以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
まず本発明の一実施の形態における給湯装置の構成について図1〜図5を用いて説明する。
主に図1および図2を参照して、本実施の形態の給湯装置1は、排気吸引燃焼方式の潜熱回収型の給湯装置である。この給湯装置1は、バーナ2と、一次熱交換器3と、二次熱交換器4と、排気ボックス5と、ファン6と、排気管7と、ドレンタンク8と、筺体9と、配管10〜16とを主に有している。
バーナ2は、燃料ガスを燃焼させることにより燃焼ガスを生じさせるためのものである。バーナ2にはガス供給配管11が接続されている。このガス供給配管11はバーナ2に燃料ガスを供給するためのものである。このガス供給配管11には、たとえば電磁弁よりなるガス弁(図示せず)が取り付けられている。
バーナ2の上方には点火プラグ2aが配置されている。この点火プラグ2aは、バーナ2に設けられたターゲット(図示せず)との間で点火スパークを生じさせることにより、バーナ2から噴き出された燃料空気混合気に火炎を生じさせるためのものである。バーナ2は、ガス供給配管11から供給された燃料ガスを燃焼することによって熱量を発生する(これを、燃焼動作という)。
主に図2を参照して、一次熱交換器3は顕熱回収型の熱交換器である。この一次熱交換器3は、複数の板状のフィン3bと、その複数の板状のフィン3bを貫通する伝熱管3aと、フィン3bおよび伝熱管3aを内部に収容するケース3cとを主に有している。一次熱交換器3は、バーナ2で発生する燃焼ガスとの間で熱交換を行なうものであり、具体的にはバーナ2の燃焼動作により発生した熱量によって一次熱交換器3の伝熱管3a内を流れる湯水を加熱するためのものである。
主に図2および図3を参照して、二次熱交換器4は潜熱回収型の熱交換器である。この二次熱交換器4は、一次熱交換器3よりも燃焼ガスの流れの下流側に位置し、一次熱交換器3と互いに直列に接続されている。このように本実施の形態の給湯装置1は潜熱回収型の二次熱交換器4を有しているため潜熱回収型の給湯装置となっている。
二次熱交換器4は、ドレン排出口4aと、伝熱管4bと、側壁4cと、底壁4dと、上壁4gとを主に有している。伝熱管4bは、螺旋状に巻き回されることによって積層されている。側壁4c、底壁4dおよび上壁4gは、伝熱管4bの周囲を取り囲むように配置されている。
二次熱交換器4においては、一次熱交換器3で熱交換された後の燃焼ガスとの熱交換によって伝熱管4b内を流れる湯水が予熱(加熱)される。この過程で燃焼ガスの温度が60℃程度まで下がることで、燃焼ガス中に含まれる水分が凝縮して潜熱を得ることができる。また二次熱交換器4で潜熱が回収されて燃焼ガス中に含まれる水分が凝縮することによりドレンが発生する。
底壁4dは一次熱交換器3と二次熱交換器4との間を区画するためのものであり、一次熱交換器3の上壁でもある。この底壁4dには開口部4eが設けられており、この開口部4eにより一次熱交換器3の伝熱管3aが配置された空間と二次熱交換器4の伝熱管4bが配置された空間とが連通している。図2の白矢印で示すように、開口部4eを通じて燃焼ガスは一次熱交換器3から二次熱交換器4へ流れることが可能である。この実施の形態では簡単化のために二次熱交換器4の底壁4dと一次熱交換器3の上壁とを共通のものとしたが、一次熱交換器3と二次熱交換器4の間に排気集合部材を接続してもよい。
また上壁4gには開口部4hが設けられており、この開口部4hにより二次熱交換器4の伝熱管4bが配置された空間と排気ボックス5の内部空間とが連通している。図2の白矢印で示すように、開口部4hを通じて燃焼ガスは二次熱交換器4から排気ボックス5の内部空間内へ流れることが可能である。
ドレン排出口4aは側壁4cまたは底壁4dに設けられている。このドレン排出口4aは、側壁4c、底壁4dおよび上壁4gによって取り囲まれた空間の最も低い位置(給湯装置の設置状態において鉛直方向の最も下側の位置)であって伝熱管4bの最下端部よりも下側に開口している。これにより二次熱交換器4で生じたドレンを、図2および図3において黒矢印で示すように底壁4dおよび側壁4cを伝ってドレン排出口4aに導くことが可能である。
主に図2および図4を参照して、排気ボックス5は二次熱交換器4とファン6との間の燃焼ガスの流れの経路を構成している。この排気ボックス5により、二次熱交換器4で熱交換された後の燃焼ガスをファン6へ導くことが可能である。排気ボックス5は、二次熱交換器4に取り付けられており、二次熱交換器4よりも燃焼ガスの流れの下流側に位置している。
排気ボックス5は、ボックス本体5aと、ファン接続部5bとを主に有している。ボックス本体5aの内部空間は、二次熱交換器4の開口部4hを通じて二次熱交換器4の伝熱管4bが配置された内部空間に連通している。ボックス本体5aのたとえば側部には、ボックス本体5aの内部空間に通じるように空気吸込み口5aaが設けられている。またボックス本体5aの上部から突き出すようにファン接続部5bが設けられている。このファン接続部5bはたとえば筒形状を有しており、その内部空間5baはボックス本体5aの内部空間と連通している。
主に図1および図2を参照して、ファン6は、二次熱交換器4を経由した(二次熱交換器4で熱交換された)後の燃焼ガスを吸引して給湯装置1の外部へ排出するためのものであり、給湯装置1の外部に位置する排気管7に接続されている。
このファン6は、排気ボックス5および二次熱交換器4よりも燃焼ガスの流れの下流側に位置している。つまり給湯装置1においては、バーナ2で生じた燃焼ガスの流れの上流側から下流側に沿って、バーナ2、一次熱交換器3、二次熱交換器4、排気ボックス5およびファン6の順で並んでいる。この配置において上記のとおりファン6で燃焼ガスを吸引して排気するため、本実施の形態の給湯装置1は排気吸引燃焼方式の給湯装置となっている。
ファン6は、羽根6aと、ファンケース6bと、駆動源6cと、回転軸6dとを主に有している。ファンケース6bは、ファンケース6bの内部空間とファン接続部5bの内部空間とが連通するように排気ボックス5のファン接続部5bに取り付けられている。これにより図2および図4の白矢印で示すように排気ボックス5のボックス本体5aからファン接続部5bを通じてファンケース6b内に燃焼ガスを吸引することが可能である。
主に図4を参照して、羽根6aは、ファンケース6bの内部に配置されている。この羽根6aは、駆動源6cに回転軸6dを介在して接続されている。これにより羽根6aは駆動源6cから駆動力を与えられることにより回転軸6dを中心として回転可能である。羽根6aの回転により、排気ボックス5内の燃焼ガスは羽根6aの内周側から吸引されて羽根6aの外周側へ排出可能となる。
主に図1を参照して、排気管7は給湯装置1の外部に配置されており、かつファンケース6bの外周側に接続されている。このため、ファン6の羽根6aによって外周側へ排出された燃焼ガスを、排気管7を通じて給湯装置1の外部へ排出することが可能である。
主に図2を参照して、上記によりバーナ2で生じた燃焼ガスは、上記の羽根6aの回転によってファン6に吸引されることで、図中白矢印で示すように一次熱交換器3、二次熱交換器4および排気ボックス5をこの順で通過した後にファン6に達して給湯装置1の外部へ排気可能である。
主に図1および図5を参照して、ドレンタンク8は、二次熱交換器4で生じたドレンを貯留するためのものである。このドレンタンク8は、ドレン貯留部8aと、ドレン導入部8dと、ドレン排出部8eと、ドレン抜き口8fとを主に有している。
ドレン貯留部8aの内部空間は、壁部8bによって空間8Aおよび8Bに区画されている。空間8Aと空間8Bとは壁部8bで区画されており、かつ壁部8bの下側に設けられた孔8cにより互いに連通している。ドレン導入部8dは空間8Aに通じるようにドレン貯留部8aの上側に設けられており、ドレン排出部8eは空間8Bに通じるようにドレン貯留部8aの所定高さ位置に設けられている。
このドレンタンク8は水封構造を有している。つまりドレンタンク8は、空間8Aおよび空間8Bの各々の下部に貯留されたドレンの水位が図中二点鎖線で示すように孔8cの上端よりも高くなると、ドレン排出部8eからドレンタンク8内に入った外気(給湯装置1の外部の空気)がドレン導入部8d側へ入らないように構成されている。このドレンタンク8の水封構造により、図中白矢印で示すように外気がドレンタンク8を抜けて給湯装置1の内部に入ることが防止されている。
なお、ドレンタンク8(空間8B)の下部にはドレン抜き口8fが設けられている。ドレン抜き用配管16は、このドレン抜き口8fに接続され、かつ給湯装置1の外部に通じている。ドレン抜き用配管16(通常は閉じられている)は、メンテナンス時などにドレン抜き用配管16を開くことで、ドレン排出用配管15からは排出できないドレンタンク8内のドレンを排出することができるように設計されている。またドレンタンク8の内部空間内には、酸性のドレンを中和するための中和剤(図示せず)が充填されていてもよい。
二次熱交換器4内のドレンを外部へ排出するために、二次熱交換器4のドレン排出口4aとドレンタンク8のドレン導入部8dとは、後述する配管10により接続されている。また、ドレン排出用配管15は、ドレンタンク8のドレン排出部8eに接続され、かつ給湯装置1の外部に通じている。ドレンタンク8に貯留されたドレンは、ドレンタンク8の内部空間内に一時的に貯留された後に、通常はドレン排出用配管15から給湯装置1の外部に排出される。
主に図1および図6を参照して、このドレンタンク8と二次熱交換器4のドレン排出口4aとはドレン排出管10a、ドレンタンク接続管10c、三方配管継手(配管接続部)10dにより接続されている。ドレン排出管10aの一端は二次熱交換器4のドレン排出口4aに接続されており、他端は三方配管継手10dの開口部10daに接続されている。またドレンタンク接続管10cの一端は三方配管継手10dの開口部10dcに接続されており、他端はドレンタンク8のドレン導入部8d(図5)に接続されている。また排気ボックス5の空気吸込み口5aaには空気通路管10bの一端が接続されており、空気通路管10bの他端は三方配管継手10dの開口部10dbに接続されている。
上記配置により、三方配管継手10dにおいて、ドレン排出管10aに接続される開口部10da側の流路(ドレン排出管側の流路)と、空気通路管10bに接続される開口部10db側の流路(空気通路管側の流路)と、ドレンタンク接続管10cに接続される開口部10dc側の流路(排出経路側の流路)とが連結されることになる。つまり三方配管継手10dは、空気通路管10bとドレン排出管10aとを合流(空気通路管10b側の流路とドレン排出管10a側の流路とを合流)させ、かつ合流後の流路を給湯装置1の外部と通じる排出経路に接続させることができる。本実施の形態において、排出経路は主にドレンタンク接続管10cおよびドレンタンク8により構成される。
上記のドレン排出管10a、空気通路管10b、ドレンタンク接続管10cおよび三方配管継手10dによって、ドレンタンク8から分岐して二次熱交換器4と排気ボックス5との双方に接続されたドレン・空気用の配管10が構成される。以下、空気通路管10b側の流路とドレン排出管10a側の流路とが合流する領域を「合流領域」(図6中斜線のハッチングで示す領域)ともいう。
上記ドレン・空気用の配管10において、二次熱交換器4内で発生したドレンは、ドレン排出口4aに導かれた後、ドレン排出管10a側の流路を流れて合流領域に流入し、その後ドレンタンク接続管10c側の流路に流れて、給湯装置の外部に排出される。また、ドレンタンク8が水封される前は、給湯装置1の外部の空気は、ドレンタンク接続管10c側の流路を流れて合流領域に流入し、その後ドレン排出管10a側と空気通路管10b側とに分流される。
また上記ドレン・空気用の配管10において、ドレン排出管10aは、ドレン排出口4aから三方配管継手10dまで水平か下り勾配になっている。これは、二次熱交換器4からドレンをドレンタンク8側へスムーズに流すためである。また、三方配管継手10dにおいて、ドレンタンク接続管10c側の流路と空気通路管10b側の流路との成す角は、ドレンタンク接続管10c側の流路とドレン排出管10a側の流路との成す角よりも180°により近い。これは排出経路から流れる空気をスムーズに空気通路管10b側の流路に流れさせるためである。
図6を参照し、三方配管継手10dにおいて、空気通路管10b側の流路の径DBはドレン排出管10a側の流路の径DAよりも大きく、ドレンタンク接続管10c側の流路の径はドレン排出管10aおよび空気通路管10bを合流させた後に縮小している。つまり三方配管継手10dにおけるドレンタンク接続管10c側の流路には、縮小部10ddが設けられている。なおこの縮小している領域の径を径DCとする。
上記縮小部10ddは、ドレンタンク接続管10c側の流路および合流領域の仮想の接面Cと、ドレン排出管10a側の流路および合流領域の仮想の接面Aとが遠ざかるように、ドレンタンク接続管10c側の流路を区画する壁部とドレン排出管10a側の流路を区画する壁部との間に、合流領域を区画する壁部10dacを設けることにより構成される。これにより、接面Aと接面Cとは非接触となる。
図6に示すように、本実施の形態に係る三方配管継手10dにおいては、その流路は、ドレン排出管10a側の流路と空気通路管10b側の流路とを合流させた直後に縮小されている。ここで「直後」とは、ドレンタンク接続管10c側の流路において、接面Aの下端(接面Aのうちドレンタンク接続管10c側の流路に最も接近する位置)の高さ位置と同じ高さ位置で縮小されていることをいう。
主に図1および図2を参照して、給水配管12は二次熱交換器4の伝熱管4bの一方端に接続されており、出湯配管13は一次熱交換器3の伝熱管3aの一方端に接続されている。また、一次熱交換器3の伝熱管3aの他方端と二次熱交換器4の伝熱管4bの他方端とは接続配管14により相互に接続されている。上記のガス供給配管11、給水配管12および出湯配管13の各々は、たとえば給湯装置1の上部において外部に通じている。またバーナ2、一次熱交換器3、二次熱交換器4、排気ボックス5、ファン6、ドレンタンク8などは、筺体9内に配置されている。
次に、本実施の形態の給湯装置の作用効果について図7および図8に示す比較例1および比較例2と対比して説明する。
まず図7に示す比較例1の給湯装置においては、ドレンタンク8と二次熱交換器4とを互いに接続するドレン排出用の配管10は分岐していない。なお、これ以外の比較例の構成においては上述した本実施の形態の給湯装置の構成とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。
この比較例の給湯装置は、図1に示す本実施の形態の給湯装置1と同様、排気吸引燃焼方式の給湯装置である。この方式の給湯装置においては、図1に示すように潜熱を回収するための二次熱交換器4よりもファン6が燃焼ガスの流れの下流側に配置されている。このため、ドレンタンク8が水封されるまでの期間内においてはドレン排出経路(ドレン排出用配管15、ドレンタンク8、ドレンタンク接続管10c、三方配管継手10dおよびドレン排出管10a)を通じて給湯装置の外部の空気が二次熱交換器4の内部に取り込まれる。
このため、図7に示すようにドレン排出用の配管10内における上記の空気の流れる方向(図中白矢印)はドレンの排出方向(図中黒矢印)と逆方向である。よって、ドレンはドレン排出用の配管10を通じてドレンタンク8側へ排出されにくくなり、二次熱交換器4内に滞留しやすくなる。
仮に二次熱交換器4内のドレンの排出が進まずに貯留された場合、図2に示す開口部4eを通じて一次熱交換器3側へドレンがあふれ出ることも考えられる。この場合、あふれ出たドレンによって一次熱交換器3のたとえば銅よりなる伝熱管3aが腐食したり、たとえばステンレスよりなるバーナ2が腐食したり、バーナ2の火炎が消えるなどのおそれがある。
これに対して本実施の形態の給湯装置1によれば、図6に示すように一方端がドレンタンク8に接続された配管10の他方端が分岐して、二次熱交換器4と排気ボックス5との双方に接続されている。このため、給湯装置1の外部から給湯装置1の内部に入る空気は二次熱交換器4側へ入る空気と、排気ボックス5側へ入る空気とに分流する。これにより、二次熱交換器4側へ入る空気(ドレン排出管10aを通る空気)の流量をドレンタンク接続管10c内の流量よりも減らすことができる。よって、ドレンをドレン排出管10aを通じてドレンタンク8側へ排出することが容易となり、ドレンが二次熱交換器4内に滞留しにくくなる。
また図1に示すように空気通路管10bが排気ボックス5に接続されている。この排気ボックス5は二次熱交換器4よりもファン6の近くに位置している。このため、排気ボックス5の内部空間においては二次熱交換器4の内部空間よりも負圧が高くなる。これにより二次熱交換器4側へ入る空気の量を排気ボックス5側へ入る空気の量よりも少なくすることができるため、ドレンをドレン排出管10aから排出することがさらに容易となり、ドレンが二次熱交換器4内に滞留しにくくなる。
さらに図6に示すように三方配管継手10dにおいて、空気通路管10b側の流路の径DBはドレン排出管10a側の流路の径DAよりも大きく、ドレンタンク接続管10c側の流路の径はドレン排出管10aおよび空気通路管10bを合流させた後に縮小された縮小部10ddを有する。このため給湯装置1の外部からドレン排出用配管15、ドレンタンク8、ドレンタンク接続管10cを経て三方配管継手10dのドレンタンク接続管10c側の流路に到達した空気は、この縮小部10ddを経た後に、縮小部10ddの径DCと比して径の大きな合流領域に流れ込んだ後に、二次熱交換器4側に流れる空気と、排気ボックス5側へ流れる空気とに分流することになる。
上記の空気流入経路において、縮小部10ddから合流領域に流れ込む際に流路の径が急激に変化することにより、その変化する領域の上流側と下流側とで空気の流れる方向や流速が大きく変化する。この変化により、空気の滞留するよどみ領域が発生する。これは空気の一部が、上記の変化によって渦を巻くように流れるようになるためである。このよどみ領域は、空気の流れる方向において流路の径が急激に大きくなった領域に発生しやすい。
仮に図8に示す比較例2の給湯装置のように、接面Aと接面Cとを接触させた状態のままで縮小部10ddを設けた場合、よどみ領域は、図8中斜線のハッチングで示す領域に発生しやすくなる。なお、これ以外の比較例の構成においては上述した本実施の形態の給湯装置の構成とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。このよどみ領域は、ドレンタンク接続管10c側の流路とドレン排出管10a側の流路との間に位置しないため、このよどみ領域に生じる空気の滞留によってはドレンタンク接続管10c側の流路からドレン排出管10a側の流路へ向かう空気の流れを十分に抑制することができない。
これに対して本実施の形態の給湯装置1によれば、図6に示すように接面Aと接面Cとが遠ざかるように縮小部10ddが設けられる。この場合、よどみ領域は、図6中網掛けのハッチングで示す領域に発生しやすくなる。このよどみ領域はドレンタンク接続管10c側の流路とドレン排出管10a側の流路との間に位置するため、この位置に生じる空気の滞留により、ドレンタンク接続管10c側の流路からドレン排出管10a側の流路へ向かう空気の流れが抑制される。したがって、ドレンをドレン排出管10a側から排出することが特に容易となり、もってドレンが二次熱交換器4内に滞留しにくくなる。
なお、縮小部10ddの縮小の程度については特に制限されないが、ドレン排出管10a側への空気の流れを十分に抑制し得るよどみ領域を発生させるべく(つまり径を急激に変化させるために)、縮小部10ddの径DCは合流領域の径(本実施の形態においては径DBに相当)に対し0.7倍以下であることが好ましい。
また上述の本実施の形態の給湯装置1において、ドレンタンク接続管10c側の流路が空気通路管10b側の流路に対して平行に延びている、すなわち両流路の成す角が略180°であることが好ましい。この場合、空気流入経路を流れる空気は、ドレンタンク接続管10c側から空気通路管10b側に特にスムーズに流れることができる。このため、ドレン排出管10a側に流れる空気の量をさらに減らすことができるため、もってドレンが二次熱交換器4内に滞留しにくくなる。
また上述の本実施の形態の給湯装置1において、ドレンタンク接続管10c側の流路がドレン排出管10a側の流路に対して直交するように延びている、すなわち両流路の成す角が略90°であることが好ましい。この場合、ドレンタンク接続管10c側からドレン排出管10a側への空気の流入は大きく抑制される。
また本実施の形態において、三方配管継手10dの縮小部10ddの径DCがドレン排出管10a側の流路の径DAよりも大きいと、ドレンタンク接続管10c側の流路とドレン排出管10a側の流路との間によどみ領域が発生しても、これによって十分にドレン排出管10a側の流路への空気の流量を低減することが難しい傾向がある。これは、発生するよどみ領域の大きさに対して、ドレン排出管10a側の流路が大きいためである。
これに対し、三方配管継手10dの縮小部10ddの径DCがドレン排出管10a側の流路の径DA以下である場合、よどみ領域による空気の流入の抑制が十分となる。また、縮小部10ddの径DCがドレン排出管10a側の流路の径DAと同等である場合には、配管の大きさを統一できるという利点がある。
また図1に示す構成では、空気通路管10bは排気ボックス5のボックス本体5aに接続された構成について説明したが、空気通路管10bは二次熱交換器4からファン6に達するまでの燃焼ガスの流れの経路に接続されていればよい。ここで「二次熱交換器4からファン6に達するまでの燃焼ガスの流れの経路」とは、図1において二次熱交換器4および排気ボックス5内において燃焼ガスが流れる空間を意味する。また二次熱交換器4からファン6に達するまでの間に排気ボックス5以外の構成部材がある場合には、その構成部材内の燃焼ガスが流れる空間も含むものである。
たとえば図9に示すように、空気通路管10bは、排気ボックス5のボックス本体5aではなくファン接続部5bに接続されていてもよい。このように空気通路管10bを排気ボックス5のファン接続部5bに接続することにより、ボックス本体5aに接続する場合よりもファン6に近い位置で排気ボックス5に接続することができる。
これにより、ボックス本体5aに接続する場合よりも負圧の大きい領域内に空気通路管10bを開口させることができる。このため、ドレン排出管10aおよび空気通路管10bのうち空気通路管10bを通る空気の流量を多くでき、ドレン排出管10aを通る空気の流量をさらに減らすことができる。よってドレンをドレン排出管10aから排出することがさらに容易となる。
また図4を参照して、空気通路管10bは、二次熱交換器4からファン6に達するまでの燃焼ガスの流れの経路において、羽根6aに対して回転軸6dの軸線S−Sの方向に対向する領域R(図中斜線のハッチングを入れた領域)内に開口していることが好ましい。具体的には、ファン接続部5bの内部空間5baと、その内部空間5baを回転軸6dの軸線S−Sの方向に延長した領域とを合わせた領域R(図中ハッチングを入れた領域)内に空気通路管10bが開口していることが好ましい。
この領域Rにおいては、燃焼ガスを吸引するファン6の羽根6aに対向する領域であるため、負圧が大きくなる領域である。このため、この領域Rに空気通路管10bが開口していることにより、空気通路管10bを通って給湯装置1内に取り込まれる空気の流量を多くでき、その分、ドレン排出管10aを通る空気の流量をさらに減らすことができる。よってドレンをドレン排出管から排出することがさらに容易となる。
たとえば図9に示すように空気通路管10bを排気ボックス5のファン接続部5bに接続することにより、空気通路管10bを上記の負圧の大きくなる領域Rに開口することができる。
また本実施の形態では、上記のように排気吸引燃焼方式の給湯装置1が用いられているため排気管7の径が小さくなった場合でも、いわゆる排気押込み方式の給湯装置に対してバーナ2による燃焼動作を安定させることができる。以下、そのことについて説明する。
いわゆる排気押込み方式の給湯装置においては、燃焼ガスの流れの上流側から下流側に向かって、ファン、バーナ、一次熱交換器および二次熱交換器がこの順で配置されている。つまりバーナで生じた燃焼ガスがファンにより一次熱交換器および二次熱交換器を通って給湯装置の外部の排気管に流し込まれる。
ファンから押し出された燃焼ガスは、排気管に到達する前に一次熱交換器および二次熱交換器による流路抵抗を受けるため、排気管直前における燃焼ガスの送風圧はこの流路抵抗分だけ低くなる。このため、径の小さい排気管内に燃焼ガスを押し込むためにはファンによる送風圧を高くする必要がある。しかしファンの送風圧を高くすると、バーナケース内の内圧が高くなる。このため、バーナに供給される燃料ガスの供給圧が低い場合、燃焼動作が安定しなくなる。
これに対して本実施の形態の排気吸引燃焼方式によれば、燃焼ガスの流れの上流側から下流側に向かって、バーナ2、一次熱交換器3、二次熱交換器4およびファン6がこの順で配置されている。この方式では、ファン6よりも上流側では負圧となるため、排気管7の径が小さくなった場合でもバーナケース内の内圧を低く維持できることにより、バーナ2に供給される燃料ガスの供給圧が低くても燃焼動作を安定させることができる。
以上詳述した本実施の形態においては、縮小部10ddがドレンタンク接続管10c側の流路の一部に設けられた配管10を備える給湯装置1を図示して説明したが、本発明の実施の形態はこれに限られない。たとえば、図10に示すように三方配管継手10dのドレンタンク接続管10c側の流路の全てが縮小されていてもよく、さらに縮小部10ddとつながるドレンタンク接続管10cの径が、ドレンタンク接続管10c側の流路と同等であってもよい。これによっても、上記と同様、ドレンが二次熱交換器4内に滞留しにくくなり、三方配管継手10dの製造も容易となる。
また図11に示すように、ドレンタンク接続管10c側の流路の中心軸と、空気通路管10b側の流路の中心軸とが一致(図中軸線M−M)するように三方配管継手10dが構成されていてもよい。これによっても、上記と同様、ドレンが二次熱交換器4内に滞留しにくくなり、三方配管継手10dの製造もさらに容易となる。
また図12に示すように三方配管継手10dにおいて、接面Aの図中下端(接面Aのうちドレンタンク接続管10c側の流路に最も接近する位置)から所定の距離Dだけ離れた下方が縮小されていてもよい。この場合にも、ドレンタンク接続管10c側の流路とドレン排出管10a側の流路との間によどみ領域が発生し、もってドレンが二次熱交換器4内に滞留しにくくなる。この所定の距離Dは特に制限されないが、図12に示すように、ドレンタンク接続管10c側の流路を区画する壁部とドレン排出管10a側の流路を区画する壁部との間に設けられた、合流領域を区画する壁部10dacの距離Eに対し、E>Dとなることが好ましい。なお、距離Eは、壁部10dacの端部(図中左端部)から接面Aを含む面にまで伸ばした垂線の長さに相当する。
また図13に示すように三方配管継手10dにおいて、ドレン排出管10aおよび空気通路管10bを合流させた後(図13では「合流せた直後」)からドレンタンク接続管10c側に向けてその径が急激に縮小された後、連続的に大きくなるように設定されていてもよい。この場合、ドレンタンク接続管10c側から合流領域にかけて空気が流れる際に、空気の一部は図中白矢印で示す方向に向かうことになる。この空気の流れる方向と空気通路管10b側の流路の方向との成す角が比較的小さいのに対し、この空気の流れる方向とドレン排出管10a側の流路の方向との成す角は比較的大きくなる。このような構成により、ドレン排出管10a側に対して流れる空気の流量はさらに低減される。したがって、ドレンが二次熱交換器4内にさらに滞留しにくくなる。
なお図10〜図13の構成のうち上記で説明した構成以外の構成については、図1〜図5に示す給湯装置1の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。