JP2013160453A - 熱源機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中和器は、一定以上のドレン水が溜まると内部に水封部を形成し気体の通過を阻止するものであり、前記中和器はドレン水の有無を検知可能な水検知手段を有し、中和器にドレン水が有ることを条件の一つとして燃焼部が燃焼可能となるものであり、中和器にドレン水が無い場合は、燃焼部を燃焼させることによって燃焼ガスの一部が中和器を経由して外部に排出されると仮定し、その際における前記外部の燃焼ガス濃度又は特定のガスの濃度を算出し、前記燃焼ガス濃度又は特定のガスの濃度が所定の濃度以上に至るまでの間に限って燃焼部が燃焼可能である構成とする。
【選択図】図8
Description
そこで、従来の室内置きの熱源機では、中和器内に複数の部屋を設け、その部屋間を連通する連通孔をドレンで満たして水封し、その水封構造によって、有害ガスの流通を強制的に阻止する方策が一般的に採用されている。
また、上記したような中和器内に水封構造が形成されていない状況は、主に熱源機の最初の起動時又は長時間の休止後再開する時のみに発生する。即ち、一度ドレンが中和器の容器内に満たされ水封が形成されると、補助給水管が不要となることが多い。さらに、中和器内に水封構造が形成されていない状況の場合には、水封が形成されるまでの間、給湯運転や暖房運転などの燃焼動作を行うことができない。
なお、「特定のガスの濃度」としては、燃焼部が燃焼する際に生じる燃焼ガスの成分濃度であることが好ましい。例えば、一酸化炭素濃度や二酸化炭素濃度、窒化酸化物濃度、硫黄酸化物濃度であることが好ましい。
一方、従来の熱源機と同様、中和器にドレン水が無い場合(水封状態でない場合)は、一定以上のドレン水が溜まっていないため、内部に水封部が形成されず、気体の通過を阻止できない。
このような場合、従来の熱源機であれば、不完全燃焼を検知するための一酸化炭素センサーとは別に新たに室内空間の一酸化炭素濃度を算出するための一酸化炭素センサーを設ける必要がある。即ち、少なくとも2つの一酸化炭素センサーを設ける必要となり、高コストになる。
そこで、本発明の構成によれば、燃焼部を燃焼させることによって燃焼ガスの一部が中和器を経由して外部に排出されると仮定し、その際における前記外部の燃焼ガス濃度又は特定のガスの濃度を算出し、前記燃焼ガス濃度又は特定のガスの濃度が所定の濃度以上に至るまでの間に限って燃焼部が燃焼可能となっている。即ち、燃焼部で形成された燃焼ガスの一部が中和器を経由して外部に排出されると仮定した上で、過去に実験的に及び/又は計算的に算出された外部の燃焼ガス濃度又は特定のガスの濃度に基づいて、実際の外部の燃焼ガス濃度又は特定のガスの濃度を算出する。そして、その値が所定の基準値を上回るまでは、人体に影響を受けない(安全である)ので、燃焼部の燃焼を許可している。そして、ほとんどの場合は、時間が経過すると、所定の基準値を上回らずに中和器内にドレンが溜まり水封部が形成される。
一方、その値が所定の基準値を上回ると、人体に影響がある虞がある(不安全である)から、燃焼部の燃焼を強制的に停止する。
そのため、たとえ水封状態が形成されていない、水封状態が形成するまでの間であっても、使用者に影響を与えない範囲において、給湯運転や暖房運転などの燃焼動作を行うことができる。即ち、水封状態の形成を待たずとも安全でかつ即座に使用できる。また、燃焼動作を行うことによって、そのうちにドレンが中和器に溜まり、中和器内に水封部を形成する。
また、本発明の構成によれば、新たに室内空間の一酸化炭素濃度を算出するための一酸化炭素センサーや、水封構造を形成するために電磁弁や配管等を取り付ける必要がないため、従来に比べてコストを低減することもできる。
本実施形態の熱源機1は、主に内外に気体が出入りする室内空間内に設置されるものである。即ち、本実施形態の熱源機1の筐体101は、例えば、一般家屋などの自然換気される室内空間に設置されるものである。
また、本実施形態の熱源機1は、図1に示すように、2つの燃焼部2(2a,2b)を有している。即ち、熱源機1は、給湯側燃焼系統を形成する給湯用燃焼部2aと、暖房側燃焼系統を形成する暖房用燃焼部2bを備えている。そして、給湯用燃焼部2aには給湯栓等に湯水を流す給湯回路7(図2参照)が接続され、暖房用燃焼部2bには外部の図示しない暖房機器に湯水又は熱媒体を流す暖房回路8(図2参照)が接続されている。
熱源機1は、図1で示すように、筐体101の内部に、燃焼部2と、主に顕熱を回収する一次熱交換器3a,3bと、主に潜熱を回収する二次熱交換器6と、二次熱交換器6で発生したドレンを中和して筐体101の外部へ排出するための中和器10と、が内蔵されている。
なお、本実施形態のバーナー12は、複数の燃焼管を備えており、実際に炎を発生させる燃焼管の本数(燃焼本数)で出力を制御するものを採用している。
ここで前記したように、二次熱交換器6は、燃焼ガスの主に潜熱を回収するので、二次熱交換器6では燃焼ガスの温度が一定値以下に低下する。そのことにより、燃焼ガスに含まれる水蒸気が液化してドレンが発生する。そして、発生したドレンが燃焼ガスに晒されることにより、燃焼により生成された窒素酸化物や硫黄酸化物がドレンに溶け込んで酸性を呈する。
また、ドレンは、空間内に留まっている間に中和剤と反応することで中和される。そして、中和されたドレンは、ドレン排出口27まで流れていき、ドレン排出口27からドレン排出管25へと排出される。
出力部56は、演算部55で演算されたデータに基づいて、燃焼部2に出力する部分である。具体的には、出力部56は、燃焼部2におけるバーナー12や送風機15に対して出力する。また、出力部56は、出力した情報を入力部51にも出力する。
本実施形態の熱源機1は、制御装置50によって動作が制御されている。そして、熱源機1は、従来の熱源機と同様に、給湯動作のみを行う給湯単独モードと、外部の暖房機器に供給する湯水又は熱媒体の加熱のみを行う暖房単独モードと、給湯動作と暖房動作とを同時に行う給湯・暖房併用モードとからなる3つの動作モードを実施可能な構成とされている。
以下に、3つの動作モードについて順番に説明する。
給湯単独モードは、図示しない給湯源から供給される湯水を加熱して図示しない給湯栓から出湯させる運転モードである。
即ち、図示しない給湯栓が操作されると、図示しない給水源から給湯回路7に湯水が供給され、給湯回路7上に設けられた各センサーにより熱源機1に導入される湯水の温度(入水温度)や流量(入水流量)が検知される。そして、それらの情報が、制御装置50に送信され、入水流量が最低作動流量(以下、MOQと称す)以上であることが確認されると、給湯用燃焼部2a側における燃焼動作が開始される。
なお、給湯用燃焼部2aにおける燃焼量は、予め設定された湯水の設定温度、入水温度、入水流量、並びに、給湯用熱交換部6aにおける加熱後の湯水の温度(出湯温度)等の情報に基づいて決定される。
なお、上記した給湯運転の動作を基本給湯動作と称す。
暖房単独モードは、給湯回路7に湯水の流れを発生させることなく、暖房回路8内の湯水又は熱媒体(単に湯水と言う)を加熱して、外部の暖房機器との間でその湯水を循環させる運転モードである。
即ち、外部の暖房機器のスイッチが操作されると、暖房回路8における暖房用循環ポンプ(図示しない)が駆動され、暖房回路8上に設けられたセンサーにより熱源機1に導入される湯水の温度が検知される。そして、それらの情報が、制御装置50に送信され、予め設定された目標温度と現在の湯水の温度に基づいて、暖房用燃焼部2b側における燃焼動作が開始される。
給湯・暖房併用モードは、前記した給湯用の湯水を加熱する給湯単独モードの際の動作と、暖房機器に供給する湯を加熱する暖房単独モードの際の動作が、同時に制御される運転モードである。即ち、給湯・暖房併用モードにおける、通常時の熱源機1の基本的動作は、上記した説明を準用できるため、説明を省略する。
これに対して、本実施形態の熱源機1では、たとえ水封が形成されていなくても、本発明の特徴的な制御である水封制御動作を用いることによって、安全な範囲内において基本燃焼動作を行うことができる。また、本実施形態の熱源機1は、水封制御動作を用いることによって、新たに一酸化炭素センサーを設ける必要がない。
なお、この水封制御動作は、熱源機1の排気口11の一部が燃焼限界まで閉塞された場合を想定して制御している。
即ち、熱源機1では、従来の熱源機と同様、不完全燃焼を検知するために、排気口11の近傍に一酸化炭素センサーを有している。そして排気ガスの一酸化炭素濃度を検知し、この濃度が一定値を越えると、燃焼がストップする。本来、上記したように燃焼ガスは、排気口11を介して直接室外へ排出されるため、燃焼ガス中の一酸化炭素濃度が増加しても、室内空間の空気を汚染することはない。しかし、中和器10の水封が破れると、一酸化炭素が室内空間に流れ込む。
本実施形態の熱源機1では、前記した様に一酸化炭素センサーを有し、排気ガスの一酸化炭素濃度が一定値を越えると燃焼が停止するから、燃焼ガス中の一酸化炭素が前記一定値の濃度以上となることはあり得ない。そこで、燃焼ガス中の一酸化炭素濃度の最大値として、前記一定値を採用することとした。
また、不完全燃焼が発生する原因として、送風機15が故障した場合や、一次熱交換器3a,3bと二次熱交換器6の間が詰まった場合、排気口11が詰まった場合等が考えられる。これらの中で、最も室内空間に燃焼ガスが流入する場合は、排気口11が詰まった場合である。そこで、燃焼ガス中の一酸化炭素濃度の最大値として、排気口11が燃焼限界まで詰まった場合を想定している。
まず、通常運転を開始し、基本燃焼動作を許可した燃焼動作待機状態とする(ステップ1)。ここでいう「基本燃焼動作を許可する」とは、上記した基本燃焼動作を実行することが可能な状態とすることをいう。また同時に濃度演算タイマーをONにし、経過時間を算出できる状態とする(ステップ2)。その後、中和器10の水検知手段30によって、水封状態を確認する(ステップ3)。具体的には、中和器10内の水位を確認する。このとき、この水検知手段30が所定の水位を検知しない場合は、図4のような水封状態ではない状態(非水封状態)であり、水検知手段30が水位を検知した場合は、図5のような水封状態であると判断する。
水封状態でないと判断した場合(ステップ3がNoの場合)、上記した基本燃焼動作を実行しているかどうか判断する(ステップ4)。
このとき、基本燃焼動作を行っていた場合(ステップ4でYes)には、同時に基本燃焼動作の種類及び燃焼量(バーナー12や送風機15の出力など)を認識する。
そして、ステップ5に移り、故障検知タイマーをONにする。なお、故障検知タイマーが一時停止状態である場合は再開する。なお、この故障検知タイマーは、あくまでも故障を検知するタイマーであり、濃度演算タイマーとは異なり濃度の演算には用いない。
その後、濃度乗算処理を行う(ステップ6)。
具体的には、図11のように濃度演算タイマーによって基本燃焼動作の開始時からの経過時間を算出し、演算部55に入力する(ステップ6a)。その後、その値とステップ3で認識した基本燃焼動作の種類及び燃焼量によって、C1を算出する(ステップ6b)。
そして、基本燃焼動作によって室内空間に排出すると予想される一酸化炭素濃度をJIA A 008−11a(半密閉式瞬間湯沸器適合性検査規定)に準じて、下記の計算式(1)によって算出する(ステップ7)。
具体的にはJIA A 008−11a(半密閉式瞬間湯沸器適合性検査規定)に準じて以下のようにして計算式(1)を導入する。
また、本実施形態では、換気率はJIS A 1406に準じて算出しており、具体的には、室内空間の容積Vを16.8m3(立方メートル)と想定し、換気率qを0.5回/時間として使用している。
その後、故障検知タイマーと濃度演算タイマーをリセットして(ステップ12)、強制的に燃焼動作を停止(ステップ13)、熱源機1を作動できない状態となる。即ち、熱源機1が基本燃焼動作を実行できない状態となる。なおこのとき、例えば報知手段を設けて換気を促す構造であることが好ましい。
以上が水封制御動作の一例たる図10に沿ったフローである。
室内空間内の一酸化炭素濃度が所定の濃度α未満であれば(ステップ8でNo)、故障検知タイマーの積算時間を確認し、故障検知タイマー積算時間が所定の時間β以上であるか確認する(ステップ9)。
故障検知タイマー積算時間が所定の時間β以上である場合(ステップ9でYes)、熱源機1が故障している可能性があると判断し、故障検知タイマーと濃度演算タイマーをリセットにして(ステップ12)、強制的に燃焼動作を停止する(ステップ13)。
なお、所定の時間βは、通常基本燃焼動作を行った際に生じるドレンによって、中和器10が水封されるのに十分な時間であり、定数であってもよいし、基本燃焼動作の種類及び燃焼量によって可変する数値であってもよい。即ち、正常の基本燃焼動作で故障検知タイマー積算時間が所定の時間β以上となることはない。
一方、故障検知タイマー積算時間が所定の時間β未満である場合(ステップ9でNo)、ステップ3に戻る。
その後、濃度除算処理を行う(ステップ11)。
具体的には、図12のように濃度演算タイマーによって基本燃焼動作の停止時における算出濃度と燃焼動作停止時からの経過時間を算出し、演算部55に入力する(ステップ11a,11b)。
そして、室内空間内から室内空間外に一酸化炭素が排出されていくと仮定し、燃焼動作を停止してから所定の時間後に室内空間の予想される一酸化炭素濃度を完全撹拌槽の物質収支式と実験結果に基づいて、下記の計算式(2a)によって算出する(ステップ7)。
上記で説明した図9のグラフは、演算された一酸化炭素濃度が所定値に至るまで連続運転した場合を示している。即ち、基本燃焼動作が強制的に停止される場合を示している。
実際には、所定値に至るまで連続運転されることは稀であり、中途で燃焼が停止される。例えば一般給湯であるならば、台所で連続的に給湯することは稀であり、使用者は、こまめに水栓を閉じると考えられる。暖房運転の場合でも、熱需要によって燃焼が自動的にオンオフされると考えられる。
このような場合には、図13のグラフのように基本燃焼動作を行う度に、ドレンが溜まっていき、所定値αに至る前に中和器内のドレンが溜まり、水封が形成される。
また、連続運転を行ったとしても、所定濃度αに至る前にドレンが溜まる場合も多い。その場合は、図14のグラフのように1回の基本燃焼動作で、所定の濃度αに至る前に中和器内のドレンの水位が上昇し、水封が形成される。
実際の動作としては、これらが混ざって図15のグラフのように、基本燃焼動作間に間隔があり、数回の基本燃焼動作で、所定の濃度αに至る前に中和器内のドレンの水位が上昇し、水封が形成される。
即ち、実際には基本燃焼動作を行って、所定の濃度αに至るまでに中和器内にドレンが溜まらず水封が形成されない場合はほとんど起こらない。
また、計算によって一酸化炭素濃度を算出するため、新たに一酸化炭素センサーを設ける必要がない。即ち、従来の熱源機に比べてコストを低減することができる。
なお、この水封制御動作は、第1実施形態と同様、熱源機1の排気口11の一部が燃焼限界まで閉塞された場合を想定して制御している。
まず、通常運転を開始し、第1実施形態の熱源機1と同様、燃焼動作を許可した燃焼動作待機状態とする(ステップ21)。また同時に濃度演算タイマーをONにし、経過時間を算出できる状態とする(ステップ22)。その後、中和器10の水検知手段30によって、水封状態を確認する(ステップ23)。
水封状態でないと判断した場合(ステップ23がNoの場合)、上記した基本燃焼動作を実行しているかどうか判断する(ステップ24)。
このとき、基本燃焼動作を行っていた場合(ステップ24でYes)には、同時に基本燃焼動作の種類及び燃焼量(バーナー12や送風機15の出力など)を認識する。
そして、ステップ25に移り、故障検知タイマーをONにする。なお、故障検知タイマーが一時停止状態である場合は再開する。
その後、第1実施形態と同様、濃度乗算処理を行う(ステップ26)。
そして、基本燃焼動作によって室内空間に排出すると予想される一酸化炭素濃度を上記した計算式(1)によって算出する(ステップ27)。
その後、故障検知タイマーをリセットして(ステップ32)、強制的に燃焼動作を停止(ステップ33)、熱源機1を作動できない状態となる。即ち、熱源機1が基本燃焼動作を実行できない状態となる。
その後、濃度除算処理を行う(ステップ34)。
そして、室内空間内から室内空間外に一酸化炭素が排出されていくと仮定し、燃焼動作を停止してから所定の時間後に室内空間の予想される一酸化炭素濃度を、第1実施形態と同様の下記の計算式(2b)によって算出する(ステップ35)。
なお、濃度γは、濃度αに比べて極めて小さな値であり、具体的には、濃度γは、濃度αの1/100以下となっており、濃度αの1/1000以下であることが好ましく、濃度αの1/10000以下であることが特に好ましい。
以上が水封制御動作の一例たる図17に沿ったフローである。
算出した室内空間内の一酸化炭素濃度が所定の濃度γ以上であれば(ステップ36でNo)、室内空間内の一酸化炭素濃度が充満しており、換気されていないと判断し、ステップ34に戻る。なお、上記したようにγはαよりも小さい値となっている。
また、室内空間内の一酸化炭素濃度が所定の濃度α未満であれば(ステップ28でNo)、故障検知タイマーの積算時間を確認し、故障検知タイマー積算時間が所定の時間β以上であるか確認する(ステップ29)。
故障検知タイマー積算時間が所定の時間β以上である場合(ステップ29でYes)、故障検知タイマーと濃度演算タイマーをリセットにして(ステップ39)、強制的に燃焼動作を停止する(ステップ40)。
一方、故障検知タイマー積算時間が所定の時間β未満である場合(ステップ29でNo)、ステップ23に戻る。
その後、濃度除算処理を行う(ステップ31)。
そして、室内空間内から室内空間外に一酸化炭素が排出されていくと仮定し、燃焼動作を停止してから所定の時間後に室内空間の予想される一酸化炭素濃度を上記した計算式(2a)によって算出する(ステップ27)。
なお、この水封制御動作は、第1実施形態と同様、熱源機1の排気口11の一部が燃焼限界まで閉塞された場合を想定して制御している。
まず、通常運転を開始し、第1実施形態の熱源機1と同様、燃焼動作を許可した燃焼動作待機状態とする(ステップ51)。また同時に濃度演算タイマーをONにし、経過時間を算出できる状態とする(ステップ52)。その後、中和器10の水検知手段30によって、水封状態を確認する(ステップ53)。
水封状態でないと判断した場合(ステップ53がNoの場合)、上記した基本燃焼動作を実行しているかどうか判断する(ステップ54)。
このとき、基本燃焼動作を行っていた場合(ステップ54でYes)には、同時に基本燃焼動作の種類及び燃焼量(バーナー12や送風機15の出力など)を認識する。
そして、ステップ55に移り、故障検知タイマーをONにする。なお、故障検知タイマーが一時停止状態である場合は再開する。
その後、第1実施形態と同様、濃度乗算処理を行う(ステップ56)
そして、基本燃焼動作によって室内空間に排出すると予想される一酸化炭素濃度を上記の計算式(1)によって算出する(ステップ57)。
なお、この燃焼制限動作は、通常の基本燃焼動作に用いる燃焼量を制限する動作である。具体的には、通常の燃焼量の40パーセントから80パーセント程度に制限している。ここでいう「通常の燃焼量」とは基本燃焼動作を行う際に要求される燃焼量であり、基本燃焼動作の種類によって異なる。
また、所定の濃度δは、αより小さい値であり、具体的には、αの40パーセントから90パーセントとなっており、αの50パーセントから80パーセントであることが好ましく、αの60パーセントから70パーセントであることが特に好ましい。
水封状態でないと判断した場合(ステップ63がNoの場合)、ステップ62で制限した燃焼量に基づいて、乗算処理又は除算処理を行う(ステップ64)。
具体的には、図22のように濃度演算タイマーによって燃焼制限動作の開始時からの経過時間を算出し、演算部55に入力する(ステップ64a)。その後、その値とステップ62で制限した基本燃焼動作の種類及び燃焼量によって、C1を算出する(ステップ64b)。
そして、燃焼制限動作によって室内空間に排出すると予想される一酸化炭素濃度を上記の計算式(1)と同様、JIA A 008−11a(半密閉式瞬間湯沸器適合性検査規定)に準じて、下記の計算式(3)によって算出する(ステップ65)。
ここで、C3について、燃焼制限動作で描かれるグラフにおいて漸近線の位置によって、不等号が変わる。即ち、図20のような図では、漸近線(図示しない)がδ以上の位置にあるので、C3は正の値となり、燃焼制限動作の開始時の一酸化炭素濃度に対して乗算処理となる。一方、即ち、図23のように漸近線がδ未満の位置にあればC3の値は負となり、燃焼制限動作の開始時の一酸化炭素濃度に対して除算処理となる。
そして、算出した室内空間内の一酸化炭素濃度が所定の濃度α以上であれば(ステップ66でYes)、室内空間内が一酸化濃度に汚染されている状態であると判断する。
その後、故障検知タイマーと濃度演算タイマーをリセットして(ステップ67)、強制的に燃焼動作を停止(ステップ68)、熱源機を作動できない状態となる。即ち、熱源機が基本燃焼動作を実行できない状態となる。
以上が水封制御動作の一例たる図21の太線に沿ったフローである。
算出した室内空間内の一酸化炭素濃度が所定の濃度α未満であれば(ステップ66でYes)、ステップ63に戻る。
また、室内空間内の一酸化炭素濃度が所定の濃度δ未満であれば(ステップ58でNo)、故障検知タイマーの積算時間を確認し、故障検知タイマー積算時間が所定の時間β以上であるか確認する(ステップ59)。
故障検知タイマー積算時間が所定の時間β以上である場合(ステップ59でYes)、ステップ67に移り、故障検知タイマーと濃度演算タイマーをリセットする。
一方、故障検知タイマー積算時間が所定の時間β未満である場合(ステップ59でNo)、ステップ53に戻る。
その後、第1実施形態と同様の濃度除算処理を行う(ステップ61)。
そして、室内空間内から室内空間外に一酸化炭素が排出されていくと仮定し、燃焼動作を停止してから所定の時間後に室内空間の予想される一酸化炭素濃度を上記した計算式(2a)によって算出する(ステップ57)。
ドレン回収部21のドレン導入管23への導入口は二次熱交換器6の給湯回路7側に設けられている(図3参照)。そのため、室内空間に燃焼ガスが流入するのであれば、主に給湯回路7側から室内空間に燃焼ガスが流入する可能性が高い。そこで、燃焼制限動作において、給湯用燃焼部2aのバーナー12を制御する際に(燃焼本数を減らす際)には、給湯用燃焼部2aのバーナー12のドレン回収口寄りの燃焼管を消火することが好ましい。この燃焼制限動作によって、二次熱交換器6の給湯回路7側(ドレン回収部21のドレン導入管23への導入口側)の空気の比率が大きくなるため、室内空間への燃焼ガスの流入濃度が低くなり、室内空間の汚染を緩和することができる。
2 燃焼部
6 二次熱交換部(熱交換器)
10 中和器
30 水検知手段
Claims (3)
- 燃焼部と、前記燃焼部で生成された燃焼ガスが流通する燃焼ガス流路と、燃焼ガス流路の一部に設けられ主に燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器と、前記熱交換器で熱交換した際に発生するドレン水を中和する中和器を有した熱源機であって、
前記中和器は、一定以上のドレン水が溜まると内部に水封部が形成されて気体の通過を阻止するものであり、前記中和器はドレン水の有無を検知可能な水検知手段を有し、
中和器にドレン水が有ることを条件の一つとして燃焼部が燃焼可能となるものであり、
中和器にドレン水が無い場合は、燃焼部を燃焼させることによって燃焼ガスの一部が中和器を経由して外部に排出されると仮定し、その際における前記外部の燃焼ガス濃度又は特定のガスの濃度を算出し、前記燃焼ガス濃度又は特定のガスの濃度が所定の濃度以上に至るまでの間に限って燃焼部が燃焼可能であることを特徴とする熱源機。 - 燃焼部が燃焼を開始するとともに、前記外部の燃焼ガス濃度又は特定のガスの濃度を算出していき、その結果に応じて、燃焼部の燃焼量を制限することを特徴とする請求項1に記載の熱源機。
- 前記排出される燃焼ガス又は特定のガスの濃度は、燃焼動作における燃焼時間と、燃焼動作を停止した停止時間との相関関係を利用して求められ、前記燃焼時間から算出した濃度の乗算処理と、前記停止時間から算出した濃度の除算処理によって算出されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱源機。
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