JP2013149850A - 波長可変光源 - Google Patents

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Masahiro Ueno
雅浩 上野
Yuichi Okabe
勇一 岡部
Yuzo Sasaki
雄三 佐々木
Junya Kobayashi
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Abstract

【課題】時間的コヒーレンス長の長い波長可変光源を提供する。
【解決手段】利得媒質と、前記利得媒質の一端からの光が入射する回折格子と、前記回折格子への前記入射光の回折光が直入射する端面鏡とを含み、前記回折格子を介して前記利得媒質と前記端面鏡とを包含する共振器を構成する波長可変光源であって、前記利得媒質と前記回折格子との間であって、前記共振器により形成される光路上に配置されたコリメートレンズと、前記コリメートレンズと前記回折格子との間であって、前記共振器により形成される光路上に配置された電気光学偏向器と、前記電気光学偏向器と前記回折格子との間にであって、前記共振器により形成される光路上に配置された平凹レンズを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、波長可変光源に関し、より詳細には、広い波長範囲にわたって波長を制御することができるレーザ光源である波長可変光源に関する。
有機色素からなる利得媒質、または半導体に代表される広帯域の利得媒質を有するレーザ発振器では、その利得帯域内から1つの発振波長を選択して、発振動作させることが可能である。この選択波長を再現性良く切換えることができれば、分光器を用いないレーザ分光が実現される。また、選択波長の切換えを十分迅速に行うことができれば、波長掃引測距に応用したり、電子デバイスまたは生体の断面像を非破壊に観測する光コヒーレンストモグラフィ(OCT)などの新たな応用を開くことができる。したがって、このような波長可変光源に対しては、純粋科学から日常医療にわたる広い技術分野への寄与が期待されている。
波長可変光源として、現在までに、共振器内に回折格子による波長フィルタを備える構成が、広く用いられている。図7に、従来の波長可変光源の構成の一例を示す。図7に示された波長可変光源は、偏向器により光ビームの進行方向を変えることによって、発振波長を切換える(例えば、非特許文献1参照)。この構成では、利得媒質として光半導体増幅素子(SOA)が用いられている。以下、まず本例の構成と動作について説明する。
図7において、利得媒質601は、第1の集光レンズ611およびコリメートレンズ602の間に配置されている。利得媒質601は、コリメートレンズ602、電気光学偏向器603を経て、回折格子606および直入射する端面鏡610から構成される波長フィルタに結合されている。第1の集光レンズ611は、出力結合鏡612に相対している。このようにして出力結合鏡612と端面鏡610とを両端とする光共振器が構成されている。出力結合鏡612から、この光共振器によるレーザ作用による出力光613が得られる。
波長フィルタの回折格子606の回折面において、電気光学偏向器603からの入射角θと、端面鏡610からの入射角φとを図7のように定義する。このとき、入射角θは、入射角φと比較して、通常、その絶対値が大きくなるように設定される。その結果、回折格子606への回折格子入射光束607と比べて、回折格子出射光束608が伸張され、太く広がり角の小さい光束として端面鏡610で反射される。このため、波長フィルタの選択波長幅を狭窄化することができる。選択波長の変化は、電気光学偏向器603により光の進行方向を変え、回折格子606への入射角θを変えることによって行われる。
選択波長の変化は、電気光学偏向器603に結線された制御電圧源604の電圧により制御される。より詳細には、電気光学偏向器603に対して、図7の紙面に平行かつ光束607に垂直な方向の電界を変化させることによって行われる。すなわち、電気光学偏向器603に与えられる電界により、電気光学偏向器603内部で屈折率の変化が惹起される。その結果、光束607が電気光学偏向器603を通過する際に、屈折率の高い方へ光束607が曲がる。その結果、光束607の回折格子606への入射角が変化する。このようにして、電気光学偏向器603に印可する電圧を変えることによって、可動部の介在なしに、高速な波長変化が実現されている。
Shogo Yagi, Tadayuki Imai, Yasuo Shibata, Shigeo Ishibashi, Masahiro Sasaura, Kazutoshi Kato, Kazunori Naganuma, Yuzo Sasaki, and Kazuo Fujiura, "A mechanical-free 150-kHz repetition swept light source incorporated a KTN electro-optic deflector," Proc. SPIE 7889, 78891J (2011) J. Miyazu, Y. Sasaki, K. Naganuma, T. Imai, S. Toyoda, T. Yanagawa, M. Sasaura, S. Yagi and K. Fujiura, "400 kHz Beam Scanning Using KTa1-xNbxO3 Crystals" Proc. of 2010 Conf. on Lasers and Electro-Optics, CTuG5, 2010 河野健治、「光デバイスのための光結合系の基礎と応用」、第二版、現代工学社、2003
しかしながら、図7に示した一例による可動部を持たない波長可変光源には、以下のような問題があり、依然として十分に満足できるものではなかった。それを説明するためにまず、電気光学偏向器について説明する。
非特許文献2を参照すれば、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTa1-xNbx3(0<x<1):KTN)結晶、KTNにリチウムをドープした(K1-yLiyTa1-xNbx3(0<x<1、0<y<0.1):KLTN)結晶は、電気光学偏向器として機能すると共に、凸レンズ機能を有している。例えば、KTNチップの上下面を一様なチタン電極にすると、DC電圧を印加することにより結晶中に電子が注入される。KTN結晶中には電子トラップが存在するため、DC電圧印加後も結晶中のトラップに捕獲された電子が存在する。ここでは、トラップに捕獲された電子は空間的に一様であると仮定し、その電荷密度をρとする。この状態でKTNチップに対して変調電圧を印加すると、ガウスの法則により、陰極からの距離をxとした場合の電界分布E(x)は以下の式で表される。
Figure 2013149850
ここで、ρは電荷密度、εは誘電率、dはKTN結晶チップの厚み、Vは電極に印加する電圧をそれぞれ示す。上述の電気光学偏向器の屈折率分布Δn(x)は、以下の式で表すことができる。
Figure 2013149850
ここで、gijは電気光学係数、n0はDC電圧を印加する前の電気光学偏向器の屈折率である。
図8は、KTN結晶内における屈折率分布を説明するための図である。式1および式2からわかるように、KTN結晶301に電極302,303から電圧を印加することによって、結晶内の電界分布E(x)は、xの関数で線形となるが、屈折率変化Δnはxの二次関数となっている。従って、屈折率分布は、図8の破線ではなく実線の二次関数状のプロファイルを持つ。偏向現象は、KTNへの電圧の印加で屈折率に傾斜が生じ、屈折率の高い方向に光が曲がることに拠る。屈折率分布プロファイルが破線の線形プロファイルであれば、ビームは発散したり、収束したりはしない。
しかし、屈折率分布プロファイルが実線のようにプラス側に山の状態で傾斜すると、レンズでいう凸状態の屈折率の傾斜となる。これによりKTN結晶内のビームは、この屈折率のレンズ効果で収束するようになる。このように、チップ断面において屈折率分布が空間的に凸となり、KTN結晶チップ自体が凸レンズの機能を持つ。
そのため、コリメート光を電気光学偏向器に入射したとしても、電気光学偏向器からの出力光は、収束する光となり、回折格子606に入射する光は、様々な進行方向を持つ光の重ねあわせと考えることができる。
電気光学偏光器による偏向角δによって回折格子への入射角θはθ−δに変わり、これに伴って選択波長λが、次の回折格子公式に従って変化する。
Figure 2013149850
式3において、Λは回折格子のピッチを、mは回折次数をそれぞれ表す。式3においてφは一定値である。収束する光であることから、さまざまなθ−δを有する光が入力されるため、式3を満たすλは有限の波長幅を持つ。そのため、ある波長幅に存在する全ての波長が共振器に戻ることになり、発振の選択波長幅が広くなってしまう。そのため、レーザの発振線幅が広くなる。レーザの発振幅が広くなると、時間的コヒーレンス長が短くなり、レーザのコヒーレンス特性が劣化するという課題があった。具体的な数値でいえば、コヒーレンス長が2mm程度となっていた。
本発明の目的は、時間的コヒーレンス長の長い波長可変光源を提供すること、および、電気信号によって波長を迅速かつ正確に制御することができる波長可変光源を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の実施態様は、利得媒質と、前記利得媒質の一端からの光が入射する回折格子と、前記回折格子への前記入射光の回折光が直入射する端面鏡とを含み、前記回折格子を介して前記利得媒質と前記端面鏡とを包含する共振器を構成する波長可変光源であって、前記利得媒質と前記回折格子との間であって、前記共振器により形成される光路上に配置されたコリメートレンズと、前記コリメートレンズと前記回折格子との間であって、前記共振器により形成される光路上に配置された電気光学偏向器とをさらに含む波長可変光源である。ここで、前記電気光学偏向器と前記回折格子との間にであって、前記共振器により形成される光路上に配置された平凹レンズを備え、前記平凹レンズの平面側が、前記電気光学偏向器と対向しており、所定の条件において前記平凹レンズを配置したことを特徴とする。
本発明の波長可変光源は、電気光学偏向器と回折格子との間に挿入される平凹レンズを、コリメート光が電気光学偏向器に入力されたときに平凹レンズからコリメート光が出力されるように配置する。その結果、コリメート光が回折格子に入力され、回折格子の波長選択性が広がることが抑制されるので、時間的コヒーレンス長の長い波長可変光源を実現することができる。
また、平凹レンズの平面部と電気光学偏向器の端面が向き合うように配置するために、平凹レンズから出射される光がコリメートされる平凹レンズの位置を簡便に定めることができる。
本発明の一実施形態にかかる波長可変光源の第1の構成を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる波長可変光源の第2の構成を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる波長可変光源の第3の構成を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる波長可変光源の第4の構成を示す図である。 電気光学偏向器の構成と動作を説明するための図である。 電気光学偏向器と平凹レンズとの関係を示す図である。 従来の波長可変光源の構成の一例を示す図である。 KTN結晶内における屈折率分布を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態にかかる波長可変光源は、共振器内に利得媒質と回折格子とを有する波長可変光源において、利得媒質と回折格子との間にコリメートレンズと電気光学偏向器と平凹レンズとを挿入する。このとき、平凹レンズの平面と電気光学偏向器の端面を向い合せ、入出力がコリメート光となるよう配置することを特徴とする。また、電気光学偏向器および回折格子のそれぞれにとって望ましい偏光方向を調整するために、回折格子と電気光学偏向器との間に、2分の1波長板を挿入することもできる。
図1に、本発明の一実施形態にかかる波長可変光源の第1の構成を示す。図1において、利得媒質101は、第1の集光レンズ111およびコリメートレンズ102の間に配置されている。利得媒質101は、コリメートレンズ102を経て、電気光学偏向器103、平凹レンズ114、回折格子106および直入射する端面鏡110から構成される波長フィルタに結合されている。第1の集光レンズ111は、出力結合鏡112に相対している。このようにして出力結合鏡112と端面鏡110とを両端とする光共振器が構成されている。出力結合鏡112から、この光共振器によるレーザ作用による出力光113が得られる。
波長フィルタの回折格子106の回折面において、電気光学偏向器103からの入射角θと、端面鏡110からの入射角φとを図1のように定義する。このとき、入射角θは、入射角φと比較して、その絶対値が大きくなるように設定される。その結果、回折格子106への入射光束107に比べて、回折格子出射光束108が伸張され、太く広がり角の小さい光束として端面鏡110で反射される。したがって、波長フィルタの選択波長幅を狭窄化することができる。
選択波長の変化は、電気光学偏向器103に結線された制御電圧源104の電圧の制御により行われる。すなわち、電気光学偏向器103によって、回折格子106への入射光束107が偏向され、入射角θを変化させることになる。本実施形態においては、電気光学偏向器103に印可する電圧を変えることによって、可動部の介在なしに高速に波長を変化させることができる。
第1の構成において、電気光学偏向器103から回折格子106への入射光束107は、平凹レンズ114によりコリメート光に変換される。詳細は、実施例に基づいて説明するが、電気光学偏向器103のレンズ機能を、GRINロッドレンズとみなして、所定の条件において平凹レンズ114を配置することにより、回折格子106にコリメート光を照射することができる。
その結果、回折格子106の波長選択性が広がることが抑制されるので、時間的コヒーレンス長の長い波長可変光源を実現することができる。上述したKTNからなる電気光学偏向器のコヒーレンス長が2mm程度となっていたのを、下記の実施例によれば、第1の構成において、コヒーレンス長8mmに改善することができる。第1の構成においては、コヒーレンス長が伸びたことにより、本実施形態の波長可変光源をOCTに適用すると、被観察体表面から、より深い部位まで観察できるようになり、従来の光源では観察できなかった部位まで観察ができるようになる。
図2に、本発明の一実施形態にかかる波長可変光源の第2の構成を示す。第1の構成に対して、2分の1波長板105をさらに備えている点で相違している。
電気光学偏向器103および回折格子106は、それぞれ、望ましい偏光方向を持っている。図1の構成の場合、両者の望ましい偏光方向が異なっている場合がある。多くの場合、電気光学定数は電界方向と光の電界方向が一致する場合に最大となる。そのような場合、電気光学偏向器103にとって望ましい偏光方向は、図1において上下方向(y方向)の直線偏光である。一方、刻線タイプの回折格子では、多くの場合、光の電界方向が刻線方向に平行な場合に、回折効率が最大となる。その場合、回折格子106にとって望ましい偏光方向は、図1において図面に垂直方向(z方向)の直線偏光である。上述の相異なる偏光方向の要請を調整するために、平凹レンズ114と回折格子106との間に、2分の1波長板を挿入することができる。
図2において、利得媒質101は、第1の集光レンズ111およびコリメートレンズ102の間に配置されている。利得媒質101は、コリメートレンズ102を経て、電気光学偏向器103、平凹レンズ114、2分の1波長板105、回折格子106および直入射する端面鏡110から構成される波長フィルタに結合されている。第1の集光レンズ111は、出力結合鏡112に相対している。このようにして出力結合鏡112と端面鏡110とを両端とする光共振器が構成されている。出力結合鏡112からは、この光共振器によるレーザ作用による出力光113が得られる。
2分の1波長板105を備えることにより、電気光学偏向器103および回折格子106の偏向方向を一致させることができる。波長フィルタにおける回折格子106への2つの入射角θ、φの関係、および、電気光学偏向器103に結線された制御電圧源104を通じた波長変化動作は、図1に示した第1の構成に準じたものなので、説明は省略する。
図3に、本発明の一実施形態にかかる波長可変光源の第3の構成を示す。図3において、利得媒質201は、第1の集光レンズ211およびコリメートレンズ202の間に配置されている。利得媒質201は、コリメートレンズ202を経て、電気光学偏向器203、平凹レンズ214、回折格子206および直入射する端面鏡210から構成される波長フィルタに結合されている。第1の集光レンズ211は、出力結合鏡212に相対している。このようにして出力結合鏡212と端面鏡210を両端とする光共振器が構成されている。出力結合鏡212からは、この光共振器によるレーザ作用による出力光213が得られる。
波長フィルタにおける回折格子206への2つの入射角θ、φの関係、および、電気光学偏向器203に結線された制御電圧源204を通じた波長変化動作は、図1に示した第1の構成に準じているので説明を省略する。
第3の構成においても、電気光学偏向器203と、回折格子206との間で相異なる偏光方向の要請を調整するために、平凹レンズ214と回折格子206との間に、2分の1波長板を挿入することができる。
図4に、本発明の一実施形態にかかる波長可変光源の第4の構成を示す。図4において、利得媒質201は、第1の集光レンズ211およびコリメートレンズ202の間に配置されている。利得媒質201は、コリメートレンズ202を経て、電気光学偏向器203、平凹レンズ214、2分の1波長板205、回折格子206および直入射する端面鏡210から構成される波長フィルタに結合されている。第1の集光レンズ211は、出力結合鏡212に相対している。このようにして出力結合鏡212と端面鏡210を両端とする光共振器が構成される。出力結合鏡212からは、この光共振器によるレーザ作用による出力光213が得られる。
波長フィルタにおける回折格子206への2つの入射角θ、φの関係、および、電気光学偏向器203に結線された制御電圧源204を通じた波長変化動作は、第3の構成に準じているので、説明を省略する。
以上、図1から図4に示した各構成においては、出力結合鏡112、212を個別の部品として示したが、他の構成も可能である。例えば、利得媒質101、201が半導体チップの場合、それらの出力光側劈開面、またはこのような端面に施した蒸着膜を、出力結合鏡の替わりに使用できるのは言うまでもない。
図5を参照して、電気光学偏向器の構成と動作を説明する。図5(a)に、偏向器の偏向面内を見た、基本的な構成および動作を示す。電気光学結晶301の対向面には、それぞれ電極302および接地電極303が形成されている。入射光305は、これら2つの電極の中間を通る中心光軸308に沿って伝搬する。ここで、制御電圧源304によって電極302に電圧を印加すると、結晶内の光線は、負極(正電圧印加時を示す図5(a)では、接地電極303)側に屈曲した偏向光路307を辿り、偏向した出射光306として結晶301から出射される。
電気光学偏向器において得られる上述の偏向量は結晶長に比例する。しかしながら、結晶を長くしようとすると、結晶の均一性の確保がより困難となる。また、結晶を長くすると、静電容量が大きくなるため制御電圧源304に要求される皮相電力が増加する。この結果、電気光学偏向器の高速駆動に障害を来す。このような種類の電気光学偏向器では、実際に必要な長さの結晶を用いる替わりに、内部反射による光路の折り返しを利用することによって、結晶長を増したのと等価な効果を得ることができる。
図5(b)に、光路の折り返しを行う光偏向器の構成を示す。図5(a)で示したのと同様に、電気光学結晶301には、電極302および接地電極303が形成されている。中心光軸308に沿って入射した入射光305は、結晶301内を3回行き来した後で、初めて出射光306として外部に現れる。光路の折り返しを利用することにより、3倍長い結晶を用いた時に相当する偏向角が得られる。
図5(c)は、図5(b)の側面図である。結晶301内での光路の折り返しのために、図5(c)に示すように、入出射端面に、部分的に反射膜が付与されている。入射光305は、電気光学結晶301にその側面から見て斜めに入射し、出射端面Aに達する。ここで、端面に付与された反射膜311によって反射され、光学結晶301内を逆行して再び入射端面に戻る。同様に、光線はこの入射端面で、端面に付与された反射膜312によって反射され、光学結晶301内を進行する。今度は、光線は、出射端面A上の反射膜311の付与されていない箇所に達し、この箇所を透過して、出射光306として結晶から出射される。
本実施例は、本発明の一実施形態にかかる波長可変光源の第1の構成に対応する。以下、本実施例の波長可変光源の動作を幾何学モデルに基づいて、平凹レンズから出射され回折格子に向かう光がコリメート光となるための条件を検討する。
図6に、電気光学偏向器と平凹レンズとの関係を示す。第1の構成において、電気光学偏向器404と平凹レンズ406とに着目した図である。
屈折率分布が2乗変化するレンズ(GRINロッドレンズ)の屈折率分布は、式4のようにかける。
Figure 2013149850
この両辺の平方根をとった後、テーラ展開を行い、rの4乗以降の項を無視すると、
Figure 2013149850
となり、n0からのずれΔn(r)は、
Figure 2013149850
となる。式2と式6とを比較すると、どちらも距離の2乗に比例して屈折率が減少していることがわかる。すなわち、KTNからなる電気光学偏向器404のレンズ機能は、GRINロッドレンズとみなしてよい。式2と式6の2乗の係数を比較すると、
Figure 2013149850
と考えればよいことがわかる。
非特許文献3にあるとおり、GRINロッドレンズにおいて、出射側端面から焦点までの距離s2は、
Figure 2013149850
と表すことができる。ここで、n0はGRINロッドレンズの屈折率、n1はGRINロッドレンズをとりまく媒質の屈折率(空気であれば1)、LはGRINロッドレンズの長さである。また、平凹レンズの光線行列は、
Figure 2013149850
とかける。ここで、n2は平凹レンズの屈折率、n1は平凹レンズをとりまく媒質の屈折率、tは平凹レンズの厚み、Rは平凹レンズの曲率である。
非特許文献3の式(2.2−2)を用いれば、平凹レンズの平面から入射側主面までの距離h1は次のように書ける。
Figure 2013149850
また、GRINロッドレンズの端面と平凹レンズの平面との距離Jは、
2+J+h1=fKTN+fL
を満たしたとき、コリメート光を入力するとコリメート光が出力されるようになる。ここで、h2はGRINロッドレンズ端面から出射側主面までの距離であり、fL(<0)は平凹レンズの焦点距離である。出射側端面から焦点までの距離s2は、
2=fKTN−h2
であることを使って整理すると、下記となる。
Figure 2013149850
すなわち、式11を満たすように、GRINロッドレンズ(すなわち電気光学偏向器)と平凹レンズとを配置することにより、入出力がコリメート光となる。そのため、共振器に配置すると、回折格子にコリメート光が照射されるようになる。また、Jは平面間の距離であるため、簡便に距離を計測できるため、実装が簡便に行える。
上述の設計に基づき、1.3μm帯の波長可変光源を構築した。利得媒質を半導体光増幅チップとして用いた。偏向器として、電極間隔が1.5mm、結晶長が4mmのKTN電気光学偏向器を用いた。図5(b)に示した構成の反射膜で形成された折り返し光路を経て、光が出射される構成とした。そのため、結晶長Lは実質12mmとみなせる。直流500Vを印加したところ、電荷密度ρ=−60C/m3となった。n0=2.21、g=0.111[m4/C2]とすると、s2=17.5mmとなる。
また、平凹レンズとして焦点距離fL=−12.7mm、厚さt=2mm、屈折率n2=1.504のレンズを用いた。従って、J=3.4mmとなり、KTN電気光学結晶端面と平凹レンズの端面との距離がJ=3.4mmとなるように、空気中(屈折率n1=1)にそれぞれ配置した。
KTN電気光学偏向器に、ビーム直径約1mmの光線を、電界に平行な直線偏光で入射した。また、平凹レンズからの出射光を刻線数600mm-1、ブレーズ波長1.6μmの回折格子に入射した。入射角θは、63.1°に設定した。上述の構成によって、中心波長1340nmにおいて発振が生じた。本実施例の波長可変光源の共振器長は60mmとした。
KTN電気光学偏向器に±400Vの電圧を印加すると、平凹レンズからの出力光は、全角105mradの範囲の偏向が生じた。それに伴い、光源の発振波長が79nm変化した。また、コヒーレンス長は8mmであった。
以上、KTN電気光学偏向器について述べたが、KLTN電気光学偏向器についても同様の結果が得られた。
以上詳細に説明したように、本実施形態の波長可変光源は、平凹レンズを電気光学偏向器から特定の距離だけ離れた地点に配置することで、時間的コヒーレンス長が短くなることを抑制した波長変化動作が可能となる。また、平凹レンズの平面を電気光学偏向器に向けることで、実装が簡便となる。
本発明は、光学装置に利用できる。さらに、波長掃引測距あるいは光コヒーレンストモグラフィなどにも利用できる。
101、201、601 利得媒質
102、202、602 コリメートレンズ
103、203、603 電気光学偏向器
104、204、304、604 制御電圧源
105、205 2分の1波長板
106、206、606 回折格子
110、210、610 端面鏡
112、212、612 出力結合鏡
114、214、414 平凹レンズ
301 電気光学結晶
311、312 反射膜

Claims (3)

  1. 利得媒質と、前記利得媒質の一端からの光が入射する回折格子と、前記回折格子への前記入射光の回折光が直入射する端面鏡とを含み、前記回折格子を介して前記利得媒質と前記端面鏡とを包含する共振器を構成する波長可変光源であって、前記利得媒質と前記回折格子との間であって、前記共振器により形成される光路上に配置されたコリメートレンズと、前記コリメートレンズと前記回折格子との間であって、前記共振器により形成される光路上に配置された電気光学偏向器とをさらに含む波長可変光源において、
    前記電気光学偏向器と前記回折格子との間にであって、前記共振器により形成される光路上に配置された平凹レンズを備え、
    前記平凹レンズの平面側が、前記電気光学偏向器と対向しており、
    前記電気光学偏向器の電荷密度をρ、電気光学係数をg、屈折率をn0、周囲の媒質の屈折率をn1、光が前記電気光学偏向器内を通過する距離をL、前記平凹レンズの焦点距離をfL、前記平凹レンズの厚みをt、前記平凹レンズの屈折率をn2としたとき、前記平凹レンズの平面と、前記電気光学偏向器の面との距離Jが、
    Figure 2013149850
    Figure 2013149850
    を満たすことを特徴とする波長可変光源。
  2. 前記電気光学偏向器は、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTa1-xNbx3(0<x<1):KTN)結晶、または、KTNにリチウムをドープした(K1-yLiyTa1-xNbx3(0<x<1、0<y<0.1):KLTN)結晶から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の波長可変光源。
  3. 前記回折格子と前記電気光学偏向器との間で、前記共振器により形成される光路上に、2分の1波長板をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし2に記載の波長可変光源。
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