JP2013149801A - ノイズ減衰器用可変インダクター - Google Patents

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Abstract

【課題】既設のものを含む全ての電源線を対象として高周波ノイズを有効に取り除くことを可能とした着脱自在のノイズ減衰器用可変インダクターを提供すること。
【解決手段】同一中心軸線上に配置され一部に磁気ギャップG,G…を有する少なくとも2個の環状磁性体コア11,12…と、この各コア11,12…を回転自在に収納する環状コア収納体14,44,…と、この環状コア収納体14,44,…の一部に巻き付けたコイル用巻線16とを備え、前記環状コア収納体14,44,…の一部に前記各環状磁性体コア11,12…の一部の周囲を完全露出させる切除部14Sを設け、この切除部14Sに対応する前記各環状磁性体コア11,12…の前記露出部分を、当該環状磁性体コア11,12…の一部を成し且つ外力による離脱又は係合を可能とした分離係合型連結部11B,12B…により構成したこと。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノイズ減衰器用可変インダクターに係り、特に、電源線を介して進入するノイズを電圧変換の原理により有効に吸収し、特に医療用精密電子機器等に対してその電磁波障害を有効に低減して動作の安定を確保するための非接触型のノイズ減衰器用可変インダクターに関する。
近年、パワーエレクトロニクスの発達と共に各種電子機器用としてスイッチング電源が多用されている。このスイッチング電源はその動作中、周囲に多くの高周波ノイズを放出する。
一方、かかるノイズは、特に精密電子制御機器の多い昨今にあっては、周囲に設置されている精密電子制御機器の誤動作を招来する。このため、特に電源回路を介して機器内に進入するノイズについては、その有効排除に向けての技術開発が、近時にあっては特に多方面でその研究が成されている(引用文献1,2,3)。
例えば、商用電源(家庭用電源)の場合、外部から供給される電力に重畳されたノイズを有効に排除するための電源用ノイズフィルタが、比較的多く知られている(引用文献1)。そして、この引用文献1には、これを装備することにより、電源品質を十分に高め得る旨の記載がなされている。
また、前述したスイッチング電源に関しては、内部に当該スイッチング電源から発生するノイズを有効に吸収するための電源用ノイズフィルタが装備された場合の例が知られている(引用文献2)。そして、この引用文献2には、これを装備したので、外部への強烈なノイズ発信が有効に抑制される旨の記載がなされている。
更に、トロイダルコアを用いて、電源電流に重畳されたノイズを非接触にて分離検出すると共に、この検出したノイズを減衰させることにより取り除く技術が、従来より知られている(引用文献3)。
特開2008−78844 特開2004−297551 特開2001−242197
しかしながら、上述した各関連技術の内、特許文献1,2は、何れも電源電流をノイズフィルタを介して外部から機器駆動電力として入力する構成となっているため、当該ノイズフィルタにおける電力損失及び熱の発生を常に伴っているという本来的に回避し得ない不都合がある。
又、特許文献3に記載のものは、上記特許文献1,2の不都合は改善されているものの、トロイダルコアにかかるインダクタンスLが固定されており、従って、電源線に重畳されるノイズのレベルを低減させることができるが、電流容量が大きく変動する電源線にあっては、芯材である環状コアが磁気飽和してしまいノイズを分離し得ないという不都合を常に備えている。
更に、この特許文献3に記載のものは、既設の電源線を対象とした場合、測定若しくは装置の設置に際しては、電源を一度オフ(0FF)してからコンセント部分を電源線から外すと共に、大きいコンセントについては更にコンセントの配線部分を電源線から外してから当該電源線を円形コアの中心部に貫通した状態に配置し、その後に又コンセントの配線部分を電源線に接続しなければならず、作業性が悪く、特に電源をオフできない稼働中の電源線には適用することが出来ないという不都合があった。
〔発明の目的〕
本発明は、上記関連技術の有する不都合を改善し、特に、既設のものを含む全ての電源線を対象として当該電源線に重畳されるノイズを有効に取り除くことを可能とした着脱自在のノイズ減衰器用可変インダクターを提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかるノイズ減衰器用可変インダクターは、中心軸線を共通にして配置され一部に磁気ギャップが設けられた少なくとも2個の環状磁性体コアと、この各環状磁性体コアを回転自在に収納する環状コア収納体と、この環状コア収納体の中空穴を通じて当該筒状コア収納体の一部に巻き付けたコイル用巻線とを備えて成るインダクタ本体を備えている。
又、上述した環状コア収納体の一部には、前記各環状磁性体コアの一部の周囲を完全露出させるための切除部を設けると共に、この環状コア収納体の切除部に対応する前記各環状磁性体コアの前記露出部分を、当該環状磁性体コアの一部を成し且つ外力による離脱又は係合を可能とした分離係合型連結部により構成したことを特徴としている。
本発明は上述したように構成したので、これによると、一部に磁気ギャップが設けられた少なくとも2個の環状磁性体コアが相互に回動自在に積層され且つ当該各環状磁性体コアの一部を離脱又は係合を可能とした分離係合型連結部により構成したので、分離係合型連結部の着脱機能により被測定物である電源線を各環状磁性体コアの中心軸上に容易に配設することができ、高周波ノイズの捕捉に際しては、電源線による高電流に起因した磁気飽和に対しても、一方と他方の各環状磁性体コアの磁気ギャップの位置を当該環状磁性体コアの回動させてずらすことによって全体の磁気抵抗を可変設定(即ち、イクタンスの値を可変設定)し得るので、これにより、インダクタ本体部の磁気飽和を有効に回避することができ、このため、特に、既設のものを含む全ての電源線を対象として当該電源線に重畳されるノイズを有効に捕捉し取り除くことが可能となるという前述した従来技術にない優れたノイズ減衰器用可変インダクターを提供することができる。
本発明にかかるノイズ減衰器用可変インダクターの第1実施形態を示す断面図である。 図1に開示した第1実施形態のII−II線に沿って見たインダクタ本体部を含む断面図である。 図2に開示されているインダクタ本体部及び収納ケースを電源線に装着する直前の状態を示す説明図である。 図1に開示されているインダクタ本体部の要部を成す一方の環状磁性コアを示す図で、図4(A)はその斜視図、図4(B)は図4(A)に開示した環状磁性コアから分離係合型連結部を切り離した状態を示す説明図である。 図1に開示した二つの環状磁性コアを重ねて環状コア収納体内に配設された場合の回転動作前の初期状態を示す斜視図である。 図5における二つの環状磁性コアから分離係合型連結部を切り離した後に元に戻す直前の状態を示す説明図である。 図5に開示した二つの環状磁性コアの内、上部分に配置された環状磁性コアを下部分に配置された環状磁性コアに対して右回りに回動させた場合の例を示す説明図である。 図3と同等の状態を、インダクタ本体部を断面しない状態で図示した場合の例を示す一部省略した平面図である。 図2と同等の状態を、インダクタ本体部を断面しない状態で図示した場合の例を示す一部省略した平面図である。 図1中に開示した環状コア収納体を示す図で、図10(A)はその平面図、図10(B)は図10(A)の正面図である。 図10におけるIII−III線に沿った断面図である。 図1に開示したノイズ減衰器用可変インダクターにあってインダクタンスの変化の測定に際して組み込んだ二つの環状磁性コア(分離係合型連結部を一体化した状態)を示す説明図で、図12(A)はその動作状態を示す斜視図、図12(B)は図12(A)の動作状態を示す平面図である。 図12における環状磁性コアの回転動作を図1のノイズ減衰器用可変インダクター内で実現して得られたインダクタンスLの変化を示す図表である。 本発明にかかるノイズ減衰器用可変インダクターの第2実施形態を示す一部省略した断面図である。 図14に開示したノイズ減衰器用可変インダクターの要部である環状磁性コア部分を示す図で、図15(A)は斜視図、図15(B)は図15(A)に平面図である。 図15に開示した環状磁性コアにあって、当該環状磁性コアから分離係合型連結部を分離した状態を示す説明図である。 図15に開示した環状磁性コアと同等の環状磁性コアを7個積層した場合の例を示す図で、図17(A)は正面側から見た斜視図、図17(B)は背面側から見た斜視図、図17(C)は図17(B)の平面図ある。 本発明にかかるノイズ減衰器用可変インダクターの第3実施形態を示す一部省略した断面図である。 図18に開示したノイズ減衰器用可変インダクターの要部を成す5層の環状磁性コアの積層状態(初期状態)を示す斜視図である。 図18に開示した環状磁性コアの内、2層目,4層目に配置された厚さの厚い環状磁性コアを示す図で、図20(A)は斜視図、図20(B)は図20(A)の平面図にあって分離係合型連結部を分離した状態を示す説明図である。 図18に開示した環状磁性コアの内、1層目,3層目,5層目に配置された厚さの薄い環状磁性コアを示す図で、図21(A)は斜視図、図21(B)は図21(A)の平面図にあって分離係合型連結部を分離した状態を示す説明図である。 図18に開示したノイズ減衰器用可変インダクターを電源線に装着する直前の状態を示す説明図である。 図19の状態にあって、5層の環状磁性コアから各分離係合型連結部を分離した状態の環状磁性コア部分を示す斜視図である。 図19の状態における環状磁性コア(分離係合型連結部を係合した状態)の2層目,4層目に配置された環状磁性コアを矢印の方向に回動させた場合の回動状態を示す斜視図である。 図19に示す5層の環状磁性コアにあって、2層目,4層目に配置された環状磁性コアを図24に示す矢印の方向に一定角度回動させた場合に前記各分離係合型連結部が同一箇所に配置されるように予め設定した場合の例を示す図で、図25(A)は正面斜視図、図25(B)は背面斜視図、図25(C)は図25(B)の平面図である。 本発明にかかるノイズ減衰器用可変インダクターの第4実施形態を示す一部省略した断面図である。 図26に開示したノイズ減衰器用可変インダクターの要部を成す5層の環状磁性コアの全体を個別に且つ同一方向に異なった角度回動させた場合で、前記各分離係合型連結部が同一箇所に配置されるように予め設定した場合の例を示す図で、図27(A)は正面側の斜視図、図27(B)は背面側の斜視図、図27(C)は図27(B)の平面図である。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図1乃至図13に基づいて説明ずる。
最初に、基本的な内容を説明し、その後に具体的な内容を詳述する。
〈基本的な内容〉
図1において、符号1はノイズ減衰器用可変インダクターを示す。このノイズ減衰器用可変インダクター1は、インダクター本体部2と当該インダクター本体部2を収納し保護する本体部収納ケース3とにより構成されている。
この内、インダクター本体部2は、中心軸線Tを共通にして配置され一部に磁気ギャップG1 ,G2 (図2〜図9,図12参照)が設けられた2個の環状磁性体コア11,12と、この各環状磁性体コア(以下「リングコア」という)11,12を回転自在に収納する環状コア収納体14(図10〜図11参照)と、この環状コア収納体14が中心部に備えている貫通穴15を通じて当該環状コア収納体14の一部に巻き付けたコイル用巻線16(図1〜図3,図8〜図9参照)とを備えている。
上記インダクター本体部2の要部を成すリングコア11,12は、図1及び図5に示すように、その環状の端面同志が相互に突き合わされて積層された状態にて、前述した筒状コア収納体14内に収納されている。又、本第1実施形態では、この二つのリングコア11,12は、本実施形態では、同一透磁率から成るフェライトを素材(フェライトコア)として形成され、且つその形状および大きさも同一のものが使用され、前述したように共通の中心軸軸L上に配置されている。
そして、各リングコア11,12は、筒状コア収納体14内で前記磁気ギャップG1 ,G2 の位置関係が円周方向にて近接し又は離れる方向に、外力によって相互に自在に回転動作が付勢されるようになっている。図7に、他方の環状磁性体コア12上で一方の環状磁性体コア12を右回りに回動させた場合を例示する。
この場合、リングコア11,12は、その相対的な回転動作にあって、前記一方のリングコア11の磁気ギャップG1 は、相手方である他方のリングコア12側の当接面が当該リングコア12側の磁気ギャップG2 の領域或いは磁気ギャップG2 が無い領域の面に体面した状態になるように配設されている。
更に、上記各リングコア11,12は、本第1実施形態では、それぞれ透磁率μが等しい磁性体によって形成され、磁気ギャップG1 ,G2 の幅d1 ,d2 も、それぞれ等しい大きさに設定されている(図12参照)。又、この磁気ギャップG1 ,G2 には、本第1実施形態では、透磁率μがリングコア11,12の透磁率よりも小さい(磁気抵抗の大きい)値のプラスチックが充填され、これによって外力が加わっても各リングコア11,12のギャップ幅d1 ,d2 の大きさ及び設定された透磁率が変化することなく長期にわたって維持されるようになっている。
前述した環状コア収納体14の一部には、上述した各リングコア(環状磁性体コア)11,12の一部の周囲を完全露出させるための切除部14S(図3,図10参照)が設けられている。この切除部14Sは、後述するように、被測定物である電源線Kに対してインダクタ本体部2を着脱自在に係合させるためのものである。
そして、この環状コア収納体14の切除部14Sに位置する前記2個の各リングコア(環状磁性体コア)11,12の前記露出部分には、当該リングコアの一部を成し且つ外力による離脱又は係合を可能とした分離係合型連結部11B,12Bが組み込まれている。
即ち、上述した各リングコア11,12は、本第1実施形態では、図5,図6に示すように、上述した環状コア収納体14の切除部14Sに対応する部分が切除されて成るコア本体11A,12Aと、このコア本体11A,12Aの各切除部11a,12aに着脱自在に係合する構成の分離係合型連結部11B,12Bとにより構成されている。
図6は、上記分離係合型連結部11B,12Bをコア本体11A,12Aから分離した後、再びコア本体11A,12Aに係合する場合の状態を示す説明図である。かかる着脱操作は、測定現場では図3の状態下にあってオペレータによって実行される。
ここで、上記各リングコア11(12)の分離係合型連結部11B(12B)は、本第1実施形態では、前述した各リングコア11(12)に設定されている磁気ギャップG1
(G2 )の中心線からそれぞれ180度隔てた領域に、その中心部が設けられ(図4参照)、これに合わせて、環状コア収納体14側でも、前述したように、その切除部14Sの位置が特定されている(図10参照)。
これにより、上述したインダクター本体部2は、被測定物である電源線K(図2,図3参照)に対して分離係合型連結部11B,12Bを各コア本体11A,12Aに着脱することにより、その電力電送状態を停止させること無く当該電源線Kに着脱自在に装填されることが可能となっている。
ここで、図3は電源線Kに、インダクター本体部2を敷設する直前の状態を示し、図2は電源線Kにインダクター本体部2を敷設した直後の状態を示す。
又、本第1実施形態にあっては、上述した各リングコア11,12の内の図1に開示した下側に位置する他方のリングコア12が、筒状コア収納体14内に固着された状態で装備されている。
これにより、他方のリングコア12の回転停止状態が維持されるので、一方のリングコア11のみを外力によって安定的に回動させることができ、各リングコア11,12の磁気ギャップG1 ,G2 の相対離間位置を連続して一義的に且つ迅速自在に設定することができる。
更に、上述した一方のリングコア11には、当該リングコア11に対して往復回転動作を付勢する回転駆動手段(コア用駆動手段)17が、連結装備されている。
この回転駆動手段17としては、本第1実施形態では紐状の引っ張り部材17Aが使用されている。尚、この回転駆動手段17としてベルト状の引っ張り部材を使用してもよい。
この紐状引っ張り部材17Aは、本第1実施形態では単一の紐状部材により構成されている。そして、この紐状部材から成る紐状引っ張り部材17Aは、図1及び図9(図8では記載省略)に示すように一方のリングコア(環状磁性体コア)11の外周面に沿って配置され、その一部が前記リングコア11に固定され、他の一部(一端部と他端部)がリングコア11を収納した前記環状コア収納体14の切除部14S側の各端部から、外部に向けて引き出し可能に設置されている。
この紐状部材から成る紐状引っ張り部材17Aは、具体的には、その中央部が前述した磁気ギャップG1 の両側二箇所(図9の中心位置からθ左右に移行した位置)で、リングコア11の外周面に接着剤又はピン等の固定部材により部分固定されている。又、紐状引っ張り部材17Aの両端部17a,17bは、上記したように環状コア収納体14の切除部の各端部から外部に向けて引き出された状態に設置されている(図9参照)。
そして、オペレータが紐状引っ張り部材17Aの両端部17a又は17bを適度に引き出すことにより、それに合わせて同方向に上記リングコア11が回転する。これにより、前述したコイル用巻線16の両端部を基準として設定される当該インダクター本体部2のインダクタンスの変化が、後述するように検出されるようになっている。
〈具体的内容〉
続いて、上記した各構成要素について、更に具体的に説明する。
(環状コア収納体)
まず、上述したリングコア11,12を収納する環状コア収納体14について、詳述する。この環状コア収納体14は、中央部に被測定物である電源線Kを配設するための中空穴15を備えた環状筒体により構成されている(図10参照)。
この環状筒体からなる環状コア収納体14は、図10乃至図12に示すように、内筒部14A及び外筒部14Bと、各筒部相互間の環状開口部を同時に着脱自在に閉じる環状の上蓋14Cおよび下蓋14Dとにより構成されている。
この場合、上蓋14Cおよび下蓋14Dはそれぞれ同一断面形状のものが使用され、前述した内筒部14A及び外筒部14Bの配置間隔を一義的に特定し固定するための環状突出部(内側突出面)14Ca,14Daが、各上蓋14Cおよび下蓋14Dの内側対向面に形成されている。即ち、この環状突出部14Ca,14Daによって、内筒部14A及び外筒部14Bの相互間の全体的な配置位置が固定されるようになっている。
ここで、リングコア11,12の内周面に当接する内筒部14Aの外形寸法は、リングコア11,12の内径寸法よりも例えば0.2乃至0.5〔mm〕程度小さく設定されている。これにより、リングコア11の回転動作が内筒部14Aの周囲に緩やかに当接した状態で接触摩擦も緩和されて円滑に回動し得るようになっている。
又、リングコア11,12の外周面に対向する外筒部14Bの内径寸法は、リングコア11,12の外径寸法よりも例えば2.0乃至4.0〔mm〕程度大きく設定されている。これによって、リングコア11,12の外周面には、幅1.0乃至2.0〔mm〕程度の隙間空間SKが設定されることとなり(図11参照)、この外周面の隙間空間SKに、前述した紐状引っ張り部材(回転駆動手段)17Aが配設されるようになっている。
このため、リングコア11は、内筒部14Aに緩やかに当接した状態で回転動作が実行される。又、紐状引っ張り部材(回転駆動手段)17Aの引っ張り動作に際しても、外筒部14Bの内壁面に紐状引っ張り部材(回転駆動手段)17Aが当接することなく(或いは緩やかに当接して)リングコア11に回転動作を付勢することが可能となっている。
即ち、この回転動作中、リングコア11は、外筒部14Bには当接することがないので、回転動作中の摩擦力が大幅に減少する。これにより、リングコア11は、環状コア収納体14内では、構造的にすべり摩擦が少ない状態で円滑に往復回転が可能に構成されている。
更に、上記下蓋14Dの環状突出部14Daには、その外周面(内筒部14A及び外筒部14Bとの当接面)に、前述した内筒部14A及び外筒部14Bに着脱自在に係合するための断面半円状の環状突起14E,14Eが設けられ、これに係合する断面V字状の環状V溝14F,14Fが、前記内筒部14A及び外筒部14Bの当接対向面にそれぞれ設けられている。
上記上蓋14Cの環状突出部14Caにも、上記下蓋14Dの環状突出部14Daに設けられた断面半円状の環状突起14E,14Eがそれぞれ設けられ、これに係合する断面V字状の環状V溝14F,14Fが、前記内筒部14A及び外筒部14Bの当接対向面に、上記下蓋14Dの場合と同様にそれぞれ設けられている。
これにより、各上蓋14Cおよび下蓋14Dは、内筒部14A及び外筒部14B側の各環状V溝14F,14Fと、上蓋14C及び下蓋14D側の各環状突起14E,14Eとにより、相互に自在に係合することが可能となり、その内部に前述したリングコア11,12を位置決めされた状態で容易に格納することができるようになっている。
ここで、上述した環状コア収納体14の前記切除部14Sについて説明する。
この切除部14Sは、図3,図10(A)(B)に示すように、被測定物である電源線Kを測定に際して中心軸線T上に配置するための切除部であり、そのための通過領域を確保するためのものである。一方、測定に際しては、通常のリングコア11,12の状態(図2参照)を維持する必要があり、そのためのものとして、上記した分離係合型連結部11B,12Bが必要となり、当該分離係合型連結部11B,12Bが各コア本体11A,12Aに対して着脱自在に組み込まれるように構成されている(図8,図9参照)。
この場合、図10(A)に示すように、環状コア収納体14の切除部14Sは、環状コア収納体14をXーY座標上に配置した場合を想定し、その原点Oを中心点としてY軸を基準とした開き角度で2α1 (片側角度α1 )の開き角度が設けられ、その枠内に設定されている。ここで、片側角度α1 については、本第1実施形態では、具体的にはα1 =33°(開き角度で2α1=66°)に設定されている。この片側角度α1 は、前述した下蓋14Dに設けられた切除部14S(図10(A),図12参照)にかかる開き角度と同一である。
そして、今、図10(A)の大きさを仮に同図上縮尺1/1とすると、この第1実施形態では、切除部14Sの最小開き幅が図面上約15〔mm〕となる。このため、前述したリングコア11,12のコア本体11A,12Aにおける切除部11a,12aの最小開き幅をこれと同一に設定すると、例えば直径Dが14〔mm〕以下の電源線を対象とすることが可能となる。
又、上蓋14Cに設けられた切除部14Scの開き角度は、2β1 (片側角度β1 )により設定されている。この片側角度β1 については、本第1実施形態では、具体的にはβ1 =35°(開き角度:2β1=70°)に設定されている(図10(A)参照)。
この片側角度β1 は前述した上蓋14Cに設けられた切除部14Sc の開き角度とは異なり、前述したリングコア11,12の分離係合型連結部11B,12Bを組み込む場合に、その両端の段部を下側で支持し易いように開き角度を大きく設定したもので、後述するように分離係合型連結部11B,12Bを迅速に且つ円滑化に装着するに際して有効に機能する。
又、上記上蓋14Cおよび下蓋14Dには、図10で明らかのように、開き角度で2γ1 (片側角度γ1 )の開き角度の位置に、内側および外側に向けて突設された突起部14Ce,14Cf,14De,14Dfが設けられている。
この突起部14Ce,14Cf,14De,14Dfは、図2乃至図3に開示したように、前述したコイル巻線16の巻き始め又は巻き終わりの位置を示すもので、これにより、前記リングコア11,12を格納した環状コア収納体14に対する前記コイル巻線16の巻回作業が、円滑に実行されるようになっている。
(環状磁性体コア:リングコア)
リングコア(環状磁性体コア)11,12は、前述したようにそれぞれ、コア本体11A,12Aと分離係合型連結部11B,12Bとにより構成されている(図5,図6参照)。
図4(A)(B)に、本第1実施形態におけるリングコア11の、コア本体11Aと分離係合型連結部11Bとを示す。又、図6において、付号11a,12aは、それぞれコア本体11A,12Aの切除部を示す。
上記した図4(B)に示すように、コア本体11Aの切除部11aは、コア本体11AをXーY座標上に配置した場合を想定すると、中心点Oを基準として、Y軸から開き角度で2θ1 (片側角度θ1 )の開き角度に設定さている。この開き角度2θ1 によって特定される最小開き幅Eの寸法は、被測定物たる電源線Kを中心部に配置するに必要な幅寸法である。
本第1実施形態では、図4(B)に示すように、片側角度θ1 を、θ1 =30°(開き角度:2θ1=60°)に設定した。同時に、コア本体11Aの切除部11aに設けられた受け段部の立ち上がり面Vの位置する片側角度θ2 を、θ2 =43°(開き角度:2θ2=86°)とした。
これによって、コア本体11Aの切除部11aに設けられた受け段部Hの面積を大きく設定して分離係合型連結部11Bの組み込み時の作業の迅速化を確保すると共に、同時に、前述した最小開き幅Eの寸法を、前述した環状コア収納体14の前記切除部14Sの最小開き幅Eとほぼ同一に設定した。
ここで、前述した図10の場合と同様に図4を縮尺1/1とした場合、コア本体11Aの切除部11aに設けられた最小開き幅Eは、図面上約15〔mm〕となり、例えば直径14〔mm〕以下の電源線Kに有効に対応することができることとなる。
ここで、上述した分離係合型連結部11Bは、図4(A),図6に示すようにT字状に形成され、その左右の延設部11Baが、前記コア本体11Aの切除部11aに設けられた受け段部上の切除された空間部Hと同一の大きさに形成されている。
これにより、当該分離係合型連結部11Bがコア本体11Aに組み込まれた場合には、その全体の寸法が単一の環状コアと同等の内径,外形,および厚さ寸法となるようになっている。図4(B)における白抜きの両矢印Aは、コア本体11Aに対する分離係合型連結部11Bの分離および係合の方向を示す。
上記したリングコア(環状磁性体コア)11の記述内容は、本第1実施形態では、前述したリングコア(環状磁性体コア)12にもそのまま適用されている。そして、このように構成されたリングコア(環状磁性体コア)11,12は、前述したようにインダクター本体部2の一部として組み込まれ、紐状引っ張り部材17Aを介して外部から付勢される外力によって(或いはオペレータの直接操作による直接駆動で)、一方のリングコア11が他方のリングコア12上で回転自在に回転駆動されるようになっている。
(本体部収納ケース)
図1乃至図3に開示した本体部収納ケース3は、上述したようにインダクタ本体部2を収納するためのもので、全体的には円柱状を成し、図1における中心軸線Tに沿った上下端部には、それぞれ、前記インダクタ本体部2の中心軸線T部分の中空領域を外部に連通させて前記導電線Kを配置可能とするための連通穴部3a,3bが設けられている。
更に、この本体部収納ケース3は、その全体を前記各連通穴部3a,3b部分で縦割りに二分割する形態の開閉可能な構造に形成されている。
具体的には、この本体部収納ケース3は、前記インダクタ本体部2を保持する一方のケース本体である固定側ケース本体3Aと、この固定側ケース本体3Aの前記分離係合型連結部11B,12B側を露出する共に当該露出された分離係合型連結部11B,12B側を開閉自在にカバーする開閉側ケース本体3Bとに分割されている。図3では、開閉側ケース本体3Bを90°開いた状態(仮想線)を示す。
そして、この一方と他方のケース本体3A,3Bを突き合わせた場合の一方の突き合わ部(図1の右端部で中心軸線Tに沿った上下位置)に、本第1実施形態では上下二つの蝶番3C,3Dが所定間隔を隔てて装備され、他方の突き合わ部(図1の左端部)に、開閉側ケース本体3Bの回動端部を係止する係止部3Eが設けられている。
そして、開閉側ケース本体3Bにも、図3に示すように一方のケース本体3Aの係止部3Eに対応して被係止部3Fが設けられている。又、開閉側ケース本体3Bには、その中央部に、前述した分離係合型連結部11B,12Bの装着後の飛出しを防止するための飛出防止部3Gが当該分離係合型連結部11B,12Bに対向して設置され、リングコア(環状磁性体コア)11の回転動作時にはこの飛出防止部3Gに沿って(若しくは当接しつつ)より安定した状態で(飛び出すことなく)分離係合型連結部11Bが往復回動し得るようになっている。
(磁気ギャップG1 ,G2 の位置とインダクタンスの変化との関係)
図12に示すリングコア(環状磁性体コア)11,12を図9に示すインダクタ本体部2内に組み込んだ状態(トロイダル・コアの形態)で、コイル16の両端部に出力されるインダクタンスの変化を測定した。この場合、磁気ギャップG1 ,G2 は同一のギャップ幅(d1=d2 )のものを使用した。
ここで、まず、磁気ギャップG1 ,G2 にかかる理論的な背景を説明し、その後に具体的な実験結果を説明する。
トロイダル・コアのインダクタンスLは、トロイダル・コアに巻き付けられた巻線の巻数N、トロイダル・コアの透磁率μ、トロイダル・コアの断面積をA、トロイダル・コアの平均磁路長ρとすると、一般に次式(1)で表される。
L=(μNA)/2πρ …………… (1)
この式(1)で明らかのように、トロイダル・コイルのインダクタンスLの値は、巻線の巻数N、トロイダル・コアの透磁率μ、トロイダル・コアの断面積をA、及びトロイダル・コアの平均磁路長ρによって決定される。
一方、この場合、インダクタンスLの値を変化させるには、これら各演算素子の何れかの値を変化させれば良いことは明らかであるが、従来技術における完成品のトロイダル・コイルでは、これらの値は固定値であり、インダクタンスLの値を変化させることはできない。
これとは別に、トロイダル・コイルでは、トロイダル・コアが閉ループを構成していることから、発生する磁束は、その全てがトロイダル・コア内に閉じ込められる。このため、トロイダル・コイル内で生じた磁束φは全ての巻線と鎖交することから鎖交磁束Φは、Φ=Nφ となる。
ここで、鎖交磁束Φと、トロイダル・コイルに通電される電流Iと、インダクタンスLとの関係は、Φ=LI である。この式からすると、鎖交磁束Φを変化させる(合成された全体の磁気抵抗を変化させる)とインダクタンスLを変化させることができる。本発明はかかる点に根拠を置くものである。
この場合、トロイダル・コアに磁気ギャップを設けると、信号電流(又は電源電流)による磁性体リングコアの磁気飽和が緩和(抑制)される。このことを利用すると、大きな使用電流値まで磁気飽和現象を延ばすことが出来る。その反面、トロイダル・コアに磁気ギャップを設けると、磁気抵抗を増加させることになり、トロイダル・コイル全体のインダクタンスLは低下する。
そこで、前述したように、本発明にかかる発明者は、磁気ギャップを有する複数のリング状磁性体(リングコア)11,12の組合せから成るインダクタ本体部2を創作し、構成部品の組合せを変えることなく、磁気ギャップの効果の抑制とインダクタンス値の可変を可能とし、汎用性を高めるために、リングコア11,12の一部に前述したように分離係合型連結部11B,11Bを着脱自在に組み込むという新たな構成を付加し、これによって、上述したように本第1の実施形態を完成させている。
ここで、上述したリングコア11,12の各磁気ギャップG,GとインダクタンスLの変化との関連性を説明する。
各リングコア11,12は、同一軸上にリングコア11,12の端面同士を突き合わせているため、リングコア11,12を相対回転させて、一方のリングコア11の磁気ギャップGと他方のリングコア12の磁気ギャップGとが一致する位置からずれた際に、一方のリングコア11の磁気ギャップGは、他方の磁性体リングコア12の磁気ギャップGがない端面部分に対面することとなる。
この場合、リングコア11,12の磁気ギャップG,Gの位置を相対的にずらすと、一方のリングコア11の磁気ギャップGにおける漏洩磁束が他方のリングコア12の磁気ギャップG又は磁気ギャップGが無い当接端面によって再び他方のリングコア12内に結合するため、磁気ギャップG,Gの効果が低下し、結果として巻線2を流れる電流によるリングコア11,12の磁気飽和と、巻線16とリングコア11,12によるインダクタンスを可変することが可能となる。
つまり、リングコア11,12の素材の飽和起磁力(巻線の飽和限界電流値)の範囲内での可変インダクタ−を形成することができる。
(実験例)
上述したように構成され機能する可変インダクタ−のインダクタンス値について、その変化の度合いを実験的に確認したので、以下、これを実際に得られたインダクタンス値の変化の一例として説明する。
図12に示すように、2段に重ねられ且つ磁気ギャップG,Gを有するリングコア11,12を収納したリング状ケース(環状コア収納体)14の外側から、50ターンの巻線16を巻き付けたインダクタ本体部2を実験用の可変インダクタ−として準備した。
そして、リング状ケース(環状コア収納体)14内に収納された上段のリングコア11を回転させ、図12(b)に示すように夫々の磁気ギャップG,Gの位置をθ°ずらした場合のインピーダンス変化を、インピーダンスメータによって計測した結果を図13に示す。
この図13に示す図表にあって、磁気ギャップG,Gの位置を示すθ°とインダクタンスの値Lとは、上段が磁気ギャップGのズレ角度θ°を、下段がインダクタンス値(LmH)を示している。
そして、この場合のインピーダンスLは、純インダクタンスと見て差し支えないから、
Z=jX=jωL、とおいて、L =X/ωとおけば、θの変化に対するインダクタンス値であるL〔mH〕が求められる。
尚、この時、使用したリングコア11,12としてフェライトコアを用い、そのリングコア11,12のサイズは、外径60〔mm〕、内径40〔mm〕、厚さ18〔mm〕で、磁気ギャップG,Gの幅は共に4〔mm〕とした。
又、これとは別に、この4〔mm〕の磁気ギャップG,Gの無い同一形状の二段のリングコアに50ターンの巻線2を巻き付けた場合におけるインダクタンスを、インピーダンスメータで計測すると、その計測値は56〔mH〕の固定値が得られた。
(電源線Kへの装着)
上述したように構成されたノイズ減衰器用可変インダクター1を被測定物である電源線Kへ装着するに際しては、図2に示す状態のノイズ減衰器用可変インダクター1の複数を現場へ持参し、本体部収納ケース3の開閉側ケース本体3Bを開き、続いて、分離係合型連結部11B,12Bをリングコア11,12から引き出すようにして分離する。この場合、分離係合型連結部11B,12Bの分離作業は、その両方を同時にコア本体11A,12Aから分離しても、或いは一個一個各別に分離しても良い。
次に、この分離係合型連結部11B,12Bの分離によって設定された切除部14S(11a,11b)を介して被測定物である電源線Kをインダクタ本体部2の貫通穴15の中央部へ設置し、続いて、前述した分離係合型連結部11B,12Bを再びコア本体11A,12Aの切除部14S(11a,11b)ヘ挿入し当該コア本体11A,12Aに係合させる。この分離係合型連結部11B,12Bの係合に際しては、接着材又は接着テープを使用して各分離係合型連結部11B,12Bをコア本体11A,12Aに固定してもよい。
これら一連の電源線Kへの設置作業(又は電源線Kに対するノイズ減衰器用可変インダクター1の装着作業)は、オペレータによって実行される。
この電源線Kに対するノイズ減衰器用可変インダクター1の設置作業が完了すると、次に、オペレータは、ノイズ減衰器用可変インダクター1のコイル巻線16の両端部を予め準備したインピーダンスメータ(図示せず)に接続し、続いて、予め装備された紐状の引っ張り部材17Aを操作してリングコア11を他のリングコア12上で回動させ、ギャップG1 ,G2 の位置を相対的に変化させる。
これによって、ノイズ減衰器用可変インダクター1が飽和しない状態で且つインダクダンスLが最大と成る状態を設定し、高周波ノイズの最適な捕捉状態を構築する。そして、このリングコア11のギャップG1 の最適位置が設定された場合には、当該リングコア11と他のリングコア12とを前述した切除部14Sでの露出部で接着テープ等で相互に固定し、開閉側ケース本体3Bを閉じ、これをもって、オペレータによるノイズ減衰器用可変インダクター1の電源線Kに対する一連の設置作業は終了する。
ここで、オペレータによる上記作業工程は、ノイズ減衰器用可変インダクター1を一個装着した場合について説明したが、同位置電源線Kの同一箇所に複数個装着するようにしてもよい。又、リングコア11のギャップG1 の最適位置の調整を、紐状の引っ張り部材17Aを操作して行う場合について説明したが、紐状の引っ張り部材17Aを操作することなく、リングコア11の露出部分を直接回転方向に向けて押し出すようにして、当該リングコア11に回転動作を付勢するようにしてもよい。この場合は、紐状の引っ張り部材(回転駆動手段)17Aは不要となる。
(第1実施形態の効果)
以上のように、本第1実施形態にかかるノイズ減衰器用可変インダクターによれば、一部に磁気ギャップG,Gが設けられた少なくとも2個のリングコア(環状磁性体コア)11,12が相互に回動自在に積層され且つ当該各リングコアの一部を離脱又は係合を可能とした分離係合型連結部11B,12Bにより構成したので、この分離係合型連結部11B,12Bの着脱機能により被測定物である電源線Kを各リングコアの中心軸上に容易に配設することができ、高周波ノイズの捕捉に際しては電源線Kによる高電流に起因した磁気飽和を、各リングコアの回転動作による全体的な磁気抵抗の調整(インダクタンスの可変設定)によって有効に回避することができ、このため、特に、既設のものを含む全ての電源線Kを対象として当該電源線Kに重畳されるノイズを有効に捕捉し取り除くことが可能となるという前述した従来技術にない優れたノイズ減衰器用可変インダクターを得ることができる。
ここで、2個のリングコア(環状磁性体コア)11,12については、この突き合わせて配置した磁性体のリングコア11,12を相対回転させると、リングコア11,12の磁気ギャップG,Gの位置関係が円周方向にずれることにより、前記磁気ギャップG,Gにおける漏洩磁束が夫々相手方のリングコア12又は11の磁気ギャップG又はG或いは磁気ギャップのない端面によって再び相手側リングコア12又は11内に結合するため、磁気ギャップG,Gの効果が低下(リングコア全体の合成磁気抵抗が低下)し、結果として電流によるリングコア11,12の磁気飽和Φと、インダクタンスLとを可変することができるという効果が得られる。
更に、本第1実施形態によれば、磁気ギャップG,Gを設けた磁性体から成るリングコア11,12を多段に重ねてなる可変インダクタ−においては、前述したように、各々の磁性体リングコア11,12の磁気ギャップG,Gの位置を調整することにより、インダクタンス値をコア材の磁気飽和限界直前の最大値に設定することができる。
尚、リングコア11,12の磁気ギャップG,Gの加工に際ては、磁気ギャップG,Gにエポキシ樹脂等の非磁性体樹脂を充填し或いは非磁性体金属板を接着するなどして補強しておけばよい。この場合、金属板の採用はコア内磁束が金属板を垂直に貫くこととなり、渦電流が発生してギャップの効果を増大させるので、注意が必要である。
以上の例では、リングコア11,12の透磁率が等しく、磁気ギャップG,Gの幅d,dが等しい場合について説明したが、これらに限られるものではなく、更には磁性体リングコア11,12を2個用いた場合を説明したが、これに限られるものではなく、2以上であれば、その個数が制限されることはない。
又、上記第1実施形態では、リングコア12を固定してリングコア11を往復回動する場合について例示したが、リングコア11,12を逆方向に相互に回転させるように構成してもよい。このようにすると、インダクダンスLの値(又は全体的な合成磁気抵抗の値)を迅速に大きく変化させることができるという利点がある。
更に、磁気ギャップG,Gは、リングコア11,12の板厚方向に開放してスリット状に形成した構造としたが、磁気ギャップG,Gは、リングコア11,12の板厚方向で凹形状に切り欠いた構造としてもよい。更に、前記磁気ギャップG,Gの幅寸法についてはこれを等間隔としたが、この幅をテーパ状に拡大する寸法に設定してもよい。更に又、リングコア11,12に設ける磁気ギャップG,Gの幅寸法,リングコア11,12の板厚,直径などを変更することにより、磁気抵抗の調整を行うようにしてもよい。
更には、磁気ギャップG,Gの幅d,dを異なった大きさとしてもよい。具体的には一方の磁気ギャップGの幅dを他方の磁気ギャップGの幅dより広くする、或いは一方の磁気ギャップGの幅dを他方の磁気ギャップGの幅dより狭くするようにしてもよい。要は、前述した磁気ギャップG,Gの構造及び幅寸法などは、必要とする磁気抵抗の設置値に応じて、種々変更してもよい。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を図14乃至図17に基づいて説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態と異なり、装着の対象である電源線Kの最大使用電流の容量を予め確認しておき、ノイズ減衰器用可変インダクターの磁気飽和状態を予め回避するようにした点に特徴を有する。
この第2の実施形態において、ノイズ減衰器用可変インダクター10は、前述した第1実施形態におけるリングコア11,12と形状及び大きさが同等のリングコア21,22を備えている。
一方、この第2の実施形態にて装備したリングコア21,22の内、他方のリングコア22は前述した第1実施形態におけるリングコア12と同一のものが装備され、一方のリングコア21は、前述した第1実施形態におけるリングコア11とは異なったリングコアが装備されている。
この第2の実施形態における一方のリングコア21は、具体的には、図15(A)(B)に示すように、ギャップG1 の位置が、中心点Oを基準としてδ度だけ右回転した位置に設けられている。これにより、リングコア21,22相互間のギャップG1 ,G2 相互間のずれが、中心角Oを基準としてδ度に設定されている。その他の構成は、前述した第1実施形態の場合と同一となっている。
このギャップG1 ,G2 相互間のδ度のずれ角度は、装着対象である電源線Kの最大使用電流の容量を予め確認した結果、電流容量との関係で、ノイズ減衰器用可変インダクター10の磁気飽和状態を予め有効に回避するためのギャップG1 ,G2 のずれ角度(合成磁気抵抗の最小限界値)として、実験的に特定されたものである。このため、このδ度のずれ角度は、電源線Kの最大使用電流の容量によっては、0°から90°の範囲の何れかの値に特定されるようになっている。
図16は、電源線Kにノイズ減衰器用可変インダクター10を装着する場合に成される各リングコア21,22の準備作業を示し、各リングコア21,22が備えている分離係合型連結部21B,22Bを前述した第1実施形態の場合と同様に着脱する様子を示す。
その他の構成は前述した第1実施形態と同一となっている。
(リングコア7個の場合)
ここで、図17(A)(B)(C)に、リングコアを7個装備した場合の、他の具体例を示す。まず、図17(A)に示すリングコア23,23,23,23,23,23,23は、前述した本体部収納ケース3を7個用に改修した本体部収納ケース(図示せず)内に、回転自在に格納されている。
この内、同図の上から奇数番目の5個のリングコア23,23,23,23は、その回転動作が図示しない突起部材に外周面で係止されて前記本体部収納ケースに格納されており、又、同図の上から偶数番目の4個のリングコア23,23,23は、回転自在に本体部収納ケース格納されるようになっている。
又、同図の奇数番目に位置する5個のリングコア23,23,23,23は、各磁気ギャップG1,G3,G5,G7が前述したリングコア22の場合と同様に分離係合型連結部22Bの中心点から180°隔てた位置に設けられている。これに対して、偶数番目の4個のリングコア23,23,23は、図17(C)の平面図に示すように、右回りにδ,δ,δの角度位置にそえぞれ設けられている。
これらの角度δ〜δは、前述した図15の場合と同様に、装着対象の電源線Kにおける想定される最大電源電流を基準として、当該7個積層のノイズ減衰器用可変インダクターが磁気飽和しない状態で且つインダクダンスLが最大となる位置(リングコア全体の合成磁気抵抗が最小となる位置)を予め実験的に確認して特定したものである。
その他の構成は前述した第1実施形態の場合と同一となっている。
このように、リングコアの数を多く使用することにより、インダクダンスLの可変範囲を細かく設定することができるので、電源線Kに進入してレベルの高いノイズに対しても、これを有効に捕捉し、別に連結される減衰器によって、当該捕捉した高いパワーのノイズを効率良く除去することが可能となる。
また、各磁気ギャップG1 ,G2 ,G3 ,……,G7 の位置は、ひとまず固定したものであるが、偶数番目の4個のリングコア23,23,23は回転自在に装備されているので、電源線Kに装着したあとでも、これらのリングコア23,23,23の個別駆動は可能であることから、現場での微調整も自在に成し得るという利点もある。係る利点は、前述した図14乃至図16の場合についても同様である。
この第2実施形態では、ノイズ減衰器用可変インダクター10を上述したように構成したので、これによると、前述した第1実施形態の場合と同一の作用効果を有するほか、更に予め装備する電源線Kの最大使用電流の容量が確認されており、更に、それに対応した最適位置の前述したギャップG1 ,G2 のずれ角度が特定されているので、当該電源線Kが存在する現場では、電源線Kにノイズ減衰器用可変インダクター10を装着するだけで具体的な調整が原則的に不要となり、インダクタ本体部2の稼働の有無と期待通りの結果が得られているか否かの確認作業が主務となり、従って、現場での調整作業が不要となり、かかる点において電源線Kに対するノイズ減衰器用可変インダクター10の装着作業の能率を大幅に向上させることができるという利点がある。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を、図18乃至図25に基づいて説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
この第3実施形態におけるノイズ減衰器用可変インダクター20は、前述した第1実施形態におけるノイズ減衰器用可変インダクター1が2個のリングコア11,12を備えた構成であるのに対して、図18に示すように5個のリングコア31,32,33,34,35を備えている点に特徴を有する。
この5個のリングコア31乃至35は、図19に示すように同一の中心軸線T上で回転自在に積層された状態で、環状コア収納体44に組み込まれている。
この環状コア収納体44は、図18に示すようにその厚さ(コア収納高さW)を特定する内筒部44A及び外筒部44Bの高さが、前述した第1実施形態における本体部収納ケース14と異なる他は、機能的には前述した上蓋14C,下蓋14Dと同一に形成された上蓋44C,下蓋44Dを備えている。更に、後述する厚さの薄いリングコア31,33,35を係止するための係止ピン44aが、各リングコア31,33,35の図18における左右の外周端面に向けて図18に示すように、外筒部44Bの側面に装備された状態と成っている。
そして、この係止ピン44aの先端部は、各リングコア31,33,35の図18における左右外周面に設けられた厚さ方向の係止溝に、後述するように係合されるようになっている。図19に、前述した環状コア収納体44内に収納されている5個の各リングコア31〜35の積層された状態を示す。
又、この第3の実施形態では、5個のリングコア31,32,33,34,35の内、図19で明らかのように、上から奇数番目に位置する一方のリングコア31,33,35を厚さの薄いリングコア(他方のリングコア32,34の厚さの1/2)で構成すると共に、偶数番目に位置する他のリングコア32,34の厚さを、前述した第1実施形態におけるリングコア11と同一に設定した点にも構造上の特徴を有する。
このため、5個のリングコア31乃至35を備えていても、全体的には厚さの薄い小型化されたノイズ減衰器用可変インダクター20となっている。
前述した厚さの厚い他方のリングコア32,34は、図20に示すように、それぞれが前述した第1実施形態におけるリングコア11と同一に形成されたコア本体32A,34Aと、同じくその切除部32a,34aに装備された分離係合型連結部32B,34Bとを備えている。
ここで、各コア本体32A,34Aは、図20(A)(B)に示すように、前述したリングコア11のキャップG1 と同一に形成されたキャップG2 ,G4 を、それぞれ備えている。この各キャップG2 ,G4 と前述した分離係合型連結部32B,34Bとの相対位置も、又その係合部の段部の形状をも含めて、前述したリングコア11の場合と同一となっている。
図20は厚さの厚いリングコア32を示したが、リングコア34の場合もこの図20に開示したリングコア32と全く同一に構成されている。
又、前述した厚さの薄い一方のリングコア31,33,35は、前述した図20に開示した厚さの厚いリングコア32とその内径及び外径が同一に形成され、コア本体31A,33A,35Aと、この各コア本体31A,33A,35Aに予め設けられた開き角度θ1 の切除部31a,33a,35aに係合する分離係合型連結部31B,33B,35Bとを、それぞれ備えて構成されている。図21(A)(B)にこれを示す。
ここで、厚さの薄い3個のリングコア31,33,35の各分離係合型連結部31B,33B,35Bと、これに対応する各コア本体31A,33A,35Aとの接合面(当接面)、本第3実施形態では平坦面に設定されているが、他の厚さの厚い2個のリングコア32,34の場合と同様に段状に形成してもよい。
この各3個のリングコア31,33,35は、前述したように、通常は他のリングコア32,34と共に図19に示す状態で、環状コア収納体44に収納されている(図18参照)。
上記各リングコア31,33,35のコア本体31A,33A,35Aには、図21(A)(B)に示すように、その同図の左右外周端面に、中心軸線Tに平行に、回転止め用の係止溝31a,31b、33a,33b、35a,35bが設けられている(図21参照)。そして、この各係止溝31a,31b、33a,33b、35a,35bに係合する同一形状の係合ピン44aが各係止溝31a,31b、33a,33b、35a,35bに対応して環状コア収納体44の外周側から対応する各係止溝31a,31b、33a,33b、35a,35bの中央部に向けて個別に突出装備されている。
このため、この複数の係止ピン44aによる各リングコア31,33,35の係止作業は、工場での生産工程にあっては、五個のリングコア31乃至35の全体を本体部収納ケース43に収納した後に実行される。
ここで、係止ピン44aが係止する各係止溝31a,31b、33a,33b、35a,35bは、コア本体31A,33A,35Aの中心軸に沿って形成されているので、リングコア31,33,35が中心軸方向に沿った微小移動が許容された状態で環状コア収納体44内に収納されている。このため、稼働中に生じる磁気変動があっても、各リングコア31乃至35は中心軸方向に沿った微小移動が可能となっており、環境変化による磁気振動にも有効に対応することができるように構成されている。
又、前述した他方のリングコア32,34には、前述した第1実施形態の場合と同様に、ギャップG1 ,G2 の位置を状況に合わせて可変設定するための紐状引っ張り手段(回転駆動手段)17Aが、前述した第1実施形態の場合と同様に予め装備されている。
また、図18において、符号53は、上記のように構成されたインダクター本体部2Aを収納する円筒状の本体収納ケース53を示す。
この本体収納ケース53は、前述した第1実施形態における本体収納ケース3の場合と同様に、全体的には円柱状を成し、図18における中心軸線Tに沿った上下端部には、それぞれ、前記インダクタ本体部2Aの中心軸線T部分の中空領域を外部に連通させて前記導電線Tを配置可能とするための穴部53a,53bが設けられている。
更に、この本体部収納ケース53は、その全体を前記各穴部53a,53b部分で縦割りに二分割する形態の開閉可能な構造に形成されている。
具体的には、この本体部収納ケース53は、前記インダクタ本体部2Aを保持する一方のケース本体である固定側ケース本体53Aと、この固定側ケース本体53Aに収納されたインダクタ本体部2Aの前記分離係合型連結部31B〜35B側を露出する共に当該露出された分離係合型連結部31B〜35B側を開閉自在にカバーする開閉側ケース本体53Bとに分割されている。図22では、開閉側ケース本体53Bを90°開いた状態(仮想線)を示す。その他の構成は前述した第1実施形態の場合と同一となっている。
そして、本第3実施形態にあって、ノイズ減衰器用可変インダクター20を測定対象物である電源線Kに装着するに際しては、まず、オペレータは、に分離係合型連結部31B,33B,35Bを他の分離係合型連結部32B,32Bと共に、コア本体31A,33A,35Aから分離する。そして、電源線Kに装着後、分離係合型連結部31B,33B,35Bは、それぞれ対応するコア本体31A,33A,35Aに再び組み込まれる。他の分離係合型連結部32B,34Bも同様である。
この場合、分離係合型連結部31B,33B,35Bおよび他の分離係合型連結部32B,34Bは、対応するコア本体31A,33A,35Aおよび他のコア本体32A,34Aに対しては接着材又は接着テープ等によって一時的に固定してもよい。
その後、オペレータは、インピーダンス計をコイル巻線の端部に接続し、リングコア32,34を、前述した回転駆動手段である紐状引っ張り手段17Aを操作して又はリングコア32,34を手動にて直接回転させて、ギャップG2 ,G4 の位置を、コア本体31A,33A,35AのキャップG1 ,G3 ,G5 の位置(固定位置)を基準として、可変設定し、測定対象である電源線Kの最大電流容量による飽和現象を回避し且つ高周波ノイズを効果的に捕捉する大きさに、インダクタンスLの値を調整する。
このようにしてギャップG2 ,G4 の位置を可変設定した場合の各リングコア31乃至35の状態を図24に示す。
これにより、この第3実施形態においても、前述した第1実施形態の場合と同様に、ノイズ減衰器用可変インダクター20を測定対象物である全ての電源線Kに対して迅速に且つ効率良く装備し、ノイズを捕捉してこれを効率よく減衰させることが可能となるという利点がある。
その他の構成およびその作用効果は、前述した第1実施形態と同一となっている。
ここで、上述した図18乃至図24では、リングコア31,33,35のキャップG1,G3 ,G5 に対するリングコア32,34のギャップG2 ,G4 の設定位置については、現場で実際に被測定対象物である電源線Kの最大電流容量を確認し、その磁気飽和を回避するために、リングコア32,34を回動させてそのギャップG2 ,G4 の位置を可変設定する場合について説明した。
これに対して、予め現場での電源線Kに通電される最大電流容量を確認しておき、これに合わせて予め前述した第2実施形態の手法(同じ技術思想、図17参照)と同等の手法によって、ギャップG2 ,G4 の位置を可変設定し、このギャップG2 ,G4 の位置が特定された後に、当該ギャップG2 ,G4 にかかるリングコア32,34の前述した他の分離係合型連結部32B,34Bの位置を、リングコア31,33,35の分離係合型連結部31B,33B,35Bと同一の位置に設置するようにしてもよい。
この場合の各リングコア31乃至35のギャップG1 乃至G5 と、対応するする分離係合型連結部31B乃至35Bとの位置関係を図25(A)(B)(C)に示す。
このようにすると、前述した第1実施形態の場合と同一の作用効果を有するほか、実際の現場で電源線Kに装着した後に、インダクター本体部2Aの磁気飽和状態を回避するためのギャップG2,G4の位置調整(最適な磁気抵抗の設定,即ち、最適インダクンスの設定)が容易となり、作業効率を大幅に改善することができる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態を、図26乃至図27に基づいて説明する。
ここで、前述した第3実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
この第4実施形態におけるノイズ減衰器用可変インダクター60は、前述した第3実施形態におけるノイズ減衰器用可変インダクター20の場合と同様に、5個のリングコア61,62,63,64,65を備え、この5個の各リングコア61乃至65は、図26に示すように同一の中心軸T上で回転自在に積層された状態で、環状コア収納体74に組み込まれている。
一方、この第4実施形態における上記5個のリングコア61,62,63,64,65の内、厚さの薄い3個のリングコア61,63,65は、前述した第3実施形態における厚さの薄い3個のリングコア31,33,35がその外周囲に備えている係止溝31a,31b、33a,33b、35a,35bを全く備えていない他は、前述した第3実施形態におけるリングコア31,33,35と同一に形成されている。
又、この第4実施形態における上記5個のリングコア61〜65の内の厚さの厚い2個のリングコア62,64は、前述した第3実施形態における厚さの厚い2個のリングコア32,34と全く同一に形成されている。
そして、このように形成された5個のリングコア61〜65が、前述したように環状コア収納体74に組み込まれている。このため、上記環状コア収納体74には、前述した第3実施形態における環状コア収納体44が備えている係合ピン(厚さの薄い3個のリングコア31,33,35の回転動作を抑制するための係止ピン)44aについては何ら装備されていない。この点を除くと、環状コア収納体74は、前述した第3実施形態における環状コア収納体74と同一となっている。
即ち、この第4実施形態における環状コア収納体74は、前述した第3実施形態における環状コア収納体44(図18参照)の外筒体44Bとほぼ同一に形成された外筒体74Bと、同環状コア収納体44の内筒体44A,上蓋44C,及び下蓋44Dと全く同一に形成された内筒体74A,上蓋74C,及び下蓋74Dとにより構成されている。
これにより、各リングコア61〜65は、環状コア収納体74内でそれぞれが外力によって個別に回転自在に収納された状態となっている。
ここで、上記5個のリングコア61,62,63,64,65が備えている各ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 ,G5 および分離係合型連結部61B,62B,63B,64B,65Bについては、対応する両者相互間の位置関係が、前述した第3実施形態の場合と一部異なった状態に設定されている。
まず、リングコア61の場合は、ギャップG1 と分離係合型連結部61Bの各中心位置が相互の180度隔てた位置に固定的に設定されている。これは前述した第3実施形態の場合と同一である。
一方、リングコア62乃至65の各G2 乃至G5 は、対応する各分離係合型連結部62B乃至65Bとは、その相互間(中心位置基準)が、装着する電源線Kの最大電流容量の大きさに応じてそれぞれが異なった離間角度に設定されている。
ここで、電源線Kへの装着の関係で、各分離係合型連結部62B乃至62Bは、予めリングコア61の分離係合型連結部61Bと同一の位置に固定的に設定されている。この場合、各ギャップG2乃至G5の位置は、リングコア61のギャップG1 に位置から、例えば、設定角度δ1 ,δ2 ,δ3 ,δ4 だけ、対応する各分離係合型連結部62B乃至62Bの方向に、それぞれ移動した位置に設定されている。図27にこれを示す。
この図27(A)(B)(C)では、各δ1 ,δ2 ,δ3 ,δ4 の角度位置の一例を示すもので、装着する電源線Kの容量との関係では、各角度δ1 〜δ4 の大きさは、この図27とは異なった設定になる場合もある。
このように、本第4実施形態では、装着する電源線Kの容量を予め想定して、これに合わせてインダクタ本体部2Bの磁気飽和を回避するために、図27に示すように、リングコア62乃至65の各ギャップG2乃至G5の位置が、それぞれδ1 度,δ2 度,δ3 度,だけ、ずらして設置されている。
その他の構成は、前述した第3実施形態の場合と同一となっている。
このようにすると、前述した第3実施形態の場合と同等の作用効果を有するほか、更にインダクタ本体部2Bのインダクタンスの可変設定(磁気抵抗の可変設定)を、安定化した状態で細分化し微調整することが可能となるという利点がある。
ここで、上記第1乃至第4の各実施形態にあっては、コイル巻線16については単一の減衰器に対応して単一の巻線17Aを装備した場合を例示したが、例えば減衰器を複数準備し、各減衰器に対応したコイル巻線を、相互に独立した状態で前記各環状コア収納体14,44,74にそれぞれ巻回するように構成してもよい。
又、第1乃至第4の各実施形態にあっては、ギャップG,G……の位置設定のために成される各リングコア11,21……の回転駆動に際しては、回転駆動手段として紐状引っ張り部材(回転駆動手段)17Aを装備した場合を例示したが、これを装備することなくリングコア11,21,23〜23,32,34,61〜65を、駆動部材を用いて外力によって個別に回転させるように構成してもよい。
更に、リングコア11,12,21,22,23〜23,31〜35,61〜65については、一の実施形態内では同一の素材からなるフェライトが使用されているが、異なった透磁率からなるフェライト若しくはこれに準ずる素材を使用したものであってもよい。
又、各リングコア11,12,……の各分離係合型連結部11B,12B……については、そのコア本体11B,12B,……との接合部を段付構造としたが、作業性向上を期待し得るものであれば、平坦面であっても、或いは当接面を凹凸状にしたものであってもよい。
更に、上述した各実施形態にあっては、各リングコア11,12,21,22,23〜23,31〜35,61〜65のギャップG,G……については、一のリングコアに一個のギャップを設けた場合を例示したが、一のリングコアに2個以上設けたものであってもよい。又、ギャップG,G……に代えて深い切り溝を設けてもよい。
又、上述した各実施形態にあっては、各リングコア11,12、21,22、23〜23、31〜35、61〜65の相互間の当接する面を相互に緩やかに当接させるために、例えば環状コア収納体14,44,74の上蓋とリングコア11,21,23,31,61との間に、予め適当なスペースを設けておき、そこにクッション部材を介装するように構成してよい。
このようにすると、各リングコア11,12、21,22、23〜23、31〜35、61〜65の相互間が常時当接する方向に付勢されることとなり、稼働中に外部から異常振動等の到来があっても、一度設定した磁気抵抗値(インダクタンス値)が変化することなく、安定した状態で当該設定状態を長時間維持することが可能となるという利点がある。
更に、上記各実施形態では、各リングコア11,12、21,22、23〜23、31〜35、61〜65および環状コア収納体14,44,74には、インダクタ本体部2,2A,2Bを電源線Kに装着するために、例えば切除部14S(11a,11b)を設け、当該切除部14S(11a,11b)に例えば第1実施形態では分離係合型連結部11B,12Bを着脱自在に装備するように構成した場合を例示したが、これに代えて、例えば図1乃至図2にあっては、本体収納ケース3に合わせて全体を2分割するように構成してもよい。
電源線に重畳されて来る高周波ノイズを、従来のものよりもより有効に取り除くことが可能となり、特に稼働中の電源線全てにも適用することができ、適用範囲は広い。
1,10,20,60 ノイズ減衰器用可変インダクタ
2,2A,2B インダクタ本体部
3 本体部収納ケース
3a,3b 連通穴部
11,12,23〜23,31乃至35,61乃至65 環状磁性体コア(リングコア)
11A,12A,23A〜23A,31A乃至35A,61A乃至65A コア本体
11B,12B,23B〜23B,31B乃至35B,61B乃至65B 分離係合型連結部
11a,12a,14S,21a,22a 切除部
14,44,74 環状コア収納体
14A,44A,74A 内筒部
14B,44B,74B 外筒部
14C,44C,74C 上蓋
14Ca,15Da 内側突出面
14D,44D,74D 下蓋
15 空間領域(中空領域)
17A,17 紐状引っ張り部材(回転駆動手段)
,G,G,G,G,G,G,G 磁気ギャップ
K 電源線
SK 隙間空間

Claims (12)

  1. 中心軸線を共通にして配置され一部に磁気ギャップが設けられた少なくとも2個の環状磁性体コアと、この各環状磁性体コアを回転自在に収納する環状コア収納体と、この環状コア収納体の中空穴を通じて当該筒状コア収納体の一部に巻き付けたコイル用巻線とを備えて成るインダクタ本体を設け、
    前記環状コア収納体の一部に前記各環状磁性体コアの一部の周囲を完全露出させるための切除部を設けると共に、
    この環状コア収納体の切除部に対応する前記各環状磁性体コアの前記露出部分を、当該環状磁性体コアの一部を成し且つ外力による離脱又は係合を可能とした分離係合型連結部により構成したことを特徴とするノイズ減衰器用可変インダクター。
  2. 請求項1に記載のノイズ減衰器用可変インダクターにおいて、
    前記各環状磁性体コアの磁気ギャップを、予め相互にずらした状態に設定したことを特徴とするノイズ減衰器用可変インダクター。
  3. 請求項1に記載のノイズ減衰器用可変インダクターにおいて、
    前記環状磁性体コアの内の一の環状磁性体コアを前記環状コア収納体に固定装備したことを特徴とするノイズ減衰器用可変インダクター。
  4. 請求項2又は3に記載のノイズ減衰器用可変インダクターにおいて、
    前記各環状磁性体コアの前記分離係合型連結部と前記環状磁性体コアの分離面との係合構造を、段付構造としたことを特徴とするノイズ減衰器用可変インダクター。
  5. 請求項1に記載のノイズ減衰器用可変インダクターにおいて、
    前記各環状磁性体コアの前記分離係合型連結部を、前記各環状磁性体コアが備えている磁気ギャップからそれぞれ180度隔てた領域に設けたことを特徴とするノイズ減衰器用可変インダクター。
  6. 請求項1又は2に記載のノイズ減衰器用可変インダクターにおいて、
    前記環状磁性体コアを、三個以上設けたことを特徴とするノイズ減衰器用可変インダクター。
  7. 請求項1又は2に記載のノイズ減衰器用可変インダクターにおいて、
    前記環状磁性体コアを三個以上設けると共に、各環状磁性体コアの内、一つ置きに位置する環状コア収納体の回転動作を抑制する回転止め部材を、前記環状コア収納体に装備したことを特徴とするノイズ減衰器用可変インダクター。
  8. 請求項1乃至7の何れか一つに記載のノイズ減衰器用可変インダクターにおいて、
    前記環状磁性体コアの内、回転自在に装備された環状磁性体コアに対して外力によって往復回転力を付勢する回転駆動手段を、当該環状磁性体コアに装備したことを特徴とするノイズ減衰器用可変インダクター。
  9. 請求項8に記載のノイズ減衰器用可変インダクターにおいて、
    前記回転駆動手段を、紐若しくはベルト状の引っ張り部材により構成すると共に、この引っ張り部材の全体を前記環状磁性体コアの外周面に沿って配置し、
    前記引っ張り部材の一部を前記環状磁性体コアに固定すると共に、他の一部を前記環状コア収納体の切除部の一方と他方の各端部から外部に向けて引き出し可能状態に設置したことを特徴とするノイズ減衰器用可変インダクター。
  10. 請求項1乃至8に何れか一つに記載のノイズ減衰器用可変インダクターにおいて、
    前記環状コア収納体を、内筒部と外筒部とこの各筒部相互間の位置を固定する内側突出面を備えた上蓋および下蓋とにより、構成したことを特徴とするノイズ減衰器用可変インダクター。
  11. 請求項10に記載のノイズ減衰器用可変インダクターにおいて、
    前記各環状磁性体コアの内径面が、これに対向する前記環状コア収納体の内筒部の内部空間側の側壁面に摺動自在に当接する構造とすると共に、
    前記各環状磁性体コアの外周面と当該外周面に対向する前記環状コア収納体の外筒部の内側壁面との間に、隙間空間を設けたことを特徴とするノイズ減衰器用可変インダクター。
  12. 請求項11に記載のノイズ減衰器用可変インダクターにおいて、
    前記インダクタ本体部を収納する本体部収納ケースを設けると共に、この本体部収納ケースには、前記インダクタ本体部の前記環状磁性体コアが有する中心軸部分の中空領域を外部に連通させて前記導電線を配置可能とした連通穴部が、二箇所に設けられ、
    前記本体部収納ケースを、前記各穴部で同時に二分割する形態の開閉可能な構造としたことを特徴とするノイズ減衰器用可変インダクター。
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