JP2013167741A - 嗅覚ディスプレイ - Google Patents

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Abstract

【構成】 嗅覚ディスプレイ10は、噴射口22を有する筐体12を含み、時間的および空間的に限られた範囲に香りを提示する。筐体12内には、隔壁14で区画された複数の香気室16が形成されており、香気室12内には、固形状の香源24が収納される。各香気室12には、圧電素子(32)を貼り付けたダイヤフラム(34)を備える風力源18が設けられる。各香気室12は、個別の香気通路52を介して噴射口22と連通されており、各香気通路52は、噴射口22の近傍位置にて合流されて1つの共有通路(54)とされると共に、その合流部分(56)には、ベンチュリ管構造が設けられる。
【効果】 圧電素子を有するダイヤフラムを利用した風力源を用いることによって、単一の機構による時空間制御を可能にしたので、嗅覚ディスプレイを小型化できる。また、1つの噴射口から複数種類の香りが提示可能となる。
【選択図】 図3

Description

この発明は嗅覚ディスプレイに関し、特にたとえば、時間的および空間的に限られた範囲に香りを提示する、嗅覚ディスプレイに関する。
近年、高臨場感や高没入感などをユーザに与えられる情報提示を目的として、テレビやパソコン等の視聴覚ディスプレイと連動して香り(嗅覚情報)を提示する、様々な嗅覚ディスプレイが提案されている。ここで、或る程度の長時間、一定の香りを提示したい場合には、単純に香りを空間に拡散させるだけでよい。しかしながら、たとえば視聴覚ディスプレイが提示するコンテンツの場面の切り替わりに合わせて香りを提示するためには、香り提示の時間的な制御(時間的局所性)が必要となる。また、たとえば狙った人にだけ香りを提示するためには、香り提示の空間的な制御(空間的局所性)が必要となる。さらに、香り提示の時間的および空間的な局所性が実現されれば、使用する香料を大幅に節約できる上、残り香の問題も解消される。これらのことから、時空間制御可能な香りを提示する、つまり時間的および空間的に限られた範囲に香りを提示できる嗅覚ディスプレイが望まれている。
特許文献1には、従来の嗅覚ディスプレイの一例が開示されている。特許文献1の嗅覚ディスプレイ(芳香発生装置)は、固形状の香料を収納する香料収容部を備え、香料収容部の入口側および出口側のそれぞれには、ポンプが設けられる。そして、香りを発生させる際には、入口側ポンプを回転させて香料収容部に空気を送ることによって、芳香が付加された空気(香気)を香料収容部から押し出し、これと同時に出口側ポンプを回転させることによって、香気を芳香排出口から外部に排出している。
また、従来の嗅覚ディスプレイの他の一例が特許文献2に開示されている。特許文献2の嗅覚ディスプレイ(制御型芳香出力装置)は、液体香料を格納する香料格納部、およびピエゾ素子を用いたインクジェットタイプの香料放出器を備える。そして、香りを発生させる際には、香料放出器によって香料を液体粒子として装置内部に噴射し、噴射後に揮発した香料を送風ファンによって装置外部へ放出している。
特開2004−121594号公報 [A61L 9/12] 特開平10−146385号公報 [A61L 9/12]
特許文献1の技術では、ポンプのロータの回転によって、香気を香料収容部から外部に押し出しているだけ、つまり単に香りを周囲空間に拡散させているだけであり、香り提示の空間制御については考慮されていない。すなわち、空間的に限られた範囲への香りの提示が実現されていない。また、構造が複雑であるため、小型化には限界がある。
また、特許文献2の技術では、香料放出器と送風ファンという2つの機構を用いて香料を外部に放出するので、装置が大型化してしまう。また、送風ファンによる送風(風圧生成)は、羽根の回転速度に依存するため、機敏な時間制御ができずタイムラグが生じてしまう。なお、特許文献2には、インクジェットタイプの香料放出器によって、香料を装置外部に直接噴射する態様も例示されているが、香料を液体粒子として直接噴射すると、香料の付着による残香性の問題が生じる。このため、消臭手段が不可欠となり、結果として装置が大型化してしまう。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、嗅覚ディスプレイを提供することである。
この発明の他の目的は、時間的および空間的に限られた範囲に香りを提示でき、かつ装置自体を小型化できる、嗅覚ディスプレイを提供することである。
この発明のさらに他の目的は、1つの装置で複数種類の香りが提示可能である、嗅覚ディスプレイを提供することである。
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
第1の発明は、時間的および空間的に限られた範囲に香りを提示する嗅覚ディスプレイであって、噴射口を有する筐体、筐体の内部空間を隔壁で区画することによって形成される複数の香気室、香気室の少なくとも1つに収納される固形状の香源、香気室のそれぞれに設けられ、圧電素子を有するダイヤフラムを用いて当該香気室内に空気を送り込む複数の風力源、および香気室のそれぞれから噴射口に向かって延びる複数の香気通路を備え、複数の香気通路を噴射口の近傍位置にて合流させて1つの共有通路とすると共に、当該合流部分にベンチュリ管構造を有する、嗅覚ディスプレイである。
第1の発明では、嗅覚ディスプレイ(10)は、噴射口(22)を有する筐体(12)を含み、たとえばパソコンやテレビ等の視聴覚ディスプレイと連動して、時間的および空間的に限られた範囲に香りを提示する。筐体内には、隔壁(14)で区画された複数の香気室(16)が形成されており、少なくともその1つには、固形状の香源(24)が収納される。固形状の香源としては、たとえば、粒状の多孔質体に液体香料を染み込ませたものが使用される。また、各香気室には、個別の風力源(18)が設けられる。風力源は、圧電素子(32)を貼り付けたダイヤフラム(34)を備え、圧電素子に対して交番電圧が印加されるとダイヤフラムを振動させて空気流を発生させるものである。また、各香気室は、香気通路(52)を介して噴射口と連通される。各香気通路は、香気室のそれぞれから噴射口に向かって延び、噴射口の近傍位置にて合流されて1つの共有通路(54)とされると共に、その合流部分(56)には、ベンチュリ管構造が設けられる。なお、ベンチュリ管構造とは、流体の流れを絞ることによって流速を増加させ、低圧力を発生させるというベンチュリ効果を利用した構造を言う。
このような嗅覚ディスプレイによって香りを提示する際には、風力源によって香気室内に空気が送り込まれ、香源から揮発した気体状の香り成分が含まれる香気室内の空気(香気)が、香気通路を通って噴射口から噴射される。この際、香気通路の合流部分にベンチュリ管構造を設けているので、この合流部分を通る香気は、その速度が十分に上げられる。
第1の発明によれば、圧電素子を有するダイヤフラムを利用した風力源を用いたので、香気室内に短時間で高い静圧を生成できる。これによって、応答性よく、かつ空間的に非常に限られた範囲に香りを提示できるようになる。つまり、単一の機構(風力源)による時空間制御が可能となるので、嗅覚ディスプレイを小型化できる。
また、各香気室に対して異なる香りを有する香源を収納しておくようにすれば、複数種類の香りが提示可能となる。この際、香気通路の合流部分にベンチュリ管構造を設けているので、この合流部分を通る香気の速度が十分に加速され、合流部分における香気成分の付着が防止されると共に、噴射口からは指向性を持って香気が噴射される。また、噴射口の近傍位置にて各香気通路を合流させた共有通路を設け、1つの噴射口から香気を噴射するようにしているので、調合した香りの提示が可能となる上、空間制御のための調整が容易となる。
第2の発明は、第1の発明に従属し、ベンチュリ管構造は、共有通路を噴射口側に向かって縮径することによって形成される縮径部を含む。
第2の発明では、共有通路(54)には、噴射口(22)側に向かって徐々に縮径される縮径部(60)が形成され、この縮径部がベンチュリ効果を発揮する。
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、ベンチュリ管構造は、複数の香気通路の合流部分に設けられる仕切板を含む。
第3の発明では、香気通路(52)の合流部分(56)には、香気通路同士を仕切る仕切板(58)が形成され、この仕切板がベンチュリ効果を発揮する。仕切板は、たとえば噴射口(22)側に向かってその先端が尖る平板状に形成され、各香気通路内を流れてくる香気を噴射口方向に案内するガイド板としても機能する。
第4の発明は、第1ないし第3のいずれかの発明に従属し、香気通路は、隔壁の内部を貫通する貫通孔によって形成される。
第4の発明では、香気通路(52)は、筐体(12)内を区画する隔壁(14)内を貫通する貫通孔によって形成される。これによって、香気通路を形成するスペースを別途設けることと比較して、より嗅覚ディスプレイ(10)の小型化を図ることができる。
第5の発明は、第1ないし第4のいずれかの発明に従属し、香気室の少なくとも1つは、香源が収納されずに空室とされる。
第5の発明では、香気室(16)の少なくとも1つは、香源(24)を収納しない空室とされる。ただし、この場合の空室には、香気室に何も入れない場合、および液体香料を浸み込ませていない多孔質体や粒状体のみを収納する場合を含む。たとえば、香りを提示した後、空室とした香気室の風力源(18)を作動させて無臭の空気を噴出することによって、より素早い消臭が可能となる。また、たとえば、香源を収納した香気室の風力源と空室とした香気室の風力源とを同時に或いはタイムシェアリングさせて作動させることにより、噴出する香り成分の濃度を調整することもできる。
第5の発明によれば、より素早い消臭が可能となり、また、香り成分の濃度調整も可能となる。
この発明によれば、圧電素子を有するダイヤフラムを利用した風力源を用いることによって、単一の機構による時空間制御を可能にしたので、嗅覚ディスプレイを小型化できる。
また、各香気室に対して異なる香りを有する香源を収納しておくようにすれば、複数種類の香りが提示可能となる。この際、香気通路の合流部分にベンチュリ管構造を設けているので、この合流部分を通る香気の速度が十分に上げられ、合流部分における香気成分の付着が防止されると共に、噴射口からは指向性を持って香気が噴射される。また、噴射口の近傍位置にて各香気通路を合流させた共有通路を設け、1つの噴射口から香気を噴射するようにしているので、調合した香りの提示が可能となる上、空間制御のための調整が容易となる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この発明の一実施例である嗅覚ディスプレイを用いてユーザに香りを提示する様子を示す図解図である。 図1の嗅覚ディスプレイの外観を示す斜視図である。 図1の嗅覚ディスプレイの上方向から見た内部構造を示す図解図である。 図1の嗅覚ディスプレイが備える風力源を対角線方向に切断したときの断面を示す断面図である。 図1の嗅覚ディスプレイが備える動作音抑制部を鉛直方向に切断したときの断面を示す断面図である。 図1の嗅覚ディスプレイが備える香気通路の形状を説明するための図解図であり、嗅覚ディスプレイを噴射口側から見た様子を内部構造も含めて概略的に示す図解図である。 図6の噴射口部分を拡大して示す図解図である。 図6のVIII-VIII線で切断した断面の香気通路部分を拡大して示す断面図である。 図1の嗅覚ディスプレイから噴射される香り成分の空間的広がりを示す図解図である。 この発明の他の実施例である嗅覚ディスプレイを噴射口側から見た様子を内部構造も含めて概略的に示す図解図である。 図10の噴射口部分を拡大して示す図解図である。 この発明のさらに他の実施例である嗅覚ディスプレイを噴射口側から見た様子を内部構造も含めて概略的に示す図解図である。
図1を参照して、この発明の一実施例である嗅覚ディスプレイ10は、映像や音を含むコンテンツに香り(嗅覚情報)を付加してユーザに提示することによって、コンテンツの現実感や臨場感を高めるために用いられる。たとえば、嗅覚ディスプレイ10は、パソコン、テレビ、ラジオ、ゲーム機、DVDプレイヤ、ビデオデッキおよび携帯電話などの各種の視聴覚ディスプレイと連動して、時空間制御可能に、つまり時間的および空間的に限られた範囲に香りを提示する。
図1は、一例として嗅覚ディスプレイ10をパソコンと連動させて使用する様子を示しており、この場合には、嗅覚ディスプレイ10は、香りを噴射する噴射口22(図2参照)がユーザの顔の方向を向くように、LCDディスプレイ100やキーボード等に取り付けられる。
図2および図3に示すように、嗅覚ディスプレイ10は、各辺の長さが約20mmの立方体状に形成される超小型の嗅覚ディスプレイであり、筐体12、および筐体12の内部空間を隔壁14で区画することによって形成される複数(この実施例では2つ)の香気室16を備える。また、香気室16のそれぞれには、風力源18および動作音抑制部20が設けられる。
筐体12は、アクリル樹脂、フッ素樹脂およびステンレス等の適宜な材料によって直方体状に形成され、その前方側(ユーザ側)の側壁12aには、噴射口22が形成される。筐体12の内部空間は、前方側の側壁12aと裏面側の側壁12bとを連結する平板状の隔壁14によって左右に区画されており、筐体12内には、横方向に並ぶ2つの独立した香気室16が形成される。隔壁14の厚みは、たとえば2mmであり、噴射口22の径は、たとえば0.8mmφである。各香気室16内には、異なる香りを有する固形状の香源24が収納される。なお、図示は省略するが、筐体12の裏面側の側壁12bには、香源24を香気室16内に入れる(或いは取り出す)ための開口が形成される。この開口は、香源24の収納後にポリウレタンやシリコーン製のスポンジ栓などを用いて適宜密封される。
固形状の香源24は、たとえば、粒状の多孔質体に液体香料を染み込ませて(含浸させて)、多孔質体の外表面および細孔内に液体香料を保持させることによって製作される。香料としては、天然香料、合成香料、およびそれらの調合香料が適宜使用できる。多孔質体としては、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、ロックウール、珪藻土、ゼオライト、泥炭、木炭、バーミキュライト、ベントナイト、パーライト、カーボンナノチューブおよび活性炭類などの粒状体を適宜利用できる。多孔質体の粒径および形状は特に限定されないが、香気室16内の流路抵抗などを考慮すると、粒径が1−5mm程度の球状体であることが好ましい。この実施例では、複数のケイ酸カルシウムの球状体に液体香料を染み込ませたものを香源24とした。
また、各香気室16には、吸気口26および香気出口28が形成される。この実施例では、風力源18のノズル30が筐体12の側壁12cを貫通するように接続され、このノズル30が、香気室16内に空気を流入させる吸気口26として機能する。また、香気出口28は、隔壁14側に形成される。各香気出口28は、前後方向にずらして配置され、詳細は後述するように、個別の香気通路52を介して噴射口22に連通している。
図4は、風力源18を対角線方向に切断したときの断面を示す。風力源18は、圧電素子(ピエゾ素子)32を貼り付けたダイヤフラム34を備えており、圧電素子32に交番電圧(正弦波電圧または矩形波電圧)を印加することによって、ダイヤフラム34を板厚方向に屈曲振動させて、空気の流れを発生させる圧電式のものである。
以下、風力源18の動作について簡単に説明する。風力源18では、円板状の圧電素子32を貼り付けたダイヤフラム34の約26kHzの振動に伴い、ポンプ室38に設けられた通気孔40から、空気の吸引と吐出が繰り返される。吸引時に吸入流路42からポンプ室38に取り込まれた空気は、吐出時には通気孔40と同軸に配置された天板44上のノズル30を通過し、ノズル30内のテーパ管路で膨張して吐出される。このとき、通気孔40とノズル30との間の空間には、ベンチュリ効果により負圧部が生じるため、吸入流路42の空気は継続して吸引される。これによって、吸入流路42からノズル30へ向かう連続したポンプ動作が得られる。
このように圧電素子32で駆動する風力源(圧電式の風力源)18は、ブロアファンやスクロールブロアのような回転機構が無いため、小型化および低背化が可能であり、消費電力も小さい。また、事実上無振動の上、短時間で高い静圧を生成できる特徴を有する。このような風力源18としては、たとえば株式会社村田製作所製のマイクロブロア(型番:MZBX001)を用いることができる。
各風力源18には、その空気流路の上流側に、動作音(ダイヤフラム34の振動音)の外部への漏れを抑制するための動作音抑制部20が設けられる。動作音抑制部20は、アクリル樹脂、フッ素樹脂およびステンレス等の適宜な材料によって形成され、ダイヤフラム34の側方に空洞部を形成する。図5は、動作音抑制部20を鉛直方向に切断したときの断面を示す。図5に示すように、動作音抑制部20の側壁46には、風力源18の作動時に外気を吸入するための外気口48が形成されており、動作音抑制部20の内部は、C字状の仕切壁50によって仕切られている。これによって、風力源18の動作音は、迷路状の空気通路を遠回りするようにして外気口48に到達するので、外気口48からの動作音の漏れが抑制される。このような動作音抑制部20を設けることによって、動作音による違和感をユーザに与えることなく、ユーザに対して自然に香りを伝えることができる。ただし、動作音抑制部20の内部構造は、図5の態様に限定されない。たとえば、仕切壁50のない単なる空洞にしておいてもよいし、別の形状の仕切壁を設けるようにしてもよい。
図3に戻って、香気室16の各香気出口28は、個別の香気通路52を介して噴射口22と連通される。この実施例では、各香気通路52は、隔壁14内を貫通する貫通孔であり、香気出口28から隔壁14の厚み方向の中央部まで延びた後、屈曲して噴射口22に向かって延びる。各香気通路52は、断面円形状に形成され、その径はたとえば1mmφである。なお、各香気出口52を前後方向にずらして配置するのは、前後方向の位置を合わせて配置すると、香気出口52から延びる香気通路52によって隔壁14が薄くなり、隔壁14の強度が不足する恐れが生じるからである。ただし、隔壁14の強度に問題がなければ、香気出口28の配置位置は、特に限定されない。このように、隔壁14内を貫通する貫通孔によって各香気通路52を形成することにより、香気通路52を形成するスペースを別途設けることと比較して、嗅覚ディスプレイ10の小型化を図ることができる。
図6−図8を参照して、香気通路52の形状をより詳しく説明する。2つの香気通路52は、噴射口22に向かって平行に並んで延びるが、噴射口22の近傍位置にて合流して1つの共有通路54とされて、噴射口22に至る。そして、この合流部分56には、ベンチュリ管構造が設けられる。なお、ベンチュリ管構造とは、流体の流れを絞ることによって流速を増加させ、低圧力を発生させるというベンチュリ効果を利用した構造を言う。
この実施例では、香気通路52の合流部分56に平板状の仕切板58が形成される。仕切板58は、その先端角がたとえば5°となるように、噴射口22に向かって尖った形状を有しており、各香気通路52内を流れてくる香気を噴射口22方向に案内するガイド板として機能する。これによって、香気の逆流や他の香気通路52への香気の浸入が防止される。ただし、仕切板58全体を薄く形成する場合には、必ずしもその先端を尖らせる必要はない。
この仕切板58の両側では、香気通路52の断面積が小さくなる。また、共有通路54には、噴射口22に向かって徐々に縮径される縮径部60が形成される。つまり、この実施例では、香気通路52の合流部分56に2つのベンチュリ管構造を有しており、この合流部分56を通る香気の流速は2段階で加速される。
このような構成の嗅覚ディスプレイ10は、上述のように、パソコン等が提示する映像や音を含むコンテンツに香りを付加してユーザに提示する。嗅覚ディスプレイ10の制御器(図示せず)は、パソコン等から送られてくる指示信号に応じて、対応する風力源18の圧電素子32に対して交番電圧を印加する。交番電圧の印加によってダイヤフラム34が屈曲振動すると、動作音抑制部20の外気口48から外気が吸引されると共に、風力源18のノズル30、つまり吸入口26から香気室16内に高速かつ高圧の空気が送り込まれる。香気室16内の空気には、香源24から揮発した気体状の香り成分が含まれており、その香り成分を含む空気(香気)は、香気出口28から個別の香気通路52を通って共有通路54に至り、噴射口22から噴射される。そして、圧電素子32に対する交番電圧の印加が停止されると、噴射口22からの香気の噴射も停止される。この際、圧電式の風力源18を用いていることから、香気の噴射の開始および停止は、応答性よく実行され(つまり正確な時間制御が可能であり)、しかも、脈動的ではない一定した香りの提示が可能となる。また、香気通路52の合流部分56にベンチュリ管構造(仕切板58および縮径部60)を設けているので、この合流部分56を通る香気は、その速度が十分に加速される。これによって、合流部分56における香気成分の付着(残香)が防止されると共に、噴射口22からは指向性を持って香気が噴射される。
図9は、嗅覚ディスプレイ10から噴射された香りの空間的広がりを模式的に示す図である。1つの圧電素子32に対して周波数26kHz、15Vp-pの交番電圧を印加して、嗅覚ディスプレイ10を実際に作動させたところ、噴射口22から噴射される香り成分を含む空気の風速は、約200mm/秒であることが確認された。また、香り成分の空間的広がりφは、噴射口22からの距離Lが300mmの地点において、50mm以内に収まることが確認された。このように、嗅覚ディスプレイ10は、空間的に非常に限られた範囲(つまりユーザの顔付近のみ)に対して香りを提示できる。また、空間的に非常に限られた範囲に香りを提示できることから、使用する香料を大幅に節約できる上、残り香もほとんど生じない。たとえば、嗅覚ディスプレイ10から香りを3秒間噴射させてユーザに香りを提示したところ、香り提示の停止後、香り成分は数秒程度で拡散希釈され、消臭装置を用いることなく周囲空間は無臭となった。また、3秒間の香りの噴射を1000回以上実施しても、提示する香りの強さに変化はなかった。なお、香源20から揮発する気体状の香り成分は、3秒間の香りの提示後、10−30秒間のインターバルで香気室12内に充満する。
また、この実施例では、筐体12内に2つの香気室16を設けているので、各香気室16に対して異なる香りを有する香源24を収納しておくことにより、2種類の香りを個別に提示することができる。このため、視聴覚ディスプレイが提示するコンテンツの切り替わりに合わせて、違う香りをユーザに提示できるようになる。たとえば、映像コンテンツのシーンの切り替わりに応じて、バニラアイスを食べる場面ではバニラの香りを放ち、海辺の場面では潮の香りを放つというようなことができる。
さらに、噴射口22の近傍位置にて各香気通路52を合流させた共有通路54を設け、1つの噴射口22から香気を噴射するようにしているので、各香気室16の風力源18を同時に或いはタイムシェアリングさせて作動させることにより、調合した香りの提示が可能となる。また、各風力源18の入力信号のDuty比を調整すること等によって、香りを調合する割合を適宜変化させることもできる。
なお、本願出願人は、この発明の基礎となる嗅覚ディスプレイを特願2011−32981において提案している。また、この嗅覚ディスプレイを複数並べて配置する嗅覚ディスプレイシステムによって、複数の香りを提示できることも提案している。しかしながら、この嗅覚ディスプレイシステムでは、複数の吐出口(噴射口)から香りを噴射するようにしているため、これらをユーザの鼻に向けて空間制御するためには、各嗅覚ディスプレイに対して個別の調整(キャリブレーション)が必要となる。また、調香もできない。これに対して、この実施例の嗅覚ディスプレイ10では、1つの噴射口22から複数の香りを提示できるので、空間制御のための調整が容易であり、調香も可能である。
以上のように、この実施例では、圧電素子32を有するダイヤフラム34を利用した風力源18を用いたので、香気室16内に短時間で高い静圧を生成できる。これによって、応答性よく、かつ空間的に非常に限られた範囲に香りを提示できる。つまり、単一の機構(風力源)による時空間制御が可能となる。また、使用する香料を大幅に節約できると共に、残り香もほとんど生じない。使用する香料が少量ですむことから、香源24を収納する香気室16を小さくできる。また、残り香がほとんど生じないことから、別途の消臭機能も省略できる。
したがって、この実施例によれば、嗅覚ディスプレイ10を小型化できる。具体的には、全体として一辺の長さが約20mmの立方体状という超小型化を実現できる。
また、液体香料を粒状の多孔質体に染み込ませて作成した固形状の香源24を用いたので、香り成分の放出速度を遅延化でき、香りの持続効果を向上できる。したがって、香源24に液体香料を補充したり、香源24を交換したりすることなく、長期間に亘って嗅覚ディスプレイ10を使用できる。
さらに、香気通路52の合流部分56にベンチュリ管構造を設けているので、この合流部分56を通る香気は、その速度が十分に上げられる。このため、合流部分56における香気成分の付着が防止される(つまり所望しない香気の混ざりが防止される)と共に、噴射口22からは指向性を持って香気が噴射される。
さらにまた、筐体12内に2つの香気室16を設けているので、各香気室16に対して異なる香りを有する香源24を収納しておくことにより、2種類の香りを個別に提示することができる。また、噴射口22の近傍位置にて各香気通路52を合流させた共有通路54を設け、1つの噴射口22から香気を噴射するようにしているので、調合した香りの提示が可能となる上、空間制御のための調整が容易となる。
なお、上述の実施例では、2つの香気室16を横方向に並べて配置しているが、上下方向に並べて配置してもよい。また、筐体12の側壁12cを貫通するように風力源18が設けられているが、側壁12cを設けずに、風力源18の天板44で香気室16の側面を封止することもできる。つまり、風力源18を筐体12の外壁の一部として機能させることもできる。
また、上述の実施例では、隔壁14内を貫通する貫通孔によって香気通路52を形成しているが、これに限定されない。たとえば、香気室16を区画する隔壁14の間に空間を設け、その空間を通る独立管によって香気通路52を形成してもよい。
また、香気出口28の位置や香気通路52の形状および経路などは任意に変更できる。たとえば、上述の実施例では、香気通路52を断面円形状に形成しているが、香気通路52は、断面半円状や断面扇状などに形成してもよい。この場合には、たとえば、断面円形状の空気通路の内部を平板状の仕切りで区画することによって、断面半円状や断面扇状などの独立した複数の香気通路52を形成するとよい。ただし、香気通路52が長くなったり、屈曲が多くなったりすると、風力源18の作動時の香気室16の静圧が低くなってしまう恐れがあるので、香気通路52は、短くかつ屈曲が少なくなるように形成することが好ましい。
さらに、上述の実施例では、香気室16のそれぞれに香源24を収納するようにしたが、これに限定されず、香気室16の1つは、香源24を収納しない空室(何も入れない場合、および液体香料を浸み込ませていない多孔質体や粒状体のみを収納する場合を含む)とすることもできる。この場合には、たとえば、香源24を収納した香気室16の風力源18を作動させて香りを提示した後、空室とした香気室16の風力源18を作動させて無臭の空気を噴出する。これによって、ユーザの鼻周辺の空間の香り成分の濃度をユーザが知覚できる閾値以下の濃度に直ちに下げることができるので、より素早い消臭が可能となる。また、調香する場合と同様に、香源24を収納した香気室16の風力源16と空室にした香気室16の風力源18とを同時に或いはタイムシェアリングさせて作動させることにより、香り成分の濃度を調整することもできる。
さらに、香気室16の1つに消臭剤を収納しておくこともできる。これによって、香りの提示後のより素早い消臭が可能となる。
また、上述の実施例では、嗅覚ディスプレイ10を立方体状に形成しているが、これに限定されず、嗅覚ディスプレイ10は、直方体状、多角柱状および円柱状など、適宜な形状に形成することができる。
さらに、上述の実施例では、2つの香気室16を設けるようにしたが、香気室16の数は任意に設定でき、3つ以上の香気室16を設けることもできる。たとえば、図10に示す実施例のように、4つの香気室16を備えることもできる。以下、図10および図11を参照して、この発明の他の実施例である嗅覚ディスプレイ10について説明するが、上述の実施例と同様の部分については、同じ参照番号を付し、説明を省略或いは簡略化する。
図10および図11に示すように、筐体12の前方側の側壁12aには、噴射口22が形成される。筐体12の内部空間は、前方側の側壁12aと裏面側の側壁12bとを連結する断面十字状の隔壁14によって左右および上下に区画されており、筐体12内には、4つの独立した香気室16が形成される。各香気室16内には、異なる香りを有する固形状の香源24が収納される。また、香気室16のそれぞれには、風力源18および動作音抑制部20が設けられる。
香気室16の各香気出口28は、個別の香気通路52を介して噴射口22と連通される。各香気通路52は、香気出口28から隔壁14の厚み方向の中央部まで延びた後、屈曲して噴射口22に向かって平行に並んで延びる。そして、4つの香気通路52は、噴射口22の近傍位置にて合流して1つの共有通路54とされて、噴射口22に至る。香気通路52の合流部分56には、ガイド板として機能する仕切板58が設けられる。この仕切板58は、平板を十字に交差させた形状を有しており、その先端は尖った形状とされる。また、共有通路54には、噴射口22に向かって徐々に縮径される縮径部60が形成される。つまり、図10に示す実施例においても、香気通路52の合流部分56に2つのベンチュリ管構造を有しており、この合流部分56を通る香気の流速は2段階で加速される。
図10に示すような嗅覚ディスプレイ10では、4種類の香源24を有しているので、たとえば、各香気室16の香源24をA、B、C、Dとすると、「A+B、A+C、…、B+C+D、A+B+C+D」というように、調香して提供できる香りの種類を格段に増加させることができる。
ただし、上述の実施例と同様に、香気室16の1つは、空室にしてもよいし、消臭剤を収納してもよい。また、多数の香気室16を設ける場合には、2つ以上の空室や消臭剤を収納する香気室16を設けてもよい。さらに、空室とされる香気室16および消臭剤を収納する香気室16の双方を設けることもできる。
また、香気室16および風力源18の配置態様は、任意に変更可能であり、図12に示すように、筐体12の内部空間を、対角線状に延びる断面十字状の隔壁14によって左右および上下に区画して香気室16を形成することもできる。図12に示すように香気室16および風力源18を配置することによって、嗅覚ディスプレイ10を大型化することなく、風力源18の配置空間を大きくとることができる。なお、多数の香気室16を設けることによって、各香気室16の大きさが小さくなりすぎてしまう場合には、たとえば筐体12の前後方向の長さを大きくして、各香気室16の大きさを調整するとよい。
また、上述の実施例では、視聴覚情報と連動させて香りを提示するようにしたが、香りを単独で提示することもできる。たとえば、自動車などの乗り物において、顔画像などに基づいて運転者の居眠り状態を検出し、その検出に応答して香り(刺激臭)を運転者の鼻に向けて放出する、居眠り防止装置として嗅覚ディスプレイ10を用いることもできる。また、たとえば、その日の気温、湿度および天候などに応じて、異なる香りを提示することもできる。嗅覚ディスプレイ10は、空間的に非常に限られた範囲に対して香りを提示できる(つまり指向性がある)ので、他の搭乗者に影響を与えることなく、運転者のみに香りを提示できる。
さらに、上述の実施例では、固形状の香源24として、粒状の多孔質体に液体香料を染み込ませたものを用いたが、これに限定されない。たとえば、常温で固体またはゲル状の基材を加熱によって液化させたものに液体香料を溶解した後、これを常温に冷却することによって固化またはゲル化させたものを固形状の香源24として用いることもできる。ただし、簡単かつ安価に製作でき、また液体香料の補充ができるという観点から、固形状の香源24としては、多孔質材に液体香料を染み込ませたものを用いることが好ましい。
また、上述の実施例では、嗅覚ディスプレイ10を固定的に設置し、1方向のみに香りを噴射するようにしたが、これに限定されず、噴射方向が変位可能となるように嗅覚ディスプレイ10を設置することもできる。たとえば、嗅覚ディスプレイ10を横方向および縦方向に回転可能に支持する台座上に設置することができる。この場合には、ユーザの鼻の位置を検出する装置と組み合わせて、ユーザの鼻を自動的に追尾して香りを提示するようにするとよい。
なお、上で挙げた寸法などの具体的数値はいずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
10 …嗅覚ディスプレイ
12 …筐体
14 …隔壁
16 …香気室
18 …風力源
20 …騒音抑制部
22 …噴射口
24 …香源
32 …圧電素子
34 …ダイヤフラム
52 …香気通路
54 …共有通路
56 …香気通路の合流部分
58 …仕切板
60 …縮径部

Claims (5)

  1. 時間的および空間的に限られた範囲に香りを提示する嗅覚ディスプレイであって、
    噴射口を有する筐体、
    前記筐体の内部空間を隔壁で区画することによって形成される複数の香気室、
    前記香気室の少なくとも1つに収納される固形状の香源、
    前記香気室のそれぞれに設けられ、圧電素子を有するダイヤフラムを用いて当該香気室内に空気を送り込む複数の風力源、および
    前記香気室のそれぞれから前記噴射口に向かって延びる複数の香気通路を備え、
    前記複数の香気通路を前記噴射口の近傍位置にて合流させて1つの共有通路とすると共に、当該合流部分にベンチュリ管構造を有する、嗅覚ディスプレイ。
  2. 前記ベンチュリ管構造は、前記共有通路を前記噴射口側に向かって縮径することによって形成される縮径部を含む、請求項1記載の嗅覚ディスプレイ。
  3. 前記ベンチュリ管構造は、前記複数の香気通路の合流部分に設けられる仕切板を含む、請求項1または2記載の嗅覚ディスプレイ。
  4. 前記香気通路は、前記隔壁の内部を貫通する貫通孔によって形成される、請求項1ないし3のいずれかに記載の嗅覚ディスプレイ。
  5. 前記香気室の少なくとも1つは、前記香源が収納されずに空室とされる、請求項1ないし4のいずれかに記載の嗅覚ディスプレイ。
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