JP2020129042A - 擬似窓構造および擬似窓モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】擬似窓構造において、閉鎖的空間に設けられていても開放的な空間に連通する窓と同様の開放感が得られるようにする。【解決手段】擬似窓構造1は、開口部Oが形成された壁体2と、開口部Oよりも広い範囲を覆うことができる表示画面3aを有し、壁体2の厚さ方向において壁体2から離間して配置されており、表示画面3aが、厚さ方向において開口部Oと重なる中心表示部Dcと、開口部Oに沿って開口部Oを周回する壁体2の縁表面2cと厚さ方向において対向する周縁表示部Deと、からなるディスプレイパネル3と、縁表面2cと周縁表示部Deとの間の隙間を通して、縁表面2cに沿う第1方向において開口部Oを挟んで互いに対向する方向に送風可能であり、縁表面2cに沿って第1方向と直交する第2方向に延びる帯状の送風口4d、5dを有する送風装置4、5と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、擬似窓構造および擬似窓モジュールに関する。
表示装置における表示画像に臨場感を付与する目的で、送風装置が付加された表示装置が知られている。送風装置が送る空気流には、表示画像に対応する匂いが付けられる場合もある。
例えば、特許文献1に開示された視聴覚システムでは、匂いを有する複数の空気流を衝突させ、表示画面の前方に向かう空気流を形成する。この視聴覚ステムでは、各空気流の衝突位置を変更することができるので、空気流が搬送する匂いが衝突位置で発生しているかのように視聴者に知覚させることができる。
特許第5939515号公報
しかしながら、上記のような従来技術には以下のような問題がある。
特許文献1に記載の技術によって得られる効果は、匂いの発生源が表示画像の一部に写っている場合に限定される。匂いの種類も、表示画像中で匂いの発生源が容易に特定されるような強めの匂いに限られる。
さらに、特許文献1に記載の送風装置では、表示画面の一部から視聴者に向かう指向性が強く狭い範囲で流れる空気流が形成される。しかし、このような空気流は、窓から流れ込む自然な風とは異なるため、表示画像の種類によっては、不自然さが感じられるという問題がある。
例えば、室内に開放感やリラクゼーション効果をもたらす目的で擬似窓を形成するという用途が考えられる。この場合、表示画像としては、屋外の自然環境画像が用いられることが多い。このような場面においては、指向性の強い空気流よりも、窓枠全体から入る爽やかなそよ風であったり、軽く風鈴を鳴らすような微風であったりすることがより相応しい。特許文献1に記載の技術は、こうした用途には利用できないという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、閉鎖的空間に設けられていても開放的な空間に連通する窓と同様の開放感が得られる擬似窓構造および擬似窓モジュールを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の擬似窓構造は、開口部が形成された壁体と、前記開口部よりも広い範囲を覆うことができる表示画面を有し、前記壁体の厚さ方向において前記壁体から離間して配置されており、前記表示画面が、前記厚さ方向において前記開口部と重なる中心表示部と、前記開口部に沿って前記開口部を周回する前記壁体の縁表面と前記厚さ方向において対向する周縁表示部と、からなる表示体と、前記縁表面と前記周縁表示部との間の隙間を通して、前記縁表面に沿う第1方向において前記開口部を挟んで互いに対向する方向に送風可能であり、前記縁表面に沿って前記第1方向と直交する第2方向に延びる帯状の送風口を有する一対の送風装置と、を備える。
上記擬似窓構造においては、前記厚さ方向において前記壁体よりも前記表示体と反対側に突出し、前記開口部に沿って設けられた窓枠部をさらに備えてもよい。
上記擬似窓構造においては、前記周縁表示部の短手幅は、前記隙間の距離よりも長くてもよい。
上記擬似窓構造においては、前記隙間を前記第2方向において塞ぐカバー部材をさらに備えてもよい。
上記擬似窓構造においては、前記隙間を通して、前記第2方向において前記開口部を挟んで互いに対向する方向に吸気可能であり、前記第1方向に延びる帯状の吸気口を有する一対の吸気装置をさらに備えてもよい。
上記擬似窓構造においては、前記一対の送風装置におけるそれぞれの前記送風口と、前記表示体と、を、前記壁体との間で囲繞する筐体をさらに備えてもよい。
上記擬似窓構造においては、前記表示体は、映像表示パネルからなってもよい。
上記擬似窓構造においては、前記一対の送風装置の少なくとも一方は、前記送風口に連通され、容積可変に設けられた空気収容部材と、前記空気収容部材に空気を供給する空気供給器と、前記空気収容部材の容積を低減するために前記空気収容部材を押圧することによって、前記空気収容部材の前記空気を前記送風口から吹き出させる押圧器と、を備えてもよい。
上記擬似窓構造においては、前記一対の送風装置の少なくとも一方は、前記送風口から送風される空気流に香り蒸気を供給する香り供給器を備えてもよい。
上記擬似窓構造においては、前記一対の送風装置の少なくとも一方は、前記送風口から送風される空気流に香り蒸気を供給する香り供給器を備え、前記香り供給器は、前記空気収容部材内の前記空気に前記香り蒸気を混合して、前記空気収容部材に戻してもよい。
本発明の第2の態様の擬似窓モジュールは、開口部が形成された壁体に擬似窓を形成する擬似窓モジュールであって、前記開口部よりも広い範囲を覆うことができる表示画面を有し、前記壁体の厚さ方向において前記壁体から離間して配置可能とされており、前記表示画面が、前記厚さ方向において前記開口部と重なる中心表示部と、前記開口部に沿って前記開口部を周回する前記壁体の縁表面と前記厚さ方向において対向する周縁表示部と、からなる表示体と、前記縁表面と前記周縁表示部との間の隙間を通して、前記縁表面に沿う第1方向において前記開口部を挟んで互いに対向する方向に送風可能であり、前記縁表面に沿って前記第1方向と直交する第2方向に延びる帯状の送風口を有する一対の送風装置と、を備える。
上記擬似窓モジュールにおいては、前記壁体における前記開口部の内部、および前記壁体において前記表示体および前記送風装置が固定された表面の少なくとも一方に配置可能とされ、前記開口部に沿う窓枠を形成する窓枠部をさらに備えてもよい。
本発明の擬似窓構造および擬似窓モジュールによれば、閉鎖的空間に設けられていても開放的な空間に連通する窓と同様の開放感が得られる。
本発明の第1の実施形態の擬似窓構造の一例を示す模式的な正面図である。 図1におけるA−A断面図である。 本発明の第1の実施形態の擬似窓構造の一例を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態の擬似窓構造における制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態の擬似窓構造の一例を示す模式的な正面図である。 図5におけるB−B断面図である。 本発明の第3の実施形態の擬似窓構造の主要部の構成例を示す模式的な斜視図である。 本発明の第4の実施形態の擬似窓構造の一例を示す分解斜視図である。 本発明の第4の実施形態の擬似窓構造における制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態の擬似窓構造の一例を示す分解斜視図である。 本発明の第6の実施形態の擬似窓構造の一例を示す分解斜視図である。 本発明の第6の実施形態の擬似窓構造の一例を示す水平方向の断面図である。 本発明の第7の実施形態の擬似窓構造の一例を示す模式的な正面図である。 本発明の第7の実施形態の擬似窓構造における制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の第7の実施形態の擬似窓構造の主要部の構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の第7の実施形態の擬似窓構造における香り供給器の構成例を示す模式的な斜視図である。 本発明の第7の実施形態における送風装置の動作例を示すタイミングチャートである。 本発明の第8の実施形態の擬似窓モジュールの構成例を示す模式的な分解斜視図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の擬似窓構造について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の擬似窓構造の一例を示す模式的な正面図である。図2は、図1におけるA−A断面図である。図3は、本発明の第1の実施形態の擬似窓構造の一例を示す分解斜視図である。図4は、本発明の第1の実施形態の擬似窓構造における制御系の構成を示すブロック図である。
図1〜3に示すように、本実施形態の擬似窓構造1は、壁体2、ディスプレイパネル3(表示体、映像表示パネル)、および送風装置4、5を備える。擬似窓構造1は、カバー部材6、7をさらに備える。図4に示すように、擬似窓構造1は、制御部100をさらに備える。
図1に示すように、壁体2は、床面Fから鉛直方向に立設されている。以下では、壁体2の表面に沿う鉛直方向をY方向、壁体2の表面に沿ってY方向の直交する方向をX方向と称する。
図2に示すように、壁体2の厚さはLhである。壁体2には、厚さ方向に開口部Oが貫通している。開口部Oの形状は特に限定されない。例えば、開口部Oは、矩形、多角形、円形、楕円形、長円形などであってもよい。
以下では、図1に示すように、一例として、開口部Oが横長の矩形状に形成されている場合の例で説明する。図1に示す例では、開口部Oは、X方向において互いに対向しY方向に延びる縦方向内面2aと、Y方向において互いに対向しX方向に延びる横方向内面2bと、によって形成されている。縦方向内面2aの長さL2aと、横方向内面2bの長さL2b(ただし、L2b>L2a)とは、必要に応じて適宜の長さとされる。
図2に示すように、ディスプレイパネル3は、壁体2の厚さ方向における一方の表面から厚さ方向に離間して配置されている。ディスプレイパネル3は、開口部Oに沿って開口部Oを周回する壁体2の縁表面2cと、開口部Oと、に対向している。
以下では、縁表面2cを有する壁体2の表面を背面、厚さ方向において背面と対向する表面を正面と称する。
ディスプレイパネル3は、表示部3b、駆動回路3c、およびカバー3dを備える。特に図示しないが、ディスプレイパネル3は、スピーカをさらに備えていてもよい。
表示部3bとしては、例えば、液晶パネル、プラズマディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)パネルなどが用いられる。図1に示すように、本実施形態では、表示部3bは、矩形状の表示画面3aを備える。表示画面3aの面積は、開口部Oの面積よりも大きい。壁体2の正面から厚さ方向に見ると、表示画面3aの中心は、開口部Oの中心と略一致している。このため、表示画面3aは、厚さ方向において開口部Oと対向する中心表示部Dcと、縁表面2cと対向する周縁表示部Deと、に分かれる。ただし、中心表示部Dcおよび周縁表示部Deは、配置の説明のための区分けである。中心表示部Dcおよび周縁表示部Deの境界で映像が切り替わったり、切れ目が発生したりするわけではない。
周縁表示部Deは、表示画面3aにおいて中心表示部Dcの外周を囲繞する矩形の帯状の領域である。縦方向内面2aに沿う周縁表示部DeのX方向の幅(短手幅)はLexである。横方向内面2bに沿う周縁表示部DeのY方向の幅(短手幅)はLeyである。
周縁表示部Deの幅Lex、Leyは、少なくとも、正面側から開口部Oを斜め45°程度の角度で見たときに表示画面3aの外縁が見えない程度に設定される。例えば、周縁表示部Deと縁表面2cとの対向距離をLw(図2参照)とすると、Lex>Lw、Ley>Lwである。
Lwが小さすぎると、奥行き感を知覚しにくいため、臨場感が低減してしまうおそれがある。Lwが大きすぎると、擬似窓構造1自体の奥行き方向の設置スペース、表示画面3aの面積などを増大させなくてはならず、省スペースになりにくいおそれがある。
周縁表示部Deと縁表面2cとの隙間は、後述する送風装置4、5の送風路としても用いられるため、Lwの大きさが小さすぎたり、大きすぎたりすると、適正な風速や整流が行えなくなるおそれもある。
例えば、Lwは、水平方向(X方向)の開口部Oの幅であるL2bの30分の1以上であることがより好ましく、15分の1以上であることがさらに好ましい。
駆動回路3cは、映像データに基づく映像を表示部3bに表示させる。例えば、映像データは後述する制御部100から駆動回路3cに送出される。
映像の種類は、擬似窓構造1の用途に応じて選ぶことができる。例えば、擬似窓構造1が屋外に開く窓を模擬する場合には、窓の外側の風景が選ばれる。映像は、コンピュータグラフィックスでもよいし、実写映像でもよい。
例えば、映像の種類としては、野外風景、宇宙空間映像、仮想的な隣室映像などであってもよい。特に、好ましい映像としては、例えば、植物が揺れるなどして風が吹いていることが分かる映像が挙げられる。ただし、全体に遠景であったり、近景でもそよ風程度では揺れない物が写っていたりする場合には、静止画が用いられてもよい。
特に仮想的な隣室映像が用いられる場合、隣室が存在し擬似窓が隣室に通じている印象が得られる点で閉鎖的空間の印象が緩和されるため、開放感を与えられる。隣室映像には、例えば、人物、動物等の映像が含まれてもよい。
カバー3dは、表示部3bの裏面側から、表示部3bおよび駆動回路3cを覆う筐体である。
図4に示すように、ディスプレイパネル3は、制御部100と通信可能に接続されている。ディスプレイパネル3の動作は、制御部100からの制御信号に基づいて制御される。
例えば、ディスプレイパネル3がさらにスピーカを備える場合、制御部100から音声信号がスピーカに供給されてもよい。
図1〜3に示すように、送風装置4、5は、互いに同様の構成を有し、Y方向において互いに対向して配置されている。
送風装置4は、横方向内面2bに平行な姿勢で、ディスプレイパネル3の上端部に沿って配置されている。図2に示すように、送風装置4における壁体2側の側面は、壁体2の背面に当接している。このため、送風装置4は、開口部Oの上側の横方向内面2bよりも上側に位置する縁表面2cと周縁表示部Deとの間の隙間の上にまたがって配置されている。
送風装置4は、縁表面2cと周縁表示部Deとの間の隙間を通して、下方に空気流W4を送風可能である。
送風装置4は、ダクト4b、整風部材4c、およびファン4aを備える。
ダクト4bは、下方に開口4d(送風口)を有する略直方体の箱状に形成されている。開口4dは、X方向に延びており、平面視の形状はX方向に細長い帯状である。ダクト4bは、縁表面2cと周縁表示部Deとの間の隙間を、少なくとも横方向内面2bの長さ以上の範囲で上方から覆っている。
整風部材4cは、開口4d内に設けられている。ただし、整風部材4cは、開口4dに面していれば開口4dの外部(下方)に配置されてもよい。
整風部材4cは、ダクト4b内においてX方向に流れる空気流を下方に向けるとともに、空気流がX方向に分散して吹き出すように空気流を整える。
例えば、整風部材4cとしては、Y方向に延びる多数の管路が密集したメッシュ板、ハニカム板、多孔質板などが用いられてもよい。整風部材4cに達する空気流は、ファン4aから遠ざかるにつれて風圧が低下する。しかし、整風部材4cにおける流路抵抗を適宜調整することによって、X方向における風量分布を均等化することができる。
例えば、整風部材4cとしては、X方向に交差する姿勢で配置された複数の整風板がX方向に隙間をあけて配置された構成であってもよい。この場合、各整風板は、吹き出し方向、X方向の風量分布を調整するために、適宜の曲率を有する湾曲板、適宜傾斜して配置された平板などが用いられてもよい。
ファン4aは、ダクト4bの長手方向の端部から、ダクト4bの内部に送風する。ファン4aの種類は、ダクト4bの端部から送風できれば、特に限定されない。例えば、ファン4aは、軸流ファン、遠心ファン、ブロアファンなどが用いられてもよい。
図4に示すように、ファン4aは、制御部100と通信可能に接続されている。ファン4aの動作は、制御部100からの制御信号に基づいて制御される。
図1に示すように、送風装置5は、横方向内面2bに平行な姿勢で、ディスプレイパネル3の下端部に沿って配置されている。図2に示すように、送風装置5における壁体2側の側面は、壁体2の背面に当接している。このため、送風装置5は、開口部Oの下側の横方向内面2bよりも下側に位置する縁表面2cと周縁表示部Deとの間の隙間の下にまたがって配置されている。
送風装置5は、縁表面2cと周縁表示部Deとの間の隙間を通して、上方に空気流W5を送風可能である。
送風装置5は、送風装置4のダクト4b、整風部材4c、およびファン4aに対応して、それぞれダクト5b、整風部材5c、およびファン5aを備える。以下、送風装置4と異なる点を中心に説明する。
ダクト5bは、上方に開口5d(送風口)を有する点がダクト4bと異なる。開口5dは、開口4dと同様の形状を有し、開口4dとX方向に対向している。
整風部材5cは、開口5d内に設けられている。ただし、整風部材5cは、開口5dに面していれば開口5dの外部(上方)に配置されてもよい。
整風部材5cは、ダクト5b内においてX方向に流れる空気流を上方に向けるとともに、空気流がX方向に分散して吹き出すように空気流を整える。整風部材5cは、整風部材4cと同様の構成が用いられる。
ファン5aは、ダクト5bの長手方向の端部から、ダクト5bの内部に送風する。ファン5aは、ファン4aと同様の構成が用いられる。
図4に示すように、ファン5aは、制御部100と通信可能に接続されている。ファン5aの動作は、制御部100からの制御信号に基づいて制御される。
図3に示すように、カバー部材6、7は、それぞれX方向におけるディスプレイパネル3の端部と壁体2の背面との間に配置される。カバー部材6、7は、主としてX方向において、縁表面2cと周縁表示部Deとの間の隙間を塞いでいる。本実施形態では、カバー部材6、7は、ダクト4b、5bで塞がれないY方向における領域においても、縁表面2cと周縁表示部Deとの間の隙間を塞いでいる。
このため、ディスプレイパネル3の外縁部に沿う縁表面2cと周縁表示部Deとの間の隙間は、ダクト4b、5bおよびカバー部材6、7のいずれかによって、X方向およびY方向に塞がれている。
以上説明したように、送風装置4、5の開口4d、5dは、それぞれX方向に延び、Y方向において互いに対向している。本実施形態は、送風装置4,5の各送風口(開口4d、5d)が延びる方向(第2方向)がX方向であり、各送風口の対向方向(第1方向)がY方向である場合の例になっている。
図4に示すように、制御部100は、ファン4a、5a、およびディスプレイパネル3と通信可能に接続されている。制御部100は、ファン4a、5a、およびディスプレイパネル3に制御信号を送出することによって、ファン4a、5a、およびディスプレイパネル3の動作を制御する。
さらに、本実施形態では、制御部100は、ディスプレイパネル3に映像信号を供給する。このため、制御部100は、映像データの記憶装置または映像データの記憶媒体の再生装置を含んでいる。
例えば、制御部100は、ディスプレイパネル3に映像信号を供給する。制御部100は、映像信号に基づく映像に対応して、ファン4a、5aの送風量を制御する。送風量を制御する制御データは、制御部100に予め記憶されているか、または、制御部100に予め記憶された制御式などに基づいて生成される。
例えば、映像が野外風景であって、風の変化に応じて映像内に物が揺動する動画の場合に、制御部100には、物の揺動量が増える場面では送風量を増加させ、物の揺動量が低下する場面では送風量を低減するといった、映像の変化と送風量とが同期するような制御データが用いられてもよい。
例えば、映像が海岸の景色など、揺れるものがなくても風が吹いている考えられる場面を表示する場合には、映像と関係なく送風量が変化されてもよい。さらに、風の揺らぎを有する映像の場合に、映像と同期させることなく、人工的な揺らぎを有する送風を行う制御データが用いられてもよい。
制御データは、ファン4a、5aの送風量をそれぞれ独立に変更するデータであってもよい。この場合、ファン4a、5aの送風量の相違により、X方向における空気流Wの吹き出し中心が移動するため、変化に富んだ送風が可能である。擬似窓構造1には、開口部Oの前を通る人の位置、身長などを検知する人体検知センサ(図示略)がさらに設けられていてもよい。このような構成によれば、制御部100は、人体検知センサの出力に応じて送風を制御することが可能である。例えば、人体検知センサによって、人が近づいたときに送風が行われたり、送風強度が変更されたりしてもよい。例えば、人体検知センサによって検知される人の動きに合わせて空気流Wの吹き出し中心が変更されてもよい。
例えば、制御部100は、人体検知センサによって、身長を検知可能になってり場合に、ファン4a、5aの送風量を制御して、空気流Wの吹き出し中心を人が空気流Wを知覚しやすい部位,例えば、顔、首等の上半身などに合わせてもよい。この場合、背が低い大人であっても、背が低い子供や老人であっても、空気流Wを感じやすくなる。
例えば、後述する他の実施形態のように、空気流Wに香り付けがなされる場合には、空気流Wの吹き出し中心を人の顔に合わせることがより好ましい。
ディスプレイパネル3がスピーカを備える場合には、制御部100はスピーカに音声信号を供給してもよい。音声信号は、映像と関連した音声に対応する信号が用いられることがより好ましい。例えば、映像が森林、竹藪などの風景の場合、生物の鳴き声、葉のさざめきなどの音声データが用いられてもよい。例えば、映像が川辺などの風景の場合、水鳥の羽ばたき、川のせせらぎなどの音声信号が用いられてもよい。
制御部100の装置構成は、上述の記憶装置または再生装置を含む適宜のハードウェアと、CPU、メモリ、入出力インターフェース、外部記憶装置などからなるコンピュータと、を備える。制御部100では、コンピュータによって上記のような種々の制御信号を生成する制御プログラムが実行される。
擬似窓構造1の作用について説明する。
擬似窓構造1において、制御部100の制御が開始されると、少なくとも制御部100が供給する映像信号によって、ディスプレイパネル3に映像が表示される。
ディスプレイパネル3は、縁表面2cと対向する周縁表示部Deを有するため、開口部Oの前から斜め方向に見ても映像が途切れない。このため、開口部Oの前にいる人に、開口部Oから見えない領域にもさらに映像に拡がっているような印象を与えることができる。
ディスプレイパネル3は、壁体2の背面からLwだけ離間しているため、開口部Oよりも奥側に映像が表示される。この結果、開口部Oよりも前方の位置から開口部O越しに見えることで、平面映像であっても映像に奥行きが感じられる。
これと並行して、制御部100に記憶された制御データに基づいて、ファン4a、5aの送風量が制御される。
ファン4aが回転すると、ダクト4bの内部においてX方向への空気の流れが形成される。ダクト4b内の圧力が高まることで、ダクト4b内の空気流は整風部材4cを通して開口4dに吹き出す。これにより、図2に示すように、開口4dから下方に吹き出す空気流W4が形成される。
整風部材4cに、X方向に分布する適宜の流路抵抗が設定されることによって、X方向における空気流W4の吹き出し量を均すことができる。これにより、空気流W4は、開口4dの一部に偏ることなく、開口4dの全体から吹き出す。
X方向の中間部の開口4dから吹き出した空気流W4は、縁表面2cと周縁表示部Deとの間の隙間を通して、下方に流れる。縁表面2cと周縁表示部Deとの間の隙間は、Lw×L2bの矩形状断面を有する送風路を形成している。空気流W4は、この隙間内を流れることにより整流されて、層流化が進む。
空気流W4の層流化を促進し、空気流W4の流速を上げるには、送風路の断面積を低減し、送風路の長さを長くすることがより好ましい。送風路の長さは、例えば、開口4dから横方向内面2bまでの縁表面2cのY方向の長さL2cである。本実施形態では、L2cは、Leyと略等しい。
空気流W4が上側の横方向内面2bに達すると、流路断面積が拡大するため、空気流W4の流れが変化する。例えば、空気流W4の一部は、横方向内面2bの方に回り込んで、開口部Oから正面側に流れる。その他の空気流W4は、開口部Oに向かって拡散しつつ、中心表示部Dcの中心部に進む。
これに対して、開口4dのX方向における両端部から吹き出した空気流W4は、X方向において開口4dよりも外側に流れる。しかし、空気流W4の流路はカバー部材6、7によってX方向に塞がれているため、Y方向に延びる縁表面2cと周縁表示部Deとの隙間を経由して、開口部Oに向かう。カバー部材6、7によってX方向への空気流W4の漏れが防止される。
同様にして、ファン5aが回転すると、送風装置5から、開口5dから上方に向かう空気流W5が吹き出す。ファン5aの送風量がファン4aの送風量と同等の場合、空気流W5の流れ方は、開口部OにおけるY方向の中心を通る水平な対称面に関して略対称である。
この場合、空気流W4、W5は、対称面で互いに衝突するため、空気流W4、W5の流れは、開口部Oを通して正面側に向かう。
このようにして、空気流W4、W5は、開口部Oから正面側に向かって全体的に吹き出す空気流Wを形成する。このとき、開口部Oは、縦方向内面2aおよび横方向内面2bで囲まれたL2a×L2bの矩形断面を有する長さLhの流路を形成している。
開口部Oの断面面積は開口4d、5dの各断面積よりも大きいので、空気流Wの流速は、開口4d、5dにおける空気流W4,W5の流速に比べて低下する。
空気流Wは、開口部OにおけるY方向の中心部では、上述のように空気流W4、W5の衝突によって略正面に向って流れる。
これに対して、開口部Oの内縁部の近くの空気流Wは、横方向内面2bに沿って流れる。このため、Y方向の開口幅に相当するL2aに応じて、長さLhをある程度長くすることによって、空気流Wの流れ方向を略正面に向けやすくなる。例えば、Lhが短すぎると、横方向内面2bの近くを流れる空気流Wが側方に拡散してしまうため、開口部Oの正面側の風量が低下してしまう。
例えば、Lhは、L2aの2分の1倍から15分の1倍にすることがより好ましい。
LhがL2aの15分の1倍未満であると、開口部Oの中心から流れる空気流Wの風量に比べて、正面に向かう空気流Wの風量が少なすぎるおそれがある。この場合、空気流Wは正面以外の方向に分散してしまい、十分な風を正面で感じさせることが難しくなるおそれがある。
LhがL2aの2分の1倍を超えると、開口部Oの奥行きが大きくなりすぎるため、窓の形状として不自然さが感じられてしまう。さらに、壁体2が厚くなりすぎてしまう。
空気流Wの風量は、制御部100からの制御データによって、ファン4a、5aの送風量が変化されることによって変化する。例えば、制御部100は、表示された映像の種類に応じた制御データに基づいて、ファン4a、5aの送風量を制御する。
このようにして、開口部Oからは、ディスプレイパネル3に表示された映像に応じて、空気流Wが吹き出す。空気流Wの風量が動的に変化することによって、映像に示される環境から風が吹き込んだと感じられるため、臨場感等の効果が付与される。例えば、映像が野外風景の場合、擬似窓構造1の前にいる人に、あたかも擬似窓構造1が野外に向かって開放されているかのような擬似感覚を与えることできる。
以上、説明したように、本実施形態の擬似窓構造1によれば、ディスプレイパネル3に映像が表示され、開口部Oから空気流Wが吹き出されるので、閉鎖的空間に設けられていても開放的な空間に連通する窓と同様の開放感が得られる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の擬似窓構造について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態の擬似窓構造の一例を示す模式的な正面図である。図6は、図5におけるB−B断面図である。
図5、6に示すように、本実施形態の擬似窓構造1Aは、第1の実施形態の擬似窓構造1において、壁体2に代えて壁体2Aを備え、さらに窓枠部8が追加されている。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
壁体2Aは、厚さがL2A(ただし、L2A<Lh、図6参照)とされた以外は、第1の実施形態における壁体2と同様に構成される。このため、壁体2Aの開口部Oは、厚さ方向の長さがL2Aとされた縦方向内面2a、横方向内面2bによって形成されている。
窓枠部8は、壁体2Aの開口部Oの内縁に沿う矩形状の枠体である。窓枠部8は、壁体2Aの正面から突出するように、壁体2Aに設けられている。図6に示すように、窓枠部8の突出量は、(Lh−L2A)である。
図5に示すように、窓枠部8の内周面8a、8bは、それぞれ縦方向内面2a、横方向内面2bに整列している。このため、壁体2Aの正面側には、窓枠部8の内周面8a、8bによって開口部O8が形成されている。開口部O8の開口形状は開口部Oと一致している。
図5、6に模式的に示す例では、窓枠部8の各外周部は、それぞれ内周面8aまたは内周面8bと平行な平面からなる。しかし、窓枠部8の外周部の形状はこれには限定されない。例えば、窓枠部8の外周部は、突出方向の先端から壁体2Aの正面に向かってより外周側に傾斜する傾斜面で構成されてもよい。例えば、窓枠部8の外周部には、装飾窓、額縁などに施されるような適宜の立体装飾が施されていてもよい。
このような構成により、擬似窓構造1Aでは、壁体2Aの厚さは、第1の実施形態における壁体2の厚さLhより薄い。しかし、空気流Wの流路となる開口部O、O8の合計長さは、第1の実施形態と同様、Lhになっている。このため、空気流Wの流路形状は、擬似窓構造1における流路形状と一致している。
したがって、擬似窓構造1Aでは第1の実施形態と同様の映像表示および空気流Wの送風が行えるので、擬似窓構造1Aは、第1の実施形態の擬似窓構造1と同様な作用を備える。
本実施形態の擬似窓構造1Aによれば、第1の実施形態と同様、閉鎖的空間に設けられていても開放的な空間に連通する窓と同様の開放感が得られる。
特に、本実施形態によれば、壁体2Aが薄い場合でも、窓枠部8の奥行き寸法を調整することによって、空気流Wの風量分布が良好な流路を形成することができる。
さらに、窓枠部8の外周部の形状を適宜形状に形成することで、単に壁体2Aに開口部Oが形成されている場合に比べて、より装飾性に富んだ擬似窓を形成することができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態の擬似窓構造について説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態の擬似窓構造の主要部の構成例を示す模式的な斜視図である。
図7に示すように、本実施形態の擬似窓構造1Bは、第1の実施形態の擬似窓構造1において、送風装置4、5に代えて、送風装置4B、5Bを備える。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
送風装置4Bは、第1の実施形態における送風装置4のファン4aに代えて、ファン9を備える。本実施形態におけるダクト4bには、第1の実施形態におけるファン4aとの接続部(X方向の端部)に、吸気口4eが設けられている。
送風装置4Bは、第1の実施形態における送風装置4と同様、横方向内面2bに平行な姿勢で、ディスプレイパネル3の上端部に沿って配置されている。本実施形態におけるダクト4bの壁体2およびディスプレイパネル3に対する位置関係は、第1の実施形態と同様である。
ファン9としては、クロスフローファンが用いられる。ファン9は、少なくとも整風部材4cの長さと同程度の長さの送風域を有する。ファン9は、ダクト4bの内部において整風部材4cの上方にて整風部材4cと対向する位置に配置されている。
図4に示すように、ファン9は、制御部100と通信可能に接続されている。ファン9の動作は、制御部100からの制御信号に基づいて第1の実施形態と同様に制御される。
送風装置4Bでは、ファン9が回転すると、ダクト4bに吸気口4eを通して周囲の空気が吸い込まれる。例えば、吸気口4eには、防塵フィルタなどの適宜の濾過フィルタが設けられてもよい。
図7に示すように、送風装置5Bは、送風装置4Bと同様、第1の実施形態における送風装置5のファン5aに代えて、送風装置4Bにおけると同様のファン9を備える。本実施形態におけるダクト5bには、第1の実施形態におけるファン5aとの接続部(X方向の端部)に、吸気口5eが設けられている。
擬似窓構造1Bの全体の図示は省略しているが、送風装置5Bは、第1の実施形態における送風装置5と同様、横方向内面2bに平行な姿勢で、ディスプレイパネル3の下端部に沿って配置されている。本実施形態におけるダクト5bの壁体2およびディスプレイパネル3に対する位置関係は、第1の実施形態と同様である。
図7における送風装置5Bは、擬似窓構造1Bにおける送風装置4Bの配置向きに合わせて描かれているため、擬似窓構造1BにおいてはY方向において図示と反対の向きに配置される。
擬似窓構造1Bにおいては、送風装置5Bにおけるファン9は、ダクト5bの内部において整風部材5cの下方(図7における上方)にて整風部材5cと対向する位置に配置されている。
送風装置5Bでは、ファン9が回転すると、ダクト5bに吸気口5eを通して周囲の空気が吸い込まれる。例えば、吸気口5eには、防塵フィルタなどの適宜の濾過フィルタが設けられてもよい。
このような構成により、擬似窓構造1Bは、第1の実施形態の擬似窓構造1と送風装置4B、5Bに使用されるファン9のみが異なる。
したがって、擬似窓構造1Bでは第1の実施形態と同様の映像表示および空気流Wの送風が行えるので、擬似窓構造1Bは、第1の実施形態の擬似窓構造1と同様な作用を備える。
特に、ファン9がクロスフローファンであるため、整風部材4c、5cに向かう空気流の流量がX方向において均等になる。このため、整風部材4c、5cの管路、整風板等もX方向において均等に設けられればよい。
このため、第1の実施形態に比べると、開口4d、5dから吹き出す空気流W4、W5の風量をX方向において均等化する場合の風損が低減される。この結果、空気流W4、W5の送風量の調整範囲がより広くなるため、空気流Wの強弱を付けやすくなる。
ファン9が用いられることによって、L2bが長い開口部Oにおいても、X方向に均等な送風を行うことが容易となる。
さらに、一定の風量を得るためのファン9の回転数をより低減できるため、送風時の騒音の発生を低減できる。
なお、ファン9として、クロスフローファンと似た形状のラインフローファンが用いられてもよい。この場合、吸気口がX方向にわたって形成されることがクロスフローファンとは異なるが、クロスフローファンと同様に、X方向に延びる送風口からはX方向にわたって均一な送風が可能になる。
本実施形態の擬似窓構造1Bによれば、第1の実施形態と同様、閉鎖的空間に設けられていても開放的な空間に連通する窓と同様の開放感が得られる。
特に、本実施形態によれば、開口部OのX方向の幅が広くなっても、開口部Oから吹き出す空気流WのX方向の偏りを低減しやすい。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態の擬似窓構造について説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態の擬似窓構造の一例を示す分解斜視図である。図9は、本発明の第4の実施形態の擬似窓構造における制御系の構成を示すブロック図である。
図8、9に示すように、本実施形態の擬似窓構造1Cは、第1の実施形態の擬似窓構造1において、制御部100に代えて制御部100C(図9参照)を備え、さらに香り蒸気発生器10(香り供給器)を備える。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
香り蒸気発生器10は、空気流Wに香りを付けるための香り蒸気を発生させる。香り蒸気発生器10の構成は、特に限定されない。
例えば、香り蒸気発生器10としては、香り蒸気を発生させるための香料を含む液体または固体を加熱することによって、香り蒸気を発生させる構成が用いられてもよい。この場合、香り蒸気発生器10は、図示略のヒータを備えている。
例えば、香り蒸気発生器10は、揮発性または昇華性の香料が容器に収容され、容器にはシャッタまたは開閉弁などからなる開閉機構が設けられた構成が用いられてもよい。この場合、シャッタまたは開閉弁は、モータ、電磁クラッチなどの駆動源によって開閉される。この構成では、容器内の蒸気圧に応じて容器内に香り蒸気が発生する。開閉機構が開放されると香り蒸気が外部に流出して容器内の蒸気圧が下がる。これにより、容器内では、流出した分の香り蒸気が新たに発生する。
香り蒸気発生器10は、ファン4aの吸気口およびファン5aの吸気口にそれぞれ配置されている。
香り蒸気発生器10が発生させる香り蒸気は、1種類でもよいし、複数種類でもよい。
香り蒸気の種類は、ディスプレイパネル3で表示される映像に相応しい香りであれば特に限定されない。例えば、香り蒸気は、映像に登場する物から発する香りと同じであるか、または類似する香りを有していてもよい。例えば、香り蒸気は、映像に登場する物と直接的な関係がなくても、映像のイメージに相応しい適宜の香りを有していてもよい。
図9に示すように、香り蒸気発生器10は、制御部100Cと通信可能に接続されている。香り蒸気発生器10の動作は、制御部100Cからの制御信号に基づいて制御される。
制御部100Cは、ファン4a、5a、およびディスプレイパネル3の他に、香り蒸気発生器10と通信可能に接続されている。制御部100Cは、第1の実施形態における制御部100と同様の制御を行う他、香り蒸気発生器10の動作も制御する。
映像データに応じて香り蒸気を発生させる制御データは、予め記憶されているか、または、制御部100Cに予め記憶された制御式などに基づいて生成される。
制御部100Cから香り蒸気発生器10に香り蒸気を発生させる制御信号が送出されると、香り蒸気発生器10が香り蒸気を発生させる。例えば、香り蒸気発生器10がヒータによる加熱によって香り蒸気を発生させる場合には、ヒータによる加熱が行われる。例えば、香り蒸気発生器10がシャッタまたは開閉弁を備える場合には、シャッタまたは開閉弁が開放される。
香り蒸気は、ファン4a、5aの各吸気口から吸い込まれ、空気流W4、W5と混合される。この結果、空気流Wにも香り蒸気が混じるため、空気流Wに香りが付けられる。
このような構成により、擬似窓構造1Cは、第1の実施形態の擬似窓構造1と同様に映像表示および空気流Wの送風を行うことができる。
さらに擬似窓構造1Cによれば、制御部100Cの制御信号に応じて、空気流Wに香り蒸気発生器10が発生する香り蒸気が混合される。この結果、空気流Wに当たる人が、香り蒸気の香りを知覚できる。
本実施形態の擬似窓構造1Cによれば、第1の実施形態と同様、閉鎖的空間に設けられていても開放的な空間に連通する窓と同様の開放感が得られる。
特に、本実施形態によれば、空気流Wに香りを混ぜることができるので、臨場感をさらに向上することができる。本実施形態によれば、空気流Wは、開口部Oから全体的に吹き出す。このため、映像中の特定位置に配置された特定物が発する強い香りよりも、例えば、映像中に現れる草木類が醸す香りのように、映像が示す環境中に漂っているような香りが用いられるとさらに効果的である。
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態の擬似窓構造について説明する。
図10は、本発明の第5の実施形態の擬似窓構造の一例を示す分解斜視図である。
図10に示すように、本実施形態の擬似窓構造1Dは、第1の実施形態の擬似窓構造1において、壁体2、送風装置4、5、カバー部材6、7に代えて、壁体20、送風装置11、12、吸気装置13、14を備える。擬似窓構造1Dは、第4の実施形態と同様の香り蒸気発生器10も備える。図9に示すように、さらに擬似窓構造1Dは、擬似窓構造1における制御部100に代えて、第4の実施形態と同様の制御部100Cを備える。
以下、第1および第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図10に示すように、壁体20は、第1の実施形態における壁体2と同様の厚さを有している。ただし、壁体20には、開口部Oの代わりに開口部Pが厚さ方向に貫通している。
開口部Pは、X方向において互いに対向しY方向に延びる縦方向内面20aと、Y方向において互いに対向しX方向に延びる横方向内面20bと、によって形成されている。縦方向内面20aの長さは、第1の実施形態における横方向内面2bと同様のL2bである。横方向内面20bの長さは、第1の実施形態における縦方向内面2aと同様のL2aである。
このため、開口部Pは、厚さ方向から見て開口部Oが90°回転されたのと同様の矩形開口である。開口部Pの開口断面は、Y方向に長い矩形である。
壁体20の背面において、開口部Pの周囲には縁表面20cが形成されている。縁表面20cは、厚さ方向から見て第1の実施形態における縁表面2cが90°回転されたのと同様の範囲に形成されている。
本実施形態におけるディスプレイパネル3は、開口部Pの形状に対応して、第1の実施形態におけるディスプレイパネル3が厚さ方向から見て90°回転されたのと同様の姿勢で配置される。縁表面20cと表示画面3aとの距離は、第1の実施形態における縁表面2cと表示画面3aの距離と同様である。本実施形態における表示画面3aの中心と、開口部Pの中心とは略一致している。
表示画面3aは、第1の実施形態と同様に、中心表示部Dcと周縁表示部Deとに分けられる。
送風装置11は、縦方向内面20aに平行な姿勢で、ディスプレイパネル3のX方向の端部(図10における右側の端部)に沿って配置されている。送風装置11におけるダクト4bの壁体20側の側面は、壁体20の背面に当接している。このため、送風装置11は、開口部Pの図示右側の縦方向内面20aよりも図示左側に位置する縁表面20cと周縁表示部Deとの間の隙間の右にまたがって配置されている。
送風装置11は、送風装置4と同様、ダクト4bと、整風部材4cと、開口4dと、を備える。ただし、送風装置11におけるダクト4bは、送風装置4におけるよりも長い。送風装置11における開口4dは、X方向において図示右側に向いている以外は、送風装置4における開口4dと同様である。
送風装置11は、送風装置4のファン4aに代えてファン11aを備える。
ファン11aは、吸気方向と送風方向とが、互いに直交するファンが用いられている。ファン11aの送風口は、送風装置11の図示上側の端部に接続されている。破線矢印で示すように、ファン11aは、X方向において図示左側から吸気し、Y方向において図示下方に向かって送風する。
このため、送風装置11は、縁表面20cと周縁表示部Deとの間の隙間を通して、X方向における図示左側に空気流W11を送風可能である。
送風装置12は、送風装置11のダクト4b、整風部材4c、開口4d、およびファン11aに対応して、ダクト5b、整風部材5c、開口5d、およびファン12aを備える。
整風部材5cおよび開口5dは、第1の実施形態における整風部材5cおよび開口5dと同様に構成される。送風装置12のダクト5bの長さは、送風装置11のダクト4bと同様である。
送風装置12における整風部材5c、開口5d、およびファン12aは、ダクト4b、整風部材4c、開口4d、およびファン11aを、開口部Pの中心軸線を中心として180°回転移動したのと同様の位置に配置されている。
このため、送風装置11、12の開口4d、5dは、それぞれY方向に延び、X方向において互いに対向している。本実施形態は、送風装置11、12の各送風口(開口4d、5d)が延びる方向(第2方向)がY方向であり、各送風口の対向方向(第1方向)がX方向である場合の例になっている。
ファン12aは、ファン11aと同様、吸気方向と送風方向とが、互いに直交するファンが用いられている。ファン12aの送風口は、送風装置12の図示下側の端部に接続されている。破線矢印で示すように、ファン12aは、X方向において図示右側から吸気し、Y方向において図示上方に向かって送風する。
このため、送風装置12は、縁表面20cと周縁表示部Deとの間の隙間を通して、X方向における図示右側に空気流W12を送風可能である。
送風装置12における吸気口と送風口との間には、香り蒸気発生器10が連結されている。これにより、空気流W12に香り蒸気が混合可能である。
吸気装置13は、ダクト13bおよびフィルタ13cを備える。
ダクト13bは、図示下方に開口13d(吸気口)を有する略直方体の箱状に形成されている。開口13dは、X方向に延びており、平面視の形状はX方向に細長い帯状である。ダクト13bは、送風装置11、12の間で、図示上方において縁表面20cと周縁表示部Deとの間の隙間をY方向から塞いでいる。
ダクト13bのX方向の端部(図示右側の端部)には、ファン11aの吸気口が接続されている。このため、ファン11aが回転すると、ダクト13b内には、開口13dからファン11aの吸気口に向かう空気流A13が形成される。
フィルタ13cは、開口13dに面して設けられている。フィルタ13cは、空気流A13を濾過する。例えば、フィルタ13cは、空気流A13中の埃などを除去する防塵フィルタでもよい。例えば、フィルタ13cは、空気流A13中の臭い成分を除去する脱臭フィルタでもよい。フィルタ13cとしては、防塵と脱臭とを兼ねるフィルタが用いられてもよい。
吸気装置14は、吸気装置13のダクト13bおよびフィルタ13cに対応して、ダクト14bおよびフィルタ14cを備える。
ダクト14は、図示上方に開口14d(吸気口)を有する略直方体の箱状に形成されている。開口14dは、X方向に延びており、平面視の形状はX方向に細長い帯状である。ダクト14bは、送風装置11、12の間で、図示下方において縁表面20cと周縁表示部Deとの間の隙間をY方向から塞いでいる。
ダクト14bのX方向の端部(図示左側の端部)には、ファン12aの吸気口が接続されている。このため、ファン12aが回転すると、ダクト14b内には、開口14dからファン12aの吸気口に向かう空気流A14が形成される。
フィルタ14cは、フィルタ13cと同様の部材からなる。ただし、フィルタ14cは、開口14dに面して設けられている。このため、フィルタ14cは、空気流A14を濾過する。
本実施形態における制御部100Cは、ファン4a、5aに代えて、ファン11a、12aと通信可能に接続されている以外は、第4の実施形態における制御部100Cと同様である。
擬似窓構造1Dでは、送風装置11、12の対向方向がX方向である。しかし、第1の実施形態と同様にして、開口部Pから空気流Wを吹き出させることができる。さらに、擬似窓構造1Dによれば、第4の実施形態と同様にして、香り蒸気発生器10で発生する香り蒸気を空気流Wに混合させることができる。
本実施形態の擬似窓構造1Dによれば、第1の実施形態と同様、閉鎖的空間に設けられていても開放的な空間に連通する窓と同様の開放感が得られる。
特に、擬似窓構造1Dによれば、第1の実施形態におけるカバー部材6、7に代えて、吸気流路を形成する吸気装置13、14を備える。このため、ファン11a、12aが回転すると、各横方向内面20bの近くで、各横方向内面20bに沿って壁体20の正面側から吸気される。これにより、壁体20の正面側から開口13d、14dに向かう空気流A13、A14が形成される。
例えば、ファン11a、12aが、壁体20と、壁体20の背面側の他の壁体等との間の狭いスペースに密閉状態で配置される場合、吸気装置13、14を有しないとファン11a、12aの配置スペースが負圧になりやすい。これにより、ファン11a、12aの送風能力が低下したり、ファン11a、12aの回転数が増大したりするおそれがある。送風能力が低下すると、所望の空気流Wの送風量が得られなくなる。回転数が増大すると騒音が大きくなり、空気流Wが人工的な送風であることが発覚しやすくなる。
しかし、本実施形態では、空気流Wを形成する空気は、壁体20の正面側から取り込まれる空気流A13、A14であるため、壁体20の背面側が狭いスペースであっても負圧が形成されない。この結果、送風能力の低下や騒音の発生が抑制される。
擬似窓構造1Dによれば、壁体20の背面側の省スペース、密閉化が可能である。
特に壁体20の背面側では、ディスプレイパネル3、送風装置11、12、および吸気装置13、14の外側では、空気流が循環しないので、壁体20の背面側が清浄でない環境でも擬似窓構造1Dを構築できる。
さらに、擬似窓構造1Dでは、開口部Pが縦長である。開口部Pが縦長であると、床面からの高さの低い位置にも開口部Pが形成される。このため、背が低い大人であっても、背が低い子供や老人であっても、開口部Pを擬似窓として享受することができる。
縦長の開口部Pでは、上下方向(Y方向)に対向するように各送風装置を配置すると、上方からの空気流と下方からの空気流とは互いに衝突するまでに拡散されやすい。このため、正面に吹き出す空気流に風量のムラが生じ易い。
しかし、擬似窓構造1Dによれば、送風装置11、12の各送風口を開口部Pの短手となるX方向に対向させている。このため、送風装置11、12をY方向に対向させる場合に比べて、空気流Wの風量のムラを抑制できる。
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態の擬似窓構造について説明する。
図11は、本発明の第6の実施形態の擬似窓構造の一例を示す分解斜視図である。図12は、本発明の第6の実施形態の擬似窓構造の一例を示す水平方向の断面図である。
図11に示すように、本実施形態の擬似窓構造1Eは、第1の実施形態の擬似窓構造1において、送風装置4、5、カバー部材6、7に代えて、送風装置4E、5E、背面カバー15(筐体)を備える。擬似窓構造1Eは、さらに第4の実施形態と同様の香り蒸気発生器10をさらに備える。図9に示すように、さらに擬似窓構造1Eは、擬似窓構造1における制御部100に代えて、第4の実施形態と同様の制御部100Cを備える。
以下、第1および第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図11に示すように、送風装置4Eの構成は、長さが短縮された以外は第3の実施形態における送風装置4Bと同様である。
送風装置4Eは、縦方向内面2aに平行な姿勢で、ディスプレイパネル3のX方向における図示右端部に沿って配置されている。送風装置4Eにおける吸気口4e、開口4dは、それぞれ図示上方、左方に向けられている。送風装置4Eと開口部Oとの間には、ディスプレイパネル3の周縁表示部De(図示略)に対向する縁表面2cが形成されている。
送風装置4Eは、ファン9が回転すると、開口4dからX方向において図示左側に空気流W4Eの送風が可能である。
送風装置5Eの構成は、長さが短縮された以外は第3の実施形態における送風装置5Bと同様である。
送風装置5Eは、縦方向内面2aに平行な姿勢で、ディスプレイパネル3のX方向における図示左端部に沿って配置されている。送風装置5Eにおける吸気口5e、開口5dは、それぞれ図示下方、右方に向けられている。送風装置5Eと開口部Oとの間には、ディスプレイパネル3の周縁表示部De(図示略)に対向する縁表面2c(図示略)が形成されている。
送風装置5Eの吸気口5eの一部には、送気管10aが連通している。送気管10aは、香り蒸気発生器10と連通しており、香り蒸気発生器10で発生した香り蒸気を吸気口5eに供給可能である。
送風装置5Eは、ファン9が回転すると、開口5dからX方向において図示右側に空気流W5Eの送風が可能である。香り蒸気発生器10が香り蒸気を発生すると、空気流W5Eには、香り蒸気が混合される。
本実施形態の擬似窓構造1Eは、開口部Oの短手方向がY方向である場合に、送風装置4E、5Eが、第5の実施形態と同様、互いにX方向に対向する例になっている。
背面カバー15は、壁体2に向かって開口する箱状である。背面カバー15は、壁体2の背面との間で、送風装置4E、5Eおよびディスプレイパネル3を覆うことができる大きさを有する。図12に示すように、背面カバー15の開口部は、壁体2の背面に固定されている。香り蒸気発生器10は、背面カバー15の内部に配置されてもよいし、外部に配置されてもよい。図11に示す例では、香り蒸気発生器10は、背面カバー15の外部に配置されている。このため、背面カバー15を取り外すことなく、香り蒸気の発生源を交換および補充することが可能である。
本実施形態における制御部100Cは、ファン4a、5aに代えて、各ファン9と通信可能に接続されている以外は、第4の実施形態における制御部100Cと同様である。
擬似窓構造1Eでは、第5の実施形態のような吸気装置13、14は設けられていない。
しかし図12に示すように、送風装置4Eのファン9が回転し、空気流W4E(図11参照)が開口4dから吹き出されると、背面カバー15の内部が負圧になるので、壁体2の正面側から横方向内面2bに沿って空気流Aoが吸気される。空気流Aoは、背面カバー15の内部で移動可能であるため、例えば、送風装置4Eの吸気口4eから送風装置4E内に吸気される。給気された空気流Aoは、ファン9によって整風部材4cを通過し、開口4dからX方向に送風される。
図11に示すように、同様にして、送風装置5Eは吸気口5eから空気流Aoを吸気し、開口5dから空気流W5EをX方向に送風する。空気流W4E、W5Eは、第1の実施形態と同様にして、開口部Oから壁体2の正面側に吹き出す空気流Wを形成する。
さらに、擬似窓構造1Eによれば、香り蒸気発生器10で発生する香り蒸気が、送気管10aと吸気口5eを通して、空気流W5Eに混合されるので、香り蒸気を空気流Wに混合させることができる。
本実施形態の擬似窓構造1Eによれば、第1の実施形態と同様、閉鎖的空間に設けられていても開放的な空間に連通する窓と同様の開放感が得られる。
特に、擬似窓構造1Eによれば、送風装置4E、5Eが背面カバー15で覆われているため、空気流Wを形成する際に、簡素な構成で外部から空気流Aoを吸気することができる。このため、第5の実施形態と同様、送風装置4E、5Eの周囲が負圧になることを抑制できる。
さらに、本実施形態では、第5の実施形態と同様、壁体2の背面側では、背面カバー15の外部に空気流が循環しないので、壁体2の背面側が清浄でない環境でも、擬似窓構造1Eを構築できる。
さらに、開口部Oが背面側から背面カバー15で覆われているので、壁体2の背面側の騒音を遮断しやすい。ディスプレイパネル3がスピーカを有する場合には、背面カバー15を音声の反射板として用いることも可能である。この場合、音声が背面側に拡散しにくいので、開口部Oを通して効率よく音声が正面側に伝播する。
[第7の実施形態]
本発明の第7の実施形態の擬似窓構造について説明する。
図13は、本発明の第7の実施形態の擬似窓構造の一例を示す模式的な正面図である。図14は、本発明の第7の実施形態の擬似窓構造における制御系の構成を示すブロック図である。図15は、本発明の第7の実施形態の擬似窓構造の主要部の構成を示す模式的な斜視図である。図16は、本発明の第7の実施形態の擬似窓構造における香り供給器の構成例を示す模式的な斜視図である。
図13に示すように、本実施形態の擬似窓構造1Fは、第1の実施形態の擬似窓構造1において、送風装置4に代えて、送風装置4Fを備える。図14に示すように、さらに擬似窓構造1Fは、擬似窓構造1における制御部100に代えて、制御部100Fを備える。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図15に示すように、送風装置4Fは、ファン4a、容積可変ダクト4f(空気収容部材)、送風ダクト部4g、香り蒸気発生器16(香り供給器)、および押出送風器17(押圧器)を備える。
本実施形態におけるファン4a(空気供給器)は、第1の実施形態と同様の構成を有する。ただし、図14に示すように、本実施形態におけるファン4aは、制御部100Fと通信可能に接続されている。ファン4aの動作は、制御部100Fからの制御信号に基づいて制御される。
図15に示すように、ファン4aは、吸気口から外部の空気を吸気し、送風口から容積可変ダクト4f内に空気流w1を送風する。
容積可変ダクト4fは、ファン4aから送風された空気流w1を収容する容積可変な容器である。容積可変ダクト4fは、ファン4aの送風口に接続された吸気開口と、後述する送風ダクト部4gに接続された送気開口と、の間に空気流w1を貯留することができる。本実施形態におけるファン4aは、容積可変ダクト4fに空気を供給する空気供給器を構成している。
容積可変ダクト4fの構成は、後述する香り蒸気発生器16の体積よりも大きな可変容積を有していれば特に限定されない。例えば、容積可変ダクト4fは、例えば、軟質フィルム、エラストマーなどからなる袋状の成形体が用いられてもよい。ただし、容積可変ダクト4fにおいては全体が軟質の材料で形成されていなくてもよい。例えば、容積可変ダクト4fは、容積一定の硬質部と、容積可変な軟質部とが組み合わされてもよい。例えば、軟質部は蛇腹構造などを有していてもよい。
以下では、図15に示すように、容積可変ダクト4fがX方向に長い軟質フィルム製のチューブからなる場合の例で説明する。
図15に示す容積可変ダクト4fは、第1の実施形態におけるダクト4bと略同じ長さを有し、X方向に延びる有底チューブである。容積可変ダクト4fの容積が最大の状態では、容積可変ダクト4fは両端が丸められた円柱状である。
容積可変ダクト4fの吸気開口はX方向の端部(X方向において図示左側の端部)に形成されており、ファン4aの送風口に連結されている。容積可変ダクト4fにおいて吸気開口と反対側の端部は閉じられている。
容積可変ダクト4fの送気開口はY方向において図示下方の側面に形成されており、後述する送風ダクト部4gに接続されている。
送風ダクト部4gは、X方向に細長く平面視矩形状の開口部4h(送風口)がY方向に貫通する矩形状の枠体を備える。送風ダクト部4gの枠体の図示上端部は容積可変ダクト4fの送気開口に接続されている。これにより、開口部4hは容積可変ダクト4fの内部に連通している。
開口部4hの開口形状は、第1の実施形態におけるダクト4bの開口4dと同様である。図示は省略するが、開口部4hの内部には、第1の実施形態と同様の整風部材4cが配置されている。
送風ダクト部4gは、第1の実施形態におけるダクト4bと同様にして、壁体2の背面とディスプレイパネル3との間に配置されている。
香り蒸気発生器16は、容積可変ダクト4fの内部において、Y方向における図示上側に配置されている。香り蒸気発生器16は、複数の香り蒸気を独立して発生できるように構成されている。
図15に示す例では、香り蒸気発生器16は、3種類の香り蒸気に対応して、第1発生器16A、第2発生器16B、および第3発生器16Cを備える。
図15では、第1発生器16A、第2発生器16B、および第3発生器16Cは、一例として、壁体2の厚さ方向において並列に配置されている。しかし、第1発生器16A、第2発生器16B、および第3発生器16Cの配置はこれには限定されない。
第1発生器16A、第2発生器16B、および第3発生器16Cの各構成は、香り蒸気の発生源以外は同様なので、以下では、第1発生器16Aの例で説明する。
図16に香り蒸気発生器16の詳細構成の一例を示す。
第1発生器16Aは、図示略の筐体の内部に、吸気ファン16a、第1圧力損失フィルタ16b、香料含浸材18、および第2圧力損失フィルタ16cを備える。例えば、吸気ファン16a、第1圧力損失フィルタ16b、香料含浸材18、および第2圧力損失フィルタ16cは、X方向においてファン4aに近い方からこの順に配置される。
吸気ファン16aと第1圧力損失フィルタ16bとの間には、空気流w1が滞留可能な第1室16dが形成されている。第1圧力損失フィルタ16bと第2圧力損失フィルタ16cとの間には、香料含浸材18を収容可能な第2室16eが形成されている。
吸気ファン16aは、空気流w1を第1室16dに取り込むために用いられる。吸気ファン16aの種類は、小径のファンであれば特に限定されない。例えば、吸気ファン16aとしては軸流ファンが用いられてもよい。
第1圧力損失フィルタ16bは、圧力損失を与えることにより、空気流w1の透過流量、透過量を規制する部材である。第1圧力損失フィルタ16bは、多数の開孔を有する多孔質材料が用いられる。
香料含浸材18は、多孔質基材に液体香料が含浸されて構成される。液体香料としては、開口部Oから吹き出す空気流Wに付ける香り蒸気を発生できれば、特に限定されない。ただし、第1発生器16A、第2発生器16B、および第3発生器16Cに設けられる各香料含浸材18に含まれる液体香料は互いに異なる。
本実施形態では、香料含浸材18の基材は、X方向に細長い平面視矩形状のフェルトからなる。香料含浸材18は、第2室16e内においてY方向において互いに間をあけた状態で、重なり合って配置されている。
第2圧力損失フィルタ16cは、圧力損失を与えることにより、第2圧力損失フィルタ16cを透過した空気流の容積可変ダクト4f内への透過流量を規制する部材である。第2圧力損失フィルタ16cは、第1圧力損失フィルタ16bと同様、多数の開孔を有する多孔質材料や、微細な貫通孔を多数有する金属板やテフロン(登録商標)などのフッ素樹脂材料などが用いられる。ただし、第2圧力損失フィルタ16cにおける圧力損失性能は、吸気ファン16aが停止されたときに、第2室16e内の香り蒸気が容積可変ダクト4f内に過剰に放散されない大きさに設定される。具体的には、第2室16eが大気圧になったときに、香り蒸気の感知可能な濃度を考慮して実質的に第2室16e内に封止される程度に設定される。
図14に示すように、香り蒸気発生器16は、制御部100Fと通信可能に接続されている。香り蒸気発生器16の動作は、制御部100Fからの制御信号に基づいて制御される。
図15に示すように、押出送風器17は、押圧バー17aと、押圧バー駆動部17bとを備える。
押圧バー17aは、容積可変ダクト4fを壁体2の背面との間に挟み、容積可変ダクト4fを壁体2の背面に向かって押圧する棒状部材である。押圧バー17aは、X方向に延びている。押圧バー17aは、壁体2の厚さ方向から見て、香り蒸気発生器16と重ならない位置に設けられている。
押圧バー駆動部17bは、押圧バー17aを、壁体2の背面に向かって往復駆動する。押圧バー駆動部17bの構成は、押圧バー17aを壁体2の背面に向かって往復駆動できれば、特に限定されない。
図14に示すように、押出送風器17は、制御部100Fと通信可能に接続されている。押出送風器17の動作は、制御部100Fからの制御信号に基づいて制御される。
制御部100Fは、ファン4a、5aおよびディスプレイパネル3の他に、香り蒸気発生器16および押出送風器17と通信可能に接続されている。制御部100Fは、第1の実施形態における制御部100と同様の制御を行う他、香り蒸気発生器16および押出送風器17の動作も制御する。
制御部100Fの具体的な制御動作については、香り蒸気発生器16および押出送風器17の動作説明とともに説明する。
擬似窓構造1Fの動作について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図17は、本発明の第7の実施形態における送風装置の動作例を示すタイミングチャートである。図17の横軸は時間である。以下では、横軸における時刻をtn(nは自然数)で表す場合、i<j(i、jは自然数)であれば、ti<tjである。
擬似窓構造1Fは、第1の実施形態の擬似窓構造1の送風装置4に代えて、送風装置4Fを備える。このため、擬似窓構造1Fの作用は、空気流W4が空気流W16に代えられる以外は、第1の実施形態と同様である。以下では、空気流W16を開口部Oに吹き出させる送風装置4Fの動作を説明する。なお、特に断らない限り、以下の動作は、制御部100Fから制御対象に、動作に応じた制御信号が送出されることによって実行される。
第1の実施形態と同様、ファン4aは、連続運転されてもよいし、間欠運転されてもよいが、簡単のため、ファン4aが連続的に定常運転されている例で説明する。
香り蒸気発生器16において、各香料含浸材18からは、各第2室16eの気温や圧力に応じて微量の香り蒸気が蒸発している。しかし、各第2室16eは、第1圧力損失フィルタ16bおよび第2圧力損失フィルタ16cに挟まれている。このため、吸気ファン16aが停止していると、各第2室16e内の香り蒸気はほとんど外部に漏れない。このため、各第2室16e内の香り蒸気は飽和状態である。
ファン4aの定常回転によって、容積可変ダクト4f内には、一定の空気流w1が生じているが、吸気ファン16aが停止していると空気流w1は、香り蒸気発生器16内にほとんど流入しない。
図17に示すように、吸気ファン16aが回転される時刻t1より前では、押圧バー17aの押し込み量は0である(曲線202参照)。このため、容積可変ダクト4fの容積は最大(図17では、max)である(曲線203参照)。
容積可変ダクト4f内には、ファン4aの定常回転によって、一定風量f1の空気流w1が送風されている(曲線204参照)。
このとき、香り蒸気発生器16の各吸気ファン16aが停止されているので、曲線205に示すように、容積可変ダクト4f内の香り蒸気濃度は0である。
時刻t1において、例えば、第1発生器16Aの吸気ファン16aが回転開始される。これにより、図16に示すように、吸気ファン16aから第1室16dに空気流w1が吸気される。空気流w1の第1圧力損失フィルタ16bを透過して第2室16eに流入する。しかし、第1室16dの内圧が高まると、第1室16dの空気流w1は第2室16eに流入する。
第2室16e内では、空気流w1が流入することで、香料含浸材18からの蒸発量が増加する。空気流w1は、香り蒸気を含んだ空気流w2として第2圧力損失フィルタ16cを透過し、容積可変ダクト4f内に流出し始める。
このため、時刻t1から容積可変ダクト4f内には、空気流w2の流量に応じて香り蒸気が流入する。一方、香り蒸気が混合された空気流W16は、開口部Oから壁体2の正面に流れていくが、時刻t2において、容積可変ダクト4f内の香り蒸気濃度が平衡し、香り蒸気濃度が最大値になる。この平衡状態は、時刻t2から、吸気ファン16aが停止される時刻t5まで続く。時刻t5において、吸気ファン16aが停止されると、空気流w2の流入量が0になるため、香り蒸気濃度は漸次減少する。例えば、図17の例では、時刻t5から時刻t7までに、香り蒸気濃度は最大値から0まで減少する。
本実施形態では、香り蒸気濃度が最大になった空気流W16を大量に放出して香りを感じさせるために、時刻t2以降に、押出送風器17を動作させる。図17では、制御部100Fは、時刻t2において、押出送風器17に動作を開始する制御信号を送出する。
これにより、押圧バー駆動部17bの駆動によって、時刻t2から時刻t4までの間に押圧バー17aが壁体2の背面に向かって一往復する。
押圧バー17aの押し込み量は、時刻t2から時刻t3に向かって0から最大値まで増大する。これにより、容積可変ダクト4fが壁体2の背面と押圧バー17aとの間に挟まれて、容積が最大値から最小値まで減少する。この間に、空気流W16の風量は、容積可変ダクト4fの容積の減少に伴って押し出される空気の風量がf1に加わってf2(ただし、f2>f1)まで増大する。
押圧バー17aの押し込み量は、時刻t3から時刻t4に向かって最大値から0まで減少する。この間、容積可変ダクト4fは、押圧バー17aに拘束されないため、容積の増大が自由になる。これにより、容積可変ダクト4fの容積は最小値から最大値まで漸次増大する。例えば、曲線203で示されるように、容積可変ダクト4fの容積は、時刻t3から時刻t6までの間に、最大値まで戻る。
一方、空気流W16の風量は、容積可変ダクト4f内に流入する空気の一部が容積可変ダクト4fを膨らませるために使われるため、時刻t3から急激に低下し、f2からf0(ただし、f0<f1)まで減少する。
押出送風器17によって、押し出される空気流W16における香り蒸気濃度は、変化しない。しかし、空気流W16の風量が増大するので、時刻t2から時刻t4までの間、開口部Oから正面側に吹き出す香り蒸気の量は、単位時間当たりでは増大する。このため、開口部Oの正面では、この時間内に、押圧前よりもさらに強い香りが漂うことになる。
本実施形態の擬似窓構造1Fによれば、第1の実施形態と同様、閉鎖的空間に設けられていても開放的な空間に連通する窓と同様の開放感が得られる。
さらに、擬似窓構造1Fは、送風装置4Fを備えるので、第4の実施形態などと同様、香り蒸気発生器16の吸気ファン16aを回転させることで、開口部Oから吹き出す空気流に香り蒸気を混合できる。
特に、送風装置4Fは、容積可変ダクト4fに香り蒸気が混合した空気が満たされており、押出送風器17によって、容積可変ダクト4f内の香り蒸気が混合した空気を短時間に開口部Oから放出することが可能である。これにより、開口部Oに漂う香りを押出送風器17が動作するタイミングで強めることができる。このため、恒常的に香り蒸気を空気流に混合する場合に比べて、動的に強弱が付いた香りを含んだ空気流を送風することができる。
[第8の実施形態]
本発明の第8の実施形態の擬似窓モジュールについて説明する。
図18は、本発明の第8の実施形態の擬似窓モジュールの構成例を示す模式的な分解斜視図である。
図18に示す本実施形態の擬似窓モジュール30は、適宜の壁体21において、第2の実施形態の擬似窓構造1Aに対応する擬似窓構造を形成するために用いられる。
擬似窓モジュール30は、背面ユニット30Aと、正面ユニット30Bと、第2の実施形態と同様の制御部100と、を備える。
以下、第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
壁体21の厚さは、第2の実施形態における壁体2Aと同様、L2Aである。ただし、壁体21には、正面ユニット30Bをはめ込むために、開口部Oよりも大きな開口部Qが厚さ方向に貫通されている。開口部Qは、正面ユニット30Bをはめ込んで取り付けることができれば、矩形状の開口には限定されない。ただし、壁体21の背面には、開口部Qの周囲には、縁表面2cが形成可能な平面部を有する。
例えば、開口部Qは、擬似窓モジュール30を装着するために壁体21に追加工事された貫通孔でもよい。この場合、正面ユニット30Bによって正面から覆われる部位は、開口部Qの内周面に凹凸などの工事跡が残っていてもよい。
以下では、一例として、開口部Qは、X方向において互いに対向しY方向に延びる縦方向内面21aと、Y方向において互いに対向しX方向に延びる横方向内面21bと、によって形成されている。
背面ユニット30Aは、第2の実施形態におけるディスプレイパネル3、送風装置4、5、およびカバー部材6、7が互いに接合されて一体化され、さらに壁体21の背面に装着可能な固定部が追加された構成を有する。
図18に示す例では、カバー部材6、7に対応する部分は、側面カバー31からなる。 側面カバー31は、一対の側面部31aと、複数の固定部31bと、を備える。
一対の側面部31aは、それぞれカバー部材6、7と同様の形状を有している。各側面部31aは、第2の実施形態における、送風装置4、5およびディスプレイパネル3に対するカバー部材6、7の接続関係と同様の位置関係において、本実施形態における送風装置4、5およびディスプレイパネル3と接合されている。
固定部31bは、各側面部31aからX方向における外側に延びる板状部からなる。固定部31bには、厚さ方向に取付孔31cが貫通している。固定部31bは、各側面部31aのY方向の端部にそれぞれ1つずつ形成されている。このため、固定部31bは、図示された3個と、隠れているため図示できない1個と、の計4個からなる。
各固定部31bは、取付孔31cに挿通可能なネジ、ボルトなどによって壁体21の背面に固定可能である。
正面ユニット30Bは、第2の実施形態における窓枠部8および開口部O8、Oに対応する構造を形成するために用いられる。
正面ユニット30Bは、はめ込み枠33、固定部32、および窓枠34(窓枠部)を備える。
はめ込み枠33は、開口部Qにはめ込み可能な矩形枠である。はめ込み枠33の外周面は、例えば、縦方向内面21aおよび横方向内面21bに平行な平面であってもよい。
はめ込み枠33の内周面は、背面ユニット30Aから吹き出される空気流を壁体21の正面側に流すための開口部Rを形成している。
開口部Rは、壁体21への固定したときに、X方向において互いに対向しY方向に延びる縦方向内面32aと、Y方向において互いに対向しX方向に延びる横方向内面32bと、によって形成されている。
各縦方向内面32a、各横方向内面32bは、後述する窓枠34の内部に貫通している。本実施形態では、第2の実施形態における開口部Oに対応して、縦方向内面32aの長さはL2a、横方向内面32bの長さはL2bである。さらに、縦方向内面2a、横方向内面2bの奥行き方向の長さはLhである。
固定部32は、開口部Qにはめ込み枠33がはめ込まれた状態で、正面ユニット30Bを壁体21に固定するために設けられている。固定部32の形状は特に限定されないが、図18に示す例では、固定部32の形状は、はめ込み枠33の外周部から外方に突出した平板状である。
固定部32は、開口部Rの中心軸線に沿うはめ込み枠33の長さはL2Aである。ただし、はめ込み枠33の長さは、L2A未満でもよい。
固定部32の壁体21への固定方法は特に限定されない。例えば、壁体21の正面側または背面側からビス、ボルトなどによって固定されてもよい。例えば、固定部32は、壁体21の正面または開口部Qの内周面との接着によって固定されてもよい。
窓枠34は、固定部32からはめ込み枠33と反対側に突出された矩形枠である。窓枠34の内周面は、はめ込み枠33の内周面と連続している。窓枠34の外周部は、第2の実施形態における窓枠部8の外周部と同様の形状に形成されればよい。
図18には、一例として、窓枠34は、はめ込み枠33と同様の矩形枠である。この場合、壁体21上の固定部32も正面から見えて、擬似窓モジュール30における窓枠部の一部を構成している。このため、固定部32において正面側の表面には、窓枠34の外周部とともに、適宜の装飾が施されてもよい。
擬似窓モジュール30は、背面ユニット30Aが壁体21の背面側から、正面ユニット30Bが壁体21の正面側から、それぞれ壁体21に固定される。これにより、壁体21上に、第2の実施形態と同様の擬似窓構造1Aが形成される。
擬似窓モジュール30によれば、擬似窓構造1Aと同様の作用を備えるので、第2の実施形態と同様、閉鎖的空間に設けられていても開放的な空間に連通する窓と同様の開放感が得られる。
特に、擬似窓モジュール30によれば、正面ユニット30Bを交換することもできるため、窓枠部の外観を容易に変更することができる。
なお、上記各実施形態では、表示体がディスプレイパネル3の場合の例で説明した。しかし、動画映像を用いなくてもよい場合には、表示体として、表示画面に画像が形成された表示板が用いられてもよい。画像としては、例えば、写真画像、絵画などが用いられてもよい。
上記各実施形態では、周縁表示部と壁体の縁表面とが、それぞれの間に他の部材を挟むことなく対向している例で説明した。しかし、周縁表示部と壁体の縁表面との間に、送風可能な隙間が確保され、壁体の前側から開口部を通して見えないような部材であれば、周縁表示部と壁体の縁表面との間に他の部材が配置されていてもよい。
例えば、第1の実施形態におけるダクト4b、5bにおいて、壁体2と当接する部位が、縁表面2cを覆うようにX方向に延ばされていてもよい。この場合、ダクト4b、5bは薄い板材からなるため、板材表面から周縁表示部までの間に対向距離Lwを確保することは容易である。このように縁表面2cがダクト4b、5bの一部で覆われることによって、縁表面2cに汚れが付着したり、匂いが付着したりすることを防止できる。さらに、隙間を通して流れる空気流W4、W5に縁表面2cの汚れ、匂い等が混じることも防止できる。
このような構成によれば、例えば、縁表面2cが平滑面でない場合にも、ダクト4b、5bの一部によって平滑な流路が形成できるので、空気流W4、W5の流れが円滑になる。
上記各実施形態では、例えば、カバー部材6、7、吸気装置13、14、側面カバー31などによって、表示体の外縁に沿って送風装置で覆われていない部位をすべて囲んでいる場合の例で説明した。
しかし、送風装置の吸気、送風への影響が少ない場合には、一部に空気の流通が可能な隙間が残されていてもよい。例えば、第1の実施形態等において、カバー部材6、7は省略されてもよい。
上記第2の実施形態では、窓枠部8に開口部が形成されることによって、表示画面3aが見える開口部O8、Oが常に開いている場合の例で説明した。しかし、窓枠部8には、開口部O8を開閉することができる扉、引き戸、カーテンなどが設けられていてもよい。
上記第8の実施形態では、擬似窓モジュールが擬似窓構造1Aに対応している場合の例で説明した。しかし、擬似窓モジュールは、上述の第1、第3〜第7の実施形態に対応する擬似窓構造を形成してもよい。この場合、正面ユニット30Bは用いられない。さらに、壁体としては、各実施形態の壁体が用いられる。各壁体には、開口部Qに代えて、各擬似窓構造における開口部が形成される。
以上、本発明の好ましい各実施形態を説明したが、本発明は各実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述の第1、第3〜第7の実施形態の擬似窓構造において、第2の実施形態における窓枠部8が付加されてもよい。
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F 擬似窓構造
2、2A、20、21 壁体
2a、20a 縦方向内面
2b、20b 横方向内面
2c、20c 縁表面
3 ディスプレイパネル(表示体、映像表示パネル)
3a 表示画面
3b 表示部
3c 駆動回路
4、5、4B、4E、4F、5B、5E、5F、11、12 送風装置
4a ファン(空気供給器)
4b、5b ダクト
4c、5c 整風部材
4d、4h、5d 開口(送風口)
4e,5e 吸気口
4f 容積可変ダクト(空気収容部材)
4g 送風ダクト部
5a、9、11a、12a ファン
6、7 カバー部材
8 窓枠部
10、16 香り蒸気発生器(香り供給器)
13、14 吸気装置
13d、14d 開口(吸気口)
15 背面カバー(筐体)
17 押出送風器(押圧器)
30 擬似窓モジュール
30A 背面ユニット
30B 正面ユニット
31 側面カバー
100、100C、100F 制御部
Dc 中心表示部
De 周縁表示部
O、O8、P、Q 開口部
W、w1、w2、W4、W4E、W5、W5E、W11、W12、W16 空気流

Claims (12)

  1. 開口部が形成された壁体と、
    前記開口部よりも広い範囲を覆うことができる表示画面を有し、前記壁体の厚さ方向において前記壁体から離間して配置されており、前記表示画面が、前記厚さ方向において前記開口部と重なる中心表示部と、前記開口部に沿って前記開口部を周回する前記壁体の縁表面と前記厚さ方向において対向する周縁表示部と、からなる表示体と、
    前記縁表面と前記周縁表示部との間の隙間を通して、前記縁表面に沿う第1方向において前記開口部を挟んで互いに対向する方向に送風可能であり、前記縁表面に沿って前記第1方向と直交する第2方向に延びる帯状の送風口を有する一対の送風装置と、
    を備える、擬似窓構造。
  2. 前記厚さ方向において前記壁体よりも前記表示体と反対側に突出し、前記開口部に沿って設けられた窓枠部をさらに備える、
    請求項1に記載の擬似窓構造。
  3. 前記周縁表示部の短手幅は、前記隙間の距離よりも長い、
    請求項1または2に記載の擬似窓構造。
  4. 前記隙間を前記第2方向において塞ぐカバー部材をさらに備える、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の擬似窓構造。
  5. 前記隙間を通して、前記第2方向において前記開口部を挟んで互いに対向する方向に吸気可能であり、前記第1方向に延びる帯状の吸気口を有する一対の吸気装置をさらに備える、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の擬似窓構造。
  6. 前記一対の送風装置におけるそれぞれの前記送風口と、前記表示体と、を、前記壁体との間で囲繞する筐体をさらに備える、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の擬似窓構造。
  7. 前記表示体は、映像表示パネルからなる、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の擬似窓構造。
  8. 前記一対の送風装置の少なくとも一方は、
    前記送風口に連通され、容積可変に設けられた空気収容部材と、
    前記空気収容部材に空気を供給する空気供給器と、
    前記空気収容部材の容積を低減するために前記空気収容部材を押圧することによって、前記空気収容部材の前記空気を前記送風口から吹き出させる押圧器と、
    を備える、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の擬似窓構造。
  9. 前記一対の送風装置の少なくとも一方は、前記送風口から送風される空気流に香り蒸気を供給する香り供給器を備える、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の擬似窓構造。
  10. 前記一対の送風装置の少なくとも一方は、前記送風口から送風される空気流に香り蒸気を供給する香り供給器を備え、
    前記香り供給器は、
    前記空気収容部材内の前記空気に前記香り蒸気を混合して、前記空気収容部材に戻す、
    請求項8に記載の擬似窓構造。
  11. 開口部が形成された壁体に擬似窓を形成する擬似窓モジュールであって、
    前記開口部よりも広い範囲を覆うことができる表示画面を有し、前記壁体の厚さ方向において前記壁体から離間して配置可能とされており、前記表示画面が、前記厚さ方向において前記開口部と重なる中心表示部と、前記開口部に沿って前記開口部を周回する前記壁体の縁表面と前記厚さ方向において対向する周縁表示部と、からなる表示体と、
    前記縁表面と前記周縁表示部との間の隙間を通して、前記縁表面に沿う第1方向において前記開口部を挟んで互いに対向する方向に送風可能であり、前記縁表面に沿って前記第1方向と直交する第2方向に延びる帯状の送風口を有する一対の送風装置と、
    を備える、擬似窓モジュール。
  12. 前記壁体における前記開口部の内部、および前記壁体において前記表示体および前記送風装置が固定された表面の少なくとも一方に配置可能とされ、前記開口部に沿う窓枠を形成する窓枠部をさらに備える、
    請求項11に記載の擬似窓モジュール。
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