JP2013163351A - 樹脂構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリカーボネート層を含むスキン層とポリカーボネート製のコア層とで構成される樹脂構造体において、熱融着時のコア層の変形に起因するコア層とスキン層との接合強度の低下や曲げ強度の低下、外観不良の発生を抑制できる。
【解決手段】樹脂構造体10は、複数のセルSが並設されたコア層2の上下両面にシート状のスキン層3、4を接合することにより形成されている。スキン層3は、外面側に配置されるポリカーボネート層3aとコア層2側に配置される接着層3bとの二層構造を成しており、接着層3bがコア層2に接合されている。スキン層3の接着層3bは、コア層2のガラス転移点よりもガラス転移点が低い樹脂材料によって形成されている。下面のスキン層4は、上面のスキン層3と同様に、外面側に配置されるポリカーボネート層4aとコア層2側に配置される接着層4bとの二層構造を成しており、接着層4bがコア層2に接合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部に多角柱状又は円柱状をなす複数のセルが並設されるコア層とコア層に接合されるスキン層とを備えた樹脂構造体に関する。
従来、内部に多角柱状又は円柱状をなす複数のセルが並設される板状の樹脂構造体が知られている。例えば、特許文献1の樹脂構造体は、六角柱状のセルが並設されたコア層の上下両面にシート状のスキン層がそれぞれ熱融着により接合されている。そして、特許文献1には、コア層及びスキン層を構成する樹脂材料として、衝撃強度や耐腐食性等に優れたポリカーボネートが提案されている。
実開昭58−130722号公報。
特許文献1の樹脂構造体を製造するに際して、コア層にスキン層を熱融着で接合する場合には、ポリカーボネート製のスキン層をそのガラス転移点以上の温度に加熱する必要がある。特許文献1の樹脂構造体は、コア層もスキン層と同じポリカーボネート製であるため、スキン層を接合する際に、コア層のスキン層側の一部分がスキン層と共にガラス転移点以上の温度に加熱されることがある。コア層がガラス転移点以上に加熱されるとコア層が軟化溶融して変形したりヒケ等が発生して変形したりして、コア層におけるスキン層との接合面に凹凸が生じるおそれがある。
このようにコア層におけるスキン層との接合面に凹凸が生じると、スキン層がコア層における接合面の凹凸に追従することができずに、コア層の接合面とスキン層の接合面との接触面積が小さくなって曲げ強度や剥離強度の低下の原因となるおそれがある。また、スキン層がコア層における接合面の凹凸に追従できたとしても、スキン層自身に凹凸ができてしまうと、樹脂構造体において外観不良が発生することに繋がり得る。仮に、このような曲げ強度の低下や剥離強度の低下、及び外観不良の発生を抑えることができたとしても、接合の成形温度調節が困難で大量の不良品等を成形することにもなりかねず、成形効率が悪いと言わざるを得ない。
本発明は、このような従来技術の事情を鑑みてなされたものであり、ポリカーボネート製のコア層とポリカーボネート層を含むスキン層とで構成される樹脂構造体において、熱融着時のコア層の変形に起因するコア層とスキン層との接合強度の低下や曲げ強度の低下、及び外観不良が発生することを抑制することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、複数のセルが並設されるポリカーボネート製のコア層と、該コア層の上面及び下面の少なくとも一方に接合されるスキン層とを備えた樹脂構造体であって、前記スキン層は、ポリカーボネート製のポリカーボネート層を含んで構成され、前記スキン層において前記コア層に接合される層のガラス転移点は、前記コア層のガラス転移点よりも低いことを特徴とする。
この構成によれば、コア層にスキン層を熱融着で接合する際に、その加熱温度をコア層のガラス転移点未満に設定することができ、熱融着時にコア層がヒケ等で変形することを抑制できる。その結果、コア層とスキン層との接合強度の低下や曲げ強度の低下を低減できる。さらに、スキン層の外面に凹凸が生じることが抑制でき、外観不良が発生することを抑制できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記スキン層は、前記コア層に接合される層としての接着層を備え、前記接着層は、前記コア層よりもガラス転移点の低い樹脂材料により形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、スキン層の接着層をコア層に接合するようにしたため、スキン層のコア層に対する接合はスキン層の接着層によって担われることになる。したがって、スキン層をコア層に接合する際の加熱温度を低く設定することも可能で、その分、接合時にコア層が加熱される温度も低くなる。その結果、スキン層をコア層に接合する際のコア層の変形を防止しつつも接合の成形温度調節が比較的に容易であり、成形効率が向上する。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記スキン層におけるポリカーボネート層は、前記コア層に接合される層であり、前記ポリカーボネート層には、前記コア層よりもガラス転移点の低い樹脂材料が添加されていることを特徴とする。
この構成によれば、ポリカーボネート層がコア層に接合されることから、スキン層においてコア層に接合される層をポリカーボネート層とは別に形成する必要がない。したがって、スキン層においてコア層に接合される層をポリカーボネート層に積層形成したりする手間やコストの低減といった点で好適である。さらに、スキン層をコア層に接合する際に、加熱温度を低く設定することも可能で、接合時にコア層の変形を防止しつつも接合の成形温度調節が比較的に容易であり、成形効率が向上する。
本発明によれば、ポリカーボネート層を含むスキン層とポリカーボネート製のコア層とで構成される樹脂構造体において、熱融着時のコア層の変形に起因するコア層とスキン層との接合強度の低下や曲げ強度の低下、外観不良の発生を抑制できる。
(a)は樹脂構造体の斜視図、(b)は(a)におけるβ−β線断面図、(c)は(a)におけるγ−γ線断面図。 (a)は樹脂構造体のコア層を構成するシート材の斜視図、(b)は同シート材の折り畳み途中の状態を示す斜視図、(c)は同シート材を折り畳んだ状態を示す斜視図。
以下、本発明を具体化した樹脂構造体10を図1及び図2に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態の樹脂構造体10は、複数のセルSが並設されたコア層2の上下両面にシート状のスキン層3、4を接合することにより形成されている。
図1(b)及び(c)に示すように、コア層2は、ポリカーボネート製のシート材であって所定形状に成形された一枚のシート材を折り畳んで形成されている。そして、コア層2は、上壁21と、下壁22と、上壁21及び下壁22の間に立設されて六角柱状の筒部を並設する中間壁23とから構成されている。また、これら上壁21、下壁22、中間壁23によって、コア層2の内部に六角柱状のセルSが区画形成されている。
コア層2の内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1及び第2セルS2が存在する。図1(b)に示すように、第1セルS1は、その上端が二層構造の上壁21によって閉塞されるとともに、同下端が一層構造の下壁22によって閉塞されている。この二層構造の上壁21の各層は互いに接合されている。一方、図1(c)に示すように、第2セルS2は、その上端が一層構造の上壁21によって閉塞されるとともに、同下端が二層構造の下壁22によって閉塞されている。この二層構造の下壁22の各層間は互いに接合されている。また、図1(b)及び(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、及び隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ二層構造の中間壁23によって区画されている。
図1(a)に示すように、第1セルS1及び第2セルS2は、X方向において第1セルS1同士又は第2セルS2同士が隣接して列を形成するように配置されている。また、X方向に直交するY方向において、第1セルS1の列と第2セルS2の列とが交互に隣接配置されている。そして、これら第1セルS1及び第2セルS2により、コア層2は、ハニカム構造を成している。
このように形成されたコア層2の上端及び下端に、シート状のスキン層3、4を熱溶着で接合することにより樹脂構造体10が形成される。図1(b)及び(c)に示すように、樹脂構造体10の上面はコア層2の上壁21とスキン層3とから構成されるとともに、樹脂構造体10の下面はコア層の下壁22とスキン層4とから構成される。
図1(b)に示すように、上面のスキン層3は、外面側(図1(b)において上側)に配置されるポリカーボネート層3aとコア層2側に配置される接着層3bとの二層構造を成しており、接着層3bがコア層2に接合されている。スキン層3のポリカーボネート層3aは、コア層2と同じポリカーボネートによって形成されており、その厚みが0.4mm以上に設定されている。スキン層3の接着層3bは、コア層2のガラス転移点(コア層2を構成するポリカーボネートのガラス転移点)よりもガラス転移点が低い樹脂材料によって形成されており、その厚みが0.1mm以上に設定されている。本実施形態では、スキン層3の接着層3bを構成する樹脂材料として、アクリル樹脂に天然ゴム又は合成ゴムを添加した組成物が採用されている。
図1(b)に示すように、下面のスキン層4は、上面のスキン層3と同様に、外面側(図1(b)において下側)に配置されるポリカーボネート層4aとコア層2側に配置される接着層4bとの二層構造を成しており、接着層4bがコア層2に接合されている。スキン層4におけるポリカーボネート層4a及び接着層4bは、それぞれスキン層3におけるポリカーボネート層3a及び接着層3bと同じ材料で同じ厚みに形成されている。なお、コア層2の上面及び下面に、それぞれスキン層3、4を接合することにより、樹脂構造体10として反り等が発生し難くなっている。
次に、一枚のシート材100を折り畳み成形してコア層2とする態様を説明する。
図2(a)に示すように、シート材100は、一枚の熱可塑性樹脂製のシートを所定の形状に成形することにより形成される。シート材100には、帯状をなす平面領域110及び膨出領域120がその幅方向(X方向)に交互に配置されている。膨出領域120には、上面と一対の側面とからなる断面下向溝状をなす第1膨出部121が膨出領域120の延びる方向(Y方向)の全体にわたって形成されている。なお、第1膨出部121の上面と側面とのなす角は90度であることが好ましく、その結果として、第1膨出部121の断面形状は下向コ字状となる。また、第1膨出部121の幅(上面の短手方向の長さ)は平面領域110の幅と等しく、かつ第1膨出部121の膨出高さ(側面の短手方向の長さ)の2倍の長さとなるように設定されている。
また、膨出領域120には、その断面形状が正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなす複数の第2膨出部122が、第1膨出部121に直交するように形成されている。第2膨出部122の膨出高さは第1膨出部121の膨出高さと等しくなるように設定されている。また、隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しくなっている。
なお、こうした第1膨出部121及び第2膨出部122は、シートの塑性を利用してシートを部分的に上方に膨出させることにより形成されている。また、シート材100は、真空成形法や圧縮成形法等の周知の成形方法によって1枚のシートから成形することができる。
図2(a)及び(b)に示すように、上述のように構成されたシート材100を、境界線P、Qに沿って折り畳むことでコア層2が形成される。具体的には、シート材100を、平面領域110と膨出領域120との境界線Pにて谷折りするとともに、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qにて山折りしてX方向に圧縮する。そして、図2(b)及び(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なることによって、一つの膨出領域120に対して一つのY方向に延びる角柱状の区画体130が形成される。こうした区画体130がX方向に連続して形成されていくことにより板状のコア層2が形成される。
このとき、第1膨出部121の上面と側面とによってコア層2の上壁21が形成されるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とによってコア層2の下壁22が形成される。なお、図2(c)に示すように、上壁21における第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって二層構造を形成する部分、及び下壁22における第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって二層構造を形成する部分がそれぞれ重ね合わせ部131となる。
また、第2膨出部122が折り畳まれて区画形成される六角柱状の領域が第2セルS2となるとともに、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱状の領域が第1セルS1となる。本実施形態では、第2膨出部122の上面及び側面が第2セルS2の側壁を構成するとともに、第2膨出部122の側面と、膨出領域120における第2膨出部122間に位置する平面部分とが第1セルS1の側壁を構成する。そして、第2膨出部122の上面同士の当接部位、及び膨出領域120における上記平面部分同士の当接部位が二層構造をなす中間壁23となる。また、第1セルS1では、一対の重ね合わせ部131によってその上端が閉塞され、第2セルS2では、一対の重ね合わせ部131によってその下端が閉塞されている。なお、こうした折り畳み工程を実施するに際して、シート材100を加熱処理して軟化させた状態としておくことが好ましい。
次に、上記実施形態の樹脂構造体10の作用を、コア層2にスキン層3、4を接合する態様と合わせて説明する。
上記のようにして折り畳み成形されたコア層2の上面及び下面には、それぞれスキン層3、4が熱溶着により接合され樹脂構造体10が製造される。スキン層3をコア層2に熱溶着する際には、その加熱温度がスキン層3における接着層3bのガラス転移点以上、コア層2のガラス転移点未満に設定される。そして、熱融着によってスキン層3がコア層2の上面に接合されるとともにコア層2の第1セルS1における二層構造の上壁21(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。同様に、スキン層4をコア層2に熱溶着する際には、その加熱温度がスキン層4における接着層4bのガラス転移点以上、コア層2のガラス転移点未満に設定される。そして、熱融着によってスキン層4がコア層2の下面に接合されるとともにコア層2の第2セルS2における二層構造の下壁22(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。
ここで、仮に、コア層2の上面及び下面にそれぞれスキン層3、4を熱溶着で接合する際にコア層2がそのガラス転移点以上の温度に加熱されると、コア層2が軟化溶融して第1膨出部121や平面領域110がX方向に収縮変形してヒケが発生しやすくなる。この場合、第1セルS1の上端中央に上壁21が存在しない開口部が形成されたり、第1セルS1における上壁21の上面に凹凸が発生したりすることがある。同様に、第2セルS2の下端中央に下壁22が存在しない開口部が形成されたり、第2セルS2における下壁22の下面に凹凸が発生したりすることがある。
上記実施形態では、スキン層3、4をコア層2に熱溶着する際の加熱温度がスキン層3、4における接着層3b、4bのガラス転移点以上、コア層2のガラス転移点未満に設定されている。したがって、コア層2はそのガラス転移点以上に加熱されることはなく、コア層2のセルS1及びセルS2において開口部が形成されたり、接合面に凹凸が発生したりすることが抑制される。その結果、コア層2とスキン層3、4との接触面積が小さくなることが抑制され、コア層2とスキン層3、4との接合強度を確保することができる。
本実施形態の樹脂構造体10によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(1)上記実施形態では、スキン層3、4における接着層3b、4bのガラス転移点がコア層2のガラス転移点よりも低く設定されているため、スキン層3、4をコア層2に熱融着する際の加熱温度をコア層2のガラス転移点未満に設定することができる。熱融着する際の加熱温度をコア層2のガラス転移点未満にすれば、コア層2のセルS1及びセルS2において開口部が形成されたり、接合面に凹凸が発生したりすることが抑制される。その結果、コア層2とスキン層3、4との接合強度の低下や曲げ強度の低下を低減できる。さらに、スキン層3、4の外面に凹凸が生じることが抑制でき、美観を損なうことが抑制できる。
(2)上記実施形態では、スキン層3、4を、それぞれポリカーボネート層及び接着層の二層構造で形成し、接着層をコア層2に接合するようにした。そのため、スキン層3、4のコア層2に対する接合は、それぞれの接着層によって担われることになり、スキン層3、4におけるポリカーボネート層はコア層に対する接合性には直接関与しないことになる。したがって、スキン層3、4のポリカーボネート層の材質がコア層に対する接合強度を左右することはなく、ポリカーボネート層の材質の選択自由度が向上する。
(3)上記実施形態では、スキン層3の接着層3b及びスキン層4の接着層4bを、アクリル樹脂に天然ゴム又は合成ゴムを添加した組成物により形成した。天然ゴム又は合成ゴムを添加することにより、樹脂構造体10の外側からの衝撃強度の向上を図ることができる。
(4)上記実施形態では、スキン層3における接着層3bの厚みを0.1mm以上に設定した。この厚み設定であれば、コア層2のスキン層3に対する接合面において多少の凹凸が発生したとしても、その凹凸に接着層3bが厚み方向に薄くなったり厚くなったりすることによって追従することができる。その結果、スキン層3とコア層2との接触面積が小さくなることが抑制できる。
(5)上記実施形態では、スキン層3における接着層3bを構成する樹脂材料の主成分として比較的に透明度の高いアクリル樹脂を使用している。したがって、例えば、スキン層3をポリカーボネート製のポリカーボネート層3aのみで構成した場合に比べても、スキン層3全体の透明性を著しく損なうことがない。なお、この点、スキン層4についても同様である。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよく、また、以下の変更例を組み合わせて適用してもよい。
・ 一枚のシート材100を折り畳み成形してコア層2を構成するのに限らず、複数のシートを使用してコア層2を構成してもよい。例えば、帯状のシートを所定間隔毎に屈曲させるとともに、屈曲させた帯状のシートを複数並置することによりコア層2を構成してもよい。
・ 上記実施形態では、コア層2の内部に六角柱状のセルSが区画形成されていたが、セルSの形状は、特に限定されるものでなく、例えば、四角柱状、八角柱状等の多角形状や円柱状としてもよい。その際、異なる形状のセルが混在していてもよい。また、各セルは隣接していなくともよく、セルとセルとの間に隙間(空間)が存在していてもよい。
・ 樹脂構造体10として、例えば、シート状のシート本体から一方側に向かって突出する中空円柱状のセルを複数設けることによってコア層を形成し、コア層における中空円柱状のセルの頂面にスキン層を接合するようにしても良い。あるいは、中空円柱状のセルが複数設けられたシートを、その中空円柱状のセルの頂面同士が接合されるように接合することによってコア層を構成しても良い。この場合、中空円柱状のセルが複数設けられたシートのうちの少なくともいずれか一方において、中空円柱状のセルが形成されていない面にスキン層を接合することになる。なお、ここでいう中空円柱状とは、その高さ方向において径が一定であるものに限らず、頂面に向かうにつれて径が小さくなるテーパ状の中空円柱状(接頭円錐形状)を含むものである。
・ スキン層3におけるポリカーボネート層3a及びコア層2は、モノマー同士がカーボネート基で重合している化学構造のものであれば、どのようなポリカーボネートであっても適用できる。また、ポリカーボネートに添加物が添加されていたとしても、原料の重量%濃度に換算して、ポリカーボネートモノマーの濃度が10%を超えていれば、ポリカーボネート製であると言える。
・ スキン層3における接着層3bの組成は、上記実施形態のものに限らない。例えば、アクリル樹脂のガラス転移点がコア層2のガラス転移点よりも低いのであれば、天然ゴム又は合成ゴムを添加しなくとも良い。また、天然ゴム又は合成ゴムに代えて粘着系添加剤(接着剤)を添加しても良い。あるいは、アクリル樹脂に代えて、コア層2のガラス転移点よりもガラス転移点又は融点の低い樹脂、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、G−PET(テレフタル酸、エチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノールで構成されるグリコール変性ポリエステル)、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタラート樹脂)を採用しても良い。もちろん、ABS樹脂、G−PET、PBT樹脂等を採用する際には、これらに天然ゴム又は合成ゴムなどのような添加物を添加してもよい。つまり、スキン層3における接着層3bの組成は、コア層2のガラス転移点よりも低いのであればどのような組成であってもよく、スキン層3として必要とされる強度、透明性、耐腐食性等を考慮して適宜選択できる。
・ スキン層3における接着層3bの厚みは0.1mm未満であってもよい。ただし、コア層2にスキン層3を熱融着で接合する際に、コア層2のスキン層3に対する接合面に凹凸が生じることを完全に防げないのであれば、その凹凸にスキン層3の接着層3bを追従させるために接着層3bの厚みを0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上に設定すると良い。一方、接着層3bの厚みが厚すぎるとスキン層3の透明性が損なわれたり、接着層3bの材料コストが高くなったりすることも考えられる。そういった観点からは、スキン層3の接着層3bの厚みは、0.3mm以下であることが好ましい。
・ スキン層3は、ポリカーボネート層3aと接着層3bとの二層構造に限らず、三層以上の層によって構成されていても良い。例えば、ポリカーボネート層3aと接着層3bとの間に、一以上の層が介在されていても良いし、ポリカーボネート層3aの外面(図1(b)において上面)に一以上の層が積層されていても良い。具体的な例としては、スキン層3におけるポリカーボネート層3aの外面にアルミニウムや化粧板等の他の材質を貼り付けることにより、曲げ強度の向上や美観の向上を図ったり、スキン層3におけるポリカーボネート層3aの外面にアクリル層を形成して擦り傷の発生防止等を図ったりすることが挙げられる。
・ さらに、スキン層3におけるポリカーボネート層3aのガラス転移点が、コア層2のガラス転移点よりも低いのであれば、スキン層3における接着層3bを省略して、ポリカーボネート層3aをコア層2に接合するようにしても良い。この場合、例えば、ポリカーボネート層3aを、ポリカーボネートに添加物を添加した組成物で構成することが考えられる。ポリカーボネートに対する添加物としては、ABS樹脂、G−PET、PBT樹脂、マイクロシリカ等の無機物質性のインパクトモディファイア等が挙げられる。この変更例の場合、スキン層においてポリカーボネート層に接着層を積層する手間やコストの低減といった観点から好適である。
・ スキン層3におけるポリカーボネート層3aの厚みは、上記実施形態のものに限らず、0.4mm未満に設定しても良い。ただし、ポリカーボネート層3aの厚みを相応に厚く設定すると、コア層2におけるスキン層3との接合面に若干の凹凸が生じていても、その凹凸にポリカーボネート層3aが追従することが抑制されるので、外観不良が発生し難くなる。そういった観点からは、ポリカーボネート層3aの厚みは、0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上、さらに好ましくは0.4mm以上に設定することが好適である。また、スキン層3のポリカーボネート層3aの厚みは、接着層3bよりも厚いことが好適である。この厚み設定によれば、樹脂構造体10の曲げ強度の低下が抑制できる。
・ 上記したスキン層3に関する変更例は、スキン層4についても同様に適用できる。
・ コア層2及びスキン層3、4をポリカーボネート製とすることによって、例えば、コア層2及びスキン層3、4をポリプロピレン製とした場合に比較して、曲げ強度、衝撃強度、耐熱性及び透明性を向上させることができる。
・ スキン層3及びスキン層4は、同一構成である必要はない。例えば、スキン層3についてはポリカーボネート層3aと接着層3bとで構成し、スキン層4についてはポリカーボネート層4aのみで構成しても良い。また、スキン層3及びスキン層4のうちいずれか一方がポリカーボネート層を有していれば、他方はポリカーボネート層を有していなくともよい。
・ 樹脂構造体10においてコア層2の上面又は下面のいずれかについて高い接合強度を必要としないのであれば、スキン層3、4のうちのいずれか一方のスキン層において、コア層2に接合される層(接着層)のガラス転移点を、コア層2のガラス転移点よりも高くしても良い。
・ コア層2のガラス転移点がスキン層3におけるコア層2に接合される層のガラス転移点よりも高いのであれば、コア層2をポリカーボネートと添加物との組成物によって構成しても良い。例えば、ポリカーボネートに添加物としてガラス繊維やガラスパウダー等のガラス成分や、タルクなどの珪酸塩鉱物を添加して、熱溶着する際にコア層2における加熱による変形を抑制するようにしても良い。
・ コア層2において、折り畳み成形後にセルSの重ね合せ部131間において、開口部ができていてもよい。なお、コア層2は、折り畳み成形しているのでシート材100の折り曲げ箇所に極僅かな湾曲形状が発生し、その折り曲げ箇所同士が当接している部分には、極僅かな略逆三角形状の窪みが形成される。この窪みにスキン層3、4におけるコア層2に接合される層が入り込むことができるので、接着強度が向上して剥離強度を確保することにも繋がる。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
・ 前記接着層の厚みは、0.2mm以上0.3mm以下である。
・ 前記接着層は、アクリル樹脂とゴムとを含有する組成物により形成されている。
2…コア層、3、4…スキン層、3a、4a…スキン層のポリカーボネート層、3b、4b…スキン層の接着層、10…樹脂構造体。

Claims (3)

  1. 複数のセルが並設されるポリカーボネート製のコア層と、該コア層の上面及び下面の少なくとも一方に接合されるスキン層とを備えた樹脂構造体であって、
    前記スキン層は、ポリカーボネート製のポリカーボネート層を含んで構成され、前記スキン層において前記コア層に接合される層のガラス転移点は、前記コア層のガラス転移点よりも低いことを特徴とする樹脂構造体。
  2. 前記スキン層は、前記コア層に接合される層としての接着層を備え、前記接着層は、前記コア層よりもガラス転移点の低い樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂構造体。
  3. 前記スキン層におけるポリカーボネート層は、前記コア層に接合される層であり、前記ポリカーボネート層には、前記コア層よりもガラス転移点の低い樹脂材料が添加されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂構造体。
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