JP2013166912A - 2液型水性塗料用組成物 - Google Patents

2液型水性塗料用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】長期貯蔵安定性に優れ、かつ、塗膜の初期耐水性および光沢にも優れた、環境に優しい水性の2液型水性塗料用組成物を提供する。
【解決手段】2液型水性塗料組成物であって、(A)カルボキシル基を有する水性アクリル樹脂と、(B)一般式(1);
Figure 2013166912

{式中、pは1〜5の整数を示し、2つのR1は、独立して、一般式(2):
Figure 2013166912

で表されるポリエチレングリコールモノアルキルエーテルの残基および/またはポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルの残基である。}で表されるカルボジイミド化合物と、を含み、ここに、一般式(1)中のR1において、一般式(2)で表されるポリエチレングリコールモノアルキルエーテルの残基とポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルの残基とのモル比率が、1:1〜1:15である、2液型水性塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、カルボジイミド硬化剤を含有する2液型水性塗料組成物に関する。
塗料の分野では、これまで溶剤型塗料が多かったが、環境問題等の観点から、近年、有機溶剤の含有量の少ない水性塗料に置き換わりつつある。水性塗料は水溶性または水分散性の樹脂を含み、塗装した後、水などの溶媒成分の揮発によって塗膜を形成するものである。
しかしながら、水性塗料の樹脂は、水溶性または水分散性を発現させるために、例えばカルボキシル基等の親水性官能基が付与されている。このため、形成された塗膜中にも当該親水性官能基が多量に残存し、結果として塗膜の耐水性が低下するという問題があった。
そこで最近では、カルボジイミド基を有する化合物を硬化剤として水性塗料に含有させ、当該基と樹脂のカルボキシル基との反応により、カルボキシル基を消失させて塗膜の耐水性等の性能を改善する試みがなされている(特許文献1〜4)。
特開2000−007642号公報 特開2011−132374号公報 特開2000−313825号公報 特開2010−260001号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4の水性塗料を、住宅用の外壁、橋梁および産業機械などの大型構造物の塗装のために屋外で使用すると、塗装後初期の耐水性が十分に得られなかったり、光沢が十分に得られなかったりする、という新たな問題が生じている。初期耐水性について詳しくは、上記水性塗料は、塗装後初期段階において、見かけ上は乾燥しているものの、硬化反応が未だ十分に進行しておらず、初期耐水性が十分ではないため、屋外での施工後まもなく降雨にさらされた場合、塗膜の一部にフクレが生じることがあった。さらに気温が低くなると、塗膜の伸び率が低下するため、フクレが発生した部位で、われが生じることがあった。十分な光沢が得られない水性塗料は上塗塗料としての使用が困難であった。
さらには、塗料の分野では、塗料の長期貯蔵安定性が求められているが、上記水性塗料は長期保存後に使用すると、十分な塗膜性能が得られない、という問題もあった。
したがって、本発明は、長期貯蔵安定性に優れ、かつ、塗膜の初期耐水性および光沢にも優れた、環境に優しい水性の2液型塗料用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルの残基(PEG部)、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルの残基(PPG部)およびカルボジイミド部からなる化合物であり、PEG部におけるエチレングリコール(EG)単位およびPPG部におけるプロピレングリコール(PG)単位の数平均繰り返し数が特定の範囲にあり、さらに、その化合物において、PEG部とPPG部とのモル比率が特定の範囲にあるカルボジイミド化合物を硬化剤として2液型水性塗料組成物に用いることで、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、2液型水性塗料組成物であって、
(A)カルボキシル基を有する水性アクリル樹脂と、
(B)一般式(1):
Figure 2013166912
{式中、pは1〜5の整数を示し、2つのRは、独立して、一般式(2):
Figure 2013166912
(式中、数平均繰り返し数qが6〜40の範囲にあり、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはフェニル基を示す。)で表されるポリエチレングリコールモノアルキルエーテルの残基および/または一般式(3):
Figure 2013166912
(式中、数平均繰り返し数rは4〜14の範囲にあり、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはフェニル基を示す。)で表されるポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルの残基である。}で表されるカルボジイミド化合物と、
を含み、ここに、
一般式(1)中のRにおいて、一般式(2)で表されるポリエチレングリコールモノアルキルエーテルの残基と一般式(3)で表されるポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルの残基とのモル比率が、1:1〜1:15である、2液型水性塗料組成物を提供する。
本発明の2液型水性塗料組成物は、硬化剤として、PEG部、PPG部およびカルボジイミド部からなり、その構造中、PEG部のEG単位の数平均繰返し数qが6〜40の範囲にあり、PPG部のPG単位の数平均繰返し数rが4〜14の範囲にあり、かつ、PEG部とPPG部とのモル比率が1:1〜1:15の特定の範囲にあるカルボジイミド化合物を用いるので、長期保存性に優れ、かつ、塗膜の初期耐水性および光沢にも優れている。
本発明の2液型水性塗料組成物はまた低温での硬化反応性に優れているので、硬化温度が比較的低くても、比較的短時間で、初期耐水性に優れた塗膜を形成できる。例えば、本発明の水性塗料組成物は、硬化温度が−10〜50℃の温度環境下で使用・養生されるだけで、数時間以内で、硬化反応が有効に進行し、初期耐水性および光沢に優れた塗膜を形成できる。
本発明の2液型水性塗料組成物はまた水性塗料に関するものであるので、有機溶剤の含有量を有効に低減することができる。このため、揮発性有機化合物の排出量やPRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律)に基づく環境汚染物質の排出量を、従来の溶剤系塗料に比べて大幅に削減することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の2液型水性塗料組成物は、
(A)カルボキシル基を有する水性アクリル樹脂と、
(B)一般式(1):
Figure 2013166912
で表されるカルボジイミド化合物と、を含む。
本発明において、塗膜形成用樹脂として、(A)カルボキシル基を有する水性アクリル樹脂が好適に用いられ、カルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーおよびその他のα,β−エチレン性不飽和モノマーを共重合することによって得られるアクリル樹脂である。(A)カルボキシル基を有する水性アクリル樹脂として、カルボキシル基を有する水分散体アクリル樹脂が、より好適に用いられる。カルボキシル基を有する水分散体アクリル樹脂を得る1つの方法として、アクリルエマルションがあり、該アクリルエマルションは水性媒体中で乳化重合を行うことによって調製することができる。
カルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸二量体、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、イソクロトン酸、α−ハイドロ−ω−((1−オキソ−2−プロペニル)オキシ)ポリ(オキシ(1−オキソ−1,6−ヘキサンジイル))、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等を挙げることができる。これらの中で好ましいものは、アクリル酸、メタクリル酸である。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とはアクリルとメタクリルとの両方を意味するものとする。
上記その他のα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル(例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニル等)、重合性アミド化合物(例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N−モノブチル(メタ)アクリルアミド、N−モノオクチル(メタ)アクリルアミド2,4−ジヒドロキシ−4’−ビニルベンゾフェノン、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド等)、重合性芳香族化合物(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルケトン、t−ブチルスチレン、パラクロロスチレンおよびビニルナフタレン等)、重合性ニトリル(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、α−オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン等)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等)、ジエン(例えば、ブタジエン、イソプレン等)、重合性芳香族化合物、重合性ニトリル、α−オレフィン、ビニルエステル、およびジエンを挙げることができる。これらは目的により選択することができる。
(A)カルボキシル基を有する水性アクリル樹脂の調製において、必要に応じてさらに、水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーを用いてもよい。水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、アリルアルコール、メタクリルアルコール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物を挙げることができる。これらの中で好ましいものは、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物である。
乳化重合によってカルボキシル基を有するアクリルエマルションを調製する場合においては、上記その他のα,β−エチレン性不飽和モノマーとして、架橋性モノマーを使用することができる。上記架橋性モノマーは、分子内に2つ以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物であり、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等のジビニル化合物が挙げられ、トリアリルシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等も挙げられる。架橋性モノマーは、上記のモノマーの組合せであってもよい。比較的取扱が容易である、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびジビニルベンゼンが好ましい。
カルボキシル基を有するアクリルエマルションの調製における、水性媒体中での乳化重合は、例えば、水、または必要に応じてアルコールやグリコールなどのような親水性の有機溶剤を含む水性媒体中に乳化剤を溶解させ、加熱撹拌下、原料として使用するα,β−エチレン性不飽和モノマーを混合したものおよび重合開始剤を滴下することにより行うことができる。原料として使用するα,β−エチレン性不飽和モノマーを混合したものは、乳化剤と水とを用いて予め乳化しておいてもよい。
乳化重合に好適に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系の油性化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)など)、および水性化合物(例えば、アニオン系の4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2−アゾビス(N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジンおよびカチオン系の2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン));並びにレドックス系の油性過酸化物(例えば、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドおよびt−ブチルパーベンゾエートなど)、および水性過酸化物(例えば、過硫酸カリおよび過硫酸アンモニウムなど)が挙げられる。
乳化剤は、当業者に通常使用されているものを用いることができる。用いられる乳化剤として、反応性乳化剤、例えば、アントックス(Antox)MS−60(日本乳化剤社製)、エレミノールJS−2(三洋化成工業社製)、アデカリアソープNE−20(旭電化社製)およびアクアロンHS−10(第一工業製薬社製)などが特に好ましい。また、分子量を調節するために、ラウリルメルカプタンのようなメルカプタンおよびα−メチルスチレンダイマーなどのような連鎖移動剤を必要に応じて用いることができる。
反応温度は開始剤により決定され、例えば、アゾ系開始剤では60〜90℃であり、レドックス系では30〜70℃で行うことが好ましい。一般に、反応時間は1〜8時間である。モノマー混合物の総量に対する開始剤の量は、一般に0.1〜5質量%であり、好ましくは0.2〜2質量%である。上記乳化重合は多段階で行うことができ、例えば、二段階で行うことができる。すなわち、まず上記原料として使用するα,β−エチレン性不飽和モノマーを混合したもののうちの一部を乳化重合し、ここに上記α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物の残りをさらに加えて乳化重合を行うものである。
こうして得ることができるアクリルエマルションを、上記(A)カルボキシル基を有する水性アクリル樹脂として好適に用いることができる。上記エマルションの体積平均粒子径は0.01〜1.0μmの範囲であることが好ましい。体積平均粒子径が0.01μm未満であると作業性が低下するおそれがあり、1.0μmを上回ると得られる塗膜の外観が悪化する恐れがある。この体積平均粒子径の調節は、例えば、モノマー組成や乳化重合条件を調整することにより可能である。体積平均粒子径はレーザー光散乱法で測定できる。
上記エマルションは、貯蔵安定性の観点から、塩基性化合物で中和することにより、pH5〜10で用いることができる。上記塩基性化合物は、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。上記中和は、乳化重合の前または後に、上記塩基性化合物を系に添加することによって行うことが好ましい。
上記アクリルエマルション以外の水分散体アクリル樹脂を得る方法として、溶液重合を行ってアクリル樹脂を得た後に、水中に樹脂分散体(アクリルディスパージョン)を得る方法がある。アクリルディスパージョンは、まず先のα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物のところで述べた酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーを必須成分とし、それ以外のα,β−エチレン性不飽和モノマーとともに溶液重合を行った後、塩基性化合物で中和することにより、アクリルディスパージョンを得ることができる。
上記溶液重合は、加熱条件下において、原料として使用する先のα,β−エチレン性不飽和モノマーを混合したものを重合開始剤と共に溶媒中へ滴下しながら撹拌する方法が一般的である。溶液重合する際の条件は、例えば、重合温度が60〜160℃、滴下時間が0.5〜10時間である。上記原料として使用するα,β−エチレン性不飽和モノマーは、2段階に分けて重合することも可能である。この場合、原料として使用するα,β−エチレン性不飽和モノマー全体として、上記カルボキシル基についての要件を満たしていればよい。
上記重合開始剤は、通常の重合に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、アゾ系化合物や過酸化物が挙げられる。一般に、モノマー混合物100質量部に対する重合開始剤の量は0.1〜18質量部であり、好ましくは0.3〜12質量部である。
また、ここで用い得る溶媒は反応に悪影響を与えないものであれば特に限定されず、例えば、アルコール、ケトン、エーテルおよび炭化水素系溶媒などが挙げられる。さらに、分子量を調節するために、ラウリルメルカプタンのようなメルカプタン、および、α−メチルスチレンダイマーなどのような連鎖移動剤を必要に応じて用いることができる。
このように溶液重合で得られるアクリル樹脂の数平均分子量は、4,000〜20,000であるのが好ましい。本明細書において、溶液重合で得られるアクリル樹脂の数平均分子量は、ポリスチレン標準サンプル基準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定することができる。
上記溶液重合で得られたアクリル樹脂は、必要に応じて溶剤を除去した後、塩基性化合物を加えて中和して水性化することにより、上記(A)カルボキシル基を有する水性アクリル樹脂が得られる。上記塩基性化合物としては、先にあげた塩基性化合物があげられる。上記塩基性化合物を加える量は、上記溶液重合で得られたアクリル樹脂が有するカルボキシル基の60〜100%の中和率であることが好ましい。中和率が60%未満だと、水性化が十分でなく、貯蔵安定性に劣るおそれがある。
こうして得られたアクリル樹脂は、水分散体アクリル樹脂として用いることができる。このような水分散体アクリル樹脂は、体積平均粒子径が0.01〜1μmの範囲内であることが好ましい。体積平均粒子径が上記範囲内であることによって、水分散体の安定性が良好となり、さらに、得られる塗膜の外観が良好となるという利点がある。
カルボキシル基を有する水分散体アクリル樹脂は、樹脂固形分酸価は、好ましくは3〜30mg/KOH、より好ましくは5〜25mg/KOHである。樹脂固形分酸価が30mg/KOHより大きいと塗膜耐水性が低下し、3mg/KOHより小さいと樹脂の水分散体の機械的安定性が低下する。
(A)カルボキシル基を有する水性アクリル樹脂は、光沢を上げるために、さらに水溶性アクリル樹脂を含んでいてもよい。この水溶性アクリル樹脂は、先のα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物のところで述べた酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーを必須成分とし、それ以外のα,β−エチレン性不飽和モノマーとともに溶液重合を行うことにより得ることができる。
水溶性アクリル樹脂は、例えば、塩基性化合物、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びジメチルエタノールアミンのような有機アミンで中和し、水に溶解させて用いることができる。
上記水溶性アクリル樹脂において、樹脂固形分酸価は、好ましくは35〜100mg/KOH、より好ましくは40〜80mg/KOHである。樹脂固形分酸価が100mg/KOHより大きいと、塗膜の耐水性が低下し、35mg/KOHより小さいと樹脂の水溶化が不十分となる。また、その数平均分子量は好ましくは4,000〜20,000である。数平均分子量が20,000より大きいと塗料粘度が高くなりすぎ、4,000より小さいと塗膜耐水性が低下する。
塗料中に含まれる上記水性アクリル樹脂の樹脂固形分の質量比率(水分散性:水溶性)は塗膜光沢のさらなる向上の観点から2:1〜10:1が好ましい。
本発明において、硬化剤として(B)一般式(1):
Figure 2013166912
で表されるカルボジイミド化合物として好適に用いることができる化合物は、一般式(4):
Figure 2013166912
で表される4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応により、一般式(5):
Figure 2013166912
(式中、pは1〜5の整数を示す。)で表されるイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドを合成し、更にこのイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドと、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルおよびポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルとの混合物を反応させることにより製造することができる。
上記イソシアネート末端ジシクロヘキルメタンカルボジイミドの製造は、基本的には従来のカルボジイミドの製造方法(米国特許第2,941,956号明細書や特公昭47−33279号公報、J. Org. Chem., 28, 2069〜2076(1963)、 Chemical Review 1981、 vol. 81、 No. 4,619〜4,621参照)によることができる。
上記ジシクロヘキルメタンジイソシアネートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応は、カルボジイミド化触媒の存在下に進行するが、この触媒としては、例えば、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1ーフェニル−2−ホスホレン−1−オキシドまたはこれらの3−ホスホレン異性体等の、ホスホレンオキシドを使用することができ、反応性の面からは、一般式(6):
Figure 2013166912
で表される3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシドが好適である。
また、上記縮合反応における反応温度としては、80℃〜180℃の範囲内とすることが好ましく、反応温度がこの範囲を下回ると反応時間が極めて長くなり、反応温度が上記範囲を上回ると、副反応が起こって良質のカルボジイミドは得られなくなり、いずれの場合も好ましくない。
更に、縮合度は1〜5が好ましく、縮合度が5を超える場合は、水性ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドを水性樹脂へ添加するときの分散性が低下し、又、水性ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドを予め水溶液或いは水分散液とする場合、分散性が低いために良好な水溶液あるいは水分散液が得られない。なお、反応を速やかに完結させるためには、上記4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの反応は窒素等の不活性ガスの気流下で行うことが好ましい。
本発明の水性ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドは、反応系から通常の方法に従って単離することができ、その構造が一般式(1)で表されることは、赤外線吸収(IR)スペクトル及び核磁気共鳴吸収(NMR)スペクトルによって支持される。
本発明のカルボジイミド化合物の一般式(1)中の2つのRは、独立して、一般式(2):
Figure 2013166912
(式中、EG単位の数平均繰り返し数qが6〜40の範囲にあり、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはフェニル基を示す。)で表されるPEG部および/または一般式(3):
Figure 2013166912
(式中、PG単位の数平均繰り返し数rは4〜14の範囲にあり、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはフェニル基を示す。)で表されるPPG部である。すなわち、本発明のカルボジイミド化合物は、一般式(1)中の2つのRがそれぞれ一般式(2)および一般式(3)で表される残基である場合や2つのRがいずれも一般式(2)または一般式(3)で表される残基であるものを含む。具体的には、本発明のカルボジイミド化合物は全体としてPEG部:PPG部が後述する範囲を満たす範囲内で、以下に示すカルボジイミド化合物(1A)〜(1C)を含む;
(1A)一般式(1)中の2つのRのうちの一方が一般式(2)で表される残基であり、他方が一般式(3)で表される残基である化合物;
(1B)一般式(1)中の2つのRのうちの両方が一般式(2)で表される残基である化合物;および
(1C)一般式(1)中の2つのRのうちの両方が一般式(3)で表される残基である化合物。
本発明のカルボジイミド化合物のPEG部である一般式(2)で表される残基を形成するために用いることができるポリエチレングリコールモノアルキルエーテルは、一般式(7):
Figure 2013166912
(式中、数平均繰り返し数qが6〜40の範囲にあり、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはフェニル基を示す。)で表され、具体的にはポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノエチルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノプロピルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノブチルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノフェニルエーテル、等を挙げることができ、特にポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテルが好適である。
PEG部のEG単位の数平均繰り返し数qは6〜40の範囲にあることが好ましく、10〜35の範囲にあることがより好ましい。qが6未満の場合は、親水性を付与できず、水分散性に劣る。また、qが40を超えると、耐水性に劣る。
本発明のカルボジイミド化合物のPPG部である一般式(3)で表される残基を形成するために用いることができるポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルは、一般式(8):
Figure 2013166912
(式中、数平均繰り返し数rは4〜14の範囲にあり、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはフェニル基を示す。)で表され、具体的にはポリ(プロピレングリコール)モノメチルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)モノエチルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)モノプロピルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)モノブチルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)モノ2エチルヘキシルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)モノフェニルエーテル等を挙げることができ、特にポリ(プロピレングリコール)モノブチルエーテルが好適である。
PPG部のPG単位の数平均繰り返し数rは4〜14であり、好ましくは4〜12、より好ましくは4〜10、最も好ましくは4〜8である。カルボジイミド硬化剤中のカルボジイミド基は、貯蔵中に水と反応しウレア基を生成する場合がある。水との反応によってカルボジイミド基が減少すると塗膜の架橋密度が低下し、十分な塗膜性能を発揮できない。繰り返し数rが上記の範囲内であれば、疎水性の高いPPGがカルボジイミド基周辺に多量に存在し、カルボジイミド基を水から保護するため、ウレア基の生成を抑制し、硬化速度が速く、架橋密度の高い塗膜が得られる。また、塗膜は疎水性の高いPPG基を多量に含むため、塗膜に撥水性が付与され、耐水性が向上する。繰り返し数rが4未満の場合、疎水性の高いPPGがカルボジイミド基周辺に少量しか存在しないため、硬化速度は遅く、架橋密度の高い塗膜は得られない。また、塗膜に十分な撥水性を付与できないため、耐水性が低下する。繰り返し数rが14を超える場合、カルボジイミド水分散体の疎水性が大きくなり過ぎるため、水分散体の粒径が大きくなり塗膜の光沢が低下したり、水分散体が形成されず、油分と水分が分離する恐れがある。
本発明に用いる(B)カルボジイミド化合物において、モル比でPEG部:PPG部=1:1〜1:15、特に1:2〜1:15が好ましく、1:2〜1:9がより好ましく、1:3〜1:8がさらに好ましく、1:4〜1:6が最も好ましい。PEG部のモル比が多いと耐水性に劣る。カルボジイミド硬化剤中のカルボジイミド基はわずかではあるが水と反応しウレア基となる。この反応を抑制するには、カルボジイミド基の周辺ができるだけ疎水になっており、水分子との接触が低いことが好ましい。PPG部のモル比が多いと疎水性になりすぎるため、水分散性に劣り、安定性が悪い。PEG部:PPG部のモル比率は、(B)カルボジイミド化合物製造時に用いられるPEGとPPGの配合モル比率によるものである。
上記イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドと、上記ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルおよびポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルとの混合物との付加反応の反応温度としては、60℃〜180℃の範囲内、好ましくは100℃〜160℃の範囲内である。反応温度がこの範囲を下回ると反応時間が極めて長くなり、逆に反応温度が上記範囲を上回ると、副反応が起こって本発明のカルボジイミド化合物が得られなくなり、いずれの場合も好ましくない。
本発明の水性塗料組成物において、(A)カルボキシル基を有する水性アクリル樹脂および(B)一般式(1)で表されるカルボジイミド化合物の混合割合は、樹脂固形分比率で示すと、(A)水性アクリル樹脂が99〜60質量%、好ましくは95〜80質量%であり、(B)カルボジイミド化合物が1〜40質量%、好ましくは5〜20質量%である。モル比で示すと、(A)水性アクリル樹脂のカルボキシル基:(B)カルボジイミド化合物のカルボジイミド基が0.8:1〜1.2:1である。
本発明の2液型水性塗料組成物は、アクリル樹脂を用いるため、耐候性が良く、2液型上塗り塗料として用いることができる。本発明において、2液型塗料とは、主剤と硬化剤を混合すると、常温にて硬化反応が進行してしまい、1液では貯蔵できないもので、2液別々に貯蔵しておき、使用する直前に主剤と硬化剤を混合するものを意味する。
本発明の2液型水性塗料組成物は、水に溶解する有機溶剤を含み得る。当該有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。VOCの使用をできるだけ少なくする観点から、有機溶剤の量はできるだけ少ないことが好ましい。
本発明の2液型水性塗料組成物は、顔料を含み得る。顔料の具体例としては、酸化チタン、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アゾレッド、キナクリドンレッド、ベンズイミダゾロンイエロ等の着色顔料;炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク等の体質顔料;防錆顔料等が挙げられる。水性塗料組成物における顔料の濃度は、好ましくは10〜50質量%である。
本発明の2液型水性塗料組成物は、添加剤を含み得る。添加剤の具体例としては、分散剤、粘性調整剤、硬化触媒、表面調整剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、硬化剤等が挙げられる。
本発明の2液型水性塗料組成物は、任意の適切な基材に塗装され得る。基材としては、例えば、金属、木材、プラスティックス、ゴム、石材、スレート、コンクリート、モルタル、繊維、紙、ガラス、磁器、陶器、フィルム、およびこれらの複合体等が挙げられる。また、例えば、基材がスレート、コンクリート等の無機系基材の場合、予めその表面にシーラーが塗布されていてもよい。特性を考慮すると、好ましくは、金属に適用される。金属としては、例えば、鉄、銅、錫、亜鉛、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。
金属を表面(外面および内面)に有する被塗装物としては、例えば、船舶、車両(例えば、鉄道車両、大型車両)、航空機、橋梁、海上構築物、プラント、タンク(例えば、石油タンク)、パイプ、鋼管、鋳鉄管等が挙げられる。上記以外にも、上記水性塗料組成物は、建築物、土木構築物にも適用可能である。
塗装方法は、代表的には、上記水性塗料組成物を被塗装物(基材)に塗布し、乾燥する方法が挙げられる。塗布方法としては、被塗装物(基材)の種類等に応じて、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、刷毛、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、コテ等による塗布や浸漬等が挙げられる。
乾燥方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、自然乾燥または加熱乾燥である。自然乾燥の場合、乾燥時間は、好ましくは2時間以上、さらに好ましくは24時間以上である。
水性塗料組成物を塗装して形成される塗膜の厚みは、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜100μmである。厚みが100μmより厚い場合、塗装時にタレが発生するなどの不具合が生じるおそれがある。
本発明の水性塗料組成物を用いて、室温下にて塗布および乾燥を行って得られた塗膜の吸水率が大きすぎると、施工直後の降雨により塗膜にふくれが生じ、施工時の気温によっては塗膜に割れが生じることがある。
上記水性塗料組成物を塗装して塗膜を形成する前に、密着および防食性が向上させるため、下塗り塗料による下塗り層や、下塗り層の上に中塗り塗料による中塗り層を形成することができる。
下塗り塗料としては、任意の適切な塗料が採用され得る。例えば、エポキシ/マイケル硬化系塗料、エポキシ/アミン系塗料、エポキシディスパージョン塗料、2液型ウレタン硬化系塗料等が挙げられる。また、中塗り塗料としては、任意の適切な塗料が採用され得る。例えば、エポキシ/アミン系塗料、2液型ウレタン硬化系塗料等が挙げられる。
下塗り塗料の前に有機または無機のジンクリッチ塗料を塗装して、ジンクリッチ層を形成しても良い。ジンクリッチ層を形成することで防食性により優れ、例えば、橋梁、プラント、タンク等の高い防食性が要求される場合にも充分に対応することができる。
上記下塗り塗料、中塗り塗料およびジンクリッチ塗料は、顔料、添加剤等を含有し得る。顔料および添加剤としては、例えば、上記で説明した顔料および添加剤が挙げられる。添加される顔料および添加剤の数、種類および量は、目的に応じて適宜選択され得る。
上記下塗り塗料、中塗り塗料およびジンクリッチ塗料の塗布方法および乾燥方法は、用いる塗料の種類に応じて、任意の適切な方法が採用され得る。上記下塗り塗料、中塗り塗料およびジンクリッチ塗料の塗布方法および乾燥方法としては、例えば、上記で説明した水性塗料組成物の塗布方法および乾燥方法と同様の方法が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。本実施例中でおいて単に「%」と記載した場合は、「質量%」を指し、単に「部」と記載した場合は、「質量部」を指すものとする。
製造例1:両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物の製造
4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート 2500部にカルボジイミド化触媒である3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド25部を加え、170℃でイソシアネート等量が436になるまで反応させて、両末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物1を調製した。カルボジイミド化合物1は1分子あたりカルボジイミド基を2.8個有していた。
製造例2:カルボジイミド化合物の水分散体の製造
表1に示すように、製造例1で調製したカルボジイミド化合物1 872部に、ニューポールLB−65(三洋化成製 ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル 数平均繰り返し数5) 567部、およびMPG−081(日本乳化剤製 ポリエチレングリコールモノメチルエーテル 数平均繰り返し数15) 225部を加え、IRにてイソシアネート基由来の吸収が無くなるまで160℃で反応させた。さらに60℃まで冷却し、脱イオン水 2496部を徐々に加え乳化することにより、固形分40%の乳白色カルボジイミド水分散体1を得た。
製造例3:カルボジイミド化合物の水分散体の製造
製造例2と同様に、表1に示す配合を用いて、固形分40%の乳白色カルボジイミド分散体2を得た。
製造例4:カルボジイミド化合物の水分散体の製造
製造例2と同様に、表1に示す配合を用いて、固形分40%の乳白色カルボジイミド分散体3を得た。
比較製造例1:カルボジイミド化合物の水分散体の製造
製造例2と同様に、表1に示す配合を用いて、固形分40%の乳白色カルボジイミド分散体4を得た。
比較製造例2:カルボジイミド化合物の水分散体の製造
製造例2と同様に、表1に示す配合を用いて、固形分40%の乳白色カルボジイミド分散体5を得た。
比較製造例3:カルボジイミド化合物の水分散体の製造
製造例2と同様に、表1に示す配合を用いて、固形分40%の乳白色カルボジイミド分散体6を得た。
比較製造例4:カルボジイミド化合物の水分散体の製造
製造例2と同様に、表1に示す配合を用いて、固形分40%の乳白色カルボジイミド分散体7を得た。
比較製造例5:カルボジイミド化合物の水分散体の製造
表1に示すように、製造例1で調製したカルボジイミド化合物1 872部に、ポリプロピレングリコール モノブチルエーテル(数平均繰り返し数19) 648部、およびポリエチレングリコールモノメチルエーテル(数平均繰り返し数15) 64部を加え、IRでNCOの吸収がなくなるまで160℃で反応させた。さらに60℃まで冷却し、脱イオン水を徐々に加えていったが、均一な水分散体は得られなかった。
比較製造例6:カルボジイミド化合物の水分散体の製造
製造例2と同様に、表1に示す配合を用いて、固形分40%の乳白色カルボジイミド分
散体8を得た。
Figure 2013166912
表中、MPG−081、MPG−041、BFTG、MFTGおよびBFGは日本乳化剤製の製品である。
ニューポールLB−65は三洋化成製の製品である。
ユニループMB−7およびユニループMB−11は日油製の製品である。
製造例A1 カルボキシル基を有する水分散体アクリル樹脂(アクリルエマルション)の製造
撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器に、脱イオン水 200.0部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温した。
アクリル酸2−エチルヘキシル 236.3部、メタクリル酸メチル 538.0部、スチレン 200.0部、アクリル酸 25.7部、および乳化剤としてのラテムルPD−104(花王社製、20%水溶液) 100部を脱イオン水579.4部に加えて乳化したプレエマルションを、過硫酸アンモニウム3部を脱イオン水150部に溶解した開始剤水溶液とともに2時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに80℃で1時間反応を継続した後冷却し、N、N−ジメチルアミノエタール 8.2部を加え樹脂固形分50質量%のアクリルエマルションを得た。モノマー組成から計算される、このアクリルエマルションの樹脂固形分酸価は20mgKOH/g、Tgは40℃であった。
製造例A2 カルボキシル基を有する水分散体アクリル樹脂(アクリルエマルション)の製造
撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器に、脱イオン水 200.0部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温した。
アクリル酸2−エチルヘキシル 237.0部、メタクリル酸メチル 550.1部、スチレン 200.0部、アクリル酸 12.8部、および乳化剤としてのラテムルPD−104(花王社製、20%水溶液) 100部を脱イオン水579.4部に加えて乳化したプレエマルションを、過硫酸アンモニウム3部を脱イオン水150部に溶解した開始剤水溶液とともに2時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに80℃で1時間反応を継続した後冷却し、N、N−ジメチルアミノエタール8.2部を加え樹脂固形分50質量%のアクリルエマルションを得た。モノマー組成から計算される、このアクリルエマルションの樹脂固形分酸価は10mgKOH/g、Tgは40℃であった。
製造例A3 カルボキシル基を有する水溶性アクリル樹脂の製造
撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器に、2−メトキシ−1−プロパノール 259.0部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら120℃に昇温した。
スチレン 35.0部、メタクリル酸メチル 19.8部、アクリル酸n−ブチル 155.2部、アクリル酸エチル 19.0部、アクリル酸2−エチルヘキシル 137.2部、メタクリル酸 33.8部のモノマー混合物を、カヤエステルO(化薬アクゾ社製のtert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート) 16.0部を2−メトキシ−1−プロパノール 25.0部に溶解した開始剤溶液とともに3時間かけて滴下した。
滴下終了後、120℃で0.5時間保ち、次いで、カヤエステルO 1.6部を2−メトキシ−1−プロパノール 16.0部に溶解した開始剤溶液を0.5時間かけて滴下し、さらに120℃で1時間攪拌した。次いで60℃まで冷却し、N,N−ジメチルエタノールアミン 35.0部で中和した後、脱イオン水 287.4部を加え水溶化し、樹脂固形分40質量%の水溶性樹脂を得た。モノマー組成から計算される、このアクリル水溶性樹脂の樹脂固形分酸価は55mgKOH/g、Tgは−35℃であった。
製造例A4 カルボキシル基を有する水溶性アクリル樹脂の製造
撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器に、2−メトキシ−1−プロパノール 259.0部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら120℃に昇温した。
スチレン 35.0部、メタクリル酸メチル 8.7部、アクリル酸n−ブチル 155.2部、アクリル酸エチル 19.0部、アクリル酸2−エチルヘキシル 139.1部、メタクリル酸 43.0部のモノマー混合物を、カヤエステルO(化薬アクゾ社製のtert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート) 16.0部を2−メトキシ−1−プロパノール 25.0部に溶解した開始剤溶液とともに3時間かけて滴下した。
滴下終了後、120℃で0.5時間保ち、次いで、カヤエステルO 1.6部を2−メトキシ−1−プロパノール16.0部に溶解した開始剤溶液を0.5時間かけて滴下し、さらに120℃で1時間攪拌した。次いで60℃まで冷却し、N,N−ジメチルエタノールアミン 44.5部で中和した後、脱イオン水 277.9部を加え水溶化し、樹脂固形分40質量%の水溶性樹脂を得た。モノマー組成から計算される、このアクリル水溶性樹脂の樹脂固形分酸価は70mgKOH/g、Tgは−35℃であった。
製造例B1:白エナメル塗料(主剤)の作成
脱イオン水 61.6部、DISPERBYK−190(BYK−Chemie社製分散剤) 30.0部、アクアレン810(Tego社製 消泡剤) 1.0部、およびTipureR−706(DuPont社製酸化チタン)285.6部をサンドミルにて分散して、酸化チタンの分散ペーストを得た。
得られた分散ペースト 378.2部に、さらに脱イオン水 25.4部、製造例A1で得られたアクリルエマルション 460.0部、製造例A3で得られた水溶性アクリル樹脂 123.0部、CS−12(チッソ社製、造膜助剤) 54.0部、アデカノールUH−550(アデカ社製 増粘剤) 6.6部、SNシックナー617(サンノプコ社製 増粘剤) 4.0部、8610ADDITIVE(ダウコーニング社製 消泡剤) 1.5部を加え、白エナメル塗料1(主剤)を得た。
製造例B2:白エナメル塗料(主剤)の作成
脱イオン水 61.6部、DISPERBYK−190(BYK−Chemie社製分散剤) 30.0部、アクアレン810(Tego社製 消泡剤) 1.0部、およびTipureR−706(DuPont社製酸化チタン)285.6部をサンドミルにて分散して、酸化チタンの分散ペーストを得た。
得られた分散ペースト 378.2部に、さらに脱イオン水 25.4部、製造例A1で得られたアクリルエマルション 559.1部、CS−12(チッソ社製、造膜助剤) 65.6部、アデカノールUH−550(アデカ社製 増粘剤) 6.6部、SNシックナー617(サンノプコ社製 増粘剤) 4.0部、8610ADDITIVE(ダウコーニング社製 消泡剤) 1.5部を加え、白エナメル塗料2(主剤)を得た。
製造例B3:白エナメル塗料(主剤)の作成
脱イオン水 61.6部、DISPERBYK−190(BYK−Chemie社製分散剤) 30.0部、アクアレン810(Tego社製 消泡剤) 1.0部、およびTipureR−706(DuPont社製酸化チタン) 285.6部をサンドミルにて分散して、酸化チタンの分散ペーストを得た。
得られた分散ペースト 378.2部に、さらに脱イオン水 25.4部、製造例A2で得られたアクリルエマルション 420.0部、製造例A4で得られた水溶性アクリル樹脂 175.0部、CS−12(チッソ社製、造膜助剤) 54.0部、アデカノールUH−550(アデカ社製 増粘剤) 6.6部、SNシックナー617(サンノプコ社製 増粘剤) 4.0部、8610ADDITIVE(ダウコーニング社製 消泡剤) 1.5部を加え、白エナメル塗料3(主剤)を得た。
製造例B4:白エナメル塗料(主剤)の作成
脱イオン水 61.6部、DISPERBYK−190(BYK−Chemie社製分散剤) 30.0部、アクアレン810(Tego社製 消泡剤) 1.0部、およびTipureR−706(DuPont社製酸化チタン) 285.6部をサンドミルにて分散して、酸化チタンの分散ペーストを得た。
得られた分散ペースト 378.2部に、さらに脱イオン水 25.4部、製造例A1で得られたアクリルエマルション 497.0部、製造例A3で得られた水溶性アクリル樹脂 77.8部、CS−12(チッソ社製、造膜助剤) 54.0部、アデカノールUH−550(アデカ社製 増粘剤) 6.6部、SNシックナー617(サンノプコ社製 増粘剤) 4.0部、8610ADDITIVE(ダウコーニング社製 消泡剤) 1.5部を加え、白エナメル塗料4(主剤)を得た。
実施例1〜3
表2に示す割合で、製造例B1で得られた白エナメル塗料1を主剤とし、製造例2〜4で得られたカルボジイミド化合物の水分散体1〜3を硬化剤として混合して、塗料1〜3を得た。
実施例4
表2に示す割合で、製造例B2で得られた白エナメル塗料2を主剤とし、製造例2で得られたカルボジイミド化合物の水分散体1を硬化剤として混合して、塗料4を得た。
実施例5
表2に示す割合で、製造例B3で得られた白エナメル塗料3を主剤とし、製造例2で得られたカルボジイミド化合物の水分散体1を硬化剤として混合して、塗料5を得た。
実施例6
表2に示す割合で、製造例B4で得られた白エナメル塗料4を主剤とし、製造例2で得られたカルボジイミド化合物の水分散体1を硬化剤として混合して、塗料6を得た。
比較例1〜5
表3に示す割合で、製造例B1で得られた白エナメル塗料1を主剤とし、比較製造例1〜4および6で得られたカルボジイミド化合物の水分散体4〜8を硬化剤として混合して、塗料7〜11を得た。
硬化剤の硬化貯蔵安定性試験、ならびに塗膜耐水性試験および塗膜の光沢測定を行った。
[硬化剤の硬化貯蔵安定性試験]
上記製造例および比較製造例により水分散体1〜8を作製した直後、作製してから50℃にて1ヶ月、2ヶ月および3ヶ月貯蔵後、各実施例および比較例により塗料1〜11を作製した。
各塗料を6milのアプリケーターでガラス板上に塗布し、室温で1週間乾燥させた。作製された塗膜をアセトンにてラビング処理を行い、往復を一回として、ガラス素地が露出するまでのラビング回数を記録した。
[塗膜の耐水性試験]
(1)20℃における乾燥1時間後の耐水性試験
溶液型のエポキシ系プライマーを塗装した鋼板に、塗料1〜11のそれぞれを、20℃環境下で、塗布量(乾燥時)が120g/mとなるように刷毛で塗装し、20℃で1時間乾燥させた。作製された塗膜を20℃の水に16時間浸漬、引き上げ直後に塗膜表面のふくれを観察した。塗膜ふくれの判定基準は、JIS K5600−8−2に基づいて判定した。判定結果は以下の表記法に従って示した。
「ふくれ0」は、ふくれが全く発生していないことを意味する。
「ふくれj(Sk)」において「j」は発生したふくれの単位面積あたりの数(密度)に関する値であり、当該値が大きいほど、ふくれが密に発生することを意味する。「k」は(発生したふくれの平均寸法(大きさ)に関する値であり、当該値が大きいほど、ふくれの1個あたりの寸法が大きいことを意味する。
(2)20℃における乾燥1週間後の耐水性試験
溶液型のエポキシ系プライマーを塗装した鋼板に、塗料1〜11のそれぞれを、20℃環境下で、塗布量が120g/mとなるように刷毛で塗装し、20℃で1週間乾燥させた。作製された塗膜を20℃の水に3日間浸漬、引き上げ直後に塗膜表面のふくれを観察した。塗膜ふくれの判定基準は、JIS K5600−8−2に基づいて判定した。判定結果は前記した表記法と同様の方法に従って示した。
(3)20℃における乾燥1時間後の塗膜吸水率測定試験
ポリプロピレン板に、塗料1〜11のそれぞれを、20℃環境下で、塗布量が120g/mとなるように刷毛で塗装し、20℃で1時間乾燥させた。乾燥させた後、塗膜を剥離させその重量を測定する。重量測定後に塗膜を20℃の水に16時間浸漬し、引き上げ直後に塗膜表面の水分を軽く拭き取った後に、その重量を測定した。これらの測定値より塗膜吸水率を以下の式によって求めた。
吸水率(%)=(浸漬後の塗膜重量)/(浸漬前の塗膜重量)×100−100
(4)5℃における乾燥3時間後の耐水性試験
溶液型のエポキシ系プライマーを塗装した鋼板に、塗料1〜11のそれぞれを、5℃環境下で、塗布量が120g/mとなるように刷毛で塗装し、5℃で3時間乾燥させた。作製された塗膜を5℃の水に16時間浸漬、引き上げ直後に塗膜表面のわれを観察した。塗膜われの判定基準は、JISK5600−8−4に基づいて判定した。判定結果は以下の表記法に従って示した。
「割れ0」は、割れが全く発生していないことを意味する。
「割れj(Sk)l」において「j」は発生した割れの単位面積あたりの数(密度)に関する値であり、当該値が大きいほど、割れが密に発生することを意味する。「k」は発生した割れの平均寸法(大きさ)に関する値であり、当該値が大きいほど、割れの1個あたりの寸法が大きいことを意味する。「l」は発生した割れの深さに関する等級(a〜c)であり、aは上塗りを貫通していない表面割れ、bは上塗りは貫通しているが、その下の塗膜は割れ無し、cは全塗膜層を貫通している割れを表す。
(5)5℃における乾燥3時間後の塗膜吸水率測定試験
ポリプロピレン板に、塗料1〜11のそれぞれを、5℃環境下で、塗布量(乾燥時)が120g/mとなるように刷毛で塗装し、5℃で3時間乾燥させた。乾燥させた後、塗膜を剥離させその重量を測定する。重量測定後に塗膜を5℃の水に16時間浸漬し、引き上げ直後に塗膜表面の水分を軽く拭き取った後に、その重量を測定した。これらの測定値より塗膜吸水率を以下の式によって求めた。
吸水率(%)=(浸漬後の塗膜重量)/(浸漬前の塗膜重量)×100−100
[塗膜の光沢測定]
塗料1〜11を6milのアプリケーターでガラス板上に塗布し、室温で1週間乾燥させた。作製された塗膜の表面を光沢計(BYK−Gardner社製マイクロトリグロス)にて60度光沢を測定した。光沢値は80以上が実用上問題のない範囲であり、光沢値85以上が好ましい。
Figure 2013166912
Figure 2013166912
[結果の説明]
(1)硬化貯蔵安定性について
実施例1〜6は製造から50℃で3ヶ月貯蔵した硬化剤を用いても、ラビング処理50回以上で素地が透けることがなく、良好な結果であった。一方、比較例1〜4は1ヶ月または2ヶ月長蔵した硬化剤を用いると、ラビング処理50回を行う前に素地が透けた。カルボジイミド硬化剤のPG単位の数平均繰り返し数やPEG/PPGの比率によって、硬化剤そのものの安定性に差が見られることが分かった。
(2)20℃における乾燥1時間後の耐水性について
実施例1〜6は、塗膜の耐水性初期試験でふくれがなく、良好な結果であった。一方、比較例1〜4は一部または全部にふくれが発生した。またこれに伴い塗膜の吸水率も実施例1〜6に対して、比較例1〜4の方が約10〜25%程度高い結果となった。カルボジイミド硬化剤のPG単位の数平均繰り返し数やPEG/PPGの比率によって、初期耐水性に差が見られことが分かった。
(3)5℃における乾燥3時間後の耐水性について
実施例1〜6は、塗膜の耐水性初期試験でわれがなく、良好な結果であった。一方、比較例1〜4は一部または全部にわれが発生した。またこれに伴い塗膜の吸水率も実施例1〜6に対して、比較例1〜4の方が約10〜30%程度高い結果となった。20℃の時と同様に5℃においてもカルボジイミド硬化剤のPG単位の数平均繰り返し数やPEG/PPGの比率によって、初期耐水性に差が見られることが分かった。
(4)塗膜の光沢について
実施例1〜6の塗膜の光沢値は80以上で良好であった。さらに、樹脂固形分酸価が3〜30mg/KOHである水分散体アクリル樹脂および樹脂固形分酸価が35〜100mg/KOHである水溶性アクリル樹脂を使用すると、塗膜の光沢値は85以上となり、最も良好な結果となった(実施例1〜3および5〜6)。
[測定方法]
(1)水酸基価
水酸基価は、JIS K 1557−1(プラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法−第1部:水酸基価の求め方)に基づいて測定した。
(2)数平均繰り返し数qおよびr
ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルのエチレングリコ−ルの数平均繰返し数qおよびポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルのプロピレングリコ−ルの数平均繰返し数rは、下記一般式(10)で表されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルのアルキレングリコ−ルの数平均繰返し数sに相当するものである。数平均繰返し数s(=q、r)は、当該ポリマーの分子量および水酸基価より、下記数式に基づいて求めた。
Figure 2013166912
Figure 2013166912
数式中、エーテル部の単位分子量=12m+2m+16=14m+16
両末端アルキル・水素分子量の和=12n+2n+1+16+1=14n+18
本発明の2液型水性塗料組成物は、特定の構造のカルボジイミド化合物を硬化剤として用いるので、初期硬化特性に優れ、さらに、貯蔵安定性にも優れている。したがって、さまざまな常温乾燥や焼付け乾燥の塗料の分野で用いることができる。

Claims (4)

  1. 2液型水性塗料組成物であって、
    (A)カルボキシル基を有する水性アクリル樹脂と、
    (B)一般式(1):
    Figure 2013166912
    {式中、pは1〜5の整数を示し、2つのRは、独立して、一般式(2):
    Figure 2013166912
    (式中、数平均繰り返し数qが6〜40の範囲にあり、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはフェニル基を示す。)で表されるポリエチレングリコールモノアルキルエーテルの残基および/または一般式(3):
    Figure 2013166912
    (式中、数平均繰り返し数rが4〜14の範囲にあり、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはフェニル基を示す。)で表されるポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルの残基である。}で表されるカルボジイミド化合物と、
    を含み、ここに、
    一般式(1)中のRにおいて、一般式(2)で表されるポリエチレングリコールモノアルキルエーテルの残基と一般式(3)で表されるポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルの残基とのモル比率が、1:1〜1:15である、2液型水性塗料組成物。
  2. 前記水性アクリル樹脂(A)は、樹脂固形分酸価が3〜30mg/KOHである水分散体アクリル樹脂を含む、請求項1に記載の2液型水性塗料組成物。
  3. 前記水性アクリル樹脂(A)は、樹脂固形分酸価が3〜30mg/KOHである水分散体アクリル樹脂および樹脂固形分酸価が35〜100mg/KOHである水溶性アクリル樹脂をそれらの固形分質量比率2:1〜10:1で含む、請求項1に記載の2液型水性塗料組成物。
  4. ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルの残基とポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルの残基とのモル比率が1:2〜1:15である、請求項1〜3のいずれかに記載の2液型水性塗料組成物。
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