JP6479058B2 - パターン形成マスク用薄膜層付基体およびパターン化基体の製造方法 - Google Patents

パターン形成マスク用薄膜層付基体およびパターン化基体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面に凹凸パターンを形成される基体の、被パターン形成面にパターン形成時にマスクパターンとされるマスク用の薄膜層が設けられてなるパターン形成マスク用薄膜層付基体、及びパターン化基体の製造方法に関するものである。
大規模集積回路の高集積化に伴う微細加工技術が近年極めて重要な技術となってきている。半導体微細加工技術において、近年、生産コストの観点から、従来のフォトリソグラフィと比較して、装置コストが掛からないUV(Ultra Violet)ナノインプリントリソグラフィが注目されている。従来のフォトリソグラフィでは、一般に、透光性のガラス基板上に金属薄膜等からなる遮光性の微細パターンを設けたフォトマスクが用いられる(特許文献1等)。一方、UVナノインプリントリソグラフィには、UV光(紫外光)を透過する基板の表面に微細凹凸パターンが形成されてなるナノインプリントテンプレートが用いられる(特許文献2、3等)。
こうした半導体デバイスの製造に使用されるナノインプリントテンプレートは、フォトマスクの作製に用いられる、石英基板上にハードマスク層を備えてなるマスクブランクスを同様に使用することができる。具体的には、マスクブランクスのハードマスク層の上にレジストパターンを作製した後、レジストパターンをマスクとして、ハードマスク層をエッチングしてマスクパターンを形成し、その後そのマスクパターンを用いて石英をエッチングすることにより作製することができる。
半導体回路の高集積化の要請に伴い、ナノインプリントテンプレートのパターンの寸法はより一層の微細化が要求されており、パターン寸法の微細化に伴い、石英基板のエッチングにおける加工精度の向上がますます必要となってきている。
また、半導体デバイスの製造に限らず、グレーチング等の微細パターンにより光学的機能を付加した光学部品においても、対象とする光の波長未満のパターン寸法および精度が要求されるため、光学部品作製用のインプリントテンプレートや、光学部品自体の作製においてもエッチングにおける加工精度の向上が必要とされている。
エッチング比の観点から、石英基板をエッチングする際のハードマスクとしてはクロムを含有するクロム化合物が主として用いられており、特許文献1〜3には、石英基板上にクロム化合物層を備えたマスクブランクスが開示されている。
特開2007−33470号公報 特開2011−207163号公報 特開2008−209873号公報
石英のエッチングにおける加工精度はハードマスク層の膜質に大きく依存し、具体的にはその組成によって仕上がりパターンの加工精度が大きく異なることが、本発明者らの検討により明らかになってきた。
特許文献1には、クロム金属層とクロム化合物層との積層膜状のハードマスク層を備えたマスクブランクスが開示されている。特許文献1は、フォトマスクの作製を目的としているため、ハードマスク層が遮光性を有することを前提としており、遮光性を前提としない場合と比較してハードマスク層全体の厚みを厚くする必要がある。遮光性を担保するためには、ハードマスク層全体の厚みとしては30nm以上の厚みが必要になると考えられる。また、特許文献1では、ハードマスク層をパターニングすることによりフォトマスクを作製するものであるため、石英をエッチングすることについては述べられていない。
特許文献3も、主としてフォトマスクの作製を目的としているため、ハードマスク層が遮光性を有することを前提としている。特許文献3では、クロムを主成分とする酸素を60at%以上含む層と、タンタル、ハフニウムもしくはジルコニウムを主成分とする層との積層構造のハードマスク層が開示されている。タンタル、ハフニウムもしくはジルコニウムを主成分とする層を備えたハードマスク層は、コスト高になるという問題がある。
また、クロムを主成分とする層において60at%以上の酸素を含む場合、石英をドライエッチングする際のマスクとしては、十分なエッチング耐性を有するとは言えないことが本発明者らの検討により明らかになってきた。
特許文献2は、クロム化合物として、CrOxNyCz(ただしx>0)からなるハードマスク層を備えたマスクブランクスを開示するものである。しかながら、特許文献2には、CrOxNyCz(ただしx>0)からなるハードマスク層をドライエッチングした際に、高い加工精度を得ることができる好適な組成範囲は示されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ドライエッチングにより基体の表面に高い加工精度で凹凸パターンを形成することができる、パターン形成マスク用薄膜層付基体を提供することを目的とする。また、本発明は、パターン形成マスク用薄膜層付基体を用いたパターン化基体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のパターン形成マスク用薄膜層付基体は、シリコンもしくはシリコン系化合物からなる基体と、
基体の表面に設けられた、酸素及び塩素の混合ガスのプラズマを用いたエッチング処理によりパターニングされて、パターン形成用のマスクとして用いられる薄膜層とからなり、
薄膜層が、クロム含有率が40原子%以上50原子%以下であるクロム酸化物からなり、10nm以下の厚みを有するものである。
本発明のパターン化基体の製造方法は、シリコンもしくはシリコン系化合物からなる基体と、基体の表面に設けられた、クロム含有率が40原子%以上50原子%以下であるクロム酸化物からなり、10nm以下の厚みを有する薄膜層とを備えたパターン形成マスク用薄膜層付基体を用意し、
薄膜層上にパターニング用のマスク層を形成し、
マスク層を用い、酸素及び塩素の混合ガスのプラズマによるエッチング処理を行うことにより、薄膜層をパターニングし、
パターニングされた薄膜層をマスクとして、フッ素系ガスを含有するプラズマによるエッチング処理を行うことにより、基体の表面をパターニングするパターン化基体の製造方法である。
本発明のパターン化基体の製造方法は、パターニングにおけるパターン線幅として50nm以下の部分を含む場合に好適であり、パターン線幅として30nm以下の部分を含む場合に、さらに好適である。
本発明のパターン化基体の製造方法は、酸素及び塩素の混合ガスにおける酸素と塩素との比は0.05〜0.40とすることが好ましい。
ここで酸素と塩素との比は、エッチング装置に導入する酸素および塩素の流量比(酸素/塩素)である。
また、フッ素系ガスを含有するプラズマにおけるフッ素系ガス含有率は50%以下とすることが好ましい。なお、ここでフッ素系ガスとは、フルオロカーボンガスおよび六フッ化硫黄ガスなど少なくともフッ素を構成元素として含むガスをいうものとし、プラズマ中に含有されているのはいずれか1種のフッ素系ガスであってもよいし、複数のフッ素系ガス種であってもよい。
パターニング用のマスク層の形成には、薄膜層上にレジスト膜を塗布し、インプリント法によりレジスト膜に凹凸パターンを形成する方法を用いてもよい。
パターン化基体としては、例えば、ナノインプリントテンプレートあるいは光学素子を製造することができる。ナノインプリントテンプレートには、マスターテンプレートあるいはマスターテンプレートによりインプリント法により凹凸パターンが転写されて作製されるサブマスターテンプレートが含まれる。
本発明のパターン形成マスク用薄膜層付基体は、シリコンもしくはシリコン系化合物からなる基体上に、クロム含有率が40原子%以上50原子%以下であるクロム酸化物からなる、10nm以下の厚みの薄膜層を備えているので、酸素及び塩素の混合ガスのプラズマを用いたエッチング処理により薄膜層をパターニングすれば、非常に加工精度の高いマスクパターンを形成することができ、その結果として、基体の表面に高い加工精度の凹凸パターンを形成することができる。
また、本発明のパターン化基体の製造方法は、上記本発明のパターン形成マスク用薄膜層付基体の薄膜層を、酸素及び塩素の混合ガスのプラズマを用いたエッチング処理によりパターニングするので、高い加工精度のマスクパターンを得ることができ、その後、そのパターニングされた薄膜層をマスクとして基体をエッチングすることにより、加工精度の高い凹凸パターンを備えたパターン化基体を得ることができる。
第1の実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体の断面図である。 第2の実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体の断面図である。 第1の実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体からパターン化基体を作製する工程を示す図である。 第2の実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体からパターン化基体を作製する工程を示す図である。 パターン形成マスク用薄膜層付基体上にレジストパターンをナノインプリント法により形成する工程を示す図である。 本発明のエッチング方法を実施する一実施形態のエッチング装置の概略構成を示す図である。 薄膜層の含有元素の深さ方向における含有率プロファイルを示す図である。 薄膜層の厚みを縦軸、薄膜層中のクロム含有率を横軸として実施例および比較例をプロットした図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。なお、視認しやすくするため、図面中の各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜変えている。
<第1の実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体>
図1は、本発明の第1の実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体1の断面図である。
本実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体1は、シリコンもしくはシリコン系化合物からなる基体40とその基体40の表面に設けられた、酸素及び塩素の混合ガスのプラズマを用いたエッチング処理によりパターニングされて、パターン形成用のマスクとして用いられる薄膜層50とからなり、この薄膜層50が、クロム含有率が40原子%以上50原子%以下であるクロム酸化物からなり、10nm以下の厚みを有するものである。
基体40は、表面に微細な凹凸パターンが形成される被パターン形成面を有する基体であり、図1において、基体40は平板状の基板である。
基体40を構成するシリコン系化合物としては、SiO、SiON等が挙げられる。クロム酸化物からなる薄膜層50とのエッチング比の点からSiOを主成分とする合成石英からなるものが特に好ましい。ここで、主成分とは全成分のうちの90%以上を占める成分とする。
薄膜層50はクロム酸化物からなるものであり、層全体におけるクロム含有率が40原子%以上、50原子%以下であれば、深さ方向位置によっては、クロム含有率が40原子%未満であったり、50原子%超であったりしてもよい。層全体に対するクロム含有率は、層の表面から深さ方向へArエッチングを行いながらX線光電子分光法を行い、各元素についての元素含有率の深さ依存性を測定し、その元素含有率を深さ方向に積分した値の比率を各元素の膜中含有率(原子%)とし、膜全体としてのクロム含有率(原子%)を求めるものとする。
薄膜層50は遮光性を有するものである必要はなく、薄膜層50の厚みは、10nm以下であることが好ましい。厚みは0.5nm以上であることが好ましく、より好ましくは2.5nm以上である。なお、ここで薄膜層の厚みは、集束イオンビームによって基板を加工し、加工断面を透過型電子顕微鏡によって観察することで測定した厚みとする。
本実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体1は、例えば、ナノインプリントのマスターテンプレートを作製するために用いることができ、光インプリント法に適用する際には、基体40は、インプリントに用いられる光に対して透明性を有する必要がある。例えば、UV光によりレジストを硬化する工程を有するインプリント法に適用する場合には、少なくともUV光に対して透明であることが好ましい。
本発明のパターン形成マスク用薄膜層付基体の基体は、平板状の基板に限るものではなく、凹凸パターンを形成すべき面を有する、シリコンもしくはシリコン系化合物からなるものであれば、特に制限はない。凹凸パターンを形成すべき面も平面に限らず曲面であってもよく、例えば凹レンズ、凸レンズなどの光学部材を基体としてもよい。なお、光学部材を作製する場合には、一般に、可視光に対して透明な材料からなる基体を用いる。
<第2の実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体>
図2は、第2の実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体2の断面図である。本実施形態においては、一面にザグリ部11を有する基体10を備えている。基体10は、さらに、他面のザグリ部11と対応する領域に台座部12を備えている。
このような基体10は、ナノインプリントによる凹凸パターン転写の際に特に適するものであり、基体は特に石英からなるものが好ましい。基体10の表面に設けられている台座部12に凹凸パターンを備えたテンプレートを作製すれば、デバイス製造工程で使用する際に、テンプレートがウエハなどの被転写媒体と接触する領域を台座部12表面に限定できるため、テンプレートのパターン形成領域外に存在する構造との接触を避けることができるなどの利点がある。台座部12の高さ(段差)は、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは20〜100μmである。
基体10としては、2〜8インチの円形ウエハや、半導体リソグラフィで用いられるレクチルの大きさで、65mm×65mm、5インチ×5インチ、6インチ×6インチ、又は9インチ×9インチの角型形状の基体の裏面中央に円形のザグリ部が設けられたものを用いることができる。ザグリ部11の形状は、気体の透過性、ザグリ加工により薄層化した部位の基板のたわみ具合(曲げ剛性)を考慮して決定される。
なお、本実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体2の薄膜層20の構成および効果は、第1の実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体1の薄膜層50の構成および効果と同様である。
パターン形成マスク用薄膜層付基体1、2における、基体10、40への薄膜層20、50の形成方法について説明する。
薄膜層20、50の成膜方法は、特に限定されるものではないが、例えば、気相成膜、より詳細には、スパッタリング法、化学気相蒸着法、分子線エピタキシー法あるいはイオンビームスパッタ法などにより形成することができる。特には、スパッタリング法により形成することが好ましい。
スパッタリング法による成膜は、より具体的には、ターゲットにCrを用い、Arガス及び酸素の混合ガス、又はArガスのみを用いることが好ましい。Oガスを使用する場合、スパッタ時のOガス流量比率は、Arに対して20分の1以下であることが好ましい。DC(直流)スパッタリング、又はRF(高周波)スパッタリングを用いることができ、Arガス単独でスパッタリングを行う場合は何れを用いてもよく、OガスとArガスの混合ガスを用いる場合はRFスパッタリングを用いることが好ましい。
ガス中の酸素量は、スパッタにより得られる膜中のクロム含有量を制御するために適宜定められる。深さ方向の酸素含有率を制御するために、必要に応じて成膜開始時、あるいは成膜途中のごく短時間だけ酸素を導入するようにしてもよい。
薄膜層20、50の厚みは、10nm以下で、最終的に得られる基体上の凹凸パターン凹部の狙い加工深さ、レジストとのエッチング選択比および透過率を考慮して適宜選択することができる。厚みの下限値は基体表面に膜を一様に成膜するために必要とされる0.5nm程度であるが、厚みは1nm以上、より好ましくは2.5nm以上である。
薄膜層20、50をエッチングして形成されるマスクパターンとしてはパターンの凹部幅が狭ければ狭いほど、マイクロローディング効果により凹部底の薄膜層のエッチング速度は低下する。薄膜層の厚みを10nm以下とすることにより、マスクパターン形成時のエッチング時間を抑制することができ、その結果、薄膜層をエッチングし終える前に、レジストパターンが消失することによるブレーク(断線)欠陥の発生を抑制することができる。
また、薄膜層の膜全体としてのクロム含有率を40原子%以上とすることにより基体をエッチングする際のマスクの耐性を十分なものとすることができ、凸部断面が矩形に近いパターン形状を得ることができる。また、クロム含有率を50%原子以下とすることにより、ラインエッジラフネス(LER; Line Edge Roughness)を低減し、側壁角度をより90°により近いものとすることができる。なお、マスクパターンの加工精度が高いと言える目安は、側壁角度が85°以上、LERの3σ値が設定ライン幅の10分の1以下である。
基体10、40の表面に凹凸パターンを精度よく形成しようとするとき、薄膜層20、50をエッチングして形成するマスクパターンの加工精度が十分に高いことを要する。層全体におけるクロム含有率が40原子%以上、50原子%以下、かつ10nm以下の薄膜層を備えることにより、高い加工精度のマスクパターンを得ることができ、結果として、50nm以下、30nm以下さらには30nm未満のパターン線幅の凹凸パターンを基体の被加工面に形成することができる。
次に、本発明のパターン化基体の製造方法について説明する。本発明のパターン化基体の製造方法は、上述のパターン形成マスク用薄膜層付基体からパターン化基体を製造する方法である。
<第1の実施形態のパターン化基体の製造方法>
図3は、第1の実施形態のパターン化基体の製造方法の工程を示す図である。ここでは、第1の実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体1を用い、パターン化基体として、ナノインプリント用のマスターテンプレートを作製する工程を説明する。
本実施形態のパターン化基体の製造方法は、上記の第1の実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体1を用意し(工程a)、薄膜層50上にパターニング用のマスク層65を形成し(工程b−c)、マスク層65を用いて酸素及び塩素の混合ガスのプラズマによるエッチング処理を行うことにより、薄膜層50をパターニングしてマスクパターン55を形成し(工程d)、マスクパターン55をマスクとして、基体40の表面にフッ素を含有するプラズマによるエッチング処理を施すことにより基体40の表面に凹凸パターンを形成し(工程e)、マスクパターン55の除去を行うことにより、パターン化基体40Aを得る(工程f)ものである。
本実施の形態の工程aにおいては、例えば、6インチ角、厚み0.25インチ(0.635cm)の石英基板からなる基体40に、薄膜層50が形成されてなるパターン形成マスク用薄膜層付基体1を用意する。
マスク層65を形成する工程b−cにおいては、例えば、スピンコートによりPHS(polyhydroxy styrene)系の化学増幅型レジストなどを主成分とするレジスト液を塗布してレジスト層60を形成し、その後、基体1をXYステージ上で走査しながら電子ビームを照射し、レジスト層60の25mm×31mm角の範囲をパターン露光する。その後、レジスト層を現像処理し、露光部分を除去してマスク層65としてレジストパターン(以下において、レジストパターン65とする。)を形成する。
薄膜層50をパターニングしてマスクパターン55を形成する工程dにおいては、エッチングとして、例えば、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching; RIE)を用いる。RIEのエッチング条件については、レジスト層に対する薄膜層のエッチング選択比が大きくなるように選択される。選択比が小さくなると、部分的にレジストパターンが消失し、ブレーク(断線)欠陥が生じるためである。ここで、選択比=薄膜層のエッチング速度/レジスト層のエッチング速度、と定義している。
本工程dにおいては、異方性エッチングを行うために、エッチング装置においてバイアス電力を付与したエッチングを行うことが好ましい。バイアス電力を付与することにより、エッチングが異方的に進行し、CD(Critical Dimension: 限界寸法)の増加を抑制することができる。ただしバイアス電力が大きすぎると、レジストパターンが消失する速度が速くなるため、バイアス投入電力は、通常0.01W/inch2〜0.3W/inch2(15.5W/m2〜465W/m2)であることが好ましい(投入電力を基板面積で序した値で示している。)。なお、エッチング装置の詳細は後記する。
本工程dのエッチングには、酸素と塩素との混合ガスを用い、この混合ガスのプラズマによるエッチングを行う。薄膜層はクロム酸化物であることから、塩素(Cl)と酸素(O)の混合ガスにより、塩化クロミル(CrOCl)を生成することによりクロム酸化物をエッチングすることができる。
マスクパターン55をマスクとした基体40のエッチング工程eには、薄膜層のエッチングと同様に、RIEを用いることが好ましく、特にICP−RIE、CCP−RIEまたはECR−RIEであることが好ましい。石英からなる基体40に対するエッチングガスとしては、フッ素系ガス(CHF、CF、SF、および/またはC)と、Ar、HeもしくはXeなどの希ガスとの混合ガスを用いる。フッ素系ガスと希ガスとの比は1以下であることが好ましい。ここでフッ素系ガスと希ガスとの比は、エッチング装置に導入するフッ素系ガスおよび希ガスの流量比(フッ素系ガス/希ガス)である。
マスクパターン55を除去する工程fにおいては、例えば、塩素と酸素の混合ガスによるエッチングによりマスクパターン55を除去することができる。
以上の工程により、例えば、石英基板からなる基体40の中央部に、幅28nm、ピッチ56nm、深さ60nmの溝形状のラインパターンからなる凹凸パターンが形成されてなるパターン化基体40Aを得ることができる。
このパターン化基体40Aは、ナノインプリント法におけるマスターテンプレートとして用いることができる。なお、このパターン化基体40Aの表面にディップコート法により離型処理が施されたものを、下記の第2の実施形態のパターン化基体の製造方法において用いることができる。
<第2の実施形態のパターン化基体の製造方法>
図4は、第2の実施形態のパターン化基体の製造方法の工程を示す図である。ここでは、第2の実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体2を用い、上記第1の実施形態のパターン化基体の製造方法により製造されたパターン化基体40Aをマスターテンプレート(以下において、マスターテンプレート40Aとする)として用いて、ナノインプリント法により凹凸パターンを転写してパターン化基体としてサブマスターテンプレートを作製する工程を説明する。
本実施形態のパターン化基体の製造方法は、上記第2の実施形態のパターン形成マスク用薄膜層付基体2を用意し(工程a)、薄膜層20上にパターニング用のマスク層35を形成し(工程b)、マスク層35を用いて酸素及び塩素の混合ガスのプラズマによるエッチング処理を行うことにより、薄膜層20をパターニングしてマスクパターン25を形成し(工程c)、マスクパターン25をマスクとして、基体10の表面にフッ素を含有するプラズマによるエッチング処理を施すことにより基体10表面に凹凸パターンを形成し(工程d)、マスクパターン25の除去を行うことにより、パターン化基体10Aを得る(工程e)ものである。
本実施の形態の工程aにおいては、例えば、6インチ×6インチ、ザグリ部11でない部分の厚み6.35mm、円形ザグリ部の直径63mm、ザグリ部の残し厚み1.1mmの石英からなる基体10に、薄膜層20が形成されてなるパターン形成マスク用薄膜層付基体2を用意する。
マスク層35を形成する工程bにおいては、第1の実施形態のパターン化基体の製造方法で得られたマスターテンプレート40Aを用いたナノインプリント法が用いられる。図5は、ナノインプリント法によりマスク層35としてレジストパターン(以下においてレジストパターン35とする。)を形成する工程を模式的に示す図である。ナノインプリント法によるレジストパターン35の形成は、基体10上に形成された薄膜層20の上にレジスト液30を塗布する工程b、マスターテンプレート40Aをパターン形成マスク用薄膜層付基体2のレジスト液30が塗布された面に接触させ、押し付ける押圧工程b、凹凸パターン状のレジスト膜32を硬化させ、レジストパターン35とする硬化工程b−b、レジストパターン35からマスターテンプレート40Aを離型する離型工程bをこの順に含む。以下、各工程について説明する。
[レジスト液塗布工程b]
まず、使用するレジスト液30について説明する。
レジスト液30は、特に制限されるものではないが、例えば、重合性化合物に光重合開始剤(2質量%程度)、フッ素モノマー(0.1〜1質量%)を加えて調製された材料を用いることができる。また、必要に応じて酸化防止剤(1質量%程度)を添加することもできる。上記の手順により得られたレジスト液は波長360nmのUV光により硬化させることができる。溶解性の悪いものについては少量のアセトンまたは酢酸エチルを加えて溶解させた後、溶媒を蒸留して除去することが好ましい。上記重合性化合物としては、ベンジルアクリレート(ビスコート#160:大阪有機化学株式会社製)、エチルカルビトールアクリレート(ビスコート#190:大阪有機化学株式会社製)、ポリプロピレングリコールジアクリレート(アロニックスM−220:東亞合成株式会社製)、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート(アロニックスM−310:東亞合成株式会社製)等の他、下記構造式(1)で表される化合物A等を挙げることができる。また、上記重合開始剤としては、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン(IRGACURE 379:豊通ケミプラス株式会社製)等のアルキルフェノン系光重合開始剤を挙げることができる。また、上記フッ素モノマーとしては、下記構造式(2)で表される化合物B等を挙げることができる。ここで、レジスト剤の粘度は8〜20cPであることが好ましく、レジスト液塗布後のレジスト層の表面エネルギーは25〜35mN/mであることが好ましい。
Figure 0006479058
Figure 0006479058
上記のレジスト液を塗布するレジスト塗布方法としてはインクジェット法やディスペンス法など所定の量の液滴を基体またはマスターテンプレート上の所定の位置に配置できる方法を用いる。ただし、スピンコート法やディップコート法など均一な膜厚でレジストを塗布できる方法を用いても良い。基体上に液滴を配置する際は、所望の液滴量に応じてインクジェットプリンターまたはディスペンサーを使い分けても良い。例えば、液滴量が100nl(ナノリットル)未満の場合はインクジェットプリンターを用い、100nl以上の場合はディスペンサーを用いるなどの方法が挙げられる。
液滴をノズルから吐出するインクジェットヘッドには、ピエゾ方式、サーマル方式、静電方式などが挙げられる。これらの中でも、液適量(配置された液滴1つ当たりの量)や吐出速度の調整が可能なピエゾ方式が好ましい。基体上に液滴を配置する前には、あらかじめ液滴量や吐出速度を設定及び調整する。例えば、液適量は、マスターテンプレートの凹凸パターンの空間体積が大きい領域に対応する基体上の位置では多くし、マスターテンプレートの凹凸パターンの空間体積が小さい領域に対応する基体上の位置では少なくするなど調整することが好ましい。このような調整は、液滴吐出量(吐出された液滴1つ当たりの量)に応じて適宜制御される。具体的には、液滴量を5pl(ピコリットル)と設定する場合には、液滴吐出量が1plであるインクジェットヘッドを用いて同じ場所に5回吐出するように、液滴量を制御する。液滴量は、例えば事前に同条件で基体上に吐出した液滴の3次元形状を共焦点顕微鏡等により測定し、その形状から体積を計算することで求められる。上記のようにして液滴量を調整した後、所定の液滴配置パターンに従って、基体上に液滴を配置する。液滴配置パターンは、基体上の液滴配置に対応する格子点群からなる2次元座標情報により構成される。
他方、スピンコート法やディップコート法を用いる際は、所定の厚みになるようにレジストを溶媒で希釈し、スピンコート法の場合は回転数、ディップコート法の場合は引き上げ速度を制御することにより均一な塗布膜を基体上に形成すればよい。
<押圧工程b
マスターテンプレート40Aと基体10上の薄膜層20表面のレジスト塗布面とを接触させる前に、マスターテンプレート40Aとパターン形成マスク用薄膜層付基体2との間の雰囲気を減圧または真空雰囲気にすることで残留気体を低減する。但し、高真空雰囲気下では硬化前のレジストが揮発し、均一な膜厚を維持することが困難となる可能性があるため、好ましくはマスターテンプレートと基体間の雰囲気を、He雰囲気または減圧He雰囲気にすることで残留気体を低減する。Heは石英基板を透過するため、取り込まれた残留気体(He)は徐々に減少する。Heの透過には時間を要するため減圧He雰囲気とすることがより好ましい。減圧雰囲気は、1〜90kPaであることが好ましく、1〜10kPaが特に好ましい。
マスターテンプレート40Aと、レジスト液30が塗布された基体2とが所定の相対位置関係となるように両者を位置合わせした後に接触させる。位置合わせにはアライメントマークを用いることが好ましい。
マスターテンプレート40Aの押し付け圧は、100kPa以上、10MPa以下の範囲で行う。圧力が大きい方が、レジスト液の流動が促進され、また残留気体の圧縮、残留気体のレジストへの溶解、石英基板中のHeの透過も促進し、残留気体の除去率向上に繋がる。しかし、加圧力が強すぎるとマスターテンプレート接触時に異物を噛みこんだ際にマスターテンプレート及びパターン形成マスク用薄膜層付基体を破損する可能性がある。従って、マスターテンプレートの押し付け圧は、100kPa以上、10MPa以下が好ましく、より好ましくは100kPa以上、5MPa以下、更に好ましくは100kPa以上、1MPa以下である。100kPa以上としたのは、大気中でインプリントを行う際、マスターテンプレートとパターン形成マスク用薄膜層付基体との間が液体で満たされている場合、マスターテンプレートと基体が大気圧(約101kPa)で加圧されているためである。
<硬化工程b−b
マスターテンプレート40Aを押し付けてレジスト膜32を形成した後、レジスト液に含まれる重合開始剤に合わせた波長を含む光で露光し、レジストを硬化させてレジストパターン35を形成する。
<離型工程b
硬化後のレジストパターン35からマスターテンプレート40Aを剥離させる(離型する)。離型方法としては、マスターテンプレート40Aまたは基体10の一方の裏面または外縁部を保持し、他方の裏面または外縁部を保持した状態で、外縁の保持部もしくは裏面の保持部を押圧と反対方向に相対移動させる方法が挙げられる。
以上のようにして、マスターテンプレート40Aを離型した後、レジストパターン35の凹部の底に形成されているレジスト残膜を除去するための残膜エッチングを行い、引き続き、図4の工程c、dのエッチング処理を経てパターン化基体10Aを得る。
これらの各エッチング処理について説明する。図6は各エッチング工程を実施するためのエッチング装置100の一例を示す模式図である。
エッチング装置100は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な処理容器(チャンバー)101と、処理容器101の内部を所定の圧力まで減圧するための圧力調整部102aおよび真空ポンプ等の排気系102bを含む減圧部103と、処理容器101の内部に設けられ、被加工基体が載置され、被加工基体を支持固定する基体載置構造部110と、プラズマを発生させるための、高周波電源105およびプラズマ発生アンテナ106を含むプラズマ発生部107を有する。
基体載置構造部110は、下部電極112を含むものであり、本装置100は、その下部電極112にマッチングボックス118を介して接続されたバイアス電圧を付与するためのバイアス電源108を備えている。また、基体載置構造部110の温度を制御する温度調整器104、処理容器101内に所望のガスを導入するためのガス流量制御器を備えたガス導入部109を備えている。
本装置100で実施されるエッチングはRIEであることが好ましく、特にプラズマ発生のための機構としては、誘導結合型プラズマ(ICP)−RIE、容量結合型プラズマ(CCP)−RIEまたは電子サイクロトロン共鳴型(ECR)−RIEであることが好ましい。本実施形態においては、バイアス電力(プラズマと下部電極との間にバイアスを形成するための電力)の制御を容易にするため、プラズマ電力(プラズマを形成するための電力)と独立して制御可能な方式を採用している。
(1)残膜エッチング
残膜エッチングは、図5の工程b〜bに示したナノインプリント法によりレジストパターン35を形成した際にパターン凹部の底に形成されているレジスト残膜を除去するための工程である。エッチングガスとしては、酸素ガス、アルゴンガスあるいはフルオロカーボンガスを用いることができる。
(2)薄膜層のエッチング(図4の工程c)
薄膜層20のエッチング工程は、第1の実施形態のパターン化基体製造方法における薄膜層50のエッチング工程と同様にして行うことができる。
(3)基体のエッチング(図4の工程d)
薄膜層20をパターニングして得られたマスクパターン25をマスクとして基体10をエッチングする工程についても、第1の実施形態のパターン化基体製造方法におけるエッチング工程と同様にして行うことができる。
以上のエッチング工程を経て、基体10の表面にレジストパターン35に応じた凹凸パターンが形成され、凹凸パターン化基体10Aを得ることができる。
なお、本実施形態のパターン化基体10Aの製造方法においては、レジストパターンをインプリント法により形成するためのマスターテンプレートとして、第1の実施形態のパターン化基体40Aを用いたが、マスターテンプレートは予め用意されたもの、あるいは別途の方法で作製されたものを用いてもよい。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
<パターン形成マスク用薄膜層付基体の作製>
パターン形成マスク用薄膜層付基体の基体として、152mm角、厚さ6.35mmの石英基板であって、石英基板の基板中心部に被転写領域として26mm×32mm角、高さ30μmの台座形状がウエットエッチングにより形成され、基板裏面中央に直径63mm、深さ5mmのザグリ部が設けられているものを用いた。
基体上にパターン形成マスク用の薄膜層を、RFスパッタリング法によりクロム酸化物をスパッタ成膜により形成した。このとき、RFスパッタリングの条件は、ベース真空度を8.0×10−4Pa以下、RFパワーを150Wとし、成膜時の真空度及びガス種の比率、成膜膜厚(狙い膜厚)を下記表1に示す通り種々変化させて実施例1〜4、比較例1〜13のパターン形成マスク用薄膜層付基体を作製した。
各実施例および比較例の薄膜層の組成は、後工程の凹凸パターン形成領域とはならない領域において、Arエッチングを行いながらのX線光電子分光法により含有元素の深さプロファイルを求めることにより測定した。プロファイルの一例を図7に示す。図7において、横軸はスパッタ時間である。tは、クロム酸化物薄膜層と石英基板との境界位置に相当する。
各々の元素について、元素含有率の深さ依存性を測定し、その元素含有率を深さ方向に積分した値の比率を各元素の膜中含有率(原子%)とし、膜全体としてのクロム含有率(原子%)を求めた。
<各実施例および比較例のパターン形成マスク用薄膜層付基体からのパターン化基体の作製>
各実施例および比較例のパターン形成マスク用薄膜層付基体の薄膜層の表面に、レジストとの密着性に優れるシランカップリング剤であるKBM−5103(信越化学工業(株)製)により表面処理を施した。具体的には、KBM−5103をPGMEA(プロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセタート)で1質量%に希釈し、スピンコート法により、パターン形成マスク用薄膜層付基体の薄膜層の表面に塗布し、その希釈液が塗布されたパターン形成マスク用薄膜層付基体をホットプレート上で150℃、5分の条件でアニールし、シランカップリング剤を基板表面に結合させた。
(レジストパターン形成工程)
ここでは、ナノインプリント法によりレジストパターン形成を行った。
マスターテンプレートとして、6インチ角、厚み0.25インチの石英基板上の中央部の25mm×31mm角範囲に幅28nm、ピッチ56nm、深さ60nmの溝形状のラインパターンが形成されたものを用いた。マスターテンプレートの溝のテーパー角は86°であった。マスターテンプレートの表面にはディップコート法によりオプツール(登録商標)DSXで離型処理を行った。
既述の化学式(1)で表される化合物Aを48w%、アロニックス(登録商標)M220を48w%、IRGACURE(登録商標)379を3w%、既述の化学式(2)で表される化合物Bを1w%含有する光硬化性レジスト剤を調製し、このレジスト剤を各実施例および比較例のパターン形成マスク用薄膜層付基体の薄膜層上に塗布した。レジスト剤の塗布には、ピエゾ方式のインクジェットプリンターであるFUJIFILM Dimatix社製DMP−2838を使用した。インクジェットヘッドには専用の10pl(ピコリットル)ヘッドであるDMC−11610を使用した。液滴配置パターンは450μmピッチの格子状パターンとした。あらかじめ吐出条件を設定及び調整して、この液滴配置パターンに従い転写領域(基板台座上)に液滴を配置した。
マスターテンプレートとパターン形成マスク用薄膜層付基体とをギャップが0.1mm以下になる位置まで近接させ、基体の背面から基体上のアライメントマークとマスターテンプレート上のアライメントマークとが一致するように位置合わせを行う。マスターテンプレートとパターン形成マスク用薄膜層付基体との間の空間を99体積%以上のHeガスで置換し、He置換後に50kPa以下まで減圧した。減圧He条件下でマスターテンプレートをレジストからなる液滴に接触させた。接触後、1MPaの押付け圧で5秒間加圧し、その後、360nmの波長を含むUV光により、照射量が300mJ/cmとなるように露光してレジストを硬化させ、その後、マスターテンプレートとパターン形成マスク用薄膜層付基体とを剥離させた。
上記ナノインプリント法によるレジストパターン形成後、以下のエッチングおよびアッシングを順次行った。いずれも誘導結合型(ICP)の反応性イオンエッチング装置を用いた。
<残膜エッチング>
まず、上記ナノインプリント法によるレジストパターンの形成後、凹部に残留するレジスト膜を除去するために、下記に示すエッチング条件で残膜エッチングを行った。
ガス種; 酸素:アルゴン=2:1
プロセス圧力; 1Pa
ICPパワー; 100W
バイアスパワー; 50W
オーバーエッチング量; 50%
<薄膜層のエッチング>
次に、レジストパターンをマスクとして、下記に示すエッチング条件で薄膜層のエッチングを行い、マスクパターンを形成した。
ガス種; 塩素:酸素=4:1
プロセス圧力; 4.5Pa
ICPパワー; 300W
バイアスパワー; 5W
オーバーエッチング量; 100%
<基体(石英)エッチング>
次に、薄膜層のマスクパターンをマスクとして、下記に示すエッチング条件で基体(石英)のエッチングを行った。
ガス種; CHF:SF:Ar=10:1:50
プロセス圧力; 3Pa
ICPパワー; 75W
バイアスパワー; 75W
狙い深さ;60nm
<マスク除去>
さらにマスク除去を以下の条件にて行った。
ガス種; 塩素:酸素=3:1
プロセス圧力; 5Pa
ICPパワー; 100W
バイアスパワー 0W
以上のエッチング工程を経て、各実施例および比較例のパターン形成マスク用薄膜層付基体の基体表面に凹凸パターンを形成してパターン化基体を作製した。
(評価)
各実施例および比較例のパターン形成マスク用薄膜層付基体から作製されたパターン化基体について、電子顕微鏡にて表面の凹凸パターンを観察し、以下の評価を行った。
上面(TOP−VIEW)及び断面を観察し、画像解析からLERの3σ、及び側壁角度を求めた。
ここで、LERのσ値については、10万倍で観察したTOP-VIEWの電子顕微鏡像から、任意の位置におけるラインパターンのエッジ点(境界点)を、エッジに沿って1nm間隔で500点抽出し、それらエッジ点の座標情報からLERのσ値を算出した。これをラインパターンの任意の10箇所について行い、その平均値を最終的なσ値として採用し、LERの3σを求めた。
側壁角度は凸部パターンの側壁立ち上がり角度であり、15万倍で観察した電子顕微鏡の断面像から、断面におけるパターンの凹凸境界線を抽出し、パターン凸部の頂上と、パターン凹部の底の中間の高さにおける位置での、パターンエッジ境界線の傾き角を求めた。これを任意の10箇所について求め、その平均値を最終的な側壁角度とした。
LER(3σ値)≦2.8nm、かつ、側壁角度85°以上の場合は良好(G)、それ以外の場合を不良(N)と評価した。また、パターン形成不良のため測定不能であったものは全て不良(N)と評価した。
表1に薄膜層の成膜条件、薄膜層中のCr含有率、パターン化基体のLER、側壁角度を纏めて示す。なお、薄膜層は狙い膜厚として記載しているが、実際の膜厚は狙い膜厚に対して±5%以内に収まっていることを確認した。
Figure 0006479058
比較例8〜9は薄膜層のマスクパターンにおいて、スペース部(凹部)となるべき領域の薄膜層が、十分にエッチングできず残っていたために、基体の表面に凹凸パターンを形成することができていなかった。また、比較例10〜13は、薄膜層のマスクパターンのエッチング耐性が脆弱であったため基体表面の凹凸パターンのパターン形成不良となった。
図8は、薄膜層の厚みを縦軸、薄膜層中のクロム含有率を横軸として実施例および比較例をプロットした図である。図8中に実施例を白丸(○)、比較例を黒丸(●)で示している。また、図8には、併せて実施例1、比較例1、比較例2および比較例10についてのパターン化基体の表面の凹凸パターンの上面および断面の走査型電子顕微鏡像を示している。実施例1はLERが抑制され、側壁角度も良好な凹凸パターンが形成されていることが確認できる。他方、比較例1、2および10については側壁角度に鈍りが大きく、特に比較例10は凸部の高さが非常に低く、かつLERも大きいものであることが確認できる。
図8に示すように、破線で囲まれた、膜全体としてのクロム含有率が40原子%以上50原子%以下、かつ厚みが10nm以下の領域において、石英ドライエッチング後のLER、側壁角度に優れ、またエッチングマスクとしての耐性も確保できていることから、本発明の有効性が示された。
1、2 パターン形成マスク用薄膜層付基体
10、40 基体
10A、40A パターン化基体
11 ザグリ部
12 台座部
20、50 薄膜層
25、55 マスクパターン
30 レジスト液
32 レジスト膜
35 マスク層(レジストパターン)

Claims (8)

  1. シリコンもしくはシリコン系化合物からなる基体と、
    該基体の表面に設けられた、酸素及び塩素の混合ガスのプラズマを用いたエッチング処理によりパターニングされて、パターン形成用のマスクとして用いられる薄膜層とからなり、
    前記薄膜層が、窒素を含まず、クロム含有率が40原子%以上50原子%以下であるクロム酸化物からなり、10nm以下の厚みを有するパターン形成マスク用薄膜層付基体。
  2. シリコンもしくはシリコン系化合物からなる基体と、該基体の表面に設けられた、窒素を含まず、クロム含有率が40原子%以上50原子%以下であるクロム酸化物からなり、10nm以下の厚みを有する薄膜層とを備えたパターン形成マスク用薄膜層付基体を用意し、
    前記薄膜層上にパターニング用のマスク層を形成し、
    該マスク層を用い、酸素及び塩素の混合ガスのプラズマによるエッチング処理を行うことにより、前記薄膜層を
    パターニングし、
    該パターニングされた前記薄膜層をマスクとして、フッ素系ガスを含有するプラズマによるエッチング処理を行うことにより、前記基体の表面をパターニングするパターン化基体の製造方法。
  3. 前記パターニングにおけるパターン線幅として50nm以下の部分を含む請求項2記載のパターン化基体の製造方法。
  4. 前記酸素及び塩素の混合ガスにおける酸素と塩素との比を0.05〜0.40とする請求項2または3記載のパターン化基体の製造方法。
  5. 前記フッ素系ガスを含有するプラズマにおけるフッ素系ガス含有率を50%以下とする請求項2から4いずれか1項記載のパターン化基体の製造方法。
  6. 前記パターニング用のマスク層の形成は、前記薄膜層上にレジスト膜を塗布し、インプリント法によりレジスト膜に凹凸パターンを形成する方法による請求項2から5いずれか1項記載のパターン化基体の製造方法。
  7. 前記パターン化基体が、ナノインプリントテンプレートである請求項2から6いずれか1項記載のパターン化基体の製造方法。
  8. 前記パターン化基体が、光学素子である請求項2から6いずれか1項記載のパターン化基体の製造方法。
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