JP2013150032A - 温度補償型水晶発振器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 温度補償回路1で温度補償を行い、AFC回路2で入力信号の周波数を制御し、周波数ドリフト補償回路3a〜3cで周波数ドリフト特性を周波数補正する制御電圧を出力し、うねり補償電源電圧発生回路10で周波数ドリフト補償回路3b,3c、可変増幅器19へうねり補償に対応した電源電圧を供給し、温度補償回路1からの出力と、AFC回路2からの出力と、周波数ドリフト補償回路3a〜3cからの出力と、オフセット電圧調整回路18からのオフセット電圧を可変増幅器19で増幅した出力とを加算器4で加算して第1の電圧可変容量素子7aと第2の電圧可変容量素子7bに出力する温度補償型水晶発振器である。
【選択図】 図1
Description
従来の温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)は、電圧制御発振器に温度補償回路を付加して、周囲温度の変化による周波数の変動を少なくしたものである。
そして、従来の温度補償型水晶発振器では、電源供給直後に周波数がドリフト(変動又はふらつき)することがあり、特に電源投入による発熱によって周波数ドリフト特性が変化するようになっていた。
しかし、温度補償型水晶発振器における周波数ドリフト特性は、うねりを持った特性となっているため、従来の手段では補償することができなかった。
周波数ドリフト特性について図5を参照しながら説明する。図5は、高温(+85℃)における周波数ドリフト特性を示す図である。尚、縦軸の周波数(Freq.)をLinearで、横軸の時間(Time(s))をLogで表している。
電源投入後に、周波数ドリフトが発生するが、図5において太い破線部分で囲んだ所がうねり部分を示し、周波数の幅dがうねりの大きさを示している。
そして、周波数ドリフト特性のうねりは、周囲温度が高温においては温度が上昇するほど、また、低温においては温度が下降するほど、うねりの大きさは大きくなる特性となっていた。
尚、関連する先行技術として、特開平10−224148号公報「圧電発振器」(東洋通信機株式会社)[特許文献1]、特開平09−153739号公報「デジタル温度補償水晶発振器」(キンセイ株式会社)[特許文献2]、特開2005−286924号公報「温度補償型水晶発振器」(シチズン株式会社)[特許文献3]、特開2006−222725号公報「温度補正回路および温度補償回路を備えた無線装置並びにそのプログラム」(松下電器産業株式会社)[特許文献4]、特開2011−114438号公報「圧電発振器及び発振回路システム」(セイコーエプソン株式会社)[特許文献5]がある。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る温度補償型水晶発振器は、水晶振動子と、水晶振動子に並列に接続される増幅器と、増幅器の入力側に接続される第1の電圧可変容量素子と、増幅器の出力側に接続される第2の電圧可変容量素子と、温度補償を行う制御電圧を出力する温度補償回路と、入力信号の周波数を制御する周波数制御回路と、周波数ドリフト特性を周波数補正する制御電圧を出力する周波数ドリフト補償回路と、オフセット電圧を調整するオフセット電圧調整回路と、入力される増幅度を決定する電圧に基づいてオフセット電圧を増幅する可変増幅器と、周波数ドリフト補償回路への電源電圧を供給し、且つ温度に対して変化するオフセット電圧に対応した電圧を可変増幅器へ供給するうねり補償電源電圧発生回路と、温度補償回路からの出力と、周波数制御回路からの出力と、周波数ドリフト補償回路からの出力と、可変増幅器からの出力とを加算して第1の電圧可変容量素子と第2の電圧可変容量素子に出力する加算器とを有するものであり、周波数ドリフト特性のうねり補償を適性に行うことができるものである。
本発明の実施の形態に係る温度補償型水晶発振器について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る温度補償型水晶発振器の構成ブロック図である。
本発明の実施の形態に係る温度補償型水晶発振器(本発振器)は、図1に示すように、温度補償回路1と、AFC(Auto Frequency Control)回路2と、第1の周波数ドリフト補償回路3aと、第2の周波数ドリフト補償回路3bと、第3の周波数ドリフト補償回路3cと、加算器(Adder)4と、水晶振動子5と、インバータIC(Integrated Circuit)6と、電圧可変容量素子(Vc)7a,7bと、バッファ(Buff)8と、出力端子9と、うねり補償電源電圧発生回路10と、オフセット電圧調整回路18と、可変増幅器19と、増幅器20,21とを基本的に有している。
本発振器の各部について具体的に説明する。
温度補償回路1は、水晶振動子5の周辺の温度を検出し、検出した温度に応じて温度補償の制御電圧(温度補償制御電圧)を加算器4に出力する。
AFC(Auto Frequency Control)回路2は、出力端子9から出力される周波数を可変させるための制御電圧(発振周波数制御電圧)を加算器4に出力する。
具体的には、第1の周波数ドリフト補償回路3aは、周波数ドリフト特性の特徴によって電源投入後の第1の期間、第2の期間、第3の期間に区分した場合に、第1の期間で周波数を補償する制御電圧を加算器4に出力する。
第3の周波数ドリフト補償回路3cは、上記第3の期間で周波数を補償する制御電圧を加算器4に出力する。
尚、周波数ドリフト補償回路3(3a〜3c)の具体的な構成については後述する。
尚、加算器4における加算は、各入力電圧を重み付けして加算するようにしてもよい。
インバータIC(Integrated Circuit)6は、発振用のICであり、水晶振動子5とで発振された周波数を増幅し、位相を反転させてバッファ8に出力する。
具体的には、電圧可変容量素子7aは、加算器4からの出力電圧が印加され、当該電圧に応じて端子間容量が変化し、水晶振動子5の両端からみた負荷容量が変化し、周波数を調整する。
また、電圧可変容量素子7bは、加算器4からの出力電圧が印加され、当該電圧に応じて端子間容量が変化し、水晶振動子5の両端からみた負荷容量が変化し、周波数を調整する。
出力端子9は、本発振器の発振信号を出力する端子である。
うねり補償電源電圧発生回路10の詳細は、後述する。
可変増幅器19は、うねり補償電源電圧発生回路10から入力される電源電圧を、増幅度を決定する電圧として入力し、オフセット電圧調整回路18から入力されるオフセット電圧を、増幅度の電圧に基づいて増幅し、加算器4に出力する。
増幅器21は、うねり補償電源電圧発生回路10から入力される電源電圧を増幅して第3の周波数ドリフト補償回路3cに供給する。
次に、周波数ドリフト補償回路3について図2を参照しながら説明する。図2は、周波数ドリフト補償回路の回路図である。
周波数ドリフト補償回路は、図2に示すように、うねり補償電源電圧発生回路10からの電源電圧VD が抵抗R5の一端に印加され、抵抗R5の他端がコンデンサCの一端に接続し、コンデンサCの他端が接地されている。
また、抵抗R5とコンデンサCとの間の点の電圧が増幅器(AMP)17に入力され、増幅器17は、設定される増幅率(ゲイン)によって増幅して出力する。
第1の周波数ドリフト補償回路3aの電源電圧VD は、固定電圧より供給され、第2、第3の周波数ドリフト補償回路3b,3cの電源電圧VD は、うねり補償電源電圧発生回路10の出力電圧を増幅器20又は増幅器21によって増幅された電圧を供給する。
次に、本実施の形態の特徴部分であるうねり補償電源電圧発生回路10の構成について図3を参照しながら説明する。図3は、うねり補償電源電圧発生回路の回路図である。
うねり補償電源電圧発生回路10は、図3に示すように、レギュレータ回路11と、温度検出(Tsens.)回路12と、VTH調整回路13と、VTL調整回路14と、増幅器(AMP)15と、出力端子(Vout)16と、2つの差動増幅器とを有している。
レギュレータ回路11は、定電圧回路であり、一定の電圧を抵抗R1 ,R2 ,R3 ,R4 の一端に印加する。
温度検出回路12は、TCXO内の温度を検出し、検出された温度の値に応じた電圧を出力する。具体的には、NPN形のトランジスタTr3,Tr7のベースに電圧が出力される。
VTL調整回路(第1の電圧調整回路)14は、温度範囲の下限である低温側うねり補償電源電圧の動作切り替わり温度点を特定する固定の電圧値VTL(第1の電圧値)をNPN形のトランジスタTr4のベースに出力する。
出力端子(Vout)16より「うねり補償電源電圧」は、周波数ドリフト補償回路3b,3cの電源電圧VD に増幅器20,21を介して供給される。
Tr1のコレクタがNPN形のトランジスタTr3のコレクタに接続し、Tr2のコレクタがNPN形のトランジスタTr4のコレクタに接続し、Tr3のエミッタとTr4のエミッタが接続されて定電流源を介して接地されている。
1段目の差動増幅器の出力電流は、Tr2のコレクタから増幅器15に提供される。
Tr5のコレクタがNPN形のトランジスタTr7のコレクタに接続し、Tr6のコレクタがNPN形のトランジスタTr8のコレクタに接続し、Tr7のエミッタとTr8のエミッタが接続されて定電流源を介して接地されている。
2段目の差動増幅器の出力電流は、Tr5のコレクタから増幅器15に提供される。
次に、うねり補償電源電圧発生回路10の特性について図4を参照にしながら説明する。図4は、うねり補償電源電圧発生回路の特性を示す図である。図4(1)が温度センサー出力電圧を示す図であり、図4(2)がうねり補償電源電圧発生回路出力電圧を示す図である。
尚、図4(2)の温度に対するうねり補償電源電圧の傾きが、水晶の周波数温度特性の「温度傾斜」に比例する。
更に、電源投入後の第1の期間については早い期間であり、周波数の早期安定化においては重要性が低いこともあり、ICチップ面積の縮小化などのために、第1の周波数ドリフト補償回路を省略してもよい。
本発振器によれば、周波数ドリフト補償回路3に提供される電源電圧を、うねり補償電源電圧発生回路10から温度に対応して変化するうねり補償量に対応した電源電圧を発生させて供給し、うねり補償電源電圧発生回路からの電圧を可変増幅器19に供給し、増幅度を調整することにより、温度に対して変化するオフセット電圧を調整するようにしているので、周波数ドリフト特性のうねり補償をする温度範囲を選択し、水晶の温度傾斜に合わせて調整量を調整して、うねり補償を適性に行うことができる効果がある。
Claims (4)
- 水晶振動子と、前記水晶振動子に並列に接続される増幅器と、前記増幅器の入力側と出力側に接続される電圧可変容量素子とを有する温度補償型水晶発振器であって、
温度補償を行う制御電圧を出力する温度補償回路と、
周波数ドリフト特性の特徴によって電源投入後の第1の期間、第2の期間、第3の期間に区分した場合に、前記第1の期間で周波数を補償する制御電圧を前記電圧可変容量素子に出力する第1の周波数ドリフト補償回路と、
前記第2の期間で周波数を補償する制御電圧を前記電圧可変容量素子に出力する第2の周波数ドリフト補償回路と、
前記第3の期間で周波数を補償する制御電圧を前記電圧可変容量素子に出力する第3の周波数ドリフト補償回路と、
オフセット電圧を調整するオフセット電圧調整回路と、
前記第2の周波数ドリフト補償回路及び前記第3の周波数ドリフト補償回路にうねり補償に対応した電圧を供給すると共に、前記オフセット電圧調整回路にうねり補償に対応した電圧を供給するうねり補償電源電圧発生回路とを有することを特徴とする温度補償型水晶発振器。 - うねり補償電源電圧発生回路は、
第1の温度に対応する第1の電圧を出力する第1の電圧調整回路と、
第2の温度に対応する第2の電圧を出力する第2の電圧調整回路と、
検出温度に対応した検出温度電圧を出力する温度検出回路と、
前記検出温度電圧と前記第1及び第2の電圧と比較し、前記検出温度電圧が前記第1の電圧より大きい場合又は前記検出温度電圧が前記第2の電圧より小さい場合に、差分に応じた出力を行う差動増幅器と、
前記差動増幅器からの出力を増幅する増幅器とを有することを特徴とする請求項1記載の温度補償型水晶発振器。 - うねり補償電源電圧発生回路において、
検出温度電圧が第1の電圧より大きい場合に、温度が下降するに伴い、うねり補償電源電圧をゼロから特定の値まで上昇させ、
前記検出温度電圧が前記第2の電圧より小さい場合に、温度が上昇するに伴い、うねり補償電源電圧をゼロから特定の値まで上昇させることを特徴とする請求項2記載の温度補償型水晶発振器。 - 第1の電圧調整回路及び第2の電圧調整回路の電圧は任意に設定可能として、うねり補償を行う温度範囲を選択することを特徴とする請求項2又は3記載の温度補償型水晶発振器。
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