JPH0733042A - 電気モ−タ駆動機器の電圧補償装置 - Google Patents
電気モ−タ駆動機器の電圧補償装置Info
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- JPH0733042A JPH0733042A JP18248993A JP18248993A JPH0733042A JP H0733042 A JPH0733042 A JP H0733042A JP 18248993 A JP18248993 A JP 18248993A JP 18248993 A JP18248993 A JP 18248993A JP H0733042 A JPH0733042 A JP H0733042A
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- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電源電圧に応じた補償を実施する装置におい
て、電圧検出ラインの断線等の故障に対して、装置の駆
動トルクや速度が異常に変化するのを防止する。 【構成】 独立した複数系統の電圧検出ラインP1,P
2を設け、互いに異なる位置で複数の電圧PIGA,P
IGBを検出し、検出した複数の電圧に基づいて補償を
実施する。複数の電圧の差が大きい時には、最大の電圧
に基づいて補償し、差が小さい時には複数の平均電圧に
基づいて補償する。下限電圧又は上限電圧の範囲を越え
る時には、下限電圧又は上限電圧を用いて補償する。
て、電圧検出ラインの断線等の故障に対して、装置の駆
動トルクや速度が異常に変化するのを防止する。 【構成】 独立した複数系統の電圧検出ラインP1,P
2を設け、互いに異なる位置で複数の電圧PIGA,P
IGBを検出し、検出した複数の電圧に基づいて補償を
実施する。複数の電圧の差が大きい時には、最大の電圧
に基づいて補償し、差が小さい時には複数の平均電圧に
基づいて補償する。下限電圧又は上限電圧の範囲を越え
る時には、下限電圧又は上限電圧を用いて補償する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気モ−タ駆動機器の
電圧補償装置に関する。
電圧補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車に搭載される各種電動装置
においては、その電源は車上バッテリ−から供給され
る。従って、一定でない電源電圧が駆動源の電気モ−タ
に印加されるので、特別な補償制御をしない限り、電気
モ−タのトルクや駆動速度は、バッテリ−電圧の変動に
伴なって変化する。電圧変動に応じた電気モ−タのトル
クや駆動速度の変動は、様々な弊害をもたらすので、こ
の種の電動装置においては、従来より電源電圧の変動を
補償するための制御を実施している。
においては、その電源は車上バッテリ−から供給され
る。従って、一定でない電源電圧が駆動源の電気モ−タ
に印加されるので、特別な補償制御をしない限り、電気
モ−タのトルクや駆動速度は、バッテリ−電圧の変動に
伴なって変化する。電圧変動に応じた電気モ−タのトル
クや駆動速度の変動は、様々な弊害をもたらすので、こ
の種の電動装置においては、従来より電源電圧の変動を
補償するための制御を実施している。
【0003】例えば、特開昭64−74175号公報に
開示された「前後輪操舵車両の操舵制御装置」において
は、車上バッテリ−の電圧を検出し、検出した電圧の変
化に応じて電気モ−タへの制御出力値を補正し、電気モ
−タへ供給される電力が一定になるように制御してい
る。
開示された「前後輪操舵車両の操舵制御装置」において
は、車上バッテリ−の電圧を検出し、検出した電圧の変
化に応じて電気モ−タへの制御出力値を補正し、電気モ
−タへ供給される電力が一定になるように制御してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、各種電動装
置においては、配線上の断線やコネクタ部分での接触不
良等が生じる場合がある。仮に前記特開昭64−741
75号公報のような装置において、バッテリ−の電圧を
検出する信号線に断線が生じた場合、制御装置は、バッ
テリ−の電圧が異常に低下したとみなし、電気モ−タへ
の制御出力値を大幅に増加させ、電気モ−タに印加され
る電力が異常に増大する。この種の異常が発生すると、
モ−タのトルクや駆動速度が急激に変化するので、例え
ば4輪操舵装置においては、操舵フィ−リングが変化し
たり、後輪操舵系で操舵のハンチングが生じる。
置においては、配線上の断線やコネクタ部分での接触不
良等が生じる場合がある。仮に前記特開昭64−741
75号公報のような装置において、バッテリ−の電圧を
検出する信号線に断線が生じた場合、制御装置は、バッ
テリ−の電圧が異常に低下したとみなし、電気モ−タへ
の制御出力値を大幅に増加させ、電気モ−タに印加され
る電力が異常に増大する。この種の異常が発生すると、
モ−タのトルクや駆動速度が急激に変化するので、例え
ば4輪操舵装置においては、操舵フィ−リングが変化し
たり、後輪操舵系で操舵のハンチングが生じる。
【0005】また、車上の各種電動装置と車上バッテリ
−とは、通常、比較的長い配線を介して接続されている
ので、モ−タが比較的大きな電流を消費する場合、配線
による電圧降下はかなり大きくなる。実際には、配線に
より1V程度の電圧降下が生じる場合もある。従って、
各々の装置の電源ラインの電圧と車上バッテリ−の電圧
とが大きく異なる場合もある。そのため、検出したバッ
テリ−電圧に基づいて、電気モ−タへの制御出力値を補
償するような制御を実施する場合、バッテリ−電圧を検
出する配線上の位置によっては、検出誤差が大きく、正
確な補償ができない場合がある。
−とは、通常、比較的長い配線を介して接続されている
ので、モ−タが比較的大きな電流を消費する場合、配線
による電圧降下はかなり大きくなる。実際には、配線に
より1V程度の電圧降下が生じる場合もある。従って、
各々の装置の電源ラインの電圧と車上バッテリ−の電圧
とが大きく異なる場合もある。そのため、検出したバッ
テリ−電圧に基づいて、電気モ−タへの制御出力値を補
償するような制御を実施する場合、バッテリ−電圧を検
出する配線上の位置によっては、検出誤差が大きく、正
確な補償ができない場合がある。
【0006】従って本発明は、電気モ−タ駆動機器の電
圧補償装置において、配線の断線等に対する装置の信頼
性を高めること、及びできる限り正確な補償を実施する
ことを課題とする。
圧補償装置において、配線の断線等に対する装置の信頼
性を高めること、及びできる限り正確な補償を実施する
ことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第1番の発明では、電源(BT),電気モ−タ(M
1),前記電源と前記電気モ−タとの間に配置され該電
気モ−タの通電を制御する通電制御手段(5,6),及
び前記電源の電圧を検出し検出した電圧に応じて前記電
気モ−タに印加される電力を補償する補償手段、を備え
る電気モ−タ駆動機器の電圧補償装置において:前記電
源とそれぞれ接続された、複数の配線手段(P1,P
2);及び該複数の配線手段のそれぞれを介して前記電
源の電圧を測定し、測定された複数の電圧(PIGA,
PIGB,IGA)のうち、最大の電圧(Vmax)に基
づいて前記電気モ−タに印加される電力を補償する最大
電圧補償手段(52,57);を設ける。
め、第1番の発明では、電源(BT),電気モ−タ(M
1),前記電源と前記電気モ−タとの間に配置され該電
気モ−タの通電を制御する通電制御手段(5,6),及
び前記電源の電圧を検出し検出した電圧に応じて前記電
気モ−タに印加される電力を補償する補償手段、を備え
る電気モ−タ駆動機器の電圧補償装置において:前記電
源とそれぞれ接続された、複数の配線手段(P1,P
2);及び該複数の配線手段のそれぞれを介して前記電
源の電圧を測定し、測定された複数の電圧(PIGA,
PIGB,IGA)のうち、最大の電圧(Vmax)に基
づいて前記電気モ−タに印加される電力を補償する最大
電圧補償手段(52,57);を設ける。
【0008】また第2番の発明では、電源(BT),電
気モ−タ(M1),前記電源と前記電気モ−タとの間に
配置され該電気モ−タの通電を制御する通電制御手段
(5,6),及び前記電源の電圧を検出し検出した電圧
に応じて前記電気モ−タに印加される電力を補償する補
償手段、を備える電気モ−タ駆動機器の電圧補償装置に
おいて:前記電源とそれぞれ接続された、複数の配線手
段(PIGA,PIGB,IGA);該複数の配線手段
のそれぞれを介して前記電源の電圧を測定し、測定され
た複数の電圧のうち、最大の電圧と最小の電圧との差分
(ΔV)を検出する差分検出手段(62);該差分検出
手段が検出した差分が所定しきい値より大きい時には、
前記最大の電圧に基づいて前記電気モ−タに印加される
電力を補償する最大電圧補償手段(63,64,6
A);及び前記差分検出手段が検出した差分が前記しき
い値以内の時には、前記複数の電圧の平均値に基づいて
前記電気モ−タに印加される電力を補償する平均電圧補
償手段(63,65,6A);を設ける。
気モ−タ(M1),前記電源と前記電気モ−タとの間に
配置され該電気モ−タの通電を制御する通電制御手段
(5,6),及び前記電源の電圧を検出し検出した電圧
に応じて前記電気モ−タに印加される電力を補償する補
償手段、を備える電気モ−タ駆動機器の電圧補償装置に
おいて:前記電源とそれぞれ接続された、複数の配線手
段(PIGA,PIGB,IGA);該複数の配線手段
のそれぞれを介して前記電源の電圧を測定し、測定され
た複数の電圧のうち、最大の電圧と最小の電圧との差分
(ΔV)を検出する差分検出手段(62);該差分検出
手段が検出した差分が所定しきい値より大きい時には、
前記最大の電圧に基づいて前記電気モ−タに印加される
電力を補償する最大電圧補償手段(63,64,6
A);及び前記差分検出手段が検出した差分が前記しき
い値以内の時には、前記複数の電圧の平均値に基づいて
前記電気モ−タに印加される電力を補償する平均電圧補
償手段(63,65,6A);を設ける。
【0009】また第3番の発明では更に、前記複数の電
圧中の最大の電圧もしくは複数の電圧の平均電圧が、予
め定めた下限電圧未満の場合には、該下限電圧に基づい
て前記電気モ−タに印加される電力を補償する下限電圧
補償手段(53,55,66,68)を備える。
圧中の最大の電圧もしくは複数の電圧の平均電圧が、予
め定めた下限電圧未満の場合には、該下限電圧に基づい
て前記電気モ−タに印加される電力を補償する下限電圧
補償手段(53,55,66,68)を備える。
【0010】また第4番の発明では更に、前記複数の電
圧中の最大の電圧もしくは複数の電圧の平均電圧が、予
め定めた上限電圧を越える場合には、該上限電圧に基づ
いて前記電気モ−タに印加される電力を補償する上限電
圧補償手段(54,56,67,69)を備える。
圧中の最大の電圧もしくは複数の電圧の平均電圧が、予
め定めた上限電圧を越える場合には、該上限電圧に基づ
いて前記電気モ−タに印加される電力を補償する上限電
圧補償手段(54,56,67,69)を備える。
【0011】なお上記括弧内に示した記号は、後述する
実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したもの
であるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要
素のみに限定されるものではない。
実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したもの
であるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要
素のみに限定されるものではない。
【0012】
【作用】第1番の発明によれば、複数の配線手段のそれ
ぞれを介して電源の電圧が測定され、得られた複数の電
圧(PIGAとPIGB,又はPIGAとIGA)のう
ち、最大の電圧(Vmax)に基づいて、電気モ−タに印
加される電力の補償が実施される。従って、仮に前記複
数の配線手段の1つが断線し、検出した複数の電圧の1
つが0Vになっても、断線していない残りの配線手段を
介して検出された正常な電源電圧に基づいて、電力の補
償が実施されることになり、電気モ−タの速度及びトル
クが異常に増大するのが防止される。
ぞれを介して電源の電圧が測定され、得られた複数の電
圧(PIGAとPIGB,又はPIGAとIGA)のう
ち、最大の電圧(Vmax)に基づいて、電気モ−タに印
加される電力の補償が実施される。従って、仮に前記複
数の配線手段の1つが断線し、検出した複数の電圧の1
つが0Vになっても、断線していない残りの配線手段を
介して検出された正常な電源電圧に基づいて、電力の補
償が実施されることになり、電気モ−タの速度及びトル
クが異常に増大するのが防止される。
【0013】また第2番の発明によれば、複数の配線手
段のそれぞれを介して電源の電圧が測定され、測定され
た複数の電圧(PIGAとPIGB,又はPIGAとI
GA)の最大の電圧と最小の電圧との差分(ΔV)が検
出される。そして、検出した差分が所定しきい値より大
きい時には、前記最大の電圧に基づいて電気モ−タに印
加される電力が補償され、差分が前記しきい値以内の時
には、前記複数の電圧の平均値に基づいて電気モ−タに
印加される電力が補償される。
段のそれぞれを介して電源の電圧が測定され、測定され
た複数の電圧(PIGAとPIGB,又はPIGAとI
GA)の最大の電圧と最小の電圧との差分(ΔV)が検
出される。そして、検出した差分が所定しきい値より大
きい時には、前記最大の電圧に基づいて電気モ−タに印
加される電力が補償され、差分が前記しきい値以内の時
には、前記複数の電圧の平均値に基づいて電気モ−タに
印加される電力が補償される。
【0014】1つの電源から供給される電圧を、例え
ば、2つの配線手段を介して、2つの位置でそれぞれ測
定する場合、通常は測定される2つの電圧の差は比較的
小さいが、一方の配線手段に断線等が生じると、2つの
電圧の差が異常に大きくなる。即ち、第2番の発明で
は、配線手段に断線等が生じていない時には、検出した
複数の電圧の平均値に基づいて電力の補償を実施し、配
線手段に断線等が生じた時には、検出した複数の電圧の
最大値に基づいて電力の補償を実施する。従って、仮に
前記複数の配線手段の1つが断線し、検出した複数の電
圧の1つが0Vになっても、断線していない残りの配線
手段を介して検出された正常な電源電圧に基づいて、電
力の補償が実施されることになり、電気モ−タの速度及
びトルクが異常に増大するのが防止される。また、断線
が生じていない時には、検出した複数の電圧の平均値に
基づいて電力の補償を実施するので、検出される各々の
電圧に比較的大きな誤差がある場合でも、誤差が平均化
されるので、より正確な補償が実現する。
ば、2つの配線手段を介して、2つの位置でそれぞれ測
定する場合、通常は測定される2つの電圧の差は比較的
小さいが、一方の配線手段に断線等が生じると、2つの
電圧の差が異常に大きくなる。即ち、第2番の発明で
は、配線手段に断線等が生じていない時には、検出した
複数の電圧の平均値に基づいて電力の補償を実施し、配
線手段に断線等が生じた時には、検出した複数の電圧の
最大値に基づいて電力の補償を実施する。従って、仮に
前記複数の配線手段の1つが断線し、検出した複数の電
圧の1つが0Vになっても、断線していない残りの配線
手段を介して検出された正常な電源電圧に基づいて、電
力の補償が実施されることになり、電気モ−タの速度及
びトルクが異常に増大するのが防止される。また、断線
が生じていない時には、検出した複数の電圧の平均値に
基づいて電力の補償を実施するので、検出される各々の
電圧に比較的大きな誤差がある場合でも、誤差が平均化
されるので、より正確な補償が実現する。
【0015】また第3番の発明によれば、前記複数の電
圧中の最大の電圧もしくは複数の電圧の平均電圧が、予
め定めた下限電圧未満の場合、該下限電圧に基づいて電
力の補償が実施される。この下限電圧は、電源電圧の通
常の変動範囲の下限、自動車の場合には例えば10Vに
設定すればよい。仮に前記複数の配線手段の全てが断線
し、検出した複数の電圧の全てが例えば0V程度になっ
た場合、検出したいずれかの電圧に基づいて補償を実施
しようとすれば、実際には補償が必要でない場合でも、
顕著な補償が実施されることになり、電気モ−タの速度
及びトルクが異常に増大する。しかしそのような場合、
第3番の発明では、下限電圧に基づいて電力の補償が実
施されるので、補償の程度が小さく、電気モ−タの速度
及びトルクが異常に増大するのが防止される。しかも、
検出した電圧が下限電圧未満であっても、該下限電圧に
基づいて補償を実施するので、補償しない場合よりも大
きな電力を電気モ−タに印加することができ、実際に電
源電圧が異常低下した時でも、電気モ−タのトルク及び
速度の低下を最小限に抑えることができる。
圧中の最大の電圧もしくは複数の電圧の平均電圧が、予
め定めた下限電圧未満の場合、該下限電圧に基づいて電
力の補償が実施される。この下限電圧は、電源電圧の通
常の変動範囲の下限、自動車の場合には例えば10Vに
設定すればよい。仮に前記複数の配線手段の全てが断線
し、検出した複数の電圧の全てが例えば0V程度になっ
た場合、検出したいずれかの電圧に基づいて補償を実施
しようとすれば、実際には補償が必要でない場合でも、
顕著な補償が実施されることになり、電気モ−タの速度
及びトルクが異常に増大する。しかしそのような場合、
第3番の発明では、下限電圧に基づいて電力の補償が実
施されるので、補償の程度が小さく、電気モ−タの速度
及びトルクが異常に増大するのが防止される。しかも、
検出した電圧が下限電圧未満であっても、該下限電圧に
基づいて補償を実施するので、補償しない場合よりも大
きな電力を電気モ−タに印加することができ、実際に電
源電圧が異常低下した時でも、電気モ−タのトルク及び
速度の低下を最小限に抑えることができる。
【0016】また第4番の発明では、前記複数の電圧中
の最大の電圧もしくは複数の電圧の平均電圧が、予め定
めた上限電圧を越える場合には、該上限電圧に基づいて
前記電気モ−タに印加される電力が補償される。この下
限電圧は、電源電圧の通常の変動範囲の上限、自動車の
場合には例えば16Vに設定すればよい。例えば、マイ
クロコンピュ−タの誤動作やA/D変換の誤りによっ
て、実際の電源電圧が12Vであるにも関わらず、異常
に高い電圧が検出された場合、検出した電圧に基づいて
補償を実施すると、電気モ−タのトルク及び速度が大幅
に低下してしまう。しかしそのような場合、第4番の発
明では、上限電圧に基づいて電力の補償が実施されるの
で、補償の程度が小さく、電気モ−タの速度及びトルク
が異常に低下するのが防止される。しかも、例えば電源
の電圧レギュレ−タの故障により、実際の電源電圧が異
常に上昇した場合、上限電圧に基づいて電力の補償を実
施するので、補償しない場合よりも抑制した電力を電気
モ−タに印加することになるので、電気モ−タのトルク
及び速度の増大を最小限に抑えることができる。
の最大の電圧もしくは複数の電圧の平均電圧が、予め定
めた上限電圧を越える場合には、該上限電圧に基づいて
前記電気モ−タに印加される電力が補償される。この下
限電圧は、電源電圧の通常の変動範囲の上限、自動車の
場合には例えば16Vに設定すればよい。例えば、マイ
クロコンピュ−タの誤動作やA/D変換の誤りによっ
て、実際の電源電圧が12Vであるにも関わらず、異常
に高い電圧が検出された場合、検出した電圧に基づいて
補償を実施すると、電気モ−タのトルク及び速度が大幅
に低下してしまう。しかしそのような場合、第4番の発
明では、上限電圧に基づいて電力の補償が実施されるの
で、補償の程度が小さく、電気モ−タの速度及びトルク
が異常に低下するのが防止される。しかも、例えば電源
の電圧レギュレ−タの故障により、実際の電源電圧が異
常に上昇した場合、上限電圧に基づいて電力の補償を実
施するので、補償しない場合よりも抑制した電力を電気
モ−タに印加することになるので、電気モ−タのトルク
及び速度の増大を最小限に抑えることができる。
【0017】
【実施例】本発明を実施する一形式の自動車用4輪操舵
システムの構成を図1に示す。図1を参照してこのシス
テムの概略を説明する。前側の車輪TFL及びTFR
は、ドライバがステアリングホイ−ルWHを回すことに
よって、手動で操舵することができる。即ち、ステアリ
ングホイ−ルWHが回転すると、それら連結された軸S
Hが回転し、図示しないラック&ピニオン機構を介し
て、軸SHと連結されたロッドFSRが左右方向に移動
する。ロッドFSRの移動に伴なって、車輪TFL及び
TFRの向きが変わる。
システムの構成を図1に示す。図1を参照してこのシス
テムの概略を説明する。前側の車輪TFL及びTFR
は、ドライバがステアリングホイ−ルWHを回すことに
よって、手動で操舵することができる。即ち、ステアリ
ングホイ−ルWHが回転すると、それら連結された軸S
Hが回転し、図示しないラック&ピニオン機構を介し
て、軸SHと連結されたロッドFSRが左右方向に移動
する。ロッドFSRの移動に伴なって、車輪TFL及び
TFRの向きが変わる。
【0018】一方、後側の車輪TRL及びTRRの向き
も調整可能になっており、この操舵角は前輪側の舵角等
に応じて自動的に調整される。この例では、後輪の目標
舵角を決定するための情報は、前輪舵角センサSS,P
F,車速センサVL,VR及びヨ−レ−トセンサYSか
ら入力され、これらの情報に基づいて制御ユニットEC
Uが後輪の目標舵角を決定する。前輪舵角センサSS
は、軸SHに装着されたポテンショメ−タであり、前輪
舵角センサPFは、ロッドFSRの移動量に応じたパル
ス信号を出力するロ−タリ−エンコ−ダである。車速セ
ンサVL及びVRは、それぞれ左車輪及び右車輪の速度
を検出する。後輪側のロッド1の近傍には、後輪舵角セ
ンサPRが設置されている。
も調整可能になっており、この操舵角は前輪側の舵角等
に応じて自動的に調整される。この例では、後輪の目標
舵角を決定するための情報は、前輪舵角センサSS,P
F,車速センサVL,VR及びヨ−レ−トセンサYSか
ら入力され、これらの情報に基づいて制御ユニットEC
Uが後輪の目標舵角を決定する。前輪舵角センサSS
は、軸SHに装着されたポテンショメ−タであり、前輪
舵角センサPFは、ロッドFSRの移動量に応じたパル
ス信号を出力するロ−タリ−エンコ−ダである。車速セ
ンサVL及びVRは、それぞれ左車輪及び右車輪の速度
を検出する。後輪側のロッド1の近傍には、後輪舵角セ
ンサPRが設置されている。
【0019】後輪操舵機構10には、電気モ−タM1が
設置されており、電気モ−タM1の駆動軸は、所定の歯
車機構を介して、後輪側のロッド(ラック)1と連結さ
れている。従って、電気モ−タM1を駆動することによ
り、ロッド1を左右方向に動かし、後輪TRL及びTR
Rの向きを調整することができる。電気モ−タM1に
は、その回転子の磁極の位置を検出する磁極センサRS
が備わっている。
設置されており、電気モ−タM1の駆動軸は、所定の歯
車機構を介して、後輪側のロッド(ラック)1と連結さ
れている。従って、電気モ−タM1を駆動することによ
り、ロッド1を左右方向に動かし、後輪TRL及びTR
Rの向きを調整することができる。電気モ−タM1に
は、その回転子の磁極の位置を検出する磁極センサRS
が備わっている。
【0020】図1のシステムの電気回路の構成を図2に
示す。図2を参照すると、マイクロコンピュ−タ3,イ
ンタ−フェ−ス4,リレ−ドライバ7,電圧レギュレ−
タ8等が図1に示す制御ユニットECUを構成してい
る。前輪舵角センサPF,SSからの信号θf1及びθ
f2,後輪舵角センサPRからの信号θr,車速センサ
VL,VRからの信号V1及びV2,ヨ−レ−トセンサ
YSからの信号γ,磁極センサRSからの信号HA,H
B及びHCは、それぞれインタ−フェ−ス4を介して、
マイクロコンピュ−タ3に入力される。
示す。図2を参照すると、マイクロコンピュ−タ3,イ
ンタ−フェ−ス4,リレ−ドライバ7,電圧レギュレ−
タ8等が図1に示す制御ユニットECUを構成してい
る。前輪舵角センサPF,SSからの信号θf1及びθ
f2,後輪舵角センサPRからの信号θr,車速センサ
VL,VRからの信号V1及びV2,ヨ−レ−トセンサ
YSからの信号γ,磁極センサRSからの信号HA,H
B及びHCは、それぞれインタ−フェ−ス4を介して、
マイクロコンピュ−タ3に入力される。
【0021】後輪操舵駆動用の電気モ−タM1は、モ−
タドライバ5及び6を介して、マイクロコンピュ−タ3
と接続されており、マイクロコンピュ−タ3により制御
される。この実施例で用いている電気モ−タM1は、ブ
ラシレスモ−タであり、回転子に4つの磁極を有し、固
定子に設けられた3相2系統の巻線11u,11v,1
1w,12u,12v及び12wを有している。巻線1
1u,11v及び11wと巻線12u,12v及び12
wとは互いに独立しており、いずれの系統の巻線を通電
しても、電気モ−タM1に駆動力を与えることができ
る。この実施例では、2系統の巻線SA及びSBを同時
に励磁し、それらを並列に使用して電気モ−タM1を駆
動している。マイクロコンピュ−タ3は、電気モ−タM
1を制御するために、パルス幅変調信号PWMと相切換
信号群Lを出力しており、これらの信号は、2組のモ−
タドライバ5及び6に共通に入力される。
タドライバ5及び6を介して、マイクロコンピュ−タ3
と接続されており、マイクロコンピュ−タ3により制御
される。この実施例で用いている電気モ−タM1は、ブ
ラシレスモ−タであり、回転子に4つの磁極を有し、固
定子に設けられた3相2系統の巻線11u,11v,1
1w,12u,12v及び12wを有している。巻線1
1u,11v及び11wと巻線12u,12v及び12
wとは互いに独立しており、いずれの系統の巻線を通電
しても、電気モ−タM1に駆動力を与えることができ
る。この実施例では、2系統の巻線SA及びSBを同時
に励磁し、それらを並列に使用して電気モ−タM1を駆
動している。マイクロコンピュ−タ3は、電気モ−タM
1を制御するために、パルス幅変調信号PWMと相切換
信号群Lを出力しており、これらの信号は、2組のモ−
タドライバ5及び6に共通に入力される。
【0022】このシステムの電源は、自動車のバッテリ
−BT及び図示しない発電機から供給される。バッテリ
−BTの負極はア−スに接続されている。また、バッテ
リ−BTの正極は、ヒュ−ズF1及びリレ−11の接点
を介して電源ラインP1に接続され、ヒュ−ズF2及び
リレ−12の接点を介して電源ラインP2に接続され、
更にヒュ−ズF3,イグニッションスイッチIGS及び
ヒュ−ズF4又はF5を介して、電源ラインIGA又は
IGBに接続されている。マイクロコンピュ−タ3の電
源電圧Vccは、電源ラインIGAに接続された電圧レギ
ュレ−タ8によって生成される。電気モ−タM1の一方
の系統の巻線SAには、モ−タドライバ5に接続された
電源ラインP1から電力が供給され、他方の系統の巻線
SBには、モ−タドライバ5に接続された電源ラインP
2から電力が供給される。PIGAは電源ラインP1の
電圧を示し、PIGBは電源ラインP2の電圧を示す。
−BT及び図示しない発電機から供給される。バッテリ
−BTの負極はア−スに接続されている。また、バッテ
リ−BTの正極は、ヒュ−ズF1及びリレ−11の接点
を介して電源ラインP1に接続され、ヒュ−ズF2及び
リレ−12の接点を介して電源ラインP2に接続され、
更にヒュ−ズF3,イグニッションスイッチIGS及び
ヒュ−ズF4又はF5を介して、電源ラインIGA又は
IGBに接続されている。マイクロコンピュ−タ3の電
源電圧Vccは、電源ラインIGAに接続された電圧レギ
ュレ−タ8によって生成される。電気モ−タM1の一方
の系統の巻線SAには、モ−タドライバ5に接続された
電源ラインP1から電力が供給され、他方の系統の巻線
SBには、モ−タドライバ5に接続された電源ラインP
2から電力が供給される。PIGAは電源ラインP1の
電圧を示し、PIGBは電源ラインP2の電圧を示す。
【0023】リレ−11及び12の各接点は、通常はそ
れぞれスプリングの力で開いているが、各々のソレノイ
ドに通電することにより閉じることができる。これらの
ソレノイドの通電は、マイクロコンピュ−タ3の制御に
より、リレ−ドライバ7を介して行なわれる。通常は、
イグニッションキ−の操作によりイグニッションスイッ
チIGSがオンした直後に、マイクロコンピュ−タ3が
リレ−11及び12の各接点を閉じる。それによって、
電源ラインP1及びP2にそれぞれ電力が供給される。
れぞれスプリングの力で開いているが、各々のソレノイ
ドに通電することにより閉じることができる。これらの
ソレノイドの通電は、マイクロコンピュ−タ3の制御に
より、リレ−ドライバ7を介して行なわれる。通常は、
イグニッションキ−の操作によりイグニッションスイッ
チIGSがオンした直後に、マイクロコンピュ−タ3が
リレ−11及び12の各接点を閉じる。それによって、
電源ラインP1及びP2にそれぞれ電力が供給される。
【0024】電源ラインP1とア−スとの間には大容量
のコンデンサCAが接続されており、電源ラインP2と
ア−スとの間には大容量のコンデンサCBが接続されて
いる。これらのコンデンサCA及びCBは、それぞれ巻
線SA及びSBに通電した時の配線の電圧降下による電
圧変動を抑制するために設けられている。また、電源ラ
インP1及びP2は、各々、マイクロコンピュ−タ3の
A/D変換入力端子AD1及びAD2に接続されてい
る。従って、マイクロコンピュ−タ3は、電源ラインP
1の電圧PIGA及び電源ラインP2の電圧PIGBを
測定し入力することができる。
のコンデンサCAが接続されており、電源ラインP2と
ア−スとの間には大容量のコンデンサCBが接続されて
いる。これらのコンデンサCA及びCBは、それぞれ巻
線SA及びSBに通電した時の配線の電圧降下による電
圧変動を抑制するために設けられている。また、電源ラ
インP1及びP2は、各々、マイクロコンピュ−タ3の
A/D変換入力端子AD1及びAD2に接続されてい
る。従って、マイクロコンピュ−タ3は、電源ラインP
1の電圧PIGA及び電源ラインP2の電圧PIGBを
測定し入力することができる。
【0025】このシステムの制御ユニット(ECU)及
びドライバにバッテリ−BTの電力を供給するワイヤハ
−ネスの構成及び配置を図9に示す。図9を参照する
と、ヒュ−ズ,リレ−などはエンジンル−ム内にあり、
制御ユニット及びドライバはラゲ−ジ内にある。エンジ
ンル−ム内のバッテリ−BTとラゲ−ジ内の制御ユニッ
ト及びドライバは、ワイヤハ−ネスを介して接続されて
いる。システムの信頼性を高めるため、このワイヤハ−
ネスの電源ラインは二重化されており、ワイヤハ−ネス
の途中に介在されたコネクタ(CNA1,CNA2,C
NB1,CNB2)も、系統毎に独立している。
びドライバにバッテリ−BTの電力を供給するワイヤハ
−ネスの構成及び配置を図9に示す。図9を参照する
と、ヒュ−ズ,リレ−などはエンジンル−ム内にあり、
制御ユニット及びドライバはラゲ−ジ内にある。エンジ
ンル−ム内のバッテリ−BTとラゲ−ジ内の制御ユニッ
ト及びドライバは、ワイヤハ−ネスを介して接続されて
いる。システムの信頼性を高めるため、このワイヤハ−
ネスの電源ラインは二重化されており、ワイヤハ−ネス
の途中に介在されたコネクタ(CNA1,CNA2,C
NB1,CNB2)も、系統毎に独立している。
【0026】例えば、コネクタCNA1又はCNA2が
外れるような故障が生じた場合、制御ユニット及びドラ
イバの電源ラインPIGA,RLYA,IGA及びPG
NDに電力が供給されなくなるので、一般のシステムで
あれば、その時に電気モ−タM1を動かすことはできな
くなる。その結果、自動車が直進する時でも後輪の舵角
が中立に戻らない、という不具合が生じる。しかしこの
実施例では、例えば、一系統のコネクタCNA1又はC
NA2が外れても、別系統のコネクタCNB1及びCN
B2が同時に外れない限り、制御ユニット及びドライバ
の電源ラインPIGB,RLYB,IGB及びPGND
に電力が供給されるので、電気モ−タM1を動かすこと
ができる。
外れるような故障が生じた場合、制御ユニット及びドラ
イバの電源ラインPIGA,RLYA,IGA及びPG
NDに電力が供給されなくなるので、一般のシステムで
あれば、その時に電気モ−タM1を動かすことはできな
くなる。その結果、自動車が直進する時でも後輪の舵角
が中立に戻らない、という不具合が生じる。しかしこの
実施例では、例えば、一系統のコネクタCNA1又はC
NA2が外れても、別系統のコネクタCNB1及びCN
B2が同時に外れない限り、制御ユニット及びドライバ
の電源ラインPIGB,RLYB,IGB及びPGND
に電力が供給されるので、電気モ−タM1を動かすこと
ができる。
【0027】2組のモ−タドライバ5及び6は、それら
に接続された電源の系統が異なり、それらの出力に接続
されたモ−タの端子が異なる他は互いに同一の構成にな
っている。一方のモ−タドライバ5の内部構成を図3に
示す。図3を参照して説明する。3つの端子U1,V
1,W1と電源ライン(P1及びア−ス)との接続を制
御するために、6個のトランジスタTA11,TB1
1,TC11,TA21,TB21及びTC21が備わ
っている。これらのトランジスタは、全てパワ−MOS
FET素子であり、各々のゲ−ト端子のレベルを制御
することにより、それらの導通をオン/オフすることが
できる。
に接続された電源の系統が異なり、それらの出力に接続
されたモ−タの端子が異なる他は互いに同一の構成にな
っている。一方のモ−タドライバ5の内部構成を図3に
示す。図3を参照して説明する。3つの端子U1,V
1,W1と電源ライン(P1及びア−ス)との接続を制
御するために、6個のトランジスタTA11,TB1
1,TC11,TA21,TB21及びTC21が備わ
っている。これらのトランジスタは、全てパワ−MOS
FET素子であり、各々のゲ−ト端子のレベルを制御
することにより、それらの導通をオン/オフすることが
できる。
【0028】3個のトランジスタTA11,TB11及
びTC11は、ドレイン端子が抵抗器Rs,チョ−クコ
イルTC,及びパタ−ンヒュ−ズPHを介して電源ライ
ンP1と接続されており、ソ−ス端子は、それぞれ電気
モ−タM1の端子U1,V1及びW1と接続されてい
る。また残りのトランジスタTA21,TB21及びT
C21は、ドレイン端子がそれぞれ、電気モ−タM1の
端子U1,V1及びW1と接続され、ソ−ス端子が接地
されている。トランジスタTA11,TB11,TC1
1,TA21,TB21及びTC21の各ドレイン端子
とソ−ス端子との間には、それぞれ保護用のダイオ−ド
D3,D4,D5,D6,D7及びD8が接続されてい
る。また、各トランジスタのゲ−ト端子とソ−ス端子と
の間には、それぞれツェナ−ダイオ−ドが接続されてい
る。
びTC11は、ドレイン端子が抵抗器Rs,チョ−クコ
イルTC,及びパタ−ンヒュ−ズPHを介して電源ライ
ンP1と接続されており、ソ−ス端子は、それぞれ電気
モ−タM1の端子U1,V1及びW1と接続されてい
る。また残りのトランジスタTA21,TB21及びT
C21は、ドレイン端子がそれぞれ、電気モ−タM1の
端子U1,V1及びW1と接続され、ソ−ス端子が接地
されている。トランジスタTA11,TB11,TC1
1,TA21,TB21及びTC21の各ドレイン端子
とソ−ス端子との間には、それぞれ保護用のダイオ−ド
D3,D4,D5,D6,D7及びD8が接続されてい
る。また、各トランジスタのゲ−ト端子とソ−ス端子と
の間には、それぞれツェナ−ダイオ−ドが接続されてい
る。
【0029】トランジスタTA11,TB11及びTC
11のゲ−ト端子には、それぞれ、相切換信号LA1
1,LB11及びLC11が、異常電流制限回路88及
びゲ−トドライバG11を介して印加される。また、ト
ランジスタTA21,TB21及びTC21のゲ−ト端
子には、それぞれ、相切換信号LA21,LB21及び
LC21が、信号合成回路89,異常電流制限回路88
及びゲ−トドライバG21を介して印加される。信号合
成回路89は、マイクロコンピュ−タ3が出力するパル
ス幅変調信号PWMを、各相切換信号LA21,LB2
1及びLC21と合成する。従って、トランジスタTA
11,TB11及びTC11は、それぞれ、相切換信号
LA11,LB11及びLC11によりスイッチングさ
れ、トランジスタTA21,TB21及びTC21は、
それぞれ相切換信号LA21,LB21及びLC21と
パルス幅変調信号PWMとに応じてスイッチングされ
る。
11のゲ−ト端子には、それぞれ、相切換信号LA1
1,LB11及びLC11が、異常電流制限回路88及
びゲ−トドライバG11を介して印加される。また、ト
ランジスタTA21,TB21及びTC21のゲ−ト端
子には、それぞれ、相切換信号LA21,LB21及び
LC21が、信号合成回路89,異常電流制限回路88
及びゲ−トドライバG21を介して印加される。信号合
成回路89は、マイクロコンピュ−タ3が出力するパル
ス幅変調信号PWMを、各相切換信号LA21,LB2
1及びLC21と合成する。従って、トランジスタTA
11,TB11及びTC11は、それぞれ、相切換信号
LA11,LB11及びLC11によりスイッチングさ
れ、トランジスタTA21,TB21及びTC21は、
それぞれ相切換信号LA21,LB21及びLC21と
パルス幅変調信号PWMとに応じてスイッチングされ
る。
【0030】ゲ−トドライバG11及びG21は、比較
的低い電圧の相切換信号LA11,LB11,LC1
1,LA21,LB21及びLC21を、それぞれトラ
ンジスタTA11,TB11,TC11,TA21,T
B21及びTC21をスイッチングするのに必要な比較
的高い電圧に昇圧する。ゲ−トドライバG11が出力す
る信号RV1のレベルは、昇圧された信号LA11,L
B11及びLC11のレベルに対応する。信号RV1は
マイクロコンピュ−タ3に入力される。
的低い電圧の相切換信号LA11,LB11,LC1
1,LA21,LB21及びLC21を、それぞれトラ
ンジスタTA11,TB11,TC11,TA21,T
B21及びTC21をスイッチングするのに必要な比較
的高い電圧に昇圧する。ゲ−トドライバG11が出力す
る信号RV1のレベルは、昇圧された信号LA11,L
B11及びLC11のレベルに対応する。信号RV1は
マイクロコンピュ−タ3に入力される。
【0031】電流検出回路86は、抵抗器Rsの両端の
電圧を入力し、その電圧によって電気モ−タM1の巻線
に流れる電流の値を検出する。また電流検出回路86
は、検出した電流値を予め定めた2種類のしきい値とそ
れぞれ比較した結果を、2種類の2値信号MOC1及び
MS1として出力する。これらの信号MOC1及びMS
1は、過電流検出信号として、それぞれ信号合成回路8
9及び異常電流制限回路88に印加される。また、電流
検出回路86で検出された電流値は、ピ−クホ−ルド回
路101にも印加される。ピ−クホ−ルド回路101で
検出されたピ−ク電流値MI1は、マイクロコンピュ−
タ3に入力される。DR1はリセット信号である。
電圧を入力し、その電圧によって電気モ−タM1の巻線
に流れる電流の値を検出する。また電流検出回路86
は、検出した電流値を予め定めた2種類のしきい値とそ
れぞれ比較した結果を、2種類の2値信号MOC1及び
MS1として出力する。これらの信号MOC1及びMS
1は、過電流検出信号として、それぞれ信号合成回路8
9及び異常電流制限回路88に印加される。また、電流
検出回路86で検出された電流値は、ピ−クホ−ルド回
路101にも印加される。ピ−クホ−ルド回路101で
検出されたピ−ク電流値MI1は、マイクロコンピュ−
タ3に入力される。DR1はリセット信号である。
【0032】図2に示すマイクロコンピュ−タ3の制御
の主要部分の構成を図4に示す。なお図4において、各
ブロック内に示すグラフは、横軸が入力値のレベルを示
し、縦軸が出力値のレベルを示している。
の主要部分の構成を図4に示す。なお図4において、各
ブロック内に示すグラフは、横軸が入力値のレベルを示
し、縦軸が出力値のレベルを示している。
【0033】図4を参照して説明する。目標舵角演算処
理41では、マイクロコンピュ−タ3は、前輪舵角セン
サPF,SSからの信号θf1及びθf2,車速センサ
VL,VRからの信号V1及びV2,及びヨ−レ−トセ
ンサYSからの信号γに基づいて、後輪操舵用の目標舵
角AGLAを生成する。微分処理42では、目標舵角A
GLAを入力し、それの微分値SAGLAを生成する。
次の変換処理43では、微分値SAGLAを入力し、予
め定めた変換マップに従って、微分ゲインYTDIFGAINを
生成する。減算処理44では、目標舵角AGLAからフ
ィ−ドバック量RAGLを減算し、舵角誤差ΔAGLを
生成する。次の変換処理45では、舵角誤差ΔAGLを
入力し、予め定めた変換マップに従って、制御量ETH
2を生成する。
理41では、マイクロコンピュ−タ3は、前輪舵角セン
サPF,SSからの信号θf1及びθf2,車速センサ
VL,VRからの信号V1及びV2,及びヨ−レ−トセ
ンサYSからの信号γに基づいて、後輪操舵用の目標舵
角AGLAを生成する。微分処理42では、目標舵角A
GLAを入力し、それの微分値SAGLAを生成する。
次の変換処理43では、微分値SAGLAを入力し、予
め定めた変換マップに従って、微分ゲインYTDIFGAINを
生成する。減算処理44では、目標舵角AGLAからフ
ィ−ドバック量RAGLを減算し、舵角誤差ΔAGLを
生成する。次の変換処理45では、舵角誤差ΔAGLを
入力し、予め定めた変換マップに従って、制御量ETH
2を生成する。
【0034】微分処理46では、制御量ETH2を入力
し、それの微分値SETH2を生成する。掛算処理47
では、微分値SETH2と微分ゲインYTDIFGAINとの積
を計算し、その結果を制御量DAGLAとして出力す
る。比例処理4Aでは、制御量ETH2を入力し、それ
に予め定めた比例ゲインを掛けた結果を比例制御量PA
GLAとして出力する。加算処理48では、比例制御量
PAGLAと微分制御量DAGLAとを加算した結果
を、制御量HPIDとして出力する。変換処理49で
は、制御量HPIDを入力し、それを所定の変換マップ
に従って変換した結果を制御舵角ANGとして出力す
る。
し、それの微分値SETH2を生成する。掛算処理47
では、微分値SETH2と微分ゲインYTDIFGAINとの積
を計算し、その結果を制御量DAGLAとして出力す
る。比例処理4Aでは、制御量ETH2を入力し、それ
に予め定めた比例ゲインを掛けた結果を比例制御量PA
GLAとして出力する。加算処理48では、比例制御量
PAGLAと微分制御量DAGLAとを加算した結果
を、制御量HPIDとして出力する。変換処理49で
は、制御量HPIDを入力し、それを所定の変換マップ
に従って変換した結果を制御舵角ANGとして出力す
る。
【0035】電圧補償処理4Bでは、その時の電源電圧
を検出し、電圧の高低に応じて制御舵角ANGを補償す
る。補償した結果を、制御舵角ANG2として出力す
る。この処理については、後で詳細に説明する。次のP
WM処理4Dでは、制御舵角ANG2を入力し、それに
基づいてパルス幅変調信号PWMを生成する。即ち、制
御舵角ANG2の大小に応じて、パルス幅変調信号PW
Mのパルス幅が変化する。このパルス幅変調信号PWM
は、前述のモ−タドライバ5及び6に印加され、電気モ
−タM1の付勢に利用される。信号PWMのパルス幅
が、電気モ−タM1の各巻線に印加する電圧を決定す
る。
を検出し、電圧の高低に応じて制御舵角ANGを補償す
る。補償した結果を、制御舵角ANG2として出力す
る。この処理については、後で詳細に説明する。次のP
WM処理4Dでは、制御舵角ANG2を入力し、それに
基づいてパルス幅変調信号PWMを生成する。即ち、制
御舵角ANG2の大小に応じて、パルス幅変調信号PW
Mのパルス幅が変化する。このパルス幅変調信号PWM
は、前述のモ−タドライバ5及び6に印加され、電気モ
−タM1の付勢に利用される。信号PWMのパルス幅
が、電気モ−タM1の各巻線に印加する電圧を決定す
る。
【0036】相切換信号生成処理4Eでは、磁極センサ
RSが出力する信号HA,HB及びHCに基づいて、電
気モ−タM1を回転させるのに必要な相切換信号群Lを
生成し、それらをモ−タドライバ5及び6に印加する。
変換処理4Cでは、磁極センサRSが出力する信号H
A,HB及びHCにより定まる回転角度θmを入力し、
実舵角値RAGLをフィ−ドバック信号として生成す
る。
RSが出力する信号HA,HB及びHCに基づいて、電
気モ−タM1を回転させるのに必要な相切換信号群Lを
生成し、それらをモ−タドライバ5及び6に印加する。
変換処理4Cでは、磁極センサRSが出力する信号H
A,HB及びHCにより定まる回転角度θmを入力し、
実舵角値RAGLをフィ−ドバック信号として生成す
る。
【0037】ところで電気モ−タM1は、図8に示すグ
ラフのような特性を有しており、それの各巻線に印加さ
れる電力の変化に応じて、トルクと回転数(速度)が変
化する。通常、車上バッテリ−の電圧は比較的広い範囲
で変動するので、モ−タドライバに印加する信号PWM
のパルス幅を一定に維持している場合であっても、電気
モ−タM1に印加される電圧は大きく変動し、それの電
力も変動する。従って、特別な補償制御を実施しない
と、バッテリ−の電圧変動に伴なって、電気モ−タM1
トルク及び回転数が変化し、後輪操舵の速度が変わるの
で操舵フィ−リング等に変化が生じる。
ラフのような特性を有しており、それの各巻線に印加さ
れる電力の変化に応じて、トルクと回転数(速度)が変
化する。通常、車上バッテリ−の電圧は比較的広い範囲
で変動するので、モ−タドライバに印加する信号PWM
のパルス幅を一定に維持している場合であっても、電気
モ−タM1に印加される電圧は大きく変動し、それの電
力も変動する。従って、特別な補償制御を実施しない
と、バッテリ−の電圧変動に伴なって、電気モ−タM1
トルク及び回転数が変化し、後輪操舵の速度が変わるの
で操舵フィ−リング等に変化が生じる。
【0038】このような電源電圧変動に伴なう電気モ−
タM1の特性変化を補償するために、この実施例では、
図4の電圧補償処理4Bを実施している。この処理の具
体的な内容を、図5に示す。図5を参照して電圧補償処
理4Bを説明する。最初のステップ51では、アナログ
電圧入力端子AD1を介して電源ラインP1の電圧PI
GAを入力してA/D変換し、アナログ電圧入力端子A
D2を介して電源ラインP2の電圧PIGBを入力して
A/D変換する。次のステップ52では、ステップ51
で入力された2つの電圧PIGA,PIGBのうちいず
れか大きい方のデ−タを、レジスタVmaxにストアす
る。
タM1の特性変化を補償するために、この実施例では、
図4の電圧補償処理4Bを実施している。この処理の具
体的な内容を、図5に示す。図5を参照して電圧補償処
理4Bを説明する。最初のステップ51では、アナログ
電圧入力端子AD1を介して電源ラインP1の電圧PI
GAを入力してA/D変換し、アナログ電圧入力端子A
D2を介して電源ラインP2の電圧PIGBを入力して
A/D変換する。次のステップ52では、ステップ51
で入力された2つの電圧PIGA,PIGBのうちいず
れか大きい方のデ−タを、レジスタVmaxにストアす
る。
【0039】次のステップ53では、レジスタVmax
の内容を予め定めた下限電圧10[V]と比較する。そ
してVmax<10[V]なら、次にステップ55に進
んでレジスタVmaxに下限値の10[V]をストア
し、そうでなければ次にステップ54に進む。ステップ
54では、レジスタVmaxの内容を予め定めた上限電
圧16Vと比較する。そしてVmax>16[V]な
ら、次にステップ56に進んでレジスタVmaxに上限
値の16[V]をストアし、そうでなければ次にステッ
プ57に進む。つまり、レジスタVmaxの内容が下限
値より小さい時にはVmaxの内容は下限値に変更さ
れ、Vmaxの内容が上限値より大きい時にはVmax
の内容は上限値に変更される。
の内容を予め定めた下限電圧10[V]と比較する。そ
してVmax<10[V]なら、次にステップ55に進
んでレジスタVmaxに下限値の10[V]をストア
し、そうでなければ次にステップ54に進む。ステップ
54では、レジスタVmaxの内容を予め定めた上限電
圧16Vと比較する。そしてVmax>16[V]な
ら、次にステップ56に進んでレジスタVmaxに上限
値の16[V]をストアし、そうでなければ次にステッ
プ57に進む。つまり、レジスタVmaxの内容が下限
値より小さい時にはVmaxの内容は下限値に変更さ
れ、Vmaxの内容が上限値より大きい時にはVmax
の内容は上限値に変更される。
【0040】ステップ57では、図4に示す前の処理で
生成された制御舵角ANGと、レジスタVmaxの内容
とに基づいて、補償後の制御舵角ANG2を求め、制御
舵角ANG2を出力する。この例では、12[V]を基
準にして補償を実施している。即ち、検出した電源電圧
(この例ではPIGAとPIGBの大きい方)が12
[V]の時には補償量は零になり、補償後の制御舵角A
NG2は補償前の制御舵角ANGと同一になる。そし
て、検出した電源電圧が基準値の12[V]より低い時
には、ANG2>ANGになり、PWMのパルス幅が増
大する方向に補償される。また検出した電源電圧が基準
値の12[V]より高い時には、ANG2<ANGにな
り、PWMのパルス幅が減少する方向に補償される。従
って、電源電圧変動に対しては、電気モ−タM1の巻線
に印加される電力が一定になるように補償される。
生成された制御舵角ANGと、レジスタVmaxの内容
とに基づいて、補償後の制御舵角ANG2を求め、制御
舵角ANG2を出力する。この例では、12[V]を基
準にして補償を実施している。即ち、検出した電源電圧
(この例ではPIGAとPIGBの大きい方)が12
[V]の時には補償量は零になり、補償後の制御舵角A
NG2は補償前の制御舵角ANGと同一になる。そし
て、検出した電源電圧が基準値の12[V]より低い時
には、ANG2>ANGになり、PWMのパルス幅が増
大する方向に補償される。また検出した電源電圧が基準
値の12[V]より高い時には、ANG2<ANGにな
り、PWMのパルス幅が減少する方向に補償される。従
って、電源電圧変動に対しては、電気モ−タM1の巻線
に印加される電力が一定になるように補償される。
【0041】上記電圧補償処理4Bのもう1つの実施例
を図6に示す。これ以外の処理及びハ−ドウェアの構成
は前記実施例と同一である。図6を参照して説明する。
最初のステップ61では、アナログ電圧入力端子AD1
を介して電源ラインP1の電圧PIGAを入力してA/
D変換し、アナログ電圧入力端子AD2を介して電源ラ
インP2の電圧PIGBを入力してA/D変換する。次
のステップ62では、ステップ61で入力された2つの
電圧PIGA,PIGBの差分の絶対値を計算し、その
結果をレジスタΔVにストアする。
を図6に示す。これ以外の処理及びハ−ドウェアの構成
は前記実施例と同一である。図6を参照して説明する。
最初のステップ61では、アナログ電圧入力端子AD1
を介して電源ラインP1の電圧PIGAを入力してA/
D変換し、アナログ電圧入力端子AD2を介して電源ラ
インP2の電圧PIGBを入力してA/D変換する。次
のステップ62では、ステップ61で入力された2つの
電圧PIGA,PIGBの差分の絶対値を計算し、その
結果をレジスタΔVにストアする。
【0042】次のステップ63では、レジスタΔVの内
容を予め定めたしきい値Vα(例えば1[V])と比較
する。そしてΔV>Vαであれば次にステップ64に進
み、そうでなければステップ65に進む。ステップ64
は、前記実施例のステップ52と同様であり、2つの電
圧PIGA,PIGBの大きい方を検出し、それをレジ
スタVxにストアする。ステップ65では、2つの電圧
PIGA,PIGBの平均値を計算し、その計算結果を
レジスタVxにストアする。即ち、2つの電圧PIG
A,PIGBの差が比較的大きい時には、それらの大き
い方をレジスタVxにストアし、差が比較的小さい時に
は、2つの電圧の平均値をレジスタVxにストアする。
容を予め定めたしきい値Vα(例えば1[V])と比較
する。そしてΔV>Vαであれば次にステップ64に進
み、そうでなければステップ65に進む。ステップ64
は、前記実施例のステップ52と同様であり、2つの電
圧PIGA,PIGBの大きい方を検出し、それをレジ
スタVxにストアする。ステップ65では、2つの電圧
PIGA,PIGBの平均値を計算し、その計算結果を
レジスタVxにストアする。即ち、2つの電圧PIG
A,PIGBの差が比較的大きい時には、それらの大き
い方をレジスタVxにストアし、差が比較的小さい時に
は、2つの電圧の平均値をレジスタVxにストアする。
【0043】次のステップ66では、レジスタVxの内
容を予め定めた下限電圧10[V]と比較する。そして
Vx<10[V]なら、次にステップ68に進んでレジ
スタVxに下限値の10[V]をストアし、そうでなけ
れば次にステップ67に進む。ステップ67では、レジ
スタVxの内容を予め定めた上限電圧16Vと比較す
る。そしてVx>16[V]なら、次にステップ69に
進んでレジスタVxに上限値の16[V]をストアし、
そうでなければ次にステップ6Aに進む。つまり、レジ
スタVxの内容が下限値より小さい時にはVxの内容は
下限値に変更され、Vxの内容が上限値より大きい時に
はVxの内容は上限値に変更される。次のステップ6A
では、入力の制御舵角ANGと、レジスタVxの内容と
に基づいて、補償後の制御舵角ANG2を求め、制御舵
角ANG2を出力する。
容を予め定めた下限電圧10[V]と比較する。そして
Vx<10[V]なら、次にステップ68に進んでレジ
スタVxに下限値の10[V]をストアし、そうでなけ
れば次にステップ67に進む。ステップ67では、レジ
スタVxの内容を予め定めた上限電圧16Vと比較す
る。そしてVx>16[V]なら、次にステップ69に
進んでレジスタVxに上限値の16[V]をストアし、
そうでなければ次にステップ6Aに進む。つまり、レジ
スタVxの内容が下限値より小さい時にはVxの内容は
下限値に変更され、Vxの内容が上限値より大きい時に
はVxの内容は上限値に変更される。次のステップ6A
では、入力の制御舵角ANGと、レジスタVxの内容と
に基づいて、補償後の制御舵角ANG2を求め、制御舵
角ANG2を出力する。
【0044】ハ−ドウェアの変形実施例を図7に示す。
図7を参照すると、この実施例においては、電気モ−タ
M1は1組の巻線だけを有しており、モ−タドライバも
1組だけ備わっている。単一の電源ラインP1が大電力
用に割り当てられ、単一の電源ラインP2が低電力用に
割り当てられている。電源ラインP1の電圧PIGAが
マイクロコンピュ−タ3のアナログ入力端子AD1に印
加され、電源ラインP2の電圧IGAがマイクロコンピ
ュ−タ3のアナログ入力端子AD2に印加される。図示
しないが、電圧補償処理4Bの内容は、電圧PIGBが
電圧IGAに置き代わる他は、図5の内容と同一であ
る。また図6の処理において、電圧PIGBを電圧IG
Aに置き代えて処理してもよい。
図7を参照すると、この実施例においては、電気モ−タ
M1は1組の巻線だけを有しており、モ−タドライバも
1組だけ備わっている。単一の電源ラインP1が大電力
用に割り当てられ、単一の電源ラインP2が低電力用に
割り当てられている。電源ラインP1の電圧PIGAが
マイクロコンピュ−タ3のアナログ入力端子AD1に印
加され、電源ラインP2の電圧IGAがマイクロコンピ
ュ−タ3のアナログ入力端子AD2に印加される。図示
しないが、電圧補償処理4Bの内容は、電圧PIGBが
電圧IGAに置き代わる他は、図5の内容と同一であ
る。また図6の処理において、電圧PIGBを電圧IG
Aに置き代えて処理してもよい。
【0045】
【発明の効果】以上のとおり第1番の発明によれば、仮
に複数の配線手段の1つが断線し、検出した複数の電圧
の1つが0Vになっても、断線していない残りの配線手
段を介して検出された正常な電源電圧に基づいて、電力
の補償が実施されることになり、電気モ−タの速度及び
トルクが異常に増大するのが防止される。
に複数の配線手段の1つが断線し、検出した複数の電圧
の1つが0Vになっても、断線していない残りの配線手
段を介して検出された正常な電源電圧に基づいて、電力
の補償が実施されることになり、電気モ−タの速度及び
トルクが異常に増大するのが防止される。
【0046】また第2番の発明によれば、配線手段に断
線等が生じていない時には、検出した複数の電圧の平均
値に基づいて電力の補償を実施し、配線手段に断線等が
生じた時には、検出した複数の電圧の最大値に基づいて
電力の補償を実施するので、仮に複数の配線手段の1つ
が断線し、検出した複数の電圧の1つが0Vになって
も、断線していない残りの配線手段を介して検出された
正常な電源電圧に基づいて、電力の補償が実施されるこ
とになり、電気モ−タの速度及びトルクが異常に増大す
るのが防止される。また、断線が生じていない時には、
検出した複数の電圧の平均値に基づいて電力の補償を実
施するので、検出される各々の電圧に比較的大きな誤差
がある場合でも、誤差が平均化されるので、より正確な
補償が実現する。
線等が生じていない時には、検出した複数の電圧の平均
値に基づいて電力の補償を実施し、配線手段に断線等が
生じた時には、検出した複数の電圧の最大値に基づいて
電力の補償を実施するので、仮に複数の配線手段の1つ
が断線し、検出した複数の電圧の1つが0Vになって
も、断線していない残りの配線手段を介して検出された
正常な電源電圧に基づいて、電力の補償が実施されるこ
とになり、電気モ−タの速度及びトルクが異常に増大す
るのが防止される。また、断線が生じていない時には、
検出した複数の電圧の平均値に基づいて電力の補償を実
施するので、検出される各々の電圧に比較的大きな誤差
がある場合でも、誤差が平均化されるので、より正確な
補償が実現する。
【0047】また第3番の発明によれば、仮に複数の配
線手段の全てが断線し、検出した複数の電圧の全てが例
えば0V程度になった場合でも、下限電圧に基づいて電
力の補償が実施されるので、補償の程度が小さく、電気
モ−タの速度及びトルクが異常に増大するのが防止され
る。しかも、検出した電圧が下限電圧未満であっても、
該下限電圧に基づいて補償を実施するので、補償しない
場合よりも大きな電力を電気モ−タに印加することがで
き、実際に電源電圧が異常低下した時でも、電気モ−タ
のトルク及び速度の低下を最小限に抑えることができ
る。
線手段の全てが断線し、検出した複数の電圧の全てが例
えば0V程度になった場合でも、下限電圧に基づいて電
力の補償が実施されるので、補償の程度が小さく、電気
モ−タの速度及びトルクが異常に増大するのが防止され
る。しかも、検出した電圧が下限電圧未満であっても、
該下限電圧に基づいて補償を実施するので、補償しない
場合よりも大きな電力を電気モ−タに印加することがで
き、実際に電源電圧が異常低下した時でも、電気モ−タ
のトルク及び速度の低下を最小限に抑えることができ
る。
【0048】また第4番の発明では、例えば、マイクロ
コンピュ−タの誤動作やA/D変換の誤りによって、実
際の電源電圧が12Vであるにも関わらず、異常に高い
電圧が検出された場合でも、上限電圧に基づいて電力の
補償が実施されるので、補償の程度が小さく、電気モ−
タの速度及びトルクが異常に低下するのが防止される。
しかも、例えば電源の電圧レギュレ−タの故障により、
実際の電源電圧が異常に上昇した場合、上限電圧に基づ
いて電力の補償を実施するので、補償しない場合よりも
抑制した電力を電気モ−タに印加することになるので、
電気モ−タのトルク及び速度の増大を最小限に抑えるこ
とができる。
コンピュ−タの誤動作やA/D変換の誤りによって、実
際の電源電圧が12Vであるにも関わらず、異常に高い
電圧が検出された場合でも、上限電圧に基づいて電力の
補償が実施されるので、補償の程度が小さく、電気モ−
タの速度及びトルクが異常に低下するのが防止される。
しかも、例えば電源の電圧レギュレ−タの故障により、
実際の電源電圧が異常に上昇した場合、上限電圧に基づ
いて電力の補償を実施するので、補償しない場合よりも
抑制した電力を電気モ−タに印加することになるので、
電気モ−タのトルク及び速度の増大を最小限に抑えるこ
とができる。
【図1】 実施例の4輪操舵システムの構成を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図2】 図1のシステムの電気回路の構成を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図3】 図2のモ−タドライバ5の構成を示すブロッ
ク図である。
ク図である。
【図4】 図2のマイクロコンピュ−タ3の動作の主要
部を示す機能ブロック図である。
部を示す機能ブロック図である。
【図5】 図4の電圧補償処理4Bの内容を示すフロ−
チャ−トである。
チャ−トである。
【図6】 電圧補償処理4Bの変形例を示すフロ−チャ
−トである。
−トである。
【図7】 電気回路構成の変形例を示すブロック図であ
る。
る。
【図8】 電気モ−タM1の特性を示すグラフである。
【図9】 実施例のワイヤハ−ネスの構成を示すブロッ
ク図である。
ク図である。
【符号の説明】 1:後輪側のロッド 3:マイクロコンピ
ュ−タ 4:インタ−フェ−ス 5,6:モ−タドラ
イバ 7:リレ−ドライバ 8:電圧レギュレ−
タ 10:後輪操舵機構 11,12:リレ− 11u,11v,11w,12u,12v,12w,S
A,SB:巻線 41:目標舵角演算処理 42,46:微分処
理 43,45,49:変換処理 44:減算処理 47:掛算処理 48:加算処理 4B:電圧補償処理 4D:パルス幅変調
処理 TFL,TFR,TRL,TRR:車輪 WH:ステアリングホイ−ル SH:軸 FSR:ロッド SS,PF:前輪舵
角センサ VL,VR:車速センサ YS:ヨ−レ−トセ
ンサ ECU:制御ユニット PR:後輪舵角セン
サ M1:電気モ−タ RS:磁極センサ PWM:パルス幅変調信号 L:相切換信号群 BT:バッテリ− F1,F2,F3,F4,F5:ヒュ−ズ P1,P2:電源ライン PIGA,PIG
B:電圧 IGA,IGB:電源ライン IGS:イグニッシ
ョンスイッチ CA,CB:コンデンサ U1,V1,W1,U2,V2,W2:端子 TA11,TB11,TC11,TA21,TB21,TC
21:トランジスタ Rs:抵抗器 TC:チョ−クコイ
ル PH:パタ−ンヒュ−ズ D3,D4,D5,D6,D7,D8:ダイオ−ド
ュ−タ 4:インタ−フェ−ス 5,6:モ−タドラ
イバ 7:リレ−ドライバ 8:電圧レギュレ−
タ 10:後輪操舵機構 11,12:リレ− 11u,11v,11w,12u,12v,12w,S
A,SB:巻線 41:目標舵角演算処理 42,46:微分処
理 43,45,49:変換処理 44:減算処理 47:掛算処理 48:加算処理 4B:電圧補償処理 4D:パルス幅変調
処理 TFL,TFR,TRL,TRR:車輪 WH:ステアリングホイ−ル SH:軸 FSR:ロッド SS,PF:前輪舵
角センサ VL,VR:車速センサ YS:ヨ−レ−トセ
ンサ ECU:制御ユニット PR:後輪舵角セン
サ M1:電気モ−タ RS:磁極センサ PWM:パルス幅変調信号 L:相切換信号群 BT:バッテリ− F1,F2,F3,F4,F5:ヒュ−ズ P1,P2:電源ライン PIGA,PIG
B:電圧 IGA,IGB:電源ライン IGS:イグニッシ
ョンスイッチ CA,CB:コンデンサ U1,V1,W1,U2,V2,W2:端子 TA11,TB11,TC11,TA21,TB21,TC
21:トランジスタ Rs:抵抗器 TC:チョ−クコイ
ル PH:パタ−ンヒュ−ズ D3,D4,D5,D6,D7,D8:ダイオ−ド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮 田 任 康 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 藤 田 耕 造 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 上 原 康 生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 深 谷 克 己 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松 本 只 一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 電源,電気モ−タ,前記電源と前記電気
モ−タとの間に配置され該電気モ−タの通電を制御する
通電制御手段,及び前記電源の電圧を検出し検出した電
圧に応じて前記電気モ−タに印加される電力を補償する
補償手段、を備える電気モ−タ駆動機器の電圧補償装置
において:前記電源とそれぞれ接続された、複数の配線
手段;及び該複数の配線手段のそれぞれを介して前記電
源の電圧を測定し、測定された複数の電圧のうち、最大
の電圧に基づいて前記電気モ−タに印加される電力を補
償する最大電圧補償手段;を設けたことを特徴とする、
電気モ−タ駆動機器の電圧補償装置。 - 【請求項2】 電源,電気モ−タ,前記電源と前記電気
モ−タとの間に配置され該電気モ−タの通電を制御する
通電制御手段,及び前記電源の電圧を検出し検出した電
圧に応じて前記電気モ−タに印加される電力を補償する
補償手段、を備える電気モ−タ駆動機器の電圧補償装置
において:前記電源とそれぞれ接続された、複数の配線
手段;該複数の配線手段のそれぞれを介して前記電源の
電圧を測定し、測定された複数の電圧のうち、最大の電
圧と最小の電圧との差分を検出する差分検出手段;該差
分検出手段が検出した差分が所定しきい値より大きい時
には、前記最大の電圧に基づいて前記電気モ−タに印加
される電力を補償する最大電圧補償手段;及び前記差分
検出手段が検出した差分が前記しきい値以内の時には、
前記複数の電圧の平均値に基づいて前記電気モ−タに印
加される電力を補償する平均電圧補償手段;を設けたこ
とを特徴とする、電気モ−タ駆動機器の電圧補償装置。 - 【請求項3】 前記複数の電圧中の最大の電圧もしくは
複数の電圧の平均電圧が、予め定めた電圧範囲外の場合
には、予め定めた所定電圧に基づいて前記電気モ−タに
印加される電力を補償する電圧補償手段を備える、前記
請求項1又は請求項2記載の電気モ−タ駆動機器の電圧
補償装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18248993A JPH0733042A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 電気モ−タ駆動機器の電圧補償装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18248993A JPH0733042A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 電気モ−タ駆動機器の電圧補償装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0733042A true JPH0733042A (ja) | 1995-02-03 |
Family
ID=16119180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18248993A Pending JPH0733042A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 電気モ−タ駆動機器の電圧補償装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0733042A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007515887A (ja) * | 2003-12-16 | 2007-06-14 | レオポルト・コスタール・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフト | 緊急動作機能を備えたステアリングコラム切換システム |
JP2013159289A (ja) * | 2012-02-08 | 2013-08-19 | Nsk Ltd | 電動パワーステアリング装置 |
US10003294B2 (en) | 2016-05-27 | 2018-06-19 | Denso Corporation | Control apparatus of rotary electric machine and electric power steering apparatus using the same |
-
1993
- 1993-07-23 JP JP18248993A patent/JPH0733042A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007515887A (ja) * | 2003-12-16 | 2007-06-14 | レオポルト・コスタール・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフト | 緊急動作機能を備えたステアリングコラム切換システム |
JP2013159289A (ja) * | 2012-02-08 | 2013-08-19 | Nsk Ltd | 電動パワーステアリング装置 |
US10003294B2 (en) | 2016-05-27 | 2018-06-19 | Denso Corporation | Control apparatus of rotary electric machine and electric power steering apparatus using the same |
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