JP2013159289A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源電圧が低下しても、FET保護用のツェナーダイオードの損失電力を時間積算し、積算損失が増加するに従い徐々にデューティを制限することで、操舵性能を損なうことなく、ツェナーダイオードの保護を実現する電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】操舵トルク及び車速に基づいて操舵補助指令値を演算してPWM信号を生成し、ツェナーダイオードを搭載したFETブリッジ回路を介してモータをPWM駆動することによって操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、イグニション電圧とインバータ印加電圧の差が所定電圧以上のときに、損失電力を演算する損失電力演算部と、損失電力の積算電力を演算する積算損失演算部と、温度に基づいて許容損失を演算する許容損失演算部と、許容損失及び積算損失の損失差の最小値を選択する最小値選択部と、損失差の最小値及び許容損失に基づいてPWM信号の制限値を演算する制限値演算部とを設ける。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両の操舵系にモータによるアシスト力を付与するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特に電源電圧(バッテリ電圧)が低下したときでもデューティを制限することで、操舵性能を損なうことなく、FETブリッジ回路に搭載されているツェナーダイオードを確実に保護できるようにした電動パワーステアリング装置に関するものである。
車両のステアリング機構にモータの回転力で操舵補助力(アシスト)を付与する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力を付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、操舵補助力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、操向ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット100には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。また、アイドリングストップ機能を備えた車両においては、電圧安定化回路30を介してイグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット100は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTrと車速センサ12で検出された車速Velとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の操舵補助指令値の演算を行い、操舵補助指令値に補償等を施した電流制御値Eによってモータ20に供給する電流を制御する。なお、車速VelはCAN(Controller Area Network)等から受信することも可能である。
コントロールユニット100は主としてCPU(又はMPUやMCU)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと、図2のようになっている。
図2を参照してコントロールユニット100の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTr及び車速センサ12からの車速Velは操舵補助指令値演算部101に入力され、アシストマップを用いて操舵補助指令値Irefが演算される。演算された操舵補助指令値Irefは過熱保護条件等に基づいて最大出力制限部102で出力を制限され、最大出力を制限された電流指令値Iは減算部103に入力される。
なお、操舵補助指令値演算部101での操舵補助指令値Irefの演算は、操舵トルクT及び車速Velに加えて更に操舵角を用いて演算することも可能である。
減算部103は、電流指令値Iとフィードバックされているモータ20のモータ電流iとの偏差ΔI(=I−i)を求め、偏差ΔIはPI等の電流制御部104で制御され、制御された電流制御値EはPWM(パルス幅変調)制御部105に入力されてデューティを演算され、デューティを演算されたPWM信号PSによってモータ駆動回路106を介してモータ20を駆動する。モータ20のモータ電流iはモータ電流検出回路107で検出され、モータ電流iが減算部103に入力されてフィードバックされる。
モータ駆動回路106の構成例を図3に示して説明すると、3相モータの場合、モータ駆動回路106はPWM制御部105からのPWM信号PSに基づいて電界効果トランジスタ(FET)FET1〜FET6の各ゲートを駆動するFETゲート駆動回路106A、FET1〜FET6の3相ブリッジ回路で構成されるインバータ106B、FET1、FET2及びFET3のハイサイド側を昇圧する昇圧回路106C等で構成されている。また、FET1〜FET6の各ソース‐ドレイン間にはサージ吸収用のダイオードD1〜D6が逆並列に内蔵されており、ハイサイド側FET1〜FET3のゲート−ソース間にはゲート保護用の各1対のツェナーダイオードZD1〜ZD3が接続されている。
インバータ106Bには、電源としてのバッテリ13から電源リレーRLを経て電力が供給されている。インバータ106Bは、直列に接続されたFET1及びFET4と、同様に直列に接続されたFET2及びFET5と、直列に接続されたFET3及びFET6とを備え、これら直列に接続された3つのFET列が並列に接続されたブリッジ回路で構成されている。このインバータ106BのFET1及びFET4の接続点、FET2及びFET5の接続点並びにFET3及びFET6の接続点から、供給路a,b,cを介してモータ20に各相のモータ相電流が供給されるようになっている。
このような電動パワーステアリング装置において、バッテリ13は、コントロールユニット100、トルクセンサ10、モータ20などの負荷機器に電力を供給している。運転者の操舵操作を正常に安定してアシストするために、バッテリ13の電源電圧(バッテリ電圧)を所定の安定範囲(例えば10〜15V)に維持することが必要である。しかしながら、クランキング等の状況においては、電源電圧の低下が発生する可能性がある。
電源電圧が低下した状態では、モータ駆動回路106で使用されるFETのゲート駆動電圧が低下する。この場合、FETのゲート−ソース間の電圧(VGS)が低下すると、ドレイン−ソース間のオン抵抗(RDS(ON))が急激に大きくなる。ちなみに、最大駆動電流ImaxとFETの許容電力値Paとの間には、下記数1のような関係がある。
(数1)
Pa=RDS(ON)・Imax
ここで、PaはFETの許容電力値、RDS(ON)はFETのソース−ドレイン間
のオン抵抗であり、ImaxはFETに流せるモータ最大電流である。
上記数1の関係より、モータ20の駆動制御の際、FETオン抵抗RDS(ON)が大きくなると、電力損失が大きくなってしまう。そのため、電源電圧が低下すると、FETの電力損失による発熱によって温度が上昇し、更に電源電圧の低下が続くと、FETが焼損するという故障を発生する恐れがある。
また、電源電圧が著しく低下し、トルクセンサ10の最低動作電圧以下まで低下すると、トルクセンサ10の出力が低下し、操向ハンドル1の中立位置がずれてしまい、モータ20の電流特性も操向ハンドル1の中立位置からずれてしまう。そのため、ハンドル操舵力の左右差が生じ、ひどくなると「ハンドル取られ」などが生じてしまい、操舵感が悪化するという問題がある。即ち、ある電圧値以下になると、トルクセンサ10が正常に動作できなくなる。
従って、電源電圧が低下したとき、良好な操舵フィーリングを保つために、アシスト制御を制限又は停止する必要がある。このような問題を解決するために、特許文献1(特開2005−193751号公報)では、電源電圧の低下時に、電源電圧に応じてアシスト量を可変な制限値により制限する電動パワーステアリング装置が提案されている。また、特許文献2(特開2007−290429号公報)には、低電圧時に低オン抵抗の半導体スイッチング素子を有し、電源電圧が動作電圧下限値以上であるときに、モータの制御を行い、動作電圧を下回ったときに、モータの制御を停止する電動パワーステアリング装置が提案されている。
特開2005−193751号公報 特開2007−290429号公報
しかし、近年環境保護の観点からの要望として、車両の停止・停車中にエンジンを停止させること、所謂アイドリングストップ機能を備えた車両が増えており、このような車両(ハイブリッド車両など走行中にエンジンが起動するものも該当)においては、その停止したエンジンを再始動すべく、頻繁にクランキングが実行されることになる。そして、クランキングの際は電源電圧の変動が相当に激しく、電源電圧がアシスト可能電圧の範囲外になってしまうこともあり、このような場合にはアシストが急激に停止される可能性がある。アシストの停止が発生すると、キックバック等のステアリング挙動や異音等が発生する可能性があり、電動ステアリング装置全体の品質に大きく影響する。
特許文献1の電動パワーステアリング装置は、動作限界電圧に達するまで電源電圧の数値によりアシストレベルを可変させているので、円滑なアシスト制御を行うことができる特徴がある。しかしながら、電源電圧がアシスト停止電圧以下に低下するとアシスト制御を停止するようにしているので、クランキングのような、電源電圧が相当低いレベルに低下する可能性がある場合には適用できない問題がある。
また、特許文献2の電動パワーステアリング装置は、低電圧時のオン抵抗が低いFETを用いることで発熱量が少なくなり、低電圧においても作動するようにしているが、クランキングにおいては電圧低下が発生し、その変動が大きく、トルクセンサの作動電圧を下回り、制御が不安定になる可能性がある。
アイドリングストップ機能を備えた車両に搭載されている電動パワーステアリング装置のイグニション電圧が、電圧安定化回路によってエンジン再始動時の電圧低下を一定電圧まで昇圧により補償されている場合において、エンジンを再始動すると、バッテリ電圧が低下することでバッテリ電圧とイグニション電圧に電位差が生じる。
ハイサイド側FET1〜FET3のゲート端子には、イグニション電圧を昇圧回路106Cによって昇圧された電圧が印加されており、ソース端子にはバッテリ電圧に応じたインバータ印加電圧が印加されている。よって、ゲート−ソース間電圧はバッテリ電圧が低下するほど大きくなり、ゲート−ソース間に接続されているゲート保護用ツェナーダイオードZD1〜ZD3に印加される電圧も大きくなってしまう。ツェナーダイオードZD1〜ZD3に印加される電圧がツェナー電圧を超えると電流が流れ、自己発熱が発生するため、PWM信号のデューティを制限し、ハイサイド側FET1〜FET3のON時間を短くすることで自己発熱を抑制するか、ツェナーダイオードZD1〜ZD3の定格電力を上げる必要がある。
これに対し特許文献1では、電源電圧に応じたアシスト制限であるため、ツェナーダイオードの自己発熱抑制が効果的にできないという問題がある。ツェナーダイオードの定格電力を大きくすると、コストアップと共にサイズが大型化してしまい、搭載性悪化という問題も生じてしまう。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、クランキング等によって電源電圧が激しく変動して低下しても、ツェナーダイオードの損失電力を時間積算し、積算損失が増加するに従いデューティを制限することで、ツェナーダイオードの定格電力を大きくすることなく、しかも操舵性能を損なうことなく、駆動回路に内蔵されたツェナーダイオードを確実に保護する電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、操舵トルク及び車速に基づいて操舵補助指令値を演算し、前記操舵補助指令値に基づいてPWM信号を生成し、FET保護用のツェナーダイオードを搭載したFETブリッジ回路を介してモータをPWM駆動し、前記モータのPWM駆動によって操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、イグニション電圧とインバータ印加電圧の差が所定電圧以上のときに、前記ツェナーダイオードの損失電力を演算する損失電力演算部と、前記損失電力の積算電力を演算する積算損失演算部と、温度に基づいて前記ツェナーダイオードの許容損失を演算する許容損失演算部と、前記許容損失及び前記積算損失の損失差の最小値を選択する最小値選択部と、前記損失差の最小値及び前記許容損失に基づいて前記PWM信号の制限値を演算する制限値演算部とを具備することにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記制限値のレートを制限するレートリミッタが更に設けられていることにより、或いは前記差が前記所定電圧以上となった後、前記差が前記所定電圧よりも小さくなってからの経過時間が所定時間となったときに、前記積算損失演算部の前記積算損失を0にクリアするようになっていることにより、或いは前記制限値演算部が、前記損失差の最小値に対して比例する関係で前記制限値を出力するようになっていることにより、或いは前記制限値演算部の出力特性ゲインが、前記温度が高くなるに従って大きくなっていることにより、より効果的に達成される。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、クランキング等によって電源電圧(バッテリ電圧)が激しく変動(低下)しても、モータ駆動回路のインバータに搭載されているツェナーダイオードの損失電力を時間積算し、積算損失が増加するに従い、更に温度をパラメータとしてデューティを制限することで、操舵性能を損なうことなく、ツェナーダイオードの保護を実現することができる。デューティを制限するため、ツェナーダイオードの定格電力を上げる必要もない。
また、クランキング後のエンジン作動中に電源電圧が復帰し、イグニション電圧とバッテリ電圧の差が所定電圧よりも小さくなった場合は、徐変によりデューティの制限をなくすようにしているので、操舵性能を損なうこともない。更に、イグニション電圧とバッテリ電圧の差が所定電圧よりも小さくなってからの経過時間が所定時間を経過した場合には、ツェナーダイオードの自己発熱温度が低下したとして積算電力を0にクリアするようにしているので、積算電力を自己発熱温度と正しく対応付けすることができる。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 コントロールユニットの一般的な構成例を示すブロック図である。 モータ駆動回路の構成例を示す結線図である。 本発明の実施形態に係るコントロールユニットの構成例を示すブロック図である。 本発明で使用する制限値算出部の特性の一例を示す特性図である。 本発明の動作例を示すフローチャートである。 本発明の動作例をタイムチャートである。
アイドリングストップ機能を備えた車両に搭載されている電動パワーステアリング装置のイグニション電圧が、電圧安定化回路によってエンジン再始動時の電圧低下を一定電圧まで昇圧により補償されている場合において、エンジンを再始動すると、バッテリ電圧が低下することでバッテリ電圧とイグニション電圧に電位差が生じる。そして、インバータを構成するFETブリッジ回路のハイサイド側FETのゲート端子には、イグニション電圧を昇圧された電圧が印加されており、ソース端子には電源電圧に応じたインバータ印加電圧が印加されており、ゲート−ソース間電圧は電源電圧が低下するほど大きくなり、ゲート−ソース間に接続されているゲート保護用ツェナーダイオードに印加される電圧も大きくなってしまう。ツェナーダイオードに印加される電圧がツェナー電圧を超えると電流が流れ、自己発熱が発生する。ツェナーダイオードの定格電力を上げるとコストアップと共にサイズが大型化してしまい、搭載性悪化という問題があるため、本発明では、イグニション電圧と電源電圧との差が所定電圧以上となったときにデューティを制限し、ハイサイド側FETのON時間を短くすることで自己発熱を抑制する。このため、ツェナーダイオードの定格電力を上げる必要もなく、安価で小型のツェナーダイオードを使用することができる。
なお、クランキング後のエンジン作動中に電源電圧が復帰し、イグニション電圧とインバータ印加電圧の差が所定電圧よりも小さくなった場合は、徐変によりデューティの制限をなくすようにし、操舵性を損なわないようにしている。また、所定時間が経過した場合には積算電力を0にクリアするようにしており、積算電力を自己発熱温度と正しく対応付けすることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図4は本発明に係る電動パワーステアリング装置のコントロールユニット100の構成例を示すブロック図であり、前述した図2に対応させて示す構成図であるので、同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るコントロールユニット100には、3相各相の損失電力Pzを演算する損失電力演算部110と、3相各相電力の積算損失Wzを演算する積算損失演算部112と、周囲温度Tfを計測する温度センサ114と、計測された温度Tfから許容損失ALを演算する許容損失演算部115と、許容損失ALから積算損失Wzを減算する減算部113と、許容損失ALと積算損失Wzの損失差の最小値LDを3相の中から選択して出力する最小値選択部120と、選択された最小値の損失差LD及び許容損失ALに基づいてデューティの制限値Lvを演算する制限値演算部130と、制限値Lvの加減速度(レート)を制限(徐変)するレートリミッタ131とが新たに設けられている。レートリミッタ131でレートを制限された制限値LmはPWM制御部105に入力され、デューティが制限されたPWM信号PSmを出力する。
損失電力演算部110には3相のPWM信号PSm、イグニション電圧Vb及びインバータ印加電圧Vrが入力されており、損失電力演算部110はPWM信号PSm、イグニション電圧Vb及びインバータ印加電圧Vrに基づいて各相ツェナーダイオード(DZ1〜DZ3)の損失電力Pzを演算し、演算された各相の損失電力Pzを出力する。損失電力Pzは、ツェナーダイオードが自己発熱する条件、つまり“イグニション電圧Vb−インバータ印加電圧Vr≧所定電圧Vc”が成立するときのみ演算して出力し、上記自己発熱する条件が成立しないときには、損失電力Pzが発生しないので0を出力する。
積算損失演算部112は、今回(サンプリング)の損失電力Pzと前回(サンプリング)の損失電力Pz(Z−1)を加算して積算損失Wzを演算し、演算で求めた積算損失Wzを減算部113に減算入力する。つまり、損失電力Pzを時間積算し、ツェナーダイオードの積算損失Wzを下記数2に従って演算する。
(数2)
Wz=ΣPz・Δt
ただし、Δtは処理時間である。
積算損失Wzは、“イグニション電圧Vb−インバータ印加電圧Vr<所定電圧Vc”となる時間が所定時間(T)継続した場合は、ツェナーダイオードの自己発熱による温度が低下したと判断できるため、0にクリアする。
許容損失演算部115は計測された温度Tfに応じてツェナーダイオードの許容損失ALを算出する。ツェナーダイオードの許容損失は許容できる温度上昇の程度で決まるが、周囲温度が変わるとツェナーダイオードの許容できる温度上昇変動するので、周囲温度Tfに応じて許容損失ALを算出する必要がある。算出された許容損失ALは減算部113に加算入力される。
減算部113は許容損失演算部115で演算された許容損失ALから積算電力Wzを減算し(3相分)、減算結果(損失差)を最小値選択部120に入力する。最小値選択部120は、3相の中の最小値の損失差を選択して損失差LDとして出力する。
制限値演算部130は最小値選択部120で選択された最小値の損失差LDと、許容損失ALとに基づいてデユーティの制限値Lvを演算する。制限値Lvの演算は図5に示すように損失差LDに対して線形になっており、許容損失ALが低いほどゲイン特性を大きくして制限値Lvを出力するようになっている。制限値Lvはツェナーダイオードが自己発熱する条件、即ち“イグニション電圧Vb−インバータ印加電圧Vr≧所定電圧Vc”が成立するときのみ算出して出力し、上記条件が成立しないときは損失電力Pzが発生しないので、デューティ100%(制限値Lv=0)を出力する。
レートリミッタ131は、デューティ制限解除時は操舵違和感を抑制するため、徐変する。
このような構成において、その動作例を図6のフローチャートを参照して説明する。
車両のイグニッションキー11がオンされると、イグニション電圧Vbを計測して入力し、インバータ印加電圧Vrを計測して入力すると共に、PWM信号PSmを入力する(ステップS1)。そして、“イグニション電圧Vb−インバータ印加電圧Vr”が所定電圧Vc以上であるか否かを判定し(ステップS2)、イグニション電圧Vb−インバータ印加電圧Vr”が所定電圧Vc以上である場合には損失電力演算部110は、イグニション電圧Vb、インバータ印加電圧Vr及びPWM信号PSmに基づいて損失電力Pzを演算し(ステップS3)、積算損失演算部112は、損失電力Pzに基づいて積算損失Wzを演算する(ステップS10)。
次に、温度センサ114から計測された温度Tfを入力し(ステップS11)、許容損失演算部115は温度Tfに基づいて許容損失ALを演算し(ステップS12)、減算部113で“許容損失AL−積算損失Wz”を各相について演算する(ステップS13)。“許容損失AL−積算損失Wz”の減算結果は最小値選択部120に入力され、3相のうちの最小値の損失差LDが選択されて出力される(ステップS14)。選択された損失差LDは制限値演算部130に入力され、制限値演算部130は、温度Tfをパラメータとして図5に示すように損失差LDに比例する特性で制限値Lvを演算する(ステップS15)。演算された制限値Lvはレートリミッタ131で徐変処理され(ステップS16)、徐変された制限値LmがPWM制御部105に入力されてPWM制御される。
一方、上記ステップS2で、“イグニション電圧Vb−インバータ印加電圧Vr”が所定電圧Vcよりも小さいと判定された場合には、その時点からの経過時間を計測し(ステップS4)、経過時間が所定時間T以上となったときに(ステップS5)、積算損失演算部112の積算電力Wzを0にクリアし(ステップS7)、上記ステップS11に進む。また、上記ステップS5で、経過時間が所定時間T未満の場合には、“0”を出力して上記ステップS10に進む(ステップS6)。
図7(A)〜(E)は本発明の一動作例を示しており、図7(A)はインバータ印加電圧Vrの変化の様子を示しており、図7(B)はイグニション電圧Vb−インバータ印加電圧Vrの変化の様子を所定電圧Vcとの関係で示している。また、図7(C)は損失電力Pzを、図7(D)は積算電力Wzをそれぞれ示し、図7(E)はデューティの制限値Lmを示している。
時点t1にクランキングとなり、インバータ印加電圧Vrが図7(A)のように変化(低下)すると、イグニション電圧Vb−インバータ印加電圧Vrが図7(B)のように変化(上昇)し、時点t2に差“Vb−Vr”が所定電圧Vcとなる。差“Vb−Vr”が所定電圧Vc以上となる時点t2以降、インバータ印加電圧Vrは更に低下すると共に、差“Vb−Vr”は上昇し、損失電力Pz及び積算電力Wzは上昇し(図7(C)及び(D))、制限値Lmは低下する。その後、インバータ印加電圧Vrが一定値(例えば6V)で下げ止まり、一定値を保持した後徐々に上昇に転じる(図7(A))。このようなインバータ印加電圧Vrの変化に対応して、差“Vb−Vr”も図7(B)に示すように一定値で上げ止まり、一定値を保持した後徐々に低下し、遂には時点t3において差“Vb−Vr”が所定電圧Vcとなる。この時点t3以降、損失電力Pzの演算は停止され(図7(C))、所定時間Tが経過した時点t4においては積算損失演算部112の積算損失Wzが0にクリアされ、以後損失演算は停止される(図7(D))。また、差“Vb−Vr”が所定電圧Vcとなる時点t3以降、制限値Lmは図7(E)に示すように徐変され、遂には100%となる。
なお、上述の実施形態では3相について説明しているが、他の相数についても同様に適用でき、制限値演算部130は、損失差LDに比例する制限値Lvの例(図5)を示しているが、非線形の関数特性であっても良い。また、イグニション電圧Vb、インバータ印加電圧Vr、温度Tf、操舵トルクTr、車速Velの入力タイミングは適宜変更可能である。
1 操向ハンドル
10 トルクセンサ
12 車速センサ
13 バッテリ
20 モータ
30 電圧安定化回路
100 コントロールユニット
101 操舵補助指令値演算部
102 最大出力制限部
103,113 減算部
104 電流制御部
105 PWM制御部
106 モータ駆動回路
107 モータ電流検出回路
110 損失電力演算部
112 積算損失演算部
114 温度センサ
115 許容損失演算部
120 最小値選択部
130 制限値演算部
131 レートリミッタ

Claims (5)

  1. 操舵トルク及び車速に基づいて操舵補助指令値を演算し、前記操舵補助指令値に基づいてPWM信号を生成し、FET保護用のツェナーダイオードを搭載したFETブリッジ回路を介してモータをPWM駆動し、前記モータのPWM駆動によって操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、
    イグニション電圧とインバータ印加電圧の差が所定電圧以上のときに、前記ツェナーダイオードの損失電力を演算する損失電力演算部と、前記損失電力の積算電力を演算する積算損失演算部と、温度に基づいて前記ツェナーダイオードの許容損失を演算する許容損失演算部と、前記許容損失及び前記積算損失の損失差の最小値を選択する最小値選択部と、前記損失差の最小値及び前記許容損失に基づいて前記PWM信号の制限値を演算する制限値演算部とを具備したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記制限値のレートを制限するレートリミッタが更に設けられている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記差が前記所定電圧以上となった後、前記差が前記所定電圧よりも小さくなってからの経過時間が所定時間となったときに、前記積算損失演算部の前記積算損失を0にクリアするようになっている請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記制限値演算部が、前記損失差の最小値に対して比例する関係で前記制限値を出力するようになっている請求項1乃至3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記制限値演算部の出力特性ゲインが、前記温度が高くなるに従って大きくなっている請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
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