JP2013172001A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリコン基板に形成されるMOSトランジスタの閾値電圧のばらつきを低減できるようにした半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板1上にスルー酸化膜5を形成する工程と、スルー酸化膜5を介してシリコン基板1にボロンイオン(B+)をイオン注入する工程と、スルー酸化膜5をエッチングして薄膜化する工程と、薄膜化されたスルー酸化膜5をシリコン基板1上に残した状態で、シリコン基板1をアンモニア過水を含む薬液を用いて洗浄する工程と、シリコン基板1を洗浄した後で、シリコン基板1上からスルー酸化膜5を除去して、シリコン基板1の表面を露出させる工程と、シリコン基板1の露出した表面にMOSトランジスタ30を形成する工程と、を含む。
【選択図】図2
【解決手段】シリコン基板1上にスルー酸化膜5を形成する工程と、スルー酸化膜5を介してシリコン基板1にボロンイオン(B+)をイオン注入する工程と、スルー酸化膜5をエッチングして薄膜化する工程と、薄膜化されたスルー酸化膜5をシリコン基板1上に残した状態で、シリコン基板1をアンモニア過水を含む薬液を用いて洗浄する工程と、シリコン基板1を洗浄した後で、シリコン基板1上からスルー酸化膜5を除去して、シリコン基板1の表面を露出させる工程と、シリコン基板1の露出した表面にMOSトランジスタ30を形成する工程と、を含む。
【選択図】図2
Description
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、シリコン基板に形成されるMOSトランジスタの閾値電圧のばらつきを低減できるようにした技術に関する。
従来から、半導体基板にMOSトランジスタ等を形成する際に、シリコン基板の表面に犠牲酸化膜を形成し、閾値電圧(即ち、Vth)調整用の不純物をイオン注入した後、フッ化水素酸(即ち、HF水溶液)を用いたウェットエッチングにより犠牲酸化膜を全て除去し、その後、ゲート酸化膜を形成することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
図4(a)〜(c)は、従来例に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。図4(a)では、シリコン基板101に素子分離用の絶縁膜103を形成する。次に、シリコン基板101の表面を熱酸化してスルー酸化膜105を形成する。次に、スルー酸化膜105を介して、シリコン基板101のアクティブ領域にVth調整用のボロンイオン(B+)をイオン注入する。続いて、絶縁膜103上にポリシリコンからなる抵抗体107を形成する。そして、シリコン基板101の上方全面に、抵抗体107を保護するためのCAP酸化膜109を形成する。
次に、図4(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて、抵抗体107の上方を覆うレジストパターン111を形成する。そして、このレジストパターン111をマスクに、CAP酸化膜109とスルー酸化膜105とをウェットエッチングして除去する。これにより、シリコン基板101のアクティブ領域の表面が露出する。その後、図4(c)に示すように、レジストパターン111を除去する。
次に、アクティブ領域が露出しているシリコン基板101に、SC−1(Standard Clean-1)洗浄を施す。SC−1洗浄には、アンモニア水(NH4OH)と過酸化水素水(H2O2)と純水(H2O)とを混合した薬液を用いる。SC−1洗浄を行うことにより、シリコン基板101の表面からパーティクル等を除去することができる。なお、このSC−1洗浄では、アンモニア水及び過酸化水素水(以下、アンモニア過水)と、シリコンとの化学反応により、シリコン基板101の表面に薄いシリコン酸化膜(図示せず)が形成される。
次に、この図示しない薄いシリコン酸化膜を、希HF水溶液でエッチングして除去する。その後、シリコン基板101のアクティブ領域にゲート酸化膜と、ゲート電極と、ソース及びドレインとを順次形成する。このようにして、シリコン基板101にMOSトランジスタを完成させる。
ところで、図4(c)に示したように、シリコン基板101のSC−1洗浄を施す際に、シリコン基板101の表面は露出している。このため、アンモニア過水はシリコン基板101の表面に直に接触して、これをエッチングする。シリコン基板101の表面がエッチングされると、シリコン基板101の表面及びその近傍における不純物濃度(即ち、表面濃度)が変化する。そして、表面濃度が変化すると、MOSトランジスタの閾値電圧Vthが変動する。
つまり、シリコン基板101の表面の削れ量が変動すると、その変動に応じて閾値電圧Vthが変動する。この点について、本発明者は実験及びシミュレーションを行って、シリコン基板の削れ量と閾値電圧Vthとの間に実際に関係があることを確認した。
図5(a)は、本発明者が行った実験の結果を示す図である。図5(a)の横軸はウエーハの識別番号(ウエーハ#)を示し、縦軸はMOSトランジスタの閾値電圧Vthを示す。この実験では、ウエーハ#1、2に対しては、SC−1洗浄を第1の条件(処理時間:5分間)で行った。また、ウエーハ#3、4に対しては、SC−1洗浄をオーバーエッチとなる第2の条件(処理時間:10分間)で行った。その結果、図5(a)に示すように、ウエーハ#1、2と、ウエーハ#3、4との間で、閾値電圧Vthに約100mVの差が生じる、という結果を得た。
図5(a)は、本発明者が行った実験の結果を示す図である。図5(a)の横軸はウエーハの識別番号(ウエーハ#)を示し、縦軸はMOSトランジスタの閾値電圧Vthを示す。この実験では、ウエーハ#1、2に対しては、SC−1洗浄を第1の条件(処理時間:5分間)で行った。また、ウエーハ#3、4に対しては、SC−1洗浄をオーバーエッチとなる第2の条件(処理時間:10分間)で行った。その結果、図5(a)に示すように、ウエーハ#1、2と、ウエーハ#3、4との間で、閾値電圧Vthに約100mVの差が生じる、という結果を得た。
図5(b)は、本発明者が行ったシミュレーションの結果である。図5(b)の横軸はシリコン基板の削れ量を示し、縦軸はMOSトランジスタの閾値電圧Vthを示す。図5(b)に示すように、シリコン基板の削れ量に応じて閾値電圧Vthが変動する、という結果を得た。SC−1洗浄の処理時間が長いほどシリコン基板の削れ量は大きくなる傾向があるので、図5(a)に示した閾値電圧Vthの変動は、シリコン基板の削れ量の変動により生じている、ということを確認した。
以上から、シリコン基板の削れ量が一定であれば、MOSトランジスタの閾値電圧Vthの変動幅は小さくなり、安定化する、ということがわかった。
しかしながら、特に、ディップ式(浸漬式)のウエーハ洗浄装置において、アンモニア過水によるシリコン基板101の単位時間当たりの削れ量(即ち、エッチングレート)は、アンモニア過水を調製して漕内に供給してからの経過時間や、漕内でのウエーハ処理枚数に応じて変動することが常である。このため、アンモニア過水によるシリコン基板の削れ量は、ウエーハ間やロット間で変動し、このことが閾値電圧Vthをばらつかせる要因となる、という課題があった。
しかしながら、特に、ディップ式(浸漬式)のウエーハ洗浄装置において、アンモニア過水によるシリコン基板101の単位時間当たりの削れ量(即ち、エッチングレート)は、アンモニア過水を調製して漕内に供給してからの経過時間や、漕内でのウエーハ処理枚数に応じて変動することが常である。このため、アンモニア過水によるシリコン基板の削れ量は、ウエーハ間やロット間で変動し、このことが閾値電圧Vthをばらつかせる要因となる、という課題があった。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、シリコン基板に形成されるMOSトランジスタの閾値電圧のばらつきを低減できるようにした半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、シリコン基板上にシリコン酸化膜を形成する工程と、前記シリコン酸化膜を介して前記シリコン基板に不純物を導入する工程と、前記シリコン酸化膜をエッチングして薄膜化する工程と、薄膜化された前記シリコン酸化膜を前記シリコン基板上に残した状態で、前記シリコン基板をアンモニア水及び過酸化水素水を含む薬液を用いて洗浄する工程と、前記シリコン基板を洗浄した後で、前記シリコン基板上から前記シリコン酸化膜を除去して、前記シリコン基板の表面を露出させる工程と、前記シリコン基板の露出した表面にMOSトランジスタを形成する工程と、を含むことを特徴とする。
このような製造方法であれば、アンモニア水及び過酸化水素水(即ち、アンモニア過水)を含む薬液を用いて、シリコン基板に洗浄処理を施す際に、シリコン基板の表面は薄膜化されたシリコン酸化膜で覆われており、露出していない。従って、アンモニア過水をシリコン基板の表面に直に接触させないようにすることができ、シリコン基板の表面がアンモニア過水によってエッチングされることを防ぐことができる。これにより、シリコン基板の表面及びその近傍における不純物濃度(即ち、表面濃度)が、エッチングに起因して変動することを防ぐことができる。従って、シリコン基板に形成されるMOSトランジスタの閾値電圧Vthのばらつきを低減することができる。なお、本発明の「シリコン酸化膜」としては、例えば、後述するスルー酸化膜5が該当する。
また、上記の半導体装置の製造方法において、前記シリコン酸化膜は、上層部と下層部とを有し、前記下層部は前記上層部と比較して窒素原子を多く含み、前記シリコン酸化膜を薄膜化する工程では、フッ化水素酸を用いて前記上層部をエッチングすることを特徴とする。このような製造方法であれば、上層部のエッチングレートよりも下層部のエッチングレートの方を小さくすることができる。従って、上層部と下層部のエッチングの選択性を利用して、シリコン酸化膜の薄膜化後の厚さを、予め設定された厚さに精度良く合わせ込むことが可能となる。
本発明によれば、シリコン基板の表面濃度がエッチングに起因して変動することを防ぐことができる。これにより、シリコン基板に形成されるMOSトランジスタの閾値電圧Vthのばらつきを低減することができる。
以下、本発明による実施形態を、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(1)第1実施形態
(1.1)製造方法
図1(a)〜図2(d)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。ここでは、シリコン基板に抵抗体とMOSトランジスタとを形成する場合について説明する。
(1)第1実施形態
(1.1)製造方法
図1(a)〜図2(d)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。ここでは、シリコン基板に抵抗体とMOSトランジスタとを形成する場合について説明する。
図1(a)では、まず始めに、シリコン基板1に素子分離用の絶縁膜3を形成する。この絶縁膜3の形成は、例えばLOCOS(local oxidation of silicon)法で行う。次に、シリコン基板1の表面を熱酸化して、アクティブ領域にスルー酸化膜5を形成する。ここで、スルー酸化膜5とは、イオン注入の際にシリコン基板1の表面を保護することを目的に成膜された膜のことである。また、アクティブ領域とは、絶縁膜3下から露出している領域であり、後にMOSトランジスタが形成される領域を含む。
スルー酸化膜5の成膜時の厚さT1は、例えば、270Å程度である。また、スルー酸化膜5を形成するための熱酸化の条件は、例えば、温度が850℃、プロセスガスは酸素(O2)及び水素(H2)を含む混合ガスである。なお、本発明において、スルー酸化膜5の形成方法は、熱酸化に限定されない。スルー酸化膜5は、例えばCVD(chemical vapor deposition)法で形成してもよい。
次に、スルー酸化膜5を介して、シリコン基板1のアクティブ領域にVth調整用のボロンイオン(B+)をイオン注入する。このイオン注入により、アクティブ領域の表面及びその近傍には、ボロンイオンのドーズ量とその注入エネルギーとに応じた、ボロンイオンの濃度分布が形成される。なお、本発明において、Vth調整用の不純物はボロンイオンに限定されない。Vth調整用の不純物は、例えば、P型不純物である二フッ化ボロンイオン(BF2+)や、N型不純物であるリンイオン(P+)等であってもよい。
次に、図1(b)に示すように、絶縁膜3上にポリシリコンからなる抵抗体7を形成する。この抵抗体7は、例えば、CVD法によってシリコン基板1の上方全面にポリシリコン膜を形成し、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いてポリシリコン膜をパターニングすることにより形成する。
次に、図1(c)に示すように、シリコン基板1の上方全面に、抵抗体7を保護するためのCAP酸化膜9を形成する。CAP酸化膜9は例えばシリコン酸化膜であり、その形成方法は例えばCVD法である。CAP酸化膜9の厚さは、例えば、1000Å程度である。
次に、図1(c)に示すように、シリコン基板1の上方全面に、抵抗体7を保護するためのCAP酸化膜9を形成する。CAP酸化膜9は例えばシリコン酸化膜であり、その形成方法は例えばCVD法である。CAP酸化膜9の厚さは、例えば、1000Å程度である。
次に、図2(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて、抵抗体7の上方を覆うレジストパターン11を形成する。そして、このレジストパターン11をマスクに、CAP酸化膜9とスルー酸化膜5とを順次エッチング。ここで、本発明では、レジストパターン11から露出しているCAP酸化膜9は全て除去するが、レジストパターン11から露出しているスルー酸化膜5については、その上層部のみを除去して、下層部を残すようにする。つまり、スルー酸化膜5を予め設定された厚さT2までエッチングして薄膜化する。
CAP酸化膜9とスルー酸化膜5のエッチングは、フッ化水素酸(即ち、HF水溶液)を用いたウェットエッチングにより行う。薄膜化された後のスルー酸化膜5の厚さ(即ち、予め設定された厚さ)T2は、例えば数nmである。スルー酸化膜5を薄膜化した後で、レジストパターン11を除去する。
次に、図2(b)に示すように、シリコン基板1のアクティブ領域上に薄膜化されたスルー酸化膜5を残した状態で、シリコン基板1にSC−1洗浄を施す。SC−1洗浄は、アンモニア水(NH4OH)と過酸化水素水(H2O2)と純水(H2O)とを混合した薬液を用いて行う。SC−1洗浄を行う装置は、前述の薬液を漕内に溜めて、この漕内にウエーハを浸漬するディップ式の洗浄装置でもよいし、前述の薬液をウエーハの表面に噴霧するスプレー式の洗浄装置でもよい。
次に、図2(b)に示すように、シリコン基板1のアクティブ領域上に薄膜化されたスルー酸化膜5を残した状態で、シリコン基板1にSC−1洗浄を施す。SC−1洗浄は、アンモニア水(NH4OH)と過酸化水素水(H2O2)と純水(H2O)とを混合した薬液を用いて行う。SC−1洗浄を行う装置は、前述の薬液を漕内に溜めて、この漕内にウエーハを浸漬するディップ式の洗浄装置でもよいし、前述の薬液をウエーハの表面に噴霧するスプレー式の洗浄装置でもよい。
シリコン基板1にSC−1洗浄を施すことにより、シリコン基板1からパーティクル等を除去することができる。ここで、本発明では、SC−1洗浄を施す際に、シリコン基板1のアクティブ領域上には薄膜化されたスルー酸化膜5が残されており、このスルー酸化膜5によってアクティブ領域の表面は全て覆われている。つまり、シリコン基板のアクティブ領域表面は露出していない。このため、前述の薬液に含まれているアンモニア水及び過酸化水素水(即ち、アンモニア過水)が、シリコン基板1のアクティブ領域表面に直に接触することはない。本発明では、薄膜化されたスルー酸化膜5が、アンモニア過水によってアクティブ領域表面がエッチングされることを防いでいる。
次に、シリコン基板1のアクティブ領域上に残されていたスルー酸化膜5をエッチングして除去する。スルー酸化膜5のエッチングは、例えば、希HF水溶液を用いたウェットエッチングで行う。これにより、図2(c)に示すように、シリコン基板1のアクティブ領域表面が露出した状態となる。なお、この希HF水溶液を用いたスルー酸化膜5のエッチング工程は、ゲート酸化膜を形成する前の洗浄工程(即ち、ゲート前洗浄の工程)とすることができる。
これ以降の工程は、通常のCMOSプロセスと同じである。即ち、図2(d)に示すように、シリコン基板1のアクティブ領域に、ゲート酸化膜21と、ゲート電極23と、ソース25及びドレイン27とを順次形成して、MOSトランジスタ30を完成させる。
これ以降の工程は、通常のCMOSプロセスと同じである。即ち、図2(d)に示すように、シリコン基板1のアクティブ領域に、ゲート酸化膜21と、ゲート電極23と、ソース25及びドレイン27とを順次形成して、MOSトランジスタ30を完成させる。
(1.2)第1実施形態の効果
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、シリコン基板1にSC−1洗浄を施す際に、シリコン基板1のアクティブ領域表面は薄膜化されたスルー酸化膜5で覆われており、露出していない。従って、アンモニア過水をアクティブ領域表面に直に接触させないようにすることができ、アクティブ領域表面がアンモニア過水によってエッチングされることを防ぐことができる。これにより、アクティブ領域の表面濃度が、エッチングに起因して変動することを防ぐことができる。従って、シリコン基板1に形成されるMOSトランジスタの閾値電圧Vthのばらつきを低減することができる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、シリコン基板1にSC−1洗浄を施す際に、シリコン基板1のアクティブ領域表面は薄膜化されたスルー酸化膜5で覆われており、露出していない。従って、アンモニア過水をアクティブ領域表面に直に接触させないようにすることができ、アクティブ領域表面がアンモニア過水によってエッチングされることを防ぐことができる。これにより、アクティブ領域の表面濃度が、エッチングに起因して変動することを防ぐことができる。従って、シリコン基板1に形成されるMOSトランジスタの閾値電圧Vthのばらつきを低減することができる。
また、本発明の第1実施形態によれば、シリコン基板1にSC−1洗浄を施す際に、スルー酸化膜5をそのまま残しておくのではなく、予め、スルー酸化膜5を数nmまで薄膜化している。これにより、希HF水溶液を用いたスルー酸化膜5の除去工程(例えば、ゲート前洗浄の工程)で、シリコン基板1の表面にパーティクルが付着することを防ぐことができる。即ち、本発明者の知見によれば、スルー酸化膜5の残膜T2が大きいと、希HF水溶液による処理時間が長くなり、シリコン基板1の電位が上昇してパーティクルが付着し易くなる。以上の理由から、本発明では、スルー酸化膜5の残膜T2を、必要最小限な厚さである数nmとすることが好ましい。
(2)第2実施形態
上述の第1実施形態では、スルー酸化膜5のうちの上層部の膜質と、下層部の膜質とが同一である場合を想定して説明した。しかしながら、本発明では、スルー酸化膜5の上層部と下層部とで膜質が異なっていても良い。
図3(a)及び(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。例えば、図3(a)に示すように、スルー酸化膜5は上層部5aと下層部5bとを有し、下層部5bを構成しているシリコン酸化膜は、上層部5aを構成しているシリコン酸化膜よりも窒素原子(N)を多く含んでいてもよい。つまり、下層部5bは、Nリッチなシリコン酸化膜で構成されていてもよい。
上述の第1実施形態では、スルー酸化膜5のうちの上層部の膜質と、下層部の膜質とが同一である場合を想定して説明した。しかしながら、本発明では、スルー酸化膜5の上層部と下層部とで膜質が異なっていても良い。
図3(a)及び(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。例えば、図3(a)に示すように、スルー酸化膜5は上層部5aと下層部5bとを有し、下層部5bを構成しているシリコン酸化膜は、上層部5aを構成しているシリコン酸化膜よりも窒素原子(N)を多く含んでいてもよい。つまり、下層部5bは、Nリッチなシリコン酸化膜で構成されていてもよい。
このような構成であれば、HF水溶液を用いたスルー酸化膜5の薄膜化工程で、上層部5aと下層部5bとのエッチングレートに差を生じさせることができる。即ち、上層部5aのエッチングレートよりも下層部5bのエッチングレートの方を小さくすることができる。従って、図3(b)に示すように、上層部5aと下層部5bのエッチングの選択性を利用して、スルー酸化膜5の薄膜化後の厚さを、予め設定された厚さT2に精度良く合わせ込むことが可能となる。
なお、図3(a)に示したスルー酸化膜5は、熱酸化で形成してもよいし、CVD法で形成してもよい。何れの方法でも、成膜の途中でプロセスガスを切り替えることにより、上層部5aと下層部5bとを一体の膜として形成することができる。例えば、図3(a)に示したスルー酸化膜5を熱酸化で形成する場合は、始めに第1の条件でシリコン基板1を熱酸化し、続いて、第2の条件でシリコン基板1を熱酸化する。一例を挙げると、第1の条件は、温度が850℃、プロセスガスは酸素(O2)及び水素(H2)を含む混合ガスである。第2の条件は、温度が900℃、プロセスガスは一酸化二窒素(N2O)である。これにより、第1の条件で上層部5aが形成され、続いて、第2の条件で下層部5bが形成される。
1 シリコン基板
3 素子分離用の絶縁膜
5 スルー酸化膜
5a 上層部
5b 下層部
7 抵抗体
9 酸化膜
11 レジストパターン
21 ゲート酸化膜
23 ゲート電極
25 ソース
27 ドレイン
30 MOSトランジスタ
3 素子分離用の絶縁膜
5 スルー酸化膜
5a 上層部
5b 下層部
7 抵抗体
9 酸化膜
11 レジストパターン
21 ゲート酸化膜
23 ゲート電極
25 ソース
27 ドレイン
30 MOSトランジスタ
Claims (2)
- シリコン基板上にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜を介して前記シリコン基板に不純物を導入する工程と、
前記シリコン酸化膜をエッチングして薄膜化する工程と、
薄膜化された前記シリコン酸化膜を前記シリコン基板上に残した状態で、前記シリコン基板をアンモニア水及び過酸化水素水を含む薬液を用いて洗浄する工程と、
前記シリコン基板を洗浄した後で、前記シリコン基板上から前記シリコン酸化膜を除去して、前記シリコン基板の表面を露出させる工程と、
前記シリコン基板の露出した表面にMOSトランジスタを形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記シリコン酸化膜は、上層部と下層部とを有し、前記下層部は前記上層部と比較して窒素原子を多く含み、
前記シリコン酸化膜を薄膜化する工程では、フッ化水素酸を用いて前記上層部をエッチングすることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
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