JP2013159737A - トナー用結着樹脂 - Google Patents

トナー用結着樹脂 Download PDF

Info

Publication number
JP2013159737A
JP2013159737A JP2012024034A JP2012024034A JP2013159737A JP 2013159737 A JP2013159737 A JP 2013159737A JP 2012024034 A JP2012024034 A JP 2012024034A JP 2012024034 A JP2012024034 A JP 2012024034A JP 2013159737 A JP2013159737 A JP 2013159737A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
acid
alcohol
carboxylic acid
rosin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012024034A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5893942B2 (ja
Inventor
Takashi Kubo
貴史 久保
Tadayuki Hirai
規晋 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2012024034A priority Critical patent/JP5893942B2/ja
Publication of JP2013159737A publication Critical patent/JP2013159737A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5893942B2 publication Critical patent/JP5893942B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】トナーの低温定着性と保存性を両立することができ、さらに高温高湿下での画像濃度が向上するトナー用結着樹脂、及び該結着樹脂を含有した電子写真用トナーを提供すること。
【解決手段】フラン環を有する非晶質ポリエステルを含むトナー用結着樹脂であって、前記非晶質ポリエステルがカルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合して得られるものであり、該カルボン酸成分がロジン化合物を含む、トナー用結着樹脂、及び該結着樹脂を含有した電子写真用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナー用結着樹脂及び該結着樹脂を含有した電子写真用トナーに関する。
近年、プリンターやコピー機の高速化及び省エネ化に伴い、低温定着性に優れたトナーがますます必要となってきている。しかし、通常トナーの結着樹脂を低温で溶融させるために低分子量化を行うと、樹脂のガラス転移温度が低下し、保存性が低下する。
この課題を解決するために、低分子量でも高ガラス転移温度のトナー用結着樹脂として、テレフタル酸やイソフタル酸等の芳香環を有するカルボン酸を原料モノマーとして用いて得られたポリエステルが汎用されている。
また、ポリエステルはエステル基や末端アルコール、末端カルボン酸を有するため、一般的に親水性が高く、高温高湿下において、帯電量が低下し、画像濃度が低下するという課題がある。
一方、特許文献1には、バイオマスを原料に用いて耐熱性、機械物性、耐候性に優れた、十分な分子量を有する熱可塑性樹脂を提供することを課題として、フラン構造を有し、還元粘度(ηsp/C)が0.48dL/g以上、末端酸価が200μeq/g未満であることを特徴とする熱可塑性樹脂が開示されている。又、特許文献2には、フラン構造を有するジカルボン酸単位を含むポリエステル樹脂の製造方法が開示されている。
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載の樹脂は、フィルム用途や射出成形品の用途を主として使用するものであるため結晶性が高く、トナー用結着樹脂には適していない。
また、特許文献3には、耐衝撃性に優れた成形品を製造するために用いることができる、新規なポリエステル樹脂を提供することを課題として、特定のフラン環の構造単位を有することを特徴とするポリエステル樹脂が開示されている。
しかし、特許文献3に記載の樹脂も、成形品用組成物であるため結晶性が高く、トナー用結着樹脂には適していない。
特開2008−291243号公報 特開2008−291244号公報 特開2009−197110号公報
本発明の課題は、トナーの低温定着性と保存性を両立することができ、さらに高温高湿下での画像濃度が向上するトナー用結着樹脂、及び該結着樹脂を含有した電子写真用トナーを提供することにある。
本発明は、
〔1〕 フラン環を有する非晶質ポリエステルを含むトナー用結着樹脂であって、前記非晶質ポリエステルがカルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合して得られるものであり、該カルボン酸成分がロジン化合物を含む、トナー用結着樹脂、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載のトナー用結着樹脂を含有してなる、電子写真用トナー
に関する。
本発明のトナー用結着樹脂は、トナーの低温定着性と保存性を両立することができ、さらに高温高湿下での画像濃度が向上するという優れた効果を奏するものである。
本発明の結着樹脂は、フラン環を有するとともに、ロジン化合物を原料モノマーとして用いて得られた非晶質ポリエステルを含有している点に特徴を有している。本発明者らは、非晶質ポリエステルの原料モノマーとしてフラン環を有する化合物を用いることにより、軟化点が低くとも、ガラス転移温度の高い樹脂、換言すれば、数平均分子量が低くとも、ガラス転移温度の高い樹脂が得られるため、トナーの低温定着性及び保存性を両立することができるとともに、ロジン化合物を原料モノマーとして用いることで、トナーの高温高湿下での画像濃度が格段に向上することを見出した。この理由は不明なるも、ロジン化合物は、疎水性の構造を有することからトナーの吸湿性を低減し、帯電性が向上するためと考えられ、その結果トナーの高温高湿下での画像濃度を向上させるが、同時にガラス転移温度が低下し、トナーの保存性が低下する。しかし、前記フラン環を有する非晶質ポリエステルは、リジッドな分子構造を有しているため、ロジン化合物を有効量用いても、ガラス転移温度の低下が抑制され、トナーの保存性を維持することができるものと考えられる。
本発明において、樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計(DSC)による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち、「軟化点/吸熱の最高ピーク温度」で定義される結晶性指数によって表される。一般に、この結晶性指数が1.4を超えると樹脂は非晶質であり、0.6未満では結晶性が低く非晶質部分が多い。本発明において、「非晶質」の樹脂とは、結晶性指数が1.4を超えるか、0.6未満の樹脂をいう。
樹脂の結晶性は、用いる原料モノマーの種類と組み合わせにより、容易に調整することができる。具体的には、分岐鎖構造を有するカルボン酸成分やアルコール成分、3価以上のカルボン酸成分やアルコール成分、例えば、後述するようなアルキル又はアルケニルコハク酸や第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオール、トリメリット酸、無水トリメリット酸等を適量用いることで、非晶質化を促進することができる。
「吸熱の最高ピーク温度」とは、実施例に記載する測定方法の条件下で観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度のことを指す。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば、最高ピーク温度を結晶性樹脂(結晶性ポリエステル)の融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークは非晶質樹脂のガラス転移に起因するピークとする。
本発明において、フラン環を有する非晶質ポリエステルは、前記の如く、原料モノマーとして、カルボン酸成分及びアルコール成分とを用い、これらを縮重合させて得られる樹脂であって、カルボン酸成分がロジン化合物を含むものである。
本発明において、ロジン化合物とは、松類から得られる天然樹脂類であり、その主成分は、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸等の樹脂酸及びこれらの混合物である。
ロジン化合物の種類は、パルプを製造する工程で副産物として得られるトール油から得られるトールロジン、生松ヤニから得られるガムロジン、松の切株から得られるウッドロジン等に大別される。本発明に用いるロジン化合物は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、トールロジンが好ましい。
ロジン化合物は、さらに未精製ロジン化合物と精製ロジン化合物があり、本発明では、いずれであってもよい。未精製ロジン化合物とは、精製前の不純物を多量に含むロジン化合物であり、精製ロジン化合物とは、精製工程により不純物が低減されたロジンである。主な不純物としては、2-メチルプロパン、アセトアルデヒド、3-メチル-2-ブタノン、2-メチルプロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、n-ヘキサナール、オクタン、ヘキサン酸、ベンズアルデヒド、2-ペンチルフラン、2,6-ジメチルシクロヘキサノン、1-メチル-2-(1-メチルエチル)ベンゼン、3,5-ジメチル-2-シクロヘキセン、4-(1-メチルエチル)ベンズアルデヒド等が挙げられる。
さらに、ロジン化合物として、変性ロジン化合物を用いることもできる。変性ロジン化合物とは、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸及びレポピマール酸を主成分とするロジンに、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等を付加反応させて得られるものであり、具体的には、ロジンの主成分の中で共役二重結合を有するレポピマール酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸及びパラストリン酸と、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽和結合を有する化合物とを加熱下でディールス-アルダー(Diels-Alder)反応させることにより得られる。
本発明に用いるロジン化合物は、変性ロジン、未変性ロジンのいずれであってもよいが、トナーの低温定着性の観点から、未変性ロジンが好ましく、未精製ロジンがより好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。従って、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、本発明において、「(メタ)アクリル酸変性ロジン」は、アクリル酸で変性されたロジン又はメタクリル酸で変性されたロジンを意味する。本発明における(メタ)アクリル酸変性ロジンとしては、ディールス-アルダー(Diels-Alder)反応における反応活性の観点から、立体障害の少ないアクリル酸で変性したアクリル酸変性ロジンが好ましい。
(メタ)アクリル酸変性ロジンは、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸、レポピマール酸等を主成分とするロジンに、(メタ)アクリル酸を付加反応させて得られるものであり、具体的には、ロジンの主成分の中で共役二重結合を有するレポピマール酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸及びパラストリン酸と、(メタ)アクリル酸とによる加熱下でのディールス-アルダー(Diels-Alder)反応を経て得ることができる。
(メタ)アクリル酸によるロジンの変性度((メタ)アクリル酸変性度)は、ポリエステルユニットの分子量を高め、低分子量のオリゴマー成分を低減させる観点から、5〜105が好ましく、20〜105がより好ましく、40〜105がさらに好ましく、60〜100がさらに好ましく、80〜100がよりさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸変性度は、式(Aa):
Figure 2013159737
(式中、Xa1は変性度を算出する(メタ)アクリル酸変性ロジンのSP値、Xa2は(メタ)アクリル酸1モルとロジン1モルとを反応させて得られる(メタ)アクリル酸変性ロジンの飽和SP値、YはロジンのSP値を示す)
により算出される。ここで、SP値とは、後述の環球式自動軟化点試験器で測定される軟化点を意味する。また、飽和SP値とは、(メタ)アクリル酸とロジンとの反応を、得られる(メタ)アクリル酸変性ロジンのSP値が飽和値に達するまで反応させたときのSP値を意味する。式(Aa)の分子は、(メタ)アクリル酸で変性したロジンのSP値の上昇度を意味するものであり、式(Aa)の値が大きいほど変性の度合いが高いことを示す。
(メタ)アクリル酸変性ロジンの製造方法は特に限定されないが、例えば、ロジンと(メタ)アクリル酸を混合し、180〜260℃程度、好ましくは180〜230℃に加熱することで、ディールス-アルダー反応により、ロジンに含まれる共役二重結合を有する酸に(メタ)アクリル酸を付加させて、(メタ)アクリル酸変性ロジンを得ることができる。
本発明におけるフマル酸変性ロジンとは、フマル酸で変性されたロジンであり、(メタ)アクリル酸変性ロジンと同様に、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸、レポピマール酸等を主成分とするロジンに、フマル酸を付加反応させて得られるものであり、具体的には、ロジンの主成分の中で共役二重結合を有するレポピマール酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸及びパラストリン酸と、フマル酸とによる加熱下でのディールス-アルダー(Diels-Alder)反応を経て得ることができる。
フマル酸によるロジンの変性度(フマル酸変性度)は、ポリエステルの分子量を高め、ガラス転移温度を高める観点から、5〜105が好ましく、20〜105がより好ましく、40〜105がさらに好ましく、60〜100がさらに好ましく、80〜100がよりさらに好ましい。
フマル酸変性度は、式(Af):
Figure 2013159737
(式中、Xf1は変性度を算出するフマル酸変性ロジンのSP値、Xf2はフマル酸1モルとロジン0.7モルとを反応させて得られるフマル酸変性ロジンのSP値、YはロジンのSP値を示す)
により算出する。ここで、SP値とは、後述の環球式自動軟化点試験器で測定される軟化点を意味する。式(Aa)により算出される(メタ)アクリル酸変性度と同様に、式(Af)の分子は、フマル酸で変性したロジンのSP値の上昇度を意味するものであり、式(Af)の値が大きいほど変性の度合いが高いことを示す。
フマル酸変性ロジンの製造方法は特に限定されないが、例えば、ロジンとフマル酸を混合し、180〜260℃程度、好ましくは180〜210℃に加熱することで、ディールス-アルダー反応により、ロジンに含まれる共役二重結合を有する酸にフマル酸を付加させて、フマル酸変性ロジンを得ることができる。
さらに、ロジンとフマル酸を効率よく反応させる観点から、フェノール類の存在下で、ロジンとフマル酸を反応させてもよい。フェノール類としては、2価のフェノール及び水酸基に対して少なくともオルト位に置換基を有するフェノール性化合物(以下、ヒンダードフェノールという)が好ましく、2価のフェノールがより好ましい。
2価のフェノールとは、ベンゼン環に、OH基が2個結合したものであり、ハイドロキノン及びt-ブチルカテコールが好ましい。
フェノール類の使用量は、反応性を向上する観点から、フマル酸変性ロジンの原料モノマー100重量部に対して、0.001〜0.5重量部が好ましく、0.003〜0.1重量部がより好ましく、0.005〜0.1重量部がさらに好ましく、0.005〜0.01重量部がさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸及びフマル酸変性ロジンは、そのまま使用してもよく、さらに蒸留等の操作を経て精製して使用してもよい。
ロジン化合物の含有量は、カルボン酸成分中、保存性と高温高湿下の画像濃度安定性の観点から、5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、15〜30モル%がさらに好ましい。
〔ロジン化合物の量〕/〔後述するフラン環を有するカルボン酸化合物とフラン環を有するアルコールとの合計量〕のモル比は、トナーの低温定着性及び高温高湿下の画像濃度安定性の観点から、0.03以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましく、0.2以上がよりさらに好ましく、トナーの低温定着性及び保存性の観点から5以下が好ましく、3以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1以下がよりさらに好ましく、0.5以下がよりさらに好ましい。したがって、トナーの低温定着性及び保存性と高温高湿下の画像濃度安定性の観点から、0.03〜5が好ましく、0.05〜5がより好ましく、0.1〜3がさらに好ましく、0.1〜1.5がよりさらに好ましく、0.1〜1.0がよりさらに好ましく、0.2〜0.5がよりさらに好ましい。
本発明において、フラン環を有する非晶質ポリエステルは、カルボン酸成分とアルコール成分の少なくともいずれかに、フラン環を有するカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分及び/又はフラン環を有するアルコールを含むアルコール成分が用いられた樹脂であることが好ましい。フラン環としては、式(Ia)又は(Ib):
Figure 2013159737
で表される構造が好ましい。
フラン環を有するカルボン酸化合物としては、フラン-2,5-ジカルボン酸、フラン-2,4-ジカルボン酸、フラン-2,3-ジカルボン酸、フラン-3,4-ジカルボン酸等のフランジカルボン酸化合物(本明細書中、カルボン酸化合物はカルボン酸とカルボン酸の炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3のアルコールとのエステル及び酸無水物を含む);フラン-2-カルボン酸、フラン-3-カルボン酸等のフランカルボン酸化合物;5-ヒドロキシメチルフラン-2-カルボン酸等のヒドロキシフランカルボン酸化合物;フルフリル酢酸化合物、3-カルボキシ-4-メチル-5-プロピル-2-フランプロピオネート等のカルボン酸化合物(本明細書中、ヒドロキシカルボン酸化合物はカルボン酸化合物に含める)等が挙げられ、これらの中では、トナーの低温定着性と保存性の観点から、フランジカルボン酸化合物、フランカルボン酸化合物及びヒドロキシフランカルボン酸化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、特にトナーの保存性の観点からフランジカルボン酸化合物がより好ましい。
フラン環を有するアルコールとしては、ジヒドロキシフラン等のフランジアルコール;5-ヒドロキシメチルフルフリルアルコール等のヒドロキシメチルフルフリルアルコール;フルフリルアルコール;5-ヒドロキシメチルフルフラール等が挙げられ、これらの中では、トナーの低温定着性と保存性の観点から、フランジアルコール、ヒドロキシメチルフルフリルアルコール及びフルフリルアルコールからなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、特にトナーの保存性の観点から、フランジアルコール及びヒドロキシメチルフルフリルアルコールがより好ましい。
式(Ia)で表わされるフラン環を有するカルボン酸化合物として、フラン-2,5-ジカルボン酸、フラン-2,4-ジカルボン酸、フラン-2,3-ジカルボン酸、フラン-3,4-ジカルボン酸等のフランジカルボン酸化合物;5-ヒドロキシメチル-フラン-2-カルボン酸等のヒドロキシフランカルボン酸化合物等のカルボン酸化合物等が挙げられる。
式(Ia)で表わされるフラン環を有するアルコールとして、5-ヒドロキシメチルフルフリルアルコール等のヒドロキシメチルフルフリルアルコール;ジヒドロキシフラン等のフランジアルコール;5-ヒドロキシメチルフルフラール等が挙げられる。
式(Ib)で表わされるフラン環を有するカルボン酸化合物として、フラン-2-カルボン酸、フラン-3-カルボン酸等のフランカルボン酸化合物;フルフリル酢酸化合物等が挙げられる。
式(Ib)で表わされるフラン環を有するアルコールとして、フルフリルアルコール等が挙げられる。
上記のカルボン酸化合物及びアルコールの中では、トナーの低温定着性と保存性の観点から、式(Ia)で表わされるフラン環を有する、カルボン酸化合物とアルコールとが好ましく、フランジカルボン酸化合物及びヒドロキシメチルフルフリルアルコールがより好ましく、フランジカルボン酸化合物がさらに好ましい。
フラン環を有するカルボン酸化合物とフラン環を有するアルコールとの合計量は、カルボン酸成分とアルコール成分との合計量中、トナーの保存性、低温定着性及び高温高湿下の画像濃度安定性の観点から、好ましくは10〜95モル%、より好ましくは15〜75モル%、さらに好ましくは20〜50モル%、よりさらに好ましくは25〜45モル%である。
さらに、フラン環を有するカルボン酸化合物の含有量は、トナーの低温定着性と保存性と高温高湿下の画像濃度安定性の観点から、カルボン酸成分中、好ましくは10〜96モル%、より好ましくは20〜90モル%、さらに好ましくは30〜90モル%、よりさらに好ましくは30〜80モル%、よりさらに好ましくは60〜80モル%であり、フランジカルボン酸化合物の含有量は、トナーの低温定着性と保存性と高温高湿下の画像濃度安定性の観点から、カルボン酸成分中、好ましくは10〜96モル%、より好ましくは20〜90モル%、さらに好ましくは30〜90モル%、よりさらに好ましくは30〜80モル%、よりさらに好ましくは60〜80モル%である。
フラン環を有するアルコールの含有量は、トナーの低温定着性、保存性及び高温高湿下の画像濃度安定性の観点から、アルコール成分中、好ましくは10〜100モル%である。
フラン環を有するアルコール以外のアルコール成分としては、トナーの低温定着性の観点から、炭素数2〜5の脂肪族ジオールが好ましく、炭素数3〜4の脂肪族ジオールがより好ましい。
炭素数2〜5の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-ブテンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール等が挙げられる。
これらの中で、フラン環とともに、樹脂の運動性をさらに低下させることで、トナーの保存性を向上させると共に樹脂の非晶質を促進し、低温定着性及び高温高湿下の画像濃度安定性を向上させる観点から、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する炭素数3〜5の脂肪族ジオールが好ましい。かかる脂肪族ジオールは、低温定着性と保存性の観点から、炭素数3〜4がより好ましく、具体的例としては、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール等が挙げられ、トナーの低温定着性、保存性及び高温高湿下の画像濃度安定性の観点から、1,2-プロパンジオール及び2,3-ブタンジオールが好ましく、1,2-プロパンジオールがより好ましい。
炭素数2〜5の脂肪族ジオールの含有量は、トナーの低温定着性の観点から、フラン環を有するアルコール以外のアルコール成分中、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは20〜100モル%、さらに好ましくは30〜100モル%、よりさらに好ましくは50〜100モル%、よりさらに好ましくは90〜100モル%、よりさらに好ましくは実質的に100モル%であり、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する炭素数3〜5の脂肪族ジオールの含有量は、トナーの低温定着性と保存性の観点から、アルコール成分中、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは20〜100モル%、さらに好ましくは30〜100モル%、よりさらに好ましくは50〜100モル%、よりさらに好ましくは90〜100モル%、よりさらに好ましくは実質的に100モル%である。
アルコール成分がフラン環を有するアルコールを含む場合、フラン環を有するアルコール/炭素数2〜5の脂肪族ジオール(モル比)は、トナーの低温定着性、保存性及び高温高湿下の画像濃度安定性の観点から、50/50以下が好ましく、30/70以下がより好ましく、5/95〜20/80がさらに好ましい。
これら以外のアルコール成分としては、トナーの保存性の観点から、芳香族アルコールが好ましい。
芳香族アルコールとしては、トナーの保存性の観点から、式(II):
Figure 2013159737
(式中、R1O及びOR1はオキシアルキレン基であり、R1はエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。
式(II)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の具体例としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、及び2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、トナーの保存性の観点から、フラン環を有するアルコール以外のアルコール成分中、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは20〜100モル%、さらに好ましくは30〜100モル%、よりさらに好ましくは50〜100モル%、よりさらに好ましくは90〜100モル%、よりさらに好ましくは実質的に100モル%である。
本発明において、アルコール成分は、樹脂の非晶質化を促進し、トナーの低温定着性及び高温高湿下の画像濃度安定性を高める観点から、3価以上の炭素数3〜5の多価アルコールを含有してもよい。3価以上の炭素数3〜5の多価アルコールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール等が好ましく、グリセリンがより好ましい。3価以上の炭素数3〜5の多価アルコールの含有量は、トナーの低温定着性、保存性及び高温高湿下の画像濃度安定性を高める観点から、アルコール成分中、0.1〜30モル%が好ましく、1〜25モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
フラン環を有するカルボン酸化合物とロジン化合物以外のカルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸化合物;シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、コハク酸、等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;3価以上の多価カルボン酸、これらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
本発明において、カルボン酸成分は、樹脂の非晶質化を促進し、トナーの低温定着性、高温高湿下の画像濃度安定性及び保存性を高める観点から、3価以上の炭素数3〜5の多価カルボン酸化合物を含有していることが好ましい。3価以上の炭素数3〜5の多価カルボン酸化合物としては、トリメリット酸、ピロメリット酸等が好ましく、トリメリット酸化合物が好ましく、無水トリメリット酸がより好ましい。3価以上の炭素数3〜5の多価カルボン酸化合物の含有量は、トナーの高温高湿下の画像濃度安定性及び保存性の観点から、カルボン酸成分中、3〜30モル%が好ましく、5〜20モル%がより好ましい。
なお、アルコール成分には1価の炭素数5以下のアルコールが、カルボン酸成分には1価の炭素数5以下のカルボン酸化合物が、分子量の調整や耐オフセット性向上の観点から、適宜含有されていてもよい。
カルボン酸成分とアルコール成分のモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、反応性、分子量調整及び物性調整の観点から、0.6〜1.3が好ましく、0.7〜1.2がより好ましく、0.8〜1.1がより好ましい。
アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合反応は、不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下、180〜250℃程度の温度で縮重合させて製造することができる。エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられ、エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、反応性、分子量調整及び物性調整の観点から、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜1.5重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましい。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.001〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.1重量部がより好ましい。
本発明の非晶質ポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分の縮重合によるポリエステルユニットを含む樹脂をいい、ポリエステルだけでなく、ポリエステル・ポリアミド等も含まれるが、これらの中では、トナーの保存性及び帯電安定性の観点から、ポリエステルが好ましい。
なお、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。
ポリエステル変性樹脂としては、例えば、ポリエステルがウレタン結合で変性されたウレタン変性ポリエステル、ポリエステルがエポキシ結合で変性されたエポキシ変性ポリエステル、及びポリエステル成分とビニル系樹脂成分を含む2種以上の樹脂成分を有する複合樹脂等が挙げられる。
本発明の非晶質ポリエステルは、低分子量であっても、高いガラス転移温度に調整することが可能であり、ガラス転移温度は、トナーの低温定着性及び保存性の観点から、40〜100℃が好ましく、45〜85℃がより好ましく、50〜80℃がさらに好ましく、55〜75℃がさらにより好ましい。
本発明の非晶質ポリエステルの軟化点は、トナーの低温定着性の観点から180℃以下が好ましく、トナーの保存性及び高温高湿下の画像濃度安定性の観点から80℃以上が好ましく、トナーの低温定着性、保存性及び高温高湿下の画像濃度安定性の観点から、80〜180℃が好ましく、90〜160℃がより好ましく、95〜150℃がさらに好ましく、100〜120℃がさらにより好ましい。
本発明の非晶質ポリエステルの酸価は、トナーの帯電安定性、トナーの低温定着性、保存性及び高温高湿下の画像濃度安定性の観点から、0.5〜80mgKOH/gが好ましく、0.8〜70mgKOH/gがより好ましく、1〜60mgKOH/gがさらに好ましく、1〜25mgKOH/gがさらに好ましく、水酸基価は、上記同様の観点から、5〜80mgKOH/gが好ましく、5〜75mgKOH/gがより好ましく、10〜70mgKOH/gがさらに好ましく、35〜70mgKOH/gがさらに好ましい。
また、非晶質ポリエステルの数平均分子量は、低温定着性と保存性の観点から、800〜10000が好ましく、1000〜5000がより好ましく、1300〜4000がさらに好ましく、1400〜3000がさらにより好ましく、1400〜2600がさらにより好ましい。
なお、非晶質ポリエステルの軟化点、ガラス転移温度、酸価、水酸基価及び数平均分子量は、原料モノマー組成、重合開始剤、分子量、触媒量等の調整又は反応条件の選択により容易に調整することができる。例えば、縮重合の反応温度を高めたり、反応時間を長くしたり、触媒量を増加させたり、助触媒を併用したりすることで、縮重合反応を進め、軟化点、ガラス転移温度を高めることができる。また、縮重合反応に用いられる、カルボン酸成分とアルコール成分との合計量中のフラン環を有するカルボン酸化合物とフラン環を有するアルコールとの合計量を増加させることでガラス転移温度を高めることもできる。
本発明の結着樹脂は、トナーの低温定着性、保存性、高温高湿下の画像濃度安定性、耐久性及び帯電安定性の観点から、軟化点の高い樹脂(高軟化点樹脂)と低い樹脂(低軟化点樹脂)とからなることが好ましく、高軟化点樹脂、低軟化点樹脂共にフラン環を含む樹脂であることがより好ましい。
高軟化点樹脂と低軟化点樹脂との軟化点の差は、トナーの低温定着性及び保存性の観点から、好ましくは10℃以上、より好ましくは20〜60℃である。
高軟化点樹脂の軟化点は、好ましくは115〜180℃、より好ましくは120〜160℃であり、低軟化点樹脂の軟化点は、好ましくは80℃以上、115℃未満、より好ましくは90〜110℃である。高軟化点樹脂の低軟化点樹脂に対する重量比(高軟化点樹脂/低軟化点樹脂)は、1/4〜4/1が好ましく、1/3〜3/1がより好ましく、1/3〜2/1がさらに好ましい。
本発明の非晶質ポリエステルを結着樹脂として用いることにより、トナーの低温定着性と保存性を維持しつつ、高温高湿下の画像濃度安定性に優れた電子写真用トナーが得られる。
本発明のトナーには、本発明の効果を損なわない範囲で、前記非晶質ポリエステル以外の公知の結着樹脂、例えば、スチレン-アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の他の樹脂が併用されていてもよいが、本発明の非晶質ポリエステルの含有量は、トナーの低温定着性、保存性及び高温高湿下の画像濃度安定性の観点から、結着樹脂中、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、実質的に100重量%がよりさらに好ましい。
本発明のトナーには、さらに、着色剤、離型剤、荷電制御剤、荷電制御樹脂、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、画像品質を向上する観点から、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
離型剤としては、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、シリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナバロウワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス等のワックスが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
離型剤の融点は、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点から、60〜160℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、結着樹脂中への分散性の観点から、0.5〜10重量部が好ましく、1〜8重量部がより好ましく、1.5〜7重量部がさらに好ましい。
荷電制御剤は、特に限定されず、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリエント化学工業社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリエント化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリエント化学工業社製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成社製)等が挙げられる。
また、負帯電性の荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」(以上、オリエント化学工業社製)、「T-77」(保土谷化学工業社製)、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリエント化学工業社製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土谷化学工業社製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット社製);サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「E-304」(以上、オリエント化学工業社製)、「TN-105」(保土谷化学工業社製);銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(クラリアント社製)、ニトロイミダゾール誘導体;有機金属化合物、例えば「TN105」(保土谷化学工業社製)等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電安定性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.01〜5重量部がより好ましく、0.3〜3重量部がさらに好ましく、0.5〜3重量部がよりさらに好ましく、1〜2重量部がよりさらに好ましい。
本発明には、帯電安定性を向上させるために、荷電制御樹脂を含有することが好ましい。荷電制御樹脂としては、スチレン系樹脂が好ましく、トナーの正帯電性発現の観点からは、4級アンモニウム塩基含有スチレン系樹脂が好ましく、トナーの負帯電性発現の観点からは、スルホン酸基含有スチレン系樹脂が好ましい。
荷電制御樹脂として含有されるスチレン系樹脂の使用量は、トナーの帯電安定性向上の観点から、結着樹脂100重量部に対して、3〜40重量部が好ましく、4〜30重量部がより好ましく、5〜20重量部がさらに好ましい。
本発明のトナーは、溶融混練法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、溶融混練法による粉砕トナーが好ましい。溶融混練法による粉砕トナーの場合、例えば、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。一方、トナーの小粒径化の観点からは、重合法によるトナーが好ましい。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、画像品質を向上する観点から、3〜15μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明のトナーには、転写性を向上させるために、無機微粒子を外添剤として用いるのが好ましい。具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、及び酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上が好ましく挙げられ、これらの中では、シリカが好ましく、埋め込み防止の観点から、比重の小さいシリカが含有されているのがより好ましい。
シリカは、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。
シリカ粒子の表面を疎水化するための疎水化処理剤としては、オルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザン、線状オルガノポリシロキサン等が例示され、具体的には、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらの中ではヘキサメチルジシラザンが好ましい。
外添剤の平均粒径は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、10〜250nmが好ましく、10〜200nmがより好ましく、15〜150nmがさらに好ましい。
外添剤の含有量は、トナーの帯電性、流動性及び転写性の観点から、外添剤で処理する前のトナー100重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部であり、より好ましくは0.1〜3重量部であり、さらに好ましくは0.3〜3重量部である。
本発明のトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却しそのまま1分間静止させる。その後、昇温速度50℃/分で昇温し測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した後、昇温速度10℃/分で昇温し測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔樹脂の水酸基価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。
〔樹脂の数平均分子量〕
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、試料をクロロホルムに、25℃で溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター(ADVANTEC社製、DISMIC-25JP)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてクロロホルムを、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー社製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:LC-9130NEXT(日本分析工業社製)
分析カラム:TSKGel HXL-H + GMHXL + G3000HXL(東ソー社製)
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔外添剤の平均粒径〕
平均粒径は、個数平均粒径を指し、外添剤の走査型電子顕微鏡(SEM)写真から測定した、500個の粒子の粒径の平均値をいう。長径と短径がある場合は長径を指す。
アクリル酸変性ロジンの飽和SP値の測定
分留管、還流冷却器及び受器を装備した1000ml容のフラスコに未精製ロジン(SP値:77.0℃、トールロジン(ハートールR-WW(ハリマ化成社製)))332g(1モル)とアクリル酸72g(1モル)を加え、160℃から230℃に8時間かけて昇温し、230℃にてSP値が上がらなくなったことを確認した後に、5.3kPaの減圧下で未反応のアクリル酸及び低沸点物の留去を行い、アクリル酸変性ロジンを得た。得られたアクリル酸変性ロジンのSP値、即ち未精製ロジンを使用したアクリル酸変性ロジンの飽和SP値は110.1℃であった。
アクリル酸変性ロジンの製造例
分留管、還流冷却器及び受器を装備した10L容のフラスコに未精製ロジン(SP値:77.0℃、トールロジン(ハートールR-WW(ハリマ化成社製)))6084g(18モル)とアクリル酸907.9g(12.6モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、220℃にて2時間反応させた後、さらに5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、アクリル酸変性ロジンAを得た。アクリル酸変性ロジンAのSP値は110.4℃、アクリル酸変性度は100であった。
使用するロジンによるフマル酸変性ロジンのXf2値として用いられるSP値の測定
分留管、還流冷却器及び受器を装備した1000ml容のフラスコに未精製ロジン(SP値:77.0℃、トールロジン(ハートールR-WW(ハリマ化成社製)))332g(1モル)、フマル酸81g(0.7モル)及びt-ブチルカテコール0.4gを加え、160℃から200℃に2時間かけて昇温し、200℃にて2時間反応させた後、さらに5.3kPaの減圧下で蒸留して未反応のフマル酸及び低沸点物を留去し、フマル酸変性ロジンを得た。得られたフマル酸変性ロジンのSP値は130.6℃であった。
フマル酸変性ロジンの製造例
分留管、還流冷却器及び受器を装備した10L容のフラスコに未精製ロジン(SP値:77.0℃、トールロジン(ハートールR-WW(ハリマ化成社製)))5408g(16モル)、フマル酸928g(8モル)及びt-ブチルカテコール0.4gを加え、160℃から200℃に2時間かけて昇温し、200℃にて2時間反応させた後、さらに5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、フマル酸変性ロジンAを得た。フマル酸変性ロジンAのSP値は130.8℃、ガラス転移温度は74.4℃、フマル酸変性度は100であった。
樹脂製造例1〔樹脂1、2、4〜13〕
表1、2に示す無水トリメリット酸を除く原料モノマー及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行った。その後210℃にて反応率が95%以上に到達したのを確認し、表1、2に示す無水トリメリット酸を投入した。1時間常圧にて反応を行った後、40kPaにて表1、2に示す軟化点に達するまで反応を行って、非晶質ポリエステルを得た。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
樹脂製造例2〔樹脂3〕
表1に示す原料モノマー及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、235℃まで昇温し、235℃にて10時間反応を行った。その後235℃、8kPaにて1時間反応を行った後、210℃まで冷却し、20kPaにて表1に示す軟化点に達するまで反応を行って、非晶質ポリエステルを得た。
Figure 2013159737
Figure 2013159737
〔トナー製造例〕
実施例1〜13及び比較例1、2
表3に示す結着樹脂100重量部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E-81」(オリエント化学工業社製)1重量部、着色剤「Regal 330R」(キャボット社製、カーボンブラック)5重量部、及び離型剤「三井ハイワックスNP055」(三井化学社製、ポリプロピレンワックス、融点:125℃)2重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、同方向回転二軸押出し機(池貝社製)を用い、ロール回転速度200r/min、ロール内の加熱温度80℃で溶融混練した。得られた溶融混練物を冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにて粉砕し、分級して、体積中位粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100重量部に、疎水性シリカ「NAX-50」(日本アエロジル社製、疎水化処理剤:HMDS、平均粒子径:約30nm)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。
実施例14
結着樹脂、着色剤等とともに、荷電制御樹脂「FCA-701PT」(藤倉化成社製、4級アンモニウム塩基含有スチレンアクリル系樹脂、軟化点:123℃)を5重量部使用し、負帯電性荷電制御剤の代わりに、正帯電性荷電制御剤「ボントロン P-51」(オリエント化学工業社製)1重量部を使用し、外添剤として「NAX-50」の代わりに、疎水性シリカ「TG-C243」(キャボット社製、平均粒径100nm、疎水化処理剤:ヘキサメチルジシラザン+オクチルトリエトキシシラン)1.0重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
実施例15、17
負帯電性荷電制御剤として、「ボントロン E-81」(オリエント化学工業社製)の代わりに、「LR-147」(日本カーリット社製)1重量部を使用し、離型剤として、「三井ハイワックスNP055」の代わりに、「HNP-9」(日本精鑞社製、パラフィンワックス、融点:80℃)2重量部を使用し、着色剤として、カーボンブラック「Regal 330R」の代わりに、実施例15では、シアン顔料「Toner Cyan BG」(クラリアント社製、P.B.15:3)5重量部、実施例17では、イエロー顔料「Paliotol Yellow D1155」(BASF社製、P.Y.185)6重量部を使用し、外添剤として「NAX-50」の代わりに、疎水性シリカ「R-972」(日本アエロジル社製、平均粒径16nm、疎水化処理剤:ジメチルジクロロシラン)1.0重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
実施例16
負帯電性荷電制御剤として、「ボントロン E-81」(オリエント化学工業社製)の代わりに、「LR-297」(日本カーリット社製)1重量部を使用し、離型剤として、「三井ハイワックスNP055」の代わりに、「HNP-9」(日本精鑞社製、パラフィンワックス、融点:80℃)2重量部を使用し、外添剤として「NAX-50」の代わりに、疎水性シリカ「R-972」(日本アエロジル社製、平均粒径16nm、疎水化処理剤:ジメチルジクロロシラン)1.0重量部を使用し、着色剤として、カーボンブラック「Regal 330R」の代わりに、マゼンタ顔料「スーパーマゼンタR」(大日本インキ化学工業社製、P.R.122)5重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
試験例1〔低温定着性〕
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した装置(但し、実施例14の評価については、非磁性一成分現像方式プリンター「HL-2040」(ブラザー工業社製)を改造した装置)にトナーを実装し、シャープ(株)製の紙[CopyBond SF-70NA(75g/m2)]上に、未定着画像を得た。総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度390mm/sec)を用い、定着ローラーの温度を100℃から240℃へと10℃ずつ順次上昇させながら、最低定着温度に達するまで、各温度で定着紙に未定着画像を定着させた。定着画像に「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆社、幅:18mm、JISZ-1522)を貼り付け、30℃に設定した定着ローラーに通過させた後、テープを剥がした。テープを貼る前と剥がした後の画像の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(剥離後/貼付前×100)が最初に90%を越える定着ローラーの温度を最低定着温度とし、低温定着性を評価した。結果を表3に示す。
試験例2〔保存性〕
トナー4gを半径12mmの円筒型容器に入れ、温度55℃、湿度60%の環境下で72時間放置した。放置後、トナーを容器から取り出し、トナー凝集の発生程度を目視にて観察し、以下の評価基準に従って、保存性を評価した。結果を表3に示す。
〔評価基準〕
A:72時間後も凝集は全く認められない。
B:48時間後で凝集は認められないが72時間後で凝集が認められる。
C:48時間後で凝集が認められる。
試験例3〔高温高湿下での画像濃度安定性〕
非磁性一成分現像装置として、ステンレス製の現像ロールを装備した「ページプレストN-4」(カシオ計算機社製)(但し、実施例14の評価については、非磁性一成分現像方式プリンター「HL-2040」(ブラザー工業社製))にトナーを実装し、40℃、90%の高温高湿(HH環境下で500枚の画像を得た。50枚目と500枚目の画像を透過型マクベス濃度計「TR-927」を用いて画像濃度を測定し、高温高湿環境下での画像濃度の安定性(500枚目の画像濃度の値/50枚目の画像濃度の値)として評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2013159737
以上の結果より、フラン環を有していない非晶質ポリエステルを結着樹脂として含有する比較例1、2と対比して、実施例1〜17では、低温定着性、保存性及び高温高湿下での画像濃度の安定性のいずれもが良好であることが分かる。
本発明のトナー用結着樹脂は、例えば、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に用いられるトナーの結着樹脂として好適に用いられる。

Claims (9)

  1. フラン環を有する非晶質ポリエステルを含むトナー用結着樹脂であって、前記非晶質ポリエステルがカルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合して得られるものであり、該カルボン酸成分がロジン化合物を含む、トナー用結着樹脂。
  2. カルボン酸成分とアルコール成分の少なくともいずれかが、少なくともフラン環を有するカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分及び/又はフラン環を有するアルコールを含むアルコール成分である、請求項1記載のトナー用結着樹脂。
  3. フラン環を有するカルボン酸化合物とフラン環を有するアルコールとの合計量が、カルボン酸成分とアルコール成分との合計量中、10〜95モル%である、請求項2記載のトナー用結着樹脂。
  4. アルコール成分が、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する炭素数3〜5の脂肪族ジオールを含む、請求項1〜3いずれか記載のトナー用結着樹脂。
  5. ロジン化合物の含有量が、カルボン酸成分中、5〜50モル%である、請求項1〜4い
    ずれか記載のトナー用結着樹脂。
  6. フラン環を有するカルボン酸化合物が、フランジカルボン酸化合物、フランカルボン酸化合物及びヒドロキシフランカルボン酸化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項2〜5いずれか記載のトナー用結着樹脂。
  7. フラン環を有するアルコールが、フランジアルコール、ヒドロキシメチルフルフリルアルコール及びフルフリルアルコールからなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項2〜6いずれか記載のトナー用結着樹脂。
  8. 〔ロジン化合物の量〕/〔フラン環を有するカルボン酸化合物とフラン環を有するアルコールとの合計量〕のモル比が0.05〜5である、請求項2〜7いずれか記載のトナー用結着樹脂。
  9. 請求項1〜8いずれか記載のトナー用結着樹脂を含有してなる、電子写真用トナー。
JP2012024034A 2012-02-07 2012-02-07 トナー用結着樹脂 Active JP5893942B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012024034A JP5893942B2 (ja) 2012-02-07 2012-02-07 トナー用結着樹脂

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012024034A JP5893942B2 (ja) 2012-02-07 2012-02-07 トナー用結着樹脂

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013159737A true JP2013159737A (ja) 2013-08-19
JP5893942B2 JP5893942B2 (ja) 2016-03-23

Family

ID=49172267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012024034A Active JP5893942B2 (ja) 2012-02-07 2012-02-07 トナー用結着樹脂

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5893942B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015098861A1 (ja) * 2013-12-26 2015-07-02 花王株式会社 液体現像剤
KR20190073117A (ko) * 2017-12-18 2019-06-26 한국생산기술연구원 개환반응을 통한 락톤계 중합체 및 그의 제조방법
JP2020041242A (ja) * 2018-09-12 2020-03-19 セイコーエプソン株式会社 シート製造用結合素材、収容容器、シート及びシート製造装置
WO2020054501A1 (ja) * 2018-09-12 2020-03-19 Dic株式会社 ポリエステル樹脂およびその製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1172951A (ja) * 1997-08-28 1999-03-16 Kao Corp 熱圧力定着用カプセルトナーおよびその製造方法
JP2000500792A (ja) * 1995-10-18 2000-01-25 ヘキスト・リサーチ・アンド・テクノロジー・ドイチュラント・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー コレステリック相を形成するポリマー、及びこれらのポリマーの製造法と使用
JP2007292820A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Kao Corp トナー用ポリエステル
JP2008291244A (ja) * 2007-04-24 2008-12-04 Mitsubishi Chemicals Corp フラン構造を含むポリエステル樹脂の製造方法
JP2009014963A (ja) * 2007-07-04 2009-01-22 Toyo Ink Mfg Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2013510213A (ja) * 2009-11-06 2013-03-21 ノバモント・ソシエタ・ペル・アチオニ 生分解性脂肪族−芳香族ポリエステル

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000500792A (ja) * 1995-10-18 2000-01-25 ヘキスト・リサーチ・アンド・テクノロジー・ドイチュラント・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー コレステリック相を形成するポリマー、及びこれらのポリマーの製造法と使用
JPH1172951A (ja) * 1997-08-28 1999-03-16 Kao Corp 熱圧力定着用カプセルトナーおよびその製造方法
JP2007292820A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Kao Corp トナー用ポリエステル
JP2008291244A (ja) * 2007-04-24 2008-12-04 Mitsubishi Chemicals Corp フラン構造を含むポリエステル樹脂の製造方法
JP2009014963A (ja) * 2007-07-04 2009-01-22 Toyo Ink Mfg Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2013510213A (ja) * 2009-11-06 2013-03-21 ノバモント・ソシエタ・ペル・アチオニ 生分解性脂肪族−芳香族ポリエステル

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015098861A1 (ja) * 2013-12-26 2015-07-02 花王株式会社 液体現像剤
US9804520B2 (en) 2013-12-26 2017-10-31 Kao Corporation Liquid developer
KR20190073117A (ko) * 2017-12-18 2019-06-26 한국생산기술연구원 개환반응을 통한 락톤계 중합체 및 그의 제조방법
KR102377332B1 (ko) 2017-12-18 2022-03-22 한국생산기술연구원 개환반응을 통한 락톤계 중합체 및 그의 제조방법
JP2020041242A (ja) * 2018-09-12 2020-03-19 セイコーエプソン株式会社 シート製造用結合素材、収容容器、シート及びシート製造装置
WO2020054501A1 (ja) * 2018-09-12 2020-03-19 Dic株式会社 ポリエステル樹脂およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5893942B2 (ja) 2016-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5794735B2 (ja) トナー用結着樹脂
JP5954866B2 (ja) トナー用結着樹脂
JP5859767B2 (ja) トナー用結着樹脂
JP5681017B2 (ja) 電子写真用トナー
JP6223109B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP6184023B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP6188144B2 (ja) トナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂の製造方法
JP5893942B2 (ja) トナー用結着樹脂
WO2003001302A1 (fr) Resine polyester pour toner, son procede de production et toner la contenant
JP5855421B2 (ja) トナー用結着樹脂
JP5709262B2 (ja) トナー
JP6319843B2 (ja) 電子写真用トナー
JP5576223B2 (ja) 電子写真用トナー
JP6249890B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP6132631B2 (ja) ポリエステル系トナー用結着樹脂の製造方法
JP6242741B2 (ja) トナー用非晶質ポリエステル系結着樹脂の製造方法
JP6025251B2 (ja) ポリエステル系トナー用結着樹脂の製造方法
JP5859824B2 (ja) トナー
JP6511662B2 (ja) トナー用結着樹脂
JP6323871B2 (ja) 電子写真用トナー
JP6320170B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2011039233A (ja) 電子写真用トナー
JP5517605B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2017090544A (ja) 電子写真用トナー
JP6856297B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160225

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5893942

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250