JP2013167035A - 耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法 - Google Patents

耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】飽和水蒸気処理に関る品質や生産性の低下を改良する再生コラーゲン繊維の水蒸気処理法を提供する。
【解決手段】容器内の温度が100℃超200℃以下であり且つ湿球温度が50℃以上100℃未満である雰囲気下、または容器内の過熱水蒸気温度が100℃超200℃以下である雰囲気下にある容器内に20秒以上1時間以下滞留させる工程を含む、耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法を提供する。特には、前記容器に再生コラーゲン繊維を連続して供給し、前記容器から再生コラーゲン繊維を連続して取り出す工程を含む、耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、人工毛髪製品に用いる耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法に関する。詳しくは、再生コラーゲン繊維の欠点となっている耐水性、中でも吸水率や吸湿率を改良し且つヘアアイロンセット時における収縮抑制を付与し、触感、吸湿性、外観等が人毛に近い人工毛髪製品に用いる再生コラーゲン繊維を得るための、新規な耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法に関する。
再生コラーゲン繊維は、動物由来のコラーゲン蛋白で酸可溶性コラーゲンあるいは不溶性コラーゲンをアルカリや酵素で可溶化して紡糸原液とし、紡糸ノズルを通して凝固浴に吐出して繊維化して得られる。得られた再生コラーゲン繊維は、一般的に、合成繊維に比べて親水性が高いため吸水率や吸湿率が高く、用途によっては長所にも欠点にもなり、用途に適合した程よい親水性が求められる。用途例の1つとしては頭髪素材が有り、合成繊維とは異なって、蛋白質素材から来る自然な風合いや外観を有するものの、シャンプー時の高い吸水率のため、ヘアドライヤーによる乾燥に時間がかかったり、乾燥中にパーマセット形状が伸びたりする等、水分が関与してヘアケア性を著しく低下させている。また、ヘアアイロンを使用したセットにおいては、高温セットを要する人毛セットの条件では収縮や縮れを発生し見栄えを損なう。そのため、再生コラーゲン繊維を頭髪用途に用いるには、製品への加工段階から再生コラーゲン繊維の特性を熟知した熟練者による製品化が必要となったり、また、使用者も再生コラーゲン繊維の特性を熟知して着用することが求められたりする等、再生コラーゲン繊維の頭髪素材が普及しにくい課題があった。
かかる課題は主として再生コラーゲン繊維の耐水性に由来するもので、その対策として架橋剤あるいは疎水化剤になると考えられるアルデヒド化合物による処理(特許文献1)、エポキシ化合物による処理(特許文献2、3)、アルミニウム塩による処理(特許文献4)やジルコニウム塩による処理(特許文献5)等が開示されているものの、得られる耐水性としては決して満足できるレベルに至っていない。このことが、再生コラーゲン繊維が頭髪素材として普及しない原因の1つとして考えられる。
ところで、頭髪用途となるとカールセット性が要求され、それを満たす方法として水分の存在下で処理することが開示されている(特許文献6〜9)。これらの技術はカール形状を記憶させる処理法に関する。これらの特許文献に開示されている技術は、頭髪用途に用いる最終製品に商品性を付与するために、再生コラーゲン繊維を所望の形状に固定することを目的として処理する方法であり、再生コラーゲン繊維は連続しておらず、バッチ処理となっている。
また、ヘアアイロン時の耐熱温度を向上させた再生コラーゲン繊維に関する技術も開示されている(特許文献10)。該技術は、収縮性を低下させるために再生コラーゲン繊維を湿熱処理して頭髪用素材として用いている。その湿熱処理効果として吸水率の低下も記載されているが、湿熱処理する手段としてはオートクレーブを使用する内容で、大量生産の場合でもバッチ処理となり、極めて操作が煩雑で処理性が悪く、特に連続した繊維の処理には不向きである。
一方、連続水蒸気処理技術についての先行技術も開示されている(特許文献11、12)。特許文献11に開示されている技術は、熱セット手段として被処理物を一旦水に含浸させた後マイクロ波で水を加熱しその熱を利用してセットする方法であるが、再生コラーゲン繊維にこの方式を適用すると、湿潤状態にある該繊維も水と共に加熱されて熱水による熱変性を来たし、物性が極端に低下する欠点がある。そこで、熱変性を来たさない程度の低い温度に調整しようとすると温度を一定に保つ管理が困難であると共に水蒸気処理効果が得難くなる。特許文献12に開示されている技術については、ナイロントウを過熱水蒸気で熱セットする製造方法が記載されているが、過熱水蒸気セット後に乾燥を要していることからナイロンは水分過多となっているのが実態で、かかる製造方法を用いると、再生コラーゲン繊維では高温の過剰水分により熱変性を来たす欠点がある。
このように、再生コラーゲン繊維を大量に水蒸気処理する方法、特には連続的に水蒸気処理する方法は知られていなかった。
特開平3−27110号公報 特開平4−352804号公報 特開2000−199176号公報 特開平6−306765号公報 特開平4−308221号公報 特開平4−333660号公報 特開2002−249982号公報 国際公開公報WO2002/052099号公報 実開平04−127215号公報 特開2003−27318号公報 特開平01−201570号公報 特開2002−4143号公報
本発明者らは再生コラーゲン繊維の耐水性及び耐熱性の品質課題に対して解決策を提案してきたが、再生コラーゲン繊維をアルミパイプに巻き付けて温水乃至は熱水あるいは水蒸気雰囲気中で処理する方法や、再生コラーゲン繊維をパイプに巻き付けてオートクレーブで処理するなどの湿熱処理を用いた方法では、多くのユーザーへの再生コラーゲン繊維提供に対応するための大量処理が困難であった。
再生コラーゲン繊維の水蒸気処理は、水蒸気が満遍なく再生コラーゲン繊維と接触する事が重要で、特許文献6や特許文献10のようにパイプに巻きつける時には再生コラーゲン繊維の厚みを薄くする必要がある。大量処理のため該再生コラーゲン繊維をパイプに厚く巻いたり、容器に詰め込んだりして処理しようとすると、内層部にある再生コラーゲン繊維は直には水蒸気に接触せず、容器の昇温に伴って再生コラーゲン繊維は水蒸気の凝縮水に曝された後、次第に凝縮水が気化した水蒸気と接触することになる。この過程で、再生コラーゲン繊維は60〜70℃以上の凝縮水に触れて変性を来たし、収縮、縮れや物性低下を生じて好ましからざる品質になる課題が発生する。
そのため、処理装置の容積に比べて処理できる再生コラーゲン繊維の処理量は少量となって生産性が極めて悪くなるのが実状である。
更には、このバッチ式水蒸気処理法は、処理装置の室温環境から水蒸気雰囲気環境へのコンディション変化に伴う処理装置内の温湿度の分布斑や、再生コラーゲン繊維と処理装置内に生じた凝縮水との接触、処理装置内の再生コラーゲン繊維の状態や位置の差異による処理斑を生じるなど、品質斑が発生する課題も出てくる。
本発明は、かかる飽和水蒸気処理に関る品質や生産性の低下を改良する再生コラーゲン繊維の水蒸気処理法を提供することを課題とした。
本発明者らは、前記課題に対し、水蒸気処理方法について処理装置を含め鋭意検討を重ねてきた結果、本発明を完成するに至った。
詳しくは、再生コラーゲン繊維が熱水に曝されないように、水蒸気環境から凝縮水の発生が起こらなくするための水蒸気処理条件の設定、換言すれば結露発生の回避と水蒸気環境下への再生コラーゲン繊維の曝し方について検討を行うことで本発明に至った。
即ち、容器内の温度が100℃超200℃以下であり且つ湿球温度が50℃以上100℃未満である雰囲気下、または容器内の過熱水蒸気温度が100℃超200℃以下である雰囲気下にある容器内に20秒以上1時間以下滞留させる工程を含む、耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法に関する。特には、前記容器に再生コラーゲン繊維を連続して供給し、前記容器から再生コラーゲン繊維を連続して取り出す工程を含む、前記耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法に関する。
本発明によれば、再生コラーゲン繊維を特定の条件下で水蒸気処理することにより、再生コラーゲン繊維の耐水性及び耐熱性が改良され、その水蒸気処理法は再生コラーゲン繊維をカットすることなく連続的にフィラメントの状態で処理することが出来、処理能力はバッチ式に比べパイプ巻の手間が省ける事も相俟って生産性が極めて高くなり、水蒸気処理した再生コラーゲン繊維の品質の安定化も期待できる。
本発明に用いる再生コラーゲン繊維は、公知の技術で製造する事が出来、必ずしも以下に示す再生コラーゲン繊維に限定するものではない。また、組成もコラーゲン100%である必要は無く、品質改良のための天然あるいは合成ポリマーや添加剤が含まれていても良い。更には、再生コラーゲン繊維を後加工したものであってもよい。水蒸気処理する再生コラーゲン繊維の形態としてはフィラメントが好ましい。フィラメントは一般にボビン巻きしたものや箱詰めした状態から取り出される。また、再生コラーゲン繊維の製造工程で乾燥工程から出てきたフィラメントを直接利用することもできる。
水蒸気処理する装置の仕様としては、再生コラーゲン繊維のフィラメントが、処理装置へ出入りするための大気(外気)と連通した出入り口を除き大部分が外気と隔離することができるボックス式であることが好ましい。大気と連通することで、バッチ式処理に見られる処理装置の圧力調整のための装置ならびに圧力条件設定のための手間、更には、容器内への再生コラーゲン繊維の供給や取り出しのための容器内温度変更のための繰り返し調整作業等を不要にすることができる。また、水蒸気処理においては水蒸気処理スペース内の水蒸気を含む熱風の外部拡散を減少させるためエネルギーロスが発生するところ、ボックス式の装置であれば、水蒸気処理スペースと外気との直接接触を防ぐことになるので、本願発明に用いる処理装置であればそのエネルギーロスの低減を図ることができる。更には、再生コラーゲン繊維のフィラメントが、安定した水蒸気雰囲気下で連続的に処理できるため品質の安定化も期待できる。
水蒸気処理のための容器内の雰囲気条件は、結露を防ぐ意味から100℃超の温度が好ましく、より好ましくは102℃以上であり、更に好ましくは105℃以上である。100℃以下であると、大気圧下では水蒸気圧の制御が簡単に行えず、水蒸気量も少なくなる事から処理効率の低下に伴って長時間処理が必要となったり、絶えず結露による熱水と再生コラーゲン繊維との接触危機に遭遇したりするおそれがある。上限温度は200℃であり、200℃超に再生コラーゲン繊維を長時間曝すと劣化が起こって好ましくなく、短時間では処理効果が得られず好ましくない。再生コラーゲン繊維を水蒸気処理する容器内に供給する水蒸気源としては100℃超の大気圧乃至は加圧水蒸気を用いることが、湿球温度を早く上げたり所定の水蒸気雰囲気に調節できたりするため好ましい。
或いは、空気を含まない状態となる過熱水蒸気雰囲気であってもよい。過熱水蒸気の作製は公知の装置が利用でき、水蒸気発生源となるボイラーはヒーター加熱や誘導加熱となる電気加熱方式、ガス燃料、液体燃料や固体燃料加熱による燃焼加熱方式等があり、発生蒸気に対しては遠赤外線加熱、蒸気加熱、プラズマや電磁誘導による加熱方式等が一般に良く知られているが、これらの方式に限定されるものではない。
過熱水蒸気雰囲気で無い場合は、湿球温度として50℃以上100℃未満の条件に好適に実施できる。湿球温度は好ましくは60℃以上90℃以下、更に好ましくは65℃以上85℃以下である。50℃未満であると水蒸気処理の効率が悪くなって長時間処理が必要となり実生産に向かない。また、100℃を超える温度であれば、水の沸点特性により大気圧下では得られないため、条件として本願では採用できない。
処理時間としては、20秒以上1時間以下が好ましく、より好ましくは30秒以上40分以下、更に好ましくは3分以上30分以下である。20秒未満であると再生コラーゲン繊維の構造安定化に要する時間が必要なためか処理効果が小さく、処理温度にもよるが1時間を越えても更なる効果は期待できずエネルギーの無駄遣いにもつながり、更には、再生コラーゲン繊維の熱劣化に伴う品質低下や生産性から見て好ましくない。
水蒸気処理のための容器には、再生コラーゲン繊維の供給速度と滞留時間により繊維が走行するローラーや走行規制バーをボックス内に適宜設けることができる。収縮力が強すぎて再生コラーゲン繊維束の単糸が切れそうな緊張状態であれば、供給側の再生コラーゲン繊維と水蒸気処理を完了させて処理ボックスから排出される再生コラーゲン繊維の張力バランスを調節することで、即ち、該再生コラーゲン繊維に適当に緩和を加えることで極度な緊張を解消できる。再生コラーゲン繊維は高温度に曝されると収縮を来たす性質があり、収縮環境条件下での緩和操作は例えば供給速度に対する排出速度を速度比で1〜10%程度低下させることで対応できる。
ここで、緩和処理時の速度比低下が大きいと繊維には瞬間乃至は短時間の間は弛みが観察される場合があるが、繊維の持つ収縮性で弛みが解消されていれば緊張状態であると見做される。繊維の持つ収縮性で弛みや縮れが解消できない場合は、緊張状態とは言わず繊維外観が損なわれるため好ましくない現象となる。
以下に実施例を示して、本発明の具体的な実施態様をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(測定例1)[繊度の測定]
オートバイブロ式繊度測定機Denier Computer DC−77A(サーチ(株)製)を用いて温度20±2℃、相対湿度65±2%の雰囲気中で任意の繊維30本を選んで繊度(d)を測定して平均値を求め、これをデシテックス(dtex)単位に換算した。
(測定例2)[吸水率の測定]
JIS−L−1015 7.25に準じた測定法を採用した。
(測定例3)[耐熱性温度の測定]
繊維の一端を粘着テープで固定しながら繊維を簾状に平行に揃え、繊維の固定幅は1cm、固定されていない繊維部は繊維長を80mmに切り揃え、耐熱測定用サンプルとした。
耐熱性測定装置ATLAS SCORCHTESTER TYPE SO−5B(ATLASELECTRIC DEVICES CO.製)を用いて所定の温度に設定し、耐熱測定用サンプルを該装置の熱板に繊維長80mm部を5秒間挟んで加熱した後取り出し、繊維外観の異変を観察してその時の耐熱性の有無を判断した。測定は、5℃刻みで昇温させて各温度毎にサンプルの耐熱性を観察した。耐熱性判断は、繊維外観に異変と判断するウェイブ(縮れ)の発生や5%以上の収縮が認められた場合はその温度に対しては耐熱性無し、異変に至らない場合は耐熱性有り、とした。耐熱性有りが観察された最高の温度を耐熱温度とした。
(製造例1)
牛の床皮を原料とし、アルカリ処理・中和・脱水して得られた可溶化皮片と乳酸を水に混合・撹拌しpH3.5に調整し、更に、脱泡処理して孔径70μmの焼結金網でろ過してコラーゲン溶液を得た。該溶液の105℃、3時間乾燥における不揮発分は7.5重量%であり、このコラーゲン溶液を紡糸原液とした。この紡糸原液を、孔径0.286mm、孔長0.5mm、孔数350個の紡糸用ノズルを通して、巻き取り速度5m/分に対する紡糸ノズルドラフト比1.14で、凝固浴へギアポンプにより吐出し、繊維化を行って紡糸繊維を得た。尚、凝固浴の条件は、硫酸ナトリウム18重量%、炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムでpH10.5、温度25℃に調整した
次に、得られた紡糸繊維は、エピクロロヒドリン1.0重量%、硫酸ナトリウム17重量%、水酸化ナトリウム0.02重量%、温度30℃に調整した水溶液で2時間液循環を行いながら処理し、その後該溶液を50℃へ昇温して更に6時間紡糸繊維を処理して水に対して不溶化を行った。その後十分水洗して未乾燥の再生コラーゲン繊維を得た。この繊維の乾燥糸の繊度は43dtexであった。
(製造例2)
アルミニウム金属塩処理再生コラーゲン繊維は、製造例1で得た未乾燥の再生コラーゲン繊維の乾燥重量換算1重量部に対して、硫酸アルミニウム・14〜18HO5.0重量%、クエン酸・1HO0.65重量%、水酸化ナトリウム1.3重量%、温度30℃に調整した水溶液30重量部に液循環を行いながら浸漬処理し、更に1時間〜5時間程度をかけて5%水酸化ナトリウム水溶液を分割添加して5時間後の溶液の最終pHを4.5〜5.0に調整し、更に同溶液中に3時間保持した後十分水洗処理を行って得た。その後、帯電防止剤を有するアミノ変性シリコーン系油剤の0.5重量%水溶液を付着処理させて、2連ボックス型のフィラメントの出入り口を有する均熱風乾燥機を通じ1室は50℃で20分間の滞留時間で緊張乾燥させ、次いで2室は80℃で1.5%の緩和を施しながら20分乾燥させてボビンに巻き取った。得られた再生コラーゲン繊維は、繊度78dtex、吸水率105%、耐熱温度130℃であった。
(製造例3)
ジルコニウム金属塩処理再生コラーゲン繊維は、製造例1で得た再生コラーゲン繊維の乾燥重量換算1部に対して、硫酸ジルコニウム(第一稀元素化学工業製、ZrO換算濃度18%溶液)を用いてZrO換算濃度1.0重量%、温度30℃に調整した水溶液30重量部へ、8時間の液循環を伴う浸漬処理を行い、更に十分水洗処理を行って得た。その後、帯電防止剤を有するアミノ変性シリコーン系油剤の0.5重量%水溶液を付着処理させて、製造例2で用いた2連ボックス型のフィラメントの出入り口を有する均熱風乾燥機を通じ1室は45℃で20分間の滞留時間で緊張乾燥させ、次いで2室は80℃で1.5%の緩和を施しながら20分乾燥させてボビンに巻き取った。更に続いて、該繊維の乾燥重量換算1部に対して、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.26重量%、メチルトリメトキシシラン3.9重量%からなる混合水溶液となるA液10重量部と、加水分解促進剤としてドデシルベンゼンスルホン酸1.95重量%からなる水溶液B液20重量部をそれぞれ作製した後、該A液及びB液を混合して55℃に調整した処理液へ8時間の液循環を伴う浸漬処理を行い、十分水洗処理を行った。その後、前記均熱風乾燥機を通じ45℃で20分および3%の緩和を施しながら100℃で20分乾燥を行ってボビンに巻き取った。得られた再生コラーゲン繊維は、繊度93dtex、吸水率59%、耐熱温度140℃であった。
(実施例1〜3)
製造例2で得た再生コラーゲン繊維を、製造例2で用いたボックス型均熱風乾燥機に連続供給した。乾燥機内の温度を130℃に設定し、元圧0.4MPaのスチームを、湿球温度80℃となるように乾燥機内に供給し、滞留時間10分間(実施例1)、30分間(実施例2)及び60分間(実施例3)のスチーム処理を行ってボビンに巻き取った。処理操作性は、バッチ処理で想定されるバッチ操作毎の処理以外の操作、例えば、処理装置への挿入に適した繊維の形態確保や処理量の適正化、装置の昇温や冷却に伴う処理以外の手間や時間等が不要で、水蒸気処理容器への再生コラーゲン繊維の供給と処理繊維の巻取りが連続的に実施できた。得られた再生コラーゲン繊維はいずれの実施例も部分的収縮や縮れの発生も見られず、吸水率及び耐熱温度は、それぞれ、実施例1では90%、145℃、実施例2では87%、155℃、及び実施例3では85%、160℃を示した。いずれの再生コラーゲン繊維も耐水性及び耐熱性に関して処理前に比べて向上していた。
(実施例4〜6)
製造例3で得た再生コラーゲン繊維を、実施例1〜3同様にボックス型均熱風乾燥機に元圧0.4MPaのスチームを湿球80℃となるように、乾燥機内に開放するスチーム配管からバルブでスチーム量を調整しながら連続供給し、乾燥機内滞留時間を10分間として乾燥機温度110℃(実施例4)、130℃(実施例5)、及び150℃(実施例6)で処理を行ってボビンに巻き取った。得られた再生コラーゲン繊維はいずれの実施例も部分的収縮や縮れの発生も見られず、吸水率及び耐熱温度は、それぞれ、実施例4では50%、165℃、実施例5では51%、160℃、及び実施例6では52%、160℃を示した。いずれの再生コラーゲン繊維も耐水性及び耐熱性に関して処理前に比べて向上していた。
(比較例1)
製造例2で得た再生コラーゲン繊維からなる繊維束を、紙管に繊維束が重ならないように巻き付け且つ直接スチームに接触しないように表面を不織布で覆った後、室温状態にあるスタースチーマー(辻井染機工業製)に入れて110℃の水蒸気加圧雰囲気下で10分間処理を行った。得られた再生コラーゲン繊維は昇温過程で生じたと思われるスチームの凝縮水である熱水で変性をきたして収縮しており、脆い繊維となり変質していた。得られた再生コラーゲン繊維は耐水性及び耐熱性に関して処理前に比べて低下していた。
(比較例2)
製造例3で得た再生コラーゲン繊維からなる繊維束を、比較例1同様に紙管に繊維束が重ならないように巻き付け且つ直接スチームに接触しないように表面を不織布で覆った後、予め110℃に加熱したスタースチーマー(辻井染機工業製)に入れて110℃の水蒸気加圧雰囲気下で10分間処理を行った。得られた再生コラーゲン繊維は吸水率40%、耐熱温度160℃を有しており、耐水性及び耐熱性に関して処理前に比べて向上していたが、水蒸気処理に当たって処理するためのサンプル調整や装置事前昇温等煩雑な操作を伴うという欠点があった。

Claims (9)

  1. 容器内の温度が100℃超200℃以下であり且つ湿球温度が50℃以上100℃未満である雰囲気下、または容器内の過熱水蒸気温度が100℃超200℃以下である雰囲気下にある容器内に20秒以上1時間以下滞留させる工程を含む、耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法。
  2. 前記容器に再生コラーゲン繊維を連続して供給し、前記容器から再生コラーゲン繊維を連続して取り出す工程を含む、請求項1に記載の耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法。
  3. 前記容器への供給並びに排出する再生コラーゲン繊維の緊張状態を保ちながら連続処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法。
  4. 前記容器内の温度が102℃以上200℃以下である、請求項1〜3の何れかに記載の耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法。
  5. 前記容器内の温度が105℃以上200℃以下である、請求項4に記載の耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法。
  6. 前記容器内の湿球温度が60℃以上〜90℃以下である、請求項1〜5の何れかに記載の耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法。
  7. 前記容器内の湿球温度が65℃以上〜85℃以下である、請求項6に記載の耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法。
  8. 前記容器内の滞留時間が30秒以上〜40分以下である、請求項1〜7の何れかに記載の耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法。
  9. 前記容器内の滞留時間が3分以上〜30分以下である、請求項8に記載の耐水性耐熱性再生コラーゲン繊維の製造方法。
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