JP5316132B2 - ナノインプリント用モールド - Google Patents

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Description

本発明は、ナノインプリントに用いるモールドの凹凸パターン表面に離型処理を施したナノインプリント用モールドに関する。
近年、特に半導体デバイスについては、微細化の一層の進展により高速動作、低消費電力動作が求められ、また、システムLSIという名で呼ばれる機能の統合化などの高い技術が求められている。このような中、半導体デバイスのパターンを作製する要となるリソグラフィ技術は、パターンの微細化が進むにつれ、露光装置などが極めて高価になってきており、また、それに用いるマスク価格も高価になっている。
これに対して、1995年Princeton大学のChouらによって提案されたナノインプリント法は、装置価格や使用材料などが安価でありながら、10nm程度の高解像度を有する微細パターン形成技術として注目されている(非特許文献1、特許文献1参照)。
ナノインプリント法は、予め表面にナノメートルサイズの凹凸パターンを形成したモールド(テンプレート、スタンパ、金型とも呼ばれる)を、被加工材表面に塗布形成された樹脂に押し付けて力学的に変形させて微細パターンを精密に転写し、パターン形成された樹脂をレジストマスクとして被加工材を加工する技術である。一度モールドを作製すれば、ナノ構造が簡単に繰り返して成型できるため高いスループットが得られて経済的であるとともに、有害な廃棄物が少ないナノ加工技術であるため、近年、半導体デバイスに限らず、さまざまな分野への応用が期待されている。
このようなナノインプリント法には、熱可塑性樹脂を用いて熱により凹凸パターンを転写する熱ナノインプリント法や、光硬化性樹脂を用いて光により凹凸パターンを転写する光ナノインプリント法(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
ナノインプリント法で用いられるモールドには、パターン寸法の安定性、耐薬品性、加工特性などが求められる。光ナノインプリント法の場合を例に取ると、一般的には石英ガラスが用いられている。しかし、石英ガラスなどによるモールドはパターン転写材料である樹脂との離型性が低く、転写パターンを形成した樹脂からモールドを剥離する際に樹脂がモールド側に密着してしまうため、樹脂の凹凸パターンに欠けを生じ、パターン精度が低下しやすいという問題があった。このため、離型性を向上させる方法として、モールドの凹凸パターン表面にフッ素樹脂などの離型剤の薄膜を塗布形成する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3には、硬質層上に気相蒸着やディッピングによりオルガノシリコン系列の単分子膜(SAM;Self Assembled Monolayer:自己組織化膜)を離型層として形成したモールドの記載がある。
特表2004−504718号公報 特開2002−93748号公報 特開2008−68612号公報
S.Y.Chou et.al.,Science,vol.272,p.85−87,April,1996
しかしながら、上記の特許文献3に記載されるように、シランカップリング剤系離型剤を気相蒸着やディッピングあるいはスピンコートで形成した従来の膜は、たとえ単分子膜であったとしても分子の配向性が悪く、分子のパッキングもばらばらであった。したがって、従来の膜では離型する際のモールドと塗布したナノインプリント用樹脂との付着力や摩擦力が大きくなって離型性が悪く、依然として被加工材表面に塗布形成された樹脂の引き抜き欠陥が発生し易いという問題が解決しなかった。
一方、無機系の膜を離型層とする場合では、離型層の膜厚が厚くなりパターン寸法が大きく変わってしまうために、ナノレベルのパターニングには使用できず、またインプリント後に劣化した膜を剥離して、再度、膜付けする場合にはコストがかかるという問題があった。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、ナノインプリント用モールドの凹凸パターン表面に、離型性と耐久性に優れ、凹凸パターン寸法にほとんど影響を与えない離型層を有し、高精度で微細なナノインプリント用樹脂のパターン形成が可能なナノインプリント用モールドを提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係るナノインプリント用モールドは、基板表面に凹凸パターンを有し、前記凹凸パターンが離型層で被覆されているナノインプリント用モールドにおいて、前記凹凸パターンの少なくとも表面がシリコン酸化膜または金属酸化膜であって、前記離型層が、両親媒性のシランカップリング剤の離型剤からなり、前記離型剤の疎水基を前記凹凸パターン側とは反対側に配向させた単分子膜を、架橋して形成されたものであることを特徴とするものである。
請求項の発明に係るナノインプリント用モールドは、請求項に記載のナノインプリント用モールドにおいて、前記離型剤が、重合官能基を少なくとも一つ以上有することを特徴とするものである。
請求項の発明に係るナノインプリント用モールドは、請求項に記載のナノインプリント用モールドにおいて、前記重合性官能基が、ビニル基、エポキシ基、ジエン基、ジアセチレン基、アクリル基、メタクリル基、イソシアネート基の内のいずれかの官能基であることを特徴とするものである。
請求項の発明に係るナノインプリント用モールドは、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のナノインプリント用モールドにおいて、前記離型剤の疎水基の表面張力が、25mN/m以下であることを特徴とするものである。
請求項の発明に係るナノインプリント用モールドは、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のナノインプリント用モールドにおいて、前記疎水基が、フッ素を有することを特徴とするものである。
本発明のナノインプリント用モールドによれば、ナノインプリント用モールドの凹凸パターン表面に、離型剤を単分子膜として配向させ、架橋して形成して離型層とすることにより、離型性と耐久性に優れ、凹凸パターン寸法にほとんど影響を与えず、被加工材表面に塗布形成されたナノインプリント用樹脂の引き抜き欠陥を低減でき、高精度で微細な樹脂のパターン形成が可能なナノインプリント用モールドを得ることができる。
本発明のナノインプリント用モールドの一例を示す部分断面模式図である。 モールドとインプリント用レジストとの付着仕事を説明する図である。 モールド表面のインプリント用レジストに働く力を説明する模式図である。 合成石英の凹凸パターン上に離型剤の単分子膜が形成された状態の一例を示す模式図である。 LB法(垂直浸漬法)による本発明のナノインプリント用モールドの一実施形態を示す模式図である。 LB法(水平付着法)による本発明のナノインプリント用モールドの一実施形態を示す模式図である。 LB法(水平付着法)による本発明のナノインプリント用モールドの他の実施形態を示す模式図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(ナノインプリント用モールド)
図1は、本発明のナノインプリント用モールドの一例を示す部分断面模式図である。図1において、ナノインプリント用モールド10は、基板11の一表面に凹凸パターン12を有し、凹凸パターン12の少なくとも表面がシリコン酸化膜または金属酸化膜であって、凹凸パターン12が離型層13で被覆されており、上記の離型層13が、両親媒性のシランカップリング剤の離型剤からなり、離型剤の疎水基を凹凸パターン側とは反対側の被インプリント側に配向させた単分子膜を重合および/または架橋して形成されたものである。
基板11は、凹凸パターン12を保持する部材である。本発明において、基板11を構成する材料としては、特に材質に制約はされず、例えば、半導体材料としては、シリコン(Si)などが挙げられ、また、金属材料としては、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、銅(Cu)などが挙げられる。さらに、光学研磨された合成石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどが挙げられる。基板11と凹凸パターン12は同一材料であってもよいし、異なる材料を接合したものであってもよい。いずれの材料を用いるにしても、本発明においては、凹凸パターン12表面とシランカップリング剤とを反応させるために、凹凸パターン12の少なくとも表面はシリコン酸化膜または金属酸化膜であることが必要になる。基板材料として合成石英ガラスは、フォトマスク用基板としての使用実績が高く品質が安定しており、基板11と凹凸パターン12を一体化した光透過性の構造とすることができ、高精度の微細な凹凸パターンを形成できるので、より好ましい。
本発明における離型層13は、両親媒性のシランカップリング剤の離型剤からなるものである。本発明で用いられるシランカップリング剤が有する親水性基としては、具体的には、分子中の基板側と結合する部分に、例えば、Si−OCH3 、Si−OC25、Si−OH、Si−OClなどの官能基を有するものが好ましい。親水性の高い官能基が離型剤分子の末端にある場合、分子は反応性末端が基板側を向き、疎水性の有機鎖が外側を向いて基板に吸着する。これらの官能基は、下式(化1)に示されるように、基板の凹凸パターンの酸化膜の酸素と化学反応を起こし吸着するものと考えられる。分子の吸着には、基板と末端官能基との間で化学反応が起こることが必要であることから、いったん基板の凹凸パターン表面が有機分子でおおわれ単分子膜ができあがると、それ以降は分子の吸着は起こらない。その結果、分子が密に集合し、配向性のそろった有機単分子膜ができるものである。このような単分子膜としては、例えばラングミュアーブロジェット膜(LB膜)が挙げられる。
Figure 0005316132
本発明で用いられる両親媒性のシランカップリング剤が有する疎水性基としては、CH3(CH2n−で表されるアルキル基、CF3(CF2n−で表されるフルオロメチル基、エポキシ基などが挙げられる(n=0,1,…)。
本発明において形成される離型層の膜厚は、その単分子膜の種類により決定されるものであるが、通常1nm〜5nm程度の範囲である。したがって、離型層を形成することによるモールドの凹凸パターン寸法への影響を極めて小さくすることが可能である。膜厚測定は原子間力顕微鏡(AFM)により行うことができる。
ここで、モールドとインプリント用樹脂(以下、レジストと称する)との離型の程度を示す付着性について述べる。図2は、モールドとレジストとの付着仕事を求めるための説明図である。図面上の凹凸パターンは省略してある。図2において、21はモールド、22はレジスト、23は大気を示す。図2(a)に示すように、接触している2つの媒質であるモールド21とレジスト22の単位面積を、図2(b)に示すように、引き離すのに必要な自由エネルギーの変化を示す付着仕事W132は、大気も考慮すると、次の数式(1)で表される。
132=W12+W33−W13−W23 …(1)
ここで、W12:モールドとレジスト界面の付着仕事、W33:大気中での凝集仕事、W13:モールドと大気界面の付着仕事、W23:レジストと大気界面の付着仕事を示す。
また、大気中において、モールドと大気との界面エネルギーをγmold /air、レジストと大気との界面エネルギーをγresist/air、モールドとレジストとの界面エネルギーをγmold/resistとすると、モールド表面からレジストを引き離す付着仕事W132(Wmold/air/resistと記す)は、次の数式(2)で表される。
Wmold/air/resist =γmold /airresist/air−γmold/resist …(2)
真空中においては、モールドの界面エネルギーをγmold 、レジストの界面エネルギーをγresistとすると、モールド表面からレジストを引き離す付着仕事W12(Wmold/resistと記す)は、次の数式(3)で表される。
Wmold/resist =γmold resist−γmold/resist …(3)
一方、インプリント用樹脂(レジスト)とモールドの固体表面との間の現象は、簡単にはレジストの固体表面への濡れの程度で表される。図3は、モールド表面のレジストに働く力を説明する模式図である。図3に示すように、モールド31の表面にレジスト32が形成されたとき、濡れ性つまり親水性、疎水性の程度を表す接触角に関して、図2と同じ符号であるモールドの表面エネルギーをγmold、モールドとレジスト間の界面エネルギーをγmold/resist、レジストの表面エネルギーをγresist、接触角をθとすると、3つの矢印で示す力関係が釣り合い、次のヤング−デュプレ(Young-Dupre)の式(4)が成り立つ。
γmold =γresistcosθ+γmold/resist …(4)
上記の数式(3)、数式(4)より、付着仕事Wmold/resistは、次の数式(5)で表される。したがって、γresistとθがわかれば、モールド表面からレジストを引き離す付着仕事Wmold/resistを求めることができる。γresistとθは計測により求めることができる。
Wmold/resist =γresist(1+cosθ) …(5)
したがって、モールド表面からレジストを容易に引き離すには、数式(5)より付着仕事Wmold/resistを小さくすること、すなわちレジストの表面エネルギーγresist(表面張力)の小さい材料を使用すること、また数式(4)よりモールドの表面エネルギーγmoldを小さくすること、例えば、モールド表面に表面エネルギーの小さい離型層を設ければよいことになる。代表的な溶媒、樹脂および官能基の表面張力は知られており、表1にその値を示す。
Figure 0005316132
本発明の好ましい実施形態としては、凹凸パターン上に移し取られた配向性のそろった緻密な単分子膜の機械的強度をさらに上げるために、重合官能基を有する離型剤を用い、移し取られた離型剤の単分子膜を、加熱、紫外線または電離放射線で重合および/または架橋させて離型層とすることができる。本実施形態に用いる離型剤は、重合官能基を少なくとも一つ以上有するものが好ましく、重合性官能基は、ビニル基、エポキシ基、ジエン基、ジアセチレン基、アクリル基、メタクリル基、イソシアネート基の内のいずれかの官能基を有するシランカップリング剤が好ましい。
ビニル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメトキシシラン、ビニルトリクロルシランなどが挙げられる。ジエン基を有するシランカップリング剤としては、例えば、ブタジエン・トリメトキシシランなどが挙げられる。エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。アクリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。メタクリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。イソシアネート基を有するシランカップリング剤としては、例えば、(OC253Si−CH2−C(NCO)H−(CH215−CH3で示される化合物などが挙げられる。ジアセチレン基を有するシランカップリング剤としては、例えば、CH3−(CH28−CC−CC−(CH25−Si(OCH33で示される化合物などが挙げられる。
さらに、上記に示したように、本発明においては、離型層の表面エネルギーを小さくする離型剤が好ましく、具体的には、離型剤の疎水基の表面張力が25mN/m以下である離型剤が好ましい。表面張力が25mN/mを超えると、インプリント時にモールドとインプリントレジストとの離型性が低下してくるからである。さらに、表1に示すように、離型剤の疎水基はフッ素基であるものがより好ましい。フッ素基は表面張力が低く、例えば、ジフルオロメチル基(−CF2H)は15mN/m、トリフルオロメチル基(−CF3)は6mN/mである。図4は、合成石英の凹凸パターン上にフルオロアルキル基を有する離型剤の単分子膜が形成された状態の一例を示す模式図である。
フッ素基を有する両親媒性のシランカップリング剤の離型剤としては、フルオロアルキル基を有する離型剤が好ましく、例えば、CF3Si(OCH2CH33、CF3(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33、CF3(CH25Si(OCH33などを挙げることができる。
上記のシランカップリング剤は、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、トリフルオロエタンなどのハロゲン化脂肪族溶媒などの溶媒に溶解して所定の濃度の溶液とし、後述するように、水面上に展開してLB法により単分子膜を形成することができる。
本発明のナノインプリント用モールドは、上記離型層が単分子膜であることにより、上記離型層を均一かつ緻密な層とすることができ、凹凸パターン部を均一かつ高精細に形成することが可能となる。
本発明の離型層は有機単分子膜で形成されているので、インプリント後に劣化した膜を有機溶剤を含む薬液やアルカリを含む薬液などで処理することにより離型層をモールドから剥離して、再度、新たな単分子膜を膜付けするのが容易であり、安価なコストで離型層を再作製できるという利点がある。
(ナノインプリント用モールドの製造方法)
本発明のナノインプリント用モールドの製造方法は、基板の一表面に凹凸パターンを有し、上記凹凸パターンの少なくとも表面がシリコン酸化膜または金属酸化膜よりなり、凹凸パターンが離型層で被覆されているナノインプリント用モールドの製造方法であり、両親媒性のシランカップリング剤の離型剤を水面上に展開して単分子膜とする工程と、上記の単分子膜の疎水基を凹凸パターン側とは反対側に配向させて、単分子膜をモールドの凹凸パターン上に移し取り離型層とする工程と、を含むものである。
さらに、本発明の好ましい形態としては、単分子膜をモールドの凹凸パターン上に移し取る工程の後に、凹凸パターン上に移し取られた単分子膜を、加熱、紫外線または電離放射線で重合および/または架橋させて離型層とする工程、を含むものである。
上記の製造方法において、離型剤を水面上に展開して単分子膜とする工程と、この単分子膜をモールドの凹凸パターン上に移し取る工程との実施形態について説明する。
本発明のナノインプリント用モールドの製造方法は、前記離型剤を水面上に展開して単分子膜とする工程と、前記単分子膜を前記モールドの凹凸パターン上に移し取る工程とが、ラングミュアーブロジェット法(以後、LB法と記す)によるものである。
(第1の実施形態)
LB法による場合は、垂直浸漬法と水平付着法が採用される。本実施形態は、垂直浸漬法による場合である。まず基板の一表面に凹凸パターンを有し、凹凸パターンの少なくとも表面がシリコン酸化膜または金属酸化膜よりなるモールド基板を準備する。
図5は、垂直浸漬法によるLB膜の形成方法を示す一例である。図5(a)に示すように、下層水53の水面上に離型剤である有機分子の疎水基51と親水基52からなる単分子膜を形成し、水表面にピストン圧54を付加した状態で、モールドの凹凸パターン表面に酸化膜を有する基板55を、凹凸パターン側を単分子膜側に面して、液面に垂直に浸漬し、引き上げるときに、離型剤の単分子膜が親水基52面を基板55側に向けて基板に移し取られ(図5(b))、モールドの凹凸パターン表面に、離型剤の単分子膜の疎水基51を凹凸パターン側とは反対側に配向させた単分子膜が形成される(図5(c))。
次に、上記の凹凸パターン上に移し取られた離型剤の単分子膜を、加熱、紫外線または電離放射線で重合および/または架橋させて離型層とする。本実施形態の製造方法によるモールドは、凹凸パターンの最表面に離型剤単分子膜の疎水基が配向性よく緻密に形成されているので、ナノインプリント用レジストとの離型性が良く、凹凸パターン寸法にほとんど影響を与えずに、高精度のインプリントが可能となる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、図6に示すように、水平付着法によるLB膜の形成方法を示す一例である。第1の実施形態と同様に、基板の一表面に凹凸パターンを有し、凹凸パターンの少なくとも表面がシリコン酸化膜または金属酸化膜よりなるモールド基板を準備する。
図6(a)に示すように、第1隔壁66によって区画した水面上に形成した有機分子の疎水基61と親水基62からなる単分子膜にピストン圧64を加えて、有機分子の疎水基61と親水基62からなる単分子膜を水面上に形成する。次いで、基板65の第1隔壁66に接触する部分とは反対の部分に第2隔壁67を移動し、モールド基板65を上方から単分子膜に水平に接触させると(図6(b))、モールド基板65の親水面に接触した単分子膜は反転して、親水基62を基板65面に付着させる(図6(c))。次に、基板65を引き上げ、凹凸パターン表面に、離型剤の単分子膜の疎水基61を凹凸パターン側とは反対側に配向させた単分子膜で離型層が形成されたモールド基板を作製する(図6(d))。
(第3の実施形態)
図7は、水平付着法によるLB膜の形成方法を示す他の実施形態の例である。第1の実施形態と同様に、基板の一表面に凹凸パターンを有し、凹凸パターンの少なくとも表面がシリコン酸化膜または金属酸化膜よりなるモールド基板を準備する。
本実施形態の水平付着法の場合は、図7に示すように、下層水73の水面下に、あらかじめモールド基板75を沈めておき、次に、第1隔壁76によって区画した下層水73の水面上に形成した離型剤の有機分子にピストン圧74を加えて、有機分子の疎水基71と親水基72からなる単分子膜を水面上に形成する(図7(a))。次いで、上記の基板75を徐々に浮上78させて単分子膜と水平に接触させて、親水基72を基板75に付着させた後、基板75の第1隔壁76に接触する部分とは反対の部分に第2隔壁77を移動し(図7(b))、基板75を引き上げ、凹凸パターン表面に、離型剤の単分子膜の疎水基71を凹凸パターン側とは反対側に配向させた単分子膜が形成されたモールド基板を作製する(図7(c))。水平付着法は単分子膜の流動による変形を避ける効果がある。
次に、上記の凹凸パターン上に移し取られた離型剤の単分子膜を、加熱、紫外線または電離放射線で重合および/または架橋させて離型層とする。本実施形態の製造方法によるモールドは、実施形態1と同様に、離型剤単分子膜の疎水基が配向性よく緻密に形成され、離型性が良くプリントの耐久性に優れ、凹凸パターン寸法にほとんど影響を与えずに、高精度のインプリントが可能となる。
本発明の製造方法で用いているLB法は、分子オーダーの有機薄膜が得られること、分子配向および分子配列の制御が可能であること、容易に異なる分子を交互に並べたヘテロ膜の形成が可能であること、常温、常圧で成膜できること、などの利点を有するものである。
本発明に用いられるLB膜は、基板上に形成されてしまえば形態上は上記の特許文献3に記載された自己組織化単分子膜(SAM)との大きな相違はないが、LB膜はその形成方法とそれに起因する高度な2次元分子パッキング性(高配向性、高秩序性)に、自己組織化単分子膜には無い特長を有している。すなわち、LB膜形成分子は気液界面上に先ず展開され、その展開膜がトラフによって凝縮されて高度にパッキングした凝縮膜としての単分子膜に変化する。本発明では、この高配向、高秩序の単分子膜を基板上に移し取り、好ましくは、さらに凹凸パターン上に移し取られた単分子膜を、加熱、紫外線または電離放射線で重合および/または架橋させて強固な離型層とし、離型性と耐久性に優れたナノインプリント用モールドとするものである。
(実施例1)
光学研磨された合成石英基板の一表面をパターニングして、凹部ラインパターン幅40nm、深さ40nm、ピッチ80nmの凹凸のライン&スペースパターンを設けたインプリント用モールド基板を作製した。一方、シランカップリング剤の離型剤としてエポキシ基を有するメトキシシラン化合物(下式化2)をクロロホルムに溶解し、5×10-4M/lの溶液を得た。これを水面上に展開し、図6に示すLB法水平付着法により、表面圧40mN/mで単分子膜を、モールド基板上に形成した。次に、単分子膜を形成したモールド基板を、ホットプレート上にて80℃、5分間、加熱乾燥を行った。次いで、モールド基板上の単分子膜全面に高圧水銀灯により紫外線を照射し、単分子膜を重合/架橋させて離型層とした。
Figure 0005316132
上記のLB法による単分子膜を重合/架橋させた離型層を設けたモールド基板を用いてインプリントを行い、被加工材表面に高精度で微細なインプリント用樹脂(レジスト)のパターンを形成し、レジストの引き抜き欠陥の無いパターンを連続して形成することができた。
(比較例1)
実施例1と同様に、合成石英基板の一表面をパターニングして、ライン&スペースパターンを設けたインプリント用モールド基板を準備した。次に、実施例1と同様のシランカップリング剤メトキシシラン化合物のクロロホルム溶液を用い、上記のモールド基板に自己組織化単分子膜を形成した。
上記の自己組織化単分子膜を設けたモールド基板を用いてインプリントを行ったところ、被加工材表面にレジストの引き抜き欠陥がすぐに発生してしまい、以後のプリントができなくなった。
10 ナノインプリント用モールド
11 基板
12 凹凸パターン
13 離型層
21、31 モールド
22、32 レジスト
23 大気
51、61、71 疎水基
52、62、72 親水基
53、63、73 下層水
54、64、74 ピストン圧
55、65、75 モールド基板
66、76 第1隔壁
67、77 第2隔壁
78 浮上

Claims (5)

  1. 基板表面に凹凸パターンを有し、前記凹凸パターンが離型層で被覆されているナノインプリント用モールドにおいて、
    前記凹凸パターンの少なくとも表面がシリコン酸化膜または金属酸化膜であって、
    前記離型層が、両親媒性のシランカップリング剤の離型剤からなり、前記離型剤の疎水基を前記凹凸パターン側とは反対側に配向させた単分子膜を、架橋して形成されたものであることを特徴とするナノインプリント用モールド。
  2. 前記離型剤が、重合官能基を少なくとも一つ以上有することを特徴とする請求項に記載のナノインプリント用モールド。
  3. 前記重合性官能基が、ビニル基、エポキシ基、ジエン基、ジアセチレン基、アクリル基、メタクリル基、イソシアネート基の内のいずれかの官能基であることを特徴とする請求項に記載のナノインプリント用モールド。
  4. 前記離型剤の疎水基の表面張力が、25mN/m以下であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のナノインプリント用モールド。
  5. 前記疎水基が、フッ素を有することを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のナノインプリント用モールド。
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