JP2013165049A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】負極合材層表面にムラの少ないSEI被膜を形成することで、従来に比べ電池性能が向上した非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】正極と負極20とを備えた電極体と、非水電解質とが電池ケース内に収容された非水電解質二次電池を提供する。負極20は負極集電体22と該集電体の表面上に形成された負極活物質を含む負極合材層24とを備えており、負極合材層24上には芳香族化合物34とオキサラト錯体化合物32とを有している。ここで、芳香族化合物34とオキサラト錯体化合物32との分布は、相対的に負極合材層に近い領域で芳香族化合物34の分布量が多く、相対的に負極合材層から離れた領域でオキサラト錯体化合物32の分布量が多くなっている。
【選択図】図5

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。詳しくは、SEI被膜が形成された負極を備える該電池に関する。
リチウム二次電池その他の非水電解質二次電池は、既存の電池に比べ、小型、軽量かつ高エネルギー密度であって、出力密度に優れる。このため、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や、ハイブリッド車両等の車両駆動用電源として好ましく用いられている。
この種の非水電解質二次電池は、正極と負極を備える電極体と、非水電解質(典型的には、非水電解液)と、を電池ケースに収容し、構築される。そして、該電極(正極および負極)は、対応する正負の集電体上に電荷担体(典型的にはリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る活物質を主成分とする電極合材層(具体的には、正極合材層および負極合材層)を、それぞれ備えている。なお、上記構築後の電池には典型的には実際に使用可能な状態に調整するため所定の条件で初期充放電処理が施される。
ところで、上記初期充放電処理の際には、非水電解質の一部が負極にて還元分解され、負極活物質の表面にSEI(Solid Electrolyte Interphase)被膜が形成される。かかるSEI被膜の形成によりそれ以降の非水電解質の分解を抑制し得るため、所定量の被膜の形成は電池特性の劣化や過充電等を抑制し電池性能(例えばサイクル特性)を向上させることができる。しかし、上記反応によって消費される電荷担体は不可逆容量となるため、かかる被膜の形成が電池容量低下の原因ともなり得る。そこで、非水電解液中にあらかじめ該非水電解液の分解電位以下で分解して負極活物質の表面に被膜を形成し得る添加剤(以下、「被膜形成剤」という。)を添加しておくことで、負極活物質の表面に安定的な被膜を形成させる手法が広く用いられている。例えば特許文献1には、被膜形成剤としてオキサラト錯体化合物(典型的には、リチウムビスオキサラトボレート:以下、「LiBOB」ということもある。)を非水電解質中に含む非水電解質二次電池が開示されている。
特開2011−34893号公報
しかし、一般的に用いられている被膜形成剤(例えば、LiBOB)は負極活物質との親和性が低いため、負極(負極合材層)への含浸速度が遅く全体に行き渡るまである程度時間を要する。このため、被膜形成剤の含浸が早い部分(例えば負極の幅方向における端部)で集中的に被膜形成剤が分解され、SEI被膜が形成され易い傾向にある。負極表面(負極合材層に含まれる負極活物質の表面)にSEI被膜の形成ムラが生じた場合、該被膜の形成が少ない部分(例えば負極の幅方向における中央部)ほど充放電時に大電流が流れることとなるため、局所的に負極活物質が劣化して電池性能が低下する虞がある。とりわけハイブリッド自動車の電源等に用いられるような大型(高容量)の電池では、電極の面積が広いためこのような現象が顕著である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、負極活物質表面にほぼ均等にSEI被膜を形成することで、従来に比べ電池性能が向上した非水電解質二次電池を提供することである。
上記目的を実現すべく、本発明により、正極と負極とを備えた電極体と、非水電解質と、が電池ケース内に収容された非水電解質二次電池が提供される。上記負極は、負極集電体と該集電体の表面上に形成された負極活物質を含む負極合材層とを備えており、上記負極合材層上には芳香族化合物とオキサラト錯体化合物とを有している。そして、上記芳香族化合物と上記オキサラト錯体化合物との分布は、相対的に負極合材層に近い領域で芳香族化合物の分布量が多く、相対的に負極合材層から離れた領域でオキサラト錯体化合物の分布量が多くなっている。
ここで開示される非水電解質二次電池の負極(負極合材層)の表面には、負極活物質との分子間力(相互作用)が小さな芳香族化合物が付着している。かかる芳香族化合物の存在により、負極活物質との分子間力が大きなオキサラト錯体化合物であっても、負極全体にムラなく付着(典型的には被膜を形成)し得る。したがって、上記構成の電池では充放電時における負極合材層内の電流のばらつきを抑制することができ、従来に比べ電池性能(例えばサイクル特性)を向上させることができる。なお、本明細書において「分子間力」とは、一般的な量子化学の計算解析ソフトによって計算される物質間の電磁気学的な相互作用エネルギーを指し、例えばフラグメント分子軌道法に基づく分子軌道計算ソフトウエア(例えば、アドバンスソフト株式会社社製の「Advance/BioStation(ADBS)」)を用いて算出することができる。
ここで開示される非水電解質二次電池の好適な一態様では、上記負極合材層上における上記芳香族化合物の量(M)と、上記オキサラト錯体化合物の量(M)と、の比(M/M)が0.5以上1.1以下である。
上記数値範囲を満たす場合、芳香族化合物と被膜形成剤たるオキサラト錯体化合物との比率が好適に保たれているため、本願の目的(即ち、負極表面にムラなくSEI被膜を形成することにより電池性能を向上させること)をより高いレベルで達成することができる。
ここで開示される非水電解質二次電池の好適な一態様では、上記オキサラト錯体化合物は、構成原子として少なくともホウ素原子(B)を含有する。
オキサラト錯体化合物にホウ素原子(B)が含まれる場合、初期充放電処理の際に負極(負極活物質)表面にホウ素原子(B)を含む安定性に優れたSEI被膜を形成することができる。従って、より優れた電池性能を発揮することができる。
ここで開示される非水電解質二次電池の好適な一態様では、上記オキサラト錯体化合物として、少なくとも下記式(I)で表されるリチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)を含む。
LiBOBを含む電池では、初期充放電の際に負極表面上に安定性に優れた良質なSEI被膜が形成される。従って、それ以後の充放電に伴う非水電解質の還元分解を好適に抑制することができ、本願の効果と電池性能とを高いレベルで両立することができる。
Figure 2013165049
ここで開示される非水電解質二次電池の好適な一態様では、上記芳香族化合物として、シクロヘキシルベンゼンおよび/またはビフェニルを含む。
シクロヘキシルベンゼンやビフェニルは共役系をとりやすく、電子授受が容易である。このため負極表面全体にムラなく付着(典型的には、該芳香族化合物が分解され被膜を形成)し、被膜形成剤たるオキサラト錯体化合物をより円滑に負極全体に行き渡らせることができる。このため、本願の目的(負極表面へのほぼ均一なSEI被膜の形成)を高いレベルで達成することができる。
ここで開示される非水電解質二次電池の好適な一態様では、上記電極体は、長尺状の正極集電体上に、所定の幅の正極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の正極と、長尺状の負極集電体上に、所定の幅の負極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の負極と、を備え、上記長尺状の正極と、上記長尺状の負極とが対向した状態で積層され、長手方向に捲回されてなる捲回電極体である。
捲回電極体では、その形状から、負極の幅方向における中央部(典型的には捲回体の中心部)に被膜形成剤が浸透するまで時間を要するため、該中央部においてSEI被膜の形成が不十分となりがちである。しかしここで開示される技術では、かかる場合においても、負極表面に従来に比べ均一にSEI被膜を形成し得るため、高い電池性能を発揮することができる。
また、本発明によると、他の側面として、正極と負極とを備えた電極体と、非水電解質と、が電池ケース内に収容された非水電解質二次電池に装備される負極が提供される。上記負極は、負極集電体と該集電体の表面上に形成された負極活物質を含む負極合材層とを備えている。そして上記負極合材層上には芳香族化合物とオキサラト錯体化合物とが付与されている。ここで、上記芳香族化合物と上記オキサラト錯体化合物との分布は、相対的に負極合材層に近い領域で芳香族化合物の分布量が多く、相対的に負極合材層から離れた領域でオキサラト錯体化合物の分布量が多くなっている。
ここで開示される負極(負極合材層)の表面には、負極活物質との分子間力(相互作用)が小さな芳香族化合物が予め付着している。そして、上記芳香族化合物の上に負極活物質との分子間力が大きなオキサラト錯体化合物が付着している。このため初期充電時において、負極表面上により均一なSEI被膜が形成される。したがって、上記負極を備えた電池では充放電時における負極合材層内の電流のばらつきを一層抑制することができ、従来に比べ電池性能(例えばサイクル特性)を向上させることができる。
ここで開示される負極の好適な一態様では、上記負極合材層上における上記芳香族化合物の量(M)と、上記オキサラト錯体化合物の量(M)と、の比(M/M)が0.5以上1.1以下である。
上記数値範囲を満たす場合、芳香族化合物と被膜形成剤たるオキサラト錯体化合物との比率が好適に保たれているため、本願の目的をより高いレベルで達成することができる。
また、本発明によると、他の側面として、正極と負極とを備えた電極体と、非水電解質と、が電池ケース内に収容された非水電解質二次電池の製造方法が提供される。かかる製造方法は、(1)正極と負極とを備えた電極体が電池ケース内に収容された組立体を準備すること、(2)上記電池ケース内に芳香族化合物を含む非水電解質を注入すること、(3)上記組立体に対して所定の充電電圧まで予備充放電処理を行うこと、(4)上記予備充放電処理後の電池ケース内にオキサラト錯体化合物を添加すること、および(5)上記組立体に対して所定の充電電圧まで充放電処理を行うこと、を包含する。
先ず相対的に負極活物質との分子間力が小さな芳香族化合物を添加して予備充放電処理を行うことで、該芳香族化合物を好適に負極表面に付着させることができる。その後、かかる分子間力が相対的に大きなオキサラト錯体化合物を添加して充放電処理を行うことで、上記芳香族化合物の上をオキサラト錯体化合物が流動し、負極表面全体にムラなく付与され得る。したがって、かかる製造方法によれば、オキサラト錯体化合物が負極端部に集中的に付着(典型的には、還元分解され重合被膜(SEI被膜)を形成)することを抑制し、従来に比べ負極表面全体にムラの少ない(より均一な)被膜を形成し得る。したがって、充放電時における負極合材層内(負極合材層に含まれる負極活物質)の電流のばらつきを抑制することができ、従来に比べ電池性能(例えばサイクル特性)を向上させることができる。
ここで開示される製造方法の好適な一態様では、上記芳香族化合物の添加量を、上記電池ケース内に注入される非水電解質全量に対して0.01mol/L以上0.1mol/L以下となるよう設定する。
上記範囲を満たす電池では、芳香族化合物の添加に伴う抵抗の増大(典型的には、電荷移動抵抗の増大)をより低く抑えられるため、電池性能(例えば出力特性)を一層向上させることができる。
ここで開示される製造方法の好適な一態様では、上記負極合材層上における上記芳香族化合物の添加量(M)と上記オキサラト錯体化合物の添加量(M)との比(M/M)が0.5以上1.1以下である。
上記数値範囲を満たす場合、芳香族化合物と被膜形成剤たるオキサラト錯体化合物との比率が好適に保たれているため、本願の目的をより高いレベルで達成することができる。
また、本発明によると、ここで開示される非水電解質二次電池を駆動用電源として備える車両が提供される。
上記電池では、負極に均一な被膜(ムラがない或いは小さい被膜)が形成され、高い電池性能を発揮し得る。このため、高容量、高出力の用途(例えば車両に搭載されるモーター駆動のための動力源(駆動用電源))として好適に用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る、非水電解質二次電池の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図2は、本発明の一実施形態に係る、非水電解質二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図3は、図2の非水電解質二次電池のIII−III線における断面構造を模式的に示す図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る、非水電解質二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。 図5は、非水電解質二次電池の負極の構成を模式的に示す断面図であり、(A)は芳香族化合物を付与した負極を、(B)は芳香族化合物を付与しなかった負極をそれぞれ表している。 図6は、本発明の一実施形態に係る、非水電解質二次電池を備えた車両(自動車)を示す側面図である。 図7は、負極端部と中央部における抵抗値の差(Ω)と、2種の化合物の添加量比(M/M)と、の関係を示すグラフである。
本明細書において「非水電解質二次電池」とは、非水電解質(典型的には、非水溶媒中に支持塩を含む電解液)を備えた電池をいう。また、「リチウム二次電池」とは、非水電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンの移動(電荷の移動)により充放電が実現される二次電池をいう。一般にリチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、リチウムイオンキャパシタ等と称される二次電池は、本明細書におけるリチウム二次電池に包含される典型例である。また、本明細書において「活物質」とは、正極側又は負極側において電荷担体となる化学種(リチウム二次電池ではリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る物質(化合物)をいう。
以下、ここで開示される非水電解質二次電池の好適な実施形態について説明する。本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。かかる構造の非水電解質二次電池は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。以下、リチウム二次電池である場合を典型例としてより詳しく説明する場合があるが、本発明の適用対象をかかる電池に限定する意図ではない。
ここで開示される非水電解質二次電池の構成では、正極と負極とを備えた電極体と、非水電解質と、が電池ケース内に収容されている。そして図5に示すように、負極20は、負極集電体22と該集電体の表面上に形成された負極活物質を含む負極合材層24とを備えている。また、図5(A)に示すように、負極合材層24上には芳香族化合物34とオキサラト錯体化合物32とを有している。ここで開示される技術では、芳香族化合物34の存在により、オキサラト錯体化合物32が負極合材層24の表面全体にムラなく付着(典型的には被膜を形成)されている。
ここで開示される非水電解質二次電池は、例えば図1に示すような方法で好ましく製造することができる。図1に示す製造方法では、正極と負極とを備えた電極体が電池ケース内に収容された組立体を準備する工程(組立体の準備工程;S1)と、上記電池ケース内に芳香族化合物を含む非水電解質を注入する工程(第1注入工程;S2)と、上記組立体に対して所定の充電電圧まで予備充放電処理を行う工程(予備充放電処理工程;S3)と、上記予備充放電処理後の電池ケース内にオキサラト錯体化合物を添加する工程(第2注入工程;S4)と、上記組立体に対して所定の充電電圧まで充放電処理を行う工程(充放電処理工程;S5)とを包含する。ここで開示される製造方法のように、先ず芳香族化合物のみを添加して充放電を行うことで、該芳香族化合物を好適に負極表面に付着させることができる。その後、オキサラト錯体化合物を添加して充放電を行うことで、上記付着した芳香族化合物の上にオキサラト錯体化合物がムラなく付与され得る。したがって、かかる製造方法によれば、充放電時における負極合材層内の電流のばらつきを抑制することができ、従来に比べ電池性能を向上させることができる。
≪組立体の準備工程;S1≫
組立体準備工程では、正極と負極とを備えた電極体と、非水電解質と、が電池ケース内に収容された組立体を準備する。
ここで開示される非水電解質二次電池の正極は、正極集電体と、該正極集電体上に形成された少なくとも正極活物質を含む正極合材層と、を備えている。かかる正極を作製する方法としては、特に限定されないが、例えば、正極活物質と導電材とバインダ(結着剤)等とを適当な溶媒中で混合してスラリー状(ペースト状、インク状のものを包含する。)の組成物(以下、「正極合材スラリー」という。)を調製し、該スラリーを正極集電体上に付与して正極合材層(正極活物質層ともいう。)を形成する方法を採用することができる。なお、正極合材スラリーを調製する方法としては、上記正極活物質と導電材とバインダとを一度に混練してもよく、何回かに分けて段階的に混練してもよい。特に限定されるものではないが、正極合材スラリーの固形分濃度(NV)は50質量%〜75質量%(好ましくは55質量%〜65質量%、より好ましくは55質量%〜60質量%)とすることができる。また、正極合材層を形成する方法としては、例えば、上記正極合材スラリーを正極集電体の片面または両面に、従来公知の塗布装置(例えば、スリットコーター、ダイコーター、コンマコーター、グラビアコーター)を用いて適量塗布し、乾燥させる方法を採用することができる。特に限定されるものではないが、正極集電体の単位面積当たりに設けられる正極合材層の質量(正極集電体の両面に正極合材層を有する構成では両面の合計質量)は、例えば10mg/cm〜30mg/cm程度とすることができる。
正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性材料が好ましく用いられる。集電体の形状は、構築される電池の形状等に応じて異なり得るため特に限定されず、棒状体、板状体、箔状体、網状体等を用いることができる。なお、後述する捲回電極体を備えた電池では、主に箔状体が用いられる。箔状集電体の厚みは特に限定されないが、電池の容量密度と集電体の強度との兼ね合いから、5μm〜50μm(より好ましくは8μm〜30μm)程度のものを好ましく用いることができる。
正極活物質としては、従来から非水電解質二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、リチウムニッケル酸化物(例えばLiNiO)、リチウムコバルト酸化物(例えばLiCoO)、リチウムマンガン酸化物(例えばLiMn)等のリチウム原子と遷移金属原子とを構成金属原子として含む酸化物(リチウム遷移金属酸化物)や、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のリチウム原子と遷移金属原子とを構成金属原子として含むリン酸塩等が挙げられる。なかでも、構成元素としてリチウム元素、ニッケル元素、コバルト元素およびマンガン元素を含む層状構造のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3)を主成分とする正極活物質(典型的には、実質的にリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物からなる正極活物質)は、熱安定性に優れ、かつエネルギー密度も高いため好ましく用いることができる。特に限定するものではないが、正極合材層全体に占める正極活物質の割合は50質量%以上(典型的には70質量%以上100質量%以下、例えば80質量%以上99質量%以下)であることが好ましい。
ここで、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物とは、Li、Ni、Co、Mnを構成金属原子とする酸化物のほか、Li、Ni、Co、Mn以外に他の少なくとも一種の金属原子(Li、Ni、Co、Mn以外の遷移金属原子および/または典型金属原子)を含む酸化物をも包含する意味である。かかる金属原子は、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、鉄(Fe)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pb)、白金(Pt)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ランタン(La)、セリウム(Ce)のうちの一種または二種以上の原子であり得る。また、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸化物、及びリチウムマンガン酸化物についても同様である。上記置換的な構成原子の量は、特に限定されないが、例えば、当該置換原子とNiとCoとMnとの合計100質量%に対し、0.1質量%以上(典型的には0.2質量%以上、例えば0.3質量%以上)であって、5質量%以下(典型的には3質量%以下、例えば2.5質量%以下)とすることができる。このようなリチウム遷移金属酸化物(典型的には粒子状)としては、例えば従来公知の方法で調製されるリチウム遷移金属酸化物粉末をそのまま使用することができる。かかる粉末の粒径は、特に限定するものではないが、例えば、1μm以上25μm以下(典型的には2μm以上20μm以下、例えば6μm以上15μm以下)とすることができる。なお、本明細書において「粒径」とは、一般的なレーザー回折・光散乱法に基づく粒度分布測定により測定した体積基準の粒度分布において、微粒子側からの累積50%に相当する粒径(D50粒径、メジアン径ともいう。)を示す。
溶媒としては、従来から非水電解質二次電池に用いられる溶媒のうち一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。かかる溶媒は水系と有機溶剤に大別され、有機溶媒としては、例えば、アミド、アルコール、ケトン、エステル、アミン、エーテル、ニトリル、環状エーテル、芳香族炭化水素等が挙げられる。より具体的には、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−プロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、プロペン酸メチル、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、アセトニトリル、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタン等が挙げられ、典型的にはNMPを用いることができる。また、水系溶媒としては、水または水を主体とする混合溶媒であることが好ましい。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均質に混合し得る有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。例えば、該水系溶媒の80質量%以上(より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上)が水である水系溶媒の使用が好ましい。特に好ましい例として、実質的に水からなる水系溶媒(例えば水)が挙げられる。
導電材としては、従来から非水電解質二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック等)、コークス、活性炭、黒鉛(天然黒鉛およびその改質体、人造黒鉛)、炭素繊維(PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維)、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラフェン等の炭素材料から選択される、一種または二種以上であり得る。あるいは金属繊維(例えばAl繊維、ステンレス鋼(SUS)繊維等)、導電性金属粉末(例えばAg、Ni、Cu等の金属粉末)、金属酸化物(例えばZnO、SnO等)、金属で表面被覆した合成繊維等を用いてもよい。なかでも、粒径が小さく比表面積の大きなカーボンブラック(典型的には、アセチレンブラック)を好ましく用いることができる。正極合材層全体に占める導電材の割合は、特に限定するものではないが、例えば0.1質量%以上15質量%以下(典型的には1質量%以上10質量%以下)とすることができる。
バインダとしては、上述した溶媒中に均質に溶解または分散し得る化合物であって、従来から非水電解質二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、有機溶剤系の液状組成物(分散媒の主成分が有機溶媒である溶剤系組成物)を用いて正極合材層を形成する場合には、有機溶剤に分散または溶解するポリマー材料を好ましく採用し得る。かかるポリマー材料としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。あるいは、水系の液状組成物を用いて正極合材層を形成する場合には、水に溶解または分散するポリマー材料を好ましく採用し得る。かかるポリマー材料としては、セルロース系ポリマー、フッ素系樹脂、酢酸ビニル共重合体、ゴム類等が例示される。より具体的には、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等が挙げられる。特に限定するものではないが、正極合材層全体に占めるバインダの割合は、正極活物質や導電材(種類や量)に応じて適宜選択すればよいが、例えば0.1質量%以上10質量%以下(好ましくは1質量%以上5質量%以下)とすることができる。
また、ここで調製される正極合材スラリーには、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、各種添加剤(例えば、分散剤として機能し得る材料)等を添加することもできる。上記分散剤としては、疎水性鎖と親水性基をもつ高分子化合物(例えばアルカリ塩、典型的にはナトリウム塩)や、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩等を有するアニオン性化合物やアミン等のカチオン性化合物等が挙げられる。より具体的には、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチラール、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ等が挙げられる。
そして、上記正極スラリーを付与した正極を適当な乾燥手段で乾燥し、正極合材スラリー中に含まれていた溶媒を除去する。かかる手法としては、自然乾燥や、熱風、低湿風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線による乾燥等を単独または組み合わせて用いることができる。正極合材スラリーの乾燥後、正極に適宜プレス処理を施すことによって、正極合材層の厚みや密度を調整することができる。プレス処理には、例えば、ロールプレス法、平板プレス法等、従来公知の各種プレス方法を採用することができる。正極集電体上に形成された正極合材層の密度が極端に低い場合は、単位体積当たりの容量が低下する虞がある。また、正極合材層の密度が極端に高い場合は、特に大電流充放電時や低温下での充放電時において内部抵抗が上昇する傾向にある。このため、プレス処理後の正極合材層の密度は、例えば2.0g/cm以上(典型的には2.5g/cm以上)であって、4.5g/cm以下(典型的には4.2g/cm以下)とすることができる。
次に、ここで開示される非水電解質二次電池の負極は、負極集電体と、該負極集電体上に形成された少なくとも負極活物質を含む負極合材層と、を備えている。かかる負極を作製する方法としては、特に限定されないが、例えば、負極活物質とバインダ等とを適当な溶媒中で混合してスラリー状(ペースト状、インク状のものを包含する。)の組成物(以下、「負極合材スラリー」という。)を調製し、該スラリーを負極集電体上に付与して負極合材層(負極活物質層ともいう。)を形成する方法を採用することができる。負極合材層を形成する方法としては、上述した正極の場合と同様の手法を適宜採用することができる。特に限定されるものではないが、負極集電体の単位面積当たりに設けられる負極合材層の質量(両面の合計質量)は、例えば5mg/cm〜30mg/cm程度とすることができる。
負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性材料が好ましく用いられる。また負極集電体の形状は正極集電体の形状と同様であり得る。
負極活物質としては、従来から非水電解質二次電池に用いられる物質の一種または二種以上の材料を特に限定することなく使用することができる。例えば、天然黒鉛(石墨)およびその改質体や石油または石炭系の材料から製造された人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト);ハードカーボン(難黒鉛化炭素)、ソフトカーボン(易黒鉛化炭素)、カーボンナノチューブ等少なくとも一部に黒鉛構造(層状構造)を有する(低結晶性の)炭素材料;リチウムチタン複合酸化物等の金属酸化物;スズ(Sn)やケイ素(Si)とリチウムの合金等が挙げられる。なかでも、大きな容量が得られる黒鉛質の炭素材料(典型的には、黒鉛)を好ましく使用することができる。負極合材層全体に占める負極活物質の割合は特に限定されないが、通常は50質量%以上とすることが適当であり、好ましくは90質量%〜99質量%(例えば95質量%〜99質量%)である。
バインダとしては、上記正極合材層用のバインダとして例示したポリマー材料から適当なものを選択することができる。例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が例示される。負極合材層全体に占めるバインダの割合は、負極活物質の種類や量等に応じて適宜選択すればよく、例えば1質量%〜10質量%(好ましくは2質量%〜5質量%)とすることができる。その他、既に上述した各種添加剤や導電材等を適宜使用することができる。
負極合材スラリーの乾燥後、正極の場合と同様に、適宜プレス処理を施すことによって、負極合材層の厚みや密度を調製することができる。プレス処理後の負極合材層の密度は、例えば、1.1g/cm以上(典型的には1.2g/cm以上、例えば1.3g/cm以上)であって、1.5g/cm以下(典型的には1.49g/cm以下)とすることができる。
ここで開示される技術の好適な一態様では、上記負極上に芳香族化合物とオキサラト錯体化合物とが付与されており、上記芳香族化合物と上記オキサラト錯体化合物との分布は、相対的に負極合材層に近い領域で芳香族化合物の分布量が多く、相対的に負極合材層から離れた領域でオキサラト錯体化合物の分布量が多い。負極合材層の表面に予め芳香族化合物が存在することにより、オキサラト錯体化合物が負極合材層の表面全体にムラなく付着する。このため、初期充電時において負極表面上により均一なSEI被膜を形成することができる。よって、該負極を備えた電池では充放電時における負極合材層内の電流のばらつきを抑制することができ、従来に比べ一層電池性能(例えばサイクル特性)を向上させることができる。
そして、上記作製した正極および負極を積層し、電極体が作製される。電極体の形状は特に限定されないが、例えば、長尺状の正極集電体上に所定の幅の正極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の正極と、長尺状の負極集電体上に所定の幅の負極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の負極と、が積層され、長手方向に捲回されてなる捲回電極体を用いることができる。発明者の検討によれば、捲回電極体では、捲回体の中心部においてSEI被膜の形成が不十分となりがちである。しかしここで開示される技術では、かかる場合においても負極表面に従来に比べ均一なSEI被膜を形成し得るため、高い電池性能(例えばサイクル特性)を発揮することができる。そして、上記電極体を適当な電池ケースに収容し、組立体が準備される。
なお、ここで開示される非水電解質二次電池の典型的な構成では、正極と負極との間にセパレータが介在される。該セパレータとしては、従来から非水電解質二次電池に用いられるものと同様の各種多孔質シートを用いることができ、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔質樹脂シート(フィルム、不織布等)が挙げられる。かかる多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複数構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。また固体状の非水電解質を用いた非水電解質二次電池(リチウムポリマー電池)では、上記非水電解質がセパレータを兼ねる構成としてもよい。
電池ケースとしては、従来から非水電解質二次電池に用いられる材料や形状を用いることができる。該ケースの材質としては、例えばアルミニウム、スチール等の比較的軽量な金属材や、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料が挙げられる。なかでも、放熱性やエネルギー密度を向上させ得る等の理由から、比較的軽量な金属製(例えばアルミニウム製や、アルミニウム合金製)の電池ケースを好ましく採用し得る。また、形状(容器の外形)も特に限定されず、円形(円筒形、コイン形、ボタン形)、六面体形(直方体形、立方体形)、袋体形およびそれらを加工し変形させた形状等であり得る。なお、該ケースには電流遮断機構(電池の過充電時に、内圧の上昇に応じて電流を遮断し得る機構)等の安全機構を設けることもできる。
≪第1注入工程;S2≫
第1注入工程(S2)では、上記組立体に非水電解質を注入する。ここで、非水電解質には少なくとも芳香族化合物が含まれている。
非水電解質としては、従来から非水電解質二次電池に用いられる非水電解質と同様の一種または二種以上のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解質は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩(リチウム塩)を含有させた組成を有するが、液状の非水電解質にポリマーが添加され固体状(典型的には、いわゆるゲル状)となったものであってもよい。
該非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル、エチレングリコール、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。例えばカーボネート類(なかでも比誘電率の高いECや、標準酸化電位が高い(即ち、電位窓の広い)DMCおよびEMC等)を用いることができ、非水溶媒として一種または二種以上のカーボネート類を含み、それらカーボネート類の合計体積が非水溶媒全体の体積の60体積%以上(より好ましくは75体積%以上、さらに好ましくは90体積%以上であり、実質的に100体積%であってもよい。)を占める非水溶媒を好ましく用いることができる。
該支持塩としては、従来から非水電解質二次電池の支持非水電解質として機能し得ることが知られている各種の材料を適宜採用することができる。例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiCFSO、LiCSO、LiC(SOCF、LiClO等のリチウム二次電池の支持塩として機能し得ることが知られている各種のリチウム塩から選択される一種または二種以上を用いることができ、なかでもLiPFを好ましく用いることができる。支持塩の濃度は特に制限されないが、かかる濃度が低すぎるとリチウムイオンの量が不足し、イオン伝導性が低下する傾向がある。また支持塩の濃度が高すぎると非水電解質の粘度が高くなりすぎて、電池抵抗が増加する虞がある。このため、支持塩を凡そ0.1mol/L〜5mol/L(好ましくは、凡そ0.8mol/L〜1.5mol/L)程度の濃度で含有することが好ましい。
芳香族化合物としては、少なくとも環状構造(典型的には1つ以上のベンゼン環)を有しており、該環状構造の共鳴によって電子が非局在化している化合物であれば、本願の効果を発揮し得る範囲において特に限定せず一種または二種以上を適宜用いることができる。具体的には、ベンゼン系芳香族化合物、複素芳香族化合物、非ベンゼン系芳香族化合物が挙げられる。なお、かかる環状構造(典型的にはベンゼン環)を構成する原子(例えば炭素原子)に結合した水素原子は、それぞれ独立して、脂肪族アルキル基(炭素原子数1〜10の直鎖または分岐)、脂環式アルキル基(炭素原子数1〜10の飽和または不飽和)、酸素原子(ヒドロキシル基(OH)であり得る)、ハロゲン原子(例えば、F,Cl,Br)等で置換されていてもよい。また、かかる化合物は、各構成原子に結合した原子同士が互いに結合し環状構造を形成した芳香族多環化合物であってもよい。具体的には、例えば、ビフェニル化合物、アルキルビフェニル化合物、ベンゼン化合物、アルキルベンゼン化合物、シクロアルキルベンゼン化合物、フッ素原子置換芳香族化合物、もしくはナフタレン化合物、フェノール化合物等が挙げられる。より具体的な化合物としては、ビフェニル(BP)、2−フルオロビフェニル、3−フルオロビフェニル、4−フルオロビフェニル、4,4’−ジフルオロビフェニル、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、trans−ブチルシクロヘキシルベンゼン、シクロペンチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン、tris−(t−ブチルフェニル)ホスフェート、フェニルフルオライド、4−フルオロフェニルアセテート、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、ビスターシャリーブチルフェニルカーボネート、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン、もしくはフェノール、トルエン、キシレン等が挙げられる。また、例えば、電池ケース内の圧力が所定値以上になると充電電流を遮断する電流遮断機構(CID:Current Interrupt Device)を備えた電池において、いわゆる過充電防止剤(電解質の非水溶媒よりも酸化電位が低く、該電池が過充電状態になると水素ガス(H)を発生させ得る化合物)として用いられるような芳香族化合物を好適に使用することができ、なかでもBPやCHBを用いることが好ましい。BPやCHBは、共役系をとりやすく、電子授受が容易である。このため、初期充放電処理の際に速やかに分解され、負極表面全体に付着する。このため、オキサラト錯体化合物を円滑に負極全体に行き渡らせることができ、本願の目的(負極表面への均一なSEI被膜の形成)を高いレベルで達成することができる。
ここに開示される電池の構築に用いられる非水電解質において、芳香族化合物の濃度は、電池の通常の使用温度域(例えば、−30℃〜60℃)において該化合物が安定して溶解し得る濃度であればよく特に限定されないが、例えば、凡そ0.005mol/L以上(典型的には0.01mol/L以上、例えば0.02mol/L以上)であって、0.2mol/L以下(典型的には0.1mol/L以下、例えば0.05mol/L以下)とすることができる。上記範囲を満たす電池では、芳香族化合物の添加に伴う抵抗の増大(典型的には、電荷移動抵抗の増大)をより低く抑えられるため、電池性能(例えば出力特性)を一層向上させることができる。
第1注入工程(S2)における非水電解質の注入量は、全注入量(すなわち、第1注入工程(S2)と第2注入工程(S4)との注入量の合計)を100質量%としたときに、例えば60質量%〜100質量%(好ましくは70質量%〜100質量%)となるように適宜調整することができる。また、ここで開示される技術において上記芳香族化合物の添加量は特に限定されないが、かかる添加量が極端に少なすぎる場合は負極に安定的に被膜を形成することが難しく、ここで開示される発明の効果が薄れる虞がある。一方、芳香族化合物の添加量が極端に多すぎる場合には、抵抗の増大によって電池性能が悪化する虞がある。このため、かかる添加量は例えば上記非水電解質の全注入量100質量%に対し、0.5質量%以上5質量%以下(例えば0.5質量%以上3質量%以下)であるとすることが好ましい。上記範囲を満たす電池では、芳香族化合物の添加に伴う抵抗の増大(典型的には、電荷移動抵抗の増大)をより低く抑えられるため、電池性能を一層向上させることができる。
なお、かかる第1注入工程(S2)の後には、仮封止を行うこともできる。また、上記芳香族化合物を含む非水電解質が上記電極体(例えば捲回電極体)の全体に均等に浸潤し得るよう、第1注入工程(S2)の後に適宜保持(放置)時間を設けることもできる。かかる時間は特に限定されないが、生産性との兼ね合いから、例えば1時間〜30時間、典型的には1時間〜10時間とすることができる。
≪予備充放電処理工程;S3≫
予備充放電処理工程(S3)では、上記組立体に対して所定の充電電圧まで予備充放電処理を行う。本工程では、少なくとも上記第1注入工程(S2)で添加した芳香族化合物が負極表面に付着し得る(典型的には、分解されて重合被膜を形成し得る)電圧範囲において充放電を行う。これにより、図5(A)に示すように、負極合材層24の表面(典型的には負極活物質の表面)に好適に芳香族化合物34が付与される。かかる充電電圧は、上記添加した芳香族化合物の種類等によっても異なり得るため、特に限定されないが、例えば3.5V以上(例えば4.0V以上)であって、4.9V以下(例えば4.7V以下)とすることができる。また充放電時のレートは特に限定されないが、例えば0.1C以上5C以下(典型的には0.2C以上1C以下)とすることができる。さらに、充放電処理は一度に限らず、複数回繰り返し行ってもよい。
≪第2注入工程;S4≫
第2注入工程(S4)では、上記予備充放電処理後の電池ケース内に、オキサラト錯体化合物を添加する。また、ここでは同時に非水電解質を注入することもできる。該非水電解質(非水溶媒および支持塩)としては、第1注入工程(S2)において既に上述したものから適宜選択して用いることができる。そして、かかる注入後に、溶接等によってケースの蓋体(典型的には蓋体に設けられた注入口)を封止する。
オキサラト錯体化合物としては、公知の方法により作製したもの、あるいは市販品の購入等により入手したもののなかから、特に限定せず一種または二種以上用いることができる。例えば、下記式(II)または(III)で表されるような、少なくとも一つのシュウ酸イオン(C 2−)がホウ素原子(B)に配位した構造部分を有するオキサラト錯体化合物(B原子含有オキサレート塩)が例示される。
Figure 2013165049
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ここで、式(II)中のRおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br。好ましくはF)および炭素原子数1〜10(好ましくは1〜3)のパーフルオロアルキル基から選択される。式(II)、(III)中のAは、無機カチオンおよび有機カチオンのいずれでもよい。無機カチオンの具体例としては、Li、Na、K等のアルカリ金属のカチオン;Be、Mg、Ca等のアルカリ土類金属のカチオン;その他、Ag、Zn、Cu、Co、Fe、Ni、Mn、Ti、Pb、Cr、V、Ru、Y、ランタノイド、アクチノイド等の金属のカチオン;プロトン;等が挙げられる。有機カチオンの具体例としては、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン等のテトラアルキルアンモニウイオン;トリエチルメチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン等のトリアルキルアンモニウムイオン;その他、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、テトラエチルホスホニウムイオン、テトラメチルホスホニウムイオン、テトラフェニルホスホニウムイオン、トリフェニルスルホニウムイオン、トリエチルスルホニウムイオン;等が挙げられる。好ましいカチオンの例として、リチウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオンおよびプロトンが挙げられる。
また、他の例として、下記式(IV)または(V)で表されるような、少なくとも一つのシュウ酸イオン(C 2−)がリン(P)に配位した構造部分を有するオキサラト錯体化合物(P原子含有オキサレート塩)が例示される。具体的には、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート、リチウムトリス(オキサラト)ホスフェート等が挙げられる。
Figure 2013165049
Figure 2013165049
なお、上記式(IV)、(V)では、カチオンがリチウムイオンである例を示しているが、式(II)、(III)におけるAと同様に、他のカチオンであってもよい。また、上記式(IV)、(V)におけるFは、式(II)におけるR、Rと同様、それぞれ独立に、Fおよび他のハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br。好ましくはF)および炭素原子数1〜10(好ましくは1〜3)のパーフルオロアルキル基から選択され得る。
ここで開示される好ましい一態様では、上記オキサラト錯体化合物として、式(III)で表されるB原子含有オキサレート塩(例えば、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート)を含む。オキサラト錯体化合物にホウ素原子(B)が含まれる場合、初期充放電処理の際に、負極合材層(負極活物質)の表面にホウ素原子(B)を含む安定性に優れたSEI被膜が形成される。従って、優れた電池性能を発揮することができる。なかでも好ましい例として、式(I)で表されるリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)が挙げられる。LiBOBは、上記SEI被膜をより安定性に優れ良質なものにし得る。従って、それ以後の充放電に伴う非水電解質の還元分解を好適に抑制することができ、本願の効果と電池性能とをより高いレベルで両立することができる。
ここに開示される電池の構築に用いられる非水電解質において、オキサラト錯体化合物の濃度は、電池の通常の使用温度域(例えば、−30℃〜60℃)において該化合物が安定して溶解し得る濃度であればよく特に限定されないが、本願の効果および非水電解質の調製容易性等の観点から、例えば、凡そ0.005mol/L以上(典型的には0.01mol/L以上、例えば0.02mol/L以上)であって、0.2mol/L以下(典型的には0.1mol/L以下、例えば0.05mol/L以下)とすることができる。また、好ましい一態様では、上記負極合材層上における上記芳香族化合物の添加量(M)と、上記オキサラト錯体化合物の添加量(M)との比(M/M)が0.5以上1.1以下(好ましくは0.8以上1.1以下)である。上記数値範囲を満たす場合、芳香族化合物と被膜形成剤たるオキサラト錯体化合物との比率が好適に保たれているため、本願の目的をより高いレベルで達成することができる。なお、第2注入工程(S4)において芳香族化合物を更に追加することも可能である。かかる場合は、第1注入工程(S2)と第2注入工程(S4)の芳香族化合物の添加量の合計が、上述した添加量の範囲にあることが好ましい。
また、ここで開示される技術における非水電解質は、本発明の効果を大きく損なわない限度で、上述した非水溶媒、支持塩、芳香族化合物、オキサラト錯体化合物以外の成分を適宜含有することもできる。かかる任意成分の一例として、ジフルオロリン酸、モノフルオロリン酸塩等の添加剤(典型的にはリチウム塩)が挙げられる。これら添加剤は第1注入工程(S2)および/または第2注入工程(S4)で添加し得る。
なお、ここでは本技術の効果を好適に発揮し得る製造方法として、先ず芳香族化合物を負極に付与し、その後にオキサラト錯体化合物を添加する方法を示したが、例えば後述する実施例のように組立体の準備後に電解質と芳香族化合物とオキサラト錯体化合物とをまとめて注入し、充放電処理を行うこともできる。また例えば、上記組立体の準備工程(S1)において負極表面(負極活物質の表面)に芳香族化合物とオキサラト錯体化合物とが付与(塗布)された負極を用いる場合には、第1注入工程(S2)、予備充放電処理工程(S3)および、第2注入工程(S4)に換えて、通常通り電解質のみを添加することもできる。
≪充放電処理工程;S5≫
充放電処理工程(S5)では、上記封止後の電池に所定の条件で充放電処理を施す。本工程では、少なくとも上記第2注入工程(S4)で添加したオキサラト錯体化合物が負極表面に付着し得る(典型的には、還元分解され得る)電圧範囲において充放電を行う。これにより、負極表面(典型的には負極合材層に含まれる負極活物質表面)に好適にSEI被膜を形成することができる。なお、ここで開示される技術では、オキサラト錯体化合物に比べ負極活物質に対する分子間力が小さな芳香族化合物が、事前に負極に付与されている。このためオキサラト錯体化合物は芳香族化合物の上をスムーズに流動することができる。したがって従来に比べムラが少なく、より均一なSEI被膜を負極表面に形成することができる。なお、かかる充放電の態様(充放電電圧や充放電レート等)は、特に限定されないが、例えば予備充放電処理と同様の範囲を取り得る。さらに、充放電処理は一度に限らず、複数回繰り返し行うこともできる。
ここで、非水電解質二次電池の負極の構造を図5に模式的に示す。従来技術における負極20は、図5(B)に示すように、負極集電体22と、該集電体上22に形成された負極活物質を含む負極合材層24と、被膜形成剤たるオキサラト錯体化合物32と、を備えている。かかる構成では芳香族化合物34を有しないため、初回充放電後にオキサラト錯体化合物32が負極20の幅方向における端部(オキサラト錯体化合物の浸漬が早い部分)で集中的に還元分解されて被膜を形成する。このため、負極合材層表面にオキサラト錯体化合物の濃度ムラ(被膜のムラ)が生じる。かかる場合においては、該被膜の形成が少ない部分(例えば負極の幅方向における中央部)ほど充放電時に大電流が流れることとなるため、局所的に該負極活物質が劣化して電池性能(例えばサイクル特性)が低下する虞がある。
一方、ここで開示される負極20は、図5(A)に示すように、負極集電体22と、該集電体上22に形成された負極活物質を含む負極合材層24と、2種類の化合物(芳香族化合物34およびオキサラト錯体化合物(被膜形成剤)32)と、を備えている。そして、負極合材層に近い領域で芳香族化合物34の分布量が多く、負極合材層から離れた領域でオキサラト錯体化合物32の分布量が多くなっている。芳香族化合物は共役系をとりやすく、電子授受が容易であるため、充放電処理の際に速やかに負極表面全体に付着する。かかる芳香族化合物34が負極合材層24の表面に付着していることによって、相対的に該分子間力が大きなオキサラト錯体化合物32が芳香族化合物34の上をスムーズに流動し、負極合材層24の表面全体にムラなく付着(典型的には、還元分解されて被膜を形成)する。したがって、充放電時における負極合材層内の電流のばらつきを抑制することができ、従来に比べ電池性能を向上させることができる。
なお、ここに開示される非水電解質二次電池は、負極20の表面に少なくとも芳香族化合物34およびオキサラト錯体化合物32が付着していればよく、かかる化合物としては一部または全部が変質(典型的には分解、重合等)したものを包含する。既に上述の通り、正極と負極を備えた電極体を電池ケースに収容し、該電池ケースに芳香族化合物とオキサラト錯体化合物とを添加した場合、該電池の初期充放電処理時(例えば初回充電時)に、正極および/または負極の表面付近でかかる化合物が分解し得る。そして、オキサラト錯体化合物の大部分は、該電池の初期充放電処理時に、安定的な被膜を形成し得る。したがって、本発明の適用効果が発揮されるためには、負極表面に少なくとも芳香族化合物およびオキサラト錯体化合物が付着していればよく、該電池を構築した時の化合物の状態を保持していることを要しない。
電池の状態で、負極に分布する芳香族化合物およびオキサラト錯体化合物の分布状態を把握する手法としては、例えば、一般的な走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)−エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray Spectroscopy)が挙げられる。より具体的には、先ず測定対象たる負極合材層を有する負極を電池ケースから取り出して、他の材料から分離する。次に、該負極を適当な溶媒(例えば電解質の非水溶媒として使用し得る溶媒)によって洗浄して、電解質等を除去する。かかる負極について、クロスセクションポリッシャ加工等で断面出しを行い、負極合材層の表面近傍をSEMで観察する。得られた観察画像を、EDXで解析(例えば、C原子やB原子のマッピング)し、相対的に負極合材層に近い領域と、相対的に負極合材層から離れた領域との観察画像を比較することで、存在する原子(化合物)の大小関係を把握することができる。なお、かかる分布状態は、例えば一般的な誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)発光分光分析や蛍光X線分析(XRF:X−ray Fluorescence Spectrometer)等によっても分析することができる。
特に限定することを意図したものではないが、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の概略構成として、扁平に捲回された電極体(捲回電極体)と、非水電解質とを扁平な直方体形状(箱型)の容器に収容した形態の非水電解質二次電池(単電池)を例とし、図2〜4にその概略構成を示す。以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、実際の寸法関係を反映するものではない。
図2は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池100の外形を模式的に示す斜視図である。また図3は、上記図2に示した非水電解質二次電池のIII−III線に沿う断面構造を模式的に示す図である。
図2および図3に示すように、本実施形態に係る非水電解質二次電池100は、捲回電極体80と、ハードケース(外容器)50とを備える。このハードケース50は、上端が開放された扁平な直方体形状(角形)のハードケース本体52と、その開口部を塞ぐ蓋体54とを備える。ハードケース50の上面(すなわち蓋体54)には、捲回電極体80の正極シートと電気的に接続する正極端子70および該電極体の負極シートと電気的に接続する負極端子72が設けられている。また、蓋体54には、従来の非水電解質二次電池のハードケースと同様に、電池ケース内部で発生したガスをケースの外部に排出するための安全弁55が備えられている。
電池ケース50の内部には、長尺状の正極シート10と長尺状の負極シート20が長尺状のセパレータ40Aと40Bとを介して扁平に捲回された形態の電極体(捲回電極体)80が、図示しない非水電解質(典型的には、芳香族化合物とオキサラト錯体化合物とを含む)とともに収容される。また、正極シート10は、その長手方向に沿う一方の端部において、正極合材層14が設けられておらず(あるいは除去されて)、正極集電体12が露出するよう形成されている。同様に、捲回される負極シート20は、その長手方向に沿う一方の端部において、負極合材層24が設けられておらず(あるいは除去されて)、負極集電体22が露出するように形成されている。そして、正極集電体12の該露出端部に正極集電板が、負極集電体22の該露出端部には負極集電板がそれぞれ付設され、上記正極端子70および上記負極端子72とそれぞれ電気的に接続される。
図4は、捲回電極体80を組み立てる前段階における長尺状のシート構造(電極シート)を模式的に示す図である。長尺状の正極集電体12の片面または両面(典型的には両面)に長手方向に沿って正極合材層14が形成された正極シート10と、長尺状の負極集電体22の片面または両面(典型的には両面)に長手方向に沿って負極合材層24が形成された負極シート20とを、長尺状のセパレータ40Aと40Bとともに重ね合わせて長尺方向に捲回し、捲回電極体を作製する。かかる捲回電極体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状の捲回電極体80が得られる。
また、ここに開示される非水電解質二次電池(典型的にはリチウム二次電池)は、芳香族化合物とオキサラト錯体化合物とを添加した効果により、上述の通り電池性能(例えばサイクル特性)に優れたものとなり得ることから、各種用途向けとして好ましく用いることができる。例えば、図6に示すような、車両1に搭載される車両駆動用モータの動力源(駆動用電源)として、ここに開示されるいずれかの非水電解質二次電池100を好適に利用することができる。車両1の種類は特に限定されないが、典型的にはプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等が挙げられる。なお、かかる非水電解質二次電池100は、単独で使用されてもよく、直列および/または並列に複数接続されてなる組電池の形態で使用されてもよい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
[非水電解質二次電池の構築]
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、これら材料の質量比率がNCM:AB:PVdF=93:4:3となるよう混練機に投入し、固形分濃度(NV)が50質量%となるようにN−メチルピロリドン(NMP)で粘度を調製しながら混練し、正極活物質スラリーを調製した。このスラリーを、厚み15μmのアルミニウム箔(正極集電体)に塗布して乾燥後にプレスすることで、正極集電体上に正極合材層を有する正極を作製した。そして、上記正極を凡そ40(mm)×40(mm)に切り出した。
次に、負極活物質としての天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)とカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これら材料の質量比が、C:SBR:CMC=98:1:1となるよう混練機に投入し、固形分濃度(NV)が45質量%となるようにイオン交換水で粘度を調製しながら混練し、負極活物質スラリーを調製した。このスラリーを、厚み10μmの長尺状銅箔(負極集電体)に塗布して乾燥後にプレスすることで、負極集電体上に負極合材層を有する負極を作製した。そして、上記負極を凡そ44(mm)×44(mm)に切り出した。
上記で作製した正極と負極とを、セパレータ(PE製、47(mm)×47(mm)、厚み20μm)を介して対面に配置し、電極体を作製した。該電極体の正極集電体の端部に正極端子を、負極集電体の端部に負極端子を溶接により其々接合した。かかる電極体をラミネートシートに収容し、非水電解質(ここでは、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1mol/Lの濃度で溶解し、さらに表1に示す濃度で芳香族化合物とオキサラト錯体化合物とを含有させた非水電解質を用いた。)を注入した。そして、ラミネートシートを熱融着して、ラミネートシート型の非水電解質二次電池(例1〜7)を構築した。なお、例1および例4については各2セルずつ構築した。
Figure 2013165049
上記構築した例1〜7の電池について、適当な初期充放電処理を行った(ここでは、1Cの定電流にて端子間電圧が4.1Vに到達するまで充電(CC充電)を行った後、5分間休止し、定電圧充電(CV充電)にて1.5時間充電する操作を行った。)。その後、例1および例4の電池を用いてリチウム析出評価試験を行い、負極へのリチウムの析出状態(負極における分布状態)を観察した。また初期充放電処理後の例1〜7の電池を解体して負極を取り出し、該負極の幅方向における中央部と端部の反応抵抗を測定した。
[リチウム析出評価試験]
上記初期充放電処理後のラミネートシート型電池セル(例1および例4)をSOC60%の状態(定格容量の凡そ60%の充電状態)に調整し、リチウムが析出しやすい低温域(ここでは0℃)において、充放電サイクル試験(ここでは、中心電圧を3.75Vとし、所定の電流で10秒間充電を行った後、10分間休止し、同じレートで10秒間放電する操作を1サイクルとし、250サイクル繰り返した。)を行った。
上記セルを解体して負極を取り出し、非水溶媒で数回軽く洗浄して目視にて該負極の表面を確認した。すると、芳香族化合物を添加した例4の負極では負極表面全体にリチウムが負極表面全体に万遍なく析出していたのに対し、芳香族化合物を添加しなかった例1の負極では、中央部(中心部)に近いほど大量のリチウムが析出しており、例4の負極に比べリチウム析出のムラが大きいことが確認された。即ち、例1の負極では、被膜形成剤の含浸が早い(負極の幅方向における)端部に集中的にSEI被膜が形成され、逆に該被膜形成剤の含浸が遅い(負極の幅方向における)中央部の被膜形成が少なかったために、リチウムイオンと負極活物質とが反応して、局所的に析出が生じたものと考えられた。一方、本発明に係る例4の負極では、先ず相対的に分子間力の小さな芳香族化合物が負極表面に付着(被覆)し、その上を相対的に負極活物質に対する分子間力が大きなオキサラト錯体化合物が流動する。このため、例1に比べ表面全体により均一なSEI被膜が形成され、リチウム析出にムラが少なかったものと考えられた。
[反応抵抗の測定]
構築したラミネートシート型電池セル(例1〜7)を解体して負極を取り出し、溶媒で数回軽く洗浄した。かかる負極について、下記の条件で(負極の幅方向における)端部の反応抵抗(R)と中央部の反応抵抗(R)とをそれぞれ測定した。得られたCole−Coleプロット(ナイキスト・プロットともいう。)について、等価回路をフィッティングさせ、端部の反応抵抗(R(Ω))と中央部の反応抵抗(R(Ω))を算出した。そして、かかる抵抗値の差(R−R(Ω))から負極表面に形成された被膜の均一性について検討した。結果を表2および図7に示す。
装置:Solartron社製、「1287型ポテンショ/ガルバノスタット」および「1255B型周波数応答アナライザ(FRA)」
測定周波数:10−2〜10Hz
測定温度:25℃
測定方法:2端子法
解析ソフト:ZPlot/CorrWare
Figure 2013165049
表2に示すように、芳香族化合物を添加しなかった(即ち、オキサラト錯体化合物のみを添加した)例1に比べ、芳香族化合物を添加した例2〜7では電極の端部と中央部における抵抗値の差が小さく抑えられていた。このため、例2〜7の電池では負極表面により均一なSEI被膜が形成されているものと考えられる。かかる結果は、ここで開示される非水電解質二次電池の技術的意義を裏付けるものである。なかでも、負極合材層上における芳香族化合物の量と、オキサラト錯体化合物の量と、の比(M/M)が0.5以上1.1以下の場合(即ち、実施例4〜7)は抵抗の差が最も低く抑えられていた。よって、芳香族化合物の添加量をかかる範囲とすることで、本発明の効果がより好適に発揮され、電池性能を一層向上させ得ることが示された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 自動車(車両)
10 正極シート(正極)
12 正極集電体
14 正極合材層
20 負極シート(負極)
22 負極集電体
24 負極合材層
32 オキサラト錯体化合物
34 芳香族化合物
40A、40B セパレータシート
50 電池ケース
52 ケース本体
54 蓋体
70 正極端子
72 負極端子
80 捲回電極体
100 リチウム二次電池

Claims (12)

  1. 正極と負極とを備えた電極体と、非水電解質と、が電池ケース内に収容された非水電解質二次電池であって、
    前記負極は、負極集電体と、該集電体の表面上に形成された負極活物質を含む負極合材層と、を備えており、
    前記負極合材層上には、芳香族化合物と、オキサラト錯体化合物と、を有しており、
    ここで、前記芳香族化合物と前記オキサラト錯体化合物との分布は、相対的に負極合材層に近い領域で芳香族化合物の分布量が多く、相対的に負極合材層から離れた領域でオキサラト錯体化合物の分布量が多いことを特徴とする、非水電解質二次電池。
  2. 前記負極合材層上における前記芳香族化合物の量(M)と前記オキサラト錯体化合物の量(M)との比(M/M)が0.5以上1.1以下である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記オキサラト錯体化合物は、構成原子として少なくともホウ素原子(B)を含有する、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記オキサラト錯体化合物として、少なくともリチウムビスオキサレートボレートを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記芳香族化合物として、シクロヘキシルベンゼンおよび/またはビフェニルを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記電極体は、
    長尺状の正極集電体上に、所定の幅の正極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の正極と、
    長尺状の負極集電体上に、所定の幅の負極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の負極と、を備え、
    前記長尺状の正極と、前記長尺状の負極とが対向した状態で積層され、長手方向に捲回されてなる捲回電極体である、請求項1から5のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
  7. 正極と負極とを備えた電極体と、非水電解質と、が電池ケース内に収容された非水電解質二次電池に装備される負極であって、
    前記負極は、負極集電体と、該集電体の表面上に形成された負極活物質を含む負極合材層と、を備えており、
    ここで、前記負極合材層上には芳香族化合物とオキサラト錯体化合物とが付与されており、
    前記芳香族化合物と前記オキサラト錯体化合物との分布は、相対的に負極合材層に近い領域で芳香族化合物の分布量が多く、相対的に負極合材層から離れた領域でオキサラト錯体化合物の分布量が多いことを特徴とする、非水電解質二次電池用の負極。
  8. 前記負極合材層上における前記芳香族化合物の量(M)と前記オキサラト錯体化合物の量(M)との比(M/M)が0.5以上1.1以下である、請求項7に記載の負極。
  9. 正極と負極とを備えた電極体と、非水電解質と、が電池ケース内に収容された非水電解質二次電池の製造方法であって、
    正極と負極とを備えた電極体が電池ケース内に収容された組立体を準備すること、
    前記電池ケース内に、芳香族化合物を含む非水電解質を注入すること、
    前記組立体に対して所定の充電電圧まで予備充放電処理を行うこと、
    前記予備充放電処理後の電池ケース内に、オキサラト錯体化合物を添加すること、および、
    前記組立体に対して所定の充電電圧まで充放電処理を行うこと、
    を包含する、非水電解質二次電池の製造方法。
  10. 前記芳香族化合物の添加量を、前記電池ケース内に注入される非水電解質全量に対して、0.01mol/L以上0.1mol/L以下となるよう設定する、請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記負極合材層上における前記芳香族化合物の添加量(M)と前記オキサラト錯体化合物の添加量(M)との比(M/M)が0.5以上1.1以下である、請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 請求項1から6のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池、または請求項7または8に記載の負極を用いて作製した非水電解質二次電池、または請求項9から11のいずれか一項に記載の製造方法により製造された非水電解質二次電池、を駆動用電源として備える車両。
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