JP2013159841A - 成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的にマスクの冷却を行うことができる成膜装置を提供する。
【解決手段】成膜装置21は、パターンが形成されたマスク部材14をその表面に取り付けた被処理基板11に対して成膜を行う。成膜装置21は、その内部に被処理基板11を収容可能な処理室33と、被処理基板11のうちのマスク部材14が取り付けられた面に対する蒸着を行う蒸着機構と、マスク部材14を冷却する冷却機構40とを備える。冷却機構40は、マスク部材14と離隔した位置でマスク部材14を冷却可能な冷却部材を含む。
【選択図】図4

Description

この発明は、成膜装置に関するものであり、特に、蒸着により成膜を行う成膜装置に関するものである。
有機EL(Electro−Luminescence:エレクトロルミネッセンス)素子等を製造する工程の一つに、ガラス基板などの被処理基板の表面に有機材料から構成される薄膜を成膜する工程がある。成膜に際しては、有機材料を被処理基板の表面に蒸着させて行う場合がある。
このような蒸着による成膜を行う成膜方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、所望のパターン形状に有機材料が蒸着されるように形成されたマスク部材を準備する。準備したマスク部材を、被処理基板の表面、すなわち、有機材料を蒸着させる面に取り付ける。そして、有機材料から構成される材料ガスを供給し、被処理基板の表面に有機材料を蒸着させる。このようにして、被処理基板の表面に、所望のパターン形状に形成された薄膜から構成される成膜を行う。
ここで、有機EL素子の蒸着装置に関する技術が、特開2010−265497号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1に開示の蒸着装置によると、非常に薄い部材であるマスク箔と、これを支持するマスクフレームとを備えたテンションマスクを用意し、このテンションマスクを用いて蒸着を行うこととしている。
特開2010−265497号公報
蒸着による成膜を行う場合、蒸着源から放出される有機材料は高温である。そうすると、この有機材料の熱の影響で、蒸着の対象物であるガラス基板とマスク箔の温度上昇が生じてしまい、非常に薄い部材であるマスク箔が熱膨張を引き起こしてしまうことになる。
このような場合、マスク箔の熱膨張に起因して、マスク箔のパターンの形状の変化やマスク箔の撓み、マスク箔の外形形状の膨張に伴う隣り合うマスク箔同士の押し合い等が生じるおそれがある。その結果、蒸着による成膜位置のずれが生じ、精密に蒸着を行うことができないおそれがある。すなわち、所望のパターン形状に忠実に沿った成膜を行うことができないおそれがある。特に、蒸着による成膜をいわゆるインラインで行う場合、すなわち、ガラス基板の表面への蒸着に際し、処理室の中で異なる材料ガスを順次連続して供給し、数層の薄膜を積層するようにして成膜を行う場合、輻射熱のマスク箔への蓄積が顕著になり、高精細なパターン形状を形成することが困難となってしまう。
特許文献1によると、水やフレオンなどの冷媒を流した冷却ユニットにマスクを接触させて、再使用できないと判断されたマスクを冷却することとしている。また、冷却ユニットとして、代用するダミー基板を用いることも開示している。
しかし、特許文献1においては、マスクの冷却に際し、マスクと冷却ユニットとを接触させる構成である。このような構成では、マスクと冷却ユニットとの位置関係の調整が困難であり、非常に薄い部材であるマスクが冷却ユニットとの接触時に損傷してしまうおそれがある。また、蒸着による成膜をインラインで行う場合、マスクが位置する面と蒸着により成膜が行われる面とが同じ面となるため、マスクと冷却ユニットとの適切に接触させることが、より困難となる。特に、フェイスダウン、すなわち、鉛直方向の下方側に、材料ガスを蒸着させる面が位置する場合、マスクと冷却ユニットを適切に接触させようとすると、装置構成が複雑になってしまい、好ましくない。
この発明の一つの局面においては、成膜装置は、パターンが形成されたマスク部材をその表面に取り付けた被処理基板に対して成膜を行う。成膜装置は、その内部に被処理基板を収容可能な処理室と、被処理基板のうちのマスク部材が取り付けられた面に対する蒸着を行う蒸着機構と、マスク部材を冷却する冷却機構とを備える。冷却機構は、マスク部材と離隔した位置でマスク部材を冷却可能な冷却部材を含む。
このような構成によると、被処理基板の表面に取り付けられたマスク部材について、マスク部材と離隔した位置でマスク部材を冷却可能な冷却部材で冷却することができる。そうすると、冷却時において、マスク部材と他の部材とが接触することはなく、マスク部材の冷却時におけるマスク部材の損傷を防止することができる。また、冷却部材とマスク部材とは非接触の関係であり、冷却部材とマスク部材との厳密な位置決め等も必要がない。したがって、効率的に、マスク部材の冷却を行うことができる。
また、冷却部材は、クライオパネルを含むよう構成してもよい。クライオパネルは、極低温を維持することができる板状の部材である。
また、クライオポンプを備えるよう構成してもよい。
また、冷却機構は、被処理基板を冷却するときの被処理基板の位置および冷却部材が設けられた位置を含む領域と、処理室内の他の領域とを仕切るようにして設けられ、熱を反射する熱反射部材を含むよう構成してもよい。
また、冷却部材のうち、被処理基板に対向する領域の熱放射率は、被処理基板に対向しない領域の熱放射率よりも高くなるよう構成してもよい。
また、処理室内において、被処理基板を搬送する搬送機構を備え、冷却部材は、搬送機構により搬送される被処理基板の被処理面と対面する位置に設けられるよう構成してもよい。
また、被処理基板のうち、マスク部材が取り付けられる面は、鉛直方向の下方側であり、蒸着機構は、処理室内に蒸着ガスを供給するヘッド部を含み、冷却部材およびヘッド部は、それぞれ搬送機構の搬送方向に間隔を開けて、搬送経路の鉛直方向の下方側にそれぞれ設けられるよう構成してもよい。
このような構成によると、被処理基板の表面に取り付けられたマスク部材について、マスク部材と離隔した位置でマスク部材を冷却可能な冷却部材で冷却することができる。そうすると、冷却時において、マスク部材と他の部材とが接触することはなく、マスク部材の冷却時におけるマスク部材の損傷を防止することができる。また、冷却部材とマスク部材とは非接触の関係であり、冷却部材とマスク部材との厳密な位置決め等も必要がない。したがって、効率的に、マスク部材の冷却を行うことができる。
この発明の一実施形態に係る成膜装置によって成膜される被処理基板の一部を示す概略断面図である。 図1に示す被処理基板を支持部材により支持した状態を示す概略断面図である。 この発明の一実施形態に係る成膜装置の要部を示す概略図である。 図3に示す成膜装置を、図3中の矢印IVの方向から見た概略断面図である。 マスク部材の温度と被処理基板の位置との関係を示すグラフである。 この発明の他の実施形態に係る成膜装置の一部を示す概略図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、蒸着により成膜が行われる被処理基板の構成について説明する。
図1は、有機材料が蒸着される被対象物である被処理基板の一部を示す概略断面図である。なお、図1においては、図1中の矢印Iで示す紙面の下方向を、鉛直方向とする。また、理解の容易の観点から、後述するマスク部材の厚みについては、単に太線で誇張して図示している。
図1を参照して、有機材料が蒸着される被対象物である被処理基板11は、薄板状の部材から構成されている。被処理基板11は、板厚方向、この場合、図1中の矢印Iで示す方向から見た場合に、略矩形状である。被処理基板11の大きさとしては、例えば、縦方向の長さが約730mmであって、横方向の長さが約920mmであるものが採用される。図1中の長さLで示される被処理基板11の厚み、すなわち、被処理基板11の鉛直方向の下方側に位置する面12と被処理基板11の鉛直方向の上方側に位置する面13との板厚方向の長さとしては、例えば、約700μmが採用される。被処理基板11の材質としては、例えば、ガラスが選択される。
被処理基板11のうち、板厚方向の一方の面に対して、有機材料の蒸着による成膜が行われる。この実施形態においては、蒸着される面12は、被処理基板11の鉛直方向の下方側に位置する面12である。
なお、このような有機材料が蒸着される被処理基板11により製造される素子については、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))を構成する素子や有機EL素子として有効に利用される。
被処理基板11には、パターンが形成されたマスク部材14が取り付けられる。マスク部材14についても、被処理基板11と同様に、薄板状である。マスク部材14の外形形状は、被処理基板11の外形形状と等しく構成されている。図1中の長さLで示されるマスク部材14の厚み、すなわち、マスク部材14の鉛直方向の下方側に位置する面15とマスク部材14の鉛直方向の上方側に位置する面16との板厚方向の長さとしては、例えば、約50μmが採用される。マスク部材14には、蒸着により成膜を行う領域を開口17のパターンとして厚み方向に貫通させたパターン形状が形成されている。マスク部材14の材質としては、例えば、常温付近で熱膨張係数が非常に小さいインバー材が用いられる。インバー材は、例えば、ニッケルと鉄との合金から構成される。
マスク部材14は、被処理基板11の鉛直方向の下方側に位置において、被処理基板11に取り付けられる。ここで、マスク部材14の構成材料であるインバー材は、磁性を有する材料である。そこで、被処理基板11に対するマスク部材14の取り付けに際しては、磁石18が用いられる。被処理基板11の鉛直方向の上方側の面13に載置するようにして複数の磁石18を配置すると、被処理基板11の鉛直方向の下方側に配置させたマスク部材14は、磁石18の磁力によって、被処理基板11側に引きつけられる。このようにして、マスク部材14は、被処理基板11の蒸着面となる鉛直方向の下方側の面12と当接するように取り付けられる。この場合、被処理基板11は、磁石18とマスク部材14とに挟まれる状態となる。
次に、このようにマスク部材14が取り付けられた被処理基板11に対して蒸着による成膜を行う成膜装置の構成について説明する。図2は、後述する成膜装置21に備えられ、被処理基板11を支持する支持部材の一部を示す概略断面図である。図3は、この発明の一実施形態に係る成膜装置21の要部を示す概略図である。図4は、図3に示す成膜装置21に備えられる第三の処理室の内部を、図3中の矢印IVの方向から見た概略断面図である。なお、図2は、図3中の矢印IIIの方向から見た図に相当する。また、図2においては、図1と同様に、紙面の下方向を、鉛直方向とする。なお、図3および図4においては、理解の容易の観点から、後述する被処理基板11を支持する支持部材としてのトレイの図示を省略している。
図1〜図4を参照して、成膜装置21は、パターンが形成されたマスク部材14をその表面、具体的には、鉛直方向の下方側の面12に取り付けた被処理基板11に対して蒸着による成膜を行う。成膜装置21は、鉛直方向の下方側に位置する面12の蒸着を行ういわゆるフェイスダウン方式の蒸着を採用するものである。また、成膜装置21は、成膜装置21の全体の制御、例えば、後述する処理室内の圧力の制御や後述するクライオパネルの作動の制御等を行う制御部(図示せず)を備える。
成膜装置21は、被処理基板11を支持する支持部材としてのトレイ22を備える。特に、図2を参照して、トレイ22は、薄板状であり、その中央には、板厚方向に貫通する貫通孔23が設けられている。トレイ22は、貫通孔23の外方側に位置する枠部24と、枠部24から内方側、すなわち、貫通孔23側に延びる突起部25とを備える。枠部24の外形形状は、被処理基板11の外形形状よりもやや大きく構成されている。突起部25は、この枠部24の内径側の壁面26の下方側の部分から内方側に突出するようにして設けられている。突起部25のうち、上方向に位置する面27に載置するようにして、被処理基板11が支持される。具体的には、被処理基板11の下方側の面12と突起部25の上方側の面27との間に、マスク部材14の一部が介在する形となる。貫通孔23の鉛直方向の下方側の開口の大きさは、突起部25に被処理基板11を支持させた際に、成膜を行う領域が、下方側から見て露出する程度の大きさである。
成膜装置21は、その内部に被処理基板11を収容可能な処理室30を備える。処理室30は、処理前、すなわち、被処理基板11に対する成膜材料の蒸着前の被処理基板11を収容する第一の処理室31と、第一の処理室31と隣接して設けられ、被処理基板11に対する成膜材料の蒸着を行う第二の処理室32と、第二の処理室32と隣接して設けられ、マスク部材を冷却する第三の処理室33と、第三の処理室33と隣接して設けられ、被処理基板11に対する成膜材料のさらなる蒸着を行う第四の処理室34とを含む。それぞれの処理室31、32、33、34は、壁によって仕切られている。それぞれの処理室31〜34の境界に位置する壁には、図3において点線で示すように、それぞれの処理室31〜34の間で被処理基板11を搬送可能なように、開口が設けられている。全ての処理室31〜34の内部は、蒸着が可能な程度、例えば、真空程度に減圧されている。また、図示はしないが、各処理室31〜34を搬送可能に設けられる開口については、それぞれゲートバルブが設けられている。このゲートバルブの開閉により、各処理室31〜34を仕切り、閉じた空間とすることができる。
成膜装置21は、被処理基板11を搬送する搬送機構(図示せず)を備える。搬送機構は、上記したそれぞれの処理室31〜34の境界に位置する壁に設けられた開口を利用し、被処理基板11を、第一の処理室31から第二の処理室32、第三の処理室33を経由して、第四の処理室34、さらには、成膜装置21の外部まで図3中の矢印IIIの方向に搬送する。搬送機構による搬送について簡単に説明すると、トレイ22のうちの枠部24の両端部側に、図示しない回転可能な搬送コロを配置させる。搬送コロは、処理室30に設けられている。そしてこの搬送コロを回転させるようにして、被処理基板11を支持したトレイ22を、図3中の矢印IIIの方向に搬送する。このようにして、搬送機構により、被処理基板11をトレイ22ごと搬送する。なお、以下の説明においては、被処理基板11が搬送される方向を、下流側とし、その逆の方向を上流側とする。また、図3および図4において、搬送機構による被処理基板11の搬送経路35を、一点鎖線で示している。ここで、トレイ22は、搬送機構の一部を構成する。
4つの処理室31〜34のうち、最も上流側に位置する第一の処理室31の内部には、蒸着前の被処理基板11を保持する保持台36が設けられている。この保持台36により、蒸着を行う前の被処理基板11を保持する。
第一の処理室31の下流側に位置する第二の処理室32の内部においては、被処理基板11に対する成膜材料の蒸着が行われる。すなわち、第二の処理室32には、被処理基板11のうちのマスク部材14が取り付けられた面12に対する蒸着機構37aが設けられている。蒸着機構37aは、材料ガスを供給する5つのヘッド部38a、38b、38c、38d、38eを含む。この実施形態においては、搬送方向、すなわち、図3中の矢印IIIで示す方向において所定の間隔を開けて、5つのヘッド部38a〜38eが設けられている。5つのヘッド部38a〜38eは、例えば、有機EL素子を構成する材料のうち、青色成分を構成する成膜材料の一部を供給する。被処理基板11に対して、最も上流側に位置するヘッド部38a、すなわち、この場合、第一のヘッド部38aから順に、被処理基板11に対する蒸着が順次行われる。なお、このヘッド部38a〜38eは、蒸着時、すなわち、材料ガスを供給する際に、高温を発する部材となる。
第二の処理室32の下流側に位置する第三の処理室33には、マスク部材14の冷却を行う冷却機構が設けられている。第三の処理室33および冷却機構の構成の詳細については、後述する。
第三の処理室33の下流側には、被処理基板11に対するさらなる蒸着を行う第四の処理室34が設けられている。第四の処理室34に設けられる蒸着機構37bは、第二の処理室32に設けられる蒸着機構37aと同様に、5つのヘッド部38f、38g、38h、38i、38jを含む。5つのヘッド部38f〜38jは、例えば、有機EL素子を構成する材料のうち、赤色成分を構成する成膜材料の一部を供給する。第四の処理室34に設けられる蒸着機構37bは、第二の処理室32に設けられる蒸着機構37aと基本的に同様の構成であるため、その説明を省略する。なお、図示はしないが、必要により、緑色成分を構成する成膜材料の一部を供給するヘッド部を備えた第五の処理室を備える構成としてもよい。
ここで、簡単に上記した成膜装置21における成膜方法について説明すると、以下の通りである。マスク部材14が蒸着される面12に取り付けられた被処理基板11は、まず、第一の処理室31に搬入される。その後、被処理基板11は、成膜装置21に備えられる搬送機構により、まず、第二の処理室32に搬送される。そして、第二の処理室32内において、5つのヘッド部38a〜38eを含む蒸着機構37aにより、被処理基板11の鉛直方向の下方側に位置する面12に対して蒸着が行われ、薄膜が形成される。その後、搬送機構により、第三の処理室33内に搬送される。この第三の処理室33内において、マスク部材14が冷却される。次に、搬送機構により、第四の処理室34内に搬送され、5つのヘッド部38f〜38jを含む蒸着機構37bにより、再び蒸着による成膜が行われる。その後、第四の処理室34内における蒸着が完了し、成膜装置21外へ搬出される。このようにして、被処理基板11に対する蒸着による成膜を行う。
このような成膜装置21は、いわゆるインライン方式を採用するものであり、連続的に数種類の蒸着を行うことができ、スループットを向上させることができるものである。
なお、この実施形態においては、成膜装置21は、蒸着機構37a、37bを設けた2つの処理室32、34と、冷却機構を設けた1つの処理室33とを含む構成としたが、これに限らず、成膜装置21は、必要に応じて、さらに複数の蒸着機構を備えた処理室、および、さらに複数の冷却機構を備えた処理室を含む構成としてもよい。
また、上記した蒸着については、例えば、共蒸着のような方式も採用される。すなわち、第一の低分子化合物から構成される第一の成膜蒸着ガスと、第一の低分子化合物とは異なる第二の低分子化合物から構成される第二の成膜蒸着ガスとを共に供給して、被処理基板11の蒸着面で双方の化合物を反応させるようにして蒸着する工程も含むものである。この場合、例えば、上記した第一のヘッド部38aから青色成分を構成する材料ガスを供給し、第二のヘッド38bとして、青色成分を構成する材料であるが、第一のヘッド部38aから供給される材料ガスと少し色味等の異なる材料ガスを供給する構成としてもよい。さらに、第三のヘッド部38cとして、第一のヘッド部38a、第二のヘッド部38bと色味等の異なる材料ガスを供給する構成としてもよい。こうすることにより、蒸着により形成される薄膜の成膜方向、すなわち、膜厚の方向に色味のグラデーションを付けた成膜を行うことができる。また、もちろん蒸着の材料として、金属材料を選択してもよく、有機材料と金属材料の共蒸着を行ってもよい。
ここで、第三の処理室33の内部には、冷却機構40に含まれる冷却部材として、2枚の板状のクライオパネル41a、41bが設けられている。ここでまず、図3および図4中の紙面右側に位置する上流側の第一のクライオパネル41aの構成について説明する。
第一のクライオパネル41aは、具体的には、平らな薄板状である。第一のクライオパネル41aは、鉛直方向の上方向から見た場合、すなわち、図3に示す状態から見た場合において、略矩形状である。第一のクライオパネル41aは、極低温、具体的には、例えば、−(マイナス)130℃〜−150℃程度となるように維持されている。
第一のクライオパネル41aのうちの鉛直方向の上方向に位置する一方の面42aは、被処理基板11が搬送される搬送経路35に対面するように設けられている。すなわち、第一のクライオパネル41aのうちの鉛直方向の上方向に位置する一方の面42aは、搬送機構により搬送される被処理基板11の被処理面に対面するように設けられている。図4中の長さLで示す被処理基板11の搬送経路35と第一のクライオパネル41aの鉛直方向の上方向に位置する面42aとの間の鉛直方向の長さは、例えば、約50mm〜60mmが採用される。
第一のクライオパネル41aのうちの鉛直方向の下方向に位置する他方の面43aには、鉛直方向に延びる棒状の連結部44aが連結されている。この連結部44aにより、後述する第一のクライオパネル41aと冷凍機45aとが連結されている。また、この連結部44aにより、第一のクライオパネル41aは、第三の処理室33内の所定の箇所に配置されるよう支持されている。冷凍機45aは、連結部44aの鉛直方向の下方側に連結されている。冷凍機45aは、第三の処理室33の外部、具体的にはこの場合、第三の処理室33の鉛直方向の下方側に配置されている。この冷凍機45aを用いて、第一のクライオパネル41aを極低温となるように維持している。
第一のクライオパネル41aは、全体として温度が均一であることが好ましい。第一のクライオパネル41aの材質については、第一のクライオパネル41a内における温度の均一性の確保の観点から、例えば、無酸素銅が選択される。
第一のクライオパネル41aのうち、被処理基板11に対向する領域、この実施形態においては、第一のクライオパネル41aの鉛直方向の上方側に位置する面42aの熱放射率は、被処理基板11に対向しない領域、この実施形態においては、第一のクライオパネル41aの鉛直方向の下方側の面43aおよび第一のクライオパネル41aの側面46aの熱放射率よりも高く構成されている。この場合、具体的には、第一のクライオパネル41aの鉛直方向の上方側に位置する面42aの熱放射率は、0.8以上1.0未満程度となるように構成されている。第一のクライオパネル41aの鉛直方向の上方側に位置する面42aには、例えば、無電解Ni(ニッケル)黒めっき処理が施されている。一方、第一のクライオパネル41aの鉛直方向の下方側に位置する面43aおよび第一のクライオパネル41aの側面46aの熱放射率は、0.2以下程度となるように構成されている。第一のクライオパネル41aの鉛直方向の下方側に位置する面43aおよび第一のクライオパネル41aの側面46aには、例えば、光沢Ni(ニッケル)めっき処理が施されている。
なお、第一のクライオパネル41aの下流側に配置される第二のクライオパネル41bの構成については、第一のクライオパネル41aの構成と同様であるので、そのほとんどの詳細な説明を省略する。第二のクライオパネル41bの下方側には、連結部44b、および冷凍機45bが設けられている。第二のクライオパネル41bの鉛直方向の上方側に位置する面42bの熱放射率は、0.8以上1.0未満程度となるように、無電解Ni(ニッケル)黒めっき処理が施されている。第二のクライオパネル41bの鉛直方向の下方側に位置する面43bおよび第二のクライオパネル41bの側面46bの熱放射率は、0.2以下程度となるように、光沢Ni(ニッケル)めっき処理が施されている。
第一のクライオパネル41aと第二のクライオパネル41bとは、被処理基板11の搬送方向において間隔を開けて設けられている。第一のクライオパネル41aと第二のクライオパネル41bとは、第一のクライオパネル41aのうちの下流側に位置する側面46aと、第二のクライオパネル41bのうちの上流側に位置する側面46bとの間の搬送方向の長さLで示されるものである。第一のクライオパネル41aと第二のクライオパネル41bとが設けられる搬送経路35からの鉛直方向の位置については、等しく構成されている。第一のクライオパネル41aと第二のクライオパネル41bとは、図3で示す状態で見た場合に、いわゆる平行に設けられている。
第一および第二のクライオパネル41a、41bは、被処理基板11が図4に示す位置に搬送機構により搬送された際に、被処理基板11の鉛直方向の下方側に位置する面12に取り付けられたマスク部材14を冷却する。これら第一および第二のクライオパネル41a、41bはそれぞれ、マスク部材14と離隔した位置でマスク部材14を冷却可能である。
また、第三の処理室33の内部には、冷却機構40に含まれ、熱を反射する2つの熱反射部材51a、51bが設けられている。鉛直方向の上方側に位置する第一の熱反射部材51aは、水平方向、すなわち、被処理基板11の搬送方向に延びる第一の延出部52aと、第一の延出部52aの搬送方向の上流側および下流側の両端部から鉛直方向下方側に延びる第一の突出部53aとを含む。第一の突出部53aの鉛直方向の下方側への突出の長さは、第一の延出部52aが設けられた鉛直方向の位置から、搬送経路35に至らない程度である。第一の熱反射部材51aは、鉛直方向の下方側が開口したいわゆる断面略コの字状である。一方、鉛直方向の下方側に位置する第二の熱反射部材51bは、水平方向、すなわち、被処理基板11の搬送方向に延びる第二の延出部52bと、第二の延出部52bの搬送方向の上流側および下流側の両端部から鉛直方向下方側に延びる第二の突出部53bとを含む。第二の突出部53bの鉛直方向の上方側への突出の長さは、第二の延出部52bが設けられた鉛直方向の位置から、搬送経路35に至らない程度である。なお、第二の延出部52bには、2つの支持部材44a、44bが貫通するように、図示しない2つの開口部が設けられている。第二の延出部52bの鉛直方向の位置は、第三の処理室33の底壁54よりも上側であり、第一および第二のクライオパネル41a、41bよりも下側である。第二の熱反射部材51bは、鉛直方向の上方側が開口したいわゆる断面略コの字状である。
これら第一および第二の熱反射部材51a、51bは、被処理基板11を冷却するときの被処理基板11の位置および冷却部材である第一および第二のクライオパネル41a、41bが設けられた位置を含む領域55aと、処理室内の他の領域、ここでは、第三の処理室33内の他の領域55bとを仕切るようにして設けられている。なお、第一および第二の熱反射部材51a、51bのうち、領域55a側に位置する面については、熱放射率が0.2以下程度となるように、光沢Ni(ニッケル)めっき処理が施されている。なお、第一および第二の熱反射部材51a、51bについては、SUS(Steel Use Stainless)の研磨材を用いることにしてもよい。また、第一および第二の熱反射部材51a、51bは、2重に設けることにしてもよいし、3重以上に設けることにしてもよい。すなわち、多重に設けることにしてもよい。
また、成膜装置21は、処理室30内、具体的には、第三の処理室33内の減圧を行うクライオポンプ56を備える。クライオポンプ56は、バルブ57を介して、第三の処理室33の鉛直方向の下方側に配置されている。クライオポンプ56により、第三の処理室33内の圧力を極低圧に下げることができる。また、クライオポンプ56は、第三の処理室33内における水分等を吸着させて捕捉し、第三の処理室33内から第三の処理室33の外へ排出することができる。
また、第三の処理室33には、被処理基板11の温度およびマスク部材14の温度を非接触で測定する2つの放射温度計58a、58bが設けられている。第一および第二の放射温度計58a、58bは、第三の処理室33の底壁54に取り付けられるようにして設けられている。上流側に位置する第一の放射温度計58aは、第一のクライオパネル41aが設けられた搬送方向の位置よりも上流側に設けられている。下流側に位置する第二の放射温度計58bは、第二のクライオパネル41bが設けられた搬送方向の位置よりも下流側に設けられている。第一および第二の放射温度計58a、58bによる被処理基板11の温度およびマスク部材14の温度の測定により、被処理基板11およびマスク部材14の冷却部材による冷却前後の温度を把握することができる。
以上より、このような成膜装置21は、被処理基板11の表面である鉛直方向の下方側の面12に取り付けられたマスク部材14について、マスク部材14と離隔した位置でマスク部材14を冷却可能な冷却部材である第一および第二のクライオパネル41a、41bで冷却することができる。そうすると、冷却時において、マスク部材14と他の部材とが接触することはなく、マスク部材14の冷却時におけるマスク部材14の損傷を防止することができる。また、第一および第二のクライオパネル41a、41bとマスク部材14とは、非接触の関係であり、厳密な位置決め等も必要がない。したがって、効率的に、マスク部材14の冷却を行うことができる。
この場合、冷却部材として2つのクライオパネル41a、41bを用いているため、第三の処理室33内の水分の吸着を行うこともできる。有機材料の蒸着においては、水分はできるだけ少ないことが好ましい。したがって、このようなクライオパネル41a、41bを冷却部材として用いた場合、蒸着により成膜される薄膜を、高品質な膜とすることができる。
さらにこの場合、いわゆるインラインでの成膜を効率よく行うことができる。すなわち、蒸着による成膜の被対象物である被処理基板11の一方向への搬送において、蒸着機構37a、37bにより数回に亘って行われる蒸着工程において温度が上昇したマスク部材14に対して、冷却部材としてクライオパネル41a、41bによる効率的な冷却を行うことにより、スループットの向上を図ることができる。
また、この場合、冷却機構40は、第一および第二の熱反射部材51a、51bを含む構成であるため、効率的にマスク部材14を冷却することができる。すなわち、第一および第二の熱反射部材51a、51bにより、被処理基板11を冷却するときの被処理基板11の位置および第一および第二のクライオパネル41a、41bが設けられた位置を含む領域55aと、第三の処理室33内の他の領域55bとを仕切ることができるため、第一および第二のクライオパネル41a、41bによるマスク部材14の冷却効果を高めることができる。なお、上記した第一および第二の熱反射部材51a、51bを多重に設ける構成とすれば、冷却効果をより高めることができる。
また、この場合、成膜装置21は、クライオポンプ56を備える構成であり、第三の処理室33にクライオポンプ56が設けられているため、クライオパネル41a、41bに吸着した水分をクライオポンプ56によって効率的に取り除くことができる。具体的には、クライオパネル41a、41bによる冷却を行わない時に、クライオパネル41a、41bの温度を常温に戻す。そうすると、クライオパネル41a、41bから第三の処理室33内に水分が排出される。この第三の処理室33内に排出された水分を、クライオポンプ56を作動させて回収することができ、クライオポンプにより回収した水分を第三の処理室33の外部に排出することができる。
ここで、成膜装置21によるマスク部材14の温度と搬送方向における被処理基板11の位置との関係について説明する。図5は、マスク部材14の温度と被処理基板11の位置との関係を示すグラフである。図5中の縦軸は、温度(℃)を示し、横軸は、被処理基板11の位置を示す。図5に示すグラフの横軸において、位置Pは、図3中の位置Pに相当する第一の処理室31と第二の処理室32との境界部分を示し、位置Pは、図3中の位置Pに相当する第二の処理室32と第三の処理室33との境界部分を示し、位置Pは、図3中の位置Pに相当する第三の処理室33と第四の処理室34との境界部分を示し、位置Pは、図3中の位置Pに相当する第四の処理室34の出口付近の部分を示す。
図5を参照して、まず、位置Pから位置Pに向かって被処理基板11を搬送すると、蒸着機構37aによる5回の蒸着に伴い、マスク部材14の温度が上昇していく。この場合、具体的には、20℃から45℃付近までマスク部材14の温度が上昇する。そして、位置Pから位置Pに向かって被処理基板11を搬送すると、冷却機構40によるマスク部材14の冷却が行われる。そうすると、マスク部材14の温度は、冷却により下降する。この場合、具体的には、45℃付近から20℃程度までマスク部材14の温度が下降する。その後、位置Pから位置Pに向かって被処理基板11を搬送すると、再び蒸着機構37bによる5回の蒸着に伴い、マスク部材14の温度が上昇していくが、位置Pで搬出される。このように、蒸着機構37a、37bにおいては、実質的にマスク部材14の温度差を25℃程度とすることができる。
なお、上記の実施の形態においては、上流側に位置する第二の処理室に蒸着機構を設け、下流側に位置する第三の処理室に冷却機構を設けることとしたが、これに限らず、蒸着機構が設けられる処理室と冷却機構が設けられる処理室とが同じになるよう構成してもよい。
図6は、この場合の成膜装置の一部を示す概略図である。図6を参照して、この発明の他の実施形態に係る成膜装置61は、パターンが形成されたマスク部材をその表面に取り付けた被処理基板に対して成膜を行う。成膜装置61は、その内部に被処理基板を収容可能な処理室62と、被処理基板のうちのマスク部材が取り付けられた面に対する蒸着を行う蒸着機構63と、マスク部材を冷却する冷却機構64とを備える。冷却機構64は、マスク部材と離隔した位置でマスク部材を冷却可能な冷却部材としての4つのクライオパネル65a、65b、65c、65dを含む。また、蒸着機構63は、材料ガスを供給する5つのヘッド部66a、66b、66c、66d、66eを含む。5つのヘッド部66a〜66eは、図6中の矢印IIIで示す搬送方向に間隔を開けて設けられている。
ここで、4つのクライオパネル65a、65b、65c、65dはそれぞれ、5つのヘッド部66a〜66eの間に介在するように設けられている。具体的には、最も上流側に位置する第一のヘッド部66aと、第一のヘッド部66aの左隣側であって、第一のヘッド部66aの下流側に位置する第二のヘッド部66bとの間に、最も上流側に位置する第一のクライオパネル65aが設けられている。同様に、第二のヘッド部66bと第三のヘッド部66cとの間に第二のクライオパネル65b、第三のヘッド部66cと第四のヘッド部66dとの間に第三のクライオパネル65c、第四のヘッド部66dと第五のヘッド部66eとの間に第四のクライオパネル65dが設けられている。
このような構成とすることにより、より効率的に、マスク部材の冷却を行うことができる。すなわち、蒸着工程の前後におけるマスク部材の温度差をより小さくすることができ、より精密なパターン形状の蒸着を行うことができる。また、効率的な水分の吸着も行うことができ、膜質の向上も図ることができる。なお、図6に示す実施形態において、クライオポンプを処理室62に設ける構成としてもよい。
この場合、上記した熱反射部材を、クライオパネルとヘッド部との間に設ける構成としてもよい。例えば、各クライオパネル65a〜65dと各ヘッド部66a〜66eとの間に、それぞれ熱反射部材を設ける構成としてもよい。さらにこの場合も、熱反射部材を多重に設ける構成としてもよい。また、クライオパネルとヘッド部との間に熱反射部材を設ける場合について、この熱反射部材自体の冷却を行う熱反射部材冷却機構を設けることとしてもよい。こうすることにより、より効率的なクライオパネルによる冷却を行うことができる。この場合、熱反射部材自体の冷却を行う熱反射部材冷却機構としては、水冷式のものを採用することができる。
ここで、上記の実施の形態においては、ヘッド部の大きさをクライオパネルの大きさよりも大きく図示しているが、これに限らず、ヘッド部の大きさがクライオパネルの大きさよりも小さくても構わないし、ヘッド部の大きさとクライオパネルの大きさとが同じであってもよい。
また、上記の実施の形態においては、各処理室を壁によって仕切ることとしたが、これに限らず、各処理室を壁によって仕切らない構造、すなわち、一つの処理室において、蒸着機構と冷却機構を設けてもよい。こうすることにより、ゲートバルブの開閉等の時間を短縮することができ、さらなるスループットの向上を図ることができる。
なお、上記の実施の形態においては、マスク部材の被処理基板に対する取り付けにおいては、磁石を用いることにしたが、これに限らず、他の方法、例えば、マスク部材を被処理基板に保持させる保持機構によりマスク部材を被処理基板に取り付けることにしてもよい。
また、上記の実施の形態において、熱反射部材を鉛直方向の上下方向に設けることとしたが、これに限らず、鉛直方向の上方側のみに設けることとしてもよいし、鉛直方向の下方側にのみ設けることとしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、成膜装置は、被処理基板を搬送する搬送機構を備えることとしたが、これに限らず、被処理基板を搬送する搬送機構を備えず、蒸着機構や冷却機構を搬送する構成としてもよい。
また、上記の実施の形態においては、搬送機構は、搬送コロを用いて被処理基板を搬送することとしたが、これに限らず、搬送機構は、他の搬送方法により被処理基板を搬送してもよい。例えば、磁気や気流を利用して被処理基板を浮上させ、その後被処理基板を搬送させる浮上搬送のような構成としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、蒸着される面が鉛直方向に向く場合について説明したが、これに限らず、逆の方向、すなわち、蒸着される面が上側に向く場合についても適用される。この場合、冷却部材は、処理室の上側に配置されるようにするとよい。さらには、被処理基板を立てて搬送する場合、すなわち、図3を用いて説明すると、蒸着される面である被処理基板の板厚方向の一方の面が、図3中の矢印IVの方向またはその逆の方向に位置する場合についても適用される。この場合について、蒸着される面の側に、冷却部材を設けるようにすればよい。
また、上記の実施の形態においては、クライオパネルは、搬送機構により搬送される被処理基板の搬送経路と離隔した位置に固定して設けられることとしたが、これに限らず、クライオパネルを移動可能な構成とし、マスク部材を冷却する際に、クライオパネルを移動させて、冷却可能な位置に配置するよう設けてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、冷却部材としてクライオパネルを用いることとしたが、これに限らず、非接触でマスク部材を冷却可能なものであれば、他の冷却部材であってもよい。
また、上記の実施の形態においては、クライオポンプを備える構成としたが、これに限らず、例えば、クライオポンプの代わりに、ウォーターポンプおよびターボ分子ポンプを組み合わせたものを採用することもできる。
なお、上記の実施の形態においては、被処理基板としてガラス基板を用いることとしたが、これに限らず、被処理基板として他の基板、例えば、シリコン基板を用いる場合にも、十分に適用できるものである。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
11 被処理基板、12,13,15,16,26,27,42a,42b,43a,43b,46a,46b 面、14 マスク部材、17 開口、18 磁石、21,61 成膜装置、22 トレイ、23 貫通孔、24 枠部、25 突起部、31,32,33,34,62 処理室、35 搬送経路、36 保持台、37a,37b,63 蒸着機構、38a,38b,38c,38d,38e,38f,38g,38h,38i,38j,66a,66b,66c,66d,66e ヘッド部、40,64 冷却機構、41a,41b,65a,65b,65c,65d クライオパネル、44a,44b 支持棒、45a,45b 冷凍機、51a,51b 熱反射部材、52a,52b 延出部、53a,53b 突出部、54 底壁、55a,55b 領域、56 クライオポンプ、57 バルブ、58a,58b 放射温度計。

Claims (7)

  1. パターンが形成されたマスク部材をその表面に取り付けた被処理基板に対して成膜を行う成膜装置であって、
    その内部に前記被処理基板を収容可能な処理室と、
    前記被処理基板のうちの前記マスク部材が取り付けられた面に対する蒸着を行う蒸着機構と、
    前記マスク部材を冷却する冷却機構とを備え、
    前記冷却機構は、前記マスク部材と離隔した位置で前記マスク部材を冷却可能な冷却部材を含む、成膜装置。
  2. 前記冷却部材は、クライオパネルを含む、請求項1に記載の成膜装置。
  3. クライオポンプを備える、請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 前記冷却機構は、前記処理室内において、前記被処理基板を冷却するときの前記被処理基板の位置および前記冷却部材が設けられた位置を含む領域と前記処理室内の他の領域とを仕切るようにして設けられ、熱を反射する熱反射部材を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置。
  5. 前記冷却部材のうち、前記被処理基板に対向する領域の熱放射率は、前記被処理基板に対向しない領域の熱放射率よりも高い、請求項1〜4のいずれかに記載の成膜装置。
  6. 前記処理室内において前記被処理基板を搬送する搬送機構を備え、
    前記冷却部材は、前記搬送機構により搬送される前記被処理基板の被処理面と対面する位置に設けられる、請求項1〜5のいずれかに記載の成膜装置。
  7. 前記被処理基板のうち、前記マスク部材が取り付けられる面は、鉛直方向の下方側の面であり、
    前記蒸着機構は、前記処理室内に蒸着ガスを供給するヘッド部を含み、
    前記冷却部材および前記ヘッド部は、それぞれ前記搬送機構の搬送方向に間隔を開けて、前記搬送経路の鉛直方向の下方側にそれぞれ設けられる、請求項6に記載の成膜装置。
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