JP2013163802A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】転がり抵抗を低く抑えるとともに、タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止し、経時でのタイヤの電気抵抗の上昇も抑制でき、耐久性も改善できる内層サイドウォール及び/又はクッション用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】2種以上のジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積が400m/g以上のカーボンブラックを5〜30質量部含み、JIS K 6812「ポリオレフィン管、継手及びコンパウンドの顔料分散又はカーボン分散の評価方法」に準じて、凝集塊をカウントして求めたカーボンブラックの分散率が90%以上である内層サイドウォール及び/又はクッション用ゴム組成物に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、ウェットグリップ性能を維持しながら、タイヤの転がり抵抗を低減する目的で、特にタイヤのトレッド部にシリカを主成分とする配合を用いることがなされている。また、その様な状況で、更に転がり抵抗を低減するために、ブレーカーやサイドウォール部等他の部材においてもカーボンブラックを補強用充填剤の主成分とする配合から変更し、シリカを補強用充填剤の主成分とする配合を用いることが、検討されはじめている。
しかしながら、タイヤの各部材においてカーボンブラックに代えてシリカを配合した場合、シリカは電気絶縁性が高く、タイヤの電気抵抗を増す傾向があるため、車両に静電気が溜まりやすいという欠点がある。そしてこのような静電気の蓄積により、例えば、ラジオノイズ等が発生し易くなったり、車両の燃料補給時に静電気によるスパークが発生し燃料に引火したりする可能性がある。
特許文献1では、トレッド部、サイドウォール部、ブレーカー部またはプライ部において、体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上で、補強用充填剤中のシリカの含有率が70質量%以上であり、前記タイヤ部材とともに、さらに、導電性ゴム層を有するタイヤが記載されている。しかし、導電層に使用するゴム組成物の混練り方法については、ベース練り工程と仕上げ練り工程とからなる単純なX−F練りの記載があるだけで、カーボンブラックの分散性、経時でのタイヤの電気抵抗の変化、耐久性については詳細に検討されていない。また、導電層に使用するゴム組成物のゴム成分として、スチレンブタジエンゴムのみが使用されているため、耐屈曲亀裂性が悪く、充分な耐久性が得られないという問題もある。
特許文献2では、内部導電層、導電性ゴム、被覆ゴム、通電ゴム及びビード部ゴムの体積固有抵抗を、いずれも1×10Ω・cm未満とする空気入りタイヤが記載されている。しかし、カーボンブラックの分散性、経時でのタイヤの電気抵抗の変化、耐久性については詳細に検討されていない。
特開2007−8269号公報 特開2011−88458号公報
本発明は、前記課題を解決し、転がり抵抗を低く抑えるとともに、タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止し、経時でのタイヤの電気抵抗の上昇も抑制でき、耐久性も改善できる内層サイドウォール及び/又はクッション用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、2種以上のジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積が400m/g以上のカーボンブラックを5〜30質量部含み、JIS K 6812「ポリオレフィン管、継手及びコンパウンドの顔料分散又はカーボン分散の評価方法」に準じて、凝集塊をカウントして求めたカーボンブラックの分散率が90%以上である内層サイドウォール及び/又はクッション用ゴム組成物に関する。
上記ゴム組成物は、上記2種以上のジエン系ゴムのうち、最もSP値の低いジエン系ゴムを含むゴムと、上記カーボンブラックとを混練するベース練り工程1と、ベース練り工程1により得られた混練物と、上記2種以上のジエン系ゴムのうち、最もSP値の高いジエン系ゴムを含むゴムとを混練するベース練り工程2とを含む製法により得られることが好ましい。
上記ゴム組成物は、ベース練り工程2により得られた混練物を再度混練する再練工程を更に含む製法により得られることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した内層サイドウォールゴム及び/又はクッションゴムを有する空気入りタイヤに関する。
上記空気入りタイヤは、トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と、上記トレッド部から上記サイドウォール部を経て上記ビード部に至るカーカスと、上記カーカスのタイヤ半径方向外側にブレーカー部とを備えた空気入りタイヤであって、上記トレッド部、上記ブレーカー部及び上記サイドウォール部にそれぞれ形成されるトレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムの体積固有抵抗は、いずれも1×10Ω・cm以上であり、上記空気入りタイヤは、上記カーカスと上記サイドウォールゴムとの間に配置される内層サイドウォールゴム、該内層サイドウォールゴムと接しブレーカー両端部の下側領域に配置されるクッションゴム、該クッションゴムと接触領域を有してブレーカー部上側を被覆するように配置される被覆ゴム、該被覆ゴムと接触し一部がトレッドの表面に露出するようにトレッド部に埋設される通電ゴム、上記内層サイドウォールゴムと接しビード部のリムフランジに接する領域に配置されるビード部ゴムを備え、上記内層サイドウォールゴム、上記クッションゴム、上記被覆ゴム、上記通電ゴム及び上記ビード部ゴムの体積固有抵抗は、いずれも1×10Ω・cm未満であることが好ましい。
上記空気入りタイヤは、上記内層サイドウォールゴムの厚みが0.2〜1.0mmであることが好ましい。
上記ビード部ゴムがクリンチゴム又はチェーファーゴムであることが好ましい。
上記通電ゴムがタイヤ周方向に連続して形成されることが好ましい。
本発明によれば、2種以上のジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積が400m/g以上のカーボンブラックを5〜30質量部含み、JIS K 6812「ポリオレフィン管、継手及びコンパウンドの顔料分散又はカーボン分散の評価方法」に準じて、凝集塊をカウントして求めたカーボンブラックの分散率が90%以上である内層サイドウォール及び/又はクッション用ゴム組成物であるので、転がり抵抗を低く抑えながらもタイヤ走行時の静電気の蓄積を防止するとともに、経時でのタイヤの電気抵抗の上昇も抑制でき、耐久性(高速耐久性、繰り返し疲労に対する耐久性(耐クラック性能))も改善できる。そのため、低燃費性に優れ、タイヤのライフを通してタイヤ走行時の静電気の蓄積を防止でき、耐久性に優れた空気入りタイヤを提供できる。
なお、本明細書において、単に耐久性と記載した場合には、高速耐久性、繰り返し疲労に対する耐久性(耐クラック性能)の両方を含むこととする。
本発明の空気入りタイヤの断面図の右上半分を示す図である。 タイヤの電気抵抗測定装置を概念的に示す略断面図である。
本発明の内層サイドウォール及び/又はクッション用ゴム組成物(本発明のゴム組成物ともいう)は、2種以上のジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積が400m/g以上のカーボンブラックを5〜30質量部含み、JIS K 6812「ポリオレフィン管、継手及びコンパウンドの顔料分散又はカーボン分散の評価方法」に準じて、凝集塊をカウントして求めたカーボンブラックの分散率が90%以上である。
本発明では、耐久性を確保するために、2種以上のジエン系ゴムを含むゴム組成物とし、更に、導電性に優れた、窒素吸着比表面積が特定値以上のカーボンブラック(高比表面積カーボンブラックともいう)を特定量配合する。更に、このカーボンブラックの分散性について、JIS K 6812に準じて、凝集塊をカウントして求めたカーボンブラックの分散率を特定値以上とすることにより、転がり抵抗を低く維持しつつ、静電気の蓄積を効果的に防止できると共に、タイヤのライフを通して、この静電気の蓄積を効果的に防止でき、さらに、耐久性も改善できる。
従来は、タイヤの静電気の蓄積を防止するための導電性ゴムの設計に関し、如何に少量の高比表面積カーボンブラックで導電させるかという点にのみ着目して検討が行われてきた。そのため、タイヤの使用や経年によりタイヤの電気抵抗が上昇したり、導電性が良好な分散状態(すなわち、ゴム組成物中で高比表面積カーボンブラックが充分分散していない状態)で使用されたりして、高速耐久性や各種の経時耐久性については充分検討されていなかった。また、タイヤの使用や経年によりタイヤの電気抵抗が上昇することについても考慮されていなかった。
本発明は、窒素吸着比表面積が特定値以上のカーボンブラックをゴム組成物中に良好に分散させることが非常に難しいことに鑑み、このカーボンブラックの分散性を向上させることにより、転がり抵抗を低く抑えるとともに、タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止でき、更に、これまで全く着目されてこなかった、経時でのタイヤの電気抵抗の上昇をも抑制でき、タイヤのライフを通してタイヤ走行時の静電気の蓄積を効果的に防止でき、さらに、耐久性も改善できるものである。
(内層サイドウォール及び/又はクッション用ゴム組成物)
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、2種以上のジエン系ゴムを含む。これにより、耐久性を向上できる。本発明で使用できるジエン系ゴムとしては、特に限定されず、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ジエン系合成ゴム(イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)など)等が使用される。なかでも、良好な強度や耐屈曲亀裂成長性、耐クラック性を示すことから耐久性も改善できるという理由、また、タイヤ用で用いられており、コストが比較的安価であるという理由から、NR、ENR、BR、SBRが好ましく、NR、ENR、BRがより好ましく、NRと共に、ENR及び/又はBRを使用することが更に好ましい。
NRと共にBRを使用すると、転がり抵抗をより低く抑えるとともに、カーボンブラックの分散性がより向上し、耐久性がより向上する。また、耐屈曲亀裂成長性、耐クラック性もより改善できる。また、NRと共にENRを使用すると、同じく耐屈曲亀裂成長性、耐クラック性をある程度改善出来るほか、同時に天然由来のものを用いることでより環境に配慮することができる。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
NRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。40質量%未満であると、充分な力学強度を得ることが難しくなる可能性がある。該NRの含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。80質量%を超えると、BRやENR等他のブレンドゴムのブレンド比率が低くなりすぎて、耐屈曲亀裂成長性、耐クラック性に問題が生じる可能性がある。
ENRは、市販のエポキシ化天然ゴムを用いてもよいし、天然ゴムをエポキシ化して用いてもよい。天然ゴムをエポキシ化する方法としては、特に限定されず、クロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法などの方法を用いて行うことができる。例えば、天然ゴムに過酢酸や過ギ酸などの有機過酸を反応させる方法などが挙げられる。
ENRのエポキシ化率は、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましい。ENRのエポキシ化率が5モル%未満であると、エポキシ化による効果が得られず、NR等とブレンドしても耐屈曲亀裂成長性を充分に向上させるのが難しくなる可能性がある。また、ENRのエポキシ化率は、60モル%以下であることが好ましく、40モル%以下であることがより好ましい。ENRのエポキシ化率が、60モル%をこえると、ポリマー成分がゲル化する傾向がある。また、カーボンブラックやシリカを配合した場合に良好な分散が得られにくくなる可能性がある。なお、エポキシ化率は、核磁気共鳴(NMR)分光分析により、算出できる。
ENRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のENRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。20質量%未満であると、NR等とブレンドしても耐屈曲亀裂成長性を充分に向上させるのが難しくなる可能性がある。該ENRの含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。60質量%を超えると、低SP値ポリマーの配合量が相対的に少なくなり、カーボンブラックやシリカを配合した場合に良好な分散が得られにくくなる可能性がある。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、力学強度、耐久性、及び転がり抵抗特性が良好であるという理由から、BRのシス含量は90質量%以上が好ましい。
BRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。20質量%未満であると、耐屈曲亀裂成長性や耐クラック性を充分に改善することが難しくなる可能性がある。該BRの含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。60質量%を超えると、NR等が相対的に少なくなるため、力学強度が低くなる恐れがある。
本発明では、窒素吸着比表面積(NSA)が400m/g以上のカーボンブラック(高比表面積カーボンブラック)が使用される。上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積は400m/g以上であり、500m/g以上が好ましく、700m/g以上がより好ましく、900m/g以上が更に好ましく、1100m/g以上が特に好ましい。400m/g未満では、充分な導電(静電気の蓄積の防止)性や同じ導電性を得るために必要なカーボンブラックを配合した場合の転がり抵抗特性の向上が得られないおそれがある。該NSAは、2000m/g以下が好ましく、1500m/g以下がより好ましく、1350m/g以下が更に好ましい。2000m/gを超えると、分散させるのが困難となり、低燃費性、耐久性が悪化し、また、経時でのタイヤの電気抵抗の上昇も大きくなる傾向がある。この様なカーボンブラックを製造することは難しくなり、不必要にコストが上昇するおそれもある。なお、本発明において、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
上記カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、180ml/100g以上が好ましく、300ml/100g以上がより好ましく、400ml/100g以上が更に好ましく、450ml/100g以上が特に好ましい。これにより、良好な帯電防止(静電気の蓄積の防止)特性と転がり抵抗特性を両立でき、更に、ゴム組成物の粘度の上昇を抑えて、加工性を良好に維持することが出来る。また、カーボンブラックのDBPは、1000ml/100g以下が好ましく、500ml/100g以下がより好ましい。
1000ml/100gを超える様なカーボンブラックは製造することが難しく、コストが高くなってしまうおそれがある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
上記カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上、好ましくは8質量部以上である。5質量部未満では、充分な導電性が得られないおそれがある。該含有量は、30質量部以下、好ましくは25質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。30質量部を超えると、分散性が悪化したり、低燃費性や耐久性が悪化したり、また、経時でのタイヤの電気抵抗の上昇が大きくなったりするおそれがある。
本発明のゴム組成物には、さらに、シリカを含有することが好ましい。シリカとしては、特に制限はなく、湿式法または乾式法により調製されたものを用いることができる。シリカを配合することにより、補強性を確保しながらも転がり抵抗をより低く抑えることができ、内層サイドウォールゴム、クッションゴムに必要な、耐屈曲亀裂成長性、機械的強度等を確保することができる。また、シリカを配合することで、ゴム組成物の耐スコーチ性を改善することもできる。
シリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、例えば50〜300m/g、更に70〜250m/gの範囲内であることが好ましい。なお、本発明において、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される。
シリカを含有する場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2〜55質量部、より好ましくは5〜40質量部、更に好ましくは10〜35質量部、特に好ましくは15〜30質量部である。シリカの含有量が上記範囲内であれば、本発明の効果がより好適に得られる。
シリカを含有する場合、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。なかでも、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドがより好ましい。なお、シランカップリング剤の配合量は、シリカ100質量部に対して、5〜15質量部が好ましい。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、クレーなどの補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加工助剤、各種老化防止剤、軟化剤、可塑剤、粘着付与剤、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
加硫剤としては、有機過酸化物又は硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンを好適に使用できる。また、硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用でき、硫黄を好適に使用できる。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系又はアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤などが挙げられる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、10Vで測定した体積固有抵抗が1×10Ω・cm未満、より好ましくは1×10Ω・cm以下、更に好ましくは1×106.5Ω・cm以下、特に好ましくは1×10Ω・cm以下である。また、好ましくは1×10Ω・cm以上、より好ましくは1×10Ω・cm以上である。体積固有抵抗が上記範囲内であれば、本発明の効果がより好適に得られる。なお、本発明において、体積固有抵抗は、実施例に記載の方法により測定できる。また、以下、本発明において、単に体積固有抵抗と記載した場合には、10Vで測定した体積固有抵抗を意味することとする。
本発明のゴム組成物は、JIS K 6812「ポリオレフィン管、継手及びコンパウンドの顔料分散又はカーボン分散の評価方法」に準じて、凝集塊をカウントして求めたカーボンブラックの分散率が90%以上、好ましくは92%以上、より好ましくは95%以上である。90%未満であると、カーボンブラックの分散性が低く、低燃費性、耐久性が悪化し、また、経時でのタイヤの電気抵抗の上昇も大きくなる傾向がある。なお、カーボンブラックの分散率は、実施例に記載の方法により測定できる。
高比表面積カーボンブラックは分散性が非常に悪いため、通常、高比表面積カーボンブラックを配合すると、カーボンブラックの分散率は90%未満となり、低燃費性、耐久性が悪化し、また、経時でのタイヤの電気抵抗の上昇も大きくなる傾向がある。
高比表面積カーボンブラックを配合した場合に、上記カーボンブラックの分散率を特定値以上とする方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
一般的にカーボンブラックのSP値は、9.6〜10.5であると言われており、タイヤ用に使用されるジエン系ゴムのSP値よりも高い。従って、よりSP値の低いジエン系ゴムを先に高比表面積カーボンブラックと混練しないと、SP値の高いジエン系ゴムにカーボンブラックが偏在し、カーボンブラックの分散性が大幅に悪化する。そのため、本発明のゴム組成物は、2種以上のジエン系ゴムを配合するが、まず、SP値の低いジエン系ゴムを含むゴムと高比表面積カーボンブラックとを混練し、ある程度、SP値の低いジエン系ゴムを含むゴムに高比表面積カーボンブラックを分散させた後、SP値の高いジエン系ゴムを含むゴムを添加して混練する製法により得られることが好ましい。これにより、上記カーボンブラックの分散率を特定値以上にできる。
具体的には、上記2種以上のジエン系ゴムのうち、最もSP値の低いジエン系ゴムを含むゴムと、高比表面積カーボンブラックとを混練するベース練り工程1と、ベース練り工程1により得られた混練物と、上記2種以上のジエン系ゴムのうち、最もSP値の高いジエン系ゴムを含むゴムとを混練するベース練り工程2とを含む製法により得られることが好ましい。例えば、ジエン系ゴムとして、NRと、BR及び/又はENRとを配合する場合、NRを含むゴムと、高比表面積カーボンブラックとをベース練り工程1で混練し、ベース練り工程1により得られた混練物と、BR及び/又はENRを含むゴムとをベース練り工程2で混練すればよい。
ベース練り工程2終了後、ベース練り工程2により得られた混練物に、加硫剤や加硫促進剤を添加して混練する仕上げ練り工程を行う。このようにして、上記カーボンブラックの分散率が特定値以上のゴム組成物が得られる。
なお、仕上げ練り工程に移る前に、ベース練り工程2により得られた混練物を、再度混練する再練工程を更に含む製法により得られることがより好ましい。再練工程を行うことにより、カーボンブラックの分散性をより向上でき、低燃費性、耐久性を更に改善でき、また、経時でのタイヤの電気抵抗の上昇も好適に抑制できる。
ゴム組成物中において、SP値が最も高いジエン系ゴム相へのカーボンブラックの分散比率(SPM法)は、1以上が好ましい。また、該分散比率は、5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下が更に好ましく、1.5以下が特に好ましい。分散比率が上記範囲内であると、2種以上のジエン系ゴムを含むゴム組成物中において、良好にカーボンブラックを分散できていることを示す。なお、分散比率は、実施例に記載の方法により測定できる。
ゴム組成物中において、SP値が最も高いジエン系ゴム相へのカーボンブラックの分散比率(体積%、NMR法)は、40以上が好ましく、42以上がより好ましい。また、該分散比率は、80以下が好ましく、65以下がより好ましく、57以下が更に好ましい。分散比率が上記範囲内であると、2種以上のジエン系ゴムを含むゴム組成物中において、良好にカーボンブラックを分散できていることを示す。なお、分散比率は、実施例に記載の方法により測定できる。
上記カーボンブラックの分散率を特定値以上とする方法としては、上記方法に限定されず、上記方法以外にも、例えば、予め高比表面積カーボンブラックをマスターバッチ(特に、ウェットマスターバッチ)化して使用する方法、カーボンブラックの分散性が特定値以上となるまで繰り返し混練する方法等が挙げられる。
(空気入りタイヤ)
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階で内層サイドウォールゴム及び/又はクッションゴムなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等として用いられる。なお、本明細書における高性能タイヤとは、グリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
以下において、本発明の空気入りタイヤの一例について、図面を用いて説明する。
<基本構造>
本発明の空気入りタイヤの構造は、例えば、図1のタイヤ断面の右上半分に例示されるものである。タイヤ1は、トレッド部を構成するトレッドゴム7と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部を構成するサイドウォールゴム8と、各サイドウォール部の内方端に位置するクリンチ部を構成するクリンチゴム3及びリム上部に位置するチェーファー部を構成するチェーファーゴム2とを備える。またクリンチ部、チェーファー部間にはカーカス10が架け渡されるとともに、このカーカス10のタイヤ半径方向外側にブレーカー部を構成するブレーカーゴム9が配される。該カーカス10は、カーカスコードを配列する1枚以上のカーカスプライから形成され、このカーカスプライは、トレッド部からサイドウォール部を経て、ビードコア13と、該ビードコア13の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス11との廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返され、折返し部によって係止される。ブレーカー部は、ブレーカーコードを配列した2枚以上のブレーカープライからなり、各ブレーカーコードがブレーカープライ間で交差するよう向きを違えて重置している。本発明の空気入りタイヤにおいては、これに限られないが、例えば、トレッド部(トレッドゴム、ベーストレッド)とブレーカー部との間に、ブレーカー部の上側を被覆する被覆ゴム(アンダートレッド)5が設けられる。該被覆ゴム5と接触領域を有して、カーカスプライとブレーカー部の両端部及びサイドウォール部との間にクッションゴム4が配置される。そして前記被覆ゴム5に接し一部が接地面に露出するようにトレッドゴム7中に通電ゴム6が配置される。また、前記クッションゴム4と接触領域を有して、カーカス10とサイドウォールゴム8との間に、少なくともクッションゴム4からクリンチゴム3又はチェーファーゴム2に接する位置に亘る内層サイドウォールゴム14が配置される。空気入りタイヤ1では、通電ゴム6と被覆ゴム5とクッションゴム4と内層サイドウォールゴム14とクリンチゴム3又はチェーファーゴム2とが電気的に接続する構造となっている。
上記構造を採用することでタイヤ走行時にリムとの接触領域に位置するビード部ゴム、又は接地領域に発生する静電気はタイヤ内部における電気的に接続された導電性のゴム部材を通ってタイヤの外部に放出される。従って、トレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴムにシリカを使用してもタイヤの電気抵抗を低くできる。
<トレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴム>
タイヤを構成するトレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴムの体積固有抵抗は、いずれも1×10Ω・cm以上に設定される。従来、ゴム補強剤(充填剤)としてカーボンブラックが用いられていたが、これをシリカに置き換えることで転がり抵抗を軽減できる。更にシリカは石油等化石燃料由来の材料でないことから、一般に石油または石炭由来の材料であるカーボンブラックに比べ環境問題の観点からも好適に採用される。しかし、シリカを用いる場合、体積固有抵抗が大きくなる傾向にある。本発明ではシリカ配合を基本とすることでタイヤの転がり抵抗の軽減及びゴムの加工性等の基本特性を維持しつつ、前述の電気的に接続された構造によりゴム組成物の体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上という高い電気抵抗の問題点を改善できる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムのそれぞれに含有される充填剤のうち50質量%以上がシリカであることが好ましい。充填剤のうち50質量%以上をシリカが占める場合、タイヤの転がり抵抗の低減効果が良好である。充填剤のうちシリカが占める割合は、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。上記充填剤のすべてがシリカであっても良いが、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムのそれぞれの導電性や機械的強度を調整する目的で他の充填剤が併用してもよい。
シリカは、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムのそれぞれにおけるゴム成分100質量部に対して、例えば、5〜100質量部配合できる。5質量部以上である場合、タイヤの転がり抵抗を低減でき、100質量部以下である場合、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムの製造時における未加硫ゴム組成物の粘度上昇による加工性の低下やコストの過度な上昇を良好に防止できる。
シリカとしては本発明のゴム組成物に使用されるものと同様のものを使用できる。
トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムに使用されるシリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、例えば100〜300m/g、更に150〜250m/gの範囲内であることが好ましい。100m/g以上である場合、補強効果が十分得られることによりタイヤの耐摩耗性が良好に向上する。一方、300m/g以下である場合、それぞれのゴムの製造時の加工性が良好であり、タイヤの操縦安定性も良好に確保される。
<被覆ゴム>
本発明における被覆ゴム5は、上記クッションゴム4と上記通電ゴム6とに接し、ブレーカー部上部を被覆するように設けられる体積固有抵抗が1×10Ω・cm未満に設定されたゴムからなる。前記体積固有抵抗が1×10Ω・cm未満であればタイヤの導電性の向上効果が所望の程度得られる。また、該体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm以下であり、より好ましくは1×10Ω・cm以下、更に好ましくは1×105.5Ω・cm以下に設定され、また、好ましくは1×10Ω・cm以上、より好ましくは1×10Ω・cm以上に設定される。
上記被覆ゴム5の厚みは0.2mm以上であればタイヤ導電性の向上効果が所望の程度得られ、3.0mm以下であればタイヤの転がり抵抗を大きく悪化させることがない。クッションゴムの厚みは、0.5〜2.0mm、特に0.9〜1.5mmの範囲が好ましい。上記被覆ゴム5は、クッションゴムと通電ゴムと接する部分を有していればよく、トレッド部とブレーカー部の間全面にわたり設けたり、前記通電ゴムが配された位置まで、又はそれを超える範囲で部分的に設けたりすることができる。
また、被覆ゴムとクッションゴム及び通電ゴムとの接する部分について、上記クッションゴムとはタイヤ周方向に帯状の5mm以上の幅で接触している部分があることが好ましく、10mm以上接触していることがより好ましい。クッションゴムと被覆ゴムとを上記の条件で接触させることにより、タイヤの導電性効果が十分に得られる。上記通電ゴムとの接触は、通電ゴムのタイヤ幅方向及び/又は周方向の全面が接していることが好ましい。
本発明において、前記被覆ゴムは、ゴム成分100質量部に対してカーボンブラックを5〜80質量部含有することが好ましく、10〜60質量部含有することがより好ましく、20〜50質量部含有することが更に好ましい。5質量部以上のカーボンブラックが配合される場合、被覆ゴムの導電性を高く出来る。
被覆ゴムに使用されるカーボンブラックの窒素吸着比表面積は、70〜2000m/gであることが好ましい。これにより、被覆ゴムの機械的強度が良好であり、製造時の加工性を確保する点でも好ましい。該窒素吸着比表面積は、100m/g〜1500m/gがより好ましい。また、カーボンブラックは、石油外資源である木タールカーボンブラック等も好適に採用されうる。更には、被覆ゴムに本発明で用いる高比表面積カーボンブラックを単独または他のカーボンブラックと併用して用いても良い。
被覆ゴムは、充填剤として、カーボンブラック以外にシリカを含有しても良い。
被覆ゴムにおいて、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5〜60質量部であることが好ましく、20〜40質量部であることがより好ましい。5質量部以上である場合、タイヤの転がり抵抗を低減でき、また、60質量部を超えると、転がり抵抗や加工性が悪化する可能性がある。
被覆ゴムに使用されるシリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、例えば、80〜250m/gの範囲内が好ましい。80m/g以上である場合、補強効果が十分得られることによりタイヤの耐久性が良好に向上する。
<クッションゴム>
本発明におけるクッションゴム4は、後述のカーカス10を構成するカーカスプライとブレーカー部のエッジ部分及びサイドウォール部との間、かつ、ブレーカー両端部の下側領域に、内層サイドウォールゴム14と接触領域を有して設けられる体積固有抵抗が1×10Ω・cm未満に設定されたゴムからなる。前記体積固有値が1×10Ω・cm未満であれば、タイヤの導電性の向上効果が得られる。クッションゴム4の体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm以下、より好ましくは1×106.5Ω・cm以下、更に好ましくは1×10Ω・cm以下に設定され、また、好ましくは1×10Ω・cm以上、より好ましくは1×10Ω・cm以上に設定される。
クッションゴムは上述のようにカーカスを構成するカーカスプライとブレーカー部のエッジ部分及びサイドウォールとの間にタイヤ周方向に連続又は不連続に形成されていればよく、その厚さ、形状などは特に制限はない。
前記クッションゴム4は、上述の本発明のクッション用ゴム組成物を用いて作製されることが好ましい。
<通電ゴム>
本発明において、通電ゴムはトレッド部に埋設されその一部はタイヤ接地面に露出し、他の一部は被覆ゴムと連結(接触)しており、空気入りタイヤの走行時に発生した静電気を接地面に効果的に放出する。図1において通電ゴム6は、トレッド部の中央部に1箇所埋設された構造として示されているが、複数個の通電ゴムを埋設することもできる。そしてタイヤ幅方向の通電ゴムの幅は、例えば、0.2〜10mm、好ましくは0.9〜1.5mmである。0.2mm未満の場合は通電効果は少なく、一方、10mmを超えるとトレッド部における通電ゴムの接地領域が相対的に増加し、接地特性を損なったり、転がり抵抗特性や耐摩耗性が損なわれたりするおそれがある。また、通電ゴムはタイヤ周方向に連続層として形成することが好ましいが、タイヤ周方向に断続的に形成することもできる。
通電ゴムの体積固有抵抗は、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムよりも低く設定され、1×10Ω・cm未満である。前記体積固有抵抗が1×10Ω・cm未満の場合、タイヤの導電性が改善され静電気の放出効果が得られる。該通電ゴムの体積固有抵抗は、より好ましくは1×10Ω・cm以下、更に好ましくは1×10Ω・cm以下、特に好ましくは1×105.5Ω・cm以下である。該通電ゴムの体積固有抵抗の下限は特に限定されない。
通電ゴムも、前記クッションゴムと実質的に同様の配合を採用することもでき、上記と同様のカーボンブラックやシリカを配合してもよい。また、接地特性を改善する観点からトレッドゴムの配合に基づき導電性を付与する配合設計を採用することも可能である。
<内層サイドウォールゴム>
本発明における内層サイドウォールゴム14は、クッションゴム4と接触領域を有して、カーカス10とサイドウォールゴム8との間に、少なくともクッションゴム4からクリンチゴム3又はチェーファーゴム2に接する位置に亘って配置され、例えば、該内層サイドウォールゴム14の上端部でクッションゴム4、下端部でクリンチゴム3又はチェーファーゴム2と電気的に接続する構造となっている。内層サイドウォールゴム14の体積固有抵抗は1×10Ω・cm未満に設定されている。前記体積固有値が1×10Ω・cm未満であればタイヤの導電性の向上効果が得られる。該内層サイドウォールゴム14の体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm以下、より好ましくは1×106.5Ω・cm以下、更に好ましくは1×10Ω・cm以下、特に好ましくは1×105.5Ω・cm以下に設定される。導電性成分を多量に配合されたゴム組成物を採用すると電気抵抗が小さくなるが、一方ではタイヤがリムに接する領域における電気化学反応が促進されリムが錆び易くなる。これを回避するためには、該クッションゴムの体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm以上、より好ましくは1×10Ω・cm以上に設定される。
上記内層サイドウォールゴム14の厚みは0.2mm以上であればタイヤ導電性の向上効果が所望の程度得られ、1.0mm以下であればタイヤの転がり抵抗を大きく悪化させることがない。クッションゴムの厚みは、特に0.5〜1.0mmの範囲が好ましい。上記内層サイドウォールゴム14は、カーカス10とサイドウォールゴム8との間に配置され(例えば、カーカス10の外側、サイドウォールゴム8の内側にそれぞれ隣接して配置され)、クッションゴムとビード部ゴムと接する部分を有していればよい。内層サイドウォールゴム14は、その一部がカーカスとブレーカーの間に配置され、タイヤ周方向に連続又は不連続に形成されても良い。
また、内層サイドウォールゴムとクッションゴム及びビード部ゴムとの接する部分について、上記クッションゴムとはタイヤ周方向に帯状の5mm以上の幅で接触している部分があることが好ましく、10mm以上接触していることがより好ましい。内層サイドウォールゴムとクッションゴムとを上記の条件で接触させることにより、タイヤの導電性効果が十分に得られる。上記ビード部ゴムとの接触は、カーカス形状に沿って5mm以上の幅で接触している部分があることが好ましく、10mm以上接触していることがより好ましい。
前記内層サイドウォールゴムは、上述の本発明の内層サイドウォール用ゴム組成物を用いて作製されることが好ましい。
本発明では、図1で示されるような電気的な接続経路により静電気を効果的に放出できるとともに、上記配合の内層サイドウォールゴム用ゴム組成物を使用することで耐クラック性能も改善できる。そのため、プライ巻上げ部を起点としてのクラックの発生を防止でき、サイドウォール表面、インナーライナー表面のクラックの発生も防止できる。
<ビード部ゴム>
本発明で、ビード部のリムフランジに接する領域に配置されるビード部ゴムはクリンチゴム、チェーファー及びゴムチェファーを含む概念である。タイヤが走行する際にビード部ゴムを介してリムから駆動力が伝達されるが、この際にリムとビード部ゴムとの摩擦で静電気が発生しやすい。ビード部ゴムは前記内層サイドウォールゴムと接触領域を有するので、静電気は該内層サイドウォールゴムを通って接地面に有効に放出される。図1においてクリンチゴム、チェーファー又はゴムチェファーは、前記内層サイドウォールゴム14と電気的に接続している。
ここでビード部ゴムの体積固有抵抗は1×10Ω・cm未満である。体積固有抵抗が1×10Ω・cm未満にすることでタイヤの良好な導電性が得られる。該ビード部ゴムの体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm以下、より好ましくは1×106.5Ω・cm以下、更に好ましくは1×10Ω・cm以下、特に好ましくは1×105.5Ω・cm以下である。該ビード部ゴムの体積固有抵抗の下限は特に限定されない。ビード部ゴム、即ち、クリンチゴム、チェーファー、ゴムチェファーは、耐摩耗性、剛性及び硬度が要求されるので、このような配合設計に加え、前記クッションゴム及び通電ゴムの配合手法で電気抵抗を調整することができる。また、上述の本発明の内層サイドウォール及び/又はクッション用ゴム組成物と同様の、2種以上のジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、上記高比表面積カーボンブラック5〜30質量部を含み、JIS K 6812「ポリオレフィン管、継手及びコンパウンドの顔料分散又はカーボン分散の評価方法」に準じて、凝集塊をカウントして求めたカーボンブラックの分散率が90%以上であるゴム組成物を用いて作製されることが好ましい。
<カーカス>
本発明におけるトレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至るカーカス10は、カーカスコードを配列する1枚以上のカーカスプライから構成される。該カーカスプライは、カーカスコードを平行に引き揃えてゴム中に埋設した構成である。上記カーカスコードを構成する繊維材料としては、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、アラミドなどを例示することができ、これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。環境に配慮する目的で、天然資源材料であることからレーヨンを用いても良い。この場合、カーカスコードを構成する繊維材料に対してレーヨンを90質量%以上配合することが好ましい。
プライゴムの体積固有抵抗は特に限定されないが、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムと同様に設定できる。また、プライゴムの体積固有抵抗を1×10Ω・cm未満に設定することもでき、これにより、隣接する内層サイドウォールゴムと相俟って、タイヤの導電性が改善され静電気の放出効果が得られる。この場合、該プライゴムの体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm以下、より好ましくは1×10Ω・cm以下、更に好ましくは1×105.5Ω・cm以下に設定できる。該プライゴムの体積固有抵抗の下限は特に限定されない。
本発明におけるプライゴムは、被覆ゴムと実質的に同様の配合を採用でき、上記と同様のカーボンブラックやシリカを配合してもよい。また、カーカスコードとの接着性を改善する観点から従来のプライゴムの基本配合に基づき、カーボンブラックなどを配合することで導電性を付与することも可能である。
本発明では、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムの体積固有抵抗を、1×10Ω・cm以上として、転がり抵抗や耐久性等のタイヤ性能を維持しながら、前記内層サイドウォールゴムと、これに電気的に接続されたクッションゴム、被覆ゴム、通電ゴム及びビード部ゴムの体積固有抵抗をより低く調整している。従って、空気入りタイヤに発生した静電気をこれらにより形成される電気的な接続通路を介して効果的に放出することができる。
更に、内層サイドウォールゴム及び/又はクッションゴムが、本発明のゴム組成物を用いて作製されているため、転がり抵抗を低く抑えるとともに、タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止でき、更に、経時でのタイヤの電気抵抗の上昇をも抑制でき、タイヤのライフを通してタイヤ走行時の静電気の蓄積を効果的に防止でき、さらに、耐久性も改善できる。また、ビード部ゴム(より好ましくはクリンチゴム及び/又はチェーファーゴム)も本発明のゴム組成物を用いて作製されている場合、本発明の効果がより好適に得られる。
<被覆ゴム、通電ゴム、チェーファーゴム、クリンチゴム、トレッドゴム、ブレーカーゴム、及びサイドウォールゴムのゴム配合>
本発明の空気入りタイヤにおける被覆ゴム、通電ゴム、チェーファーゴム、クリンチゴム、トレッドゴム、ブレーカーゴム、及びサイドウォールゴムは、例えば以下のゴム組成物から構成される。
これらのゴム組成物に使用されるゴム成分としては、例えば、本発明のゴム組成物で列挙したものが挙げられる。被覆ゴム、クッションゴム、通電ゴム、チェーファーゴム及びクリンチゴムに用いられるゴム成分としてはジエン系ゴムが好ましく、なかでも、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム等が好ましい。
上記ゴム組成物には、タイヤゴム配合において一般的に採用される以下の配合剤を適宜配合することができる。
本発明では、前述のように、トレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴムにシリカを配合することが好ましい。ゴム組成物にシリカを配合する場合には、シランカップリング剤を、例えばシリカ100質量部に対して1〜20質量部配合することが好ましい。1質量部以上配合することでタイヤの耐摩耗性が向上し転がり抵抗の低減が達成できる。一方、20質量部以下の場合、ゴムの混練、押出工程での焼け(スコーチ)が生じる危険性や不必要にコストが上昇するおそれが少ない。シランカップリング剤としては、例えば、上記と同様のものが挙げられる。
ゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、クレーなどの補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加工助剤、各種老化防止剤、軟化剤、可塑剤、粘着付与剤、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
<材料>
NR(天然ゴム):RSS#3(SP値7.9)
BR(ブタジエンゴム):宇部興産(株)製のBR150B(シス含量:95質量%)(SP値8.4)
ENR25(エポキシ化天然ゴム):クンプーランガスリー社(Kumpulan Guthrie Berhad)(マレーシア)製のENR25(エポキシ化率25モル%のエポキシ化天然ゴム)(SP値9)
シリカ:デグッサ社製のウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
カーボンブラック1:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330(NSA:75m/g、DBP:102ml/100g)
カーボンブラック2:ケッチェンブラックインターナショナル(株)製のケッチェンブラックEC600JD(NSA:1270m/g、DBP:495ml/100g)
カーボンブラック3:デグッサ社製のPRINTEX XE2B(NSA:1000m/g、DBP:420ml/100g)
カーボンブラック4:ケッチェンブラックインターナショナル(株)製のケッチェンブラックEC300J(NSA:800m/g、DBP:360ml/100g)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
石油系レジン:(株)日本触媒製のSP1068レジン
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「桐」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルファンアミド)
SBR1502:住友化学工業(株)製のSBR1502
SBR1500:住友化学工業(株)製のSBR1500
カーボンブラックN220:三菱化学(株)製のダイアブラックI(NSA:114m/g)
ステアリン酸コバルト:日鉱金属(株)製のCOST−S
不溶性硫黄:三新化学(株)のサンフェルEX
<内層サイドウォールゴム、クッションゴムの調製>
(実施例及び比較例8)
表1に示す配合成分のうち工程1に示す成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて排出温度が150℃になるように4分間混練した(ベース練り工程1)。次に、ベース練り工程1により得られた混練物と、工程2に示す成分とを、密閉式バンバリーミキサーを用いて排出温度が150℃になるように3分間混練した(ベース練り工程2)。更に、実施例3〜6、比較例8については、ベース練り工程2により得られた混練物を、密閉式バンバリーミキサーを用いて排出温度が140℃になるように3分間混練した(再練工程)。次に、ベース練り工程2により得られた混練物又は再練工程により得られた混練物に、硫黄及び加硫促進剤を加えて排出温度が100℃になるように3分間更に練り込み、従来法により押出し工程、カレンダー工程を経て、内層サイドウォールゴム組成物、クッションゴム組成物を調製した。
(比較例1〜7)
表1に示す配合成分のうち硫黄及び加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて排出温度が150℃になるように4分間混練した後、硫黄及び加硫促進剤を加えて排出温度が100℃になるように3分間更に練り込み、従来法により押出し工程、カレンダー工程を経て、内層サイドウォールゴム組成物、クッションゴム組成物を調製した。
<被覆ゴム、通電ゴムの調製>
表2、3に示す配合成分のうち硫黄及び加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて排出温度が150℃になるように4分間混練した後、硫黄及び加硫促進剤を加えて排出温度が100℃になるように3分間更に練り込み、従来法により押出し工程、カレンダー工程を経て、被覆ゴム組成物(アンダートレッドゴム組成物)、通電ゴム組成物を調製した。
<トレッドゴム、サイドウォールゴム、ブレーカーゴムの調製>
表4〜6に示す配合成分のうち硫黄及び加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて排出温度が150℃になるように4分間混練した後、硫黄及び加硫促進剤を加えて排出温度が100℃になるように3分間更に練り込み、従来法により押出し工程、カレンダー工程を経て、トレッドゴム組成物、サイドウォールゴム組成物、ブレーカーゴム組成物を調製した。
<クリンチゴム、チェーファーゴムの調製>
表7に示す配合成分のうち工程1に示す成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて排出温度が150℃となるように4分間混練した(ベース練り工程1)。次に、ベース練り工程1により得られた混練物と、工程2に示す成分とを、密閉式バンバリーミキサーを用いて排出温度が150℃となるように3分間混練した(ベース練り工程2)。更に、ベース練り工程2により得られた混練物を、密閉式バンバリーミキサーを用いて排出温度が140℃となるように3分間混練した(再練工程)。次に、再練工程により得られた混練物に、硫黄及び加硫促進剤を加えて排出温度が100℃となるように3分間更に練り込み、従来法により押出し工程、カレンダー工程を経て、クリンチゴム組成物、チェーファーゴム組成物を調製した。
<試験用加硫ゴムスラブの調製>
表1〜7の各ゴム組成物を160℃で20分間加硫することにより加硫ゴムスラブシート(2mm×130mm×130mm)を作製した。この加硫ゴムスラブシートを使用して以下の評価を行った。結果を表1〜7に示す。
<ゴム組成物の体積固有抵抗>
上記加硫ゴムスラブシート(表1〜7の各ゴム組成物)を用いて厚さ2mm、15cm×15cmの試験片を作成し、ADVANTEST社製の電気抵抗測定R8340Aを用いて電圧10V、気温23℃、湿度55%の条件でゴム組成物の体積固有抵抗を測定した。その結果の常用対数を表1〜7に示す。値が大きいほどゴム組成物の体積固有抵抗が高く、導電性が悪いことを示す。
<カーボンブラックの分散率>
上記加硫ゴムスラブシート(表1、7の各ゴム組成物)から測定用試験片を切り出し、JIS K 6812「ポリオレフィン管、継手及びコンパウンドの顔料分散又はカーボン分散の評価方法」に準じて、加硫ゴム組成物中のカーボンブラックの凝集塊をカウントして、カーボンブラックの分散率(%)をそれぞれ算出した。分散率が大きいほどカーボンブラックの分散性に優れることを示す。
<SP値が高いポリマー相へのカーボン分散比率(SPM法)>
上記加硫ゴムスラブシート(表1の各ゴム組成物)から測定用試験片を切り出し、SPM(走査型プローブ顕微鏡)にて、各ポリマー相中に分散したカーボンブラックの分散体積比率を画像解析により検出し、下記式に基づき、SP値が最も高いポリマー相中へのカーボンブラックの分散比率を算出した。この数値が小さいほどカーボンブラックが全体に均一に分散していることを示す。
(SP値が最も高いポリマー相へのカーボンブラックの分散比率)
=(SP値が最も高いポリマー相中でのカーボンブラックの分散体積比率)/(SP値が最も高いポリマー相を除くすべての相でのカーボンブラックの平均分散体積比率)
<SP値が高いポリマー相へのカーボン分散比率(体積%、NMR法)>
上記方法の他に、NMRでも下記方法で各ポリマー相中に分散したカーボンブラックの分散体積比率を測定した。
具体的には下記の様にして、13C−NMR DD/MAS法で測定したスペクトルの線幅から、各ゴム相中に分散したカーボンブラック含有量をゴム相毎に定量した。
実施例、比較例において使用している各ポリマー単独(NR、BR、ENR25)に、本発明で使用しているカーボンブラックを、添加量を変量配合してサンプルを作製した。すなわち、ゴム成分としてNRを100質量%使用し、本発明で使用しているカーボンブラックを、添加量を変量配合して複数のサンプルを作製した。同様に、BR、ENR25を100質量%使用したサンプルについてもそれぞれ複数調製した。
そして、かかるサンプルを用いて、13C−NMRで測定した各ポリマー単独でのピークの線幅と、カーボンブラック量の相関を解析した。
例えば、異なるカーボンブラック配合量(0〜70phr)における加硫NRゴムのDD/MAS13C−NMRのスペクトルにおいて、観測される下記5本のピークの帰属は、次の通りである。
NR(C1) −−C(CH)=CH−CH− ;33ppm
NR(C2) −CH(CH)=CH−CH− ;135ppm
NR(C3) −CH−C(CH)=H−CH− ;126ppm
NR(C4) −CH−C(CH)=CH−− ;27ppm
NR(C5) −CH−C()=CH−CH− ;24ppm
カーボンブラック量の増加に伴い、ピークの線幅がある相関性を持って増加することが本発明者等の検討でわかり、これを用いて、ピーク線幅とカーボンブラック量との相関曲線を作成した。(5本のピークとも同様の相関が見られた。)
固体13C−NMR 測定条件は下記の通りである。
装置:Bruker Avance 400
13C共鳴周波数:100.6MHz
MAS回転速度:5kHz(±1Hz)
測定モード:DD/MAS
測定温度:25℃
試料量:ジルコニアローターの1/4容量
同様の手法を用いて、BR、ENR25についても、ピーク線幅とカーボンブラック量との相関曲線を作成した。そして、実施例及び比較例の各加硫ゴムスラブシートについて、固体13C−NMRを用いて測定を行い、上記相関曲線を使用して、各ポリマー相に分配されたカーボンブラックの比率を計算した。
本方法によれば、より正確な定量が可能である。
<転がり抵抗試験>
上記加硫ゴムスラブシート(表1の各ゴム組成物)から測定用試験片を切り出し、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、各試験用ゴム組成物のtanδを測定し、比較例3の転がり抵抗指数を100として、下記計算式により、転がり抵抗特性をそれぞれ指数表示した。指数が小さいほど転がり抵抗が低く、優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(各配合のtanδ/比較例3のtanδ)×100
<空気入りタイヤの調製>
表1に示す各配合で調製したゴム組成物を内層サイドウォールゴム、クッションゴムに適用し、表2〜7のゴム配合で調製したゴム組成物をトレッドゴム、サイドウォールゴム、ブレーカーゴム、クリンチゴム、チェーファーゴム、被覆ゴム及び通電ゴムに適用し、常法にて加硫成形し、図1に示す構造を有するサイズ195/65R15の空気入りタイヤ(試験用タイヤ)を作製した。
ここで、試験用タイヤの基本構造は次のとおりである。
<カーカスプライ>
コード角度:タイヤ周方向に90度
コード材料:ポリエステル 1670dtex/2
<ブレーカー>
コード角度:タイヤ周方向に24度×24度
コード材料:スチールコード(2+2×0.25)
なお、内層サイドウォールゴムの厚みは0.5mm、被覆ゴムの厚みは1mm、クッションゴムの厚みは1mmであり、通電ゴムの幅は3mmでタイヤ周方向に連続した構造のものを採用した。
また、被覆ゴムとクッションゴムの接触はタイヤ周方向に帯状で5mmの幅、被覆ゴムと通電ゴムの接触は通電ゴムのタイヤ幅方向の全面、内層サイドウォールゴムとクッションゴムの接触はタイヤ周方向に帯状で5mmの幅、内層サイドウォールゴムとクリンチゴムの接触はカーカス形状に沿って5mm以上の幅の構造のものを採用した。
この試験用タイヤを使用して以下の評価を行った。結果を表1に示す。
<タイヤの高速耐久試験>
上記で作成した試験用タイヤの高速耐久試験を実施し、損傷する走行速度(km/h)で耐久性を判断した。タイヤを用いて、(1)200km/h−10分間、(2)210km/h−10分間、(3)220km/h−10分間と順に走行速度を上げて高速耐久試験を実施し、損傷する走行速度(km/h)を確認した。つまり、より速い速度(km/h)領域まで走行できるタイヤが高速耐久性に優れていることを示す。
<タイヤの電気抵抗>
図2に示されるように、絶縁板50(電気抵抗値が1012Ω以上)の上に設置された表面が研磨された金属板51(電気抵抗値は10Ω以下)と、タイヤ・リム組立体を保持する導電性のタイヤ取付軸52と、電気抵抗測定器53とを含む測定装置を使用し、JATMA規定に準拠してタイヤとリムの組立体の電気抵抗値を測定した。なお各試験用タイヤは、予め表面の離型剤や汚れが十分に除去されており、かつ、十分に乾燥した状態のものを用いた。また他の条件は、次の通りである。
リム:アルミニウム合金製 15×6JJ
内圧:200kPa
荷重:5.3kN
試験環境温度(試験室温度):25℃
湿度:50%
電気抵抗測定器の測定範囲:10 〜1.6×1016Ω
試験電圧(印可電圧):1000V
試験の要領は、次の通りである。
(1)試験用タイヤをリムに装着しタイヤ・リム組立体を準備する。この際、両者の接触部に潤滑剤として石けん水が用いられる。
(2)タイヤ・リム組立体を試験室内で2時間放置させた後、タイヤ取付軸52に取り付ける。
(3)タイヤ・リム組立体に前記荷重を0.5分間負荷し、解放後にさらに0.5分間、解放後にさらに2分間負荷する。
(4)試験電圧が印可され、5分経過した時点で、タイヤ取付軸52と金属板51との間の電気抵抗値を電気抵抗測定器53によって測定する。前記測定は、タイヤ周方向に90°間隔で4カ所で行われ、そのうちの最大値を当該タイヤの電気抵抗値(測定値)とする。
この測定を走行前(新品タイヤ)と2万km走行後に行い、各々の電気抵抗値の常用対数を表1にまとめた。かかる常用対数値が、8以下であることが好ましい。また、走行前と2万km走行後のタイヤの電気抵抗値を比較して、2万km走行することによる電気抵抗値の上昇値も併記した。上昇値が低いほど、タイヤのライフを通してタイヤ走行時の静電気の蓄積を防止できることを示す。
<耐クラック性能>
上記で作製した試験用タイヤを装着し、速度80km/h、荷重4.7kNで30000km走行させ、内層サイドウォールゴムのクラック成長量を測定し、耐クラック性能を評価した。なお、成長量が1mm未満の場合を○、1mm以上5mm以下の場合を△、5mmを超える場合を×とした。
Figure 2013163802
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Figure 2013163802
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Figure 2013163802
Figure 2013163802
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表1から、実施例ではいずれも、窒素吸着比表面積が400m2/g以上のカーボンブラックを配合しており、その分散が良好であり、ゴム組成物としての体積固有抵抗も低く、タイヤ走行時の静電気の蓄積を防止できる。また、転がり抵抗を低く抑えるとともに、高速耐久性も良好で、初期だけでなく2万km走行後のタイヤの電気抵抗値も低くて良好であった。また、タイヤでの耐クラック性能も良好であった。
更に、再練りを実施した実施例3、4では対応する再練り無しの実施例1、2に比較しても更に、カーボンブラックの分散性が高くなっており、それによって、転がり抵抗特性や高速耐久性が更に向上し、初期と2万km走行後のタイヤ電気抵抗値の差も小さくなっていた。また、実施例5、6では、更に少量のカーボンブラックで同等の体積固有抵抗及び電気抵抗値が得られ、若干ではあるが、転がり抵抗特性が更に改善した。
また、実施例1、3、5では、BRを配合することで、対応する実施例2、4、6よりもカーボンブラックの分散性が高く、また、転がり抵抗特性が良好であった。更には、高速耐久性も良好であった。
他方、比較例1ではカーボンブラックが配合されておらず、内層サイドウォールゴム、クッションゴム用組成物の体積固有抵抗や、タイヤの電気抵抗値が非常に高く、静電気の蓄積の問題を解決出来なかった。また、高速耐久性、耐クラック性能も劣っていた。
また比較例6では、窒素吸着比表面積が400m2/g未満のカーボンブラックを配合したため、本発明のカーボンブラック量の上限である30質量部を配合しても、内層サイドウォールゴム、クッションゴム用組成物の体積固有抵抗やタイヤの電気抵抗値が非常に高く、同じく静電気の蓄積の問題を解決出来なかった。2種以上のジエン系ゴム(今回の場合はNRとBR)を配合することで、耐クラック性能や高速耐久性は良好となったが、転がり抵抗特性はかなり悪化していた。
比較例2〜4では、ゴム成分として1種のジエン系ゴム(今回の場合はNR)のみを配合したため、耐クラック性能が悪く、高速耐久性も非常に悪い、又は、やや悪かった。また、走行によるタイヤの電気抵抗値の上昇も大きい又はやや大きかった。
更に、比較例2、3では、窒素吸着比表面積が400m2/g以上のカーボンブラックを用いたものの混練方法を工夫しなかったために、その分散が悪いため、耐クラック性能や高速耐久性が悪く、またタイヤの電気抵抗値の上昇が特に大きくて、なかでも比較例2では、初期の電気抵抗値は良好でも、2万km走行後の電気抵抗値は不良となった。比較例4は、さらに、窒素吸着比表面積が400m2/g未満のカーボンブラックを配合したため、転がり抵抗特性が悪く、また、2万km走行後の電気抵抗値もあまり良くなかった。
比較例4、5では、窒素吸着比表面積が400m2/g未満のカーボンブラックを配合したため、体積固有抵抗やタイヤの電気抵抗値を得るために、50質量部という、規定範囲の上限以上の量のカーボンブラックを配合する必要があり、そのために、転がり抵抗が悪化した。また、多量のカーボンブラックを配合したものの、内層サイドウォールゴム、クッションゴム用組成物の体積固有抵抗やタイヤの電気抵抗値はやや高かった。また、走行によるタイヤの電気抵抗値の上昇も大きかった。
比較例7は、窒素吸着比表面積が400m2/g以上のカーボンブラックを用いたものの混練方法を工夫しなかったために、その分散性が悪く、そのために、高速耐久性や耐クラック性能がやや悪かった。また、走行による電気抵抗の上昇が非常に大きく、初期の電気抵抗値は良好でも、2万km走行後の電気抵抗値は不良となった。
比較例8では、窒素吸着比表面積が400m2/g以上のカーボンブラックを用いたが、実施例とは逆にSP値の高いポリマーと先に混練したために、SP値の高いポリマーにカーボンブラックが偏在することとなり、また、カーボンブラックの分散性が非常に悪くなった。再練りも実施したが、カーボンブラックの分散性は、非常に悪いまま回復せず、高速耐久性、耐クラック性能、転がり抵抗が悪かった。また、走行による電気抵抗の上昇も更に大きくなった。
1 タイヤ
2 チェーファーゴム
3 クリンチゴム
4 クッションゴム
5 被覆ゴム
6 通電ゴム
7 トレッドゴム
8 サイドウォールゴム
9 ブレーカーゴム
10 カーカス
11 ビードエーペックス
12 バンド
13 ビードコア
14 内層サイドウォールゴム

Claims (8)

  1. 2種以上のジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積が400m/g以上のカーボンブラックを5〜30質量部含み、JIS K 6812「ポリオレフィン管、継手及びコンパウンドの顔料分散又はカーボン分散の評価方法」に準じて、凝集塊をカウントして求めたカーボンブラックの分散率が90%以上である内層サイドウォール及び/又はクッション用ゴム組成物。
  2. 前記2種以上のジエン系ゴムのうち、最もSP値の低いジエン系ゴムを含むゴムと、前記カーボンブラックとを混練するベース練り工程1と、
    ベース練り工程1により得られた混練物と、前記2種以上のジエン系ゴムのうち、最もSP値の高いジエン系ゴムを含むゴムとを混練するベース練り工程2とを含む製法により得られる請求項1記載の内層サイドウォール及び/又はクッション用ゴム組成物。
  3. ベース練り工程2により得られた混練物を再度混練する再練工程を更に含む製法により得られる請求項2記載の内層サイドウォール及び/又はクッション用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した内層サイドウォールゴム及び/又はクッションゴムを有する空気入りタイヤ。
  5. トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と、前記トレッド部から前記サイドウォール部を経て前記ビード部に至るカーカスと、前記カーカスのタイヤ半径方向外側にブレーカー部とを備えた空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部、前記ブレーカー部及び前記サイドウォール部にそれぞれ形成されるトレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムの体積固有抵抗は、いずれも1×10Ω・cm以上であり、
    前記空気入りタイヤは、前記カーカスと前記サイドウォールゴムとの間に配置される内層サイドウォールゴム、該内層サイドウォールゴムと接しブレーカー両端部の下側領域に配置されるクッションゴム、該クッションゴムと接触領域を有してブレーカー部上側を被覆するように配置される被覆ゴム、該被覆ゴムと接触し一部がトレッドの表面に露出するようにトレッド部に埋設される通電ゴム、前記内層サイドウォールゴムと接しビード部のリムフランジに接する領域に配置されるビード部ゴムを備え、
    前記内層サイドウォールゴム、前記クッションゴム、前記被覆ゴム、前記通電ゴム及び前記ビード部ゴムの体積固有抵抗は、いずれも1×10Ω・cm未満である請求項4記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記内層サイドウォールゴムの厚みが0.2〜1.0mmである請求項4又は5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ビード部ゴムがクリンチゴム又はチェーファーゴムである請求項4〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記通電ゴムがタイヤ周方向に連続して形成される請求項4〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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