JP5653864B2 - ナノインプリント用のモールドの離型処理方法およびそれを用いた製造方法並びにモールド、ナノインプリント方法およびパターン化基板の製造方法 - Google Patents
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Description
微細な凹凸パターンを表面に有するモールド本体のこの表面に離型層を形成する離型処理方法において、
離型剤が塗布された離型処理用基板を用意し、
凹凸パターンの凸部の上部のみが離型剤に接触した接触状態となるように、吸着水が表面に付着したモールド本体および離型処理用基板を互いに近づけ、
吸着水中を離型剤が拡散することに起因して、凹凸パターンの凸部の上面側から凹凸パターンの凹部の底面側に向かって凹凸パターンの側面における離型層の厚さが薄くなるような厚さ分布を有する離型層が形成されるまで、上記接触状態を維持し、
上記凸部の上部が離型処理用基板上の離型剤から分離するようにモールド本体および離型処理用基板を離すことを特徴とするものである。
微細な凹凸パターンを表面に有するモールド本体と、この表面に形成された離型層とを備えたナノインプリント用のモールドの製造方法において、
離型剤が塗布された離型処理用基板を用意し、
凹凸パターンの凸部の上部のみが離型剤に接触した接触状態となるように、吸着水が表面に付着したモールド本体および離型処理用基板を互いに近づけ、
吸着水中を離型剤が拡散することに起因して、凹凸パターンの凸部の上面側から凹凸パターンの凹部の底面側に向かって凹凸パターンの側面における離型層の厚さが薄くなるような厚さ分布を有する離型層が形成されるまで、上記接触状態を維持し、
上記凸部の上部が離型処理用基板上の離型剤から分離するようにモールド本体および離型処理用基板を離すことを特徴とするものである。
微細な凹凸パターンを表面に有するモールド本体と、この表面に形成された離型層とを備えたナノインプリント用のモールドにおいて、
離型層が、凹凸パターンの凸部の上面における離型層の厚さが凹凸パターンの凹部の底面における離型層の厚さよりも厚く、かつ、上記上面側から上記底面側に向かって凹凸パターンの側面における離型層の厚さが薄くなるような厚さ分布を有するものであることを特徴とするものである。
上記に記載のモールドを用いて、
ナノインプリント用基板上にレジストを塗布し、
モールドをナノインプリント用基板のレジストが塗布された面に押し付け、
モールドをナノインプリント用基板から剥離することを特徴とするものである。
離型処理は、
離型剤を塗布した離型処理用基板を用意し、
凹凸パターンの凸部の上部のみが離型剤に接触した接触状態となるように、吸着水が表面に付着したモールド本体および離型処理用基板を互いに近づけ、
吸着水中を離型剤が拡散することに起因して、凹凸パターンの凸部の上面側から凹凸パターンの凹部の底面側に向かって凹凸パターンの側面における離型層の厚さが薄くなるような厚さ分布を有する離型層が形成されるまで、上記接触状態を維持し、
上記凸部の上部が離型剤から分離するようにモールド本体および離型処理用基板を離すものであることが好ましい。
上記に記載のナノインプリント方法により、凹凸パターンが転写されたレジスト膜を被加工基板上に形成し、
レジスト膜をマスクとしてエッチングを行って、レジスト膜に転写された凹凸パターンに対応した凹凸パターンを被加工基板に形成することを特徴とするものである。
図1は、本実施形態のナノインプリント用のモールド1の構造を示す概略断面図である。また、図2から図6は、モールド1の製造工程を示す概略断面図である。
モールド本体12の材料は、例えばシリコン、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、タンタルおよびタングステン等の金属材料、並びにそれらの酸化物、窒化物および炭化物とすることができる。具体的には、モールド本体12の材料としては、酸化シリコン、酸化アルミニウム、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラスおよびソーダガラス等を挙げることができる。
本発明では、モールド本体12の表面に付着している吸着水2の存在が重要となる。より具体的には、本発明ではこの吸着水2の毛細管力によりメニスカス(物体間の極小隙間にできる液体架橋)が形成される現象を利用して、後述するように離型剤6を凹凸パターン13の表面で拡散させる。「吸着水」とは、モールド本体12の周りの雰囲気に含まれる水分子が液相化してモールド本体12の表面に付着したものである。
離型剤6は、フッ素化合物であることが好ましい。また、フッ素化合物は、フッ素系シランカップリング剤であることが好ましい。これらの離型剤は、ダイキン工業株式会社製のオプツールDSXや、住友スリーエム株式会社製のNovec EGC-1720等の市販のものを使用することができる。
離型処理用基板5は、転写法によりモールド本体12の離型処理を行うために、離型剤6が予め塗布される基板である。離型処理用基板5は、その形状、構造、大きさ、材質等については特に制限はないが、平坦性の高いものが好ましい。構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。材質としては、基板材料として公知のものの中から、適宜選択することができ、例えば、シリコン、ニッケル、アルミニウム、ガラス、樹脂、などが挙げられる。これらの基板材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。離型処理用基板5は、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。離型処理用基板5の厚みとしては、特に制限はないが、0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましい。下限の理由は、離型処理用基板5の厚みが0.05mm未満であると、モールド本体12の凸部の上面Stと離型剤6とを接触させる時に離型処理用基板5に撓みが発生し、均一な接触状態を確保できない可能性があるためである。
離型処理用基板5上に離型剤6が塗布された後、凹凸パターン13の凸部の上部のみが離型剤6に接触した接触状態となるように、モールド本体12が離型処理用基板5に近づけられる。「凸部の上部」とは、凸部の上面Stを含み、かつ当該上面Stから所定の長さまでの凸部の一部分を意味する。これは、凸部の全体が離型剤6に浸るように接触させると、離型層14の膜厚の制御が困難となるからである。そこで、可能な限り上面St近傍の部分のみが離型剤6と接触するように、離型剤6の総体積が、凹部に相当する空間の総体積よりも小さくなるように予め設計することが好ましい。このように設計すれば、モールド本体12および離型処理用基板5を互いに近づけ、押し付けたとしても、凹部に空間が残るため凸部の全体が離型剤6に浸ることはない。また、離型剤6の総体積を予め設計しない場合であっても、モールド本体12および離型処理用基板5の距離を調整することにより、凹凸パターン13の凸部の上部のみを離型剤6に接触させることもできる。上記のようにして凹凸パターン13の凸部の上部のみが離型剤6に接触した接触状態とすることにより、凸部の側面Ssの離型層14の膜厚を広範囲において制御することが可能となる。
メニスカスによる離型剤6の拡散について説明する。図3は、モールド本体12の凹凸パターン13の凸部の上面Stと離型剤6の表面とが接触している様子を示している。このような場合、凸部の側面Ssと離型剤6の表面とで挟まれた空間にメニスカスが形成される。そして、図4に示されるように、このメニスカスを通じて離型剤6が凹凸パターン13の表面上を拡散する(図4中の符号6a)。拡散した離型剤6aの量は、凸部の上面Stと離型剤6の表面とが接触している時間や吸着水2の量等に依存する。そして、モールド本体12が離型剤6に接触している間、離型剤6の拡散は継続し、最終的には離型剤6の拡散は凹凸パターン13の凹部の底面Sbにまで至る。そして、凹凸パターン13上にある離型剤6aはその表面に結合して離型層14を構成することになる。
モールド本体12を所定の時間離型剤6に接触させた後、離型処理用基板5からモールド本体12を引き離すことにより、モールド表面の離型処理が完了し、離型層14が形成される。
以下、本発明のモールドを用いたナノインプリント方法の実施形態について説明する。
レジストは、特に制限されるものではないが、本実施形態では例えば重合性化合物に、光重合開始剤(2質量%程度)、フッ素モノマー(0.1〜1質量%)を加えて調製された光硬化性レジストを用いることができる。また、必要に応じて酸化防止剤(1質量%程度)を添加することもできる。上記の手順により作成した光硬化性レジストは波長360nmの紫外光により硬化することができる。溶解性の悪いものについては少量のアセトンまたは酢酸エチルを加えて溶解させた後、溶媒を留去することが好ましい。なお、本実施形態では、レジストは光硬化性の材料であるが、本発明はこれに限られず他に熱硬化性の材料を適用することもできる。
ナノインプリント用基板は、モールド1が光透過性を有する場合、その形状、構造、大きさ、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。「光透過性を有し」とは、具体的には、レジスト膜が形成される基板の一方の面から出射するように他方の面から光を入射した場合に、レジスト膜が十分に硬化することを意味する。ナノインプリント用基板のパターン転写の対象となる面がレジストを塗布する面となる。例えばナノインプリント用基板が情報記録媒体の製造向けのものである場合には、ナノインプリント用基板の形状は通常円板状である。構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。材質としては、基板材料として公知のものの中から、適宜選択することができ、例えば、シリコン、ニッケル、アルミニウム、ガラス、樹脂、などが挙げられる。これらの基板材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。ナノインプリント用基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましい。ナノインプリント用基板の厚みが0.05mm未満であると、ナノインプリント用基板とモールド1との接着時に基板側に撓みが発生し、均一な接着状態を確保できない可能性がある。
ナノインプリント用基板にレジストを塗布する方法としては、離型剤の塗布方法と同様に、インクジェット法やディスペンス法など所定の量の液滴を所定の位置に配置できる方法を用いる。ナノインプリント用基板上にレジストの液滴を配置する際は、所望の液滴量に応じてインクジェットプリンターまたはディスペンサーを使い分けても良い。例えば、液滴量が100nl未満の場合はインクジェットプリンターを用い、100nl以上の場合はディスペンサーを用いるなどの方法がある。
モールドとレジストを接触する前に、モールドとナノインプリント用基板間の雰囲気を減圧または真空雰囲気にすることで残留気体を低減する。ただし、高真空雰囲気下では硬化前のレジストが揮発し、均一な膜厚を維持することが困難となる可能性がある。そこで、好ましくはモールドと基板間の雰囲気を、He雰囲気または減圧He雰囲気にすることで残留気体を低減する。Heは石英基板を透過するため、取り込まれた残留気体(He)は徐々に減少する。Heの透過には時間を要すため減圧He雰囲気とすることがより好ましい。減圧雰囲気は、1〜90kPaであることが好ましく、1〜10kPaが特に好ましい。
ナノインプリントでは、インプリントを重ねるとモールド1表面の離型剤6が剥がれていくため、モールド1を押し付ける工程の所定の回数ごとにまたは離型層の劣化(離型剤6による被覆率の低下)の度合に応じて、モールド1に離型処理を実施することが好ましい。インプリント後の離型処理については、前述したモールド1の製造の際の離型処理と同様である。モールド1表面の離型剤6が薄くなった部分、特にモールド本体12が露出している部分には、吸着水2が多く存在する。この吸着水2のメニスカスを利用して離型剤6を拡散させた場合には、離型剤6が薄くなった部分に重点的に離型剤6が集まる。これにより、凸部の上面Stから凹部の底面Sbに向けて離型層14の厚さ分布を損なうことなく離型層14を補修することができる。
次に、本発明のパターン化基板の製造方法の実施形態について説明する。本実施形態では、前述したナノインプリント方法を用いてパターン化基板の製造を行う。
<実施例1>
Si基材上に、スピンコートによりPHS(ポリヒドロキシスチレン)系の化学増幅型レジストなどを主成分とするレジスト液を塗布し、レジスト層を形成した。その後、Si基材をXYステージ上で走査しながら、線幅30nm、ピッチ60nmのラインパターンに対応して変調した電子ビームを照射し、0.5mm角の範囲のレジスト層全面に直線状凹凸パターンを露光した。
上記Siモールド本体の表面をUVオゾン処理装置で洗浄し、Siモールド本体表面を親水性に改質した。
離型処理用基板として、厚さ0.525mmのSiウエハを用いた。まず、Siウエハ表面をUVオゾン処理装置で洗浄した。次に、ダイキン工業株式会社製の離型剤であるオプツールDSXをダイキン工業株式会社製のフッ素系特殊溶剤であるHD−ZVに溶解し、0.1w%の離型処理液を調整した。この離型処理液にSiウエハを1分間浸漬し、一定速度5mm/secで引き上げることにより離型剤をSiウエハ上にディップコートした。離型剤の膜厚は5nmとなった。
Siモールド本体とSiウエハをナノインプリント装置に設置した。室温25℃、相対湿度80%の条件下でSiモールド本体とSiウエハを接触させた。接触した状態で5分間静置し、Siモールド本体をSiウエハから引き離した。以上の方法により、凸部の上面における厚さが3nmであり、凹部の底面における厚さが1nmであり、側面における厚さが上記上面から上記底面に向かって3nmから1nmへと連続的に変化するような厚さ分布を有する離型層をSiモールド本体表面に形成した。上記の工程により、Siモールドを得た。
ナノインプリント用基板には厚さ0.525mmの石英基板を使用した。石英基板の表面に、レジストとの密着性に優れるシランカップリング剤であるKBM−5103(信越化学工業株式会社製)により表面処理をした。KBM−5103をPGMEAで1質量%に希釈し、スピンコート法により石英基板表面に塗布した。続いて、上記希釈液が塗布された石英基板をホットプレート上で150℃、5分の条件でアニールし、シランカップリング剤を石英基板表面に結合させた。
上記構造式1で表される化合物Aを48重量%、アロニックスM220を48重量%、IRGACURE 379を3重量%、上記構造式2で表される化合物Bを1重量%含有するレジストを調整した。
ピエゾ方式のインクジェットプリンターであるFUJIFILM Dimatix社製DMP−2831を使用した。インクジェットヘッドには専用の10plヘッドであるDMC−11610を使用した。液滴量が10plとなるように、あらかじめ吐出条件を設定及び調整した。上記のようにして液滴量を調整した後、残膜厚が10nmになるように調整した所定の液滴配置パターンに従って、石英基板上に液滴を配置した。
上記Siモールドと石英基板をギャップが0.1mm以下になる位置まで近接させ、石英基板の背面から石英基板上のアライメントマークとSiモールド上のアライメントマークが一致するように位置合わせをした。Siモールドと石英基板間の空間を99体積%以上のHeガスで置換し、He置換後に20kPa以下まで減圧した。減圧He条件下でSiモールドをレジストからなる液滴に接触させた。接触後、1MPaの押付け圧で1分間加圧し、360nmの波長を含む紫外光により、照射量が300mJ/cm2となるように露光し、レジストを硬化させた。石英基板およびSiモールドの裏面を吸引保持した状態で、石英基板およびSiモールドを押圧と反対方向に相対移動させることでSiモールドを剥離した。
上記のようにして凹凸パターンが転写されたレジスト膜をマスクにして、下記に示すようにドライエッチングを行い、レジスト膜に形成された凹凸パターンに基づく凹凸形状を石英基板上に形成した。まず、パターン凹部に存在する残膜を酸素プラズマエッチングにより除去し、パターン凹部の石英基板を露出させた。その際、凹凸パターン領域内の最も厚い残膜を除去できる条件にあわせてエッチング量を設定した。次に、フッ素系ガスにより、パターン凸部をマスクにして石英基板のRIEを行った。エッチング深さが60nmになるようにRIEの条件を設定した。最後に、パターン凸部の残渣を酸素プラズマエッチングにより除去した。この結果、所定の凹凸パターンを有する複版モールドを得た。
以下のように、化学気相蒸着法を用いて離型処理をしたこと以外は実施例1と同じである。
Si基材をXYステージ上で走査しながら、0.5mm角の範囲に、線幅30nmおよびピッチ60nmのラインパターンと線幅300nmおよびピッチ600nmのラインパターンに対応して変調した電子ビームを照射して、Si基材上の0.5mm角のパターン領域内に、凹部の幅の異なるパターンを有する凹凸パターンを形成したこと以外は実施例1と同じである。
モールド凸部のみに離型層を形成したモールドを作製した。離型処理方法以外は実施例1と同じである。
Siモールド本体と離型処理用基板をナノインプリント装置に設置した。室温25℃、相対湿度20%の条件下でSiモールド本体と離型処理用基板を接触させた。接触した状態で1分間静置し、Siモールド本体を離型処理用基板から引き離した。メニスカスによる離型剤の拡散を低湿度、短接触時間により抑えたため、凸部の上面のみを離型処理できた。以上の方法により、凸部の上面における厚さが3nmであり、凹部の底面における厚さが0nmであり、上記上面近傍の側面における厚さのみが3nm弱である離型層をSiモールド本体表面に形成した。
以下のように、浸漬法を用いて離型処理をしたこと以外は実施例1と同じである。
Si基材をXYステージ上で走査しながら、0.5mm角の範囲に、線幅30nmおよびピッチ60nmのラインパターンと線幅300nmおよびピッチ600nmのラインパターンに対応して変調した電子ビームを照射して、Si基材上の0.5mm角のパターン領域内に、凹部の幅の異なるパターンを有する凹凸パターンを形成したこと以外は実施例2と同じである。なお、離型層は線幅30nm、ピッチ60nmのラインパターンの領域で所望の厚さとなるように調整した。つまり、線幅30nm、ピッチ60nmのラインパターンの領域において、凸部の上面における厚さが3nmであり、凹部の底面における厚さが1nmであり、側面における厚さが上記上面から上記底面に向かって3nmから1nmへと連続的に変化するような厚さ分布を有する離型層をモールド表面に形成した。その結果、線幅300nm、ピッチ600nmのラインパターンの領域においては、凸部の上面における厚さが2nmであり、凹部の底面における厚さが2nmであり、側面における厚さが厚さ分布のない約2nmである離型層となった。
以下に、レジストパターンのパターン成形性、モールドの耐久性、再離型処理時の欠陥増加数およびナノインプリントの生産性の具体的な評価方法およびそれぞれの評価結果について説明する。
実施例2に関する評価結果を示す。化学気相蒸着法を用いた離型処理では、ナノインプリント装置外で専用の蒸着装置を使用する必要がある。したがって、実施例1に対してナノインプリントの生産性は若干低下したが、これは許容範囲であった。凹部の底面の厚さを薄くする厚さ制御が可能であるためレジストパターンのパターン成形性は実施例1同等であり、モールドの耐久性と再離型処理時の欠陥増加数も実施例1と同等であった。
2 吸着水
5 離型処理用基板
6 離型剤
6a 拡散した離型剤
12 モールド本体
13 凹凸パターン
14 離型層
Sb 凹部の底面
Ss 凸部の側面
St 凸部の上面
W1 凸部の半値幅
W2 凸部同士の間隔
Claims (11)
- 微細な凹凸パターンを表面に有するモールド本体の該表面に離型層を形成する離型処理方法において、
前記モールド本体として、前記凹凸パターンの凸部の断面が順テーパ形状であるモールド本体を用意し、
離型剤が塗布された離型処理用基板を用意し、
前記凹凸パターンの凸部の上部のみが前記離型剤に接触した接触状態となるように、吸着水が表面に付着した前記モールド本体および前記離型処理用基板を互いに近づけ、
前記吸着水中を前記離型剤が拡散することに起因して、前記凹凸パターンの凸部の上面側から前記凹凸パターンの凹部の底面側に向かって前記凹凸パターンの側面における前記離型層の厚さが薄くなるような厚さ分布を有する前記離型層が前記凹凸パターンの全域に亘って形成されるまで、前記接触状態を維持し、
前記凸部の上部が前記離型処理用基板上の前記離型剤から分離するように前記モールド本体および前記離型処理用基板を離すことを特徴とする離型処理方法。 - ナノインプリント装置内で実施することを特徴とする請求項1に記載の離型処理方法。
- 微細な凹凸パターンを表面に有するモールド本体と、該表面に形成された離型層とを備えたナノインプリント用のモールドの製造方法において、
前記モールド本体として、前記凹凸パターンの凸部の断面が順テーパ形状であるモールド本体を用意し、
離型剤が塗布された離型処理用基板を用意し、
前記凹凸パターンの凸部の上部のみが前記離型剤に接触した接触状態となるように、吸着水が表面に付着した前記モールド本体および前記離型処理用基板を互いに近づけ、
前記吸着水中を前記離型剤が拡散することに起因して、前記凹凸パターンの凸部の上面側から前記凹凸パターンの凹部の底面側に向かって前記凹凸パターンの側面における前記離型層の厚さが薄くなるような厚さ分布を有する前記離型層が前記凹凸パターンの全域に亘って形成されるまで、前記接触状態を維持し、
前記凸部の上部が前記離型処理用基板上の前記離型剤から分離するように前記モールド本体および前記離型処理用基板を離すことを特徴とするモールドの製造方法。 - ナノインプリント装置内で実施することを特徴とする請求項3に記載のモールドの製造方法。
- 微細な凹凸パターンを表面に有するモールド本体と、該表面に形成された離型層とを備えたナノインプリント用のモールドにおいて、
前記モールド本体の前記凹凸パターンの凸部の断面が順テーパ形状であり、
前記離型層が、前記凹凸パターンの全域に亘って、前記凹凸パターンの凸部の上面における前記離型層の厚さが前記凹凸パターンの凹部の底面における前記離型層の厚さよりも厚く、かつ、前記上面側から前記底面側に向かって前記凹凸パターンの側面における前記離型層の厚さが薄くなるような厚さ分布を有するものであることを特徴とするモールド。 - 前記離型層が、前記側面における厚さが前記上面における厚さと同じ厚さから前記底面における厚さと同じ厚さまで薄くなるような厚さ分布を有するものであることを特徴とする請求項5に記載のモールド。
- 前記離型層が、前記上面における厚さが1〜5nmであり、前記底面における厚さが0.1〜1nmでありかつ前記上面における厚さの70%以下であるような厚さ分布を有するものであることを特徴とする請求項5または6に記載のモールド。
- 請求項5から7いずれかに記載のモールドを用いて、
ナノインプリント用基板上にレジストを塗布し、
前記モールドを前記ナノインプリント用基板の前記レジストが塗布された面に押し付け、
前記モールドを前記ナノインプリント用基板から剥離することを特徴とするナノインプリント方法。 - 前記モールドを押し付ける工程の所定の回数ごとにまたは離型層の劣化の度合に応じて、前記モールドに離型処理を実施するナノインプリント方法であって、
前記離型処理が、
離型剤を塗布した離型処理用基板を用意し、
前記凹凸パターンの凸部の上部のみが前記離型剤に接触した接触状態となるように、吸着水が表面に付着した前記モールド本体および前記離型処理用基板を互いに近づけ、
前記吸着水中を前記離型剤が拡散することに起因して、前記凹凸パターンの凸部の上面側から前記凹凸パターンの凹部の底面側に向かって前記凹凸パターンの側面における前記離型層の厚さが薄くなるような厚さ分布を有する前記離型層が前記凹凸パターンの全域に亘って形成されるまで、前記接触状態を維持し、
前記凸部の上部が前記離型剤から分離するように前記モールド本体および前記離型処理用基板を離すものであることを特徴とする請求項8に記載のナノインプリント方法。 - 前記モールドを前記ナノインプリント用基板に押し付ける工程と前記モールドに前記離型処理を実施する工程とをナノインプリント装置内で一貫して実施することを特徴とする請求項9に記載のナノインプリント方法。
- 請求項8から10いずれかに記載のナノインプリント方法により、凹凸パターンが転写されたレジスト膜を被加工基板上に形成し、
該レジスト膜をマスクとしてエッチングを行って、該レジスト膜に転写された凹凸パターンに対応した凹凸パターンを前記被加工基板に形成することを特徴とするパターン化基板の製造方法。
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