JP2013049418A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2013049418A
JP2013049418A JP2012237728A JP2012237728A JP2013049418A JP 2013049418 A JP2013049418 A JP 2013049418A JP 2012237728 A JP2012237728 A JP 2012237728A JP 2012237728 A JP2012237728 A JP 2012237728A JP 2013049418 A JP2013049418 A JP 2013049418A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
tread
conductive rubber
tire
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012237728A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5509294B2 (ja
Inventor
Tetsuya Kunisawa
鉄也 國澤
Keiichi Nakadera
恵一 中寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2012237728A priority Critical patent/JP5509294B2/ja
Publication of JP2013049418A publication Critical patent/JP2013049418A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5509294B2 publication Critical patent/JP5509294B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】転がり抵抗を低減しながらタイヤの走行時に発生する静電気を放出する。
【解決手段】カーカス10の外側に沿って、ブレーカー9部の両端からビード部に至る導電性ゴム4、該導電性ゴムと接触して配置されるアンダートレッド5、該アンダートレッドと接触しトレッドの表面に露出するようにトレッド部7に埋設される通電ゴム6、前記導電性ゴムの下端と接しリムフランジに接する領域に配置されるビード部ゴムを備え、前記通電ゴムは、トレッド部の中央部でタイヤ周方向に延びるように形成されており、導電性ゴム、アンダートレッドおよび通電ゴムの窒素吸着比表面積が600m2/g以上のカーボンブラックがゴム成分100質量部に対して5質量部以上配合され、窒素吸着比表面積が70m2/g以上で250m2/g以下のシリカがゴム成分100質量部に対して、10〜55質量部配合されており、いずれも体積固有抵抗値は1×108Ω・cm未満である。
【選択図】図1

Description

本発明は、転動抵抗が低く抑えられ、かつタイヤ走行時の静電気発生を軽減し安全性が向上した空気入りタイヤに関する。
近年、タイヤの転がり抵抗を低減するとともにウエットグリップ性能を維持する目的で、タイヤのトレッド部、ブレーカーやサイドウォール部等にもシリカを用いる方法が種々提案されている。しかしシリカが多量に配合された場合、タイヤの電気抵抗が高くなり、たとえば車両の燃料補給時に静電気によるスパークが発生して燃料に引火する場合があり、使用時の安全性に欠けるという問題がある。そこで転がり抵抗の低減およびウエットグリップ性能の維持が実現されるとともに、静電気の蓄積を軽減した空気入りタイヤの提供が要請されている。
特許文献1には、導電性を改善し、車体に静電気が蓄積されることにより生じる放電現象を防止することが可能な空気入りタイヤとして、トレッド部を構成するゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対してカーボンブラックの配合量が50重量部以下で非カーボンブラック系補強剤を含有し、サイドウォール部を構成するゴム組成物は、カーボンブラックの配合量がゴム成分100重量部に対して40重量部以下であり、トレッド部およびサイドウォール部に導電性薄膜が配置されている。ここで導電性薄膜を構成するゴム組成物は、カーボンブラックの配合量がゴム成分100重量部に対して60重量%以上でかつゴム組成物全体の35重量%以上が開示されている。
特許文献2には、優れたウエット性能などを維持しつつ、タイヤ電気抵抗を効果的に低減し、しかもこれらの特性をタイヤの使用初期から摩耗限度に亘って安定して発揮しうる空気入りタイヤが提案されている。ここでトレッドゴムは、シリカによって補強された体積固有抵抗値が1×108Ω・cm以上の絶縁性ゴム材からなる主トレッドゴム部と、体積固有抵抗値が1×108Ω・cm未満の導電性ゴム材から形成されかつ主トレッド部とともに接地面をなし、しかも接地面の端縁からタイヤ軸方向内側へ接地巾の3〜35%の距離を隔てて終端する外導電部とを含み、外導電部は、厚さが0.01〜1.0mmのシート状をなして横溝の溝壁、溝底を含むトレッド外表面に露出してタイヤ周方向に連続し、ウイングゴム、サイドウォールゴムおよびクリンチゴムを導電性ゴム材で形成する一方、外導電部をウイングゴムに連続させたことを特徴とする空気入りタイヤが提案されている。
特許文献3には、転がり抵抗が小さく、耐摩耗性、ウエット性能に優れ、電気抵抗が小さいタイヤを与えるタイヤサイドウォール用ゴム組成物として、特定のジエン系ゴム100重量部に対し、一次粒子径が20nm以上、DBP吸油量が120ml/100g以下およびCTAB表面積が130m2/g以下であるカーボンブラックを5〜50重量部と、DBP吸油量が200ml/100g以上、BET窒素吸着比表面積が180m2/g以下である沈降性シリカを10〜60重量部と、反応性のファクタが特定の範囲内に制御される量のシランカップリング剤とを混練して得られるタイヤサイドウォール用ゴム組成物が提案されている。
特許文献4には、シリカを補強剤として用いた高抵抗のタイヤトレッド用ゴム組成物で構成され、かつ所定の横幅を有して長さ方向に延びるストリップと、該横幅内で長さ方向に敷設され、かつトレッドストリップの表面から底面まで延設された108Ω・cm以下の体積抵抗率を有する低抵抗のタイヤ用ゴム組成物で構成された導電性ストリップとを備えたことを特徴とするタイヤトレッドが提案されている。
しかし特許文献1〜4の方法においては、低い転がり抵抗と高い安全性とを十分満足できるレベルで高度に両立させるという点で未だ改善の余地がある。
特開平8−230407号公報 特開2000−190709号公報 特開平10−36559号公報 特開平8−34204号公報
本発明は転がり抵抗を低く維持しつつ、タイヤ走行時にタイヤ接地面あるいはタイヤがリムとの接触する領域に発生する静電気の蓄積を効果的に防止する。そして低燃費性を損なうことなく使用時の安全性を向上させた空気入りタイヤを提供する。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と、前記トレッド部から前記サイドウォール部を経て前記ビード部に至るカーカスと、前記カーカスのタイヤ半径方向外側にブレーカー部を備えた空気入りタイヤであって、前記トレッド部、前記ブレーカー部および前記サイドウォール部にそれぞれ形成されるトレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムの体積固有抵抗は、いずれも1×108Ω・cm以上であり、前記空気入りタイヤは、前記カーカスの外側に沿って、少なくとも前記ブレーカー部の両端からビード部に至る導電性ゴム、該導電性ゴムと接触領域を有してブレーカー部上側を被覆するように配置されるアンダートレッド、該アンダートレッドと接触し一部がトレッドの表面に露出するようにトレッド部に埋設される通電ゴム、前記導電性ゴムの下端と接しビード部のリムフランジに接する領域に配置されるビード部ゴムを備え、前記通電ゴムは、トレッド部の中央部で、幅が0.2〜10mmでタイヤ周方向に延びるように形成されており、前記アンダートレッドの厚みは、0.2mm以上で3.0mm以下であり、該アンダートレッドと前記導電性ゴムはタイヤ周方向に帯状に5mm以上の幅で接触している部分があり、前記導電性ゴム、前記アンダートレッドおよび前記通電ゴムの窒素吸着比表面積が600m2/g以上のカーボンブラックがゴム成分100質量部に対して5質量部以上配合され、窒素吸着比表面積が70m2/g以上で250m2/g以下のシリカがゴム成分100質量部に対して、10〜55質量部配合されており、いずれも体積固有抵抗値は1×108Ω・cm未満である。
本発明の空気入りタイヤは、前記カーボンブラックはケッチェンブラックであることが望ましく、さらに前記ビード部ゴムの体積固有抵抗値は1×108Ω・cm未満であることが望ましい。更に、導電性ゴムは厚さが0.2〜2mmの範囲であり、前記通電ゴムはタイヤ周方向に連続して形成されることが望ましい。
また、本発明の空気入りタイヤは、一方のビード部は、他方のビード部と導電性ゴムおよびアンダートレッドを介して電気的に接続していることが望ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいては、トレッド部、ブレーカー部およびサイドウォール部には転がり抵抗の小さいゴム組成物を使用する。一方、ビード部ゴムからサイドウォール部をとおりブレーカー部上側のアンダートレッドに接続し、路面と接触するようにトレッド部に埋設された通電ゴムと電気的に接続する構造となっている。係る構造を採用することでタイヤの転がり抵抗を軽減するとともに、タイヤ走行時にタイヤ接地面あるいはタイヤがリムとの接触する領域に発生する静電気の蓄積が効果的に軽減できる。これによりタイヤの低燃費性を維持しつつ使用時の安全性が向上された空気入りタイヤを提供できる。
本発明に係る空気入りタイヤの断面図の右半分を示す図である。
<基本構造>
本発明の空気入りタイヤの構造は、たとえば図1のタイヤ断面の右半分を示す。タイヤ1は、トレッド部を構成するトレッドゴム7と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部を構成するサイドウォールゴム8と、各サイドウォール部の内方端に位置するクリンチ部を構成するクリンチゴム3およびリム上部に位置するチェーファー部9を構成するチェーファーゴム2とを備える。また両側のビード部間にはカーカス10が架け渡されるとともに、このカーカス10のタイヤ半径方向外側にブレーカー部を構成するブレーカーゴムが配される。該カーカス10は、カーカスコードを配列する1枚以上のカーカスプライから形成され、このカーカスプライは、トレッド部からサイドウォール部を経て、ビードコア13と、該ビードコア13の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス11との廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返されて係止される。ブレーカー部9は、ブレーカーコードを配列した2枚以上のブレーカープライからなり、各ブレーカーコードがブレーカープライ間で交差するよう向きを違えて重置している。本発明の空気入りタイヤにおいては、トレッド部とブレーカー部との間にアンダートレッド5が設けられる。該アンダートレッド5と接触領域を有して、カーカス10に隣接して、少なくともブレーカー部の両端部からクリンチゴム3に接する位置に亘る導電性ゴム4が配置される。そして前記アンダートレッド5に接し一部が接地面に露出するようにトレッドゴム7中に通電ゴム6が配置され、該通電ゴム6は前記アンダートレッド5、導電性ゴム4、およびクリンチゴム3と電気的に接続する構造となっている。
上記構造を採用することでタイヤ走行時にリムとの接触領域に位置するビード部ゴム、あるいは接地領域に発生する静電気はタイヤ内部における電気的に接続された導電性のゴム部材を通ってタイヤの外部に放出される。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用、トラック・バス用、重機用等、種々の車両のタイヤとして使用され得る。
<トレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴム>
タイヤを構成するトレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴムの体積固有抵抗は、いずれも1×108Ω・cm以上に設定される。従来、ゴム補強剤としてカーボンブラックが用いられていたが、これをシリカに置き換えることで転がり抵抗を軽減できる。さらにシリカは石油由来の材料でないことから石油由来の材料であるカーボンに比べ環境問題の観点からも好適に採用される。しかしシリカを用いる場合、体積固有抵抗が大きくなる傾向にある。本発明ではシリカ配合を基本とすることでタイヤの転がり抵抗の軽減及びゴムの加工性等の基本特性を維持し、一方ではゴム組成物の体積固有抵抗が1×108Ω・cm以上の高い電気抵抗の問題点を改善するものである。
本発明の空気入りタイヤにおいては、トレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムのそれぞれに含有される上記の充填剤のうち50質量%以上がシリカであることが好ましい。充填剤のうち50質量%以上をシリカが占める場合、タイヤの転がり抵抗の低減効果が良好である。充填剤のうちシリカが占める割合は、70質量%以上、さらに90質量%以上がより好ましい。本発明においては、上記充填剤のすべてがシリカであっても良いが、トレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムのそれぞれの導電性や機械的強度を調整する目的で他の充填剤が併用される。
シリカは、トレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムのそれぞれにおけるゴム成分の100質量部に対してたとえば5質量部以上100質量部以下で配合することができる。シリカの配合量がゴム成分100質量部に対して5質量部以上である場合、タイヤの転がり抵抗の低減ができ、100質量部以下である場合、トレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムの製造時における未加硫ゴム組成物の粘度上昇による加工性の低下やコストの過度な上昇を良好に防止できる。
シリカとしては汎用ゴム一般に用いられるものを使用でき、たとえば補強材として使用される乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ等が挙げられる。中でも含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、たとえば100〜300m2/g、さらに150〜250m2/gの範囲内であることが好ましい。シリカの窒素吸着比表面積が100m2/g以上である場合、補強効果が十分得られることによりタイヤの耐摩耗性が良好に向上する。一方、該窒素吸着比表面積が300m2/g以下である場合、それぞれのゴムの製造時の加工性が良好である。なお、窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される。
<アンダートレッド>
本発明におけるアンダートレッド5は、上記導電性ゴム4と上記通電ゴム6とに接して設けられる、体積固有抵抗が1×108Ω・cm未満に設定されたゴムからなる。前記体積抵抗値が1×108Ω・cm未満であればタイヤの導電性の向上効果が所望の程度得られる。また、該体積固有抵抗は、上記導電性ゴムと同様に設定することができ、好ましくは1×107Ω・cm以下であり、より好ましくは1×106Ω・cm以下であり、また、1×103Ω・cm以上とすることが好ましく、1×104Ω・cm以上に設定することがより好ましい。
本発明でアンダートレッド5の厚みは0.2mm以上であればタイヤ導電性の向上効果が所望の程度得られ、3.0mm以下であればタイヤの転がり抵抗を大きく悪化させることがない。導電性ゴムの厚みは、0.5mm〜2.0mm、特に0.9mm〜1.5mmの範囲が好ましい。上記アンダートレッド5は、導電性ゴムと通電ゴムと接する部分を有していればよく、トレッド部とブレーカー部の間全面にわたり設けたり、前記通電ゴムが配された位置まで、またはそれを超える範囲で部分的に設けたりすることができる。
また、アンダートレッドと導電性ゴムおよび通電ゴムの接する部分について、上記導電性ゴムとはタイヤ周方向に帯状の5mm以上の幅で接触している部分があることが好ましく、10mm以上接触していることがより好ましい。導電性ゴムとアンダートレッドとを上記の条件で接触させることにより、タイヤの導電性効果が十分に得られるものとなる。上記通電ゴムとの接触は、通電ゴムのタイヤ幅方向の全面が接していることが好ましい。
本発明において前記アンダートレッドは、ゴム成分の100質量部に対して5〜100質量部の範囲内で配合されるカーボンブラックを含有することが好ましい。ゴム成分の100質量部に対して5質量部以上のカーボンブラックが配合されるとアンダートレッドの導電性が高くなる。またカーボンブラックの含有量がゴム成分の100質量部に対して100質量部以下である場合、耐久性が改善される。ゴム成分の100質量部に対するカーボンブラックの配合量は、10質量部以上、さらに15質量部以上がより好ましく、80質量部以下、さらに70質量部以下がより好ましい。
アンダートレッドにおいて配合されるカーボンブラックの窒素吸着比表面積は、600m2/g以上1500m2/g以下とされることが好ましい。該窒素吸着比表面積が600m2/g以上とすることで、アンダートレッドの機械的強度が改善される。なお、ゴムと
の混練時の加工性を維持するため、1500m2/g以下とすることが好ましい。該窒素吸着比表面積は、650m2/g以上がより好ましく、また、1300m2/g以下、がより好ましい。ここでカーボンブラックは、ケッチェンブラックが好適に採用される。
シリカは、ゴム成分の100質量部に対してたとえば10質量部以上で、55質量部以下配合される。シリカの配合量がゴム成分100質量部に対して10質量部以上である場合、タイヤの転がり抵抗の低減ができ、また55質量部を超えると、転がり抵抗が悪化する。
シリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、たとえば70〜250m2/g、さらに80〜240m2/gの範囲内であることが好ましい。シリカの窒素吸着比表面積が70m2/g以上である場合、補強効果が十分得られることによりタイヤの耐摩耗性が良好に向上する。一方、該窒素吸着比表面積が250m2/g未満である場合、それぞれのゴムの製造時の加工性が良好である。なお、窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される。
<導電性ゴム>
本発明における導電性ゴム4は、カーカス10の外側に隣接して、少なくともブレーカー部の両端からサイドウォール部をとおりビード部に亘るように構成され、下端は導電性のクリンチゴム3と電気的に接続した構成となっている。そして導電性ゴムの体積固有抵抗は1×108Ω・cm未満に設定されている。導電性ゴム4の体積固有値が1×108Ω・cm未満であればタイヤの導電性の向上効果が得られる。導電性ゴム4の体積固有抵抗は、好ましくは1×107Ω・cm以下であり、1×106Ω・cm以下に設定されることがより好ましい。導電性成分を多量に配合されたゴム組成物を採用すると電気抵抗が小さくなるが、一方ではタイヤがリムに接する領域における電気化学反応が促進されリムが錆び易くなる。これを回避するためには、該導電性ゴムの体積固有抵抗は1×103Ω・cm以上であること、さらに1×104Ω・cm以上に設定されることが好ましい。導電性ゴムはカーカスの外側に隣接して配置されるが、その一部はカーカスとブレーカーの間に配置され、タイヤ周方向に連続もしくは不連続に形成されても良い。
前記導電性ゴム4のゴム配合は、前記アンダートレッドと実質的に同じ配合を採用することができるが、ブレーカー部の両端におけるゴム剥離を軽減する観点からゴム硬度等を調整した組成物を採用することもできる。
<通電ゴム>
本発明において、通電ゴムはトレッド部に埋設されその一部はタイヤ接地面に露出し、他の一部は導電性ゴムと連結しており空気入りタイヤの走行時に発生した静電気を接地面に効果的に放出する。図1において電通ゴム6は、トレッド部7の中央部に1箇所埋設された構造として示されているが、複数個の通電ゴムを埋設することもできる。そしてタイヤ幅方向の通電ゴムの幅Wは、例えば、0.2mm〜10mm、好ましくは0.9mm〜1.5mmである。この幅が0.2mm未満の場合は通電効果は少なく、一方、10mmを越えるとトレッド部における通電ゴムの接地領域が相対的に増加し、接地特性を損なうことになる。また、通電ゴムはタイヤ周方向に連続層として形成することが好ましいが、タイヤ周方向に断続的に形成することもできる。
通電ゴムの体積固有抵抗はトレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムよりも低く設定される。ここで通電ゴムの体積固有抵抗は1×108Ω・cm未満である。通電ゴムの体積固有抵抗が1×108Ω・cm未満の場合、タイヤの導電性が改善され静電気の放出効果が得られる。該通電ゴムの体積固有抵抗は、1×107Ω・cm以下、さらに1×106Ω・cm以下がより好ましい。
本発明において、トレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムの体積固有抵抗を、1×108Ω・cm以上として、転がり抵抗や耐久性等のタイヤ性能を維持しながら、前記導電性ゴムとこれに連結された前記導電性ゴムの体積固有抵抗をより低く調整したため空気入りタイヤに発生した静電気をアンダートレッド、導電性ゴムおよび通電ゴム等により電気的な接続通路を介して効果的に放出することができる。
本発明の通電ゴムは、アンダートレッドと実質的に同じ配合を採用することができるが、接地特性を改善する観点からトレッドゴムの配合に基づき導電性を付与する配合設計を採用することも可能である。
<ビード部ゴム>
本発明でビード部ゴムはクリンチゴム、チェーファーおよびゴムチェファーを含む概念である。タイヤが走行する際にビード部ゴムを介してリムから駆動力が伝達されるが、この際にリムとビード部ゴムとの摩擦で静電気が発生しやすい。係る静電気は前記導電性ゴムを通って接地面に有効に放出される必要がある。図1においてクリンチゴム3、チェーファー2は、前記導電性ゴム4と電気的に接続している。
ここでビード部ゴムの体積固有抵抗を1×108Ω・cm未満とすることでタイヤの良好な導電性が得られる。該ビード部ゴムの体積固有抵抗は、1×107Ω・cm未満、さらに1×106Ω・cm未満がより好ましい。ビード部ゴム、即ち、クリンチゴム、チェーファー、ゴムチェファーは、耐摩耗性、剛性および硬度が要求されるので、上記配合設計に加え、前記導電性ゴム及び通電ゴムの配合手法で電気抵抗を調整することができる。
<カーカス>
本発明においてカーカス10は、カーカスコードを配列する1枚以上のカーカスプライから構成される。該カーカスプライは、カーカスコードを平行に引き揃えてゴム中に埋設した構成である。上記カーカスコードを構成する繊維材料としては、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、アラミドなどを例示することができ、これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、天然資源材料であることからレーヨンを用いることが好ましく、カーカスコードを構成する繊維材料に対してレーヨンを90質量%以上配合することが好ましい。
プライゴムの体積固有抵抗は特に限定されないが、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムと同様に設定できる。プライゴムの体積固有抵抗は1×108Ω・cm未満とすれば、隣接する導電性ゴムと相俟って、タイヤの導電性が改善され静電気の放出効果が得られる。この場合該プライゴムの体積固有抵抗は、1×107Ω・cm以下、さらに1×106Ω・cm以下とされる。
本発明はトレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムの体積固有抵抗を、1×108Ω・cm以上として、転がり抵抗や耐久性等のタイヤ性能を維持しながら、前記アンダートレッド、前記導電性ゴムさらに通電ゴムの体積固有抵抗をより低く調整したため空気入りタイヤに発生した静電気をアンダートレッド、導電性ゴムおよび通電ゴム等と相俟ってタイヤの電気電導性が一層改善される。さらに本発明において、上記導電性ゴムは前記ビード部ゴムとも接するように配置される。上記導電性ゴム、アンダートレッドおよび通電ゴムを連続した構造とすることに加えて、体積固有抵抗の低いビード部ゴムおよび導電性ゴム等とが接する配置とすることによって、リムを通じた静電気の放出効率を著しく向上させることができる。
<ゴム配合>
本発明の空気入りタイヤにおけるアンダートレッド、導電性ゴム、通電ゴム、クリンチゴム、およびトレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴムおよびプライゴムは、たとえば以下のゴム組成物から構成される。
ゴム成分としては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム、脱蛋白天然ゴム、ジエン系合成ゴムが好ましく挙げられる。ジエン系合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられ、これらのうち1種類または2種類以上を含むゴム成分が好適である。なお、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)とは、エチレン−プロピレンゴム(EPM)に第三ジエン成分を含むものである。ここで第三ジエン成分としては、たとえば炭素数5〜20の非共役ジエンが挙げられ、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンおよび1,4−オクタジエン、または1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエンなどの環状ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネンおよび2−イソプロペニル−5−ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネン等が例示できる。特に、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等が好ましい。
アンダートレッド、導電性ゴム、通電ゴム及びビード部ゴムに用いられるゴム成分としてはジエン系ゴムが好ましく、中でも、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、脱蛋白天然ゴム等が好ましい。
上記ゴム組成物には、タイヤゴム配合において一般的に採用される以下の配合剤を適宜配合することができる。
本発明で、前述の如くトレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴムおよびプライゴムにシリカを配合することが好ましい。ゴム組成物にシリカを配合する場合には、シラン系カップリング剤、好ましくは含硫黄シランカップリング剤をたとえばシリカ質量に対して1質量%以上20質量%以下で配合することが好ましい。シランカップリング剤を1質量%以上配合することでタイヤの耐摩耗性が向上し転がり抵抗の低減が達成できる。一方シランカップリング剤の配合量が20質量%以下の場合、ゴムの混練、押出工程での焼け(スコーチ)が生じる危険性が少ない。
含硫黄シランカップリング剤としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が例示される。その他のシラン系カップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を使用することができる。
本発明では、用途に応じてその他のカップリング剤、例えばアルミネート系カップリング剤、チタン系カップリング剤を単独またはシラン系カップリング剤と併用して使用することも可能である。
ゴム組成物には、その他、カーボンブラック、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の充填剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
ゴム組成物には、上記の他に、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、発泡剤およびスコーチ防止剤等を添加することが可能である。
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピールベンゼン、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシロキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレートなどを使用することができる。これらの中で、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼンおよびジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
本発明では練り加工性を一層向上させるために軟化剤を併用しても良い。軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリンなどのワックス類、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、等が挙げられる。
可塑剤としては、DMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DLP(フタル酸ジラウリル)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル)、無水ヒドロフタル酸エステル、DOZ(アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル)、DBS(セバシン酸ジブチル)、DOS(セバシン酸ジオクチル)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、DBM(マレイン酸ジブチル)、DOM(マレイン酸−2−エチルヘキシル)、DBF(フマル酸ジブチル)等が挙げられる。
スコーチを防止または遅延させるためのスコーチ防止剤としては、たとえば無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸などの有機酸、N−ニトロソジフェニルアミンなどのニトロソ化合物、N−シクロヘキシルチオフタルイミド等を使用することができる。
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<導電性ゴム、アンダートレッド、通電ゴムの調製>
表1に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃で4分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加えて95℃で2分間さらに練り込み、従来法により押出し工程、カレンダー工程を経て導電性ゴム、アンダートレッドおよび電通ゴム組成物C〜Eを調製した。
<トレッドゴム、サイドウオールゴム、ブレーカーゴム、クリンチゴム>
表2〜表5に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて140℃で4分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加えて95℃で2分間さらに練り込み、従来法により押出し工程、カレンダー工程を経てトレッドゴム組成物Fを調製した。
Figure 2013049418
表1においてカーボン(Printex XE2B)の窒素吸着比表面積は、880m2/gである。
Figure 2013049418
Figure 2013049418
Figure 2013049418
Figure 2013049418
表2〜表5において、配合剤の詳細は以下のとおりである。
注1:天然ゴムは、タイ製の商品名「TSR20」である。
注2:SBR1500はJSR社製のスチレンーブタジエンゴムである。
注3:N220は、昭和キャボット社製のカーボンブラックである(窒素吸着比表面積:111m2/g、DBP吸油量:115ml/100g)。
注4:N330は、三菱化学社製のカーボンブラックである(窒素吸着比表面積:79m2/g、DBP吸油量:105ml/100g)。
注5:シリカVN3は、デグサ社製の商品名「VN3」である。窒素吸着比表面積は175m2/g)である。
注6:シランカップリング剤は、デグサ社製の商品名「Si69」である。
注7:アロマチックオイルは、出光興産社製の商品名「ダイアナプロセスPS32」である。
注8:ワックスは、大内新興化学社製の商品名「サンノックN」である。
注9:老化防止剤は、住友化学社製の商品名「アンチゲン6C」である。
注10:ステアリン酸は、日本油脂社製の商品名「ステアリン酸 椿」である。
注11:亜鉛華は、三井金属鉱業社製の酸化亜鉛である。
注12:硫黄は、軽井沢製錬社製の商品名「粉末硫黄」である。
注13:加硫促進剤1は、大内新興化学社製の商品名「ノクセラーNS−P」である。
注14:不溶性硫黄は、四国化成社製の商品名「ミュークロンOT20」である。
<実施例1、2、比較例1、2>
表1〜表5のゴム配合で調整したゴム組成物を表6に示す組合せでそれぞれ用い、トレッド部、サイドウォール部、ブレーカーゴム、クリンチゴム、アンダートレッド、導電性ゴム及び通電ゴムに適用し、常法にて加硫成形し、図1に示す構造を有するサイズ195/65R15の空気入りタイヤを作製した。
ここで、試作タイヤの基本構造は次のとおりである。
カーカスプライ
コード角度:タイヤ周方向に90度
コード材料:ポリエステル 1500デニール(1670dtex/2)
ブレーカー
コード角度:タイヤ周方向に24度×24度
コード材料:スチール
なお、アンダートレッドの厚みは0.8mmであり、導電性ゴムの厚みは1mmであり、通電ゴムの幅は1.5mmでタイヤ周方向に連続した構造のものを採用した。
<体積固有抵抗>
表1〜表5のゴム組成物を用いて厚さ2mm、15cm×15cmの試験片を作成し、ADVANTEST社製の電気抵抗測定R8340Aを用いて電圧500V、気温25℃、湿度50%の条件で測定した。その結果を表1〜表5に示す。値が大きいほどゴム組成物の体積固有抵抗は高い。
<転がり抵抗>
上記で作製した空気入りタイヤを正規リムに装着し、規定内圧2.0MPaを充填して、STL社製の転がり抵抗試験機を用い、速度80km/h、荷重4.7kNで転がり抵抗を測定した。転がり抵抗の測定値を荷重で除した転がり抵抗係数(RRC)につき、実施例1、2、比較例1、2の転がり抵抗を、下記の式、
(転がり抵抗)=(比較例1の転がり抵抗係数)/(実施例1、2比較例2のそれぞれの転がり抵抗係数)×100により比較例1を100として表示した。値が大きいほど転がり抵抗が小さく性能が良好である。結果を表6に示す。
<タイヤ導電性>
上記で作製した空気入りタイヤを正規リムに装着し、規定内圧2.0MPaを充填して、荷重4.7kNで鉄板にトレッド部を接地させ、印加電圧100Vにおいてタイヤリム部と鉄板との間の電気抵抗値を測定した。結果を表6に示す。
Figure 2013049418
表6において、比較例1はアンダートレッド、通電ゴム及び導電性ゴムにシリカ及び導電性カーボンブラックが配合されていない。比較例2はアンダートレッド、通電ゴム及び導電性ゴムにカーボンブラックが全く配合されていない例である。
実施例1、2は、体積固有抵抗が1×108Ω・cm未満である導電性のゴム組成物をアンダートレッド、通電ゴム及び導電性ゴムに採用する一方、トレッド部、ブレーカーおよびサイドウォール部の体積固有抵抗を1×108Ω・cm以上としたので、転がり抵抗とタイヤ導電性の向上とが両立できており、本発明に係る空気入りタイヤは転がり抵抗と導電性のいずれにも優れることが分かる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
転がり抵抗を小さく維持する一方、タイヤ走行時にタイヤに発生する静電気の発生を効果的の放出し得る本発明の空気入りタイヤは、たとえば乗用車、トラック、バス、重機等の各種車両に対して好ましく適用され得る。
1 タイヤ、2 チェーファー、3 クリンチゴム、4 導電性ゴム、5 アンダートレッド、6 通電ゴム、7 トレッド部、8 サイドウォール部、9 ブレーカー、10 カーカス、11 ビードエーペックス、12 バンド、13 ビードコア。

Claims (6)

  1. トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と、前記トレッド部から前記サイドウォール部を経て前記ビード部に至るカーカスと、前記カーカスのタイヤ半径方向外側にブレーカー部を備えた空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部、前記ブレーカー部および前記サイドウォール部にそれぞれ形成されるトレッドゴム、ブレーカーゴムおよびサイドウォールゴムの体積固有抵抗は、いずれも1×108Ω・cm以上であり、
    前記空気入りタイヤは、前記カーカスの外側に沿って、少なくとも前記ブレーカー部の両端からビード部に至る導電性ゴム、該導電性ゴムと接触領域を有してブレーカー部上側を被覆するように配置されるアンダートレッド、該アンダートレッドと接触し一部がトレッドの表面に露出するようにトレッド部に埋設される通電ゴム、前記導電性ゴムの下端と接しビード部のリムフランジに接する領域に配置されるビード部ゴムを備え、
    前記通電ゴムは、トレッド部の中央部で、幅が0.2〜10mmでタイヤ周方向に延びるように形成されており、
    前記アンダートレッドの厚みは、0.2mm以上で3.0mm以下であり、該アンダートレッドと前記導電性ゴムはタイヤ周方向に帯状に5mm以上の幅で接触している部分があり、
    前記導電性ゴム、前記アンダートレッドおよび前記通電ゴムの窒素吸着比表面積が600m2/g以上のカーボンブラックがゴム成分100質量部に対して5質量部以上配合され、窒素吸着比表面積が70m2/g以上で250m2/g以下のシリカがゴム成分100質量部に対して、10〜55質量部配合されており、いずれも体積固有抵抗値は1×108Ω・cm未満である、
    前記空気入りタイヤ。
  2. 前記カーボンブラックはケッチェンブラックである請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ビード部ゴムの体積固有抵抗値は1×108Ω・cm未満である請求項1に記載の
    空気入りタイヤ。
  4. 導電性ゴムは厚さが0.2〜2mmの範囲である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記通電ゴムはタイヤ周方向に連続して形成される請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  6. 一方のビード部は、他方のビード部と導電性ゴムおよびアンダートレッドを介して電気的に接続している請求項1に記載の空気入りタイヤ。
JP2012237728A 2012-10-29 2012-10-29 空気入りタイヤ Active JP5509294B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012237728A JP5509294B2 (ja) 2012-10-29 2012-10-29 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012237728A JP5509294B2 (ja) 2012-10-29 2012-10-29 空気入りタイヤ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007159029A Division JP2008308083A (ja) 2007-06-15 2007-06-15 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013049418A true JP2013049418A (ja) 2013-03-14
JP5509294B2 JP5509294B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=48011834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012237728A Active JP5509294B2 (ja) 2012-10-29 2012-10-29 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5509294B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2786861A1 (en) 2013-04-01 2014-10-08 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition for tire, and pneumatic tire
JP2014201281A (ja) * 2013-04-09 2014-10-27 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
EP2910601A1 (en) 2014-01-29 2015-08-26 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition for fiber ply cord topping, pneumatic tire, and method for manufacturing rubber composition for fiber ply cord topping
JP2021000896A (ja) * 2019-06-21 2021-01-07 株式会社ブリヂストン タイヤ
US10894449B2 (en) 2015-06-15 2021-01-19 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Tire having a conductivity path
US11897294B2 (en) 2015-06-15 2024-02-13 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Tire having a conductivity path

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57147903A (en) * 1981-03-10 1982-09-13 Yutaka Ishii Tire with earthing
JPH10298356A (ja) * 1997-04-10 1998-11-10 Bridgestone Corp 静電蓄積抑制用シリカ含有タイヤ組成物
JP2000118212A (ja) * 1998-10-14 2000-04-25 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ及びその製造方法
US20050103412A1 (en) * 2003-11-18 2005-05-19 Zanzig David J. Tire with rubber sidewall containing internal electrically conductive rubber strip
JP2006137067A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤの製造方法
JP2006143208A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Soc De Technol Michelin 局在化導電性ゴム
JP2007008269A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57147903A (en) * 1981-03-10 1982-09-13 Yutaka Ishii Tire with earthing
JPH10298356A (ja) * 1997-04-10 1998-11-10 Bridgestone Corp 静電蓄積抑制用シリカ含有タイヤ組成物
JP2000118212A (ja) * 1998-10-14 2000-04-25 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ及びその製造方法
US20050103412A1 (en) * 2003-11-18 2005-05-19 Zanzig David J. Tire with rubber sidewall containing internal electrically conductive rubber strip
JP2006137067A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤの製造方法
JP2006143208A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Soc De Technol Michelin 局在化導電性ゴム
JP2007008269A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2786861A1 (en) 2013-04-01 2014-10-08 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition for tire, and pneumatic tire
US9249284B2 (en) 2013-04-01 2016-02-02 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition for tire, and pneumatic tire
JP2014201281A (ja) * 2013-04-09 2014-10-27 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
EP2910601A1 (en) 2014-01-29 2015-08-26 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition for fiber ply cord topping, pneumatic tire, and method for manufacturing rubber composition for fiber ply cord topping
US10894449B2 (en) 2015-06-15 2021-01-19 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Tire having a conductivity path
US11897294B2 (en) 2015-06-15 2024-02-13 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Tire having a conductivity path
JP2021000896A (ja) * 2019-06-21 2021-01-07 株式会社ブリヂストン タイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP5509294B2 (ja) 2014-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5082128B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2008308083A (ja) 空気入りタイヤ
KR101091489B1 (ko) 공기입 타이어
JP4614902B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4118307B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6130205B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4249791B2 (ja) タイヤ
JP5259337B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5480588B2 (ja) 空気入りタイヤ
EP2193939B1 (en) Pneumatic tire
JP5509294B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5712189B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5119491B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4249792B2 (ja) タイヤ
JP2013006571A (ja) 空気入りタイヤ
JP2009023504A (ja) 空気入りタイヤ
JP5068031B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤ
JP5259332B2 (ja) 空気入りタイヤ
RU2389612C2 (ru) Пневматическая шина

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130926

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131022

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140121

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140318

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5509294

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250