JP2011088458A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり抵抗を低く抑えるとともに、タイヤ走行時の静電気の発生を防止し、更に耐クラック性能も改善できる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】カーカス10とサイドウォールゴム8との間に配置される内部導電層14、該内部導電層14と接しブレーカー9両端部の下側領域に配置される導電性ゴム4、該導電性ゴム4と接触領域を有してブレーカー9部上側を被覆するように配置される被覆ゴム5、該被覆ゴム5と接触し一部がトレッドの表面に露出するようにトレッド部に埋設される通電ゴム6、内部導電層14と接しビード部のリムフランジに接する領域に配置されるビード部ゴムを備え、前記内部導電層14が天然ゴムを30〜90質量%、エポキシ化天然ゴムを70〜10質量%含むゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを10〜50質量部、シリカを10〜50質量部含有する内部導電層用ゴム組成物を用いて作製されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
一般に、タイヤ用ゴム組成物にはブタジエンゴムやカーボンブラックなどの石油資源由来の原材料が使用されているが、近年環境問題が重視され、二酸化炭素の排出量抑制の規制が強化されている。また、石油現存量は有限であり、石油資源由来の原材料の使用にも限界がある。そのため、将来石油が枯渇した場合を想定すると、石油資源由来の原材料の一部又は全てを天然ゴムやシリカ、炭酸カルシウム等の白色充填剤などの石油外資源由来の原材料で代替することが求められている。
一方、タイヤの転がり抵抗を低下させる要求もますます厳しくなり、トレッドだけでなく、ブレーカー、サイドウォールなどの他の部材においても、シリカなどを用いる手法により転がり抵抗をより低減させることが望まれている。
しかしながら、タイヤの各部材にシリカを配合した場合、シリカは電気絶縁性が高く、タイヤの電気抵抗を増す傾向があるため、車両に静電気が溜まりやすいという欠点がある。そしてこのような静電気の蓄積により、例えば、車両の燃料補給時に静電気によるスパークが発生し燃料に引火する可能性がある。
この欠点を回避するために、トレッド部及びサイドウォール部に導電性薄膜を敷設する技術、トレッドゴム体に導電ゴム層を裏打ちする技術、導電性ゴムから形成される外導電部を設ける技術(特許文献1〜3参照)などが開示されているが、トレッド部、ブレーカー部、サイドウォール部にシリカを用いた場合、タイヤの電気抵抗を低くすることは従来の技術では非常に困難であった。
また、前述の欠点回避のために提案されている従来のタイヤの構造では、PTL(プライターンナップルース)というプライ巻上げ部を起点にクラックが発生し、サイドウォール側又はインナーライナー側に成長し、サイドウォール表面でのクラック、又はインナーライナー表面でのクラックに至る損傷が発生する場合がある。
耐クラック性能の改善には、優れた引き裂き強さを示す天然ゴムに加えて、耐屈曲亀裂性能が良好なブタジエンゴムをブレンドする手法が用いられてきたが、ブタジエンゴムは石油由来のポリマーであるため、ブタジエンゴムを使用することなく耐クラック性能を改善することも望まれている。
特開平8−230407号公報 特開平9−71112号公報 特開2000−190709号公報
本発明は、前記課題を解決し、転がり抵抗を低く抑えるとともに、タイヤ走行時の静電気の発生を防止し、更に耐クラック性能も改善できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と、前記トレッド部から前記サイドウォール部を経て前記ビード部に至るカーカスと、前記カーカスのタイヤ半径方向外側にブレーカー部とを備えた空気入りタイヤであって、前記トレッド部、前記ブレーカー部及び前記サイドウォール部にそれぞれ形成されるトレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムの体積固有抵抗は、いずれも1×10Ω・cm以上であり、前記空気入りタイヤは、前記カーカスと前記サイドウォールゴムとの間に配置される内部導電層、該内部導電層と接しブレーカー両端部の下側領域に配置される導電性ゴム、該導電性ゴムと接触領域を有してブレーカー部上側を被覆するように配置される被覆ゴム、該被覆ゴムと接触し一部がトレッドの表面に露出するようにトレッド部に埋設される通電ゴム、前記内部導電層と接しビード部のリムフランジに接する領域に配置されるビード部ゴムを備え、前記内部導電層、前記導電性ゴム、前記被覆ゴム、前記通電ゴム及び前記ビード部ゴムの体積固有抵抗値は、いずれも1×10Ω・cm未満であり、前記内部導電層は、天然ゴムを30〜90質量%、エポキシ化天然ゴムを70〜10質量%含むゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを10〜50質量部、シリカを10〜50質量部含有する内部導電層用ゴム組成物を用いて作製されている空気入りタイヤに関する。
前記内部導電層の厚みは、0.2〜1.0mmであることが好ましい。また、前記ビード部ゴムがクリンチゴム又はチェーファーゴムであることが好ましい。更に、前記通電ゴムがタイヤ周方向に連続して形成されることが好ましい。
本発明によれば、カーカスとサイドウォールゴムとの間に配置される内部導電層、該内部導電層と接しブレーカー両端部の下側領域に配置される導電性ゴム、該導電性ゴムと接触領域を有してブレーカー部上側を被覆するように配置される被覆ゴム、該被覆ゴムと接触し一部がトレッドの表面に露出するようにトレッド部に埋設される通電ゴム、内部導電層と接しビード部のリムフランジに接する領域に配置されるビード部ゴムを備える空気入りタイヤで、かつ内部導電層には特定配合が使用されている。従って、空気入りタイヤの転がり抵抗を低く抑えるとともに、タイヤ走行時の静電気の発生を防止できる。更には、耐クラック性能も改善できる。
本発明の空気入りタイヤの断面図の右上半分を示す図である。
<基本構造>
本発明の空気入りタイヤの構造は、例えば、図1のタイヤ断面の右上半分に例示されるものである。タイヤ1は、トレッド部を構成するトレッドゴム7と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部を構成するサイドウォールゴム8と、各サイドウォール部の内方端に位置するクリンチ部を構成するクリンチゴム3及びリム上部に位置するチェーファー部を構成するチェーファーゴム2とを備える。またクリンチ部、チェーファー部間にはカーカス10が架け渡されるとともに、このカーカス10のタイヤ半径方向外側にブレーカー部を構成するブレーカーゴム9が配される。該カーカス10は、カーカスコードを配列する1枚以上のカーカスプライから形成され、このカーカスプライは、トレッド部からサイドウォール部を経て、ビードコア13と、該ビードコア13の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス11との廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返され、折返し部によって係止される。ブレーカー部は、ブレーカーコードを配列した2枚以上のブレーカープライからなり、各ブレーカーコードがブレーカープライ間で交差するよう向きを違えて重置している。本発明の空気入りタイヤにおいては、トレッド部(トレッドゴム、ベーストレッド)とブレーカー部との間に、ブレーカー部の上側を被覆する被覆ゴム(アンダートレッド)5が設けられる。該被覆ゴム5と接触領域を有して、カーカスプライとブレーカー部の両端部及びサイドウォール部との間に導電性ゴム4が配置される。そして前記被覆ゴム5に接し一部が接地面に露出するようにトレッドゴム7中に通電ゴム6が配置される。また、前記導電性ゴム4と接触領域を有して、カーカス10とサイドウォールゴム8との間に、少なくとも導電性ゴム4からクリンチゴム3又はチェーファーゴム2に接する位置に亘る内部導電層14が配置される。空気入りタイヤ1では、通電ゴム6と被覆ゴム5と導電性ゴム4と内部導電層14とクリンチゴム3又はチェーファーゴム2とが電気的に接続する構造となっている。
上記構造を採用することでタイヤ走行時にリムとの接触領域に位置するビード部ゴム、又は接地領域に発生する静電気はタイヤ内部における電気的に接続された導電性のゴム部材を通ってタイヤの外部に放出される。従って、トレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴムにシリカを使用してもタイヤの電気抵抗を低くできる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用、トラック・バス用、重機用等、種々の車両のタイヤとして使用され得る。
<トレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴム>
タイヤを構成するトレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴムの体積固有抵抗は、いずれも1×10Ω・cm以上に設定される。従来、ゴム補強剤(充填剤)としてカーボンブラックが用いられていたが、これをシリカに置き換えることで転がり抵抗を軽減できる。更にシリカは石油由来の材料でないことから石油由来の材料であるカーボンブラックに比べ環境問題の観点からも好適に採用される。しかし、シリカを用いる場合、体積固有抵抗が大きくなる傾向にある。本発明ではシリカ配合を基本とすることでタイヤの転がり抵抗の軽減及びゴムの加工性等の基本特性を維持しつつ、前述の電気的に接続された構造によりゴム組成物の体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上という高い電気抵抗の問題点を改善できる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムのそれぞれに含有される充填剤のうち50質量%以上がシリカであることが好ましい。充填剤のうち50質量%以上をシリカが占める場合、タイヤの転がり抵抗の低減効果が良好である。充填剤のうちシリカが占める割合は、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。上記充填剤のすべてがシリカであっても良いが、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムのそれぞれの導電性や機械的強度を調整する目的で他の充填剤が併用してもよい。
シリカは、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムのそれぞれにおけるゴム成分100質量部に対して、例えば、5〜100質量部配合できる。5質量部以上である場合、タイヤの転がり抵抗を低減でき、100質量部以下である場合、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムの製造時における未加硫ゴム組成物の粘度上昇による加工性の低下やコストの過度な上昇を良好に防止できる。
シリカとしては汎用ゴム一般に用いられるものを使用でき、例えば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ等が挙げられる。なかでも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。
トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムに使用されるシリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、例えば100〜300m/g、更に150〜250m/gの範囲内であることが好ましい。100m/g以上である場合、補強効果が十分得られることによりタイヤの耐摩耗性が良好に向上する。一方、300m/g以下である場合、それぞれのゴムの製造時の加工性が良好であり、タイヤの操縦安定性も良好に確保される。なお、本発明において、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される。
<被覆ゴム>
本発明における被覆ゴム5は、上記導電性ゴム4と上記通電ゴム6とに接し、ブレーカ部上部を被覆するように設けられる体積固有抵抗が1×10Ω・cm未満に設定されたゴムからなる。前記体積抵抗値が1×10Ω・cm未満であればタイヤの導電性の向上効果が所望の程度得られる。また、該体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm以下であり、より好ましくは1×10Ω・cm以下に設定され、また、好ましくは1×10Ω・cm以上、より好ましくは1×10Ω・cm以上に設定される。
上記被覆ゴム5の厚みは0.2mm以上であればタイヤ導電性の向上効果が所望の程度得られ、3.0mm以下であればタイヤの転がり抵抗を大きく悪化させることがない。導電性ゴムの厚みは、0.5〜2.0mm、特に0.9〜1.5mmの範囲が好ましい。上記被覆ゴム5は、導電性ゴムと通電ゴムと接する部分を有していればよく、トレッド部とブレーカー部の間全面にわたり設けたり、前記通電ゴムが配された位置まで、又はそれを超える範囲で部分的に設けたりすることができる。
また、被覆ゴムと導電性ゴム及び通電ゴムとの接する部分について、上記導電性ゴムとはタイヤ周方向に帯状の5mm以上の幅で接触している部分があることが好ましく、10mm以上接触していることがより好ましい。導電性ゴムと被覆ゴムとを上記の条件で接触させることにより、タイヤの導電性効果が十分に得られる。上記通電ゴムとの接触は、通電ゴムのタイヤ幅方向の全面が接していることが好ましい。
本発明において、前記被覆ゴムは、ゴム成分100質量部に対してカーボンブラックを20〜80質量部含有することが好ましい。20質量部以上のカーボンブラックが配合される場合、被覆ゴムの導電性が高くなる。該カーボンブラックの配合量は、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは40質量部以上であり、また、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。
被覆ゴムに使用されるカーボンブラックの窒素吸着比表面積は、80〜140m/gであることが好ましい。これにより、被覆ゴムの機械的強度が良好であり、製造時の加工性を確保する点でも好ましい。該窒素吸着比表面積は、100m/g以上がより好ましく、また、140m/g以下がより好ましい。本発明において、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217、7項のA法によって求められる。また、カーボンブラックは、石油外資源である木タールカーボンブラックが好適に採用される。
被覆ゴムは、充填剤として、カーボンブラック以外にシリカを含有しても良い。
被覆ゴムにおいて、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、20〜40質量部であることが好ましい。20質量部以上である場合、タイヤの転がり抵抗を低減でき、また、40質量部を超えると、転がり抵抗が悪化する傾向がある。
被覆ゴムに使用されるシリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、例えば、80〜120m/gの範囲内が好ましい。80m/g以上である場合、補強効果が十分得られることによりタイヤの耐摩耗性が良好に向上する。
<導電性ゴム>
本発明における導電性ゴム4は、後述のカーカス10を構成するカーカスプライとブレーカー部のエッジ部分及びサイドウォール部との間に、内部導電層14と接触領域を有して設けられる体積固有抵抗が1×10Ω・cm未満に設定されたゴムからなる。前記体積固有値が1×10Ω・cm未満であれば、タイヤの導電性の向上効果が得られる。導電性ゴム4の体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm以下、より好ましくは1×10Ω・cm以下に設定され、また、好ましくは1×10Ω・cm以上、より好ましくは1×10Ω・cm以上に設定される。
導電性ゴムは上述のようにカーカスを構成するカーカスプライとブレーカー部のエッジ部分及びサイドウォールとの間にタイヤ周方向に連続又は不連続に形成されていればよく、その厚さ、形状などは特に制限はない。
前記導電性ゴム4のゴム配合は、前記被覆ゴムと実質的に同様の配合を採用でき、上記と同様のカーボンブラックやシリカを配合してもよい。
<通電ゴム>
本発明において、通電ゴムはトレッド部に埋設されその一部はタイヤ接地面に露出し、他の一部は被覆ゴムと連結(接触)しており、空気入りタイヤの走行時に発生した静電気を接地面に効果的に放出する。図1において通電ゴム6は、トレッド部の中央部に1箇所埋設された構造として示されているが、複数個の通電ゴムを埋設することもできる。そしてタイヤ幅方向の通電ゴムの幅は、例えば、0.2〜10mm、好ましくは0.9〜1.5mmである。0.2mm未満の場合は通電効果は少なく、一方、10mmを超えるとトレッド部における通電ゴムの接地領域が相対的に増加し、接地特性を損なうおそれがある。また、通電ゴムはタイヤ周方向に連続層として形成することが好ましいが、タイヤ周方向に断続的に形成することもできる。
通電ゴムの体積固有抵抗は、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムよりも低く設定され、1×10Ω・cm未満である。前記体積固有抵抗が1×10Ω・cm未満の場合、タイヤの導電性が改善され静電気の放出効果が得られる。該通電ゴムの体積固有抵抗は、より好ましくは1×10Ω・cm以下、更に好ましくは1×10Ω・cm以下である。
通電ゴムは、被覆ゴムと実質的に同様の配合を採用でき、上記と同様のカーボンブラックやシリカを配合してもよい。また、接地特性を改善する観点からトレッドゴムの配合に基づき導電性を付与する配合設計を採用することも可能である。
<内部導電層>
本発明における内部導電層14は、導電性ゴム4と接触領域を有して、カーカス10とサイドウォールゴム8との間に、少なくとも導電性ゴム4からクリンチゴム3又はチェーファーゴム2に接する位置に亘って配置され、例えば、該内部導電層14の上端部で導電性ゴム4、下端部でクリンチゴム3又はチェーファーゴム2と電気的に接続する構造となっている。内部導電層14の体積固有抵抗は1×10Ω・cm未満に設定されている。前記体積固有値が1×10Ω・cm未満であればタイヤの導電性の向上効果が得られる。該内部導電層14の体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm以下、より好ましくは1×10Ω・cm以下に設定される。導電性成分を多量に配合されたゴム組成物を採用すると電気抵抗が小さくなるが、一方ではタイヤがリムに接する領域における電気化学反応が促進されリムが錆び易くなる。これを回避するためには、該導電性ゴムの体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm以上、より好ましくは1×10Ω・cm以上に設定される。
上記内部導電層14の厚みは0.2mm以上であればタイヤ導電性の向上効果が所望の程度得られ、1.0mm以下であればタイヤの転がり抵抗を大きく悪化させることがない。導電性ゴムの厚みは、特に0.5〜1.0mmの範囲が好ましい。上記内部導電層14は、カーカス10とサイドウォールゴム8との間に配置され(例えば、カーカス10の外側、サイドウォールゴム8の内側にそれぞれ隣接して配置され)、導電性ゴムとビード部ゴムと接する部分を有していればよい。内部導電層14は、その一部がカーカスとブレーカーの間に配置され、タイヤ周方向に連続又は不連続に形成されても良い。
また、内部導電層と導電性ゴム及びビード部ゴムとの接する部分について、上記導電性ゴムとはタイヤ周方向に帯状の5mm以上の幅で接触している部分があることが好ましく、10mm以上接触していることがより好ましい。内部導電層と導電性ゴムとを上記の条件で接触させることにより、タイヤの導電性効果が十分に得られる。上記ビード部ゴムとの接触は、カーカス形状に沿って5mm以上の幅で接触している部分があることが好ましく、10mm以上接触していることがより好ましい。
前記内部導電層は、ゴム成分として天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、更にカーボンブラック及びシリカを含有する内部導電層用ゴム組成物により得られる。なお、天然ゴムには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれる。
内部導電層(内部導電層用ゴム組成物)において、ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有率は30質量%以上、好ましくは40質量%以上であり、エポキシ化天然ゴムの含有率は70質量%以下、好ましくは50質量%以下である。天然ゴムの含有率が30質量%未満であったり、エポキシ化天然ゴムの含有率が70質量%を超えると、得られたゴム組成物のゴム強度が充分ではない。また、該天然ゴムの含有率は90質量%以下、好ましくは80質量%以下であり、該エポキシ化天然ゴムの含有率は10質量%以上、好ましくは20質量%以上である。天然ゴムの含有率が90重量%を超えたり、エポキシ化天然ゴムの含有率が10質量%未満であると、耐屈曲亀裂性能が悪化する。
エポキシ化天然ゴムは、市販のエポキシ化天然ゴムを用いてもよいし、天然ゴムをエポキシ化して用いてもよい。天然ゴムをエポキシ化する方法としては、特に限定されず、クロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法などの方法を用いて行うことができる。例えば、天然ゴムに過酢酸や過ギ酸などの有機過酸を反応させる方法などが挙げられる。
エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率は、12〜50モル%であることが好ましい。エポキシ化率が12モル%未満では、エポキシ化天然ゴムが天然ゴムと相溶化するため効果が少なくなる傾向があり、50モル%を超えると、得られたゴム組成物のゴム強度が充分でない傾向がある。
前記内部導電層において、ゴム成分としては、天然ゴム、エポキシ化天然ゴム以外にもブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、イソブチレンとp−メチルスチレンとの共重合体のハロゲン化物などを用いることができるが、石油外資源から得られることから、天然ゴム及びエポキシ化天然ゴムのみからなることが好ましい。
前記内部導電層には、特定量のカーボンブラック及びシリカが含まれる。
前記内部導電層において、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して10質量部以上であり、好ましくは20質量部以上である。10質量部未満では、引き裂き強さが低く、ゴムの強度が不足する場合がある。また、該カーボンブラックの含有量は、50質量部以下、好ましくは40質量部以下である。50質量部を超えると、耐屈曲亀裂性能が劣る。
内部導電層に使用されるカーボンブラックの窒素吸着比表面積は、80〜140m/gであることが好ましい。これにより、内部導電層の機械的強度が良好であり、製造時の加工性を確保する点でも好ましい。該窒素吸着比表面積は、100m/g以上がより好ましく、また、140m/g以下がより好ましい。
シリカとしては特に限定されず、例えば、上記と同様のものが挙げられる。
内部導電層において、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して10質量部以上であり、好ましくは20質量部以上である。10質量部未満では、引き裂き強さが低く、ゴムの強度が不足する場合がある。また、該シリカの含有量は50質量部以下、好ましくは40質量部以下である。50質量部を超えると、耐屈曲亀裂性能が劣る。
内部導電層に使用されるシリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、例えば、80〜200m/g、好ましくは80〜120m/gの範囲内である。80m/g以上である場合、補強効果が十分得られることによりタイヤの耐摩耗性が良好に向上する。
内部導電層にシリカを配合する場合、更にシランカップリング剤を併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。なかでも、加工性が改善できる点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが好ましい。
内部導電層において、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して4〜20質量部であることが好ましい。4質量部未満では、耐屈曲亀裂性能が劣る傾向があり、20質量部を超えても、耐屈曲亀裂性能が劣る傾向がある。
なお、内部導電層には、石油外の資源を利用する観点から、アロマオイル、石油系レジンを用いないことが好ましい。
本発明では、図1で示されるような電気的な接続経路により静電気を効果的に放出できるとともに、上記配合の内部導電層用ゴム組成物を使用することで耐クラック性能も改善できる。そのため、プライ巻上げ部を起点としてクラックの発生を防止でき、サイドウォール表面、インナーライナー表面のクラックの発生も防止できる。
<ビード部ゴム>
本発明で、ビード部のリムフランジに接する領域に配置されるビード部ゴムはクリンチゴム、チェーファー及びゴムチェファーを含む概念である。タイヤが走行する際にビード部ゴムを介してリムから駆動力が伝達されるが、この際にリムとビード部ゴムとの摩擦で静電気が発生しやすい。ビード部ゴムは前記内部導電層と接触領域を有するので、静電気は該内部導電層を通って接地面に有効に放出される。図1においてクリンチゴム、チェーファー又はゴムチェファーは、前記内部導電層14と電気的に接続している。
ここでビード部ゴムの体積固有抵抗は1×10Ω・cm未満である。体積固有抵抗が1×10Ω・cm未満にすることでタイヤの良好な導電性が得られる。該ビード部ゴムの体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm未満、より好ましくは1×10Ω・cm未満である。ビード部ゴム、即ち、クリンチゴム、チェーファー、ゴムチェファーは、耐摩耗性、剛性及び硬度が要求されるので、このような配合設計に加え、前記導電性ゴム及び通電ゴムの配合手法で電気抵抗を調整することができる。
<カーカス>
本発明におけるトレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至るカーカス10は、カーカスコードを配列する1枚以上のカーカスプライから構成される。該カーカスプライは、カーカスコードを平行に引き揃えてゴム中に埋設した構成である。上記カーカスコードを構成する繊維材料としては、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、アラミドなどを例示することができ、これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、天然資源材料であることからレーヨンを用いることが好ましく、カーカスコードを構成する繊維材料に対してレーヨンを90質量%以上配合することが好ましい。
プライゴムの体積固有抵抗は特に限定されないが、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムと同様に設定できる。また、プライゴムの体積固有抵抗を1×10Ω・cm未満に設定することもでき、これにより、隣接する内部導電層と相俟って、タイヤの導電性が改善され静電気の放出効果が得られる。この場合、該プライゴムの体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm以下、より好ましくは1×10Ω・cm以下に設定できる。
本発明におけるプライゴムは、被覆ゴムと実質的に同様の配合を採用でき、上記と同様のカーボンブラックやシリカを配合してもよい。また、カーカスコードとの接着性を改善する観点から従来のプライゴムの基本配合に基づき、カーボンブラックなどを配合することで導電性を付与することも可能である。
本発明では、トレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムの体積固有抵抗を、1×10Ω・cm以上として、転がり抵抗や耐久性等のタイヤ性能を維持しながら、前記内部導電層と、これに電気的に接続された導電性ゴム、被覆ゴム、通電ゴム及びビード部ゴムの体積固有抵抗をより低く調整している。従って、空気入りタイヤに発生した静電気をこれらにより形成される電気的な接続通路を介して効果的に放出することができる。
<ゴム配合>
本発明の空気入りタイヤにおける内部導電層、被覆ゴム、導電性ゴム、通電ゴム、チェーファーゴム、クリンチゴム、及びトレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴムは、例えば以下のゴム組成物から構成される。
これらのゴム組成物に使用されるゴム成分としては、例えば、上記内部導電層で列挙したものが挙げられる。被覆ゴム、導電性ゴム、通電ゴム、チェーファーゴム及びクリンチゴムに用いられるゴム成分としてはジエン系ゴムが好ましく、なかでも、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、脱蛋白天然ゴム等が好ましい。
上記ゴム組成物には、タイヤゴム配合において一般的に採用される以下の配合剤を適宜配合することができる。
本発明では、前述のように、トレッドゴム、ブレーカーゴム、サイドウォールゴムにシリカを配合することが好ましい。ゴム組成物にシリカを配合する場合には、シランカップリング剤を、例えばシリカ100質量部に対して1〜20質量部配合することが好ましい。1質量部以上配合することでタイヤの耐摩耗性が向上し転がり抵抗の低減が達成できる。一方、20質量部以下の場合、ゴムの混練、押出工程での焼け(スコーチ)が生じる危険性が少ない。シランカップリング剤としては、例えば、上記と同様のものが挙げられる。
ゴム組成物には、他の充填剤、加硫剤、加硫促進剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、発泡剤及びスコーチ防止剤等を添加することができる。
加硫剤としては、有機過酸化物又は硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンを好適に使用できる。また、硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用でき、硫黄を好適に使用できる。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系又はアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤などが挙げられる。
本発明の空気入りタイヤは、各タイヤ部材を構成するゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、前記成分を配合した各タイヤ部材用ゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
<材料>
NR(天然ゴム):TSR20
BR(ブタジエンゴム):宇部興産(株)製のBR150B
ENR25:クンプーランガスリー社(Kumpulan Guthrie Berhad)(マレーシア)製の(エポキシ化率25モル%のエポキシ化天然ゴム)
ENR50:クンプーランガスリー社(Kumpulan Guthrie Berhad)(マレーシア)製の(エポキシ化率50モル%のエポキシ化天然ゴム)
SBR1502:住友化学工業(株)製のSBR1502
SBR1500:住友化学工業(株)製のSBR1500
カーボンブラックN220:三菱化学(株)製のダイアブラックI(NSA:110m/g)
カーボンブラックN330:三菱化学(株)製のダイアブラックHM(NSA:80m/g)
シリカ:デグッサ社製ウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
石油系レジン:(株)日本触媒製のSP1068レジン
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「つばき」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸コバルト:日鉱金属(株)製のCOST−S
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
不溶性硫黄:三新化学(株)のサンフェルEX
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルファンアミド)
<内部導電層、導電性ゴム、被覆ゴム、通電ゴム、クリンチゴムの調製>
表1〜5に示す配合成分のうち硫黄及び加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃で4分間混練した後、硫黄及び加硫促進剤を加えて95℃で2分間更に練り込み、従来法により押出し工程、カレンダー工程を経て、内部導電層ゴム組成物A−1〜A−6、導電性ゴム組成物B、被覆ゴム組成物C(アンダートレッドゴム組成物)、通電ゴム組成物D、クリンチゴム組成物Eを調製した。
<トレッドゴム、サイドウォールゴム、ブレーカーゴムの調製>
表6〜8に示す配合成分のうち硫黄及び加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて140℃で4分間混練した後、硫黄及び加硫促進剤を加えて95℃で2分間更に練り込み、従来法により押出し工程、カレンダー工程を経て、トレッドゴム組成物F、サイドウォールゴム組成物G、ブレーカーゴム組成物Hを調製した。
<ゴム組成物の体積固有抵抗>
表1〜8のゴム組成物A−1〜Hを用いて厚さ2mm、15cm×15cmの試験片を作成し、ADVANTEST社製の電気抵抗測定R8340Aを用いて電圧500V、気温25℃、湿度50%の条件で測定した。その結果を表1に示す。値が大きいほどゴム組成物の体積固有抵抗は高い。
<Demattia試験>
JIS−K6260の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムのデマッチャ屈曲亀裂成長試験方法」の試験方法に準じて、室温25℃の条件でサンプル(内部導電層ゴム組成物A−1〜A−6)に1mmの破断が生じるまでの回数を測定し、得られた回数を対数で表した。数値が大きいほど耐屈曲亀裂性能が良好である。なお、70%及び110%とは、もとのサンプルの長さに対する伸び率を表す。結果を表1に示す。
(実施例1〜2、比較例1〜4)
表1〜8のゴム配合で調整したゴム組成物を表9に示す組合せでそれぞれ用い、トレッドゴム、サイドウォールゴム、ブレーカーゴム、クリンチゴム、内部導電層、導電性ゴム、被覆ゴム及び通電ゴムに適用し、常法にて加硫成形し、図1に示す構造を有するサイズ195/65R15の空気入りタイヤを作製した。
ここで、試作タイヤの基本構造は次のとおりである。
<カーカスプライ>
コード角度:タイヤ周方向に90度
コード材料:ポリエステル 1670dtex/2
<ブレーカー>
コード角度:タイヤ周方向に24度×24度
コード材料:スチールコード(2+2×0.25)
なお、内部導電層の厚みは0.5mm、被覆ゴムの厚みは1mm、導電性ゴムの厚みは1mmであり、通電ゴムの幅は3mmでタイヤ周方向に連続した構造のものを採用した。
また、被覆ゴムと導電性ゴムの接触はタイヤ周方向に帯状で5mmの幅、被覆ゴムと通電ゴムの接触は通電ゴムのタイヤ幅方向の全面、内部導電層と導電性ゴムの接触はタイヤ周方向に帯状で5mmの幅、内部導電層とクリンチゴムの接触はカーカス形状に沿って5mm以上の幅の構造のものを採用した。
<タイヤ導電性>
上記で作製した空気入りタイヤを正規リムに装着し、規定内圧2.0MPaを充填して、荷重4.7kNで鉄板にトレッド部を接地させ、印加電圧100Vにおいてタイヤリム部と鉄板との間の電気抵抗値を測定した。結果を表9に示す。
<転がり抵抗>
上記で作製した空気入りタイヤを正規リムに装着し、規定内圧2.0MPaを充填して、STL社製の転がり抵抗試験機を用い、速度80km/h、荷重4.7kNで転がり抵抗を測定した。転がり抵抗の測定値を荷重で除した転がり抵抗係数(RRC)につき、各タイヤの転がり抵抗を下記式により比較例1を100として指数表示した。値が大きいほど転がり抵抗が小さく性能が良好である。結果を表9に示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1の転がり抵抗係数)/(各タイヤの転がり抵抗係数)×100
<耐クラック性能>
上記で作製した195/65R15空気入りタイヤを装着し、速度80km/h、荷重4.7kNで30000km走行させ、内部導電層のクラック成長量を測定し、耐クラック性能を評価した。なお、成長量が5mm以下の場合を○、5mmを超える場合を×とした。
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表1及び表9から、NR、ENR、カーボンブラック及びシリカを特定量含有する配合A−1〜A−2を内部導電層に用いた実施例のタイヤは、導電性、転がり抵抗が良好であった。また、それと同時に、内部導電層の耐クラック性能も良好であった。一方、ゴム成分としてNRのみを使用した配合A−3〜A−5、及びNR量が少ない配合A−6を内部導電層に用いた比較例1−3のタイヤでは、導電性、転がり抵抗が良好であったものの、該内部導電層の耐クラック性能は劣っていた。
1 タイヤ
2 チェーファーゴム
3 クリンチゴム
4 導電性ゴム
5 被覆ゴム
6 通電ゴム
7 トレッドゴム
8 サイドウォールゴム
9 ブレーカー
10 カーカス
11 ビードエーペックス
12 バンド
13 ビードコア
14 内部導電層

Claims (4)

  1. トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と、前記トレッド部から前記サイドウォール部を経て前記ビード部に至るカーカスと、前記カーカスのタイヤ半径方向外側にブレーカー部とを備えた空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部、前記ブレーカー部及び前記サイドウォール部にそれぞれ形成されるトレッドゴム、ブレーカーゴム及びサイドウォールゴムの体積固有抵抗は、いずれも1×10Ω・cm以上であり、
    前記空気入りタイヤは、前記カーカスと前記サイドウォールゴムとの間に配置される内部導電層、該内部導電層と接しブレーカー両端部の下側領域に配置される導電性ゴム、該導電性ゴムと接触領域を有してブレーカー部上側を被覆するように配置される被覆ゴム、該被覆ゴムと接触し一部がトレッドの表面に露出するようにトレッド部に埋設される通電ゴム、前記内部導電層と接しビード部のリムフランジに接する領域に配置されるビード部ゴムを備え、
    前記内部導電層、前記導電性ゴム、前記被覆ゴム、前記通電ゴム及び前記ビード部ゴムの体積固有抵抗値は、いずれも1×10Ω・cm未満であり、
    前記内部導電層は、天然ゴムを30〜90質量%、エポキシ化天然ゴムを70〜10質量%含むゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを10〜50質量部、シリカを10〜50質量部含有する内部導電層用ゴム組成物を用いて作製されている空気入りタイヤ。
  2. 前記内部導電層の厚みが0.2〜1.0mmである請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ビード部ゴムがクリンチゴム又はチェーファーゴムである請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記通電ゴムがタイヤ周方向に連続して形成される請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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