図1および図2を参照して、この発明の一実施例である嗅覚ディスプレイ10は、映像や音を含むコンテンツに香り(嗅覚情報)を付加してユーザに提示することによって、コンテンツの現実感や臨場感を高めるために用いられる。たとえば、嗅覚ディスプレイ10は、パソコン、テレビ、ラジオ、ゲーム機、カラオケ装置、カメラ、DVDプレイヤおよび携帯電話などの各種の視聴覚ディスプレイと連動して、時空間制御可能に、つまり時間的および空間的に限られた範囲に香りを提示する。
図1および図2は、一例として、嗅覚ディスプレイ10をパソコンと連動させて使用する様子を示している。この場合には、嗅覚ディスプレイ10は、香りを噴射する噴射口16がユーザの顔の方向を向くように、LCDディスプレイやキーボード等に取り付けられたり、三脚100等に取り付けられてユーザの周囲に設置されたりする。
図2−図4に示すように、嗅覚ディスプレイ10は、前方側(ユーザ側)に位置する第1筐体12とその後方側に一体的に設けられている第2筐体14とを含む複層構造を有する。第1筐体12および第2筐体14のそれぞれは、アクリル樹脂、フッ素樹脂或いはステンレス等の適宜な材料によって中空の六角柱状に形成される。第1筐体12と第2筐体14とは、前面視で第1筐体12の各頂点が第2筐体14の各辺の中間に位置するように、周方向に30度ずらして接続される。また、第1筐体12の前壁の中央部には、噴射口16が形成される。嗅覚ディスプレイ10の大きさは、前面視で対向する頂点間の長さがたとえば65mmであり、前後方向(軸方向)の長さがたとえば100mmである。また、噴射口16の内径は、たとえば1.0mmである。
また、第1筐体12または第2筐体14の適宜な位置には、三脚100を取り付けるためのねじ穴18が形成される。この実施例では、ねじ穴18は、第2筐体14の後壁側面に形成される。また、ねじ穴18の規格は、カメラ用の三脚に適合したものとされる。カメラ用の三脚のねじの規格は世界標準で統一されているので、ねじ穴18の規格をそれに適合させておけば、世界各地のカメラ用の三脚を嗅覚ディスプレイ10用の三脚100としてそのまま使用することができるので便利である。
以下、嗅覚ディスプレイ10の構成について具体的に説明する。図5−図9に示すように、第1筐体12と第2筐体14との間には、第1筐体12の後壁および第2筐体14の前壁となる平板状の仕切壁20が設けられており、この仕切壁20によって第1筐体12の内部空間と第2筐体14の内部空間とは前後方向に区画される。また、第1筐体12の内部空間は、その中心部に位置する中央連結部70から放射状に形成される6枚の第1隔壁22によって区画され、第1筐体12内には、周方向に並ぶ三角柱状の6つの香気室24が形成される。同様に、第2筐体14の内部空間は、対向する頂点間を連結するように放射状に形成される、つまり第1隔壁22と周方向に30度ずらした位置に形成される6枚の第2隔壁26によって区画され、第2筐体14内には、周方向に並ぶ三角柱状の6つの香気室24が形成される。すなわち、嗅覚ディスプレイ10は、周方向に並ぶ6つの香気室24が前後方向に並んで配置される計12個の香気室24を有する。なお、第1筐体12および第2筐体14のそれぞれに形成される香気室24の数は、特に限定されないが、装置の小型化および香気の噴射性能を考慮すると、4つから8つに設定することが好ましい。
各香気室24内には、異なる香りを有する固形状の香源28が収容される。また、香気室24のそれぞれには、隔壁22,26に密着配置された風力源30および動作音抑制部32が設けられる。
固形状の香源28は、たとえば、粒状の多孔質体に液体香料を染み込ませて(含浸させて)、多孔質体の外表面および細孔内に液体香料を保持させることによって製作される。香料としては、天然香料、合成香料、およびそれらの調合香料が適宜使用できる。多孔質体としては、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、ロックウール、珪藻土、ゼオライト、泥炭、木炭、バーミキュライト、ベントナイト、パーライト、カーボンナノチューブ或いは活性炭類などの粒状体を適宜利用できる。多孔質体の粒径および形状は特に限定されないが、香気室24内の流路抵抗などを考慮すると、粒径が1−6mm程度の球状体であることが好ましい。この実施例では、各香気室24内には、平均径が4mmであるケイ酸カルシウムの球状体に液体香料を染み込ませた15個の香源28が封入される。このように固形状の香源28を用いることによって、香源28から香料(香り成分)を徐々に放出させることができる。つまり、香源28は長期間に亘って香り成分を放出し続けることができるので、香源28に液体香料を補充したり、香源28を交換したりすることなく、長期間に亘って嗅覚ディスプレイ10を使用できる。
風力源30は、第1隔壁22および第2隔壁26の内部に配置され(つまり第1筐体12および第2筐体14の内部に放射状に配置され)、隔壁22,26の一部を構成する。風力源30の中央部に設けられたノズル34は、香気室24内と連通し、香気室24内に空気を流入させる空気供給口36として機能する。風力源30の大きさは、たとえば、縦20mm、横20mm、厚さ2mmである。また、空気供給口36の径(ノズル34の内径)は、たとえば1.0mmである。
図10は、風力源30を対角線方向に切断したときの断面を示す。風力源30は、圧電素子(ピエゾ素子)38を貼り付けたダイヤフラム40を備えており、圧電素子38に高周波の交番電圧(正弦波電圧または矩形波電圧)を印加することによって、ダイヤフラム40を板厚方向に高速で屈曲振動させて、空気の流れを発生させる圧電式のものである。
以下、風力源30の動作について簡単に説明する。風力源30では、円板状の圧電素子38を貼り付けたダイヤフラム40の約26kHzの振動に伴い、ポンプ室42の中心部に設けられた通気孔44から、空気の吸引と吐出が繰り返される。吸引時に吸入流路46からポンプ室42に取り込まれた空気は、吐出時には通気孔44と同軸に配置された天板48上のノズル34を通過し、ノズル34内のテーパ管路で膨張して吐出される。このとき、通気孔44とノズル34との間の空間には、ベンチュリ効果により負圧部が生じるため、吸入流路46の空気は継続して吸引される。これによって、吸入流路46からノズル34へ向かう連続したポンプ動作が得られる。
このように圧電素子38で駆動する風力源(圧電式の風力源)30は、ブロアファンやスクロールブロアのような回転機構では無いため、小型化および低背化が可能であり、消費電力も小さい。また、事実上無振動の上、短時間で高い静圧を生成できる特徴を有する。このような風力源30としては、たとえば株式会社村田製作所製のマイクロブロア(型番:MZBX001)を用いることができる。
図5に戻って、各風力源30の裏側(空気流路の上流側)には、風力源30の動作音(ダイヤフラム40の振動音)の外部への漏れを抑制するための平板状の動作音抑制部32が設けられる。この動作音抑制部32も、隔壁12,14の一部を構成する。動作音抑制部32は、アクリル樹脂、フッ素樹脂或いはステンレス等の適宜な材料によって形成され、ダイヤフラム40の裏側に空洞部を形成する。動作音抑制部32の大きさは、たとえば、縦20mm、横20mm、厚さ2mmである。なお、図6および図7に示すように、動作音抑制部32の外気口52(図6,7には存在しない)のそれぞれは、隔壁22,26および仕切壁20内を通る外気吸入通路56を介して、第2筐体14の後壁に形成される外気吸入口58と連結され、筐体12,14の外部と連通する。
図11は、動作音抑制部32を厚さ方向と直交する方向に切断したときの断面を示す。図11に示すように、動作音抑制部32の側壁50には、風力源30の作動時に外気を吸入するための外気口52が形成されており、動作音抑制部32の内部は、C字状の仕切壁54によって仕切られている。これによって、風力源30の動作音は、迷路状の空気通路を遠回りするようにして外気口52に到達するので、外気口52(外気吸入口58)からの動作音の漏れが抑制される。このような動作音抑制部32を設けることによって、動作音を抑制し、ユーザに対して不快感を与えることなく香りを提示することができる。ただし、動作音抑制部32の内部構造は、図11の態様に限定されない。たとえば、仕切壁54のない単なる空洞にしておいてもよいし、別の形状の仕切壁を設けるようにしてもよい。
図5−図9に戻って、各香気室24には、香源28を香気室24内に入れる(或いは香源28を香気室24から取り出す)ための開口が形成される。この開口は、筐体12,14の各側壁に形成され、香源24の収容後にポリウレタンやシリコーン製のスポンジ栓60などを用いて適宜密封される。
また、各香気室24には、空気供給口36および香気送出口62が形成される。上述のように、風力源30のノズル34が空気供給口36として機能し、空気供給口36のそれぞれは、香気室24の内側面中央部に形成される。また、香気送出口62のそれぞれは、香気室24の前方側の最内位置に形成される。
第1筐体12の前壁中央部には、ドーム型の突起部64が設けられ、この突起部64の中央部を貫通するように、前壁の厚み方向に延びる連通孔66が形成される。この連通孔66は、前方側に向かうに従い縮径されるテーパ状の縮径部を有し、その前方部分は直管状に形成される。この突起部64の先端開口が噴射口16として機能し、連通孔66は、噴射口16と第1筐体12の各香気室24の香気送出口62とを連通させる。つまり、第1筐体12の各香気室24の香気送出口62は、連通孔66に直接接続され、噴射口16と第1筐体12の各香気室24の香気送出口62とは、ほぼ直線状に連通される。一方、第2筐体14の各香気室24の香気送出口62は、個別の香気通路68を介して連通孔66に接続される。各香気通路68は、仕切壁20および第1隔壁22の中央連結部70の内部を通って連通孔66まで延び、噴射口16と第2筐体14の各香気室24の香気送出口62とは、ほぼ直線状に連通される。すなわち、連通孔66は、各香気室24から吐出される香気の共有通路であり、各香気室24からの香気は連通孔66を通って1つの噴射口16から噴射される。噴射口16、香気送出口62および香気通路68の径は、たとえば1.0mmである。なお、空気供給口36および香気送出口62の径は小さいので、風力源30を作動させないときには、香気室24からの香りの漏れはほとんど発生しない。
また、各隔壁22,26の中央連結部70は、第2筐体14の後壁から突出してその先端部は連通孔66内まで延びる。中央連結部70の先端部は、外周面に溝状の切欠きを形成した先細り形状とされ、連通孔66内に吐出された香気を噴射口16方向に導くガイド部として機能する。これによって、香気の逆流や他の香気室24内への香気の浸入が防止される。
また、図6および図7に示すように、第2筐体14の後壁内には、補助風力源72が設けられる。補助風力源72は、各香気室24から独立して設けられるものであり、香気の加速、香気成分の濃度調整および消臭などに利用される。補助風力源72としては、風力源30と同様のもの、すなわち、圧電素子を貼り付けたダイヤフラムを備え、圧電素子に対して高周波の交番電圧が印加されるとダイヤフラムを高速振動させて空気流を発生させるものを用いるとよい。この補助風力源72の裏側にも、動作音抑制部32が適宜設けられている。
また、中央連結部70内には、補助風力源72のノズルから吐出された空気(無臭の空気)の通り道となる補助通路74が形成される。補助通路74は、補助風力源72のノズルと連通孔66とを直線的に連通させる貫通孔であり、連通孔66を介して噴射口16まで直線的に延びる。補助通路74の径は、たとえば1.0mmである。補助風力源72が作動されると、補助風力源72のノズルから補助通路74内に無臭の空気が吐出される。この無臭の空気は、複雑な経路を辿ることなく噴射口16まで直行するので、圧力低下をほぼ発生させることなく噴射口16から噴射される。
このような構成の嗅覚ディスプレイ10は、上述のように、パソコン等が提示する映像や音を含むコンテンツに香りを付加してユーザに提示する。たとえば、映像コンテンツのシーンの切り替わりに応じて、バニラアイスを食べる場面ではバニラの香りを放ち、海辺の場面では潮の香りを放つ。
具体的には、嗅覚ディスプレイ10の制御器(図示せず)は、パソコン等から送られてくる指示信号に応じて、目的の香源28を収容した香気室24に対応する風力源30の圧電素子38に対して交番電圧(たとえば、周波数26kHz、19.5Vp-p)を印加する。すると、ダイヤフラム40が高速で屈曲振動され、外気吸入口58および外気吸入通路56を介して外気が吸引されると共に、風力源30のノズル34(空気供給口36)から香気室24内に高速かつ高圧の空気が送り込まれる。香気室24内の空気には、香源28から揮発した気体状の香り成分が含まれており、その香り成分を含む空気(香気)は、香気送出口62から直接または香気通路68を介して連通孔66内に吐出される。また、嗅覚ディスプレイ10の制御器は、目的の香源28を収容した香気室24に対応する風力源30を作動させると同時に、或いはタイムシェアリングさせて、補助風力源72を作動させる。補助風力源72のノズルから吐出された無臭の空気は、直線状の補助通路74内を通って噴射口16まで直行する。香気送出口62から連通孔66内に吐出された香気は、補助風力源74から吐出された無臭の空気と連通孔66内で合流して加速され、パソコンからに指示信号に対して殆どの時間的な遅れなしに噴射口16から勢いよく直進性を持って噴射される。そして、圧電素子38に対する交番電圧の印加が停止されると、噴射口16からの香気の噴射も瞬時に停止される。
この際、圧電式の風力源30を用いていることから、香気の噴射の開始および停止は、応答性よく実行され(つまり正確な時間制御が可能であり)、しかも、脈動的ではない一定した香りを連続して提示することも可能となる。また、各香気室24の香気出口62と噴射口16とがほぼ直線的に連通されるので、各香気出口62から吐出される香気は、その勢いを低減することなく噴射口16に向かう。さらに、連通孔66が縮径部を有するので、連通孔66を通る香気は、ベンチュリ効果によってその速度が加速される。したがって、噴射口16からは指向性を持って香気が勢いよく噴射され、空間的に非常に限られた範囲(つまりユーザの顔付近のみ)に対して香りを提示できる。
また、補助風力源72を備えているので、香気を加速させることができ、香気の噴射性能がより向上する。また、風力源30および補助風力源72の駆動割合を変更して、香気室24からの香気と補助風力源72からの無臭の空気との混合割合を調整することにより、香り成分の濃度制御も可能となる。さらに、風力源30を作動させて香りを提示した後に、補助風力源72を作動させ続けて無臭の空気のみを噴射し、提示した香り成分を揮散または希釈するようにすれば、香り成分をそのまま自由拡散させることと比較して、より素早い消臭が可能となる。
さらに、この実施例では12個の香気室24を備え、連通孔66を介して1つの噴射口16から香気を噴射するようにしている。このため、12種類の香りを個別に提示できるのはもちろんのこと、各香気室24の風力源30を同時に或いはタイムシェアリングさせて作動させることにより、香りを調合して提示できる。たとえば、各香気室24に収容される香源28をA−Lとすると、「A+B、A+C、…、K+L、A+B+C、…」というように、非常に多種類の香りを調香して提供できる。また、各風力源30の入力信号のDuty比を調整すること等によって、香りを調合する割合を適宜変化させることもできる。
この実施例によれば、香気室24を周方向に並べるだけでなく、前後方向にも並べる2層構造にしたので、隔壁22,26の中央連結部70の断面積を大きくすることなく、香気室24の数を増やすことができる。また、第2筐体14の各香気室24からの香気通路68を第1隔壁22の中央連結部分を通すように形成したので、省スペース化できると共に、第2筐体14の各香気室24の香気送出口62と噴射口16とをほぼ直線状に連結することができる。つまり、各香気室24の香気送出口62から噴射口16に向かう香気経路の屈曲を最小限に抑えて噴射性能の低下を抑制し、かつ装置の大型化を抑制しつつ、香気室24の数を増やすことができる。したがって、この実施例によれば、小型化および簡便さを保持しつつ、より多くの種類の香りを時間的および空間的に限られた範囲に提示できる。
また、この実施例では、風力源30を筐体12,14内に放射状に配置しているので、各筐体12,14における香気室24の数を増やしても装置は周方向に大きくなり難く、装置を小型化できる。また、香源28を出し入れするための開口を筐体12,14の側壁に形成できるので、香源28の個別交換を行い易くなる。
なお、上述の実施例では、補助風力源72を設けるようにしているが、補助風力源72は必ずしも設ける必要はない。補助風力源72を設けない場合には、たとえば、香気室24に設けられる風力源30を補助風力源72のように機能させることもできる。この場合、香気室24の少なくとも1つは、香源28を収納せずに、香り成分が付加されていない粒状体のみ、たとえば液体香料を浸み込ませていない多孔質体や非孔質体などの粒状体のみを収納したり、何も入れない空室としたりしておくとよい。そして、たとえば、香源28を収納した香気室24の風力源30を作動させて香りを提示した後、香源28を収納しない香気室24の風力源30を作動させて無臭の空気を噴出すれば、素早い消臭が可能となる。また、調香する場合と同様に、香源28を収納した香気室24の風力源30と香源28を収納しない香気室24の風力源30とを同時に或いはタイムシェアリングさせて作動させることにより、香り成分の濃度を調整することもできる。さらに、香気室24の少なくとも1つに消臭剤を収容しておけば、香りの提示後のより素早い消臭が可能となる。
また、補助風力源72を設ける場合、風力源30の吐出性能(静圧生成能)と補助風力源72の吐出性能とは、同程度にしてもよいが、補助風力源72の吐出性能を風力源30の吐出性能よりも高くすることもできる。このように、補助風力源72の吐出性能を風力源30の吐出性能よりも高くすることによって、香り提示の飛距離を伸ばすことができる、つまり香りをより遠いところまで運ぶことができるようになる。
補助風力源72の吐出性能を高めるためには、たとえば、風力源30と比較して直径の大きい圧電素子を備える補助風力源72を用いたり、複層的に配置される2段以上の圧電素子を備える補助風力源72を用いたりするとよい。また、たとえば、風力源30と補助風力源72とで同じものを用いる場合には、補助風力源72が備える圧電素子に印加する交番電圧を大きくすることによって、補助風力源72の吐出性能を高めてもよい。具体例を挙げると、風力源30が備える圧電素子38に対しては19.5Vp-pの交番電圧を印加し、補助風力源72が備える圧電素子に対しては30.0Vp-pの交番電圧を印加する等すればよい。ただし、圧電素子に印加する交番電圧を大きくすると、補助風力源72の耐久性に問題が生じる恐れがあるので、この場合には、補助風力源72の長時間に亘る連続駆動を控えるようにし、たとえば、3秒間程度の間欠駆動とすることが好ましい。
また、上述の実施例では、風力源30を隔壁22,26内に配置しているが、これに限定されず、図12に示すように、風力源30および動作音抑制部32を筐体12,14の側壁内に周方向に並べて配置することもできる。この場合には、各香気室24に対して香源28を出し入れするための開口は、第1筐体12の前壁および第2筐体14の後壁に形成するとよい。このように風力源30を筐体12,14の側壁内に設けることによって、隔壁22,26の厚みを小さくすることができ、隔壁22,26の中央連結部分である中央連結部70の断面積を小さくできる。これにより、噴射口16により近い位置(補助通路74側)に香気送出口62を形成することができるようになり、香気送出口62と噴射口16とをより直線的に連通させることができるようになる。
なお、上述の実施例では、香気室24内に香源28を直接封入しているので、一定期間が経過すると、香気室24の内壁面に香気成分が付着してしまう。このため、香気室24内の香源28を別の種類の香気成分を有する香源28に入れ替えると、香気成分が混同して香りが変化してしまう恐れがある。したがって、香気室24内の香源28を入れ替える際には、同じ種類の香気成分を有する香源28に入れ替えることが好ましい。
続いて、図13−図20を参照して、この発明の他の実施例である嗅覚ディスプレイ10について説明する。上述の実施例では、香気室24内に香源28を直接収容しているが、この実施例では、香源カートリッジ76の容器本体84を介して香気室24内に香源28を収容している点が異なる。以下、具体的に説明するが、上述の実施例と同様の部分については、同じ参照番号を付し、説明を省略或いは簡略化する。
図13−図17に示すように、この実施例の嗅覚ディスプレイ10は、第1筐体12とその後端部に一体的に接続される第2筐体14とを備える。筐体12,14の内部空間のそれぞれは、放射状に形成される6枚の隔壁22,26によって区画され、各筐体12,14内には、周方向に並ぶ三角柱状の6つの香気室24が形成される。すなわち、各香気室24の内側面は、筐体12,14の中心側に向かって収束する(つまり後述する香源カートリッジ76の挿入方向に対して内向きに傾斜する)2つの傾斜面78を有している。
また、香気室24のそれぞれには、風力源30および動作音抑制部32が設けられる。風力源30および動作音抑制部32は、隔壁22,26の内部に密着配置され(つまり筐体12,14内に放射状に配置され)、風力源30のノズル34は、香気室24内に空気を流入させる空気供給口36として機能する。また、各香気室24の前方側の最内位置には、香気送出口62が形成される。この実施例の香気送出口62は、後述する香源カートリッジ76の香気出口92よりも少し大きめに形成され、香気出口92から吐出される香気が連通孔66または香気通路68に円滑に導かれるようにされる。
また、筐体12,14の側壁には、各香気室24内に対して香源カートリッジ76を着脱するためのカートリッジ交換口80が形成される。カートリッジ交換口80のそれぞれには、ヒンジ等によって開閉可能とされるカバー82が設けられる。このカバー82は、香源カートリッジ76を香気室24内に収容したときに、香源カートリッジ76の挿入方向後端と当接し、香源カートリッジ76を挿入方向に押す作用を奏する。
そして、香気室24内には、香源カートリッジ76が着脱可能に収容される。香源カートリッジ76は、容器本体84およびその内部に収容される固体状の香源28を備える。つまり、香源28は、香源カートリッジ76の容器本体84を介して香気室24内に収容される。
図18および図19に示すように、香源カートリッジ76の容器本体84は、ポリエチレン或いはポリプロピレンなどの合成樹脂等によって形成され、香気室24の内面形状に隙間なく沿う外面形状を有するように、中空の正三角柱状に形成される。容器本体84には、香源カートリッジ76を香気室24内に収容した際に、香気室24の空気供給口36に対向する位置に、吸気口86が形成される(図16参照)。すなわち、容器本体84の外側面は、香源カートリッジ76の挿入方向に対して収束する2つの傾斜面88を有しており、その一方の傾斜面88に吸気口86が形成される。吸気口86の径は、たとえば1.0mmである。
また、容器本体84には、香気室24の香気送出口62に対向する位置に、香気出口92が形成される(図14および図15参照)。香気出口92の径は、たとえば1.0mmである。香気出口92のそれぞれは、各香気通路68および連通孔66を介して噴射口16とほぼ直線状に連通するため、各香気出口92から送出される香気は、その勢いを低減することなく噴射口16から噴射される。また、香源カートリッジ76から送出された香気が接触する筐体12,14の内部経路は、連通孔66および各香気通路68のみであるので、筐体12,14に対する香気成分の付着はほとんど生じない。なお、吸気口86および香気出口92の径は小さいので、風力源30を作動させないときには、香源カートリッジ76(香気室24)からの香りの漏れはほとんど発生しない。
香源カートリッジ76を香気室24内に収容する際には、カバー82を開状態にし、カートリッジ交換口80から中央連結部70方向に香源カートリッジ76を押し込むようにして香気室24内に収容する。その後、カバー82を閉状態にすることにより、香源カートリッジ76(容器本体84)の挿入方向後端側をカバー82によって抑える。この際、図20に示すように、香気室24が挿入方向に対して内向きに傾斜する傾斜面78を有することから、カバー82が香源カートリッジ76を挿入方向に押す力Fは、香気室24の傾斜面78で受け止められる。この香気室24の傾斜面78に対して作用する力F1は、傾斜面78に垂直なベクトル成分F1aを有している。つまり、香源カートリッジ76の傾斜面88を香気室24の傾斜面78に押し付ける力F1aが作用するので、香気室24の空気供給口36と香源カートリッジ76の吸気口86との接続部分は密着性が高まって適切に密着する。したがって、この接続部分での空気漏れがほとんど発生せず、風力源30の能力を最大限に活用して香源カートリッジ76内に短時間で高い静圧を生成できる。
また、香気室24および香源カートリッジ76が挿入方向に対して内向きに傾斜する傾斜面78,88を有することから、香気室24の入口部分(つまりカートリッジ交換口80)が香源カートリッジ76の挿入方向前方側の部分より大きくなる。このため、香気室24内に香源カートリッジ76を挿入し易い。
さらに、香源28は香源カートリッジ76(容器本体84)内に収容され、この香源カートリッジ76が香気室24に対して着脱可能に収容されるので、香気室24の内壁面に香気成分が付着することはない。したがって、香源カートリッジ76を交換しても香気成分が混同することはなく、香源カートリッジ76を交換することにより、無数の香りを適切に提供できるようになる。また、風力源30を放射状に配置しているので、カートリッジ交換口80を筐体12,14の側壁に形成できる。このため、筐体12,14の前壁または後壁にカートリッジ交換口80を形成する場合と比較して、各カートリッジ交換口80に個別にカバー82を設け易くなり、香源カートリッジ76の個別交換が簡便となる。
図13−17に示す実施例によれば、香源カートリッジ76を香気室24に対して着脱可能に収容するカートリッジ方式を採用したので、香気成分の混同を生じさせることなく、多種類の香りを適切に提供できる。また、カートリッジ方式を採用するに際して、香気室24の内側面および香源カートリッジ76(容器本体84)の外側面には、香源カートリッジ76の挿入方向に対して傾斜する傾斜面78,88を形成するようにし、香気室24の空気供給口36と香源カートリッジ76の吸気口86との接続部分を適切に密着させるようにした。つまり、複雑な機構(板ばね等の付勢手段)を用いることなく、香気室24および香源カートリッジ76に傾斜構造を設けると言う簡単な構成で、空気供給口36と吸気口86とを密着させて、風力源30の能力を最大限に活用して香源カートリッジ76内に短時間で高い静圧を生成できるようにした。したがって、この実施例によれば、小型化および簡便さを保持しつつ、無数の香りを時間的および空間的に限られた範囲に提示できる。
なお、図13−17に示す実施例では、香気室24内に香源カートリッジ76を収容した際に、カバー82で香源カートリッジ76の後端を挿入方向に押すことよって、空気供給口36と吸気口86との接続部分をより強く密着させるようにした。しかし、必ずしもカバー82によって香源カートリッジ76を押す必要はない。香源カートリッジ76は、ポリエチレン等の比較的軟質な素材によって形成されている。このため、香気室24に香源カートリッジ76を押し込むと、香気室24および香源カートリッジ76が挿入方向に対して内向きに傾斜する傾斜面78,88を有することにより、香気室24に香源カートリッジ76が嵌合する状態となる。これにより、香源カートリッジ76を香気室24内に押し込む際の力(挿入方向の力)が保持されて、香源カートリッジ76の傾斜面88を香気室24の傾斜面78に押し付ける力が作用するので、空気供給口36と吸気口86との接続部分は適切に密着する。
また、香気室24の空気供給口36と香源カートリッジ76の吸気口86との接続部分の密着性をより高めるために、香源カートリッジ76の容器本体84の外側面または香気室24の内側面に対して、シリコーンゴムなどの柔軟性の高い弾性材によって形成される弾性材層(図示せず)を積層しておくこともできる。たとえば、容器本体84の2つの傾斜面88のそれぞれに対して弾性材層を形成してもよいし、容器本体84の吸気口86が形成される外側面に対して弾性材層を形成してもよい。
さらに、図21に示すように、香源カートリッジ76の容器本体84に対して突出部90を形成するようにしてもよい。具体的には、突出部90は、くちばし状(三角錐状)に形成され、容器本体84の前端部から中央連結部70側に向かって突出する。そして、この突出部90に対して香気出口92が形成される。このように、容器本体84にくちばし状の突出部90を形成することによって、噴射口16により近い位置(補助通路74側)に香気出口92(および香気室24の香気送出口62)を形成することができるようになり、香気出口92と噴射口16とをより直線的に連通させることができるようになる。
さらにまた、図13−17に示す実施例では、カートリッジ交換口80に設けられて香源カートリッジ76を挿入方向に押すカバー82として、ヒンジによる横開き式のカバーを採用したが、カバー82の具体的態様は特に限定されない。たとえば、スライド式のカバーを採用してもよいし、完全に取り外し可能なカバーを採用してもよい。
また、図13−図17に示す実施例では、カートリッジ交換口80を筐体12,14の側壁に形成し、筐体12,14の側方から中央連結部70側に向かって香源カートリッジ76を挿入するようにしたが、これに限定されない。たとえば、カートリッジ交換口80を第1筐体12の前壁および第2筐体14の後壁に形成し、第1筐体12については前方側から、第2筐体14については後方側から香源カートリッジ76を着脱することもできる。この場合には、図22に示すように、筐体12,14の側壁内に風力源30および動作音抑制部32を配置するとよい。ただし、香源カートリッジ76を香気室24内に押し込む力が吸気口86を空気供給口36側に押し付ける方向に作用するように、香気室24の内側面および香源カートリッジ76(容器本体84)の外側面には、香源カートリッジ76の挿入方向に対して傾斜する傾斜面を形成することが好ましい。
さらに、図13−図17に示す実施例では、全ての香気室24に対してカートリッジ方式を採用するようにしたが、一部の香気室24に対してカートリッジ方式を採用することもできる。たとえば、第1筐体12の香気室24に対してはカートリッジ方式を採用し、第2筐体14の香気室24に対しては直接香源28を収容するようにしてもよい。さらに、第1筐体12と第2香気室14とで、風力源30の配置位置を変え、香源カートリッジ76の挿入方向を異ならせることもできる。つまり、第1筐体12の香気室24には香源カートリッジ76を前方から挿入すると共に、第2筐体14の香気室24には香源カートリッジ76を側方から挿入する、或いは、第1筐体12の香気室24には香源カートリッジ76を側方から挿入すると共に、第2筐体14の香気室24には香源カートリッジ76を後方から挿入する、というようにしてもよい。
なお、上述の各実施例では、第1筐体12に形成される噴射口16は1つであり、各香気室24または各香源カートリッジ76からの香気は、連通孔66で合流して1つの噴射口16から噴射されるようにしたが、これに限定されない。たとえば、図23−図25に示すように、嗅覚ディスプレイ10は複数の噴射口16を有することもできる。なお、図23−図25には、カートリッジ方式の嗅覚ディスプレイ10を示しているが、香源28を直接収容するタイプの嗅覚ディスプレイ10に複数の噴射口16を形成することもできる。
図23−図25を参照して、この実施例の嗅覚ディスプレイ10では、第1筐体12の前壁中央部に対して、円状に並ぶ12個の噴射口16が形成される。隣り合う噴射口16間の距離は、たとえば1mmである。
第1筐体12の香気室24の各香気送出口60は、第1筐体12の前壁を貫通する連通孔66を介して、対応する噴射口16のそれぞれと連通される。つまり、第1筐体12に装着された香源カートリッジ76の香気出口92から吐出された香気は、個別の連通孔66を通って個別の噴射口16から噴射される。一方、第2筐体14の香気室24の各香気送出口60は、第1隔壁22の中央連結部70の内部および第1筐体12の前壁を貫通する香気通路68を介して、対応する噴射口16のそれぞれと連通される。つまり、第2筐体14に装着された香源カートリッジ76の香気出口92から吐出された香気は、個別の香気通路68を通って個別の噴射口16から噴射される。
各連通孔66および各香気通路68の香気の入口部分(香気送出口60)は、香源カートリッジ76の香気出口92よりも少し大きめに形成される。そして、各連通孔66および各香気通路68は、香気送出口60からテーパ状に縮径して、前方に向かって直管状に延びる。これにより、香源カートリッジ76の香気出口92から吐出される香気は、連通孔66または香気通路68を介して対応する噴射口16まで円滑に導かれる。
また、12個の噴射口16の中心部分には、補助噴射口94が形成される。つまり、各噴射口16および補助噴射口94は、第1筐体12の前壁中央部において近傍位置に集められて形成される。補助噴射口94は、補助通路74を介して補助風力源72のノズルと直線的に連通される。
図23−図25に示す実施例では、香りを提示する際には、目的の香源28を収容した香源カートリッジ76に対応する風力源30が作動されると同時に、或いはタイムシェアリングさせて、補助風力源72が作動される。香気出口92から吐出された香気は、噴射口16から噴射され、補助風力源72から吐出された無臭の空気は、補助噴射口94から噴射される。ここで、噴射口16と補助噴射口94とが近傍位置に配置されていることから、噴射口16からの香気と補助噴射口94からの無臭の空気とは、筐体12,14の外部では略同一の経路を直線状に進み、筐体12,14の外部で合流する。すると、噴射口16からの香気は、補助風力源94からの無臭の空気に引っ張られるようにして加速され、直進性を持って進む。
図23−図25に示す実施例においても、他の各実施例と同様に、小型化および簡便さを保持しつつ、多種類の香りを時間的および空間的に限られた範囲に提示できる。また、各香源カートリッジ76(各香気室24)からの香気を個別の噴射口16から噴射するので、筐体12,14内で別の香源カートリッジ76の香気成分同士が混じり合うことがない。なお、各香源カートリッジ76からの香気は、個別の噴射口16から噴射されるが、噴射口16同士は近傍位置に配置されているので、筐体12,14外部では略同一の経路を直線状に進む。つまり、図23−図25に示す実施例においても、調香および消臭などは可能である。
なお、図23−図25に示す実施例では、複数の噴射口16を1つの円状に並べるように形成したが、噴射口16の配置態様は、適宜変更可能である。たとえば、図26に示すように、噴射口16を2重円状に並べるように形成することもできる。図26に示す実施例では、第1筐体12の香気送出口62からの連通孔66は、前方へそのまま直線状に延びるように形成される。そして、連通孔66と連なる噴射口16は、外側に並べられ、第2筐体14の香気送出口62からの香気通路68と連なる噴射口16は、内側に並べられる。
また、上述の各実施例では、第1筐体12および第2筐体14のそれぞれを六角柱状に形成しているが、これに限定されず、第1筐体12および第2筐体14は、形成する香気室24の数などに応じて、立方体状、直方体状、多角柱状および円柱状など、適宜な形状に形成することができる。また、第1筐体12の第1隔壁22と第2筐体14の第2隔壁26とを周方向にずらす角度は、30度でなくてもよく、第1筐体12の香気送出口62と第2筐体14の香気送出口62とが前後方向に被らないようにできればよい。
さらに、上述の各実施例では、第1筐体12と第2筐体14とを一体的に形成しているが、第1筐体12と第2筐体14とは、分離可能に形成することもできる。この場合には、カートリッジ方式を採用したときに、第1筐体12および第2筐体14の双方共に、前方側から香源カートリッジ76を挿入することもできるし、後方側から香源カートリッジ76を挿入することもできる。
また、上述の各実施例では、第1筐体12および第2筐体14を有する2層構造にしたが、3層構造にすることもできる。つまり、第2筐体14の後端部にさらに第3筐体(図示せず)を一体的または分離可能に接続することもできる。この場合には、第1筐体12、第2筐体14および第3筐体内に設けられる隔壁のそれぞれを周方向にずらして配置し、第3筐体の香気室の香気送出口からの香気通路は、第2筐体14および第1筐体12の隔壁22,26内を通って連通孔66まで延びるように形成するとよい。また、補助風力源72は、第3筐体の後壁に設けるようにするとよい。
さらに、上述の各実施例では、固形状の香源28として、粒状の多孔質体に液体香料を染み込ませたものを用いたが、これに限定されない。たとえば、常温で固体またはゲル状の基材を加熱によって液化させたものに液体香料を溶解した後、これを常温に冷却することによって固化またはゲル化させたものを固形状の香源28として用いることもできる。ただし、簡単かつ安価に製作でき、また液体香料の補充ができるという観点から、固形状の香源28としては、多孔質材に液体香料を染み込ませたものを用いることが好ましい。
さらにまた、上述の各実施例では、嗅覚ディスプレイ10を固定的に設置し、1方向のみに香りを噴射するようにしたが、これに限定されず、噴射方向が変位可能となるように嗅覚ディスプレイ10を設置することもできる。たとえば、嗅覚ディスプレイ10を横方向および縦方向に回転可能に支持する台座上に設置することができる。この場合には、ユーザの鼻の位置を検出する装置と組み合わせて、ユーザの鼻を自動的に追尾して香りを提示するようにするとよい。
また、上述の各実施例では、視聴覚情報と連動させて香りを提示するようにしたが、香りを単独で提示することもできる。たとえば、自動車などの乗り物において、顔画像などに基づいて運転者の居眠り状態を検出し、その検出に応答して香り(刺激臭)を運転者の鼻に向けて放出する、居眠り防止装置として嗅覚ディスプレイ10を用いることもできる。嗅覚ディスプレイ10は、空間的に非常に限られた範囲に対して香りを提示できる(つまり指向性がある)ので、他の搭乗者に影響を与えることなく、運転者のみに刺激臭を提示できる。また、たとえば、その日の気温、湿度および天候などに応じて、異なる香りを提示するようにしてもよい。
なお、上で挙げた寸法などの具体的数値はいずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。