JP2005235801A - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属酸化物からなる窓層と第二導電型クラッド層との間に、第二導電型決定不純物であるZnを高濃度に添加した直接遷移の半導体最上層を備えたLED等の半導体発光素子において、サイリスタ特性が出ないようにして再現性良く製造可能とすること。
【解決手段】基板1上に、活性層4を第一クラッド層3と第二クラッド層5で挟んだ発光部10と、Znを第二導電型決定不純物に用いたコンタクト層6を順次積層し、その上に金属酸化物からなる窓層7を積層した構成を得るに際し、コンタクト層6の形成終了後に、該コンタクト層6の形成温度以上を維持しながらV族原料と第一導電型決定不純物原料のみ、又は第一導電型決定不純物原料のみを供給する工程を経てから、冷却工程を行ない、その後、このコンタクト層6上に金属酸化物からなる窓層7であるITO膜を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体発光素子の製造方法、特に高輝度、高信頼性及び低価格の半導体発光素子の製造方法に関するものである。
従来、半導体発光素子である発光ダイオード(LED)は、GaP系の半導体層の緑色、AlGaAs系の半導体層の赤色がほとんどであった。しかし、最近GaN系やAlGaInP系の半導体層を有機金属気相成長法(MOVPE法)で成長することができるようになったことから、橙色、黄色、緑色、青色の高輝度LEDが製作できるようになってきた。
MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法で形成したエピタキシャルウェハにより、これまでにできなかった短波長の発光や、高輝度の発光が得られるLEDの製作が可能となった。しかし、高輝度の発光を得るためには、電流分散特性を良くするために窓層(電流分散層)の膜厚を厚くする必要があり、このためLED用エピタキシャルウェハの製造コストが高くなり、半導体発光素子を安価に製作することが難しかった。
製造コストを下げるためには、窓層の膜厚を薄くし、且つ電流分散特性を良くすれば良い。つまり、窓層自体の抵抗率をさらに低くすれば良い。抵抗率の低いエピタキシャル層を得るためには、移動度を大幅に変える方法や、キャリア濃度を高くする方法がある。
そこで、これらの問題を解決する方法として、窓層としてできるだけ抵抗率の低い材料を用いる手法が常套となっている。
例えばAlGaInP系LEDの場合には、窓層としてGaPやAlGaAsが用いられる。しかしこれらの抵抗率の低い材料を用いても、p型で高キャリア濃度のエピタキシャル層を成長させることが難しいため、やはり電流分散特性を良くするためには、窓層の膜厚を8μm以上まで厚くする必要がある。
また、他の半導体でそのような特性を有するものがあれば、それで代用することができるが、そのような特性を満足する半導体は見当たらない。
また、例えばGaN系LEDの場合は、その他の方法として金属薄膜を窓層として用いている。しかし、金属薄膜が光を通すためには非常に薄くする必要があり、また十分な電流分散特性を得ようとすれば、厚く形成する必要がある。更に金属薄膜は、一般的に真空蒸着法で形成され、その真空排気時間が長いことも問題である。
ここで、十分な透光性を有し、且つ十分な電流分散特性を得られる材料として、金属酸化物の透明導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)膜が注目されている。このITO膜を窓層(電流分散層)として用いることができれば、これまで窓層(電流分散層)として半導体層を厚く形成していたが、そのエピタキシャル層が要らなくなるため、安価に高輝度のLEDを生産できるようになる。
このLEDの製造においては、通常、窓層としての透明導電膜(ITO膜)の上に金属電極が形成されるが、エピタキシャルウェハの最上に位置する半導体層(以下、最上半導体層という)と金属酸化物の透明導電膜との間に接触抵抗が発生してしまい、順方向動作電圧が高くなるという問題がある。
また一方で、半導体からなるコンタクト層のキャリア濃度を極めて高くすることで、トンネル電流によりLEDを駆動させるという方法も開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
さらにまた、最上半導体層として炭素(C)を不純物としたGaAs層を用い、C不純物の原料として四臭化炭素(CBr)を用いて、高輝度、低動作電圧、高信頼性のLEDを作製するという方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
ELECTRONICS LETTERS、7Th December 1995(2210〜2212頁参照) 特開平11−307810号公報
しかしながら、C不純物の原料に四臭化炭素(CBr)を用いると、1回目の成長では充分な特性を達成できるが、連続して成長を行うと2回目以降は、極めて発光出力が低くなってしまうという問題があった(二回目以降に製作したLEDの発光出力は約50%)。つまり、再現性に問題があった。
この問題を特定するため、2回目以降に成長したエピタキシャルウェハのSIMS分析を行った。その結果、エピタキシャルウェハ中に高濃度のC及び酸素(O)が存在することが明らかとなった。この結果より、原料として四臭化炭素(CBr4)を用いたことで、1回目の成長にて高濃度のC及びOが成長炉内に残存してしまい、そのC及びOが2回目以降の成長時にエピタキシャルウェハ中に混入し、発光出力が低下したと考えられる。
また前記開示方法の中で、最上半導体層として亜鉛(Zn)を不純物としたGaAs層を用いる方法が示されているが、この方法でも1回目の成長では高輝度、低動作電圧が得られ、充分な特性を達成できるが、連続して成長を行うと、2回目以降では、20mA通電時の特性では満足のいくものを得ることが出来たが、低電流領域での動作電圧が、極めて高くなるという問題があった。つまり、二回目以降に製作したLEDでは、サイリスタ特性が現れることが確認され、再現性が悪いことが明らかとなった。
従って、本発明の目的は、上記課題を解決し、金属酸化物の透明導電膜からなる窓層と第二導電型クラッド層との間に、第二導電型決定不純物であるZnが高濃度に添加された直接遷移の半導体最上層(最も上に形成された半導体層)を備えた半導体発光素子において、サイリスタ特性が出ないようにして再現性良く製造できる半導体発光素子の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明に係る半導体発光素子の製造方法は、基板の上に、活性層を第一導電型クラッド層と第二導電型クラッド層で挟んだ発光部と、亜鉛(Zn)を第二導電型決定不純物に用いた第二導電型コンタクト層を順次積層し、前記第二導電型コンタクト層の上に窓層を形成する半導体発光素子の製造方法において、前記第二導電型コンタクト層の形成終了後に、該第二導電型コンタクト層の形成温度以上を維持して、第二導電型決定不純物原料とIII族原料の供給を停止し第一導電型決定不純物原料とV族原料のみを供給する工程を経てから冷却工程を行なうことを特徴とする。
窓層(電流分散層)は金属酸化物の他、GaPやAlGaAs等の半導体でも、本発明の効果を得ることができる。
請求項2の発明に係る半導体発光素子の製造方法は、第一導電型の基板の上に、活性層を第一導電型クラッド層と第二導電型クラッド層で挟んだ発光部と、亜鉛(Zn)を第二導電型決定不純物に用いた第二導電型コンタクト層を順次積層し、前記第二導電型コンタクト層の上に金属酸化物からなる窓層を形成する半導体発光素子の製造方法において、前記第二導電型コンタクト層の形成終了後に、該第二導電型コンタクト層の形成温度を維持したまま第二導電型決定不純物原料とIII族原料の供給を停止し、且つ10分以上第一導電型決定不純物原料とV族原料を供給してから冷却工程を行なうことを特徴とする。
請求項3の発明に係る半導体発光素子の製造方法は、基板の上に、活性層を第一導電型クラッド層と第二導電型クラッド層で挟んだ発光部と、亜鉛(Zn)を第二導電型決定不純物に用いた第二導電型コンタクト層を順次積層し、前記第二導電型コンタクト層の上に金属酸化物からなる窓層を形成した半導体発光素子の製造方法において、前記第二導電型コンタクト層の形成終了後に、前記発光部の成長温度以下であり、該第二導電型コンタクト層の形成温度以上で、第二導電型決定不純物原料とIII族原料の供給を停止し、且つ10分以上第一導電型決定不純物原料とV族原料のみを供給してから冷却工程を行なうことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、第二導電型決定不純物原料とIII族原料の供給を停止することに加えて、V族原料の供給も停止し、且つ10分以上第一導電型決定不純物原料のみを供給してから冷却工程を行なうことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、前記第一導電型決定不純物原料がセレン(Se)、シリコン(Si)、テルル(Te)のいずれかを含有するガスであることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、前記第二導電型コンタクト層がAlGa1−XAs(0≦X≦0.43)で構成され、且つ該第二導電型コンタクト層の第二導電型決定不純物が亜鉛(Zn)であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、前記第二導電型コンタクト層の不純物が亜鉛(Zn)であり、且つ炭素(C)のオートドーピングがあることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、前記第二導電型コンタクト層のキャリア濃度が1×1019cm-3以上であることを特徴とする。
<発明の要点>
上記目的を達するために、本発明者は上記課題を解決するべく鋭意努力し研究を行った結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、第二導電型クラッド層と窓層との間に、第二導電型決定不純物であるZnが高濃度に添加された直接遷移の半導体最上層を備えた半導体発光素子において、前記Znが高濃度に添加された直接遷移の半導体最上層の成長後に、成長温度以上を維持しながらV族原料と第一導電型決定不純物原料のみ、又は第一導電型決定不純物原料のみを供給すれば、Znの残存を抑制でき、次の成長で起きる問題(サイリスタ特性が出るという問題)が出ないことを見出したことにある。本発明はこれを応用した製造方法であり、極めて安価で高輝度、高信頼性、低動作電圧の半導体発光素子用エピタキシャルウェハを再現性良く製造することができる。
本発明によれば、Znの残存を抑制でき、次の成長でサイリスタ特性が出ないため、製造コストが極めて安価であり、高輝度、高信頼性且つ順方向動作電圧の低いLEDが、再現性良く安定して製作できるようになった。これによりLED用のエピタキシャル層の膜厚は五分の一から数十分の一まで薄くすることができるようになった。これは、LEDを構成するエピタキシャル層の中で窓層(電流分散層)の厚さが最も厚かったためである。
これにより、LED用エピタキシャルウェハの価格を大幅に低減することができた。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1において、第一導電型(n型)の基板1上に、バッファ層2を形成した後、その上に、活性層4を第一導電型クラッド層3と第二導電型(p型)クラッド層5で挟んだ発光部10と、Znを第二導電型決定不純物に用いた第二導電型コンタクト層6を順次積層する。そして、第二導電型コンタクト層6の形成終了後に、該第二導電型コンタクト層6の形成温度を維持したまま、第二導電型決定不純物原料とIII族原料の供給を停止し、且つ10分以上第一導電型決定不純物原料とV族原料を供給してから冷却工程を行なう。そして、この第二導電型コンタクト層6の上に金属酸化物のITO膜からなる窓層7を形成する。
また別の形態においては、上記第二導電型コンタクト層6の形成終了後に、上記発光部10の成長温度以下であり、第二導電型コンタクト層6の形成温度以上で、第二導電型決定不純物原料とIII族原料の供給を停止し、且つ10分以上第一導電型決定不純物原料とV族原料を供給してから冷却工程を行なう。そして、この第二導電型コンタクト層6上に金属酸化物のITO膜からなる窓層7を形成する。
このように第二導電型コンタクト層6の成長後、つまり第二導電型決定不純物であるZnが高濃度に添加された直接遷移の半導体最上層の成長後に、その成長温度以上を維持しながら、第二導電型決定不純物原料とIII族原料の供給を停止し、第一導電型決定不純物原料とV族原料のみを供給すれば、Znの残存を抑制することができ、次の成長で起きる問題点であるサイリスタ特性が出ないようにすることができる。
<実施例1>
図1に示した構造の発光波長630nm付近の赤色LED用エピタキシャルウェハを、連続して2枚作製した。
第一導電型(n型)基板であるn型GaAs基板1上に、MOVPE法で、n型(Seドープ)GaAsバッファ層(膜厚400nm,キャリア濃度1×1018cm-3)2、n型(Seドープ)(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(第一導電型クラッド層)(膜厚300nm、キャリア濃度1×1018cm-3)3、アンドープ(Al0.1Ga0.90.5In0.5P活性層(膜厚600nm)4、p型(Znドープ)(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(第二導電型クラッド層)(膜厚300nm、キャリア濃度5×1017cm-3)5、p型(Znドープ)Al0.1Ga0.9Asコンタクト層(膜厚2nm、キャリア濃度2×1019cm-3)6を、順次MOVPE法で成長させ、前記p型(Znドープ)Al0.1Ga0.9Asコンタクト層(膜厚2nm、キャリア濃度2×1019cm-3)6の成長後に、直ちに冷却工程に入らず、成長温度を維持して、V族原料のみを遮断せずに、第二導電型決定不純物原料であるZn原料及びIII族原料を遮断して、第一導電型決定不純物原料であるSe原料を供給した。その後10分間保持し、冷却工程を行った。
上記MOVPE成長は、成長温度650℃、成長圧力50Torr、各層の成長速度は0.3〜1.0nm/s、V/III比は300〜600で行った。但し上記p型(Znドープ)Al0.1Ga0.9Asコンタクト層(膜厚2nm、キャリア濃度2×1019cm-3)6のみ、成長温度を500℃として成長を行った。
MOVPE成長において用いる原料としては、例えばトリメチルガリウム(TMG)又はトリエチルガリウム(TEG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)、等の有機金属や、アルシン(AsH3)、ホスフィン(PH3)等の、水素化物ガスを用いた。
例えば、n型GaAsバッファ層2のようなn型半導体層の導電型決定不純物原料としては、セレン化水素(H2Se)を用いた。またp型AlGaAsコンタクト層6のようなp型半導体層の導電型決定不純物原料としては、ジメチル亜鉛(DMZ)を用いた。その他にn型半導体層の導電型決定不純物原料として、シラン(SiH4)を、p型半導体層の導電型決定不純物原料としてジエチル亜鉛(DEZ)を用いることもできる。
連続して成長した上記2枚のエピタキシャルウェハに、窓層7となる金属酸化物の透明導電膜であるITO膜を真空蒸着法にて、約280nm形成した。この時の成膜温度(基板表面温度)は、300℃である。この時のITO膜からなる窓層7の比抵抗は、6.2×10-6Ωmであった。因みにITO膜からなる窓層7は、2枚同時に成膜した。
このエピタキシャルウェハの上面には直径120μmの円形状のp側電極(上面電極)8を、マトリックス状に蒸着で形成した。p側電極8は、ニッケル、金を、それぞれ20nm、1000nmの順に蒸着した。更に、エピタキシャルウェハの底面には、全面にn側電極(底面電極)9を形成した。n側電極9は、金・ゲルマニウム、ニッケル、金を、それぞれ60nm、10nm、500nmの順に蒸着し、その後、電極の合金化であるアロイを、窒素ガス雰囲気中で400℃で5分行った。
その後、上記のようにして構成された電極付きLED用エピタキシャルウェハを、上記円形状のp側電極8が中心になるように切断し、チップサイズ300μm角の発光ダイオードベアチップを作製した。更に、このLEDベアチップをTO−18ステム上にマウント(ダイボンディング)し、その後更に、マウントされた該LEDベアチップに、ワイヤボンディングを行い、LED素子を作製した。上記電極形成からLED素子作製工程に関しても、2枚のエピタキシャルウェハを同時に製作している。つまり成長作業以外は、常に2枚のエピタキシャルウェハの加工作業を同時に行った。
このようにして製作されたLED素子のLED特性を評価した。図2に電流電圧特性(連続成長2枚目)を示す。
最初に成長させたエピタキシャルウェハから製作したLED素子の発光出力は20mA通電時で2.53mWであり、順方向動作電圧は1.953Vであり、良好な特性であった。
また2枚目に成長したエピタキシャルウェハから製作したLED素子の発光出力は20mA通電時で2.54mWであり、順方向動作電圧は1.955Vであり、良好な特性であった。
更には、最初に成長させたエピタキシャルウェハも2枚目(連続成長した2回目)に成長したエピタキシャルウェハから製作したLED素子の0.2mA通電時での順方向動作電圧は、それぞれ1.703Vと1.705Vであり、良好な特性であった。また2mA通電時での順方向動作電圧も、それぞれ1.795Vと1.797Vであり、良好な特性であった。
つまり、サイリスタ特性が出ること無く、連続して良好な特性のLED用エピタキシャルウェハの製作が出来た。即ち、再現性良く連続成長することができた。
<実施例2>
エピタキシャル成長方法、エピタキシャル層膜厚、エピタキシャル構造とITO膜からなる窓層7の成膜方法及び膜厚や電極形成方法及びLED素子製作方法は、基本的に上記実施例1と同じにした。但し、上記のp型(Znドープ)Al0.1Ga0.9Asコンタクト層(膜厚2nm、キャリア濃度2×1010cm-3)6の成長後に、直ちに冷却工程に入らず、成長温度を維持して、第二導電型決定不純物原料であるZn原料、III族原料及びV族原料を遮断して、第一導電型決定不純物原料であるSe原料を供給した。その後10分間保持し、冷却工程を行った。
この様にして製作された構造のLED素子(発光ダイオード)の、LED特性を評価した。LED特性の評価結果は、実施例1と同等の特性であることが確認された。このため上記p型(Znドープ)Al0.1Ga0.9Asコンタクト層(膜厚2nm、キャリア濃度2×1019cm-3)6成長後に、成長温度を維持してV族原料を供給せずに第一導電型決定不純物原料であるSe原料のみを10分間供給することでも、実施例1と同様の効果が得られ、サイリスタ特性が出ることなく、連続して良好な特性のLED用エピタキシャルウェハの製作が出来た。即ち、再現性良く連続成長できた。
<比較例>
比較例として図1に示した構造の発光波長630nm付近の赤色LED用エピタキシャルウェハを、連続して2枚作製した。
n型GaAs基板1上に、MOVPE法で、n型(Seドープ)GaAsバッファ層(膜厚400nm、キャリア濃度1×1018cm-3)2、n型(Seドープ)(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(膜厚300nm、キャリア濃度1×1018cm-3)3、アンドープ(Al0.1Ga0.90.5In0.5P活性層(膜厚600nm)4、p型(Znドープ)(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(膜厚300nm、キャリア濃度5×1017cm-3)5、p型(Znドープ)Al0.1Ga0.9Asコンタクト層(膜厚2nm、キャリア濃度2×1019cm-3)6を、順次MOVPE法で成長させ、上記p型(Znドープ)Al0.1Ga0.9Asコンタクト層(膜厚2nm、キャリア濃度2×1019cm-3)6の成長後に、直ちに冷却工程を行った。
成長終了後の冷却工程以外のエピタキシャル成長やITO膜からなる窓層7の成膜方法及び電極形成、チップ加工、評価方法は、基本的に上記実施例と同じにした。
このようにして製作されたLED素子の、LED特性を評価した。図3及び図4に電流電圧特性(連続成長2枚目)を示す。
最初に成長させたエピタキシャルウェハから製作したLED素子の発光出力は、20mA通電時で2.51mWであった。また順方向動作電圧は、1.954Vであり、良好な特性であった。
また2枚目に成長したエピタキシャルウェハから製作したLED素子の発光出力は、20mA通電時で2.52mWであった。また順方向動作層圧は、1.957Vであり、良好な特性であった。
しかし、2枚目に成長したエピタキシャルウェハから製作したLED素子の0.2mA及び2mA通電時での順方向動作電圧が、それぞれ3.9V、3.3Vと高くなってしまった。つまりサイリスタ特性を示していることが解った。因みに、最初に成長させたエピタキシャルウェハから製作したLED素子の0.2mA及び2mA通電時での順方向動作電圧は、それぞれ1.706Vと1.798Vであり、良好な特性である。つまり、再現性良くエピタキシャルウェハを製造する事が出来なかった。
<最適条件に付いての根拠>
成長終了後の第一導電型決定不純物原料の供給時間は、長ければ長いほどZnの残存を無くすことができ、Znの残存による次の成長での問題(サイリスタ特性が出るという問題)を無くす効果がある。しかし成長終了後の保持時間をあまり長くしすぎると、エピタキシャル層の表面からのZnの抜けが多くなって、最上半導体層のZn量が減少してしまい、ITO膜からなる窓層7と最上半導体層の間が高抵抗になり、順方向動作電圧が高くなってしまう。また供給時間があまり長くなりすぎると、製造コストが高くなる。このため成長終了後の供給時間は、10〜60分程度が好まい。より好ましくは、10〜30分である。
成長終了後の第一導電型決定不純物原料の供給温度は、高いほどZnの残存を無くすことができ、Znの残存による次の成長での問題(サイリスタ特性が出るという問題)を無くす効果がある。しかし、成長終了後の供給温度をあまり高くしすぎると、エピタキシャル表面からのZnの抜けが多くなったり、第一導電型決定不純物(Se)の付着等が起こる。このため最上半導体層のZn量が減少したり、第一導電型決定不純物(Se)によりITO膜からなる窓層7と最上半導体層の間が高抵抗になり、順方向動作電圧が高くなってしまう。また第一導電型決定不純物の供給温度があまり高くなりすぎると、Znの拡散により発光出力が低くなる。このため成長終了後の第一導電型決定不純物の供給温度は、成長終了温度から成長最高温度までの範囲が好ましい。具体的な供給温度の範囲としては、500〜650℃が好ましく、より好ましくは、500〜550℃である。
<他の実施形態例、変形例>
最上半導体層の成長後に、最上半導体層の成長温度以上で、第一導電型決定不純物原料を供給すれば良い。このため本実施例では第一導電型決定不純物原料としてSe原料(Seを含有するガス)を用いたが、第一導電型決定不純物原料としてSi原料(Siを含有するガス)、Te原料(Teを含有するガス)を用いても同様の効果があることは確認済みである。またその他の第一導電型(n型)決定不純物原料を用いても、同様な効果が得られることが容易に類推出来る。
上記した基板1と最上半導体層の間に、他の層があっても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。例えば、上記実施例では、光反射層であるDBR層(分布ブラッグ反射層)が無い構造としたが、DBR層を設けても良い。また活性層にMQW(多重量子井戸)構造を用いても良い。
本発明の実施例で作製したAlGaInP系赤色LEDの断面図である。 本発明の実施例にかかるLEDの電流電圧特性を示す図である。 比較例にかかるLEDの電流電圧特性を示す図である。 比較例にかかるLEDの電流電圧特性を示す図の拡大図である。
符号の説明
1 基板
2 バッファ層
3 第一導電型クラッド層
4 活性層
5 第二導電型クラッド層
6 コンタクト層
7 窓層(電流分散層)
8 p側電極(上面電極)
9 n側電極(底面電極)
10 発光部

Claims (8)

  1. 基板の上に、活性層を第一導電型クラッド層と第二導電型クラッド層で挟んだ発光部と、亜鉛を第二導電型決定不純物に用いた第二導電型コンタクト層を順次積層し、前記第二導電型コンタクト層の上に窓層を形成する半導体発光素子の製造方法において、
    前記第二導電型コンタクト層の形成終了後に、該第二導電型コンタクト層の形成温度以上を維持して、第二導電型決定不純物原料とIII族原料の供給を停止し第一導電型決定不純物原料とV族原料のみを供給する工程を経てから冷却工程を行なうことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  2. 第一導電型の基板の上に、活性層を第一導電型クラッド層と第二導電型クラッド層で挟んだ発光部と、亜鉛を第二導電型決定不純物に用いた第二導電型コンタクト層を順次積層し、前記第二導電型コンタクト層の上に金属酸化物からなる窓層を形成する半導体発光素子の製造方法において、
    前記第二導電型コンタクト層の形成終了後に、該第二導電型コンタクト層の形成温度を維持したまま第二導電型決定不純物原料とIII族原料の供給を停止し、且つ10分以上第一導電型決定不純物原料とV族原料を供給してから冷却工程を行なうことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  3. 基板の上に、活性層を第一導電型クラッド層と第二導電型クラッド層で挟んだ発光部と、亜鉛を第二導電型決定不純物に用いた第二導電型コンタクト層を順次積層し、前記第二導電型コンタクト層の上に金属酸化物からなる窓層を形成した半導体発光素子の製造方法において、
    前記第二導電型コンタクト層の形成終了後に、前記発光部の成長温度以下であり、該第二導電型コンタクト層の形成温度以上で、第二導電型決定不純物原料とIII族原料の供給を停止し、且つ10分以上第一導電型決定不純物原料とV族原料のみを供給してから冷却工程を行なうことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、
    第二導電型決定不純物原料とIII族原料の供給を停止することに加えて、V族原料の供給も停止し、且つ10分以上第一導電型決定不純物原料のみを供給してから冷却工程を行なうことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、
    前記第一導電型決定不純物原料がセレン、シリコン、テルルのいずれかを含有するガスであることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、
    前記第二導電型コンタクト層がAlGa1−XAs(0≦X≦0.43)で構成され、且つ該第二導電型コンタクト層の第二導電型決定不純物が亜鉛であることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、
    前記第二導電型コンタクト層の不純物が亜鉛であり、且つ炭素のオートドーピングがあることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、
    前記第二導電型コンタクト層のキャリア濃度が1×1019cm−3以上であることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
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