JP2013159726A - 高分子化合物およびそれを用いた有機トランジスタ - Google Patents

高分子化合物およびそれを用いた有機トランジスタ Download PDF

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Abstract

【課題】オンオフ比が十分に高い有機トランジスタの製造に有用な高分子化合物を提供する。
【解決手段】式(1)の構造単位を含む高分子化合物。
Figure 2013159726

〔式中、Ar及びArは下記式(Ar−1)〜(Ar−3)から選ばれる1種の基を、Aは2価の複素環基(環を構成する原子として、sp窒素原子および/またはカルボニル基を構成する炭素原子を含む)を、mは1〜4の整数を表す。〕
Figure 2013159726

〔式中、Rは水素原子等を、Rはアルキル基等を、Yは硫黄原子等を表す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子化合物およびそれを用いた有機トランジスタに関する。
有機半導体材料を利用した有機トランジスタは、従来の無機半導体材料を利用したトランジスタと比較して、デバイスの軽量化や、製造コストの低下、低温で製造できることが期待されるため、盛んに研究開発が行われている。
トランジスタのスイッチング特性の1つとして、電流のオンオフ比が挙げられる。ここで、電流のオンオフ比とは、オフ電流に対するオン電流の比をいう。ここで、オフ電流とは、トランジスタがオフしているときにソース電極とドレイン電極の間に流れる電流を意味し、オン電流とは、トランジスタがオンしているときにソース電極とドレイン電極の間に流れる電流を意味する。従って、電流のオンオフ比を高くするためには、オン電流を大きくし、オフ電流を小さくすればよい。
トランジスタのスイッチング特性の向上は、例えば液晶表示装置などの表示装置においては高諧調を実現させることにつながり、オンオフ比として10以上が求められる。
オンオフ比は、トランジスタの活性層に含まれる有機半導体材料に大きく依存するため、様々な有機半導体材料を有機トランジスタの活性層に用いることが検討されている。
例えば、特許文献1には、有機トランジスタに用いる有機半導体材料として、アルコキシチオフェンを構造単位として有する、下記の高分子化合物が提案されている。
Figure 2013159726
国際特許公報2010117449
しかしながら、上記高分子化合物を用いた有機トランジスタは、オンオフ比が十分ではなかった。
そこで、本発明の目的は、有機トランジスタの製造に用いた場合にオンオフ比が十分に高い高分子化合物を提供することである。また、本発明の目的は、該高分子化合物を用いた有機トランジスタを提供することである。
本発明は、式(1)で表される構造単位と、式(2)で表される構造単位と、を含む高分子化合物を提供する。
Figure 2013159726
〔式中、
ArおよびArは、それぞれ独立に、式(Ar−1)〜式(Ar−3)で表される基からなる群から選ばれる1種の基を表す。
は、2価の複素環基を表し、該2価の複素環基は、環を構成する原子として、sp窒素原子および/またはカルボニル基を構成する炭素原子を含む。Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
mは1〜4の整数を表す。〕
Figure 2013159726
〔式中、
は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、それぞれの式に含まれる少なくともひとつのRはアルコキシ基である。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表す。Rが2個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
は、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表す。Yが2個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
Figure 2013159726
〔式中、
は、2価の複素環基を表し、該2価の複素環基は、環を構成する原子として、sp窒素原子および/またはカルボニル基を構成する炭素原子を含む。ただし、Aで表される2価の複素環基は、前記式(1)で表される構造単位を構成するAで表される2価の複素環基とは異なる。〕
本発明はまた、前記高分子化合物を含む有機半導体材料を提供する。本発明において「有機半導体材料」とは、半導体挙動を示す有機化合物を含有する材料を意味する。
本発明はまた、前記有機半導体材料を含む有機層を有する、有機半導体素子を提供する。本発明において「有機半導体素子」とは、有機半導体材料を含む有機層を有する半導体素子を意味する。
本発明はまた、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極および活性層を有し、該活性層に前記有機半導体材料を含む有機トランジスタを提供する。
本発明によれば、有機トランジスタの製造に用いた場合にオンオフ比が十分に高いものとなる高分子化合物を提供することができる。また、本発明によれば、該高分子化合物を用いた有機トランジスタを提供することができる。
本発明の有機トランジスタの一例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。 本発明の有機トランジスタの他の例を示す模式断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照することにより、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<式(1)で表される構造単位>
本実施形態の高分子化合物は、前記式(1)で表される構造単位と、前記式(2)で表される構造単位と、を含む高分子化合物であるが、式(1)で表される構造単位は、高分子化合物中に一種のみ含まれていても二種以上含まれていてもよい。
前記式(1)中、ArおよびArは、式(Ar−1)〜式(Ar−3)で表される基からなる群から選ばれる1種の基を表す。
Figure 2013159726
高分子化合物の電界効果移動度を高める観点から、前記ArおよびArは、式(Ar−1)で表される基であることが好ましい。
前記式(Ar−1)〜式(Ar−3)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、それぞれの式に含まれる少なくともひとつのRはアルコキシ基である。
前記Rが表すアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたアルキル基の炭素原子数は、通常1〜60であり、1〜20であることが好ましい。アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基のいずれでもよく、シクロアルキル基であってもよい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、3,7,11−トリメチルドデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルドデシル基等の分岐アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。置換基を有しているアルキル基の具体例としては、メトキシエチル基、ベンジル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
前記Rが表すアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたアルコキシ基の炭素原子数は、通常1〜60であり、1〜20であることが好ましい。アルコキシ基は、直鎖アルコキシ基、分岐アルコキシ基のいずれでもよく、シクロアルコキシ基であってもよい。
アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基等の直鎖アルコキシ基、イソプロピルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、3,7,11−トリメチルドデシルオキシ基、2−ヘキシルデシルオキシ基、2−オクチルドデシルオキシ基等の分岐アルキル基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基が挙げられる。
アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。
前記Rが表すアルキルチオ基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたアルキルチオ基の炭素原子数は、通常1〜60であり、1〜20であることが好ましい。アルキルチオ基は、直鎖アルキルチオ基、分岐アルキルチオ基のいずれでもよく、シクロアルキルチオ基であってもよい。
アルキルチオ基の具体例としては、n−ブチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、n−ドデシルチオ基等が挙げられる。
アルキルチオ基が有していてもよい置換基としては、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。
前記Rが表すアリール基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素から芳香環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環を有する基を含む。置換基を除いたアリール基の炭素原子数は、通常6〜60であり、6〜20であることが好ましい。
アリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基等が挙げられる。
アリール基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、1価の複素環基、ハロゲン原子等が挙げられる。置換基を有しているアリール基としては、4−ヘキシルフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。アリール基が置換基を有する場合、置換基としてはアルキル基が好ましい。
前記Rが表す1価の複素環基は、置換基を有していてもよい複素環式化合物から、複素環に直接結合する水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環を有する基を含む。複素環式化合物としては、芳香族複素環式化合物が好ましい。置換基を除いた1価の複素環基が有する炭素原子数は、通常2〜60であり、3〜20であることが好ましい。
1価の複素環基の具体例としては、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−イミダゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−チエノチエニル基等が挙げられる。
1価の複素環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、1価の複素環基、ハロゲン原子等が挙げられる。置換基を有している1価の複素環基としては、5−オクチル−2−チエニル基、5−(2−チエニル)−2−チエニル基、5−フェニル−2−フリル基等が挙げられる。1価の複素環基が置換基を有する場合、置換基としてはアルキル基が好ましい。
前記Rが表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
本実施形態の高分子化合物を用いて製造される有機トランジスタのオンオフ比を高める観点から、前記式(Ar−1)〜式(Ar−3)にそれぞれ含まれる少なくともひとつのRはアルコキシ基であり、もうひとつのRは、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子であることが好ましい。
また、本実施形態の高分子化合物の合成の容易さの観点からは、前記式(Ar−1)〜式(Ar−3)にそれぞれ含まれる少なくともひとつのRはアルコキシ基であり、もうひとつのRは水素原子であることがより好ましい。
前記式(Ar−1)〜式(Ar−3)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表す。アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、1価の複素環基およびハロゲン原子の定義および具体例は、前記Rが表すアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、1価の複素環基およびハロゲン原子の定義および具体例と同様である。
前記式(Ar−1)〜式(Ar−3)中、Yは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表し、本実施形態の高分子化合物の合成の容易さの観点から、硫黄原子であることが好ましい。
前記式(1)中、Aは、2価の複素環基を表し、該2価の複素環基は、環を構成する原子として、sp窒素原子および/またはカルボニル基を構成する炭素原子を含む。
前記Aが表す2価の複素環基は、置換基を有していてもよい複素環式化合物から、複素環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環を有する基を含む。複素環式化合物としては、芳香族複素環式化合物であることが好ましい。置換基を除いた2価の複素環基が有する炭素原子数は、通常2〜60であり、3〜20であることが好ましい。
前記Aが表す2価の複素環基が、環を構成する原子として、sp窒素原子および/またはカルボニル基を構成する炭素原子を含むため、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される有機トランジスタのオンオフ比が十分に高いものとなる。
本実施形態の高分子化合物を用いて製造される有機トランジスタのオンオフ比を上げる観点から、前記Aが表す2価の複素環基は、式(A−1)〜式(A−13)で表される群から選ばれる1種の基であることが好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−5)〜式(A−13)で表される基からなる群から選ばれる1種の基であることがより好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−5)〜式(A−9)で表される基からなる群から選ばれる1種の基であることがさらに好ましく、式(A−1)、式(A−5)および式(A−9)で表される基からなる群から選ばれる1種の基であることが特に好ましい。
Figure 2013159726
前記式(A−1)〜式(A−13)中、Yは、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表し、硫黄原子であることが好ましい。Yが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
前記式(A−1)〜式(A−13)中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。アルキル基、アリール基、1価の複素環基およびハロゲン原子の定義および具体例は、前記Rが表すアルキル基、アリール基、1価の複素環基およびハロゲン原子の定義および具体例と同様である。
前記式(1)中、mは1〜4の整数を表し、1〜2の整数であることが好ましい。
前記式(1)で表される構造単位としては、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される有機トランジスタの電界効果移動度をより高める観点から、式(1−1)〜式(1−17)で表される構造単位であることが好ましく、式(1−1)〜式(1−7)、式(1−10)〜式(1−17)で表される構造単位であることがより好ましく、式(1−1)〜式(1−4)、式(1−12)、式(1−13)、式(1−16)または式(1−17)で表される構造単位であることがさらに好ましく、式(1−1)〜式(1−3)で表される構造単位であることが特に好ましい。
Figure 2013159726
Figure 2013159726
前記式(1)で表される構造単位としては、式(1−A)で表される構造単位(例えば、前記式(1−1)および前記式(1−3)で表される構造単位)であることが好ましい。
Figure 2013159726
〔式中、Rは前記と同じ意味を表す。〕
<式(2)で表される構造単位>
本実施形態の高分子化合物は、前記式(1)で表される構造単位と、前記式(2)で表される構造単位と、を含む高分子化合物であるが、式(2)で表される構造単位は、高分子化合物中に一種のみ含まれていても二種以上含まれていてもよい。
前記Aは、2価の複素環基を表し、該2価の複素環基は、環を構成する原子として、sp窒素原子および/またはカルボニル基を構成する炭素原子を含む。ただし、Aで表される2価の複素環基は、前記式(1)で表される構造単位を構成するAで表される2価の複素環基とは異なる。2価の複素環基の定義および具体例は、前記式(1)におけるAが表す2価の複素環基の定義および具体例と同様である。
前記Aが表す2価の複素環基が、環を構成する原子として、sp窒素原子および/またはカルボニル基を構成する炭素原子を含むため、本実施形態の高分子化合物を用いて製造される有機トランジスタのオンオフ比が十分に高いものとなる。
本実施形態の高分子化合物を用いて製造される有機トランジスタのオンオフ比を上げる観点から、前記Aが表す2価の複素環基は、式(A−1)〜式(A−13)で表される群から選ばれる1種の基であることが好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−5)〜式(A−13)で表される基からなる群から選ばれる1種の基であることがより好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−5)〜式(A−9)で表される基からなる群から選ばれる1種の基であることがさらに好ましく、式(A−1)、式(A−5)および式(A−9)で表される基からなる群から選ばれる1種の基であることが特に好ましく、式(A−5)であることがとりわけ好ましい。
<他の構造単位>
本実施形態の高分子化合物は、前記式(1)で表される構造単位および前記式(2)で表される構造単位以外の構造単位(以下、「他の構造単位」という場合がある。)を含んでいてもよい。他の構造単位は、高分子化合物中に一種のみ含まれていても二種以上含まれていてもよい。
前記他の構造単位としては、例えば、アリーレン基、2価の複素環基(但し、前記式(1)を構成する2価の複素環基および前記式(2)を構成する2価の複素環基とは異なる。)、式:−CR=CR−で表される基、式:−C(=O)−で表される基等が挙げられる。
上記式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表す。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。Rが表す、アルキル基、アリール基、1価の複素環基およびハロゲン原子の定義および具体例は、前記Rが表すアルキル基、アリール基、1価の複素環基およびハロゲン原子の定義および具体例と同様である。
前記アリーレン基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素から芳香環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環を有する基を含む。置換基を除いたアリーレン基の炭素原子数は、通常6〜60であり、6〜20であることが好ましい。
アリーレン基の具体例としては、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、フルオレンジイル基等が挙げられる。
アリーレン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、1価の複素環基、ハロゲン原子等が挙げられる。アリーレン基が置換基を有する場合、置換基としてはアルキル基が好ましい。
前記2価の複素環基は、置換基を有していてもよい複素環式化合物から、複素環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環を有する基を含む。複素環式化合物としては、芳香族複素環式化合物が好ましい。置換基を除いた2価の複素環基が有する炭素原子数は、通常2〜60であり、3〜20であることが好ましい。
2価の複素環基の具体例としては、フランジイル基、チオフェンジイル基、ピロールジイル基、オキサゾールジイル基、チアゾールジイル基、イミダゾールジイル基、ピリジンジイル基、ピリダジンジイル基、ピラジンジイル基、チエノチオフェンジイル基、シクロペンタジチオフェンジイル基等が挙げられる。
2価の複素環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、1価の複素環基、ハロゲン原子等が挙げられる。2価の複素環基が置換基を有する場合、置換基としてはアルキル基が好ましい。
<高分子化合物>
本実施形態の高分子化合物は、高分子化合物を用いて製造される有機トランジスタのオンオフ比を高める観点からは、共役高分子化合物であることが好ましい。本明細書において「共役高分子化合物」とは、高分子化合物であって、その高分子化合物を構成する全ての構造単位が、その構造の一部または全体で共役している高分子化合物を意味する。
本実施形態の高分子化合物は、前記式(1)で表される構造単位と、前記式(2)で表される構造単位と、を含み、他の構造単位を有していてもよい高分子化合物であるが、オンオフ比をより高める観点から、式(1)で表される構造単位と、式(2)で表される構造単位と、からなる高分子化合物であることがさらに好ましい。
本実施形態の高分子化合物を用いて製造される有機トランジスタのオンオフ比をより高める観点から、高分子化合物が有する構造単位の合計に対する、前記式(1)で表される構造単位および前記式(2)で表される構造単位の合計の割合が、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましい。
本実施形態の高分子化合物を用いて製造される有機トランジスタのオンオフ比をより高める観点から、高分子化合物は、前記式(1)で表される構造単位と、前記式(2)で表される構造単位と、からなる共重合体であることが好ましい。
本実施形態の高分子化合物の好ましい具体例としては、以下に示す高分子化合物が挙げられる。
Figure 2013159726
Figure 2013159726
<高分子化合物の製造方法>
次に、本実施形態の高分子化合物の製造方法を説明する。
本実施形態の高分子化合物は、いかなる方法で製造してもよいが、例えば、式:X11−A11−X12で表される化合物と、式:X13−A12−X14で表される化合物とを、必要に応じて有機溶媒に溶解させ、必要に応じて塩基を加え、適切な触媒を用いた公知のアリールカップリング等の重合方法により合成することができる。
前記式中、A11は、前記式(1)で表される構造単位を表し、A12は、前記式(2)で表される構造単位を表す。前記式中、X11、X12、X13およびX14は、それぞれ独立に、重合反応性基を表す。
前記重合反応性基としては、ハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基(−B(OH)2)、3つのアルキル基で置換されたスタンニル基等が挙げられる。
前記重合反応性基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
前記重合反応性基であるホウ酸エステル残基としては、下記式で示される基等が挙げられる。
Figure 2013159726
前記重合反応性基である3つのアルキル基で置換されたスタンニル基としては、3つのメチル基で置換されたスタンニル基、3つのブチル基で置換されたスタンニル基等が挙げられる。
前記アリールカップリング等の重合方法としては、Suzukiカップリング反応により重合する方法(Chemical Review、1995年、第95巻、2457−2483頁)、Stilleカップリング反応により重合する方法(European Polymer Journal、2005年、第41巻、2923−2933頁)等が挙げられる。
前記重合反応性基は、Suzukiカップリング反応等のニッケル触媒またはパラジウム触媒を用いる場合には、ハロゲン原子、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基等である。重合反応の簡便さの観点からは、臭素原子、ヨウ素原子、ホウ酸エステル残基であることが好ましい。
11、X12、X13およびX14の好ましい組合せとしては、X11及びX12がホウ酸エステル残基でX13及びX14が臭素原子である組合せ、または、X11及びX12が臭素原子でX13及びX14がホウ酸エステル残基である組合せが挙げられる。
本実施形態の高分子化合物をSuzukiカップリング反応により重合する場合は、前記重合反応性基である、臭素原子、ヨウ素原子の合計モル数とホウ酸エステル残基の合計モル数との比率が0.7〜1.3とすることが好ましく、0.8〜1.2とすることがより好ましい。
前記重合反応性基は、Stilleカップリング反応等のパラジウム触媒を用いる場合には、ハロゲン原子、3つのアルキル基で置換されたスタンニル基等である。重合反応の簡便さの観点からは、臭素原子、ヨウ素原子、3つのアルキル基で置換されたスタンニル基が好ましい。
11、X12、X13およびX14の好ましい組合せとしては、X11及びX12が3つのアルキル基で置換されたスタンニル基でX13及びX14が臭素原子である組合せ、または、X11及びX12が臭素原子でX13及びX14が3つのアルキル基で置換されたスタンニル基である組合せが挙げられる。
本発明の高分子化合物をStilleカップリング反応により重合する場合は、前記重合反応性基である、臭素原子、ヨウ素原子の合計モル数と3つのアルキル基で置換されたスタンニル基の合計モル数との比率が0.7〜1.3とすることが好ましく、0.8〜1.2とすることがより好ましい。
前記重合方法に用いられる有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
前記重合方法に用いられる塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基、フッ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基が挙げられる。
前記重合方法に用いられる触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、パラジウムアセテート、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム等のパラジウム錯体等の遷移金属錯体と、必要に応じて、トリフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の配位子とからなる触媒である。これらの触媒は、予め合成したものを用いてもよいし、反応系中で調製したものをそのまま用いてもよい。また、これらの触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
前記重合の反応温度は、好ましくは0〜200℃であり、より好ましくは0〜150℃であり、更に好ましくは0〜120℃である。
前記重合方法の反応時間は、通常1時間以上であり、好ましくは2〜500時間である。
前記重合方法の後処理は、公知の方法で行うことができ、例えば、メタノール等の低級アルコールに前記重合で得られた反応液を加えて析出させた沈殿を濾過、乾燥させる方法で行うことができる。
本実施形態の高分子化合物の純度が低い場合には、再結晶、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の方法にて精製すればよい。
本実施形態の高分子化合物は、末端に重合反応に活性である基が残っていると、該高分子化合物を用いて製造される有機トランジスタの電界効果移動度が低下する可能性がある。そのため、末端は、アリール基、1価の複素環基(特に1価の芳香族複素環基)等の安定な基であることが好ましい。
本実施形態の高分子化合物は、いかなる種類の共重合体であってもよく、例えば、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体等のいずれであってもよい。
本実施形態の高分子化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という。)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、通常、1×10〜1×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常、2×10〜2×10である。薄膜作製時に良好な薄膜を形成する観点から、数平均分子量は2×10以上が好ましく、重量平均分子量は4×10以上であることが好ましい。溶媒への溶解性を高め、薄膜作製を容易にする観点から、数平均分子量は1×10以下であることが好ましく、重量平均分子量は2×10以下であることが好ましい。
<有機半導体材料>
有機半導体材料は、本実施形態の高分子化合物の1種類を単独で含むものであってもよく、2種類以上を含むものであってもよい。また、有機半導体材料は、本実施形態の高分子化合物に加え、低分子化合物または高分子化合物を更に含んでいてもよく、本実施形態の高分子化合物以外の化合物は、電界効果移動度を示すことが好ましい。有機半導体材料が、本実施形態の高分子化合物以外の成分を含む場合は、本実施形態の高分子化合物を30重量%以上含むことが好ましく、50重量%以上含むことがより好ましい。
前記電界効果移動度を示す化合物としては、
アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、オリゴチオフェンおよびその誘導体、オキサジアゾール誘導体、フラーレン類およびその誘導体等の低分子化合物、
ポリ(N−ビニルカルバゾール)およびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体等の高分子化合物が例示できる。
有機半導体材料は、高分子化合物材料を高分子バインダーとして含有していてもよい。
該高分子バインダーの例としては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が挙げられる。
<有機半導体素子>
本実施形態の高分子化合物は、電界効果移動度が高いことから、有機半導体材料として、例えば、有機半導体素子の有機層に含ませて用いることができる。有機半導体素子としては、有機トランジスタ、有機太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス素子等が挙げられる。本実施形態の高分子化合物は、中でも、有機トランジスタの活性層材料として特に有用である。
<有機トランジスタ>
本実施形態の有機トランジスタとしては、ソース電極およびドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となり、本実施形態の高分子化合物を含む活性層と、該電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを備えた構成を有するものが挙げられる。このような構成を有する有機トランジスタとしては、電界効果型有機トランジスタ、静電誘導型有機トランジスタ等が挙げられる。
電界効果型有機トランジスタは、通常、ソース電極およびドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となり、本実施形態の高分子化合物を含む活性層と、該電流経路を通る電流量を制御するゲート電極と、活性層とゲート電極との間に配置される絶縁層とを有する有機トランジスタである。特に、ソース電極およびドレイン電極が、活性層に接して設けられており、さらに活性層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられている有機トランジスタが好ましい。
静電誘導型有機トランジスタは、通常、ソース電極およびドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となり、本実施形態の高分子化合物を含む活性層と、該電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを有し、該ゲート電極が活性層中に設けられている有機トランジスタである。特に、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極が、活性層に接して設けられている有機トランジスタが好ましい。
ゲート電極は、ソース電極からドレイン電極へ流れる電流経路が形成でき、かつ、ゲート電極に印加した電圧で該電流経路を流れる電流量が制御できる構造であればよく、例えば、くし型電極が挙げられる。
図1は、本実施形態の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の一例を示す模式断面図である。図1に示す有機トランジスタ100は、基板1と、基板1上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5およびドレイン電極6を覆うようにして基板1上に形成された活性層2と、活性層2上に形成された絶縁層3と、ソース電極5とドレイン電極6との間の領域上の絶縁層3を覆うように絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図2は、本実施形態の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図2に示す有機トランジスタ110は、基板1と基板1上に形成されたソース電極5と、ソース電極5を覆うようにして基板1上に形成された活性層2と、ソース電極5と所定の間隔を持って活性層2上に形成されたドレイン電極6と、活性層2およびドレイン電極6上に形成された絶縁層3と、ソース電極5とドレイン電極6との間の領域上の絶縁層3を覆うように絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図3は、本実施形態の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図3に示す有機トランジスタ120は、基板1と基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域の一部を覆うように、絶縁層3上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5およびドレイン電極6の一部を覆うように絶縁層3上に形成された活性層2とを備えるものである。
図4は、本実施形態の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図4に示す有機トランジスタ130は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域の一部を覆うように絶縁層3上に形成されたソース電極5と、ソース電極5の一部を覆うようにして絶縁層3上に形成された活性層2と、活性層2の一部を覆うように、ソース電極5と所定の間隔を持って絶縁層3上に形成されたドレイン電極6とを備えるものである。
図5は、本実施形態の有機トランジスタ(静電誘導型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図5に示す有機トランジスタ140は、基板1と、基板1上に形成されたソース電極5と、ソース電極5上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って複数形成されたゲート電極4と、ゲート電極4の全てを覆うようにして活性層2上に形成された活性層2a(活性層2aを構成する材料は、活性層2と同一であっても異なっていてもよい)と、活性層2a上に形成されたドレイン電極6とを備えるものである。
図6は、本実施形態の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図6に示す有機トランジスタ150は、基板1と、基板1上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5およびドレイン電極6の一部を覆うようにして活性層2上に形成された絶縁層3と、ソース電極5が下部に形成されている絶縁層3の領域とドレイン電極6が下部に形成されている絶縁層3の領域とをそれぞれ一部覆うように、絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図7は、本実施形態の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図7に示す有機トランジスタ160は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域を覆うように形成された活性層2と、活性層2の一部を覆うように活性層2上に形成されたソース電極5と、活性層2の一部を覆うように、ソース電極5と所定の間隔を持って活性層2上に形成されたドレイン電極6とを備えるものである。
図8は、本実施形態の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図8に示す有機トランジスタ170は、ゲート電極4と、ゲート電極4上に形成された絶縁層3と、絶縁層3上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、を備えるものである。この場合、ゲート電極4は基板1を兼ねる構成となっている。
図9は、本実施形態の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図9に示す有機トランジスタ180は、ゲート電極4と、ゲート電極4上に形成された絶縁層3と、絶縁層3上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5およびドレイン電極6と、ソース電極5およびドレイン電極6の一部を覆うように絶縁層3上に形成された活性層2とを備えるものである。
上述した本実施形態の有機トランジスタにおいては、活性層2および/または活性層2aは、本実施形態の高分子化合物を含有する膜によって構成され、ソース電極5とドレイン電極6との間の電流通路(チャネル)となる。また、ゲート電極4は、電圧を印加することにより電流通路(チャネル)を通る電流量を制御する。
このような電界効果型有機トランジスタは、公知の方法、例えば特開平5−110069号公報記載の方法により製造することができる。また、静電誘導型有機トランジスタは、特開2004−006476号公報に記載の方法等の公知の方法により製造することができる。
前記基板1の材料は、有機トランジスタの特性を阻害しない材料であればよい。基板としては、ガラス基板、フレキシブルなフィルム基板、プラスチック基板等を用いることができる。
前記絶縁層3の材料は、電気の絶縁性が高い材料であればよく、SiOx、SiNx、Ta25、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、有機ガラス、フォトレジスト等を用いることができるが、低電圧化の観点からは、誘電率の高い材料を用いることが好ましい。
前記絶縁層3の上に前記活性層2を形成する場合は、絶縁層3と活性層2の界面特性を改善するため、シランカップリング剤等の表面処理剤で絶縁層3の表面を処理して表面改質した後に活性層2を形成することも可能である。
電界効果型有機トランジスタの場合、電荷(正孔および電子を意味する。)は、一般に絶縁層と活性層の界面付近を通過する。従って、この界面の状態がトランジスタの移動度に大きな影響を与える。そこで、界面状態を改良して特性を向上させる方法として、シランカップリング剤による界面の制御が提案されている(例えば、表面化学、2007年、第28巻、第5号、242−248頁)。
前記シランカップリング剤の例としては、アルキルクロロシラン類(オクチルトリクロロシラン(OTS)、オクタデシルトリクロロシラン(ODTS)、フェニルエチルトリクロロシラン等)、アルキルアルコキシシラン類、フッ素化アルキルクロロシラン類、フッ素化アルキルアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等のシリルアミン化合物が挙げられる。また、表面処理剤で処理する前に、絶縁層表面をオゾンUV処理、Oプラズマ処理してもよい。このような処理によって、絶縁層として用いられるシリコン酸化膜等の表面エネルギーを制御することができる。また、表面処理により、活性層を構成している膜の絶縁層上での配向性が向上し、高いオンオフ比が得られる。
前記ゲート電極4には、金、白金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン、低抵抗ポリシリコン、低抵抗アモルファスシリコン等の金属や、錫酸化物、酸化インジウム、インジウム・錫酸化物(ITO)等の材料を用いることができる。これらの材料は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、ゲート電極4としては、高濃度にドープされたシリコン基板を用いることも可能である。高濃度にドープされたシリコン基板は、ゲート電極としての性能とともに、基板としての性能も併有する。このような基板としての性能も有するゲート電極4を用いる場合には、前記基板1とゲート電極4とが接している有機トランジスタにおいて、基板1を省略してもよい。
前記ソース電極5および前記ドレイン電極6は、低抵抗の材料から構成されることが好ましく、金、白金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン等から構成されることが特に好ましい。これらの材料は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
有機トランジスタにおいて、前記ソース電極5および前記ドレイン電極6と、前記活性層2との間には、更に他の化合物から構成された層が介在していてもよい。このような層としては、電子輸送性を有する低分子化合物、正孔輸送性を有する低分子化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、これらの金属と有機化合物との錯体、ヨウ素、臭素、塩素、塩化ヨウ素等のハロゲン、硫酸、無水硫酸、二酸化硫黄、硫酸塩等の酸化硫黄化合物、硝酸、二酸化窒素、硝酸塩等の酸化窒素化合物、過塩素酸、次亜塩素酸等のハロゲン化化合物、アルキルチオール化合物、芳香族チオール類、フッ素化アルキル芳香族チオール類等の芳香族チオール化合物等からなる層が挙げられる。
また、上述したような有機トランジスタを作製した後には、素子を保護するため、有機トランジスタ上に保護膜を形成することが好ましい。これにより、有機トランジスタが大気から遮断され、有機トランジスタの特性の低下を抑制することができる。また、有機トランジスタの上に駆動する表示デバイスを形成する場合、その形成工程における有機トランジスタへの影響も該保護膜により低減することができる。
前記保護膜を形成する方法としては、有機トランジスタを、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂や無機のSiONx膜等で覆う方法等が挙げられる。大気との遮断を効果的に行うため、有機トランジスタを作製後、有機トランジスタを大気にさらすことなく(例えば、乾燥した窒素雰囲気中、真空中等で)保護膜を形成することが好ましい。
このように構成された有機トランジスタの一種である電界効果型有機トランジスタは、アクティブマトリックス駆動方式の液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの画素駆動スイッチング素子等として適用できる。そして、上述した実施形態の有機電界効果トランジスタは、活性層として、本実施形態の高分子化合物を含有し、そのことによりオンオフ比に優れたものとなる。したがって、高諧調のディスプレイの製造等に有用である。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<NMR分析>
NMR測定は、化合物を重クロロホルムに溶解させ、NMR装置(Varian社製、INOVA300)を用いて行った。
<分子量分析>
高分子化合物の数平均分子量および重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC、Waters社製、商品名:Alliance GPC 2000)を用いて求めた。測定する高分子化合物は、オルトジクロロベンゼンに溶解させ、GPCに注入した。GPCの移動相にはオルトジクロロベンゼンを用いた。カラムは、TSKgel GMHHR−H(S)HT(2本連結、東ソー製)を用いた。検出器にはUV検出器を用いた。
<合成例1:3−ヘキサデシルオキシチオフェンの合成>
Figure 2013159726
フラスコに、3−メトキシチオフェンを5.00g(43.8mmol)、1−ヒドロキシヘキサデカンを21.2g(87.6mmol)、パラトルエンスルホン酸一水和物を0.833g(4.38mmol)、トルエン100mLを入れて、16時間還流させた。その後、反応液を水に注ぎ、トルエンで抽出した。その後、トルエン溶液をエバポレーターで蒸発させた。得られた液体を、ヘキサンを展開溶媒として用いて、シリカゲルカラムで精製を行い、3−ヘキサデシルオキシチオフェンを得た。得量は12.9gであり、収率は91%であった。3−ヘキサデシルオキシチオフェンのH−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm) 7.16(m,1H),6.75(m,1H),6.22(m,1H),3.94(t,2H),1.77(m,2H),1.20−1.50(m,26H),0.88(t,3H).
<合成例2:2−ブロモ−3−ヘキサデシルオキシチオフェンの合成>
Figure 2013159726
フラスコに、3−ヘキサデシルオキシチオフェンを4.30g(13.3mmol)、N−ブロモスクシンイミドを2.35g(13.3mmol)、テトラヒドロフラン100mLを入れ、2時間撹拌した。その後、反応液を水に注ぎ、ヘキサンで抽出した。ヘキサン溶液をエバポレーターで蒸発させて、2−ブロモ−3−ヘキサデシルオキシチオフェンを得た。得量は5.10gであり、収率は95%であった。2−ブロモ−3−ヘキサデシルオキシチオフェンのH−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm) 7.19(m,1H),6.74(m,1H),4.04(t,2H),1.75(m,2H),1.20−1.50(m,26H),0.88(t,6H).
<合成例3:化合物2の合成>
Figure 2013159726
フラスコに、2−ブロモ−3−ヘキサデシルオキシチオフェンを3.36g(8.32mmol)、テトラヒドロフランを100mL入れて、−78℃に冷却した。その後、そこへ、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M、5.46mL、8.74mmol)を滴下した。その後、−78℃で2時間撹拌した。その後、そこへ、塩化トリブチルスズを2.98g(9.15mmol)滴下した。その後、反応液を室温まで昇温し、3時間撹拌した。その後、反応液を濃縮し、水に注ぎ、トルエンで抽出した。トルエン溶液を濃縮し、化合物1を含む混合物を得た。
フラスコ内の気体を窒素ガスで置換したフラスコに、上記で得られた化合物1を含む混合物の全量、4,4’−ジブロモ−2,2’−ビチアゾールを0.403g(1.24mmol)、トルエンを50mL、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを0.0515g、トリオルトトリルホスフィンを0.103g入れて、8時間還流させた。その後、反応液を水に注ぎ、トルエンで抽出した。、トルエン溶液を濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製し、化合物2を得た。得量は0.55gであり、収率は55%であった。化合物2のH−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)7.98(s,2H),7.17(d,2H),6.87(d,2H),4.15(t,4H),1.20−1.90(m,56H),0.88(t,6H).
<合成例4:化合物3の合成>
Figure 2013159726
フラスコに、化合物2を0.350g(0.430mmol)、テトラヒドロフランを50mL入れて、−78℃に冷却した。その後、そこへ、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.6M、0.364mL、0.947mmol)を滴下した後、1時間撹拌した。その後、そこへ、塩化トリブチルスズを0.336g(1.03mmol)加えた。その後、反応液を室温まで昇温し、3時間撹拌した。その後、反応液を濃縮し、水に注ぎ、トルエンで抽出した。トルエン溶液を濃縮し、得られた液体を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製し、化合物3を得た。得量は0.288gであり、収率は45%であった。化合物3のH−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)=7.97(s,2H),6.86(s,2H),4.16(t,4H),1.87(m,4H),1.00−1.60(m,52H),0.88(t,6H).
<実施例1:高分子化合物4の合成>
Figure 2013159726
フラスコ内の気体を窒素ガスで置換したフラスコに、化合物3を0.288g(0.207mmol)、4,7−ジブロモベンゾ−2,1,3−チアジアゾールを0.0574g(0.186mmol)、トルエンを50mL、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを2.8mg、トリオルトトリルホスフィンを5.7mg入れて、5時間還流させた。その後、反応液に、ブロモベンゼンを325mg加えて、1時間還流させた。その後、反応液をアセトンに滴下したところ、析出物が生じた。析出物をろ取し、該析出物に、トルエンと水とN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物を加えて、3時間還流させた。その後、トルエン層を抽出した。トルエン溶液を酢酸水溶液および水で洗浄した後、シリカゲルカラムを通液させて精製した。得られたトルエン溶液をアセトンに滴下したところ、析出物が生じた。析出物をろ取し、該析出物をアセトンを溶媒として用いてソックスレー洗浄し、高分子化合物4を得た。得量は0.170gであり、ポリスチレン換算の数平均分子量は2.0×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は3.3×10であった。
<実施例2:有機トランジスタ1の作製および評価>
高分子化合物4を含む溶液を用いて、図9に示す構造を有する有機トランジスタ1を作製した。
ゲート電極となる高濃度にドーピングされたn−型シリコン基板の表面を熱酸化し、シリコン酸化膜(以下、「熱酸化膜」という。)を形成した。熱酸化膜は絶縁層として機能する。次に、フォトリソグラフィー工程により熱酸化膜上にソース電極およびドレイン電極を作製した。該ソース電極および該ドレイン電極は、熱酸化膜側からクロム(Cr)層と金(Au)層とを有し、チャネル長が20μm、チャネル幅が2mmであった。こうして得られた熱酸化膜、ソース電極およびドレイン電極を形成した基板をアセトンで超音波洗浄を行ない、オゾンUVクリーナーでUVオゾン処理を行なった。その後、β−フェネチルトリクロロシランで熱酸化膜の表面を修飾し、ペンタフルオロベンゼンチオールでソース電極およびドレイン電極の表面を修飾した。次に、上記表面処理した熱酸化膜、ソース電極およびドレイン電極上に、0.5重量%の高分子化合物4のオルトジクロロベンゼン溶液を1000rpmの回転速度でスピンコートし、有機半導体層(活性層)を形成した。その後、有機半導体層を大気中で170℃で30分間加熱し、有機トランジスタ1を製造した。
得られた有機トランジスタ1のゲート電圧Vg、ソース・ドレイン間電圧Vsdを変化させ、トランジスタ特性を測定した。オンオフ比は、10であった。結果を表1に示す。
<合成例5:3,3’−ジヘキサデシルオキシ−2,2’−ビチオフェンの合成>
Figure 2013159726
フラスコに、2−ブロモ−3−ヘキサデシルオキシチオフェンを16.2g(40.1mmol)、2,2’−ビピリジルを25.0g(160mmol)、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル(0)を12.1g(44.1mmol)を加えて、60℃で3時間撹拌した。その後、反応液をセライト濾過し、ろ液をエバポレーターで濃縮した。ここへトルエンと水を加え、トルエンで抽出した。塩酸水溶液で洗浄し、続いて水で洗浄した。トルエン溶液をエバポレーターで蒸発させた。得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製し、3,3’−ジヘキサデシルオキシ−2,2’−ビチオフェンを得た。得量は5.41gであり、収率は42%であった。3,3’−ジヘキサデシルオキシ−2,2’−ビチオフェンのH−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)=7.07(d,2H),6.83(d,2H),4.09(t,4H),1.85(m,4H),1.00−1.70(m,52H),0.88(t,6H).
<合成例6:5,5’−ビス(トリブチルスタンニル)−3,3’−ジヘキサデシルオキシ−2,2’−ビチオフェンの合成>
Figure 2013159726
フラスコに、3,3’−ジヘキサデシルオキシ−2,2’−ビチオフェンを3.50g(5.41mmol)、テトラヒドロフラン200mLを入れ、0℃に冷却した。その後、この溶液に、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.6mol/L、8.32mL)を滴下した後に、室温まで昇温して1時間撹拌した。その後、反応液を再度0℃に冷却し、塩化トリブチルスズを7.04g(21.6mmol)加えた後に、反応液を室温まで昇温してから2時間撹拌した。その後、反応液を水に注ぎ、トルエンで抽出した。水で洗浄した。トルエン溶液をエバポレーターで蒸発させた。得られた液体を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製し、5,5’−ビス(トリブチルスタンニル)−3,3’−ジヘキサデシルオキシ−2,2’−ビチオフェンを得た。得量は5.37gであり、収率は81%であった。5,5’−ビス(トリブチルスタンニル)−3,3’−ジヘキサデシルオキシ−2,2’−ビチオフェンのH−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)=6.83(s,2H),4.10(t,4H),1.83(m,4H),0.85−1.70(m,112H).
<合成例7:高分子化合物5の合成>
Figure 2013159726
フラスコ内の気体を窒素ガスで置換したフラスコに、5,5’−ビス(トリブチルスタンニル)−3,3’−ジヘキサデシルオキシ−2,2’−ビチオフェンを0.300g(0.245mmol)、4,7−ジブロモベンゾ−2,1,3−チアジアゾールを0.0684g(0.233mmol)、トルエンを50mL、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを3.4mg、トリオルトトリルホスフィンを6.7mg入れて、5時間還流させた。その後、反応液に、ブロモベンゼンを384mg加えた後に、1時間還流させた。その後、反応液をアセトンに滴下したところ、析出物が生じた。析出物をろ取し、該析出物に、トルエンと水とN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物を加えて、3時間還流させた。その後、トルエン層を抽出した。トルエン溶液を酢酸水溶液および水で洗浄した後、シリカゲルカラムを通液させて精製した。得られたトルエン溶液をアセトンに滴下したところ、析出物が生じた。析出物をろ取し、該析出物をアセトンを溶媒として用いてソックスレー洗浄し、高分子化合物5を得た。得量は0.170gであり、ポリスチレン換算の数平均分子量は8.2×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1.8×10であった。
<比較例1:有機トランジスタC1の作製および評価>
高分子化合物4にかえて高分子化合物5を用いた以外は、実施例2と同様にして、有機トランジスタ2を作製した。
得られた有機トランジスタC1のゲート電圧Vg、ソース・ドレイン間電圧Vsdを変化させ、トランジスタ特性を測定した。オンオフ比は、10であった。結果を表1に示す。
Figure 2013159726
1…基板。
2、2a…活性層。
3…絶縁層。
4…ゲート電極。
5…ソース電極。
6…ドレイン電極。
100、110、120、130、140、150、160、170、180…有機トランジスタ。

Claims (10)

  1. 式(1)で表される構造単位と、式(2)で表される構造単位と、を含む高分子化合物。
    Figure 2013159726
    〔式中、
    ArおよびArは、それぞれ独立に、式(Ar−1)〜式(Ar−3)で表される基からなる群から選ばれる1種の基を表す。
    は、2価の複素環基を表し、該2価の複素環基は、環を構成する原子として、sp窒素原子および/またはカルボニル基を構成する炭素原子を含む。Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    mは1〜4の整数を表す。〕
    Figure 2013159726
    〔式中、
    は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、それぞれの式に含まれる少なくともひとつのRはアルコキシ基である。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表す。Rが2個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    は、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表す。Yが2個混在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
    Figure 2013159726
    〔式中、
    は、2価の複素環基を表し、該2価の複素環基は、環を構成する原子として、sp窒素原子および/またはカルボニル基を構成する炭素原子を含む。ただし、Aで表される2価の複素環基は、前記式(1)で表される構造単位を構成するAで表される2価の複素環基とは異なる。〕
  2. 前記Yが硫黄原子である、請求項1に記載の高分子化合物。
  3. 前記Aが、式(A−1)〜式(A−13)で表される基からなる群から選ばれる1種の基である、請求項1または2に記載の高分子化合物。
    Figure 2013159726
    〔式中、
    は、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表す。Yが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
  4. 前記式(1)で表される構造単位が、式(1−A)で表される構造単位である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高分子化合物。
    Figure 2013159726
    〔式中、Rは前記と同じ意味を表す。〕
  5. 前記式(2)で表される構造単位におけるAが、前記式(A−1)〜式(A−13)で表される基からなる群から選ばれる1種の基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  6. 前記式(2)で表される構造単位におけるAが、前記式(A−5)で表される基である、請求項5に記載の高分子化合物。
  7. 式(1)で表される構造単位が前記式(1−A)で表される構造単位であり、かつ、前期式(2)で表される構造単位におけるAが前記式(A−5)で表される基である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の高分子化合物を含む、有機半導体材料。
  9. 請求項8に記載の有機半導体材料を含む有機層を有する、有機半導体素子。
  10. ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極および活性層を有し、該活性層に請求項8に記載の有機半導体材料を含む、有機トランジスタ。
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