JP2013149884A - パターン構造体の製造方法とナノインプリントリソグラフィ方法およびインプリント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度の膜厚・寸法制御が可能なパターン構造体の製造方法と高い精度での微細加工が可能なナノインプリントリソグラフィ方法、これらを可能とするインプリント装置とを提供する。
【解決手段】パターン構造体の製造方法を、基材上またはモールド上の所望の領域に光硬化性樹脂の液滴を供給する液滴供給工程と、凹凸構造を備えたモールドを液滴に接触させてモールドと基材との間に光硬化性樹脂層を形成する接触工程と、光照射を行い光硬化性樹脂層の所望領域を硬化させて凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、転写樹脂層とモールドを引き離して、基材上にパターン構造体である転写樹脂層を備えたものとする離型工程と、を有するものとし、基材上またはモールド上に供給された液滴を、光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境下に置くようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インプリントを用いて所望のパターン(線、模様等の凹凸構造からなる図形)および/またはパターンを有しない平滑な薄膜を有する構造体を製造する方法と、これを用いたナノインプリントリソグラフィ方法、および、それらに使用するインプリント装置に関する。
被加工体上の感光性レジストをフォトリソグラフィ法でパターニングしてレジストパターン形成し、このレジストパターンをマスクとして被加工体をエッチングするパターン形成方法が従来から用いられている。このようなフォトリソグラフィ技術を用いて製造されていた製品群、例えば、半導体、磁気記録媒体、光学素子等は、微細化、高集積化が益々進んでいる。これらの微細加工を実現するためのパターン形成技術として種々のフォトリソグラフィ技術の開発が検討されているが、近年、フォトリソグラフィ技術に替わるパターン形成技術として、インプリント方法を用いたパターン形成技術、および、リソグラフィ技術が注目されている。また、インプリント方法は、特にサブミクロン以下の膜厚制御が必要な製品、例えば、多層膜や表面コーティングなどを利用する光学素子の製造方法に代表される微細パターンの形成技術としても注目されている。
インプリント方法は、微細な凹凸構造を備えた型部材(モールド)を用い、凹凸構造を被成型物に転写することで微細構造を等倍転写するパターン形成技術である。例えば、光硬化性樹脂を用いたナノインプリントリソグラフィでは、被加工体表面に被成型物として光硬化性樹脂の液滴を供給し、所望の凹凸構造を有するモールドと被加工体とを所定の距離まで近接させて凹凸構造内に光硬化性樹脂を充填し、この状態でモールド側から光を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、その後、モールドを樹脂層から引き離すことにより、モールドが有する凹凸が反転した凹凸構造(凹凸パターン)を有するパターン構造体を形成する。このように形成されたパターン構造体には凹凸パターンの高低差のみが形成されており、被加工体表面が露出しておらず、ここから凹凸パターンの凹部に該当する部位に被加工体表面を露出させたい場合には、凹部に残る樹脂(残膜)を除去しなければならない。この残膜の除去では、アルゴンイオン流、フッ素含有プラズマ、反応性イオンエッチングガス等の環境下にパターン構造体が曝されることになり、残膜を除去する間に、エッチングマスクとして機能するパターンの寸法変動が大きくなるという問題があった。このため、残膜の厚みを可能な限り薄くすることが好ましく、このような要請に応える手段として、下記の特許文献1および特許文献2のような先行技術が挙げられる。
特表2008−502157号公報 特開2008−105414号公報
特許文献1では、光硬化性樹脂の液滴(容積1〜42pL)を被加工体の所望の箇所にインクジェットにより供給して、残膜の厚みを制御することが提案されている。この方法では、ある領域に配置するパターンの容積を算出し、これと残膜の厚みとを考慮して、光硬化性樹脂の供給容積を設定するので、残膜の厚みを任意に設計することができる。しかし、一般に、pL単位の微量液滴では、その環境での蒸気圧が低い場合であっても揮発が生じる。例えば、光硬化性樹脂の成分として知られるベンジルアクリレートの場合、蒸気圧は210℃において101.3kPaであり、25℃において9.66×10-3kPaであるが、このような材料を用いた場合であっても、例えば、30pLの液滴をシリコン基板上に滴下し、温度23℃、湿度50%に制御したクリーンルーム内の環境に曝した場合には、約120秒以内に液滴は揮発しシリコン基板上から消失する。このように、光硬化性樹脂に用いられる材料の中でも蒸気圧が低いとされる材料群、例えば、200℃以上の環境下において蒸気圧が0.1kPa〜100kPa程度、あるいはそれ以下の材料であっても揮発が生じる可能性が高い。したがって、基板上にインクジェットやスプレー等で複数の微量な液滴として供給された光硬化性樹脂は、容易に揮発しやすく、また、順次供給された複数の液滴間での液量の相違も生じ、結果的に転写に至るまでの間に意図した液量が維持できず、設計通りの残膜の厚み制御ができず、パターン欠陥が生じやすくなるという問題があった。
また、特許文献2では、分子内にエチレン性不飽和結合を有する部位とヘテロ原子の少なくとも1種を有する部位を含有する1官能重合性不飽和単量体の1種を所定量含有する重合性不飽和単量体と、光重合開始剤と、界面活性剤とを所定の範囲で含有する光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を使用することが提案されている。このような特定の光硬化性樹脂を使用することにより、上記の特許文献1における問題は解消されるが、要求されるエッチング耐性、光学特性等から、他の光硬化性樹脂を使用したい場合には、上記の特許文献1における問題は解消され得ないことになる。
上述のような問題は、ナノインプリントによる所望部位へのベタ薄膜からなるパターン構造体の製造、例えば、多層膜や表面コーティングなどの膜形成での膜厚制御においても、同様に、重大な支障を来すものである。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、高精度の膜厚・寸法制御が可能なパターン構造体の製造方法と高い精度での微細加工が可能なナノインプリントリソグラフィ方法、これらを可能とするインプリント装置とを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のパターン構造体の製造方法は、基材上または凹凸構造を備えたモールド上の所望の領域に光硬化性樹脂の液滴を供給する液滴供給工程と、前記モールドと前記基材を近接させて、前記モールドと前記基材との間に前記液滴を展開して光硬化性樹脂層を形成する接触工程と、光照射を行い前記光硬化性樹脂層の所望領域を硬化させて前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、前記転写樹脂層と前記モールドを引き離して、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記基材上に位置させた状態とする離型工程と、を有し、前記基材上または前記モールド上に供給された液滴を、前記光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境下に置くような構成とした。
本発明の他の態様として、少なくとも前記液滴供給工程と前記接触工程では、前記液滴を前記環境下に置くような構成とした。
本発明の他の態様として、前記光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の気体を供給して前記環境を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記環境に供給された前記気体の圧力を、対応する光硬化性樹脂成分の前記環境の温度における飽和蒸気圧未満とするような構成とした。
本発明の他の態様として、前記環境に供給する気体は、前記光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の気体とキャリアガスとの混合気体であるような構成、あるいは、前記光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分のみからなる気体であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記環境に供給する前記気体は、前記光硬化性樹脂の前記環境の温度における飽和蒸気圧が最も高い成分の気体を少なくとも含有するような構成とした。
本発明の他の態様として、昇圧して高圧状態とすることにより前記環境を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記高圧状態は、設定した圧力において前記液滴に含まれる成分の中で最も沸点が低く揮発しやすい成分が前記液滴中に維持される状態であるような構成とした。
本発明の他の態様として、冷却して低温状態とすることにより前記環境を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記低温状態は、設定した温度において前記液滴に含まれる成分の中で最も蒸気圧が高く揮発しやすい成分が前記液滴中に維持される状態であるような構成とした。
本発明の他の態様として、高圧低温状態とすることにより前記環境を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記高圧低温状態は、設定した圧力において前記液滴に含まれる成分の中で最も沸点が低く揮発しやすい成分が前記液滴中に維持され、かつ、設定した温度において前記液滴に含まれる成分の中で最も蒸気圧が高く揮発しやすい成分が前記液滴中に維持される状態であるような構成とした。
本発明のナノインプリントリソグラフィ方法は、基材上に、上述のパターン構造体の製造方法によりパターン構造体を形成する工程と、前記パターン構造体の残膜を除去してエッチングマスクとする工程と、前記エッチングマスクを介して前記基材に対してエッチング加工を行う工程と、を有するような構成とした。
また、本発明のナノインプリントリソグラフィ方法は、基材上に位置するハードマスク上に、上述のパターン構造体の製造方法によりパターン構造体を形成する工程と、前記パターン構造体の残膜を除去してエッチングマスクとし、該エッチングマスクを介して前記ハードマスクにエッチング処理を施してハードマスクパターンを作製する工程と、前記ハードマスクパターンを介して前記基材に対してエッチング加工を行う工程と、を有するような構成とした。
本発明のインプリント装置は、モールドを保持するためのモールド保持部と、基材を保持するための基材保持部と、基材上に光硬化性樹脂の液滴を供給するための液滴供給部と、前記モールド保持部と前記基材保持部とを離接可能とする転写機構部と、前記基材上に供給された液滴の環境を前記光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境とする環境制御部と、を備えるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記環境制御部は、気体供給部を有し、該気体供給部から前記光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の気体を前記液滴の環境に供給するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記環境制御部は、前記液滴の環境に供給された前記気体の圧力を、対応する光硬化性樹脂成分の前記環境の温度における飽和蒸気圧未満とする分圧制御部を備えるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記気体供給部は、前記光硬化性樹脂に含有される所望の成分の気体とキャリアガスとの混合気体を前記液滴の環境に供給するような構成、あるいは、前記光硬化性樹脂に含有される所望の成分の気体のみを前記液滴の環境に供給するような構成とした。
本発明の他の態様として、さらに、少なくとも前記モールド保持部、前記基材保持部、および、前記液滴供給部を内部に収納するチャンバーを備えるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記環境制御部は、前記チャンバー内部の圧力調整機構を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記環境制御部は、前記チャンバー内部の温度調整機構を有するような構成とした。
本発明のパターン構造体の製造方法では、基材上またはモールド上に供給された光硬化性樹脂の液滴を、その光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境下に置くので、液滴として供給された光硬化性樹脂の量、組成を意図する範囲に制御することができ、これにより、光硬化性樹脂量の不足による欠陥発生や、光硬化性樹脂の組成変化による特性低下が防止され、特定の光硬化性樹脂を使用しなくても、パターン構造体を高い精度で製造することができる。
また、本発明のナノインプリントリソグラフィ方法では、パターン構造体の形成における残膜の制御が可能であるため、この残膜除去により作製されるエッチングマスクの寸法精度が高く、このエッチングマスクを介した被加工体に対する高精度のエッチング加工、あるいは、このエッチングマスクを介して作製した高精度のハードマスクパターンを介した被加工体に対する高精度のエッチング加工が可能である。
また、本発明のインプリント装置は、液滴として供給される光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境を整える環境制御部を備えるので、基材上に供給された液滴の量、組成、濡れ広がり等を制御することができ、インプリント方法によるパターン構造体の製造、ナノインプリントリソグラフィ方法による被加工体のエッチング加工を高い精度で実施可能としている。
本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。 本発明のナノインプリントリソグラフィ方法の一実施形態を説明するための工程図である。 本発明のナノインプリントリソグラフィ方法の他の実施形態を説明するための工程図である。 本発明のインプリント装置の一実施形態を示す構成図である。 本発明のインプリント装置の他の実施形態を示す構成図である。 本発明のインプリント装置の他の実施形態を示す構成図である。 本発明のインプリント装置の他の実施形態を示す構成図である。 本発明のインプリント装置の他の実施形態を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[パターン構造体の製造方法]
本発明のパターン構造体の製造方法は、液滴供給工程、接触工程、硬化工程、離型工程を有しており、図1は、本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
<液滴供給工程>
本発明では、まず、液滴供給工程で、インプリント用の基材1上の所望の領域に光硬化性樹脂の液滴5を供給する(図1(A))。
基材1は適宜選択することができ、例えば、石英やソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基板、金属基板、あるいは、これらの材料の任意の組み合わせからなる複合材料基板であってよい。また、例えば、半導体やディスプレイ等に用いられる微細配線や、フォトニック結晶構造、光導波路、ホログラフィのような光学的構造等の所望のパターン構造物が形成されたものであってもよい。
また、光硬化性樹脂を液滴5として滴下する手段としては、ディスペンサやインクジェット装置等を挙げることができる。
光硬化性樹脂は、一般に主剤、開始剤、架橋剤により構成され、また、必要に応じて、モールドとの付着を抑制するための離型剤や、基材との密着性を向上させるための密着剤を含有している。本発明で使用する光硬化性樹脂には特に制限はなく、公知の光硬化性樹脂から、パターン構造体の用途、要求される特性、物性、例えば、パターン構造体の用途がリソグラフィ用途であれば、エッチング耐性や粘度が低く残膜厚みが少ないことが要求され、パターン構造体の用途が光学部材であれば、特定の屈折率、光透過性が要求され、これらの要求に応じて光硬化性樹脂を適宜選択することができる。但し、いずれの用途であっても、液滴5として供給できるような特性、例えば、インクジェットヘッドへの適合性を満たす特性(粘度、表面張力等)を具備していることが要求される。より具体的には、光硬化性樹脂として、例えば、特開2004−59820号公報、特開2004−59822号公報に記載されているイソシアネート基を含有する重合体を含む光硬化性樹脂、米国公開2004/110856号公報に記載されているポリマー、光重合開始剤、粘度調整剤を含む光硬化性樹脂、特開2006−114882号公報に記載されているフッ素系の離型剤を含有する光硬化性樹脂、J.Photopolymer Sci.Technol. Vol.18,No.4531(2005)に記載されている3官能アクリルモノマーと光重合開始剤を含む光硬化性樹脂や光硬化性エポキシ化合物と光酸発生剤を含む光硬化性樹脂、J.Vac.Sci.Technol.B22(1),131(2004)に記載されている特定のビニルエーテル化合物と光酸発生剤を含む光硬化性樹脂等を挙げることができる。尚、インクジェットヘッドは、その構造および材質等に応じて、適合する液体の粘度、表面張力等が異なる。このため、光硬化性樹脂の粘度や表面張力等を適宜に調整すること、あるいは、使用する光硬化性樹脂に適合するインクジェットヘッド等の液滴供給手段を適宜に選択することが可能であり、光硬化性樹脂は上記の例のみに限定されるものではない。
基材1上に供給された光硬化性樹脂の液滴5は、後工程の接触工程でモールドを接触させ、必要に応じて圧力を加えられることで、モールドや基材との接触面積が広がり、意図した膜厚分布をもつ連続した光硬化性樹脂層を形成することが要求される。例えば、基材に対する接触角が90°の光硬化性樹脂があるとき、3pLの液滴として基材上に供給した場合、基材平面視における液滴の直径は22.6μm程度となり、接触工程におけるモールドと基材との間隙が0.1μmであって、仮にモールドに対する接触角も90°である場合には、モールド・基材間での液滴の広がり直径は55.2μm程度となる。また、同じ光硬化性樹脂を15pLの液滴として基材上に供給した場合、基材平面視における液滴の直径は38.6μm程度となり、接触工程におけるモールドと基材との間隙が0.1μmであれば、モールド・基材間での液滴の広がり直径は123.3μm程度となる。同様に、光硬化性樹脂を30pLの液滴として基材上に供給した場合、基材平面視における液滴の直径は48.6μm程度となり、接触工程におけるモールドと基材との間隙が0.1μmであれば、モールド・基材間での液滴の広がり直径は174.4μm程度となる。したがって、基材1上に供給する液滴5の個数、隣接する液滴の距離は、個々の液滴の滴下量、必要とされる光硬化性樹脂の総量、基材に対する光硬化性樹脂の濡れ性、接触工程におけるモールドと基材との間隙等から適宜設定することができる。
尚、本発明では、基材に対する光硬化性樹脂の濡れ性(接触角)は、温度25℃、湿度30%、大気圧下でマイクロシリンジから基材に光硬化性樹脂(液量1.0μL)を滴下して3秒後に接触角測定器(協和界面科学(株)製 CA−Z型)を用いて測定した値とする。
しかし、液滴に揮発が生じて意図した液量が維持できない場合、液滴とモールドや基材との接触面積が意図した大きさにならないおそれがある。この場合、後工程の接触工程で形成される光硬化性樹脂層の厚みが不均一となることがあり、さらに、隣接する液滴同士が接触できず、連続した光硬化性樹脂層が形成されないという問題が生じる。また、光硬化性樹脂を構成する成分の飽和蒸気圧の違いから、揮発のしやすさに違いがあり、結果的に液滴の組成が意図した組成から外れる場合がある。例えば、揮発しやすい成分が開始剤や架橋剤であると、光照射による主剤の重合が不完全になることがあり、光硬化性樹脂層の硬化が阻害されたり、未硬化のままモールドに付着したり、パターン構造体が未重合成分を含むために、エッチング耐性等の要求される特性を発現できなくなるおそれがある。また、例えば、揮発しやすい成分が主剤であると、光照射による重合が急速に進むことがあり、光硬化性樹脂層が硬化した転写樹脂層とモールドとの剥離性が低下したり、転写樹脂層が意図した分子結合とならず、エッチング耐性等の要求される特性をパターン構造体が発現できなくなるおそれがある。
さらに、基材1に供給された複数の液滴5の揮発により、基材1上での液滴5の濡れ広がり方が影響を受けることがある。すなわち、複数の液滴中の1個の液滴の環境に注目すると、隣接する液滴との間に位置する環境は、両方の液滴から揮発した成分の気相により分圧が高くなり、一方、隣接する液滴が存在しない環境では、当該液滴から揮発した成分の気相のみによる低い分圧となる。このため、当該液滴からの成分の揮発は、分圧が高い側では少なくなり、分圧が低い側で多くなる傾向となり、均一な揮発が妨げられる。したがって、1個の液滴の濡れ広がりに方向性が生じたり、各個の液滴の濡れ広がりに相対的な変化が生じるおそれがある。また、液滴同士の距離が小さいほど揮発に影響を及ぼす傾向がある。液滴の量や蒸気圧等の性質等によって差は生じるが、滴下した液滴が基材と接触する面の長さ(直径)に対して、液滴同士の距離が該接触面の長さ(直径)の2倍以下である場合に、液滴相互の影響がより顕著となる。例えば、3pLの液滴を、接触角が90℃である基材上に滴下したときの液滴の接触面の直径が22.6μmであるので、液滴同士の距離が45.6μm以下である場合に、揮発性に影響が及ぶことになる。
このため、本発明では、基材1上に供給された液滴5を、光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境(以下、「揮発抑制環境」とも記す)下に置くようにする。本発明では、液滴5の液量と組成とを意図した範囲内に維持することが重要であり、これが担保される範囲内での液滴5の揮発は許容される。したがって、揮発抑制環境は、少なくとも許容される範囲まで揮発を抑制できる環境である。このような揮発抑制環境は、少なくとも液滴供給工程と、後述する接触工程まで維持することが好ましい。
ここで、意図する液量の範囲とは、(A)後工程の接触工程において、モールドと基材とを目的の距離に近接させたときに、基材1上の液滴5がモールド11と接触し、モールドが備える凹凸構造内へ充填可能な高さを維持できること、(B)複数の液滴5が展開して液滴5とモールドおよび基材との接触面積が広がり、意図した膜厚分布をもつ連続した光硬化性樹脂層を形成することができること、のいずれか、あるいは、(A)と(B)の両方を満たすことが可能な範囲である。また、意図する組成の範囲とは、作製したパターン構造体が、意図する物性、特性を具備できる範囲であり、使用する光硬化性樹脂、作製するパターン構造体の形状、寸法、要求される物性、特性に応じて自ずと定まる範囲である。また、上記の揮発抑制環境の範囲は、少なくとも基材1上に供給された液滴5の周囲の空間であり、通常、モールドと基材との間の空間域であり、また、この空間域よりも広い範囲であってもよく、さらに、本発明の一連の工程がチャンバー内の密閉空間で行われる場合には、このチャンバー内の空間となる。また、液滴5が供給される部材、上述の例では基材1(基材1の表面)も揮発抑制環境の範囲となり得る。
一般に光硬化性樹脂を構成する複数の成分の飽和蒸気圧は異なり、成分により揮発のしやすさに違いがある。液滴5が置かれる揮発抑制環境を、光硬化性樹脂に含有される1つの成分の揮発を抑制する環境とする場合、この1つの成分は、例えば、(1)最も揮発しやすい成分、したがって、その環境の温度における飽和蒸気圧が最も高い成分を1つの成分とすることができ、また、(2)揮発による減少で、意図した組成範囲から外れるおそれが最も大きい成分とすることができる。また、多成分からなる微量液滴では、1つの成分の揮発を抑制することにより、他の成分の揮発も抑制される傾向にあるため、上記の(1)の成分または(2)の成分とは異なる成分を1つの成分としてもよい。但し、この場合であっても、上記の(1)に該当する成分が揮発する可能性は否めないため、揮発を抑制する成分として、揮発しやすい成分から順に候補として挙げることが、より好ましい。さらに、本発明では、液滴5が置かれる揮発抑制環境を、上記の(1)の成分または(2)の成分を含む2以上の成分の揮発を抑制する環境、更には、全成分の揮発を抑制する環境とすることが好ましい。
上記の光硬化性樹脂の飽和蒸気圧、あるいは、光硬化性樹脂を構成する各成分の飽和蒸気圧の測定方法は様々であるが、例えば、静止法、沸点法、DSC(示差走査熱量測定)法等により測定することができる。また、蒸気圧を計測しなくても、例えば、GC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析)により光硬化性樹脂に含まれる成分の比率を時間経過毎に計測するなどして、上記の(1)の成分または(2)の成分を、相対的な指標、すなわち、成分比率変化から求めることも可能である。
尚、光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境については、後述する。
<接触工程>
本発明では、次に、接触工程にて、凹凸構造を備えたモールド11と基材1を近接させて、このモールド11と基材1との間に液滴5を展開して光硬化性樹脂層6を形成する(図1(B))。
図示例では、モールド11の面11aは、凹部12を有する凹凸構造領域Aと、凹部12が形成されていない非凹凸構造領域Bからなっている。このようなモールド11の材質は適宜選択することができるが、光硬化性樹脂層6を硬化させるための照射光が透過可能な透明基材を用いて形成することができ、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。モールド11の厚みは凹凸構造の形状、材料強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定することができる。また、モールド11は、凹凸構造領域Aが非凹凸構造領域Bに対して凸構造となっている、いわゆるメサ構造であってもよい。
上述のように、本発明では、基材1上に供給された液滴5を、光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境下に置くことにより、液滴5の液量を意図した範囲内に維持することができ、液滴5と基材1およびモールド11との接触面積を意図した大きさとし、意図した膜厚分布をもつ連続した光硬化性樹脂層6を形成することができる。
<硬化工程>
次いで、硬化工程で、モールド11側から光照射を行い、光硬化性樹脂層6を硬化させて、モールド11の凹凸構造が転写された転写樹脂層7とする(図1(C))。この硬化工程では、基材1が光を透過する材料であれば、基材1側から光照射を行ってもよく、また、基材1とモールド11の両側から光照射を行ってもよい。
<離型工程>
次に、離型工程にて、転写樹脂層7とモールド11を引き離して、転写樹脂層7であるパターン構造体21を基材1上に位置させた状態とする(図1(D))。
ここで、光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境(揮発抑制環境)について説明する。
このような揮発抑制環境は、例えば、(I)光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の気体を供給すること、(II)高圧状態とすること、(III)低温状態とすること、により形成することができる。また、気体は、高圧あるいは低温となるに従い液体となりやすく、装置による都合を除けば、圧力と温度は対等なパラメータであり、したがって、上記のうち、(II)と(III)を併用して揮発抑制環境を形成してもよい。
(I) まず、光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の気体を供給して、光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境を形成することについて説明する。
この場合の気体は、上述のように、(1)最も揮発しやすい成分、したがって、その環境の温度における飽和蒸気圧が最も高い成分の気体、(2)揮発による減少で、意図した組成範囲から外れるおそれが最も大きい成分の気体、上記の(1)の成分や(2)の成分を除く他の成分の気体、上記の(1)の成分または(2)の成分を含む2以上の成分の気体、光硬化性樹脂に含有される全成分の気体とすることができる。
このような気体は、光硬化性樹脂に含有される所望の成分の気体とキャリアガスとの混合気体であってよい。この場合、例えば、所望の成分の組成物を密閉容器内に収容し、この組成物内にキャリアガスを供給して接触させ、所望の成分が分圧成分として存在する混合気体を生成し、これを供給して揮発抑制環境を形成することができる。使用するキャリアガスとしては、光硬化性樹脂との結合が生じ難い不活性ガスが好ましく、例えば、ヘリウム、窒素、アルゴン等のキャリアガスが挙げられる。また、接触工程にて、モールド11と基材1との間に形成される光硬化性樹脂層6に気泡が含まれないように、凝集性を有するガスをキャリアガスとして使用することもできる。このような凝集性を有するガスとしては、例えば、ペンタフルオロプロパン、トリクロロフルオロメタン等が挙げられる。また、キャリアガスは、光硬化性樹脂の硬化阻害を起しやすい酸素や、有機物の分子結合を切断するオゾンを含まないことが好ましく、酸素やオゾンを含む場合には、その含有量は21体積%以下であることが必要である。
また、環境を形成するために供給する気体は、光硬化性樹脂に含有される所望の成分のみからなる気体であってもよい。この場合、例えば、所望の成分の組成物を加熱して揮発させた気体を供給して揮発抑制環境を形成することができる。あるいは、少なくとも液滴供給工程から接触工程までをチャンバー内で実施可能とし、予めチャンバー内を減圧して大気を排除し、その後、所望の成分の気体を供給して揮発抑制環境を形成することができる。さらに、その他の気体を別途チャンバーに送り込み、チャンバー内部の圧力が適正となるように調整してもよい。
上記のように、光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の気体を供給して形成される揮発抑制環境では、供給した気体の圧力(分圧)が、対応する光硬化性樹脂成分の飽和蒸気圧を超えると、環境中に存在する気体と対応する光硬化性樹脂成分との気液平衡が崩れて液滴が生じることになる。このような液滴は、基材1上に供給された光硬化性樹脂の液滴5と必然的に混じることとなり、これにより液量増加、組成変化を生じ、液滴5の液量と組成を意図した範囲内に維持するための制御が難しくなる。また、環境中に存在する気体の圧力(分圧)が、対応する光硬化性樹脂成分の飽和蒸気圧と同等であっても、例えば、環境の温度が低下すると、液滴が生じることになる。このため、環境中に存在する気体の圧力(分圧)を、環境の温度における対応する光硬化性樹脂成分の飽和蒸気圧未満に設定することが好ましく、さらに、温度の変動等、外乱の影響も考慮するならば、飽和蒸気圧の80%以下に設定することがより好ましい。一方、環境中に存在する気体の圧力(分圧)の下限は、液滴5の供給開始から、接触工程におけるモールド11と液滴5との接触までの時間、液滴5の液量と組成とを意図した範囲内に維持するために許容される液滴5の揮発量、成分比率の変動幅等から設定することができる。
尚、気体中の所望の成分の圧力(分圧)は、マスフィルターを用いた計測器等により測定することができる。
本発明では、揮発抑制環境を形成するために、例えば、上記のような気体を供給し続けることができる。この場合、環境の気密性が確保されていないときには、少なくとも基材1上の液滴5の周囲の環境が揮発抑制環境となるように気体を供給することが好ましい。このような気体供給では、気体供給用のノズルを基材1に向けて気体を供給することが好ましく、また、気体供給用のノズルの狭窄や閉塞を防止して気体を安定して供給するために、気体供給用のノズルに温度調整機構、加圧機構等を設けてもよい。また、環境中に存在する気体の圧力(分圧)を上記の範囲となるように制御するために、供給する気体の流量、濃度等を測定し調整する制御装置、排気装置等からなる制御部を設けてもよい。尚、供給する気体の比重が環境中の他の気体の比重よりも大きく、供給された気体を基材1上の液滴5の周囲に降下させ、結果的に気体を滞留させることが可能である場合には、必ずしも気体供給用のノズルを基材1に向ける必要はない。
また、少なくとも液滴供給工程から接触工程までをチャンバー内で実施可能とし、このチャンバー内に上記のような気体を供給して揮発抑制環境を形成することもできる。チャンバー内での揮発抑制環境の形成では、気密性の確保が容易であり揮発抑制環境が安定したものとなる。しかし、供給した気体が過剰となると、その圧力(分圧)が対応する光硬化性樹脂成分の環境の温度における飽和蒸気圧を超えることになるので、圧力(分圧)調整用の排気設備を設けてもよく、また、チャンバーから排気した気体をチャンバーに戻す循環設備を設けてもよい。さらに、チャンバー内の揮発抑制環境を一定とするために、例えば、圧力測定調整装置、温度測定調整装置、濃度測定調整装置等を設け、気体の供給、排気、循環等を制御してもよい。
(II) 次に、光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境として、高圧状態である揮発抑制環境について説明する。
高圧下では沸点が上昇し、1気圧での沸点を大きく超える温度でも液相を維持することが可能となる。本発明では、高圧状態とすることにより、揮発抑制環境を形成する。このような揮発抑制環境を形成するために、少なくとも液滴供給工程から接触工程までをチャンバー内で実施可能とし、このチャンバー内を高圧状態とする。チャンバー内の高圧状態としては、例えば、光硬化性樹脂に含有される成分の中で1気圧における沸点が最も低い成分に着目し、この成分の揮発が防止、あるいは、抑制される程度の圧力に設定することが最も容易である。また、各成分の蒸気圧曲線に着目し、設定する圧力において揮発しやすい成分の順位が変化していないことを確認することが、より好ましい。このように考えると、各成分の蒸気圧曲線に着目しながら圧力を上げ、その圧力において最も沸点が低い、つまり蒸気圧が高い成分の揮発が防止、あるいは、抑制される程度の圧力となるように設定することができる。
(III) 次に、光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境として、低温状態である揮発抑制環境について説明する。
本発明では、低温状態とすることにより、飽和蒸気圧を低下させ揮発量を減少させて、揮発抑制環境を形成してもよい。このような揮発抑制環境を形成するためには、少なくとも液滴供給工程から接触工程までをチャンバー内で実施可能とし、このチャンバー内を低温状態とする。また、基材1上の液滴5に、光硬化性樹脂との結合が生じ難いガス、例えば、炭酸ガス、窒素ガス等のガスを、光硬化性樹脂の性能、特性に影響を生じない程度に吹き付けることにより、液滴5の周囲に低温状態の環境を形成することもできる。さらに、基材1を保持する部材を介して基材1を予め低温状態とし、供給される光硬化性樹脂の液滴5を所望の低温状態としてもよい。このような低温状態としては、例えば、光硬化性樹脂に含有される成分の中で25℃における飽和蒸気圧が最も高い成分に着目し、この成分の飽和蒸気圧が低下して揮発が防止、あるいは、抑制される程度の温度に設定することが最も容易である。また、各成分の蒸気圧曲線に着目し、設定する温度において揮発しやすい成分の順位が変化していないことを確認することが、より好ましい。このように考えると、各成分の蒸気圧曲線に着目しながら温度を下げ、その温度において最も蒸気圧が高い成分の揮発が防止、あるいは、抑制される程度の温度となるように設定することができる。
上述の本発明のパターン構造体の製造方法は、基材上に供給された光硬化性樹脂の液滴を、その光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境下に置くので、液滴として供給する光硬化性樹脂の量を意図する範囲に制御することができ、また、光硬化性樹脂の組成を意図する範囲に制御することができ、さらに、液滴相互間の影響が抑制されて、濡れ広がり方を制御することができる。これにより、光硬化性樹脂量の不足による欠陥発生や光硬化性樹脂の組成変化による特性低下が防止され、特定の光硬化性樹脂を使用しなくても、パターン構造体を高い精度で製造することが可能となる。
尚、上述の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、液滴供給工程において、モールド11に光硬化性樹脂の液滴5を供給してもよい。
また、モールドが凹凸構造を有しておらず、基材と対向して光硬化性樹脂層を形成する面が平面であってもよい。このようなモールドを用いることにより、本発明では、高い精度で厚みを制御されたベタ薄膜のパターン構造体を製造することが可能となる。
[ナノインプリントリソグラフィ方法]
図2は、本発明のナノインプリントリソグラフィ方法の一実施形態を説明するための工程図である。
本発明では、まず、所望のモールドを使用し、上述の本発明のパターン構造体の製造方法により、被加工体としての基材31上にパターン構造体41を形成する(図2(A))。
基材31としては、例えば、石英やソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基板、金属基板、あるいは、これらの材料の任意の組み合わせからなる複合材料基板等、特に制限はない。また、例えば、半導体やディスプレイ等に用いられる微細配線や、フォトニック結晶構造、光導波路、ホログラフィのような光学的構造等の所望のパターン構造物が形成されたものであってもよい。
形成されたパターン構造体41は、使用したモールドの凹凸構造が反転した凹凸構造を有するものであり、図示例では、パターン構造体41は複数の凹部41aを有し、この凹部41a内には残膜41bが存在している。本発明のナノインプリントリソグラフィ方法では、パターン構造体41を形成するための光硬化性樹脂を3〜30pL、特にナノスケールの微細なパターンを転写する場合のように3〜18pL程度の微量な液滴として供給する場合であっても、パターン構造体41を高い精度で形成することができるとともに、残膜41bの厚み制御が可能である。
次に、パターン構造体41をドライエッチングして残膜41bを除去し、エッチングマスク41Mを作製する(図2(B))。本発明では、パターン構造体41の残膜41bの厚みを薄いものとすることができ、このため、エッチングマスク41Mの作製は、残膜41bの除去におけるパターンの寸法変動を防止、あるいは、最小限に抑えて高い精度で行うことができる。
次いで、エッチングマスク41Mを介して基材31にエッチング加工を行い(図2(C))、その後、エッチングマスク41Mを除去することにより、ナノインプリントリソグラフィ方法により微細な凹部31aが形成された基材31が得られる(図2(D))。基材31のエッチング加工は、例えば、フッ素系ガス、塩素系ガス等を用いたドライエッチングとすることができる。
また、図3は、本発明のナノインプリントリソグラフィ方法の他の実施形態を説明するための工程図である。
この実施形態で、被加工体としての基材61は、被加工面にハードマスク71を有しており、所望のモールドを用いて上述の本発明のパターン構造体の製造方法により、基材61のハードマスク71上にパターン構造体81を形成する(図3(A))。ハードマスク71の形成は、基材61とのエッチング選択性を利用したドライエッチングが可能な材料を用いて、スパッタリング法等により行うことができる。ハードマスク71の材料としては、例えば、クロム、モリブデン、チタン、タンタル、ジルコニウム、タングステン等の金属、これらの金属の合金、酸化クロム、酸化チタン等の金属酸化物、窒化クロム、窒化チタン等の金属窒化物、ガリウム砒素等の金属間化合物等を挙げることができる。他にも、シリコンやその酸窒化物、更には、光硬化性樹脂とは異なる組成の樹脂等も適宜選択することができる。また、ハードマスク71の厚みは、基材61のドライエッチング条件と、ドライエッチング時のエッチング選択比(基材61のエッチング速度/ハードマスク71のエッチング速度)を考慮して設定することができ、例えば、1〜500nmの範囲で適宜設定することができる。
形成されたパターン構造体81は、使用したモールドの凹凸構造が反転した凹凸構造を有するものであり、図示例では、パターン構造体81は複数の凹部81aを有し、この凹部81a内には残膜81bが存在している。本発明のナノインプリントリソグラフィ方法では、パターン構造体81を形成するための光硬化性樹脂を3〜30pL、特にナノスケールの微細なパターンを転写する場合のように3〜18pL程度の微量な液滴として複数供給する場合であっても、パターン構造体81を高い精度で形成することができるとともに、残膜81bの厚み制御が可能である。
次に、パターン構造体81をドライエッチングして残膜81bを除去し、エッチングマスク81Mを作製し(図3(B))、さらに、このエッチングマスク81Mを介してハードマスク71をドライエッチングして、開口部71aを有するハードマスクパターン71Mを作製する(図3(C))。本発明では、パターン構造体81の残膜81bの厚みを薄いものとすることができ、このため、エッチングマスク81Mの作製では、残膜81bの除去におけるパターンの寸法変動を防止、あるいは、最小限に抑えることができ、したがって、ハードマスクパターン71Mを高い精度で作製することができる。ハードマスク71のドライエッチングでは、ハードマスク材料、あるいは、エッチング選択比(ハードマスク71のエッチング速度/パターン構造体81のエッチング速度)を考慮して、例えば、フッ素系ガス、塩素系ガス等を使用することができる。
次いで、ハードマスクパターン71Mを介して基材61にエッチング加工を行い(図3(D))、その後、ハードマスクパターン71Mを除去することにより、ナノインプリントリソグラフィ方法により微細な凹部61aが形成された基材61が得られる(図3(E))。基材61のエッチング加工は、例えば、フッ素系ガス、塩素系ガス等を使用することができる。
このような本発明のナノインプリントリソグラフィ方法では、パターン構造体の形成における残膜の制御が可能であるため、この残膜除去により作製されるエッチングマスクの寸法精度が高く、基材に対する高精度のエッチング加工が可能である。
尚、上述の図2および図3に示したような実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上述の例では、残膜81bの除去によるエッチングマスク81Mの作製と、ハードマスクパターン71Mの作製とを、一連のドライエッチングで行っているが、それぞれを異なる条件のドライエッチングで行ってもよい。また、エッチングマスク81Mが基材61のエッチング条件に耐えうるのであれば、あるいは、ハードマスクを介してエッチングすることが良好な凹凸構造を形成するための必須要件ではないのであれば、ハードマスク71は必ずしも必要ではなく、この場合、図2に示した実施形態とすることができる。
[インプリント装置]
図4は、本発明のインプリント装置の一実施形態を示す構成図である。図4において、インプリント装置101は、モールド11を保持するためのモールド保持部102と、基材1を保持するための基材保持部103と、基材1上に光硬化性樹脂の液滴5を供給するための液滴供給部105と、モールド保持部102と基材保持部103とを離接可能とする転写機構部107と、基材1上に供給された液滴5の環境を、光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境(以下、「揮発抑制環境」とも記す)とする環境制御部111と、を備えている。
インプリント装置101を構成するモールド保持部102は、凹凸構造領域を有する面11aを基板保持部103方向に向けてモールド11を保持するものである。このモールド保持部102は、例えば、吸引による保持機構、機械挟持による保持機構等によりモールド11を保持するものであり、保持機構には特に制限はない。
インプリント装置101を構成する基材保持部103は、インプリント用の基材1を保持するものであり、例えば、吸引による保持機構、機械挟持による保持機構等により基材1を保持可能とされている。図示例では、基材保持部103はモールド保持部102の下方に位置している。
また、インプリント装置101を構成する液滴供給部105は、基材保持部103に保持された基材1上に光硬化性樹脂の液滴5を供給するものである。図示例では、液滴供給部105はインクジェット装置106(図示例ではインクジェットヘッド部分のみを示している)を備えているが、インクジェット装置106に代えて、ディスペンサ装置等を備えるものであってもよい。尚、本発明では、液滴供給部105は、モールド保持部102に保持されたモールド11に液滴5を供給するものであってもよく、この場合、モールド保持部102と基材保持部103の位置関係を上下逆にする必要がある。
インプリント装置101を構成する転写機構部107は、図示例では、基材保持部103に配設されている昇降部材108と、この昇降部材108を矢印Z方向に昇降可能な駆動装置109を備えており、モールド保持部102に対して基材保持部103を離接可能としている。
インプリント装置101を構成する環境制御部111は、図示例では、気体供給部112を有し、この気体供給部112は光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の気体を液滴5が滴下される基材1に供給するものである。図示例では、気体供給部112は、キャリアガス供給容器113、光硬化性樹脂に含有される所望の成分からなる組成液を収容する密閉容器114、キャリアガス供給容器113から密閉容器114内の組成液にキャリアガスを導入するためのパイプ115、組成液とキャリアガスとの接触(バブリング)により生成された組成液の気体とキャリアガスとの混合気体を、密閉容器114内の上部空間から基材1に供給するパイプ116を備えている。また、パイプ116の先端はノズル116aとなっており、基材1に向けられている。ノズル116aの向きは、既に述べたように、供給する気体成分によって適宜に変更してもよい。例えば、転写環境中の他の気体よりも比重が大きい気体を供給する場合には、基材1の、特に液滴5が存在する領域およびその近傍に気体が滞留するようにノズル116aの向きを調整することができる。また、転写環境中の他の気体よりも比重が小さい気体を供給する場合には、液滴5が存在する領域およびその近傍やモールド11にノズル116aを向けることで、基材1とモールド11との間隙に気体が留まりやすいようにすることが好ましい。
このようなインプリント装置101では、液滴供給部105によって基材1上に供給された光硬化性樹脂の液滴5を、環境制御部111によって揮発抑制環境下に置くことができるので、液滴5の液量、組成、濡れ広がりを制御することができる。このため、転写機構部107によってモールド保持部102と基材保持部103が近接して液滴5にモールド11を接触させたときに、液滴5が展開して液滴5とモールド11および基材1との接触面積が広がり、意図した膜厚分布をもつ連続した光硬化性樹脂層を形成することができる。この状態で光照射により光硬化性樹脂層を硬化させて転写樹脂層とし、その後、転写機構部107によりモールド保持部102と基材保持部103を離間させて、転写樹脂層からモールド11を引き離すことにより、インプリントが終了する。したがって、本発明のインプリント装置101は、インプリント方法によるパターン構造体の製造、ナノインプリントリソグラフィ方法による加工を高い精度で実施可能とすることができる。
上記のインプリント装置101では、気体供給用のノズル116aの狭窄や閉塞を防止して気体を安定して供給するために、ノズル116aに温度調整機構、加圧機構等を設けてもよい。
また、環境制御部111は、気体供給部112から供給する気体の圧力(分圧)を、その気体成分に対応する光硬化性樹脂成分の環境の温度における飽和蒸気圧未満とするための分圧制御部を備えていてもよい。このような分圧制御部としては、例えば、供給する気体の流量、濃度等を測定する測定装置、このような測定装置で測定されたデータを基に気体供給部112をから供給する気体の流量、濃度を調整する調整機構等からなるものであってよい。
また、本発明のインプリント装置はチャンバーを備えていてもよい。図5は、このようなインプリント装置の例を示す構成図であり、上述の図4に示されるインプリント装置101のモールド保持部102、基材保持部103、液滴供給部105、転写機構部107、および、環境制御部111を内部に収納するチャンバー120を備えている。このようなチャンバー120を備えることにより、チャンバー120内での揮発抑制環境の形成において気密性の確保が容易となり、揮発抑制環境が安定したものとなる。図示例は、インプリント装置の全体をチャンバー120で覆う構造であるが、少なくとも液滴5が滴下される部分と、気体が供給される部分とが同一のチャンバー内にあればよく、例えば、転写機構部107や環境制御部111の全てをチャンバーで覆うことは必須ではない。
また、本発明のインプリント装置は、供給した気体がチャンバー内で過剰となり、その圧力(分圧)が対応する光硬化性樹脂成分の環境の温度における飽和蒸気圧を超えることを防止するために、圧力(分圧)調整用の排気設備や、チャンバーから排気した気体をチャンバーに戻す循環装置等を設けてもよい。図6は、このようなインプリント装置の例を示す構成図であり、上述の図5に示されるインプリント装置101のチャンバー120に、循環装置121を設け、環境制御部111の気体供給部112と循環装置121とを接続したものである。この図6に示されるインプリント装置101では、チャンバー120の一方の開口120Aと他方の開口120Bとが、循環用ポンプ122と循環用パイプ123、124を介して連通されている。また、循環用パイプ124には、三方弁126を介して排気用パイプ125が接続されている。このようなインプリント装置101では、循環用ポンプ122を作動させてチャンバー120内の気体を循環させるとともに、チャンバー120内の揮発抑制環境における供給気体の圧力(分圧)を測定する測定部(図示せず)で測定されたデータを基に、適宜気体供給部112から気体を供給し、また、排気用パイプ125から排気を行って、チャンバー120内の揮発抑制環境を制御することができる。
図7は、本発明のインプリント装置の他の実施形態を示す構成図である。図7において、インプリント装置201は、モールド11を保持するためのモールド保持部202と、基材1を保持するための基材保持部203と、基材1上に光硬化性樹脂の液滴5を供給するための液滴供給部205と、モールド保持部202と基材保持部203とを離接可能とする転写機構部207と、基材1上に供給された液滴5の環境を、光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境とする環境制御部211と、を備えている。さらに、インプリント装置201は、モールド保持部202、基材保持部203、液滴供給部205、および、転写機構部207を内部に収納するチャンバー220を備えている。このようなインプリント装置201を構成するモールド保持部202、基材保持部203、液滴供給部205、および、転写機構部207は、上述の図4に示されるインプリント装置101のモールド保持部102、基材保持部103、液滴供給部105、および、転写機構部107と同様であり、ここでの説明は省略する。
インプリント装置201における環境制御部211は、チャンバー220内部の圧力調整機構231を有している。この圧力調整機構231は、チャンバー220の一方の開口220Aに弁226を備えたパイプ224を介して接続されたコンプレッサー232と、チャンバー220の他方の開口220Bに接続された弁227付きのパイプ225とを有している。
このようなインプリント装置201では、環境制御部211の圧力調整機構231の弁226と弁227を調整するとともにコンプレッサー232を駆動させることにより、チャンバー220内を高圧状態とすることができ、これにより、揮発抑制環境を形成することができる。したがって、液滴供給部205によって基材1上に供給された光硬化性樹脂の液滴5は、揮発抑制環境下に置かれ、液量、組成、濡れ広がりを制御することができる。このため、転写機構部207によってモールド保持部202と基材保持部203が近接して液滴5にモールド11を接触したときに、液滴5が展開して液滴5とモールド11および基材1との接触面積が広がり、意図した膜厚分布をもつ連続した光硬化性樹脂層を形成することができる。したがって、本発明のインプリント装置201は、インプリント方法によるパターン構造体の製造、ナノインプリントリソグラフィ方法による加工を高い精度で実施することを可能としている。
尚、図7に示される例では、インプリント装置の全体をチャンバー220で覆う構造であるが、少なくとも液滴5が滴下される部分がチャンバー内にあればよく、例えば、転写機構部207の全てをチャンバーで覆うことは必須ではない。
図8は、本発明のインプリント装置の他の実施形態を示す構成図である。図8に示されるインプリント装置301は、モールド保持部302、基材保持部303、液滴供給部305、転写機構部307、および、基材1上に供給された液滴5の環境を、光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境とする環境制御部311と、を備え、さらに、モールド保持部302、基材保持部303、液滴供給部305、および、転写機構部307を内部に収納するチャンバー320を備えている。このようなインプリント装置301を構成するモールド保持部302、基材保持部303、液滴供給部305、および、転写機構部307は、上述の図4に示されるインプリント装置101のモールド保持部102、基材保持部103、液滴供給部105、および、転写機構部107と同様であり、ここでの説明は省略する。
インプリント装置301における環境制御部311は、チャンバー320内部の温度調整機構331を有している。この圧力調整機構331は、チャンバー320の一方の開口320Aにパイプ333を介して連通された冷却装置332を有し、この冷却装置は、チャンバー320の他方の開口部320Bにパイプ334を介して連通されている。
このようなインプリント装置301では、環境制御部311の冷却装置332を駆動させることにより、チャンバー320内を低温状態とすることができ、これにより、揮発抑制環境を形成することができる。したがって、液滴供給部305によって基材1上に供給された光硬化性樹脂の液滴5を揮発抑制環境下に置くことができ、液量、組成、濡れ広がりを制御することができる。このため、転写機構部307によってモールド保持部302と基材保持部303が近接して液滴5にモールド11を接触したときに、液滴5が展開して液滴5とモールド11および基材1との接触面積が広がり、意図した膜厚分布をもつ連続した光硬化性樹脂層を形成することができる。したがって、本発明のインプリント装置301は、インプリント方法によるパターン構造体の製造、ナノインプリントリソグラフィ方法による加工を高い精度で実施することを可能としている。
尚、図8に示される例では、インプリント装置の全体をチャンバー320で覆う構造であるが、少なくとも液滴5が滴下される部分がチャンバー内にあればよく、例えば、転写機構部307の全てをチャンバーで覆うことは必須ではない。
上述のインプリント装置の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
次に、実際に光硬化性樹脂に使用する成分を用いて、本発明による揮発性の制御について詳細に説明する。
[実施例1]
ベンジルアクリレート(蒸気圧:25℃において9.66×10-3kPa)をインクジェットにより滴下した後の揮発性を下記のように計測した。
まず、インクジェット装置にて、ベンジルアクリレートの液滴(1滴あたり6pL)を5滴、シリコン基板上の同一箇所に滴下し、シリコン基板上にて30pLの液滴となるようにした。尚、使用したシリコン基板は、その表面の濡れによる液滴形状への影響を低減するために、オプツールDSX(ダイキン工業製)を塗布した。これにより、フッ素による撥水作用でベンジルアクリレートの接触角はおよそ80°で一定となった。シリコン基板に対するベンジルアクリレートの接触角は、温度25℃、湿度30%、大気圧下でマイクロシリンジから液滴(液量1.0μL)を滴下して3秒後に接触角測定器(協和界面科学(株)製 CA−Z型)を用いて測定した。
上記のように滴下した液滴をシリコン基板上面から見た画像として撮影し、その液滴の大きさ(画面内におけるピクセル数で求める)の推移を見ることで揮発性を計測した。このベンジルアクリレートの液滴の滴下、および、揮発性の計測は、下記の2種の環境A、環境Bで行った。
(環境Aでの揮発性の計測)
インクジェット装置にてベンジルアクリレートの液滴を滴下する環境を密閉し、この密閉環境に予めベンジルアクリレートを揮発させて充填し、その後、上記のようにインクジェットを実施した。ベンジルアクリレートの揮発方法は、ベンジルアクリレートを入れたビーカーへ超音波を加える方法を採用し、揮発したベンジルアクリレートの気液平衡が崩れて液滴が生じることがない状態で環境Aを設定した。この環境Aで液滴の大きさの推移を計測した結果、滴下直後の液滴ピクセル数を100としたときの30秒後、60秒後、120秒後の液滴ピクセル数は99、94、77であった。
(環境Bでの揮発性の計測)
環境Bとして、温度23℃、湿度50%に制御したクリーンルーム内の環境を設定した。この環境Bで液滴の大きさの推移を計測した結果、滴下直後の液滴ピクセル数を100としたときの30秒後、60秒後の液滴ピクセル数は51、16であり、約120秒以内に液滴は揮発してシリコン基板上から消失した。
上記の環境A、環境Bでの揮発性の計測結果から、環境Aが揮発抑制環境としての効果を奏することが確認された。
[実施例2]
ベンジルアクリレート(蒸気圧:25℃において9.66×10-3kPa)とイソボニルアクリレート(蒸気圧:25℃において4.03×10-3kPa)との1:1混合液体を使用した他は、実施例1と同様にして、2種の環境A、環境Bで揮発性を計測した。
但し、環境Aでは、充填する気体として、ベンジルアクリレートとイソボニルアクリレートの一方のみを選択する場合、蒸気圧から考えればベンジルアクリレートを選択することが揮発・充填のしやすさという点において容易であり、実施のうえでも好ましいことが理解できる。そこで、確認のために検証実験を行った。この検証実験では、ベンジルアクリレートとイソボニルアクリレートの混合液体50mLを、温度23℃、湿度50%に制御した環境に放置し、時間の経過共にGC−MSにて成分比率を検査した。その結果、調製直後は混合液体におけるベンジルアクリレートとイソボニルアクリレートの比率が1:1であったが、2日後に混合液体を計測した結果、イソボニルアクリレートの比率が60%を超えていることを確認した。このことから、ベンジルアクリレートの揮発性が高いことが確認され、密閉環境下において雰囲気に充填する気体をベンジルアクリレートとした。尚、先にも述べたように、装置の構成上において困難でなければベンジルアクリレートとイソボニルアクリレートとを揮発させても構わないし、イソボニルアクリレートを選択しても構わない。あくまで本実施例では、揮発を制御する環境Aを準備することがより容易であり、好ましい例を提示するものである。
(環境Aでの揮発性の計測)
環境Aで液滴の大きさの推移を計測した結果、滴下直後の液滴ピクセル数を100としたときの30秒後、60秒後、120秒後の液滴ピクセル数は99、98、86であった。
(環境Bでの揮発性の計測)
環境Bで液滴の大きさの推移を計測した結果、滴下直後の液滴ピクセル数を100としたときの30秒後、60秒後、120秒後の液滴ピクセル数は59、34、28であり、液滴が揮発しシリコン基板上から消失することは無かったものの、急速に揮発することが確認された。
上記の環境A、環境Bでの揮発性の計測結果から、環境Aが揮発抑制環境としての効果を奏することが確認された。
インプリント方法を用いた種々のパターン構造体の製造、被加工体へ微細加工等に適用可能であり、特に3〜18pL程度の微量な液滴の供給が要求されるような場合であっても好適に適用できる。
1…基材
5…液滴
6…光硬化性樹脂層
7…転写樹脂層
11…モールド
21,41,81…パターン構造体
31,61…基材(被加工体)
41M,81M…エッチングマスク
71…ハードマスク
71…ハードマスクパターン
101,201,301…インプリント装置
102,202,302…モールド保持部
103,203,303…基材保持部
105,205,305…液滴供給部
107,207,307…転写機構部
111,211,311…環境制御部

Claims (23)

  1. 基材上または凹凸構造を備えたモールド上の所望の領域に光硬化性樹脂の液滴を供給する液滴供給工程と、
    前記モールドと前記基材を近接させて、前記モールドと前記基材との間に前記液滴を展開して光硬化性樹脂層を形成する接触工程と、
    光照射を行い前記光硬化性樹脂層の所望領域を硬化させて前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、
    前記転写樹脂層と前記モールドを引き離して、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記基材上に位置させた状態とする離型工程と、を有し、
    前記基材上または前記モールド上に供給された液滴を、前記光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境下に置くことを特徴とするパターン構造体の製造方法。
  2. 少なくとも前記液滴供給工程と前記接触工程では、前記液滴を前記環境下に置くことを特徴とする請求項1に記載のパターン構造体の製造方法。
  3. 前記光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の気体を供給して前記環境を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン構造体の製造方法。
  4. 前記環境に供給された前記気体の圧力を、対応する光硬化性樹脂成分の前記環境の温度における飽和蒸気圧未満とすることを特徴とする請求項3に記載のパターン構造体の製造方法。
  5. 前記環境に供給する気体は、前記光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の気体とキャリアガスとの混合気体であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のパターン構造体の製造方法。
  6. 前記環境に供給する気体は、前記光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分のみからなる気体であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のパターン構造体の製造方法。
  7. 前記環境に供給する前記気体は、前記光硬化性樹脂の前記環境の温度における飽和蒸気圧が最も高い成分の気体を少なくとも含有することを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載のパターン構造体の製造方法。
  8. 昇圧して高圧状態とすることにより前記環境を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のパターン構造体の製造方法。
  9. 前記高圧状態は、設定した圧力において前記液滴に含まれる成分の中で最も沸点が低く揮発しやすい成分が前記液滴中に維持される状態であることを特徴とする請求項8に記載のパターン構造体の製造方法。
  10. 冷却して低温状態とすることにより前記環境を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のパターン構造体の製造方法。
  11. 前記低温状態は、設定した温度において前記液滴に含まれる成分の中で最も蒸気圧が高く揮発しやすい成分が前記液滴中に維持される状態であることを特徴とする請求項10に記載のパターン構造体の製造方法。
  12. 高圧低温状態とすることにより前記環境を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のパターン構造体の製造方法。
  13. 前記高圧低温状態は、設定した圧力において前記液滴に含まれる成分の中で最も沸点が低く揮発しやすい成分が前記液滴中に維持され、かつ、設定した温度において前記液滴に含まれる成分の中で最も蒸気圧が高く揮発しやすい成分が前記液滴中に維持される状態であることを特徴とする請求項12に記載のパターン構造体の製造方法。
  14. 基材上に、請求項1乃至請求項13のいずれかに記載のパターン構造体の製造方法によりパターン構造体を形成する工程と、
    前記パターン構造体の残膜を除去してエッチングマスクとする工程と、
    前記エッチングマスクを介して前記基材に対してエッチング加工を行う工程と、を有することを特徴とするナノインプリントリソグラフィ方法。
  15. 基材上に位置するハードマスク上に、請求項1乃至請求項13のいずれかに記載のパターン構造体の製造方法によりパターン構造体を形成する工程と、
    前記パターン構造体の残膜を除去してエッチングマスクとし、該エッチングマスクを介して前記ハードマスクにエッチング処理を施してハードマスクパターンを作製する工程と、
    前記ハードマスクパターンを介して前記基材に対してエッチング加工を行う工程と、を有することを特徴とするナノインプリントリソグラフィ方法。
  16. モールドを保持するためのモールド保持部と、基材を保持するための基材保持部と、基材上に光硬化性樹脂の液滴を供給するための液滴供給部と、前記モールド保持部と前記基材保持部とを離接可能とする転写機構部と、前記基材上に供給された液滴の環境を前記光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の揮発を抑制する環境とする環境制御部と、を備えることを特徴とするインプリント装置。
  17. 前記環境制御部は、気体供給部を有し、該気体供給部から前記光硬化性樹脂に含有される成分の少なくとも1つの成分の気体を前記液滴の環境に供給することを特徴とする請求項16に記載のインプリント装置。
  18. 前記環境制御部は、前記液滴の環境に供給された前記気体の圧力を、対応する光硬化性樹脂成分の前記環境の温度における飽和蒸気圧未満とする分圧制御部を備えることを特徴とする請求項16または請求項17に記載のインプリント装置。
  19. 前記気体供給部は、前記光硬化性樹脂に含有される所望の成分の気体とキャリアガスとの混合気体を前記液滴の環境に供給することを特徴とする請求項17または請求項18に記載のインプリント装置。
  20. 前記気体供給部は、前記光硬化性樹脂に含有される所望の成分の気体のみを前記液滴の環境に供給することを特徴とする請求項17または請求項18に記載のインプリント装置。
  21. さらに、少なくとも前記モールド保持部、前記基材保持部、および、前記液滴供給部を内部に収納するチャンバーを備えることを特徴とする請求項16乃至請求項20のいずれかに記載のインプリント装置。
  22. 前記環境制御部は、前記チャンバー内部の圧力調整機構を有することを特徴とする請求項21に記載のインプリント装置。
  23. 前記環境制御部は、前記チャンバー内部の温度調整機構を有することを特徴とする請求項21に記載のインプリント装置。
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