JP2013168484A - 電極用スラリーおよびその調製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電剤を高分散させて塗工電極の内部抵抗の低減に起用する電極用スラリーの調製方法を提供することにある。
【解決手段】導電剤M1であるケッチェンブラック(登録商標)と分散剤としてのタンニン酸水溶液M2を混合して導電性分散体M3を得る第一の工程S1と、第一の工程S1に引き続いて、導電性分散体M3に、活物質である活性炭M4と結着剤であるスチレンブタジエンゴムM6と安定化剤としてのカルボキシメチルセルロース水溶液M5を添加し混合して電極用スラリーPを得る第二の工程S2とを備えるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】導電剤M1であるケッチェンブラック(登録商標)と分散剤としてのタンニン酸水溶液M2を混合して導電性分散体M3を得る第一の工程S1と、第一の工程S1に引き続いて、導電性分散体M3に、活物質である活性炭M4と結着剤であるスチレンブタジエンゴムM6と安定化剤としてのカルボキシメチルセルロース水溶液M5を添加し混合して電極用スラリーPを得る第二の工程S2とを備えるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、電極用スラリーおよびその調製方法に関し、塗工電極に用いて好適な電極用スラリーおよびその調製方法に関する。
塗工電極は、電気二重層キャパシタあるいは二次電池で用いられる電極の1種である。塗工電極は、塗布法により製造される電極であって、原材料をスラリー化し集電体上にコーターを用いて電極用スラリーを塗布し、乾燥して得られる。塗工電極は、圧延法により製造されるシート電極と比較して、結着剤の量を低減できるため、高容量かつ低抵抗な電極として期待されている。
上述した電気二重層キャパシタは、各種電気機器および電気自動車の回生用などとして、その用途が広がっている。そのため、電気二重層キャパシタのさらなる高出力化、大容量化および長寿命化が求められている。
これらの要求を満たす電気二重層キャパシタを得るためには、電気二重層キャパシタの電極の内部抵抗を低減する必要がある。内部抵抗を決める一因として、導電剤により形成される電極内の導電パスの状態があり、この状態が内部抵抗に大きな影響を与えている。そのため、導電剤を電極内に均一に分散させることが重要となる。
現在、電気二重層キャパシタに用いられる水系塗工電極の原料として、活性炭等の活物質、カーボンブラック等の導電剤および樹脂等の結着剤が含まれている。これら原料をカルボキシメチルセルロース(CMC)等の分散剤水溶液(CMC水溶液)に分散させスラリーを調製する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、導電剤の分散性向上のために、先ず導電剤をCMC等の分散剤水溶液に分散させ、その後活性炭等の活物質を添加する方法も知られている(例えば、非特許文献1参照)。
森 英和、山川 雅裕著、「第II編 第3章 4.2 スラリー作製のポイント」、大容量キャパシタ技術と材料III、シーエムシー出版、2006年7月発行、p.79
ところで、導電剤の原料として、カーボンブラックの1種であるケッチェンブラック(登録商標)(ライオン株式会社製600JD)等の粉末状物が用いられている。このような形態では、凝集物となっており、一般的な分散剤であるCMC水溶液では、十分に分散しきれず凝集体を形成したままとなる。そのため、導電剤が高分散された塗工電極を得ることが困難となり、電極の内部抵抗の低減には限界があった。
以上のことから、本発明は、前述した問題に鑑み提案されたもので、導電剤を高分散させて塗工電極の内部抵抗の低減に寄与する電極用スラリーおよびその調製方法を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する第1の発明に係る電極用スラリーの調製方法は、
導電剤、分散剤としてのタンニン酸を混合して導電性分散体を得る第一の工程と、
前記第一の工程に引き続いて、前記導電性分散体に、活物質、結着剤、安定化剤としてのカルボキシメチルセルロースを添加し混合して電極用スラリーを得る第二の工程とを備える
ことを特徴とする。
導電剤、分散剤としてのタンニン酸を混合して導電性分散体を得る第一の工程と、
前記第一の工程に引き続いて、前記導電性分散体に、活物質、結着剤、安定化剤としてのカルボキシメチルセルロースを添加し混合して電極用スラリーを得る第二の工程とを備える
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第2の発明に係る電極用スラリーの調製方法は、
第1の発明に係る電極用スラリーの調製方法であって、
前記タンニン酸を、前記導電剤に対し重量比で1:0.2〜0.8となるように混合する
ことを特徴とする。
第1の発明に係る電極用スラリーの調製方法であって、
前記タンニン酸を、前記導電剤に対し重量比で1:0.2〜0.8となるように混合する
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第3の発明に係る電極用スラリーの調製方法は、
第1または第2の発明に係る電極用スラリーの調製方法であって、
前記カルボキシメチルセルロースを、前記導電剤に対し重量比で1:0.2〜0.8となるように添加する
ことを特徴とする。
第1または第2の発明に係る電極用スラリーの調製方法であって、
前記カルボキシメチルセルロースを、前記導電剤に対し重量比で1:0.2〜0.8となるように添加する
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第4の発明に係る電極用スラリーは、
導電剤、分散剤としてのタンニン酸、活物質、結着剤、安定化剤としてのカルボキシメチルセルロースを含有する
ことを特徴とする。
導電剤、分散剤としてのタンニン酸、活物質、結着剤、安定化剤としてのカルボキシメチルセルロースを含有する
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第5の発明に係る電極用スラリーは、
第4の発明に係る電極用スラリーであって、
前記導電剤と前記タンニン酸の重量比は、1:0.2〜0.8である
ことを特徴とする。
第4の発明に係る電極用スラリーであって、
前記導電剤と前記タンニン酸の重量比は、1:0.2〜0.8である
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第6の発明に係る電極用スラリーは、
第4または第5の発明に係る電極用スラリーであって、
前記導電剤と前記カルボキシメチルセルロースの重量比は、1:0.2〜0.8である
ことを特徴とする。
第4または第5の発明に係る電極用スラリーであって、
前記導電剤と前記カルボキシメチルセルロースの重量比は、1:0.2〜0.8である
ことを特徴とする。
本発明に係る電極用スラリーの調製方法によれば、分散剤としてタンニン酸を混合していることにより導電剤を高分散させた導電性分散体を得ることができる。導電性分散体に安定化剤としてのカルボキシメチルセルロースを添加していることで電極用スラリーを得ることができる。よって、塗工電極の内部抵抗の低減に寄与する電極用スラリーを得ることができる。
本発明に係る電極用スラリーによれば、分散剤としてのタンニン酸を含有することにより導電剤を高分散させることができる。安定化剤としてのカルボキシメチルセルロースを含有することにより電極用スラリーとすることができる。よって、この電極用スラリーを塗工電極に用いたときに塗工電極の内部抵抗を低減できる。
本発明に係る電極用スラリーおよびその調製方法の一実施形態について、以下に説明する。
本実施形態に係る電極用スラリーの調製方法について、図1を参照して具体的に説明する。
まず、活物質として活性炭、導電剤としてケッチェンブラックまたはアセチレンブラックまたは気相炭素繊維(VGCF;登録商標)、分散剤としてタンニン酸、結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR)、安定化剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)をそれぞれ計量する。続いて、図1に示すように、導電剤M1をタンニン酸水溶液M2に添加し、ボールミルにより粉砕および撹拌を行う(第一の工程S1)。これにより、導電剤分散体M3が得られる。この工程S1にて、導電剤M1にタンニン酸水溶液M2を添加することにより、CMC水溶液を添加する場合と比べて導電剤が高分散する。導電剤M1に添加するタンニン酸の配合比としては、重量比で1:0.2〜0.8が好ましい。これは、タンニン酸の配合比が0.8より大きいと、タンニン酸が絶縁性を示す特性をもっており、塗工電極としたときに内部抵抗の増加が著しくなるからである。タンニン酸の配合比が0.2より小さいと、導電剤を高分散することができないからである。
続いて、第一の工程S1にて得られた導電性分散体M3に、活性炭M4、CMC水溶液M5、スチレンブタジエンゴムM6を添加し、撹拌(混合)する(第二の工程S2)。これにより、電極用スラリーPが得られる。この工程S2にて、CMC水溶液M5を添加することにより、電極用スラリーPを塗工電極に用いたときに塗工電極の内部抵抗を低減できる。導電性分散体M3に添加するCMCの配合比としては、導電剤に対し重量比で1:0.2〜0.8が好ましい。これは、CMCの配合比が0.2より小さいと良好なスラリーを得ることが困難となり、0.8より大きいと、塗工電極としたときに単位体積当たりの容量の減少が著しくなるからである。
したがって、本実施形態に係る電極用スラリーの調製方法によれば、導電剤M1にタンニン酸水溶液M2を添加することにより、導電剤M1を高分散させた導電剤分散体M3を得ることができる。導電剤分散体M3にカルボキシメチルセルロース水溶液M5を添加することで電極用スラリーPを得ることができる。よって、塗工電極の内部抵抗の低減に寄与する電極用スラリーを得ることができる。
上述した電極用スラリーPによれば、分散剤としてのタンニン酸水溶液M2を含有することにより導電剤M1を高分散させることができる。安定化剤としてのカルボキシメチルセルロース水溶液M5を含有することにより電極用スラリーPとすることができる。よって、この電極用スラリーPを塗工電極に用いたときに塗工電極の内部抵抗を低減できる。
本発明に係る電極用スラリーおよびその調製方法の効果を確認するために行った確認試験を以下に説明するが、本発明は以下に説明する確認試験のみに限定されるものではない。
[確認試験1]
本確認試験は、分散剤と導電剤の分散性の関係を確認するために行った試験である。
先ず、導電剤分散体の調製を行った(試験体1〜3、比較体1,2)。ケッチェンブラックをタンニン酸またはカルボキシメチルセルロース(CMC)に添加し、ボールミルにより粉砕および撹拌を行って、試験体1〜3、比較体1,2の導電剤分散体を得た。これら試験体1〜3、比較体1,2の導電剤分散体では、表1に示す組成とした。
本確認試験は、分散剤と導電剤の分散性の関係を確認するために行った試験である。
先ず、導電剤分散体の調製を行った(試験体1〜3、比較体1,2)。ケッチェンブラックをタンニン酸またはカルボキシメチルセルロース(CMC)に添加し、ボールミルにより粉砕および撹拌を行って、試験体1〜3、比較体1,2の導電剤分散体を得た。これら試験体1〜3、比較体1,2の導電剤分散体では、表1に示す組成とした。
導電剤分散体(試験体1〜3、比較体1,2)における導電剤の分散性について、導電剤分散体を目開き75μmの篩に通過させ、流水で流した後に篩に残る導電剤の面積を導電剤の残存率として目視で評価した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、試験体1〜3では、比較体1,2と比べて、導電剤残存率が低いことから、導電剤分散体を調製する際に分散剤としてCMCの代わりにタンニン酸を用いることにより、導電剤の凝集体を減少させることができ、分散剤としてCMCを用いる場合と比べて、導電剤の分散性が向上することが明らかとなった。
[確認試験2]
本確認試験は、分散剤と電極の直流抵抗の関係を確認するために行った試験である。
本確認試験は、分散剤と電極の直流抵抗の関係を確認するために行った試験である。
(1)電極用スラリーの調製
水系塗工電極用スラリーの原料であり、活物質として市販の活性炭(比表面積1590m2/g、平均粒径8μm(D50))を87wt%、導電剤としてケッチェンブラック(ライオン社製ECP600JD)を4.4wt%、分散剤としてタンニン酸(キシダ化学社製060−76015)、CMC(ダイセル化学工業社製1240、エーテル化度:0.8〜1.0)の両方あるいは単体を0.4〜7.1wt%、結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR、日本ゼオン社製)を2.6wt%となるようにそれぞれ計量した。ただし、導電剤の種類は限定するものではなく、ケッチェンブラックの他に、アセチレンブラック、ケッチェンブラックECP300J、気相法炭素繊維(VGCF)を用いることも可能である。
水系塗工電極用スラリーの原料であり、活物質として市販の活性炭(比表面積1590m2/g、平均粒径8μm(D50))を87wt%、導電剤としてケッチェンブラック(ライオン社製ECP600JD)を4.4wt%、分散剤としてタンニン酸(キシダ化学社製060−76015)、CMC(ダイセル化学工業社製1240、エーテル化度:0.8〜1.0)の両方あるいは単体を0.4〜7.1wt%、結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR、日本ゼオン社製)を2.6wt%となるようにそれぞれ計量した。ただし、導電剤の種類は限定するものではなく、ケッチェンブラックの他に、アセチレンブラック、ケッチェンブラックECP300J、気相法炭素繊維(VGCF)を用いることも可能である。
先ず、電極用スラリーの調製を行った(試験体4〜11)。具体的には、図1に示すように、導電剤M1であるケッチェンブラックをタンニン酸水溶液M2に添加し、ボールミルにより粉砕および撹拌を行って(第一の工程S1)、導電剤分散体M3を得た。
次に、得られた導電剤分散体M3に活性炭M4を添加し続いて安定化剤として0〜1.8wt%のカルボキシメチルセルロース水溶液M5を添加した後、2.6wt%のスチレンブタジエンゴムM6を添加し混合を行って、試験体4〜11の電極用スラリーPを得た(第二の工程S2)。これら試験体4〜11の電極用スラリーPでは、表2に示す組成とした。また、表2に試験体4〜11の電極用スラリーPのスラリー状態を示す。試験体4,5の分散剤にタンニン酸のみを用いる場合、電極スラリーは沈降しやすいため、実用上不便である。そのため、試験体6〜11では、CMCを安定化剤として添加した。
(2)電極作製
表2に示す電極用スラリー(試験体4〜11)をアルミニウム箔上に塗布し、ドクターブレード法で約120μmとなるように塗工した。得られた塗工電極を120℃で30分間乾燥した後、直径φ15mmに打ち抜き、120℃で4時間の真空乾燥を行った。
表2に示す電極用スラリー(試験体4〜11)をアルミニウム箔上に塗布し、ドクターブレード法で約120μmとなるように塗工した。得られた塗工電極を120℃で30分間乾燥した後、直径φ15mmに打ち抜き、120℃で4時間の真空乾燥を行った。
(3)セル作製および直流抵抗値の評価
上記の電極を厚さ35μmのセルロース製セパレータ(日本高度紙社製TF4035)を介して対向配置させた。1MのLiP6+エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を1対1の割合で混合した電解液をセル中に投入した。電流Iで放電したときの電圧−時間特性の放電開始直後から1秒後までの電圧に対して求めた近似直線を延長した補助線を引き、補助線と放電開始時間の時間軸との交点から求めた電圧降下分V1を求める。次に、次式(1)を用いて直流抵抗R1を算出した。直流抵抗値を表3に示す。
上記の電極を厚さ35μmのセルロース製セパレータ(日本高度紙社製TF4035)を介して対向配置させた。1MのLiP6+エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を1対1の割合で混合した電解液をセル中に投入した。電流Iで放電したときの電圧−時間特性の放電開始直後から1秒後までの電圧に対して求めた近似直線を延長した補助線を引き、補助線と放電開始時間の時間軸との交点から求めた電圧降下分V1を求める。次に、次式(1)を用いて直流抵抗R1を算出した。直流抵抗値を表3に示す。
(比較体3〜8)
比較体3〜7にあっては、ケッチェンブラックをCMC水溶液に添加し、ボールミルにより粉砕および撹拌を行って導電剤分散体を得た。比較体8にあっては、ケッチェンブラックをCMC水溶液とタンニン酸水溶液の混合液に添加し、ボールミルにより粉砕および撹拌を行って導電剤分散体を得た。次に、得られた導電剤分散体に活性炭を添加し、さらに結着剤として2.6wt%のスチレンブタジエンゴムを添加、混合を行い調製して、比較体3〜8の電極用スラリーを得た。これら比較体3〜8の電極用スラリーでは、表2に示す組成とした。得られた電極用スラリーから塗工電極、セルを作製し、試験体4〜11と同様の方法で評価した。この結果を表2および表3に示す。なお、表2にて、KBとは、ケッチェンブラックのことであり、KB粉砕時とは第一の工程のことである。スラリー状態にて、バツ印はスラリー状態では無いことを示し、三角印は一部スラリー状態であることを示し、丸印はスラリー状態であることを示す。
比較体3〜7にあっては、ケッチェンブラックをCMC水溶液に添加し、ボールミルにより粉砕および撹拌を行って導電剤分散体を得た。比較体8にあっては、ケッチェンブラックをCMC水溶液とタンニン酸水溶液の混合液に添加し、ボールミルにより粉砕および撹拌を行って導電剤分散体を得た。次に、得られた導電剤分散体に活性炭を添加し、さらに結着剤として2.6wt%のスチレンブタジエンゴムを添加、混合を行い調製して、比較体3〜8の電極用スラリーを得た。これら比較体3〜8の電極用スラリーでは、表2に示す組成とした。得られた電極用スラリーから塗工電極、セルを作製し、試験体4〜11と同様の方法で評価した。この結果を表2および表3に示す。なお、表2にて、KBとは、ケッチェンブラックのことであり、KB粉砕時とは第一の工程のことである。スラリー状態にて、バツ印はスラリー状態では無いことを示し、三角印は一部スラリー状態であることを示し、丸印はスラリー状態であることを示す。
表3に示すように、タンニン酸で調製した導電剤分散体を用い、かつ安定化剤としてCMCを追加した電極で直流抵抗値を36%低減できることが明らかとなった。図2に試験体5〜11および比較体5〜8のタンニン酸およびCMCの添加総量と直流抵抗の関係を示す。図2より導電剤に添加するタンニン酸およびCMCの配合比は重量比でそれぞれ1:0.2〜0.8、1:0.2〜0.8が好ましいことが明らかとなった。
この配合比は活性炭の比表面積および活性炭量が変化すれば変動することは容易に推測できる。以上のように、導電剤分散体を調製する過程で分散剤にタンニン酸を用いることで凝集体の少ない(高分散した)導電剤分散体を得ることができることが明らかとなった。また、導電剤分散体を用いた電極スラリーの調製および塗工電極の作製工程でも導電剤の高い分散性を維持することが可能であることが明らかとなった。よって、直流抵抗の小さな電極を得ることができることが明らかとなった。
したがって、導電剤にタンニン酸水溶液を添加することで、導電剤を高分散させた導電剤分散体を得ることができ、導電剤分散体にカルボキシメチルセルロース水溶液を添加することで電極用スラリーを得ることができる。これにより、塗工電極の内部抵抗の低減に寄与する電極用スラリーを得ることができることが明らかとなった。
本発明に係る電極用スラリーおよびその調製方法によれば、導電剤を高分散させて電極の内部抵抗を低減でき、塗工電極に用いて好適であるため、電気機器産業や自動車産業などにおいて、極めて有益に利用することができる。
M1 導電剤
M2 タンニン酸水溶液
M3 導電剤分散体
M4 活性炭
M5 カルボキシメチルセルロース水溶液
M6 スチレンブタジエンゴム
P 電極用スラリー
S1 粉砕・撹拌
S2 撹拌
M2 タンニン酸水溶液
M3 導電剤分散体
M4 活性炭
M5 カルボキシメチルセルロース水溶液
M6 スチレンブタジエンゴム
P 電極用スラリー
S1 粉砕・撹拌
S2 撹拌
Claims (6)
- 導電剤、分散剤としてのタンニン酸を混合して導電性分散体を得る第一の工程と、
前記第一の工程に引き続いて、前記導電性分散体に、活物質、結着剤、安定化剤としてのカルボキシメチルセルロースを添加し混合して電極用スラリーを得る第二の工程とを備える
ことを特徴とする電極用スラリーの調製方法。 - 請求項1に記載の電極用スラリーの調製方法であって、
前記タンニン酸を、前記導電剤に対し重量比で1:0.2〜0.8となるように混合する
ことを特徴とする電極用スラリーの調製方法。 - 請求項1または請求項2に記載の電極用スラリーの調製方法であって、
前記カルボキシメチルセルロースを、前記導電剤に対し重量比で1:0.2〜0.8となるように添加する
ことを特徴とする電極用スラリーの調製方法。 - 導電剤、分散剤としてのタンニン酸、活物質、結着剤、安定化剤としてのカルボキシメチルセルロースを含有する
ことを特徴とする電極用スラリー。 - 請求項4に記載の電極用スラリーであって、
前記導電剤と前記タンニン酸の重量比は、1:0.2〜0.8である
ことを特徴とする電極用スラリー。 - 請求項4または請求項5に記載の電極用スラリーであって、
前記導電剤と前記カルボキシメチルセルロースの重量比は、1:0.2〜0.8である
ことを特徴とする電極用スラリー。
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