JP2013148491A - センサー装置およびセンサー装置の設置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリート構造物のコンクリート中の塩化物イオン濃度変化をコンクリートのpH変化と区別して測定し、その測定情報をコンクリート構造物の計画的な保全に活用することができるセンサー装置およびその設置方法を提供すること。
【解決手段】本発明のセンサー装置1は、第1の電極3と、第1の電極3に対して離間して設けられた第2の電極4と、第1の電極3の表面の一部との間に第1の電極3の隙間腐食を生じさせ得る隙間を形成して配置された隙間形成体8と、第1の電極3と第2の電極4との電位差を測定する機能を有する機能素子51とを備え、第1の電極3の表面は、隙間を介して隙間形成体8に覆われた第1の領域と、隙間形成体8に覆われずに外部に露出した第2の領域とを有しており、第1の領域は、第1の電極3の一方向での一方側に偏在し、第2の領域は、第1の電極3の一方向での他方側に偏在している。
【選択図】図4

Description

本発明は、センサー装置およびセンサー装置の設置方法に関するものである。
センサー装置としては、例えば、コンクリート中の鉄筋の腐食状態を測定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
施工直後のコンクリート構造物中のコンクリートは、通常、強アルカリ性を呈する。そのため、施工直後のコンクリート構造物中の鉄筋は、その表面に不動態膜が形成されるため、安定である。しかし、施工後に酸性雨や排気ガス等の影響を受けたコンクリート構造物は、コンクリートが徐々に酸性化(中性化)していくため、鉄筋が腐食することとなる。また、コンクリート構造物は、コンクリートへ侵入した塩化物イオンによっても鉄筋が腐食する。
例えば、特許文献1に記載の装置では、参照電極および対極を備えたプローブをコンクリートに埋設して、鉄筋の腐食による電位変化および分極抵抗を測定することにより、鉄筋の腐食を予測する。
しかし、かかる装置では、鉄筋の腐食の原因がコンクリート中へ侵入した塩化物イオンによるものなのか、コンクリートの中性化によるものなのかを特定することができず、その結果、コンクリート構造物の適切な保全を行うことができないという問題があった。
特開平6−222033号公報
本発明の目的は、コンクリート構造物のコンクリート中の塩化物イオン濃度変化をコンクリートのpH変化と区別して測定し、その測定情報をコンクリート構造物の計画的な保全に活用することができるセンサー装置およびその設置方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のセンサー装置は、第1の金属材料で構成された第1の電極と、
前記第1の電極に対して離間して設けられ、第2の金属材料で構成された第2の電極と、
前記第1の電極の表面の一部との間に前記第1の電極の隙間腐食を生じさせ得る隙間を形成して配置された隙間形成体と、
前記第1の電極と前記第2の電極との電位差を測定する機能を有する機能素子とを備え、
前記第1の電極の表面は、前記隙間を介して前記隙間形成体に覆われた第1の領域と、前記隙間形成体に覆われていない第2の領域とを有しており、
前記第1の領域は、前記第1の電極の一方向での一方側に偏在し、前記第2の領域は、前記第1の電極の前記一方向での他方側に偏在していることを特徴とする。
このように構成されたセンサー装置によれば、第1の電極と隙間形成体との間に局所的な隙間が形成されているので、測定対象部位の塩化物イオン濃度が第2の電極の腐食が生じない比較的低い状態であっても、第1の電極を隙間腐食により腐食させることができる。
特に、第1の領域側を第2の領域側よりも測定対象物の外表面側に位置するように、第1の電極を設置することにより、第1の電極の第1の領域側の塩化物イオン濃度が第2の領域側の塩化物イオン濃度よりも濃くなるように、塩化物イオン濃度の濃度勾配を生じさせることができる。その結果、第1の電極の隙間腐食を促進させることができる。
そのため、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低い状態であっても、第1の電極と第2の電極との電位差が生じ、かかる電位差に基づいて塩化物イオンの侵入を高感度に検知することができる。
本発明のセンサー装置では、前記第2の領域の表面積は、前記第1の領域の表面積よりも大きいことが好ましい。
これにより、第1の電極の隙間腐食を促進させることができる。
本発明のセンサー装置では、前記第1の電極は、前記一方向に沿って延在する長手形状をなすことが好ましい。
これにより、第1の電極の隙間腐食を促進させることができる。
本発明のセンサー装置では、前記第1の電極および前記隙間形成体は、それぞれ、板状またはシート状をなし、互いに重ねられた状態で前記隙間形成体が前記第1の電極に対して固定されていることが好ましい。
これにより、第1の電極の隙間腐食を生じさせ得る隙間を第1の電極と隙間形成体との間に簡単かつ確実に形成することができる。
本発明のセンサー装置では、前記隙間形成体は、前記第1の金属材料と同種の金属材料で構成されていることが好ましい。
これにより、隙間形成体が第1の電極の自然電位に影響を及ぼすのを防止することができる。そのため、第1の電極および隙間形成体の設計が容易となる。
本発明のセンサー装置では、前記隙間形成体は、絶縁性材料で構成されていることが好ましい。
これにより、隙間形成体が第1の電極の自然電位に影響を及ぼすのを防止することができる。そのため、第1の電極および隙間形成体の設計が容易となる。
本発明のセンサー装置では、前記隙間形成体は、耐アルカリ性を有することが好ましい。
これにより、測定対象部位がコンクリートである場合であっても、隙間形成体の耐久性を優れたものとすることができる。そのため、コンクリートの状態を長期に亘り安定して測定することができる。
本発明のセンサー装置では、前記第1の金属材料は、前記測定部位の環境変化に伴って表面に不動態膜を形成するか、または、表面に存在した不動態膜を消失させる金属材料であることが好ましい。
これにより、第1の電極と第2の電極との電位差に基づいて、測定対象部位に塩化物イオンが侵入したことを高感度に検知することができる。
本発明のセンサー装置では、前記第1の金属材料は、鉄または鉄系材料であることが好ましい。
鉄または鉄系合金(鉄系材料)は比較的安価で入手が容易である。また、例えば、センサー装置をコンクリート構造物の状態測定に用いた場合、第1の電極をコンクリート構造物中の鉄筋と同一材料(または近似した材料)で構成することが可能であり、コンクリート構造物中の鉄筋の腐食状態を効果的に検知することができる。
本発明のセンサー装置は、金属材料で構成された電気抵抗体と、
前記電気抵抗体の表面の一部との間に前記電気抵抗体の隙間腐食を生じさせ得る隙間を形成して設けられた隙間形成体と、
前記電気抵抗体の抵抗値を測定する機能を有する機能素子とを有し、
前記電気抵抗体の表面は、前記隙間を介して前記隙間形成体に覆われた第1の領域と、前記隙間形成体に覆われていない第2の領域とを有し、
前記第1の領域は、前記電気抵抗体の一方向での一方側に偏在し、前記第2の領域は、前記電気抵抗体の前記一方向での他方側に偏在していることを特徴とする。
このように構成されたセンサー装置によれば、電気抵抗体と隙間形成体との間に局所的な隙間が形成されているので、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低い状態であっても、電気抵抗体を隙間腐食により腐食させることができる。
特に、第1の領域側を第2の領域側よりも測定対象物の外表面側に位置するように、電気抵抗体を設置することにより、電気抵抗体の第1の領域側の塩化物イオン濃度が第2の領域側の塩化物イオン濃度よりも濃くなるように、塩化物イオン濃度の濃度勾配を生じさせることができる。その結果、電気抵抗体の隙間腐食を促進させることができる。
そのため、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低い状態であっても、電気抵抗体の抵抗値が変化し、かかる変化に基づいて塩化物イオンの侵入を高感度に検知することができる。
本発明のセンサー装置では、前記第2の領域の表面積は、前記第1の領域の表面積よりも大きいことが好ましい。
これにより、電気抵抗体の隙間腐食を促進させることができる。
本発明のセンサー装置では、前記電気抵抗体は、前記一方向に沿って延在し、前記一方向に対して垂直な方向に間隔を隔てて並んで設けられた1対の第1の導体と、前記1対の第1の導体の一端部同士の間に設けられ、前記1対の第1の導体同士を電気的に接続する第2の導体とを有し、
前記第1の領域は、前記第2の導体に設けられていることが好ましい。
これにより、電気抵抗体の隙間腐食を促進させることができる。
本発明のセンサー装置では、前記隙間形成体は、前記金属材料と同種の金属材料で構成されていることが好ましい。
これにより、隙間形成体と電気抵抗体とが接触しても、その接触による電気抵抗体の腐食を防止することができる。
本発明のセンサー装置では、前記隙間形成体は、絶縁性材料で構成されていることが好ましい。
これにより、隙間形成体が電気抵抗体の一部として機能してしまうのを防止することができる。そのため、電気抵抗体および隙間形成体の設計が容易となる。
本発明のセンサー装置では、前記隙間形成体は、耐アルカリ性を有することが好ましい。
これにより、測定対象部位がコンクリートである場合であっても、隙間形成体の耐久性を優れたものとすることができる。そのため、コンクリートの状態を長期に亘り安定して測定することができる。
本発明のセンサー装置では、前記金属材料は、前記測定部位の環境変化に伴って表面に不動態膜を形成するか、または、表面に存在した不動態膜を消失させる金属材料であることが好ましい。
これにより、電気抵抗体の抵抗値に基づいて、測定対象部位に塩化物イオンが侵入したことを高感度に検知することができる。
本発明のセンサー装置では、前記金属材料は、鉄または鉄系材料であることが好ましい。
これらの金属は比較的安価で入手が容易である。また、例えば、センサー装置をコンクリート構造物の状態測定に用いた場合、電気抵抗体をコンクリート構造物中の鉄筋と同一材料(または近似した材料)で構成することが可能であり、コンクリート構造物中の鉄筋の腐食状態を効果的に検知することができる。
本発明のセンサー装置の設置方法は、本発明のセンサー装置の前記第1の電極および前記第2の電極を測定対象物内に埋設するセンサー装置の設置方法であって、
前記第1の電極を前記測定対象物内に埋設する際に、前記第1の領域側を前記第2の領域側よりも前記測定対象物の外表面側に位置するように、前記第1の電極を設置することを特徴とする。
このようなセンサー装置の設置方法によれば、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低い状態であっても、第1の電極と第2の電極との電位差が生じ、かかる電位差に基づいて塩化物イオンの侵入を高感度に検知することができる。
本発明のセンサー装置の設置方法は、本発明のセンサー装置の前記電気抵抗体を測定対象物内に埋設するセンサー装置の設置方法であって、
前記電気抵抗体を前記測定対象物内に埋設する際に、前記第1の領域側を前記第2の領域側よりも前記測定対象物の外表面側に位置するように、前記電気抵抗体を設置することを特徴とする。
このようなセンサー装置の設置方法によれば、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低い状態であっても、電気抵抗体の抵抗値が変化し、かかる変化に基づいて塩化物イオンの侵入を高感度に検知することができる。
本発明の第1実施形態に係るセンサー装置の使用状態の一例を示す図である。 図1に示すセンサー装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示すセンサー装置を示す平面図である。 図3中のA−A線断面図である。 図3中のB−B線断面図である。 図3中のC−C線断面図である。 図2に示す第1の電極の塩化物イオンによる腐食を説明する模式図である。 図2に示す機能素子に備えられた差動増幅回路を示す回路図である。 図2に示す機能素子に備えられた差動増幅回路を示す回路図である。 図1に示すセンサー装置の作用の一例を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係るセンサー装置を示す図である。 図11に示す第1の電極および隙間形成体を説明するための拡大側面図である。 本発明の第3実施形態に係るセンサー装置の使用状態の一例を示す図である。 図13に示すセンサー装置の概略構成を示すブロック図である。 図13に示すセンサー装置を示す平面図である。 図15中のD−D線断面図である。 本発明の第4実施形態に係るセンサー装置を示す平面図である。 図17中のD−D線断面図である。 本発明の第5実施形態に係るセンサー装置を示す図である。
以下、本発明のセンサー装置の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサー装置の使用状態の一例を示す図、図2は、図1に示すセンサー装置の概略構成を示すブロック図、図3は、図1に示すセンサー装置を示す平面図、図4は、図3中のA−A線断面図、図5は、図3中のB−B線断面図、図6は、図3中のC−C線断面図、図7は、図2に示す第1の電極の塩化物イオンによる腐食を説明する模式図、図8は、図2に示す機能素子に備えられた差動増幅回路を示す回路図、図9は、図2に示す機能素子に備えられた差動増幅回路を示す回路図、図10は、図1に示すセンサー装置の作用の一例を説明するための図である。
なお、図1、3では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸としてX軸、Y軸およびZ軸を図示している。また、以下の説明では、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」と言う。また、以下では、本発明のセンサー装置をコンクリート構造物の品質測定に用いる場合を例に説明する。
図1に示すセンサー装置1は、コンクリート構造物100の品質を測定するものである。
コンクリート構造物100は、コンクリート101内に複数の鉄筋102が埋設されている。そして、センサー装置1は、コンクリート構造物100のコンクリート101内の鉄筋102付近に埋設されている。なお、センサー装置1は、コンクリート構造物100を打設する際に、コンクリート101の打設前に鉄筋に固定して埋め込んでもよいし、打設後に硬化したコンクリート101に穿孔して埋め込んでもよい。
このセンサー装置1は、本体2と、その本体2上に設けられた第1の電極3および第2の電極4とを有する。また、図1では説明の便宜上図示を省略しているが、センサー装置1は、第1の電極3上に設けられた隙間形成体8を有する(図3参照)。
本実施形態では、第1の電極3および第2の電極4は、鉄筋102よりもコンクリート構造物100の外表面側において、コンクリート構造物100の外表面からの距離が互いに等しくなるように設置されている。また、第1の電極3および第2の電極4は、それぞれ、電極面がコンクリート構造物100の外表面に対して垂直となるように設置されている。そして、第1の電極3および第2の電極4は、コンクリート101の測定対象部位の状態変化に伴って、これらの間の電位差が変化するように構成されている。なお、第1の電極3および第2の電極4については、後に詳述する。
また、センサー装置1は、図2に示すように、第1の電極3および第2の電極4に電気的に接続された機能素子51と、電源52と、温度センサー53と、通信用回路54と、アンテナ55と、発振器56とを有し、これらが本体2内に収納されている。
以下、センサー装置1を構成する各部を順次説明する。
(本体)
本体2は、第1の電極3、第2の電極4および機能素子51等を支持する機能を有する。
このような本体2は、図4および図5に示すように、第1の電極3、第2の電極4および機能素子51を支持する基板21を有する。なお、基板21は、電源52、温度センサー53、通信用回路54、アンテナ55および発振器56をも支持するが、図3〜5では、説明の便宜上、電源52、温度センサー53、通信用回路54、アンテナ55および発振器56の図示を省略している。
この基板21は、絶縁性を有する。基板21としては、特に限定されず、例えば、アルミナ基板、樹脂基板等を用いることができる。
図4〜6に示すように、この基板21上には、例えばソルダーレジストのような絶縁性の樹脂組成物で構成された絶縁層23が設けられている。そして、この絶縁層23を介して基板21上には、第1の電極3、第2の電極4および機能素子51が実装されている。
この基板21上には、機能素子51(集積回路チップ)が保持され、機能素子51の導体部61、62(電極パッド)が第1の電極3および第2の電極4と接続されている。
この導体部61は、第1の電極3と、導体部516a、516dおよびトランジスタ514aのゲート電極とを電気的に接続している。また、導体部62は、第2の電極4と、導体部516b、516eおよびトランジスタ514bのゲート電極とを電気的に接続している。第1の電極3と第2の電極4は、各々、トランジスタ514a、514bのゲート電極と接続しているためフローテイング状態にある。515aと515bは、集積回路の層間絶縁膜であり、25は、集積回路の保護膜である。
また、本体2は、機能素子51、電源52、温度センサー53、通信用回路54、アンテナ55および発振器56を収納する機能を有する。
特に、本体2は、機能素子51、電源52、温度センサー53、通信用回路54、アンテナ55および発振器56を液密的に収納するように構成されている。
具体的には、図4および図5に示すように、本体2は、封止部24を有する。この封止部24は、機能素子51、電源52、温度センサー53、通信用回路54、アンテナ55および発振器56を封止する機能を有する。これにより、センサー装置1を水分やコンクリートの存在下に設置した場合に、機能素子51、電源52、温度センサー53、通信用回路54、アンテナ55および発振器56の劣化を防止することができる。
ここで、封止部24は、開口部241を有し、この開口部241から第1の電極3および第2の電極4を露出させつつ、第1の電極3および第2の電極4以外の各部を覆うように設けられている(図3〜5参照)。これにより、封止部24が第1の電極3および第2の電極4以外の各部の劣化を防止しつつ、センサー装置1が測定を行うことができる。
封止部24の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、封止部24は、必要に応じて設ければよく、省略することもできる。
(第1の電極、第2の電極)
第1の電極3および第2の電極4は、図4、5に示すように、それぞれ、前述した本体2の外表面上(より具体的には基板21上)に設けられている。特に、第1の電極3および第2の電極4は、同一平面上に設けられている。そのため、第1の電極3および第2の電極4の設置環境の差が生じるのを防止することができる。
また、第1の電極3および第2の電極4は、互いに電位の影響を受けない程度(例えば数mm)に離間している。
本実施形態では、第1の電極3および第2の電極4は、それぞれ、板状またはシート状をなしている。また、第1の電極3および第2の電極4の平面視形状は、それぞれ、四角形をなしている。また、第1の電極3および第2の電極4は、平面視にて、互いの形状および面積が等しくなっている。なお、第1の電極3および第2の電極4の平面視での形状および面積は、互いに異なっていてもよい。
また、第1の電極3および第2の電極4は、それぞれ、Y軸方向(一方向)に沿って延在する長手形状をなす。特に、第1の電極3が長手形状をなしていることにより、効率的に、後述する第1の領域を第1の電極3の一方向(長手方向)での一方側に偏在させ、後述する第2の領域を第1の電極3の前記一方向での他方側に偏在させることができる。そのため、後述するような第1の電極3の隙間腐食を促進させることができる。
本実施形態では、第1の電極3の上面(すなわち基板21とは反対側の面)には、凹部31が形成されている。これにより、後述するように隙間形成体8が第1の電極3の上面に接合された状態で、第1の電極3と隙間形成体8との間に隙間Gを形成することができる。
この凹部31は、例えば、凹部31の形成前の第1の電極3に隙間形成体8を接合した状態で、隙間形成体8をマスクとして用いてエッチング(特に、ウエットエッチング)することにより形成することができる。このようにして凹部31を形成することにより、第1の電極3と隙間形成体8との間に後述するような第1の電極3の塩化物イオンによる腐食を促進し得る隙間Gを簡単かつ確実に形成することができる。なお、凹部31の形成方法は、これに限定されるものではない。
また、この凹部31の深さ(最大深さ)は、後述するような第1の電極3の塩化物イオンによる腐食を促進し得る隙間Gを形成することができれば、特に限定されないが、例えば、1μm以上100μm以下であるのが好ましく、10μm以上80μm以下であるのがより好ましく、20μm以上60μm以下であるのがさらに好ましい。これにより、後述するような第1の電極3の隙間腐食を生じさせ得る隙間Gを簡単かつ確実に形成することができる。
また、凹部31の幅は、後述するような第1の電極3の隙間腐食を生じさせ得る隙間Gを形成することができれば、特に限定されない。
また、第1の電極3は、その少なくとも表面付近が緻密体で構成されているのが好ましい。これにより、第1の電極3は、塩化物イオンの存在下において、最も腐食が生じやすい部分が最初に腐食し、その最初に腐食を生じた部位の腐食し易さが他の部分に比してさらに大きくなるため、局所的な腐食(孔食)が生じる。
また、第2の電極4は、その少なくとも表面付近が多孔質体で構成されているのが好ましい。これにより、第2の電極4の表面には腐食の生じやすい部分として微細な多数の凹部が均一に分散して形成される。そのため、第2の電極4の表面は、塩化物イオンの存在下において、均一に腐食が生じ、局所的な腐食(孔食)が抑制される。
また、上述したように第2の電極4を多孔質体を用いて構成した場合、その多孔質体の空孔の平均径は、前述したような塩化物イオンによる孔食を防止し得る範囲であれば、特に限定されないが、例えば、2nm以上50nm以下であるのが好ましい。すなわち、かかる空孔は、メソ孔であるのが好ましい。またに、かかる多孔質体の空孔率は、前述したように塩化物イオンによる孔食を防止し得る範囲であれば、特に限定されないが、例えば、10%以上90%以下であるのが好ましい。
かかる範囲内の平均径の空孔を有する多孔質体で第2の電極4が構成されていることにより、前述したような第2の電極4の塩化物イオンによる孔食を防止または抑制するとともに、細孔による毛管凝縮効果により、より低い相対湿度で、第2の電極4上に水分を結露させることができる。そのため、第2の電極4上に安定して液体の水を存在させることができる。すなわち、仮に第2の電極4が緻密体で構成された場合に第2の電極4上に結露が生じないような低い相対湿度においても、第2の電極4上にそれぞれ結露させて液体の水を存在させることができる。
このようなことから、外部環境の湿度や温度の変化に伴ってコンクリート101内の相対湿度が変化しても、第2の電極4上の水分量の変動を防止することができる。その結果、外部環境の湿度や温度の変化によって第2の電極4の自然電位が変動するのを防止し、コンクリート101の測定対象部位の状態を高感度に測定することができる。
ここで、第1の電極3および第2の電極4の構成材料について説明する。
第1の電極3は、不動態膜(第1の不動態膜)を形成する第1の金属材料(以下、単に「第1の金属材料」とも言う)で構成されている。このように構成された第1の電極3は、pHの変化によって不動態膜が形成されたり破壊されたりする。このような第1の電極3は、不動態膜が形成された状態(不動態化した状態)では不活性(貴)であり、自然電位が高くなる(貴化する)。一方、第1の電極3は、不動態膜が破壊された状態(消失された状態)では活性(卑)である。そのため、第1の電極3の電位は、pH変化に伴う不動態膜の有無により急峻に変化する。
第1の金属材料としては、不動態膜が形成される限り、特に限定されないが、例えば、Fe、Ni、Mg、Znまたはこれらを含む合金等が挙げられる。
例えば、Feは、pHが9よりも大きいときに不動態膜を形成する。また、FeAl(Al0.8%)系炭素鋼は、pHが4よりも大きいときに不動態膜を形成する。また、Niは、pHが8〜14であるときに不動態膜を形成する。また、Mgは、pHが10.5よりも大きいときに不動態膜を形成する。また、Znは、pHが6〜12であるときに不動態膜を形成する。また、SUS304は、pHが2〜13であるときに不動態膜を形成する。
また、例えば、炭素鋼(SD345)は、塩化物イオン濃度が約1.2kg/mを超えたときに不動態膜の破壊が始まる。
中でも、第1の金属材料は、FeまたはFeを含む合金(Fe系合金)、すなわち鉄系材料(具体的には、炭素鋼、合金鋼、SUS等)であるのが好ましい。鉄系材料は安価で入手が容易である。また、本実施形態のように、センサー装置1をコンクリート構造物100の状態測定に用いた場合、第1の金属材料をコンクリート構造物100の鉄筋102と同一または近似の材料とすることが可能であり、鉄筋102の腐食環境状態を効果的に検知することができる。例えば、第1の電極3がFeで構成されている場合、pHが9以上か否かの判断ができる。
一方、第2の電極4は、第2の金属材料(以下、単に「第2の金属材料」とも言う)で構成されている。
この第2の金属材料としては、第2の電極4が電極として機能し得るものであれば、特に限定されず、各種金属材料を用いることができる。
また、第2の金属材料は、前述した第1の金属材料と同種の材料(同一または近似した材料)で構成されていてもよいし、前述した第1の金属材料と異なる材料で構成されていてもよい。
また、第2の金属材料は、不動態膜を形成するものであってもよいし、不動態膜を形成しないものであってもよい。
第1の金属材料および第2の金属材料が互いに同種である場合、第1の電極3および第2の電極4は、測定対象部位のpH変化に対して、互いに同一または近似して状態が変化する。したがって、測定対象部位のpHが変化しても、第1の電極3と第2の電極4との電位差は、全く変化しないか、あるいは、ほとんど変化しない。そのため、測定対象部位の塩化物イオン濃度変化を測定対象部位のpH変化と区別して測定することができる。
すなわち、第1の電極3および第2の電極4の表面にそれぞれ不動態膜が形成された状態において、第1の電極3と第2の電極4との電位差が測定対象部位の塩化物イオン濃度に応じたものとなる。そのため、第1の電極3と第2の電極4との電位差に基づいて、測定対象部位に塩化物イオンが侵入したことをより高感度に検知することができる。
一方、第1の金属材料および第2の金属材料が互いに異なる種類である場合、第2の金属材料が不動態膜(第2の不動態膜)を形成するものであると、第1の電極3の不動態膜が形成または消失するタイミングと、第2の電極4の不動態膜が形成または消失するタイミングとを異ならせることができる。そのため、第1の電極3と第2の電極4との電位差に基づいて、測定対象部位のpHが設定値以下か否かを検知することができる。
例えば、測定対象部位のpHの低下に伴う、第1の電極3の不動態膜が消失するタイミングが、第2の電極4の不動態膜が消失するタイミングよりも早い場合、第2の電極4は、前述したように不動態膜の有無により第1の電極3の電位が変化する際に、不導体膜の形成や破壊(消失)が無く、急激な電位の変化がない。そのため、前述したように不動態膜の有無により第1の電極3の電位が変化する際に、第1の電極3と第2の電極4との電位差が急峻に変化する。そのため、第1の電極3および第2の電極4の設置環境(本実施形態ではコンクリート101の鉄筋102付近)のpHが設定値以下か否かを正確に検知することができる。
また、第2の金属材料が不動態膜(第2の不動態膜)を形成するものである場合、第2の金属材料として、上述の第1の金属材料として例示した金属を挙げることができる。
第1の金属材料および第2の金属材料の双方が不動態膜を形成する金属材料である場合、第1の金属材料が不動態膜を形成するpHの範囲の下限値を第1のpH(第1の不動態化pH)とし、第2の金属材料が不動態膜を形成するpHの範囲の下限値を第2のpH(第2の不動態化pH)としたとき、第1のpHおよび第2のpHが互いに異なるのが好ましい。すなわち、第1の金属材料は、第1のpHよりも大きいpHとなったときに不動態膜を形成し、第2の金属材料は、第1のpHとは異なる第2のpHよりも大きいpHとなったときに不動態膜を形成するのが好ましい。これにより、第1の電極3および第2の電極4が設置された環境のpHが第1のpH以下か否かおよび第2のpH以下か否かをそれぞれ正確に検知することができる。
この場合、第1のpHが8以上10以下であり、かつ、第2のpHが7以下であるのが好ましい。これにより、第1のpH以下か否かを検知することにより、第1の電極3および第2の電極4の設置環境が中性状態に近付いていることを事前に知ることができる。このようなことから、本実施形態にように、センサー装置1をコンクリート構造物100の状態測定に用いた場合、鉄筋102の腐食防止の対策を事前に行うことができる。また、第2のpH以下か否かを検知することにより、第1の電極3および第2の電極4の設置環境(測定対象部位)が酸性状態になってしまったことを知ることもできる。
また、この場合、第2の金属材料は、Feを含む合金(Fe系合金)、すなわち鉄系材料であるのが好ましい。鉄系材料は安価で入手が容易である。また、本実施形態のように、センサー装置1をコンクリート構造物100の状態測定に用いた場合、第1の金属材料を鉄筋102と同一材料とすることが可能であり、第2の金属材料を鉄筋102と同種材料(Fe系合金)とすることにより、鉄筋102の腐食状態を効果的に検知することができる。
一方、第2の金属材料が不動態膜を形成しないものである場合、第2の金属材料として、Pt、Au等を挙げることができる。第2の金属材料が不動態膜を形成しないものである場合、第1の電極3および第2の電極4の設置環境が強アルカリ状態から強酸性状態へ変化するとき、その変化を1段階で高感度に検知することができる。
この場合、第1の金属材料は、3以上5以下のpH、または、8以上10以下のpHよりも大きいpHとなったときに不動態膜を形成するものであるのが好ましい。3以上5以下のpH以下か否かを検知することにより、第1の電極3および第2の電極4の設置環境が酸性状態になってしまったことを知ることができる。また、8以上10以下のpH以下か否かを検知することにより、第1の電極3および第2の電極4の設置環境が中性状態に近付いていることを事前に知ることができる。
このような第1の電極3および第2の電極4の形成方法としては、それぞれ、特に限定されず、公知の成膜法を用いることができる。
(隙間形成体)
隙間形成体8は、第1の電極3の表面の一部との間に隙間Gを形成して配置されている。この隙間Gは、第1の電極3の表面に対して局所的に形成され、隙間形成体8の後述する貫通溝81を介して外部に連通している。
このような隙間Gを形成することより、測定対象部位の塩化物イオン濃度が第2の電極4の腐食が生じない比較的低い状態であっても、第1の電極3を隙間腐食により腐食させることができる。そのため、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低い状態であっても、第1の電極3と第2の電極4との電位差が生じ、かかる電位差に基づいて塩化物イオンの侵入を高感度に検知することができる。
特に、隙間形成体8は、第1の電極3の長手方向(すなわちY軸方向)での一方の端部側の部分との間に隙間Gを形成している。
ここで、第1の電極3の表面は、隙間Gを介して隙間形成体8に覆われた第1の領域(以下、単に「第1の領域」ともいう)と、隙間形成体8に覆われずに外部に露出した第2の領域(以下、単に「第2の領域」ともいう)とを有している。なお、本実施形態では、第1の領域は、凹部31の壁面のうち隙間形成体8に覆われた部分であり、第2の領域は、主に第1の電極3の本体2とは反対側の面のうち隙間形成体8に覆われていない部分である。
そして、第1の領域は、第1の電極3の一方向(長手方向)での一方側に偏在し、第2の領域は、第1の電極3の前記一方向での他方側に偏在している。
そのため、第1の領域側を第2の領域側よりもコンクリート構造物100の外表面側に位置するように、第1の電極3を設置することにより、第1の電極3の第1の領域側の塩化物イオン濃度が第2の領域側の塩化物イオン濃度よりも濃くなるように、塩化物イオン濃度の濃度勾配を生じさせることができる。その結果、第1の電極3の隙間腐食を促進させることができる。
本実施形態では、第2の領域の表面積は、第1の領域の表面積よりも大きい。これにより、後述するように、第1の電極3の隙間腐食を促進させることができる。
また、第1の電極3および第2の電極4がそれぞれ前述したような不動態膜を形成する金属材料で構成されている場合、第2の電極4に形成された不動態膜は、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的高くなるまで破壊されず、また、局所的な破壊が一旦生じても、pHが所定値以上の環境下では再生する。そのため、測定対象部位のpHが所定値以上である場合、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的高くなるまでの間、第2の電極4の自然電位が高い状態(貴化した状態)に安定して維持される。
一方、第1の電極3に形成された不動態膜は、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低くても、第1の電極3と隙間形成体8との間の隙間Gに侵入した塩化物イオンによる局所的な破壊が一旦生じると、かかる隙間G内において、第1の電極3から溶出した金属イオンの濃度が増大し、それに伴って、塩化物イオンの濃度が増大するため、再生されない。そのため、測定対象部位のpHが所定値以上である場合、測定対象部位に塩化物イオンが存在しないときには、第1の電極3の自然電位が高い状態(貴化した状態)に安定して維持されるが、測定対象部位に塩化物イオンが侵入すると、第1の電極3の隙間腐食が進行し、第1の電極3の自然電位が低くなる(卑化する)。
このようなことから、第1の電極3と第2の電極4との電位差に基づいて、測定対象部位に塩化物イオンが侵入したことを高感度に検知することができる。
以下、図7に基づいて、隙間形成体8との間に隙間Gが形成された第1の電極3の塩化物イオンによる腐食(隙間腐食)についてより具体的に説明する。
第1の電極3が塩化物イオン(Cl)の存在下にあるとき、隙間G内に侵入した塩化物イオンにより、第1の電極3の表面に形成された不動態膜の局所的な破壊が一旦生じると、第1の電極3を構成する第1の金属材料が金属イオン(Mnn+)として隙間G内に溶出する。
例えば、第1の金属材料が純鉄(Fe)である場合、
Fe→Fe2++2e
の反応により、隙間G内に金属イオンとしてFe2+が溶出する。
このように隙間G内に溶出した金属イオンは、拡散速度が遅く、隙間G内に滞留する。これにより、隙間G内での金属イオンの濃度が増加する。
すると、隙間G内での電気的中性を保つように、隙間G外から隙間G内へ塩化物イオンが泳動し、塩化物イオンが隙間G内に集中する。これにより、隙間G内での塩化物イオンの濃度も増加する。
そのため、隙間G外における塩化物イオンの濃度に比し、隙間G内における塩化物イオンの濃度が高くなる。
また、隙間G内では、金属イオンと塩化物イオンと水との反応により、水素イオンが発生し、隙間G内の水素イオン濃度が増加、すなわち隙間G内のpHが低下する。
例えば、第1の金属材料が純鉄(Fe)である場合、
Fe2++2Cl→FeCl
FeCl+2HO→Fe(OH)+HCl
の反応により、隙間G内の水素イオンの濃度が増加する。
そのため、隙間G外における水素イオンの濃度に比し、隙間G内における水素イオンの濃度が高くなる。
以上のようなことから、隙間G外における塩化物イオンおよび水素イオンの濃度が比較的少なくても、隙間G内の塩化物イオン濃度および水素イオン濃度が高まり、第1の電極3の隙間腐食が進行することとなる。
ここで、第1の電極3の表面は、隙間腐食が生じる部分(すなわち隙間Gを介して隙間形成体8に覆われた部分)がアノード領域(すなわち第1の領域)となり、隙間Gの外側に露出した部分(すなわち隙間形成体8に覆われずに露出した部分)がカソード領域(すなわち第2の領域)となる。
例えば、第1の金属材料が純鉄(Fe)である場合、
第1の電極3のアノード領域では、Fe→Fe2++2eのアノード反応が生じ、
第1の電極3のカソード領域では、1/2O+HO+2e→2OH−のカソード反応が生じる。
このようなカソード反応は、第1の電極3のカソード領域を大きくすることにより、アノード反応が促進される。そのため、第1の電極3の表面の隙間Gの外側に露出した部分の面積を大きくすることにより、測定対象部位の塩化物イオン濃度がより低い状態においても、第1の電極3の隙間腐食が生じるため、測定対象部位への塩化物イオンの侵入をより高感度に検知することができる。
隙間形成体8は、前述した第1の電極3の表面に形成された凹部31の壁面との間に隙間を形成しつつ凹部31を覆って設けられている。本実施形態では、隙間形成体8は、板状またはシート状をなし、凹部31の開口縁部に接合されている。また、隙間形成体8には、その厚さ方向に貫通する貫通溝81が形成されている。この貫通溝81は、凹部31に連通している。
このような貫通溝81を有する隙間形成体8と、凹部31を有する第1の電極3とを組み合わせることにより、第1の電極3の隙間腐食を生じさせ得る隙間Gを第1の電極3と隙間形成体8との間に簡単かつ確実に形成することができる。
貫通溝81は、平面視にて一方向に延びる長尺状をなしている。なお、貫通溝81(貫通孔)の平面視形状は、第1の電極3の隙間腐食を生じさせ得る隙間Gを形成し得るものであれば、これに限定されない。
この貫通溝81の幅は、前述したように隙間G内への塩化物イオンの侵入が可能であるとともに、第1の電極3の隙間腐食を生じさせ得る隙間Gを隙間形成体8と第1の電極3との間に形成することができれば、特に限定されない。
このような隙間形成体8の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、絶縁材材料、または、第1の電極3を構成する第1の金属材料と同種の金属材料を用いるのが好ましく、特に、本実施形態では、前述したように隙間形成体8をマスクとして用いてエッチングにより第1の電極3の凹部31を形成できるという観点から、絶縁性材料を用いるのが好ましい。
隙間形成体8が絶縁性材料で構成されている場合、隙間形成体8が第1の電極3の自然電位に影響を及ぼすのを防止することができる。そのため、第1の電極3および隙間形成体8の設計が容易となる。
かかる絶縁性材料としては、特に限定されないが、例えば、SiO、Si等の絶縁性セラミックス材料、PSF(ポリサルフォン)、PAI(プリアミドイミド)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の樹脂材料等が挙げられ、中でも、本実施形態では、前述したように隙間形成体8をマスクとして用いてエッチングにより第1の電極3の凹部31を形成できるという観点から、絶縁性セラミックス材料を用いるのが好ましい。
また、隙間形成体8が第1の電極3を構成する金属材料と同種の金属材料で構成されている場合、隙間形成体8が第1の電極3の自然電位に影響を及ぼすのを防止することができる。そのため、第1の電極3および隙間形成体8の設計が容易となる。
また、隙間形成体8は、耐アルカリ性を有するのが好ましい。これにより、測定対象部位がコンクリートである場合であっても、隙間形成体8の耐久性を優れたものとすることができる。そのため、コンクリートの状態を長期に亘り安定して測定することができる。
また、隙間Gにおける隙間形成体8と第1の電極3との間の距離(第1の電極3の厚さ方向での距離)は、1μm以上100μm以下であるのが好ましく、10μm以上80μm以下であるのがより好ましく、20μm以上60μm以下であるのがさらに好ましい。これにより、第1の電極3の隙間腐食を生じさせることができる。
(機能素子)
機能素子51は、前述した本体2の内部に埋設されている。なお、機能素子51は、前述した本体2の基板21に対して第1の電極3および第2の電極4とは、同一面に設けても、反対側に設けても良い。
この機能素子51は、第1の電極3と第2の電極4との電位差を測定する機能を有する。これにより、第1の電極3と第2の電極4との電位差に基づいて、第1の電極3および第2の電極4の設置環境の塩化物イオン濃度が設定値以下か否かを検知することができる。
また、機能素子51は、第1の電極3と第2の電極4との電位差に基づいて、測定対象物であるコンクリート構造物100の測定対象部位のpHあるいは塩化物イオン濃度が設定値以下か否かを検知する機能をも有する。これにより、コンクリート構造物100のpH変化あるいは塩化物イオン濃度変化に伴う状態変化を検知することができる。
このような機能素子51は、例えば、集積回路である。より具体的には、機能素子51は、例えば、MCU(マイクロコントロールユニット)であり、図2に示すように、CPU511と、A/D変換回路512と、差動増幅回路514とを有する。
より具体的に説明すると、機能素子51は、図6に示すように、基板513と、基板513上に設けられた複数のトランジスタ514a、514b、514cと、トランジスタ514a、514b、514cを覆う層間絶縁膜515a、515bと、配線および導体ポストを構成する導体部516a、516b、516c、516d、516e、516fと、保護膜25と、電極パッドを構成する導体部61、62とを有する。
基板513は、例えばSOI基板であり、CPU511およびA/D変換回路512が形成されている。基板513としてSOI基板を用いることにより、トランジスタ514a〜514cをSOI型MOSFETとすることができる。
複数のトランジスタ514a、514b、514cは、それぞれ例えば電界効果トランジスタ(FET)であり、差動増幅回路514の一部を構成するものである。
差動増幅回路514は、図8に示すように、3つのトランジスタ514a〜514cと、カレントミラー回路514dとで構成されている。
また、差動増幅回路514は、図9に示すように、演算増幅器201、202と、演算増幅器203とを有する。
演算増幅器201は、比較用電極7を基準として第1の電極3の電位を検出する。また、演算増幅器202は、比較用電極7を基準として第2の電極4の電位を検出する。また、演算増幅器203は、演算増幅器201の出力電位と演算増幅器202の出力電位との差を検出する。
導体部516aは、その一端がトランジスタ514aのゲート電極に接続され、他端が前述した導体部516dに接続されている。導体部516dは、導体部61を介して第1の電極3に電気的に接続されている。これにより、トランジスタ514aのゲート電極と第1の電極3とが電気的に接続されている。そのため、第1の電極3の電位の変化に応じて、トランジスタ514aのドレイン電流が変化する。
同様に、導体部516bは、その一端がトランジスタ514bのゲート電極に接続され、他端が前述した導体部516eに接続されている。導体部516eは、導体部62を介して第2の電極4に電気的に接続されている。これにより、トランジスタ514bのゲート電極と第2の電極4とが電気的に接続されている。そのため、第2の電極4の電位の変化に応じて、トランジスタ514bのドレイン電流が変化する。
また、導体部516cは、その一端がトランジスタ514cのゲート電極に接続され、他端が前述した導体部516fに接続され、回路の一部を構成している。
また、機能素子51は、電源52からの通電により作動する。電源52は、機能素子51を動作可能な電力を供給できるものであれば、特に限定されず、例えば、ボタン型電池のような電池であってもよいし、圧電素子のような発電機能を有する素子を用いた電源ものであってもよい。
また、機能素子51は、温度センサー53の検知温度情報を取得し得るように構成されている。これにより、測定対象部位の温度に関する情報も得ることができる。このような温度に関する情報を用いることにより、測定対象部位の状態をより正確に測定したり、測定対象部位の変化を高感度に予想したりすることができる。
温度センサー53は、測定対象物であるコンクリート構造物100の測定対象部位の温度を検知する機能を有する。このような温度センサー53としては、特に限定されず、例えば、サーミスター、熱電対等の公知の様々な種類の温度センサーを用いることができる。
また、機能素子51は、通信用回路54を駆動制御する機能をも有する。例えば、機能素子51は、第1の電極3と第2の電極4との電位差に関する情報(以下、単に「電位差情報」ともいう)と、測定対象部位のpHや塩化物イオン濃度が設定値以下か否かに関する情報(以下、単に「pH情報」ともいう)とをそれぞれ通信用回路54に入力する。また、機能素子51は、温度センサー53によって検知された温度に関する情報(以下、単に「温度情報」ともいう)も併せて通信用回路54に入力する。
通信用回路54は、アンテナ55に給電する機能(送信機能)を有する。これにより、通信用回路54は、入力された情報をアンテナ55を介してRF帯またはLF帯(好ましくはLF帯)を用いて無線送信することができる。送信された情報は、コンクリート構造物100の外部に設けられた受信機(リーダー)で受信される。
この通信用回路54は、例えば、電磁波を送信するための送信回路、信号を変調する機能を有する変調回路等を有する。なお、通信用回路54は、信号の周波数を小さく変換する機能を有するダウンコンバータ回路、信号の周波数を大きく変換する機能を有するアップコンバータ回路、信号を増幅する機能を有する増幅回路、電磁波を受信するための受信回路、信号を復調する機能を有する復調回路等を有していてもよい。
また、アンテナ55は、特に限定されないが、例えば、金属材料、カーボン等で構成され、巻線、薄膜等の形態をなす。
また、機能素子51は、発振器56からのクロック信号を取得し得るように構成されている。これにより、各回路の同期をとったり、各種情報に時刻情報を付加したりすることができる。
発振器56は、特に限定されないが、例えば、水晶振動子を利用した発振回路で構成されている。
以上説明したように構成されたセンサー装置1を用いた測定方法は、第1の電極3および第2の電極4を測定対象物であるコンクリート構造物100内にそれぞれ埋設し、第1の電極3と第2の電極4との電位差に基づいて、コンクリート構造物100の状態を測定する。
ここで、センサー装置1の設置方法は、センサー装置1を用意し、第1の電極3および第2の電極4をコンクリート構造物100内に埋設する。
特に、第1の電極3をコンクリート構造物100内に埋設する際に、第1の領域側を第2の領域側よりもコンクリート構造物100の外表面側(+Y方向側)に位置するように、第1の電極3を設置する。すなわち、第1の電極3の第1の領域側をコンクリート構造物100の外表面から浅い側、第1の電極3の第2の領域側をコンクリート構造物100の外表面から深い側に位置するように、第1の電極3を設置する。
これにより、上述したように、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低い状態であっても、第1の電極3と第2の電極4との電位差が生じ、かかる電位差に基づいて塩化物イオンの侵入を高感度に検知することができる。
以下、第1の電極3および第2の電極4がそれぞれ炭素鋼(SD345)で構成されている場合を例として、センサー装置1の作用を説明する。
打設直後のコンクリート構造物100において、通常、適切に打設されていれば、コンクリート101は強アルカリ性を呈する。そのため、このとき、測定対象部位に塩化物イオンが侵入していなければ、第1の電極3および第2の電極4は、それぞれ、安定な不動態膜を形成する。すなわち、図10(a)に示すように、第1の電極3は、その表面に不動態膜33が形成され、第2の電極4は、その表面に不動態膜43が形成される。これにより、第1の電極3および第2の電極4の自然電位がそれぞれ上がっている(貴化している)。そのため、コンクリートの打設直後における第1の電極3と第2の電極4との電位差は小さくなる。
その後、不動態膜33、43が形成されている状態において、コンクリート構造物100のコンクリート101の測定対象部位に塩化物イオンが侵入すると、その塩化物イオン濃度が炭素鋼を腐食させる限界濃度に達するまでの間、第2の電極4に形成された不動態膜43は、塩化物イオンの存在下においても、腐食せず、自然電位がほとんど変化せず貴化した状態(高い状態)に維持される。一方、第1の電極3に形成された不動態膜は、塩化物イオン濃度が炭素鋼を腐食させる限界濃度に達していなくても、塩化物イオンの存在下において、局所的な腐食(孔食)が生じる。すなわち、第1の電極3の不動態膜33には、図10(b)に示すように、貫通した欠損部331が形成され、その欠損部331を介して第1の電極3の不動態化されていない部分が露出し、第1の電極3が腐食、すなわち第1の電極3が隙間腐食する。これにより、第1の電極3の自然電位が卑化する(下がる)。
このようなことから、測定対象部位へ塩化物イオンが侵入すると、第1の電極3と第2の電極4との電位差が大きくなる。そのため、第1の電極3と第2の電極4との電位差に基づいて、測定対象部位の塩化物イオン濃度変化を測定することができる。
また、コンクリート構造物100は、二酸化炭素、酸性雨、排気ガス等の影響により、コンクリート101のpHが徐々に酸性側に変化(中性化)していく。
そして、コンクリート101のpHが9程度にまで下がると、図10(c)に示すように、第1の電極3および第2の電極4は、不動態膜33、43がともに崩壊し始め、それぞれ自然電位が下がる(卑化する)。このとき、第1の電極3および第2の電極4は、ともに自然電位が下がっているので、第1の電極3と第2の電極4との電位差は、小さくなる。また、第1の電極3と比較用電極7との電位差、および、第2の電極4と比較用電極7との電位差がそれぞれ急峻に変化する。そのため、測定対象部位のpHが9程度となったことを高感度に検知することができる。なお、このとき、第1の電極3および第2の電極4の腐食がそれぞれ進む。
このような検知結果を利用することにより、コンクリート構造物100の打設後の品質の経時変化をモニタリングすることができる。そのため、鉄筋102が腐食する前に、コンクリート101の劣化(中性化や塩分侵入)を把握することができる。これにより、鉄筋102が腐食する前に、コンクリート構造物100に塗装や防腐剤混入モルタル等による補修工事を行うことが可能となる。
また、コンクリート構造物100の打設時に異常があった否かを判断することもできる。そのため、コンクリート構造物100の初期トラブルを防止し、コンクリート構造物100の品質を向上させることができる。
以上説明したように第1実施形態のセンサー装置1によれば、第1の電極3と隙間形成体8との間に局所的な隙間Gが形成されているので、測定対象部位の塩化物イオン濃度が第2の電極4の塩化物イオンによる腐食が生じない比較的低い状態であっても、第1の電極3を隙間腐食により腐食させることができる。そのため、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低い状態であっても、第1の電極3と第2の電極4との電位差が生じ、かかる電位差に基づいて塩化物イオンの侵入を検知することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図11は、本発明の第2実施形態に係るセンサー装置を示す図、図12は、図11に示す第1の電極および隙間形成体を説明するための拡大側面図である。
以下、第2実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態のセンサー装置は、第1の電極、第2の電極および隙間形成体の構成が異なる以外は、第1実施形態のセンサー装置とほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
本実施形態のセンサー装置1Aは、図11に示すように、本体2Aと、その本体2A上に設けられた第1の電極3Aおよび第2の電極4Aと、第1の電極3A上に設けられた隙間形成体8Aとを有する。
第1の電極3Aおよび第2の電極4Aは、図11に示すように、それぞれ、長尺状をなし、互いに平行となるように本体2A上に立設されている。
このような第1の電極3Aおよび第2の電極4Aは、それぞれ、Y軸方向に沿って延在するように設置される。すなわち、第1の電極3Aおよび第2の電極4Aは、それぞれ、先端側が基端側(本体2A側)よりも測定対象物の外表面側に位置するように設置される。
隙間形成体8Aは、図12に示すように、第1の電極3Aの表面の一部との間に隙間G1を形成して設けられている。
特に、隙間形成体8Aは、第1の電極3Aの長手方向(すなわちY軸方向)での一方の端部側(先端側)の部分との間に隙間G1を形成している。
ここで、第1の電極3Aの表面は、隙間G1を介して隙間形成体8Aに覆われた第1の領域と、隙間形成体8Aに覆われずに外部に露出した第2の領域とを有している。
そして、この第1の領域は、第1の電極3Aの一方向(長手方向)での一方側に偏在し、この第2の領域は、第1の電極3の前記一方向での他方側に偏在している。
また、隙間形成体8Aは、平面視にて四角形をなしている。なお、隙間形成体8Aの平面視形状は、四角形に限定されず、例えば、円形であってもよい。
また、本実施形態では、第1の電極3Aおよび隙間形成体8Aは、それぞれ、板状またはシート状をなし、互いに重ねられた状態で隙間形成体8Aが第1の電極3Aに対して固定部材10により固定されている。これにより、第1の電極3Aの隙間腐食を生じさせ得る隙間G1を第1の電極3Aと隙間形成体8Aとの間に簡単かつ確実に形成することができる。
より具体的に説明すると、固定部材10は、ボルト10aと、ワッシャー10b、10cと、ナット10dとを有している。
そして、第1の電極3Aおよび隙間形成体8Aは、互いに重ねられた状態にて、双方を貫通する貫通孔(図示せず)が形成されており、その貫通孔に一方側からワッシャー10bを介してボルト10aを挿通し、他方側からワッシャー10cを介してボルト10aにナット10dを螺合させることにより、隙間形成体8Aが第1の電極3Aに対して固定部材10により固定されている。
このようなボルト10aおよびナット10dは、隙間形成体8Aを局所的に第1の電極3Aに対して圧着させるので、隙間形成体8Aの圧着された部分以外の部分が第1の電極3Aに対して若干浮き上がり、隙間G1が形成される。なお、ワッシャー10b、10cは、省略してもよい。
この隙間G1における第1の電極3Aと隙間形成体8Aとの間の距離は、ボルト10aおよびナット10dの締付トルクに応じて調整することができる。なお、かかる距離は、前述した第1実施形態における隙間Gにおける第1の電極3と隙間形成体8との間の距離と同様の大きさ、すなわち、第1の電極3Aの隙間腐食を生じ得る程度の大きさに設定すればよい。
また、隙間形成体8Aの構成材料としては、前述した第1実施形態の隙間形成体8の構成材料と同様のものを用いることができ、絶縁材材料、または、第1の電極3Aを構成する金属材料と同種の金属材料を用いるのが好ましい。
また、ボルト10a、ワッシャー10b、10cおよびナット10dの構成材料としては、隙間形成体8Aと同様の構成材料を用いることができ、隙間形成体8Aと同様、絶縁材材料、または、第1の電極3Aを構成する金属材料と同種の金属材料を用いるのが好ましい。
以上説明したような第2実施形態のセンサー装置1Aによっても、コンクリート構造物100のコンクリート101中の塩化物イオン濃度変化をコンクリート101のpH変化と区別して測定し、その測定情報をコンクリート構造物100の計画的な保全に活用することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図13は、本発明の第3実施形態に係るセンサー装置の使用状態の一例を示す図、図14は、図13に示すセンサー装置の概略構成を示すブロック図、図15は、図13に示すセンサー装置を示す平面図、図16は、図15中のD−D線断面図である。
以下、第3実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
本実施形態のセンサー装置1Bは、図13に示すように、本体2Bと、その本体2Bの表面に露出した電気抵抗体9とを有する。本実施形態では、電気抵抗体9は、鉄筋102よりもコンクリート構造物100の外表面側となるように、コンクリート構造物100内に設置されている。そして、電気抵抗体9は、コンクリート101の測定対象部位の酸または塩化物イオンによって腐食し、切断するように構成されている。
また、図13では説明の便宜上図示を省略しているが、センサー装置1Bは、電気抵抗体9の表面の一部との間に隙間を形成して設けられた隙間形成体8Bが設けられている(図15、16参照)。なお、電気抵抗体9および隙間形成体8Bについては、後に詳述する。
また、センサー装置1Bは、図14に示すように、電気抵抗体9に電気的に接続された機能素子51Bと、電源52Bと、温度センサー53Bと、通信用回路54Bと、アンテナ55Bと、発振器56Bとを有し、これらが本体2B内に収納されている。
以下、センサー装置1Bを構成する各部を順次説明する。
(本体)
本体2Bは、電気抵抗体9および機能素子51B等を支持する機能を有する。
このような本体2Bは、図15および図16に示すように、電気抵抗体9および機能素子51Bを支持する基板21Bを有する。なお、基板21Bは、電源52B、温度センサー53B、通信用回路54B、アンテナ55Bおよび発振器56Bをも支持するが、図15および図16では、説明の便宜上、電源52B、温度センサー53B、通信用回路54B、アンテナ55Bおよび発振器56Bの図示を省略している。
この基板21Bは、前述した第1実施形態の基板21と同様の基板を用いることができる。
この基板21B上には、例えばソルダーレジストのような絶縁性の樹脂組成物で構成された絶縁層23Bが設けられている。そして、この絶縁層23Bを介して基板21B上には、電気抵抗体9および機能素子51Bが実装されている。
図15に示すように、機能素子51Bの導体部61B、62B(電極パッド)が配線71B、72Bを介して電気抵抗体9の両端部に電気的に接続されている。
また、図15および図16に示すように、本体2Bは、封止部24Bを有する。この封止部24Bは、機能素子51B、電源52B、温度センサー53B、通信用回路54B、アンテナ55Bおよび発振器56Bを封止する機能を有する。
ここで、封止部24Bは、開口部241Bを有し、この開口部241Bから電気抵抗体9の一部を露出させつつ、電気抵抗体9以外の各部を覆うように設けられている。
このような封止部24Bの構成材料としては、前述した第1実施形態の封止部24の構成材料と同様のものを用いることができる。
なお、封止部24Bは、必要に応じて設ければよく、省略することもできる。
(電気抵抗体)
電気抵抗体9は、図15および図16に示すように、前述した本体2Bの外表面上(より具体的には基板21B上)に設けられている。
この電気抵抗体9は、酸または塩化物イオンにより腐食するものである。そのため、電気抵抗体9は、酸または塩化物イオンの環境下で、腐食により切断される。
電気抵抗体9は、互いに離間した1対の第1の部分91、92(第1の導体)と、この2つの第1の部分91、92間に形成された第2の部分93(第2の導体)とから構成されている。
第1の部分91、92は、Y軸方向(一方向)に沿って延在し、Y軸方向に対して垂直な方向(X軸方向)に間隔を隔てて並んで設けられている。
また、第1の部分91、92は、それぞれ、板状またはシート状をなし、平面視にて四角形をなしている。
そして、第2の部分93は、1対の第1の部分91、92の一端部同士の間に設けられ、1対の第1の部分91、92同士を電気的に接続している。本実施形態では、第2の部分93は、長手形状をなし、その一端が第1の部分91に接続され、他端が第1の部分92に接続されている。
この第2の部分93の平面視での面積は、第1の部分91の平面視での面積、および、第1の部分92の平面視での面積よりも小さくなっている。すなわち、第1の部分91の平面視での面積、および、第1の部分92の平面視での面積は、それぞれ、第2の部分93の平面視での面積よりも大きくなっている。これにより、電気抵抗体9の隙間腐食時にカソード反応を生じる部分の表面積を大きくすることができる。また、電気抵抗体9の隙間腐食時にアノード反応を生じる部分の横断面(電流が流れる方向に直交する断面)の面積を小さくし、電気抵抗体9が隙間腐食により切断されやすくすることができる。
このような電気抵抗体9の構成材料としては、酸または塩化物イオンの存在下で腐食するものであれば、特に限定されないが、測定対象部位の環境変化に伴って表面に不動態膜を形成するか、または、表面に存在した不動態膜を消失させる金属材料を用いるのが好ましく、鉄または鉄系材料を用いるのがより好ましい。
これにより、測定対象部位のpHが所定値以上である場合に、電気抵抗体9の表面に不動態膜が形成される。
このような不動態膜を形成する金属材料としては、前述した第1実施形態の第1の電極3の構成材料と同様のものを用いることができる。
また、電気抵抗体9は、前述したような金属材料からなる緻密質体で構成されているのが好ましい。これにより、電気抵抗体9の後述する隙間腐食を生じさせやすくすることができる。
このような電気抵抗体9は、特に限定されず、成膜法を用いて形成することができる。
また、電気抵抗体9の厚さは、特に限定されないが、腐食による電気抵抗の変化が大きく、コンクリート強度に影響を及ぼさないためには、10nm以上5mm以下であるのが好ましい。
(隙間形成体)
隙間形成体8Bは、電気抵抗体9の表面の一部との間に隙間G2を形成して配置されている。
このような隙間G2を形成することより、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低い状態であっても、電気抵抗体9を隙間腐食により腐食させることができる。
そのため、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低い状態であっても、電気抵抗体9の抵抗値が変化し、かかる変化に基づいて塩化物イオンの侵入を検知することができる。
特に、隙間形成体8Bは、電気抵抗体9の第2の部分93との間に隙間G2を形成している。
ここで、電気抵抗体9の表面は、隙間G2を介して隙間形成体8Bに覆われた第1の領域と、隙間形成体8Bに覆われずに外部に露出した第2の領域とを有している。
そして、この第1の領域は、電気抵抗体9の一方向(Y軸方向)での一方側に偏在し、この第2の領域は、電気抵抗体9の前記一方向での他方側に偏在している。なお、本実施形態では、第1の領域は、第2の部分93に設けられ、第2の領域は、主に第1の部分91、92に設けられている。
そのため、第1の領域側を第2の領域側よりもコンクリート構造物100の外表面側に位置するように、電気抵抗体9を設置することにより、電気抵抗体9の第1の領域側の塩化物イオン濃度が第2の領域側の塩化物イオン濃度よりも濃くなるように、塩化物イオン濃度の濃度勾配を生じさせることができる。その結果、電気抵抗体9の隙間腐食を促進させることができる。
本実施形態では、第2の領域の表面積は、第1の領域の表面積よりも大きい。これにより、電気抵抗体9の隙間腐食を促進させることができる。
本実施形態では、隙間形成体8Bは、電気抵抗体9の第2の部分93の表面との間に間隔G2を形成している。そのために、電気抵抗体9は、隙間形成体8Bに覆われていない部分の表面積が、隙間G2を介して隙間形成体8Bに覆われている部分の表面積よりも大きい。すなわち、電気抵抗体9の隙間腐食時に、カソード反応を生じる部分の表面積が、アノード反応を生じる部分の表面積よりも大きい。これにより、電気抵抗体9の隙間腐食を促進することができる。
また、本実施形態では、隙間形成体8Bは、電気抵抗体9の第2の部分93の長手方向に間隔を隔てて並ぶ3つの隙間形成体82、83、84で構成されている。
このような隙間形成体8Bは、例えば、電気抵抗体9上にアルミニウムのような金属を電解メッキにより成膜して犠牲層を形成した後、その犠牲層上に隙間形成体8Bを公知の成膜法により形成し、犠牲層を強アルカリ液により溶解して除去することにより形成することができる。
このような隙間形成体8Bの構成材料としては、特に限定されないが、例えば、絶縁材材料、または、電気抵抗体9を構成する金属材料と同種の金属材料を用いるのが好ましい。
隙間形成体8Bが絶縁性材料で構成されている場合、隙間形成体8Bが電気抵抗体9の一部として機能してしまうのを防止することができる。そのため、電気抵抗体9および隙間形成体8Bの設計が容易となる。
かかる絶縁性材料としては、特に限定されないが、例えば、SiO、Si等の絶縁性セラミックス材料、PSF(ポリサルフォン)、PAI(プリアミドイミド)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の樹脂材料等が挙げられ、中でも、本実施形態では、前述したような犠牲層の除去に用いる強アルカリ液に耐え得るものが好ましい。
また、隙間形成体8Bが電気抵抗体9を構成する金属材料と同種の金属材料で構成されている場合、隙間形成体8Bと電気抵抗体9とが接触しても、その接触による電気抵抗体9の腐食を防止することができる。
また、隙間形成体8Bは、耐アルカリ性を有する材料から構成されているのが好ましい。これにより、測定対象部位がコンクリートである場合であっても、隙間形成体8Bの耐久性を優れたものとすることができる。そのため、コンクリートの状態を長期に亘り安定して測定することができる。
また、隙間G2における隙間形成体8Bと電気抵抗体9との間の距離は、1μm以上100μm以下であるのが好ましく、10μm以上80μm以下であるのがより好ましく、20μm以上60μm以下であるのがさらに好ましい。これにより、電気抵抗体9の隙間腐食を生じさせることができる。
(機能素子)
機能素子51Bは、前述した本体2Bの内部に埋設されている。なお、機能素子51Bは、前述した本体2Bの基板21Bに対して電気抵抗体9とは、同一面に設けても、反対側に設けても良い。
この機能素子51Bは、電気抵抗体9の抵抗値を測定する機能を有する。これにより、電気抵抗体9の抵抗値に基づいて、測定対象部位の状態を測定することができる。
また、機能素子51Bは、電気抵抗体9の抵抗値に基づいて、測定対象物であるコンクリート構造物100の測定対象部位のpHあるいは塩化物イオン濃度が設定値以下か否かを検知する機能をも有する。これにより、コンクリート構造物100のpH変化あるいは塩化物イオン濃度変化に伴う状態変化を検知することができる。
このような機能素子51Bは、例えば、集積回路である。より具体的には、機能素子51Bは、例えば、MCU(マイクロコントロールユニット)であり、図14に示すように、CPU511Bと、A/D変換回路512Bと、測定回路514Bとを有する。
また、機能素子51Bは、電源52Bからの通電により作動する。この電源52Bとしては、前述した第1実施形態の電源52と同様のものを用いることができる。
また、機能素子51Bは、温度センサー53Bの検知温度情報を取得し得るように構成されている。これにより、測定対象部位の温度に関する情報も得ることができる。
温度センサー53Bは、測定対象物であるコンクリート構造物100の測定対象部位の温度を検知する機能を有する。このような温度センサー53Bとしては、前述した第1実施形態の温度センサー53と同様のものを用いることができる。
また、機能素子51Bは、通信用回路54Bを駆動制御する機能をも有する。例えば、機能素子51Bは、電気抵抗体9の抵抗値に関する情報と、測定対象部位のpHあるいは塩化物イオン濃度が設定値以下か否かに関する情報とをそれぞれ通信用回路54Bに入力する。また、機能素子51Bは、温度センサー53Bによって検知された温度に関する情報も併せて通信用回路54Bに入力する。
通信用回路54Bは、アンテナ55Bに給電する機能(送信機能)を有する。
この通信用回路54Bは、前述した第1実施形態の通信用回路54と同様に構成されている。
また、アンテナ55Bは、前述した第1実施形態のアンテナ55と同様に構成されている。
また、機能素子51Bは、発振器56Bからのクロック信号を取得し得るように構成されている。
発振器56Bは、前述した第1実施形態の発振器56Bと同様に構成されている。
以上説明したように構成されたセンサー装置1Bは、電気抵抗体9を測定対象物であるコンクリート構造物100内に埋設し、電気抵抗体9の抵抗値に基づいて、コンクリート構造物100の状態を測定する。
ここで、センサー装置1Bの設置方法は、センサー装置1Bを用意し、電気抵抗体9をコンクリート構造物100内に埋設する。
特に、電気抵抗体9をコンクリート構造物100内に埋設する際に、第1の領域側を第2の領域側よりもコンクリート構造物100の外表面側(+Y方向側)に位置するように、電気抵抗体9を設置する。
これにより、上述したように、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低い状態であっても、電気抵抗体9の抵抗値が変化し、かかる変化に基づいて塩化物イオンの侵入を高感度に検知することができる。
以下、電気抵抗体9がFe(炭素鋼)で構成されている場合を一例として、センサー装置1Bの作用を説明する。
打設直後のコンクリート構造物100において、通常、適切に打設されていれば、コンクリート101は強アルカリ性を呈する。そのため、このとき、電気抵抗体9は、安定な不動態膜を形成する。
その後、コンクリート構造物100は、二酸化炭素、酸性雨、排気ガス等の影響により、コンクリート101のpHが徐々に酸性側に変化していく。
コンクリート101のpHが9程度にまで下がる前に、コンクリート構造物100のコンクリート101の測定対象部位に塩化物イオンが侵入すると、その塩化物イオン濃度が炭素鋼を腐食させる限界濃度(約1.2kg/m)に達していなくても(約0.1kg/m程度であっても)、電気抵抗体9に形成された不動態膜は、塩化物イオンの存在下において、隙間G2により隙間腐食が生じ、電気抵抗体9の抵抗値が大きくなる。
このような電気抵抗体9の抵抗値に基づいて、測定対象部位への塩化物イオンの侵入を高感度に検知することができる。
また、コンクリート構造物100のコンクリート101の測定対象部位に塩化物イオンが侵入していなくても、コンクリート101のpHが9程度にまで下がると、電気抵抗体9が腐食し、電気抵抗体9の抵抗値がともに大きくなる。
このような電気抵抗体9の抵抗値に基づいて、測定対象部位のpHが9程度になったことを検知することができる。
以上説明したように第3実施形態のセンサー装置1Bによれば、電気抵抗体9と隙間形成体8Bとの間に局所的な隙間G2が形成されているので、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低い状態であっても、電気抵抗体9を隙間腐食により腐食させることができる。
そのため、測定対象部位の塩化物イオン濃度が比較的低い状態であっても、電気抵抗体9の抵抗値が変化し、かかる変化に基づいて塩化物イオンの侵入を高感度に検知することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
図17は、本発明の第4実施形態に係るセンサー装置を示す平面図、図18は、図17中のD−D線断面図である。
以下、第4実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態のセンサー装置は、隙間形成体の構成が異なる以外は、第3実施形態のセンサー装置とほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図17に示すセンサー装置1Cは、電気抵抗体9の表面の一部との間に隙間G3を形成して設けられた隙間形成体8Cを有する。
隙間形成体8Cは、電気抵抗体9の第2の部分93の両側面との間に隙間G3を形成して設けられている。本実施形態では、隙間形成体8Cは、図18に示すように、シート状または板状をなし、基板21B上に設けられている。
この隙間形成体8Cの構成材料としては、隙間形成体8Cが電気抵抗体9の一部として機能してしまうのを防止する観点から、絶縁材料を用いるのが好ましい。
このような隙間形成体8Cは、公知の成膜法により形成することができる。
以上説明したような第4実施形態に係るセンサー装置1Cによっても、コンクリート101の品質劣化を防止しつつ、測定対象物の状態を測定し、その測定結果に基づく情報を鉄筋102の腐食前の計画的または予防的な保全に活用することができる
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
図19は、本発明の第5実施形態に係るセンサー装置を示す図である。
以下、第5実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第5実施形態のセンサー装置は、電気抵抗体および隙間形成体の構成が異なる以外は、第3実施形態のセンサー装置とほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図19に示すセンサー装置1Dは、本体2B上に設けられ、機能素子51Bに電気的に接続された電気抵抗体9Dと、電気抵抗体9Dとの間に隙間を形成して配置された隙間形成体8Dとを有する。
電気抵抗体9Dは、互いに離間して設けられたブロック状の導体94、95(第1の導体)と、導体94と導体95とを電気的に接続する長尺状の導体96(第2の導体)とを有する。
導体94、95は、それぞれ、本体2B上に固定され、本体2Bの外表面から突出している。
導体94、95は、Y軸方向(一方向)に沿って延在し、Y軸方向に対して垂直な方向(X軸方向)に間隔を隔てて並んで設けられている。
この導体94、95の構成材料としては、導電性を有するものであれば、特に限定されないが、導体96の構成材料と同様のものを用いるのが好ましい。
このような導体94の先端部と導体95の先端部との間には、棒状の絶縁体で構成された隙間形成体8Dが設けられている。
隙間形成体8Dは、一端が導体94に固着され、他端が導体95に固着されている。この固着の方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤による固着、嵌合による固着などが挙げられる。
また、隙間形成体8Dは、四角柱状をなしている。
この隙間形成体8Dの構成材料としては、測定対象物内で比較的安定して存在し得る絶縁性材料であれば、特に限定されないが、例えば、SiO、Si等の絶縁性セラミックス材料、PSF(ポリサルフォン)、PAI(プリアミドイミド)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の樹脂材料等を用いることができる。
このような隙間形成体8Dの外周には、長尺状の導体96が巻回されている。
導体96は、1対の導体94、95の一端部(先端部)同士の間に設けられ、1対の導体94、95同士を電気的に接続している。
この導体96は、一端部が導体94に半田等により固定され、他端部が導体95に半田等により固定されている。
このような導体96は、隙間形成体8Dとの間に導体96の隙間腐食を生じさせ得る隙間G4が形成された状態となる。これにより、電気抵抗体9Dの導体96を隙間腐食させることができる。
また、導体96にその長手方向に沿って引っ張り応力を生じさせることができる。特に、前述したように隙間形成体8Dの横断面が四角形をなしているので、隙間形成体8Dに巻回された導体96は、隙間形成体8Dの角部に対応する部分に生じる引っ張り応力を大きくすることができる。
このように、電気抵抗体9Dは、その表面の一部(具体的には導体96)に引っ張り応力を生じさせた状態で保持されている。これにより、電気抵抗体9Dの腐蝕速度を高めることができる。これは、電気抵抗体9Dの表面の引っ張り応力が生じた部分は原子間または分子間の結合が弱くなるため、電気抵抗体9Dの表面に不導体膜が形成されていても、その不導体膜が酸または塩化物イオンにより破壊されやすくなるからである。
以上説明したような第5実施形態に係るセンサー装置1Dによっても、コンクリート101の品質劣化を防止しつつ、測定対象物の状態を測定し、その測定結果に基づく情報を鉄筋102の腐食前の計画的または予防的な保全に活用することができる。
以上、本発明のセンサー装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明のセンサー装置では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、第1の電極および第2の電極、または、電気抵抗体が基板上に設けられた場合を例に説明したが、これに限定されず、例えば、第1の電極および第2の電極、または、電気抵抗体は、例えば、センサー装置の本体の封止樹脂で構成された部分の外表面上に設けてもよい。
また、前述した実施形態における第1の電極と同様の構成を電気抵抗体として用いることもできるし、前述した実施形態における電気抵抗体と同様の構成を第1の電極として用いることもできる。
また、前述した実施形態では測定情報をアクティブタグ通信により無線送信によりセンサー装置外部へ送信する場合を例に説明したが、これに限定されず、例えば、パッシブタグ通信を用いて情報をセンサー装置の外部へ送信してもよいし、有線により情報をセンサー装置の外部へ送信してもよい。
また、前述した実施形態では機能素子、電源、温度センサー、通信用回路、アンテナおよび発振器を本体内に収納し、これらを第1の電極および第2の電極とともに測定対処物であるコンクリート構造物100内に埋設する場合を例に説明したが、機能素子51、電源52、温度センサー53、通信用回路54、アンテナ55および発振器56を測定対象物の外部に設けてもよい。
1‥‥センサー装置 1A‥‥センサー装置 1B‥‥センサー装置 1C‥‥センサー装置 1D‥‥センサー装置 2‥‥本体 2A‥‥本体 2B‥‥本体 3‥‥第1の電極 3A‥‥第1の電極 4‥‥第2の電極 4A‥‥第2の電極 7‥‥比較用電極 8‥‥隙間形成体 8A‥‥隙間形成体 8B‥‥隙間形成体 8C‥‥隙間形成体 8D‥‥隙間形成体 9‥‥電気抵抗体 9D‥‥電気抵抗体 10‥‥固定部材 10a‥‥ボルト 10b‥‥ワッシャー 10c‥‥ワッシャー 10d‥‥ナット 21‥‥基板 21B‥‥基板 23‥‥絶縁層 23B‥‥絶縁層 24‥‥封止部 24B‥‥封止部 25‥‥保護膜 31‥‥凹部 33‥‥不動態膜 43‥‥不動態膜 51‥‥機能素子 51B‥‥機能素子 52‥‥電源 52B‥‥電源 53‥‥温度センサー 53B‥‥温度センサー 54‥‥通信用回路 54B‥‥通信用回路 55‥‥アンテナ 55B‥‥アンテナ 56‥‥発振器 56B‥‥発振器 61‥‥導体部 62‥‥導体部 61B、62B‥‥導体部 71B、72B‥‥配線 81‥‥貫通溝 82‥‥隙間形成体 83‥‥隙間形成体 84‥‥隙間形成体 91‥‥第1の部分(第1の導体) 92‥‥第1の部分(第1の導体) 93‥‥第2の部分(第2の導体) 94‥‥導体(第1の導体) 95‥‥導体(第1の導体) 96‥‥導体(第2の導体) 100‥‥コンクリート構造物 101‥‥コンクリート 102‥‥鉄筋 201‥‥演算増幅器 202‥‥演算増幅器 203‥‥演算増幅器 241‥‥開口部 241B‥‥開口部 331‥‥欠損部 511‥‥CPU 511B‥‥CPU 512‥‥変換回路 512B‥‥変換回路 513‥‥基板 514‥‥差動増幅回路 514B‥‥測定回路 514a‥‥トランジスタ 514b‥‥トランジスタ 514c‥‥トランジスタ 514d‥‥カレントミラー回路 515a‥‥層間絶縁膜 515b‥‥層間絶縁膜 516a‥‥導体部 516b‥‥導体部 516c‥‥導体部 516d‥‥導体部 516e‥‥導体部 516f‥‥導体部 G‥‥隙間 G1‥‥隙間 G2‥‥間隔 G3‥‥隙間 G4‥‥隙間

Claims (19)

  1. 第1の金属材料で構成された第1の電極と、
    前記第1の電極に対して離間して設けられ、第2の金属材料で構成された第2の電極と、
    前記第1の電極の表面の一部との間に前記第1の電極の隙間腐食を生じさせ得る隙間を形成して配置された隙間形成体と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との電位差を測定する機能を有する機能素子とを備え、
    前記第1の電極の表面は、前記隙間を介して前記隙間形成体に覆われた第1の領域と、前記隙間形成体に覆われていない第2の領域とを有しており、
    前記第1の領域は、前記第1の電極の一方向での一方側に偏在し、前記第2の領域は、前記第1の電極の前記一方向での他方側に偏在していることを特徴とするセンサー装置。
  2. 前記第2の領域の表面積は、前記第1の領域の表面積よりも大きい請求項1に記載のセンサー装置。
  3. 前記第1の電極は、前記一方向に沿って延在する長手形状をなす請求項1または2に記載のセンサー装置。
  4. 前記第1の電極および前記隙間形成体は、それぞれ、板状またはシート状をなし、互いに重ねられた状態で前記隙間形成体が前記第1の電極に対して固定されている請求項1ないし3のいずれかに記載のセンサー装置。
  5. 前記隙間形成体は、前記第1の金属材料と同種の金属材料で構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のセンサー装置。
  6. 前記隙間形成体は、絶縁性材料で構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のセンサー装置。
  7. 前記隙間形成体は、耐アルカリ性を有する請求項1ないし6のいずれかに記載のセンサー装置。
  8. 前記第1の金属材料は、前記測定部位の環境変化に伴って表面に不動態膜を形成するか、または、表面に存在した不動態膜を消失させる金属材料である請求項1ないし7のいずれかに記載のセンサー装置。
  9. 前記第1の金属材料は、鉄または鉄系材料である請求項8に記載のセンサー装置。
  10. 金属材料で構成された電気抵抗体と、
    前記電気抵抗体の表面の一部との間に前記電気抵抗体の隙間腐食を生じさせ得る隙間を形成して設けられた隙間形成体と、
    前記電気抵抗体の抵抗値を測定する機能を有する機能素子とを有し、
    前記電気抵抗体の表面は、前記隙間を介して前記隙間形成体に覆われた第1の領域と、前記隙間形成体に覆われていない第2の領域とを有し、
    前記第1の領域は、前記電気抵抗体の一方向での一方側に偏在し、前記第2の領域は、前記電気抵抗体の前記一方向での他方側に偏在していることを特徴とするセンサー装置。
  11. 前記第2の領域の表面積は、前記第1の領域の表面積よりも大きい請求項10に記載のセンサー装置。
  12. 前記電気抵抗体は、前記一方向に沿って延在し、前記一方向に対して垂直な方向に間隔を隔てて並んで設けられた1対の第1の導体と、前記1対の第1の導体の一端部同士の間に設けられ、前記1対の第1の導体同士を電気的に接続する第2の導体とを有し、
    前記第1の領域は、前記第2の導体に設けられている請求項10または11に記載のセンサー装置。
  13. 前記隙間形成体は、前記金属材料と同種の金属材料で構成されている請求項10ないし12のいずれかに記載のセンサー装置。
  14. 前記隙間形成体は、絶縁性材料で構成されている請求項10ないし12のいずれかに記載のセンサー装置。
  15. 前記隙間形成体は、耐アルカリ性を有する請求項10ないし14のいずれかに記載のセンサー装置。
  16. 前記金属材料は、前記測定部位の環境変化に伴って表面に不動態膜を形成するか、または、表面に存在した不動態膜を消失させる金属材料である請求項10ないし15のいずれかに記載のセンサー装置。
  17. 前記金属材料は、鉄または鉄系材料である請求項16に記載のセンサー装置。
  18. 請求項1ないし9のいずれかに記載のセンサー装置の前記第1の電極および前記第2の電極を測定対象物内に埋設するセンサー装置の設置方法であって、
    前記第1の電極を前記測定対象物内に埋設する際に、前記第1の領域側を前記第2の領域側よりも前記測定対象物の外表面側に位置するように、前記第1の電極を設置することを特徴とするセンサー装置の設置方法。
  19. 請求項10ないし17のいずれかに記載のセンサー装置の前記電気抵抗体を測定対象物内に埋設するセンサー装置の設置方法であって、
    前記電気抵抗体を前記測定対象物内に埋設する際に、前記第1の領域側を前記第2の領域側よりも前記測定対象物の外表面側に位置するように、前記電気抵抗体を設置することを特徴とするセンサー装置の設置方法。
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