JP2013155570A - 液状化抑制構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】小規模の建物の敷地において少ない費用で実施が可能な液状化抑制構造を提供する。
【解決手段】建物1を構築する領域の周囲を取り囲むように鋼板地中隔壁2を形成する。この鋼板地中隔壁は、水平方向に所定寸法で鉛直方向に所定の深さまで埋め込まれる複数の鋼板部材が、隣り合う鋼板部材と側縁が互いに連結されて壁面の平面視が閉じた形状となるように地中に圧入されたものである。鋼板地中隔壁の上部には、該鋼板地中隔壁で囲まれた領域の全域又は該鋼板地中隔壁で囲まれた領域内における建物の基礎1aが形成される範囲の直下の一部もしくは全部を除く範囲をほぼ水平方向に覆う鋼遮蔽板3が結合され、この鋼遮蔽板が地表面より所定の深さに埋設されている。また、鋼板地中隔壁に沿って水平方向に所定の間隔を開けて、鋼杭4を圧入してもよい。この鋼杭は、鋼板部材より深い位置まで圧入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震時における地盤の液状化によって建物に被害が生じるのを抑制する構造に係り、特に、小規模の建築物を支持する地盤の液状化を抑制する液状化抑制構造に関するものである。
地下水位が高い砂質地盤では、地震時に液状化現象が生じ易いことが知られており、様々な対策が提案されている。例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されているものがある。
特許文献1に記載の構造は、建物の支持杭を支持層まで貫入するとともに、建物の外周部分に壁体を構築し、この壁体を液状化層より深部まで貫入するものである。上記壁体は、セメント硬化材を使用した深層混合攪拌工法によって構築するものとし、地震時における地盤の液状化によって地盤が側方に流動するのを抑制して建物の基礎となる支持杭の変形を防止するものである。
また、特許文献2に記載の構造は、建物の周囲を取り囲むようにソイルセメント壁を構築するものであり、この壁体内に鉄骨部材から芯材を埋設する。このようなソイルセメント壁によって、取り囲む範囲内の地盤を堅固に拘束し、地盤が液状化するのを抑制しようとするものである。
特開平9−49239号公報 特開2007―277831号公報
地盤の液状化は、主に商業施設や集合住宅等の大型建築物に甚大な被害を及ぼす可能性があることから対策が検討されてきたが、戸建て住宅のように小規模の建築物においても、不等沈下等の被害例が多数生じている。このような小規模の建築物における液状化の被害を抑制する手段として、従来に提案されている技術を適用することが、難しい状況となっている。つまり、戸建て住宅のように敷地が狭いと深層混合攪拌工法等に必要な設備を設置する余裕が無く、施工が困難となる。また、非液状化層にまで到達する鋼管杭等を打ち込むことも、住宅地においては困難であることが多い。さらに、戸建て住宅の所有者が実施可能な対策としては、費用が多大となることを回避しなければならない。
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、小規模の敷地において少ない費用で実施が可能な液状化抑制構造を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 建物を構築する領域の周囲を取り囲むように鋼板地中隔壁が形成され、 該鋼板地中隔壁は、水平方向に所定寸法で鉛直方向に所定の深さまで埋め込まれる複数の鋼板部材が、隣り合う鋼板部材と側縁が互いに連結されて壁面の平面視が閉じた形状となるように地中に圧入されたものであり、 該鋼板地中隔壁の上部に連結され、該鋼板地中隔壁で囲まれた領域の全域又は該鋼板地中隔壁で囲まれた領域内における前記建物の基礎が形成される範囲の直下の一部もしくは全部を除く範囲をほぼ水平方向に覆う鋼遮蔽板が、地表面より所定の深さに設けられている液状化抑制構造を提供する。
この液状化抑制構造では、建物を構築する領域を取り囲むように設けられた鋼板地中隔壁によって、この建物の下側から側方に砂が流動するのが抑制される。また、水平方向に設けられた鋼遮蔽板によって地表面に砂が噴出するのも抑制される。したがって、鋼板地中隔壁の内側の砂はこの隔壁と遮蔽板とによって建物の下側の領域に保持されて住宅が沈下するのが抑制される。
また、鋼板地中隔壁は必ずしも非液状化層まで到達するように深く圧入する必要はなく、断面の大きな部材を用いる必要もないので容易に圧入することができる。したがって、大型の建設機械等を利用することなく、狭い敷地内で安価に施工することができる。
さらに、鋼遮蔽板は、コンクリート床版等を水平に設けるよりも少ない費用で急速な施工が可能となる。また、厚さも薄くすることができ、上下水管やガス管の埋設に支障が生じることを回避できる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の液状化抑制構造において、 前記鋼板地中隔壁に沿って水平方向に所定の間隔を開けた位置に、該鋼板地中隔壁で囲まれた範囲の内側又は外側で前記鋼板部材に接触又は近接して鉛直方向に鋼杭が圧入され、 該鋼杭は、前記鋼板部材より曲げ剛性が大きく、前記鋼板部材より深い位置まで圧入されているものとする。
この構造では、地震時における砂の側方へ流動しようとする力で鋼板地中隔壁が変形するのを、鋼杭によって抑制することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の液状化抑制構造において、 前記鋼板部材は、曲げ剛性が大きいものと小さいものとの2種類が用いられ、曲げ剛性の小さい鋼板部材が水平方向に複数連結される毎に、曲げ剛性の大きい鋼板部材が連結されて、平面視が閉じた形状となるように前記鋼板地中隔壁が形成されており、 前記曲げ剛性の大きい鋼板部材は、前記曲げ剛性が小さい鋼板部材より深い位置まで圧入されているものとする。
この構造では、地震時における砂の側方へ流動しようとする力で鋼板地中隔壁が変形するのを、曲げ剛性の大きい鋼板部材によって抑制することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の液状化抑制構造において、 前記鋼板地中隔壁は、平面視が閉じた形状となった閉形状部分と連続するように鋼板部材が圧入されて平面視が前記閉形状部分から分岐した形状となる複数の分岐部分を有するものとする。
この構造では、鋼板地中隔壁の閉じた形状となった部分の変形が鋼板地中隔壁の分岐部分によって拘束される。なお、上記分岐部分は鋼板地中隔壁の閉形状部分の内側で2つ以上が互いに連結されているものも含む。つまり分岐部分によって閉形状部分の内側が複数の領域に分割された形状となっていてもよい。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の液状化抑制構造において、 前記鋼板部材は、水平方向の断面形状が閉じた部分を有し、この閉じた部分が鉛直方向に連続した筒状部となっており、該筒状部の上部から水を注入し、下端付近の地盤に水を供給しながら地中に圧入されたものとする。
この構造では、鋼板地中鋼板壁を構成する鋼板部材を圧入するときに、先端付近の地盤が水の供給によって流動化し易い状態となり、鋼板部材を容易に圧入することが可能となる。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の液状化抑制構造において、 前記鋼板部材は、上下方向に軸線を有する管部材の外周面に当接して該管部材の水平方向の相対的な変位を拘束できるように断面形状が曲げ加工された管保持部を有し、 前記鋼板部材の前記管保持部に管部材を保持させ、該管部材の下端付近の地盤に水を供給しながら前記鋼板部材を地中に圧入したものとする。
この構造では、請求項5に係る発明と同様に、鋼板部材の圧入時に、先端付近の地盤が水の供給によって流動化し易い状態となり、鋼板部材を容易に圧入することができる。また、鋼板部材の圧入後は管部材を引き抜いて転用することが可能となる。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の液状化抑制構造において、 前記鋼板部材は、先端部を上方へ折り返すように曲げ加工した折り返し部を有し、 該鋼板部材は、鋼からなる板状の補剛部材と重ね合わせて、前記折り返し部を前記補剛部材の先端に巻き回して嵌め合わせ、前記補剛部材と前記鋼板部材とを重ね合わせた状態で地中に圧入されたものであり、 所定の深さまで圧入した後、前記補剛部材が引き抜かれているものとする。
この構造では、圧入時の鋼板部材に座屈等の変形が生じる虞があるときに、曲げ剛性が大きい補剛部材と重ね合わせて剛性が大きな部材として圧入することができる。したがって、鋼板部材の座屈を防止することができる。
請求項8に係る発明は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の液状化抑制構造において、 前記鋼板部材は、水平方向の断面形状が凹状に曲げ加工された部分を有し、 前記凹状部が両側方に拡大するように弾性変形を生じさせ、該凹状部内に形状保持部材を嵌め入れて弾性変形が生じた状態を維持して地中に圧入されたものであり、 前記形状保持部材は、該鋼板部材を地中に圧入する前には、弾性変形した前記凹状部の形状を維持する圧縮強度を有するとともに、吸水によって前記鋼板部材の弾性変形を維持するだけの圧縮強度を失うものとする。
この構造では、鋼板部材の水平方向の断面形状が凹状となった部分に形状保持部材を嵌め入れた状態で該鋼板部材を地中に圧入し、時間が経過して形状保持部材が充分に吸水すると、形状保持部材は鋼板部材の弾性変形を維持することができなくなり、鋼板部材の両側縁間の寸法が縮小される。これにより隣り合う鋼板部材と接合された側縁が、双方の鋼板部材を引き離す方向に変位する。これによって、接合された鋼板部材の側縁部を互いに密着させことができ、鋼板地中隔壁の両側で水が流動するのを抑制することが可能となる。
以上、説明したように、本発明の液状化抑制構造では、狭い敷地の範囲内において少ない費用で容易に施工して、地震時における地盤の液状化で建物が沈下するのを抑制することが可能となる
本発明に係る液状化抑制構造の一実施形態を示す概略断面図及び概略平面図である。 図1に示す液状化抑制構造の地表面下の状態を透視した概略斜視図である。 図1に示す液状化抑制構造で用いられる鋼板地中隔壁の一部を示す平面図である。 図1に示す液状化抑制構造で用いられる鋼板地中隔壁の一部を示す立断面図である。 本発明に係る液状化抑制構造の他の実施形態で用いられる鋼板地中隔壁の一部を示す平面図である。 本発明に係る液状化抑制構造の他の実施形態で用いられる鋼板地中隔壁の一部及び鋼杭を示す平面図である。 本発明に係る液状化抑制構造の他の実施形態で用いられる鋼板地中隔壁の一部を示す平面図である。 本発明に係る液状化抑制構造の他の実施形態で用いられる鋼板地中隔壁の概略平面図である。 本発明に係る液状化抑制構造の他の実施形態で用いられる鋼板地中隔壁の概略平面図である。 図7,図8又は図9に示す鋼板地中隔壁の分岐部分を示す拡大平面図である。 本発明に係る液状化抑制構造の他の実施形態で用いられる鋼遮蔽板の概略断面図である。 鋼板地中隔壁を構成する鋼板部材を地中に圧入する状態を示す概略図である。 先端部に給水することができる鋼板部材の例を示す平面図である。 図13(a)に示す鋼板部材の斜視図である。 先端部に給水することができる構造の他の例を示す平面図である。 鋼板部材を補剛部材とともに圧入するときの状態を示す斜視図である。 鋼板部材を補剛部材とともに圧入するときの状態を示す正面図及び断面図である。 鋼板部材に弾性変形を生じさせて圧入する状態及び圧入後の鋼板部材の状態を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる液状化抑制構造を示す概略断面図及び概略平面図である。また、図2は、この液状化抑制構造の地表面下の状態を透視した概略斜視図である。
この液状化抑制構造は、戸建て住宅等の建物1を構築する領域の周囲を取り囲むように鋼板地中隔壁2が形成され、この鋼板地中隔壁2で囲まれた領域内の全域に、所定の深さでほぼ水平に鋼遮蔽板3が敷設されたものである。また、鋼板地中隔壁2の外側で該鋼板地中隔壁と接触又は近接するように鋼杭4が鋼板地中隔壁2より深い位置まで圧入され、この鋼杭4が鋼板地中隔壁2に沿って水平方向に所定間隔毎に設けられている。
上記鋼板地中隔壁2は、液状化し易い層6つまり地下水位が高い砂質地盤に形成されており、液状化が生じ難い層5に達する深さまで設けてもよいが、必ずしも液状化が生じ難い層5まで達していなくてもよく、液状化し易い層6内に留めてもよい。例えば、地表面近くから2m〜10mの深さまでの地中鋼板隔壁とすることができる。より好ましくは4m〜10mの深さとする。また、鋼杭4を圧入する深さも、必ずしも液状化が生じ難い層5まで到達するように圧入する必要はないが、液状化し易い層6の下側にある液状化が生じ難い層5まで圧入するのが望ましい。
上記鋼板地中隔壁2は、鉛直方向に長い複数の鋼板部材11が、図3に示すように、水平方向に連続して接合されたものである。上記鋼板部材11は、厚さが0.4mm〜6mm程度の鋼板を曲げ加工して形成されたものであり、より好ましくは2mm〜5mm程度の鋼板を用いる。また、この鋼板部材はメッキ等による防食加工が施された鋼板が望ましく、特に、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの合金による溶融メッキが施された鋼板(例えば、日新製鋼株式会社製、「高耐食溶融めっき鋼板ZAM」、[「ZAM」は日新製鋼株式会社の商標])や、アルミニウム合金のメッキが施された鋼板等を用いるのが望ましい。
上記鋼板部材11のそれぞれには、両側縁に沿って隣り合う鋼板部材と接合するための接合用加工部11aが、曲げ加工によって設けられている。また、両側縁間には鉛直方向の折り曲げ線によって曲げ加工され、水平方向の断面における形状が山形となる補剛部11bが形成されている。
上記接合用加工部11aは、水平方向の断面において両側縁付近の形状が該鋼板部材11の中心線a−aに関して線対称となるように設けられている。そして、図3(a)に示すように、補剛部11bが凸状に張り出した第1面側から、補剛部11bが凹状となった第2面側に側縁付近が折り返すように曲げ加工された係合端11cを有している。隣り合う鋼板部材11-1,11-2は、第1面と第2面とが交互に逆方向となるように接合されるものであり、第1面側から第2面側に折り返された上記係合端11cが互いに係合され、折り曲げられた内側となる面が互いに接触するように接合されている。
建物1を囲むように鋼板地中隔壁2を設けるときの隅角部2aには、図3(b)に示すように、両側縁間における鉛直方向の折り曲げ線でほぼ直角に折り曲げられた隅角部用の鋼板部材12を用いることができる。この隅角部用の鋼板部材12にも、両側縁に沿って接合用加工部12aが設けられており、他の鋼板部材11と連続するように圧入して建物1を囲むように鋼板地中隔壁2を設けることができる。
上記鋼遮蔽板3は、建物1の周囲を囲むように形成された上記鋼板地中隔壁2の内側の全域を覆うように形成されたものであり、鋼板地中隔壁2を形成する鋼板部材11,12とほぼ同程度の厚さを有する鋼板をほぼ水平に敷設したものである。敷設する鋼板は帯状となっており、隣り合う鋼板とは、側縁付近の所定幅が互いに重ね合わされている。
上記のように敷設された鋼遮蔽板3は、周縁で鋼板地中隔壁2を構成する鋼板部材11の上部と結合されている。上記鋼板部材11と鋼遮蔽板3との接合は、図4に示すように、鋼遮蔽板3の周縁部を上方に曲げ上げ、鋼板地中隔壁2を構成する鋼板部材11と重ね合わせてボルト13及びナット14とで結合される。
また、図3に示すように鋼板地中隔壁2は、鋼板部材11の断面形状によって凹凸を有しており、上記鋼遮蔽板3との間に隙間が生じる。この隙間には、モルタル等を充填して、できるだけ封鎖しておくのが望ましい。
建物1の基礎1aは、上記鋼遮蔽板3の上に設けられるものであり、鋼遮蔽板3の上に均しコンクリート等を敷き均し、その上に鉄筋を配置してコンクリートの基礎1aを構築することができる。基礎1aが設けられる範囲の外側は、鋼遮蔽板3の上側に土7を埋め戻し、鋼遮蔽板3を所定の深さに埋め込む。また、鋼遮蔽板3が接合される鋼板地中隔壁2の上部も地表面下に埋め込まれるように上端の位置を設定するのが望ましい。
上記鋼板地中隔壁2の外側で、該鋼板地中隔壁2に沿ってほぼ鉛直方向に圧入された鋼杭4としては、鋼管、H型鋼等を用いることができる。そして、鋼板地中隔壁2を構成する鋼板部材11より深い位置まで圧入されている。鋼杭4を圧入する深さは、必ずしも液状化が生じ難い層5まで到達するように圧入する必要はないが、本実施の形態では、液状化し易い層6を貫通して液状化が生じ難い層5まで圧入している。
このような液状化抑制構造では、建物1の下側の地盤が鋼板地中隔壁2と鋼遮蔽板3とによって上面と側面が囲まれ、地震時において地下水及び建物の下側の地盤が側方に流動するのが抑制される。また、液状化が生じても砂等が上方へ流動して噴出するのが抑制される。さらに、鋼板地中隔壁2によって囲まれた範囲の外側に圧入された鋼杭4は、地盤が側方へ流動しようとする力によって、鋼板地中隔壁2が外側に膨らむように変形するのを抑制する。したがって、流動化にともなう建物1の沈下が生じにくくなり、地盤の液状化による被害が低減される。
上記のような鋼板地中隔壁2を形成する鋼板部材11は、図3に示すような断面形状のものに限定されるものではなく、連続するように接合された状態に圧入するができる他の形状のものを使用することもできる。例えば、図5(a)に示す鋼板部材15は、両側縁に沿って設けられた接合用加工部15a,15bが互いに異なる形状となっている。そして、第1の接合用加工部15aと隣り合う同形状の他の鋼板部材15の第2の接合用加工部15bとを、互い接合できるものとなっている。このような形状の鋼板部材15を用いると、補剛部15c等の凹凸を有する鋼板部材15の側面を同方向に向けて接合することができ、鋼遮蔽板3と接合する部分で隙間を少なくすることができる。
また、図5(b)に示す鋼板部材16は、両側縁部に断面が円弧状となる接合用加工部16aを設けたものである。断面が円弧状となった上記接合用加工部16aは、円弧の途中で曲率半径が変更されており、隣り合う鋼板部材16の接合用加工部16aと、円弧状となった部分を互いに重ね合わせて接合することができる。
一方、上記実施の形態では、鋼杭4が鋼板地中隔壁2によって囲まれた範囲の外側で、該鋼板地中隔壁2に沿って圧入されていたが、鋼板地中隔壁2で囲まれた範囲の内側に鋼杭を圧入することもできる。このときには、鋼板地中隔壁2が該鋼板地中隔壁2で囲まれた範囲の外側へ変形しないように、鋼杭が鋼板地中隔壁と接合される。例えば、図6(a)に示す鋼板地中隔壁では、鋼板部材17に設けられた補剛部17aの背面側つまり凹状となった部分の開口付近17bが狭窄された形状となっている。そして、鋼杭として用いる鋼管8には、先端部が拡大された断面形状を有する接合凸部8aが設けられており、この接合凸部8aを上記鋼板部材17の断面形状が凹状となった部分内に差し入れるように鋼杭8が地盤中に圧入されている。これにより鋼杭8に設けられた接合凸部8aが鋼板部材17に係止され、鋼板地中隔壁2が外側へ移動するのを鋼杭8が拘束する。
また、鋼杭としてH型鋼9を用いたときにも、図6(b)に示すように同様の接合凸部9aを設けておくことにより、鋼板地中隔壁2の変形を拘束することができる。
上記鋼板地中隔壁の変形を抑制する手段としては,上記鋼杭に代えて軸線方向つまり上下方向の曲げ剛性を増大した鋼板部材を用いることもできる。例えば、図7に示すように薄鋼板によって形成された標準部の鋼板部材11を所定の枚数が連続するように接合する毎に、この標準部の鋼板部材11より厚さの大きい鋼板を用いて曲げ剛性が大きくなった高剛性鋼板部材18を、標準部の鋼板部材11と連続するように接合するものである。そして、この高剛性鋼板部材18は、標準部の鋼板部材11より深い位置まで圧入される。この高剛性鋼板部材18が上記鋼杭4,8,9と同様に機能し、鋼板地中隔壁2の変形を抑制するものとなる。
さらに鋼板地中隔壁2が変形するのを抑制する手段として、例えば図8(a)に示すように、標準部に用いられる鋼板部材で建物の周囲を囲むように鋼板地中隔壁2を形成するとともに、建物を囲むように閉じた形状となった閉形状部分2bの内側に分岐部分2cとなる鋼板地中隔壁を形成することもできる。このように鋼板部材が連続するように圧入されていることにより、閉形状部分の中心付近の地盤6aによって分岐部分2cが拘束され、該分岐部分2cによって閉形状部分2bが外側に変形するのが抑制される。
また、図8(b)又は図9に示すように、分岐部分2dによって閉形状部分2bで囲まれた内側を複数に区分するように形成されたものであってもよい。
閉形状部分2bと分岐部分2c,2dとの接合部は、例えば図10に示すような構造とすることができる。この接合構造は、図6に示す鋼板地中隔壁2と鋼杭8,9との接合部と同様に、閉形状部分2を構成する鋼板部材17が凸状に曲げ加工して設けられた補剛部17aを有し、その背面側つまり凹状となった部分の開口付近17bが狭窄された形状となっている。そして、分岐部分2c,2dを構成する鋼板部材の一枚19が、片方の側縁に沿って断面形状が該鋼板部材19の厚さ方向に拡大される係合部19aを備えている。この係合部19aが上記閉形状部分2bの鋼板部材17の断面形状が凹状となった部分内に差し入れられるように該鋼板部材19が地盤中に圧入される。これにより上記分岐部分2c,2dの鋼板部材19が閉形状部分2bの鋼板部材17に接合される。また、分岐部分2c,2dの鋼板部材19は、係合部19aが設けられた側縁に対して反対側となる側縁に、分岐部分2c,2dの他の鋼板部材20と接合することができる接合用加工部19bが設けられており、順次に分岐を伸長するように連続して鋼板部材20を圧入することができるものとなっている。
また、以上に説明した実施の形態では、鋼板地中隔壁2で囲まれた範囲の全域にほぼ水平方向の鋼遮蔽板3を設けたが、建物1の基礎1aが設けられる範囲を除外して鋼遮蔽板10を設けることもできる。つまり、鋼板地中隔壁2で囲まれた範囲の全域を、建物の基礎1aと鋼遮蔽板10とによって覆うものである。このとき鋼遮蔽板10は、図4に示す実施の形態と同様に、鋼板地中隔壁2を構成する鋼板部材11の上部と結合されるとともに、基礎の周囲では基礎1aのコンクリートに鋼遮蔽板10が結合される。
鋼遮蔽板3と基礎1aとの結合は、次のように行うことができる。
例えば、図11(a)に示すように鋼遮蔽板3を敷設した後に建物の基礎コンクリートを打設するものとし、基礎1aの周縁部に鋼遮蔽板3の端部を埋め込むことによって結合することができる。また、上記鋼板地中隔壁2を建物が既に構築された後に形成するときには、図11(b)に示すように、基礎1aのコンクリートにアンカー21を設け、鋼遮蔽板3の端部をこのアンカー21によって基礎1aのコンクリートに結合することができる。
次に、上記鋼板地中隔壁2を構成する鋼板部材を地中に圧入する方法について説明する。
図12に示すように、鋼板部材11を鉛直に吊り上げ、上端から押圧力を付与して地中に圧入する。このとき鋼板部材11は薄い鋼板で構成されて軽量となっており、長さも4m〜10m程度である。したがって、小型の施工機械31で圧入することができ、大きな杭打ち機等を必要としない。そして圧入は上方から押圧力を付与することによって行うものとし、打ち込んだり振動を付与したりすることなく圧入する。上記鋼板部材11は厚さが薄く、断面が小さくなっており、地中への貫入抵抗は小さくなっている。また、この鋼板部材11は、液状化が生じ易い地盤に圧入するものであり、液状化しやすい砂質地盤では、打ち込んだり振動を付与したりすることなく地中に圧入することができる場合が多い。ただし、鋼板部材11は薄い鋼板の使用によって剛性が小さくなっており、押圧力を付与することによって座屈が生じる虞が生じる。このような座屈が生じる虞があるときには、次のように鋼板部材を圧入することができる。
鋼板部材40は、図13(a)及び図14に示すように、図3に示す鋼板部材11と同形状の本体部40aを有するものであり、断面が円形となる鋼管40bが補剛部40cに沿って鉛直方向に溶接によって取り付けられ、管状部を形成している。この鋼管40bは、例えば、内径が10mm〜50mm程度のものを使用することができ、より好ましくは内径が15mm〜30mm程度のものを使用する。この鋼管40bは、溶接によって本体部40aに取り付けられ、溶接は鉛直方向に沿って連続するように行ってもよいが、所定の間隔毎に限られた範囲を接合するものであってもよい。そして、この鋼管40bは本体部40aの下端とほぼ同じ高さに下端面40dを有するように接合され、下端面40dは切断された断面形状のまま下方に開口している。また、鋼管40bの下端付近に圧縮力を加えて開口が扁平な形状となるように変形させたものであってもよい。この鋼管40bの上端部40eは、本体部40aから離れるように曲げ加工が施され、上端から下端に向けて給水するものとなっている。給水は水道管からホースを接続して給水するものであってもよいし、加圧して送り込むものであってもよい。
このような鋼板部材40は、鋼管40bの付加によって剛性が大きくなる。また、下端への給水によって圧入に対する抵抗が減少する。つまり、本体部40aの下端位置の地盤に給水されることによって砂質地盤内で砂粒子の間隙に水が充填される。そして間隙水圧によって砂粒子間の噛み合わせが解放されやすくなり、鋼板部材40の圧入への抵抗が減少するものと考えられる。したがって、鋼板部材40は座屈を生じることなく容易に圧入することが可能となる。
鋼板部材は、鋼管40bを付加するのに代えて、鋼板の曲げ加工によって管状部を形成したものを使用することができる。これは、図13(b)に示すように、鋼板部材41の幅方向のほぼ中央部に形成した補剛部41aを、断面がループ状に閉じた形状となるようにしたものである。閉じた形状に閉合する位置41bでは、溶接によって接合して上部から下方に給水が可能な管状部を形成する。
このような鋼板部材41を用いたときにも、図14に示す鋼板部材40を用いたときと同様に上部から給水して圧入時の抵抗を低減し、座屈しないように圧入することが容易となる。
鋼板部材の圧入時に、圧入する鋼板部材の先端部に給水する構造としては、図15に示すように、鋼管を鋼板部材に固定するのではなく、鋼板部材42に沿った位置に鋼管32を保持して圧入するものであってもよい。図15(a)に示す鋼板部材42は、水平方向の断面の中央部に設けられた補剛部42aが円弧状に曲げ加工され、凹状となった側の開口部分42bの幅が円弧状となった部分42cの内径より小さくなっている。したがって、上記補剛部42aが管保持部として機能するものとなっており、円弧状となった部分の内側に挿入された円形断面の鋼管32を保持して、ともに圧入することができる。そして、上部から鋼管32内に給水し、鋼板部材42の下端位置で地盤内に水を送り込むことによって鋼板部材42を容易に圧入することが可能となる。鋼管32は、鋼板部材42の圧入が終了した後は上方へ抜き取ることもできる。
図15(b)に示す鋼板部材は、図5(b)に示す鋼板地中隔壁で用いたものと同じ鋼板部材16であり、この鋼板部材16は両側縁に沿って断面が円弧状となるように曲げ加工された接合用加工部16aを備えている。この鋼板部材16を圧入するときは、一方の接合用加工部16a-1を先に圧入された鋼板部材16-0の接合用加工部16a-0と位置を合わせ、双方が接合されるように圧入する。そして、他方の接合用加工部16a-2の断面が円弧状となった内側に鋼管32を挿入し、上方から鋼板部材16の下端付近に給水する。鋼板部材16の圧入が完了した後は、鋼管32を接合用加工部16a-2から上方へ抜き取り、この接合用加工部16a-2を次に圧入する鋼板部材の接合用加工部と係合させて、順次に鋼板部材を圧入する。
曲げ剛性の小さい鋼板部材を、座屈を生じることなく圧入する手段として他に、鋼板部材と該鋼板部材より剛性が大きい部材とを重ね合わせて圧入することもできる。この方法では、図16及び図17に示すように鋼板部材43とこの鋼板部材より厚い鋼板を曲げ加工した補剛部材33とを重ね合わせて圧入する。補剛部材33は、水平方向の断面の中央部に、一方の面側に突出するように曲げ加工された補剛部33aを備えており、補剛部33aの両側部分33bが鋼板部材43と対向するものとなっている。鋼板部材43及び補剛部材33の先端部は、幅方向の中央部が下方に凸状となり、両側部が上方に後退した形状となっている。そして、鋼板部材43の先端部は、補剛部材33の先端面に沿って巻き回され、上方に折り返された折り返し部43aを備えている。これにより、補剛部材33を地中に圧入する力が上記折り返し部43aを介して鋼板部材43に伝達される。したがって、鋼板部材43と補剛部材33とを重ね合わせて圧入するときに、上端に押圧力を作用させることによる鋼板部材43の圧縮力を低減し、補剛部材33を押圧する力を鋼板部材43に伝達しながら重ね合わせた状態で圧入することができる。このように、鋼板部材43の圧縮力が低減されることによって、鋼板部材43の座屈を防止して鋼板部材43を圧入することができる。鋼板部材43を所定の深さまで圧入した後は、補剛部材33を上方へ引き上げると、鋼板部材43の先端部と補剛部材33との係合が解放されて補剛部材33のみが引き抜かれる。
以上に説明した実施の形態の他に、本発明は、隣り合う鋼板部材間の接合部で、鋼板部材の接合用加工部を互いに密着させる手段を備えるものとすることができる。この手段は次のようなものである。
この実施の形態で用いられる鋼板部材44は、図18(a)に示すように、鋼板部材44の水平方向の断面における中央部に設けられた補剛部44aが、両側縁を結ぶ線から直角方向に長い断面形状に曲げ加工されている。そして、図18(b)に示すように補剛部44aの両側が互いに離れる方向に弾性変形させることが可能となっており、補剛部44aの凹状となった部分が弾性変形によって拡大される。拡大された凹部内には形状保持部材45を挿入して挟み込むことができるものとなっている。つまり、補剛部44aの凹状となった部分に形状保持部材45を差し入れ、鋼板部材44に弾性変形が生じた状態を維持することができるものである。上記形状保持部材45は、鋼板部材44の弾性変形を維持することができる程度の圧縮強度を備えるものであって、吸水したときには圧縮強度が低減され、弾性変形が生じた鋼板部材44が元の形状に戻ろうとする力に抵抗できない状態となるものが使用される。例えば、吸水して崩壊する泥岩、乾燥・固化した粘土、でんぷん質の固化物等を用いることができる。
上記鋼板部材44は、形状保持部材45を補剛部44aに挟み込んだ状態で地中に圧入され、図18(c)に示すように、隣り合う鋼板部材44’,44”と接合された状態で鋼板地中隔壁を形成する。上記鋼板部材44を圧入するにあたって、接合用加工部44bは、隣り合う鋼板部材44’,44”の接合用加工部44’b,44”bと互いに密着した状態で順次に圧入することは難しく、図18(c)に示すように、隣り合う鋼板部材44,44’,44”の係合端44c,44’c,44”cは互いに離れた状態となっている。しかし、鋼板部材44,44’,44”の圧入後、時間の経過により形状保持部材45が吸水して圧縮強度を失うと、図18(d)に示すように弾性変形した鋼板部材44の形状保持部材45による拘束が解放され、補剛部44aの両側が互いに接近する方向に変形する。つまり、鋼板部材44の幅が縮むように変形する。これにより、隣り合う鋼板部材の接合用加工部44b,44’b,44”bは互いに離れる方向に変位し、係合端44c,44’c,44”cは互いに密着される。これにより鋼板部材44の接合部における水密性が向上し、地震時に振動によって間隙水圧が上昇したときにも隔壁を透して水が流動するのを抑制することができる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他の形態で実施することができる。
1:建物, 1a:建物の基礎, 2:鋼板地中隔壁, 2a:鋼板地中隔壁の隅角部, 2b:鋼板地中隔壁の閉形状部分, 2c,2d:鋼板地中隔壁の分岐部分, 3:鋼遮蔽板, 4:鋼杭, 5:液状化し難い層, 6:液状化し易い層, 7:埋め戻し土, 8:鋼管, 8a:接合凸部, 9:H型鋼, 9a:接合凸部, 10:鋼遮蔽板,
11:鋼板部材, 11a:接合用加工部, 11b:補剛部, 11c:係合端,12:隅角部の鋼板部材, 13:ボルト, 14:ナット, 15:鋼板部材, 15a,15b:接合用加工部, 16,17:鋼板部材, 16a,17a:接合用加工部, 17b:鋼板部材の凹状となった部分の開口付近, 18:高剛性鋼板部材, 19,20:分岐部分の鋼板部材, 21:アンカー,
31:施工機械, 32:鋼管, 33:補剛部材, 33a:補剛部, 33b:補剛部の両側部分,
40:鋼板部材, 40a:鋼板部材の本体部, 40b:鋼管, 40c:鋼板部材の補剛部, 40d:鋼管の下端面, 40e:鋼管の上端部, 41:鋼板部材, 41a:ループ状になった補剛部, 41a:ループ状になった補剛部の閉合する位置, 42:鋼板部材, 42a:補剛部, 42b:補剛部の凹状となった側の開口部分, 42c:補剛部の円弧状部分, 43:鋼板部材, 43a:折り返し部, 44:鋼板部材, 44a:補剛部, 44b:接合用加工部, 44c:係合端, 45:形状保持部材
















Claims (8)

  1. 建物を構築する領域の周囲を取り囲むように鋼板地中隔壁が形成され、
    該鋼板地中隔壁は、水平方向に所定寸法で鉛直方向に所定の深さまで埋め込まれる複数の鋼板部材が、隣り合う鋼板部材と側縁が互いに連結されて壁面の平面視が閉じた形状となるように地中に圧入されたものであり、
    該鋼板地中隔壁の上部に連結され、該鋼板地中隔壁で囲まれた領域の全域又は該鋼板地中隔壁で囲まれた領域内における前記建物の基礎が形成される範囲の直下の一部もしくは全部を除く範囲をほぼ水平方向に覆う鋼遮蔽板が、地表面より所定の深さに設けられていることを特徴とする液状化抑制構造
  2. 前記鋼板地中隔壁に沿って水平方向に所定の間隔を開けた位置に、該鋼板地中隔壁で囲まれた範囲の内側又は外側で前記鋼板部材に接触又は近接して鉛直方向に鋼杭が圧入され、
    該鋼杭は、前記鋼板部材より曲げ剛性が大きく、前記鋼板部材より深い位置まで圧入されていることを特徴とする請求項1に記載の液状化抑制構造。
  3. 前記鋼板部材は、曲げ剛性が大きいものと小さいものとの2種類が用いられ、曲げ剛性の小さい鋼板部材が水平方向に複数連結される毎に、曲げ剛性の大きい鋼板部材が連結されて、平面視が閉じた形状となるように前記鋼板地中隔壁が形成されており、
    前記曲げ剛性の大きい鋼板部材は、前記曲げ剛性が小さい鋼板部材より深い位置まで圧入されていることを特徴とする請求項1に記載の液状化抑制構造。
  4. 前記鋼板地中隔壁は、平面視が閉じた形状となった閉形状部分と連続するように鋼板部材が圧入されて平面視が前記閉形状部分から分岐した形状となる複数の分岐部分を有することを特徴とする請求項1に記載の液状化抑制構造。
  5. 前記鋼板部材は、水平方向の断面形状が閉じた部分を有し、この閉じた部分が鉛直方向に連続した筒状部となっており、該筒状部の上部から水を注入し、下端付近の地盤に水を供給しながら地中に圧入されたものであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の液状化抑制構造。
  6. 前記鋼板部材は、上下方向に軸線を有する管部材の外周面に当接して該管部材の水平方向の相対的な変位を拘束できるように断面形状が曲げ加工された管保持部を有し、
    前記鋼板部材の前記管保持部に管部材を保持させ、該管部材の下端付近の地盤に水を供給しながら前記鋼板部材を地中に圧入したものであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の液状化抑制構造。
  7. 前記鋼板部材は、先端部を上方へ折り返すように曲げ加工した折り返し部を有し、
    該鋼板部材は、鋼からなる板状の補剛部材と重ね合わせて、前記折り返し部を前記補剛部材の先端に巻き回して嵌め合わせ、前記補剛部材と前記鋼板部材とを重ね合わせた状態で地中に圧入されたものであり、
    所定の深さまで圧入した後、前記補剛部材が引き抜かれていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の液状化抑制構造。
  8. 前記鋼板部材は、水平方向の断面形状が凹状に曲げ加工された部分を有し、
    前記凹状部が両側方に拡大するように弾性変形を生じさせ、該凹状部内に形状保持部材を嵌め入れて弾性変形が生じた状態を維持して地中に圧入されたものであり、
    前記形状保持部材は、該鋼板部材を地中に圧入する前には、弾性変形した前記凹状部の形状を維持する圧縮強度を有するとともに、吸水によって前記鋼板部材の弾性変形を維持するだけの圧縮強度を失うものであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の液状化抑制構造。








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