JP2013170684A - エンジンの伝動ケースの密封装置 - Google Patents

エンジンの伝動ケースの密封装置 Download PDF

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Abstract

【課題】オイルシールの内周側のリップ部やカラーの磨耗を抑制することができるエンジンの伝動ケースの密封装置を提供する。
【解決手段】伝動ケース1内で回転伝動軸2の外周に内部伝動輪4を嵌め、伝動ケース1のケース壁3に伝動軸挿通孔5をあけ、伝動ケース1外で回転伝動軸2の突出部6の外周に外部伝動輪7を嵌め、伝動軸挿通孔5内で回転伝動軸2の外周側にリップ部当接面2aを設け、伝動軸挿通孔5の内周にオイルシール9を嵌め、オイルシール9の内周側のリップ部9a・9bを回転伝動軸2の外周側のリップ部当接面2aに当接させた、エンジンの伝動ケースの密封装置において、外部伝動輪7とオイルシール9との間に環状のオイルシールカバー10を設け、このオイルシールカバー10でオイルシール9をその前側から覆い、オイルシール9に前側のリップ部9cを設け、この前側のリップ部9cをオイルシールカバー10の後面10aに当接させた。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンの伝動ケースの密封装置に関し、詳しくは、オイルシールの内周側のリップ部やリップ部当接面の磨耗を抑制することができる、エンジンの伝動ケースの密封装置に関する。
従来、エンジンの伝動ケースの密封装置として、伝動ケース内に回転伝動軸を挿通し、伝動ケース内で回転伝動軸の外周に内部伝動輪を嵌め、伝動ケースのケース壁に伝動軸挿通孔をあけ、伝動軸挿通孔を介して伝動ケース外に回転伝動軸を突出させ、伝動ケース外で回転伝動軸の突出部の外周に外部伝動輪を嵌め、伝動軸挿通孔内で回転伝動軸の外周側にリップ部当接面を設け、伝動軸挿通孔の内周にオイルシールを嵌め、オイルシールの内周側のリップ部を回転伝動軸の外周側のリップ部当接面に当接させたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この種の密封装置によれば、伝動ケース内のオイルが伝動軸挿通孔から伝動ケース外に漏れ出すのをオイルシールの内周側のリップ部で防止することができる利点がある。
しかし、この従来の密封装置では、オイルシールの内周側のリップ部やリップ部当接面に塵埃や泥水が接近するのを妨げる手段がないため、問題がある。
実開平6−22552号公報(図1参照)
《問題》 オイルシールの内周側のリップ部やリップ部当接面が磨耗しやすい。
オイルシールの内周側のリップ部やリップ部当接面に塵埃や泥水が接近するのを妨げる手段がないため、塵埃や泥等の異物の噛み込みにより、オイルシールの内周側のリップ部やリップ部当接面が磨耗しやすい。
本発明の課題は、オイルシールの内周側のリップ部やリップ部当接面の磨耗を抑制することができる、エンジンの伝動ケースの密封装置を提供することにある。
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図2または図3に例示するように、伝動ケース(1)内に回転伝動軸(2)を挿通し、伝動ケース(1)内で回転伝動軸(2)の外周に内部伝動輪(4)を嵌め、伝動ケース(1)のケース壁(3)に伝動軸挿通孔(5)をあけ、伝動軸挿通孔(5)を介して伝動ケース(1)外に回転伝動軸(2)を突出させ、伝動ケース(1)外で回転伝動軸(2)の突出部(6)の外周に外部伝動輪(7)を嵌め、伝動軸挿通孔(5)内で回転伝動軸(2)の外周側にリップ部当接面(2a)を設け、伝動軸挿通孔(5)の内周にオイルシール(9)を嵌め、オイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)を回転伝動軸(2)の外周側のリップ部当接面(2a)に当接させた、エンジンの伝動ケースの密封装置において、
図2または図3に例示するように、回転伝動軸(2)の軸長方向を前後方向、回転伝動軸(2)の突出方向を前として、
外部伝動輪(7)とオイルシール(9)との間に環状のオイルシールカバー(10)を設け、このオイルシールカバー(10)でオイルシール(9)をその前側から覆い、
オイルシール(9)に前側のリップ部(9c)を設け、この前側のリップ部(9c)をオイルシールカバー(10)の後面(10a)に当接させた、ことを特徴とするエンジンの伝動ケースの密封装置。
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 オイルシールの内周側のリップ部やリップ部当接面の磨耗を抑制することができる。
図2または図3に例示するように、回転伝動軸(2)の軸長方向を前後方向、回転伝動軸(2)の突出方向を前として、外部伝動輪(7)とオイルシール(9)との間に環状のオイルシールカバー(10)を設け、このオイルシールカバー(10)でオイルシール(9)をその前側から覆い、オイルシール(9)に前側のリップ部(9c)を設け、この前側のリップ部(9c)をオイルシールカバー(10)の後面(10a)に当接させたので、オイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)やリップ部当接面(2a)に塵埃や泥水が接近するのを、オイルシールカバー(10)と前側のリップ部(9c)によって妨げることができ、塵埃や泥等の異物の噛み込みによるオイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)やリップ部当接面(2a)の磨耗を抑制することができる。
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 オイルシールの内周側のリップ部やリップ部当接面の磨耗を抑制することができる。
図2または図3に例示するように、オイルシール(9)の前側のリップ部(9c)よりも回転伝動軸(2)側で、オイルシールカバー(10)から後向きにストッパ突条(10b)を突出させ、このストッパ突条(10b)を前側のリップ部(9c)の内周面に沿う向きに方向付けるので、オイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)やリップ部当接面(2a)に塵埃や泥水が接近するのを、ストッパ突条(10b)によっても妨げることができ、塵埃や泥等の異物の噛み込みによるオイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)やリップ部当接面(2a)の磨耗を抑制することができる。
《効果》 前側のリップ部の偏磨耗や損傷を防止することができる。
図2または図3に例示するように、前側のリップ部(9c)が回転伝動軸(2)側に捻じ曲げられようとした場合に、前側のリップ部(9c)をストッパ突条(10b)で受け止めることができるようにしたので、前側のリップ部(9c)が回転伝動軸(2)側に捻じ曲げられる不具合が防止され、前側のリップ部(9c)の偏磨耗や損傷を防止することができる。
なお、前側のリップ部(9c)の回転伝動軸(2)側への捻じ曲げは、オイルシールカバー(10)の取り付け時に前側のリップ部(9c)の位置が回転伝動軸(2)側にずれ、エンジン運転中に前側のリップ部(9c)が回転するオイルシールカバー(10)に引きずられた場合や、エンジン運転中にオイルシールカバー(10)が泥水に浸かり、オイルシールカバー(10)内に進入した泥水で前側のリップ部(9c)が回転伝動軸(2)側に押された場合等に起こる。
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 オイルシールの内周側のリップ部やリップ部当接面の磨耗を抑制することができる。
図2または図3に例示するように、オイルシール(9)の前側のリップ部(9c)と内周側のリップ部(9b)との間に潤滑剤(12)を充填したので、オイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)やリップ部当接面(2a)に塵埃や泥水が接近するのを、潤滑剤(12)でも妨げることができ、塵埃や泥等の異物の噛み込みによるオイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)やリップ部当接面(2a)の磨耗を抑制することができる。
(請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 オイルシールの内周側のリップ部やリップ部当接面の磨耗を抑制することができる。
図2または図3に例示するように、伝動ケース(1)のケース壁(3)から前側に伝動軸挿通孔(5)のボス(11)を突出させ、このボス(11)内にオイルシール(9)を嵌め、オイルシールカバー(10)の外周縁部(10c)をボス(11)の外周面(11a)に沿って後向きに導出したので、オイルシールカバー(10)の外周の入口がボス(11)の外周面(11a)と前端面(11b)とに沿って曲げられ、オイルシールカバー(10)内への塵埃や泥水の進入が妨げられ、塵埃や泥等の異物の噛み込みによるオイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)やリップ部当接面(2a)の磨耗を抑制することができる。
(請求項5に係る発明)
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 オイルシールカバーのガタつきが起こりにくい。
図2または図3に例示するように、伝動軸挿通孔(5)内で回転伝動軸(2)の外周にカラー(8)を嵌め、このカラー(8)の外周面(8a)を前記回転伝動軸(2)の外周側のリップ部当接面(2a)とし、外部伝動輪(7)とカラー(8)との間に挟み付けるオイルシールカバー(10)の中心部分(10d)の肉を、前側のリップ部(9c)が当接する部分(10e)の肉よりも薄肉にしたので、厚肉の場合に比べ、挟み付けによる肉の潰れが起こりにくく、これに起因するオイルシールカバー(10)のガタ付きが起こりにくい。
《効果》 オイルシールカバーの耐用寿命を長く維持することができる。
図2または図3に例示するように、前側のリップ部(9c)が当接する部分(10e)の肉は厚肉にすることができるので、磨耗によるオイルシールカバー(10)の剛性の低下を抑制することができ、オイルシールカバー(10)の耐用寿命を長く維持することができる。
(請求項6に係る発明)
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 オイルシールの内周側のリップ部やリップ部当接面の磨耗を抑制することができる。
図3に例示するように、オイルシール(9)に前側のリップ部(9c)を複数設け、この前側の複数のリップ(9c)(9c)をそれぞれオイルシールカバー(10)の後面(10a)に当接させたので、オイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)やリップ部当接面(2a)に塵埃や泥水が接近するのを、前側の複数のリップ部(9c)(9c)によって妨げることができ、塵埃や泥等の異物の噛み込みによるオイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)やリップ部当接面(2a)の磨耗を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係るエンジンの伝動ケースの密封装置を説明する図で、図1(A)は縦断側面図、図1(B)はオイルシールカバーを後側から見た背面図である。 図1(A)のII部分の拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係るエンジンの伝動ケースの密封装置を説明する図2相当図である。
図1と図2は本発明の第1実施形態に係るエンジンの伝動ケースの密封装置を説明する図、図3は本発明の第2実施形態に係るエンジンの伝動ケースの密封装置を説明する図である。各実施形態では、ディーゼルエンジンの調時伝動ギヤケースの密封装置について説明する。
図1に示す第1実施形態の構成は、次の通りである。
図1(A)に示すように、伝動ケース(1)内に回転伝動軸(2)を挿通し、伝動ケース(1)内で回転伝動軸(2)の外周に内部伝動輪(4)を嵌め、伝動ケース(1)のケース壁(3)に伝動軸挿通孔(5)をあけ、伝動軸挿通孔(5)を介して伝動ケース(1)外に回転伝動軸(2)を突出させ、伝動ケース(1)外で回転伝動軸(2)の突出部(6)の外周に外部伝動輪(7)を嵌め、伝動軸挿通孔(5)内で回転伝動軸(2)の外周側にリップ部当接面(2a)を設け、伝動軸挿通孔(5)の内周にオイルシール(9)を嵌め、図2に示すように、オイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)を回転伝動軸(2)の外周側のリップ部当接面(2a)に当接させている。
図1(A)に示すように、伝動ケース(1)は調時伝動ギヤケース(13)で、調時伝動ギヤケース(13)内には調時伝動ギヤトレインが収容されている。
回転伝動軸(2)はクランク軸(14)である。
内部伝動輪(4)はクランクギヤ(15)であり、調時伝動ギヤトレインの構成要素の1つである。クランクギヤ(15)はキー(21)とキー溝(22)で回転伝動軸(2)に廻り止めされている。
外部伝動輪(7)はプーリ(16)であり、伝動ベルトを介してエンジン冷却ファンや冷却水ポンプに動力を伝達する。プーリ(16)はキー(17)とキー溝(18)で回転伝動軸(2)に廻り止めされている。
図2に示すように、回転伝動軸(2)の軸長方向を前後方向、回転伝動軸(2)の突出方向を前として、オイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)は、後側のオイルシールリップ部(9a)と前側のダストシールリップ部(9b)とで構成されている。オイルシール(9)は、金属環(23)を埋設した円環状のゴム環で、オイルシールリップ部(9a)は、オイルシール(9)から回転伝動軸(2)の外周側のシール接当面(2a)に向けて斜後ろ向きに導出され、環状のコイルスプリング(24)で中心方向に締め付けられ、先端は回転伝動軸(2)の外周側のシール接当面(2a)に圧接させている。ダストシールリップ部(9b)は、オイルシール(9)から回転伝動軸(2)の外周側のシール接当面(2a)に向けて斜め前向きに導出され、ゴム素材の弾性復元力により、先端は回転伝動軸(2)の外周側のシール接当面(2a)に圧接させている。オイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)は、いずれもオイルシール(9)の周方向に沿う円環状である。
図2に示すように、外部伝動輪(7)とオイルシール(9)との間に環状のオイルシールカバー(10)を設け、このオイルシールカバー(10)でオイルシール(9)をその前側から覆い、オイルシール(9)に前側のリップ部(9c)を設け、この前側のリップ部(9c)をオイルシールカバー(10)の後面(10a)に当接させている。
図1(B)に示すように、オイルシールカバー(10)は円環状で、ステンレス鋼の板金で構成されている。図2に示すように、前側のリップ部(9c)は、ダストシールリップ部で、オイルシール(9)からオイルシールカバー(10)に向けて導出させ、その先端部はオイルシールカバー(10)の径方向外側に向けて斜め前向きに導出させ、ゴム素材の弾性復元力により、先端はオイルシールカバー(10)に圧接させている。前側のリップ部(9c)はオイルシール(9)の周方向に沿う円環状である。
図2に示すように、オイルシール(9)の前側のリップ部(9c)よりも回転伝動軸(2)側で、オイルシールカバー(10)から後向きにストッパ突条(10b)を突出させ、このストッパ突条(10b)を前側のリップ部(9c)の内周面に沿う向きに方向付けることにより、前側のリップ部(9c)が回転伝動軸(2)側に捻じ曲げられようとした場合に、前側のリップ部(9c)をストッパ突条(10b)で受け止めることができるようにしている。
図1(A)に示すように、ストッパ突条(10b)はオイルシールカバー(10)の周方向に沿う円環状で、図2に示すように、オイルシールカバー(10)の一部を湾曲させて形成している。
図2に示すように、オイルシール(9)の前側のリップ部(9c)と内周側のリップ部(9b)との間に潤滑剤(12)を充填している。潤滑剤(12)はグリスであり、オイルシール(9)の前側のダストシールリップ部(9c)と内周側のダストシールリップ部(9b)とオイルシールカバー(10)と回転伝動軸(2)の外周側のシール接当面(2a)とで囲まれた空間内に充填されている。
図2に示すように、伝動ケース(1)のケース壁(3)から前側に伝動軸挿通孔(5)のボス(11)を突出させ、このボス(11)内にオイルシール(9)を嵌め、オイルシールカバー(10)の外周縁部(10c)とをボス(11)の外周面(11a)に沿って後向きに導出している。ボス(11)は円筒形で、前端外周縁は円弧状に面取りされている。
図2に示すように、伝動軸挿通孔(5)内で回転伝動軸(2)の外周にカラー(8)を嵌め、このカラー(8)の外周面(8a)を前記回転伝動軸(2)の外周側のリップ部当接面(2a)とし、このカラー(8)の外周面(8a)に窒化処理層を形成し、窒化処理層の最表面に浸硫処理層を設けている。
カラー(8)は円筒形鋼材で構成されている。
窒化処理層は、円筒形鋼材の外周面に形成されるとともに、内周面にも形成されている。
円筒形鋼材の表面に窒化処理層を形成するには、次のようにする。
アルミニウム、クロム、モリブデン等の窒化物形成元素を含む円筒形鋼材を、アンモニアまたは窒素を含んだ雰囲気中に暴露し、オーステナイト化温度以下の温度域で過熱することにより、円筒形鋼材の表面近傍(1mm以下)に窒素を浸透させて硬化させる。カラー(8)の表面硬度は、ビッカース硬さで900HV以上である。
浸硫処理層は、ガス浸硫窒化等により、窒化化合物層の上に形成される数ミクロンの硫化物層である。
このように、カラー(8)の外周面(8a)に窒化処理層を形成したので、カラー(8)が耐摩耗性に優れ、エンジンの耐用年数を越える耐久性を得ることができ、カラー(8)の交換が不要になる。また、窒化処理層の最表面に浸硫処理層を設けたので、カラー(8)の潤滑性が高い。
図2に示すように、回転伝動軸(2)の軸長方向を前後方向として、カラー(8)を前後対称形状としている。すなわち、端部の面取りやアール等によるカラー(8)の形状が前後対称になるようにしている。このため、回転伝動軸(2)にカラー(8)を両端部のどちらから嵌め込んでも、カラー(8)の組み間違いが起こらず、これに起因するカラー(8)からのオイル漏れを防止することができる。また、カラー(8)の組み付け作業が簡単になる。
図2に示すように、外部伝動輪(7)とカラー(8)との間に挟み付けるオイルシールカバー(10)の中心部分(10d)の肉を、前側のリップ部(9c)が当接する部分(10e)の肉よりも薄肉にしている。
図1に示すように、回転伝動軸(2)の受座(19)に内部伝動輪(4)の後側の端面を接当させ、内部伝動輪(4)の前側にカラー(8)を配置し、カラー(8)の前側に外部伝動輪(7)を配置し、外部伝動輪(7)を回転伝動軸(2)に取り付けた締結具(20)の締結力で後向きに圧をかけ、回転伝動軸(2)の受座(19)と外部伝動輪(7)との間に、カラー(8)や内部伝動輪(4)等を挟み付けている。締結具(40)は締結ナットである。オイルシールカバー(10)とカラー(8)は回転伝動軸(2)と一体に回転する。図1(B)に示す矢印(23)は後側から見たオイルシールカバー(10)の回転方向を示している。オイルシールカバー(10)は回転伝動軸(2)と一体回転し、その回転方向は前側から見て時計廻り方向、後側から見て反時計廻り方向である。
図3に示す第2実施形態は、オイルシール(9)に前側のリップ部(9c)を複数(2個)設け、この前側の複数のリップ(9c)(9c)をそれぞれオイルシールカバー(10)の後面(10a)に当接させたもので、他の構造は、第1実施形態と同じにしている。図3中、第1実施形態と同一の要素には図2と同一の符号を付しておく。
(1) 伝動ケース
(2) 回転伝動軸
(2a) リップ部当接面
(3) ケース壁
(4) 内部伝動輪
(5) 伝動軸挿通孔
(6) 突出部
(7) 外部伝動輪
(8) カラー
(8a) 外周面
(9) オイルシール
(9a) 内周側のリップ部
(9b) 内周側のリップ部
(9c) 前側のリップ部
(10) オイルシールカバー
(10a) 後面
(10b) ストッパ突条
(10c) 外周縁部
(10d) 中心部分
(10e) 前側のリップ部が当接する部分
(11) ボス
(11a) 外周面
(12) 潤滑剤

Claims (6)

  1. 伝動ケース(1)内に回転伝動軸(2)を挿通し、伝動ケース(1)内で回転伝動軸(2)の外周に内部伝動輪(4)を嵌め、伝動ケース(1)のケース壁(3)に伝動軸挿通孔(5)をあけ、伝動軸挿通孔(5)を介して伝動ケース(1)外に回転伝動軸(2)を突出させ、伝動ケース(1)外で回転伝動軸(2)の突出部(6)の外周に外部伝動輪(7)を嵌め、伝動軸挿通孔(5)内で回転伝動軸(2)の外周側にリップ部当接面(2a)を設け、伝動軸挿通孔(5)の内周にオイルシール(9)を嵌め、オイルシール(9)の内周側のリップ部(9a)(9b)を回転伝動軸(2)の外周側のリップ部当接面(2a)に当接させた、エンジンの伝動ケースの密封装置において、
    回転伝動軸(2)の軸長方向を前後方向、回転伝動軸(2)の突出方向を前として、
    外部伝動輪(7)とオイルシール(9)との間に環状のオイルシールカバー(10)を設け、このオイルシールカバー(10)でオイルシール(9)をその前側から覆い、
    オイルシール(9)に前側のリップ部(9c)を設け、この前側のリップ部(9c)をオイルシールカバー(10)の後面(10a)に当接させた、ことを特徴とするエンジンの伝動ケースの密封装置。
  2. 請求項1に記載したエンジンの伝動ケースの密封装置において、
    オイルシール(9)の前側のリップ部(9c)よりも回転伝動軸(2)側で、オイルシールカバー(10)から後向きにストッパ突条(10b)を突出させ、このストッパ突条(10b)を前側のリップ部(9c)の内周面に沿う向きに方向付けることにより、前側のリップ部(9c)が回転伝動軸(2)側に捻じ曲げられようとした場合に、前側のリップ部(9c)をストッパ突条(10b)で受け止めることができるようにした、ことを特徴とするエンジンの伝動ケースの密封装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載したエンジンの伝動ケースの密封装置において、
    オイルシール(9)の前側のリップ部(9c)と内周側のリップ部(9b)との間に潤滑剤(12)を充填した、ことを特徴とするエンジンの伝動ケースの密封装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載したエンジンの伝動ケースの密封装置において、
    伝動ケース(1)のケース壁(3)から前側に伝動軸挿通孔(5)のボス(11)を突出させ、このボス(11)内にオイルシール(9)を嵌め、オイルシールカバー(10)の外周縁部(10c)をボス(11)の外周面(11a)に沿って後向きに導出した、ことを特徴とするエンジンの伝動ケースの密封装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載したエンジンの伝動ケースの密封装置において、
    伝動軸挿通孔(5)内で回転伝動軸(2)の外周にカラー(8)を嵌め、このカラー(8)の外周面(8a)を前記回転伝動軸(2)の外周側のリップ部当接面(2a)とし、
    外部伝動輪(7)とカラー(8)との間に挟み付けるオイルシールカバー(10)の中心部分(10d)の肉を、前側のリップ部(9c)が当接する部分(10e)の肉よりも薄肉にした、ことを特徴とするエンジンの伝動ケースの密封装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載したエンジンの伝動ケースの密封装置において、
    オイルシール(9)に前側のリップ部(9c)を複数設け、この前側の複数のリップ(9c)(9c)をそれぞれオイルシールカバー(10)の後面(10a)に当接させた、ことを特徴とするエンジンの伝動ケースの密封装置。
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