JP2005281784A - 基板の冷却構造 - Google Patents

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進 神川
Hirohiko Morizaki
裕彦 森崎
Kozo Wada
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悦郎 平井
Toshiro Kobayashi
敏郎 小林
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光雄 加藤
Tatsuya Hirano
竜也 平野
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Abstract

【課題】 基板の温度上昇を抑えることができる基板の冷却構造を提供する。
【解決手段】 基板1を保持するホルダ2と、基板1の蒸着されない側の面に配設された冷却板3と、基板1と冷却板3との間に配設され、基板1及び冷却板3との接触性が良好な柔構造物4とを有する基板の冷却構造。
【選択図】 図1

Description

本発明は、薄膜が形成される基板の冷却構造に関し、例えば、薄膜が真空蒸着機により蒸着される基板に好適なものである。
従来の真空蒸着機は、図7に示すように、真空容器61内に蒸着材料62aを有する蒸発源(るつぼ)62と被蒸着体となる基板63を配置し、真空容器61内を減圧した状態で、電流端子64に電流を流して蒸発源62を加熱することで、蒸着材料62aを加熱、溶融して蒸発又は昇華により気化させ、気化された蒸着材料62aを基板63の表面に堆積させて薄膜を形成するものである。このとき、膜厚モニタ65及びシャッタ66を用いると共に、基板63をヒータ67により所定の温度に制御して、薄膜の厚さを制御するようにしている(非特許文献1参照)。
応用物理学会/薄膜・表面物理分科会編、「薄膜作製ハンドブック」、共立出版株式会社、1991年3月25日、p.171 特開2001−85164号公報
真空蒸着機は、金属材料の蒸着による金属薄膜の形成に限らず、有機材料の蒸着による有機薄膜や複数の有機材料を用いた共蒸着による高分子薄膜の形成にも用いられており、例えば、フラットパネルディスプレイ(以下、FPDと略す。)の有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子と略す。)等の形成にも用いられている。近年、FPDの普及に伴い、FPD用の基板の大型化と共に、生産性の向上が求められている。生産性を向上させるためには、基板に蒸着させる蒸着材料の蒸着速度を上げることが必要となり、そのためには、基板を高温の蒸発源(るつぼ)に近接させて配置することが望ましい。ところが、基板と蒸発源を近接させた場合、高温の蒸発源からの輻射熱と蒸着材料自体の潜熱により、基板温度が上昇し、基板が高温になるおそれがある。基板の温度が上がりすぎると、基板自体に悪影響を与えたり(例えば、基板の変形等)、蒸着した薄膜の膜質に悪影響を与えたりしてしまう。
特に、有機EL素子に用いる薄膜の場合、蒸着時の適切な基板温度が低く、基板温度が上昇すると、蒸着させた蒸着材料が再び蒸発してしまったり、その特性を発揮できなかったりするおそれがあり、所望の膜厚、膜質を得るためには、蒸着中の基板温度を所定温度以下に抑える必要がある。
基板の温度上昇を抑えるためには、蒸発源側の構成、基板側の構成を工夫すれば対処可能である。例えば、蒸発源側の構成を工夫する場合、蒸着源を基板から距離をおいて設置して、輻射熱の影響を受けにくい構成とすればよいが、この場合、蒸着源と基板との距離があるため、無効蒸気が多くなり、材料の利用効率が悪く、蒸着速度が遅くなる。更に、無効蒸気の壁面への付着によりメンテナンス頻度が高くなり、蒸着の連続処理数の限界も低く、生産性の向上は望めない。
一方、基板側の構成を工夫する場合、図8(a)に示すように、平面な基板支持具72上に基板71を支持し、図示しない冷却装置により基板支持具72を冷却する方法が考えられる(特許文献1参照)。つまり、基板71を冷却するため、冷却された基板支持具72に基板71を直接接触させることで基板温度の上昇を抑えようとするものである。しかしながら、このような構成を用いても、特に、真空雰囲気中では、基板温度の上昇を十分に抑えることができない。図8(b)に、基板71と基板支持具72との接触部分Cの拡大図を示す。図8(b)に示すように、基板71と基板支持具72との接触部表面には、微視的な粗さがあり、実質的な接触面積は微小となり、接触部分からの熱伝導は多くない。更に、真空中では間隙73も真空となるため、例えば、空気等の気体による伝熱が行われず、結局、基板71と基板支持具72との間の輻射による伝熱が支配的となり、効率的な冷却は期待できない。従って、基板温度を上昇させないようにするためには、基板支持具72を非常に低温にする必要があり、大がかりな冷却装置が必要であった。
又、インライン式成膜装置では、基板を連続的に搬送させながら蒸着を行うため、基板が蒸発源から連続的に温度の影響を受けるうえ、基板が連続的に搬送され、常に移動しているため、図8に示すような方法で基板を冷却することは難しかった。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、基板の温度上昇を抑えることができる基板の冷却構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の請求項1に係る基板の冷却構造は、
真空蒸着装置に用いられる基板の冷却構造であって、
基板を保持する保持手段と、前記基板の蒸着されない側の面に配設された冷却部材と、前記基板と前記冷却部材との間に配設され、前記基板の接触面及び前記冷却部材の接触面に追従して変形可能な柔構造部材とを有することを特徴とする。
つまり、基板、柔構造部材、冷却部材が層構造をなし、柔構造部材が、基板との接触面及び冷却部材との接触面の微視的粗さに追従して容易に変形可能であるので、基板、冷却部材との接触性を良好にして、熱伝導により基板からの熱を冷却部材に伝熱することが可能となり、基板の温度上昇を抑えることができる。
上記課題を解決する本発明の請求項2に係る基板の冷却構造は、
上記基板の冷却構造において、
前記柔構造部材は、耐熱性がある材料からなることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項3に係る基板の冷却構造は、
上記基板の冷却構造において、
前記冷却部材は、放熱性の高いものであることを特徴とする。
例えば、冷却部材を構成する材料を放熱性の高いものにしたり、冷却部材の構造を放熱性の高い構造にしたりする。
上記課題を解決する本発明の請求項4に係る基板の冷却構造は、
上記基板の冷却構造において、
前記冷却部材は、熱容量が大きいものであることを特徴とする。
例えば、冷却部材を構成する材料を熱容量が大きいものにしたり、冷却部材の体積を大きくして、熱容量が大きいものにしたりする。
上記課題を解決する本発明の請求項5に係る基板の冷却構造は、
上記基板の冷却構造において、
前記基板、前記柔構造部材及び前記冷却部材の密着性を向上させる密着手段を設けたことを特徴とする。
例えば、冷却部材の自重により、柔構造部材を基板側に押し付ける構成にする。
上記課題を解決する本発明の請求項6に係る基板の冷却構造は、
上記基板の冷却構造において、
上記密着手段は、マグネットチャックであることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項7に係る基板の冷却構造は、
上記基板の冷却構造において、
前記真空蒸着装置は、前記基板が移動されながら蒸着が行われるものであることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項8に係る基板の冷却構造は、
上記基板の冷却構造において、
前記基板及び前記冷却部材からの輻射熱を吸収する輻射熱吸収手段を設けたことを特徴とする。
例えば、輻射熱吸収手段としては、ヘリウム冷凍機のクライオ面を用いれば、極低温の温度により、基板、冷却部材からの輻射熱を効率的に吸収することができる。
本発明によれば、基板と冷却部材との間に柔構造部材を挟み込む構造としたので、簡単な構造で、蒸着の際の基板温度の上昇を抑えることができ、良好な膜質の蒸着を行うことが可能となる。又、蒸発源に基板を近接させた場合においても、上記構造により基板の温度上昇を抑えることが可能であるので、無効蒸気を減らして、蒸着速度を向上させることができ、その結果、生産効率を従来以上に向上させることができる。
又、本発明によれば、基板を保持する保持手段により、冷却部材、柔構造部材を保持するので、移動されながら蒸着が行われる基板であっても、基板の温度上昇を抑えることができる。加えて、冷却部材からの輻射熱を吸収する輻射熱吸収手段を設けることで、基板の温度上昇をより抑えることが可能となる。
以下、図1〜図6を用いて、本発明に係る基板の冷却構造の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る基板の冷却構造の実施形態の一例を示すものである。
図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線矢視断面図である。
本発明に係る基板の冷却構造は、真空蒸着装置に用いられるものであり、特に、基板を移動しながら蒸着を行うインライン式の成膜装置に好適なものである。具体的には、図1に示すように、本発明に係る基板の冷却構造は、基板1を保持するホルダ2(保持手段)と、基板1の一方側の面、即ち、蒸着が行われない側の面に配設された冷却板3(冷却部材)と、基板1と冷却板3との間に配設され、基板1との接触面及び冷却板3との接触面の微視的粗さに追従して容易に変形可能な柔構造物4(柔構造部材)とを有し、基板1、柔構造物4、冷却板3が、所謂、層構造となっている。なお、ホルダ2は、基板1の蒸着面側に単数若しくは複数の開口部を有しており、蒸着時には、開口部を通して蒸着材料の蒸気が、基板1上に蒸着される。又、FPDを作製する場合、基板1としては、例えば、ガラス基板等を用いる。
冷却板3は、放熱性が良好なものが望ましく、例えば、放熱性の高い材料を用いたり、複数のフィンを設けたりすることにより、冷却性を持たせるようにする。又、冷却板3を熱容量の大きい材料で構成したり、大きい体積にして熱容量を大きくしたりすることで、基板1から伝導された熱量が多くても、基板1を含めた冷却板3の温度が上昇し難い構成とする。冷却板3としては、例えば、Cu等の金属製の材料を用いる。又、冷却板3の厚さは、基板1の厚さに比べ大きくすることが可能であるため、基板1が薄い場合、面外変形(たわみ)を抑える効果もある。
柔構造物4は、接触面の微視的粗さに追従して容易に変形可能であるため、基板1、冷却板3の双方に対して接触性が良好となり、実質的な接触面積が大きくなることにより、基板1から冷却板3への熱伝導が促進される構成である。柔構造物4としては、耐熱性のあるものが望ましく、例えば、シリコンゴム、グラファイトシート、カーボンシート等を用いる。又、熱伝導率0.2W/(m・K)程度の材料であっても、真空中で脱ガス量が少なく、基板1との密着性がよいものであれば、例えば、ゼリー状の材料でも使用可能である。なお、柔構造物4の厚みは、柔構造物4を構成する材料の熱伝導率から決められる。
又、基板1、柔構造物4及び冷却材3の密着を向上させる密着手段を用いることで、基板1−柔構造物4間及び柔構造物4−冷却板3間の実質的な接触面積をより大きくし、基板1から冷却板3への熱伝導性をより大きくするようにしてもよい。密着手段としては、冷却板3の自重を利用したり、マグネットチャック等を用い、冷却板3を基板1側に押し付けたりする構成とする。
上記構成の基板の冷却構造を用いることにより、蒸着中の基板の温度上昇を抑えることが可能となる。その結果、基板の温度を制限値以上に上昇させることなく、基板と蒸発源との距離を近づけることも可能となり、無効蒸気を低減して、蒸着速度を向上させると共に、メンテナンス性の向上及び生産性の向上を図ることができる。
上記基板の冷却構造が用いられる真空蒸着装置の一例を、図2、図3に示す。
図2は、真空蒸着装置を複数組み合わせたインライン式の成膜装置の一部を示す側面図であり、図3は、図2に示した真空蒸着装置の内部構成を示す図である。
図2に示すインライン式成膜装置の成膜ユニット5は、図3に示すような真空蒸着装置6を複数組み合わせたものである。具体的には、成膜ユニット5は、3つの真空蒸着装置6a〜6cを直列に接続し、ゲートバルブ7を介して他の処理ユニットと接続されたものであり、薄膜を蒸着させる成膜チャンバ(図3の成膜チャンバ14a〜14d参照)が、合計12個直列に接続された構成となる。このように、インライン式成膜装置の成膜ユニット5では、連続搬送される基板に対して、数多くの成膜チャンバが、その搬送方向に連続して配置されており、基板の搬送に伴い、成膜チャンバからの熱の影響を受けてしまうため、基板の温度を管理することが非常に重要となる。
真空蒸着装置6aは、図3に示すように、図示しない真空ポンプにより内部の真空度が制御される真空容器12と、真空容器12を貫通して設けられ、基板を有するホルダ1を直線状に移動可能な搬送機11と、搬送機11の下方側に設けられた複数の成膜チャンバ14a〜14dとを有する。成膜チャンバ14a〜14dは、各々異なる蒸着材料を有する1つ又は複数の蒸発室(蒸発源)用いた真空蒸着機である。
搬送機11は、駆動ローラ11aとフリーローラ11bを、ホルダ1が搬送される方向に、複数組み合わせて構成したものであり、真空容器12の上部側に設けられたものである。成膜チャンバ14a〜14dにて蒸着を行う際には、蒸着される薄膜の膜厚が、ホルダ1の基板の搬送方向に沿って均一になるように、搬送機11が一定の所定速度でホルダ1を移動させている。なお、駆動ローラ11a、フリーローラ11bは、基板への蒸着を妨げないように、ホルダ1の両端の位置に配置されて、ホルダ1を支持している。
図3において、成膜チャンバ14a、14c、14dは同じ構成であり、蒸着する薄膜によって、異なる蒸着材料15、17、18を用いたものである。成膜チャンバ14aを例にとって内部構成を説明すると、成膜チャンバ14aは、蒸発室19から蒸着室27aまでの壁面が複数のヒータ13により加熱されたものであり、所謂、ホットウォールチャンバと呼ばれるものである。成膜チャンバ14aでは、気化された蒸着材料15が基板に到達する途中の過程で、壁面等に蒸着しないように、図示しない複数の温度センサを用いて、蒸着材料15が蒸着しない温度にヒータ13が制御される。このようなホットウォールチャンバを用いた場合、蒸着材料の蒸気の利用効率が向上すると共に、蒸着速度も向上する。更に、蒸発室19から基板までの距離を短くすることで、蒸気の利用効率をより向上させて、蒸着速度をより向上させることができる。
又、成膜チャンバ14aでは、成膜チャンバ14aの下方側から、蒸着材料15を有し、蒸着材料15を気化又は昇華させて、蒸気を発生させる蒸発室19(所謂、るつぼの部分)と、蒸発室19から基板側への蒸着材料15の蒸気量を均一な分布に制御する調整弁23と、複数の貫通孔を有する固定板及び可動板から構成され、蒸着室27a内での蒸着材料15の蒸気の面内分布及び流れを整えて、均一に調整するシャッタ25と、上記貫通孔より小さい貫通孔を複数有し、蒸着材料15の蒸気の面内分布及び流れを更に整える整流板26とが、基板側へ向かって順に配置されている。蒸着材料15の蒸気は、調整弁23、シャッタ25、そして、整流板26を経て、均一な分布とされた後、蒸着室27aにおいて基板への蒸着が行われる。
一方、成膜チャンバ14bは、複数の蒸発源となる蒸発室20a、20bを有する構成の真空蒸着機であり、共蒸着を行うための構成である。具体的には、成膜チャンバ14bでは、成膜チャンバ14bの下方側から、異なる蒸着材料16a、16bを有し、蒸着材料16a、16bを気化又は昇華させて、蒸気を発生させる蒸発室20a、20bと、蒸発室20a、20bから混合室24への蒸着材料16a、16bの蒸気量を均一な分布に制御する2つの調整弁23と、複数の貫通孔を有する固定板及び可動板から構成され、蒸着室27b内での蒸着材料16a、16bの蒸気の面内分布及び流れを整えて、均一に調整するシャッタ25と、上記貫通孔より小さい貫通孔を複数有し、蒸着材料16a、16bの蒸気の面内分布及び流れを更に整える整流板26とが、基板側へ向かって順に配置されている。
このような成膜チャンバ14a〜14dを有する真空蒸着装置6a内を基板が連続搬送されて、成膜チャンバ14a〜14dの蒸着室27a〜27dの開口部直近を通過させることで、基板上に複数の薄膜が積層されるが、本発明に係る基板の冷却構造を用いることにより、成膜チャンバ14a〜14dからの輻射熱等による基板の温度上昇を抑えることが可能である。又、基板の温度上昇を抑えることで、薄膜の膜質を良好の状態で蒸着できる。更に、基板と成膜チャンバ14a〜14d、特に、蒸発室19、20a、20b、21、22との距離を近接させて、無効蒸気を減らし、蒸着速度を向上させることも可能である。
図4は、図3に示した真空蒸着装置6aに輻射熱吸収手段を設けた構成を示す概略図である。
図4に示すように、ホルダ1が保持する基板、冷却板からの輻射熱を吸収するクライオパネル10a、10b(輻射熱吸収手段)は、成膜チャンバ14a〜14dから供給される蒸着材料の蒸着を妨げない空間に、ホルダ1の両面に近接するように平行に配置されているものであり、成膜チャンバの数に応じて、搬送装置に沿って複数設けられている。クライオパネル10a、10bは、クライオポンプ等の内部に用いられるクライオパネルと同等のものであり、液体He等を用いた冷凍機のクライオ面を用いたものである。真空容器内は真空雰囲気であるため、基板からの熱伝導を媒介する気体がほとんどなく、真空中を移動する基板を冷却するのは容易でない。そこで、低温(−20℃〜−200℃)に維持可能なクライオパネル10a、10bを用い、基板や冷却板からの輻射熱を積極的に吸収すること(冷輻射)で、基板の温度上昇を防ぎ、基板温度を所定温度以上に上げることなく、蒸着速度を上げた連続蒸着を可能としている。なお、クライオパネルの温度や冷媒の種類は、基板側の条件により決定される。
図5に、基板と冷却板との間に、柔構造物を挟まない場合と柔構造物を挟む場合の基板の温度変化を示す。
これは、基板1の初期温度を25℃、柔構造物4(シリコンゴム)の厚みを1mm、冷却板3(Cu)の厚みを5mm、蒸発源の温度を300℃、基板の搬送速度を5.8mm/secとして、蒸着回数を連続12回行ったものである。
図5(a)の柔構造物4を挟まない場合と、図5(b)の柔構造物4を挟む場合の比較からわかるように、柔構造物4を挟まない場合は、基板の温度が100℃以上に上昇するが、本発明に係る基板の冷却構造を適用して、柔構造物4を挟むことで、基板の温度上昇が大幅に抑えられ、有機EL素子の形成に望ましいと言われている70℃以下に維持されることがわかる。つまり、基板1から冷却板3への熱伝導、熱拡散が、接触性のよい柔構造物4を介して行われるため、基板温度の上昇がかなり抑えられることが明らかである。従って、基板温度を上げることなく、生産速度を上げた連続蒸着を行うことが可能となる。更に、図4に示すようなクライオパネル10a、10bを用いれば、図5(c)に示すとおり、より効果的に基板温度の上昇を抑えることが可能となる。
図6は、本発明に係る基板の冷却構造の実施形態の他の一例を示すものであり、図6(a)は概略図であり、図6(b)は図6(a)の領域Bの拡大図である。
図6に示すように、本実施例の基板の冷却構造は、連続真空蒸着装置51に用いられる。連続真空蒸着装置51は、内部が真空排気可能な真空容器52と、真空容器52内部に設けられ、蒸着材料を蒸発可能な蒸発源53と、蒸発源53に対向して配置された帯状の基板54を回転運動により移動可能なロール55とを有している。ロール55の表面には柔構造物56が設けられており、所定の張力を基板54に与えることにより、ロール55に基板54が押し付けられ、柔構造物56を介して、ロール55に接触する構成である。つまり、蒸発源53から熱の影響を受ける基板54のロール55への接触性を、柔構造物56を用いることで向上させて、基板54からロール55への熱伝導を積極的に行なって、基板54の温度上昇を抑えるようにした構成である。又、ロール55自体の熱容量を大きいものにしたり、ロール55自体を冷却する冷却装置を設けたりすることで、基板54の温度上昇をより抑えるようにしてもよい。
本発明に係る基板の冷却構造の実施形態の一例を示す図である。 真空蒸着装置を複数組み合わせたインライン式成膜装置の一部を示す図である。 本発明に係る基板の冷却構造が用いられる真空蒸着装置の一例を示す図である。 図3に示した真空蒸着装置に輻射熱吸収手段を設けた構成を示す概略図である。 基板と冷却板との間に、柔構造物を挟まない場合と挟む場合の基板の温度変化を示す図である。 本発明に係る基板の冷却構造の実施形態の他の一例を示す図である。 従来の真空蒸着機を示す構成図である。 従来の基板の冷却方法を説明する図である。
符号の説明
1 基板
2 ホルダ
3 冷却板
4 柔構造物
6 真空蒸着装置
10a、10b クライオパネル

Claims (8)

  1. 真空蒸着装置に用いられる基板の冷却構造であって、
    基板を保持する保持手段と、前記基板の蒸着されない側の面に配設された冷却部材と、前記基板と前記冷却部材との間に配設され、前記基板との接触面及び前記冷却部材との接触面に追従して変形可能な柔構造部材とを有することを特徴とする基板の冷却構造。
  2. 請求項1記載の基板の冷却構造において、
    前記柔構造部材は、耐熱性がある材料からなることを特徴とする基板の冷却構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の基板の冷却構造において、
    前記冷却部材は、放熱性の高いものであることを特徴とする基板の冷却構造。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の基板の冷却構造において、
    前記冷却部材は、熱容量が大きいものであることを特徴とする基板の冷却構造。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の基板の冷却構造において、
    前記基板、前記柔構造部材及び前記冷却部材の密着性を向上させる密着手段を設けたことを特徴とする基板の冷却構造。
  6. 請求項5記載の基板の冷却構造において、
    上記密着手段は、マグネットチャックであることを特徴とする基板の冷却構造。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の基板の冷却構造において、
    前記真空蒸着装置は、前記基板が移動されながら蒸着が行われるものであることを特徴とする基板の冷却構造。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の基板の冷却構造において、
    前記基板及び前記冷却部材からの輻射熱を吸収する輻射熱吸収手段を設けたことを特徴とする基板の冷却構造。
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