JP4933754B2 - フォトマスクブランクおよびフォトマスクならびにこれらの製造方法 - Google Patents

フォトマスクブランクおよびフォトマスクならびにこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フォトマスクおよびその素材であるマスクブランクならびにこれらの製造技術に関する。
近年では、大規模集積回路の高集積化に伴う回路パターンの微細化要求などに応えるために、高度の半導体微細加工技術が極めて重要な要素技術となってきている。例えば、大規模集積回路の高集積化は、回路を構成する配線パターンの細線化技術や、セルを構成する層間の配線のためのコンタクトホールパターンの微細化技術を必須のものとして要求する。大規模集積回路のパターン微細化が加速されるのは、その高速動作と低消費電力化のためであり、その最も有効な方法がパターンの微細化だからである。
このような高度の微細加工の殆どはフォトマスクを用いるフォトリソグラフィ技術により施されるものであるため、フォトマスクは露光装置やレジスト材料とともに微細化技術を支える基本技術となっている。このため、上述の細線化された配線パターンや微細化されたコンタクトホールパターンを有するフォトマスクを実現する目的で、より微細且つより正確なパターンをフォトマスクブランク上に形成するための技術開発が進められてきた。
高精度のフォトマスクパターンをフォトマスク基板上に形成するためには、フォトマスクブランク上に形成するレジストパターンを高精度でパターニングすることが前提となる。半導体基板を微細加工する際のフォトリソグラフィは縮小投影法により実行されるため、フォトマスクに形成されるパターンのサイズは半導体基板上に形成するパターンサイズの4倍程度の大きさとされるが、このことはフォトマスクに形成されるパターンの精度が緩和されることを意味するものではなく、むしろ露光後に半導体基板上に得られるパターン精度よりも高い精度でフォトマスクパターンを形成することが求められる。
また、現在では、フォトリソグラフィで半導体基板上に描画される回路パターンのサイズは露光光の波長よりもかなり小さなものとなってきているため、回路パターンをそのまま4倍に拡大したフォトマスクパターンが形成されたフォトマスクを使用して縮小露光を行うと、露光光の干渉などの影響により、フォトマスクパターン通りの形状をレジスト膜に転写することはできない。
そこで、超解像マスクとして、いわゆる光近接効果補正(Optical Proximity Effect Correction : OPC)を行うことで転写特性を劣化させる光近接効果の補正技術を適用したOPCマスクや、隣り合った開口パターンの位相を180°変化させて隣接する開口パターンの中間での光振幅をゼロとする位相シフトマスクが標準的に用いられている。例えば、OPCマスクには回路パターンの1/2以下のサイズのOPCパターン(ハンマヘッドやアシストバーなど)を形成する必要がある。
マスクパターンを形成するためには、通常は、透明基板上に遮光性膜を設けたフォトマスクブランクの上にフォトレジスト膜を形成し、このフォトレジスト膜に電子線を照射してパターン描画を行い、フォトレジスト膜を現像してレジストパターンを得る。そして、このレジストパターンを遮光性膜用のエッチングマスクとしてパターニングすることでフォトマスクパターンを得ることとなるが、微細なフォトマスクパターンを得るためには、以下のような理由により、フォトレジスト膜を薄膜化することが有効である。
レジスト膜の厚みを薄くすることなくレジストパターンのみを微細化すると、遮光性膜用のエッチングマスクとして機能するレジスト部のアスペクト比(レジスト膜厚とパターン幅との比)が大きくなってしまう。一般に、レジストパターンのアスペクト比が大きくなるとそのパターン形状が劣化しやすく、これをエッチングマスクとする遮光性膜へのパターン転写精度が低下してしまう。また、極端な場合には、レジストパターンの一部が倒れたり剥離を起こしてパターン抜けが生じたりすることも起こる。したがって、フォトマスクパターンの微細化に伴って、遮光性膜パターニング用のエッチングマスクとして用いるレジストの膜厚を薄くしてアスペクト比が大きくなりすぎないようにする必要がある。このアスペクト比は3以下であることが望ましいとされており、例えば70nmのレジストパターンを形成するためにはレジスト膜厚を210nm以下とすることが望ましいことになる。
ところで、フォトレジストをエッチングマスクとしてパターニングを施す場合の遮光性膜材料についてはすでに多くの材料が提案されてきた。このうち、クロム金属膜やクロム系化合物膜はそのエッチングに対する情報量が多く、実用上は常にクロム系材料が遮光性膜の材料として用いられてきており、事実上の標準加工工程として確立されている。例えば、特許文献1乃至3には、ArF露光用のフォトマスクブランクに求められる遮光特性を有する遮光性膜をクロム系化合物で形成したフォトマスクブランクの構成例が開示されている。
クロム系化合物の遮光性膜は一般的には酸素を含む塩素系ドライエッチングによりパターニングされるが、このエッチング条件はフォトレジストなどの有機膜に対しても無視できない程度のエッチング効果を奏することが多い。このため、膜厚が比較的薄いレジスト膜をマスクとしてクロム系化合物の遮光性膜をエッチングすると、このエッチング中にレジストがダメージを受けてレジストパターンの形状が変化し、本来のレジストパターンを遮光性膜上に正確に転写することが困難となる。
しかしながら、有機膜であるフォトレジストに、高い解像性及び高いパターニング精度とエッチング耐性とを同時に両立させることは技術的に困難である。したがって、従来のパターニングのプロセスを踏襲する限り、高解像性を得るためにはフォトレジスト膜を薄膜化しなければならない反面、パターニング工程におけるエッチング耐性を担保するためにはフォトレジスト膜の薄膜化が制限されるということとなり、高解像性とエッチング耐性との間にトレードオフの関係が生じる結果となる。
このため、フォトレジストへの負荷を低減させて薄膜化を図り、より高精度のフォトマスクパターンを形成するためには、パターニング対象とされる遮光性膜の構造(膜厚や組成など)を最適化することが必要となる。
特開2003−195479号公報 特開2003−195483号公報 登録実用新案第3093632号公報 特開2001−312043号公報 特開昭63−85553号公報
遮光性膜材料については既に多くの検討例があり、例えば特許文献4には、ArF露光用の遮光性膜としてタンタル金属膜を用いた例が報告されている。この例では、遮光性膜としてタンタル金属膜を、反射防止膜として酸化タンタル膜を用い、この2層をエッチングする際のフォトレジストへの負荷を低減するために、フォトレジストに対して比較的ダメージを与え難いフッ素系のガスプラズマでエッチングを実行することとされている。しかしながら、例えこのようなエッチング条件を選択したとしても、遮光性膜と反射防止膜の2層を、フォトレジストのみをマスクとしてエッチングする以上は、フォトレジストへの負荷低減には限界があり、微細なフォトマスクパターンを高精度で形成に対するという要求を充分に満足することは困難である。
一方、ハードマスクを用いることでドライエッチング時のフォトレジストへの負担を軽減させるという手法も知られており、例えば特許文献5には、金属シリサイド膜上に形成したSiO2膜をエッチングマスクとして金属シリサイド膜のドライエッチングを実行するという手法が開示されている。しかしながら、SiO2膜は導電性に乏しいために、電子ビーム露光時にチャージアップが生じてしまうという問題が起りやすい。また、フォトマスクブランクの欠陥検査は反射率に基づいてなされるのが一般的であり、257nmの波長の光が使用されるArF露光用マスクの欠陥検査を正確に行なうためには、この波長の光において10〜20%程度の反射率が必要とされる。しかし、SiO2膜をエッチングマスクとして用いると、このSiO2膜の反射率が高すぎて欠陥検査そのものの障害となるという問題がある。
このように、従来のフォトマスクブランクの構造では、微細なフォトマスクパターンを遮光性膜上に高精度で形成するという要求に充分に応えることは困難であり、このことは露光光波長が短く高い解像度が求められる250nm以下の波長の光を露光光として用いるフォトリソグラフィ用フォトマスク(KrF:248nm、ArF:193nm、F2:157nm)で特に深刻である。したがって、露光光の短波長化に伴い、高精度フォトマスクパターン形成のためのフォトレジストへの負荷低減を可能とする遮光性膜の設計が益々重要となる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、フォトマスクパターンを形成する際のマスクとして用いられるフォトレジストの薄膜化を可能とすることにより、微細なフォトマスクパターンを高精度で形成することが可能な構造の遮光性膜を備えフォトマスクブランク、およびそれを用いて作製されたフォトマスクを提供することにある。
本発明はこのような課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、透明基板上に、露光光に対する遮光性膜を有するフォトマスクブランクであって、前記遮光性膜は、全体膜厚が100nm以下であり、波長450nmの光に対する単位膜厚当りの光学濃度(OD)が0.025nm-1以下のクロム系化合物の膜厚が全体膜厚の70%以上を占めることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記遮光性膜の全体膜厚が80nm以下であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記遮光性膜は、クロム含有量が原子比で50at%以下のクロム系化合物の膜厚が全体膜厚の70%以上を占めることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記遮光性膜は、クロム含有量が原子比で50at%以上のクロム金属膜と、クロム含有量が原子比で50at%以下の第1および第2のクロム系化合物膜とを備え、前記クロム金属膜は、前記第1のクロム系化合物膜と前記第2のクロム系化合物膜との間に設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記遮光性膜は、クロム含有量が原子比で50at%以上の第1および第2のクロム金属膜と、クロム含有量が原子比で50at%以下の第1、第2、および第3のクロム系化合物膜とを備え、前記第1のクロム金属膜は前記第1のクロム系化合物膜と前記第2のクロム系化合物膜との間に設けられ、前記第2のクロム金属膜は前記第2のクロム系化合物膜と前記第3のクロム系化合物膜との間に設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記第2のクロム系化合物膜の膜厚は、3〜30nmの範囲であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記遮光性膜は、波長250nm〜270nmの光に対する反射率が30%以下であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか1項に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記遮光性膜は、反射防止機能を有することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記遮光性膜の光学濃度(OD)は、波長193nmの光に対して2.5〜3.5であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記遮光性膜の光学濃度(OD)は、波長248nmの光に対して2.5〜3.5であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10の何れか1項に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記遮光性膜は、複数の膜を積層させた多層膜であり、該多層膜の最表層の膜厚は10〜40nmであることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11の何れか1項に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記遮光性膜は、光学特性の異なる複数の膜を積層させた多層膜であり、該多層膜の最表層の消衰係数(k)は、波長193nmの光に対して1.0〜1.5であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12の何れか1項に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記遮光性膜は、光学特性の異なる複数の膜を積層させた多層膜であり、該多層膜の最表層の主要構成材質はクロム酸化物またはクロム窒化物もしくはクロム酸窒化物であり、前記最表層表面から0.5〜1.0nmの深さ範囲における膜中の酸素、窒素、および炭素の含有比率(at%)が、酸素含有比>窒素含有比>炭素含有比の関係にあることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13の何れか1項に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記遮光性膜上に、250nm以下の膜厚の化学増幅型フォトレジスト膜を備えていることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記化学増幅型フォトレジスト膜は、固形分含有比率が有機溶剤量の10重量%以下であり、かつ界面活性剤を含有する化学増幅型フォトレジストの塗布膜であることを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記化学増幅型フォトレジストの界面活性剤含有比率は、10〜1000ppmであることを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項15または16に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記界面活性剤は、フッ素置換基を有する界面活性成分を含むことを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項15または16に記載のフォトマスクブランクにおいて、前記界面活性剤は、フッ素置換基と珪素含有置換基の何れをも有しない非イオン系界面活性成分を含むことを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、フォトマスクであって、請求項1乃至18の何れか1項に記載のフォトマスクブランクを用いて作製されたことを特徴とする。
請求項20および請求項21に記載の発明は、それぞれ、フォトマスクブランクおよびフォトマスクの製造方法であって、請求項1乃至13の何れか1項に記載のフォトマスクブランクの表面に、250nm以下の膜厚の化学増幅型フォトレジスト膜を塗布する工程を備えていることを特徴とする。
本発明のフォトマスクブランクは、高いエッチング速度を有する金属含有比率の低い遮光性膜を100nm以下の膜厚で設けている。したがって、薄いフォトレジスト膜(たとえば、250nm以下の厚みの化学増幅型フォトレジスト膜)を塗布しこれをマスクとして用いてもエッチング中に受けるダメージが大幅に軽減される。このように、本発明のフォトマスクブランクは、所望の光学特性となるように各層の膜厚や組成を適正化するとともに、遮光性膜を低金属含有比率の膜とすることでドライエッチング速度を高めることとしたので、フォトマスクパターンを形成する際のマスクとして用いられるフォトレジストへのドライエッチング中の負荷が軽減され、実用上問題のないエッチング耐性が確保され、フォトレジスト膜の薄膜化が可能となる。つまり、本発明によれば、微細なフォトマスクパターンを高精度に形成するためのフォトレジスト膜の薄膜化が図られる。
また、本発明によれば、フォトマスクブランクに設ける遮光性膜の組成を従来のクロム系遮光性膜に比較して低クロム化(軽元素リッチ化)してドライエッチング速度を高めるとともに、所望の光学特性となるようにその膜厚および積層構造を適正化することとしたので、フォトマスクパターンを形成する際のマスクとして用いられるフォトレジストへのドライエッチング中の負荷が軽減され、実用上問題のないエッチング耐性が確保され、フォトレジスト膜の薄膜化が可能となる。
特に、本発明の遮光性膜においてはその薄膜化を図るとともに充分な遮光性を確保するために、軽元素リッチ・低クロム組成の膜と薄膜のクロム金属(性)膜とを積層させた構造を採用することとしたので、薄膜のクロム金属膜により遮光性が高められることに加え、積層膜同士の間に作用する応力が緩和され、さらには充分な導電性を確保することが可能となる。
つまり、本発明によれば、透過率Tと反射率Rを所望の値とするための光学特性の制御、成膜時の応力緩和、および遮光性膜の導電率制御という複数の要件を同時に満足し、かつ遮光性膜上に微細なフォトマスクパターンを高精度で形成することが可能なフォトマスクブランクを得ることができる。
以下に図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(本発明のフォトマスクが備える遮光性膜)
フォトマスクパターンを形成する際のマスクとして用いられるフォトレジストの薄膜化を可能とするためには、当該フォトレジストのマスクによりパターニングされる遮光性膜のエッチング中のフォトレジストへのダメージを軽減することが必要となり、そのためには、パターニングを施す遮光性膜の物理的な膜厚を薄くすること、および/または遮光性膜のエッチング速度を高めること、により、遮光性膜のエッチングに要する時間を短縮化することが重要なポイントとなる。
発明者らの検討結果によれば、遮光性膜のエッチング速度の高速化は膜中の金属含有比率を低くすることにより達成されることが確認されており、このことは、一般的に用いられるクロム系遮光性膜のクロム含有量(含有比率)が低くなるように膜設計することにより高速エッチングが可能となることを意味している。
たとえば、クロム化合物の遮光性膜を、酸素を含有させた塩素ガス(Cl2ガスとO2ガスの混合ガス)でドライエッチングする場合には、遮光性膜中のクロム含有比率(原子%)が低い膜ほどエッチング速度は高くなる。したがって、膜中のクロム含有比率を下げるとともに軽元素の含有比率を高めると、遮光性膜の高速エッチングが可能となり、フォトレジストのマスクへの負荷を軽減することが可能となるのである。
しかしながら、クロム化合物膜中の軽元素含有比率を高めてクロム含有比率を低くすると長波長側での減衰係数kが小さくなり、その結果として透過率Tが高くなって遮光性が低下する。したがって、単に膜中のクロム含有比率を低くしただけでは、遮光性膜としての遮光性を確保するためにその膜厚を厚くせざるを得ず、本来の目的であるエッチング時間の短縮化を図ることが困難となってしまう。つまり、遮光性膜のエッチング速度の高速化と薄膜化とはトレードオフの関係にある。
また、既に説明したように、フォトマスクブランクはそのパターン加工前に欠陥検査が行なわれるが、この欠陥検査は一般に検査波長の光の反射率に基づいてなされるから、高い精度で欠陥検査を行なうためには遮光性膜の反射率が高くなりすぎたり低くなりすぎたりしないように反射率を適正範囲とするための光学特性の設計が必要となる。つまり、フォトマスクブランクの欠陥検査を高精度で行なうためには、遮光性膜の反射率制御が重要なポイントとなる。
このように、フォトレジストマスクの薄膜化を可能とするフォトマスクブランクの遮光性膜の設計に際しては、クロム系遮光性膜のクロム含有比率を低くするとともに軽元素の含有比率を高めることでドライエッチングの高速化を図るとともに、光学膜として備えるべき減衰係数k(透過率T)と反射率Rを所望の値とするためのクロム化合物組成および膜厚dが選択されなければならない。また、遮光性膜を複数の層で形成する場合には、その積層構造を適正なものとすることが必要とされる。
さらに、複数の膜を積層させてフォトマスクブランクを構成する際の成膜技術上の観点からは、相互に積層された膜同士の間に作用する歪(応力)が充分に緩和されることが求められることに加え、フォトマスクとして用いる際に求められる所定の範囲の導電性を有していることも必要である。
つまり、微細なパターンが高精度で遮光性膜上に形成されたフォトマスクを得るためには、透過率Tと反射率Rを所望の値とするための光学特性の制御、成膜時の応力緩和、および遮光性膜の導電率制御といった複数の要件を同時に満足することが求められる。
そこで、本発明のフォトマスクブランクにおいては、クロム系化合物の遮光性膜の組成を従来の膜に比較して軽元素リッチ・低クロム組成とすることでドライエッチングの高速化を図りつつ、所望の透過率Tと反射率Rを得るための組成、膜厚、積層構造が適切に設計されることとなる。
本発明のフォトマスクブランクが備える遮光性膜は、その薄膜化を図るとともに充分な遮光性を確保するために、軽元素リッチ・低クロム組成の膜と薄膜のクロム金属(性)膜とを積層させた構造とされる。薄膜のクロム金属(性)膜を設けると、単に遮光性が高められるという効果のみならず、積層膜同士の間に作用する応力が緩和される効果、および導電性が高められる効果をも得られることとなる。このため、透過率Tと反射率Rを所望の値とするための光学特性の制御、成膜時の応力緩和、および遮光性膜の導電率制御という複数の要件を同時に満足することが可能なフォトマスクブランクが得られる。
このように、本発明のフォトマスクブランクが備える遮光性膜は、軽元素リッチ・低クロム組成の膜と薄膜のクロム金属(性)膜とを積層させた構造を有するが、以下では先ず、本発明の基礎となる軽元素リッチ・低クロム組成の膜の諸特性について説明する。
図1(a)乃至(c)は、本発明のフォトマスクブランクに設けられる遮光性膜の構成例を説明するための断面概略図、図1(d)はこれらの遮光性膜の光学特性(反射率および透過率)の組成依存性(クロム含有比率依存性)を説明するための図である。ここで例示されている3つの遮光性膜(A、B、およびC)は何れも、光学的に透明な石英の基板11の一方主面に成膜された、クロムを主要成分元素とするクロム酸窒化膜(CrON膜)12であり、膜中でのクロム含有比率および酸素含有比率が異なっている。具体的には、遮光性膜Aは41at%Cr・46at%O・13at%N、遮光性膜Bは43at%Cr・37at%O・20at%N、そして遮光性膜Cは45at%Cr・31at%O・24at%Nである。
なお、これらのクロム酸窒化膜の膜厚は何れも約70nmである。また、基板11としては、石英のほかにCF2あるいはアルミノシリケートガラスなどの一般的な透明基板を用いることとしてもよい。
ここで、クロム含有比率はESCA(Electron Spectrum for Chemical Analysis)により求めたものであり、遮光性膜中に含有されているクロムを膜の厚み全体について平均化して求めた値である。一般的なクロム系遮光性膜のクロム含有率は55〜70at%程度であるのに対して、本発明の遮光性膜のクロム含有比率は50at%以下であり、大幅に低クロム化が図られている。
本明細書においては、クロム含有比率が50at%以上の遮光性膜を「金属膜」ということがあり、本発明の遮光性膜は、例えば、クロム含有量が原子比で50at%以下のクロム系化合物の膜厚が全体膜厚の70%以上を占めるように設計される。また、この遮光性膜を、波長450nmの光に対する単位膜厚当りの光学濃度ODが0.03(nm-1)以下のクロム系化合物の膜厚が全体膜厚の70%以上を占めるように設計するようにしてもよい。ここで、「単位膜厚当りの光学濃度」とは遮光膜のOD(無次元)/遮光膜の膜厚(nm)を意味する。
図1(d)は、遮光性膜A、B、およびCの透過率の波長依存性を説明するための図で、この図に示した結果によれば、遮光性膜中のクロム含有比率を変えることで透過率(および反射率)を変化させることができることがわかる。特に、KrF露光で用いられる波長248nmよりも短い波長に対する透過率を概ね一定に維持しながらこの波長よりも長い波長領域での透過率(と透過率)を変化させることが可能である。
図2は、フォトマスクブランクの欠陥検査に用いられる波長257nmの光に対する反射率の膜中クロム含有比率依存性を説明するための図である。この図に示すように、クロム含有比率が47at%以下の遮光性膜からは10〜20%程度の反射率が得られており、欠陥検査を高い精度で行なう観点からは膜中のクロム含有比率を47at%以下の範囲に設計することが好ましいことがわかる。
なお、クロムの含有率は、スパッタ時に導入する反応性ガス量により制御することができるが、その下限値は、反応性ガス種により異なる。例えば、反応性ガスが酸素である場合、クロムの荷数が+3としたときの化学量論量は、40at%となり、下限値は、40at%となる。しかしながら、クロム含有率は、実測値で、35at%程度まで小さくなることがある。このように、化学量論量の下限値よりも少ない含有率となるのは、クロムが+3荷以外の荷数を取り得るためと考えられる。
図3は、上述の遮光性膜を酸素含有塩素系ドライエッチングした場合のクリアタイムから求めたドライエッチングレートのクロム含有比率依存性を説明するための図である。ここで、この図に示されているドライエッチングレートは、OD換算のドライエッチングレートで表現されている。クロムに必要な遮光性を持たせるための膜厚は、クロム膜の組成や層構造などによって異なる。一方、マスク性能で要求されるのは、クロム膜の遮光性である。そこで、求められる遮光性が得られるように成膜されたクロム膜をドライエッチングで除去するのに必要な時間を見積もるために、OD換算のドライエッチングレートを次のように定義した。OD換算のドライエッチングレートは、クロム膜のODをドライエッチング時間で割った値(つまり、OD換算ドライエッチングレート=クロム膜のOD/ドライエッチング時間(sec-1))で定義される。
図3から明らかなように、Cr含有比率が52〜100at%の遮光性膜のエッチングレートは0.0035sec-1程度であるが、Cr含有比率が概ね50at%以下になると急激にOD換算エッチレートが向上する。その効果は、波長が短いほど顕著となり、248nm以下の波長であれば、十分な効果が得られる。従来、クロム遮光膜の設計は、ブルーフィルターを透過した光(450nm)で設計されていた。この場合、Crの含有量を調整してもOD換算エッチレートを改善することは、困難であった。しかしながら、248nm以下の短波長域に限定したクロム遮光膜においては、クロム組成を適正に調整することにより、OD換算ドライエッチレートを向上させることが可能となる。このように、クロム系遮光性膜を低クロム化して軽元素リッチの膜とすることでドライエッチング時のエッチング速度が高められ、高速エッチングが可能となる。
フォトマスクブランクの設計に際しては、エッチング速度、遮光性膜としての全体膜厚、および所定の波長の光に対する反射率や透過率を適正範囲とするための光学特性(消衰係数kや屈折率nなど)を総合的に考慮して膜組成が決定されることとなるが、本発明においては遮光性膜のエッチングレートを低くする主要因となる金属領域(金属膜)を構成要素とすることなく遮光性膜が設計されたり、もしくはこのような金属膜を極めて薄いものとして透過率調整層としてのみ用いるように設計されたりする。
上述したように、本発明の遮光性膜はクロムと軽元素との化合物で形成されるが、このような化合物としてはクロム酸窒化物(CrON)のほかにも、クロム酸化物(CrO)、クロム窒化物(CrN)、クロム酸化炭化物(CrOC)、クロム窒化炭化物(CrNC)、またはクロム酸窒化炭化物(CrONC)などがあり、成膜の容易さや光学特性の制御のし易さなどの観点からは、窒素含有量を0〜50at%、酸素含有量を10〜60at%、炭素含有量を0〜40at%、の範囲に設定することが好ましい。
なお、本発明のフォトマスクブランクに設ける遮光性膜は、図1に示したように低クロム含有比率の単一層のみで構成することは勿論のこと、クロム含有比率の異なる複数の層を積層させて構成するようにしてもよい。
図4(b)および図4(c)は、クロム含有比率の異なる層(相対的な高クロム層と相対的な低クロム層)を積層させて構成した遮光性膜の光学特性の変化の様子を説明するための図で、遮光性膜Aは組成41at%Cr・46at%O・13at%Nの膜厚47nmの単一層で構成された遮光性膜(図1で図示済み)であり、遮光性膜DおよびEは何れも、クロム含有量が異なる2つの層(12aおよび12b)を積層させた構成の遮光性膜である。なお、図4(a)に図示されている遮光性膜は図1(a)に図示した遮光性膜Aと同じ膜である。
ここで、図4(b)に示した遮光性膜Dは、組成41at%Cr・46at%O・13at%Nの膜厚20nmの上層12bと組成43at%Cr・37at%O・20at%Nの膜厚27nmの下層12aとが積層されて全体膜厚が47nmとされており、図4(c)に示した遮光性膜Eは、組成41at%Cr・46at%O・13at%Nの膜厚20nmの上層12bと組成45at%Cr・31at%O・24at%Nの膜厚27nmの下層12aとが積層されて全体膜厚が47nmとされている。すなわち、遮光性膜DとEは何れも、その上層12bの組成は遮光性膜Aと同じであるが、下層12aの組成が上層の組成と異なっている。
なお、これらの高クロム層および低クロム層もまた、クロム酸化物、クロム窒化物、クロム酸窒化物、クロム酸化炭化物、クロム窒化炭化物、またはクロム酸窒化炭化物を主成分とする膜である。また、図4には2層の積層構造のみを例示したが、相互に異なるクロム含有比率の膜を複数積層させて遮光性膜を構成するようにしてもよいことはいうまでもない。さらには、透過率調整層としての薄い金属膜を備えた積層構造とするようにしてもよい。
図4(d)および図4(e)に示されているように、これらの膜はArF露光に用いる概ね200nm(193nm)の波長近傍の光に対する透過率(T)は概ね等しく何れも2%程度であるが、長波長領域での透過率(T:Transmittance)および反射率(R:Reflectance)は遮光性膜の構成により大きく変化する。遮光性膜を積層構造とすることの利点は、上下それぞれの層の組成と膜厚をパラメータとして遮光性膜を設計することが可能となるために、同等の光学特性を有する遮光性膜を単一組成膜で形成する場合に比較して設計自由度が大幅に高められることなどにある。
ここで、遮光性膜Dと遮光性膜Eのそれぞれの反射率と透過率を比較すると、これらの膜の200〜600nm波長領域での透過率には顕著な差異が認められないのに対して、当該波長領域での反射率の波長依存性は大きく異なり、遮光性膜Eの反射率は遮光性膜Dの反射率に比較して5%程度低い値を示している。このような光学特性の振る舞いは、透過率は膜中のクロム含有量でほぼ決まってしまうのに対して、反射率は遮光性膜の上層と下層の界面領域での光の反射特性、すなわちこれらの層の屈折率nの差(Δn)に依存するためである。換言すれば、高クロム層と低クロム層のクロム含有量の差を適当に選択することで、所望の反射率を有する遮光性膜を得ることができる。なお、フォトマスクブランクの設計および成膜プロセス上の観点からは、これらの層のクロム含有量の差を5at%以上とすると屈折率差Δnの制御が容易となる。
また、図4(b)および図4(c)に示した遮光性膜の例のように、最表面層に相対的にクロム含有比率が低い低クロム層を設けるのは、遮光性膜の反射防止効果を確保するためである。すなわち、遮光性膜の最表面に設けられた低クロム層は反射防止膜として機能して低反射率の遮光性膜を得ることができる。これとは逆に、基板側に低クロム層を設けることとすれば、ドライエッチングを施した際の面内でのエッチング均一性を確保することが容易となるという利点がある。
このような遮光性膜は、作製するフォトマスクブランクが求められる光学特性となるように適宜その組成や積層構造が選択されることとなるが、好ましくは露光光に対する透過率が0.01%以上5%以下、波長250nm〜270nmの光に対する反射率が10%以上20%以下となるように設計される。なお、高いパターニング精度を確保するためには物理的な膜厚は薄くすることが好ましく、遮光性膜の全体膜厚が100nm以下と設定することが望ましく、更に望ましくは、80nmとなるように設計することが好ましい。
図5は、本発明のフォトマスクブランクが備える遮光性膜の光学特性例を説明するための図で、図5(a)は各種の遮光性膜の層構造を説明するための断面概略図、図5(b)および図5(c)はそれぞれ、これらの遮光性膜の反射率特性および透過率特性である。
遮光性膜No.1、2、および3は、基板11上に第1の軽元素リッチ・低クロム組成の膜12aと薄膜のクロム金属膜13と第2の軽元素リッチ・低クロム組成の膜12bを積層させて構成された構造を有している。ここで、遮光性膜No.1、2、および3の構成上の差異は、基板11側の第1の軽元素リッチ・低クロム組成膜12aの厚み(それぞれの成膜時間は、240sec、230sec、200sec)のみであり、表面側の第2の軽元素リッチ・低クロム組成膜12bの厚み(成膜時間240sec)およびクロム金属膜13(成膜時間66sec)の厚みは概ね一定とされている。なお、参照試料(Ref.1)は軽元素リッチ・低クロム組成の膜12(その膜厚は成膜時間で540sec)のみの遮光性膜である。なお、これらの図に示されている軽元素リッチ・低クロム組成の膜は、図1で説明したのと同様に、クロム酸窒化膜(CrON膜)である。
図5(c)に示されているように、軽元素リッチ・低クロム組成の膜12のみの遮光性膜(Ref.1)では、従来のクロム系遮光性膜に比較して、遮光性膜中のクロム含有比率が大幅に低減されていることに対応して減衰係数kが小さくなり、その結果として透過率Tが高くなって遮光性が低下する。したがって、このような軽元素リッチ・低クロム組成の膜12のみで充分な遮光性を確保するためにはその膜厚を厚くせざるを得ない。
これに対して、遮光性膜No.1〜3のように、軽元素リッチ・低クロム組成の膜12aおよび12bと薄膜のクロム金属膜13とを積層させることとすると、薄膜のクロム金属膜13により充分な遮光性を確保することができるようになる。すなわち、薄膜のクロム金属膜13は遮光性膜の透過率調整層として用いることができる。
また、図5(b)に示された結果によれば、軽元素リッチ・低クロム組成の膜12aおよび12bと薄膜のクロム金属膜13とを積層させることで、遮光性膜の反射率を低下させることができる。このことは、軽元素リッチ・低クロム組成の膜12と薄膜のクロム金属膜13とを積層させて構成された本発明の遮光性膜によれば、反射率を低く抑えて高精度な欠陥検査を可能とし、かつ遮光性膜としての遮光性を確保する膜設計が容易化されることを意味している。
本発明のように、遮光性膜を軽元素リッチ・低クロム組成膜12と薄膜のクロム金属膜13とを積層させて構成することとすると、上述した光学特性設計上の利点に加え、積層膜の応力緩和効果および導電性の向上効果をも合わせて得ることが可能である。
これらの効果のうち、積層膜の応力緩和効果とは以下のようなものである。すなわち、高クロム層(金属膜)と低クロム層を組み合わせることにより、遮光性膜の膜応力を制御することが可能となる。通常、高クロム層は、引っ張り応力、低クロム層は、圧縮応力を示すため、高クロム層と低クロム層を適切に組み合わせることにより、遮光性全体の膜応力をゼロに近づけることが可能となる。例えば、低クロム層が30〜45nm、高クロム層が5〜20nmである場合、遮光性膜の応力を十分に小さくすることが可能である。
また、一般に、遮光性膜には1kΩ/□程度の導電性が求められるが、薄膜のクロム金属膜13を構成要素とすることで実用上充分な導電性を得ることが可能である。たとえば、参照試料(Ref.1)の単層膜で構成された遮光膜では、5×106Ω/□程度のシート抵抗となるが、図5(a)のNo.1の構成を有する遮光性膜では、100Ω/□程度の低いシート抵抗を実現することが可能である。
図6は、透過率調整層としてのクロム金属膜が設けられた遮光性膜中での当該クロム金属膜の位置と遮光性膜の反射率との関係を説明するための図で、図6(a)は遮光性膜中でのクロム金属膜位置が異なる各種の積層構造を説明するための断面概略図、図6(b)はこれらの遮光性膜の反射率特性である。なお、比較のために、軽元素リッチ・低クロム組成膜のみの遮光性膜(Ref.2)の反射率も同時に示している。
ここで、これらの図に示されている軽元素リッチ・低クロム組成の膜は、図5を用いて説明したのと同様に、クロム酸窒化膜(CrON膜)であり、遮光性膜No.4、5、および6の構成上の差異は、基板11側の第1の軽元素リッチ・低クロム組成膜12aの厚み(成膜時間でそれぞれ、250sec、200sec、150sec)と表面側の第2の軽元素リッチ・低クロム組成膜12bの厚み(成膜時間でそれぞれ、150sec、200sec、250sec)であり、これらの遮光性膜が備えるクロム金属膜は何れも略同じ厚み(成膜時間100sec)とされている。なお、遮光性膜No.4〜6および参照試料(Ref.2)は概ね同じ総膜厚(成膜時間500sec)となるように成膜されている。
この図に示すように、クロム金属膜13を設ける位置によって遮光性膜の反射率は変化し、クロム金属膜13を基板11側に近く設けるほどその反射率が低くなる傾向を示す。これは、光の干渉効果によるものである。
ここで、遮光性膜の反射率が極小となる波長は、軽元素リッチ・低クロム組成膜12bの光学距離(膜厚に比例)に依存する。例えば、軽元素リッチ・低クロム組成膜12bを厚くすると(No.6の膜)、反射率を極小値とする波長は長くなり、逆に軽元素リッチ・低クロム組成膜12bを薄くすると(No.4の膜)反射率を極小値とする波長は短くなる。このように、軽元素リッチ・低クロム組成膜12bの膜厚を調整することにより、任意の反射率特性を得ることが可能となる。
図7は、本発明の遮光性膜の反射率が表面側に設けられた軽元素リッチ・低クロム組成膜により支配的に決定されることを説明するための図で、図7(a)は各遮光性膜の層構造を説明するための断面概略図、図7(b)はこれらの遮光性膜の反射率特性である。なお、これらの図に示されている軽元素リッチ・低クロム組成の膜もクロム酸窒化膜(CrON膜)である。
ここで例示されている遮光性膜の総厚は何れもその成膜時間換算で500secであり、遮光性膜No.5は、基板側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12aの膜厚(成膜時間換算)200sec、クロム金属膜13の膜厚(成膜時間換算)100sec、表面側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12bの膜厚(成膜時間換算)200secであり、遮光性膜No.7は、基板側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12aの膜厚(成膜時間換算)150sec、クロム金属膜13の膜厚(成膜時間換算)100sec、表面側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12bの膜厚(成膜時間換算)250secであり、遮光性膜No.8は、基板側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12aの膜厚(成膜時間換算)200sec、クロム金属膜13の膜厚(成膜時間換算)150sec、表面側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12bの膜厚(成膜時間換算)150secである。
この図に示すように、本発明の遮光性膜の反射率は表面側に設けられた軽元素リッチ・低クロム組成膜12bの膜厚により支配的に決定され、上下の軽元素リッチ・低クロム組成膜12a、12bに挟まれて設けられたクロム金属膜13の膜厚にはあまり大きな影響を受けることはないことがわかる。
図8は、透過率調整膜としてのクロム金属膜を複数設けた遮光性膜の構成例と効果を説明するための図である。ここには、クロム金属膜を1層だけ設けた遮光性膜(No.4およびNo.9)と、クロム金属膜を2層設けた遮光性膜(No.10およびNo.11)とが例示されており(図8(a))、これらの遮光性膜の反射率特性を図8(b)に示している。なお、これらの図に示されている軽元素リッチ・低クロム組成の膜もクロム酸窒化膜(CrON膜)である。
ここで例示されている遮光性膜の総厚は成膜時間換算で何れも500secであり、遮光性膜No.4は、基板側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12aの膜厚(成膜時間換算)250sec、クロム金属膜13の膜厚(成膜時間換算)100sec、表面側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12bの膜厚(成膜時間換算)150secであり、遮光性膜No.9は、基板側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12aの膜厚(成膜時間換算)200sec、クロム金属膜13の膜厚(成膜時間換算)150sec、表面側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12bの膜厚(成膜時間換算)150secである。
また、遮光性膜No.10は、基板側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12aの膜厚(成膜時間換算)200sec、基板側のクロム金属膜13aの膜厚(成膜時間換算)50sec、膜厚50secの表面側のクロム金属膜13bに挟まれる軽元素リッチ・低クロム組成膜12cの膜厚(成膜時間換算)50sec、表面側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12bの膜厚(成膜時間換算)150secである。
さらに、遮光性膜No.11は、基板側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12aの膜厚(成膜時間換算)75sec、基板側のクロム金属膜13aの膜厚(成膜時間換算)50sec、膜厚(成膜時間換算)50secの表面側のクロム金属膜13bに挟まれる軽元素リッチ・低クロム組成膜12cの膜厚(成膜時間換算)175sec、表面側の軽元素リッチ・低クロム組成膜12bの膜厚(成膜時間換算)150secである。
この図に示すように、透過率調整膜としてのクロム金属膜を複数設けると、遮光性膜の反射率は低下し、かつその反射率低下の程度は2枚のクロム金属膜の間隔(軽元素リッチ・低クロム組成膜12cの膜厚)に依存する。
ここで、複数のクロム金属膜を設けてArF露光用の遮光性膜を構成する場合には、これらのクロム金属膜の間隔(すなわち、これらに挟まれる軽元素リッチ・低クロム組成膜の膜厚)は3nm以上30nm以下とすることが好ましい。これは、クロム金属膜間で193nmの波長の光が定在波を生じて膜中で減衰し、遮光性膜の透過率を低くして遮光性を高めることが可能となるためである。
(フォトマスクブランクの基本構造)
図9(a)は、本発明のフォトマスクブランクの構造例を説明するための断面概略図で、フォトマスク基板としての石英などの透明基板11の一方主面上に遮光性膜12が設けられている。この遮光性膜12は実施例1で説明した層構造を有しており、いわゆる「遮光性膜」であることは勿論、反射防止膜をも兼ねる膜とすることができる。このような組成の膜とするのは、ドライエッチング特性、導電性、薬品耐性などの諸特性に優れているためである。
本発明のフォトマスクブランクをArF露光用のマスク作製用とする場合には、遮光性膜12の光学濃度ODが、波長193nmの光に対して2.5〜3.5の範囲の値となるように膜厚と組成が選択される。このような光学濃度ODを得るためには膜厚を50nm〜80nmの範囲に設定すればよいが、ドライエッチング時間の短縮化を図ることでパターニング精度を向上させるためには50nm〜70nmの膜厚に設定することが望ましい。
また、KrF露光用のマスク作製用とする場合には、遮光性膜12の光学濃度ODが、波長248nmの光に対して2.5〜3.5の範囲の値となるように膜厚と組成が選択される。このような光学濃度ODを得るためには膜厚を60nm〜100nmの範囲に設定すればよいが、ドライエッチング時間の短縮化を図ることでパターニング精度を向上させるためには60nm〜90nmの膜厚に設定することが望ましい。
遮光性膜12を、例えば図9(b)に示したように、光学特性の異なる複数の膜を積層させた多層膜として構成する場合には、その最表層の主要構成材質としてクロム酸化物またはクロム窒化物もしくはクロム酸窒化物とし、かつこの最表層の表面から0.5〜1.0nmの深さの範囲における膜中の酸素、窒素、および炭素の含有比率(at%)を、酸素含有比>窒素含有比>炭素含有比となるように組成選択することが好ましい。また、この最表層の膜厚は10〜25nmの範囲とすることが好ましい。さらに、本発明のフォトマスクブランクをArF露光用のマスク作製用とする場合には、多層膜の最表層の消衰係数kが波長193nmの光に対して1.0〜1.5の範囲の値となるように組成を選択することが好ましい。
上記のようにすることで、検査波長(250〜270nm)における反射率の制御が容易となる上に、OD換算ドライエッチングレートを十分に確保することが可能となる。また、遮光膜表面の塩基性が適度なものとなり、化学増幅型レジストの光酸発生剤に対する影響が小さくなることから、レジストのパターニング精度を良好に保つことが可能となる。
本発明のフォトマスクブランクの基本構造は以上のとおりであるが、遮光性膜12の上に化学増幅型フォトレジスト膜を予め設けた状態のものを「フォトマスクブランク」としてもよい。ここで、フォトレジストを化学増幅型のものとするのは、高感度で、微細なパターンを形成するのに適しているからである。この場合、化学増幅型フォトレジスト膜は250nm以下の膜厚で塗布形成される。
このような膜厚に設定するのは、微細なパターン形成が求められるArF露光用フォトマスクを作製する場合のレジスト膜にはアスペクト比が大きくならないように比較的薄膜であることが求められるためである。また、より薄いレジスト膜を使用したほうが、原則的には良好な解像性が得られる一方、レジストパターンがエッチング中にダメージを受けると、パターン忠実度が下がってしまうが、本発明の容易にエッチング可能な遮光性膜の場合、エッチング時間が従来のものよりも短くてすむため、レジスト膜を薄くすることができ、200nm以下のレジスト膜を使用することで、良好な加工精度を得ることができる。また、レジスト膜の膜厚下限は用いるレジスト材料のエッチング耐性などの条件を総合的に考慮して決定されるが、一般的には75nm以上であることが好ましく、より好ましくは100nm以上とされる。
用いられる化学増幅型レジストは、ポジ型でもネガ型でも良く、公知のレジスト、特に芳香族骨格をポリマー中に有する材料を用いたものが好適に使用される。
本発明においては、塗布性が非常に重要であり、化学増幅型フォトレジスト膜の形成用フォトレジストには、例えば含有比率10〜1000ppmで界面活性剤が添加(含有)されており、かつ固形分の含有比率は有機溶剤量の10重量%以下となるように調整されている。化学増幅型フォトレジストに添加される界面活性剤としては、フッ素置換基を有する界面活性成分を含むものの他、フッ素置換基と珪素含有置換基の何れをも有しない非イオン系界面活性成分を含むものであってもよく、これらを混合して用いても良い。
(フォトマスクブランク、およびパターニングプロセスの第1例)
図10および図11はそれぞれ、本発明のハーフトーンフォトマスクブランクの作製に用いる成膜装置(スパッタリング装置)の構成例、およびこのフォトマスクブランクにパターニングを施す際のプロセス工程例を説明するための図である。
図10において、11は6インチの角形石英基板である透明基板であり、一般には、その表面および端面が精密研磨された石英基板が用いられる。101はチャンバ、102aは第1のターゲット、102bは第2のターゲット、103はスパッタガス導入口、104はガス排気口、105は基板回転台、106aおよび106bはそれぞれ、第1および第2のターゲットにバイアスを印加するための電源である。
第1のターゲット102aおよび第2のターゲット102bとして共にクロム金属を用い、遮光性膜を成膜する。先ず、スパッタガスとして15sccmのArガスと30sccmのN2ガスおよび15sccmのO2ガスの混合ガスをチャンバ101内に導入してチャンバ内ガス圧が0.1Paになるように設定し、第1および第2のターゲット102aおよび102bにそれぞれ、500Wおよび500Wの放電電力を印加して、基板11を30rpmで回転させながらクロム含有量が原子比で50at%以下のCrON膜70nmを成膜した。
なお、このような遮光性膜の成膜条件は、その膜組成や積層構造の設計に応じて、種々に変更可能である。例えば、CrONC膜を成膜する場合にはスパッタガスとしてはCH4,CO2,COなどの炭素を含むガスと、NO,NO2,N2などの窒素を含むガスと、CO2,NO,O2等の酸素を含むガスのそれぞれ1種以上を導入するか、これらにAr,Ne,Krなどの不活性ガスを混合したガスを用いることもできる。特に、基板面内均一性、製造時の制御性の点からは、炭素源および酸素源ガスとしてCO2ガスまたはCOガスを用いることが好ましい。また、ガス導入方法としては各種スパッタガスを別々にチャンバ内に導入してもよいし、いくつかのガスをまとめてまたは全てのガスを混合して導入してもよい。
なお、クロム含有量が原子比で50at%以下のCrON膜の場合の好ましい組成は、Crが40〜50原子%、Nが10〜35原子%、Oが25〜50原子%、であるが、より好ましくは、Crが40〜45原子%、Nが15〜30原子%、Oが30〜50原子%である。また、クロム含有量が原子比で50at%以下のCrONC膜の場合の好ましい組成は、Crが40〜50原子%、Nが10〜35原子%、Oが25〜50原子%、Cが5〜15原子%、であるが、より好ましくは、Crが40〜45原子%、Nが15〜30原子%、Oが30〜50原子%、Cが5〜15原子%、である。
本発明のフォトマスクブランクを用いてマスク作製する際のパターニングは、先ず、透明基板11上に、実施例1および実施例2で説明した組成および膜厚を有する遮光性膜12を順次積層したフォトマスクブランクの主面上に、250nm以下の膜厚で化学増幅型フォトレジスト膜14を塗布形成する(図11(a))。通常のフォトレジスト膜厚は概ね300nm程度であるから、上記の250nmという膜厚は約17%程度薄膜化が図られていることになる。なお、既に説明したが、このような化学増幅型フォトレジスト膜14を塗布した状態のものを「フォトマスクブランク」として取り扱うことも可能である。
ここで、フォトレジスト膜14の形成に先立って、後のプロセスにおける微細パターンの剥がれや倒れという問題の発生を防ぐことを目的として、塗布面(遮光性膜12表面)の表面エネルギを低減させておくための表面処理を実施しておくことが好ましい。このような表面処理の好ましい方法としては、半導体製造工程で常用されるヘキサメチルジシラザン(HMDS)やその他の有機シリコン系の表面処理剤でフォトマスク基板表面をアルキルシリル化する方法があり、基板表面をこのような表面処理剤のガス中に暴露したり、あるいは基板表面に表面処理剤を直接塗布するなどの方法を採り得る。
このフォトレジスト膜14にレジストパターンを形成し(図11(b))、得られたレジストパターンをマスクとして、酸素含有塩素系ドライエッチングにより遮光性膜12のパターニングを施し(図11(c))、最後に、残存しているフォトレジスト膜14が除去されてフォトマスクが得られる(図11(d))。
本実施例では、遮光性膜12のクリアタイム(塩素+酸素系ドライエッチングにおける)は300秒であるから、従来の遮光性膜のクリアタイム480秒に比較して大幅なクリアタイムの短縮化が実現されている。また、ドライエッチング終了後のフォトレジスト(マスク)を走査電子顕微鏡で確認したところ、マスクパターンの劣化は認められず、クリアタイムの短縮化によってフォトレジストへのダメージが軽減されていることが確認された。
(フォトマスクブランク、およびパターニングプロセスの第2例)
本実施例も、図10および図11により説明する。なお、成膜装置(スパッタリング装置)の構成は既に説明したとおりであり、用いた基板も6インチの角形石英基板である透明基板である。
第1のターゲット102aおよび第2のターゲット102bとして共にクロム金属を用い、半透明膜上に遮光性膜を成膜する。先ず、スパッタガスとして15sccmのArガスと30sccmのN2ガスおよび15sccmのO2ガスの混合ガスをチャンバ101内に導入してチャンバ内ガス圧が0.1Paになるように設定し、第1および第2のターゲット102aおよび102bにそれぞれ、500Wおよび500Wの放電電力を印加して、基板11を30rpmで回転させながら膜厚30nmのCrONを成膜した。
次に、30sccmのArガスをチャンバ101内に導入してチャンバ内ガス圧が0.1Paになるように設定し、第1および第2のターゲット102aおよび102bにそれぞれ、500Wおよび500Wの放電電力を印加して、基板11を30rpmで回転させながら膜厚15nmのCrを成膜した。
更に、15sccmのArガスと30sccmのN2ガスおよび15sccmのO2ガスの混合ガスをチャンバ101内に導入してチャンバ内ガス圧が0.1Paになるように設定し、第1および第2のターゲット102aおよび102bにそれぞれ、500Wおよび500Wの放電電力を印加して、基板11を30rpmで回転させながら膜厚25nmのCrONを成膜し、クロム含有量が原子比で50at%以下のクロム系化合物の膜厚が全体膜厚の70%以上を占める全厚70nmの遮光性膜を形成した。
なお、このような遮光性膜の成膜条件は、その膜組成や積層構造の設計に応じて、種々に変更可能である。例えば、CrONC膜を成膜する場合にはスパッタガスとしてはCH4,CO2,COなどの炭素を含むガスと、NO,NO2,N2などの窒素を含むガスと、CO2,NO,O2等の酸素を含むガスのそれぞれ1種以上を導入するか、これらにAr,Ne,Krなどの不活性ガスを混合したガスを用いることもできる。特に、基板面内均一性、製造時の制御性の点からは、炭素源および酸素源ガスとしてCO2ガスまたはCOガスを用いることが好ましい。また、ガス導入方法としては各種スパッタガスを別々にチャンバ内に導入してもよいし、いくつかのガスをまとめてまたは全てのガスを混合して導入してもよい。
なお、クロム含有量が原子比で50at%以下のCrON膜の場合の好ましい組成は、Crが40〜50原子%、Nが10〜35原子%、Oが25〜50原子%、であるが、より好ましくは、Crが40〜45原子%、Nが15〜30原子%、Oが30〜50原子%である。また、クロム含有量が原子比で50at%以下のCrONC膜の場合の好ましい組成は、Crが40〜50原子%、Nが10〜35原子%、Oが25〜50原子%、Cが5〜15原子%、であるが、より好ましくは、Crが40〜45原子%、Nが15〜30原子%、Oが30〜50原子%、Cが5〜15原子%、である。
本発明のフォトマスクブランクを用いてマスク作製する際のパターニングは、先ず、透明基板11上に、実施例1および実施例2で説明した組成および膜厚を有する遮光性膜12を形成したフォトマスクブランクの主面上に、250nm以下の膜厚で化学増幅型フォトレジスト膜14を塗布形成する(図11(a))。通常のフォトレジスト膜厚は概ね300nm程度であるから、上記の250nmという膜厚は約17%程度薄膜化が図られていることになる。なお、既に説明したが、このような化学増幅型フォトレジスト膜14を塗布した状態のものを「フォトマスクブランク」として取り扱うことも可能である。
ここで、フォトレジスト膜14の形成に先立って、後のプロセスにおける微細パターンの剥がれや倒れという問題の発生を防ぐことを目的として、塗布面(遮光性膜12表面)の表面エネルギを低減させておくための表面処理を実施しておくことが好ましい。このような表面処理の好ましい方法としては、半導体製造工程で常用されるヘキサメチルジシラザン(HMDS)やその他の有機シリコン系の表面処理剤でフォトマスク基板表面をアルキルシリル化する方法があり、基板表面をこのような表面処理剤のガス中に暴露したり、あるいは基板表面に表面処理剤を直接塗布するなどの方法を採り得る。
このフォトレジスト膜14にレジストパターンを形成し(図11(b))、得られたレジストパターンをマスクとして、酸素含有塩素系ドライエッチングにより遮光性膜12のパターニングを施し(図11(c))、最後に、残存しているフォトレジスト膜14が除去されてフォトマスクが得られる(図11(d))。
本実施例では、遮光性膜12のクリアタイム(塩素+酸素系ドライエッチングにおける)は300秒であるから、従来の遮光性膜のクリアタイム480秒に比較して大幅なクリアタイムの短縮化が実現されている。また、ドライエッチング終了後のフォトレジスト(マスク)を走査電子顕微鏡で確認したところ、マスクパターンの劣化は認められず、クリアタイムの短縮化によってフォトレジストへのダメージが軽減されていることが確認された。
以上、実施例により本発明のフォトマスクブランクおよびこれを用いて作製されるフォトマスクについて説明したが、上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内にあり、更に本発明の範囲内において他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
本発明は、微細なフォトマスクパターンが高精度で形成されたフォトマスクおよびこれを作製するためのフォトマスクブランクを提供する。
(a)乃至(c)は、本発明のフォトマスクブランクに設けられる遮光性膜の構成例を説明するための断面概略図、(d)はこれらの遮光性膜の光学特性(反射率および透過率)の組成依存性(クロム含有比率依存性)を説明するための図である。 フォトマスクブランクの欠陥検査に用いられる波長257nmの光に対する反射率の膜中クロム含有比率依存性を説明するための図である。 遮光性膜を酸素含有塩素系ドライエッチングした場合のクリアタイムから求めたドライエッチングレートのクロム含有比率依存性を説明するための図である。 (a)乃至(c)は本発明のフォトマスクブランクに設けられる遮光性膜の構成例を説明するための断面概略図、(d)および(e)はそれぞれ、これらの遮光性膜の反射率(Reflectance)および透過率(Transmittance)の波長依存性を説明するための図である。 本発明のフォトマスクブランクが備える遮光性膜の光学特性例を説明するための図で、(a)は各種の遮光性膜の層構造を説明するための断面概略図、(b)および(c)はそれぞれ、これらの遮光性膜の反射率特性および透過率特性である。 透過率調整層としてのクロム金属膜が設けられた遮光性膜中での当該クロム金属膜の位置と遮光性膜の反射率との関係を説明するための図で、(a)は遮光性膜中でのクロム金属膜位置が異なる各種の積層構造を説明するための断面概略図、(b)はこれらの遮光性膜の反射率特性である。 本発明の遮光性膜の反射率が表面側に設けられた軽元素リッチ・低クロム組成膜により支配的に決定されることを説明するための図で、(a)は各遮光性膜の層構造を説明するための断面概略図、(b)はこれらの遮光性膜の反射率特性である。 透過率調整膜としてのクロム金属膜を複数設けた遮光性膜の構成例と効果を説明するための図である。 本発明のフォトマスクブランクの構造例を説明するための断面概略図である。 本発明のフォトマスクブランクの作製に用いる成膜装置(スパッタリング装置)の構成例を説明するための図である。 本発明のフォトマスクブランクにパターニングを施す際のプロセス工程例を説明するための図である。
符号の説明
11 透明基板
12 遮光性膜
13 クロム金属膜
14 化学増幅型フォトレジスト膜
101 チャンバ
102a 第1のターゲット
102b 第2のターゲット
103 スパッタガス導入口
104 ガス排気口
105 基板回転台
106a、106b 電源


Claims (20)

  1. 透明基板上に、露光光に対する遮光性膜を有するフォトマスクブランクであって、
    前記遮光性膜は、全体膜厚が100nm以下であり、クロム含有量が原子比で50at%以上のクロム金属膜および該クロム金属膜よりも低いクロム含有量のクロム系化合物の膜であって且つ波長450nmの光に対する単位膜厚当りの光学濃度(OD)が0.03nm−1以下のクロム系化合物の膜を有し、
    前記クロム系化合物の膜は、クロム酸窒化物(CrON)、クロム酸化物(CrO)、クロム窒化物(CrN)、クロム酸化炭化物(CrOC)、クロム窒化炭化物(CrNC)、またはクロム酸窒化炭化物(CrONC)の何れかの化合物から形成されたクロム含有比率が原子比で50at%以下の膜であり、該クロム系化合物の膜厚が全体膜厚の70%以上を占めることを特徴とするフォトマスクブランク。
  2. 前記遮光性膜の全体膜厚は、80nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクブランク。
  3. 前記クロム系化合物の膜は第1および第2のクロム系化合物膜を備え、該第1および第2のクロム系化合物膜は何れもクロム含有量が原子比で50at%以下であり、
    前記クロム金属膜は、前記第1のクロム系化合物膜と前記第2のクロム系化合物膜との間に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォトマスクブランク。
  4. 前記クロム金属膜は第1および第2のクロム金属膜を備え、該第1および第2のクロム金属膜は何れもクロム含有量が原子比で50at%以上であり、
    前記クロム系化合物の膜は第1、第2、および第3のクロム系化合物膜を備え、該第1乃至第3のクロム系化合物膜は何れもクロム含有量が原子比で50at%以下であり、
    前記第1のクロム金属膜は前記第1のクロム系化合物膜と前記第2のクロム系化合物膜との間に設けられ、前記第2のクロム金属膜は前記第2のクロム系化合物膜と前記第3のクロム系化合物膜との間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のフォトマスクブランク。
  5. 前記第2のクロム系化合物膜の膜厚は、3〜30nmの範囲であることを特徴とする請求項3又は4に記載のフォトマスクブランク。
  6. 前記遮光性膜は、波長250nm〜270nmの光に対する反射率が30%以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のフォトマスクブランク。
  7. 前記遮光性膜は、反射防止機能を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のフォトマスクブランク。
  8. 前記遮光性膜の光学濃度(OD)は、波長193nmの光に対して2.5〜3.5であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のフォトマスクブランク。
  9. 前記遮光性膜の光学濃度(OD)は、波長248nmの光に対して2.5〜3.5であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のフォトマスクブランク。
  10. 前記遮光性膜は、複数の膜を積層させた多層膜であり、該多層膜の最表層の膜厚は10〜30nmであることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のフォトマスクブランク。
  11. 前記遮光性膜は、光学特性の異なる複数の膜を積層させた多層膜であり、該多層膜の最表層の消衰係数(k)は、波長193nmの光に対して1.0〜1.5であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のフォトマスクブランク。
  12. 前記遮光性膜は、光学特性の異なる複数の膜を積層させた多層膜であり、該多層膜の最表層の主要構成材質はクロム酸化物またはクロム窒化物もしくはクロム酸窒化物であり、前記最表層表面から0.5〜1.0nmの深さ範囲における膜中の酸素、窒素、および炭素の含有比率(at%)が、酸素含有比>窒素含有比>炭素含有比の関係にあることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載のフォトマスクブランク。
  13. 前記遮光性膜上に、250nm以下の膜厚の化学増幅型フォトレジスト膜を備えていることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載のフォトマスクブランク。
  14. 前記化学増幅型フォトレジスト膜は、固形分含有比率が有機溶剤量の10重量%以下であり、かつ界面活性剤を含有する化学増幅型フォトレジストの塗布膜であることを特徴とする請求項13に記載のフォトマスクブランク。
  15. 前記化学増幅型フォトレジストの界面活性剤含有比率は、10〜1000ppmであることを特徴とする請求項14に記載のフォトマスクブランク。
  16. 前記界面活性剤は、フッ素置換基を有する界面活性成分を含むことを特徴とする請求項14又は15に記載のフォトマスクブランク。
  17. 前記界面活性剤は、フッ素置換基と珪素含有置換基の何れをも有しない非イオン系界面活性成分を含むことを特徴とする請求項14又は15に記載のフォトマスクブランク。
  18. 請求項1乃至17の何れか1項に記載のフォトマスクブランクを用いて作製されたフォトマスク。
  19. 請求項1乃至12の何れか1項に記載のフォトマスクブランクの表面に、250nm以下の膜厚の化学増幅型フォトレジスト膜を塗布する工程を備えていることを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。
  20. 請求項1乃至12の何れか1項に記載のフォトマスクブランクの表面に、250nm以下の膜厚の化学増幅型フォトレジスト膜を塗布する工程を備えていることを特徴とするフォトマスクの製造方法。
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