JP2013151695A - プリプレグ、積層板、プリント配線板 - Google Patents

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宏明 加藤
Kiyotaka Komori
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【課題】回路を傾けた配置で形成する必要なく、信号伝送速度差を小さくした回路を形成したプリント配線板を製造できるようにする。
【解決手段】縦糸1と横糸2を織って形成されるクロス3に樹脂を含浸し樹脂を硬化させて積層板Bを作製すると共に積層板Bの表面に回路5を設けてプリント配線板Cを作製するために用いられるプリプレグAに関する。プリプレグAの縦糸1に沿う端縁と平行な直線LをプリプレグAの表面に引いたとき、この直線Lが縦糸1の上と、隣り合う縦糸1,1の間6の上を横切る数が10cm当り2以上であり、且つプリプレグAの上記端縁と垂直な直線LをプリプレグAの表面に引いたとき、この直線Lが横糸2の上と、隣り合う横糸2,2の間7の上を横切る数が10cm当り2以上であるように、縦糸1と横糸2が配置され、且つ、縦糸1と横糸2の少なくとも一方を屈曲させて配置されたクロス3を用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、縦糸と横糸からなるクロスを基材とするプリプレグに関するものであり、このプリプレグを用いて作製した積層板及びプリント配線板に関するものである。
プリプレグは、縦糸と横糸を織って形成したクロスにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸・乾燥することによって作製されるものであり、このプリプレグを1枚あるいは複数枚重ね、加熱加圧成形することによって積層板を作製することができる。そしてこの積層板の表面に回路を形成することによって、プリント配線板を得ることができる。
ここで、上記のクロス3は、多数本の平行な縦糸1と、多数本の平行な横糸2とを、直交させて織ることによって形成されるものであり、縦糸1の長手方向に長い長尺シートとして形成されている。そしてこのクロス3を基材として熱硬化性樹脂を含浸・乾燥して作製されるプリプレグAは、クロス3と同形状の長尺シートとして形成されるものであり、図4(a)のように、縦糸1がプリプレグAの長手方向の両端縁eに対して平行に配置されると共に、横糸2がプリプレグAの長手方向の両端縁eに対して垂直に配置されるようになっている。尚、クロス3はプリプレグA内に埋入されているが、図4(a)ではクロス3の縦糸1や横糸2を実線で表示してある。
また積層板Bは、このプリプレグAを1枚あるいは複数枚重ね、加熱加圧成形して、クロス3に含浸した熱硬化性樹脂4を硬化させることによって、作製されるものであり、さらにプリント配線板Cは、この積層板Bの表面に回路5のパターンを形成することによって、作製されるものである。
図4(b)は積層板Bと、積層板Bの表面に回路5を形成して作製したプリント配線板Cを示すものであり、一枚の積層板Bの複数個所に回路5を形成し、その周囲を鎖線のように切断することによって、多数個取りでプリント配線板Cを作製するようにしてある。
ここで、プリント配線板Cの回路5は、線長を最小にするために一般に、直線を基本的なパターンとして形成されている。そして回路5の配置密度を上げるために、回路5の直線部は矩形のプリント配線板Cの外形と平行となるように形成されることが多く、この結果、回路5の直線部5aはクロス3の縦糸1と平行に、回路5の直線部5bはクロス3の横糸2と平行になることが多い(図4(b)(c)に縦糸1の方向をイ矢印で、横糸2の方向をロ矢印で示す)。そしてプリント配線板Cに基材として埋入されているクロス3の縦糸1や横糸2に対して回路5の直線部5a,5bが平行に形成されていると、次のような問題が生じ易い。
図5は積層板Bの表面に回路5を設けて形成されるプリント配線板Cの拡大断面図を示すものであり、積層板Bは樹脂4中にクロス3が埋入された形態で形成されている。またこの図5は縦糸1の長手方向と垂直な面で切断した図であり、縦糸1と平行な回路5を複数本形成したものを示している。そしてこのように縦糸1と平行に形成される複数本の回路5のうち、一部の回路5の直線部は縦糸1の真上に対応した位置に配置されることになり、また他の一部の回路5の直線部は隣り合う縦糸1の間に配置されることになる。
ここで、クロス3としては一般にガラスクロスが用いられるが、無機物であるガラス繊維は誘電率が高く、有機物である樹脂は誘電率が低いものであり、クロス3に樹脂4を含浸・硬化して形成された積層板Bにおいて、ガラス繊維の縦糸1や横糸2が存在する部分は誘電率が高く、縦糸1間や横糸2間の樹脂4が多く存在する部分は誘電率が低いというように、積層板B内で部分的に誘電率が大きく異なる。そして上記のように縦糸1の真上に配置される回路5の直線部は全長に亘って、この縦糸1に近い位置で平行に沿うことになるので、この回路5を信号線として使用するにあたって伝送速度は、縦糸1の高い誘電率の影響を強く受ける。一方、隣り合う縦糸1の間に配置される回路5の直線部は全長に亘って、縦糸1から離れた位置にあって周囲の樹脂4の存在の影響が大きくなり、この回路5を信号線として使用するにあたって伝送速度は、樹脂4の低い誘電率の影響を強く受ける。
このように、回路5が縦糸1と平行に形成されていると、縦糸1の真上に沿って走るように配置された回路5と、縦糸1間に沿って走るように配置された回路5とで、信号伝送速度差が発生するという問題が生じるものである。このことは横糸2と平行に形成されている回路5においても同様であり、回路5が横糸2と平行に形成されていると、横糸3の真上に沿って走るように配置された回路5と、横糸2間に沿って走るように配置された回路5とで、信号伝送速度差が発生するという問題が生じるものである。
そこで、特許文献1では、ガラス繊維の束で縦糸と横糸を形成したクロスを用いるにあたって、縦糸や横糸の繊維の束を開繊処理して扁平にし、このように扁平にすることによって縦糸間の隙間や横糸間の隙間が小さくなるようにしている。このように縦糸間の隙間や横糸間の隙間が小さいと、この隙間に存在する樹脂が少なくなるものであって、縦糸や横糸と樹脂との偏在が小さくなる。このため、回路が縦糸あるいは横糸と平行に形成されていて、縦糸あるいは横糸の直上に沿って配置される回路と、縦糸の間あるいは横糸の間に沿って配置される回路があっても、これらの回路の信号伝送速度に影響を与える誘電率の差を小さくすることができるものである。
しかしこの場合も、縦糸や横糸と樹脂との偏在を十分に小さくすることはできず、回路の信号伝送速度に影響を与える誘電率の差を小さくする効果を期待したほど得ることができないという問題を有するものであった。また特許文献1では、開繊処理をするために高圧ウォータージェット噴射などを行なう必要があって、生産設備が必要になる等の問題もある。
そこで、このような開繊処理を行なうことなく、回路5がクロス3の縦糸1あるいは横糸2と平行に形成されていることによる上記の問題を解消するため、図4(c)に示すように、積層板Bに傾斜させた配置でプリント配線板Cを作製することが提案されている。すなわち、回路5の直線部5aを積層板Bの長手方向の側端縁eに対して平行でなく10°程度傾斜させると共に、回路5の直線部5bを積層板Bの長手方向の側端縁eに対して垂直でなく10°程度傾斜させて、積層板Bの表面に回路5を形成することによって、積層板Bに対して傾けた配置でプリント配線板Cを作製するようにしてある。
このように、回路5の直線部5a,5bを傾斜させて形成すると、クロス3の縦糸1に対して回路5の直線部5aは平行でなくなり、回路5のこの直線部5aは縦糸1の上と、隣合う縦糸1の間の上を交互に横切って走ることになる。また同様に、クロス3の横糸2に対して回路5の直線部5bは平行でなくなり、回路5のこの直線部5bは横糸2の上と、隣合う横糸2の間の上を交互に横切って走ることになる。従って、回路5の直線部5a,5bは、縦糸1や横糸2の高い誘電率と、樹脂4の低い誘電率の、両方の影響を同じように受けるものであり、回路5のうち、一部の回路5は縦糸1や横糸2の高い誘電率の影響を、他の一部の回路5は樹脂4の低い誘電率の影響を受ける、というようなことがなくなって、誘電率の差の影響は小さくなり、回路5に信号伝送速度差が発生することを防ぐことができるものである。
特開平8−127959号公報
しかし、上記の図4(c)のように、積層板Bの表面に回路5を傾けて形成する場合は、回路5のパターン配線の自由度が小さくなって、配線密度を高めることが難しくなるという問題があり、またプリント配線板Cは積層板Bに傾斜した配置で作製されるため、積層板Bにプリント配線板Cを多数個取りで作製するにあたって、余白の発生面積が大きくなるなど、多数個取りの効率が悪くなるという問題を有するものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、回路を傾けた配置で形成する必要がなくなり、信号伝送速度差を小さくした回路を形成することができるようにすることを目的とするものである。
本発明に係るプリプレグAは、縦糸1と横糸2を織って形成されるクロス3に樹脂4を含浸・乾燥して作製され、含浸した樹脂4を硬化させて積層板Bを作製すると共に積層板Bの表面に回路5を設けてプリント配線板Cを作製するために用いられるプリプレグAであって、プリプレグAの縦糸1に沿う端縁と平行な直線LをプリプレグAの表面に引いたとき、この直線Lが縦糸1の上と、隣り合う縦糸1,1の間6の上を横切る数が10cm当り2以上であり、且つプリプレグAの上記端縁と垂直な直線LをプリプレグAの表面に引いたとき、この直線Lが横糸2の上と、隣り合う横糸2,2の間7の上を横切る数が10cm当り2以上であるように、縦糸1と横糸2が配置され、且つ、縦糸1と横糸2の少なくとも一方を、屈曲させて配置して成るクロス3を用いて成ることを特徴とするものである。
このように縦糸1と横糸2が配置されたクロス3を用いて積層板Bを作製し、さらに積層板Bの表面に回路5を形成してプリント配線板Cを作製するにあたって、回路5の積層板Bの側端縁と平行な直線部5aは、上記の直線Lと同様に、縦糸1の上と、隣り合う縦糸1,1の間6の上を10cm当り2以上の数で横切るものであり、また回路5の積層板Bの側端縁と垂直な直線部5bは、上記の直線Lと同様に、横糸2の上と、隣り合う横糸2,2の間7の上を10cm当り2以上の数で横切るものであり、回路5の直線部5a,5bは、縦糸1や横糸2の高い誘電率と、樹脂4の低い誘電率の、両方の影響を同じように受けるようにすることができ、回路5を傾けた配置で形成する必要なく、回路5に信号伝送速度差が発生することを防ぐことができるものである。
そして、縦糸1や横糸2を屈曲させることによって、上記の直線Lが縦糸1の上と、隣り合う縦糸1,1の間6の上を横切る数が10cm当り2以上であり、また直線Lが横糸2の上と、隣り合う横糸2,2の間7の上を横切る数が10cm当り2以上であるように、縦糸1と横糸2が配置されたクロス3を形成することができるものである。
また本発明に係る積層板Bは、上記のプリプレグAを加熱加圧成形して、含浸された樹脂4を硬化させて成ることを特徴とするものであり、本発明に係るプリント配線板Cは、上記の積層板Bの表面に、回路5を設けて成ることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記のように縦糸1と横糸2が配置されたクロス3を用いて積層板Bを作製し、さらに積層板Bの表面に回路5を形成してプリント配線板Cを作製するにあたって、回路5の積層板Bの側端縁と平行な直線部5aは、上記の直線Lと同様に、縦糸1の上と、隣り合う縦糸1,1の間6の上を10cm当り2以上の数で横切るものであり、また回路5の積層板Bの側端縁と垂直な直線部5bは、上記の直線Lと同様に、横糸2の上と、隣り合う横糸2,2の間7の上を10cm当り2以上の数で横切るものであり、回路5の直線部5a,5bは、縦糸1や横糸2の高い誘電率と、樹脂4の低い誘電率の、両方の影響を同じように受けるようにすることができ、回路5を傾けた配置で形成する必要なく、回路5に信号伝送速度差が発生することを防ぐことができるものである。
プリプレグの参考例を示すものであり、(a)は平面図、(b)は縦糸の部分を拡大した一部の平面図、(c)は横糸の部分を拡大した他の一部の平面図である。 本発明のプリプレグの実施の形態の一例を示すものであり、(a)は縦糸の部分を拡大した一部の平面図、(b)は横糸の部分を拡大した他の一部の平面図である。 プリント配線板の一例の、一部を拡大した平面図である。 従来例を示すものであり、(a)はプリプレグの平面図、(b)(c)はプリント配線板の一部の拡大した平面図である。 従来例の、プリント配線板の拡大した断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
クロス3は縦糸1と横糸2を平織りして形成されるものであり、縦糸1や横糸2としてはガラス繊維の束からなるものを用いることができる。クロス3は縦糸1に横糸2を織り込んで織機で作製されるものであり、縦糸1の方向に長い長尺布として形成されるものである。そしてこのクロス3にエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、その他任意の熱硬化性樹脂のワニスを含浸させ、これを加熱してBステージ状態に乾燥することによって、クロス3の表面が樹脂4で覆われると共に、クロス3の縦糸1と横糸2の織り目内に樹脂4が充填された、プリプレグAを得ることができるものである。
図1はプリプレグAの参考例を示すものであり、クロス3はプリプレグA内に埋入されているが、図1ではクロス3の縦糸1や横糸2を実線で表示するようにしてある。図1(a)にクロス3の参考例が示されており、上記のように縦糸1に横糸2を織り込んで作製したクロス3を用いるにあたって、クロス3の長手方向と平行な方向、すなわちプリプレグAの縦糸1に沿った側端縁eに対して、数°程度の角度で縦糸1を傾斜させるようにずらしてあり、またクロス3の長手方向と垂直な方向、すなわちプリプレグAの縦糸1に沿った側端縁eに垂直な方向に対して、数°程度の角度で横糸2を傾斜させるようにずらしてある。
縦糸1を傾斜させる角度や、横糸2を傾斜させる角度は、縦糸1や横糸2の密度(単位当りの打ち込み本数)によって異なるものであるが、図1(a)のようにプリプレグAの縦糸1に沿った側端縁eと平行な仮想の直線Lを引いたとき、図1(b)に示すように、この直線Lが縦糸1の上(aで示す)と、隣り合う縦糸1,1の間6の上(bで示す)を横切る数が、直線Lの長さ10cm当り2以上になるように、縦糸1の傾斜角度が設定されるものである。また図1(a)のようにプリプレグAの縦糸1に沿った側端縁eと垂直な仮想の直線Lを引いたとき、図1(c)に示すように、この直線Lが横糸2の上(aで示す)と、隣り合う横糸2,2の間7の上(bで示す)を横切る数が、直線Lの長さ10cm当り2以上になるように、横糸2の傾斜角度が設定されるものである。尚、図1(b)はクロス3の縦糸1のみを図示し、図1(c)はクロス3の横糸2のみを図示している。
図2は本発明で用いるクロス3の実施形態の一例を示すものであり、上記のように縦糸1に横糸2を織り込んで作製したクロス3を用いるにあたって、縦糸1を図2(a)のように屈曲させるようにずらし、また横糸2を図2(b)のように屈曲させるようにずらしてある。
縦糸1や横糸2の屈曲の曲率や、屈曲のピッチは、縦糸1や横糸2の密度(単位当りの打ち込み本数)によって異なるものであるが、図2(a)に示すように、プリプレグAの縦糸1に沿った側端縁eと平行な仮想の直線Lを引いたとき、この直線Lが縦糸1の上(aで示す)と、隣り合う縦糸1,1の間6の上(bで示す)を横切る数が、直線Lの長さ10cm当り2以上になるように、縦糸1の屈曲の曲率やピッチが設定されるものである。また図2(b)に示すように、プリプレグAの縦糸1に沿った側端縁eと垂直な仮想の直線Lを引いたとき、この直線Lが横糸2の上(aで示す)と、隣り合う横糸2,2の間7の上(bで示す)を横切る数が、直線Lの長さ10cm当り2以上になるように、横糸2の屈曲の曲率やピッチが設定されるものである。尚、図2(a)はクロス3の縦糸1のみを図示し、図2(b)はクロス3の横糸2のみを図示している。
上記のように本発明おいて、直線Lが縦糸1の上と、隣り合う縦糸1,1の間6の上を横切る回数は10cm当り2以上、直線Lが横糸2の上と、隣り合う横糸2,2の間7の上を横切る回数は10cm当り2以上に設定されるが、直線Lや直線Lが横切る数は多ければ多いほど好ましいものであり、直線Lや直線Lが横切る数の上限は設定されない。
また、図1の参考例では、縦糸1と横糸2の両方を、平行な直線のまま傾斜させるようにし、また図2の実施の形態では、縦糸1と横糸2の両方を、蛇行状に屈曲させたが、傾斜と屈曲を組み合わせてもよい。例えば、縦糸1を傾斜させると共に横糸2を屈曲させるようにしてもよく、また縦糸1を屈曲させると共に横糸2を傾斜させるようにしてもよい。
上記のようにしてプリプレグAを作製した後、プリプレグAを所定寸法の矩形状に切断し、このプリプレグAを1枚ないし複数枚重ね、次に加熱加圧成形することによって、矩形状の積層板Bを作製することができる。このとき、プリプレグAの外側にさらに銅箔等の金属箔を重ねて加熱加圧成形することによって、金属箔張りの積層板Bを得ることができるものである。
そしてこの積層板Bの表面に回路5を形成することによって、プリント配線板Cを作製することができるものである。金属箔張りの積層板Bを用いる場合には、金属箔にプリント加工することによって、回路5のパターンを形成することができるものである。
図3はプリント配線板Cの一例を示すものである。プリント配線板Cの参考例では、縦糸1と横糸2の両方を、平行な直線のまま傾斜させて配置したクロス3を用いて作製したものを示すものである。積層板BはプリプレグAを成形して作製されたものであるので、プリプレグAの上記の縦糸1に沿った側端縁eは、そのまま積層板Bの一方の側端縁eを形成している。図3に縦糸1の方向をイ矢印で、横糸2の方向をロ矢印で示す。そして積層板Bの表面に形成される回路5は直線を基本的なパターンとして形成されているものであり、回路5の直線部5aは積層板Bの側端縁eと平行に、回路5の直線部5bは積層板Bの側端縁eと垂直になるように形成されている。
回路5のパターンは積層板Bの複数個所に設けられるものであり、各回路5のパターンを囲む線(図3に想像線で示す)で積層板Bを切断することによって、多数個取りでプリント配線板Cを作製することができるものである。このとき、上記のように回路5の直線部5aは積層板Bの側端縁eと平行に、回路5の直線部5bは積層板Bの側端縁eと垂直になるように形成されており、回路5のパターンは積層板Bに対して傾いた配置で形成されていない。このため、回路5のパターン配線の自由度が大きくなり、配線密度を高めることが容易になるものであり、また積層板Bにプリント配線板Cを多数個取りで作製するにあたって、余白面積が小さくなって回路5のパターンを密度高く配置することが容易になり、多数個取りの効率が向上するものである。
そしてこのように回路5をその直線部5a,5bが積層板Bの側端縁eと平行もしくは垂直になるように形成しているが、積層板Bのクロス3は、その縦糸1が積層板Bの側端縁eに対して傾いている。このため、回路5の積層板Bの側端縁eと平行な直線部5aは、上記の直線Lと同様に、縦糸1の上と、隣り合う縦糸1,1の間の上を10cm当り2以上の数で横切ることになる。また回路5の積層板Bの側端縁eと垂直な直線部5bは、上記の直線Lと同様に、横糸2の上と、隣り合う横糸2,2の間の上を10cm当り2以上の数で横切ることになる。従って、回路5の直線部5aは、縦糸1の上を横切る部分において、縦糸1の高い誘電率の影響を受け、隣り合う縦糸1,1の間6の樹脂4の上を横切る部分において、樹脂4の低い誘電率の影響を受けることになり、両方の影響を同じように受けるようにすることができるものであり、回路5に信号伝送速度差が発生することを防ぐことができるものである。また回路5の直線部5bは、横糸2の上を横切る部分において、横糸2の高い誘電率の影響を受け、隣り合う横糸2,2の間の樹脂4の上を横切る部分において、樹脂4の低い誘電率の影響を受けることになり、両方の影響を同じように受けるようにすることができるものであり、回路5に信号伝送速度差が発生することを防ぐことができるものである。
図3のプリント配線板Cでは、縦糸1と横糸2の両方を図1のように傾斜させて配置したクロス3を用いて作製した参考例だけでなく、縦糸1と横糸2の両方を図2のように屈曲させて配置したクロス3を用いて作製したプリント配線板Cにおいても、また縦糸1と横糸2の一方を傾斜させて配置すると共に他方を屈曲させて配置したクロス3を用いて作製したプリント配線板Cにおいても、上記と同様に、回路5の直線部5aは、縦糸1の上と、隣り合う縦糸1,1の間の上を10cm当り2以上の数で横切り、回路5の直線部5bは、横糸2の上と、隣り合う横糸2,2の間の上を10cm当り2以上の数で横切るものであり、回路5に信号伝送速度差が発生することを防ぐことができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(参考例1)
クロス3として、厚さ53μm、縦糸1の織密度23.6本/cm、横糸1の織密度18.5本/cmの、平織りのガラス織布を用いた。
そしてこのクロス3を、縦糸1と横糸2を図1(b)(c)のように傾斜させてずらして配置した状態で用いた。このとき、縦糸1は、直線Lが縦糸1の上と、隣り合う縦糸1,1の間6の上を横切る数が10cm当り2になる傾斜で配置し、横糸2は、直線Lが横糸2の上と、隣り合う横糸2,2の間7の上を横切る数が10cm当り2になる傾斜で配置した。
まず、上記のクロス3にエポキシ樹脂ワニスを含浸して、170℃で5分間乾燥することによって、レジンコンテント63質量%のプリプレグAを作製した。
次に、このプリプレグAを3枚重ねると共にさらに厚み18μmの銅箔を重ね、これを30MPa、170℃、60分の条件で加熱加圧成形をすることによって、銅箔張りの積層板Bを作製した。
この後、積層板Bの表面に銅箔のプリント加工によって、積層板Bの側端縁eと平行な長さ10cmの直線の回路5を5本、積層板Bの側端縁eと垂直な長さ10cmの直線の回路5を5本、形成することによって、プリント配線板Cを作製した。
(実施例1)
参考例1と同じ平織りのガラス織布からなるクロス3を、縦糸1を図1(b)のように傾斜させてずらして配置すると共に、横糸2を図2(b)のように屈曲させてずらして配置した状態で用いた。このとき、縦糸1は、直線Lが縦糸1の上と、隣り合う縦糸1,1の間6の上を横切る数が10cm当り2になる傾斜で配置し、横糸2は、直線Lが横糸2の上と、隣り合う横糸2,2の間7の上を横切る数が10cm当り10になる屈曲で配置した。
その他は、参考例1と同様にして、プリント配線板Cを作製した。
(実施例2)
参考例1と同じ平織りのガラス織布からなるクロス3を、縦糸1を図2(a)のように屈曲させてずらして配置すると共に、横糸2を図1(c)のように傾斜させてずらして配置した状態で用いた。このとき、縦糸1は、直線Lが縦糸1の上と、隣り合う縦糸1,1の間6の上を横切る数が10cm当り10になる屈曲で配置し、横糸2は、直線Lが横糸2の上と、隣り合う横糸2,2の間7の上を横切る数が10cm当り2になる傾斜で配置した。
その他は、参考例1と同様にして、プリント配線板Cを作製した。
(実施例3)
参考例1と同じ平織りのガラス織布からなるクロス3を、縦糸1と横糸2を図2(a)(b)のように屈曲させてずらして配置した状態で用いた。このとき、縦糸1は、直線Lが縦糸1の上と、隣り合う縦糸1,1の間6の上を横切る数が10cm当り10になる屈曲で配置し、横糸2は、直線Lが横糸2の上と、隣り合う横糸2,2の間7の上を横切る数が10cm当り10になる屈曲で配置した。
その他は、参考例1と同様にして、プリント配線板Cを作製した。
(比較例1)
参考例1と同じ平織りのガラス織布からなるクロス3をそのまま用いた。このものにあって、直線Lは縦糸1や、隣り合う縦糸1,1の間6と平行であってこれらの上を横切らないものであり、直線Lは横糸2や、隣り合う横糸2,2の間7と平行であってこれらの上を横切らないものである。
その他は、参考例1と同様にして、プリント配線板Cを作製した。
上記のようにして参考例1、実施例1〜3及び比較例1で作製したプリント配線板Cについて、積層板Bの側端縁eと平行な5本の回路5と、積層板Bの側端縁eと垂直な5本の回路5の信号伝送速度をそれぞれ測定し、最大値と最小値の差を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2013151695
表1にみられるように、各実施例のものは、信号伝送速度の差が小さいことが確認される。
1 縦糸
2 横糸
3 クロス
4 樹脂
5 回路
6 縦糸の間
7 横糸の間
A プリプレグ
B 積層板
C プリント配線板
プリプレグの端縁と平行な直線
プリプレグの端縁と垂直な直線

Claims (3)

  1. 縦糸と横糸を織って形成されるクロスに樹脂を含浸・乾燥して作製され、含浸した樹脂を硬化させて積層板を作製すると共に積層板の表面に回路を設けてプリント配線板を作製するために用いられるプリプレグであって、プリプレグの縦糸に沿う端縁と平行な直線をプリプレグの表面に引いたとき、この直線が縦糸の上と、隣り合う縦糸の間の上を横切る数が10cm当り2以上であり、且つプリプレグの上記端縁と垂直な直線をプリプレグの表面に引いたとき、この直線が横糸の上と、隣り合う横糸の間の上を横切る数が10cm当り2以上であるように、縦糸と横糸が配置され、且つ、縦糸と横糸の少なくとも一方を屈曲させて配置されたクロスを用いて成ることを特徴とするプリプレグ。
  2. 請求項1に記載のプリプレグを加熱加圧成形して、含浸した樹脂を硬化させて成ることを特徴とする積層板。
  3. 請求項2に記載の積層板の表面に、回路を設けて成ることを特徴とするプリント配線板。
JP2013080507A 2013-04-08 2013-04-08 プリプレグ、積層板、プリント配線板 Pending JP2013151695A (ja)

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