JP2008085012A - 半導体発光素子、半導体発光素子の製造方法、光源セルユニット、バックライト、ディスプレイおよび電子機器 - Google Patents

半導体発光素子、半導体発光素子の製造方法、光源セルユニット、バックライト、ディスプレイおよび電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】p型コンタクト層が、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層からなる場合に、これらのp型不純物の相互拡散を防止することによって、p側電極のコンタクト抵抗の上昇を抑制することができるとともに、発光効率の低下をより効果的に防止することができ、発光特性および電気的特性が良好で、かつ、信頼性の高い半導体発光素子を提供する。
【解決手段】活性層3をn型クラッド層2およびp型クラッド層4により挟んだ構造を有し、かつ、p型コンタクト層6を有するAlGaInP系発光ダイオードにおいて、p型コンタクト層6を、活性層3側から順にMgドープ層6aとZnドープ層6bとの2層により構成し、かつ、Mgドープ層6aとZnドープ層6bとの界面に、MgおよびZnの拡散を防止するSiをドープすることによりn型不純物ドープ領域7を形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体発光素子、半導体発光素子の製造方法、光源セルユニット、バックライト、ディスプレイおよび電子機器に関し、例えば、III−V族化合物半導体を用いた発光ダイオードおよびこの発光ダイオードを用いる各種の装置または機器に適用して好適なものである。
従来、AlGaInP系半導体やAlGaAs系半導体を用いた半導体発光素子において、p型半導体層のp型不純物としては、高い不純物濃度が得やすい亜鉛(Zn)が用いられていた。しかしながら、Znは熱拡散が容易に起きるため、半導体発光素子の製造工程中や完成後の通電中に、活性層へZnが混入し、光出力が低下したり信頼性が低下したりするという問題があった。そこで、近年では、拡散の起きにくいマグネシウム(Mg)が、Znに替わるp型不純物として用いられている。しかしながら、p型不純物としてMgを用いた場合、1×1019cm-3以上の高い不純物濃度のp型コンタクト層を形成することが難しく、このため、p型不純物を全てMgとして半導体発光素子を製造すると、p側電極のコンタクト抵抗が増加し、デバイス抵抗が上昇するという問題が発生する。
この対策として、p型コンタクト層のうちの活性層に近い側にMgをドープし、p側電極との接合層にZnをドープした、2層構造のp型コンタクト層の構造が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。図24は、このような2層構造のp型コンタクト層を適用した従来のAlGaInP系発光ダイオードの不純物濃度プロファイルを示す。
図24に示すように、この従来のAlGaInP系発光ダイオードにおいては、図示省略したn型GaAs基板の一主面上に、n型不純物としてSiがドープされたAlGaInPからなるn型クラッド層101、多重量子井戸(MQW)構造の活性層102、p型不純物としてMgがドープされたAlGaInPからなるp型クラッド層103、p型不純物としてMgがドープされたGaInPからなるp型中間層104およびp型コンタクト層105が順次積層されている。p型コンタクト層105は、p型不純物としてMgがドープされたGaPからなるMgドープ層105aと、p型不純物としてZnがドープされたGaPからなるZnドープ層105bとの2層から構成され、Znドープ層105b上に図示省略したp側電極が形成される。
この従来のAlGaInP系発光ダイオードにおいては、Mgドープ層105aが、Znドープ層105b中のZnの拡散を抑止する拡散抑止層として働き、Znドープ層105b中のZnが活性層102へ拡散することを抑止することにより、発光特性の劣化および素子の寿命の劣化を防止することができるとされている。
特開2006−19695号公報
しかしながら、本発明者らの知見によれば、上述のようにp型コンタクト層105をMgドープ層105aとZnドープ層105bとの2層により構成した場合、MgおよびZnの相互拡散が生じ、その結果、p側電極との界面の近傍におけるp型コンタクト層105の不純物濃度が低下することによってp側電極のコンタクト抵抗が上昇したり、活性層102中にZnが混入することによって発光効率が低下したりするという問題があった。
図25は、この従来のAlGaInP系発光ダイオードのp型コンタクト層と同様の層構造を有する評価用試料の2次イオン質量分析(SIMS)の結果を示す。評価用試料としては、GaAs基板上に、有機金属化学気相成長(MOCVD)法により、p型不純物としてMgがドープされたGaPからなるMgドープ層と、p型不純物としてZnがドープされたGaPからなるZnドープ層とを順次成長させたエピタキシャル基板を用いた。また、Mgドープ層のMgの濃度が1×1019cm-3となり、Znドープ層のZnの濃度が2×1019cm-3となるように成長条件を設定した。
図25に示すように、Mgドープ層とZnドープ層との間でMgおよびZnの相互拡散が生じ、Znドープ層中のZnがMgドープ層に、Mgドープ層中のMgがZnドープ層に混入していることがわかる。Mgドープ層中に拡散したZnの濃度は、Mgドープ層とGaAs基板との界面の近傍で(1〜7)×1016cm-3程度に達している。
このようなMgおよびZnの相互拡散が起きることによって、従来のAlGaInP系発光ダイオードにおいては、次のような問題が生じる。すなわち、図24中、符号106は、Mgドープ層105a側へ拡散したZnの分布を示し、符号107は、Znドープ層105b側へ拡散したMgの分布を示す。図24に示すように、このAlGaInP系発光ダイオードにおいては、MgおよびZnの相互拡散が生じることにより、p型コンタクト層105のうちのp側電極との接合層にあたるZnドープ層105bに高濃度にドープされたZnが、Mgドープ層105a側、したがって活性層102側へ拡散する。このため、p型コンタクト層105においてp側電極との界面の近傍の不純物濃度が低下し、p側電極のコンタクト抵抗が上昇するという問題が生じる。また、これまでと同様に、拡散したZnが活性層102に混入することにより、活性層102中に非発光中心が発生し、発光効率が低下するという問題も生じる。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、p型コンタクト層が、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層からなる場合に、これらのp型不純物の相互拡散を防止することによって、p側電極のコンタクト抵抗の上昇を抑制することができるとともに、発光効率の低下をより効果的に防止することができ、発光特性および電気的特性が良好で、かつ、信頼性の高い半導体発光素子およびその製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、上記のような半導体発光素子を用いた高性能の光源セルユニット、バックライト、ディスプレイおよび電子機器を提供することである。
上記課題を解決するために、第1の発明は、
活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造を有し、かつ、p型クラッド層とp側電極との間にこのp側電極とコンタクトしたp型コンタクト層を有する半導体発光素子において、
p型コンタクト層は、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層からなり、かつ、これらの層の界面のうちの少なくとも一つの界面に、p型不純物の拡散を防止するn型不純物がドープされている
ことを特徴とするものである。
この半導体発光素子は、典型的には、AlGaInP系半導体やAlGaAs系半導体などのIII−V族化合物半導体からなるが、これに限定されるものではない。この半導体発光素子は、発光ダイオードや半導体レーザである。p型コンタクト層は、典型的にはGaPやGaAsからなるが、これに限定されるものではなく、p側電極とのオーミックコンタクトが可能である限り、他の半導体を用いてもい。また、p型コンタクト層を構成する2層以上の層は、典型的には互いに同一の半導体により構成するが、互いに異なる半導体により構成してもよい。
p型コンタクト層に含まれる界面のうちの少なくとも一つの界面にドープされるn型不純物は、p型不純物が相互に拡散するのを効果的に防止する観点から、その界面の上下50nm以上の領域にドープされていることが好ましい。ここで、界面の上下50nm以上の領域とは、その界面の下層側に隣接する層のうちの界面からの厚さが50nm以上の領域と、その界面の上層側に隣接する層のうちの界面からの厚さが50nm以上の領域とを合わせた領域のことである。したがって、n型不純物がドープされている領域の全体の厚さは、100nm以上であることが好ましい。このn型不純物は、最大でp型コンタクト層全体の領域にドープすることが可能である。ただし、p型コンタクト層中のn型不純物がドープされている領域が厚すぎると、p型コンタクト層の直列抵抗の上昇が問題となるため、このn型不純物は、界面の上下数百nm以内の領域にドープされていることが好ましい。
p型コンタクト層のうちのn型不純物がドープされている領域のn型不純物の濃度は、p型不純物の拡散を効果的に防止する観点から、好適には2×1017cm-3より高く選ばれる。ただし、キャリア注入を妨げないようにする観点から、n型不純物がドープされている領域の導電型がp型であることが望ましい。具体的には、n型不純物がドープされている界面の上下に隣接する層間でp型不純物の濃度が異なる場合、n型不純物の濃度は、p型不純物の濃度が低い方の層のp型不純物の濃度より低く選ばれる。
p型コンタクト層のp型不純物は、具体的には、例えば、Mg、BeおよびZnからなる群より選ばれた少なくとも1種である。p型不純物の相互拡散を防止するためにp型コンタクト層にドープされるn型不純物は、具体的には、例えば、Si、SeおよびSからなる群より選ばれた少なくとも1種である。p型不純物としてMg、BeおよびZnが用いられる場合、典型的には、p型コンタクト層のうちの活性層に近い側の層に、p型不純物として比較的拡散の起きにくいMgおよび/またはBeがドープされ、p型コンタクト層のうちのp側電極側の層、特にp側電極とコンタクトする層に、p型不純物として高濃度にドープすることが可能なZnがドープされる。この場合、典型的には、Mgおよび/またはBeがドープされている層のp型不純物の濃度をNa1とし、Znがドープされている層のp型不純物の濃度をNa2としたとき、Na1<Na2の関係を満たすようにp型不純物がドープされる。また、この場合、p型コンタクト層に含まれる界面にドープされるn型不純物の濃度は、p型不純物の相互拡散を効果的に防止する観点から2×1017cm-3より高く選ばれ、かつ、不純物濃度の低いMgおよび/またはBeがドープされる層のp型不純物の濃度Na1より低く選ばれる。したがって、2×1017cm-3<Nd <Na1の関係を満たすようにn型不純物がドープされる。
典型的な例では、p型コンタクト層は、活性層側から順にp型不純物としてMgおよび/またはBeがドープされた層と、p型不純物としてZnがドープされた層との2層からなり、これらの2層の界面の上下50nm以上の領域にn型不純物がドープされる。
典型的な他の例では、p型コンタクト層は、少なくとも一つの界面の近傍に、p型不純物としてMgおよび/またはBeとZnとがともにドープされている領域を有し、この領域およびこの領域の上下50nm以上の領域にn型不純物がドープされる。
典型的なさらに他の例では、p型コンタクト層は、アンドープでp型の領域(アンドープでp型となるような条件で成長された半導体層からなる領域)を有し、この領域およびこの領域の上下50nm以上の領域からなる厚さが100nmより大きい領域にn型不純物がドープされる。この場合、好適には、アンドープでp型の領域のキャリア濃度(正孔濃度)をNa3とし、n型不純物の濃度をNd としたとき、Nd <Na3の関係を満たすようにn型不純物がドープされる。
第2の発明は、
活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造を有し、かつ、p型クラッド層とp側電極との間にこのp側電極とコンタクトしたp型コンタクト層を有する半導体発光素子の製造方法において、
p型コンタクト層を、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層により形成し、かつ、これらの層の界面のうちの少なくとも一つの界面に、p型不純物の拡散を防止するn型不純物をドープするようにした
ことを特徴とするものである。
第2の発明においては、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
第3の発明は、
赤色発光の半導体発光素子、緑色発光の半導体発光素子および青色発光の半導体発光素子をそれぞれ少なくとも一つ含むセルがプリント配線基板上に複数個配列した光源セルユニットにおいて、
赤色発光の半導体発光素子、緑色発光の半導体発光素子および青色発光の半導体発光素子のうちの少なくとも一つの半導体発光素子が、
活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造を有し、かつ、p型クラッド層とp側電極との間にこのp側電極とコンタクトしたp型コンタクト層を有する半導体発光素子において、
p型コンタクト層は、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層からなり、かつ、これらの層の界面のうちの少なくとも一つの界面に、p型不純物の拡散を防止するn型不純物がドープされているものである
ことを特徴とするものである。
第4の発明は、
赤色発光の半導体発光素子、緑色発光の半導体発光素子および青色発光の半導体発光素子をそれぞれ複数個配列したバックライトにおいて、
赤色発光の半導体発光素子、緑色発光の半導体発光素子および青色発光の半導体発光素子のうちの少なくとも一つの半導体発光素子が、
活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造を有し、かつ、p型クラッド層とp側電極との間にこのp側電極とコンタクトしたp型コンタクト層を有する半導体発光素子において、
p型コンタクト層は、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層からなり、かつ、これらの層の界面のうちの少なくとも一つの界面に、p型不純物の拡散を防止するn型不純物がドープされているものである
ことを特徴とするものである。
第5の発明は、
赤色発光の半導体発光素子、緑色発光の半導体発光素子および青色発光の半導体発光素子をそれぞれ複数個配列したディスプレイにおいて、
赤色発光の半導体発光素子、緑色発光の半導体発光素子および青色発光の半導体発光素子のうちの少なくとも一つの半導体発光素子が、
活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造を有し、かつ、p型クラッド層とp側電極との間にこのp側電極とコンタクトしたp型コンタクト層を有する半導体発光素子において、
p型コンタクト層は、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層からなり、かつ、これらの層の界面のうちの少なくとも一つの界面に、p型不純物の拡散を防止するn型不純物がドープされているものである
ことを特徴とするものである。
第3〜第5の発明において、緑色発光の半導体発光素子および青色発光の半導体発光素子としては、例えばGaN系半導体などの窒化物系III−V族化合物半導体を用いたものを用いることができ、赤色発光の半導体発光素子としては、例えばAlGaInP系半導体を用いたものを用いることができるほか、GaN系半導体を用いたものを用いることもできる。典型的には、赤色発光の半導体発光素子として、上記のようなp型コンタクト層を有する半導体発光素子を用いる。
上記の窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体発光素子としては、従来公知のものを用いることができるが、好適には、次のような方法により製造されるものを用いることができる。
すなわち、この半導体発光素子の製造方法は、
一主面に複数の凸部を有する基板であって当該凸部は当該基板と異なる材料からなるものを用い、当該基板の凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層から上記基板上に第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第3の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程と
を有することを特徴とするものである。
第1の窒化物系III−V族化合物半導体層および第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の導電型は問わず、p型、n型、i型のいずれであってもよく、互いに同一導電型であってもそうでなくてもよく、さらには第1の窒化物系III−V族化合物半導体層あるいは第2の窒化物系III−V族化合物半導体層内に互いに導電型が異なる二つ以上の部分が混在してもよい。
典型的には、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる際に、基板の凹部の底面との界面から基板の一主面に対して垂直方向に転位が発生し、この転位が上記の三角形状の断面形状となる状態の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の斜面またはその近傍に到達したとき、上記の一主面に平行な方向に、三角形状部から遠ざかるように屈曲する。ここで、三角形状の断面形状あるいは三角形状部における三角形状とは、正確な三角形だけでなく、例えば頂部が丸まったものなど、近似的に三角形とみなすことができるものも含むことを意味する(以下同様)。また、好適には、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長初期に、基板の凹部の底面に複数の微小核が生成し、これらの微小核が成長し合体して行く過程で基板の凹部の底面との界面から基板の一主面に対して垂直方向に発生する転位が、上記の一主面に平行な方向に繰り返し屈曲される。こうすることで、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長時に上部に抜ける転位を少なくすることができる。
典型的には、基板の一主面に凸部と凹部とを交互に周期的に形成する。この場合、凸部および凹部の周期は、好適には、3〜5μmである。また、凸部の底辺の長さと凹部の底辺の長さとの比は、好適には0.5〜3であり、最も好適には0.5付近である。基板の一主面から見たこの凸部の高さは、好適には0.3μm以上、より好適には1μm以上である。この凸部は、好適には基板の一主面に対して傾斜した側面(例えば、基板の一主面と接する側面)を有し、この側面と基板の一主面とのなす角度をθとすると、光の取り出し効率の向上を図る観点より、例えば、好適には100°<θ<160°、より好適には132°<θ<139°あるいは147°<θ<154°であり、最も好適には135°あるいは152°である。この凸部の断面形状は、種々の形状であってよく、その側面も平面だけでなく曲面であってもよいが、例えば、n角形(ただし、nは3以上の整数)、具体的には三角形、四角形、五角形、六角形などである。凹部の断面形状も種々の形状であってよいが、例えば、n角形(ただし、nは3以上の整数)、具体的には三角形、四角形、五角形、六角形などである。光の取り出し効率の向上を図る観点より、好適には、この凹部の断面形状は逆台形状とする。この場合、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の転位密度を最小化する観点より、好適には、凹部の深さ(凸部の高さと同じ)をd、凹部の底面の幅をWg 、三角形状の断面形状となる状態の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の斜面と基板の一主面とがなす角度をαとしたとき、2d≧Wg tanαが成立するように、d、Wg 、αを決める。αは通常一定であるため、この式が成立するようにd、Wg を決める。dは、大きすぎると原料ガスが凹部の内部に十分に供給されず、凹部の底面からの第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長に支障を来し、逆に小さすぎると基板の凹部だけでなく、その両側の凸部にも第1の窒化物系III−V族化合物半導体層が成長してしまうため、これらを防止する観点より、一般的には0.5μm<d<5μmの範囲内に選ばれ、典型的には1.0±0.2μmの範囲内に選ばれる。Wg は、一般的には0.5〜5μmであり、典型的には2±0.5μmの範囲内に選ばれる。また、凸部の上面の幅Wt は、凸部の断面形状が三角形状の場合は0であるが、凸部の断面形状が台形状の場合は、この凸部は第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の横方向成長に使用する領域であるため、長ければ長いほど転位密度の少ない部分の面積を大きくすることができる。凸部の断面形状が台形状の場合、Wt は一般的には1〜1000μmである。
凸部または凹部は、例えば、基板上の一方向にストライプ状に延在するようにしてもよいし、少なくとも互いに交差する第1の方向および第2の方向にストライプ状に延在するようにすることにより凸部がn角形(ただし、nは3以上の整数)、具体的には三角形、四角形、五角形、六角形などにしてもよい。好適な一つの例では、凸部が六角形の平面形状を有し、この凸部が蜂の巣状に二次元配列しており、この凸部を囲むように凹部が形成される。こうすることで、活性層から放出される光を360°の全方向に効率よく取り出すことができる。基板の凹部がストライプ状である場合、この凹部は、例えば、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の〈1−100〉方向に延在し、あるいは、基板として例えばサファイア基板を用いる場合にはこのサファイア基板の〈11−20〉方向に延在してもよい。凸部は、例えば、n角錐(ただし、nは3以上の整数)、具体的には三角錐、四角錐、五角錐、六角錐などである。
凸部の材料は、各種のものであってよく、導電性の有無も問わないが、例えば、酸化物や窒化物や炭化物などの誘電体、金属や合金などの導電体(透明導電体を含む)などである。酸化物としては、例えば、酸化シリコン(SiOx )、酸化チタン(TiOx )などを用いることができ、これらの二種類以上を混合して、または積層膜の形で用いることもできる。窒化物としては、例えば、窒化シリコン(SiNx )、TiN、SiON、CrNなどを用いることができ、これらの二種類以上を混合して、または積層膜の形で用いることもできる。炭化物としては、SiC、HfC、ZrCなどを用いることができ、これらの二種類以上を混合して、または積層膜の形で用いることもできる。金属または合金としては、B、Al、Ga、In、W、Ni、AgNi、AgPd、AuNiなどを用いることができ、これらの二種類以上を混合して、または積層膜の形で用いることもできる。透明導電体としては、ITO(インジウム−スズ複合酸化物)、IZO(インジウム−亜鉛複合酸化物)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)などを用いることができ、これらの二種類以上を混合して、または積層膜の形で用いることもできる。さらに、以上の各種の材料を二種類以上混合して、または積層膜の形で用いることもできる。金属などにより凸部を形成し、この凸部の少なくとも表面を窒化処理、酸化処理あるいは炭化処理することにより窒化物、酸化物あるいは炭化物を形成するようにしてもよい。
凸部の屈折率は、必要に応じて設計により決められるが、一般的には、基板の屈折率およびこの基板上に成長させる窒化物系III−V族化合物半導体層の屈折率とは異なる屈折率に選ばれ、典型的には、基板の屈折率以下に選ばれる。
第3の窒化物系III−V族化合物半導体層には、これと電気的に接続された状態で第1の導電型側の電極を形成する。同様に、第4の窒化物系III−V族化合物半導体層にも、これと電気的に接続された状態で第2の導電型側の電極を形成する。
基板としては種々のものを用いることができる。窒化物系III−V族化合物半導体と異なる物質からなる基板としては、具体的には、例えば、サファイア(c面、a面、r面などを含み、これらの面からオフした面のものも含む)、SiC(6H、4H、3Cを含む)、Si、CrN(例えば、CrN(111))などからなる基板を用いることができ、好適には、これらの材料からなる六方晶基板または立方晶基板、より好適には六方晶基板を用いる。基板としては、窒化物系III−V族化合物半導体(GaN、AlGaInN、AlN、GaInNなど)からなる基板を用いてもよい。あるいは、基板として、窒化物系III−V族化合物半導体と異なる物質からなる基板上に窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させ、この窒化物系III−V族化合物半導体層に上記の凸部を形成したものであってもよい。
なお、例えば、基板上に窒化物系III−V族化合物半導体層などの層を成長させたものを基板として用いる場合、凸部の材料はこの凸部の直下の層と異なる材料のものが用いられる。
基板は、必要に応じて除去してもよい。
第1〜第4の窒化物系III−V族化合物半導体層および活性層を構成する窒化物系III−V族化合物半導体層は、最も一般的には、AlX y Ga1-x-y-z Inz Asu 1-u-v v (ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦u≦1、0≦v≦1、0≦x+y+z<1、0≦u+v<1)からなり、より具体的には、AlX y Ga1-x-y-z Inz N(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦x+y+z<1)からなり、典型的には、AlX Ga1-x-z Inz N(ただし、0≦x≦1、0≦z≦1)からなり、具体例を挙げると、GaN、InN、AlN、AlGaN、InGaN、AlGaInNなどからなる。特に最初に基板の凹部に成長させる第1の窒化物系III−V族化合物半導体層としては、好適には、GaN、InX Ga1-x N(0<x<0.5)、AlX Ga1-x N(0<x<0.5)、AlX Iny Ga1-x-y N(0<x<0.5、0<y<0.2)からなるものが用いられる。第1の導電型はn型であってもp型であってもよく、それに応じて第2の導電型はp型またはn型である。また、基板上に最初に成長させるいわゆる低温バッファ層としてはGaNバッファ層、AlNバッファ層、AlGaNバッファ層などが一般的に用いられるが、これらにCrをドープしたものやCrNバッファ層などを用いてもよい。
第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の厚さは、必要に応じて選ばれ、典型的には数μm程度以下であるが、用途などによってはより厚く、例えば数10〜300μm程度であってもよい。
上記の窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体発光素子としては、上述の製造方法により製造されるものと実質的に同様な次のような半導体発光素子を用いることができる。
すなわち、この半導体発光素子は、
一主面に複数の凸部を有する基板であって当該凸部は当該基板と異なる材料からなるものと、
上記基板上に、上記基板の凹部に空隙を形成しないで成長された第5の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第5の窒化物系III−V族化合物半導体層上の第1の導電型の第3の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
上記第5の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記凹部の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記凹部の底面を底辺とする三角形状部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
ことを特徴とする半導体発光素子である。
ここで、この半導体発光素子において、第5の窒化物系III−V族化合物半導体層は、上述の半導体発光素子の製造方法における第1の窒化物系III−V族化合物半導体層および第2の窒化物系III−V族化合物半導体層に対応するものである。
この半導体発光素子においては、その性質に反しない限り、上述の半導体発光素子の製造方法に関連して説明したことが成立する。
第6の発明は、
一つまたは複数の半導体発光素子を有する電子機器において、
少なくとも一つの上記半導体発光素子が、
活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造を有し、かつ、p型クラッド層とp側電極との間にこのp側電極とコンタクトしたp型コンタクト層を有する半導体発光素子において、
p型コンタクト層は、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層からなり、かつ、これらの層の界面のうちの少なくとも一つの界面に、p型不純物の拡散を防止するn型不純物がドープされているものである
ことを特徴とするものである。
第6の発明において、電子機器は、バックライト(液晶ディスプレイのバックライトなど)、照明装置、ディスプレイなど、さらには半導体発光素子を光源とするプロジェクタあるいはリアプロジェクションテレビ、グレーティングライトバルブ(GLV)などを含むが、一般的には、表示、照明、光通信、光伝送やその他の目的で少なくとも一つの発光ダイオードを有するものであれば、基本的にはどのようなものであってもよく、携帯型のものと据え置き型のものとの双方を含むが、上記以外の具体例を挙げると、携帯電話、モバイル機器、ロボット、パーソナルコンピュータ、車載機器、各種家庭電気製品、光通信装置、光伝送装置などである。
上述のように構成されたこの発明においては、p型コンタクト層が、互いに積層された2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層からなり、かつ、これらの層の界面のうちの少なくとも一つの界面にp型不純物の拡散を防止するn型不純物がドープされていることにより、p型コンタクト層にドープされたp型不純物が相互に拡散することを効果的に防止することができる。
この発明によれば、p型コンタクト層中にドープされたp型不純物が相互に拡散することを効果的に防止することができることにより、p側電極との界面の近傍におけるp型コンタクト層の不純物濃度が低下するのを防止することができ、p側電極のコンタクト抵抗の上昇を抑えることができるとともに、半導体発光素子の製造工程中や完成後の通電中に活性層にp型不純物が混入するのを効果的に防止することができ、活性層中に非発光中心が発生して発光効率が低下することを防止することができる。したがって、発光特性および電気的特性がともに良好で信頼性の高い半導体発光素子を得ることができる。そして、この優れた半導体発光素子を用いて高性能の光源セルユニット、バックライト、ディスプレイ、各種の電子機器などを実現することができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
図1は、この発明の第1の実施形態によるAlGaInP系発光ダイオードを示す。図2は、このAlGaInP系発光ダイオードの不純物濃度プロファイルを示す。このAlGaInP系発光ダイオードは赤色発光の発光ダイオードである。
図1および図2に示すように、このAlGaInP系発光ダイオードにおいては、例えばn型GaAs基板のようなn型半導体基板1の一主面上に、例えばn型不純物としてSiがドープされたAlGaInPからなるn型クラッド層2、例えばアンドープのGaInP層を量子井戸層、アンドープのAlGaInP層を障壁層とするMQW構造の活性層3、例えばp型不純物としてMgがドープされたAlGaInPからなるp型クラッド層4、例えばp型不純物としてMgがドープされたGaInPからなるp型中間層5およびp型コンタクト層6が順次積層されている。n型半導体基板1とn型クラッド層2との間に、必要に応じて例えばn型AlGaInPからなるn型電流拡散層を設けてもよい。
p型コンタクト層6は、活性層3側から順に、例えばp型不純物としてMgがドープされたGaPからなるMgドープ層6aと、例えばp型不純物としてZnがドープされたGaPからなるZnドープ層6bとの2層からなる。そして、このp型コンタクト層6のうちのMgドープ層6aとZnドープ層6bとの界面の上下50nm以上の領域に、p型不純物の拡散を防止するn型不純物が、具体的には、例えばSiがドープされている。符号7は、p型コンタクト層6中のSiがドープされている領域、すなわちn型不純物ドープ領域を示す。このn型不純物ドープ領域7は、Mgドープ層6aとZnドープ層6bとの界面をまたぐように、p型コンタクト層6中に形成されている。
p型コンタクト層6のZnドープ層6b上の光取り出し部を除いた部分に、例えばTi/Pt/Au電極のようなp側電極8がコンタクトしている。光取り出し部におけるp型コンタクト層6の表面には多数の凹部(くぼみ)が形成されており、活性層3からの光を上面から効率的に取り出すことができるようになっているが、この凹部は必ずしも形成しなくてもよい。このp型コンタクト層6においては、p側電極8がコンタクトしているZnドープ層6bのZnの濃度は、活性層3側のMgドープ層6aのMgの濃度より高く選ばれている。すなわち、Mgドープ層6aのMgの濃度をNa1、Znドープ層6bのZnの濃度をNa2としたとき、Na1<Na2の関係を満たすようにMgおよびZnがそれぞれドープされている。具体的には、Mgドープ層6aのMgの濃度Na1は、例えば1×1018cm-3に選ばれ、Znドープ層6bのZnの濃度Na2は、例えば2×1019cm-3に選ばれる。この場合、発光ダイオード構造を構成する半導体層のうちのp型半導体層の不純物濃度が、活性層3からp側電極8に向かうにつれて次第に高くなるようにp型不純物がそれぞれドープされている。このようにp側電極8がコンタクトする部分に、高濃度にZnがドープされたZnドープ層6bが設けられていることにより、p側電極8のコンタクト抵抗の低減が図られている。
p型コンタクト層6のうちのn型不純物ドープ領域7のSiの濃度Nd は、Mgドープ層6a中のMgおよびZnドープ層6b中のZnの相互拡散を効果的に防止することができるように、例えば2×1017cm-3より高く選ばれるが、その上限は、キャリア注入に支障がないようにする観点から、n型不純物ドープ領域7の導電型がp型となるように選ばれる。ここでは、Mgドープ層6aのMgの濃度Na1がZnドープ層6bのZnの濃度Na2より低いので、n型不純物ドープ領域7のSiの濃度Nd は、Mgドープ層6aのMgの濃度Na1よりさらに低く選ばれる。すなわち、2×1017cm-3<Nd <Na1<Na2の関係を満たすよう選ばれる。具体的には、このn型不純物ドープ領域7のSiの濃度Nd は、例えば(3〜5)×1017cm-3に選ばれる。このn型不純物ドープ領域7は、MgおよびZnの相互拡散を防止する拡散防止領域として働く。
n型不純物ドープ領域7のうちのMgドープ層6a中の部分の厚さd1 と、n型不純物ドープ領域7のうちのZnドープ層6b中の部分の厚さd2 とは、MgおよびZnの相互拡散を効果的に防止することができるように、それぞれ50nm以上に選ばれる。したがって、この場合のn型不純物ドープ領域7全体の厚さ(d1 +d2 )は100nm以上に選ばれる。ここで、p型不純物の拡散を防止するn型不純物としてのSiは、最大で、p型コンタクト層6全体にドープすることが可能であるが、Siがドープされている領域、すなわちn型不純物ドープ領域7が厚すぎると、p型コンタクト層6の直列抵抗が大きくなり動作電圧が高くなるため、Siは、Mgドープ層6aとZnドープ層6bとの界面の上下数百nm以内の領域にドープされることが望ましい。なお、n型不純物ドープ領域7のうちのMgドープ層6a中の部分の厚さd1 およびZnドープ層6b中の部分の厚さd2 は、典型的にはほぼ同じ厚さに選ばれるが、これらの部分の厚さは互いに異なっていてもよい。
n型半導体基板1の裏面には、例えばAuGe/Ni/Au電極のようなn側電極9が設けられている。
発光ダイオード構造を構成する各半導体層の厚さの一例をあげると、n型クラッド層2の厚さは1μm、活性層3の厚さは0.5μm、p型クラッド層4の厚さは1μm、p型中間層5の厚さは0.2μm、p型コンタクト層6の厚さは0.6μmである。n型クラッド層2とn型半導体基板1との間にn型電流拡散層が設けられる場合、そのn型電流拡散層の厚さは例えば0.3μmである。また、p型コンタクト層6のうちのMgドープ層6aの厚さは0.4μmであり、Znドープ層6bの厚さは0.2μmである。また、n型不純物ドープ領域7のうちのMgドープ層6a中の部分の厚さd1 は50nm、Znドープ層6b中の部分の厚さd2 は50nmであり、n型不純物ドープ領域7全体の厚さ(d1 +d2 )は100nmである。
次に、このAlGaInP系発光ダイオードの製造方法について説明する。
このAlGaInP系発光ダイオードを製造するには、例えば、n型GaAs基板のようなn型半導体基板1の一主面上に、MOCVD法により、n型不純物としてSiがドープされたAlGaInPからなるn型クラッド層2、アンドープのGaInP層を量子井戸層、アンドープのAlGaInP層を障壁層とするMQW構造の活性層3、p型不純物としてMgがドープされたAlGaInPからなるp型クラッド層4およびp型不純物としてMgがドープされたGaInPからなるp型中間層5を順次エピタキシャル成長させる。
引き続きp型中間層5上にp型コンタクト層6を成長させるわけであるが、このp型コンタクト層6の成長は、次のように段階的に分けて行う。
すなわち、まず、MOCVD装置の反応室内に、III族元素としてのGaの原料、V族元素としてのPの原料およびp型不純物としてのMgの原料を供給し、p型不純物としてMgがドープされたGaPを所定の厚さだけ成長させ、Mgドープ層6aの下層側の部分を成長させる。次に、さらにn型不純物としてのSiの原料を供給し、p型不純物としてのMgおよびn型不純物としてのSiが同時にドープされたGaPを成長させ、Mgドープ層6aの残りの部分を成長させる。この段階で、n型不純物ドープ領域7のうちのMgドープ層6a中の厚さd1 の部分が形成される。次に、Mgの原料の供給を停止するとともに、p型不純物としてのZnの原料の供給を開始し、p型不純物としてのZnおよびn型不純物としてのSiが同時にドープされたGaPを所定の厚さだけ成長させ、Znドープ層6bの下層側の部分を成長させる。この段階で、n型不純物ドープ領域7のうちのZnドープ層6b中の厚さd2 の部分が形成される。次に、Siの原料の供給を停止し、p型不純物としてZnがドープされたGaPを成長させ、Znドープ層6bの残りの部分を成長させる。このp型コンタクト層6の成長時には、Mgドープ層6aのMgの濃度Na1、Znドープ層6bのZnの濃度Na2およびn型不純物ドープ領域7のSiの濃度Nd が、2×1017cm-3<Nd <Na1<Na2の関係を満たすように不純物をドープする。このようにして、活性層3側から順にMgドープ層6aとZnドープ層6bとの2層からなり、Mgドープ層6aとZnドープ層6bとの界面の近傍の所定の領域にSiがドープされたn型不純物ドープ領域7を有するp型コンタクト層6が形成される。
次に、上述のようにAlGaInP系半導体層を成長させたn型半導体基板1をMOCVD装置から取り出す。次に、例えば真空蒸着法またはスパッタリング法により、p型コンタクト層6上の全面に例えばTi膜、Pt膜およびAu膜を順次形成した後、フォトリソグラフィー法によりこれらの膜を所定形状にパターニングすることにより、p型コンタクト層6上の所定部分にTi/Pt/Au電極からなるp側電極8を形成する。
次に、AlGaInP系半導体層を成長させたn型半導体基板1の裏面を、その厚さが例えば200μm程度になるように研磨する。次に、例えば真空蒸着法またはスパッタリング法により、このn型半導体基板1の研磨面に例えばAuGe膜、Ni膜、Au膜を順次形成し、AuGe/Ni/Au電極からなるn側電極9を形成した後、アニール処理を行うことによりこのn側電極9をn型半導体基板1にオーミックコンタクトさせる。
次に、AlGaInP系半導体層を成長させたn型半導体基板1のスクライビングを行い、バーを形成する。この後、このバーのスクライビングを行うことでチップ化する。
以上により、目的とするAlGaInP系発光ダイオードが製造される。
上述のように構成されたこの第1の実施形態によるAlGaInP系発光ダイオードによれば、次のような利点を得ることができる。すなわち、p型コンタクト層6が、活性層3から順に、p型不純物としてMgがドープされたMgドープ層6aと、p型不純物としてZnがドープされたZnドープ層6bとの2層からなり、かつ、このMgドープ層6aとZnドープ層6bとの界面の上下50nm以上の領域に、MgおよびZnの拡散を防止するSiがドープされたn型不純物ドープ領域7が形成されていることにより、Mgドープ層6a中のMgとZnドープ層6b中のZnとが相互に拡散するのを効果的に防止することができる。これにより、p側電極8との界面の近傍のp型コンタクト層6の不純物濃度が低下するのを防止することができ、p側電極8のコンタクト抵抗の上昇を抑えることができるとともに、発光ダイオードの製造工程中や完成後の通電中に活性層3にZnが拡散するのをより効果的に防止することができ、活性層3中に非発光中心が発生して発光効率が低下することを防止することができる。したがって、発光特性および電気的特性がともに良好で、かつ、信頼性の高い優れたAlGaInP系発光ダイオードを得ることができる。
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。図3は、この第2の実施形態によるAlGaInP系発光ダイオードの不純物濃度プロファイルを示す。このAlGaInP系発光ダイオードは赤色発光の発光ダイオードである。
図3に示すように、このAlGaInP系発光ダイオードにおいては、p型コンタクト層6のMgドープ層6aとZnドープ層6bとの界面の近傍に、MgおよびZnがともにドープされている領域、すなわちオーバーラップ領域6cを有し、このオーバーラップ領域6cおよびこのオーバーラップ領域6cの上下50nm以上の領域に、MgおよびZnの拡散を防止するSiがドープされてn型不純物ドープ領域7が形成されている。
すなわち、p型コンタクト層6は、ドープされているp型不純物に着目すると、活性層3側から順に、p型不純物としてMgがドープされたGaPからなるMgドープ層6aと、p型不純物としてMgおよびZnがともにドープされたGaPからなるオーバーラップ領域6cに対応する層と、p型不純物としてZnドープされたGaPからなるZnドープ層6bとの3層からなる。オーバーラップ領域6cの厚さd3 は、0<d3 ≦100nmである。また、オーバーラップ領域6cに対応する厚さd3 の部分と、Mgドープ層6aのうちのオーバーラップ領域6cに隣接する厚さd1 の部分と、Znドープ層6bのうちのオーバーラップ領域6cに隣接する厚さd2 の部分とを合わせた領域にSiがドープされており、これによってオーバーラップ領域6cおよびこのオーバーラップ領域6cの上下50nm以上の領域に、厚さが100nmより大きいn型不純物ドープ領域7が形成されている。
ここで、オーバーラップ領域6cのMgの濃度は、例えばMgドープ領域6aのMgの濃度Na1と同じに選ばれるが、これに限定されるものではない。また、このオーバーラップ領域6cのZnの濃度は、例えばZnドープ領域6bのZnの濃度Na2と同じに選ばれるが、これに限定されるものではない。また、Mgドープ層6aのMgの濃度Na1、Znドープ層6bのZnの濃度Na2およびn型不純物ドープ領域7のSiの濃度Nd は、第1の実施形態と同様に、2×1017cm-3<Nd <Na1<Na2の関係を満たすように選ばれる。具体的には、n型不純物ドープ領域7のSiの濃度Nd は、例えば第1の実施形態と同じに選ばれる。
n型不純物ドープ領域7のうちのMgドープ層6a中の部分の厚さd1 およびZnドープ層6b中の部分の厚さd2 は、p型不純物の相互拡散を効果的に防止する観点から、それぞれ50nm以上に選ばれる。したがって、この場合のn型不純物ドープ領域7全体の厚さ(d1 +d2 +d3 )は、100nmより大きく選ばれる。
p型コンタクト層6の各部の厚さの具体的な一例を挙げると、p型コンタクト層6のうちのMgドープ層6aの厚さは0.3μm、オーバーラップ領域6cに対応する部分の厚さd3 は0.1μm、Znドープ層6bの厚さは0.2μmであり、p型コンタクト層6全体の厚さは0.6μmである。また、n型不純物ドープ領域7のうちのMgドープ層6aの部分の厚さd1 は50nmであり、Znドープ層6bの部分の厚さd2 は50nmであり、したがって、n型不純物ドープ領域7全体の厚さ(d1 +d2 +d3 )は200nmである。
上記以外のことは、第1の実施形態によるAlGaInP系発光ダイオードと同様であるので、説明を省略する。
次に、このAlGaInP系発光ダイオードの製造方法について説明する。
このAlGaInP系発光ダイオードの製造方法においては、p型コンタクト層6の成長を、次のように段階的に分けて行う。
すなわち、まず、MOCVD装置の反応室内に、III族元素としてのGaの原料、V族元素としてのPの原料およびp型不純物としてのMgの原料を供給し、p型不純物としてMgがドープされたGaPを所定の厚さだけ成長させ、Mgドープ層6aの下層側の部分を成長させる。次に、さらにn型不純物としてのSiの原料を供給し、p型不純物としてのMgおよびn型不純物としてのSiが同時にドープされたGaPを成長させ、Mgドープ層6aの残りの部分を成長させる。この段階で、n型不純物ドープ領域7のうちのMgドープ層6a中の厚さd1 の部分が形成される。次に、さらにp型不純物としてのZnの原料の供給を開始し、p型不純物としてのMgおよびZn、ならびに、n型不純物としてのSiが同時にドープされたGaPを成長させ、オーバーラップ領域6cに対応する部分を成長させる。次に、Mgの原料の供給を停止し、p型不純物としてのZnおよびn型不純物としてのSiが同時にドープされたGaPを所定の厚さだけ成長させ、Znドープ層6bの下層側の部分を成長させる。この段階で、n型不純物ドープ領域7のうちのZnドープ層6b中の厚さd2 の部分が形成される。次に、Siの原料の供給を停止し、p型不純物としてZnがドープされたGaPを成長させ、Znドープ層6bの残りの部分を成長させる。また、このp型コンタクト層6の成長時には、2×1017cm-3<Nd <Na1<Na2の関係を満たすように不純物をドープする。例えば、Mgドープ層6aのMgの濃度Na1が1×1018cm-3、Znドープ層6bのZnの濃度Na2が2×1019cm-3、オーバーラップ領域6cのMgの濃度が1×1018cm-3、オーバーラップ領域6cのZnの濃度が2×1019cm-3、n型不純物ドープ領域7のSiの濃度Nd が4×1017cm-3となるように不純物をドープする。このようにして、Mgドープ層6aとZnドープ層6bとの間に、MgおよびZnがともにドープされたオーバーラップ領域6cを有し、かつ、このオーバーラップ領域6cおよびこのオーバーラップ領域6cの上下の所定の領域にSiがドープされたn型不純物ドープ領域7を有するp型コンタクト層6が形成される。
上記以外のことは、第1の実施形態によるAlGaInP系発光ダイオードの製造方法と同様であるので、説明を省略する。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。図4は、この第3の実施形態によるAlGaInP系発光ダイオードの不純物濃度プロファイルを示す。このAlGaInP系発光ダイオードは赤色発光の発光ダイオードである。
図4に示すように、このAlGaInP系発光ダイオードにおいては、p型コンタクト層6のうちのMgドープ層6aとZnドープ6bとの間に、アンドープでp型のGaPからなる領域6dを有し、このアンドープでp型のGaPからなる領域6dおよびこの領域6dの上下50nm以上の領域からなる厚さが100nmより大きい領域に、MgおよびZnの拡散を防止するSiがドープされてn型不純物ドープ領域7が形成されている。
すなわち、p型コンタクト層6は、ドープされているp型不純物に着目すると、活性層3側から順に、p型不純物としてMgがドープされたGaPからなるMgドープ層6aと、アンドープでp型のGaPからなる領域6dに対応する層と、p型不純物としてZnがドープされたGaPからなるZnドープ層6bとの3層からなる。アンドープでp型のGaPからなる領域6dの厚さd4 は、例えば0<d4 <300nmである。また、p型コンタクト層6のうちのアンドープでp型のGaPからなる領域6dに対応する部分と、Mgドープ層6aのうちのアンドープでp型のGaPからなる領域6dに隣接する厚さd1 の部分と、Znドープ層6bのうちのアンドープでp型のGaPからなる領域6dに隣接する厚さd2 の部分とを合わせた領域にSiがドープされ、これによってアンドープでp型のGaPからなる領域6dおよびこの領域6dの上下50nm以上の領域に、厚さが100nmより大きいn型不純物ドープ領域7が形成されている。
Mgドープ層6aのMgの濃度Nd1およびZnドープ層6bのZnの濃度Nd2は、第1の実施形態と同様に、Nd1<Nd2の関係を満たすように選ばれる。アンドープでp型のGaPからなる領域6dのキャリア濃度Na3は、好適には、この領域に形成されるn型不純物ドープ領域7のSiの濃度Nd より大きく選ばれる。すなわち、Nd <Na3の関係を満たす。ただし、n型不純物ドープ領域7のSiの濃度Nd は、第1の実施形態と同様に2×1017cm-3<Nd <Na1<Na2の関係を満たすように選ばれる。具体的には、Mgドープ層6aのMgの濃度Nd1は、例えば1×1018cm-3に選ばれ、Znドープ層6bのZnの濃度Nd2は、例えば2×1019cm-3に選ばれ、アンドープでp型のGaPからなる領域6dのキャリア濃度Na3は、例えば1×1018cm-3に選ばれ、n型不純物ドープ領域7のSiの濃度Nd は、例えば4×1017cm-3に選ばれる。
n型不純物ドープ領域7のうちのMgドープ層6a中の部分の厚さd1 およびZnドープ層6b中の部分の厚さd2 は、p型不純物の拡散を効果的に防止する観点から、それぞれ50nm以上に選ばれる。したがって、この場合のn型不純物ドープ領域7全体の厚さ(d1 +d2 +d4 )は、100nmより大きく選ばれる。
p型コンタクト層6の各部の厚さの具体的な一例を挙げると、p型コンタクト層6のうちのMgドープ層6aの厚さは0.1μmであり、アンドープでp型のGaPからなる領域6dに対応する部分の厚さd4 は0.3μmであり、Znドープ層6bの厚さは0.2μmであり、p型コンタクト層6全体の厚さは0.6μmである。また、n型不純物ドープ領域7のうちのMgドープ層6aの部分の厚さd1 は50nmであり、Znドープ層6bの部分の厚さd2 は50nmであり、n型不純物ドープ領域7全体の厚さ(d1 +d2 +d4 )は400nmである。
上記以外のことは、第1の実施形態によるAlGaInP系発光ダイオードと同様であるので、説明を省略する。
次に、このAlGaInP系発光ダイオードの製造方法について説明する。
このAlGaInP系発光ダイオードの製造方法においては、p型コンタクト層6の成長を、次のように段階的に分けて行う。
すなわち、まず、MOCVD装置の反応室内に、III族元素としてのGaの原料、V族元素としてのPの原料およびp型不純物としてのMgの原料を供給し、p型不純物としてMgがドープされたGaPを所定の厚さだけ成長させ、Mgドープ層6aの下層側の部分を成長させる。次に、さらにn型不純物としてのSiの原料を供給し、p型不純物としてのMgおよびn型不純物としてのSiが同時にドープされたGaPを成長させ、Mgドープ層6aの残りの部分を成長させる。この段階で、n型不純物ドープ領域7のうちのMgドープ層6a中の厚さd1 の部分が形成される。次に、Mgの原料の供給を停止し、アンドープでp型となる条件でn型不純物としてSiがドープされたGaPを成長させ、アンドープでp型のGaPからなる領域6dに対応する部分を成長させる。次に、Znの原料の供給を開始し、p型不純物としてのZnおよびn型不純物としてのSiが同時にドープされたGaPを所定の厚さだけ成長させ、Znドープ層6bの下層側の部分を成長させる。この段階で、n型不純物ドープ領域7のうちのZnドープ層6b中の厚さd2 の部分が形成される。次に、Siの原料の供給を停止し、p型不純物としてZnがドープされたGaPを成長させ、Znドープ層6bの残りの部分を成長させる。このp型コンタクト層6の成長時には、2×1017cm-3<Nd <Na1<Na2の関係を満たし、かつ、Nd <Na3の関係を満たすように不純物をドープする。具体的には、例えば、Mgドープ層6aのMgの濃度Na1が1×1018cm-3、Znドープ層6bのZnの濃度Na2が2×1019cm-3、アンドープでp型のGaPからなる領域6dのキャリア濃度Na3が1×1018cm-3、n型不純物ドープ領域7のSiの濃度Nd が4×1017cm-3となるように不純物をドープする。このようにして、Mgドープ層6aとZnドープ層6bとの間に、アンドープでp型のGaPからなる領域6dを有し、かつ、このアンドープでp型のGaPからなる領域6dおよびこの領域6dの上下の所定の領域にSiがドープされたn型不純物ドープ領域7を有するp型コンタクト層6が形成される。
上記以外のことは、第1の実施形態によるAlGaInP系発光ダイオードの製造方法と同様であるので、説明を省略する。
次に、この発明の第4の実施形態について説明する。
この第4の実施形態においては、第1〜第3の実施形態のいずれかによる赤色発光の発光ダイオードに加え、別途用意する青色発光の発光ダイオードおよび緑色発光の発光ダイオードを用いて発光ダイオードバックライトを製造する場合について説明する。
第1〜第3の実施形態のいずれかによる方法によりフリップチップの形で赤色発光のAlGaInP系発光ダイオードを得る。同様にして、緑色発光のGaN系発光ダイオードおよび青色発光のGaN系発光ダイオードをフリップチップの形で得る。
そして、これらの赤色発光の発光ダイオードチップ、緑色発光の発光ダイオードチップおよび青色発光の発光ダイオードチップをそれぞれAlNなどからなるサブマウント上にマウントした後、これをサブマウントを下にして例えばAl基板などの基板上に所定の配置でマウントする。この状態を図5Aに示す。図5A中、符号21は基板、22はサブマウント、23は赤色発光の発光ダイオードチップ、24は緑色発光の発光ダイオードチップ、25は青色発光のダイオードチップを示す。これらの赤色発光の発光ダイオードチップ23、緑色発光の発光ダイオードチップ24および青色発光の発光ダイオードチップ25のチップサイズは例えば350μm角であるが、これに限定されるものではない。ここで、赤色発光の発光ダイオードチップ23はそのn側電極がサブマウント22上に来るようにマウントし、緑色発光の発光ダイオードチップ24および青色発光の発光ダイオードチップ25はそのp側電極およびn側電極が、バンプを介してサブマウント22上に来るようにする。赤色発光の発光ダイオードチップ23がマウントされているサブマウント22上にはn側電極用の引き出し電極(図示せず)が所定のパターン形状に形成されており、この引き出し電極上の所定部分に赤色発光の発光ダイオードチップ23のn側電極側がマウントされている。そして、この赤色発光の発光ダイオードチップ23のp側電極と、基板21上に設けられた所定のパッド電極26とにこれらを接続するようにワイヤ27がボンディングされているとともに、上記の引き出し電極の一端と基板21上に設けられた別のパッド電極とにこれらを接続するようにワイヤ(図示せず)がボンディングされている。緑色発光の発光ダイオードチップ24がマウントされているサブマウント22上には、p側電極用の引き出し電極およびn側電極用の引き出し電極(いずれも図示せず)がそれぞれ所定のパターン形状に形成されており、これらのp側電極用の引き出し電極およびn側電極用の引き出し電極上の所定部分に、緑色発光の発光ダイオードチップ24のp側電極およびn側電極側がそれらの上に形成されたバンプを介してそれぞれマウントされている。そして、この緑色発光の発光ダイオードチップ24のp側電極用の引き出し電極の一端と、基板21上に設けられたパッド電極とにこれらを接続するようにワイヤ(図示せず)がボンディングされているとともに、そのn側電極用の引き出し電極の一端と、基板21上に設けられたパッド電極とにこれらを接続するようにワイヤ(図示せず)がボンディングされている。青色発光の発光ダイオードチップ25も同様である。
ただし、サブマウント22を省略して、赤色発光の発光ダイオードチップ23、緑色発光の発光ダイオードチップ24および青色発光の発光ダイオードチップ25を直接、放熱性を有する任意のプリント配線基板あるいは、プリント配線基板の機能を有する板、筐体の内外壁(例えば、シャーシの内壁など)にダイレクトマウントすることも可能であり、こうすることで発光ダイオードバックライトあるいはパネル全体の低コスト化を図ることができる。
上述のような赤色発光の発光ダイオードチップ23、緑色発光の発光ダイオードチップ24および青色発光の発光ダイオードチップ25を一単位(セル)とし、これを基板21上に所定のパターンで必要な数配置する。その一例を図6に示す。次に、図5Bに示すように、この一単位を覆うように透明樹脂28のポッティングを行う。この後、透明樹脂28のキュア処理を行う。このキュア処理により透明樹脂28は固化し、それに伴い少し縮小する(図5C)。こうして、図7に示すように、赤色発光の発光ダイオードチップ23、緑色発光の発光ダイオードチップ24および青色発光の発光ダイオードチップ25を一単位としたものが基板21上にアレイ状に配列された発光ダイオードバックライトが得られる。
この発光ダイオードバックライトは、例えば液晶パネルのバックライトに用いて好適なものである。
次に、この発明の第5の実施形態について説明する。
この第5の実施形態においては、第4の実施形態と同様にして、赤色発光の発光ダイオードチップ23、緑色発光の発光ダイオードチップ24および青色発光の発光ダイオードチップ25を基板21上に所定のパターンで必要な数配置した後、図8に示すように、赤色発光の発光ダイオードチップ23を覆うようにこの発光ダイオードチップ23に適した透明樹脂29のポッティングを行い、緑色発光の発光ダイオードチップ24を覆うようにこの発光ダイオードチップ24に適した透明樹脂30のポッティングを行い、青色発光の発光ダイオードチップ25を覆うようにこの発光ダイオードチップ25に適した透明樹脂31のポッティングを行う。
上記以外のことは第4の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、この発明の第6の実施形態について説明する。
この第6の実施形態においては、第1〜第3の実施形態のいずれかによる赤色発光の発光ダイオードに加え、別途用意する青色発光の発光ダイオードおよび緑色発光の発光ダイオードを用いて光源セルユニットを製造する場合について説明する。
図9Aに示すように、この第6の実施形態においては、第4の実施形態と同様にして、赤色発光の発光ダイオードチップ23、緑色発光の発光ダイオードチップ24および青色発光の発光ダイオードチップ25をそれぞれ少なくとも一つ含み、これらが所定のパターンで配置されたセル35をプリント配線基板36上に所定のパターンで必要な数配置する。この例では、各セル35は、赤色発光の発光ダイオードチップ23、緑色発光の発光ダイオードチップ24および青色発光の発光ダイオードチップ25をそれぞれ一つ含み、これらが正三角形の頂点に配置されている。図9Bにセル35を拡大して示す。各セル35における赤色発光の発光ダイオードチップ23、緑色発光の発光ダイオードチップ24および青色発光の発光ダイオードチップ25の間隔aは例えば4mmであるが、これに限定されるものではない。セル35の間隔bは例えば30mmであるが、これに限定されるものではない。プリント配線基板36としては、例えば、FR4(Flame Retardant Type 4の略)基板やメタルコア基板やフレキシブル配線基板などを用いることができるが、放熱性を有するプリント配線基板であれば他のものを用いることもでき、これらに限定されるものではない。第4の実施形態と同様にして、各セル35を覆うように透明樹脂28のポッティングを行い、あるいは、第5の実施形態と同様にして、赤色発光の発光ダイオードチップ23を覆うように透明樹脂29のポッティングを行い、緑色発光の発光ダイオードチップ24を覆うように透明樹脂30のポッティングを行い、青色発光の発光ダイオードチップ25を覆うように透明樹脂31のポッティングを行う。こうして、赤色発光の発光ダイオードチップ23、緑色発光の発光ダイオードチップ24および青色発光の発光ダイオードチップ25からなるセル35がプリント配線基板36上に配置された光源セルユニットが得られる。
プリント配線基板36上のセル35の配置の具体例を図10および図11に示すが、これらに限定されるものではない。図10に示す例はセル35を4×3の二次元アレイ状に配置したもの、図11に示す例はセル35を6×2の二次元アレイ状に配置したものである。
図12はセル35の他の構成例を示す。この例では、セル35は、赤色発光の発光ダイオードチップ23を一つ、緑色発光の発光ダイオードチップ24を二つ、青色発光の発光ダイオードチップ25を一つ含み、これらが例えば正方形の頂点に配置されている。二つの緑色発光の発光ダイオードチップ24はこの正方形の一つの対角線の両端の頂点に配置され、赤色発光の発光ダイオードチップ23および青色発光の発光ダイオードチップ25はこの正方形のもう一つの対角線の両端の頂点に配置されている。
この光源セルユニットを一つまたは複数配列することにより、例えば液晶パネルのバックライトに用いて好適な発光ダイオードバックライトを得ることができる。
次に、この発明の第7の実施形態について説明する。
この第7の実施形態においては、第1〜第3の実施形態のいずれかによる赤色発光の発光ダイオードに加え、次のようにして製造する青色発光の発光ダイオードおよび緑色発光の発光ダイオードを用いて第4または第5の実施形態と同様な発光ダイオードバックライトあるいは第6の実施形態と同様な光源セルユニットを製造する場合について説明する。
図13〜図15はこの青色発光または緑色発光の発光ダイオードの製造方法を工程順に示す。この発光ダイオードは、GaNなどの窒化物系III−V族化合物半導体を用いたものである。
この第7の実施形態においては、図13Aに示すように、まず、平坦な一主面を有し、窒化物系III−V族化合物半導体と異なる材料からなる基板51を用意し、この基板51上に断面形状が二等辺三角形状の凸部52を所定の平面形状で周期的に形成する。凸部52の間には逆台形状の断面形状を有する凹部53が形成される。この基板51は例えばサファイア基板であり、その主面は例えばc面である。凸部52および凹部53の平面形状はすでに述べた各種の平面形状とすることができるが、例えば、図16に示すように、凸部52および凹部53とも一方向に延在するストライプ形状を有する場合や、図17に示すように、凸部52が六角形の平面形状を有し、これを蜂の巣状に二次元配列した場合などである。典型的には、図16における点線の方向(ストライプに直交する方向)が後述の窒化物系III−V族化合物半導体層55のa軸と平行となり、図17における点線の方向(最隣接の凸部52間を結ぶ方向)が、後述の窒化物系III−V族化合物半導体層55のm軸と平行となるようにする。例えば、基板51がサファイア基板である場合、図16におけるストライプ形状の凸部52および凹部53の延在方向はサファイア基板の〈1−100〉方向であり、図17における凹部53の延在方向は同じくサファイア基板の〈1−100〉方向である。これらの延在方向はサファイア基板の〈11−20〉方向であってもよい。凸部52の材料としてはすでに述べたものを用いることができるが、加工の容易さなどの観点から、好適には例えばSiO2 、SiN、CrN、SiON、CrONなどが用いられる。
基板51上に断面形状が二等辺三角形状の凸部52を形成するためには、従来公知の方法を用いることができる。例えば、CVD法、真空蒸着法、スパッタリング法などにより基板51の全面に凸部52の材料となる膜(例えば、SiO2 膜)を形成する。次に、この膜上に所定形状のレジストパターンをリソグラフィーにより形成する。次に、反応性イオンエッチング(RIE)法などにより、テーパーエッチングが行われる条件で、このレジストパターンをマスクとしてこの膜をエッチングすることにより、断面形状が二等辺三角形状の凸部52が形成される。
次に、サーマルクリーニングなどを行うことによりこの基板51および凸部52の表面を清浄化した後、この基板51上に従来公知の方法により例えば550℃程度の成長温度で例えばGaNバッファ層やAlNバッファ層などのバッファ層(図示せず)を成長させる。次に、例えばMOCVD法により窒化物系III−V族化合物半導体のエピタキシャル成長を行う。この窒化物系III−V族化合物半導体は例えばGaNである。このとき、図13Bに示すように、まず凹部53の底面から成長を開始させ、窒化物系III−V族化合物半導体からなる微小核54を複数生成させる。次に、図13Cに示すように、微小核54の成長および合体の過程を経て、凹部53の底面を底辺とし、基板51の主面に対して傾斜したファセットを斜面に有する二等辺三角形状の断面形状となるように窒化物系III−V族化合物半導体層55を成長させる。この例では、この二等辺三角形状の断面形状の窒化物系III−V族化合物半導体層55の高さは凸部52の高さより大きい。例えば、この窒化物系III−V族化合物半導体層55の延在方向はその〈1−100〉方向であり、その斜面のファセットは(1−101)面である。この窒化物系III−V族化合物半導体層55は、アンドープであっても、n型不純物またはp型不純物をドープしてもよい。この窒化物系III−V族化合物半導体層55の成長条件については後述する。窒化物系III−V族化合物半導体層55の延在方向はその〈11−20〉方向であってもよい。
引き続いて、窒化物系III−V族化合物半導体層55の成長をその斜面のファセット面方位を維持しながら行うことにより、図14Aに示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層55の両端部が凸部52の側面の下部まで成長して断面形状が五角形状となる状態とする。
次に、成長条件を横方向成長が支配的となる条件に設定して成長を続けると、図14Bに示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層55は、矢印で示すように横方向成長して断面形状が六角形状となる状態で凸部52の上に広がって行く。図14B中、点線は成長途中の成長界面を示す(以下同様)。
さらに横方向成長を続けると、図14Cに示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層55はその厚さを増しながら成長し、遂には隣接する凹部53から成長した窒化物系III−V族化合物半導体層55同士が凸部52上で接触し、会合する。
引き続いて、図14Cに示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層55をその表面が基板51の主面と平行な平坦面となるまで横方向成長させる。こうして成長された窒化物系III−V族化合物半導体層55は、凹部53の上の部分の転位密度が極めて低くなる。
なお、場合によっては、図13Cに示す状態から、図14Aに示す状態を経ないで、図14Bに示す状態に直接移ることも可能である。
次に、図15に示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層55上に、例えばMOCVD法により、n型窒化物系III−V族化合物半導体層56、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた活性層57およびp型窒化物系III−V族化合物半導体層58を順次エピタキシャル成長させる。この場合、窒化物系III−V族化合物半導体層55はn型であるとする。
次に、こうして窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させた基板51をMOCVD装置から取り出す。
次に、p型窒化物系III−V族化合物半導体層58上にp側電極59を形成する。p側電極59の材料としては、例えば、高反射率を有するオーミック金属を用いるのが好ましい。
この後、p型窒化物系III−V族化合物半導体層58のp型不純物を活性化するために、例えばN2 とO2 との混合ガス(組成は例えばN2 が99%、O2 が1%)の雰囲気中において550〜750℃(例えば、650℃)あるいは580〜620℃(例えば、600℃)の温度で熱処理を行う。ここで、例えば、N2 にO2 を混合することで活性化が起きやすくなる。また、例えば、O、Nと同様に電気陰性度の高いF、Clなどの原料としてハロゲン化窒素(NF3 、NCl3 など)をN2 またはN2 とO2 との混合ガス雰囲気に混合するようにしてもよい。この熱処理の時間は例えば5分〜2時間あるいは40分〜2時間、一般的には10〜60分程度である。熱処理の温度を比較的低くするのは、熱処理時の活性層57などの劣化を防止するためである。なお、この熱処理は、p型窒化物系III−V族化合物半導体層58をエピタキシャル成長させた後、p側電極59を形成する前に行ってもよい。
次に、n型窒化物系III−V族化合物半導体層56、活性層57およびp型窒化物系III−V族化合物半導体層58を、例えばRIE法、粉末ブラスト法、サンドブラスト法などにより所定形状にパターニングし、メサ部60を形成する。
次に、このメサ部60に隣接する部分のn型の窒化物系III−V族化合物半導体層55上にn側電極61を形成する。
次に、必要に応じて、上述のようにして発光ダイオード構造が形成された基板51をその裏面側から研削やラッピングすることにより厚さを減少させた後、この基板51のスクライビングを行い、バーを形成する。この後、このバーのスクライビングを行うことでチップ化する。
以上により、目的とする発光ダイオードが製造される。
上記の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長原料は、例えば、Gaの原料としてはトリエチルガリウム((C2 5 3 Ga、TEG)またはトリメチルガリウム((CH3 3 Ga、TMG)、Alの原料としてはトリメチルアルミニウム((CH3 3 Al、TMA)、Inの原料としてはトリエチルインジウム((C2 5 3 In、TEI)またはトリメチルインジウム((CH3 3 In、TMI)を、Nの原料としてはアンモニア(NH3 )を用いる。ドーパントについては、n型ドーパントとしては例えばシラン(SiH4 )あるいはジシラン(Si2 6 )を、p型ドーパントとしては例えばビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウム((CH3 5 4 2 Mg)、ビス(エチルシクロペンタジエニル)マグネシウム((C2 5 5 4 2 Mg)あるいはビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム((C5 5 2 Mg)を用いる。また、上記の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長時のキャリアガス雰囲気としては、例えば、H2 ガスが用いられる。
この発光ダイオードの具体的な構造例について説明するが、これに限定されものではない。すなわち、例えば、窒化物系III−V族化合物半導体層55がn型GaN層、n型窒化物系III−V族化合物半導体層56が下から順に、n型GaInN層、n型GaN層およびn型GaInN層、p型窒化物系III−V族化合物半導体層58が下から順に、p型GaInN層、p型AlInN層、p型GaN層およびp型GaInN層である。活性層57は例えばGaInN系の多重量子井戸(MQW)構造(例えば、GaInN量子井戸層とGaN障壁層とを交互に積層したもの)を有し、この活性層57のIn組成は発光ダイオードの発光波長に応じて選ばれ、例えば発光波長405nmでは〜11%、450nmでは〜18%、520nmでは〜24%である。p側電極59の材料としては、例えばAgやPd/Agなどを用い、あるいは必要に応じてこれに加えてTi、W、Cr、WN、CrNなどからなるバリアメタルを用いる。n側電極61としては、例えばTi/Pt/Au構造のものを用いる。
こうして得られた図15に示す発光ダイオードにおいては、p側電極59とn側電極61との間に順方向電圧を印加して電流を流すことにより発光を行わせ、基板51を通して外部に光を取り出す。活性層57のIn組成の選定により、赤色〜紫外の発光、取り分け青色発光、緑色発光または赤色発光を得ることができる。この場合、活性層57から発生した光のうち、基板51に向かう光は、基板51とその凹部53の窒化物系III−V族化合物半導体層55との界面で屈折した後、基板51を通って外部に出て行き、活性層57から発生した光のうち、p側電極59に向かう光は、このp側電極59で反射されて基板51に向かい、基板51を通って外部に出て行く。
この第7の実施形態においては、窒化物系III−V族化合物半導体層55の貫通転位密度を最小化するために、凹部53の底面の幅Wg 、凹部53の深さ、すなわち凸部52の高さd、および、図13Cに示す状態の窒化物系III−V族化合物半導体層55の斜面と基板51の主面とのなす角度αが下記の式を満たすように決められている(図18参照)。
2d≧Wg tanα
例えば、Wg =2.1μm、α=59°の場合にはd≧1.75μm、Wg =2μm、α=59°の場合にはd≧1.66μm、Wg =1.5μm、α=59°の場合にはd≧1.245μm、Wg =1.2μm、α=59°の場合にはd≧0.966μmとする。ただし、いずれの場合もd<5μmとするのが望ましい。
図13BおよびCならびに図14Aに示す工程における窒化物系III−V族化合物半導体層55の成長時には、成長原料のV/III比を高めに、成長温度を低めに設定するのが好ましい。具体的には、窒化物系III−V族化合物半導体層55の成長を1気圧の圧力条件下で行う場合は、成長原料のV/III比を例えば13000±2000の範囲、成長温度を例えば1100±50℃の範囲に設定するのが好ましい。成長原料のV/III比については、窒化物系III−V族化合物半導体層55の成長をx気圧の圧力条件下で行う場合は、流速と圧力との関係を規定するベルヌーイの法則から、圧力の変化量を二乗した分のV/III比、具体的には概ね(13000±2000)×x2 に設定するのが好ましい。例えば、0.92気圧(700Torr)で成長を行う場合は、成長原料のV/III比を11000±1700の範囲(例えば、10530)に設定するのが好ましい。xは一般的には0.01〜2気圧である。成長温度については、1気圧以下の圧力条件下で成長を行う場合は、窒化物系III−V族化合物半導体層55の横方向成長を抑え、凹部53への窒化物系III−V族化合物半導体層55の選択成長を容易にするため、より低い成長温度に設定するのが好ましい。例えば、0.92気圧(700Torr)で成長を行う場合は、成長温度を1050±50℃の範囲(例えば、1050℃)に設定するのが好ましい。以上のようにすることで、図13BおよびCならびに図14Aに示すように窒化物系III−V族化合物半導体層55が成長する。この際、凸部52上からは窒化物系III−V族化合物半導体層55は成長を開始しない。成長速度は一般的には0.5〜5.0μm/h、好適には3.0μm/h程度とする。窒化物系III−V族化合物半導体層55が例えばGaN層の場合、原料ガスの流量は、例えば、TMGは20SCCM、NH3 は20SLMである。一方、図14BおよびCに示す工程における窒化物系III−V族化合物半導体層55の成長(横方向成長)は、成長原料のV/III比を低めに、成長温度を高めに設定する。具体的には、窒化物系III−V族化合物半導体層55の成長を1気圧の圧力条件下で行う場合は、成長原料のV/III比を例えば5000±2000の範囲、成長温度を例えば1200±50℃の範囲に設定する。成長原料のV/III比については、窒化物系III−V族化合物半導体層55の成長をx気圧の圧力条件下で行う場合は、流速と圧力との関係を規定するベルヌーイの法則から、圧力の変化量を二乗した分のV/III比、具体的には概ね(5000±2000)×x2 に設定するのが好ましい。例えば、0.92気圧(700Torr)で成長を行う場合は、成長原料のV/III比を4200±1700の範囲(例えば、4232)に設定するのが好ましい。成長温度については、1気圧以下の圧力条件下で成長を行う場合は、窒化物系III−V族化合物半導体層55の表面の荒れを防止し、横方向成長を良好に行うため、より低い成長温度に設定するのが好ましい。例えば、0.92気圧(700Torr)で成長を行う場合は、成長温度を1150±50℃の範囲(例えば、1110℃)に設定するのが好ましい。窒化物系III−V族化合物半導体層55が例えばGaN層の場合、原料ガスの流量は、例えば、TMGは40SCCM、NH3 は20SLMである。こうすることで、図14BおよびCに示すように窒化物系III−V族化合物半導体層55が横方向成長する。
図19に、窒化物系III−V族化合物半導体層55の結晶欠陥分布を透過型電子顕微鏡(TEM)により調べた結果を模式的に示す。図19中、符号62は貫通転位を示す。図19から分かるように、凸部52の中央部近傍、すなわち互いに隣接する凹部53から成長する窒化物系III−V族化合物半導体層55同士の会合部では転位密度が高くなっているものの、凹部53の上の部分を含む他の部分では転位密度は低くなっている。例えば、凹部53の深さd=1μm、底面の幅Wg =2μmの場合、この低転位密度の部分の転位密度は6×107 /cm2 であり、凹凸加工を施した基板51を用いない場合に比べて1〜2桁転位密度が低減されている。凹部53の側壁に対して垂直方向への転位の発生は一切起きていないことも分かる。
また、図19において、凹部53における基板51と接する窒化物系III−V族化合物半導体層55の高転位密度で結晶性が悪い領域の平均厚さは、凸部52における基板51と接する窒化物系III−V族化合物半導体層55の高転位密度で結晶性が悪い領域の平均厚さの1.5倍程度である。これは、凸部52上では窒化物系III−V族化合物半導体層55が横方向成長することを反映した結果である。
次に、成長初期からの窒化物系III−V族化合物半導体層55の成長様式および転位の伝播の様子について図20を参照しながら説明する。
成長を開始すると、図20Aに示すように、まず凹部53の底面に窒化物系III−V族化合物半導体からなる微小核54が複数生成する。これらの微小核54では、基板51との界面から垂直方向に転位(点線で示す)が伝播し、この転位は微小核54の側面から抜ける。成長を続けると、図20Bおよび図20Cに示すように、微小核54の成長および合体の過程を経て窒化物系III−V族化合物半導体層55が成長する。これらの微小核54の成長および合体の過程で、基板51の主面に平行な方向に転位の屈曲が起きる結果、上部に抜ける転位が少なくなる。さらに成長を続けると、図20Dに示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層55は、凹部53の底面を底辺とする二等辺三角形状の断面形状になる。この時点では、窒化物系III−V族化合物半導体層55から上部に抜ける転位は、大幅に減少している。次に、図20Eに示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層55を横方向成長させる。この過程では、凹部53の底面を底辺とする二等辺三角形状の断面形状を有する窒化物系III−V族化合物半導体層55の側面に抜けた転位は、凸部52より低い位置にあるものは基板51の主面に平行に凸部52の側面まで延伸し続けて消失し、凸部52より高い位置にあるものは基板51の主面に平行に延伸して横方向成長した窒化物系III−V族化合物半導体層55の側面に抜ける。窒化物系III−V族化合物半導体層55の横方向成長をさらに続けると、図20Fに示すように、凸部52の上でその両側から成長した窒化物系III−V族化合物半導体層55同士が会合し、やがては窒化物系III−V族化合物半導体層55の表面が基板51の主面と平行な平坦面となる。窒化物系III−V族化合物半導体層55中の転位は、凸部52上で会合したときに上方(基板51の主面に垂直な方向)に屈曲し、貫通転位となる。
この第7の実施形態によれば、基板51と窒化物系III−V族化合物半導体層55との間に空隙が形成されないことにより、この空隙に起因する光取り出し効率の低下を防止することができる。また、窒化物系III−V族化合物半導体層55の貫通転位は基板51の凸部52の中央部近傍に集中し、その他の部分の転位密度は例えば6×107 /cm2 程度と従来の凹凸加工基板を用いた場合に比べて大幅に低減されるため、窒化物系III−V族化合物半導体層55およびその上に成長される活性層57などの窒化物系III−V族化合物半導体層の結晶性は大幅に向上し、非発光中心なども大幅に減少する。これらによって、発光効率が極めて高い窒化物系III−V族化合物半導体系発光ダイオードを得ることができる。
加えて、この窒化物系III−V族化合物半導体系発光ダイオードの製造に必要なエピタキシャル成長は1回で済み、しかも成長マスクが不要であるだけでなく、基板51上の凸部52は基板51上に凸部52の材料となる膜、例えばSiO2 膜、SiON膜、SiN膜、CrN膜、CrON膜などの膜を形成し、これをエッチング、粉末ブラスト法、サンドブラスト法などにより加工するだけで形成することができるので、凹凸加工が困難なサファイア基板などの基板51の加工が不要であるため、製造工程が簡単であり、低コストで窒化物系III−V族化合物半導体系発光ダイオードを製造することができる。
次に、この発明の第8の実施形態について説明する。
この第8の実施形態においては、図21Aに示すように、基板51上に断面形状が台形状の凸部52を所定の平面形状で周期的に形成する。凸部52の間には逆台形状の断面形状を有する凹部53が形成される。
次に、第7の実施形態と同様にして窒化物系III−V族化合物半導体層55を成長させる。具体的には、凹部53の底面上の微小核54の生成、成長および合体の過程を経て図21Bに示すように、凹部53の底面を底辺とする二等辺三角形状の断面形状を有する窒化物系III−V族化合物半導体層55を成長させ、さらに横方向成長を経て図21Cに示すように、平坦な表面を有し、貫通転位密度が低い窒化物系III−V族化合物半導体層55を成長させる。
次に、第7の実施形態と同様に工程を進めて、図22に示すように、目的とする窒化物系III−V族化合物半導体系発光ダイオードを製造する。
上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
図23に、窒化物系III−V族化合物半導体層55の結晶欠陥分布をTEMにより調べた結果を模式的に示す。
この第8の実施形態によれば、第7の実施形態と同様な利点を得ることができる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の第1〜第8の実施形態において挙げた数値、材料、構造、形状、配置、基板、原料、プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、材料、構造、形状、配置、基板、原料、プロセスなどを用いてもよい。
具体的には、上述の第1〜第3の実施形態においては、p型コンタクト層6の材料として、GaPに替えてGaAsを用いてもよく、さらに、n型クラッド層2の材料としてAlGaInPに替えてAlInPを、p型クラッド層4の材料としてAlGaInPに替えてAlInPを、p型中間層5の材料としてGaInPに替えてAlGaInPを用いてもよい。
また、上述の第1〜第3の実施形態においては、p型コンタクト層6を構成するMgドープ層6aに替えて、p型不純物としてBeがドープされた層、あるいは、p型不純物としてMgおよびBeがドープされた層を用いてもよい。すなわち、p型コンタクト層6のうちの活性層3側の層にドープするp型不純物として、Mgに替えてBeを用いてもよく、あるいは、MgおよびBeをともに用いてもよい。また、第2の実施形態においては、オーバーラップ領域6cが、p型不純物としてBeおよびZnがドープされた層、あるいは、p型不純物としてMg、BeおよびZnがドープされた層であってもよい。
また、上述の第1〜第3の実施形態においては、p型コンタクト層6のn型不純物ドープ領域7にドープされるn型不純物としてSiを用いているが、必要に応じて、SeまたはSを用いてもよく、あるいは、Si、SeおよびSのうち2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上述の第1〜第3の実施形態では、この発明をAlGaInP系発光ダイオードに適用した場合について説明したが、この発明は、AlGaInP系半導体レーザはもちろん、これらのAlGaInP系半導体を用いた半導体発光素子以外に、例えばAlGaAs系半導体を用いた半導体発光素子に適用してもよい。
さらに、プリント配線基板36などの基板(放熱基板なども含む)上に搭載するセル35の配置は図9〜図12に示すものに限定されず、他の配置であってもよい。例えば、図9〜図12に示すセル35をその中心の周りに任意の角度、例えば半時計方向に45度回転させてもよい。また、セル35内における赤色発光の発光ダイオードチップ23、緑色発光の発光ダイオードチップ24および青色発光の発光ダイオードチップ25の配置や個数は図9〜図12に示すものに限定されず、他の配置や個数であってもよい。
この発明の第1の実施形態によるAlGaInP系LEDを示す断面図である。 この発明の第1の実施形態によるAlGaInP系LEDの不純物濃度プロファイルを示す略線図である。 この発明の第2の実施形態によるAlGaInP系LEDの不純物濃度プロファイルを示す略線図である。 この発明の第3の実施形態によるAlGaInP系LEDの不純物濃度プロファイルを示す略線図である。 この発明の第4の実施形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第4の実施形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための斜視図である。 この発明の第4の実施形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための斜視図である。 この発明の第5の実施形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための斜視図である。 この発明の第6の実施形態による光源セルユニットを示す平面図およびこの光源セルユニットのセルの拡大図である。 この発明の第6の実施形態による光源セルユニットの一つの具体例を示す平面図である。 この発明の第6の実施形態による光源セルユニットの他の具体例を示す平面図である。 この発明の第6の実施形態による光源セルユニットのセルの他の構成例を示す平面図である。 この発明の第7の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第7の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第7の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第7の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に形成する凸部の平面形状の例を示す平面図である。 この発明の第7の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に形成する凸部の平面形状の例を示す平面図である。 この発明の第7の実施形態による発光ダイオードの製造方法において用いる基板を示す略線図である。 この発明の第7の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に成長させた窒化物系III−V族化合物半導体層のTEM観察により得られた転位の振る舞いを説明するための略線図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に成長させた窒化物系III−V族化合物半導体層の貫通転位の分布の例を示す略線図である。 この発明の第8の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第8の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第8の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に成長させた窒化物系III−V族化合物半導体層のTEM観察により得られた転位の振る舞いを説明するための略線図である。 p型コンタクト層の改良を行った従来のAlGaInP系発光ダイオードの不純物濃度プロファイルを示す略線図である。 従来のAlGaInP系発光ダイオードのp型コンタクト層と同様の層構造を有する評価用試料のSIMS分析の結果を示す略線図である。
符号の説明
1…n型半導体基板、2…n型クラッド層、3…活性層、4…p型クラッド層、5…p型中間層、6…p型コンタクト層、6a…Mgドープ層、6b…Znドープ層、6c…オーバーラップ領域、6d…アンドープでp型のGaPからなる領域、7…n型不純物ドープ領域、8…p側電極、9…n側電極、23〜25…発光ダイオードチップ、28〜31…透明樹脂、35…セル、36…プリント配線基板、51…基板、52…凸部、53…凹部、54…微小核、55…窒化物系III−V族化合物半導体層、56…n型窒化物系III−V族化合物半導体層、57…活性層、58…p型窒化物系III−V族化合物半導体層、59…p側電極、60…メサ部、61…n側電極

Claims (14)

  1. 活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造を有し、かつ、上記p型クラッド層とp側電極との間にこのp側電極とコンタクトしたp型コンタクト層を有する半導体発光素子において、
    上記p型コンタクト層は、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層からなり、かつ、これらの層の界面のうちの少なくとも一つの界面に、上記p型不純物の拡散を防止するn型不純物がドープされている
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 上記p型コンタクト層はGaPからなることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 上記p型コンタクト層はGaAsからなることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  4. 上記p型コンタクト層のうちの上記活性層に近い側の層に上記p型不純物としてMgおよび/またはBeがドープされ、上記p型コンタクト層のうちの上記p側電極側の層に上記p型不純物としてZnがドープされていることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  5. 上記Mgおよび/またはBeがドープされている上記層の上記p型不純物の濃度をNa1、上記Znがドープされている上記層の上記p型不純物の濃度をNa2としたとき、Na1<Na2であることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  6. 上記n型不純物の濃度をNd としたとき、2×1017cm-3<Nd <Na1であることを特徴とする請求項5記載の半導体発光素子。
  7. 上記n型不純物がSi、SeおよびSからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  8. 上記p型コンタクト層は、上記少なくとも一つの界面の近傍に、上記p型不純物としてMgおよび/またはBeとZnとがともにドープされている領域を有し、この領域およびこの領域の上下50nm以上の領域に上記n型不純物がドープされていることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  9. 上記p型コンタクト層は、アンドープでp型の領域を有し、この領域およびこの領域の上下50nm以上の領域からなる厚さが100nmより大きい領域に上記n型不純物がドープされ、上記アンドープでp型の領域のキャリア濃度をNa3、上記n型不純物の濃度をNd としたとき、Nd <Na3であることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  10. 活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造を有し、かつ、上記p型クラッド層とp側電極との間にこのp側電極とコンタクトしたp型コンタクト層を有する半導体発光素子の製造方法において、
    上記p型コンタクト層を、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層により形成し、かつ、これらの層の界面のうちの少なくとも一つの界面に、上記p型不純物の拡散を防止するn型不純物をドープするようにした
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  11. 赤色発光の半導体発光素子、緑色発光の半導体発光素子および青色発光の半導体発光素子をそれぞれ少なくとも一つ含むセルがプリント配線基板上に複数個配列した光源セルユニットにおいて、
    上記赤色発光の半導体発光素子、上記緑色発光の半導体発光素子および上記青色発光の半導体発光素子のうちの少なくとも一つの半導体発光素子が、
    活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造を有し、かつ、上記p型クラッド層とp側電極との間にこのp側電極とコンタクトしたp型コンタクト層を有する半導体発光素子において、
    上記p型コンタクト層は、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層からなり、かつ、これらの層の界面のうちの少なくとも一つの界面に、上記p型不純物の拡散を防止するn型不純物がドープされているものである
    ことを特徴とする光源セルユニット。
  12. 赤色発光の半導体発光素子、緑色発光の半導体発光素子および青色発光の半導体発光素子をそれぞれ複数個配列したバックライトにおいて、
    上記赤色発光の半導体発光素子、上記緑色発光の半導体発光素子および上記青色発光の半導体発光素子のうちの少なくとも一つの半導体発光素子が、
    活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造を有し、かつ、上記p型クラッド層とp側電極との間にこのp側電極とコンタクトしたp型コンタクト層を有する半導体発光素子において、
    上記p型コンタクト層は、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層からなり、かつ、これらの層の界面のうちの少なくとも一つの界面に、上記p型不純物の拡散を防止するn型不純物がドープされているものである
    ことを特徴とするバックライト。
  13. 赤色発光の半導体発光素子、緑色発光の半導体発光素子および青色発光の半導体発光素子をそれぞれ複数個配列したディスプレイにおいて、
    上記赤色発光の半導体発光素子、上記緑色発光の半導体発光素子および上記青色発光の半導体発光素子のうちの少なくとも一つの半導体発光素子が、
    活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造を有し、かつ、上記p型クラッド層とp側電極との間にこのp側電極とコンタクトしたp型コンタクト層を有する半導体発光素子において、
    上記p型コンタクト層は、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層からなり、かつ、これらの層の界面のうちの少なくとも一つの界面に、上記p型不純物の拡散を防止するn型不純物がドープされているものである
    ことを特徴とするディスプレイ。
  14. 一つまたは複数の半導体発光素子を有する電子機器において、
    少なくとも一つの上記半導体発光素子が、
    活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造を有し、かつ、上記p型クラッド層とp側電極との間にこのp側電極とコンタクトしたp型コンタクト層を有する半導体発光素子において、
    上記p型コンタクト層は、互いに積層された、2種類以上の互いに異なるp型不純物がそれぞれドープされた2層以上の層からなり、かつ、これらの層の界面のうちの少なくとも一つの界面に、上記p型不純物の拡散を防止するn型不純物がドープされているものである
    ことを特徴とする電子機器。
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