JP2006076302A - 画像形成体 - Google Patents

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Abstract

【課題】中間転写媒体上に転写記録する際、ドット・オン・ドットによってほぼ真円のドットを用いて面積階調を実現できる画像形成装置により形成可能で、且つ偽造、改竄等の不正を抑制する効果やそれらの不正の痕跡の発見を容易にする効果の高い画像形成体の提供にある。
【解決手段】基材と、記録画像と、前記記録画像を目視可能に覆うように基材上に配設された透明な樹脂層とを具備し、前記記録画像は、階調画像及び2値画像を含み、該階調画像は、前記インク層による異なる色のドットの集合からなり且つ異なる色のドットをほぼ同一箇所に積み重ねることによって、設定された色彩を有し、前記2値画像は、前記ドットの集合体により形成された文字、数字等パターンからなるマイクロ文字を具備する画像形成体である。
【選択図】図6

Description

本発明はドットによる面積階調を用いた多色の画像を感熱転写によって形成する画像形成技術に関し、特に、所定の色彩を得る為に、異なる色のドットをほぼ同一の場所に積み重ねる方法による画像形成装置および画像形成方法を用いた画像形成体に関する。
従来、中間転写媒体に画像情報に基づいて画像を書込む方法としては、現実に最も多用されている印刷法の他に、本発明で述べる感熱転写法、電子写真法、インクジェット法、熱破壊法、光重合記録材料を用いた各種転写記録法を技術的に可能な例として挙げる事が出来る。そして、画像を付与したい最終記録媒体(最終製品)にこれらの画像形成方法を用いて直接に画像を形成する事が困難であるとか、量産性が悪いとか、或いは高コストになってしまう等々の何等かの問題を伴う場合には、前記のように、中間転写媒体にひとまず画像を形成しておき、しかる後に転写によってその画像を最終製品へ付与する方法が採用されている。
さて、画像形成法が、例えば昇華性染料を使用した感熱転写法による場合には、基材フィルム上に昇華性染料が感熱転写可能にコーティングしてある感熱転写リボンと最終的な記録媒体となり得る被転写体とを重ねあわせて、サーマルヘッド等を使用して用意した画像データに基づき感熱転写リボンを被転写体とを選択的に加熱し、被転写体上に所望の画像を転写記録する事になるのは公知の事実として広く一般に知られている。この手段によると、例えば人間一人一人の顔等を個別に個々の被転写体に記録するような場合に、相互の異なる多数の画像の記録を階調豊かなカラー画像として手軽に被転写体に記録出来ると言う点で印刷法による場合に見られない利点が得られる。もしも、この様な人間一人一人の顔等の記録を印刷法によって対応しようとした場合には、一般に多大なコストや手間・時間を要してしまう事から大変不経済な事となる。
しかし昇華性染料を使用した感熱転写記録法にも欠点がある。つまり、昇華性材料で染色できる材料は限られており、例えばポリエステル、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等の限られた材料の被転写体に対してしか適応出来ない。
そこで、被転写体としてこれら以外の材料を使用したものであるにも関わらず昇華性染料を使用した感熱転写記録を法を行おうとする場合の手段としては、例えば特開昭6381093号公報にて開示されているように、昇華性染料の転写リボンとサーマルヘッドを用いた画像書込み部において、まず、接着層を有するフィルム状の中間転写媒体に画像を書込み、次に、転写部において中間転写媒体上の画像を転写ローラーを用いて前記接着層と共に被転写体に加熱加圧して前記画像を被転写体に転写する方式がある(例えば、特許文献1参照。)。
前記の方法は、昇華性染料を使用した場合の例であるが、他の色材を用いた場合でも、いったん中間転写媒体上に画像形成を行い、その画像が形成されてある層ごと被転写体へ転写する方法は、基本的には全て共通であり、以下よりこの記録方法を総称して、以下では間接転写法と呼ぶ事にする。間接転写法は、狭義には、画像が形成されてあり中間転写媒体上にあった層ごと被転写体へ転写する方法を意味し、広義には、画像のみを被転写体へ移行させる場合とか、画像が形成されてある部分を含む中間転写媒体を打ち抜く(又は切り抜く)事により中間転写媒体ごと被転写体上に移行させる場合を意味している。ちなみに、例えば、最終的な製品(記録媒体)となる被転写体の厚さが一定していないとか、凹凸が存在するとか(代表例は非接触ICカード)、予め冊紙等の半完成品となっている
(代表例はパスポート)、等の様々な理由で、画像を被転写体上に直接に形成する事が不可能(又は困難)な場合に、又は画像を被転写体上に直接に形成するとすれば多大な費用や時間がかかって大変な場合等は、前記のような間接転写法を用いなければ、画像形成は現実的には出来ないと言っても過言ではない。
もし、中間転写媒体に画像情報に基づいて画像を書込む方法として、電子写真法を用いる場合、フルカラーで画像を形成するには、感光体への帯電、帯電された感光体上への露光による潜像形成、感光体上の潜像に体するトナー画像の現像、転写ドラム等の各色のトナー画像を一時的に保存する転写部材への画像転写、感光体上の不要な帯電部の消去、感光体上のクリーニング、等々といった電子写真プロセスを、3回(3色カラー)若しくは4回(4色カラー)以上繰り返す必要がある。従って、この場合、時間がかかる割には静電気という非常に不安定なものを利用することに伴う、画像形成の不安定性による不具合の発生や、その防止対策が必要になり、問題となる。更に、画像を形成するトナー画像のドットはあまり大きさを可変出来ないため、基本的には2値化画像となる。従って、ベイヤータイプやファットンタイプ(スクリュータイプを含む)等のディザマトリックスによる疑似面積階調の手法を用いないと画像の濃度変化表現が出来ず、画像その物の画質が粗いと言う大きな問題がある。
一方、インクジェット法を用いる場合については、液体状のインクを用いて中間転写媒体上に画像形成するため、乾燥する必要があり、ノズルの詰りという問題も発生する。更に、インクジェット方式の場合に於てもドットの大きさはあまり変化出来ないため、ディザマトリックスや誤差拡散法といった疑似面積階調の手法を用いる事になるのでやはり画像の解像度が粗くなってしまう傾向にある。なお、熱破壊法については、今のところフルカラー表現を行うのは不可能である。
これらの理由から昇華性染料を使用した感熱転写法による画像形成がシンプルであり、低コストであり、且つ,高画質・高解像度を実現する事が出来るので、特に間接転写法においての画像形成方法としては優れていると言える。
ところが、昇華性染料を使用した感熱転写法には大きな欠点がある。それは、昇華型染料そのものが耐熱性や耐光性、耐溶剤性等のいわゆる耐性の大変低い色材であると言う事で、この昇華染料を用いた場合、最終的な製品となる被転写体上の画像耐久性がとても劣ってしまう。このため、例えば被転写体に耐熱温度約120℃のICカードであった場合、昇華染料の熱分解や再昇華等の現象による画像濃度低下が80℃程度でも発生してしまうので、とても被転写体のもつ耐熱温度120℃をクリアする事は不可能である。
また、被転写体にパスポート等の紙を用いた場合、画像を転写した紙面の裏側から防虫剤で良く使用されるパラジクロールベンゼンやナフタリン等の溶剤雰囲気によって画像が滲んでしまうとか、温度が高いときに紙の繊維から昇華性染料の再昇華してしまうことによる画像濃度が低下してしまい易い、といった様々な問題が生じる。
更に、昇華型の印字方式そのものが広く世の中に普及しているため、パスポートなどのセキュリティー用途に使用した場合、偽造・改竄等の不正が容易に行われてしまう傾向にあり、もし偽造若しくは改竄がなされても真贋の区別がなかなか付けがたいという問題もあった。
こういった昇華性染料の独自の問題を解決し、且つ、感熱転写法によるシンプル且つ低コスト,高画質・高解像度を実現するには、感熱転写に用いるサーマルヘッド発熱量の大小によって転写するドットの大きさを変化させる事によって濃度階調を行う。すなわち、サーマルヘッドからのコントロールされた熱量の大きさによって、インクリボンのインク
を軟化もしくは溶融させる領域を変化させることにより面積階調が可能になる。
これには、インクリボンとしては、一例として、ポリメチルメタアクリレートやポリブチラールあるいは塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等のバインダー用樹脂に、有機染料や有機顔料あるいは無機顔料等の着色材を適宜内添させる。必要によってはワックス成分やフィラー等を内添させたインクを使用する。インクリボンの基材フィルムには、一例として、ポリエチレンテレフタレート(PETと略す)やポリエチレンナフタレート(PENと略す)等を使用して、この上に必要な色のインクを印刷法などを利用して塗布する。
この方式では色材に昇華性染料以外の染料若しくは顔料が使用できるので、特に耐熱性・耐溶剤性・耐光性等の耐久性を大幅に向上させる事が可能となり、パスポート等の冊子類、パスポートに貼り付けるタイプの査証等のステッカー類、クレジットカード、運転免許証等のカード類などのように、セキュリティと共に高耐性も要求される分野には非常に要求合致性の高い方式といえる。
また、本来、面積階調型溶融転写方式は転写すべき記録媒体の凹凸に非常に敏感で少しでも凹凸があると直接画像を転写、形成する事が出来ない事から間接転写法との相性が良く、逆に言い換えれば、面積階調型溶融転写方式で高品位画像を得るには間接転写方式以外では不可能に近いと言える。
ところで、前述の面積階調をカラー画像、すなわち多色インクによって形成する場合、各色のドットを配置させる方法(ドットマッピング)には、大きく2通りに分ける事ができる。
1つは、オフセット印刷法等で広く利用されているスクリーン法で、他の一つは、各色ドットを同一箇所に配置する方法、すなわちドット・オン・ドット法である。
先ず、スクリーン法について説明する。2色以上のドット画像(点画)をマッピングする場合、サーマルヘッドで作成される各ドットは、ほぼ規則正しいドットの配列になる。例えば、もし主走査方向300dpi(dpiは、1インチあたりのドット数を示す単位)のサーマルヘッドを使用し、副走査方向も300dpiでマッピングした場合、約85μm間隔の格子のかたまりになる。なお、本明細書で、主操作方向とは、サーマルヘッドの発熱部が配列された長手方向をいい、副走査方向とは、主走査方向と直行する方向をいう。そして、これらの規則正しいドットの塊を記録媒体上に転写記録する場合(本特許では中間転写媒体上への画像形成に相当する)、程度の差はあってもどうしても一般に副走査方向の位置ズレ(多くの場合は副走査方向の速度変動や記録媒体の保持スリップ等が原因である)等によって各色のマッピングに微妙なズレが生じてしまう。そして、単色では規則正しくドットが形成出来ていても、複数色を重ねたときに微妙な位置ズレがある場合には、そのズレ成分が各色のマッピングとうなり現象を誘発し、記録された画像上に好まざる干渉縞(代表例はモアレ縞)が出現してしまうという問題が発生する。
そのため、各色には予めマッピングさせる位置をずらしておき、例えば、格子状のマッピングの角度を変えたり(スクリーン角を変える)、各色の解像度を変えたりすることで(例えば2ドットで一つの画素を作る)、何れにせよ、故意に各色のドット通しが規則的に重ならないようにドットマッピングを行う手法、すなわちスクリーン法を用いてモアレ縞の出現を押さえるのである。
しかしながら、スクリーン法を用いた場合、見かけの解像度(階調解像度)が低下し(例えば300dpiのサーマルヘッドで75〜150dpi程度に相当する)、更に各色が見かけ上バラバラに配置されているので、ざらついた印象を受けてしまう事もある。更
に各色画像を各スクリーン画像に変更する必要があり、プリンター内の制御用CPU、若しくは画像データをプリンターに送るホストコンピュータ等のCPUに大きな負担をかけ、最終的に発行時間が大幅に遅くなってしまうという問題もある。また、パスポート、カード、その他へのセキュリティー用途に本マッピング手段で画像形成した場合、オフセット印刷やグラビア印刷と同じ様な画像に見えてしまうので、印刷法の特徴を改竄・偽造等の不正使用抑止効果として利用しにくい問題もある。
一方、ドット・オン・ドット法では、各色のドットを精度良くほぼ同じ位置にマッピングする手法であり、各色に位置ズレが生じない限りモアレ縞や色ズレによるみための色調のズレ等と言った問題が発生しない。また、解像度もサーマルヘッドのもてる最大限の解像度にて画像形成する事ができるほか、基本的に画像マッピングを変更しないので、CPUに負担がかからず、結果として発行速度を向上させる事ができるなど、様々なメリットがある。しかしながら、各色を精度良く重ねていく技術が確立されておらず、この方法が殆ど現実化されていないのが現状である。
以下に、上記先行技術文献を示す。
特開昭63−81093号公報
本発明はかかる従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであり、中間転写媒体上に転写記録する際、中間転写媒体を保持するプラテンローラー等の保持部材の駆動系の工夫と、書き込みデバイスであるサーマルヘッドの工夫等によってドット・オン・ドットによってほぼ真円のドットを用いて面積階調を実現できる画像形成装置により形成可能であって、且つ偽造、改竄等の不正を抑制する効果が高い、又はそれらの不正の痕跡の発見を容易にする効果の高い画像形成体の提供を課題とする。
前記のような課題を達成するために、請求項1に示す発明は、
画像形成体であって、基材と、記録画像と、前記記録画像を目視可能に覆うように前記基材上に配設された透明な樹脂層と、を具備し、
前記記録画像は、階調画像及び2値画像を含み、
該階調画像は、前記インク層による異なる色のドットの集合からなり且つ異なる色のドットをほぼ同一箇所に積み重ねることによって、設定された色彩を有し、
前記2値画像は、前記ドットの集合体により形成された、文字、数字、記号、印、及びパターンからなる群から選択できるいずれかを用いたマイクロ文字を具備すること、
を特徴とする画像形成体である。
請求項2に示す発明は、請求項1に記載の画像形成体を基本とし、特に、
前記マイクロ文字は、前記記録画像の主部分に関係した個別情報であることを特徴とする。
そして、請求項3に示す発明は、
画像形成体であって、基材と、記録画像と、前記記録画像を目視可能に覆うように前記基材上に配設された透明な樹脂層と、を具備し、
前記記録画像は、階調画像及び2値画像を含み、
該階調画像は、前記インク層による異なる色のドットの集合からなり且つ異なる色のドットをほぼ同一箇所に積み重ねることによって、設定された色彩を有し、
前記2値画像は、前記ドットの集合体により形成された、前記記録画像がスキャナで読
み取りされた場合に干渉縞を発生させるパターンを具備すること、
を特徴とする画像形成体である。
請求項4に示す発明は、請求項3に記載の画像形成体を基本とし、特に、
前記干渉縞を発生させるパターンは、高解像度のピッチで形成されたドットにより異なる複数の斜め方向に細い線が延びるように形成されたパターンであることを特徴とするものである。
ところで、本発明では前記のように、面積階調による画像を形成する要件の一つとして、基本的に、異なる色のドットをほぼ同一箇所に形成するが、ここでいう「ほぼ同一箇所」の意味は、次に示すような、積重ねられた異なる色のドットの極めて微少な位置ずれも含んでいる。即ち、本発明でいう「ほぼ同一箇所」とは、積重ねられた異なる色のドットの中で位置が最もずれている色のドットの中心間距離が、解像度に対応したドット形成ピッチのおよそ1/3以内の微少なずれである場合をも含んでいる。また、本発明では、もし画質がシャープで良好な高階調の画像を得る為に好ましくは、特に前記中心間距離が前記ピッチの1/4以内であるよう、極めて位置精度よくドットが積み重ねて形成されてあることが大切である。尚、本発明では、もし階調画像の中のどこかの場所に、ドットの大きさ(径)が小さ過ぎて、色間でドットの重なりが無い箇所があったとしても、前記の中心間距離の検討の仕方を当てはめるか、若しくは、階調画像の中の他の場所から、ドットの大きさ(径)が十分に大きく異なる色間のドットが重なっている場所を選んだうえで前記の中心間距離の検討の仕方を当てはめる。
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、本発明によれば、中間転写媒体上に転写記録する際、中間転写媒体を保持するプラテンローラー等の保持部材の駆動系の工夫と、書き込みデバイスであるサーマルヘッドの工夫等によってドット・オン・ドットによってほぼ真円のドットが面積階調される画像形成装置により形成可能で、かつ偽造や改竄等の不正を抑止したり、あるいはそれらの不正の痕跡の発見を容易にする効果の効果の高い画像形成体を提供することができる。
図1は本発明の画像形成体の作成を可能にする画像形成装置の一例を表す概略模式図であり、被転写体1(1')は、図示していないフッソ系高分子化合物を表面に被覆したシリコーンゴム製のベースラバーシートを介してトレイ2(2')上にセットされる。図1で、実線で示す被転写体1及びトレイ2の位置は、中間転写媒体6上の画像を被転写体1にヒートローラー40により加熱加圧する時の位置である。また、非転写体の搬送は、アクチュエータ(図示せず)と駆動系によって、レール3に沿って車輪4(4')、5(5')で移動するように行なわれる。
尚、被転写体1は、状況によっては、必ずしもトレイに乗せて搬送する設計にしなくてもよい。つまり、被転写体がパスポートや通帳等の冊子類や査証などのスッテカーである場合には、その多くが使用する材料あるいは厚さが薄い等の理由でかなり可撓性は高い場合が多い。一方、被転写体が例えばカード類である場合には、使用する主材料(一般にプラスチックが主材料)あるいは厚さが厚い等の理由から、前者と比較して剛性が高い場合が多い。このような特性を考慮すると、カード類の方はトレイの使用する要求度が、冊子類やステッカーの場合と比べて一般に低いので、装置設計のうえでトレイの採用の是非は状況に応じて適宜決定して良い。
また、中間転写媒体6は、供給リール23から供給され、ガイドローラー13,15,
16,39と搬送ローラー17,18(進行する場合は回転方向Dh),20,19(進行する場合は回転方向Dd)によって巻取リール24まで搬送され、画像書込みの際にはシリコン系エラストマ層上にフッ素系高分子化合物にて被覆されているプラテンローラー10上でクランプローラー8,9にて保持されて書込みされる。尚、図中で符号25は、プラテンローラー上のゴミを除去するクリーニングローラーである。
ここで述べる例では、中間転写媒体6は、長尺な基材フィルム61と、一例としてその上に積層された透明な樹脂製の保護層62および樹脂製の受像層63を具備する。
ここでは、保護層62は、ここでは基材フィルムから剥離させる剥離層の役目も兼ねており、また受像層63は、画像形成後に中間転写媒体と被転写体とが加熱加圧される際に、被転写体に対して接着性を呈する接着層の役目も兼ねている(即ち受像層兼接着層63)。また、中間転写媒体6は、その層構成中にホログラムあるいは回折格子等による画像を用いたセキュリティ画像層を有している。これらホログラム等の画像の位置合せをするためのレジマークセンサー11を利用するなどして、中間転写媒体6がプラテンローラ上に適宜位置合わせされる。中間転写媒体6の画像を書込む側の面の塵埃やゴミ等を除去する為、クリーニングローラ12および、除電ブラシ(図示せず)が配設される。
中間転写媒体6の搬送経路途中に、中間転写媒体6の撓みや張力(テンション)を調整可能な撓み調整機構を適宜設けることも好ましい。
これによると、単に中間転写媒体6の撓みや張力(テンション)を調整するに止まらず、画像形成の前段(中間転写媒体6への画像記録工程)と画像形成の後段(中間転写媒体の画像を被転写体上に設ける画像形成工程)とを、それぞれ独立させて並行運転させる場合や、あるいは画像形成の前段の際に色毎に繰り返し画像記録する作業の処理速度を一段とアップさせる場合にも、有効であり好ましい。
本発明の実施の形態においては、画像書込みには、この例では色材に有機顔料もしくは無機顔料を用いたインク(インク層中のバインダ材等は色材と共に転写されるタイプ)による感熱転写を行っている。プラテンローラ10上に中間転写媒体6および感熱転写リボン7を重ねた状態で、感熱転写リボン7がサーマルヘッド38により選択的に加熱されることにより、感熱転写リボン7上のインク層が選択的に中間転写媒体6上に転写される。
本発明では、サーマルヘッド38は熱集中型のサーマルヘッドで、主走査方向に一列に配設され、且つそれぞれがほぼ正多角形か若しくはほぼ円形を成す。一例では、発熱部の外側表面がほぼ平面形状を有する複数の発熱部38aを有する。サーマルヘッド38の発熱部の外側表面は凹凸が少なく、例えば、50〜100nmの表面粗さ(中心線平均粗さ)程度のものもある。尚、本明細書中では、主走査方向D1は、サーマルヘッド38の発熱部が配列された長手方向(ライン型サーマルヘッドの長手方向)をいい、中間転写媒体の幅方向と一致する。また副走査方向D2とは、主走査方向D1と直行する方向をいい、中間転写媒体の搬送方向と一致する。
この例では、サーマルヘッド38の発熱部の寸法は、〔主走査方向D1〕70μm×〔副走査方向D2〕80μm、のようにほぼ正方形に近い長方形の形状のものを備える。サーマルヘッド38の発熱部に印加する画像データよって、発熱部から発する熱エネルギを調整し、形成されるドットの大きさを任意に変化させる。即ち、画像情報に応じてドットの大きさを変化させることにより画像に階調性を持たせている。尚、階調表現自体は、複数色の組み合わせによる多色を用いた混色によっても、あるいは単色によってでも、いすれでも可能である。
サーマルヘッド38の発熱部にはケーブル36を介して画像情報に応じた電圧が印加される。また、サーマルヘッド38による転写が済んだ感熱転写リボン7を、中間転写媒体6から良好に剥がす為のピールプレート35が配設されている。
この例では、感熱転写リボン7は、長尺な基材フィルム71と、その上に配設された異なる色の複数のインク層72を有し、インク層72のそれぞれは、顔料又はん染料からなる群から選択された色材(ここでは顔料を選択し、樹脂型のインク層を採用。)を含む。感熱転写リボン7のインク層72は、面積階調の画像を形成する為の、例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3色の各層72C,72M、7Yと、2値画像を形成する為のBk(ブラック)の層72Bとを含む。感熱転写リボン7の異なる複数の色のインク層72C,72M、7Yと、2値画像を形成する為のBk層72Bは、リボンの供給方向に沿って所定の長さに独立した領域(面)になるように、基材フィルム71上に面順次に配設されている。
なお、感熱転写リボン7には、これらC,M,YとBkの計4色のインク層以外にも、何らかの着色用のインクあるいは色とは関係ない何らかのインク層を、前記4色のインク層と同一の基材フィルム上に適宜配設することも出来る。ここでいう前記4色の何らかのインク層とは、例えば、金色や銀色とかのいわゆる特色、あるいは蛍光材や燐光材、赤外線吸収材などを含ませたセキュリティ用途のインク層などである。感熱転写リボン7に、前記4色以外のこれらのインク層も配設する場合、これらの追加の層は、設計により、リボンの長手方向にCMYの3色(またはCMYBkの4色)の層の前後いずれかに、あるいはそれらの間に、適宜配設してよい。尚、本発明の画像形成体にかかる画像形成は、より容易に且つ確実に、高階調画像で画質の良好なものとしたい場合、各ドットの厚さと同等になるインク層の厚さはやはり1μm以下の極めて薄い感熱転写リボン7を使用する事が好ましい。
インクリボン7は供給リール26より供給され、ガイドローラー36と搬送ローラー28(進行する場合は回転方向Dg),29とガイドローラーを兼ねたクリーニングローラー32,33によって巻取リール27に搬送され、熱集中型のサーマルヘッド34にて画像情報に基づいた画像形成を中間転写媒体6へ行う。
尚、インクリボン7には各色の区別をするため、予めインクリボン上に形成されているセンサーマークをセンサー30,31にて読み取る事によって区別と位置合せを行っている。
ところで、複数ある色を感熱転写していく順序は、使用するインク層の諸特性(透明性、色相、転写濃度、等々)、画質設計上の狙い、あるいは装置の諸特性、等々を考慮して、感熱転写していく色の順序を適宜設計してよい。
代表的な一例として、中間転写媒体上に、最初に、Bk(ブラック)で2値画像を記録した後に、CMYの順序の3色で面積階調による多色の階調画像を形成する画像形成方法も好ましい。この場合、形成した画像を後工程でヒートローラーを用いた加熱加圧により被転写体上へ移行させる際の、中間転写媒体と被転写体との位置合せを光センサー100,101(図1)を用いて実行する為の位置合せマークを、最初のBkのインクを用いて形成するとBkは他の色の場合と比べて検知容易であることから便利である。
また、1画面中で中間転写媒体の長手方向に沿って、階調画像を形成する領域と2値画像を形成する領域とが、距離的に離れている場合、あるいはそれぞれの領域の長さが違う場合などには、色毎の感熱転写の開始位置や終了位置は必ずしも一致させなくても良く、例えば、CMYの3色の色同士は同じで、Bkの1色だけは他と相違させる等のように、
目的や諸事情に応じて適宜設計を行ってよい。
尚、各色のドットの大小は、その場所に表現されるべき画像の中間調に基づいて決定され、それに対応させて感熱転写されることによりインクのドットが形成される。
さて、中間転写媒体に画像を形成した中間転写媒体は、ヒートローラー40を方向Dbに降下させて被転写体1上に加熱加圧する事によって、中間転写媒体の画像(受像層をかねた熱接着層)、ホログラム層、図示していない保護層等、いわゆる画像層を加熱加圧転写する。但し、ヒートローラー40の被転写体1に面する間には安全のためのシャッター41、42が設けており、ヒートローラー40が方向Dbに降下するときのみシャッター41、42が方向Dc、Dc'に開き、通常は人間の手などがヒートローラー40に触れて火傷しないようシャッター41,42は閉じている。
ところでヒートローラー40は、内部にハロゲンランプヒータ37を持ち、ハロンランプヒータからの熱放射を吸収すべ区内部を黒化処理された中空円筒で、表に加熱加硫型のシリコンゴムと最表面に導電性のフッ素系高分子化合物を設け逆クラウン形状のヒートローラーである。そして、その周速(回転方向はDi)を中転写媒体や被転写体の搬送速度よりも極僅か早く回転させる事によって加熱加中の中間転写媒体中央より外側にテンションを故意に発生させ、中間転写媒体のの発生を防止している。そして、ヒートローラー40は、温度センサー21にて表面温度を検出し、図示していない温度コントローラー等により表面温度一定に保持しており、更にヒートローラー表面を常に綺麗に保っておくためにクリーニングローラー22を設けてある。
そして、本実施例でのその他の詳細条件を以下の通り呈示する。
中間転写媒体特性 : 25μmPETベース上に多層コートされている。
最表面部の受像層兼熱接着層にはウレタン系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、等を主とした混合樹脂
インクリボン特性 : 有機顔料系色材を使用。特にBkについては無機顔料
を使用。インク層の厚さは0.2〜0.6μm
ベースラバーシート : シリコンゴム(ゴム硬度JIS(A)にて50゜)
表面に4フッ化エチレンポリマー若しくは6フッ化ポ
リピレンポリマーの被覆を行っている。
被転写体 : 厚さ200〜800μmの紙基材
ヒートローラー : 熱源 ; ハロゲンランプヒータ
温度コントロール;ローラー表面温度検出による温調
芯金 ; 高張アルミ 内面黒化処理
エラストマ層 ; 加熱加硫型シリコンゴム
厚さ0.5mm
ローラー表面材質;導電性を付与した4弗化エチレ
ンとパーフルオロアルキルビニ
ルエーテルとの共重合体
ローラー表面形状;逆クラウン型
周速が媒体搬送速より若干速い
ローラー表面温度;180℃
加熱加圧速度 : 15mm/sec
加熱加圧線加重 : 3.0kgf/cm
サーマルヘッド : 発熱部特性: 熱集中型
発熱部密度: 300ドット/インチ
発熱部形状: ほぼ正方形(70μm×80μm)
ところで、中間転写媒体6上に形成された画像を被転写体1上に移行させる場合の被転写体上の領域は、被転写体の面上の、全面であったり、面上の周囲の縁を除いた部分のみであったり、あるいは画像の部分を主とした面上の一部分のみであったりするなど、適宜設計してよい。また、よくカード類でみかける例で、被転写体としてのカード類の面上のサインパネル部分、あるいはICカードの端子部分等のように、その上を被覆しては困る局所的な領域を有している場合もある。そのときは、被転写体うえに、局所的な非画像形成領域を設けるよう適宜設計してよい。
具体策としては、被転写体の面上の画像形成領域や非画像形成領域に対応させて、必要な領域に画像を移行させる為には、基本的に、画像形成領域には画像を被転写体の面上に加熱加圧し、且つ非画像形成領域では画像を被転写体の面上に加熱加圧しないようにすればよい。一例として、ヒートローラを用いて加熱加圧する場合であれば、ヒートローラの大きさ(幅や径)を適宜設計したり、あるいはヒートローラの表面を適宜凹凸を設けた形状に設計することによって対応すればよい。
尚、本明細書では、中間転写媒体の受像層は、受像層そのものが被転写体に対して接着性を有する受像層兼接着層である場合を代表例に挙げて説明したが、場合によっては、被転写体の被転写面の材料と、受像層の材料との間の相性が悪い為に、受像層が被転写体に対して必ずしも接着性を発揮しない組合わせも有り得る。
そこで、もしそのような場合には、例えば、(a)画像が形成された受像層上か、又は被転写体の被転写面上に接着剤の層を設ける(例えば、接着剤層を面上へ転写するとか、あるいは接着剤を塗布する等の方法により設ける。)、又は、
(b)画像が形成された受像層と、被転写体の被転写面との間に、接着性のシートを介在させた状態で中間転写媒体と被転写体とを重ね合わせて加熱加圧する、などの対応策を適宜行ってよい。
さて次に、駆動伝達系について若干の説明を行う。例えば、本実施例では中間転写媒体保持部材としてプラテンローラーを使用し、その駆動源にステッピングモータを用いているが、ステッピングモータを初めとする各モータ類は2つの理由から、なんらかの減速機構を用いる事が普通である。そして減速機構には、Vベルトや平ベルト等による「非同期型」の減速機構と、タイミングベルトや平歯車あるいは斜歯(ハスバ)歯車等による「同期型」の減速機構とに分ける事ができる。尚、前記2つの理由とは、(イ)プラテンローラー等を回転駆動等させるための十分なトルクを得る為、(ロ)適切な駆動速度に減速させる為、のことを指す。
ところが、非同期型の減速機構では、ベルトのスリップなど、何等かのスリップ現象が発生するので厳密な位置合わせを行う場合には適さない。一方、タイミングベルトや歯車(インボリュート歯車、サイクロイド歯車等)といった同期型の減速機構の場合には、歯同士が互いにかみ合っているので、基本的にはスリップ現象は発生しない。ところが、この同期型の減速機構の場合には、歯車やタイミングベルトのいずれにせよ、それぞれの歯には歯形の誤差とか、かみ合いの誤差といった誤差があり、それらの誤差が「位置ズレ」を生んでしまう。
図2は、N1からN2へ減速することによって、速度の低下と動力面でのトルク増加とを行うタイミングベルトの減速タイミング例を示したものである。そして、この例ではN1からN2への減速比が歯数の比で4:1のように整数倍になっている。タイミングベルトの場合は各メーカにより多少のバラツキがあるが、プーリーとベルトのかみ合わせ時の誤差が周期的に生じる。そしてそれらの誤差によって生まれる位置ズレ(速度変動の1階積分成分)も、N1の場合はV1、N2の場合はV2という具合にそれぞれの歯に同期し
た周期的な変動を持っている。
タイミングベルトおよびプーリー間、即ち伝達部材間の減速比を整数倍になるように設定すると、必ずお互いの歯の噛み合わせ周期、すなわち位置ズレのコキング周期が同期する事になる為、伝達部材の噛み合わせの誤差に起因する位置ズレの周期も同期することになる。
ところが、もし伝達部材間の減速比が整数倍でない場合(例えば、歯数の比が4:1.33等とした場合)には、位置ズレの同期が取れないことから位置ズレそのものが累積されていき、絶えず同じ位置に搬送系を駆動させる事自体が非常に難しくなってしまう。あるいは、その対策に要する工程やその為の機構が必要となり好ましくなくってしまう。以上はタイミングベルトについての説明であるが、これは歯車についても同様である。
例えば、インボリュート歯車の場合、歯形が理想的な形であれば基本的には速度変動が発生しないため、1階積分成分である位置ズレも生じない筈であるが、歯車の精度(特に歯形精度)が理想的に形成できないこと、及び歯形の弾性変形や使用中の摩擦摩耗による歯スジ変形等によって必ず周期的な位置ズレが生じる。これらはサイクロイド歯車やこれら以外の同期型減速機全般についても通じる事項である。
ここで、プラテンローラー駆動系について一例を挙げて説明する。図3はステッピングモータ50からプラテンローラーに直結したプーリ58に駆動を伝達した例であるが、先ず、ステッピングモータ50からはベルト53を介してプーリー51とプーリー52に先ず減速伝達する。そして、駆動の伝達をON、OFFする電磁クラッチ60のプーリー55にベルト54を介してプーリー59より伝達、更にプーリー56よりプラテンローラー直結のプーリー58へ、ベルト57を介して動力を伝達する。
次に、これらの伝達例として図4、図5を呈示するもので、図4は歯車プーリー51、52間、歯車プーリー59、55間、および歯車プーリー56、58間の歯車の減速比を歯数の比でそれぞれ4:1,2:1,7:1のように整数倍で設定した例を示す。実験で、不要振動を抑える為のダンパ50dを取り付けたステッピングモーターに、図4の減速パターンを適用した。C,M,Yの各色について、プラテンローラ10を8パルスで副走査方向に300dpiピッチで走査したところ、各色のドット位置ズレが±5μm以内に入る良好な位置精度が実現できることを確認出来た。
また、図5では図4と同様の各歯車プーリー間を減速比をやはり歯数の比で表してそれぞれ3:1,2:1,7:1のように整数倍で設定してある。プラテンローラ10を6パルスで副走査方向を300dpiピッチで走査した事以外は、図4の場合と同様に行なったところ、高精度の位置合わせが出来る事を確認出来た。
上記画像形成装置を用いて作成した本発明の画像形成体は、被転写体1である基材の上に面積階調により形成した多色の画像と、2値画像により形成された文字等白黒画像とを有する。理由は、セキィリティを求められる画像形成体には、これらが一般に求められる為である。上記画像形成装置によれば、もし必要であれば、2値画像が無い画像形成体も作成可能である。
さて、画像を形成する各色のドットは、1μm以下の厚さを有する。基材および画像は、中間転写媒体6の保護層の役目も果たす層に由来する透明な樹脂層によって被覆される。面積階調による多色の画像部分は、例えば、所有者個人の顔画像であり、白黒部分は、例えば、所有者個人に関わる個別情報を含む文字、記号部分である。個別情報の代表例は、真正な所有者の姓名、生年月日、所属等である。
本発明の画像形成体がパスポート以外の証明証などである場合も考慮すると、個別情報には、さらに、各種のコード番号、指紋、細紋、網膜等の生体に関する情報を記号化(又は暗号化)したもの、或いは、これらの情報のいずれかに何らかの変換を施して、バーコード化、2次元バーコード化その他のパターン化を行なったもの等も含まれたりする。
ちなみに、機械読取りされるOCR用の文字や記号等は、機械読取りに適するように、高コントラストの画像を得るべくBkのインクを用いた2値画像で形成するのは好ましい。代表的な一例として、パスポートに関する国際規格であるICAOに定められたOCR用の文字、記号などの2値画像の形成も、このBkのインクを用いるのが好ましい。
本発明によれば、一般的な情報や前記の個別情報を表す(又は関係する)、文字、数字、記号、印、及びパターンを、記録画像の一部として、非常に微小でしかも画質がシャープなマイクロ文字を、好適に形成できる。
図6は、マイクロ文字85をサーマルヘッド38を用いて、Bkのインク層72Bを使用して転写したドット84の集合により2値画像として形成した例である。すなわち、記録画像中に、微小であることから単なる目視程度では発見しづらいマイクロ文字を密かに形成しておくことが望ましい。もし画像形成体が偽造されたものであったとした場合に、このようなマイクロ文字が形成されていなければ、偽造品であることが容易に判別可能である。また、もしマイクロ文字も含めて偽造が技術的に可能であったとしても、偽造に要する手間や日数そしてコストが嵩んでしまうために、マイクロ文字を使用することは偽造等の不正を抑制まやは防止するうえで効果的である。
尚、形成するマイクロ文字の場所、内容、数、等は、設計により適宜変更可能である。特に、マイクロ文字の内容として個別情報を採用した場合には、偽造の防止や抑止の効果が高まる。参考までに、図6における例でのドットの各ピッチは、主走査方向D1、副走査方向D2ともに300dpiに設定したものである。また、文字の湾曲している部分のドット径を変えることにより、文字のスムージングも行なうことが出来る。
図7は、やはりマイクロ文字の例であり、ドットの各ピッチを、主走査方向D1は300dpi、副走査方向D2は1200dpiに設定した以外は、図6の場合と同様である。尚、サーマルヘッドの発熱部が並ぶ間隔を随意に変更することは、通常ならサーマルヘッド自体を別仕様のものと交換せざるを得ないのが普通である。つまり、主走査方向D1については、ドット間隔を適宜変更することは、現実的ではない。一方、副走査方向D2は、中間転写媒体6の搬送ピッチを適宜変更することによりドットの形成ピッチを変更可能である。従って、副走査方向D2のドット間隔を変えることによりドットを密に形成すると共に、文字のスムージング性能を高めることが、マイクロ文字の微細化や解像度向上には好ましい。
また、本発明によれば、記録画像がスキャナで読み取られた場合に、その出力画像では干渉縞が発生するようなパターンを記録画像の一部として形成しておくことが出来る。
図8には、干渉縞発生用パターン87をサーマルヘッド38を用いて、Bkのインク層73Bを転したドット84の集合により2値画像として形成した例を示す。
図8の図示の例におけるドット84のピッチは、主走査方向D1は300dpi、副走査方向D2は1200dpiに設定されている。ドットが形成される位置精度が高いことを利用して、異なる複数の斜め方向に細線が延びたパターンを形成する。これにより、このパターンと、スキャナの読み取りピッチとの関係で、スキャナの読み取り位置(あるい
は読み取り方向)をどのように変えたとしても、スキャナ読み取りを行なって出力された画像には必ず干渉縞が発生するようになる。
本発明の画像形成体に形成された記録画像(真正品)では、干渉縞発生用パターン87が存在しているが、そこもは干渉縞が発生していない為に、かかるパターン87が存在していることには普通は気がつかない。しかし、スキャナを使用した複写、例えば、ゼログラフィによる複写装置によった場合、複写品では真正品上のパターン87に対応する部分に干渉縞が発生する。
このことを利用して、記録画像中の一部に発見しずらい干渉縞発生用パターンを密かに形成しておく事が望ましい。もし、画像形成体にこのような干渉縞が発生していれば、スキャナ読み取りを経た偽造がなされたものであることに気が付く。これは、やはり偽造等の不正の抑止や防止に効果がある。尚、この干渉縞の出現した場合にそのパターンが、例えば「VOID」等の文字状に見えるように予め設計し、そのように干渉縞発生用パターンを形成しておくことも可能である。こうしておけば、不正の痕跡の発見がいっそう容易になって好ましい。
本発明に関わる画像の解像度は、図6〜図8の例の場合に限らず、装置や処理用ソフトウェアの設計次第で、適宜、多様に決定できる。つまり、解像度は主走査方向D1、副走査方向D2のそれぞれについて、図6〜図8の例の場合よりも高めることも可能である(設計による)。例えば、解像度として、300〜2400dpi程度、あるいはこれ以上も設計により可能である。主走査方向の解像度の変更は、(前記のように)サーマルヘッド自体の交換を要するので、相対的に変更できる自由度が、副走査方向ほどには高くない。
前述の例では、画像形成体として、主にパスポートばかりが述べられたが、本発明によれば種々の画像形成体(被転写体)に対して適用可能である。すなわち、今日、多くの画像形成体には、市場的あるいは社会的にセキュリティ性が要求され、例えば偽造が困難であったりもし偽造されてもその不正の発見が容易であったりすることが望まれている。そのような画像形成体を例示すると、パスポートや預金通帳に代表される冊子類、パスポートに貼るつけられるタイプの査証(ビザ)に代表されるスッテカー類、そしてクレジットカード、キャッシュカード、銀行系カード、デビットカード、プリペイドカード、ポイントカード、各種免許証、IDカード、社員証、メンバーズカード、学生証、磁気カード、ICカード(接触型、非接触型、接触及び非接触の複合型、接触及び光による複合型、接触及び赤外線による複合型、等)、あるいは光カード等に代表されるカード類である。
尚、本発明は、セキュリティ性が要求される画像形成体であれば、前記画像形成体以外のものにも適用可能である。また、本発明は、セキュリティ性が要求される画像形成体と、それに関わる画像形成の分野に必ずしも限定されるべきものではなく、画像形成の用途であればそれら以外の分野にでも適用可能である。但し、本発明は、セキュリティ性が要求される分野に適用した場合の方が、そうでない場合よりも、本発明の価値が高く評価出来る。
本発明に係る画像形成体を作成する画像形成装置の一例を示す概略模式図。 本発明に係る画像形成体を作成する画像形成装置の一例について、N1側からN2側へ減速することによって、トルク増加と速度の低下を行うタイミングベルトの減速タイミングを示す説明図。 本発明に係る画像形成体を作成する画像形成装置の一例について、プラテンローラー駆動系について示す説明図。 本発明に係る画像形成体を作成する画像形成装置の一例について、その駆動の伝達について一例を示す説明図。(図中でZ付きの数字はそれぞれの歯数を示す。) 本発明に係る画像形成体を作成する画像形成装置の一例について、その駆動の伝達について別の一例を示す説明図。(図中でZ付きの数字はそれぞれの歯数を示す。) 本発明に係る画像形成体の一例について、マイクロ文字をドットで形成した様子を示す説明図。(図中で、横方向が主走査方向D1、縦方向が副走査方向D2。) 本発明に係る画像形成体の一例について、マイクロ文字をドットで形成した他の例の様子を示す説明図。(図中で、横方向が主走査方向D1、縦方向が副走査方向D2。図7の場合よりも、副走査方向D2の解像度が高い。) 本発明に係る画像形成体の一例について、干渉縞発生用のパターンをドットで形成した様子を示す説明図。(図中で、横方向が主走査方向D1、縦方向が副走査方向D2。)
符号の説明
1,1' ・・・・・・・被転写体
2,2' ・・・・・・・トレイ
3 ・・・・・・・レール
4,4',5,5' ・・・車輪
6 ・・・・・・・中間転写媒体
7 ・・・・・・・インクリボン
8,9 ・・・・・・・クランプローラー
10 ・・・・・・・プラテンローラー
11 ・・・・・・・レジマークセンサー
12 ・・・・・・・クリーニングローラー
13,15,16,39・・・ガイドローラー
17,18・・・・・・・搬送ローラー(進行する場合は回転方向Dh)
20,19・・・・・・・搬送ローラー(進行する場合は回転方向Dd)
21 ・・・・・・・温度センサー
22 ・・・・・・・クリーニングローラー
23 ・・・・・・・供給リール
24 ・・・・・・・巻取リール
25 ・・・・・・・クリーニングローラー
26 ・・・・・・・供給リール
27 ・・・・・・・巻取リール
28,29・・・・・・・搬送ローラー28(進行する場合は回転方向Dg)
30,31・・・・・・・センサー
32,33・・・・・・・クリーニングローラー
34 ・・・・・・・ガイドローラー
35 ・・・・・・・ピールプレート
36 ・・・・・・・ケーブル(ソケット付き。サーマルヘッド制御用)
37 ・・・・・・・ハロゲンランプヒータ
38 ・・・・・・・サーマルヘッド
40 ・・・・・・・ヒートローラー(降下方向Db、回転方向Di)
41,42・・・・・・・シャッター(開く際の方向Dc、Dc')
50 ・・・・・・・ステッピングモータ
51,52・・・・・・・プーリー
53 ・・・・・・・ベルト
54,57・・・・・・・ベルト
55,56,58,59・・プーリー
60 ・・・・・・・電磁クラッチ
100,101・・・・・光センサ(投射部と受光部)
N1,N2・・・・・・・タイミングベルトの減速タイミング
(N1からN2に減速)
V1,V2・・・・・・・位置ズレ
(それぞれN1、N2に対応)
Da ・・・・・・・中間転写媒体の搬送方向(順方向)
Df ・・・・・・・インクリボンの搬送方向(順方向)

Claims (4)

  1. 画像形成体であって、基材と、記録画像と、前記記録画像を目視可能に覆うように前記基材上に配設された透明な樹脂層と、を具備し、
    前記記録画像は、階調画像及び2値画像を含み、
    該階調画像は、前記インク層による異なる色のドットの集合からなり且つ異なる色のドットをほぼ同一箇所に積み重ねることによって、設定された色彩を有し、
    前記2値画像は、前記ドットの集合体により形成された、文字、数字、記号、印、及びパターンからなる群から選択できるいずれかを用いたマイクロ文字を具備すること、
    を特徴とする画像形成体。
  2. 前記マイクロ文字は、前記記録画像の主部分に関係した個別情報であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成体。
  3. 画像形成体であって、基材と、記録画像と、前記記録画像を目視可能に覆うように前記基材上に配設された透明な樹脂層と、を具備し、
    前記記録画像は、階調画像及び2値画像を含み、
    該階調画像は、前記インク層による異なる色のドットの集合からなり且つ異なる色のドットをほぼ同一箇所に積み重ねることによって、設定された色彩を有し、
    前記2値画像は、前記ドットの集合体により形成された、前記記録画像がスキャナで読み取りされた場合に干渉縞を発生させるパターンを具備すること、
    を特徴とする画像形成体。
  4. 前記干渉縞を発生させるパターンは、高解像度のピッチで形成されたドットにより異なる複数の斜め方向に細い線が延びるように形成されたパターンであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成体。
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