JP2013152733A - リアルタイムクロック、およびリアルタイムクロックのデータ記録方法 - Google Patents

リアルタイムクロック、およびリアルタイムクロックのデータ記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】記憶されたイベントデータの信頼性を向上させることのできるリアルタイムクロックを提供する。
【解決手段】上記課題を解決するためのリアルタイムクロック10は、イベント検出信号が外部から入力されたことを検出するイベント検出回路20と、発振回路16から出力された信号に基づいて前記時刻データを生成する計時回路18と、メモリ40と、イベント検出回路20により前記イベント検出信号の入力を検出した場合、リアルタイムクロック10の動作状態を示す付加データと、計時回路18により生成された前記時刻データとを有するイベントデータをメモリ40に記録する制御回路42と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、リアルタイムクロック、およびリアルタイムクロックのデータ記録方法に関するものである。
デバイス内部に備えられたメモリに、イベント発生時の時刻情報を記録する装置として、リアルタイムクロックが知られており、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されているリアルタイムクロックは、発振回路、分周回路、計時回路、インターフェース回路、動作制御回路、イベント検出回路、およびイベント記憶メモリにより構成されるものである。このような構成のリアルタイムクロックにおいてイベント記憶メモリは、イベント検出回路により検出されたイベント発生の時刻情報と、発生したイベント固有の情報とを1つのイベントデータとして記憶する。
特開2003−132470号公報
上記のような構成のリアルタイムクロックであれば、イベント記憶メモリに記憶されたイベント情報に基づいて、記録時刻に生じたイベントの特定も可能となる。ここで、特許文献1では、リアルタイムクロックの電源系統として、いわゆるコンセントからの電力供給を図るメイン電源と、一次電池または二次電池からの電力供給を図るバックアップ電源を備える旨が記載されているものの、電圧低下や発振停止等の予期せぬ事態に対する対応策が講じられていない。このため、電圧低下等が原因で、イベント記憶メモリに対して誤ったデータが書き込まれた場合があったとしても、記憶されたデータの正否判定を行うことができない。よって、記憶された特定のイベントデータの信頼性が低い。
そこで本発明では、記憶されたイベントデータの信頼性を向上させる(信頼性の正否判定を可能とする)ことのできるリアルタイムクロック、およびリアルタイムクロックのデータ記録方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]時刻データを出力するリアルタイムクロックであって、イベント検出信号が外部から入力されたことを検出するイベント検出回路と、発振回路から出力された信号に基づいて前記時刻データを生成する計時回路と、メモリと、前記イベント検出回路により前記イベント検出信号の入力を検出した場合、前記リアルタイムクロックの動作状態を示す付加データと、前記計時回路により生成された前記時刻データとを有するイベントデータを前記メモリに記録する制御回路と、を備えたことを特徴とするリアルタイムクロック。
このような構成のリアルタイムクロックによれば、ユーザーがイベントデータが記録された時点のリアルタイムクロックの動作状態を知ることができ、イベントデータの信頼性を向上させることができる。
[適用例2]適用例1に記載のリアルタイムクロックであって、電源端子に印加される電源電圧の低下を検出する電圧低下検出回路を備え、前記付加データには、前記電圧低下検出回路で検出された前記電源電圧の低下を示す情報である電圧低下情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロック。
このような構成とすることにより、イベントデータの信頼性向上の他、リアルタイムクロックに対して供給された電流電圧の変遷を知ることが可能となる。
[適用例3]適用例2に記載のリアルタイムクロックであって、前記電圧低下検出回路は、前記電源電圧が第1の閾値より下回っていることを検出する第1電圧比較部を有し、前記電圧低下検出情報は、前記イベント検出回路により前記イベント検出信号の入力を検出した時に、前記電源電圧が前記第1の閾値を下回っていることを前記電圧低下検出回路の前記第1電圧比較部が検出しているか否かを示す情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロック。
このような構成とすることにより、閾値の設定の如何によって、リアルタイムクロックがどのような動作状態にあったのかを知ることが可能となる。
[適用例4]適用例3に記載のリアルタイムクロックであって、前記電圧低下検出回路は、前記第1の閾値よりも低く設定された第2の閾値より前記電源電圧が下回っていることを検出する第2電圧比較部を更に有し、前記電圧低下検出情報は、前記電源電圧が前記第2の閾値より下回っていることを前記電圧低下検出回路の前記第2電圧比較部が検出しているか否かを示す情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロック。
このような構成とすることにより、システムエラー等が発生した際の解析精度を向上させることができる。
[適用例5]適用例1乃至4のいずれかに記載のリアルタイムクロックであって、前記発振回路が発振停止していることを検出する発振停止検出回路を備え、前記付加データは、前記発振停止検出回路が前記発振停止を検出しているか否かを示す発振停止情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロック。
このような構成とすることにより、電源電圧の低下以外の要因により発振器の発振が停止した場合であってもその検出が可能となり、メモリに記録されたイベントデータの正否、具体的にはイベントデータに付加された時刻データの正否等を判断することができるようになる。よって、イベントデータの信頼性を向上させることができる。
[適用例6]適用例2乃至5のいずれかに記載のリアルタイムクロックであって、前記イベント検出信号の電圧波形の立上りを検出する立上り検出モードと、立下りを検出する立下り検出モードとのいずれか一方を設定することのできる設定レジスタを有し、前記付加データは、前記イベント検出回路により前記イベント検出信号の入力を検出した時に、前記立上り検出モードまたは前記立下り検出モードのどちらのモードが前記設定レジスタに設定されていたかを示す検出情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロック。
このような構成とすることによれば、色々な外部機器のイベント発生を検出することが可能となる。例えば、ドアや蓋の開閉など、一対の動作が行われる物の場合、「閉→開:立上り信号」、「開→閉:立下り信号」というような割り当てをすることで、どちらかを選択的に検出することが可能となる。なお、複数の端子を設けた場合には、開閉動作の両方を検出することも可能となる。
[適用例7]適用例2乃至6のいずれかに記載のリアルタイムクロックであって、前記イベント検出信号を入力する端子を複数設け、前記制御回路は、前記イベント検出回路により前記イベント検出信号の入力を検出した場合、前記付加データと、前記時刻データと、前記イベント検出信号が入力された前記端子のポート番号とを有する前記イベントデータを前記メモリに記録することを特徴とするリアルタイムクロック。
このような構成とすることによれば、各入力端子に対してそれぞれ異なるイベントの発生信号が入力され、記録されることとなるが、端子毎のポート番号を付加情報に付加することで、どの端子、すなわちどのイベントが発生したのかを知ることが可能となる。
[適用例8]イベント発生時の時刻データをメモリに記録する機能を有するリアルタイムクロックのデータ記録方法であって、前記時刻データと、前記イベント発生時におけるリアルタイムクロックの動作状態を判定した付加データとを有するイベントデータとして記録することを特徴とするリアルタイムクロックのデータ記録方法。
このようなデータ記録方法によれば、イベントデータの信頼性を向上させることができる。
[適用例9]適用例8に記載のリアルタイムクロックのデータ記録方法であって、前記付加データは、電源端子に印加される電源電圧が閾値を下回っているか否かを判定した情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロックのデータ記録方法。
判定情報を上記のようなものとすることにより、閾値の設定の如何によって、判定情報に基づいてリアルタイムクロックがどのような動作状態にあったのかを知ることが可能となる。
[適用例10]適用例8に記載のリアルタイムクロックのデータ記録方法であって、前記付加データは、前記印加電圧が、複数の電圧値範囲のいずれに含まれるかを判定した情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロックのデータ記録方法。
判定情報を上記のようなものとすることにより、判定情報に基づくリアルタイムクロックの動作状態の把握、解析を、より詳細に行うことが可能となり、記録されたイベントデータの信頼性も向上させることができる。
[適用例11]適用例8に記載のリアルタイムクロックのデータ記録方法であって、前記付加データは、前記リアルタイムクロックの発振回路の発振停止を検出したか否かの情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロックのデータ記録方法。
付加データに上記のような情報を含ませることにより、電源電圧の多寡に起因しない発振器の発振停止があった場合であっても、その情報を検知することが可能となる。このため、記録されたイベントデータの信頼性を向上させることが可能となる。
第1の実施形態に係るリアルタイムクロックの構成を示すブロック図である。 リアルタイムクロックの動作を示すフローである。 第2の実施形態に係るリアルタイムクロックの構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係るリアルタイムクロックの電源電圧低下に伴うフラグ立ての流れを示すグラフである。 第3の実施形態に係るリアルタイムクロックの構成を示すブロック図である。
以下、本発明のリアルタイムクロックに係る実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、本発明のリアルタイムクロックに係る第1の実施形態について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るリアルタイムクロック10は、発振器12、計時回路18、イベント検出回路20、電圧低下検出回路26、設定レジスタ34、メモリ40、制御回路42、および入出力処理回路46を基本として構成される。
前記発振器12は、振動子14と発振回路16とから構成されており、前記振動子14は前記発振回路16を介して電気信号が入力されることにより所定の周波数で振動する。そして、発振回路16は、振動子14から出力された信号を増幅して出力する。ここで、振動子14の構成については特に限定するものでは無いが、広い温度領域で安定した発振周波数を得るためには、周波数温度特性が良好とされるものを使用することが望ましい。例えば振動子14を圧電振動子とする場合には、振動片を水晶により構成すると良い。
前記計時回路18には、上記発振器12が接続されており、発振器12から出力された信号を分周して1[Hz]の周波数を得ると、この1[Hz]の信号を利用して年、月、日、時、分、および秒の計時を各計時レジスタ(不図示)で行っている。このような計時回路18を持つことにより、時刻データを得ることができ、イベントが生じた際(イベント検出周期毎)の日時等をメモリに記録することが可能となる。なお計時回路18は設定により、上記年、月、日、時、分、および秒の他に、曜日についてのデータも記憶させるようにすることができる。
前記イベント検出回路20は、リアルタイムクロック10の外部端子であるイベント入力端子22に接続されている。イベント検出回路20は、前記イベント入力端子22に対してイベントが発生した旨の電気信号が入力されると、イベント発生フラグを立てるように構成されている。このように、イベントの発生をフラグにより示すことで、当該フラグに基づいてイベントの有無を判断することができる。具体的には、イベント発生フラグに1を立てる(0から1に変更する)のである。
前記電圧低下検出回路26は、リアルタイムクロック10の外部端子である電源端子28に接続されているとともに、内部に電圧比較部30を備えている。電圧比較部30には予め、基準となる電流の電圧が設定されており、前記電源端子28に対して入力された電流の電圧(印加電圧)と前記基準となる電圧とが比較される。電圧低下検出回路26は、電圧比較部30にて比較された入力電圧の値が基準電圧の値よりも低いと判定された場合に、電圧低下フラグ32を立てるように構成されている。具体的には、電源端子28から入力された電流の電圧が基準電圧の値より低くなった場合に、電圧低下フラグ32に1を立てる(0から1に変更する)のである。なお、基準電圧としては例えば、1.2V程度とすることができる。
前記設定レジスタ34は、記録桁設定データ36やイベント検出周期38を記憶している。ここで、詳細を後述する制御回路42は、メモリ40に時刻を記録する場合、年、月、日、時、分、秒に対してそれぞれ1バイト(8ビット)のデータ領域を設け、当該データ領域に対してパック形式のBCD(Binary Coded Decimal:2進化10進数)により年、月、日、時、分、および秒を直列的に並べて示す。なお、時刻データとして示される数字の最大値は、「年」の単位における「99」であるが。この数値を8ビットの2進数で示すと、「10011001」となる。
また、記録桁設定データ36は、後述するイベントデータを構成するデータ(時刻データと付加データをあわせたデータ)の桁数を定めている。時刻データとして年、月、日、時、分、秒をそれぞれ1バイトで示す場合、6バイト(48桁)必要となり、さらに付加データとして1バイト(8桁)または2バイト(16桁)を加えた値を設定すれば良い。そして、前記イベント検出周期38は、イベント検出回路20におけるイベント検出の有無(イベント発生フラグ24の立ちの有無)を確認する周期である。前記記録桁設定データ36や前記イベント検出周期38は、リアルタイムクロック10を出荷した後、ユーザにより設定することを可能なものとしても良く、その場合は、リアルタイムクロック10の外部端子を介してデータの書き込みを行うようにすれば良い。
前記メモリ40は、上述した時刻データやイベント発生に関するデータ、および電圧低下に関するデータを記録する記憶手段である。メモリ40には、詳細を後述する制御回路42により構成されたイベントデータが、書き込みアドレス毎に割り当てられた領域に記録される。
前記制御回路42には、上述した計時回路18、イベント検出回路20、電圧低下検出回路26、設定レジスタ34、メモリ40、および外部端子としての割り込み出力端子44が接続されている。制御回路42は、イベント検出回路20や電圧低下検出回路26から入力されたフラグ情報に基づいて、フラグが立てられている事を検出した時刻データを計時回路18から読み出す事が可能に構成されている。そして制御回路42では、前記イベント検出回路20や電圧低下検出回路26により検出された各種情報を付加データとして、イベント発生時の時刻データの前段(先頭)に結びつける処理が行われる。ここで、付加データを構成する8ビットのデータは、少なくともその先頭2桁を「11」で始まるもの、すなわち「11XXXXXX」という形で示すようにすると良い。上述したように、時刻データを構成する8ビットデータの最大値は「10」で始まるものであるため、「11」で始まるデータを先頭に付加することにより、時刻データとの区別が容易となる。このような形式で表示することで、ユーザが、複数のイベントデータをまとめて読み出し、当該データが連続して表示された場合であっても、前記付加データの先頭部分(「11」)が各イベントデータのヘッダとしての役割を担い、イベントデータの区切れを容易に判断することができるようになる。なお、電圧低下に関するデータ(印加電圧の判定情報)とイベント発生に関するデータを1バイトに示す場合には、前段の4ビットのうちの前2桁をヘッダとし、後2桁のいずれかにより電圧低下データを示し、後段の4ビットで発生したイベントの固有データを示すようにすれば良い。すなわち「11(ヘッダ)01(電圧低下データ)XXXX(イベント固有データ)」とすれば良い。
なお、前記割り込み出力端子44は、任意のイベント入力の発生時に、時刻データやイベント発生に関するデータ、および電圧低下に関するデータの記録と同時に、CPUに対して信号を割り込み出力させる役割を担う。
前記入出力処理回路46は、入出力インターフェースとなっており、設定レジスタ34およびメモリ42に接続されるとともに、リアルタイムクロック10の外部端子としてのデータ入出力端子48に接続されている。入出力処理回路46はデータ入出力端子48を介して入力される書き込みデータを設定レジスタ34やメモリ40に出力したり、メモリ40に記録されたイベントデータを読み出したりする役割を担う。
次に、上記のような構成のリアルタイムクロック10の動作について図2を参照して説明する。まず、イベント入力端子22に対し、図示しないイベント発生デバイスから、イベントが発生した旨(例えばスイッチのON/OFFなど)の電気信号が入力されると、イベント検出回路20が当該信号を検出し、イベント発生フラグ24を立てる。具体的には、上述したように、イベント発生による電気信号を検出していない場合に示される「0」から、イベント発生による電気信号を検出したことを示す「1」に、イベント発生フラグ24を変更する処理を行う。
また、電源端子28から入力される電流の電圧については、電圧低下検出回路26における電圧比較部30にて基準電圧と比較される。比較により、印加電圧が基準電圧よりも低いと判定された場合には、電圧低下検出回路26により電圧低下フラグ32が立てられる。具体的には、上述したように、印加電圧が基準電圧以上である場合に示される「0」から、印加電圧が基準電圧より低い事を検出したことを示す「1」に、電圧低下フラグ32を変更する処理を行う。
制御回路42には、設定レジスタ34からイベント検出周期38が入力されているので、この周期に応じてイベント検出回路20でイベント発生を検出したか否かを判断する(S10)。ここで、イベント検出回路20のイベント発生フラグ24が「0」であった場合、イベントの発生は検出されていないと判断される(Noの場合)。イベント発生の有無の判断において、イベントの発生は検出されていないと判断された場合、当該判断の正否を判断するために、印加電圧の低下が検出されたか否かの判断をする(S20)。ここで、印加電圧の低下が検出されていない場合(Noの場合)、イベントデータの書き込み処理は行わずに処理を終了し、次回のイベント検出周期38のタイミングまで待機する。
一方、S20において印加電圧の低下が検出された場合には(Yesの場合)、電圧低下の発生を1つの付加データとしてイベントデータの書き込み処理に移行する。
また、S10においてイベントの発生が検出されていると判断された場合には(Yesの場合)、印加電圧の低下が検出されたか否かの判断をする(S30)。ここでは、印加電圧の低下が検出されていない場合(Noの場合)でも、印加電圧の低下が検出された場合(Yesの場合)でも、イベントデータの書き込み処理に移行する。印加電圧の低下の検出がされたか否かは、イベントの発生が検出されたか否かの判断の正否を判断するためのものだからである。
イベントデータの書き込み処理に移行する場合、制御回路42は、計時回路18で記憶している現在時刻を読み込む。
この後、制御回路42は、イベントの発生並びに電圧低下を示す付加データと、時刻データを結びつけたイベントデータを構成し、当該イベントデータの書き込み処理を行う。イベントデータの書き込み処理はまず、メモリ40のアドレスにイベントデータを書き込む処理を行う(S40)。次に、メモリ40におけるデータの記録領域へイベントデータを書き込む処理を行う(S50)。そして、書き込み終了後、メモリ40の書き込みアドレスに「1」を加算する処理を行う(S60)。なお、イベント情報をメモリ40へ書き込むには、下位のメモリアドレスから上位のメモリアドレスへ順に書き込んでいっても良く、上位のメモリアドレスから下位のメモリアドレスへ順に書き込んでいっても良い。なお、上位のメモリアドレスから下位のメモリアドレスへ順に書き込みを行う場合、書き込みアドレスから「1」が減算されることとなる。
メモリ40の書き込みアドレスに対する「1」の加算処理が終了した後、メモリ40に対するイベント情報の書き込み処理は終了され、次回のイベント検出周期38のタイミングまで待機状態が保たれる。
このような構成のリアルタイムクロック10によれば、イベント検出周期38毎の印加電圧の低下も検出することとなる。ここで、入力電流の電圧(印加電圧)が低下した場合、イベント検出回路20のレジスタ(不図示)に記録された情報(イベント発生フラグ24)の信頼性が低下する。このため、上記のような構成とすることにより、イベント発生の有無の判断が正しいものであるか否かの判断についての信頼性を向上させることができる。
また、メモリ40に対し、時刻データとともに付加データを記録することにより、ユーザはイベント発生時の時刻データ以外の情報も得ることができる。例えば、付加データとしてイベント固有のデータを記録するようにすれば、発生したイベントの種類を特定することも可能となる。
また、印加電圧の低下を検出した際の情報を単体でも1つのイベントとして記録するようにすることで、リアルタイムクロック10に対して、いつまで正常な電力供給が成されていたかの確認が可能となり、システムエラーが発生した際の解析精度が飛躍的に向上する。
また、振動子14を圧電振動子とし、振動片に水晶を使用した場合には、イベントデータの記録時刻の高精度化を図ることができ、高分解能なイベント記録が可能となる。
次に、本発明のリアルタイムクロックに係る第2の実施形態について、図3を参照して説明する。本実施形態に係るリアルタイムクロックの殆どの構成は、上述した第1の実施形態に係るリアルタイムクロック10と同様である。よって、その機能を同一とする箇所には図面に100を足した符号を付して、その詳細な説明は省略することとする。本実施形態に係るリアルタイムクロック110と第1の実施形態に係るリアルタイムクロック10との相違点としては、電圧低下検出回路126による検出電圧を複数のレベル(電圧値範囲)毎に検出可能な構成とした点にある。
具体的には、電圧低下検出回路126に備える電圧比較部を2つとし、それぞれに異なる閾値(基準となる電流の電圧)を設定することとしている。例えば図3に示すように、第1電圧比較部130aと第2電圧比較部130bを備えるようにした場合、第1電圧比較部130aに設定される閾値(第1の閾値)は、発振器112の発振動作が保証される電流電圧の下限値(例えば1.0V〜1.5V程度)を設定し、第2電圧比較部130bに設定される閾値(第2の閾値)は、発振器112の発振が停止する発振停止電圧(例えば0.8V程度)を設定すれば良い。
そして、第1電圧比較部130aに入力された電圧の値が動作保証電圧の下限値よりも低いと判定された場合には動作保証外電圧フラグ132aが立てられ、第2電圧比較部130bに入力された電圧の値が発振停止電圧よりも低いと判定された場合には発振停止電圧フラグ132bが立てられる。すなわち、入力電圧の値が発振停止電圧よりも低い場合には、動作保証外電圧フラグ132aと発振停止電圧フラグ132bの双方が立てられることとなる。
具体的には図4に示すように、電源端子128から入力された電流が第1電圧比較部130a、第2電圧比較部130bの双方に入力され、入力された電流電圧が動作保証電圧の範囲内にある場合には、いずれのフラグも立てられることが無い(図4中、F1=0、F2=0)。これに対し、入力された電源電圧が動作保証電圧の下限値を下回った場合には、第1電圧比較部130aの閾値を下回ったと判定され、動作保証外電圧フラグ132aが立てられる(図4中、F1=1に変更される)こととなる。さらに、入力電圧が発振停止電圧を下回った場合には、第2電圧比較部130bの閾値も下回ったと判定されることとなり、動作保証外電圧フラグ132aに加え、発振停止電圧フラグ132bが立てられる(図4中F2=1に変更される)。
このように入力電流の電圧低下を段階的に検出することができるようにすることで、リアルタイムクロック110の動作状態の解析を詳細に行うことができるようになり、イベントデータとして記録された情報の正否を、より詳細に判定することも可能となる。
次に、本発明のリアルタイムクロックに係る第3の実施形態について、図5を参照して説明する。なお、本実施形態に係るリアルタイムクロックも、その殆どの構成は、上述した第1、第2の実施形態に係るリアルタイムクロック10,110と同様である。よって、その機能を同一とする箇所には、図面に200を足した符号を付して詳細な説明は省略することとする。
本実施形態に係るリアルタイムクロック210と第1、第2の実施形態に係るリアルタイムクロック10,110との相違点は、発振器212の発振状態を判定する発振停止検出回路250を備えた点にある。発振停止検出回路250は、発振回路216から計時回路218へ出力される信号を拾い、発信回路216から出力される信号の有無に基づいて発振器212の発振が停止されたか否かの判定を行う回路である。
このため、発振停止検出回路250に対して発振回路216からの信号の入力が途切れた場合には、発振器212の発振が停止されたと判定し、発振停止検出フラグ252を立てる(0から1に変更する)ように構成されている。
このような構成とすることにより、電源電圧の低下以外の要因等により発振器212の発振が停止した場合であっても、その停止、すなわちイベントと共に記憶される時刻の不具合を検証することが可能となり、記録データの信頼性の向上、記録データの正否の判定を高い精度で行うことができるようになる。
なお、図5においては、上述した第2の実施形態を示すリアルタイムクロック110の構成に加え、発振停止検出回路250を設けるように示しているが、第1の実施形態に係るリアルタイムクロック110に対して発振停止検出回路250を設けるようにしても良いし、電圧低下検出回路26,126,226を備えないリアルタイムクロックに対して発振停止検出回路250を設けるようにしても良い。
上記実施形態に係るリアルタイムクロックでは単純に、イベント検出回路によりイベントが発生した旨の電気信号が検出された場合にイベント発生フラグを立てる旨記載した。しかしながら本発明に係るリアルタイムクロックは、入力される電気信号のパルスの立上り、または立下りを検出してイベント発生フラグを立てるように設定し、これを付加データとして設定しても良い。具体的には、設定レジスタに対してイベント検出における検出方式設定データ(電気信号の立上りを検出するか、立下りを検出するか)を記録しておき、これをイベント検出回路に対する指令値とし、時刻データの記録の際、検出された信号が立上り時のものであるか、立下り時のものであるかを付加データとして記録すれば良い。
このような構成によれば、記録された時刻データには、電気信号の立上り、または立下りのいずれを検出したかの情報も付加されることになる。このため、設定レジスタの内容を書き換え、記録された時刻データが電気信号の立上りに起因するものか、立下りに起因するものかという事が設定レジスタから読み取ることができなくなってしまった場合でも、記録された時刻データに付加された情報に基づいて、その信号が立上り時のものであったのか、立下り時のものであったのかを知ることができるようになる。つまり、イベント入力端子の設定を付加情報として記録することにより、元の設定値(設定レジスタの設定値)を知らなくても、前記設定値をユーザが、記録データから読み取ることが可能となるのである。
また、上記実施形態ではいずれも、イベント入力端子は1つとし、ここに入力される電気信号に対して付加情報を付する旨記載した。この場合、イベント入力端子に入力される電気信号自体に予め、それぞれ固有の情報が付加されている必要が生ずるが、次のような構成とすることで、イベント毎の電気信号が同一であっても、制御回路に出力する信号に対してイベント固有の情報を付加することができるようになる。すなわち、イベント入力端子を複数設け、それぞれに個別のイベント発生デバイス(不図示)を接続する。そして、イベント入力端子に入力された電気信号に対して、入力端子毎に割り当てられたポート番号を付加し、これをイベント固有の情報として制御回路に対して出力し、付加情報を構成する一のデータとするというものである。
このような構成とした場合であっても、本発明に係るリアルタイムクロックとみなすことができる。
10………リアルタイムクロック、12………発振器、14………振動子、16………発振回路、18………計時回路、20………イベント検出回路、26………電圧低下検出回路、34………設定レジスタ、40………メモリ、42………制御回路、46………入出力処理回路。

Claims (11)

  1. 時刻データを出力するリアルタイムクロックであって、
    イベント検出信号が外部から入力されたことを検出するイベント検出回路と、
    発振回路から出力された信号に基づいて前記時刻データを生成する計時回路と、
    メモリと、
    前記イベント検出回路により前記イベント検出信号の入力を検出した場合、前記リアルタイムクロックの動作状態を示す付加データと、前記計時回路により生成された前記時刻データとを有するイベントデータを前記メモリに記録する制御回路と、
    を備えたことを特徴とするリアルタイムクロック。
  2. 請求項1に記載のリアルタイムクロックであって、
    電源端子に印加される電源電圧の低下を検出する電圧低下検出回路を備え、
    前記付加データには、前記電圧低下検出回路で検出された前記電源電圧の低下を示す情報である電圧低下情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロック。
  3. 請求項2に記載のリアルタイムクロックであって、
    前記電圧低下検出回路は、前記電源電圧が第1の閾値より下回っていることを検出する第1電圧比較部を有し、
    前記電圧低下検出情報は、前記イベント検出回路により前記イベント検出信号の入力を検出した時に、前記電源電圧が前記第1の閾値を下回っていることを前記電圧低下検出回路の前記第1電圧比較部が検出しているか否かを示す情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロック。
  4. 請求項3に記載のリアルタイムクロックであって、
    前記電圧低下検出回路は、前記第1の閾値よりも低く設定された第2の閾値より前記電源電圧が下回っていることを検出する第2電圧比較部を更に有し、
    前記電圧低下検出情報は、前記電源電圧が前記第2の閾値より下回っていることを前記電圧低下検出回路の前記第2電圧比較部が検出しているか否かを示す情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロック。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のリアルタイムクロックであって、
    前記発振回路が発振停止していることを検出する発振停止検出回路を備え、
    前記付加データは、前記発振停止検出回路が前記発振停止を検出しているか否かを示す発振停止情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロック。
  6. 請求項2乃至5のいずれかに記載のリアルタイムクロックであって、
    前記イベント検出信号の電圧波形の立上りを検出する立上り検出モードと、立下りを検出する立下り検出モードとのいずれか一方を設定することのできる設定レジスタを有し、
    前記付加データは、前記イベント検出回路により前記イベント検出信号の入力を検出した時に、前記立上り検出モードまたは前記立下り検出モードのどちらのモードが前記設定レジスタに設定されていたかを示す検出情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロック。
  7. 請求項2乃至6のいずれかに記載のリアルタイムクロックであって、
    前記イベント検出信号を入力する端子を複数設け、
    前記制御回路は、前記イベント検出回路により前記イベント検出信号の入力を検出した場合、前記付加データと、前記時刻データと、前記イベント検出信号が入力された前記端子のポート番号とを有する前記イベントデータを前記メモリに記録することを特徴とするリアルタイムクロック。
  8. イベント発生時の時刻データをメモリに記録する機能を有するリアルタイムクロックのデータ記録方法であって、
    前記時刻データと、前記イベント発生時におけるリアルタイムクロックの動作状態を判定した付加データとを有するイベントデータとして記録することを特徴とするリアルタイムクロックのデータ記録方法。
  9. 請求項8に記載のリアルタイムクロックのデータ記録方法であって、
    前記付加データは、電源端子に印加される電源電圧が閾値を下回っているか否かを判定した情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロックのデータ記録方法。
  10. 請求項8に記載のリアルタイムクロックのデータ記録方法であって、
    前記付加データは、前記印加電圧が、複数の電圧値範囲のいずれに含まれるかを判定した情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロックのデータ記録方法。
  11. 請求項8乃至10のいずれかに記載のリアルタイムクロックのデータ記録方法であって、
    前記付加データは、前記リアルタイムクロックの発振回路の発振停止を検出したか否かの情報を含むことを特徴とするリアルタイムクロックのデータ記録方法。
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