JP4597149B2 - 薄膜形成装置及び薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成装置及び薄膜形成方法 Download PDF

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Description

本発明は薄膜形成装置及び薄膜形成方法に係り、特に、プラスチック基板に薄膜を形成するのに適した薄膜形成装置及び薄膜形成方法に関する。
プラスチック等で形成された基板の表面に機能性薄膜を成膜することで、光学的・物理的特性を持たせる技術が知られている。例えば、ポリカーボネートやアクリル等からなるプラスチックレンズの表面にハードコート層や反射防止層を成膜することで、レンズに耐摩耗性や反射防止能を持たせることができる。
このような成膜を行う薄膜形成装置として真空蒸着装置があり、基板に形成する薄膜の原料である蒸着物質を電子ビーム等により蒸発させて基板に付着させることで、基板の表面に薄膜を形成している。蒸発方法としては、電子ビームにより蒸発させる方法の他に、抵抗加熱により蒸発させる方法などが知られている。
さらに、蒸着時に膜質を改善するためにイオンを照射する方法(イオンアシスト法、すなわちIAD法)や、イオンプレーティング法などが用いられている。これらの方法によれば、基板にイオンを衝突させることにより、薄膜の緻密化を図ることが可能となり、また、薄膜の結晶化も防止できる。このため、光学特性に優れるとともに耐環境性に優れた薄膜を形成することができる。
これらの薄膜形成装置では蒸発源が高温となるため、これを熱源とする輻射熱により基板が加熱されて高温となる。また、イオン源を用いる場合は、イオン源からのイオン照射やイオン源自体の温度が高くなることによる輻射熱で、基板が加熱される。
具体的に説明すると、一般的な薄膜形成装置において、蒸発源の蒸発温度は1500〜2500℃、蒸発源の蒸着物質の面積は数cm〜10cm程度であり、この場合、蒸発面から約1mの距離において蒸発源から外部に0.05〜0.3W/cmの熱が輻射され、基板や真空室内側面が加熱される。
また、イオン源については、1000Vで100μA/cmの電流でイオンを基板に照射する場合、0.1W/cmのエネルギーが基板に与えられる。同時に、イオン源自体は300〜400℃に加熱され、そこから輻射熱が基板に伝達される。
一般に、ガラス等の材料と異なりプラスチックは熱変形温度が低いため、薄膜形成の過程で基板の温度が上昇しすぎて熱変形温度を超えると、比体積、膨張係数、比熱などが急激に変化し、基板が変形したり物理的・光学的特性に変化が生じたりするといった不都合があった。例えば、一般的なイオンアシスト蒸着装置では、成膜時間が比較的長いと基板の温度は100〜120℃以上まで上昇するが、プラスチックの熱変形温度はアクリルで100〜105℃、ポリカーボネートで120〜130℃、ポリエチレンで80〜85℃と100℃前後であることが多く、通常は成膜の過程で基板の温度が熱変形温度を超え、基板に変形等が生じるおそれがある。
そこで従来、プラスチック等の熱変形温度の低い材料で形成された基板に対して薄膜を成膜する方法として以下の(1)〜(3)の方法が行われている。
(1)基板に形成する薄膜の層数を少なくしたり膜厚を小さくしたりすることで、基板の温度が熱変形温度を超える前に成膜を終了する方法。
(2)多層膜を成膜する場合、各層を成膜する工程の間に成膜を行わない冷却期間を設け、基板の温度上昇を抑制する方法。
(3)基板保持機構(基板ホルダ)に不凍液等の冷媒を直接流すことにより、基板保持機構を−5〜+35℃程度に冷却し、基板保持機構に密着して保持されている基板を冷却する方法(例えば、特許文献1〜5参照)。
上記(1)は、基板の温度が熱変形温度を超える前に成膜を終了することで、基板の変形を防ぐ方法である。この方法では、熱変形温度を超える前に成膜を終了させる必要があるため、成膜時間を長くすることが難しく、このため層数の多い多層膜や膜厚の大きい薄膜を成膜することは困難であり、必然的に層数が少なく膜厚の小さい薄膜しか形成することができない。例えば、基板の材質や成膜条件にもよるが、一般的なイオンアシスト蒸着装置を用いた場合、膜層数が10層以下、全体の物理膜厚が0.5μm以下の成膜しか行うことができず、それより多い層数や厚い膜厚の薄膜を形成することは困難であった。
(2)は、多層膜を成膜する際に、各層を成膜する間に蒸発源やイオン源の動作を一旦停止させて基板を冷却させる冷却時間を設けることで、基板の温度が熱変形温度を超えるのを防ぐ方法である。この方法では、成膜終了までにかかる時間が長くなり、生産性が悪くなる。
例えば、プラスチック基板の表面に酸化チタン及び酸化ケイ素からなる薄膜を成膜してUV/IRカットフィルターを作製する場合において、各層間で冷却時間を5分設けた実験を行った。また、比較実験として、冷却時間を設ける必要の無いガラス基板を用いた。表1の、これらの結果を示す。
その結果、プラスチック基板を用いた場合の成膜完了までの時間は、冷却時間を設けなくてよいガラス基板の場合と比較して、倍以上の時間が必要となることがわかる。
Figure 0004597149
一方、(3)の方法では、基板の温度上昇を防止するために冷却手段を設けて基板の冷却を行っている。この方法では、基板保持機構の内部に冷媒等を導入し、基板を冷却している。この方法によれば、基板を保持する基板保持機構の内部に冷媒を供給するためのパイプを設けて冷媒を流すことにより、基板保持機構を冷却する。また、基板保持機構と基板との間の密着性を高めるため、静電チャック等により両者を密着させて間に隙間が生じないようにする工夫もなされている。これにより、基板保持機構に密着した基板が冷媒により冷却され、温度上昇が抑制される。
特開2001−212446号公報 特開2004−218052号公報 特開2005−82837号公報 特開2006−137968号公報 特開2006−190805号公報
上述したように、プラスチック基板に多層膜を成膜するためには、(3)のように基板を冷却するための冷却手段を用いる必要がある。
しかしながら、(3)の方法では、冷媒により冷却された基板保持機構で基板を保持しても、一般にプラスチックは熱伝導率が低いため、保持部から離れた部分は冷却されにくい。このため、基板の部位により温度が異なることがあり、基板の変形が生じやすい。
また、保持部は通常金属で形成されるが、プラスチックと金属とでは熱膨張係数が異なるため(プラスチックは金属に比べて通常約5倍以上大きい)、冷却に伴って保持部とプラスチック基板との間で隙間が生じることがある。この隙間により、冷却効率が低下することがある。
仮に基板を薄くして、これに張力を付与することで熱膨張による基板の弛みを低減しようとしても、基板と保持部との間の密着性は十分でなく基板の熱伝導率も低いため、基板を十分に冷却することは困難である。さらに、基板に張力を付与する機構は複雑・高価であり、薄膜形成装置にこのような機構を設けることで基板の製造コストの上昇を招く。
さらに、基板保持機構に対して基板を密着させる必要があるため、通常は基板保持機構と密着性の高い形状、すなわち平らな形状の基板しか冷却できず、薄膜形成を行うことができる基板の形状に制限があった。しかも、基板保持機構への基板の取付けに長時間を要し、成膜開始までに時間がかかるという問題もあった。また、基板保持機構に冷媒を流すための機構が複雑になるという問題もあった。
本発明の目的は、特にプラスチック等の熱変形温度の低い材料で形成された基板に対して基板の変形等が生じにくい薄膜形成装置及び薄膜形成方法を提供することにある。
上記課題は、本発明の薄膜形成装置によれば、真空チャンバ内で基体に蒸着物質を蒸着させる薄膜形成装置であって、前記真空チャンバ内に配設され前記基体を複数保持するための基体保持手段と、該基体保持手段を回転させる回転手段と、前記基体保持手段に保持された前記基体に前記蒸着物質を供給して表面に蒸着させる蒸発源と、前記基体及び前記基体保持手段を冷却するための近接冷却面を有する冷却手段と、前記基体及び前記基体保持手段を加熱するための加熱源と、前記近接冷却面による前記基体及び前記基体保持手段の冷却温度と前記加熱源による前記基体及び前記基体保持手段の加熱温度とを制御する温度制御手段と、を備え、前記冷却手段は、ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機に接続された水冷コンデンサと、該水冷コンデンサに接続された熱交換機と、該熱交換機に接続され、前記温度制御手段によって開閉されるソレノイドバルブと、を有する冷凍機と、該冷凍機に備えられた前記ソレノイドバルブに接続され、前記冷凍機から供給される−100℃以下に冷却された前記冷媒を通過させる管路が形成された冷媒管と、該冷媒管と接触し前記基体保持手段と独立して配設され表面が前記近接冷却面を構成する金属材料からなる冷却板と、を有し、前記近接冷却面は、前記真空チャンバ内の前記基体保持手段の近傍であって前記基体とは非接触となる位置に設けられ、かつ前記基体及び前記基体保持手段からの輻射熱を吸収可能な温度とされていることにより解決される。
このように、本発明の薄膜形成装置によれば、基体保持手段の近傍であって基体とは非接触となる位置に冷却面が設けられており、基体及び基体保持手段からの輻射熱を吸収可能な温度とされているため、基体及び基体保持手段から輻射される熱(輻射熱)を基体と離れた位置から吸収することができる。これにより、基体及び基体保持手段の全体を均一に冷却することができる。
また、従来のように基体を基体保持機構に密着させる複雑な機構等を必要としないため基体保持手段の構成を簡単にすることができるとともに、基体保持機構への基体の取付けを短時間で行うことが可能となる。さらに、基体を非接触で冷却することができるため、冷却できる基体の形状に制限がなく、どのような形状の基体であっても基体全体を均一に冷却することができる。
さらに、加熱源を備えることで、基体の加熱を行うことが可能となり、例えば成膜開始前に所定の温度まで基体及び基体保持手段を加熱することができる。また、成膜時に蒸発源による加熱効率の変動を加熱源による加熱で補うことも可能となる。
例えば、2種類の蒸着物質を蒸着させる薄膜形成装置では、通常蒸発源が2つ設けられ、第1の蒸発源で第1の蒸着物質を、第2の蒸発源で第2の蒸着物質を蒸着させる構成となっている。このような薄膜形成装置では、第1の蒸発源による蒸着、休止、第2の蒸発源による蒸着、休止が繰り返されるが、蒸発源によって基体及び基体保持手段の加熱効果が異なる。このような場合において、加熱源を更に備えることで、加熱効率の変動を補完することが可能となる。
そして、温度制御手段を備えることで、冷却温度と加熱温度を適宜に調整することが可能となる。このため、熱変形温度以下であって成膜に最適な温度に基体を維持することができる。
また、冷却手段が、冷凍機と冷媒管と冷却板とにより構成されているため、冷凍機から冷媒管へ冷媒を供給して冷却板を冷却させることで冷却板の表面を冷却面とし、基体からの輻射熱を吸収することで基体及び基体保持手段の全体を均一に冷却することができる。
この場合、前記近接冷却面は、前記基体保持手段を基準に前記蒸発源が設けられる側の反対側に設けられていることが好ましい。
このように、基体保持手段を基準に蒸発源と反対側に近接冷却面が設けられているため、蒸発源から基体への蒸着物質の付着が近接冷却面によって妨害されない。したがって、冷却手段を設けたことによる成膜レートの低下がなく、効率よく成膜を行うことができる。
また、前記基体保持手段は、平板状又はドーム状をなしており、その一方の面から他方の面まで貫通する貫通孔が形成され、前記基体は、前記貫通孔を塞ぐように前記基体保持手段に保持されていることが好ましい。
このように、基体保持手段には一方の面から他方の面まで貫通する貫通孔が形成され、基体はこの貫通孔を塞ぐように基体保持手段に保持されているため、基体は基体保持手段の両方の面から露出した状態となる。基体保持手段の近傍には近接冷却面が形成されているため、基体の露出した面から効率よく基体を冷却することが可能となる。したがって、基体の変形等をより確実に防止することができる。
また、前記近接冷却面と前記真空チャンバの内壁面との間には、該内壁面よりも熱輻射率の小さい熱反射板が設けられると好適である。
このように、近接冷却面と真空チャンバの内壁面との間に、内壁面よりも熱輻射率の小さい熱反射板が設けられているため、真空チャンバの内壁面と近接冷却面との間で生じる熱の移動が熱反射板によって抑制され、近接冷却面の温度上昇を抑制することが可能となる。これにより、近接冷却面による基体の冷却を効率的に行うことが可能となり、冷凍機の冷却能力が低くても十分に基体の冷却を行うことができるため、経済的である。
また、前記冷却手段は、前記蒸発源側から前記基体及び前記基体保持手段を冷却するための蒸発源側冷却面を更に備え、該蒸発源側冷却面は、前記蒸発源の近傍に設けられ、前記基体への前記蒸着物質の供給を妨げない形状とされていることが好ましい。
蒸発源側に冷却面がない場合は、蒸発源周辺が加熱され、この輻射熱により基体及び基体保持手段が加熱されるが、上記のように蒸発源側冷却面を備えることで、この加熱効果を低減することができ、更に基体及び基体保持手段からの輻射熱を吸収することができる。したがって、基体の冷却効率が更に向上する。
この場合、前記基体に向けてイオンビームを照射するイオン源を更に備え、前記蒸発源側冷却面は、前記基体への前記イオンビームの照射を妨げない形状とされていると好適である。
このように、イオン源を更に備えることで、イオンアシスト蒸着を行うことが可能となり、イオンの衝突エネルギーによって薄膜の膜質の緻密化等を図ることができる。したがって、膜質の良好な薄膜を形成することが可能となる。
また、前記冷却手段は、前記真空チャンバの側壁側から前記基体及び前記基体保持手段を冷却するための側壁側冷却面を更に備え、前記近接冷却面、前記蒸発源側冷却面及び前記側壁側冷却面により前記基体保持手段の周囲全体が取り囲まれていることが好ましい。
真空チャンバの側壁側に冷却面がない場合は、真空チャンバの側壁が加熱され、この輻射熱により基体及び基体保持手段が加熱されるが、上記のように側壁側冷却面を備えることで、この加熱効果を低減することができ、更に基体及び基体保持手段からの輻射熱を吸収することができる。したがって、基体の冷却効率が更に向上する。
この場合、前記真空チャンバの前記内壁面には、防着板が脱着自在に取り付けられており、前記蒸発源側冷却面又は前記側壁側冷却面は、前記防着板に形成されていることが好ましい。
このように、防着板が真空チャンバの内壁面に着脱自在となっており、この防着板に上記冷却面が形成されているため、蒸着物質が防着板に付着した場合に、これを取り外して蒸着物質を除去することができる。このように、冷却面が防着面を兼ねることで、薄膜形成装置の部品数を少なくすることが可能となり、薄膜形成装置の製造コストを低減できる。
なお、冷却板の表面に熱伝導を確保できるように防着板を取り付け、この防着板の表面を冷却面としてもよい。
上記課題は、本発明の薄膜形成方法によれば、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の薄膜形成装置を用いて真空チャンバ内で基体に蒸着物質を蒸着させる薄膜形成方法であって、前記真空チャンバ内に配設された基体保持手段に前記基体を保持させる基体保持工程と、該基体保持手段を回転させる回転工程と、前記基体に成膜を行う成膜工程と、を行い、前記成膜工程は、前記基体保持手段に保持された前記基体に前記蒸着物質を供給して表面に蒸着させる蒸着工程と、前記真空チャンバ内の前記基体保持手段の近傍であって前記基体とは非接触となる位置から、前記基体及び前記基体保持手段からの輻射熱を吸収して前記基体及び前記基体保持手段を冷却する冷却工程と、を行うことにより解決される。
このように、本発明の薄膜形成方法によれば、基体保持手段の近傍であって基体とは非接触となる位置から、基体及び前記基体保持手段の輻射熱を吸収することにより基体及び前記基体保持手段を冷却するため、基体及び前記基体保持手段の全体を均一に冷却することができる。
また、前記冷却工程は、前記基体保持手段を基準に前記蒸着物質が供給される側とは反対側から前記基体及び前記基体保持手段を冷却する工程であることが好ましい。
このように、蒸着物質が供給される側とは反対側から基体及び前記基体保持手段を冷却するため、蒸発源から基体への蒸着物質の付着が近接冷却面によって妨害されない。したがって、冷却手段を設けたことによる成膜レートの低下がなく、効率よく成膜を行うことができる。
また、前記冷却工程は、前記基体保持手段の周辺全体から前記基体及び前記基体保持手段を冷却する工程であることが好ましい。
このように前記基体保持手段の周辺全体から前記基体及び前記基体保持手段を冷却することで、蒸発源による加熱効果を低減することができ、更に基体及び基体保持手段からの輻射熱を吸収することができるため、基体の冷却効率が更に向上する。
また、前記成膜工程前又は前記成膜工程中に、前記基体及び前記基体保持手段を加熱する加熱工程を更に行うことが好ましい。
このように、加熱工程を行うことで、成膜工程をスムーズに開始させたり、成膜時の温度を最適にしたりすることが可能となる。
また、前記成膜工程は、成膜時の加熱条件に応じて前記冷却工程での冷却温度と前記加熱工程での加熱温度を調節し、前記基体及び前記基体保持手段の温度を制御する温度制御工程を行うことが好ましい。
このように、前記基体及び前記基体保持手段の冷却温度と加熱温度を制御することで、基体の温度を、熱変形温度以下であって成膜を効率よく進行させる温度に維持することが可能となる。このため、熱変形温度以下であって成膜に最適な温度に基体を維持することができる。
本発明の薄膜形成装置によれば、基体と基体保持手段の全体を均一に冷却することができるため、基体が局所的に冷却されることによる変形等が生じにくい。
また、基体保持手段の構成を簡単にすることができるとともに、基体保持手段への基体の取付けを短時間で行うことが可能となるため、薄膜形成に要するコストを低減し、成膜時間を短縮することができる。
さらに、どのような形状の基体であっても基体と基体保持手段の全体を均一に冷却することができるため、高い汎用性を備えた薄膜形成装置とすることができる。
また、本発明の薄膜形成方法によれば、基体と基体保持手段の全体を均一に冷却することができるため、基体が局所的に冷却されることによる変形等が生じにくい。
以下に、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1及び図2は本発明の一実施形態に係る薄膜形成装置の説明図であり、図1は第1の実施形態に係る薄膜形成装置を示す説明図、図2は第2の実施形態に係る薄膜形成装置を示す説明図である。
図1は、薄膜形成装置の一種であるイオンアシスト蒸着装置1の説明図であり、装置の一部を断面として示している。
この図に示すように、イオンアシスト蒸着装置1は、真空チャンバ2と、基板ホルダ3と、基板ホルダ回転軸4と、基板ホルダ回転モータ5と、蒸発源6と、イオン源7と、ハロゲンランプ8と、冷凍機11と、冷媒管12と、冷却板13と、を主要な構成要素として備えている。
真空チャンバ2は、内部で成膜を行うための容器である。本実施形態の真空チャンバ2は、ほぼ円筒形状をした中空体であり、基板Sを配置して薄膜形成を行うことが可能となっている。真空チャンバ2には、図示しない真空ポンプが接続されており、この真空ポンプが真空チャンバ2の内部を排気することで、真空チャンバ2の内部は10−2〜10−5Paの高真空状態となる。
真空チャンバ2の材料としては、アルミニウムやステンレス等の金属材料等を挙げることができる。本実施形態では、ステンレス鋼の一種であるSUS304を用いている。
基板ホルダ3は、真空チャンバ2の内部に設けられ、基板Sを保持するための部材である。本実施形態の基板ホルダ3は、平板状の部材で構成されているが、所定の曲率を有するドーム状の部材で構成されてもよい。なお、基板ホルダ3は、本発明の基体保持手段に相当する。
基板ホルダ3には、一方の板面から他方の板面まで貫通する貫通孔3aが形成されている。基板Sは、この貫通孔3aを塞ぐように、取付部材3bを用いて基板ホルダ3に取り付けられている。
本実施形態の取付部材3bは、基板ホルダ3の貫通孔3aよりも大径の円盤状をなしており、円盤面の一部が下向きに凹んだ形状をしている。この凹んだ部分には開口が形成されている。基板ホルダ3への基板Sの取付けは、まず基板ホルダ3の貫通孔3aに取付部材3bを載置し、次に取付部材3bの凹部に基板Sを載置する。このように、本実施形態では、基板ホルダ3に取付部材3bと基板Sをただ載せるだけで、簡単に基板Sをセットすることができる。なお、基板ホルダ3の回転時に基板Sが動かないように、基板Sを取付部材3bに固定するようにしてもよい。
基板ホルダ3の中心には、基板ホルダ3の板面に対して垂直な方向に棒状の基板ホルダ回転軸4の一端側が接続されている。基板ホルダ回転軸4の他端側は、真空チャンバ2の壁面を貫通して真空チャンバ2の外部へ延出しており、基板ホルダ回転モータ5の出力軸と接続されている。
基板ホルダ回転モータ5は基板ホルダ3を回転させるための装置であり、本発明の回転手段に相当する。基板ホルダ回転モータ5は、真空チャンバ2の外部に設けられている。基板ホルダ回転モータ5の出力軸は基板ホルダ回転軸4の軸心と一致しており、基板ホルダ回転モータ5の回転出力が基板ホルダ回転軸4を介して基板ホルダ3に伝達されて基板ホルダ3が回転する。
なお、基板ホルダ回転モータ5の出力軸は、図示しない磁気シールベアリングなどの手段により真空シールされている。
基板Sは、本発明の基体に相当し、表面に薄膜が形成される基礎となる部材である。本発明では、ガラスや金属よりも熱変形温度の低いプラスチック基板を用いる点を特徴としている。
基板Sの材料として、例えば、ポリカーボネート,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体,ナイロン,ポリブチレンテレフタレート,ポリカーボネート−ポリエチレンテレフタレート共重合体,ポリカーボネート−ポリブチレンテレフタレート共重合体,アクリル,ポリスチレン,ポリエチレン,ポリプロピレンなどの樹脂材料が挙げられる。また、基板Sの強度を向上させるために、これらの樹脂材料にガラス繊維やカーボン繊維もしくはこれらの混合物を混合させたものでもよい。
また、本実施形態では基板Sの形状としてレンズ状のものを用いているが、これに限定されず、例えば平板状、円錐状、角錐状、円筒状など、種々の形状のものを用いることができる。
蒸発源6は、真空チャンバ2の内部に配設され、基板Sに蒸着物質Pを付着させるための装置である。蒸発源6は、蒸着物質Pを載せるためのくぼみを上部に備えた蒸発ボートと、蒸着物質Pに電子線を照射して蒸発させる電子銃と、を備えている。さらに、本実施形態では、蒸発ボートから基板Sに向かう蒸着物質Pを遮断する位置に回転自在に設けられた図示しないシャッターを備えている。
本実施形態では、蒸発源6として、蒸着装置で用いられる一般的な装置を採用している。すなわち、蒸発ボートとして円筒形のハースライナーが複数個設けられ、これらハースライナーが円盤状ハースの同心円状の窪みに配設されている。円盤状ハースは、銅などの熱伝導性の高い金属で形成され、図示しない水冷装置により直接的又は間接的に冷却されている。各ハースライナーには、蒸着物質Pが収容されており、一つのハースライナーの蒸着物質Pがなくなると、円盤状ハースが回転し、次のハースライナーの蒸着物質Pを蒸発させる。
円盤状ハース自体は水冷されているので熱源とはなりにくいが、ハースライナーに残った蒸着物質Pは通常酸化物であるため熱伝導率が低く、冷却されにくい。このため、ハースライナー上の蒸着物質Pは、基板Sを輻射熱により加熱する熱源となる。
蒸発ボートに薄膜の原料となる蒸着物質Pを載せた状態で、1〜3kW程度の電子線を発生させ、これを蒸着物質Pに照射すると、蒸着物質Pが加熱されて蒸発する。この状態で図示されていないシャッターを開くと、蒸発ボートから蒸発する蒸着物質Pは基板Sに向けて真空チャンバ2の内部を移動して、基板Sの表面に付着する。成膜中は、蒸発源6の温度は1500〜2500℃にまで上昇する。
また、蒸発源6は、蒸着物質Pの溶かし込みのために成膜時以外のシャッターが閉じた状態でも予備加熱されているため、シャッターやその周囲の温度も上昇する。
なお、蒸発源6としては、このような電子銃により蒸発される装置に限定されず、例えば抵抗加熱により蒸着物質を蒸発させる装置でもよい。
イオン源7は正のイオンを基板Sに向けて照射するための装置である。イオン源7としては、真空蒸着装置において一般的に用いられる公知のものを用いることができる。
蒸発源6から基板Sに向けて移動する蒸着物質Pは、イオン源7から照射される正イオンの衝突エネルギーにより、基板Sの表面に高い緻密性でかつ強固に付着する。このとき、基板Sはイオンビームに含まれる正イオンにより正に帯電する。
なお、必要に応じて、正に帯電した基板Sや基板ホルダ3に電子ビームを照射して電荷の中和を行うニュートラライザを設けるようにしてもよい。
本実施形態では、基板ホルダ3の下側にハロゲンランプ8が設けられている。ハロゲンランプ8は、輻射熱により基板Sを加熱するための加熱源である。なお、このような加熱手段としては、上述のハロゲンランプに限定されず、赤外線ヒータ等の他の手段でもよい。また、後述する温度計25で測定された温度に基づいて、ハロゲンランプ8の発熱量を制御してもよい。
次に、本発明の特徴的構成要素である冷却手段について説明する。
冷却手段は、基板Sを冷却してその温度を熱変形温度よりも低く維持するための手段である。冷却手段は、冷凍機11と冷媒管12と冷却板13とを主要な構成要素としている。
真空チャンバ2の内部には、冷却板13が配設されている。冷却板13は、円盤状をしており、基板ホルダ3の上面に沿って配置されている。すなわち、基板ホルダ3を挟んで蒸発源6が設けられる側とは反対側に冷却板13が配設されている。冷却板13は、銅やアルミニウムといった熱伝導性の高い金属材料などで形成されている。
なお、冷却板13は、基板ホルダ3や基板Sの温度、冷凍機11の性能などを鑑みて、完全な板状ではなく、穴の開いた板状あるいは短冊状であってもよい。
冷却板13のうち真空チャンバ2の中心側の面は、本発明の近接冷却面13aを構成する。また、近接冷却面13aと反対側の面には、冷媒管12が当接している。このため、冷媒管12を流れる冷媒により、冷却板13のうち冷媒管12に当接する面が冷却され、これと反対側の面に形成された近接冷却面13aも冷却される。
冷却板13は、取付治具17を用いて真空チャンバ2内に固定されている。冷却板13と基板ホルダ回転軸4との間には隙間が空いており、基板ホルダ回転軸4がスムーズに回転できるようになっている。なお、基板ホルダ回転軸4から熱伝導で熱が流入するのを防ぐために、基板ホルダ回転軸4の途中に熱伝導率の低い物質を挟んで熱絶縁したり、基板ホルダ回転軸4の冷却用の冷却板を配置したりしてもよい。
また、冷却板13の壁面と基板ホルダ回転軸4の外周面との間にベアリングなどを設けて基板ホルダ回転軸4をスムーズに回転させるとともに、基板ホルダ回転軸4に沿って熱の移動が生じにくくするようにしてもよい。
冷媒管12は、内部が中空の管状部材により構成されており、後述する冷却板13を冷却するクライオコイルとしての役割を有している。冷媒管12は、一端が冷凍機11の吐出口に、他端が流入口に接続されており、真空チャンバ2の内部に導入されている。そして、冷凍機11から吐出される冷媒を一端側から他端側へ流すことで、冷媒を冷凍機11に循環させるよう構成されている。
冷媒管12は、冷媒流入側が外側、送出側が内側となるように渦巻状に巻回しており、円盤状の冷却板13の外側平面に当接して固定されている。なお、冷媒管12を固定する形態としては、このような渦巻状に限定されず、螺旋状、蛇行状などであってもよい。
冷凍機11は、冷媒を冷却するとともにこれを冷媒管12に供給して循環させるための装置である。本実施形態の冷凍機11は、冷媒管12をクライオコイルとする公知の冷凍装置を用いている。
具体的に説明すると、冷凍機11は、冷媒(ガス冷媒)を圧縮する圧縮機20と、圧縮機20からの冷媒を冷却水との熱交換により冷却する水冷コンデンサ22と、圧縮水冷された冷媒を膨張させて冷却する熱交換器28と、冷凍機11の吐出口側に設けられた冷却ソレノイドバルブ21及び解凍ソレノイドバルブ23とを備えている。熱交換器28の内部には、図示しない膨張弁が設けられている。
そして、冷凍機11により冷却された冷媒を冷媒管12に流すことで、クライオコイルとしての冷媒管12が冷却される。冷媒管12内の冷媒は、真空チャンバ2内で温度上昇して一部蒸発し、温度の高いガス冷媒として冷凍機11に環流する。ガス冷媒は、圧縮機20で圧縮され、水冷コンデンサ22と熱交換器28で再び冷却されることで低温の冷媒となり、吐出口から冷媒管12に再度送出される
冷凍機11には、冷媒管12を循環したガス冷媒を流入させる流入口が設けられている。流入口から流入した高温のガス冷媒は、冷凍機11内で再度冷却される。
さらに、冷却ソレノイドバルブ21を閉じ、解凍ソレノイドバルブ23を開くことで、圧縮機20で圧縮され比較的温度が高いガス冷媒(以下、「加熱ガス」という。)を、水冷コンデンサ22を通さないで直接冷媒管12に流すことで、クライオコイルの温度を室温程度まで急速に高めることができる。
冷凍機11の吐出口側には、冷却ソレノイドバルブ21と解凍ソレノイドバルブ23とが設けられている。各ソレノイドバルブ21,23は、いずれも2つの弁を備え、電磁制御によりこれを切り替えることができる弁である。
冷却ソレノイドバルブ21は、熱交換器28から冷媒管12へ冷媒を供給するラインの途中に設けられている。また、解凍ソレノイドバルブ23は、上記ラインから分岐して圧縮機20の出力側のラインに接続される分岐ラインの途中に設けられている。
冷凍機11は、3つのモードを取り得る。すなわち、ソレノイドバルブ21,23がいずれも閉じて冷媒管12に冷媒及び加熱ガスのいずれも供給されない「スタンバイモード」と、冷却ソレノイドバルブ21のみが開いて冷媒管12へ冷媒が供給される「冷却モード」と、解凍ソレノイドバルブ23のみが開いて冷媒管12へ加熱ガスが供給される「解凍モード」である。
冷却開始前は、冷凍機11のモードは「スタンバイモード」とされ、冷却ソレノイドバルブ21、解凍ソレノイドバルブ23のいずれも閉じた状態となっている。
冷凍機11により冷却板13を冷却する場合、冷凍機11のモードは「冷却モード」とし、冷却ソレノイドバルブ21を開くとともに、解凍ソレノイドバルブ23を閉じたままとする。これにより、例えば−100℃以下に冷却された冷媒が冷媒管12に流れる。
一方、イオンアシスト蒸着装置1を大気に開放する場合、冷却板13の温度を0℃以上の室温程度にする必要があるため、冷凍機11のモードを「解凍モード」とし、冷却ソレノイドバルブ21を閉じるとともに、解凍ソレノイドバルブ23を開く。これにより、加熱ガスが冷媒管12に供給され、冷却板13の温度が上昇する。
基板Sの温度を測定するための温度計25が基板Sに近接して配置されている。温度計25は、熱電対などの公知の温度測定手段を用いることができる。
この図に示すように、温度計25は、温度制御手段24と接続されている。温度制御手段24は、ハロゲンランプ8と接続され、その供給電力を制御することでハロゲンランプ8による基板Sの加熱温度を調整することが可能となっている。また、温度制御手段24は、冷凍機11の冷却ソレノイドバルブ21や解凍ソレノイドバルブ23を開閉制御するための電磁弁とも接続されており、それぞれの開閉状態を適宜変更することにより冷却板13による基板Sの冷却温度を調整している。
これにより、成膜前の予備加熱を行ったり、成膜時は成膜条件に応じて供給電力を変化させて温度を一定に保ったりすることができる。
冷凍機11は、装置の運転状態に応じて「スタンバイモード」、「冷却モード」及び「解凍モード」のいずれかのモードを実施可能となっている。冷却板13の温度は、冷凍機11に戻ってくる冷媒の温度を冷凍機11内に設けた温度計(不図示)で検出することで測定できる。予め設定された冷却板温度に基づいて、「冷却モード」における冷凍機の運転状態を制御し、冷却板13の温度を制御することができる。
近接冷却面13aは基板Sに近い位置に設けられているため、基板S及び基板ホルダ3からの輻射熱を吸収してこれを冷却する。すなわち、温度の高い基板Sや基板ホルダ3から輻射される熱量は、温度の低い近接冷却面13aから輻射される熱量よりも大きいため、基板Sや基板ホルダ3から近接冷却面13aに熱が移動することで放射冷却が起こり、基板Sと基板ホルダ3が冷却される。
このような構成を備えることで、冷却板13は、基板ホルダ3の上側から基板Sを冷却することが可能となっている。このため、基板Sの温度上昇を抑制して熱変形温度を超えにくくし、基板Sの変形等を生じにくくすることが可能となる。
また、基板Sは取付部材3bに載置されて基板ホルダ3に取り付けられているため、基板Sの上下面が外部に露出し、基板Sの露出面と近接冷却面13aとの間を遮蔽するものが何もない状態となっている。このため、基板Sから近接冷却面13aへ輻射熱がスムーズに移動し、基板Sを効率的に冷却することが可能となっている。
さらに、基板Sを均一に冷却するために、基板Sの表面全体を基板ホルダ3とほぼ同じ材料で形成された被覆部材で覆ってもよい。この場合、被覆部材と基板ホルダ3がほぼ同じ熱輻射率で、かつ、基板Sと被覆部材のそれぞれの熱容量を足し合わせた合計の熱容量が基板ホルダ3の熱容量とほぼ同じであることが好ましい。
冷却板13と真空チャンバ2の内壁面との間には、真空チャンバ2よりも熱輻射率の小さい熱反射板27が配設されている。熱反射板27は、冷却板13と冷媒管12との周囲全体を取り囲むよう配置されている。熱反射板27は、後述するように真空チャンバ2から冷却板13や冷媒管12への熱の移動を阻止するための部材である。
なお、蒸着物質Pが付着する熱反射板27は、脱着自在な防着板としての機能を兼用してもよい。
熱反射板27の材料としては、アルミニウム、ステンレス等の熱輻射率が小さい物質を用いることができる。また、真空チャンバ2の内壁面と同じ熱輻射率の材料から形成される場合は、表面処理により熱輻射率を小さくしたものであってもよい。
このように、真空チャンバ2の内壁面と冷却板13との間に熱反射板27を設けることで、真空チャンバ2の内壁面と冷却板13との間で生じる熱の移動が熱反射板27によって抑制され、冷却板13の温度上昇を抑制することが可能となる。これにより、冷却板13による基板Sの冷却を効率的に行うことができる。
次に、本実施形態のイオンアシスト蒸着装置1を用いて成膜する成膜プロセスについて説明する。なお、冷凍機11として、ポリコールド社製冷凍機を用いている。
(1)まず、基板Sを基板ホルダ3にセットし、真空チャンバ2の扉を閉じる。
(2)次に、図示しない真空バルブを開き、真空チャンバ2の真空排気を行う。
(3)ハロゲンランプ8により基板Sを加熱し、基板Sを所定の温度(例えば、60℃)まで加熱する。
(4)予めスタンバイモードで運転されていた冷凍機11を冷却モードとして運転を開始する。
(5)蒸発源6から蒸着物質Pを蒸発させて成膜作業を行う。必要に応じてイオン源7から蒸着膜にイオン照射し、イオンアシストを行う。
(6)成膜作業時、蒸発源6、更にはイオン源7により基板Sが加熱されるが、この熱を冷却板13で吸収し、基板Sの温度が上昇しないようにする。
(7)成膜作業が終了すると、冷凍機11を解凍モードで運転し、冷却板13の温度を室温まで上昇させる。
(8)図示しないリークバルブを開き、真空チャンバ2の内部を大気圧とする。
(9)基板ホルダ3から基板Sを取り出す。
以上の工程により、成膜が完了する。連続して成膜を行うときは、上記(2)〜(9)の作業を順次繰り返す。
次に、図2を参照して本発明の第2の実施形態に係る薄膜形成装置について説明する。
本実施形態の薄膜形成装置(イオンアシスト蒸着装置1)は、基板ホルダ3の上面側に設けられた冷却板(上部冷却板32)の他に、底部冷却板33と側部冷却板34を備え、基板ホルダ3の周囲全体を冷却板で取り囲んでいる点を特徴としている。
真空チャンバ2の内部には、基板ホルダ3を挟んで蒸発源6の反対側に配置され基板ホルダ3に近接して配置される上部冷却板32と、真空チャンバ2の底部に配置された底部冷却板33と、真空チャンバ2の内側面に沿って配置された側部冷却板34と、を主要な構成要素としている。
このうち、上部冷却板32は、第1の実施形態に係る冷却板13と同様の構成であるため、説明を省略する。すなわち、上部冷却板32は、本発明の冷却手段の一部を構成し、基板ホルダ3側の面が近接冷却面32aを構成する。
底部冷却板33は、本発明の冷却手段の一部を構成し、基板ホルダ3側の面が蒸発源側冷却面33aを構成している。また、側部冷却板34は、本発明の冷却手段の一部を構成し、基板ホルダ3側の面が側壁側冷却面34aを構成している。さらに、冷凍機11、冷媒管12は、本発明の冷却手段に相当する。
底部冷却板33には、蒸発源6を貫通させるための開口33b(蒸発源貫通開口)と、イオン源7を貫通させるための開口33c(イオン源貫通開口)とが形成されている。蒸発源6は開口33bを、イオン源7は開口33cを通じて、それぞれの上部側が冷却板13により囲まれた領域内に位置している。このように、底部冷却板33は、開口33b、33cを備えることで、蒸発源6やイオン源7から基板Sへ供給される蒸着物質Pやイオンビームを妨げない形状となっている。
側部冷却板34は、真空チャンバ2の側部内壁面に着脱自在に取り付けられている。側部冷却板34は、防着板としての機能を兼ねている。すなわち、側部冷却板34は、蒸発源6からの蒸着物質Pが真空チャンバ2の側部内壁面に付着することを防止する部材としての機能を有している。
そして、側部冷却板34に蒸着物質Pが付着して真空チャンバ2内が汚染される状況になると、側部冷却板34を真空チャンバ2から取り外し、サンドブラスト等により表面を研磨することで蒸着物質Pを除去することが可能となる。これにより、真空チャンバ2内をクリーンな状態とすることができる。
なお、底部冷却板33も、側部冷却板34と同様に、着脱自在で防着板としての機能を兼ね備えている。
上部冷却板32、底部冷却板33、側部冷却板34の真空チャンバ2壁面側には、冷媒管35が当接している。冷媒管35は、第1の実施形態の冷媒管12と同様に、内部に冷媒を流すことが可能な管状部材である。
冷媒管35は、上部冷却板32の上側平面で渦巻状に巻回し、次に側部冷却板34の外周面を螺旋状に周回し、底部冷却板33の下側平面で渦巻状に巻回している。冷凍機11の吐出口側は上部冷却板32の一端に接続され、流入口側は底部冷却板33の一端に固定されている。このため、冷凍機11から供給される冷媒は、上部冷却板32、側部冷却板34、底部冷却板33を順次循環し、再び冷凍機11に還流する。
本実施形態では、上部冷却板32、底部冷却板33、側部冷却板34が基板ホルダ3の周囲全体を取り囲む構成となっている。すなわち、底部冷却板33及び側部冷却板34により蒸発源6やイオン源7の熱が吸収され、更には基板ホルダ3からの輻射熱も吸収されるため、上部冷却板のみを設けた第1の実施形態と比較して、一層確実に基板Sを冷却することができる。
底部冷却板33と側部冷却板34は、いずれも本発明の任意的構成要素である。これら底部冷却板33、側部冷却板34は、基板Sの耐熱温度や成膜条件(電子銃やイオン源7への入力パワー条件、成膜時間など)により、特別な冷媒を用いずに、単に水を循環させて水冷により冷却するようにしてもよい。また、上部冷却板32のみで基板Sを十分に冷却できる場合は、これらの底部冷却板33、側部冷却板34による冷却を行わなくてもよい。
さらに、本実施形態では、上部冷却板32、底部冷却板33、側部冷却板34を冷却する冷凍機11は共通の装置であるが、各冷却板32〜34を冷却するための個別の冷凍機を設けるようにしてもよい。
次に、図1の真空チャンバ2内での熱の移動について説明する。
冷却板13と基板ホルダ3は近接して設置されているので、実質的に平行平板と考えてよい。平行平板の単位面積あたりの輻射熱による熱伝達は、以下の式(1)で表される。
Q=εsσT −εcσT ・・・(1)
(ここで、Qは熱量、εsは基板Sの熱輻射率、εcは上部冷却板32の熱輻射率、σはステファン・ボルツマン定数、Tsは基板Sの絶対温度〔K〕、Tcは上部冷却板32の絶対温度〔K〕である。)
εsとεcは同じオーダなので、Tsに比べてTcが十分低ければ、熱は基板Sから冷却板13に一方的に流れる。この効果は、例えばTsが100℃の場合は、冷却板13の片面1mあたり1kW前後の冷却効果であり、冷却板13がある場合はない場合と比較して基板Sの温度を30℃以上低くすることができる。冷却板13は、上下両面で熱を吸収するため、冷却板13の冷却能力としては2kW程度あればよいことになる。
蒸発源6は1〜3kW、イオン源7は0.5〜1.5kWの熱源となるので、冷却板13(上部冷却板)のみで冷却効果が不足する場合は、図2に示す第2の実施形態のように底部冷却板33や側部冷却板34を設置することで、基板Sの温度を一層効果的に低下させることができる。
なお、真空チャンバ2の内壁から冷却板32〜34への輻射熱の流入は3kW弱であり、熱反射板27を設置することによりこの値を小さくすることができる。このように、熱反射板27を設けることで、冷凍機11の能力を低く抑えることができるので経済的である。
第1の実施形態に係る薄膜形成装置を示す説明図である。 第2の実施形態に係る薄膜形成装置を示す説明図である。
符号の説明
1 イオンアシスト蒸着装置(薄膜形成装置)
2 真空チャンバ
3 基板ホルダ(基体保持手段)
3a 貫通孔
3b 取付部材
4 基板ホルダ回転軸
5 基板ホルダ回転モータ(回転手段)
6 蒸発源
7 イオン源
8 ハロゲンランプ(加熱源)
11 冷凍機(冷却手段)
12 冷媒管(冷却手段)
13 冷却板(冷却手段)
13a 近接冷却面
17 取付治具
20 圧縮機
21 冷却ソレノイドバルブ
22 水冷コンデンサ
23 解凍ソレノイドバルブ
24 温度制御手段
25 温度計
27 熱反射板
28 熱交換器
32 上部冷却板(冷却手段)
32a 近接冷却面
33 底部冷却板(冷却手段)
33a 蒸発源側冷却面
33b 開口(蒸発源貫通開口)
33c 開口(イオン源貫通開口)
34 側部冷却板(冷却手段・防着板)
34a 側壁側冷却面
35 冷媒管
S 基板(基体)
P 蒸着物質

Claims (13)

  1. 真空チャンバ内で基体に蒸着物質を蒸着させる薄膜形成装置であって、
    前記真空チャンバ内に配設され前記基体を複数保持するための基体保持手段と、
    該基体保持手段を回転させる回転手段と、
    前記基体保持手段に保持された前記基体に前記蒸着物質を供給して表面に蒸着させる蒸発源と、
    前記基体及び前記基体保持手段を冷却するための近接冷却面を有する冷却手段と、
    前記基体及び前記基体保持手段を加熱するための加熱源と、
    前記近接冷却面による前記基体及び前記基体保持手段の冷却温度と前記加熱源による前記基体及び前記基体保持手段の加熱温度とを制御する温度制御手段と、を備え、
    前記冷却手段は、ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機に接続された水冷コンデンサと、該水冷コンデンサに接続された熱交換機と、該熱交換機に接続され、前記温度制御手段によって開閉されるソレノイドバルブと、を有する冷凍機と、該冷凍機に備えられた前記ソレノイドバルブに接続され、前記冷凍機から供給される−100℃以下に冷却された前記冷媒を通過させる管路が形成された冷媒管と、該冷媒管と接触し前記基体保持手段と独立して配設され表面が前記近接冷却面を構成する金属材料からなる冷却板と、を有し、
    前記近接冷却面は、前記真空チャンバ内の前記基体保持手段の近傍であって前記基体とは非接触となる位置に設けられ、かつ前記基体及び前記基体保持手段からの輻射熱を吸収可能な温度とされていることを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 前記近接冷却面は、前記基体保持手段を基準に前記蒸発源が設けられる側の反対側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
  3. 前記基体保持手段は、平板状又はドーム状をなしており、その一方の面から他方の面まで貫通する貫通孔が形成され、前記基体は、前記貫通孔を塞ぐように前記基体保持手段に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
  4. 前記近接冷却面と前記真空チャンバの内壁面との間には、該内壁面よりも熱輻射率の小さい熱反射板が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
  5. 前記冷却手段は、前記蒸発源側から前記基体及び前記基体保持手段を冷却するための蒸発源側冷却面を更に備え、
    該蒸発源側冷却面は、前記蒸発源の近傍に設けられ、前記基体への前記蒸着物質の供給を妨げない形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
  6. 前記基体に向けてイオンビームを照射するイオン源を更に備え、
    前記蒸発源側冷却面は、前記基体への前記イオンビームの照射を妨げない形状とされていることを特徴とする請求項に記載の薄膜形成装置。
  7. 前記冷却手段は、前記真空チャンバの側壁側から前記基体及び前記基体保持手段を冷却するための側壁側冷却面を更に備え、
    前記近接冷却面、前記蒸発源側冷却面及び前記側壁側冷却面により前記基体保持手段の周囲全体が取り囲まれていることを特徴とする請求項又はに記載の薄膜形成装置。
  8. 前記真空チャンバの前記内壁面には、防着板が脱着自在に取り付けられており、
    前記蒸発源側冷却面又は前記側壁側冷却面は、前記防着板に形成されていることを特徴とする請求項に記載の薄膜形成装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の薄膜形成装置を用いて真空チャンバ内で基体に蒸着物質を蒸着させる薄膜形成方法であって、
    前記真空チャンバ内に配設された基体保持手段に前記基体を保持させる基体保持工程と、
    該基体保持手段を回転させる回転工程と、
    前記基体に成膜を行う成膜工程と、を行い、
    前記成膜工程は、
    前記基体保持手段に保持された前記基体に前記蒸着物質を供給して表面に蒸着させる蒸着工程と、
    前記真空チャンバ内の前記基体保持手段の近傍であって前記基体とは非接触となる位置から、前記基体及び前記基体保持手段からの輻射熱を吸収して前記基体及び前記基体保持手段を冷却する冷却工程と、を行うことを特徴とする薄膜形成方法。
  10. 前記冷却工程は、前記基体保持手段を基準に前記蒸着物質が供給される側とは反対側から前記基体及び前記基体保持手段を冷却する工程であることを特徴とする請求項に記載の薄膜形成方法。
  11. 前記冷却工程は、前記基体保持手段の周辺全体から前記基体及び前記基体保持手段を冷却する工程であることを特徴とする請求項又は10に記載の薄膜形成方法。
  12. 前記成膜工程前又は前記成膜工程中に、前記基体及び前記基体保持手段を加熱する加熱工程を更に行うことを特徴とする請求項11のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  13. 前記成膜工程は、成膜時の加熱条件に応じて前記冷却工程での冷却温度と前記加熱工程での加熱温度を調節し、前記基体及び前記基体保持手段の温度を制御する温度制御工程を行うことを特徴とする請求項12に記載の薄膜形成方法。
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