JP2013150006A - 発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェーハ面内での特性分布の変動が低減可能な発光素子を提供する。
【解決手段】Znと、前記Zn濃度よりも低く、かつ1×1016cm−3以上1.5×1017cm−3以下の濃度を有するSiと、がドープされたGaP基板と、前記GaP基板に形成され、発光層を少なくとも有し、Inx(GayAl1−y)1−xP(但し、0≦x≦1、0≦y≦1)を含む積層体と、を備え、前記GaP基板は、前記発光層からの放出光を透過可能である発光素子が提供される。
【選択図】図7
【解決手段】Znと、前記Zn濃度よりも低く、かつ1×1016cm−3以上1.5×1017cm−3以下の濃度を有するSiと、がドープされたGaP基板と、前記GaP基板に形成され、発光層を少なくとも有し、Inx(GayAl1−y)1−xP(但し、0≦x≦1、0≦y≦1)を含む積層体と、を備え、前記GaP基板は、前記発光層からの放出光を透過可能である発光素子が提供される。
【選択図】図7
Description
本発明は、発光素子に関する。
GaAs基板上に発光層を有する積層体を結晶成長し、GaPなどからなる透明基板と接着したのちにGaAs基板を除去すると、基板における光吸収が低減された高輝度発光素子を得ることができる。
InGaAlP系半導体をGaAs基板上に積層する場合、例えば(100)面から[011]方向、あるいは[01−1]方向へ傾斜した基板を用いると、p型層へのドーピング効率を高め、且つ自然超格子を抑制することが容易となる。
さらに、接着されるGaP基板の傾斜をGaAs基板の傾斜に合わせると、均一な接着界面となり電気的特性を改善することが容易となる。GaP基板は、(100)あるいは(111)の面方位にLEC(Liquid Encapsulated Czochralski: 液体封止チョクラルスキー)法を用いて結晶成長し、スライスの工程で所望の角度方向に傾斜させるのが一般的である。この場合、ドープした不純物がインゴットのシード側からテイル側にかけて偏析するために、傾斜してスライスしたウェーハにおいてシード部及びテイル部を含む領域近傍で特性不良が増加する問題がある。
基板上に形成されたエピタキシャル成長層に安定的に密着される接着型基板及び発光素子に関する技術開示例がある(特許文献1)。この例では、第1の基板上に活性層を含む第1のエピタキシャル層を形成する。また、第2の基板上に第2のエピタキシャル層を形成し、第1のエピタキシャル層と一体的に接合する。この接合工程では、第1の基板の主面のうち、(111)A面と(111)B面とのうちいずれか一方が優先的に出現した面に対して、第2の基板の主面のうち、(111)A面と(111)B面のうちいずれか他方が優先的に出現した面を接合する。
しかしながら、このようにしても接合後のウェーハ面内の特性分布の変動(バラツキ)を低減するのに十分とは言えない。
しかしながら、このようにしても接合後のウェーハ面内の特性分布の変動(バラツキ)を低減するのに十分とは言えない。
ウェーハ面内での特性分布の変動が低減可能な発光素子を提供する。
本発明の他の一態様によれば、Znと、前記Zn濃度よりも低く、かつ1×1016cm−3以上1.5×1017cm−3以下の濃度を有するSiと、がドープされたGaP基板と、前記GaP基板に形成され、発光層を少なくとも有し、Inx(GayAl1−y)1−xP(但し、0≦x≦1、0≦y≦1)を含む積層体と、を備え、前記GaP基板は、前記発光層からの放出光を透過可能である発光素子が提供される。
ウェーハ面内での特性分布の変動が低減可能な発光素子が提供される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる発光素子の模式断面図である。
p型GaPなどからなる(第1の)傾斜基板10の上に、p型GaPなどからなる接着層12が結晶成長されている。他方、n型GaAsなどからなるコンタクト層20、n型InGaAlPからなる電流拡散層22、n型InGaAlPからなるクラッド層24、InGaAlPからなる発光層26、p型InGaAlPからなるクラッド層28、及びp型InGaAlPからなる接着層30が、積層体32を構成している。なお、導電型はこれに限定されず、例えば、n型GaP基板とし、積層体の導電型を反対としても良い。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる発光素子の模式断面図である。
p型GaPなどからなる(第1の)傾斜基板10の上に、p型GaPなどからなる接着層12が結晶成長されている。他方、n型GaAsなどからなるコンタクト層20、n型InGaAlPからなる電流拡散層22、n型InGaAlPからなるクラッド層24、InGaAlPからなる発光層26、p型InGaAlPからなるクラッド層28、及びp型InGaAlPからなる接着層30が、積層体32を構成している。なお、導電型はこれに限定されず、例えば、n型GaP基板とし、積層体の導電型を反対としても良い。
なお、本明細書において「傾斜基板」とは、基板の主面の面方位が(100)、(110)及び(111)のような低次の結晶面からずれた基板を表すものとする。
また、本明細書において、「InGaAlP」とは、 Inx(GayAl1−y)1−xP(但し、0≦x≦1、0≦y≦1)なる組成式で表される化合物半導体材料を意味し、導電性を制御するための不純物元素がドープされたものも包含されるものとする。
積層体32の接着層30と、傾斜基板10に設けられた接着層12と、が接着界面46において接着されている。AuGeなどからなるn側電極40は、略同一サイズのコンタクト層20の上に設けられる。また、AuZnなどからなるp側電極44は、傾斜基板10の裏面側に設けられる。このようにして、縦方向へ注入された電流により、発光層26は、緑〜赤色波長範囲の可視光を放出可能である。なお、傾斜基板10は透光性と限定されるわけではないが、透光性とすると発光層26からの放出光に対して、基板における光吸収を低減し外部へ高出力を放出できるのでより好ましい。
透光性を有し、III−V族からなる傾斜基板10としては、発光波長にも依存するがAlGaAsやAlAsなどを用いることもできる。また、積層体32としては、AlGaAsやGaAsを用いることもできる。
積層体32は、例えば(100)面方位から[011]の方向に、第1の傾斜角を有する(第2の)傾斜基板の上に結晶成長される。傾斜基板の上に結晶成長を行うと、不純物の取り込まれ率が高まり高濃度とできるなど不純物制御が容易となり、且つ発光波長の制御が容易となるので好ましい。InGaAlP系材料をGaAs基板などに結晶成長する場合、傾斜角度は、数度以上が好ましく15度近傍がより好ましい。傾斜角度が大きくなりすぎると、結晶成長が困難となる。
他方、傾斜基板10は、例えば(−100)の面方位から[0−1−1]の方向に、第2の傾斜角を有している。傾斜基板10の上に結晶成長された接着層12も略同一の傾斜角とできる。第1の傾斜角と、第2の傾斜角と、のずれが大きくなると、界面における結晶性が乱れ界面抵抗が増大するので好ましくない。すなわち、傾斜角のずれは小さことが好ましく、1度よりも小とすることがより好ましい。なお、傾斜角のずれは面方位のずれを表している。本明細書において、「略平行な面方位」とは、面方位のずれが1度よりも小であることを意味するものとする。
また、傾斜基板10と積層体32とをウェーハ状態で接着を行う場合、接着層を介することなく接着することもできる。しかし、接着層12を介すると、異種材料との間でより確実に接着することができる。
図2は、本実施形態にかかる発光素子の製造方法の工程断面図である。
Siなどがドープされたn型GaAsなどからなる(第2の)傾斜基板34は、ジャストシードを用いて引き上げられた単結晶インゴットからスライスされたものとするが、オフシードを用いた単結晶インゴットからスライスされたものであってもよい。
Siなどがドープされたn型GaAsなどからなる(第2の)傾斜基板34は、ジャストシードを用いて引き上げられた単結晶インゴットからスライスされたものとするが、オフシードを用いた単結晶インゴットからスライスされたものであってもよい。
傾斜基板34は、例えば(100)面方位から[011]の方向に略15度傾斜した主面を有しており、この面に接着層36、コンタクト層20から始まる積層体32が結晶成長される。結晶成長は、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法やMBE(Molecular Beam Epitaxy)法を用いることができる。MOCVD法の場合、装置内のサセプタに傾斜基板34を載置しAsH3雰囲気中で略730℃まで昇温する。
AsH3(アルシン)をPH3(フォスフィン)に切り替え、直後にTMG(Trimethyl Gallium)、TMI(Trimethyl Indium)、及びSiH4(モノシラン)を供給すると、SiドープInGaPからなる接着層36が形成される。
続いて、PH3をAsH3に切り替え、その直後にTMG及びSiH4を供給すると、SiドープGaAsからなるコンタクト層20が形成される。
続いて、ASH3をPH3に切り替え、その直後にTMG、TMI、TMA、及びSiH4を供給すると、SiドープInGaAlPからなる電流拡散層22が形成される。
続いて、DMZ(Dimethyl Zinc)を用いてZnをドープすることにより、発光層26、クラッド層28、及び接着層30をp型とすることができる。このようにして積層体32を形成したのち、PH3雰囲気において降温し、室温まで低下したらPH3の供給を停止し窒素ガスに置換して結晶成長工程を完了する(図2(a))。
このように、MOCVD法を用いると、発光層26をMQW構造とすることが容易である。MQW(Multiple Quantum Well)構造とすることにより、発光波長の制御及び動作電流の低減などが容易となる。
他方、LEC法を用いて、例えばp型GaP単結晶インゴットを(−100)面から[0−1−1]方向に略15度傾斜した面方位で引き上げる。すなわち、単結晶インゴットの引き上げ方向を、(−100)面から[0−1−1]方向に略15度傾斜した方向とする。これは、単結晶インゴットの結晶方位を決定する種結晶(SEED)の面方位によって制御できる。つまり、種結晶の(−100)面から[0−1−1]方向に15度だけ傾斜した方向を引き上げ方向とすることにより、このような結晶方位の単結晶インゴットを成長させることができる。
なお、この場合、Zn及びSiのドーピング量を制御すると、所望のキャリア濃度とすることができる。
なお、この場合、Zn及びSiのドーピング量を制御すると、所望のキャリア濃度とすることができる。
単結晶インゴットを、その引き上げ方向と略直交する方向に薄切り(スライス)することにより、(−100)面から[0−1−1]方向に略15度傾斜した面方位を主面とする傾斜基板10を得ることができる。なお、この傾斜基板10は、基板(大きさ5mm×5mm)の中心において、例えばZn濃度は略8.0×1017cm−3、Si濃度は1.0×1017cm−3であった。また、渦電流法により測定した所、p型キャリア濃度は略7.5×1017cm−3であった。
傾斜基板10をMOCVD装置内のサセプタに載置し、PH3雰囲気中で730℃まで昇温し、TMG及びDMZを供給するとp型GaPからなる接着層12を形成することできる(図2(b))。
図2(a)及び図2(b)に表す積層構造を超音波洗浄装置などを用いて洗浄したのち、略200℃においてウェーハ状態で重ねあわせて加熱接着を行う(図2(c))。この場合、傾斜基板10側の接着層12の主面12aと、積層体32の主面32aと、が接着される。こののち、水素雰囲気中にて、略400℃で60分の熱処理工程を行うと接着工程が完了する。
続いて、接着した構造を、アンモニア水:過酸化水素水が1:15となる混合溶液(25℃)に浸すと、例えば60分でGaAsからなる基板34が除去できる。こののち、水素雰囲気中で700℃、60分間の熱処理を行うと、積層体との接着強度をさらに高めることができる。さらに、塩酸に浸すと接着層36を除去することができる。
傾斜基板10を研磨して、その厚さを、破線で表すように、例えば200μmなどとする(図2(d))。さらにp側電極44及びn側電極40を形成し、熱処理工程を行いオーミックコンタクトを形成する。ダイシングにより図1の発光素子を得ることができる。
図3は、傾斜基板を説明する模式図である。すなわち、図3(a)は本実施形態の断面図、図3(b)は比較例の断面図、図3(c)は単結晶を説明する概念図、図3(d)は接着面を説明する断面図、である。
図3(a)の本実施形態の発光素子では、オフシードを用いて引き上げた単結晶インゴットから得られた基板10が用いられている。
他方、図3(b)の比較例の発光素子では、例えば(100)面や(111)面のジャスト面をシードとして引き上げた単結晶インゴットを、(−100)から[0−1−1]の方向に所望の角度だけ傾けてスライスした傾斜基板110が用いられている(図3(c))。傾斜基板110の上には接着層12が設けられており、積層体132と、接着界面146において接着されている。
GaP単結晶インゴットを引き上げる場合、インゴット8のシード側、テイル側、及び外縁近傍の領域ではエッチピット密度(EPD)が高くなりやすい。このため、エッチピット密度が相対的に低い単結晶インゴット8の中間部の領域L1を用いるとウェーハ内のチップ良品率を高めることが容易となる。斜めにスライスする場合、チップ良品率を高く保つため、シード側及びテイル側を避けると使用する領域L2が減少する。また、テイル領域ではZn濃度が高くなりやすい。
本実施形態では、傾斜基板10は、オフシードを用いて引き上げられた単結晶インゴットを用いる。図3(d)のように、傾斜基板10に設けられた接着層12の主面12aの面方位は、傾斜基板10の主面10aの面方位と略一致する。また、積層体32の主面32aの面方位は、傾斜基板34の面方位34aと略一致する。
接着層12の主面12aの面方位は、(100)面から[011]方向に傾斜した面方位及び(−100)から[0−1−1]方向に傾斜した面方位のいずれか一方であることが好ましい。また、積層体32の主面の面方位は、(100)面から[011]方向に傾斜した面方位及び(−100)から[0−1−1]方向に傾斜した面方位のいずれか他方であることが好ましい。このような組み合わせにより、ドーピング制御性と発光特性との両方を改善することが容易となる。
一般に、GaPやGaAsのようなIII−V族化合物半導体において、単結晶インゴットから基板をスライスする角度によっては、シード側の面とテイル側の面とで表面に表れる元素が異なることがある。また、異なった基板またはその上に成長された層の表面にも基板と略同一の面方位が表れる。すなわち、いずれか一方が「III族面に傾く面」であれば、いずれか他方は「V族面に傾く面」となる。例えば、図3(d)において、傾斜基板10の主面10aと他方の面10bとでは互いに異なる「面」が現れる。また傾斜基板34においても、主面34aと他方の面34bとでは異なる「面」が現れる。
このような異なる「面」を互いに重ね合わせて接着すると、III族とV族との比が略一定に保たれ、ダングリングボンドを低減し、基板の全面において均一に接着可能となり、界面抵抗の変動(バラツキ)を低減できる。
また、エッチピットを以下の方法で観察した。まずオリエンテーションフラットに対して平行にウェーハをへきかいすると、その断面は(01−1)面となる。次に、フッ酸、硫酸、及び過酸化水素水の混合液に浸し、その主面及び(01−1)面とを微分干渉顕微鏡により観察した。図3(a)の傾斜基板10と図3(b)の傾斜基板110とにおいて、その主面におけるエッチピット密度に有意差が観察されなかった。他方、(01−1)面において、本実施形態では図3(a)のように三角錘状のエッチピット11は傾斜基板10の主面10aに対して略垂直方向に、比較例ではエッチピット111は傾斜基板110の主面110aに対して傾いた方向に沿って配列されやすいことが観察された。このように、エッチピットの配列方向を観察することにより傾斜基板の単結晶引き上げ方法を知ることが可能であることが判明した。
図4は、光出力のウェーハ面内分布を表す。すなわち、図4(a)は本実施形態、図4(b)は比較例である。X及びYは、ウェーハ面において、互いに直交する相対位置座標を表す。また、本実施形態及び比較例とも、「III族面に傾く面」と「V族面に傾く面」とを接着している。
本実施形態に用いたインゴットからスライスしたウェーハにおいて、5mm×5mmの領域の略中心のZn濃度は、SIMS(Secondary Ionization Mass Spectroneter)分析によれば8.0×1017cm−3であった。なお、また、渦電流法を用いて測定したところ、p型キャリア濃度は略7.5×1017cm−3であった。図4(a)に表すように、この基板を用いた本実施形態の発光素子の光出力Poは、最大値が3.41mW、最小値が3.15mW、平均値が3.3mW、及び標準偏差が0.06mWであった。
他方、比較例に用いた基板は、引き上げ方位を[−100]として引き上げたジャストシードを用いたインゴットを、(−100)から[0−1−1]の方向に15度傾けてスライスしたものである。このインゴットからスライスした5mm×5mmの領域の略中心のZn濃度は、7.8×1017cm−3、Si濃度は1.0×1016cm−3であった。本比較例において、SiをドープしていないにもかかわらずSiが検出されたのは引き上げ工程に用いた石英部品からの混入のためと考えられる(基板はシード側近い領域からスライスされている)。また、渦電流法を用いて測定したところ、p型キャリア濃度は7.5×1017cm−3であった。
図4(b)に表すようにこの基板を用いた比較例の発光素子の光出力Poは、最大値が3.51mW、最小値が2.88mW、平均値が3.22mW、及び標準偏差が0.15であった。すなわち、比較例において光出力Poの変動(バラツキ)が大きく、その標準偏差は本実施形態の略2.5倍であった。
図5は、一定動作電流における動作電圧のウェーハ面内分布を表す。すなわち、図5(a)は本実施形態、図5(b)は比較例である。X及びYは、ウェーハ面において、互いに直交する相対位置座標を表す。
図5(a)に表すように、本実施形態の動作電圧VFの最大値は2.306V,最小値は2.239V、平均値は2.273V、及び標準偏差は0.019Vであった。他方、図5(b)の比較例の動作電圧VFの最大値は2.375V、最小値は2.189V、平均値は2.270v、及び標準偏差は0.049Vであった。すなわち、比較例において動作電圧の変動が大きくその標準偏差は本実施形態の略2.6倍であった。
図5(a)に表すように、本実施形態の動作電圧VFの最大値は2.306V,最小値は2.239V、平均値は2.273V、及び標準偏差は0.019Vであった。他方、図5(b)の比較例の動作電圧VFの最大値は2.375V、最小値は2.189V、平均値は2.270v、及び標準偏差は0.049Vであった。すなわち、比較例において動作電圧の変動が大きくその標準偏差は本実施形態の略2.6倍であった。
本実施形態において基板10と積層体32との接着界面46において界面抵抗のバラツキは、比較例における界面抵抗のバラツキよりも小さい。このために、本実施形態では、ウェーハ全面において動作電圧VFをより均一にでき、光出力Poの変動(バラツキ)も低減できる。
なお、オフシード引き上げによる単結晶インゴットがn型GaPであっても、III族に傾く面とV族に傾く面とを接着すると動作電圧及び光出力の変動低減が可能であった。
すなわち、図2に表す製造方法により、図4及び図5のように特性変動が低減され、チップ良品率が改善され量産性が高められ、結果として価格低減が容易となる。
図6は、第2の実施形態にかかる発光素子の光出力変動を表すグラフ図である。すなわち、図6(a)は比較例、図6(b)は本実施形態である。本図において、縦軸は相対光出力(%)、横軸は通電時間(h)である。
なお、本実施形態において、積層体は図1に表す第1の実施形態と同じ形状とするが、基板10のドーピングが異なる。
なお、本実施形態において、積層体は図1に表す第1の実施形態と同じ形状とするが、基板10のドーピングが異なる。
図6(a)の比較例において、用いた傾斜基板はジャストシードを用いて引き上げられた単結晶インゴットのテイル側(図3(c)の領域T近傍)からスライスされている。通常、テイル側では結晶欠陥が多くZnの拡散が促進されやすい。なお、Zn濃度は1.5×1018cm−3及び2.0×1018cm−3の2つに設定されている。
テイル近傍からスライスされた基板では、引き上げ工程で使用される石英部品からのSiのオートドープは少なく、実際SIMSの検出限界以下であった。比較例の場合、1000時間経過時の光出力は、初期値の75〜81%の範囲内に低下する。なお、2つのZn濃度の間の差異に有意差は見られなかった。
これに対して、発明者は、図3(c)の領域Sで表すシード側からの傾斜基板を用いた発光素子において、エッチピット密度が高くても光出力の低下が少ないとの知見を得た。シード側では、Siをドープしないにもかかわらず、略1×1016cm−3のSi濃度が検出されていることから、SiがZnの拡散に対して抑制効果があると考えることができる。
これに対して、発明者は、図3(c)の領域Sで表すシード側からの傾斜基板を用いた発光素子において、エッチピット密度が高くても光出力の低下が少ないとの知見を得た。シード側では、Siをドープしないにもかかわらず、略1×1016cm−3のSi濃度が検出されていることから、SiがZnの拡散に対して抑制効果があると考えることができる。
この知見に基づいて、第2の実施形態において、傾斜基板10にはZnと、Zn濃度よりも低濃度のSiと、をドープした。すなわち、Zn設定濃度が1.5×1018cm−3且つSi設定濃度が1.2×1016cm−3の基板と、Zn設定濃度が2.0×1018cm−3且つSi設定濃度が1.4×1016cm−3の基板と、をそれぞれ用いている。この結果、図6(b)のように、1000時間経過時において光出力Poの変動は初期値の±2%以下と小さくできた。なお、2つの設定濃度の間の差異に有意差は見られなかった。
図7は、光出力PoのSi濃度に対する依存性を表すグラフ図である。縦軸は初期相対輝度、横軸はSi濃度(cm−3)である。
Zn濃度は7.0×1017cm−3とし、Si濃度は、5.0×1016cm−3、1.0×1017cm−3、1.5×1017cm−3、及び2.0×1017cm−3とした。光出力Po(輝度)は、Si濃度が低い程高く、1.5×1017cm−3と2.0×1017cm−3の間で急峻に低下する。すなわち、Si濃度は、略1.5×1017cm−3以下であることが好ましい。なお、いずれのSi濃度においても、1000時間経過時における光出力Poの変動は±2%以下と小さかった。すなわち、Si濃度を、単結晶インゴット引き上げにおけるオートドーピングよりも高く、且つ1.5×1017cm−3以下とすると、光出力Poを保ちつつ光出力低下が抑制され、ウェーハ面内特性変動(バラツキ)が抑制された発光素子とすることが容易となる。
Zn濃度は7.0×1017cm−3とし、Si濃度は、5.0×1016cm−3、1.0×1017cm−3、1.5×1017cm−3、及び2.0×1017cm−3とした。光出力Po(輝度)は、Si濃度が低い程高く、1.5×1017cm−3と2.0×1017cm−3の間で急峻に低下する。すなわち、Si濃度は、略1.5×1017cm−3以下であることが好ましい。なお、いずれのSi濃度においても、1000時間経過時における光出力Poの変動は±2%以下と小さかった。すなわち、Si濃度を、単結晶インゴット引き上げにおけるオートドーピングよりも高く、且つ1.5×1017cm−3以下とすると、光出力Poを保ちつつ光出力低下が抑制され、ウェーハ面内特性変動(バラツキ)が抑制された発光素子とすることが容易となる。
第1及び第2の実施形態によれば、界面抵抗値の変動が低減され、ウェーハ面内での動作電圧VF及び光出力Poなどの変動が改善された発光素子が提供される。これらの発光素子は、照明装置、表示装置、信号機などに広く応用可能である。
以上、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれら実施形態に限定されない。本発明を構成する単結晶インゴット、基板、積層体、アクセプタ及びドナーなどの不純物などの材質、サイズ、形状、配置などに関して当業者は各種設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
8 単結晶インゴット、10,10a (第1の)傾斜基板、12 接着層、26 発光層、32 積層体、34、34a(第2の)傾斜基板
Claims (4)
- Znと、前記Zn濃度よりも低く、かつ1×1016cm−3以上1.5×1017cm−3以下の濃度を有するSiと、がドープされたGaP基板と、
前記GaP基板に形成され、発光層を少なくとも有し、Inx(GayAl1−y)1−xP(但し、0≦x≦1、0≦y≦1)を含む積層体と、
を備え、
前記GaP基板は、前記発光層からの放出光を透過可能である発光素子。 - 前記GaP基板の導電型は、p型である請求項1記載の発光素子。
- 前記GaP基板と前記積層体との間に設けられた接着層をさらに備え、
前記接着層は、Inx(GayAl1−y)1−xP(但し、0≦x≦1、0≦y≦1)からなる請求項1または2に記載の発光素子。 - 前記GaP基板は、傾斜基板である請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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