JP2003138577A - 鋼矢板併用式直接基礎、及び鋼矢板併用式直接基礎の施工方法 - Google Patents
鋼矢板併用式直接基礎、及び鋼矢板併用式直接基礎の施工方法Info
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Abstract
接基礎、及びその施工方法を提供する。 【解決手段】 複数の鋼矢板が互いに嵌合しつつ地盤中
に挿入されて形成された四角形断面の鋼矢板構造体13
と、鋼矢板構造体13によって囲まれた空間内に形成さ
れ鋼矢板構造体13と結合する場所打ちコンクリート製
のフーチング12を備え、上方構造物から加えられる荷
重の一部をフーチング12により直接に地盤に伝達さ
せ、上方構造物からの荷重の残りを鋼矢板構造体13に
より支持層Sに伝達させる。
Description
基礎に関するものであり、直接基礎に鋼矢板を併用した
鋼矢板併用式直接基礎、及び鋼矢板併用式直接基礎の施
工方法に関するものである。
(以下、「構造物」という。)の荷重を地盤に伝達する
とともに支持する基礎として、「直接基礎」が用いられ
ている。直接基礎とは、上部の構造物からの荷重を、板
状の基礎板から地盤に直接伝達させる形式の基礎をい
う。直接基礎には、「フーチング基礎」と「べた基礎」
が含まれる。フーチング基礎とは、上部構造の荷重を伝
える柱や壁のうちのいくつかを1つの基礎板で支える形
式のものである。フーチングは、柱や壁との関係によっ
て、さらにいくつかの種類にわけられる。単一の柱を支
持するフーチングは「独立フーチング」と呼ばれる。ま
た、2本の柱、又は3本以上の柱を支えるフーチングは
「複合フーチング」と呼ばれる。また、線状に並ぶ多数
の柱や、線状に延びる壁を支える帯状のフーチングは
「連続フーチング」又は「布基礎」と呼ばれる。一方、
べた基礎とは、上部構造の全荷重を単一の基礎板で支え
る形式のものであり、「マット基礎」とも呼ばれる。
地表面から計測した深度(根入れ深さ)は、基礎板の最
小幅よりも小さく、この根入れ深さは、杭やケーソン等
のいわゆる「深い基礎」の場合よりも小さい。したがっ
て、基礎を建設する場合、杭基礎やケーソン基礎等の場
合と異なり、設置箇所の土砂を深く掘削したり、地中の
深い位置でコンクリート打設等を行って基礎構造体を構
築したりする必要はなく、地盤表層の土砂を浅く除去
し、現場打ちコンクリート等によりフーチング等の基礎
板を形成すればよく、施工が容易であるとともに、建設
費用も低コストである。
ち、比較的浅い箇所に設置されるものであり、基礎板底
面付近の地盤が荷重に対して十分な強度を有しているこ
とが必要である。従来の直接基礎は、例えば、地盤の
「N値」が30以上の場合に採用されることが多かっ
た。ここに、N値とは、標準貫入試験(JIS A 1
219)の方法にのっとり、所定重量のサンプラーチュ
ーブを所定高さから自由落下させて地盤に打ち込み、サ
ンプラーチューブの貫入した深さが所定値(例えば30
cm)に達するために要する打撃数(回数)の値であ
る。このN値は、その値が大きいほどその箇所の地盤が
強固であることを示し、その値が小さいほどその箇所の
地盤が軟弱であることを示す。
の下限値30は、かなり大きな値であり、そのような強
固な地盤の箇所は、比較的少ない。我が国の沖積土層等
を考えると、N値が30未満の地盤においても直接基礎
が採用可能であれば、基礎工事の施工が容易となり、建
設費用の低減をはかることができる、と考えられる。
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、N
値30未満の地盤においても採用可能な直接基礎、及び
その施工方法を提供することにある。
め、本発明に係る鋼矢板併用式直接基礎は、複数個の鋼
矢板が互いに嵌合しつつ地盤中に挿入されて形成され断
面が多角形状又は閉曲線状となる鋼矢板構造体と、前記
鋼矢板構造体によって囲まれた空間の少なくとも上部に
形成されるとともに前記鋼矢板構造体と結合する場所打
ちコンクリート製の直接基礎を備え、上方構造物から加
えられる荷重の一部を前記直接基礎により直接に地盤に
伝達させるとともに、前記上方構造物から加えられる荷
重の残りを前記鋼矢板構造体により直接に又は摩擦力を
介して地盤に伝達させることを特徴とする。
ましくは、隣接する鋼矢板どうしの嵌合端の内部に、流
動体状で自硬性を有する固化材が注入される。
て、好ましくは、前記鋼矢板と前記直接基礎との間で力
を伝達可能な伝力部材を有する。
て、好ましくは、前記鋼矢板構造体の内部の地盤中に
は、前記鋼矢板構造体の箇所どうしを連結する補強構造
体が挿入される。
て、好ましくは、前記鋼矢板構造体は、前記鋼矢板の嵌
合端と嵌合可能な補強用嵌合部が内面に設けられた特殊
鋼矢板を有するとともに、前記補強構造体は、複数の前
記鋼矢板と、前記補強構造体の中央付近において前記鋼
矢板を連結する特殊鋼矢板を有する。
て、好ましくは、前記鋼矢板構造体は、前記補強構造体
により複数の区画に区分される。
の施工方法は、複数個の鋼矢板を互いに嵌合させつつ地
盤中に挿入して断面が多角形状又は閉曲線状の鋼矢板構
造体を前記地盤中に形成し、次いで前記鋼矢板構造体に
よって囲まれた地盤の少なくとも上部を掘削してコンク
リート打設用空間を形成し、次いで前記コンクリート打
設用空間の内部にコンクリートを打設した後に硬化させ
て直接基礎を形成するとともに前記鋼矢板構造体と前記
直接基礎を結合させることを特徴とする。
おいて、好ましくは、前記鋼矢板の前記地盤中への挿入
にあたっては、前記地盤中へ既に挿入された鋼矢板に反
力を負担させるようにして新たな鋼矢板を圧入する。
方法において、好ましくは、前記コンクリート打設用空
間の形成のための地盤掘削にあたっては、前記鋼矢板構
造体を仮土留め手段として利用する。
方法において、好ましくは、前記コンクリート打設用空
間の内部へのコンクリート打設にあたっては、前記鋼矢
板構造体を側方型枠として利用する。
て、図面を参照しながら説明する。
基礎の構成を示す図であり、図1(A)は側断面図を、
図1(B)は上面図を、それぞれ示している。また、図
2は、図1に示す鋼矢板併用式直接基礎の鋼矢板構造体
のさらに詳細な構成を示す図である。
基礎10Aは、フーチング12と鋼矢板構造体13を有
して構成されている。
部の底部に砂15を敷設し、砂15の上に栗石14を敷
設した上に設置されたコンクリート製の基礎板である。
フーチング12の上部には、橋脚11が接続している。
橋脚11は、橋梁等(図示せず)の構造物を支持してい
る。なお、栗石14の上面に、貧配合のならしコンクリ
ートを打設し、その上にフーチング12を設置するよう
にしてもよい。また、栗石14の層を設けず、砂15の
みを敷設するようにしてもよい。
複数の鋼矢板から構成された角筒状(四角形断面の筒
状)の構造体である。フーチング12は、鋼矢板構造体
13に取り囲まれるとともに、鋼矢板構造体13の上部
と接合している。また、鋼矢板構造体13の下端は、地
盤Gの下部にある支持層Sに貫入している。
ものであり、図2(A)は、図1(B)に示す鋼矢板構
造体13のさらに詳細な構成を示す上面図である。図2
(A)に示すように、鋼矢板構造体13は、複数個の鋼
矢板16、16´、16″などが、互いに嵌合すること
により、四角形断面の筒のような構造体を形成したもの
である。
2(B)に示す断面形状を有する略板状の部材であり、
「シートパイル」とも呼ばれる。図2(B)に示すよう
に、鋼矢板16は、平板部16aと、平板部16aの両
端縁にそれぞれ形成された嵌合端16bを有している。
嵌合端16bは、略「C」字状の断面を有しており、内
部に嵌合空間16cが形成されている。鋼矢板16は、
嵌合端16bが、隣接する他の鋼矢板の嵌合端の嵌合空
間16cと嵌合することにより、図2(A)に示すよう
に互いに接合し、所望の断面、例えば図1(B)に示す
「ロ」字状の断面などを有する鋼矢板構造体13を作成
することができる。
Aを施工する方法について説明する。
2(B)に示すような鋼矢板16を地表から挿入し、そ
の先端が支持層Sの所定深さに入るまで挿入する。この
場合には、ディーゼルハンマー等の打ち込み機械を用い
て鋼矢板を地盤中に打ち込んでもよい。また、油圧機構
等を有する圧入機械を用いて鋼矢板を地盤中に押し込ん
でもよい。特に、油圧等により鋼矢板を圧入する方法の
場合には、すでに地盤中に圧入した鋼矢板に、圧入時の
反力を負担させることが可能であり、それにより、鋼矢
板圧入用の建設機械の圧入部の高さを小さくすることが
可能となる。
G内に挿入した後、その鋼矢板の嵌合端16bに、他の
新たな鋼矢板の嵌合端を嵌合させるようにして、隣接す
る箇所の地盤中に他の鋼矢板を挿入し、同様にしてその
先端を支持層Sの内部に到達させる。この作業を繰り返
し、最後の鋼矢板の嵌合端を、最初の鋼矢板の他方の嵌
合端と嵌合させることにより、図1(B)に示す「ロ」
字状に閉合した断面などを有する鋼矢板構造体13を作
成することができる。
分の地盤Gを地表から掘削し、所定の深さまで掘り下げ
る。掘削により鋼矢板構造体13の内部に形成された空
間は、特許請求の範囲におけるコンクリート打設用空間
に相当する。この際、閉合した鋼矢板構造体13は、土
留め構造の機能を発揮するため、特に他の土留め手段を
用いる必要はない。
5を層状に敷設して締め固め、さらに砂15の上に栗石
14を層状に敷設して締め固める。また、この場合、栗
石14の上面に、貧配合のならしコンクリートを打設し
てもよい。また、栗石14の層を設けず、砂15のみを
敷設するようにしてもよい。
の構成となるように組み立てる。また、フーチング用の
鉄筋には、その後に施工される橋脚のための鉄筋に応力
を伝達するための鉄筋も配置される。
所打ちコンクリートを打設する。この際、コンクリート
打設用空間の周囲を取り囲む鋼矢板構造体13は、場所
打ちコンクリートの側方のコンクリート型枠の機能を果
たす。その後、場所打ちコンクリートが硬化すると、フ
ーチング12が形成される。
筋を配置し、所定の構成となるように組み立てる。ま
た、これらの鉄筋を取り囲むようにして、橋脚用のコン
クリート型枠が配設される。次に、橋脚用コンクリート
型枠の内部に場所打ちコンクリートを打設する。その
後、場所打ちコンクリートが硬化すると、橋脚11が形
成される。そして、橋脚用コンクリート型枠をてっ去す
る。
1実施形態の鋼矢板併用式直接基礎10Aは、以下のよ
うな作用、効果を有している。
チング12と、複数の鋼矢板による鋼矢板構造体13と
の複合構造によって構成された基礎であるため、上方の
橋脚等の構造物から加えられる荷重のうち、一部はフー
チング12から栗石14及び砂15を経て直接に地盤G
´に伝達される。また、同時に、上方構造物から加えら
れる荷重の残りは、フーチング12の側部から鋼矢板構
造体13に伝達され、鋼矢板の先端から支持層Sに伝達
される。また、鋼矢板の表面と地盤との摩擦力を介し
て、上方構造物からの荷重を周辺地盤に間接的に伝達す
る効果も期待できる。このため、従来の直接基礎よりも
大きな上方荷重を支持させることが可能であり、N値が
30未満の地盤においても採用することができる、とい
う利点がある。
グ12を建設するためのコンクリート打設用空間の分だ
けでよい。したがって、これは、フーチングのみの直接
基礎の場合と同様であり、杭やケーソンなどの深い基礎
に比べて地盤掘削量が非常に少ないため、基礎工事の費
用を大幅に低減することが可能となる。また、工事期間
についても、直接基礎のみの場合に比べ、鋼矢板構造体
13の施工期間の分だけ延びることになるが、その期間
はそれほど長くなく、杭等の深い基礎に比べれば、かな
り短い工期で済む、という利点がある。
には、鋼矢板構造体を施工し、フーチング等の直接基礎
を施工する必要がある。このうち、鋼矢板の地盤への挿
入については、油圧等による圧入方式を採用し、隣接す
る既設鋼矢板に反力を負担させるようにすれば、鋼矢板
上端に取り付ける圧入装置部分の高さを低く抑えること
ができる。また、直接基礎のための地盤掘削は小規模で
あり、小型の掘削機械や人力等による地盤掘削が可能で
ある。これらのことから、鋼矢板併用式直接基礎は、基
礎の建設場所が狭隘な場合にも容易に行うことが可能で
ある。したがって、既設の高架橋等の基礎の取り替え工
事の場合などにも、応用可能である。
ート打設用空間を形成するために地盤を掘削する場合の
仮土留め部材としての機能を果たすことができる。ま
た、鋼矢板構造体13の上部は、フーチング12のため
の場所打ちコンクリートを打設する場合の側方のコンク
リート型枠としての機能を果たすことができる。したが
って、その分だけ仮設工事費を低減することができ、工
事費全体のコストダウンに寄与することができる。
式直接基礎の変化例に用いる他の構成の鋼矢板の例を示
した上面図である。図2(C)に示すように、この鋼矢
板17は、本体部17aと、本体部17aの両端縁にそ
れぞれ形成された嵌合端17bを有している。本体部1
7aは、平板部と、その両端縁にそれぞれ接続する傾斜
した平板部を有しており、全体として略台形状の断面と
なっている。嵌合端17bは、略「C」字状の断面を有
しており、内部に嵌合空間が形成されている。鋼矢板1
7は、嵌合端17bが、隣接する他の鋼矢板17´の嵌
合端の嵌合空間と嵌合することにより、図2(C)に示
すように互いに接合し、所望の断面、例えば「ロ」字状
の断面などを有する鋼矢板構造体を作成することができ
る。この場合、鋼矢板構造体の辺は、図2(A)の場合
のような直線状ではなく波状となる。
図2(C)に示す鋼矢板17、17´等は、本設構造物
として利用される。このため、錆等による断面の減少を
防止する必要がある。このような対策として、鋼矢板表
面に何らかの防錆処理、例えば溶融亜鉛メッキ処理など
を施すことが挙げられる。また、長期間経過し、錆が発
生しても、所定の耐力を発揮させることができるよう
に、鋼矢板の厚みを、あらかじめ大きな値としておく、
等の対策も有効である。
鋼矢板の嵌合端どうしが嵌合している場合の嵌合空間の
内部に、流動体状で自硬性を有する固化材、例えば無収
縮モルタル、グラウトなどを注入してもよい。
本発明の第2実施形態について説明する。図3は、本発
明の第2実施形態である鋼矢板併用式直接基礎の構成を
示す図である。
基礎10Bは、フーチング12と鋼矢板構造体23を有
して構成されている。第2実施形態の鋼矢板併用式直接
基礎10Bが第1実施形態の鋼矢板併用式直接基礎10
Aと異なる点は、鋼矢板構造体23の内側面に伝力部材
24が設けられている点であり、他の部分の構成及び作
用については、第1実施形態の場合と同様である。また
鋼矢板構造体23を構成する鋼矢板は、第1実施形態で
用いられているものと同様である。
構造体23の内側面に、溶接等によって接合される。
形態の鋼矢板併用式直接基礎10Bは、第1実施形態の
利点に加え、下記の利点を有している。
トの内部に埋設される状態となり、フーチングから鋼矢
板へ荷重を円滑に伝達させる効果を有する。
フーチング用の鉄筋を配置する際に、フーチング用の主
鉄筋又は配力鉄筋の一部又は全部を、鋼矢板構造体13
又は23の内面に、溶接等により接合するようにしても
よい。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図4
は、本発明の第3実施形態である鋼矢板併用式直接基礎
の構成を示す図である。
基礎10Cは、フーチング12と鋼矢板構造体33を有
して構成されている。この第3実施形態の鋼矢板併用式
直接基礎10Cが第1実施形態の鋼矢板併用式直接基礎
10Aと異なる点は、鋼矢板構造体33の上端部が33
aフーチング12の底部に挿入されている点であり、他
の部分の構成及び作用については、第1実施形態の場合
と同様である。また鋼矢板構造体33を構成する鋼矢板
は、第1実施形態で用いられているものと同様である。
用式直接基礎10Cも、第1実施形態の場合とほぼ同様
の利点を有している。したがって、鋼矢板併用式直接基
礎に用いられる直接基礎は、第1実施形態のように、鋼
矢板構造体によって囲まれた空間の上部の内部に形成さ
れる必要はなく、鋼矢板構造体によって囲まれた空間の
少なくとも上部に形成され鋼矢板構造体と結合するよう
な構成であればよい。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図5
は、本発明の第4実施形態である鋼矢板併用式直接基礎
の構成を示す図である。
上記と同様のフーチング(図示せず)と、鋼矢板構造体
43を有して構成されている。第4実施形態の鋼矢板併
用式直接基礎が第1実施形態の鋼矢板併用式直接基礎1
0Aと異なる点は、異なる構造の鋼矢板構造体43を有
する点であり、他の部分の構成及び作用については、第
1実施形態の場合と同様である。
が略「ロ」字状の構造体であり、その内部の地盤中に補
強構造体44が配設されている。補強構造体44は、図
5(A)に示すように、断面形状が略「+」字形の構造
体である。このような構成により、図5(A)に示すよ
うに、鋼矢板構造体43は、補強構造体44により、4
個の区画に区分されている。
えば16)が、互いに嵌合することにより、四角形断面
の筒のような構造体を形成したものである。鋼矢板構造
体43の各辺の中央付近には、図5(B)の補強構造体
取付部45に示すように、特殊鋼矢板18が配設され
る。この特殊鋼矢板18は、図5(B)に示すような平
板部18aと嵌合端18bを有する鋼矢板の平板部18
aの中央付近の内面に補強用嵌合部18cが平板部18
aに対して垂直に接合されたものである。
(例えば16)が、互いに嵌合することにより、「+」
字状断面の構造体を形成したものである。補強構造体4
4の補強構造体中央部46には、図5(C)に示すよう
に、特殊鋼矢板19が配設される。この特殊鋼矢板19
は、図5(C)に示すような平板部19aと嵌合端19
bを有する鋼矢板の平板部19aの中央の表面及び裏面
に、2つの補強用嵌合部19cが平板部19aに対して
垂直となるようにそれぞれ接合されたものである。
形態の鋼矢板併用式直接基礎は、第1実施形態の利点に
加え、下記の利点を有している。
が、補強構造体44により連結され、補強される。これ
により、鋼矢板構造体そのものの強度が増加する。ま
た、フーチングの内部に補強構造体が埋設されて鉄骨コ
ンクリート構造となるため、フーチング自体も強化され
る。
12は、特許請求の範囲における直接基礎に相当してい
る。
れるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発
明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に
同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、い
かなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
板併用式直接基礎のうちの直接基礎として1本の柱を支
える独立フーチングを例に挙げて説明したが、本発明は
この例には限定されず、他の構成の直接基礎、例えば、
複合フーチングあるいは連続フーチング等の他の種類の
フーチング基礎、べた基礎、布基礎などであってもよ
い。
併用式直接基礎は、橋りょう等の橋脚11の基礎として
用いられる例について説明したが、他の構造物、例え
ば、ラーメン高架橋の基礎についても適用可能である。
図示はしていないが、ラーメン高架橋では、柱のうち、
進路方向に対して直角な方向に2本、場合によっては3
本以上並べて配置される柱が、地下において梁状部材
(以下、「地中梁」という。)で連結される。この地中
梁は、複数本の柱を支えるフーチングの機能を果たして
おり、上述した複合フーチングに相当する。本発明は、
このような場合にも適用可能であり、鋼矢板を地盤中に
挿入して形成した鋼矢板構造体の内部を掘削した後に場
所打ちコンクリートを施工して地中梁を形成することに
より、鋼矢板と地中梁の複合構造を構成することができ
る。
端を支持層S中に挿入させる方式のほか、鋼矢板を支持
層Sには挿入させないが鋼矢板の表面と周囲の地盤との
摩擦力を介して荷重を伝達するように構成してもよい。
だけでなく、多角形状、円や楕円等の閉曲線状であって
もよい。
複数個の鋼矢板が互いに嵌合しつつ地盤中に挿入されて
形成され断面が多角形状又は閉曲線状となる鋼矢板構造
体と、鋼矢板構造体によって囲まれた空間の少なくとも
上部に形成されるとともに鋼矢板構造体と結合する場所
打ちコンクリート製の直接基礎を備えるようにしたの
で、上方構造物から加えられる荷重の一部を直接基礎に
より直接に地盤に伝達させるとともに、上方構造物から
加えられる荷重の残りを鋼矢板構造体により直接に又は
摩擦力を介して地盤に伝達させることができ、従来の直
接基礎よりも大きな上方荷重を支持させることが可能で
あり、N値が30未満の地盤においても採用することが
できる、という利点がある。
ング等の直接基礎を建設するためのコンクリート打設用
空間の分だけでよい。したがって、これは、直接基礎の
みの場合と同様であり、杭やケーソンなどの深い基礎に
比べて地盤掘削量が非常に少ないため、基礎工事の費用
を大幅に低減することが可能となる。また、工事期間に
ついても、直接基礎のみの場合に比べ、鋼矢板構造体の
施工期間の分だけ延びることになるが、その期間はそれ
ほど長くなく、杭等の深い基礎に比べれば、かなり短い
工期で済む、という利点がある。
めには、鋼矢板構造体を施工し、フーチング等の直接基
礎を施工する必要がある。このうち、鋼矢板の地盤への
挿入については、油圧等による圧入方式を採用し、隣接
する既設鋼矢板に反力を負担させるようにすれば、鋼矢
板上端に取り付ける圧入装置部分の高さを低く抑えるこ
とができる。また、直接基礎のための地盤掘削は小規模
であり、小型の掘削機械や人力等による地盤掘削が可能
である。これらのことから、鋼矢板併用式直接基礎は、
基礎の建設場所が狭隘な場合にも容易に行うことが可能
である。したがって、既設の高架橋等の基礎の取り替え
工事の場合などにも、応用可能である。
ート打設用空間を形成するために地盤を掘削する場合の
仮土留め部材としての機能を果たすことができる。ま
た、鋼矢板構造体の上部は、直接基礎のための場所打ち
コンクリートを打設する場合の側方のコンクリート型枠
としての機能を果たすことができる。したがって、その
分だけ仮設工事費を低減することができ、工事費全体の
コストダウンに寄与することができる、という利点も有
している。
基礎の構成を示す図である。
体のさらに詳細な構成を示す図である。
基礎の構成を示す図である。
基礎の構成を示す図である。
基礎の構成を示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 複数個の鋼矢板が互いに嵌合しつつ地盤
中に挿入されて形成され断面が多角形状又は閉曲線状と
なる鋼矢板構造体と、 前記鋼矢板構造体によって囲まれた空間の少なくとも上
部に形成されるとともに前記鋼矢板構造体と結合する場
所打ちコンクリート製の直接基礎を備え、 上方構造物から加えられる荷重の一部を前記直接基礎に
より直接に地盤に伝達させるとともに、前記上方構造物
から加えられる荷重の残りを前記鋼矢板構造体により直
接に又は摩擦力を介して地盤に伝達させることを特徴と
する鋼矢板併用式直接基礎。 - 【請求項2】 請求項1記載の鋼矢板併用式直接基礎に
おいて、 隣接する鋼矢板どうしの嵌合端の内部に、流動体状で自
硬性を有する固化材が注入されることを特徴とする鋼矢
板併用式直接基礎。 - 【請求項3】 請求項1記載の鋼矢板併用式直接基礎に
おいて、 前記鋼矢板と前記直接基礎との間で力を伝達可能な伝力
部材を有することを特徴とする鋼矢板併用式直接基礎。 - 【請求項4】 請求項1記載の鋼矢板併用式直接基礎に
おいて、 前記鋼矢板構造体の内部の地盤中には、前記鋼矢板構造
体の箇所どうしを連結する補強構造体が挿入されること
を特徴とする鋼矢板併用式直接基礎。 - 【請求項5】 請求項4記載の鋼矢板併用式直接基礎に
おいて、 前記鋼矢板構造体は、前記鋼矢板の嵌合端と嵌合可能な
補強用嵌合部が内面に設けられた特殊鋼矢板を有すると
ともに、 前記補強構造体は、複数の前記鋼矢板と、前記補強構造
体の中央付近において前記鋼矢板を連結する特殊鋼矢板
を有することを特徴とする鋼矢板併用式直接基礎。 - 【請求項6】 請求項5記載の鋼矢板併用式直接基礎に
おいて、 前記鋼矢板構造体は、前記補強構造体により複数の区画
に区分されることを特徴とする鋼矢板併用式直接基礎。 - 【請求項7】 複数個の鋼矢板を互いに嵌合させつつ地
盤中に挿入して断面が多角形状又は閉曲線状の鋼矢板構
造体を前記地盤中に形成し、次いで前記鋼矢板構造体に
よって囲まれた地盤の少なくとも上部を掘削してコンク
リート打設用空間を形成し、次いで前記コンクリート打
設用空間の内部にコンクリートを打設した後に硬化させ
て直接基礎を形成するとともに前記鋼矢板構造体と前記
直接基礎を結合させることを特徴とする鋼矢板併用式直
接基礎の施工方法。 - 【請求項8】 請求項7記載の鋼矢板併用式直接基礎の
施工方法において、 前記鋼矢板の前記地盤中への挿入にあたっては、前記地
盤中へ既に挿入された鋼矢板に反力を負担させるように
して新たな鋼矢板を圧入することを特徴とする鋼矢板併
用式直接基礎の施工方法。 - 【請求項9】 請求項7記載の鋼矢板併用式直接基礎の
施工方法において、 前記コンクリート打設用空間の形成のための地盤掘削に
あたっては、前記鋼矢板構造体を仮土留め手段として利
用することを特徴とする鋼矢板併用式直接基礎の施工方
法。 - 【請求項10】 請求項7記載の鋼矢板併用式直接基礎
の施工方法において、 前記コンクリート打設用空間の内部へのコンクリート打
設にあたっては、前記鋼矢板構造体を側方型枠として利
用することを特徴とする鋼矢板併用式直接基礎の施工方
法。
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JP2010159601A (ja) * | 2009-01-09 | 2010-07-22 | Railway Technical Res Inst | 構造物の構築方法 |
JP2013139695A (ja) * | 2012-01-05 | 2013-07-18 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 鋼矢板杭基礎および鋼矢板壁体 |
JP2013155570A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Sumitomo Forestry Co Ltd | 液状化抑制構造 |
JP2019112788A (ja) * | 2017-12-21 | 2019-07-11 | 株式会社竹中工務店 | 基礎構造とその施工方法 |
-
2001
- 2001-11-06 JP JP2001340214A patent/JP3832845B2/ja not_active Expired - Lifetime
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