び前記陰影データに、さらに前記輪郭可変情報データを重ねて配置し、前記重複部分に、さらに前記輪郭可変情報データの重複部分を統合し、前記模様データと前記輪郭可変情報データの重複部分は、前記模様データを削除することで、前記可変情報データ、前記陰影データ及び前記輪郭可変情報データに前記模様データを削除した可変情報領域データを生成する工程を少なくとも備えたことを特徴とする請求項3記載の可変情報印刷物用データの作成方法。
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