JP2013169617A - ワーク保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定的にワークを保持することが可能なワーク保持装置を提供する。
【解決手段】加工工具により切削処理されるワークを保持するワーク保持装置において、基台部上においてXYZ直交座標系のX軸方向に摺動自在に設けられた移動部材と、上記基台部材上において、リンク構造によって上記移動部材に傾斜自在に配設された第1の枠体と、上記第1の枠体においてX軸周りに回動可能に配設されるとともに、内部に上記ワークを保持する第2の枠体と、上記移動部材を移動するための駆動部材と上記第2の枠体を回動するための駆動部材とを制御して、上記移動部材のX軸方向の移動量および前記第2の枠体の回動角度とを制御する制御部とを有するようにした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ワーク保持装置に関し、さらに詳細には、加工工具に対して所定の角度でワークを保持することが可能なワーク保持装置に関する。
従来より、マイクロコンピューターなどによる数値制御により、所定のデータに基づいてワークを切削加工する切削装置においては、加工工具が取り付けられたキャリッジと、ワークを保持するワーク保持装置とがそれぞれ動作することにより加工工具に対してワークを所定の角度で接触させて、当該ワークを切削工具により切削して当該ワークを所望の形状に切削するようにしている。
以下、図1乃至図2を参照しながら、従来の技術によるワーク保持装置を備えた切削装置について説明する。
図1には、従来の技術によるワーク保持装置を備えた切削装置の概略構成斜視説明図が示されており、また、図2には、従来の技術によるワーク保持装置の要部を示す概略構成説明図が示されている。
この切削装置100は、固定系のベース部材102と、ベース部材102の左右両端でベース部材102に直交して配設された側方部材104L、104Rと、左右2つの側方部材104L、104Rを連結する後方部材106と、両端がそれぞれ側方部材104L、104Rに支持されXYZ直交座標系におけるX軸方向に延長されて配設されたガイドレール108と、両端がそれぞれ側方部材104L、104Rに支持されX軸方向に延長されてガイドレール108と並行するようにして配設されたシャフト110と、ガイドレール108ならびにシャフト110のそれぞれに摺動自在に装着されてX軸方向に移動自在に支持されたキャリッジ112と、キャリッジ112においてZ軸方向に移動自在には移設された主軸114と、ワークを保持するとともに、ベース部材102上においてY軸方向に移動自在に配設されるワーク保持装置120とを有して構成されている。
ワーク保持装置120は、ベース部材102上に設けられた一対のガイドレール116上に摺動自在に設けられたテーブル122と、ワークを保持するとともに、テーブル122上に配設された回動部材124とにより構成されている。
なお、以下の説明において、回転可能な範囲が設定されている回転を「回動」と称することとし、回転可能な範囲が設定されていない回転を「回転」と称することとする。
この回動部124は、略矩形形状の枠体126の枠内において、略円形形状の枠体128を備えている。
枠体126はモーター130によりX軸周りに回動し、また、枠体128はモーター134によりY軸周りに回動する。
また、こうした回動体124においては、枠体126の右側部材126aおよび左側部材126bの略中心部からそれぞれ中心軸が一致するようにX軸と平行に棒状部材126−1、126−2が延設されている。
棒状部材126−1はモーター134と接続され、棒状部材126−2はテーブル122に固定的に配設された固定部材136に回動自在に接続されている。
これにより、枠体126は、モーター134の駆動により、棒状部材126−1、126−2の中心軸O1を中心としてX軸周りを回動する構成となっている。
また、枠体128の後端部および前端部の略中心部からそれぞれ中心軸が一致するようにY軸と平行に棒状部材128−1、128−2が延設されている。
棒状部材128−1は枠体126の後方部材126cを貫通してモーター130と接続され、棒状部材128−2は枠体126の前方部材126dを貫通して前方部材126dにおいて回動自在に接続されている。
これにより、枠体128は、モーター130の駆動により、棒状部材128−1、128−2の中心軸O2を中心としてY軸周りを回動する構成となっている。
これにより、ワーク保持装置120を備えた切削装置100では、ワーク200に対する加工工具132の接触角度を所定の範囲で調整しながら切削することができ、複雑な形状の切削を可能となる。
なお、切削装置100は、キャリッジ112をX軸方向に移動するモーター(図示せず。)、ワーク保持装置120をY軸方向に移動するモーター(図示せず。)、主軸114をZ軸方向に移動するモーター(図示せず。)、モーター130およびモーター134の駆動を含む全体の動作をマイクロコンピューター(図示せず。)に制御されている。
以上の構成において、切削装置100においてワーク200に対して切削処理を行う場合には、作業者が、主軸114に加工工具132を取り付けるとともに、ワーク保持装置120の枠体130にワーク200を保持させ、マイクロコンピューター(図示せず。)に切削データを入力する。
すると、切削装置100においては、入力された切削データに基づいて、テーブル122をY軸方向で移動するとともに、キャリッジ112をX軸方向で移動し、さらに、主軸114をZ軸方向で移動する(図2を参照する。)。
これにより、回動体124の枠体128に保持されたワーク200と主軸114に取り付けられた加工工具132との相対的な位置関係が3次元で変化するようになる。
また、切削装置100においては、入力された切削データに基づいて、モーター134により枠体126をX軸周りに回動するとともに、モーター130により枠体128をY軸周りに回動する(図2を参照する。)。
これにより、加工装置100では、枠体128に保持されたワーク200に対して、主軸114に取り付けられた加工工具132を所定の角度で当接することができ、複雑な形状の切削ができる。
しかしながら、こうしたワーク保持装置120においては、枠体126および枠体128を回動した状態で、枠体128に保持されたワークを加工工具132により切削する場合には、切削位置がワークの端のときにモーメントがかかり、ワークがふらついてしまうことが問題点として指摘されていた。
欧州特許第2247405号明細書
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、安定的にワークを保持することが可能なワーク保持装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、加工工具により切削処理されるワークを保持するワーク保持装置において、基台部上においてXYZ直交座標系のX軸方向に摺動自在に設けられた移動部材と、上記基台部材上において、リンク構造によって上記移動部材に傾斜自在に配設された第1の枠体と、上記第1の枠体においてX軸周りに回動可能に配設されるとともに、内部に上記ワークを保持する第2の枠体と、上記移動部材を移動するための駆動部材と上記第2の枠体を回動するための駆動部材とを制御して、上記移動部材のX軸方向の移動量および前記第2の枠体の回動角度とを制御する制御部とを有するようにしたものである。
また、本発明は、加工工具により切削処理されるワークを保持するワーク保持装置において、基台部上においてXYZ直交座標系のX軸方向に摺動自在に設けられるとともに、X軸方向に延設された側方部材において、互いに逆方向に所定の角度だけ傾斜した2つの長孔が設けられた移動部材と、上記基台部上において立設する立設部材にバネを介して接続されるとともに、X軸方向に延設された側方部材において上記長孔を介して上記移動部材に摺動自在に配設された第1の枠体と、上記第1の枠体内においてX軸周りに回動可能に配設されるとともに、内部に上記ワークを保持する第2の枠体と、上記移動部材を移動するための駆動部材と上記第2の枠体を回動するための駆動部材とを制御して、上記移動部材のX軸方向の移動量および上記第2の枠体の回動角度とを制御する制御部とを有するようにしたものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記第1の枠体は、中心位置が上記バネの付勢力により常に同じ位置に位置するようにしたものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記長孔は、両端部においてX軸方向に延設された領域を備えるようにしたものである。
また、本発明は、加工工具により切削処理されるワークを保持するワーク保持装置において、基台部上においてXYZ直交座標系のX軸周りに回動可能に配設された回動部材と、上記回動部材においてZ軸周りに回転可能に配設された回転部材と、上記回転部材においてX軸周りに回動可能に配設されるとともに、内部に上記ワークを保持する枠体と、上記回動部材を回動するための駆動部材と、上記回転部材を回転するための駆動部材と、上記枠体を回動するための駆動部材とを制御して、上記回動部材および上記枠体の回動角度と上記回転部材の回転角度とを制御する制御部とを有するようにしたものである。
本発明は、以上説明したように構成されているので、安定的にワークを保持することができるという優れた効果を奏する。
図1は、従来の技術によるワーク保持装置を備えた切削装置の概略構成斜視説明図である。 図2は、従来の技術によるワーク保持装置の要部を示す概略構成説明図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態によるワーク保持装置の概略構成説明図である。 図4(a)は、図3における箱体内に設けられた枠体のA矢視図であり、また、図4(b)は、図3のA矢視図である。 図5は、図3のI−I線断面図である。 図6は、本発明の第2の実施の形態によるワーク保持装置の一部を破断した状態の概略構成説明図である。 図7は、図6の回動体を示す概略構成斜視説明図である。 図8(a)(b)(c)は、本発明の第1の実施の形態によるワーク保持装置における枠体の状態を示す説明図であり、図8(a)は、初期状態の説明図であり、また、図8(b)は、箱体が右方側へ移動した際の枠体の状態を示す説明図であり、また、図8(c)は、箱体が左方側へ移動した際の枠体の状態を示す説明図であり、また、図8(d)は、長孔の変形例を示した説明図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるワーク保持装置の実施の形態の一例を詳細に説明することとする。
なお、以下の説明においては、図1乃至図2を参照しながら説明した従来の技術によるワーク保持装置と同一または相当する構成については、上記において用いた符号と同一の符号を用いて示すことにより、その詳細な構成ならびに作用効果の説明は適宜に省略することとする。
まず、図3乃至5を参照しながら、本発明によるワーク保持装置の第1の実施の形態について説明する。
図3には、本発明の第1の実施の形態によるワーク保持装置の概略構成説明図が示されており、また、図4(a)には、図3における箱体内に設けられた枠体のA矢視図が示されており、また、図4(b)には、図3のA矢視図が示されており、また、図5には、図3のI−I線による断面図が示されている。
この図3に示すワーク保持装置10は、一対のガイドレール116上に摺動自在に設けられた基台部36と、上方側が開口するとともに、基台部36上に設けられた一対のガイドレール12上に摺動自在に設けられた箱体14と、基台部36上に設けられ、箱体14をガイドレール12上で移動させる移動機構16と、前方部材18aおよび後方部材18bにそれぞれ設けられた一対のカムフォロア20、22を介して箱体14内に摺動自在に設けられた略矩形形状の枠体18と、枠体18内に回動自在に設けられた枠体24と、枠体24を回動するモーター26と、枠体24に固定的に配設されてワーク200を保持するワーク保持部材28とを有して構成されている。
より詳細には、箱体14は、X軸方向に延設された一対のガイドレール12上に摺動自在に設けられており、移動機構16により当該ガイドレール12上をX軸方向に移動する。
また、箱体14は、前方部材14aにおいて2つの長孔14−1、14−2が設けられている。
この長孔14−1には、左方側から右方側に向かって所定の角度で下方側に傾斜して延設された領域14−1aが設けられており、左方側端部および右方側端部には、それぞれX軸方向に延設された領域14−1b、14−1cが設けられている。
また、長孔14−2には、左方側から右方側に向かって上記所定の角度で上方側に傾斜して延設された領域14−2aが設けられており、左方側端部および右方側端部には、それぞれX軸方向に延設された領域14−2b、14−2cが設けられている。
さらに、箱体14は、後方部材14bにおいて2つの長孔14−3、14−4が設けられている。
この長孔14−3は、長孔14−1と同等の形状であって、長孔14−3と長孔14−1とは、それぞれ後方部材14aおよび前方部材14bにおいて対向する位置に設けられている。
即ち、長孔14−3には、左方側から右方側に向かって上記所定の角度で下方側に傾斜して延設された領域14−3aが設けられており、左方側端部および右方側端部には、それぞれX軸方向に延設された領域14−3b、14−3cが設けられている。
また、長孔14−4は、長孔14−2と同等の形状であって、長孔14−4と長孔14−1とは、それぞれ後方部材14aおよび前方部材14bにおいて対向する位置に設けられている。
即ち、長孔14−4には、左方側から右方側に向かって上記所定の角度で上方側に傾斜して延設された領域14−4aが設けられており、左方側端部および右方側端部には、それぞれX軸方向に延設された領域14−4b、14−4cが設けられている。
こうして形成された長孔14−1、14−2には、一対のカムフォロア20が配設されるとともに、長孔14−3、14−4には、一対のカムフォロア22が配設される。
これにより、枠体18は、カムフォロア20、22を介して、箱体14に摺動自在に配設されることとなる。
また、箱体14は、底面部材14cにおいて、X軸方向に延長して開口した開口部14−5、14−6が設けられており、この開口部14−5、14−6において、基台部36において立設された立設部材30−1、30−2、30−3、30−4が箱体14内に挿入されている。
さらに、箱体14は、左方部材14dの略中央位置の下端部において移動機構16が接続されている。
移動機構16は、基台部36に立設された立設部材16−1と、箱体14の左方部材14dの下端部に設けられた板状部材16−2と、一方の端部が立設部材16−1に回転可能に配設されるとともに、他方の端部がモーター16−4(後述する。)に接続されるネジ16−3と、ネジ16−3のネジ軸をX軸周りに回転するモーター16−4とを有して構成されている。
板状部材16−2は、略中央部においてネジ16−3が貫通しており、ネジ16−3が貫通する貫通部においてナット16−2aが設けられ、当該ナット16−2aにネジ16−3がネジ結合している。
これにより、モーター16−4の駆動によってネジ16−3が回転し、板状部材16−2と接合している箱体14がX軸方向において左方側および右方側に移動することが可能となる。
また、枠体18は、前方部材18aに一対のカムフォロア20が設けられるとともに、後方部材18bに一対のカムフォロア22が設けられている。
枠体18は、左方部材18cにおいて、立設部材30−1とバネ32−1を介して接続されているとともに、立設部材30−3とバネ32−3を介して接続されている。
また、枠体18は、右方部材18dにおいて、立設部材30−2とバネ32−2を介して接続されているとともに、立設部材30−4とバネ32−4を介して接続されている。
ここで、枠体18が初期状態のときには、カムフォロア20が長孔14−1、14−2の領域14−1a、14−2aの略中央に位置するとともに、カムフォロア22が長孔14−3、14−4の領域14−3a、14−4aの略中央に位置するように箱体14内に配設される(図8(a)を参照する。)。
そして、モーター16−4により箱体14が左方側から右方側に移動すると、カムフォロア20が長孔14−1、14−2の領域14−1b、14−2bに移動するとともに、カムフォロア22が長孔14−3、14−4の領域14−3b、14−4bに移動して、枠体18が右下がりに傾斜した状態となる(図8(b)を参照する。)。
また、モーター16−4により箱体14が右方側から左方側に移動すると、カムフォロア22が長孔14−1、14−2の領域14−1c、14−2cに移動するとともに、カムフォロア22が長孔14−3、14−4の領域14−3c、14−4cに移動して、枠体18が左下がりに傾斜した状態となる(図8(c)を参照する。)。
つまり、枠体18は、モーター16−4による箱体14のX軸方向の移動により、Y軸周りに回動することとなる。なお、こうした枠体18の回動可能な角度の範囲としては、例えば、25°である。また、枠体18の回動する角度は、領域14−1a、14−2a、14−3a、14−4aの角度に依存するため、枠体18の傾斜角度に応じて長孔14−1、14−2、14−3、14−4が設計される。
このように、枠体18は箱体14の移動によって傾斜することとなるが、このとき、枠体18は、バネ32−1、32−2、32−3、32−4の付勢力により、その中心位置が初期状態のときに位置していた位置と一致するよう設計されている。つまり、枠体18は、中心位置がバネ32−1、32−2、32−3、32−4により常に同じ位置となっている。
ワーク保持部材28は、略円形形状であって、枠体24内に枠体24に固定的に配設される。こうしてワーク200を枠体24内で固定的に保持する。
また、枠体24は、左方側端部および右方側端部の略中心部からそれぞれ中心軸が一致するようにX軸と平行に棒状部材24−1、24−2が延設されている。
棒状部材24−1は、枠体18の左方部材18cにおいて回動自在に接続され、棒状部材24−2は、枠体18の右方部材18dに設けられたモーター26と接続されてる。
これにより、枠体24は、モーター26の駆動により、棒状部材24−1、24−2の中心軸O5を中心としてX軸周りで回動することができる。なお、こうした枠体24の回動可能な角度の範囲としては、例えば、360°である。
即ち、ワーク保持部材28が配設された枠体24は、モーター26によりX軸周りに回動するとともに、枠体18のX軸方向に移動に伴ってY軸周りに回動することとなる。
なお、モーター16−3、26の駆動は、マイクロコンピューター(図示せず。)により制御される。
以上の構成において、ワーク装置10を備えた切削装置において切削処理を行う場合には、作業者が、主軸114に加工工具132を取り付けるとともに、ワーク保持装置10のワーク保持部材28にワーク200を保持させ、マイクロコンピューター(図示せず。)に切削データを入力する。
すると、切削装置においては、入力された切削データに基づいて、テーブル112をY軸方向で移動するとともに、キャリッジ112をX軸方向で移動し、さらに、主軸114をZ軸方向で移動する。
これにより、ワーク保持部材28に保持されたワーク200と主軸114に取り付けられた加工工具132との相対的な位置関係が、3次元で変化するようになる。
また、当該切削装置において、入力された切削データに基づいて、モーター16−3により箱体14をX軸方向に移動することにより、枠体18をY軸周りに回転するとともに、モーター26により枠体24をX軸周りで回転する。
これにより、ワーク保持装置10を備えた切削装置においては、ワーク保持部材28に保持されたワーク200に対して、主軸114に取り付けられた加工工具132を任意の角度で当接することができるものである。
次に、図6乃至図7を参照しながら、本発明によるワーク保持装置の第2の実施の形態について説明する。
図6には、本発明の第2の実施の形態によるワーク保持装置の一部を破断した状態の概略構成説明図が示されており、また、図7には、図6の回動体の概略構成斜視説明図が示されている。
この図6に示すワーク保持装置50は、ベース部材102上に設けられた一対のガイドレール116上に摺動可能に設けられた基台部52と、基台部52上においてワーク200を保持するとともに、加工工具132に対してワーク200の表面200aを所定の角度だけ傾斜することが可能なワーク保持部54とにより構成されている。
このワーク保持部54は、基台部52においてX軸周りに回動可能に設けられた回動部材56と、回動部材56上においてZ軸周りに回転可能に設けられた回転部材58と、回転部材58においてワーク200を保持するとともに、保持したワーク200をX軸周りに回転可能に設けられた枠体60とを有して構成されている。
より詳細には、回動部材56は、基底部材56aの略中央位置に回転部材58が設けられるとともに、側方部材56L、56Rの上方側において、それぞれ中心軸が一致するようにX軸と平行に棒状部材56−1、56−2が延設されている。
棒状部材56−1は、基台部52の側方部材52Lに回動自在に接続され、棒状部材56−2は、基台部52の側方部材52Rに設けられたモーター62と接続されている。
これにより、回動部材56は、モーター62の駆動により棒状部材56−1、56−2の中心軸O3を中心としてX軸周りを回動することとなる。なお、こうした回動部材56の回動可能な角度の範囲としては、例えば、25°である。
また、回転部材58は、略円盤形状の底部58aと、底部58aから互いに対向する立設された立設部58b、58cとを備え、立設部58b、58cの上方側において、略円形形状の枠体60が設けられている。
さらに、回転部材58はZ軸方向に延設された回転軸58dが回動部材56の基底部材56a内に位置する。そして、この回転軸58dの先端に固定されたプーリー66と、基底部材56a内に設けられたモーター64の回転軸64aの先端に固定されたプーリー68との間に無端状にベルト70が張設されている。
これにより、モーター64の駆動によりベルト70を介して回転部材58がZ軸周りに回転することとなる。
また、枠体60には、ワーク200を固定的に保持するための固定部60aが設けられている。
そして、枠体60の左方側端部および右方側端部の略中心部からそれぞれ中心軸が一致するようにX軸と平行に棒状部材60−1、60−2が延設されている。
棒状部材60−1は、回転部材58の立設部58bを貫通して立設部58bにおいて回動自在に接続され、棒状部材60−2は、回転部材58の立設部58aを貫通してモーター72と接続されている。
これにより、枠体60は、モーター72の駆動により、棒状部材60−1、60−2の中心軸O4を中心としてX軸周りを回動する構成となっている。
即ち、枠体60が配設されている回転部材58は、Z軸周りに回転するものであるので、枠体60は、回転部材58の回転により、中心軸O4はXY平面上で任意の方向とすることができる。なお、こうした枠体60の回動可能な角度の範囲としては、例えば、360°である。
また、図7には、回動部材56の回動の際の中心軸O3と、枠体60の回動の際の中心軸O4とは図7に示す状態では一致するものであるが、図7においては、中心軸O3と中心軸O4とを明確にするために平行して記載している。
そして、モーター62、64、72の駆動は、マイクロコンピューター(図示せず。)に制御される。
以上の構成において、ワーク保持装置50を備えた切削装置において切削処理を行う場合には、作業者が、主軸114に加工工具132を取り付けるとともに、ワーク保持装置50の枠体60にワーク200を保持させ、マイクロコンピューター(図示せず。)に切削データを入力する。
すると、切削装置においては、入力された切削データに基づいて、基台部52をY軸方向で移動するとともに、キャリッジ112をX軸方向で移動し、さらに、主軸114をZ軸方向で移動する。
これにより、枠体60に保持されたワーク200と主軸114に取り付けられた加工工具132との相対的な位置関係が3次元で変化するようになる。
また、当該切削装置において、入力された切削データに基づいて、モーター64により回転部材58をZ軸周りに回転するとともに、モーター72により枠体60を回動することにより、枠体60をXY平面上の任意の方向で回動する。
さらに、入力された切削データに基づいて、モーター62により回動部材56をX軸周りに回動する。
これにより、ワーク保持装置50を備えた切削装置においては、枠体60に保持されたワーク200に対して、主軸114に取り付けられた加工工具132を任意の角度で当接することができものである。
以上において説明したように、本発明によるワーク保持装置10およびワーク保持装置50においては、上記したように構成されているので、安定的にワークを保持することができるようになる。
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(3)に示すように変形するようにしてもよい。
(1)上記した実施の形態においては、ワーク保持装置10において、ワーク保持部材28および枠体24を略円形形状とし、枠体18を略矩形形状としたが、これに限られるものではないことは勿論であり、こうした構成部材の形状は、上記した各部材の動作が可能であれば、どのような形状であってもよい。
また、上記した実施の形態においては、ワーク保持装置50において、枠体60を略円形形状としたが、これに限られるものではないことは勿論であり、枠体60は中心軸O4で回動可能であればどのような形状であってもよい。
(2)上記した実施の形態においては、長孔14−1と長孔14−2とが略V字形状となるようにするとともに、長孔14−3と長孔14−2とが略V字形状となるようにそれぞれ長孔を形成するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
つまり、図8(d)に示すように、長孔14−1と長孔14−2とが略へ字形状となるようするとともに、長孔14−3と長孔14−4とが略へ字形状となるように、それぞれ長孔を形成するようにしてもよい。
(3)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(2)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は、切削装置などにおいてワークを保持する際に用いて好適である。
10、50 ワーク保持装置、14 箱体、16−4、26、62、64、72、130、134 モーター、18、24、60、126、128 枠体、20、22 カムフォロア、14−1、14−2、14−3、14−4 長孔、28 ワーク保持部材、32−1、32−2、32−3、32−4 バネ、36、52 基台部、56 回動部材、58 回転部材

Claims (5)

  1. 加工工具により切削処理されるワークを保持するワーク保持装置において、
    基台部上においてXYZ直交座標系のX軸方向に摺動自在に設けられた移動部材と、
    前記基台部材上において、リンク構造によって前記移動部材に傾斜自在に配設された第1の枠体と、
    前記第1の枠体においてX軸周りに回動可能に配設されるとともに、内部に前記ワークを保持する第2の枠体と、
    前記移動部材を移動するための駆動部材と前記第2の枠体を回動するための駆動部材とを制御して、前記移動部材のX軸方向の移動量および前記第2の枠体の回動角度とを制御する制御部と
    を有することを特徴とするワーク保持装置。
  2. 加工工具により切削処理されるワークを保持するワーク保持装置において、
    基台部上においてXYZ直交座標系のX軸方向に摺動自在に設けられるとともに、X軸方向に延設された側方部材において、互いに逆方向に所定の角度だけ傾斜した2つの長孔が設けられた移動部材と、
    前記基台部上において立設する立設部材にバネを介して接続されるとともに、X軸方向に延設された側方部材において前記長孔を介して前記移動部材に摺動自在に配設された第1の枠体と、
    前記第1の枠体内においてX軸周りに回動可能に配設されるとともに、内部に前記ワークを保持する第2の枠体と、
    前記移動部材を移動するための駆動部材と前記第2の枠体を回動するための駆動部材とを制御して、前記移動部材のX軸方向の移動量および前記第2の枠体の回動角度とを制御する制御部と
    を有することを特徴とするワーク保持装置。
  3. 請求項2に記載のワーク保持装置において、
    前記第2の枠体は、中心位置が前記バネの付勢力により常に同じ位置に位置する
    ことを特徴とするワーク保持装置。
  4. 請求項2または3のいずれか1項に記載のワーク保持装置において、
    前記長孔は、両端部においてX軸方向に延設された領域を備える
    ことを特徴とするワーク保持装置。
  5. 加工工具により切削処理されるワークを保持するワーク保持装置において、
    基台部上においてXYZ直交座標系のX軸周りに回動可能に配設された回動部材と、
    前記回動部材においてZ軸周りに回転可能に配設された回転部材と、
    前記回転部材においてX軸周りに回動可能に配設されるとともに、内部に前記ワークを保持する枠体と、
    前記回動部材を回動するための駆動部材と、前記回転部材を回転するための駆動部材と、前記枠体を回動するための駆動部材とを制御して、前記回動部材および前記枠体の回動角度と前記回転部材の回転角度とを制御する制御部と
    を有することを特徴とするワーク保持装置。
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