JP4597149B2 - 薄膜形成装置及び薄膜形成方法 - Google Patents
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Description
さらに、蒸着時に膜質を改善するためにイオンを照射する方法(イオンアシスト法、すなわちIAD法)や、イオンプレーティング法などが用いられている。これらの方法によれば、基板にイオンを衝突させることにより、薄膜の緻密化を図ることが可能となり、また、薄膜の結晶化も防止できる。このため、光学特性に優れるとともに耐環境性に優れた薄膜を形成することができる。
具体的に説明すると、一般的な薄膜形成装置において、蒸発源の蒸発温度は1500〜2500℃、蒸発源の蒸着物質の面積は数cm2〜10cm2程度であり、この場合、蒸発面から約1mの距離において蒸発源から外部に0.05〜0.3W/cm2の熱が輻射され、基板や真空室内側面が加熱される。
また、イオン源については、1000Vで100μA/cm2の電流でイオンを基板に照射する場合、0.1W/cm2のエネルギーが基板に与えられる。同時に、イオン源自体は300〜400℃に加熱され、そこから輻射熱が基板に伝達される。
(1)基板に形成する薄膜の層数を少なくしたり膜厚を小さくしたりすることで、基板の温度が熱変形温度を超える前に成膜を終了する方法。
(2)多層膜を成膜する場合、各層を成膜する工程の間に成膜を行わない冷却期間を設け、基板の温度上昇を抑制する方法。
(3)基板保持機構(基板ホルダ)に不凍液等の冷媒を直接流すことにより、基板保持機構を−5〜+35℃程度に冷却し、基板保持機構に密着して保持されている基板を冷却する方法(例えば、特許文献1〜5参照)。
例えば、プラスチック基板の表面に酸化チタン及び酸化ケイ素からなる薄膜を成膜してUV/IRカットフィルターを作製する場合において、各層間で冷却時間を5分設けた実験を行った。また、比較実験として、冷却時間を設ける必要の無いガラス基板を用いた。表1の、これらの結果を示す。
その結果、プラスチック基板を用いた場合の成膜完了までの時間は、冷却時間を設けなくてよいガラス基板の場合と比較して、倍以上の時間が必要となることがわかる。
しかしながら、(3)の方法では、冷媒により冷却された基板保持機構で基板を保持しても、一般にプラスチックは熱伝導率が低いため、保持部から離れた部分は冷却されにくい。このため、基板の部位により温度が異なることがあり、基板の変形が生じやすい。
また、保持部は通常金属で形成されるが、プラスチックと金属とでは熱膨張係数が異なるため(プラスチックは金属に比べて通常約5倍以上大きい)、冷却に伴って保持部とプラスチック基板との間で隙間が生じることがある。この隙間により、冷却効率が低下することがある。
仮に基板を薄くして、これに張力を付与することで熱膨張による基板の弛みを低減しようとしても、基板と保持部との間の密着性は十分でなく基板の熱伝導率も低いため、基板を十分に冷却することは困難である。さらに、基板に張力を付与する機構は複雑・高価であり、薄膜形成装置にこのような機構を設けることで基板の製造コストの上昇を招く。
さらに、基板保持機構に対して基板を密着させる必要があるため、通常は基板保持機構と密着性の高い形状、すなわち平らな形状の基板しか冷却できず、薄膜形成を行うことができる基板の形状に制限があった。しかも、基板保持機構への基板の取付けに長時間を要し、成膜開始までに時間がかかるという問題もあった。また、基板保持機構に冷媒を流すための機構が複雑になるという問題もあった。
また、従来のように基体を基体保持機構に密着させる複雑な機構等を必要としないため基体保持手段の構成を簡単にすることができるとともに、基体保持機構への基体の取付けを短時間で行うことが可能となる。さらに、基体を非接触で冷却することができるため、冷却できる基体の形状に制限がなく、どのような形状の基体であっても基体全体を均一に冷却することができる。
さらに、加熱源を備えることで、基体の加熱を行うことが可能となり、例えば成膜開始前に所定の温度まで基体及び基体保持手段を加熱することができる。また、成膜時に蒸発源による加熱効率の変動を加熱源による加熱で補うことも可能となる。
例えば、2種類の蒸着物質を蒸着させる薄膜形成装置では、通常蒸発源が2つ設けられ、第1の蒸発源で第1の蒸着物質を、第2の蒸発源で第2の蒸着物質を蒸着させる構成となっている。このような薄膜形成装置では、第1の蒸発源による蒸着、休止、第2の蒸発源による蒸着、休止が繰り返されるが、蒸発源によって基体及び基体保持手段の加熱効果が異なる。このような場合において、加熱源を更に備えることで、加熱効率の変動を補完することが可能となる。
そして、温度制御手段を備えることで、冷却温度と加熱温度を適宜に調整することが可能となる。このため、熱変形温度以下であって成膜に最適な温度に基体を維持することができる。
また、冷却手段が、冷凍機と冷媒管と冷却板とにより構成されているため、冷凍機から冷媒管へ冷媒を供給して冷却板を冷却させることで冷却板の表面を冷却面とし、基体からの輻射熱を吸収することで基体及び基体保持手段の全体を均一に冷却することができる。
なお、冷却板の表面に熱伝導を確保できるように防着板を取り付け、この防着板の表面を冷却面としてもよい。
また、基体保持手段の構成を簡単にすることができるとともに、基体保持手段への基体の取付けを短時間で行うことが可能となるため、薄膜形成に要するコストを低減し、成膜時間を短縮することができる。
さらに、どのような形状の基体であっても基体と基体保持手段の全体を均一に冷却することができるため、高い汎用性を備えた薄膜形成装置とすることができる。
また、本発明の薄膜形成方法によれば、基体と基体保持手段の全体を均一に冷却することができるため、基体が局所的に冷却されることによる変形等が生じにくい。
この図に示すように、イオンアシスト蒸着装置1は、真空チャンバ2と、基板ホルダ3と、基板ホルダ回転軸4と、基板ホルダ回転モータ5と、蒸発源6と、イオン源7と、ハロゲンランプ8と、冷凍機11と、冷媒管12と、冷却板13と、を主要な構成要素として備えている。
真空チャンバ2の材料としては、アルミニウムやステンレス等の金属材料等を挙げることができる。本実施形態では、ステンレス鋼の一種であるSUS304を用いている。
基板ホルダ3には、一方の板面から他方の板面まで貫通する貫通孔3aが形成されている。基板Sは、この貫通孔3aを塞ぐように、取付部材3bを用いて基板ホルダ3に取り付けられている。
なお、基板ホルダ回転モータ5の出力軸は、図示しない磁気シールベアリングなどの手段により真空シールされている。
また、本実施形態では基板Sの形状としてレンズ状のものを用いているが、これに限定されず、例えば平板状、円錐状、角錐状、円筒状など、種々の形状のものを用いることができる。
円盤状ハース自体は水冷されているので熱源とはなりにくいが、ハースライナーに残った蒸着物質Pは通常酸化物であるため熱伝導率が低く、冷却されにくい。このため、ハースライナー上の蒸着物質Pは、基板Sを輻射熱により加熱する熱源となる。
また、蒸発源6は、蒸着物質Pの溶かし込みのために成膜時以外のシャッターが閉じた状態でも予備加熱されているため、シャッターやその周囲の温度も上昇する。
なお、蒸発源6としては、このような電子銃により蒸発される装置に限定されず、例えば抵抗加熱により蒸着物質を蒸発させる装置でもよい。
蒸発源6から基板Sに向けて移動する蒸着物質Pは、イオン源7から照射される正イオンの衝突エネルギーにより、基板Sの表面に高い緻密性でかつ強固に付着する。このとき、基板Sはイオンビームに含まれる正イオンにより正に帯電する。
なお、必要に応じて、正に帯電した基板Sや基板ホルダ3に電子ビームを照射して電荷の中和を行うニュートラライザを設けるようにしてもよい。
冷却手段は、基板Sを冷却してその温度を熱変形温度よりも低く維持するための手段である。冷却手段は、冷凍機11と冷媒管12と冷却板13とを主要な構成要素としている。
なお、冷却板13は、基板ホルダ3や基板Sの温度、冷凍機11の性能などを鑑みて、完全な板状ではなく、穴の開いた板状あるいは短冊状であってもよい。
そして、冷凍機11により冷却された冷媒を冷媒管12に流すことで、クライオコイルとしての冷媒管12が冷却される。冷媒管12内の冷媒は、真空チャンバ2内で温度上昇して一部蒸発し、温度の高いガス冷媒として冷凍機11に環流する。ガス冷媒は、圧縮機20で圧縮され、水冷コンデンサ22と熱交換器28で再び冷却されることで低温の冷媒となり、吐出口から冷媒管12に再度送出される。
さらに、冷却ソレノイドバルブ21を閉じ、解凍ソレノイドバルブ23を開くことで、圧縮機20で圧縮され比較的温度が高いガス冷媒(以下、「加熱ガス」という。)を、水冷コンデンサ22を通さないで直接冷媒管12に流すことで、クライオコイルの温度を室温程度まで急速に高めることができる。
冷却ソレノイドバルブ21は、熱交換器28から冷媒管12へ冷媒を供給するラインの途中に設けられている。また、解凍ソレノイドバルブ23は、上記ラインから分岐して圧縮機20の出力側のラインに接続される分岐ラインの途中に設けられている。
冷凍機11により冷却板13を冷却する場合、冷凍機11のモードは「冷却モード」とし、冷却ソレノイドバルブ21を開くとともに、解凍ソレノイドバルブ23を閉じたままとする。これにより、例えば−100℃以下に冷却された冷媒が冷媒管12に流れる。
この図に示すように、温度計25は、温度制御手段24と接続されている。温度制御手段24は、ハロゲンランプ8と接続され、その供給電力を制御することでハロゲンランプ8による基板Sの加熱温度を調整することが可能となっている。また、温度制御手段24は、冷凍機11の冷却ソレノイドバルブ21や解凍ソレノイドバルブ23を開閉制御するための電磁弁とも接続されており、それぞれの開閉状態を適宜変更することにより冷却板13による基板Sの冷却温度を調整している。
これにより、成膜前の予備加熱を行ったり、成膜時は成膜条件に応じて供給電力を変化させて温度を一定に保ったりすることができる。
さらに、基板Sを均一に冷却するために、基板Sの表面全体を基板ホルダ3とほぼ同じ材料で形成された被覆部材で覆ってもよい。この場合、被覆部材と基板ホルダ3がほぼ同じ熱輻射率で、かつ、基板Sと被覆部材のそれぞれの熱容量を足し合わせた合計の熱容量が基板ホルダ3の熱容量とほぼ同じであることが好ましい。
なお、蒸着物質Pが付着する熱反射板27は、脱着自在な防着板としての機能を兼用してもよい。
(1)まず、基板Sを基板ホルダ3にセットし、真空チャンバ2の扉を閉じる。
(2)次に、図示しない真空バルブを開き、真空チャンバ2の真空排気を行う。
(3)ハロゲンランプ8により基板Sを加熱し、基板Sを所定の温度(例えば、60℃)まで加熱する。
(4)予めスタンバイモードで運転されていた冷凍機11を冷却モードとして運転を開始する。
(5)蒸発源6から蒸着物質Pを蒸発させて成膜作業を行う。必要に応じてイオン源7から蒸着膜にイオン照射し、イオンアシストを行う。
(6)成膜作業時、蒸発源6、更にはイオン源7により基板Sが加熱されるが、この熱を冷却板13で吸収し、基板Sの温度が上昇しないようにする。
(7)成膜作業が終了すると、冷凍機11を解凍モードで運転し、冷却板13の温度を室温まで上昇させる。
(8)図示しないリークバルブを開き、真空チャンバ2の内部を大気圧とする。
(9)基板ホルダ3から基板Sを取り出す。
以上の工程により、成膜が完了する。連続して成膜を行うときは、上記(2)〜(9)の作業を順次繰り返す。
本実施形態の薄膜形成装置(イオンアシスト蒸着装置1)は、基板ホルダ3の上面側に設けられた冷却板(上部冷却板32)の他に、底部冷却板33と側部冷却板34を備え、基板ホルダ3の周囲全体を冷却板で取り囲んでいる点を特徴としている。
このうち、上部冷却板32は、第1の実施形態に係る冷却板13と同様の構成であるため、説明を省略する。すなわち、上部冷却板32は、本発明の冷却手段の一部を構成し、基板ホルダ3側の面が近接冷却面32aを構成する。
底部冷却板33には、蒸発源6を貫通させるための開口33b(蒸発源貫通開口)と、イオン源7を貫通させるための開口33c(イオン源貫通開口)とが形成されている。蒸発源6は開口33bを、イオン源7は開口33cを通じて、それぞれの上部側が冷却板13により囲まれた領域内に位置している。このように、底部冷却板33は、開口33b、33cを備えることで、蒸発源6やイオン源7から基板Sへ供給される蒸着物質Pやイオンビームを妨げない形状となっている。
そして、側部冷却板34に蒸着物質Pが付着して真空チャンバ2内が汚染される状況になると、側部冷却板34を真空チャンバ2から取り外し、サンドブラスト等により表面を研磨することで蒸着物質Pを除去することが可能となる。これにより、真空チャンバ2内をクリーンな状態とすることができる。
なお、底部冷却板33も、側部冷却板34と同様に、着脱自在で防着板としての機能を兼ね備えている。
冷媒管35は、上部冷却板32の上側平面で渦巻状に巻回し、次に側部冷却板34の外周面を螺旋状に周回し、底部冷却板33の下側平面で渦巻状に巻回している。冷凍機11の吐出口側は上部冷却板32の一端に接続され、流入口側は底部冷却板33の一端に固定されている。このため、冷凍機11から供給される冷媒は、上部冷却板32、側部冷却板34、底部冷却板33を順次循環し、再び冷凍機11に還流する。
冷却板13と基板ホルダ3は近接して設置されているので、実質的に平行平板と考えてよい。平行平板の単位面積あたりの輻射熱による熱伝達は、以下の式(1)で表される。
Q=εsσTs 4−εcσTc 4 ・・・(1)
(ここで、Qは熱量、εsは基板Sの熱輻射率、εcは上部冷却板32の熱輻射率、σはステファン・ボルツマン定数、Tsは基板Sの絶対温度〔K〕、Tcは上部冷却板32の絶対温度〔K〕である。)
εsとεcは同じオーダなので、Tsに比べてTcが十分低ければ、熱は基板Sから冷却板13に一方的に流れる。この効果は、例えばTsが100℃の場合は、冷却板13の片面1m2あたり1kW前後の冷却効果であり、冷却板13がある場合はない場合と比較して基板Sの温度を30℃以上低くすることができる。冷却板13は、上下両面で熱を吸収するため、冷却板13の冷却能力としては2kW程度あればよいことになる。
なお、真空チャンバ2の内壁から冷却板32〜34への輻射熱の流入は3kW弱であり、熱反射板27を設置することによりこの値を小さくすることができる。このように、熱反射板27を設けることで、冷凍機11の能力を低く抑えることができるので経済的である。
2 真空チャンバ
3 基板ホルダ(基体保持手段)
3a 貫通孔
3b 取付部材
4 基板ホルダ回転軸
5 基板ホルダ回転モータ(回転手段)
6 蒸発源
7 イオン源
8 ハロゲンランプ(加熱源)
11 冷凍機(冷却手段)
12 冷媒管(冷却手段)
13 冷却板(冷却手段)
13a 近接冷却面
17 取付治具
20 圧縮機
21 冷却ソレノイドバルブ
22 水冷コンデンサ
23 解凍ソレノイドバルブ
24 温度制御手段
25 温度計
27 熱反射板
28 熱交換器
32 上部冷却板(冷却手段)
32a 近接冷却面
33 底部冷却板(冷却手段)
33a 蒸発源側冷却面
33b 開口(蒸発源貫通開口)
33c 開口(イオン源貫通開口)
34 側部冷却板(冷却手段・防着板)
34a 側壁側冷却面
35 冷媒管
S 基板(基体)
P 蒸着物質
Claims (13)
- 真空チャンバ内で基体に蒸着物質を蒸着させる薄膜形成装置であって、
前記真空チャンバ内に配設され前記基体を複数保持するための基体保持手段と、
該基体保持手段を回転させる回転手段と、
前記基体保持手段に保持された前記基体に前記蒸着物質を供給して表面に蒸着させる蒸発源と、
前記基体及び前記基体保持手段を冷却するための近接冷却面を有する冷却手段と、
前記基体及び前記基体保持手段を加熱するための加熱源と、
前記近接冷却面による前記基体及び前記基体保持手段の冷却温度と前記加熱源による前記基体及び前記基体保持手段の加熱温度とを制御する温度制御手段と、を備え、
前記冷却手段は、ガス冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機に接続された水冷コンデンサと、該水冷コンデンサに接続された熱交換機と、該熱交換機に接続され、前記温度制御手段によって開閉されるソレノイドバルブと、を有する冷凍機と、該冷凍機に備えられた前記ソレノイドバルブに接続され、前記冷凍機から供給される−100℃以下に冷却された前記冷媒を通過させる管路が形成された冷媒管と、該冷媒管と接触し前記基体保持手段と独立して配設され表面が前記近接冷却面を構成する金属材料からなる冷却板と、を有し、
前記近接冷却面は、前記真空チャンバ内の前記基体保持手段の近傍であって前記基体とは非接触となる位置に設けられ、かつ前記基体及び前記基体保持手段からの輻射熱を吸収可能な温度とされていることを特徴とする薄膜形成装置。 - 前記近接冷却面は、前記基体保持手段を基準に前記蒸発源が設けられる側の反対側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
- 前記基体保持手段は、平板状又はドーム状をなしており、その一方の面から他方の面まで貫通する貫通孔が形成され、前記基体は、前記貫通孔を塞ぐように前記基体保持手段に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
- 前記近接冷却面と前記真空チャンバの内壁面との間には、該内壁面よりも熱輻射率の小さい熱反射板が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
- 前記冷却手段は、前記蒸発源側から前記基体及び前記基体保持手段を冷却するための蒸発源側冷却面を更に備え、
該蒸発源側冷却面は、前記蒸発源の近傍に設けられ、前記基体への前記蒸着物質の供給を妨げない形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。 - 前記基体に向けてイオンビームを照射するイオン源を更に備え、
前記蒸発源側冷却面は、前記基体への前記イオンビームの照射を妨げない形状とされていることを特徴とする請求項5に記載の薄膜形成装置。 - 前記冷却手段は、前記真空チャンバの側壁側から前記基体及び前記基体保持手段を冷却するための側壁側冷却面を更に備え、
前記近接冷却面、前記蒸発源側冷却面及び前記側壁側冷却面により前記基体保持手段の周囲全体が取り囲まれていることを特徴とする請求項5又は6に記載の薄膜形成装置。 - 前記真空チャンバの前記内壁面には、防着板が脱着自在に取り付けられており、
前記蒸発源側冷却面又は前記側壁側冷却面は、前記防着板に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の薄膜形成装置。 - 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の薄膜形成装置を用いて真空チャンバ内で基体に蒸着物質を蒸着させる薄膜形成方法であって、
前記真空チャンバ内に配設された基体保持手段に前記基体を保持させる基体保持工程と、
該基体保持手段を回転させる回転工程と、
前記基体に成膜を行う成膜工程と、を行い、
前記成膜工程は、
前記基体保持手段に保持された前記基体に前記蒸着物質を供給して表面に蒸着させる蒸着工程と、
前記真空チャンバ内の前記基体保持手段の近傍であって前記基体とは非接触となる位置から、前記基体及び前記基体保持手段からの輻射熱を吸収して前記基体及び前記基体保持手段を冷却する冷却工程と、を行うことを特徴とする薄膜形成方法。 - 前記冷却工程は、前記基体保持手段を基準に前記蒸着物質が供給される側とは反対側から前記基体及び前記基体保持手段を冷却する工程であることを特徴とする請求項9に記載の薄膜形成方法。
- 前記冷却工程は、前記基体保持手段の周辺全体から前記基体及び前記基体保持手段を冷却する工程であることを特徴とする請求項9又は10に記載の薄膜形成方法。
- 前記成膜工程前又は前記成膜工程中に、前記基体及び前記基体保持手段を加熱する加熱工程を更に行うことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
- 前記成膜工程は、成膜時の加熱条件に応じて前記冷却工程での冷却温度と前記加熱工程での加熱温度を調節し、前記基体及び前記基体保持手段の温度を制御する温度制御工程を行うことを特徴とする請求項12に記載の薄膜形成方法。
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