JP2013170381A - 鋼管杭用接続体、その製造方法、及び鋼管杭用接続体を用いた中空鋼管の接続方法 - Google Patents

鋼管杭用接続体、その製造方法、及び鋼管杭用接続体を用いた中空鋼管の接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業中に中空鋼管内へ誤って落下させず、鋼管杭の軸を中心とする回転の精度を保つことができ、安価で、作業性に優れた鋼管杭用接続体と製造方法の提供。
【解決手段】円筒状の基体の周壁に該周壁を離間する切断部を有する平面視略C字状となる構成を有する鋼管杭用接続体において、切断部において対抗する周壁端部相互を近接若しくは当接した状態で周壁内面側に前記周壁相互を連結固定する基体溶着部を備え、前記基体の最大外径寸法が、設置対象となる中空鋼管の内径寸法と略同一とし、前記基体の外周面に周方向へ連続する水準線を備えたことを特徴とする鋼管杭用接続体。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として建築物の基礎を形成するために用いられる鋼管杭に使用され、分割された複数の中空鋼管を接続して一本の鋼管杭を形成するための鋼管杭用接続体、その製造方法、及び鋼管杭用接続体を用いた中空鋼管の接続方法に関する。
鋼管杭は、通常、2本若しくは3本程度の中空鋼管に分割され、鋼管杭の先端となる下端側が杭状の鋼管(以下、第一鋼管)を地中へ回転させながら埋設し、該第一鋼管の上端が地上に表れている状態で、分割された次の鋼管(以下、第二鋼管)の下端を前記第一鋼管の上端と接続する。また、第三鋼管が存在する場合には、第二鋼管までを埋設し、第二鋼管の上端が地上に表れている状態で、同様に第三鋼管の下端を第二鋼管の上端と接続する。この分割された中空鋼管の接続(即ち、第一鋼管と第二鋼管の接続、第二鋼管と第三鋼管の接続等)に、鋼管杭用接続体を用いる。
上記鋼管杭用接続体は、鋼管杭の軸を中心とする回転の精度を保つ必要があり、確実な接続を維持しなければならないことから、構造が複雑化しやすく、高価となりやすい。
一方、分割された各鋼管は、中空であることから、作業中に鋼管杭用接続体やその付属品を鋼管内へ誤って落下させやすい。また、一旦落下させると鋼管から取り出すことは至難であり、作業中のミスにより、費用の損失が生じやすい欠点がある。
中空鋼管内への落下を防止でき、比較的簡素な構造を備えた鋼管杭用接続体としては、例えば、側壁に1本の帯状の切れ目を設けた断面C字状の環であって、地面に打ち込まれたパイプ状の第一の杭の上端部内面に溶接される下半部と、前記第一の杭の上端部に下端部を接続される第二の杭の内面に溶接される上半部とを有し、前記下半部は前記第一の杭の内壁に弾力によりその外面を密着させる均一な外径のC字状の側壁を有し、前記上半部には、少なくとも最上端近傍に前記側壁の外径を最上端に向かって次第に縮小するテーパ部を有することを特徴とする鋼管杭用接続体(例えば、特許文献1参照。)が公知である。
また、他の鋼管杭用接続体としては、例えば、下鋼管杭と上鋼管杭を突き合わせて溶接する際の裏当てに用いられ、前記上下鋼管杭の内面に外周面が外接される円筒体を備え、前記円筒体は該円筒体の外周面から径外側に向かって突出して前記上下鋼管杭の間に開先を形成する突起部を備えていることを特徴とする鋼管杭用接続体(例えば、特許文献2参照。)が公知である。
登録実用新案第3158573号公報 特開2009−203730号公報
上記特許文献1に係る鋼管杭用接続体は、形状が簡素であるものの、例えば第一鋼管の上端に嵌入する際には、弾力に抗して縮径状態を保ちながら行わなければならない点で負担を伴い、作業性に問題があった。
また、弾力に抗して縮径状態を保ちながら嵌入すると、切れ目によって形成された側壁の突合せ部分の両端が正確に当接せず、当該対向する突合せ部分が上下にずれる虞がある。
このようなずれが発生した場合には、第二鋼管を当該鋼管杭用接続体に対して取付けることが困難となり、仮に取付けができたとしても、鋼管杭の軸を中心とする回転の精度を保持できない結果を生じる点で問題がある。
次に、上記特許文献2に係る鋼管杭用接続体は、中空鋼管内への落下を防止でき、比較的単調な形状を有するものである。しかしながら、当該鋼管杭用接続体を形成する素管の外径が鋼管の内径より小さい素管を、その外径が第一鋼管の内径と等しくなるまでリロール成形により拡管を行って、その後、得られた円筒体に対してプレス加工によって突起部を形成する必要がある。また、別法として、水平方向に沿って切り込みを平行に形成し、これらの切り込みの間を径外側に向かって湾曲(突出)させて切り起こし突起を形成する方法があるが、当該方法によってもプレス加工等が必要となる。従って製作には相当の費用を要し、結果として、安価で使い勝手のよい鋼管杭用接続体を得るには至っていない。また、このような加工をプレス加工によらず、手加工で行うとすると、精度を保持することが困難であるとともに多大な労力を伴う。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、作業中に中空鋼管内へ誤って落下させず、鋼管杭の軸を中心とする回転の精度を保持することができ、安価で、生産性、作業性に優れた鋼管杭用接続体、その製造方法、及び前記鋼管杭用接続体を用いた鋼管の接続方法の提供を、発明が解決しようとする課題とする。
本発明は、円筒状の基体の周壁に該周壁を離間する切断部を有する平面視略C字状となる構成を有する鋼管杭用接続体において、切断部において対抗する周壁端部相互を近接若しくは当接した状態で周壁内面側に前記周壁相互を連結固定する基体溶着部を備え、前記基体の最大外径寸法が、設置対象となる中空鋼管の内径寸法と略同一とし、前記基体の外周面に周方向へ連続する水準線を備えたことを特徴とする鋼管杭用接続体を、課題を解決するための手段とする。尚、本発明における水準線は、周方向全周に亘る線のみならず、破線等の連続する線の一部が破断されたものや、点状の印を周方向同一仮想線上に複数設けたものを含む趣旨である。
また、本発明は、中空鋼管から所定高さの基体を切り出す工程と、該基体の周壁の一部を所定の切断幅でその上端から下端までを切断して切断部を形成する工程と、該切断部における周壁端部相互を当接若しくは近接した状態で変形保持させる工程と、鋼管の内側から溶接により周壁端部相互を連結固定する工程とを有し、前記いずれかの工程若しくはその後に、高さ方向略中央位置となる全周に亘って、側面視において上端及び下端と平行する水準線を形成することを特徴とする鋼管杭用接続体の製造方法を、課題を解決するための手段とする。
更に、本発明は、上記鋼管杭用接続体を用いた中空鋼管相互の接続方法であって、鋼管杭を構成する第一の中空鋼管の上端に対して、当該鋼管杭用接続体の下端側を嵌入し、鋼管杭用接続体の水準線を前記中空鋼管の上端に平行に位置決めして鉛直とした状態で、前記中空鋼管の内面と鋼管杭用接続体の内面との境界を溶接し、鋼管杭を構成する第二の中空鋼管を前記鋼管杭用接続体の上端側から被せ、第一の中空鋼管の上端と第二の中空鋼管の下端とを当接し、前記第一の中空鋼管の外周面上端と第二の中空鋼管の外周面下端との境界を全周に亘って溶接することを特徴とする、中空鋼管の接続方法を、課題を解決するための手段とする。尚、上記第一の中空鋼管と第二の中空鋼管は、鋼管杭を構成する先端の鋼管とそれに接続される鋼管のみを示すものではなく、鋼管杭を構成するために接続される任意の二本の中空鋼管を示す意図である。
請求項1に係る鋼管杭用接続体によれば、基体の最大外径寸法が、設置対象となる鋼管杭における鋼管の内径寸法と略同一であるから、作業中に鋼管杭用接続体を中空鋼管内へ落下させる虞がない。また、周壁内面側に前記周壁相互を連結固定する基体溶着部を備えた構成としたことで、基体溶着部は当該鋼管杭用接続体の外面側には突出せず、更に、基体の外周面に周方向へ連続する水準線を備えたことにより設置に際して鋼管杭の鉛直を保持できるため、鋼管杭の軸を中心とする回転の精度を保持することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、直径寸法がD、厚さ寸法がtで表される中空鋼管からなる鋼管杭に対して鋼管杭用接続体を使用するにあたり、最大外径寸法を略D−2tとすることにより、設置対象の鋼管杭と同サイズの中空鋼管を用いて上記請求項1に係る発明を実現することができる。このため、前記請求項1に係る発明の効果が得られることに加え、同一鋼管杭の廃材等で簡単に最適な最大外径寸法を有する鋼管杭用接続体を適用でき、安価に、且つ速やかに、当該鋼管杭用接続体を作業現場に供給でき、速やかな工事の施工に資することができる。
請求項3に係る鋼管杭用接続体の製造方法によれば、中空鋼管から所定高さの基体を切り出す工程と、該基体の周壁の一部を所定切断幅寸法でその上端から下端までを切断して切断部を形成する工程と、該切断部における周壁端部相互を当接若しくは近接した状態で変形保持させる工程と、鋼管の内側から溶接により周壁端部相互を連結固定する工程とを有し、前記いずれかの工程若しくはその後に、高さ方向略中央位置となる全周に亘って、側面視において上端及び下端と平行する水準線を形成することにより、プレス加工を行うこともなく本発明に係る鋼管杭用接続体を製造できるので、生産性を高め、安価に、且つ速やかに、当該鋼管杭用接続体を作業現場に供給でき、速やかな工事の施工に資することができる。
請求項4に係る鋼管杭用接続体の製造方法によれば、上記請求項3に係る製造方法において、直径寸法がD、厚さ寸法がtで表される中空鋼管からなる鋼管杭に使用するものとして、基体の周壁の一部を所定切断幅寸法でその上端から下端までを切断して切断部を形成する工程中、切断幅寸法をMとし、Mが略2πtとすることで、特に、製造される鋼管杭用接続体の最大外径寸法を略D−2tとすることにより、請求項2に係る鋼管杭用接続体を製造することができ、その生産性を高め、安価に、且つ速やかに、請求項2に係る鋼管杭用接続体を作業現場に供給でき、速やかな工事の施工に資することができる。
請求項5に係る鋼管杭用接続体を用いた中空鋼管の接続方法によれば、上記請求項1又は2に記載の鋼管杭用接続体若しくは請求項3又は4記載の鋼管杭用接続体の製造方法によって製造された鋼管杭用接続体を用いることで、作業中に中空鋼管内へ誤って落下しないものとすることができる。
また、第一の中空鋼管の上端に対して、当該鋼管杭用接続体の下端側を嵌入し、鋼管杭用接続体の水準線を前記中空鋼管の上端に沿わせて鉛直とした状態で、前記中空鋼管の内面と鋼管杭用接続体の内面との境界を溶接することから、第一の中空鋼管と鋼管杭用接続体とによって鋼管杭の軸を中心とする回転の精度を保持することができる。
更に、第二の中空鋼管を前記鋼管杭用接続体の上端側から被せ、第一の中空鋼管の上端と第二の中空鋼管の下端とを当接し、前記第一の中空鋼管の外周面上端と第二の中空鋼管の外周面下端との境界を全周に亘って溶接することで、第一の中空鋼管と第二の中空鋼管の軸の中心を一致させて鋼管杭の軸を中心とする回転の精度を保持することができる。
そして、前記中空鋼管の内面と鋼管杭用接続体の内面との境界を溶接すること、及び、第一の中空鋼管の上端と第二の中空鋼管の下端とを当接し、前記第一の中空鋼管の外周面上端と第二の中空鋼管の外周面下端との境界を全周に亘って溶接するため、十分な接続強度を備えるとともに、施工が容易に行える利点を有する。
本発明の実施例に係る鋼管杭用接続体の(a)正面側斜視図、(b)背面側斜視図。 本発明の実施例に係る鋼管杭用接続体と第一鋼管との関係を示す平面図。 本発明の実施例に係る鋼管杭用接続体の製造に用いる工具の使用状態を示すものであり、(a)基体を設置した状態、(b)基体を変形させた状態、(c)基体溶着部を形成した状態を示す一部断面説明図。 本発明の実施例に係る鋼管杭用接続体と第一鋼管との関係を示す斜視図。 本発明の実施例に係る鋼管杭用接続体を(a)第一鋼管に嵌入した状態を示す斜視図、(b)第一鋼管に嵌入した後第一鋼管内で相互を溶着した状態を示す斜視図。 本発明の実施例に係る鋼管杭用接続体と第一鋼管及び第二鋼管との関係を示す斜視図。 本発明の実施例に係る鋼管杭用接続体を介して第一鋼管と第二鋼管を連結した状態を示す斜視図、(b)第一鋼管と第二鋼管とを溶接した構成とした状態を示す斜視図。
本発明は、直径寸法がD、厚さ寸法がtである中空鋼管からなる鋼管杭に使用し、筒状の基体の周壁に該周壁を離間する切断部を有する平面視略C字状となる構成を有する鋼管杭用接続体において、切断部において対抗する周壁端部相互を近接若しくは当接した状態で周壁内面側に前記周壁相互を連結固定する基体溶着部を備え、前記基体の最大外径寸法が略D−2tであり、設置対象となる中空鋼管の内径寸法と略同一とし、前記基体の高さ方向略中央位置に周方向へ連続する水準線を備える鋼管杭用接続体としたことにより、作業中に鋼管杭用接続体を中空鋼管内へ落下させる虞がなく、鋼管杭の鉛直を保持できるため、鋼管杭の軸を中心とする回転の精度を保持でき、同一鋼管杭の廃材等で簡単に最適な最大外径寸法を有する鋼管杭用接続体を適用でき、安価に、且つ速やかに、当該鋼管杭用接続体を作業現場に供給でき、速やかな工事の施工に資することができる、優れた鋼管杭用接続体を実現した。
本発明の実施例に係る鋼管杭用接続体1は、図1(a)正面側斜視図及び(b)背面側斜視図に示すように、最大直径が132mm程度(本発明における中空鋼管の直径寸法がD、厚さがtとした場合の略D−2tに相当する。)、厚さ4mmの金属製略円筒体であり、基体1aの周壁の一部に、上端17から下端18に至り周壁端部13相互が近接し、周壁内面11側に設けた基体溶着部15により前記周壁端部13相互が連結固定された構成を有する。ここで、前記基体溶着部15は当該鋼管杭用接続体1の周壁外面12側から突出しない構成としている。
そして、基体1aの周壁外面12には、高さ方向中央位置となる全周に、側面視において上端17及び下端18と平行する水準線14を備える。
水準線14は、周壁外面12の高さ方向中央を周方向に向けて全周に亘って溝状となるラインを形成し、当該ラインに耐水性塗料を塗布した構成としている。
尚、本実施例における鋼管杭用接続体1は、切断部20における周壁端部13相互を近接した状態で変形保持して鋼管の内側から溶接により周壁端部13相互を連結固定してなる基本構成であるため、平面視は概ねC字若しくはO字であるが、厳密には完全な正円形ではなく、目視では確認し難い程度に、微かに楕円に近似した形状となる。
次に、本実施例に係る鋼管杭用接続体1の製造方法について説明する。
本実施例に係る鋼管杭用接続体1の製造は、鋼管杭と外径寸法及び厚さ寸法が共通する中空鋼管を切り出して、鋼管杭用接続体1として形成するものである。このようにすることで、作業現場において廃材となる同サイズの中空鋼管を流用して、プレス加工を行うこともなく、安定した品質の鋼管杭用接続体1を、安価且つ迅速に製造できるので、コストの低廉化、製造時間や作業時間の短縮、信頼性の向上の点において非常に大きな利益がある。
上記鋼管杭用接続体1は、直径寸法(本発明における直径寸法のDに相当する。)が140mm、厚さ寸法(本発明における厚さ寸法のtに相当する。)が4mmの中空鋼管を長さ(高さ)52mm程度となるように切り出してこれを基体1aとする。次に、当該基体1aの周壁の一部を切断幅約25mm程度として上端17から下端18までを切断して切断部16を形成する。
尚、鋼管杭(第一鋼管2等)と外径寸法及び厚さ寸法が共通する中空鋼管を鋼管杭用接続体1とするためには、鋼管杭の内側半径に対して、鋼管杭用接続体1の外側半径が嵌め合い公差を有して略同寸法となることが最適である。図2に示すように、鋼管杭の外側半径をRとし、鋼管杭の厚みをt、切断部16を形成するための切断幅寸法をMとすると、その内周寸法は2π×(R−t)(πは円周率)となり、これが鋼管杭用接続体1の外周寸法(2π×R−M)と略等しくなればよいので、前記切断幅寸法Mは、概ね2πt程度とすることが考えられる。
そして、前記切断部16における周壁端部13相互を当接若しくは近接した状態で変形保持させ、鋼管の内側から溶接により基体溶着部15を形成し、周壁端部13相互を連結固定する。尚、切断幅寸法が実質的に大きく形成された場合には、周壁端部13相互を当接させずに、近接位置でその距離を調節し、溶接手段により基体溶着部15を形成し、周壁端部13相互を連結固定することができる。
周壁端部13相互の近接距離を調節して周壁端部13相互を連結固定する際には、図3(a)から(c)に示すように、中空鋼管である基体1aを変形して外周寸法を低減させるための工具Pを利用する。
本実施例に係る鋼管杭用接続体1を形成するために用いた工具Pは、内部に基体1aを収納するための収納空間p9を有する筐体p3と、該筐体p3の上部に、基体1aを変形させるためのハンドルp1を備える。ハンドルp1の中央部に略T字輪郭をなすように垂下される押込み軸p2が連結され、該押込み軸p2の下端部には断面視概ね基体1aの周面に沿う湾曲形状となる押込み板p4が配置される。また、前記押込み軸p2には雄螺子が螺刻されている。
一方で、筐体p3の上面中央には、前記押込み軸p2を支承する軸受部p7を備えている。軸受け部には前記押込み軸p2に形成された雄螺子に対応する雌螺子が形成されている。筐体p3の底面及び側面に沿って、変形させるサイズに応じて前記基体1aを案内する調節枠p5が設けられる。
調節枠p5は、内底面p50とその両端から垂直に起立し相互に対向する内側壁p51を備えた構成であり、対抗する内側壁p51間の距離Wは、変形前の基体1aの外径寸法であるD(即ち、半径寸法R×2)よりも短い寸法に設定されている。
変形前の基体1aを、図3(a)に示すように、工具Pの前方若しくは後方から筐体p3の収納空間p9内に挿入し、調節枠p5上で押込み板4の下となる位置に設置する。そして、図3(b)に示すように、基体1aは、変形操作は、ハンドルp1を手動で回転させることにより、ハンドルp1から押込み軸p2を介して連動する押込み板p4が前記収納空間p9内の基体1aをその上方から下方へ押圧して、基体1aを変形させ、該基体1aの対向する周壁端部13間を近接若しくは当接させる。このように基体1aを変形した状態とした上に、溶接手段である図示されない溶接機によって、図3(c)に示すように、近接若しくは当接した周壁端部13相互を溶接して、基体溶着部15を形成する。
周壁端部13相互が当接した場合には、切断部16は消失することとなる。その一方で、例えば、本実施例でも示しているように、近接する周壁端部13間に切断部16が残存した場合であっても、基体溶着部15によって周壁端部13相互が連結固定されているので、何ら問題は生じない。
基体1aを工具Pから取り出した後、基体1aの周壁外面12に対して、周壁外面12の高さ方向中央位置を周方向に向けて溝を切削し、その後、切削形成された溝内へ速乾性の耐水性塗料を塗布し、自然乾燥させる。
尚、当該水準線14の形成は、材料となる中空鋼管から基体1aを切り出す前に予め行うこともできる。
次に、本発明の実施例に係る鋼管杭用接続体1を用いた鋼管杭の接続方法について説明する。先ず、図4に示すように、地中に埋設され上端が地上に露出した第一鋼管2の上端20に対して、本実施例に係る鋼管杭用接続体1をその下端18側から嵌入する。そして、図5(a)に示すように、概ね当該鋼管杭用接続体1の高さの半分程度で水準線14が外部に露呈する状態まで嵌め込んだ状態とする。この状態においては、本実施例に係る鋼管杭用接続体1は、平面視は概ねC字若しくはO字であるが、厳密には完全な正円形ではなく、目視では確認し難い程度に、微かに楕円に近似した形状となるため、最大直径を有する部分の直径ラインを基準として左右に若干揺動するがたつきを生じる。
このため、水準線14を第一鋼管2の上端20に平行となるように位置決めする操作を行う。この位置決めした状態で、鋼管杭用接続体1の鉛直及びは水平が確保される。そして当該状態を保持しながら、図5(b)に示すように、第一鋼管2の内面と鋼管杭用接続体1の内面との境界を溶接し、当該第一鋼管2と鋼管杭用接続体1とを溶着部4により固定する。当該溶接は内周全周に亘って行う必要はなく、2、3箇所から数箇所程度のポイントにスポット溶接する程度でよい。
次に、図6に示すように、第二鋼管3を前記鋼管杭用接続体1の上端側から被せ、図7(a)に示すように、第一鋼管2の上端20と第二鋼管3の下端30とを当接する。
その後、図7(b)に示すように、第一鋼管2の外周面上端部と第二鋼管3の外周面下端部との境界を全周に亘って溶接し、周縁溶着部5を形成する。
以上によって、本実施例に係る鋼管杭用接続体1を用いて第一鋼管2及び第二鋼管3を鉛直に接続することができる。更に接続する第三鋼管がある場合には、第二鋼管3及び第三鋼管において、同様の接続方法を用いることができる。
上記実施例においては、鋼管杭と同一の外径寸法及び厚さ寸法を有する中空鋼管から基体1aを切り出して用いるものを例としたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、鋼管杭と異なる外径寸法及び異なる厚さ寸法の中空鋼管を利用することもできるし、外径寸法及び厚さ寸法のいずれか鋼管杭と同一である中空鋼管を利用することもできる。
しかしなら、上記実施例のように、鋼管杭と同一の外径寸法及び厚さ寸法の中空鋼管から基体1aを切り出して用いるものとする場合には、作業現場で鋼管杭用接続体1を鋼管杭の余剰片等から流用することが容易となり、またその際の切断幅寸法の調節もより容易であることから、利用価値を非常に高めることができる。
また、本発明における水準線14は、実施例に開示したものに限らず、周壁外面12から大きく突出しないものである限り、種々の形態のものとすることができる。例えば、周方向全周に亘る線のみならず、破線等の連続する線の一部が破断されたものや、点状の印を周方向同一仮想線上に複数設けたものでもよい。また、切削のみにより形成されるものや、塗料や、接着層を有するテープのみで形成されるものでもよい。塗料やテープ等は特に限定するものではなく、例えば、蓄光塗料等を含有するものでもよい。
1 鋼管杭用接続体
1a 基体
11 周壁内面
12 周壁外面
13 周壁端部
14 水準線
15 基体溶着部
16 切断部
17 上端
18 下端
2 鋼管(第一鋼管)
20 上端(第一鋼管
3 鋼管(第二鋼管)
30 下端(第二鋼管)
4 溶着部
5 周縁溶着部
P 工具
p1 ハンドル
p2 押込み軸
p3 筐体
p4 押込み板
p5 調節枠
p50 内底面
p51 内側壁
p7 軸受部
p9 収納空間
W 距離

Claims (5)

  1. 円筒状の基体の周壁に該周壁を離間する切断部を有する平面視略C字状となる構成を有する鋼管杭用接続体において、切断部において対抗する周壁端部相互を近接若しくは当接した状態で周壁内面側に前記周壁相互を連結固定する基体溶着部を備え、前記基体の最大外径寸法が、設置対象となる中空鋼管の内径寸法と略同一とし、前記基体の外周面に周方向へ連続する水準線を備えたことを特徴とする鋼管杭用接続体。
  2. 直径寸法がD、厚さ寸法がtである中空鋼管からなる鋼管杭に使用する鋼管杭用接続体であり、最大外径寸法が略D−2tとなることを特徴とする請求項1記載の鋼管杭用接続体。
  3. 中空鋼管から所定高さの基体を切り出す工程と、該基体の周壁の一部を切断幅Mとして該基体の上端から下端までを切断して切断部を形成する工程と、該切断部における周壁端部相互を当接若しくは近接した状態で変形保持させる工程と、鋼管の内側から溶接により周壁端部相互を連結固定する工程とを有し、前記いずれかの工程若しくはその後に、高さ方向略中央位置となる全周に亘って、側面視において上端及び下端と平行する水準線を形成することを特徴とする鋼管杭用接続体の製造方法。
  4. (鋼管杭と同サイズの中空鋼管を使用する鋼管杭用接続体の製造方法)
    直径寸法がD、厚さ寸法がtである中空鋼管からなる鋼管杭に使用する鋼管杭用接続体の製造方法であり、基体の切断部を形成する工程における切断幅寸法Mを略2πtとすることで、鋼管杭用接続体の最大外径寸法が略D−2tとすることを特徴とする請求項3記載の鋼管杭用接続体の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の鋼管杭用接続体若しくは請求項3又は4記載の鋼管杭用接続体の製造方法によって製造された鋼管杭用接続体を用いて中空鋼管相互を接続する中空鋼管の接続方法であって、第一の中空鋼管の上端に対して、当該鋼管杭用接続体の下端側を嵌入し、鋼管杭用接続体の水準線を前記中空鋼管の上端に沿わせて鉛直とした状態で、前記中空鋼管の内面と鋼管杭用接続体の内面との境界を溶接し、第二の中空鋼管を前記鋼管杭用接続体の上端側から被せ、第一の中空鋼管の上端と第二の中空鋼管の下端とを当接し、前記第一の中空鋼管の外周面上端と第二の中空鋼管の外周面下端との境界を全周に亘って溶接することを特徴とする、鋼管杭用接続体を用いた中空鋼管の接続方法。
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